(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】エアロゾル形成基体用の区画を有する再使用可能なエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20241024BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20241024BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241024BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241024BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/465
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2023532368
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2021082834
(87)【国際公開番号】W WO2022112337
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-26
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ベッソ クレメント
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ハン ワンジアン
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン トニー モーゼス
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/162500(WO,A1)
【文献】特表2018-528765(JP,A)
【文献】特開2006-223158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されるために構成されている、再使用可能なエアロゾル発生物品であって、
ハウジングであって、前記ハウジングが、エアロゾル形成基体を受容するための区画を備え、前記ハウジングの少なくとも一部が、前記区画へのアクセスを提供するためにヒンジを中心として旋回可能である、ハウジングを備え、前記再使用可能なエアロゾル発生物品が、マウスピースをさらに備え、前記ハウジングが、前記区画を通って前記マウスピースに至る気流経路をさらに備える、再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記区画の下流に配設された気流管をさらに備え、ヒンジを中心として旋回可能な前記一部が、前記区画および前記気流管へのアクセスを提供する、請求項1に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記気流経路が前記気流管を備える、請求項
2に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記区画が、前記エアロゾル形成基体を加熱するために構成された発熱体を備
える、請求項1~3のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記区画が内壁を備え
、前記区画が、前記区画内に前記エアロゾル形成基体を保持するために構成された保持要素を備
える、請求項1~4のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記発熱体が、加熱ブレードまたは加熱ピンを備える、請求項
4に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記区画が、前記エアロゾル形成基体を含有する予め成形された基体部分を受容するために構成されて
いる、請求項1~6のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記区画に空気を提供するために構成された少なくとも一つの空気吸込み口を備
える、請求項1~7のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記ハウジングが、前記区画の遠位に位置する少なくとも一つの第一の空気吸込み口と、前記区画の近位に位置する少なくとも一つの第二の空気吸込み口とを備える、請求項8に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記ハウジングが、第一のセクションおよび第二のセクションを備え、前記第一のセクションおよび前記第二のセクションが、前記ヒンジを中心として旋回可能で
ある、請求項1~9のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記第一のセクションと前記第二のセクションの両方が、前記区画の一部を備え、前記第一のセクションおよび前記第二のセクションが閉じられている時に前記区画が形成されている、請求項10に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記第一のセクションと前記第二のセクションの両方が、前記気流管の一部を備え、前記第一のセクションおよび前記第二のセクションが閉じられている時に前記気流管が形成されている、請求項2
に従属する、請求項10または請求項11に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記使用可能なエアロゾル発生物品の前記ハウジングが、金属またはセラミックのうちの一つ以上を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項14】
ロッド形状を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記ヒンジが、前記再使用可能なエアロゾル発生物品の前記ハウジングの
長軸方向軸上に位置する、請求項1~14のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品。
【請求項16】
空洞を含むエアロゾル発生装置と、請求項1~15のいずれか一項に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記空洞が、前記再使用可能なエアロゾル発生物品を受容するように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項17】
前記再使用可能なエアロゾル発生物品がサセプタ発熱体を備え、かつ前記エアロゾル発生装置が、前記サセプタ発熱体内に交番磁場を発生するように構成された誘導コイルを備える、請求項16に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再使用可能なエアロゾル発生物品に関する。本発明は、再使用可能なエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生装置とを含む、エアロゾルを発生するためのシステムにさらに関する。本発明は、エアロゾルの形成のためのエアロゾル発生物品の使用にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこなどのエアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体を加熱するが燃焼しないエアロゾル発生装置が知られている。こうした装置は、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生するために、エアロゾル形成基体を十分に高い温度に加熱する。これらのエアロゾル発生装置は通常、エアロゾル形成基体を受容するための空洞を含む。これらの装置は典型的に、携帯型の手持ち式の装置であり、また一般的にコンパクトである。
【0003】
エアロゾル形成物品は通常、例えばたばこなどの基体材料などのエアロゾル形成体を含むエアロゾル形成基体を含有する。エアロゾル形成物品はしばしば、フィルター、中空管状部分(中空のセルロースアセテートチューブ(HAT)など)、マウスピースなどの追加的な要素を含む。使用後、これらのエアロゾル形成物品は捨てられ、かつ交換され、結果として大量の廃棄物がもたらされる。追加的に、エアロゾル形成物品からの残留物がしばしば、エアロゾル発生装置の空洞の中に堆積し、これらの装置の機能を損なう。空洞の中のこれらの堆積物はまた、エアロゾルの消費中にユーザーが体験する味覚も損なう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
廃棄物の量を低減する、再使用可能なエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。クリーニング可能または洗浄可能であり、かつエアロゾル発生装置の空洞の中の堆積物の量を低減する、エアロゾル発生物品を提供することがさらに望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されるために構成されてもよい、再使用可能なエアロゾル発生物品が提供されている。再使用可能なエアロゾル発生物品は、ハウジングを備えてもよく、ハウジングは、エアロゾル形成基体を受容するための区画を備えてもよい。ハウジングの少なくとも一部は、区画へのアクセスを提供するために、ヒンジを中心として旋回可能であってもよい。
【0006】
本発明の別の実施形態によると、エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されるために構成されている、再使用可能なエアロゾル発生物品が提供されている。再使用可能なエアロゾル発生物品は、ハウジングを備え、ハウジングは、エアロゾル形成基体を受容するための区画を備える。ハウジングは、使用済みのエアロゾル形成基体を除去し、別のエアロゾル形成基体によって交換することを可能にするように構成されてもよい。ハウジングの少なくとも一部は、区画へのアクセスを提供するために、ヒンジを中心として旋回可能である。
【0007】
こうした再使用可能なエアロゾル発生物品は、残留物の量、特にエアロゾル発生装置の空洞の中に堆積されたエアロゾル形成基体からの残留物の量を低減する場合がある。残留物は、エアロゾル発生装置の中に直接ではなく、再使用可能なエアロゾル発生物品の中に堆積される場合がある。ハウジングの一部をヒンジを中心として旋回することによってアクセス可能である区画は、簡単にクリーニングされる場合がある。多くの場合に装置内に埋め込まれていて、かつ容易にアクセスすることができないエアロゾル発生装置の空洞と比較して、再使用可能なエアロゾル発生物品、具体的にはその区画は、クリーニングするのがより簡単である場合がある。例えば、再使用可能なエアロゾル発生物品は、ユーザーがクリーニングのために空洞にアクセスすることを可能にするために、ヒンジを中心として開けられることができる場合がある。加えて、再使用可能なエアロゾル発生物品は、例えば食洗機を使用してクリーニングするのに適する場合がある。こうした再使用可能なエアロゾル発生物品を採用することは、環境に導入される廃棄物の量を低減する場合がある。具体的に、区画を開けることと、基体を捨てることとによって、エアロゾル形成基体のみが交換されてもよい。ハウジングおよび区画を備えるエアロゾル発生物品は、複数回再使用されてもよく、また区画は、未使用のエアロゾル形成基体で再充填されてもよい。例えば、フィルター、中空管状部分(中空セルロースアセテート管(HAT)など)、スペーサー、マウスピース、またはその他の要素を含む、典型的なエアロゾル形成基体の要素は、エアロゾル形成基体とともに提供される代わりに、再使用可能なエアロゾル発生物品の中に組み込まれてもよい。従って、使用後にエアロゾル形成基体が捨てられる時、存在していないフィルター、中空管状部分、管、スペーサー、およびマウスピースは捨てられない。従って、無駄がより少ない。
【0008】
本発明のさらなる一実施形態において、再使用可能なエアロゾル発生物品は、マウスピースをさらに備えてもよい。ユーザーは、エアロゾル発生物品から発生したエアロゾルを享受するためにマウスピースを吸煙してもよい。異なる再使用可能なエアロゾル発生物品を有するエアロゾル発生装置を動作させることが可能である場合がある。異なる再使用可能なエアロゾル発生物品は、異なるマウスピースを含んでもよい。異なるマウスピースは、異なる材料、例えば木材、紙、セラミック、または生分解性プラスチックを含むプラスチックのうちの一つ以上を含んでもよい。異なるマウスピースは、異なる設計をさらに備えてもよい。ユーザーは、自分の毎日の好みに応じて、異なるマウスピースを使用することを選んでもよい。マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端に位置付けられてもよい。
【0009】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を、その使用中に空気がエアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置を通して気流経路に沿って流れる方向に関して記述するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にエアロゾルが通って装置を出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。口側端は遠位端の下流である。口側端はマウスピースを備えてもよい。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品を通る気流経路に対して、これらの相対的な位置に基づいて、相互の上流または下流にあるものとして記述されてもよい。
【0010】
再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングは、区画を通ってマウスピースに至る気流経路をさらに備えてもよい。こうした気流経路は、区画の中で作り出された任意のエアロゾルをエアロゾル形成基体からマウスピースに簡単に通してもよい。
【0011】
再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングは、上流端に少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。少なくとも一つの空気吸込み口は、ハウジングの本体に沿ってどこに位置してもよい。従って、気流経路は、ハウジングの上流端にある少なくとも一つの空気吸込み口から、区画を通ってエアロゾル発生物品の下流端に延びてもよい。
【0012】
気流経路は、気流管をさらに備えてもよい。気流管は、マウスピースと区画の間に位置してもよい。区画は、気流管の上流に位置してもよい。マウスピースは、気流管の下流に位置してもよい。従って、再使用可能なエアロゾル発生物品を通る気流経路は、少なくとも一つの空気吸込み口から区画端を通り、気流管に至り、エアロゾル発生物品の下流端に延びてもよい。
【0013】
再使用可能なエアロゾル発生物品の気流管は、ベンチュリ要素を備えてもよい。ベンチュリ要素は、区画の中で形成されたエアロゾルを冷却するのを支援してもよい。
【0014】
ベンチュリ要素は、入口部分、中央部分、出口部分を有する気流チャネルを備えてもよい。入口部分は、中央部分に向かって収束するように構成されてもよく、また出口部分は、中央部分から分岐するように構成されてもよい。こうしたベンチュリ要素は、エアロゾルの冷却を改善する場合がある。
【0015】
こうした気流管を再使用可能なエアロゾル発生物品の中に組み込むことは、簡単なやり方で物品を通る気流経路を提供する場合がある。ハウジングの一部はまた、気流管へのアクセスを提供するためにヒンジを中心として旋回可能であってもよい。これは、気流管のクリーニングを簡単にする場合がある。異なる再使用可能なエアロゾル発生物品において、気流管の異なる設計を含むことが可能であってもよい。気流管の異なる設計は、再使用可能なエアロゾル発生物品の下流端にて出るエアロゾルの速度と圧力のうちの一方または両方に影響を与える場合がある。ユーザーは自分の毎日の好みに応じて、異なる再使用可能なエアロゾル発生物品を選んでもよい。ユーザーは、異なる気流管を選んでもよい。ユーザーは、異なる気流管を有する異なるエアロゾル発生物品を選んでもよい。ユーザーは、再使用可能なエアロゾル発生物品の使用中に異なる体験を受けるために、異なる気流管を選んでもよい。
【0016】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、追加的な気流経路をさらに含んでもよい。こうした追加的な気流経路は、空気が一つ以上の追加的な空気吸込み口からチャンバに、および気流管を通して外に流れることを可能にする場合がある。こうした追加的な気流経路は、装置を通る追加的な気流を提供するために有用である場合がある。または、こうした追加的な気流経路は、気流を冷却し、マウスピースにてユーザーが体験する熱の感覚を低減し、場合によっては装置内でのエアロゾルの形成を改善する場合がある。
【0017】
エアロゾル発生装置は発熱体を有してもよい。発熱体は、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する要素であってもよい。例えば、発熱体は、エアロゾル発生物品が中に挿入される空洞をライニングする抵抗素子であってもよい。または、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を包含する空洞の中に延びる抵抗ブレードまたはピンを有してもよい。次いで、エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生装置内の空洞の中に挿入されている時に、抵抗ブレードまたはピンは、エアロゾル発生装置の中に包含されたエアロゾル発生基体の中に挿入されていて、エアロゾル発生基体を加熱する。
【0018】
代替的な一実施形態において、再使用可能なエアロゾル発生物品の区画は、エアロゾル形成基体を加熱するために構成された発熱体を備えてもよい。区画の中の発熱体は、区画の中に受容されたエアロゾル形成基体を加熱してもよい。こうした発熱体は、エアロゾル形成基体に隣接して位置してもよい。例えば、発熱体は、区画の内壁をライニングしてもよい。別の方法として、または追加的に、こうした発熱体は、エアロゾル形成基体と直接接触していてもよい。例えば、発熱体は、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱するためのブレードまたはピンの形態であってもよい。組み込まれた発熱体を有するこうした再使用可能なエアロゾル発生物品は、発熱体を欠いているエアロゾル発生装置と併せて使用されてもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品の一部である欠陥のある発熱体を交換することは、エアロゾル発生装置の中に組み込まれた発熱体と比較して、より簡単である場合がある。
【0019】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、加熱ブレードまたは加熱ピンを備える発熱体と、区画の内部表面をライニングする発熱体との両方を含んでもよい。加熱ブレードまたは加熱ピンは、区画の中に受容されたエアロゾル形成基体を貫通して内側からエアロゾル形成基体を加熱してもよく、その一方で区画の内部表面をライニングする発熱体は、外側からエアロゾル形成基体を加熱してもよい。これは、エアロゾル発生物品からエアロゾル形成基体への熱の伝達を改善する場合がある。
【0020】
発熱体は、誘導によってエアロゾル発生基体を加熱するためのサセプタ発熱体を含んでもよい。サセプタは、上述の通り、エアロゾル発生装置の一部であってもよく、またはエアロゾル発生物品の一部であってもよい。サセプタは、区画の中に受容されたエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくは強磁性ステンレス鋼)を含んでよく、またはそれから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0021】
好ましいサセプタは金属サセプタ(例えばステンレス鋼)である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオビウム、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)、または材料の組み合わせもしくは合金のうちのいずれか一つも含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0022】
サセプタは、誘導コイルによって加熱されてもよい。誘導コイルは、交番磁場を提供してもよい。誘導コイルは、エアロゾル発生装置の一部であってもよく、または再使用可能なエアロゾル発生物品の中に含まれてもよい。交流電磁場内に位置する時、典型的にサセプタ内に渦電流が誘発され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を引き起こす。
【0023】
区画は、内壁を備えてもよく、また発熱体は、区画の内壁の少なくとも一部を形成してもよい。具体的に、サセプタは、区画の内壁の少なくとも一部を形成してもよい。サセプタは、渦電流の生成を介したサセプタによる加熱のために金属またはセラミックのうちの一方または両方を含んでもよい。区画は、エアロゾル形成基体を加熱するために構成された金属ケージを備えてもよい。こうした金属ケージは、サセプタとして働いてもよく、また同時に、エアロゾル形成基体を受容するための区画も形成してもよい。別の方法として、金属ケージは、区画内に位置してもよい。
【0024】
エアロゾル形成基体を受容するための区画は、再使用可能なエアロゾル発生物品に取り外し可能なように接続可能であってもよい。これは、再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングとは別に、区画の交換を簡単にする場合がある。区画が摩耗している場合、または区画の一部を形成するいずれかの発熱体に欠陥がある場合、区画は、再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングとは別に、交換されてもよい。
【0025】
別の実施形態において、再使用可能なエアロゾル発生物品は発熱体を含有しない。こうした再使用可能なエアロゾル発生物品は、発熱体を含有するエアロゾル形成基体と併せて使用されてもよい。具体的に、発熱体は、エアロゾル形成基体の中に組み込まれたサセプタであってもよい。エアロゾル形成基体は、基体部分の中に含有されてもよい。基体部分は、ロッド様のプラグであってもよい。サセプタ材料は、基体部分の内部で中央に組み込まれてもよい。エアロゾル形成基体の中に組み込まれたサセプタは、エアロゾル発生装置の中に提供された誘導コイルによって加熱されてもよい。
【0026】
再使用可能なエアロゾル発生物品の区画は、区画内にエアロゾル形成基体を保持するために構成された保持要素を備えてもよい。具体的に、これらの保持要素は、区画の内壁の少なくとも一部の中に組み込まれてもよい。保持要素は、内壁から区画の内部の中に突出してもよい。保持要素は任意の形状を有してもよい。保持要素は、くさび形状、翼形状、留め金形状、長方形、正方形、三角形、丸み付き、または歯のような形状であってもよい。保持要素は突出部を備えてもよい。突出部は、区画の内部の中へとテーパー状になっている断面を備えてもよい。突出部は歯を備えてもよい。これらの保持要素は、区画内のエアロゾル形成基体の位置付けをさらに改善する場合がある。加熱ブレードまたは加熱ピンは保持要素であってもよい。加熱ピンまたは加熱ブレードは、エアロゾル形成基体を貫通してもよく、またそれを定位置に保持してもよい。任意の形状を有する上述の保持要素は、加熱ブレードまたは加熱ピンから離れて存在する追加的な保持要素として構成されてもよい。
【0027】
発熱体は保持要素の中に組み込まれてもよい。発熱体は任意の形状を有してもよい。発熱体は、くさび形状、翼形状、留め金形状、長方形、正方形、三角形、丸み付き、または歯のような形状であってもよい。発熱体は突出部を備えてもよい。突出部は、区画の内部の中へとテーパー状になっている断面を備えてもよい。突出部は歯を備えてもよい。これらの要素は、区画の内側壁から区画の内部の中に突出してもよい。これらの要素は、エアロゾル形成基体を保持するために区画の中に受容されたエアロゾル形成基体を貫通してもよい。これらの要素は、エアロゾル形成基体を加熱するために構成されたサセプタ材料または抵抗加熱材料のうちの一方または両方を含んでもよい。くさび形状の要素または歯のような要素は、エアロゾル形成基体を保持し、また同時に加熱してもよい。
【0028】
再使用可能なエアロゾル発生物品の区画は、エアロゾル形成基体を含有する予め成形された基体部分を受容するために構成されてもよい。エアロゾル形成基体は、自己支持基体部分を提供するためにプレス加工されてもよく、または型成形されてもよい。エアロゾル形成基体は、基体部分の周りに巻かれてもよいラッパーを含んで予めパッケージされていてもよい。これは、ばらのエアロゾル形成基体を採用するのと比較して、エアロゾル形成基体の取り扱いを簡単にする場合がある。ばらのエアロゾル形成基体は、取り扱いの困難さを増大する場合があり、またこぼれに起因して、再使用可能なエアロゾル発生物品内の残留物および埃の量を増加させる場合がある。別の方法として、再使用可能なエアロゾル発生物品は、ばらのエアロゾル形成基体を含んでもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品は、基体がばらである場合でさえも、エアロゾル発生装置の空洞の中へのばらのエアロゾル形成基体のこぼれを回避する場合がある。
【0029】
エアロゾル形成基体を含む基体部分は、ロッド形状であってもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品の区画はまた、ロッド形状であってもよい。これは、エアロゾル形成基体の取り扱いを簡単にする場合がある。
【0030】
エアロゾル形成基体は任意の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は、たばこのプラグであってもよい。エアロゾル形成基体は、処理されたたばこのプラグであってもよい。たばこは、切断、細断、再構成、顆粒化、発泡、圧縮、ペレット化、押出成形、凝集、または粉末化されてもよい。基体は、たばこ抽出物から形成されてもよい。エアロゾル形成基体は、母材中に提供されたたばこ抽出物であってもよい。エアロゾル形成基体は植物材料のプラグであってもよい。エアロゾル形成基体はゲルであってもよい。エアロゾル形成基体は巻かれていてもよい。エアロゾル形成基体は紙の中に巻かれていてもよい。エアロゾル形成基体は容器の中に包含されてもよい。容器は、例えばカプセルであってもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体で処理されてもよく、またはエアロゾル形成体と組み合わされてもよい。エアロゾル形成体は、例えばグリセリンであってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成基体は風味剤を含んでもよい。風味剤は、例えばバニラ、クリーム、チョコレート、メープル、ミント、メントール、ミント、クローブ、モラセス、または他の風味剤であってもよい。
【0031】
さらなる一実施形態において、再使用可能なエアロゾル発生物品の区画の中に備えられた発熱体は、エアロゾル形成基体が区画の中に位置する時に、エアロゾル形成基体を適所に保持するように構成されてもよい。具体的に、発熱体は、二つの別個のセクション(具体的に半セクション)を備えてもよい。発熱体の二つの別個のセクションは、使用中に区画の中にエアロゾル形成基体を保持するように構成されてもよい。
【0032】
さらなる一実施形態において、再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングは、区画に空気を提供するために構成された少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、空気チャネルによって区画と流体接続されてもよい。空気吸込み口は、再使用可能なエアロゾル発生物品の上流端に位置してもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品を通る気流経路は、空気吸込み口から、空気チャネルを通して区画に、およびさらに気流管を通して物品の下流端に延びてもよい。
【0033】
再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングは、区画の遠位に位置する少なくとも一つの第一の空気吸込み口と、区画の近位に位置する少なくとも一つの第二の空気吸込み口とを備えてもよい。少なくとも一つの第一の空気吸込み口および少なくとも第二の空気吸込み口の遠位位置および近位位置は、再使用可能なエアロゾル発生物品の遠位端または上流端から下流端または近位端につながる気流経路に対するものであってもよい。
【0034】
一実施形態において、一組の第一の空気吸込み口および一組の第二の空気吸込み口は、再使用可能なエアロゾル発生物品の中に存在してもよい。「組」という用語は、複数の少なくとも二つの第一の空気吸込み口、および複数の少なくとも二つの第二の空気吸込み口を指す場合がある。例えば、二つの第一の空気吸込み口および二つの第二の空気吸込み口が存在してもよい。または、複数の第一の空気吸込み口および複数の第二の空気吸込み口が存在してもよい。これらの空気吸込み口は、空気チャネルによって区画に接続されてもよい。
【0035】
少なくとも一つの第一の空気吸込み口または一組の第一の空気吸込み口は、第一の空気吸込み口から再使用可能なエアロゾル発生物品の区画への第一の気流経路を画定する第一の空気チャネルによって区画に接続されてもよい。少なくとも一つの第一の空気吸込み口または一組の第一の空気吸込み口は、エアロゾル発生物品の上流端に位置してもよい。第一の気流経路は、区画からマウスピースにつながる下流の気流経路に平行に延びてもよい。
【0036】
少なくとも一つの第二の空気吸込み口または一組の第二の空気吸込み口は、再使用可能なエアロゾル発生物品を通して区画に至る第二の気流経路を画定する第二の空気チャネルによって区画に接続されてもよい。こうした第二の気流経路は、区画からマウスピースにつながってもよい気流経路の一部に対してある角度で延びてもよい。少なくとも一つの第二の空気吸込み口は、再使用可能なエアロゾル発生物品の遠位端または上流端から下流端または近位端につながる上述の気流経路に対して区画の近位に位置してもよい。
【0037】
第一の気流経路および第二の気流経路は、区画の中で合流してもよい。再使用可能なエアロゾル発生装置の中に、一つの単一の下流気流経路があってもよい。下流の気流経路は、区画からマウスピースにつながってもよい。
【0038】
第一の気流経路と、区画からマウスピースに至るさらなる下流の気流経路を有する第二の気流経路とを備える、こうした一実施形態は、信頼性の高い熱の散逸を可能にする場合がある。さらに、第二の気流経路は、特に良好な冷却効果を提供する場合がある。
【0039】
再使用可能なエアロゾル発生物品のさらなる一実施形態において、ハウジングは、第一のセクションおよび第二のセクションを備えてもよい。第一のセクションおよび第二のセクションは、ヒンジを中心として旋回可能であってもよい。第一のセクションまたは第二のセクションは、区画の一部を形成してもよい。第一のセクションおよび第二のセクションが閉じられている時、区画が形成されてもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品のこうした一実施形態は、第一のセクションと第二のセクションを両方のヒンジを中心として回転させることによって、エアロゾル発生物品の特に簡単な閉鎖を可能にする場合がある。
【0040】
ヒンジは、再使用可能なエアロゾル発生物品の上流端に位置してもよい。具体的に、ヒンジは、区画への第一の気流経路の上流端に位置してもよい。別の方法として、ヒンジは、再使用可能なエアロゾル発生物品の上流端から離隔して位置してもよい。例えば、ヒンジは、再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングの中間に、または再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングの長軸方向軸上に位置してもよい。こうしたヒンジは、ハウジングを本のようにヒンジを中心として開くことを可能にする場合がある。ヒンジの両方の位置は、区画にアクセスするための、第一のセクションと第二のセクションの両方の簡単な旋回を可能にする場合がある。
【0041】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、クリーニング可能または洗浄可能であってもよい。具体的に、エアロゾル発生物品の区画は、簡単にアクセス可能であってもよく、従ってクリーニング可能であってもよい。物品は開けられてもよく、例えば食洗機の中に定置されてもよい。同様に、存在する場合、再使用可能なエアロゾル発生物品の気流管も、クリーニング可能であってもよい。存在する場合、再使用可能なエアロゾル発生物品の発熱体も、クリーニング可能であってもよい。
【0042】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、細長い形状を備えてもよい。好ましくは、再使用可能なエアロゾル発生物品は、ロッド形状を備えてもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品は、長軸方向軸を備えてもよい。長軸方向軸は、中央長軸方向軸に平行であってもよい。
【0043】
再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングの第一のセクションおよび第二のセクションは、再使用可能なエアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って接触していてもよい。具体的に、第一のセクションおよび第二のセクションは、第一の半セクションおよび第二の半セクションを形成してもよく、これはハウジングを同等のサイズの二つの別個の半セクションに分割する。第二のセクションおよび第一のセクションは、再使用可能なエアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って旋回可能であってもよい。
【0044】
再使用可能なエアロゾル発生物品のさらなる一実施形態において、第一の半セクションおよび第二の半セクションは、気流管の一部を備える。気流管は、第一の半セクションおよび第二の半セクションがヒンジを中心として旋回することによって閉じられている時に形成されてもよい。物品を開けるこの能力は、気流管の特に簡単なクリーニングを可能にする場合があり、気流管のすべての部分への簡単なアクセスを提供する。
【0045】
第一の半セクションまたは第二の半セクションは、マウスピースの一部を備えてもよい。マウスピースは、第一の半セクションおよび第二の半セクションが閉じられている時に形成されてもよい。別の方法として、マウスピースは、再使用可能なエアロゾル発生物品の一体型の要素を備えてもよい。こうした一体型のマウスピースは、両方の半セクションが閉じられた後、再使用可能なエアロゾル発生物品の下流要素に取り外し可能なように取り付けられてもよい。
【0046】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、上流端面および下流端面を有する管状形態またはロッド形状を有してもよい。こうした再使用可能なエアロゾル発生物品は、円周面をさらに備えてもよい。一つ以上のヒンジは、円周面に位置してもよい。第一のセクションおよび第二のセクションは、一つ以上のヒンジを中心として旋回可能であってもよい。これは、本と同様に、再使用可能なエアロゾル発生物品の第一のセクションおよび第二のセクションを開くことを可能にする場合がある。
【0047】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、区画の中のエアロゾル形成基体を支持するために構成された支持体を備えてもよい。好ましくは、支持体は、区画の上流端に位置してもよい。支持体はプラットフォームとして形成されてもよく、このプラットフォーム上にエアロゾル形成基体またはエアロゾル形成基体を含む基体部分を堆積することができる。支持体は、貫通要素をさらに備えてもよい。これらの貫通要素は、支持体上の区画内に基体を安定的に位置付けるために、エアロゾル形成基体の中に貫通してもよい。貫通要素は、物品の区画の内部の中に突出してもよい。貫通要素は、エアロゾル形成基体を貫通するために構成されたピン、歯、くさび、針、四面体、角錐、立方体、または任意の他の形状として形作られてもよい。
【0048】
再使用可能なエアロゾル発生物品のハウジングは、金属、セラミック、ポリマー、または複合ポリマー材料のうちの一つ以上を含んでもよい。これらの材料は、再使用可能なエアロゾル発生物品のための耐久性のあるハウジングの形成を可能にする場合がある。ポリマーは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、またはポリフェニレンスルフィド(PPS)のうちの一つ以上であってもよい。金属は、銅、マグネシウム、オーステナイト系ステンレス鋼のような非強磁性鋼合金、またはマルテンサイト系ステンレス鋼のうちの一つ以上であってもよい。セラミックは、セラミックマトリックス複合材料(CMC)であってもよい。
【0049】
再使用可能なエアロゾル発生物品のマウスピースは、ポリマー、ゴム、または木材の材料のうちの一つ以上を含んでもよい。マウスピースは、フィルターをさらに備えてもよい。フィルターは、エアロゾル形成基体がユーザーの口に入るのを防止する場合がある。
【0050】
再使用可能なエアロゾル発生物品は、4.5mm~12mmの直径、より良好に好ましくは6.5mm~8mmの直径を備えてもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品は、30mm~70mm、好ましくは40mm~60mmの高さを備えてもよい。再使用可能なエアロゾル発生物品の区画の中に受容されるエアロゾル形成基体は、3mm~9mm、好ましくは5mm~7.5mmの直径を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、5mm~15mm、好ましくは7mm~10mmの高さをさらに備えてもよい。
【0051】
また、空洞および本明細書に記載の通りの再使用可能なエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生装置を備えてもよい、エアロゾル発生システムも提供されている。空洞は、当該の再使用可能なエアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。
【0052】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体をさらに備えてもよい。エアロゾル形成基体は、本明細書に記載の通りの予め成形された基体部分であってもよい。こうしたエアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するために採用されることができる。
【0053】
エアロゾル発生システムの中に備えられた再使用可能なエアロゾル発生物品は、サセプタ発熱体を備えてもよく、またエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱するために、サセプタ発熱体内に交番磁場を発生するように構成された誘導コイルを備えてもよい。
【0054】
別の方法として、エアロゾル発生システムの再使用可能なエアロゾル発生物品は、抵抗発熱体を備えてもよく、またエアロゾル発生装置の空洞は、抵抗発熱体に電力を提供するための電気的接続を備えてもよい。
【0055】
エアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置は、電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は発熱体への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0056】
エアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一つの実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は、例えばエアロゾル発生物品の中に備えられた誘導コイルに電力を供給してもよい。別の方法として、電源は、再使用可能なエアロゾル発生物品の中に備えられた抵抗発熱体に、電気的接続を介して電力を提供してもよい。
【0057】
再使用可能なエアロゾル発生物品の区画の中に受容されたエアロゾル形成基体は、形成されたエアロゾル形成基体のプラグを備えてもよい。プラグは、エアロゾル形成基体を含有する、プレス加工または型成形された基体部分であってもよく、またはエアロゾル形成基体の周りに巻かれている紙などのラッパーを含む、予め包装された基体部分であってもよい。エアロゾル形成基体はまた、ゲルを含んでもよい。エアロゾル形成基体は不揮発性担体材料を含んでもよく、この不揮発性担体材料上に、エアロゾルの一部を形成することができるエアロゾル形成体と一つ以上の活性剤とのうちの一方または両方を揮発させる。不揮発性担体材料の例は、紙または綿であってもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0058】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0059】
また、エアロゾル発生装置におけるエアロゾルの形成のための、本明細書に記載の再使用可能なエアロゾル発生物品のうちのいずれかの使用も提供されている。エアロゾル発生装置は、再使用可能なエアロゾル発生物品を受容するために構成された空洞を含んでもよい。さらに、本明細書に記載の通りのエアロゾル形成基体は、再使用可能なエアロゾル発生物品の区画の中に受容されている。
【0060】
一つの実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0061】
本発明を、添付図を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1A-1C】
図1A~
図1Cは、発熱体として金属ケージを有する、開状態および閉状態にある再使用可能なエアロゾル発生物品の断面を示す。
【
図2A-2C】
図2A~
図2Cは、発熱体として加熱ピンを有する、開状態および閉状態にある再使用可能なエアロゾル発生物品の断面を示す。
【
図3A-3C】
図3A~
図3Cは、組み合わせられた保持および加熱要素を有する、開状態および閉状態にある再使用可能なエアロゾル発生物品の断面を示す。
【
図4A-4C】
図4A~
図4Cは、図のそれぞれの下部において断面図で示された再使用可能なエアロゾル発生物品の断面図を上部に示す。
【
図5】
図5は、再使用可能なエアロゾル発生物品の一つの実施形態を通る気流経路をより詳細に示す。
【
図6】
図6は、
図5に示す再使用可能なエアロゾル発生物品の上流部および下流部の上面図を断面図とともに示す。
【
図7】
図7は、一組の空気吸込み口のみを有する再使用可能なエアロゾル発生物品の別の実施形態を通る気流経路をより詳細に示す。
【
図8】
図8は、空洞および空洞の中に受容された再使用可能なエアロゾル発生物品を有するエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムの断面を示す。
【
図9A-9B】
図9A~
図9Bは、プレス加工されたエアロゾル形成基体から作製された基体部分と、エアロゾル形成基体を包囲するラッパーを含む基体部分との斜視図を示す。
【
図10A-10B】
図10A~
図10Bは、物品の円周面上に位置する二つのヒンジを有する再使用可能なエアロゾル発生物品の上流部および下流部の上面図を、本物品の断面図とともに示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下において、同じ要素は、すべての図を通して、同じ参照符号で記されている。
【0064】
図1Aは、閉状態の再使用可能なエアロゾル発生物品10の断面を図示し、また
図1Bは、開状態の同じ再使用可能なエアロゾル発生物品10を示す。右側の
図1Cは、エアロゾル発生基体18が区画12内に位置付けられた後の閉じられた再使用可能なエアロゾル発生物品10を示す。エアロゾル発生物品は、ハウジング14を一緒に形成する第一の半セクション14Aおよび第二の半セクション14Bを備える。両方の半セクションは、ヒンジ16を中心として旋回可能であり、これは、区画の第一の半セクション12Aおよび第二の半セクション12Bを含む区画12へのアクセスを提供する。区画は、
図1Cに示す通りエアロゾル形成基体18を受容するように構成されていて、また追加的に金属ケージ22を発熱体として備える。この金属ケージは、サセプタとして機能してもよく、また変化する磁場をサセプタに印加する時に、エアロゾル発生装置の中に存在する誘導コイルを介して加熱されてもよい。別の方法として、金属ケージはまた、抵抗加熱のために構成された加熱トラックも含んでもよい。この金属ケージはまた、ハウジングの第一の半セクション14Aおよび第二の半セクション14Bの中に位置する第一の半セクションおよび第二の半セクションも備えてもよい。ハウジングを閉じると、金属ケージの両方の半セクションを相互に接触させることによって、金属ケージを形成することができる。開状態において、エアロゾル発生基体18を区画の中に受容することができ、その後、再使用可能なエアロゾル発生物品を、
図1Cに示す通りに再度閉じることができ、使用の準備が整っているエアロゾル発生物品を提供する。再使用可能なエアロゾル発生物品はまた、第一の半セクション20Aおよび第二の半セクション20Bによって形成されている下流気流管20を備える。ヒンジ16を中心として旋回することによって再使用可能なエアロゾル発生物品を閉じる時、下流気流管の両方の半セクションは相互に接触し、それによって
図1Aと
図1Cの両方に示す通りの気流管を形成する。再使用可能なエアロゾル発生物品の下流端は、マウスピース17によって形成されていて、これはまた、第一の半セクション17Aおよび第二の半セクション17Bを備える。ヒンジを中心として両方の半セクションを旋回することによって再使用可能なエアロゾル発生物品を開ける時、区画は、エアロゾル形成基体または基体部分を区画12内に位置付けることができるように、アクセス可能になる。追加的に、開状態において、再使用可能なエアロゾル発生物品の主要な内部構成要素、区画、気流管、およびマウスピースはアクセス可能になり、また例えばブラシを使用して簡単にクリーニングされることができる。エアロゾル形成基体18を受容した後、この基体は、金属ケージ22を介して加熱されることができ、そこから形成されたエアロゾルは、気流管20を通してマウスピース17に、およびユーザーの口の中に方向付けられることができる。
【0065】
図2A~
図2Cは、金属ケージ20の代わりに加熱ピン26が発熱体として使用されることを除き、
図1A~
図1Cと同じ再使用可能なエアロゾル発生物品を図示する。この加熱ピン26は、支持プラットフォームである支持体28上に位置する。この支持体は、再使用可能なエアロゾル発生物品の空洞12の中に受容されると、エアロゾル形成基体18を支持するおよび位置付けることができる。区画12の中にエアロゾル形成基体18を位置付ける時、エアロゾル形成基体を内側から加熱することができるように、加熱ピン26はエアロゾル形成基体(
図2Cに示す)を貫通する。加熱ピンは、交番磁場に供することによって、エアロゾル発生装置の中に存在する誘導コイルでエアロゾル形成基体を加熱するために、サセプタを提供してもよい。別の方法として、加熱ピンは、抵抗加熱のための加熱トラックを備えてもよい。気流管20はまた、ベンチュリ要素24を備える。ベンチュリ要素は、中央部分に向かって収束する上流部分と、中央部分から分岐する下流部分とを備える。こうしたベンチュリ要素は、区画12の中に受容されたエアロゾル形成基体18から作り出されたエアロゾルの冷却を支援する場合がある。
【0066】
図3A~
図3Cは、本発明の再使用可能なエアロゾル発生物品の別の実施形態を図示する。金属ケージまたは金属ピンの代わりに、保持/加熱要素30が区画12の中に存在する。これらの保持/加熱要素30は、くさび形状の要素を含んでもよい。これらの保持/加熱要素は、区画の内壁から、または区画の底部から区画の内部の中に突出する歯要素を備えてもよい。エアロゾル形成基体18が区画の中に受容されていて、再使用可能なエアロゾル発生物品が閉じられている時、保持/加熱要素は、エアロゾル形成基体が区画12内に確実に保持され、位置付けられているように、エアロゾル形成基体18を貫通する。追加的に、保持/加熱要素30はまた、エアロゾル形成基体を貫通しながらその基体と直接接触しているので、エアロゾル形成基体の単純な加熱を可能にする。
図1A~
図1Cまたは
図2A~2Cに示されるその他の発熱体と同様に、保持/加熱要素は、渦電流の生成を介したサセプタによる加熱のためのサセプタを備えることができ、または抵抗加熱のための抵抗器を備えることができる。
【0067】
図4A~
図4Cは、再使用可能なエアロゾル発生物品の別の実施形態を示す。各図の上部には、下部の図に示された線に沿って描かれている断面図を示す。
図4Aは、区画の中に位置するいかなるエアロゾル形成基体も有しない、閉じられた空の状態にある再使用可能なエアロゾル発生物品を図示する。
図4Aの上部の断面図で分かる通り、物品の発熱体の第一の半セクション12Aおよび第二の半セクション12Bは、相互に直接接触し、支持体28の周りに円周発熱体を形成する。支持体28は、エアロゾル発生物品の上流端の近くに位置し、区画の中に挿入されている時にエアロゾル形成基体を支持する。
図4Bは、開状態にあるエアロゾル発生物品を図示する。発熱体の第一の半セクション12Aが支持体28に依然として接触する一方で、第二の半セクション12Bは、物品の第二のセクションのヒンジ16を中心とした旋回に起因して支持体28から離れていて、エアロゾル形成基体の区画の中への挿入を可能にする。
図4Cは、区画の中のロッド形状のエアロゾル形成基体18の挿入後の閉状態にあるエアロゾル発生物品を図示する。
図4Cの上部は、発熱体の第一のセクションと第二のセクションの両方が、エアロゾル形成基体18に当接し、エアロゾル形成基体の周りに円周発熱体を形成し、それを区画内のその位置に保っていることを示す。
【0068】
図5は、上流端10Aおよび下流端10Bを有する再使用可能なエアロゾル発生物品の一つの実施形態の断面をより詳細に示す。この再使用可能なエアロゾル発生物品の区画12は、二つの半球27Aおよび27Bから作られた金属サセプタ27を備え、これは区画の中に受容されている時に、ロッド形状のエアロゾル形成基体を両側から把持することができる。区画12の上流部に位置し、かつエアロゾル形成基体(金属サセプタ27によって隠れているため、この図には示されていない)を支持する支持体28が存在する。再使用可能なエアロゾル発生物品の上流端10Aは、第一の気流チャネル34によって区画12に接続されている、かつユーザーが物品の下流端10Bでマウスピースを吸う時に、上流端から区画12の中に至る破線矢印で示された第一の気流経路34Aを提供する、第一の空気吸込み口32を含む。追加的に、第二の空気吸込み口36は、区画の遠位に位置するエアロゾル発生物品の中に存在する。これらの第二の空気吸込み口36は、第二の気流チャネル38によって区画12に流体接続されている。これらは、気流管20を通過する下流気流経路20Cに対してある角度を有して延びる第二の気流経路38A(破線矢印によって示す)を提供する。第二の気流経路38Aは、下流気流経路20Cに対して反対向きの方向に延びることができる。第一の気流経路および第二の気流経路のこうした設計は、エアロゾルの簡単な混合および冷却を可能にする。第一の気流経路と第二の気流経路の両方は、区画12内で合流し、また加熱に伴い区画の中に受容されたエアロゾル形成物品からのエアロゾルの発生を支援する。形成されたエアロゾルは、冷却のために、下流気流経路20C(矢印によって示す)に沿って気流管20を通過し、ベンチュリ要素24を通過する。物品の下流端10Bのマウスピースで吸うユーザーは、エアロゾルを吸入することができる。
【0069】
図6は、
図5のエアロゾル発生物品の上流端10Aおよび下流端10Bの上面図を示す。第一の空気吸込み口32は、上流端10Aの上面図で見ることができ、その一方で口側端17の口側端開口部17Cは、再使用可能なエアロゾル発生物品の下流端にて見える。第二の空気吸込み口36は、
図6の中間セクションにおいて見られる通り、再使用可能なエアロゾル発生物品の中間に位置する。
【0070】
図7は、本発明の再使用可能なエアロゾル発生物品の別の実施形態を示す。
図5に示す再使用可能な物品と対照的に、
図7の物品は、第二の空気吸込み口を欠いていて、第一の空気吸込み口32のみを含む。従って、
図7に示す物品は、物品の上流端10Aに位置する第一の空気吸込み口32から、第一の気流チャネル34を通して区画12の中に至り、その後さらに気流管20を通して物品の下流端10Bにつながる、一つの気流経路20Cを有する。
【0071】
図8は、誘導コイルを含む空洞42を有するエアロゾル発生装置40を備えるエアロゾル発生システムの概略図を図示する。再使用可能なエアロゾル発生物品10は、空洞の中に受容されていて、加熱されることができる。
【0072】
図9Aは、ロッド形状の形態にあるエアロゾル形成基体18の斜視図を図示する。こうしたロッドは、例えばエアロゾル形成基体を型成形またはプレス加工することによって形成されることができる。追加的に、
図9Bに示す通り、基体部分18Bを形成するエアロゾル形成基体18の周りにラッパー18Aを巻くことができる。これらのエアロゾル形成基体は、再使用可能なエアロゾル発生物品の区画の中に挿入されている時に、フィルターまたは中空セルロースアセテート管(HAT)などの追加的な要素を含む必要がない。これは廃棄物の量を低減する。
【0073】
図10Aおよび
図10Bは、本発明の再使用可能なエアロゾル発生物品の別の実施形態を図示する。両方の図の上部は、エアロゾル発生物品の下流端10Bの上面図を示し、その一方で両方の図の下部は、物品の上流端10Aの上面図を示す。両方の図の中間部は、物品の斜視図を図示する。
図10Aは、閉状態にある再使用可能なエアロゾル発生物品を示す。ハウジング14の第一のセクション14Aは、第二のセクション14Bと接触している。両方のセクション、すなわち第一のセクションと第二のセクションは、二つのヒンジ16A、16Bを介して接続されている。再使用可能なエアロゾル発生物品はロッド形状であり、また両方のヒンジ16A、16Bは物品の円周面に位置し、そのため、両方のヒンジを中心として第一のセクションおよび第二のセクションを旋回させることによって、物品を本のように開くことができる。これは、開状態にある再使用可能なエアロゾル発生物品の上面図を図示する
図10Bの上部で明瞭に見ることができる。マウスピース17は、第一のセクション17Aおよび第二のセクション17Bを口側端開口部17Cとともに備え、これは両方のセクションが閉じられていて、かつ相互に接触する時に形成されている。エアロゾル発生物品の上流部10Aは、第一の空気吸込み口32を含む。