(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム及びマルチキャスト方法
(51)【国際特許分類】
H04L 45/16 20220101AFI20241024BHJP
H04L 61/106 20220101ALI20241024BHJP
H04L 65/1069 20220101ALI20241024BHJP
【FI】
H04L45/16
H04L61/106
H04L65/1069
(21)【出願番号】P 2023548981
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 CN2020123951
(87)【国際公開番号】W WO2022082825
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】202011144897.7
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523155515
【氏名又は名称】ヂェンヂョウ・シーネット・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Zhengzhou SEANet Technologies Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジンリン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ポー
(72)【発明者】
【氏名】イエ,シャオジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,シアヨン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ガン
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-032299(JP,A)
【文献】特開2009-171577(JP,A)
【文献】特開2004-166051(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101222414(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャスト送信側と、マルチキャスト受信側と、マルチキャストメンバープロキシ及びマルチキャスト処理ノードとを備える識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステムであって、
クラウド又はネットワークに配置される識別子解析サービスモジュールを更に備え、
前記識別子解析サービスモジュールは、1つのマルチキャストサービスを一意に識別することができるマルチキャスト識別子としてネットワークアドレスに関連しないグローバルな一意の識別子を用い、ネットワークアドレスはIPネットワークのアドレスであり、
前記識別子解析サービスモジュールは、マルチキャスト識別子と1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係の登録、登録解除、並びにマルチキャスト識別子に基づいたマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスの解析及び照会をサポートし、1つのマルチキャスト識別子が1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスに対応し、
マルチキャストをホストするネットワークノードは、マルチキャスト処理ノードと、IPネットワークルーティングスイッチングノードとを含み、
前記マルチキャストメンバープロキシは、マルチキャスト受信側から送信されたマルチキャストメンバー報告メッセージを取得し、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、構築された参加要求メッセージをマルチキャスト処理ノードに送信し、
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送された参加要求メッセージを受信し、識別子解析サービスモジュールに照会を要求して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及びその対応するネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスに修正して、修正後の参加要求メッセージを取得し、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する
ことを特徴とする識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項2】
前記マルチキャスト処理ノードは、1つ又は複数であり、IPネットワークルーティングスイッチングノードが有する機能を実現し、
修正後の参加要求メッセージを転送又は処理し、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、判断結果に基づいて、修正後の参加要求メッセージを転送するか、又は要求応答メッセージを構築して転送し、
マルチキャストデータメッセージをカプセル化及び送信し、ローカルに保持される更新後のマルチキャスト転送テーブルに基づいてマルチキャストデータメッセージを転送し、
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシを用いてマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正し、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する
ことを特徴とする請求項1に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項3】
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシを用いてマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正し、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送し、具体的には、
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送されたマルチキャスト識別子に基づく参加要求メッセージを受信して処理し、識別子解析サービスモジュールに解析要求を送信し、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を解析して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及び対応するIPネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのIPアドレスに修正し、修正後の参加要求メッセージを取得し、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送し、
マルチキャストプロトコルプロキシを用いて、修正後の参加要求メッセージを構築、カプセル化及び送信することも可能である
ことを特徴とする請求項
2に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項4】
前記修正後の参加要求メッセージは、送信側ネットワークアドレスと、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子とを含み、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャストメンバープロキシのIPネットワークアドレスであり、宛先ネットワークアドレスは、特定のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスであることを特徴とする請求項
3に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項5】
前記マルチキャスト転送テーブルは、マルチキャスト転送エントリーのグループを含み、
該マルチキャスト転送エントリーのグループにおける各マルチキャスト転送エントリーは、1つのマルチキャスト識別子と出力ポートリストとを更に含み、
前記出力ポートリストは、複数の転送ポートを更に含み、
前記マルチキャスト識別子は、キーであり、出力ポートリストは、値であり、1つのマルチキャスト識別子は、1つ又は複数の転送ポートに対応する
ことを特徴とする請求項
2に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項6】
マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを転送又は処理し、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、判断結果に基づいて修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを受信して、修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスであるか否かを判断し、
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスではない場合は、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいてIPネットワークルーティングに従って正しいマルチキャスト処理ノードに転送し、
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである場合は、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送する
ことを特徴とする請求項
2に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項7】
前記要求応答メッセージは、送信側ネットワークアドレス、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子を含み、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであり、宛先ネットワークアドレスは、マルチキャストメンバープロキシのネットワークアドレスであることを特徴とする請求項
6に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項8】
修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会し、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスに基づいて転送ポートをローカルのルーティングテーブルから照会して取得し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、前記照会して取得した転送ポートが含まれるか否かを検索し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、前記照会して取得された転送ポートが含まれない場合は、出力ポートリストに該転送ポートを追加し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、前記照会して取得された転送ポートが含まれる場合は、次のステップに進み、
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して該要求応答メッセージを返信し、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新し、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、異常をフィードバックする
ことを特徴とする請求項
6に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項9】
次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新し、具体的には、
次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージを受信して、その中からマルチキャスト識別子及び宛先ネットワークアドレスを抽出し、要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスに基づいて、ローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポートを検索し、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会し、
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストを取得し、該出力ポートリストに該転送ポートが含まれるか否かを更に判断し、
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれる場合は、直接的に該転送ポートから要求応答メッセージを転送し、
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれない場合は、該出力ポートリストに該転送ポートを追加し、直接的に該転送ポートから要求応答メッセージを転送し、
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのルーティングテーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子及び前記転送ポートを追加し、マルチキャスト転送テーブルを更新し、識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子と該マルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を登録し、該マルチキャストサービスに対応する1つのマルチキャスト処理ノードとなり、該マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで前記転送ポートから要求応答メッセージを転送する
ことを特徴とする請求項
8に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項10】
前記マルチキャストデータメッセージは、送信側ネットワークアドレスと、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子とを含み、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャストを実現するネットワーク内のマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであることを特徴とする請求項
2に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項11】
マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストデータメッセージを更に転送し、具体的には、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会し、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに、前記マルチキャスト識別子が含まれる場合は、該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートを取得し、マルチキャストデータメッセージをマルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートから複製し、
マルチキャスト転送テーブルに前記マルチキャスト識別子が含まれない場合は、エラー処理を行って、対応する処理結果をフィードバックする
ことを特徴とする請求項
10に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項12】
前記マルチキャストメンバープロキシは、1つ又は複数であり、マルチキャスト受信側は、1つ又は複数であり、マルチキャストメンバープロキシとマルチキャスト受信側は、同じブロードキャストドメイン内に位置し、マルチキャストメンバープロキシは、ローカルブロードキャストドメイン内にマルチキャスト受信側とマルチキャストメンバープロキシとの間で情報交換を行うためのローカル局所識別子を記憶しており、
マルチキャスト識別子とローカル局所識別子とのマッピング関係を保持し、
マルチキャスト受信側から送信されたマルチキャストメンバー報告メッセージを取得し、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、構築された参加要求メッセージをマルチキャスト処理ノードに送信し、
マルチキャスト処理ノードから送信されたマルチキャストデータメッセージを取得してマルチキャスト受信側に転送し、
ローカル局所識別子は、ローカルブロードキャストドメイン内において一意であり、IPマルチキャストグループアドレスであり得るが、これに限定されない
ことを特徴とする請求項1に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム。
【請求項13】
識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法であって、
請求項1~
12のいずれか1項に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステムにより実現され、
マルチキャスト受信側が、マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストメンバー報告メッセージをマルチキャストメンバープロキシに送信し、マルチキャストメンバープロキシは、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、構築された参加要求メッセージをネットワークエッジに位置する最も近いマルチキャスト処理ノードに送信し、該マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシによりマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正して、修正後の参加要求メッセージを正しいマルチキャスト処理ノードに転送する、ステップ1)と、
マルチキャスト処理ノードが、受信された修正後の参加要求メッセージの宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、判断結果に基づいて、修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送する、ステップ2)と、
マルチキャスト処理ノードが、受信された要求応答メッセージに基づいて、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルを更新し、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに基づいて、マルチキャストデータメッセージをマルチキャストメンバープロキシに転送する、ステップ3)と
を含むことを特徴とする識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【請求項14】
前記ステップ1)において、
マルチキャスト送信側は、マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストサービスをリリースし、マルチキャスト受信側は、該マルチキャスト識別子により該マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストサービスへの参加を申請し、マルチキャスト識別子を含むマルチキャストメンバー報告メッセージをローカルブロードキャストドメインに送信し、
該マルチキャストメンバープロキシは、該マルチキャストメンバー報告メッセージを受信し、参加要求メッセージを構築して、構築された参加要求メッセージをネットワークエッジに位置する最も近いマルチキャスト処理ノードに送信し、
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送された参加要求メッセージを受信し、識別子解析サービスモジュールに照会を要求して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及びその対応するネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスに修正して、修正後の参加要求メッセージを取得し、修正後の要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する
ことを特徴とする請求項
13に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【請求項15】
前記ステップ2)において、
マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを受信し、修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスではない場合は、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいて、正しいマルチキャスト処理ノードに転送されるまでIPネットワークルーティングに従って転送し、
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである場合は、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送する、ことを特徴とする請求項
13に記載される識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【請求項16】
修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会し、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスに基づいてローカルのルーティングテーブルから転送ポートを照会して取得し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、前記照会して取得された転送ポートが含まれるか否かを検索し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、前記照会して取得された転送ポートが含まれない場合は、出力ポートリストに該転送ポートを追加し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、前記照会して取得された転送ポートが含まれる場合は、次のステップに進み、
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して該要求応答メッセージを返信し、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新し、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、異常をフィードバックする
ことを特徴とする請求項
15に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【請求項17】
次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新し、具体的には、
次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージを受信して、その中からマルチキャスト識別子及び宛先ネットワークアドレスを抽出し、要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスに基づいて、ローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポートを検索し、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会し、
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストを取得し、該出力ポートリストに該転送ポートが含まれるか否かを更に判断し、
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれる場合は、直接的に該転送ポートから該要求応答メッセージを転送し、
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれない場合は、該出力ポートリストに該転送ポートを追加し、直接的に該転送ポートから該要求応答メッセージを転送し、
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子及び前記転送ポートを追加し、マルチキャスト転送テーブルを更新し、識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子と該マルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を登録し、該マルチキャストサービスに対応する1つのマルチキャスト処理ノードとなり、マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで要求応答メッセージを前記転送ポートから転送する
ことを特徴とする請求項
16に記載され識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【請求項18】
前記ステップ3)において、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに基づいて、マルチキャストデータメッセージをマルチキャストメンバープロキシに転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストデータメッセージを受信した後、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルにマルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会し、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに前記マルチキャスト識別子が含まれる場合は、該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートを取得し、マルチキャストデータメッセージをマルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートから複製し、
マルチキャスト転送テーブルに前記マルチキャスト識別子が含まれない場合は、エラー処理を行って、対応する処理結果をフィードバックする
ことを特徴とする請求項
13に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【請求項19】
前記エラー処理は、マルチキャストデータメッセージを破棄することと、上位レベルのマルチキャスト処理ノードにエラー情報をフィードバックすることと、すべての隣接するマルチキャスト処理ノードにエラー情報をフィードバックすることと、マルチキャスト転送テーブルを更新して該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト転送エントリーを追加することと、を含むことを特徴とする請求項
18に記載された識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月23日に出願した中国特許出願第202011144897.7号に基づく優先権を主張し、この中国特許出願の全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明はネットワーク通信及びデータ処理の技術分野に属し、具体的には、識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステム及びマルチキャスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークには複数種類の新規なサービス及びアプリケーションが現れており、その中の多くは広帯域ブロードバンド、ネットワークリソースへの高いニーズを基礎とするマルチメディアサービス、例えば遠隔教育、IPTV、テレビ会議、マルチプレイヤーゲームなどである。これらのサービスの主な特徴は、送信側が単一または複数、受信側が複数(1対多、多対多)であり、送信側から送信されたデータは極めて反復的である。それと同時に、5Gがすべてのモノのインターネットの新しい時代を切り開いており、IoTでは大量の1対多データ伝送をもたらす。これらのサービスについては、ユニキャスト方式で実現される場合に、IPパケットの繰り返し送信により大量の帯域幅を浪費するとともに、サーバの負荷を増加させることとなり、ブロードキャスト方式で実現される場合に、情報を必要ではないホストに送信して帯域幅を浪費してしまうだけでなく、ルーティングループに起因してブロードキャストストームの問題を引き起こす恐れもある。
【0003】
現在、マルチキャスト技術は上記問題を十分に解決することができる。マルチキャスト技術とは、単一の送信側が複数の受信側に対応するネットワーク通信を指す。マルチキャスト技術では、複数の受信側に単一情報ストリームを伝送することにより、複数の受信側が同時に同じリソースを聞いたり表示したりする場合のネットワーク通信トラフィックを減少させることができる。n パーティのテレビ会議の場合において、a(n-1)倍の帯域幅の使用を減少させることができる。マルチキャスト技術の主な特徴は、実際の状況に応じてアプリケーションのメンバーをグループに分割し、データの分配がグループ内に限定され、単一のポイントからネットワークにおける複数のポイントへの同じデータの同時伝送を提供することができることである。マルチキャストツリーに依存して、複数の宛先ネットワークホストは、重複するリンクにおいてパケットをそれぞれ送信する必要がなく、マルチキャストツリーの分岐ノードにおいてパケットを複製して分配すればよい。このように、ネットワークリソースを効果的に節約することができるだけでなく、帯域幅の利用率を向上させることもできる。しかしながら、従来のIPネットワークアーキテクチャにおいて、すべてのルータはいずれも分散型マルチキャストプロトコルをサポートする必要があり、そしてマルチキャストツリーの構築、保持及び更新は、いずれもマルチキャストルータ間で大量の情報交換を行う必要がある。これらの制御状態は大量のネットワークリソースを消費するため、IPマルチキャストを従来のネットワークに大規模に配置することは常に困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
既存のマルチキャスト方法における上記問題を解決するために、本発明は識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステムを提供し、該システムは、マルチキャスト送信側、マルチキャスト受信側、マルチキャストメンバープロキシ及びマルチキャスト処理ノードを備え、該システムは、クラウド又はネットワークに配置される識別子解析サービスモジュールを更に備え、前記識別子解析サービスモジュールは、1つのマルチキャストサービスを一意に識別することができるマルチキャスト識別子としてネットワークアドレスに関連しないグローバルな一意の識別子を用いる。ネットワークアドレスは依然としてIPネットワークのアドレスである。
更に、該識別子解析サービスモジュールは、マルチキャスト識別子と1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を保持する。
更に、該識別子解析サービスモジュールは、登録、登録解除、解析及び照会サービスを提供する。
マルチキャストをホストするネットワークノードは、マルチキャスト処理ノード及びIPネットワークルーティングスイッチングノードを含み、
前記マルチキャスト受信側は、マルチキャスト識別子に基づいてマルチキャストサービスへの参加を申請する。
【0005】
上記技術案の改良として、識別子解析サービスモジュールは、登録、登録解除、解析及び照会サービスを更に提供し、具体的には、
前記識別子解析サービスモジュールが、マルチキャスト識別子と1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係の登録、登録解除、並びにマルチキャスト識別子に基づいたマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスの解析及び照会をサポートし、1つのマルチキャスト識別子が1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスに対応する。
【0006】
上記技術案の改良として、前記マルチキャスト処理ノードは、1つ又は複数であり、IPネットワークルーティングスイッチングノードが有する機能を実現する。
更に、前記マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを転送又は処理し、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、判断結果に基づいて修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送する。
更に、前記マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストデータメッセージをカプセル化及び送信し、そしてローカルに保持される更新後のマルチキャスト転送テーブルに基づいてマルチキャストデータメッセージを転送する。
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシを用いてマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正し、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する。
【0007】
上記技術案の改良として、ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシを用いてマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正し、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送し、具体的には、
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送されたマルチキャスト識別子に基づく参加要求メッセージを受信して処理し、識別子解析サービスモジュールに解析要求を送信し、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を解析して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及び対応するIPネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのIPアドレスに修正し、修正後の参加要求メッセージを取得し、そして修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する。
【0008】
なお、マルチキャストプロトコルプロキシを用いて、修正後の参加要求メッセージを構築、カプセル化及び送信することも可能である。
【0009】
上記技術案の改良として、前記修正後の参加要求メッセージは、送信側ネットワークアドレスと、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子とを含み、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャストメンバープロキシのIPネットワークアドレスであり、宛先ネットワークアドレスは、特定のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスである。
【0010】
上記技術案の改良として、前記マルチキャスト転送テーブルは、マルチキャスト転送エントリーのグループを含み、
該マルチキャスト転送エントリーのグループにおける各マルチキャスト転送エントリーは、1つのマルチキャスト識別子と出力ポートリストとを更に含み、
前記出力ポートリストは、複数の転送ポートを更に含み、
なお、前記マルチキャスト識別子は、キーであり、出力ポートリストは、値であり、1つのマルチキャスト識別子は、1つ又は複数の転送ポートに対応する。
【0011】
上記技術案の改良として、マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを転送又は処理し、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、そして判断結果に基づいて修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを受信して、修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスであるか否かを判断する。
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスではない場合に、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいてIPネットワークルーティングに従って正しいマルチキャスト処理ノードに転送する。
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである場合に、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送する。
【0012】
上記技術案の改良として、前記要求応答メッセージは、送信側ネットワークアドレス、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子を含み、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであり、宛先ネットワークアドレスは、マルチキャストメンバープロキシのネットワークアドレスである。
【0013】
上記技術案の改良として、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会する。
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスに基づいて転送ポートをローカルのルーティングテーブルから照会して取得し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれるか否かを検索し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれない場合は、出力ポートリストに該転送ポートを追加し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれる場合は、次のステップに進み、
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して該要求応答メッセージを返信し、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新する。
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、異常をフィードバックする。
【0014】
上記技術案の改良として、前記次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで、マルチキャスト転送テーブルを更新し、具体的には、
次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージを受信して、その中からマルチキャスト識別子及び宛先ネットワークアドレスを抽出し、そして要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスに基づいてローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポートを検索する。
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会し、
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストを取得し、そして該出力ポートリストに該転送ポートが含まれるか否かを更に判断する。
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれる場合に、直接的に該転送ポートから要求応答メッセージを転送する。
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれない場合は、該出力ポートリストに該転送ポートを追加し、そして直接的に該転送ポートから要求応答メッセージを転送する。
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのルーティングテーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子及び上記転送ポートを追加し、マルチキャスト転送テーブルを更新し、そして識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子と該マルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を登録し、該マルチキャストサービスに対応する1つのマルチキャスト処理ノードとなり、該マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで上記転送ポートから要求応答メッセージを転送する。
【0015】
上記技術案の改良として、前記マルチキャストデータメッセージは、送信側ネットワークアドレスと、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子とを含み、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャストを実現するネットワーク内のマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである。
【0016】
上記技術案の改良として、さらに、前記マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストデータメッセージを転送し、具体的には、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会する。
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子が含まれる場合は、該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートを取得し、そしてマルチキャストデータメッセージをマルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートから複製する。
マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子が含まれない場合は、エラー処理を行って、対応する処理結果をフィードバックする。
【0017】
上記技術案の改良として、前記マルチキャストメンバープロキシは、1つ又は複数であり、マルチキャスト受信側は、1つ又は複数であり、マルチキャストメンバープロキシとマルチキャスト受信側は、同じブロードキャストドメイン内に位置し、マルチキャストメンバープロキシは、ローカルブロードキャストドメイン内にマルチキャスト受信側とマルチキャストメンバープロキシとの間で情報交換を行うためのローカル局所識別子を記憶している。
更に、マルチキャスト識別子とローカル局所識別子とのマッピング関係を保持する。
更に、マルチキャスト受信側から送信されたマルチキャストメンバー報告メッセージを取得し、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、そして構築された参加要求メッセージをマルチキャスト処理ノードに送信する。
更に、マルチキャスト処理ノードから送信されたマルチキャストデータメッセージを取得してマルチキャスト受信側に転送する。
なお、ローカル局所識別子は、ローカルブロードキャストドメイン内において一意であり、IPマルチキャストグループアドレスであり得るが、これに限定されない。
【0018】
本発明は、識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法を更に提供し、該方法において、
マルチキャスト受信側が、マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストメンバー報告メッセージをマルチキャストメンバープロキシに送信し、マルチキャストメンバープロキシは、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、そして構築された参加要求メッセージをネットワークエッジに位置する最も近いマルチキャスト処理ノードに送信し、該マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシによりマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正して、修正後の参加要求メッセージを正しいマルチキャスト処理ノードに転送する、ステップ1)と、
マルチキャスト処理ノードが、受信された修正後の参加要求メッセージの宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、そして判断結果に基づいて修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送する、ステップ2)と、
マルチキャスト処理ノードが、受信された要求応答メッセージに基づいてローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルを更新し、そしてローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに基づいてマルチキャストデータメッセージをマルチキャストメンバープロキシに転送する、ステップ3)と、を含む。
【0019】
上記技術案の改良として、前記ステップ1)において、
マルチキャスト送信側は、マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストサービスをリリースし、マルチキャスト受信側は、該マルチキャスト識別子に基づいて該マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストサービスへの参加を申請し、マルチキャスト識別子を含むマルチキャストメンバー報告メッセージをローカルブロードキャストドメインに送信し、
該マルチキャストメンバープロキシは、該マルチキャストメンバー報告メッセージを受信し、そして参加要求メッセージを構築して、構築された参加要求メッセージをネットワークエッジに位置する最も近いマルチキャスト処理ノードに送信し、
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送された参加要求メッセージを受信し、識別子解析サービスモジュールに照会を要求して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及びその対応するネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスに修正して、修正後の参加要求メッセージを取得し、そして修正後の要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する。
【0020】
上記技術案の改良として、前記ステップ2)において、
マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを受信し、修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断し、
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスではない場合は、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいて、正しいマルチキャスト処理ノードに転送されるまでIPネットワークルーティングに従って転送し、
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである場合は、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送する。
【0021】
上記技術案の改良として、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会する。
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスに基づいてローカルのルーティングテーブルから転送ポートを照会して取得し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得された転送ポートが含まれるか否かを検索し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに上記照会して取得された転送ポートが含まれない場合は、出力ポートリストに該転送ポートを追加し、
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに上記照会して取得された転送ポートが含まれる場合は、次のステップに進み、
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して該要求応答メッセージを返信し、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新し、
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、異常をフィードバックする。
【0022】
上記技術案の改良として、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新し、具体的には、
次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージを受信して、その中からマルチキャスト識別子及び宛先ネットワークアドレスを抽出し、そして要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスに基づいてローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポートを検索し、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会する。
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストを取得し、そして該出力ポートリストに該転送ポートが含まれるか否かを更に判断し、
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれる場合は、直接的に該転送ポートから該要求応答メッセージを転送し、
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれない場合は、該出力ポートリストに該転送ポートを追加し、そして直接的に該転送ポートから該要求応答メッセージを転送し、
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子及び上記転送ポートを追加し、マルチキャスト転送テーブルを更新し、そして識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子と該マルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を登録し、該マルチキャストサービスに対応する1つのマルチキャスト処理ノードとなり、マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで要求応答メッセージを上記転送ポートから転送する。
【0023】
上記技術案の改良として、前記ステップ3)において、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに基づいてマルチキャストデータメッセージをマルチキャストメンバープロキシに転送し、具体的には、
マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストデータメッセージを受信した後、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルにマルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会する。
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに上記マルチキャスト識別子が含まれる場合は、該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートを取得し、そしてマルチキャストデータメッセージをマルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートから複製し、
マルチキャスト転送テーブルに上記マルチキャスト識別子が含まれない場合は、エラー処理を行って、対応する処理結果をフィードバックする。
【0024】
上記技術案の改良として、前記エラー処理は、マルチキャストデータメッセージを破棄することと、上位レベルのマルチキャスト処理ノードにエラー情報をフィードバックすることと、すべての隣接するマルチキャスト処理ノードにエラー情報をフィードバックすることと、マルチキャスト転送テーブルを更新して該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト転送エントリーを追加することと、を含む。
【発明の効果】
【0025】
従来技術と比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0026】
本発明の方法では、マルチキャスト識別子とネットワークアドレスとを分離する特徴が十分に利用される。識別子解析サービスモジュールにより、マルチキャスト識別子とマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピングが実現される。ネットワークにおいてマルチキャストデータメッセージを転送するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャスト識別子及びそのIPアドレスを識別子解析サービスモジュールに登録する。マルチキャスト受信側は、識別子解析サービスモジュールにより近傍のマルチキャスト処理ノードを解析して取得することができ、マルチキャストツリーの構築が簡素化され、マルチキャストサービスの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステムの構造模式図である。
【
図2】
図2は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法におけるマルチキャストデータメッセージの構造模式図である。
【
図3】
図3は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法におけるマルチキャスト転送テーブルの構造模式図である。
【
図4】
図4は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法におけるマルチキャスト処理ノードによる要求応答メッセージの処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法におけるマルチキャスト処理ノードによるマルチキャストデータメッセージの処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法の具体的な一実施例におけるマルチキャスト受信側1がマルチキャストサービスEID1に参加する処理の模式図である。
【
図7】
図7は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法の具体的な一実施例におけるマルチキャスト処理ノード2が要求応答メッセージを返信する処理の模式図である。
【
図8】
図8は本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法の具体的な一実施例におけるマルチキャストデータメッセージを転送する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0029】
図1に示すように、本発明は識別子解析ルーティングに基づくマルチキャストシステムを提供する。該システムは、マルチキャスト送信側と、マルチキャスト受信側と、マルチキャストメンバープロキシと、マルチキャスト処理ノードとを備える。該システムは、クラウド又はネットワークに配置される識別子解析サービスモジュールを更に備え、前記識別子解析サービスモジュールは、1つのマルチキャストサービスを一意に識別することができるマルチキャスト識別子として、ネットワークアドレスに関連しないグローバルな一意の識別子を用いることができるように構成される。ネットワークアドレスは、依然としてIPネットワークのアドレスである。
識別子解析サービスモジュールは、更に、マルチキャスト識別子とマルチキャストサービスを実現する1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を保持する。
識別子解析サービスモジュールは、更に、登録、登録解除、解析及び照会サービスを提供する。
マルチキャストをホストするネットワークノードは、マルチキャスト処理ノード及びIPネットワークルーティング及びスイッチングノード、即ち、一般的なルータを含む。
前記マルチキャスト受信側は、マルチキャスト識別子に基づいてマルチキャストサービスへの参加を申請するように構成される。
【0030】
なお、マルチキャスト識別子は、ネットワークアドレスに関連しない、マルチキャストサービスを一意に識別できるグローバルな一意の識別子である。1つのマルチキャスト識別子は、1つのマルチキャストサービスにのみに対応する。各マルチキャスト識別子は、複数のマルチキャスト処理ノード及びそれらに対応するIPネットワークアドレスに対応する。なお、識別子とアドレスが分離している情報中心のネットワークベースのアーキテクチャにおいて、ネットワークアドレスに関連しない識別子が、1つのマルチキャストサービスを一意に表すために使用される。該識別子がマルチキャスト識別子である。ネットワークアドレスは、依然としてIPネットワークアドレスを用いる。
【0031】
識別子解析サービスモジュールは、登録、登録解除、解析及び照会サービスを提供し、具体的には、
前記識別子解析サービスモジュールは、マルチキャスト識別子とマルチキャストサービスを実現する1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係の登録、登録解除、並びにマルチキャスト識別子に基づいたマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスの解析及び照会をサポートし、1つのマルチキャスト識別子は、1つ又は複数のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスに対応する。
【0032】
前記マルチキャスト処理ノードは、1つ又は複数であり、マルチキャスト処理ノードは、IPネットワークルーティング及びスイッチングノードが有する機能を実現するように構成される。IPネットワークルーティングスイッチングノードの機能に加えて以下の機能が提供される。
即ち、マルチキャスト処理ノードは、さらに、修正後の参加要求メッセージを転送又は処理し、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断する。そして、判断結果に基づいて、修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送する。
具体的には、マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを受信し、修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスであるか否かを判断する。
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスではない場合は、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいて、IPネットワークルーティングに従って正しいマルチキャスト処理ノードに転送する。
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである場合は、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルのマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送する。
【0033】
具体的には、マルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会する。
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスに基づいてローカルのルーティングテーブルから転送ポートを照会して取得する。
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれるか否かを検索する。
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれない場合は、出力ポートリストに該転送ポートを追加する。
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれる場合は、次のステップに進む。
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して該要求応答メッセージを返信し、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新する。
具体的には、
図4に示すように、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージを受信して、その中からマルチキャスト識別子及び宛先ネットワークアドレスを抽出し、そして要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスに基づいて、ローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポートを検索する。
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会する。
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストを取得し、そして該出力ポートリストに該転送ポートが含まれるか否かを更に判断する。
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれる場合は、直接的に要求応答メッセージを該転送ポートから転送する。
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれない場合は、該出力ポートリストに該転送ポートを追加し、そして要求応答メッセージを直接的に該転送ポートから転送する。
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのルーティングテーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子及び上記転送ポートを追加し、マルチキャスト転送テーブルを更新する。そして識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子と該マルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を登録し、これにより該マルチキャストサービスに対応する1つのマルチキャスト処理ノードとなり、該マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで、要求応答メッセージを上記転送ポートから転送する。
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、異常をフィードバックする。
【0034】
前記要求応答メッセージは、送信側ネットワークアドレス、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子を含み、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであり、宛先ネットワークアドレスは、マルチキャストメンバープロキシのネットワークアドレスである。
【0035】
マルチキャスト処理ノードは、更にマルチキャストデータメッセージをカプセル化及び送信し、且つローカルに保持される更新後のマルチキャスト転送テーブルに基づいてマルチキャストデータメッセージを転送する。
具体的には、マルチキャストデータメッセージを転送する際に、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルにマルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会し、
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに、上記マルチキャスト識別子が含まれる場合は、該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートを取得し、そしてマルチキャストデータメッセージをマルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートから複製し、
マルチキャスト転送テーブルに、上記マルチキャスト識別子が含まれない場合は、エラー処理を行って、対応する処理結果をフィードバックする。
【0036】
前記マルチキャストデータメッセージの構造は
図2に示され、前記マルチキャストデータメッセージは、送信側ネットワークアドレスと、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子とを含み、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャストを実現するネットワーク内のマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである。
【0037】
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシを用いてマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正して、修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する。
【0038】
具体的には、ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送されたマルチキャスト識別子に基づく参加要求メッセージを受信して処理し、識別子解析サービスモジュールに解析要求を送信し、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を解析して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及び対応するIPネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのIPアドレスに修正して、修正後の参加要求メッセージを取得し、そして修正後の参加要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する。
マルチキャストプロトコルプロキシを用いて、修正後の参加要求メッセージを構築、カプセル化及び送信することも可能である。
【0039】
前記修正後の参加要求メッセージは、送信側ネットワークアドレスと、宛先ネットワークアドレス及びマルチキャスト識別子とを含み、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスは、マルチキャストメンバープロキシのIPネットワークアドレスであり、宛先ネットワークアドレスは、特定のマルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスである。
【0040】
前記マルチキャスト転送テーブルは、マルチキャスト転送エントリーのグループを含み、
該マルチキャスト転送エントリーのグループにおける各マルチキャスト転送エントリーは、1つのマルチキャスト識別子及び出力ポートリストを更に含み、
前記出力ポートリストは、複数の転送ポートを更に含み、
前記マルチキャスト識別子は、キーであり、出力ポートリストは、値であり、1つのマルチキャスト識別子は、複数の転送ポートに対応する。
【0041】
前記マルチキャストメンバープロキシは、1つ又は複数であり、マルチキャスト受信側は、1つ又は複数であり、マルチキャストメンバープロキシとマルチキャスト受信側は、同じブロードキャストドメイン内に位置する。マルチキャストメンバープロキシは、ローカルブロードキャストドメイン内のマルチキャスト受信側とマルチキャストメンバープロキシとの間で情報交換を行うためのローカル局所識別子を記憶している。
更に、マルチキャスト識別子とローカル局所識別子とのマッピング関係を保持する。
更に、マルチキャスト受信側から送信されたマルチキャストメンバー報告メッセージを取得し、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、そして構築された参加要求メッセージをマルチキャスト処理ノードに送信する。
更に、マルチキャスト処理ノードから送信されたマルチキャストデータメッセージを取得してマルチキャスト受信側に転送する。
ローカル局所識別子は、ローカルブロードキャストドメイン内において一意であり、具体的にはIPマルチキャストグループアドレスであるが、これに限定されない。
【0042】
本発明は、識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法を更に提供し、該方法は、以下のステップを含む。
【0043】
ステップ1)マルチキャスト受信側は、マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストメンバー報告メッセージをマルチキャストメンバープロキシに送信し、マルチキャストメンバープロキシは、マルチキャストメンバー報告メッセージに基づいて参加要求メッセージを構築し、そして構築された参加要求メッセージをネットワークエッジに位置する最も近いマルチキャスト処理ノードに送信し、該マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストプロトコルプロキシによりマルチキャストメンバープロキシから送信された参加要求メッセージを修正して、修正後の参加要求メッセージを正しいマルチキャスト処理ノードに転送する。
具体的には、マルチキャスト送信側は、マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストサービスをリリースし、マルチキャスト受信側は、該マルチキャスト識別子を介して該マルチキャスト識別子を備えるマルチキャストサービスへの参加を申請し、ローカルブロードキャストドメインにマルチキャスト識別子を含むマルチキャストメンバー報告メッセージを送信する。
該マルチキャストメンバープロキシは、該マルチキャストメンバー報告メッセージを受信し、そして参加要求メッセージを構築して、構築された参加要求メッセージをネットワークエッジに位置する最も近いマルチキャスト処理ノードに送信する。
ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノードは、マルチキャストメンバープロキシから転送された参加要求メッセージを受信し、識別子解析サービスモジュールに照会を要求して、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト処理ノードのグループ及び対応するネットワークアドレスを取得し、その中の1つのマルチキャスト処理ノードを選択して、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスを選択されたマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスに修正して、修正後の参加要求メッセージを取得し、そして修正後の要求メッセージを選択されたマルチキャスト処理ノードに転送する。
【0044】
ステップ2)マルチキャスト処理ノードは、受信された修正後の参加要求メッセージの宛先ネットワークアドレスが、修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断する。そして、判断結果に基づいて、修正後の参加要求メッセージを転送するか又は要求応答メッセージを構築して転送する。
具体的には、マルチキャスト処理ノードは、修正後の参加要求メッセージを受信し、修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスであるか否かを判断する。
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスではない場合は、修正後の参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいて、正しいマルチキャスト処理ノードに転送されるまでIPネットワークルーティングに従って転送する。
修正後の参加要求メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスが修正後の参加要求メッセージを現在受信しているマルチキャスト処理ノードのネットワークアドレスである場合は、修正後の参加要求メッセージに基づいてローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルを更新し、要求応答メッセージを構築して転送する。
【0045】
具体的には、マルチキャスト処理ノードは、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会する。
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスに基づいてローカルのルーティングテーブルから転送ポートを照会して取得する。
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得された転送ポートが含まれるか否かを検索する。
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれない場合は、出力ポートリストに該転送ポートを追加する。
マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストに、上記照会して取得した転送ポートが含まれる場合は、次のステップに進む。
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して該要求応答メッセージを返信し、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージに基づいて、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまでマルチキャスト転送テーブルを更新する。
具体的には、次のマルチキャスト処理ノードは、転送された要求応答メッセージを受信して、その中からマルチキャスト識別子及び宛先ネットワークアドレスを抽出し、そして要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスに基づいて、ローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポートを検索する。
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含むか否かを照会する。
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含む場合に、該マルチキャスト識別子に対応する出力ポートリストを取得し、そして該出力ポートリストに該転送ポートが含まれるか否かを更に判断する。
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれる場合は、直接的に該転送ポートから該要求応答メッセージを転送する。
該出力ポートリストに該転送ポートが含まれない場合は、該出力ポートリストに該転送ポートを追加し、そして直接的に該転送ポートから該要求応答メッセージを転送する。
次のマルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、マルチキャスト転送テーブルに該マルチキャスト識別子及び上記転送ポートを追加し、マルチキャスト転送テーブルを更新する。そして識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子と該マルチキャスト処理ノードのIPネットワークアドレスとのマッピング関係を登録し、これにより該マルチキャストサービスに対応する1つのマルチキャスト処理ノードとなり、マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージがマルチキャストメンバープロキシに転送されるまで、要求応答メッセージを上記転送ポートから転送する。
【0046】
マルチキャスト処理ノードは、ローカルのマルチキャスト転送テーブルが修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子を含まない場合に、異常をフィードバックする。
【0047】
ステップ3)マルチキャスト処理ノードは、受信された要求応答メッセージに基づいて、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルを更新する。そしてローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに基づいて、マルチキャストデータメッセージをマルチキャストメンバープロキシに転送する。
【0048】
具体的には、マルチキャスト処理ノードは、マルチキャストデータメッセージを受信した後、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルにマルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子が含まれるか否かを照会する。
ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルに、上記マルチキャスト識別子が含まれる場合は、該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートを取得し、そしてマルチキャストデータメッセージをマルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子に対応するすべての出力ポートから複製する。
マルチキャスト転送テーブルに、上記マルチキャスト識別子が含まれない場合は、エラー処理を行って、対応する処理結果をフィードバックする。
【0049】
前記エラー処理は、マルチキャストデータメッセージを破棄することと、上位レベルのマルチキャスト処理ノードにエラー情報をフィードバックすることと、すべての隣接するマルチキャスト処理ノードにエラー情報をフィードバックすることと、マルチキャスト転送テーブルを更新して該マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応するマルチキャスト転送エントリーを追加することと、を含む。
【0050】
マルチキャストデータメッセージの転送において、
図3に示すように、前記マルチキャスト転送テーブルは、マルチキャスト識別子及び出力ポートリストを含み、マルチキャスト識別子は、キーであって、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子に対応し、出力ポートリストは、値であって、マルチキャストデータメッセージを転送する転送ポートのグループに対応する。
【0051】
実施例1
本発明の技術案をより良く説明するために、特に以下の実施例によって本発明に係る識別子解析ルーティングに基づくマルチキャスト方法を更に説明する。関連する技術用語についての解釈は以下のとおりである。
【0052】
マルチキャスト識別子とは、ネットワークアドレスに関連しない、1つのマルチキャストサービスを表すグローバルの一意の識別子を指す。ネットワークアドレスとは、該端末の位置についてのネットワークルーティング可能なアドレス情報を指し、IPアドレスなどの情報を含むが、それらに限定されない。
【0053】
マルチキャスト処理ノードの各ポートにはIPアドレスが設定されており、その中の1つのIPアドレスがマルチキャスト処理ノードのIPアドレスとして指定され、マルチキャスト処理ノードの位置情報を表す。
【0054】
説明された実施例において、マルチキャスト識別子がEID(Entity ID)で示され、ネットワークアドレスがIPアドレスで示される。マルチキャスト送信側1は、マルチキャスト識別子EID1のマルチキャストサービスをリリースし、そして識別子解析サービスモジュールにマルチキャスト識別子EID1とマルチキャスト処理ノード1のネットワークアドレスIP2とのマッピング関係が登録されている。マルチキャスト処理ノード3とマルチキャスト処理ノード4は、ネットワークのエッジノードに位置し、マルチキャストプロトコルプロキシの機能を有する。
【0055】
図6に示すように、マルチキャスト送信側1は、マルチキャスト識別子EID1のマルチキャストサービスをリリースし、マルチキャスト受信側2はマルチキャスト識別子EID1によりマルチキャストサービスに参加しており、マルチキャスト処理ノード1、マルチキャスト処理ノード2及びマルチキャスト処理ノード4はいずれも識別子解析サービスモジュールにマルチキャスト識別子EID1とそのネットワークアドレスとのマッピングを登録している。識別子解析サービスモジュールは、マルチキャスト識別子EID1とIP2、IP3、IP7とのマッピング関係を保持する。
【0056】
マルチキャスト受信側1は、マルチキャスト識別子EID1を介してマルチキャスト識別子EID1のマルチキャストサービスへの参加を申請し、マルチキャスト識別子EID1に対応するマルチキャストグループネットワークアドレスIPm1を取得し、そしてローカルブロードキャストドメインにマルチキャスト識別子を含むマルチキャストメンバー報告メッセージを送信する。
【0057】
マルチキャストメンバープロキシ1は、該マルチキャストメンバー報告メッセージを受信し、マルチキャスト識別子EID1に対応するマルチキャストグループネットワークアドレスIPm1同士のマッピング関係を保持し、且つ参加要求メッセージを構築する。参加要求メッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスであるマルチキャストメンバープロキシのネットワークアドレスIP5と、宛先ネットワークアドレスであるマルチキャストメンバープロキシに最も近く、ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノード3のネットワークアドレスIP4と、マルチキャスト識別子EID1とを含む。該マルチキャストメンバープロキシ1は、該参加要求メッセージを、マルチキャストメンバープロキシに最も近く、ネットワークエッジに位置するマルチキャスト処理ノード3に送信する。
マルチキャスト処理ノード3は、マルチキャストメンバープロキシ1から送信された参加要求メッセージを受信し、マルチキャストプロトコルプロキシにより、参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1の解析要求を識別子解析サービスモジュールに送信する。識別子解析サービスモジュールは、マルチキャスト識別子EID1に対応するマルチキャスト処理ノードのグループのネットワークアドレスIP2、IP3及びIP7を返信する。マルチキャスト処理ノード3は、ネットワークアドレスIP3のマルチキャスト処理ノード2を受信側マルチキャスト処理ノードとして選択し、参加要求メッセージにおける宛先ネットワークアドレスをマルチキャスト処理ノード2のIPネットワークアドレスIP3に修正して、修正後の参加要求メッセージを取得する。該修正後の参加要求メッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスがマルチキャストメンバープロキシ1のマルチキャストグループネットワークアドレスIP5であり、宛先ネットワークアドレスがマルチキャスト処理ノード2のネットワークアドレスIP3と、マルチキャスト識別子EID1とを含む。マルチキャスト処理ノード3は、修正後の参加要求メッセージをマルチキャスト処理ノード2に転送する。
図7に示すように、マルチキャスト処理ノード2は、修正後の参加要求メッセージを受信し、参加要求メッセージの宛先IPアドレスIP3がマルチキャスト処理ノード2のIPアドレスであると判断する。マルチキャスト処理ノード2は、該参加要求メッセージにおける送信側ネットワークアドレスIP5及びマルチキャスト識別子EID1を抽出する。
【0058】
マルチキャスト処理ノード2は、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルから、修正後の参加要求メッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1を照会して取得する。マルチキャスト処理ノード2は、修正後の参加要求メッセージの送信側ネットワークアドレスIP5に基づいてローカルのルーティングテーブルから転送ポート2を照会して取得する。
マルチキャスト処理ノード2は、マルチキャスト転送テーブルにおける該マルチキャスト識別子EID1に対応する出力ポートリストに上記照会して取得された転送ポート2が含まれない場合に、出力ポートリストに該転送ポート2を追加する。
マルチキャスト処理ノードは、要求応答メッセージを構築して返信する。要求応答メッセージは、ネットワーク層メッセージフォーマットで転送され、送信側ネットワークアドレスがマルチキャスト処理ノード2のネットワークアドレスIP3であり、宛先ネットワークアドレスがマルチキャストメンバープロキシ1のネットワークアドレスIP5と、マルチキャスト識別子EID1とを含む。
【0059】
マルチキャスト処理ノード3は、要求応答メッセージを受信し、その中からマルチキャスト識別子EID1及び宛先ネットワークアドレスIP5を抽出し、そして要求応答メッセージに含まれる宛先ネットワークアドレスIP5に基づいて、ローカルに保持されるルーティングテーブルから対応する転送ポート2を検索する。
マルチキャスト処理ノード3は、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルが要求応答メッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1を含むか否かを照会する。
マルチキャスト処理ノード3は、ローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルにマルチキャスト識別子EID1が含まれない場合、マルチキャスト転送テーブルに、該マルチキャスト識別子EID1及び上記転送ポート2を追加し、そして識別子解析サービスモジュールに該マルチキャスト識別子EID1と該マルチキャスト処理ノード3のIPネットワークアドレスIP4とのマッピング関係を登録し、該マルチキャストサービスに対応するマルチキャストを実現する1つのマルチキャスト処理ノードとなるようにする。マルチキャスト処理ノード3は、要求応答メッセージを上記転送ポート2からマルチキャストメンバープロキシ1に転送する。
【0060】
図8に示すように、マルチキャスト送信側1は、マルチキャストデータメッセージを生成して送信する。
マルチキャスト処理ノード1は、マルチキャストデータメッセージを受信した後、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1に対応する出力ポートがポート2であることをローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルから照会して取得し、マルチキャストデータメッセージをポート2からマルチキャスト処理ノード2に転送する。
マルチキャスト処理ノード2は、マルチキャストデータメッセージを受信した後、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1に対応する出力ポートがポート2及びポート3であることをローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルから照会して取得し、マルチキャストデータメッセージを1つ複製して、2つのマルチキャストデータメッセージを取得し、ポート2及びポート3から、2つのマルチキャストデータメッセージのそれぞれを対応するマルチキャスト処理ノード3及びマルチキャスト処理ノード4に転送する。
マルチキャスト処理ノード3は、マルチキャストデータメッセージを受信した後、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1に対応する出力ポートがポート2であることをローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルから照会して取得し、マルチキャストデータメッセージをポート2からマルチキャストメンバープロキシ1に転送する。
マルチキャストメンバープロキシ1は、マルチキャストデータメッセージを受信した後、マルチキャストデータメッセージの宛先ネットワークアドレスをマルチキャストグループネットワークアドレスIPm1に修正して、IPマルチキャストの方式でマルチキャスト受信側1に転送する。マルチキャスト受信側1は、マルチキャストデータメッセージを受信する。
マルチキャスト処理ノード4は、マルチキャストデータメッセージを受信した後、マルチキャストデータメッセージに含まれるマルチキャスト識別子EID1に対応する出力ポートがポート2であることをローカルに保持されるマルチキャスト転送テーブルから照会して取得し、マルチキャストデータメッセージをポート2からマルチキャストメンバープロキシ2に転送する。
マルチキャストメンバープロキシ2は、マルチキャストデータメッセージを受信した後、マルチキャストデータメッセージの宛先ネットワークアドレスをマルチキャストグループネットワークアドレスIPm1に修正して、IPマルチキャストの方式でマルチキャスト受信側2に転送する。マルチキャスト受信側2は、マルチキャストデータメッセージを受信する。
【0061】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は単に本発明の技術案を説明するためのものであり、それを制限するものではない。実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解されるように、本発明の技術案に対する修正又は等価置換は、いずれも本発明の技術案の趣旨及び範囲から逸脱することがなく、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。