(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】広告管理システム、広告管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q30/0241 446
(21)【出願番号】P 2023528790
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2021022638
(87)【国際公開番号】W WO2022264249
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】上田 真也
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-156856(JP,A)
【文献】特開2021-77146(JP,A)
【文献】特開2019-57245(JP,A)
【文献】特開2011-90348(JP,A)
【文献】特開2012-118623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0292720(US,A1)
【文献】安蒜 英章,「まち」のQoL向上を実現するスマートライフ・ビジネス,日立評論,日立評論社,2018年03月20日,第100巻 第2号,p.76-80,特に3.3 IoT機器によるデータ収集・分析・利活用の(4)SNS連携
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、
前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部と
を有し、
前記分析部は、前記投稿データに含まれる写真データが撮影された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求める
広告管理システム。
【請求項2】
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、
前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部と
を有し、
前記分析部は、投稿データに含まれる写真データの特徴と、前記広告に対応する画像の特徴との合致度を求める
広告管理システム。
【請求項3】
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、
前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部と
を有し、
前記分析部は、投稿データが投稿された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求める
広告管理システム。
【請求項4】
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、
前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部と、
前記広告を識別する識別情報と、当該広告に関連する少なくとも1つのキーワードとを記憶するキーワード記憶部とを有し、
前記分析部は、投稿データに含まれる文章から得られる文字列が、前記少なくとも1つのキーワードのうち一致する個数に基づいて、文章の合致度を求める
広告管理システム。
【請求項5】
前記合致度に応じた重みに基づいて、前記広告を表示することに対する価格を算出する処理部、
を有する請求項1
から請求項4のうちいずれか1に記載の広告管理システム。
【請求項6】
前記処理部は、前記合致度に基づいて、投稿データが広告枠におけるいずれの広告に対応するかを判定する
請求項
5に記載の広告管理システム。
【請求項7】
前記合致度に応じた重みに基づいて、前記広告を表示することに対する価格を算出する処理部をさらに備えることを特徴とする
請求項1から請求項
6のうちいずれか1項に記載の広告管理システム。
【請求項8】
コンピュータにより実行される広告管理方法であって、
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、
分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行
し、
前記合致度を求めることは、
前記投稿データに含まれる写真データが撮影された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求めることを含む
広告管理方法。
【請求項9】
コンピュータにより実行される広告管理方法であって、
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、
分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行
し、
前記合致度を求めることは、投稿データに含まれる写真データの特徴と、前記広告に対応する画像の特徴との合致度を求めることを含む
広告管理方法。
【請求項10】
コンピュータにより実行される広告管理方法であって、
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、
分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行
し、
前記合致度を求めることは、投稿データが投稿された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求めることを含む
広告管理方法。
【請求項11】
コンピュータにより実行される広告管理方法であって、
ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、
分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行
し、
前記合致度を求めることは、投稿データに含まれる文章から得られる文字列が、前記広告を識別する識別情報と、当該広告に関連する少なくとも1つのキーワードとを記憶するキーワード記憶部に記憶された、前記少なくとも1つのキーワードのうち一致する個数に基づいて、文章の合致度を求めることを含む
広告管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告管理システム、広告管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙媒体による広告が行われていたが、ディスプレイ上に広告を表示させるデジタルサイネージによる広告が主流になりつつある。広告を表示したい者(広告委託者)は、施設等にディスプレイを設置している管理者(施設の管理者等)やそれを仲介する広告代理店等に広告料を支払うことで、ディスプレイ上に広告を表示してもらう。
広告の単価は、広告を表示する時間帯とディスプレイが設置された場所(広告枠)によって決まる。この広告の単価は、ディスプレイが設置された場所における、人通りの多さや、曜日等の情報から決まることが多い。人通りが多い場所の方が、広告を見てもらえる期待度が高いため、広告の単価も高い傾向にある。また、ディスプレイ保有者は、広告枠の単価を決めるためには、人通りの多さや曜日の情報等のように主観的な要素を用いることになってしまう。
【0003】
ここで、広告主は、一通りが多い場所に設置されたディスプレイに広告を表示させた場合、一通りが多いため、広告を見てもらえる人も多くなることが期待できる。しかし、多くの人が通ったとしても、実際にどの程度の人に広告を見てもらえたかについては、把握できていない。
そこで、撮像装置を用いディスプレイの周囲の人を撮像し、その撮像画像から顔画像を抽出し、広告を閲覧しているか否か、閲覧している時間等を計測することによって、広告の閲覧状況を定量的に求めるシステムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなシステムでは撮像装置を設ける必要がありディスプレイの数が多い場合には、撮像装置の数も増やさなければならなくなり、また、撮像画像から視聴状態を分析する処理も複雑になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部とを有し、前記分析部は、前記投稿データに含まれる写真データが撮影された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求める広告管理システムである。
本発明の一態様は、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部とを有し、前記分析部は、投稿データに含まれる写真データの特徴と、前記広告に対応する画像の特徴との合致度を求める広告管理システムである。
本発明の一態様は、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部とを有し、前記分析部は、投稿データが投稿された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求める広告管理システムである。
本発明の一態様は、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または前記広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する取得部と、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、前記広告に応じた広告要素と、の合致度を求める分析部と、前記広告を識別する識別情報と、当該広告に関連する少なくとも1つのキーワードとを記憶するキーワード記憶部とを有し、前記分析部は、投稿データに含まれる文章から得られる文字列が、前記少なくとも1つのキーワードのうち一致する個数に基づいて、文章の合致度を求める広告管理システムである。
【0007】
また本発明の一態様は、コンピュータにより実行される広告管理方法であって、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行し、前記合致度を求めることは、前記投稿データに含まれる写真データが撮影された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求めることを含む広告管理方法である。
また本発明の一態様は、コンピュータにより実行される広告管理方法であって、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行し、前記合致度を求めることは、投稿データに含まれる写真データの特徴と、前記広告に対応する画像の特徴との合致度を求めることを含む広告管理方法である。
また本発明の一態様は、コンピュータにより実行される広告管理方法であって、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行し、前記合致度を求めることは、投稿データが投稿された時間または場所のうち少なくともいずれか一方と、前記広告の広告枠または前記広告を表示する表示装置の場所のうち少なくともいずれか一方との合致度を求めることを含む広告管理方法である。
また本発明の一態様は、コンピュータにより実行される広告管理方法であって、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうちすくなくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する処理を実行し、分析部が、前記取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める処理を実行し、前記合致度を求めることは、投稿データに含まれる文章から得られる文字列が、前記広告を識別する識別情報と、当該広告に関連する少なくとも1つのキーワードとを記憶するキーワード記憶部に記憶された、前記少なくとも1つのキーワードのうち一致する個数に基づいて、文章の合致度を求めることを含む広告管理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置を用いることなく、また、撮像画像に基づく複雑な処理を行うことなく、広告の視聴状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】広告管理システム1の構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】分析サーバー30と広告サーバー40のそれぞれの機能を示す概略ブロック図である。
【
図3】SNS情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】配信スケジュールテーブルの一例を示す図である。
【
図7】広告管理システム1の全体の流れを説明するフローチャートである。
【
図8】文章分析結果テーブルの一例を示す図である。
【
図9】写真分析結果テーブルの一例を示す図である。
【
図11】広告枠番号判定テーブルの一例を示す図である。
【
図12】判定後の広告枠テーブルの一例を示す図である。
【
図13】他の実施形態における広告管理システム1Aの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による広告管理システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による広告管理システム1の構成を示す概略ブロック図である。広告管理システム1は、複数の端末(端末10a、端末10b、端末10c)、SNSサーバー20、分析サーバー30、広告サーバー40、配信サーバー50、PC60、ディスプレイ70、広告主端末80を含む。
【0011】
複数の端末(端末10a、端末10b、端末10c)は、それぞれ、SNSサーバー20に対して、無線や有線等を介して通信可能に接続される。
これら端末10a、端末10b、端末10cは、ユーザが利用する端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレットであってもよい。ここで、端末としては、端末10a、端末10b、端末10cについて図示されているが、端末が4つ以上であってもよい。また、端末10a、端末10b、端末10cを特に識別しない場合には、単に端末10と称する場合がある。
【0012】
端末10は、タッチパネル等の入力装置を介してユーザから入力される投稿データを入力し、SNSサーバー20に送信する機能を有する。SNSサーバー20に送信された投稿データは、SNSサーバー20に蓄積される。
また、端末10は、SNSサーバー20から送信される、他の端末10が投稿した投稿データを受信して出力する機能を有する。投稿データの出力は、端末10の表示画面に表示したり、端末10のスピーカから音声を出力することができる。また、端末10は、カメラ機能を有しており、撮像された写真に応じた画像データを生成し、投稿データに含めてSNSサーバー20へ送信することができる。
【0013】
SNSサーバー20は、複数の端末10と分析サーバーとに通信可能に接続される。SNSサーバー20は、端末10から投稿されたコメントデータを、投稿した端末10とは別の他の端末10に対して配信する。コメントデータは、テキストデータ、画像データのうち少なくともいずれか1つを含む。画像データは、カメラによって撮影された写真のデータである。
【0014】
次に、
図2を用いて、分析サーバー30と広告サーバー40とについて説明する。
図2は、分析サーバー30と広告サーバー40のそれぞれの機能を示す概略ブロック図である。
分析サーバー30は、SNSサーバー20と広告サーバー40とに通信可能に接続される。分析サーバー30は、SNSサーバーに投稿されたコメントを分析する。分析サーバー30は、SNS取得部301と、SNS分析部302と、SNS情報テーブル記憶部303とを含む。
SNS取得部301は、SNSサーバー20と通信をすることによって接続し、SNSサーバー20から、投稿データを取得する。
SNS分析部302は、SNS取得部301によって取得された投稿データを分析し、分析結果をSNS情報テーブル記憶部303に記憶する機能、分析結果を広告サーバー40へ出力する機能を有する。
【0015】
SNS情報テーブル記憶部303は、SNS情報テーブルを記憶する。
図3は、SNS情報テーブル記憶部303に記憶される、SNS情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
SNS情報テーブルは、SNS番号、投稿時間、投稿場所、写真時間、写真場所、文章、写真の項目を含む。
SNS番号は、投稿されたデータをそれぞれ識別する識別情報である。投稿時間は、端末10によって投稿データが送信された時間を示す。この投稿時間は、SNSサーバー20が端末10から投稿データを受信した時間を用いてもよい。投稿場所は、端末10が投稿データを投稿したときの端末10の現在位置を示す位置情報が用いられる。例えば、端末10は、測位機能を有しており、投稿データを投稿する際に、測位機能によって得られる位置情報を投稿場所として投稿データに含め、送信する。この測位機能としては、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いるようにしてもよい。
写真時間は、写真が撮影された時刻を示す。写真場所は、端末10によって写真が撮像した際に測位機能によって得られる位置情報が画像に対して付与されたデータである。写真場所は、例えば、Exif(Exchangeable Image File Format)情報として画像データに付与することができる。
文章は、投稿データの中に文章が含まれるか否かを示す。写真は、投稿データの中に写真データが含まれるか否かを示す。ここで、端末10から送信された投稿データは、SNSサーバー20によってSNS番号が付与され、SNSサーバー20内に記憶される。ここでは、SNS番号によって、SNS情報テーブルと投稿データとが関連付けされる。
【0016】
ここで、SNS情報テーブルでは、投稿された内容が1組のデータとして管理されるため、投稿時間と写真時間とが一致していなかったり、投稿場所と写真場所とが一致していなかったりしても、1つのデータとして管理することができる。
また、SNSにおいてユーザから投稿される内容には、文章がなく写真のみの場合や、文章はあるが写真がない場合もある。このような投稿データにおいて、文章がない場合には、SNS情報テーブルにおいて、文章がないことを示すデータが記憶され、投稿データにおいて写真がない場合には、SNS情報テーブルにおいて、写真がないことを示すデータが記憶される。
【0017】
広告サーバー40は、分析サーバー30と配信サーバー50とに接続される。
広告サーバー40は、処理部401と、広告データベース402と、広告枠設定部403とを含む。
処理部401は、SNS分析部302から分析結果を取得する機能、分析結果を基に得られた分析結果を処理する機能、広告サーバー40を制御する機能等を有する。広告データベース402は、広告委託者から得られた広告データを記憶する。広告データは、広告主(広告委託者)によって配信が依頼され、広告データベース402に記憶される。広告データベース402には、例えば、広告枠テーブルと、広告テーブルが記憶される。
【0018】
図4は、広告サーバー40の広告データベース402に記憶される広告枠テーブルの一例を示す図である。広告枠テーブルは、広告枠番号、スケジュール開始時間、スケジュール終了時間、場所、重み、単価、重み加算後の単価の項目を含む。
広告枠番号は、広告枠を識別する識別情報である。スケジュール開始時間は、広告を配信する開始時間を表す。スケジュール終了時間は、広告の配信を終了する終了時間を表す。場所は、広告を配信する対象のディスプレイ70が設置された場所を表す。重みは、単価に対する重みを表す。単価は、広告の配信にかかる単価を表す。
重み加算後の単価は、単価と重みとに基づいて計算を行った後の単価を表す。例えば、重み加算後の単価は、単価に重みを乗算することによって求まる。広告枠テーブルにおいて、スケジュール開始時間、スケジュール終了時間、場所、単価については、広告委託者と広告代理店との間の契約によって定められる。重みは、初期値(例えば、「1.0」)が登録される。
【0019】
例えば、広告番号「P1」については、スケジュール開始時間が「2020年7月1日 12:00」であり、スケジュール終了時刻が「2020年7月1日 12:20」であり、「新宿駅西口」に設置されたディスプレイ70に対して配信されることを表しており、その単価は「1000」(円)とされている。重みは、「1.0」が登録されており、重み加算後の単価は、「1000」(円)である。
【0020】
図5は、広告サーバー40に記憶される広告テーブルの一例を示す図である。
広告には、それぞれ、メタタグが設定される。
広告テーブルは、広告番号、メタタグ(メタタグ1からメタタグ3)、広告時間との項目を含む。ここでは、メタタグの項目には、3つのメタタグを設定する場合について図示されているが、1つ、2つ、4つ以上のうちいずれかであってもよい。メタタグには、例えば、広告に関連する単語が用いられる。広告番号「C1」には、メタタグ1「化粧」、メタタグ2「女性」、メタタグ3「美白」、広告時間「1:30」が対応づけられている。このようにして、各広告に対してどのようなメタタグが関連付けられているかを把握できるようになっている。投稿データに含まれる文章に、これらのメタタグに合致するキーワードが含まれる場合には、合致度を計算する。
【0021】
広告枠設定部403は、広告枠の設定を行う。広告枠設定部403は、広告データを配信する広告枠を生成する。広告枠は、広告データを配信する時間帯を規定するデータである。広告枠設定部403は、広告データベース402から広告データを読み出す機能、分析サーバー30の分析結果に基づいて、単価を設定し、広告枠の設定をする機能を有する。広告枠設定部403は、広告データと広告枠を配信サーバー50に送信する。
【0022】
図1に戻り、配信サーバー50は、広告サーバー40とPC(コンピュータ)60とに接続される。配信サーバー50は、設定された広告枠のスケジュールに従い、PC60などを介してディスプレイ70へ広告データを配信する。
図6は、配信サーバー50に記憶される配信スケジュールテーブルの一例を示す図である。配信スケジュールテーブルは、配信番号、広告枠番号、広告番号、配信ステータスの項目を含むデータである。配信番号は、配信の管理対象を識別する識別情報である。配信ステータスは、配信状況を表す。例えば、配信番号「D1」については、配信枠番号「P1」において、広告番号「C1」の広告データが配信中(配信ステータスが「配信中」)であること示している。
【0023】
PC60は、配信サーバー50とディスプレイ70とに接続される。PCは、例えば、コンピュータである。PC60は、配信サーバー50から受信した広告データをディスプレイ70に出力する。
【0024】
ディスプレイ70は、PC60に接続される。ディスプレイ70は、広告データに含まれる映像信号を表示画面に表示する。またディスプレイは、広告データに音声信号が含まれる場合にはスピーカから音声信号を出力する。ディスプレイ70は、公共の場所や駅前等に設置される。ディスプレイから出力される広告データの映像信号や音声信号は、複数のユーザが視聴可能である。
この図において、ディスプレイ70は、1つであるが、1つのPC60に複数台のディスプレイ70が接続されてもよいし、PC60が複数ある場合には、各PC60に対して、少なくとも1つのディスプレイ70が接続されてもよい。
分析サーバー30、広告サーバー40、配信サーバー50、PC60、ディスプレイ70は、例えば、広告代理店によって運用の管理が行われる。
【0025】
広告主端末80は、広告主によって利用される。広告主端末80は、広告サーバー40に通信可能に接続される。広告主端末80は、広告代理店等と広告枠の利用に関する契約を締結し、広告枠に表示する対象の広告データを広告サーバー40に送信する。また、広告主端末80は、後述する広告テーブルに必要な情報を、オペレータの操作入力に応じて広告サーバー40に送信する。また、広告主端末80は、広告サーバー40から送信されるデータを受信し、表示画面に表示する。この広告主端末80は、複数台設けられてもよい。例えば、広告主が複数いる場合には、各広告主に対して、それぞれ広告主端末80が利用可能に所有されてもよい。広告主端末80は、スマートフォン、タブレット、コンピュータ等のうちいずれかであってもよい。
【0026】
次に、
図7のフローチャートを用いて広告管理システム1の全体の流れを説明する。ここでは、広告委託者と広告代理店との間において、事前に契約が締結され、その契約に基づき配信のスケジュールが決められる。
〈ステップS01〉
広告代理店は、契約内容に応じた、広告の単価、広告の配信場所、広告を配信する時間等を含む広告枠テーブルを作成し、広告サーバー40の広告枠データベースへ書き込む。広告サーバー40は、広告代理店の操作者の操作入力に応じて、広告枠テーブルを広告枠データベースに記憶する。
【0027】
〈ステップS02〉
配信サーバー50は、広告主と広告配信者との間の契約等に応じて、配信スケジュールデータベース(
図6)に広告データベースに記憶された広告テーブル(
図5)の広告番号と、広告枠データベース(
図4)の広告枠番号を関連付けることで、連動させておく。例えば、配信サーバー50は、配信番号「D1」に対して、広告番号「C1」を書き込むことで、広告テーブルにおける広告番号「C1」と関連づけされる。
【0028】
〈ステップS03〉
分析サーバー30のSNS取得部301は、SNSサーバー20から、フィルタリング処理をすることによって、条件に合った投稿データ(ここでは、文章と画像)を取得し、SNS情報テーブル記憶部303に記憶する(ステップS03)。SNS取得部301は、広告テーブルに記憶されたメタタグのうち少なくともいずれか1つに一致する単語を含む投稿データである場合には、条件に合う投稿データであると判定し、SNS情報テーブル記憶部303に記憶する。また、SNS取得部301は、投稿データに含まれる写真について画像認識を行い、認識結果に基づいて、条件に合う(例えば広告に関連性のある写真を含む)投稿データである場合には、SNS情報テーブル記憶部303に記憶する。ここでは、SNS取得部301は、条件にあう投稿データについて、文章が含まれる場合には、文章を「あり」とし、文章がない場合には、「なし」としてSNS情報テーブル記憶部303に記憶し、写真が含まれる場合には、写真を「あり」とし、写真がない場合には、「なし」としてSNS情報テーブル記憶部303に記憶する。
【0029】
〈ステップS04〉
SNS分析部302は、SNS情報テーブル記憶部303に記憶されたSNS情報テーブルを参照し、対応するSNS番号の投稿データに対して、投稿データ内の文章と画像の有無に基づいて、分析対象を文章とするか、写真とするかの判定を行う。
SNS分析部302は、SNS情報テーブルにおいて、文章が「あり」であって写真が「なし」である投稿データである場合には、ステップS05に処理を進め、文章が「なし」であって写真が「あり」である投稿データである場合には、ステップS08に処理を進める。SNS分析部302は、文章と写真について両方「あり」である場合には、ステップS05からステップS07とステップS08からステップS10との両方を行うようにしてもよい。
【0030】
〈ステップS05〉
SNS分析部302は、分析対象が文章であると判定された場合には(ステップS04-文章)、SNS情報テーブルよりSNS番号と、このSNS番号に対応する投稿データと取り出し、分析をする。
【0031】
〈ステップS06〉
SNS分析部302は、取り出した投稿データの文章において、広告テーブルに記憶されたメタタグがいくつ合致するかを、広告テーブルにおける広告番号に対応するメタタグの組み合わせについて判定するともに、合致度を判定する。
例えば、SNS分析部302は、投稿データに含まれる文章について言語解析を行うことで文字列(例えば単語)を抽出し、抽出された単語がメタタグと一致するか否かを判定する。例えば、メタタグが「甘い」であり、文章に「甘い」が含まれていれば、「甘い」が合致すると判定する。また、メタタグが「甘い」であり、文章に「甘さ」が含まれていれば、「甘い」と「甘さ」の関連性に基づいて、関連性がある場合に、「甘さ」についても合致すると判定してもよい。
そして、SNS分析部302は、合致した個数に基づいて、文章の合致度に応じた重みを下記の(1)式に基づいて計算する。
【0032】
(文章合致の重み)=(合致メタタグの個数)÷(設定したメタタグの個数)・・・(1)
【0033】
ここで、「合致メタタグの個数」は、広告テーブルにおける1つの広告番号に対応するメタタグのうち、投稿データの文章に含まれる単語と一致した個数である。
ここで、「設定したメタタグの個数」は、広告テーブルにおける1つの広告番号に対応するメタタグの個数である。
例えば、投稿データに「甘いものが食べたい」という文章が含まれている場合、C2に示す広告番号における各メタタグのうち、「甘い」のメタタグが一致するため、投稿データが文章合致の重みは、「1÷3」によって求めることができる。
【0034】
〈ステップS07〉
SNS分析部302は、合致度に合わせた重みが求まると、文章に対する分析を行った結果である文章分析結果テーブルを生成し、広告サーバー40の処理部401に送信する。
ここで、
図8は、文章分析結果テーブルの一例を示す図である。文章分析結果テーブルは、SNS番号と、文章と、合致度と、重みを含む。文章分析結果テーブルとSNS情報テーブルは、SNS番号によって関連付けされる。
文章は、SNS番号に示す投稿データに文章があるか否かを示す。合致度は、上述の式(1)で求まる値である。重みは、例えば下記の(2)式に基づいて求められる値であり、合致度に応じて決まる値である。合致度が30%である場合、重みは0.3として求まる。
(文章の合致度に対する重み)=(文章の合致度)/100・・・(2)
この文章分析結果テーブルは、SNS番号毎に1行のデータが生成される。
分析対象である各投稿データに対して合致度と重みを求めると、SNS分析部302は、SNS情報テーブル記憶部303に記憶された文章分析結果テーブルを広告サーバー40の処理部401に送信する。
【0035】
〈ステップS08〉
一方、SNS分析部302は、分析対象が写真であると判定された場合には(ステップS04-写真)、SNS情報テーブルよりSNS番号と、このSNS番号に対応する投稿データと取り出し、分析をする。
【0036】
〈ステップS09〉
SNS分析部302は、広告データに含まれる画像と投稿データに含まれる写真との合致度を、画像解析を行うことによって求める。広告データに含まれる画像は、広告として表示される画像であってもよいし、広告テーブルに、分析用の画像を予め記憶しておき、この分析用画像と投稿データに含まれる写真との合致度を求めるようにしてもよい。合致度は、画像の特徴量や、色、写真に写っている物(あるいは人物等)等が合致する度合いであってもよい。
【0037】
〈ステップS10〉
SNS分析部302は、合致度に合わせた重みが求まると、写真に対する分析を行った結果である写真分析結果テーブルを生成し、広告サーバー40の処理部401に送信する。
ここで、
図9は、写真分析結果テーブルの一例を示す図である。写真分析結果テーブルは、
図SNS番号と、写真と、合致度と、重みを含む。写真分析結果テーブルとSNS情報テーブルは、SNS番号によって関連付けされる。
写真は、SNS番号に示す投稿データに写真があるか否かを示す。合致度は、広告データに含まれる画像と投稿データに含まれる写真との画像の合致度合いを示す値である。重みは、合致度に応じて決まる値である。合致度が70%である場合、重みは0.7として求まる。
この写真分析結果テーブルは、SNS番号毎に1行のデータが生成される。
画像の合致度を求めると、SNS分析部302は、画像の合致度に合わせて重みを生成し、写真分析結果テーブルを広告サーバー40の処理部401に送付する。写真の合致度に対する重みは、下記の(3)式によって求めることができる。
(写真の合致度に対する重み)=(広告画像と写真の合致度)/100・・・(3)
【0038】
分析対象である各投稿データに対して合致度と重みを求めると、SNS分析部302は、SNS情報テーブル記憶部303に記憶された写真分析結果テーブルを広告サーバー40の処理部401に送信する。
【0039】
〈ステップS11〉
広告サーバー40の処理部401は、文章分析結果テーブルと写真分析結果テーブルとをSNS分析部302から受信すると、文章分析結果テーブルの結果と写真分析結果テーブルとを、重み計算テーブルに入力することによって、写真と文章の重み値から合計の重み値を計算する。
【0040】
図10は、重み計算テーブルの一例を示す図である。重み計算テーブルは、SNS番号、文章重み、写真重み、合計重み、の項目を含む。重み計算テーブルは、処理部401の内部の記憶領域に記憶されてもよいし、広告サーバー40内の記憶領域に記憶されてもよい。合計重みは文章重みと写真重みとの合計値である。合計重みは、下記の(4)式に基づいて求めることができる。
(合計重み)=((文章合致の重み)+(写真合致の重み))÷100+重みの初期値・・・(4)
例えば、SNS番号「I1」については、文章重みが「30」、写真重みが「0」であり、その合計重みは、「1.3」である。なお、このSNS番号「I1」の重みの初期値は、「1.0」である。
【0041】
〈ステップS12〉
処理部401は、SNS分析部302からの結果を広告枠番号判定テーブルに加入する。
ここで、
図11は、広告枠番号判定テーブルの一例を示す図である。
広告枠番号判定テーブルは、時間合致度、場所合致度、合計重み、広告枠番号判定の項目を含む。
SNS番号、投稿時間、投稿場所、写真時間、写真場所については、SNS情報テーブルにおける対応する項目のデータが用いられる。
SNS番号「I1」の行が示すデータでは、投稿時間が「2020/07/01 12:10」であり、投稿場所が「新宿駅西口」である。写真時間と写真場所のデータはブランクであるため、投稿データには写真が含まれていないことを表している。
【0042】
処理部401は、時間合致度と場所合致度とについて、SNS情報テーブルを参照し、場所と時間の合致度を求め、広告枠番号判定テーブルの時間合致度と場所合致度とに求められた値を加える。ここでは、処理部401は、時間合致度と場所合致度とのうち少なくともいずれか一方を求めるようにしてもよい。
時間合致度は、投稿時間または写真時間のうち少なくともいずれか一方が、広告枠テーブルにおけるスケジュール開始時間とスケジュール終了時間との間に該当するか否かに応じた値が用いられる。例えば、処理部401は、投稿時間が、広告枠テーブルにおけるスケジュール開始時間とスケジュール終了時間との間に該当する場合には、時間合致度を「100%」として求め、該当しない場合には時間合致度を「0%」として求める。これは、投稿データが投稿された時間が、広告枠に該当する場合には、時間合致度が100%となり、広告枠に表示された広告を見たことに起因してユーザが投稿データを投稿した可能性があることを示している。また、投稿データに含まれる写真時間が広告枠に該当する場合には、広告枠に表示された広告を見たことに起因して写真を撮影し、投稿データを投稿した可能性があることを示す。時間合致度が「0%」である場合には、時間的な観点においては、広告を見たことに起因せずに投稿された可能性がある投稿データであることが解る。
【0043】
場所合致度は、投稿データに含まれる投稿場所が、広告枠テーブルにおける場所に該当するか否かに応じた値が用いられる。例えば、処理部401は、投稿データに含まれる投稿場所が、広告枠テーブルにおける場所に該当する場合には、場所合致度を「100%」として求め、該当しない場合には場所合致度を「0%」として求める。これは、投稿データが投稿された場所が、広告枠における場所に該当する場合には、広告枠に表示された広告を見たことに起因して、広告を視聴可能な場所またはその近傍から、ユーザが投稿データを投稿した可能性があることを示している。この場合、投稿データにおいて写真がなく文章のみが合致する場合よりも、投稿データにおける写真があり写真の合致度がある程度高い場合の方が、実際にユーザが広告を視聴していたといえる可能性が高い。また、広告に対してユーザが関心を持っていたと推定することもできる。そのため、文章のみ含まれた投稿データよりも写真が含まれた投稿データの方が、重みの値が大きくなるように設定してもよい。
【0044】
合計重みは、重み計算テーブルに記憶された値を用いることができる。ここでは、処理部401は、合計重みを、重み計算テーブルに記憶された値をそのまま用いてもよいし、メタタグの投稿データにおける写真のありなし、広告画像と写真との合致度等の判定を行い、その判定結果に応じて、重み計算テーブルに記憶された値を補正し、その補正後の値を合計重みとしてもよい。
合計重みを補正する場合、メタタグの文字列と投稿データに含まれる文章の文字列との合致度に基いて、合計重みを補正してもよい。他には、合計重みを補正する場合、広告画像と投稿データに含まれる写真との合致度に基づいて、合計重みを補正してもよい。
例えば、SNS番号「I1」については、写真がない投稿データであるが、広告枠の時間帯(スケジュール開始時間からスケジュール終了時間までの間)において、広告データのメタタグに対応する文字列が含まれた投稿データがある場合には、広告データが表示された際に表示された商品に対する投稿である可能性がある。また、広告そのものの商品に対する投稿ではなかったとしても、投稿データの文章に含まれる文字列がメタタグの文字列と一致していれば、広告に興味を持っている、または興味を持つ可能性があるユーザが、広告が再生された場所にいたと推定することができる。ここでは、投稿時間と投稿場所が合致していても、文章を投稿しただけである場合(写真がない場合)には、本当にその場所で広告を見がことに起因して投稿したという可能性が必ずしも高いわけではない。この場合、合計重みを少ない値に補正してもよい。
【0045】
また、メタタグが「甘い」であり、文章に「甘さ」が含まれている場合には、「甘い」と「甘さ」の合致度に応じて、合計重みを補正してもよい。
また、SNS番号「I3」については、写真がある投稿データであるが、広告画像と写真との画像における合致度がある程度低い場合には、加算対象に対する影響をやや低くするようにしてもよい。すなわち、写真時間や写真場所が合致していても、写真を撮像した対象が広告のみ(あるいは広告に関連する物)を撮影したものではなく、他の被写体も含まれている場合には、合計重みを少ない値に補正してもよい。
【0046】
広告枠番号判定の項目は、SNS番号が示す投稿データが、広告枠番号が示す広告のうち、関連性が高い広告の広告枠番号を表す。
処理部401は、広告枠番号判定テーブルを参照し、時間合致度と場所合致度とのうち少なくともいずれか一方と、写真のありなしの判定と、文章の合致度とに基づいて、合計重みの値を求める。例えば、広告枠番号判定テーブルにおいて、SNS番号「I1」については、投稿時間と投稿場所の組み合わせが、広告枠テーブルにおける広告枠番号「P1」におけるスケジュール開始時間とスケジュール終了時間との間及び場所の組み合わせに対応しているため、SNS番号「I1」の投稿データについては、広告枠テーブルにおける広告枠番号「P1」に対して関連性が最も高いと判定する。これにより、処理部401は、SNS番号「I1」における広告枠番号判定には、「P1」を書き込む。
【0047】
ここで、広告枠番号判定テーブルにおいて、SNS番号「I1」とSNS番号「I3」についてさらに説明する。広告枠番号判定テーブルにおいて、SNS番号「I3」は、投稿時間が「12:25」であり投稿場所が「池袋駅東口」であるが、広告枠テーブルでは、「池袋駅東口」であって、「12:25」を広告枠の時間に含む広告枠データがない。しかしながら、SNS番号「I3」における写真時間が「12:17」であって写真場所が「池袋駅東口」であり、広告枠テーブルにおいては、「12:17」をスケジュール時間(スケジュール開始時間からスケジュール終了時間までの期間)に含み、場所が「池袋駅東口」である広告枠番号がP2のデータが合致するため、処理部401は、その広告枠番号「P2」が選定する。そして処理部401は、広告枠番号判定テーブルのSNS番号「I3」における広告枠番号判定のデータに「P2」を書き込む。これにより、処理部401は、投稿データがどの広告を見て投稿されたかについて推定し、その推定結果を記憶することができる。
【0048】
なお、このような重みは、同じ時間帯であっても、広告毎に異なるようにしてもよい。例えば、11時から12時の時間帯において、広告番号「C1」の重みよりも広告番号「C3」の重みが大きくなるように設定することができる。
【0049】
なお、広告枠番号判定テーブルにおいて、文章と写真の合計の合致度が0%である行については、削除してもよい。
【0050】
〈ステップS13〉
処理部401は、契約期間中の広告枠番号判定テーブルに格納された重み値を、広告枠テーブルにおける広告枠番号に対応する重みへ入れる。
図12は、広告枠番号判定テーブルに格納された重みを広告枠テーブルへ格納した場合の広告枠テーブルの一例を示す図である。
広告枠番号の判定が行われた後の広告枠テーブル(以後、判定後の広告枠テーブルとも称する)は、広告枠番号、スケジュール開始時間、スケジュール終了時間、場所、重み、単価、重み加算後の単価とを含む。処理部401は、広告枠番号判定テーブルにおける合計重みの値を、広告枠テーブルの重みに書き込む。この図においては、広告枠P1の重みが「1.0」から「1.3」に更新され、広告枠P2の重みが「1.0」から「3.9」に更新され、広告枠P3の重みが「1.0」のままである場合が示されている。処理部401は、重みを更新すると、更新後の重みと、単価とに基づいて、重み加算後の単価を求める。ここでは、広告枠P1の重み加算後の単価が「1000」から「1300」に更新され、広告枠P2の重み加算後の単価が「1000」から「3900」に更新され、広告枠P3の重み加算後の単価は「1000」のままである。
【0051】
処理部401は、判定後の広告枠テーブルのうち、広告枠番号に対応する広告を出稿した広告主に対して、その広告主が依頼した広告についての広告枠番号、重み、単価、重み加算後の単価のデータを効果測定結果として送信するようにしてもよい。ここでは、広告番号、スケジュール開始時間、スケジュール終了時間等も送信するようにしてもよい。効果測定結果が送信される送信タイミングは、一定時間毎であってもよいし、重みまたは重み加算後の単価が更新される毎であってもよい。効果測定結果を広告主端末80に送信するようにしたので、広告主に対して重みと単価の関係を知らせることが可能となる。
【0052】
広告主端末80は、広告サーバー40から送信されたデータを受信すると、表示画面に表示する。これにより、広告主は、重み等を参照することによって、自身が出稿した広告について、ユーザに対してどの程度興味を持ってもらえたかを把握することが可能となる。また、重み加算後の単価を参照することで、現在の単価を把握することができる。また、重みを把握できることから、広告主は、単価がどのようにして決まったかを把握することができる。
【0053】
〈ステップS14〉
処理部401は、配信スケジュールに応じた契約期間が満了したかを判定する。処理部401は、契約期間が満了した場合は処理を終了し、契約期間が満了していない場合には処理をステップS15に進める。処理を終了した場合であっても、判定後の広告枠テーブルに記憶されたデータが保存されるため、判定後の広告枠テーブルに記憶された重み加算後の単価に基づいて、広告委託者は、広告代理店に広告費用を支払うことができる。
〈ステップS15〉
処理部401は、契約期間が満了していなければ、広告の10回分の時間を待機した後、処理をステップS03へ移行する。
【0054】
図13は、他の実施形態における広告管理システム1Aの構成を示す概略ブロック図である。
広告管理システム1Aは、取得部31、分析部41を含む。
取得部31は、ユーザの端末装置から投稿された投稿データのうち、広告を表示する表示装置が設置された場所または広告が表示される期間を示す広告枠のうち少なくともいずれか一方に対応する投稿データを取得する。分析部41は、取得された投稿データから得られる投稿要素と、広告に応じた広告要素と、の合致度を求める。
【0055】
合致度を求めることによって、合致度が高い程、ユーザから投稿される投稿データを元にして、広告の効果の高さを把握することができる。また、合致度が高い投稿データの件数が多ければ、それだけ多くのユーザに広告を見てもらえた、あるいは関心を持ってもらうことができたことが解る。また、投稿内容が広告と直接的な関係がなかったとしても、広告を見たことに起因して投稿しているとも考えられるため、広告を視聴してもらえたと考えることができる。投稿データを投稿する行動は、ユーザの主体的動作であり、この主体的動作を元に広告効果を集計できる点においてメリットがある。
【0056】
以上説明した実施形態によれば、SNSを用いたユーザの主体的動作を取り込んで分析するようにしたので、広告を視聴したことに起因して行われた動作であると推定された結果を用いた、広告の効果を行うことができる。
また、上述した実施形態によれば、広告委託者のニーズに応え、広告内容に応じた最適な広告枠をSNSを使用して最適な広告効果が得られる広告枠を判断し、広告の内容に応じ、広告をスケジューリングすることも可能となる。
【0057】
また、上述した実施形態によれば、投稿データに基づいて広告枠との関係性をリアルタイムで把握することで、広告の効果測定を行うことが可能である。また、投稿データに基づいて広告枠との関係性を考慮した重みを用いることで、広告効果を考慮した単価を求めることができる。
そのため、広告代理店は、同業他社との差別化施策としてSNSが拡散されやすい広告枠をリサーチすることができ、広告に関係性のある投稿データがSNSによって拡散されることも広告効果として把握可能なサービスとして提供することができる。広告委託者においても、SNSによって広告に関連する内容が拡散されやすい広告枠を取得することも可能となり、高い広告効果を得ることができる。そのため、広告代理店と広告委託者との双方に利益があるといえる。
【0058】
また、
図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより施工管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0059】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記のプログラムを所定のサーバーに記憶させておき、他の装置からの要求に応じて、当該プログラムを通信回線を介して配信(ダウンロード等)させるようにしてもよい。
【0060】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1,1A・・・広告管理システム、10,10a,10b,10c・・・端末、20・・・SNSサーバー、30・・・分析サーバー、31・・・取得部、40・・・広告サーバー、41・・・分析部、50・・・配信サーバー、70・・・ディスプレイ、80・・・広告主端末、301・・・SNS取得部、302・・・SNS分析部、303・・・SNS情報テーブル記憶部、401・・・処理部、402・・・広告データベース、403・・・広告枠設定部