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特許7576707電池パック制御システムの放電制御方法及び充電制御方法
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  • 特許-電池パック制御システムの放電制御方法及び充電制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電池パック制御システムの放電制御方法及び充電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241024BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20241024BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20241024BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20241024BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241024BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/02 J
H02J7/00 302C
H02H7/00 L
H02H7/18
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023541661
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 CN2021125410
(87)【国際公開番号】W WO2023065243
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】叶 ▲うぇい▼
(72)【発明者】
【氏名】曾 波
(72)【発明者】
【氏名】孫 淑▲てぃん▼
(72)【発明者】
【氏名】謝 吉海
(72)【発明者】
【氏名】李 永超
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0226267(US,A1)
【文献】特開2019-161781(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108258748(CN,A)
【文献】特開2014-73051(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104425852(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112519634(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0066838(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/02
H02H 7/00
H02H 7/18
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パック制御システムの放電制御方法であって、前記電池パック制御システムは、メイン電池管理ユニット及びN個(Nは、2以上の正の整数)のサブ電池管理ユニットを含み、N個の並列接続される電池パックを制御するために用いられ、ここで、前記サブ電池管理ユニットは、前記電池パックが作動回路に接続するか又は前記作動回路との接続を切断するように制御するために用いられ、前記サブ電池管理ユニットは、前記メイン電池管理ユニットに通信接続され、
前記放電制御方法は、メイン電池管理ユニットに用いられ、前記放電制御方法は、
第一の時刻に、前記N個の並列接続される電池パックの第一の電圧値を取得し、第一の電圧値が最も大きい第一の電池パックを決定し、第一の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第一の電池パックを前記作動回路に接続する制御命令を送信することと、
第i(iは、2以上の正の整数)の時刻に、前記作動回路に接続されていないN-i+1個の電池パックの第iの電圧値、及び作動回路に接続されたi-1個の電池パックが並列接続された電圧である第iのサンプリング電圧を取得し、全ての第iの電圧値は、それぞれ第iのサンプリング電圧との差を取り、N-i+1個の差を得、N-i+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいM個(Mは、0以上の整数)の差を得、M個の差に対応するM個の電池パックのうち電圧が最も大きい第iの電池パックを決定し、第iの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第iの電池パックを前記作動回路に接続する制御命令を送信することと、
=0となるまで、放電を許可する命令を出力することとを含む、ことを特徴とする電池パック制御システムの放電制御方法。
【請求項2】
前記の、N-i+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいM個の差を得るステップは、
前記の、前記作動回路に接続されていないN-i+1個の電池パックにおける各電池パックの許容放電電流、及び対応する電池パックの内部抵抗に基づき、前記差圧閾値を得ることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の放電制御方法。
【請求項3】
第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を受信した後、第iの時刻であると判断することをさらに含み、ここで、前記の、第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令は、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットから送信される、ことを特徴とする請求項1に記載の放電制御方法。
【請求項4】
前記放電制御方法は、
サンプリング電圧と、サンプリング電流と、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とを取得し、第一の条件を満たす電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、前記第一の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が対応する差圧範囲内にある場合、前記サンプリング電流が設定される閾値よりも小さく且つ予め設定される時間持続すると決定することを含み、
ここで、作動回路に接続されていない電池パックの電圧VBatVoltとサンプリング電圧VLINKとの差の差圧範囲は、ΔVmin<(VBatVolt-LINK)<ΔVmaxであり、ΔVmin=ΔV-U、ΔVmax=ΔV+U、ΔV=最大環流値と内部抵抗との積であり、Uは、設定されたサンプリング誤差及び過電流判断基準の閾値許容度である、ことを特徴とする請求項1に記載の放電制御方法。
【請求項5】
前記放電制御方法は、
サンプリング電圧と、サンプリング電流と、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とを取得し、第二の条件を満たす電池パックに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、前記第二の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が差圧範囲内にある場合、出力パワーを制御することによってサンプリング電流を低下させ、前記サンプリング電流が設定される閾値よりも小さく且つ予め設定される時間持続すると決定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の放電制御方法。
【請求項6】
前記放電制御方法は、
作動回路に接続される電池パックの放電電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度に低下するまで、許容放電パワーに対する動的な調整を行い、電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックと作動回路との接続を切断する命令を送信することと、
電池パックと作動回路との切断完了したことをすための命令を受信した後、改めて作動回路に接続された全ての電池パックに基づいて許容放電パワーを要求することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の放電制御方法。
【請求項7】
電池パック制御システムの充電制御方法であって、前記充電制御方法は、メイン電池管理ユニットに用いられ、前記充電制御方法は、
第一の時刻に、N個(Nは、2以上の正の整数)の並列接続される電池パックの第一の電圧値を取得し、第一の電圧値が最も小さい第一の電池パックを決定し、第一の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第一の電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することと、
第j(jは、2以上の正の整数)の時刻に、前記作動回路に接続されていないN-j+1個の電池パックの第jの電圧値、及び作動回路に接続されたj-1個の電池パックが並列接続された電圧である第jのサンプリング電圧を取得し、全ての第jの電圧値は、それぞれ第jのサンプリング電圧との差を取り、N-j+1個の差を得、N-j+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいP個(Pは、0以上の整数)の差を得、P個の差に対応するP個の電池パックのうち電圧が最も小さい第jの電池パックを決定し、第jの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第jの電池パックを前記作動回路に接続する制御命令を送信することと、
=0となるまで、充電を許可する命令を出力することとを含む、ことを特徴とする電池パック制御システムの充電制御方法。
【請求項8】
前記の、N-j+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいP個の差を得るステップは、
前記の、前記作動回路に接続されていないN-j+1個の電池パックにおける各電池パックの許容充電電流、及び対応する電池パックの内部抵抗に基づき、前記差圧閾値を得ることを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充電制御方法。
【請求項9】
第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を受信した後、第jの時刻であると判断することをさらに含み、ここで、前記の、第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令は、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットから送信される、ことを特徴とする請求項7に記載の充電制御方法。
【請求項10】
サンプリング電圧と、サンプリング電流と、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とを取得し、第三の条件を満たす電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、前記第三の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が対応する差圧範囲内にある場合、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うことを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充電制御方法。
【請求項11】
前記の、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うことは、
作動回路に接続されていない電池パックの電圧VBatVoltとサンプリング電圧VLINKとの差が差圧範囲ΔVmin<(VBatVolt-VLINK)<ΔVmaxにある場合、現在のルックアップテーブルの充電レートに勾配係数φを乗じた充電レートσで充電し、サンプリング電圧をVLINK=ΔV+VBatVoltとなるまで充電し該電圧での充電を時間τs維持すると、次の勾配係数に切り替えることであって、ここで、ΔVmin=ΔV-U、ΔVmax=ΔV+U、ΔV=最大環流値と内部抵抗との積であり、Uは、設定されたサンプリング誤差及び過電流判断基準の閾値許容度であるステップ1と、
上記ステップをσ=0.1Cとなるまで繰り返し、サンプリング電圧をVLINK=ΔV+VBatVoltとなるまで充電し該電圧での充電を時間τs維持するステップ2とを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の充電制御方法。
【請求項12】
前記充電制御方法は、
作動回路に接続される電池パックの充電電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度に低下するまで、許容充電パワーに対する動的な調整を行い、電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックと作動回路との接続を切断する命令を送信することと、
電池パックと作動回路との切断完了したことをすための命令を受信した後、改めて作動回路に接続された全ての電池パックに基づいて許容充電パワーを要求することをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エネルギー貯蔵システムの充放電制御技術分野に関し、具体的に、電池パック制御システムの放電制御方法及び充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、エネルギー貯蔵システム及び電気自動車におけるリチウム電池パックの多くは、複数の電池パックを並列接続する形式を採用し、エネルギー貯蔵システム及び電気自動車の容量及び性能要求を満たしている。システムの規模の増大に伴い、並列接続される電池パックはますます多くなり、並列接続された電池パックの間における電池電圧、内部抵抗、自己放電率などのパラメータの差異により、電流不均衡の現象が発生し、深刻な場合は、環流電流が発生し、エネルギー貯蔵システムの耐用年数と性能に影響を与え、且つ安全上のリスクが存在しうる。
【0003】
複数の電池パックが並列接続される場合、複数の電池パックが所在する分岐路の間に差圧が存在するため、直接閉じる場合、分岐路の間の差圧が大きすぎると、差圧により発生する環流がリレーに衝撃を与えて溶着、耐用年数の短縮又は電池セルへの損傷を引き起こす。充電プロセスにおいて、複数の電池パックが所在する分岐路の間に差圧が存在する場合、差圧が大きすぎる分岐路を閉じないと、一部の分岐路を充電できず、時分割閉方式を採用して充電すると充電時間が長くなり、放電プロセスにおいて、同様に、複数の電池パックが所在する分岐路は、放電時に差圧が大きくなりすぎ、差圧が大きすぎる分岐路を閉じないと、出力パワーが制限され、航続距離が低下し、且つマルチ分岐路システムの分岐路電池パックの使用が不均衡になるという問題を引き起こす。
【0004】
従来技術では、一般的にバランス抵抗を採用して並列接続される電池パックに対して均衡電流制御を行う。しかしながら、バランス抵抗を採用するため、このバランス抵抗は、消耗型デバイスに属し、システムのエネルギーを消費し、エネルギーの浪費を引き起こす。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例の目的は、電池パック制御システムの放電制御方法及び充電制御方法を提供し、従来技術の充放電プロセスにおいて複数の電池パックが所在する分岐路間の差圧が大きすぎるために分岐路を合理的に閉じて作動回路に接続することが困難であるという技術的欠陥を解決することである。且つ、本出願による技術案では、並列接続される電池パックを閉じる時、従来のバランス抵抗を採用する方案を排除し、エネルギー浪費という技術的欠陥も回避する。
【0006】
本出願の実施例による電池パック制御システムの放電制御方法では、電池パック制御システムは、メイン電池管理ユニット及びN個のサブ電池管理ユニットを含み、N個(Nは、2以上の正の整数)の並列接続される電池パックを制御するために用いられ、ここで、サブ電池管理ユニットは、電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断するように制御するために用いられ、サブ電池管理ユニットは、メイン電池管理ユニットに通信接続され、
放電制御方法は、メイン電池管理ユニットに用いられ、放電制御方法は、
第一の時刻に、N個の並列接続される電池パックの第一の電圧値を取得し、第一の電圧値が最も大きい第一の電池パックを決定し、第一の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第一の電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することと、
第i(iは、2以上の正の整数)の時刻に、作動回路に接続されていないN-i+1個の電池パックの第iの電圧値、及び作動回路に接続されたi-1個の電池パックが並列接続された電圧である第iのサンプリング電圧を取得し、全ての第iの電圧値は、それぞれ第iのサンプリング電圧との差を取り、N-i+1個の差を得、N-i+1個の差のうち対応するする差圧閾値よりも小さいM個(Mは、0以上の整数)の差を得、M個の差に対応するM個の電池パックのうち電圧が最も大きい第iの電池パックを決定し、第iの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第iの電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することと、
=0となるまで、放電を許可する命令を出力することとを含む。
【0007】
上記技術案では、電池パック制御システムは、メイン電池管理ユニット及び複数のサブ電池管理ユニットを含み、メイン電池管理ユニットは、サブ電池管理ユニットを制御するために用いられ、サブ電池管理ユニットは、電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断するように制御するために用いられ、毎回サブ電池管理ユニットが電池パックを作動回路に接続するように制御する前に、電池パックの組み込みにより発生する環流値を事前に予測し、且つ安全な環流値が発生する区間内に電池パックが作動回路に接続するように制御し、この制御方法は、バランス抵抗に依存せず、エネルギー損失を回避し、回路に接続される電池パックの電池セル及びリレー(リレーの役割は、リレーの開閉によって電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断することを実現することである)が環流による衝撃で損傷されないように効果的に保護する。
【0008】
いくつかの選択的な実施の形態では、N-i+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいM個の差を得るステップは、
作動回路に接続されていないN-i+1個の電池パックにおける各電池パックの許容放電電流、及び対応する電池パックの内部抵抗に基づき、差圧閾値を得ることを含む。
【0009】
上記技術案では、N-i+1個の差に対応する各差圧閾値は、いずれもリアルタイムで動的に変化する閾値であり、この差圧閾値は、各電池パックの許容放電電流及び内部抵抗に基づいて得られ、ここで、電池パックの許容放電電流は、現在時刻の電池パックの温度及びSOC値での許容放電電流又はリレー閉最大環流値である。
【0010】
いくつかの選択的な実施の形態では、
第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を受信した後、第iの時刻であると判断することをさらに含み、ここで、第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令は、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットから送信される。
【0011】
上記技術案では、メイン電池管理ユニットは、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第i-1の電池パックを作動回路に接続する命令を送信した後、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第i-1の電池パックのリレーに対して開回路診断を行い、開回路故障がなければ、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第i-1の電池パックのリレー閉が完了したことを確認し、且つメイン電池管理ユニットに第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を送信し、メイン電池管理ユニットがこの命令を受信した後、第iの時刻であると判断する。放電制御のプロセスにおいて、毎回電池パックのリレー閉を制御すると同時に、いずれも開回路診断を行い、後続の制御フローがスムーズに行われることを確保する。
【0012】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電制御方法は、
サンプリング電圧と、サンプリング電流と、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とを取得し、第一の条件を満たす電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、第一の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が対応する差圧範囲内にある場合、サンプリング電流が設定される閾値よりも小さく且つ予め設定される時間持続すると決定することを含み、
ここで、作動回路に接続されていない電池パックの電圧VBatVoltとサンプリング電圧VLINKとの差の差圧範囲は、ΔVmin<(VBatVolt-LINK)<ΔVmaxであり、ΔVmin=ΔV-U、ΔVmax=ΔV+U、ΔV=最大環流値と内部抵抗との積であり、Uは、設定されたサンプリング誤差及び過電流判断基準の閾値許容度である。
【0013】
上記技術案では、放電制御の高電圧化が完了した後、電気自動車又は他の電力消費機器の運転プロセスにおいて、メイン電池管理ユニットは、サンプリング電圧の変化をリアルタイムに監視し、作動回路に接続されていない残りの電池パックが作動回路に接続するタイミングを予測し、このタイミングでこの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信し、差圧がより大きい電池パックを全て作動回路に接続することができ、差圧により一部の電池パックが放電できないことによる出力パワー不足及び航続距離が短くなるという問題を回避する。
【0014】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電制御方法は、
サンプリング電圧と、サンプリング電流と、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とを取得し、第二の条件を満たす電池パックに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、第二の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が差圧範囲内にある場合、出力パワーを制御することによってサンプリング電流を低下させ、サンプリング電流が設定閾値よりも小さく且つ予め設定される時間持続すると決定することを含む。
【0015】
上記技術案は、放電制御の高電圧化が完了した後、電気自動車又は他の電力消費機器の運転プロセスにおいて、メイン電池管理ユニットは、サンプリング電圧の変化をリアルタイムに監視し、作動回路に接続されていない残りの電池パックが作動回路に接続するタイミングを予測し且つ制御し、このタイミングでこの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信し、電池パックの差圧がさらに大きくなることを回避し、電池セルの整合性を向上させ、差圧がより大きい電池パックを全て作動回路に接続することができ、差圧により一部の電池パックが放電できないことによる出力パワー不足及び航続距離が短くなるという問題を回避する。
【0016】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電制御方法は、
作動回路に接続される電池パックの放電電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度に低下するまで、許容放電パワーに対する動的な調整を行い、電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックと作動回路との接続を切断する命令を送信することと、
電池パックと作動回路との切断完了したことをすための命令を受信した後、改めて作動回路に接続された全ての電池パックに基づいて許容放電パワーを要求することとをさらに含む。
【0017】
上記技術案は、放電プロセスにおいて、電池パックと作動回路との接続を切断する前に、許容放電パワーを動的に調整することによって電流の低減を実現し、電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度まで低下すると、リレーが切断するように制御して電池パックと作動回路との接続を切断させ、電池パックと作動回路との接続を切断する時にリレーが損傷されないように保護する。
【0018】
本出願の実施例による電池パック制御システムの充電制御方法では、充電制御方法は、メイン電池管理ユニットに用いられ、充電制御方法は、
第一の時刻に、N個(Nは、2以上の正の整数)の並列接続される電池パックの第一の電圧値を取得し、第一の電圧値が最も小さい第一の電池パックを決定し、第一の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第一の電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することと、
第jの時刻に、作動回路に接続されていないN-j+1個の電池パックの第jの電圧値、及び第jのサンプリング電圧を取得し、第j(jは、2以上の正の整数)のサンプリング電圧は、作動回路に接続されたj-1個の電池パックが並列接続された電圧であり、全ての第jの電圧値は、それぞれ第jのサンプリング電圧との差を取り、N-j+1個の差を得、N-j+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいP個の差を得、P個(Pは、0以上の整数)の差に対応するP個の電池パックのうち電圧が最も小さい第jの電池パックを決定し、第jの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第jの電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することと、
=0となるまで、充電を許可する命令を出力することを含む。
【0019】
上記技術案では、電池パック制御システムは、メイン電池管理ユニット及び複数のサブ電池管理ユニットを含み、メイン電池管理ユニットは、サブ電池管理ユニットを制御するために用いられ、サブ電池管理ユニットは、電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断するように制御するために用いられ、充電制御プロセスにおいて毎回サブ電池管理ユニットが電池パックを作動回路に接続するように制御する前に、電池パックの組み込みにより発生する環流値を事前に予測し、且つ安全な環流値が発生する区間内に電池パックが作動回路に接続するように制御し、この制御方法は、バランス抵抗に依存せず、エネルギー損失を回避し、回路に接続される電池パックの電池セル及びリレー(リレーの役割は、リレーの開閉によって電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断することを実現することである)が環流による衝撃で損傷されないように効果的に保護する。
【0020】
いくつかの選択的な実施の形態では、N-j+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいP個の差を得るステップは、
作動回路に接続されていないN-j+1個の電池パックにおける各電池パックの許容充電電流、及び対応する電池パックの内部抵抗に基づき、差圧閾値を得ることを含む。
【0021】
上記技術案では、N-j+1個の差に対応する各差圧閾値は、いずれもリアルタイムで動的に変化する閾値であり、この差圧閾値は、各電池パックの許容充電電流及び内部抵抗に基づいて得られ、ここで、電池パックの許容充電電流は、現在時刻の電池パックの温度及びSOC値での許容充電電流又はリレー閉最大環流値である。
【0022】
いくつかの選択的な実施の形態では、
第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を受信した後、第jの時刻であると判断することをさらに含み、ここで、第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令は、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットから送信される。
【0023】
上記技術案では、メイン電池管理ユニットは、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第j-1の電池パックを作動回路に接続する命令を送信した後、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第j-1の電池パックのリレーに対して開回路診断を行い、開回路故障がなければ、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第j-1の電池パックのリレー閉が完了したことを確認し、且つメイン電池管理ユニットに第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を送信し、メイン電池管理ユニットがこの命令を受信した後、第jの時刻であると判断する。充電制御のプロセスにおいて、毎回電池パックのリレー閉を制御すると同時に、いずれも開回路診断を行い、後続の制御フローがスムーズに行われることを確保する。
【0024】
いくつかの選択的な実施の形態では、サンプリング電圧と、サンプリング電流と、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とを取得し、第三の条件を満たす電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信し、ここで、第三の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が対応する差圧範囲内にある場合、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うことを含む。
【0025】
上記技術案では、充電制御の高電圧化が完了した後、作動回路に接続された複数の並列接続された電池パックは、充電を開始し、充電プロセスにおいて、メイン電池管理ユニットは、サンプリング電圧の変化をリアルタイムに監視し、作動回路に接続されていない残りの電池パックが作動回路に接続するタイミングを予測し且つ制御し、このタイミングでこの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信し、充電プロセスにおいて電池パックを組み込んで環流が発生することによる充電過電流を回避し、差圧がより大きい電池パックを全て作動回路に接続することができ、差圧が大きすぎる電池パックが充電できないという問題を解決し、電池の利用可能性を効果的に向上させる。
【0026】
いくつかの選択的な実施の形態では、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うことは、
作動回路に接続されていない電池パックの電圧VBatVoltとサンプリング電圧VLINKとの差が差圧範囲ΔVmin<(VBatVolt-VLINK)<ΔVmaxにある場合、現在のルックアップテーブルの充電レートに勾配係数φを乗じた充電レートσで充電し、サンプリング電圧をVLINK=ΔV+VBatVoltとなるまで充電し該電圧での充電を時間τs維持すると、次の勾配係数に切り替えることであって、ここで、ΔVmin=ΔV-U、ΔVmax=ΔV+U、ΔV=最大環流値と内部抵抗との積であり、Uは、設定されたサンプリング誤差及び過電流判断基準の閾値許容度であることと、
上記ステップをσ=0.1Cとなるまで繰り返し、サンプリング電圧をVLINK=ΔV+VBatVoltとなるまで充電し該電圧での充電を時間τs維持することとを含む。
【0027】
いくつかの選択的な実施の形態では、充電制御方法は、
作動回路に接続される電池パックの充電電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度に低下するまで、許容充電パワーに対する動的な調整を行い、電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックと作動回路との接続を切断する命令を送信することと、
電池パックと作動回路との切断完了したことをすための命令を受信した後、改めて作動回路に接続された全ての電池パックに基づいて許容充電パワーを要求することとをさらに含む。
【0028】
上記技術案は、充電プロセスにおいて、電池パックと作動回路との接続を切断する前に、許容充電パワーを動的に調整することによって電流の低減を実現し、電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度まで低下すると、リレーが切断するように制御して電池パックと作動回路との接続を切断させ、電池パックと作動回路との接続を切断する時にリレーが損傷されないように保護する。
【0029】
上記説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本出願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解しやすくするために、以下に本出願の具体的な実施の形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例において使用される必要のある図面を簡単に紹介し、理解すべきことは、以下の図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎないため、範囲を限定するものとみなされるべきではなく、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることもできる。
【0031】
図1】本出願の実施例による電池パック制御システムの構造概略図である。
図2】本出願の実施例による電池パック制御システムの放電制御方法のステップのフローチャートである。
図3】本出願の実施例による開回路診断の作動フローチャートである。
図4】本出願の実施例による電池パック制御システムの充電制御方法のフローチャートである。
図5】本出願の別の実施例による開回路診断の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳細に記述する。以下の実施例は本出願の技術案をより明瞭に説明するためのものに過ぎず、単なる例示であり、これによって本出願の保護範囲を限定してはならない。
【0033】
特に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術的および科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0034】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「第一」、「第二」などは、異なる対象を区別するためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は示唆し又は指示される技術的特徴の数、特定の順序又は主従関係を暗黙的に明示するものと理解されるべきではない。本出願の実施例の記述において、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。
【0035】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各箇所でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記述された実施例が他の実施例と組み合わされることが可能であることを明示的且つ非明示的に理解することができる。
【0036】
本出願の実施例の記述において、用語である「及び/又は」は、ただ関連対象を記述する関連関係に過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本明細書における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。本出願の実施例の記述において、用語である「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は、二組以上(二組を含む)を指し、「複数枚」は、二枚以上(二枚を含む)を指す。
【0037】
本出願の実施例の記述において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの要素内部の連通又は二つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願の実施例での具体的な意味を理解してもよい。
【0038】
現在、エネルギー貯蔵システム及び電気自動車におけるリチウム電池パックの多くは、複数の電池パックを並列接続する形式を採用し、エネルギー貯蔵システム及び電気自動車の容量及び性能要求を満たしている。しかしながら、複数の電池パックの複数の電圧の間に差圧が存在し、電池パックにおけるリレーを直接閉じて並列接続を実現する場合、差圧が大きすぎることにより発生する環流は、リレーに衝撃を与えて溶着、耐用年数の短縮又は電池セルへの損傷を引き起こす。充電時に差圧が大きすぎると一部の電池パックを充電できなくなり、放電時に差圧が大きすぎると一部の電池パックが放電できなくなり、出力パワーが制限され、航続距離が低下する。
【0039】
並列接続される電池パックが差圧によって一部の電池パックを充電又は放電できないことを解決するために、出願人は、研究により、バランス抵抗を採用して並列接続される電池パックに対してバランス電流制御を行うことができるが、電流均衡化能力が限られ、且つ、採用されるバランス抵抗が消耗型デバイスに属し、システムのエネルギーを消費することを発見した。
【0040】
以上の考えに基づき、採用されるバランス抵抗によるエネルギー損失の問題を解決するために、発明者は、鋭意研究により、電池パック制御システムの放電制御方法及び充電制御方法を設計し、毎回サブ電池管理ユニットが電池パックを作動回路に接続するように制御する前に、電池パックの組み込みにより発生する環流値を事前に予測し、且つ安全な環流値が発生する区間内に電池パックが作動回路に接続するように制御し、この制御方法は、バランス抵抗に依存せず、エネルギー損失を回避する。
【0041】
本出願の実施例が開示する放電制御方法及び充電制御方法は、複数の電池パックが並列接続される場合に、複数の並列接続される電池パックに対して充電又は放電を行うプロセスにおける制御に適用される。複数の並列接続される電池パックは、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、電動自転車、電気自動車、船舶、宇宙機などの電力消費装置に用いられてもよいがそれらに限定されない。ここで、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具を含んでもよく、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船玩具及び電動飛行機玩具等であり、宇宙機は、飛行機、ロケット、宇宙飛行機及び宇宙船などを含んでもよい。
【0042】
以下の実施例は、説明を容易にするために、本出願の一つの実施例の電気消費装置が電気自動車であることを例として説明する。
【0043】
図1を参照すると、図1は、本出願の実施例による電池パック制御システムの構造概略図であり、電池パック制御システムは、メイン電池管理ユニット及びN個のサブ電池管理ユニットを含み、N個(Nは、2以上の正の整数)の並列接続される電池パックを制御するために用いられる。サブ電池管理ユニットは、電池パックにおけるリレーの開閉を制御することによって、電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断することを制御する。サブ電池管理ユニットは、メイン電池管理ユニットと通信接続される。
【0044】
本出願のいくつかの実施例では、サブ電池管理ユニットは、対応する電池パックの電池管理システム(Battery Mannagement Sysytem、BMS)を利用して実現することができ、メイン電池管理ユニットは、電池パック切断ユニット(Battery Disconnect Unit、BDU)の制御モジュールによって実現されてもよく、そのうちの一つの電池パックの電池管理システムによって実現されてもよい。
【0045】
図2を参照すると、図2は、電池パック制御システムの放電制御方法のステップのフローチャートであり、この放電制御方法は、メイン電池管理ユニットに用いられ、この放電制御方法は、ステップ100-ステップ300を含む。
【0046】
ステップ100:第一の時刻に、N個の並列接続される電池パックの第一の電圧値を取得し、第一の電圧値が最も大きい第一の電池パックを決定し、第一の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第一の電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信する。
【0047】
ステップ200:第i(iは、2以上の正の整数)の時刻に、作動回路に接続されていないN-i+1個の電池パックの第iの電圧値、及び作動回路に接続されたi-1個の電池パックが並列接続された電圧である第iのサンプリング電圧を取得し、全ての第iの電圧値は、それぞれ第iのサンプリング電圧との差を取り、N-i+1個の差を得、N-i+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいM個(Mは、0以上の整数)の差を得、M個の差に対応するM個の電池パックのうち電圧が最も大きい第iの電池パックを決定し、第iの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第iの電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信する。
【0048】
ステップ300:M=0となるまで、放電を許可する命令を出力する。
ここで、ステップ100における第一の時刻とは、つまり、電池パックのBMSがセルフチェックを完了した後、車両制御ユニット(Vehicle Control Unit、VCU)の高電圧化命令を取得する時である。電池パックのBMSセルフチェックは、初期化及び故障判断を含み、メイン電池管理ユニットからサブ電池管理ユニットにBMSセルフチェックを行うように指示する信号を送信してもよく、全ての電池パックのBMSセルフチェックが完了した後、メイン電池管理ユニットは、車両制御ユニットの高電圧化命令を受信する。メイン電池管理ユニットが高電圧化命令を受信した後、即ち第一の時刻に、電池パック電圧が最も大きい第一の電池パックを作動回路に接続する。電池パック電圧は、電池パック内の単体電池セル電圧の累積和であってもよく、高電圧収集ユニットによって収集される電池パック端電圧であってもよい。第一の電池パックが作動回路に接続された後、ステップ200に進み、(i=2、3、4、・・・)の各時刻に、現在時刻に作動回路に接続されていない電池パック電圧値と現在時刻のサンプリング電圧との差が、対応する差圧閾値よりも小さいM個の電池パックをそれぞれ判断し、且つM個の電池パックのうち電圧が最も大きい第iの電池パックを作動回路に接続する。(i=2、3、4、・・・)の各時刻に、ステップ300まで、ステップ200を繰り返して実行し、M=0である時、現在時刻に電池パック電圧値とサンプリング電圧との差が対応する差圧閾値よりも小さい電池パックがないことを示し、即ち現在時刻に作動回路に接続可能な電池パックがなく、この時、これらの作動回路に接続されていない電池パックは、作動回路との接続切断状態を維持し、メイン電池管理ユニットは、システム高電圧化完了命令をフィードバックし、メイン電池管理ユニットは、作動回路に接続された電池パック数に基づいて許容放電パワーを要求し且つパワーを出力して放電する。
【0049】
本出願の実施例の放電制御は、高電圧化プロセスで、毎回サブ電池管理ユニットが電池パックを作動回路に接続するように制御する前に、電池パックが、電池パック電圧値とサンプリング電圧の差が対応する差圧閾値よりも小さいという条件を満たすか否かを判断する。この差圧閾値は、差圧閾値に対応する環流値が安全な環流値区間内にあるように設定される。すると、この条件を満たす電池パックがある場合、この電池パックの組み込みにより発生した環流値も安全な環流値区間内にあると予め判断することができる。本実施例の制御方法は、安全な環流値を生成する区間内に電池パックを作動回路に接続するように制御することを保証し、電池パックの組み込みにより過大な環流値を発生させてリレーに衝撃を与えることにより、溶着、耐用年数の短縮又は電池セルへの損傷を引き起こすことを回避し、回路に接続される電池パックの電池セル及びリレーを効果的に保護し、且つ、この制御方法は、バランス抵抗に依存せず、エネルギー損失を回避する。ここで、リレーの役割は、リレーの開閉によって電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断することを実現することである。
【0050】
本出願のいくつかの実施例では、N-i+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいM個の差を得るステップでは、この差圧閾値ΔVは、
ΔV=(Ri+Rj)×Ix
Ix=Min(y(x)map,F(x)map)であり、
ここで、Ri、Rjは、それぞれ作動回路に接続された電池パックの内部抵抗及び作動回路に接続されていない電池パックの内部抵抗である。内部抵抗の計算は、R=f(x)=(αT,βSOC,δSOH)であり、即ち電池パックの内部抵抗を温度T、SOC(利用可能な容量と実際の容量の比)及びSOH(利用可能な性能の残りの割合)の数学モデルによってリアルタイムに計算して取得する。Ixは、電池パックの許容放電電流であり、それは、y(x)map、F(x)mapのうちのより小さい値を取り、y(x)mapはサブ電池管理ユニットの放電電流mapから現在の温度及びSOC値における許容放電電流を取得し、F(x)mapは、リレー閉を許容し且つリレーの容量の耐用年数を損なわない最大環流値である。そのため、Ixによって電池パックの組み込みを許可して発生した最大安全環流値をリアルタイムに取得することによって、電池パックの組み込みを許可する差圧閾値ΔVを算出することができる。
【0051】
本出願の実施例では、N-i+1個の差に対応する各差圧閾値は、いずれもリアルタイムで動的に変化する閾値であり、この差圧閾値は、各電池パックの許容放電電流及び内部抵抗に基づいて得られ、ここで、電池パックの許容放電電流は、現在時刻の電池パックの温度及びSOC値での許容放電電流又はリレー閉最大安全環流値である。そのため、最大安全環流値に基づいて算出された差圧閾値は、電池パックが作動回路に組み込まれて安全環流値を発生させる前提で、この電池パックが作動回路に組み込まれることを可能な限り許容し、作動回路に組み込めない電池パックの数を減少させる。
【0052】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電制御方法は、
第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を受信した後、第iの時刻であると判断することをさらに含み、ここで、第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令は、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットから送信される。
【0053】
図3を参照すると、図3は、本出願の実施例による開回路診断の作動フローチャートであり、メイン電池管理ユニットは、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第i-1の電池パックを作動回路に接続する命令を送信した後、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第i-1の電池パックのリレーに対して開回路診断を行い、開回路故障がなければ、第i-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第i-1の電池パックのリレー閉が完了したことを確認し、且つメイン電池管理ユニットに第i-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を送信し、メイン電池管理ユニットは、この命令を受信した後、第iの時刻であると判断する。放電制御のプロセスにおいて、毎回電池パックのリレー閉を制御すると同時に、いずれも開回路診断を行い、後続の制御フローがスムーズに行われることを確保する。
【0054】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電制御プロセスにおける高電圧化が完了した後、電気自動車の運転プロセスにおいて、作動回路に接続された電池パックは、放電に伴い、その電圧が低下し、作動回路に接続されていない電池パックの電圧に徐々に近づき、この時、放電制御方法は、サンプリング電圧、サンプリング電流及び作動回路に接続されていない電池パックの電圧を取得し、第一の条件を満たす電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、第一の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が対応する差圧範囲内にある場合、サンプリング電流が設定される閾値よりも小さく且つ予め設定される時間持続すると決定することを含む。ここで、作動回路に接続されていない電池パックの電圧VBatVoltとサンプリング電圧VLINKとの差の差圧範囲は、ΔVmin<(VBatVolt-VLINK)<ΔVmaxであり、ΔVmin=ΔV-U、ΔVmax=ΔV+U、ΔV=最大環流値と内部抵抗との積であり、Uは、設定されたサンプリング誤差及び過電流判断基準の閾値許容度である。
【0055】
本出願の実施例は、放電制御の高電圧化が完了した後、電気自動車の運転プロセスにおいて、メイン電池管理ユニットは、サンプリング電圧の変化をリアルタイムに監視し、作動回路に接続されていない残りの電池パックが作動回路に接続するタイミングを予測する。ここで、本実施例のこのタイミングは、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差が差圧範囲内にあり、且つサンプリング電流は、設定閾値よりも小さいタイミングである。このタイミングで、この電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することで、差圧がより大きい電池パックを全て作動回路に接続することができ、差圧により一部の電池パックが放電できないことによる出力パワー不足及び航続距離が短くなるという問題を回避する。
【0056】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電制御プロセスにおける高電圧化が完了した後、電気自動車の運転プロセスにおいて、作動回路に接続された電池パックは、放電に伴い、その電圧が低下し、作動回路に接続されていない電池パックの電圧に徐々に近づき、この時、放電制御方法は、サンプリング電圧、サンプリング電流及び作動回路に接続されていない電池パックの電圧を取得し、第二の条件を満たす電池パックに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含み、ここで、第二の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が差圧範囲内にある場合、出力パワーを制御することによってサンプリング電流を低下させ、サンプリング電流が設定閾値θAよりも小さく且つ予め設定される時間持続すると決定することを含む。ここで、θA値の設定は、主に以下のいくつの面を考慮する。1)電気自動車の走行状況、即ち車両が安全に走行することを優先的に保証すること、2)電池セルの出力電流による分極内部抵抗。即ち:
θ=min(I_safety,I_Resistance)、ここでI_safetyは、安全車速での電流を指し、I_Resistanceは、動的制御における最大許容分極電圧での電流を指す。
【0057】
上記技術案は、放電制御プロセスにおける高電圧化が完了した後、電気自動車が走行放電プロセスにおいて、メイン電池管理ユニットは、サンプリング電圧の変化をリアルタイムに監視し、作動回路に接続されていない残りの電池パックが作動回路に接続するタイミングを予測する。ここで、本実施例のこのタイミングは、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差が差圧範囲内にある場合、出力パワーを動的に制御してサンプリング電流を低下させ、さらにサンプリング電流を制御してそれを設定された閾値よりも小さくするタイミングである。このタイミングで、この電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することで、電池パックの差圧がさらに大きくなることを回避し、電池セルの整合性を向上させ、差圧がより大きい電池パックを全て作動回路に接続することができ、差圧が大きいために一部の電池パックが放電できないことによる出力パワー不足及び航続距離が短くなるという問題を回避する。
【0058】
いくつかの選択的な実施の形態では、放電プロセスにおいて、ある電池パックに故障が発生すると、この電池パックのリレーをオフにする必要があり、この時、放電制御方法は、作動回路に接続される電池パックの放電電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度に低下するまで、許容放電パワーに対する動的な調整を行い、電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックと作動回路との接続を切断する命令を送信することと、電池パックと作動回路との切断完了したことをすための命令を受信した後、改めて作動回路に接続された全ての電池パックに基づいて許容放電パワーを要求することと、をさらに含む。
【0059】
本出願の実施例は、放電プロセスにおいて、電池パックと作動回路との接続を切断する前に、許容放電パワーを動的に調整することによって、電流の低減を実現し、電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度まで低下すると、リレーが切断するように制御して電池パックと作動回路との接続を切断させ、電池パックと作動回路との接続を切断する時にリレーが損傷されないように保護する。
【0060】
図4を参照すると、図4は、本出願の実施例による電池パック制御システムの充電制御方法のステップのフローチャートであり、充電制御方法は、メイン電池管理ユニットに用いられ、充電制御方法は、ステップ400-ステップ600を含む。
【0061】
ステップ400:第一の時刻に、N個(Nは、2以上の正の整数)の並列接続される電池パックの第一の電圧値を取得し、第一の電圧値が最も小さい第一の電池パックを決定し、第一の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第一の電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信する。
【0062】
ステップ500:第jの時刻に、作動回路に接続されていないN-j+1個の電池パックの第jの電圧値、及び第jのサンプリング電圧を取得し、第j(jは、2以上の正の整数)のサンプリング電圧は、作動回路に接続されたj-1個の電池パックが並列接続された電圧であり、全ての第jの電圧値は、それぞれ第jのサンプリング電圧との差を取り、N-j+1個の差を得、N-j+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいP個の差を得、P個(Pは、0以上の整数)の差に対応するP個の電池パックのうち電圧が最も小さい第jの電池パックを決定し、第jの電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第jの電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信する。
【0063】
ステップ600:P=0となるまで、充電を許可する命令を出力する。
【0064】
ここで、ステップ400における第一の時刻は、つまり、充電要求を受信した時である。第一の時刻に、電池パック電圧が最も小さい第一の電池パックを作動回路に接続する。第一の電池パックが作動回路に接続された後、ステップ500に進み、(j=2、3、4、・・・)の各時刻に、現在時刻に作動回路に接続されていない電池パック電圧値と現在時刻のサンプリング電圧との差が、対応する差圧閾値よりも小さいP個の電池パックをそれぞれ判断し、且つP個の電池パックのうち電圧が最も小さい第jの電池パックを作動回路に接続する。(j=2、3、4、・・・)の各時刻に、ステップ600まで、ステップ500を繰り返して実行し、P=0である場合、現在時刻に電池パック電圧値とサンプリング電圧との差が対応する差圧閾値よりも小さい電池パックがないことを示し、即ち現在時刻に作動回路に接続可能な電池パックがなく、この時、これらの作動回路に接続されていない電池パックは、作動回路との接続切断状態を維持し、メイン電池管理ユニットは、システム高電圧化完了命令をフィードバックし、メイン電池管理ユニットは、作動回路に接続された電池パック数に基づいて許容充電パワーを要求する。
【0065】
本出願の実施例の充電制御は、高電圧化プロセスで、毎回サブ電池管理ユニットが電池パックを作動回路に接続するように制御する前に、電池パックが、電池パック電圧値とサンプリング電圧の差が対応する差圧閾値よりも小さいという条件を満たすか否かを判断する。この差圧閾値は、差圧閾値に対応する環流値が安全な環流値区間内にあるように設定される。すると、この条件を満たす電池パックがある場合、この電池パックの組み込みにより発生した環流値も安全な環流値区間内にあると予め判断することができる。本実施例の制御方法は、安全な環流値を生成する区間内に電池パックを作動回路に接続するように制御することを保証し、電池パックの組み込みにより過大な環流値を発生させてリレーに衝撃を与えることにより、溶着、耐用年数の短縮又は電池セルへの損傷を引き起こすことを回避し、回路に接続される電池パックの電池セル及びリレーを効果的に保護し、且つ、この制御方法は、バランス抵抗に依存せず、エネルギー損失を回避する。ここで、リレーの役割は、リレーの開閉によって電池パックが作動回路に接続するか又は作動回路との接続を切断することを実現することである。
【0066】
いくつかの選択的な実施の形態では、N-j+1個の差のうち対応する差圧閾値よりも小さいP個の差を得るステップは、この差圧閾値が、
ΔV=(Ri+Rj)×Ix
Ix=Min(Y(x)map,F(x)map)であり、
ここで、Ri、Rjは、それぞれ作動回路に接続された電池パックの内部抵抗及び作動回路に接続されていない電池パックの内部抵抗である。内部抵抗の計算は、R=f(x)=(αT,βSOC,δSOH)であり、即ち電池パックの内部抵抗を温度T、SOC(利用可能な容量と実際の容量の比)及びSOH(利用可能な性能の残りの割合)の数学モデルによってリアルタイムに計算して取得する。Ixは、電池パックの許容充電電流であり、それは、Y(x)map、F(x)mapのうちのより小さい値を取り、Y(x)mapは、サブ電池管理ユニットの充電電流mapから取得した現在の温度及びSOC値での許容充電電流を取得し、F(x)mapは、リレー閉を許容し且つリレーの容量寿命を損なわない最大環流値である。そのため、Ixによって電池パックの組み込みを許可して発生した最大安全環流値をリアルタイムに取得することによって、電池パックの組み込みを許可する差圧閾値ΔVを算出することができる。
【0067】
本出願の実施例では、N-j+1個の差に対応する各差圧閾値は、いずれもリアルタイムで動的に変化する閾値であり、この差圧閾値は、各電池パックの許容充電電流及び内部抵抗に基づいて得られ、ここで、電池パックの許容充電電流は、現在時刻の電池パックの温度及びSOC値での許容充電電流又はリレー閉最大安全環流値である。そのため、最大安全環流値に基づいて算出された差圧閾値は、電池パックが作動回路に組み込まれて安全環流値を発生させる前提で、この電池パックが作動回路に組み込まれることを可能な限り許容し、作動回路に組み込めない電池パックの数を減少させる。
【0068】
いくつかの選択的な実施の形態では、充電制御方法は、
第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を受信した後、第jの時刻であると判断することをさらに含み、ここで、第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令は、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットから送信される。
【0069】
図5を参照すると、図5は、本出願の実施例による開回路診断の作動フローチャートであり、メイン電池管理ユニットは、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、第j-1の電池パックを作動回路に接続する命令を送信した後、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第j-1の電池パックのリレーに対して開回路診断を行い、開回路故障がなければ、第j-1の電池パックに対応するサブ電池管理ユニットは、第j-1の電池パックのリレー閉が完了したことを確認し、且つメイン電池管理ユニットに第j-1の電池パックと作動回路との接続完了したことをすための命令を送信し、メイン電池管理ユニットは、この命令を受信した後、第jの時刻であると判断する。充電制御のプロセスにおいて、毎回電池パックのリレー閉を制御すると同時に、いずれも開回路診断を行い、後続の制御フローがスムーズに行われることを確保する。
【0070】
いくつかの選択的な実施の形態では、充電制御の高電圧化が完了した後、並列接続される複数の電池パックの充電プロセスにおいて、作動回路に接続された電池パックの電圧が徐々に上昇し、この時、充電制御方法は、サンプリング電圧、サンプリング電流及び作動回路に接続されていない電池パックの電圧を取得し、第三の条件を満たす電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することをさらに含む。ここで、第三の条件は、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差を取り、差が対応する差圧範囲内にある場合、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うことを含む。
【0071】
本出願の実施例では、充電制御の高電圧化が完了した後、作動回路に接続された複数の並列接続された電池パックは、充電を開始し、充電プロセスにおいて、メイン電池管理ユニットは、サンプリング電圧の変化をリアルタイムに監視し、作動回路に接続されていない残りの電池パックが作動回路に接続するタイミングを予測する。ここで、本実施例のこのタイミングは、作動回路に接続されていない電池パックの電圧とサンプリング電圧との差が差圧範囲内にある場合、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うタイミングである。このタイミングで、この電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックを作動回路に接続する制御命令を送信することで、充電プロセスにおいて電池パックを組み込んで環流が発生することによる充電過電流を回避し、差圧がより大きい電池パックを全て作動回路に接続することができ、差圧が大きすぎる電池パックが充電できないという問題を解決し、電池の利用可能性を効果的に向上させる。
【0072】
いくつかの選択的な実施の形態では、充電レートがターゲット値に下がるまで、作動回路に接続された全ての電池パックに対してレートダウン充電制御を行うことは、
作動回路に接続されていない電池パックの電圧VBatVoltとサンプリング電圧VLINKとの差が差圧範囲ΔVmin<(VBatVolt-VLINK)<ΔVmaxにある場合、現在のルックアップテーブルの充電レートに勾配係数φを乗じた充電レートσで充電し、サンプリング電圧をVLINK=ΔV+VBatVoltとなるまで充電し該電圧での充電を時間τs維持すると、次の勾配係数に切り替えることであって、ここで、ΔVmin=ΔV-U、ΔVmax=ΔV+U、ΔV=最大環流値と内部抵抗との積であり、Uは、設定されたサンプリング誤差及び過電流判断基準の閾値許容度であることと、
上記ステップをσ=0.1Cとなるまで繰り返し、サンプリング電圧をVLINK=ΔV+VBatVoltとなるまで充電し該電圧での充電を時間τs維持することと、を含む。
【0073】
本出願の実施例は、レートダウン充電制御時に、勾配降下のレートダウン充電制御を採用し、充電レートをターゲット値まで直接低下させる方式に比べ、全体の充電効率を向上させる。
【0074】
いくつかの選択的な実施の形態では、充電プロセスにおいて、ある電池パックに故障が発生するとこの電池パックのリレーをオフにする必要があり、この時、充電制御方法は、作動回路に接続される電池パックの充電電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度に低下するまで、許容充電パワーに対する動的な調整を行い、電池パックに対応するサブ電池管理ユニットに、電池パックと作動回路との接続を切断する命令を送信することと、電池パックと作動回路との切断完了したことをすための命令を受信した後、改めて作動回路に接続された全ての電池パックに基づいて許容充電パワーを要求することと、をさらに含む。
【0075】
本出願の実施例は、充電プロセスにおいて、電池パックと作動回路との接続を切断する前に、許容充電パワーを動的に調整することによって、電流の低減を実現し、電流がリレー容量の耐用年数を損なわない程度まで低下すると、リレーが切断するように制御して電池パックと作動回路との接続を切断させ、電池パックと作動回路との接続を切断する時にリレーが損傷されないように保護することと、をさらに含む。
【0076】
本出願による実施例では、理解すべきこととして、例示された装置と方法は、他の方式によって実現されてもよい。以上に説明された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば前記ユニットの区分は、単なる論理的機能区分であり、実際に実現する時、別の区分方式があってもよく、また例えば複数のユニット又はアセンブリは、別のシステムに結合されてもよく、又は統合されてもよく、又はいくつかの特徴が無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。また、表示又は説明された同士間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、いくつかの通信インターフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0077】
また、分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離されてもよく、又は分離されなくてもよく、ユニットとして表示された部材は、物理的ユニットであってもよく、又はそうではなくてもよく、一つの箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の必要に応じてそのうちの一部又はすべてのユニットを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0078】
なお、本出願の各実施例における各機能モジュールは、一体に統合されて一つの独立した部分を形成してもよく、各モジュールが単独で存在してもよく、二つ以上のモジュールを統合して一つの独立した部分を形成してもよい。
【0079】
本明細書では、第一および第二などの関係用語は、ある物または操作を別の物または操作から区別するためのものに過ぎず、必ずしも、これらの物または操作の間になんらかの実際の関係または順序が存在することを要求または暗示するものではない。
【0080】
最後に説明すべきこととして、以上の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、前述各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者が理解すべきことは、それは、依然として前記各実施例に記載の技術案に対して修正を行い、又はそのうちの一部又は全ての技術的特徴に対して同等な置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させず、いずれも本出願の請求項及び明細書の範囲に含まれるべきである。特に、構造衝突がない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせられてもよい。本出願は、明細書に開示される特定の実施例に限定されるものでなく、請求項の範囲内に含まれるすべての技術案を含む。

図1
図2
図3
図4
図5