(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028202
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】202310203619.1
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522417786
【氏名又は名称】四川省林業和草原調査規劃院(四川省林業和草原生態環境監測中心)
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN PROVINCIAL INSTITUTE OF FORESTRY AND GRASSLAND INVENTORY AND PLANNING (SICHUAN FORESTRY AND GRASSLAND ECOLOGICAL ENVIRONMENT MONITORING CENTER)
(73)【特許権者】
【識別番号】522417797
【氏名又は名称】四川省林業勘察設計研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN FORESTRY SURVEY, DESIGN AND RESEARCH INSTITUTE CO., LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】524076316
【氏名又は名称】四川省林学会
(73)【特許権者】
【識別番号】518377975
【氏名又は名称】成都市農林科学院
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU ACADEMY OF AGRICULTURAL AND FORESTRY SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高飛
(72)【発明者】
【氏名】白斌
(72)【発明者】
【氏名】李娜娜
(72)【発明者】
【氏名】田穎沢
(72)【発明者】
【氏名】王勇軍
(72)【発明者】
【氏名】頼長鴻
(72)【発明者】
【氏名】宋放
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第215647387(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第114910033(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110148116(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0066783(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが各ステップを実行する、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法であって、
プロジェクト
の範囲のモニタリングを行うステップであって、プロジェクト
の範囲を確定する、ステップ(1)と、
ベースライン
におけるモノのインタネットのモニタリングを行う、ステップ(2)と、
ベースライン炭素層の区分と面積の計算をする、ステップ(2.1)と、
ベースライン炭素層単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングをするステップであって、ベースライン
におけるモノのインタネットのサンプルプロットを設計し
、ベースライン炭素層単位面積当たりの林
木バイオマス、ベースライン炭素層単位面積当たりの枯れ木、ベースライン炭素層単位面積当たりの枯落物
をモニタリングし、ベースライン炭素層単位面積当たりの炭素貯蔵量
を計算
する、ステップ(2.2)と、
ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量に各炭素層の
区画面積を乗じて、ベースライン炭素層の総炭素貯蔵量を取得するステップ(2.3)と、を含む、ステップ(2)と、
プロジェクト
におけるモノのインタネットのモニタリングをする、ステップ(3)と、
プロジェクト炭素層の区分をするステップであって、プロジェクト
の範囲内で、プロジェクトの活動タイプによってプロジェクト炭素層を区分する、ステップ(3.1)と、
プロジェクト炭素層のリモートセンシ
ング変化のモニタリングをするステップであって、
2期のリモートセンシング
された映像の変化
した区画を検
出し、変化
した区画の判
別、検
証を通じて、プロジェクト炭素層
の区画の変化
を生
成し、プロジェクトの炭素
層の現状データベースと変化データベースを取得し、プロジェクト炭素層の総
炭素貯蔵量に用いる最新
の炭素層
の区画面積を取得し
、プロジェクト
におけるモノのインタネットのサンプルプロットの
モニタリング方法は
、ベースライン
におけるモノのインタネットのサンプルプロットのモニタリング
方法と一致している、ステップ(3.2)と、
プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングをするステップであって、リモートセンシング変化のモニタリングの調整後のプロジェクト炭素層に基づき、プロジェクト
におけるモノのインタネットのサンプルプロットを設計
し、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの林
木バイオマス、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの枯れ木、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの枯落物及びプロジェクトの温室効果ガス排出
量をモニタリングし、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量
を計算する、ステップ(3.3)と、
プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量の計算を行うステップであって、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量に各炭素層の
区画面積を乗じて、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量を取得するステップ(3.4)と、を含む、ステップ(3)と、
総炭素貯蔵量と炭素変化量のリアルタイムのモニタリングをするステップであって、プロジェクト
の範囲内の今回のモニタリング周期の総炭素貯蔵量、及び単位時間当たりの炭素変化量を計算す
る、ステップ(4)と、
モニタリング終了
と周期モニタリングの判断をするステップであって、モノのインタネットのモニタリングのサンプルプロットの設定時間に基づいて周期化運行とモニタリングを行い
、ベースライン
のモニタリング及びプロジェク
トのモニタリングをすべて停止し、プロジェクトの撤去を招いた場合、モニタリングは終了する、ステップ(5)と、を備える
ことを特徴とする炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項2】
前記ステップ(2.2)において、具体的なステップには、
ベースラインのサンプルプロットの設計をする、ステップ(2.2.1)と、
ベースラインのモノのインタネットのサンプルプロットのモニタリングをするステップであって、設定されたサンプルプロットに基づき、樹径測定センサを用い
てサンプル木の胸径及び生長状況をモニタリン
グする、ステップ(2.2.2)と、
ベースライン単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、バイオマス拡散係
数を用いてベースライン単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量を計算する、ステップ(2.2.3)と、
ベースライン単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(2.2.3)における計算結果に基づいて
、ベースライン単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量を計算する、ステップ(2.2.4)と、
ベースライン単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(2.2.3)の計算結果に基づいて
、ベースライン単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量を計算する、ステップ(2.2.5)と、
ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、すべての樹種の林木バイオマス、枯れ木と枯落物の炭素貯蔵量を加算する、ステップ(2.2.6)と、を含む
ことを特徴とする請求項
1に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項3】
前記ステップ(2.2.3)の具体的なステップには、
以下の式により、ステップ(2.2.2)においてのモノのインタネットのサンプルプロットに採取されたサンプルプロット内のサンプル木の樹種、胸径と立木タイプデータに基づいて、各樹種の単位面積当たりの
生立木の材積を計算し、本領域の一変数材積式を用いて計算し、直径を独立変数とし、材積を従属変数として計算し、
【数1】
式中、v
base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの
生立木の材積であり、d
k,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jの第k株のサンプル木の胸径であり、sはサンプルプロットの面積であり、f
jは本樹種jの一変数材積
式の方程式であり、jは樹種jであり、kは第k株のサンプル木であり、tは第t回のモニタリングであり、iは第i炭素層であ
る、
ステップ(2.2.3.1)と、
以下の式により、バイオマス拡散係
数を用いて、材積を独立変数とし、バイオマスを従属変数として
、木材密度
、シュート
/ルート比、バイオマス拡散係数の3つのデフォルトデータを取得してバイオマスを算出し、
【数2】
式中、w
base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの林木バイオマスであり、WD
jは樹種jの
生立木の木材密度であり、BEF
jは樹種jの
生立木の樹幹バイオマスを地上バイオマスに変換するバイオマス拡散係数であり、無次元数であり、R
jは樹種jの
生立木
のシュート
/ルート比であ
る、
ステップ(2.2.3.2)と、
以下の式により、林木バイオマスの炭素含有量を利用して林木バイオマスを炭素貯蔵量に換算して炭素貯蔵量を計算し、二酸化炭素分析と炭素分子の分子量比
を利用して炭素貯蔵量を二酸化炭素当量に変換し、
【数3】
式中、c
tree_base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量であり、CF
jは樹種jの
生立木の炭素含有量であ
る、
ステップ(2.2.3.3)と、
前記ステップ(2.2.4)において、以下の式により計算され、
【数4】
式中、c
dw_base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量であり、DF
jは樹種jのベースラインの枯れ木の炭素含有量がベースラインの林木バイオマスの炭素貯蔵量に占める割合であり
、
前記ステップ(2.2.5)において、以下の式により計算され、
式中、c
li_base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量であり、f
j (w
j)は樹種jのベースラインの枯落物のバイオマスとベースライン林木バイオマス
との相関関
数であり
、
前記ステップ(2.2.6)において、以下の式により計算され、
【数5】
式中、c
base,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量であるステップと、を含む
ことを特徴とする請求項
2に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項4】
前記ステップ(2.3)において、以下の式により計算され、
【数6】
式中、c
base,tは第t回のモニタリングのベースライン炭素層の総炭素貯蔵量である。s
base,i,tは第i炭素層のベースライン炭素層の
区画面積である
ことを特徴とする請求項
3に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項5】
前記ステップ(3.2)における具体的なステップには、
更新されたリモートセンシング
された映像
に基づいて、本モニタリング内の土地タイプに変化が発生した
区画を取得し、変化
した区画の番号、境界、面積を確定し
、変化原因を判
断する、ステップ(3.2.1)と、
現況地形の種類、変化原因及び現況林分ファクタ、管理ファクタ、プロジェクト活動ファクタを確認し
、地形の種類、変化原因を含む重要な調査ファクタが一致していない
区画に対して細分化して、
リモートセンシングの変化した区画のデータベースを形成する、ステップ(3.2.2)と、
リモートセンシング
の変化
した区画のデータベースを用いて前期
の炭素層
区画データベースに対して図形
の更新と属性
の更新を行い、更新結果に対して属性
に対するロジックと空間
のトポロジ
に対する検査を行い、ロジックが正しく
、トポロジの誤りがないことを
確認し、
GISソフトウェアを用いて各炭素層
の区画面積を再計算し、プロジェクト炭素層の現状データベースを形成し、プロジェクト炭素層の総
炭素貯蔵量に用いられる最新
の炭素層
の区画面積を得る、ステップ(3.2.3)と、
前期
の炭素層
区画データベースとプロジェクト炭素層
の現状データベース
を利用して図形
を空間
的に結合
し、属性ファクタ
を変化原因、変更根拠
及び変更時間
に追加し
、プロジェクト炭素層
の変化データベースを形成する、ステップ(3.2.4)と、を含む
ことを特徴とする請求項
4に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項6】
前記ステップ(3.3)における具体的なステップには、
プロジェクトのサンプルプロットの設計をする、ステップ(3.3.1)と、
プロジェクトのモノのインタネットのサンプルプロットのモニタリングをする、ステップ(3.3.2)と、
プロジェクトの単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、バイオマス拡散係
数を用いてプロジェクトの単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量を計算する、ステップ(3.3.3)と、
プロジェクトの単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(3.3.3)の計算結果に基づいて
、プロジェクトの単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量を計算する、ステップ(3.3.4)と、
プロジェクトの単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(3.3.3)の計算結果に基づいて
、プロジェクトの単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量を計算する、ステップ(3.3.5)と、
プロジェクト単位面積当たりの温室効果ガス排出
量の計算をするステップ(3.3.6)であって、以下の式により、プロジェクト
の範囲内の森林火災によるバイオマス燃焼による温室効果ガス排出
量を
計算し、林木バイオマスとデッド有機物の
2つの部分を含み、
【数7】
式中、GHG
current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層温室効果ガス排出
量の増加量であり、GHG
tree_current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層の森林火災による林木バイオマスの燃焼による非CO
2温室効果ガス排出
量の増加量であり、GHG
dom_current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層の森林火災によるデッド有機物燃焼による非CO
2温室効果ガス排出量の増加であり、
森林火災による林木バイオマスの燃焼による非CO
2温室効果ガス排出
量の増加量は、以下の式により、前回のモニタリング時の林木バイオマスと燃焼ファクタを用いて計算し、
【数8】
式中、w
tree_curent,i,t-1は第t-1回のモニタリングで、第i炭素層の単位面積あたりの林木バイオマスであり、COMF
iは第i炭素層燃焼指数で、植生タイプごとに対してのデフォルト値であり、
は第i炭素層CH
4排出指数であり、
はCH
4をCO
2当量に変換し、デフォルト値は25であり、
は第i炭素層N
2O排出指数であり、
はN
2OをCO
2当量に変換し、デフォルト値は298であり、
【数9】
式中、c
dw_curent,i,t-1は第t-1回のモニタリングで、第i炭素層の枯れ木の単位面積当たりのバイオマスであり、c
li_curent,i,t-1は第t-1回のモニタリングで、第i炭素層の枯落物の単位面積当たりのバイオマスである、ステップ(3.3.6)と、
プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量の計算をするステップ(3.3.7)であって、以下の式により、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量はすべての樹種の林木バイオマス、枯れ木と枯落物の炭素貯蔵量の総和から温室効果ガス排出
量を減算し、
【数10】
式中、c
current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層のプロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量であり、c
base,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層のベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量である、ステップ(3.3.7)と、を含む
ことを特徴とする請求項
4に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項7】
前記ステップ(3.4)において、以下の式により計算され、
【数11】
式中、c
current,tは第t回のモニタリング項目の炭素層の総炭素貯蔵量であり、s
current,i,tは第i炭素層のプロジェクト炭素層の
区画面積である
ことを特徴とする請求項
6に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【請求項8】
前記ステップ(4)における総炭素貯蔵量は以下の式で計算され、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量とベースライン炭素層の炭素貯蔵量の差であり、
【数12】
式中、c
tは第t回のモニタリングの総炭素貯蔵量であり、
炭素変化量
はモニタリング周期内の炭素貯蔵量の変化量であり、以下の式により計算され、
【数13】
式中、Δc
t2,t1はt
1回目のモニタリングからt
2回目のモニタリングまでの時間内の炭素貯蔵量の変化量であり、c
t2は第t
2回のモニタリングの総炭素貯蔵量であり、c
t1はt
1回目のモニタリングの総炭素貯蔵量であり、t
2、t
1はモニタリング周期で、モニタリング周期はモノのインタネットのサンプルプロットに設定される
ことを特徴とする請求項
7に記載の炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモノのインタネット及び地理空間データの収集、計算、処理分野に関し、具体的には、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトは森林炭素吸収源の増加を主な目標とし、造林と森林経営活動の全過程に対して炭素吸収源計量とモニタリングを実施して行うプロジェクト活動である。現在、炭素吸収源計量方法には2つの種類があり、1つはバイオマスを調査して炭素貯蔵量を計算することであり、もう1つは微小気象原理を利用して森林の二酸化炭素炭素フラックスを測定することである。炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの計量とモニタリングはモニタリングバイオマスを用いて炭素貯蔵量を計算する変化方法で、地上バイオマスのモニタリングに対してサンプルプロット調査方法を使用することを推奨し、固定サンプルプロットのモニタリング周波数に対して3-10年に1回を推奨し、固定サンプルプロット内の各木の検尺において、すべての活立木の胸径(DBH)と(または)樹高(H)を実測しなければならない。
【0003】
現在、地上バイオマスのモニタリングは主にサンプルプロット調査方法を使用しているため、測定サンプルプロットの周界を人工的に設置し、サンプルプロットの周界内のサンプル木に対して各木の調査を行い、品質検査と持続的なモニタリングは調査員が再びサンプルプロットに到着して測定過程を繰り返す必要があり、以下の欠点がある。
【0004】
(1)モニタリングのコストが高く、測定精度が低い。サンプルプロットの測定、品質検査とモニタリングはすべて専門の調査員が固定サンプルプロットの内のサンプル木を繰り返し測定する必要があり、モニタリングのコストが高い。測定の中では測定ミス、データ入力、操作ミスにより、データが不正確になりやすい。
【0005】
(2)モニタリングの時効性が悪く、炭素貯蔵量の変化を動的に反応することができない。調査モニタリングの仕事量が大きく、費用が高いため、固定サンプルプロットのモニタリング頻度は3-10年に1回推奨され、樹木の生長動態を正確的に把握できず、モニタリングの時効性が比較的に悪い。
【0006】
以上より、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトのモニタリングの時効性と精度を著しく向上させ、モニタリングのコストを低減し、大規模な普及使用に適した炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトのモニタリング時効性と精度を著しく向上させ、モニタリングのコストを低減し、大規模な普及使用に適する炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法を提供することを目的とする。
【発明を解決するための手段】
【0008】
上述の目的は、以下の技術方案により実現される。炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法は、以下のステップを含む。
【0009】
ステップ(1)において、プロジェクト境界のモニタリングをするステップであって、プロジェクト境界を確定する。
【0010】
ステップ(2)において、ベースラインのモノのインタネットのモニタリングをする。
【0011】
ステップ(2.1)において、ベースライン炭素層の区分と面積の計算を行う。
【0012】
ステップ(2.2)において、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングをするステップであって、ベースラインのモノのインタネットのサンプルプロットを設計し、配置し、ベースライン炭素層の単位面積当たりの林分バイオマス、ベースライン炭素層の単位面積当たりの枯れ木、ベースライン炭素層の単位面積当たりの枯落物を動的にモニタリングし、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量をまとめて計算する。
【0013】
ステップ(2.3)において、ベースライン炭素層の総炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量に各炭素層のスペックル面積を乗じて、ベースライン炭素層の総炭素貯蔵量を取得する。
【0014】
ステップ(3)において、プロジェクトのモノのインタネットのモニタリングをする。
【0015】
ステップ(3.1)において、プロジェクト炭素層の区分をするステップであって、プロジェクトの境界範囲内で、プロジェクトの活動タイプによってプロジェクト炭素層を区分する。
【0016】
ステップ(3.2)において、プロジェクト炭素層のリモートセンシング変化のモニタリングをするステップであって、2期リモートセンシング映像の変化スペックル検出を展開し、変化スペックルの判読、検証確認を通じて、プロジェクト炭素層スペックルの更新と変化生成を実現し、プロジェクトの炭素吸収源の現状データベースと変化データベースを取得し、プロジェクト炭素層の総処理計量に用いる最新炭素層スペックル面積を取得する。
【0017】
ステップ(3.3)において、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングをするステップであって、リモートセンシング変化に基づき、調整した後のプロジェクト炭素層をモニタリングし、プロジェクトのモノのインタネットのサンプルプロットを設計、配置し、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの林分バイオマス、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの枯れ木、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの枯落物及びプロジェクトの温室効果ガス排出を動的にモニタリングし、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量をまとめて計算する。
【0018】
ステップ(3.4)において、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量の計算をするステップであって、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量に各炭素層のスペックル面積を乗じて、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量を取得する。
【0019】
ステップ(4)において、総炭素貯蔵量と炭素変化量のモニタリングをするステップであって、プロジェクトの境界内の今回のモニタリング周期の総炭素貯蔵量、及び単位時間当たりの炭素変化量を計算する。
【0020】
ステップ(5)において、モニタリング終了と自動周期モニタリングの判断をするステップであって、モノのインタネットのモニタリングのサンプルプロットの設定時間に基づいて周期化運行とモニタリングを行い、プロジェクト境界、ベースライン、プロジェクト活動のモニタリングをすべて停止し、プロジェクトの撤去を招いた場合、モニタリングは終了する。
【発明の効果】
【0021】
従来技術と比較して、本発明は、以下の利点がある。
【0022】
(1)モニタリングのコストが低く、測定精度が高い。ベースラインとプロジェクトの単位面積当たりの炭素貯蔵量のモニタリングはすべてモノのインタネットのサンプルプロットの周期的に完成することを通じて、繰り返し調査する必要はなく、モニタリング作業は主に室内で完成し、モニタリングのコストを大幅に削減する。サンプル木の胸径の測定は樹径測定センサによって自動的に行われるため、人工測定時の各種のエラー状況を回避し、測定精度を向上させ、データの作成状況を根絶する。
【0023】
(2)モニタリングの時効性が顕著に向上し、動的に炭素貯蔵量の変化を反応する。本発明におけるモノのインタネットのサンプルプロットのモニタリングは低消費電力設計を採用し、設計は「1日に1回、週ごとにフィードバック」の方式を用いて10年間連続モニタリングができ、モニタリングの時効性を顕著に向上させる。ベースラインとプロジェクト活動はすべて動的なモニタリングであり、線形化処理を採用していないため、プロジェクト区域内の炭素貯蔵量の変化量をリアルタイムに反応させ、また林分構造、季節、気候による炭素貯蔵量の動態変化状況を体現することができる。
【0024】
(3)測定結果は信頼性があり、汎化能力が強く、大規模な普及に適している。本発明はモノのインタネットのサンプルプロットの単位面積当たりの炭素貯蔵量を取得する方法と人工測定原理と一致し、精度が高く、方法が信頼でき、結果が信頼でき、人工の及ぶモニタリング範囲内でリアルタイムに配置することができ、動態モニタリングは気候、環境などの客観環境とリモートセンシング定量反転、点群データ後処理方法などの技術方法の制約を受けなく、汎化能力が強く、大規模な普及に適している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の一部を構成する添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために用いられ、本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明の不当な限定を構成するものではなく、本発明を説明するために使用される。
【
図1】本発明の一実施形態に係る炭素吸収源造林及び森林経営炭素吸収源のプロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法の流れ概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングの流れ概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るプロジェクト炭素層リモートセンシング変化のモニタリングの流れ概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るプロジェクト炭素層単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングの流れ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、添付図面を参照して本発明を詳細に説明するが、この部分の説明は、例示的及び説明的なものにすぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。さらに、当業者は、本明細書の説明に基づいて、本明細書中の実施例及び異なる実施例中の特徴をそれぞれ組み合わせることができる。
【0027】
本発明の実施例は、
図1を参照して、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源の動的計量方法で、以下のステップを含む。
【0028】
ステップ(1)において、プロジェクト境界のモニタリングをするステップであって、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源のプロジェクトに基づいて編成された造林作業設計を作成し、作業(施工)設計図を参照し、GPS、リモートセンシング、地形図を補助として使用し、プロジェクト実際の境界を準動態としてプロジェクト境界を確定する。
【0029】
ステップ(2)において、ベースラインのモノのインタネットのモニタリングをする。
【0030】
ステップ(2.1)において、ベースライン炭素層の区分と面積の計算をするステップであって、プロジェクト境界範囲内で、プロジェクト実施前の林分タイプに従ってベースライン炭素層を区分し、林分タイプには、優占樹種、鬱閉度、起源、齢群、地形が含まれるが、これらに限定されない。ベースライン炭素層に基づき基準を区分し、作業(施工)設計図を参照し、リモートセンシング映像を使用し、地形図を補助とし、各ベースライン炭素層のスペックル境界を区画し、GISソフトウェアを用いて各ベースライン炭素層のスペックル面積を計算する。ベースライン炭素層のスペックルの境界が画定した後、変化はせず、面積も固定される。
【0031】
ステップ(2.2)において、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングをするステップであって、ベースラインのモノのインタネットのサンプルプロットを設計し、配置し、ベースライン炭素層の単位面積当たりの林
木バイオマス、ベースライン炭素層の単位面積当たりの枯れ木、ベースライン炭素層の単位面積当たりの枯落物を動的にモニタリングし、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量をまとめて計算し、
図2のように、具体的なステップは、
ステップ(2.2.1)において、ベースラインのサンプルプロットの設計をするステップであって、プロジェクトの範囲と精度の要求に基づいて、サンプルプロットの配置方
法を選択し、サンプルプロットの数量とサンプルプロットの大きさを決定し、
サンプルプロットの設計原則であって、プロジェクトの範囲が広く、精度の要求が高いプロジェクトに対して、ランダム起点、システム配置の機械サンプリング方
法を採用し、プロジェクトの範囲が小さく、精度の要求が高くないプロジェクトに対して、炭素層面積の大きさに基づいてサンプルプロットの数量を分配し、典型的なサンプリング方
法を採用し、代表性が強く、サンプルプロットを炭素層スペックル内に均一に配置し、
サンプルプロットの数量の設計は以下の通りであって、
機械サンプリングの方
法に対して、以下の式により、サンプルプロットの数量を計算し、
【0032】
【数1】
式中、nはプロジェクト境界内のプロジェクトの全体のサンプルプロットの数量であり、tは信頼性指数であり、Yはバイオマスの炭素貯蔵量の予測変動係数であり、Eはサンプリングの許容相対誤差であり、
調査精度要求は90%信頼性レベルでサンプリング精度は90%に達し、
サンプルプロットの大きさの設計であって、サンプルプロットの面積は0.04-0.06ヘクタールで、本発明のサンプルプロットの大きさは方形のサンプルプロットで、面積は1ムーで、つまり0.0667ヘクタールであることを提案する。
【0033】
ステップ(2.2.2)において、ベースラインのモノのインタネットのサンプルプロットのモニタリングをするステップであって、設定されたサンプルプロットに従って、樹径測定センサを用いてサンプルプロットのサンプル木の胸径に固定し、ワイヤレスネットワークを通じて通信ゲートウェイと接続し、そしてモバイル通信ネットワーク或いは北斗ショートメッセージを通じてサーバーに返信して、低消費電力の長期運行を通じてサンプルプロットの各カーボンバンクのモニタリングを実現し、
具体的なステップは、(a)サンプルプロットの周界測定が完成した後、ジグザグ線を用いて各サンプル木の胸径位置に樹径測定センサを固定して、サンプル木の樹種、サンプル木のタイプ情報を入力し、サンプルプロット中央に通信ゲートウェイを固定する、ステップ(a)と、
(b)通信ゲートウェイは各樹径測定センサの収集データとクロックの同期化を取得した後、記憶情報をモバイル通信ネットワークまたは北斗ショートメッセージを介してサーバーに返信し、成功した後、樹径測定センサとの接続を切断してスリープ状態に入る、ステップ(b)と、
(c)樹径測定センサは通信ゲートウェイ接続なしでスリープ状態に自動的に入る、ステップ(c)と、
(d)通信ゲートウェイと樹径測定センサは設定されたウェイクアップ時刻、ウェイクアップ時間長さとウェイクアップ周波数で自動的にウェイクアップし、モニタリング周期が終わるまでステップ(b)と(c)を完了するステップ(d)と、を含む。
【0034】
ステップ(2.2.3)において、ベースライン単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、バイオマス拡散係数法を用いてベースライン単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量を計算し、具体的なステップは、
(2.2.3.1)ステップ(2.2.1)中のモノのインタネットのサンプルプロットで採取されたサンプルプロットの内のサンプル木の樹種、胸径と立木タイプのデータに基づいて、以下の式により、各樹種の単位面積当たりの活立木材積を計算し、本領域の一変数材積式を用いて計算し、直径を独立変数とし、材積を従属変数として計算し、
【0035】
【数2】
式中、v
base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの活立木の材積であり、d
k,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jの第k株サンプル木の胸径で、sはサンプルプロットの面積であり、f
jは本樹種jの一変数材積経験方程式であり、jは樹種jであり、kは第k株のサンプル木であり、tは第t回のモニタリングであり、iは第i炭素層である、ステップ(2.2.3.1)と、
(2.2.3.2)バイオマス拡散係数法を用いて、材積を独立変数とし、バイオマスを従属変数とし、フォームを調べて木材密度、根-シュート比、バイオマス拡散係数の3つのデフォルトデータを取得して、計算式によりバイオマスを計算し、
【0036】
【数3】
式中、w
base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの林木バイオマスであり、WD
jは樹種jの活立木の木材密度であり、BEF
jは樹種jの活立木の樹幹のバイオマスを地上バイオマスに変換するバイオマス拡散係数であり、無次元数であり、R
jは樹種jの活立木の根-シュート比である、ステップ(2.2.3.2)と、
(2.2.3.3)林木バイオマスの炭素含有量を利用して林木バイオマスを炭素貯蔵量に換算して炭素貯蔵量を計算し、二酸化炭素分析と炭素分子の分子量比を再利用して炭素貯蔵量を二酸化炭素当量に変換し、以下の式により計算され、
【0037】
【数4】
式中、c
tree_base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量であり、CF
jは樹種jの活立木の炭素含有量である、ステップ(2.2.3.3)と、を含む。
【0038】
ステップ(2.2.4)において、ベースライン単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量の計算は、以下の式により、ステップ(2.2.3)における計算結果に基づいて、「炭素貯蔵量変化法」を用いて「デフォルト値法」と結合してベースライン単位面積当たりの枯れ木の炭埋蔵量を計算し、
【0039】
【数5】
式中、c
dw_base,i,j,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層樹種jのベースライン単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量であり、DF
jは樹種jのベースラインの枯れ木の炭素含有量がベースラインの林木バイオマスの炭素貯蔵量に占める割合であり、デフォルト値である。
【0040】
ステップ(2.2.5)において、ベースライン単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(2.2.3)の計算結果に基づいて、「炭素貯蔵量変化法」を用いて「デフォルト値法」と結合して、下記計算式により、ベースライン単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量を計算し、
【0041】
【数6】
式中、c
li_base,i,j,,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層の樹種jのベースライン単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量であり、f
j (w
j)は樹種jのベースラインの枯落物のバイオマスとベースラインの林木バイオマスの相関関係であり、デフォルト値である。
【0042】
ステップ(2.2.6)において、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、すべての樹種の林木バイオマス、枯れ木と枯落物の炭素貯蔵量を加算し、以下の式により計算され、
【0043】
【数7】
式中、c
base,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層のベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量である。
【0044】
ステップ(2.3)において、ベースライン炭素層の総炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量に各炭素層のスペックル面積を乗じて、ベースライン炭素層の総炭素貯蔵量を取得し、以下の式により計算され、
【0045】
【数8】
式中、c
base,tは第t回モニタリングのベースライン炭素層の総炭素貯蔵量であり、s
base,i,tは第i炭素層のベースライン炭素層のスペックル面積である。
【0046】
ステップ(3)において、プロジェクトのモニタリングをする。
【0047】
ステップ(3.1)において、プロジェクト炭素層の区分をするステップであって、プロジェクトの境界範囲内で、プロジェクトの活動タイプによってプロジェクト炭素層を区分し、プロジェクトの活動タイプには造林、構造調整、樹種交替、補植補造、林分育成、復壮と総合措置が含まれ、行政単位、権属、地形に基づいてさらに細分化することができ、動的モニタリングの過程で、プロジェクト炭素層のリモートセンシング変化のモニタリング状況に基づいて、プロジェクト炭素層に対して動的な調整を行い、例えば森林火災が発生したら、火災区域に対して単独で炭素層のスペックルを分割する。
【0048】
ステップ(3.2)において、プロジェクト炭素層のリモートセンシング変化のモニタリングをするステップであって、最新のリモートセンシング映像を取得した場合、2期のリモートセンシング映像の変化スペックル検出を展開し、変化スペックル判読、検証確認を通じて、プロジェクト炭素層スペックルの更新と変化生成を実現し、プロジェクト炭素吸収源の現状データベースと変化データベースを取得し、プロジェクト炭素層の総処理計量に用いる最新の炭素層のスペックル面積を取得し、
図3のように、具体的なステップは以下の通りである。
【0049】
ステップ(3.2.1)において、更新されたリモートセンシング映像を前処理した後、本モニタリング内の土地タイプに変化が発生したスペックルを取得し、変化スペックルの番号、境界、面積を確定し、初めて変化原因を判断し、品質検査はオーバラップスペックルと細砕スペックルがないことを保証する。
【0050】
ステップ(3.2.2)において、ファイル資料を収集し、ファイル資料に支えられた変化スペックルに対して資料確認方式を採用し、室内で現状地類、変化原因及び現状林分ファクタ、管理ファクタ、プロジェクト活動ファクタを確認する。ファイル資料に支えられていない変化スペックルに対して外業調査方式を採用し、現在地調査で現況地類、変化原因及び現況林分ファクタ、管理ファクタ、プロジェクト活動ファクタを確認し、そして地類、変化原因などの重要な調査ファクタが一致していないスペックルに対して細分化して、調査ファクタを記入し、室内と外業の調査成果を結合して、調査ファクタの記入が完全で、属性ロジックが正しいリモートセンシングの変化スペックルのデータベースを形成する。
【0051】
ステップ(3.2.3)において、リモートセンシング変化スペックルのデータベースを用いて前期炭素層スペックルのデータベースに対して図形更新と属性更新を行い、更新結果に対して属性ロジックと空間トポロジ品質検査を行い、ロジックが正しく、重複、空隙と多部品トポロジの誤りがないことを保証し、GISソフトウェアを用いて各炭素層スペックル面積を再計算し、プロジェクト炭素層現状データベースを形成し、プロジェクト炭素層の総処理計量に用いられる最新炭素層スペックル面積を得る。
【0052】
ステップ(3.2.4)において、前期炭素層のスペックルデータベースとプロジェクト炭素層の現状データベース図形を用いて空間連合を行い、属性ファクタは変化原因、変更根拠と変更時間を増加し、変化データベースの属性品質検査ロジックに基づいて改善と記入を行い、プロジェクト炭素層変化データベースを形成する。
【0053】
ステップ(3.3)において、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのモニタリングをするステップであって、リモートセンシングの変化モニタリングの調整後のプロジェクト炭素層に基づき、プロジェクトのモノのインタネットのサンプルプロットを設計、配置し、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの林
木バイオマス、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの枯れ木、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの枯落物及びプロジェクトの温室効果ガス排出
量を動的にモニタリングし、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量をまとめて計算し、
図4のように、具体的なステップは以下の通りである。
【0054】
ステップ(3.3.1)において、プロジェクトのサンプルプロットの設計をするステップであって、プロジェクトの範囲と精度要求に基づいて、サンプルプロットの配置方案を選択し、サンプルプロットの数量とサンプルプロットの大きさを確定し、ベースラインと同じサンプルプロットの設計原則とサンプルプロットの数量の計算方法に基づいて、サンプルプロットを設計し、配置する。サンプルプロットの大きさはベースラインと一致している。
【0055】
ステップ(3.3.2)において、プロジェクトのモノのインタネットのサンプルプロットのモニタリングをするステップであって、配置方法とプロセスはベースラインと一致している。
【0056】
ステップ(3.3.3)において、プロジェクトの単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、バイオマス拡散係数法を用いてプロジェクトの単位面積当たりの林木バイオマスの炭素貯蔵量を計算し、計算方法はベースラインと一致している。
【0057】
ステップ(3.3.4)において、プロジェクトの単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(3.3.3)の計算結果に基づいて、「炭素貯蔵量変化法」を用いて「デフォルト値法」と結合してプロジェクトの単位面積当たりの枯れ木の炭素貯蔵量を計算し、計算方法はベースラインと一致している。
【0058】
ステップ(3.3.5)において、プロジェクトの単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量の計算をするステップであって、ステップ(3.3.3)の計算結果に基づいて、「炭素貯蔵量変化法」を用いて「デフォルト値法」と結合してプロジェクトの単位面積当たりの枯落物の炭素貯蔵量を計算し、計算方法はベースラインと一致している。
【0059】
ステップ(3.3.6)において、プロジェクトの単位面積当たりの温室効果ガス排出の計算をするステップであって、プロジェクト境界内の森林火災によるバイオマス燃焼による温室効果ガス排出を総合し、林木バイオマスとデッド有機物の2つの部分を含み、以下の式により計算され、
【0060】
【数9】
式中、GHG
curret,i,tnは第t回のモニタリングで、第i炭素層の温室効果ガス排出の増加量であり、GHG
tree_current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層の森林火災による林木バイオマス燃焼による非CO
2温室効果ガス排出の増加量であり、GHG
dom_current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層の森林火災によるデッド有機物燃焼による非CO
2温室効果ガス排出量の増加であり、
森林火災による林木バイオマスの燃焼による非CO
2温室効果ガス排出の増加量は、以下の式により、前回のモニタリング時の林木バイオマスと燃焼ファクタを用いて計算し、
【0061】
【数10】
式中、w
tree_curent,i,t-1は第t-1回のモニタリングで、第i炭素層の単位面積あたりの林木バイオマスである。COMF
iは第i炭素層燃焼指数で、植生のタイプごとにデフォルト値であり、
は第i炭素層のCH
4排出指数であり、
はCH
4をCO
2当量に変換して、デフォルトは25であり、
は第i炭素層のN
2O排出指数であり、
はN
2OをCO
2当量に変換して、デフォルトは298であり、
【0062】
【数11】
式中、c
dw_curent,i,t-1は第t-1回のモニタリングで、第i炭素層の枯れ木の単位面積あたりのバイオマスであり、c
li_curent,i,t-1は第t-1回のモニタリングで、第i炭素層の枯落物の単位面積当たりのバイオマスである。
【0063】
ステップ(3.3.7)において、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量の計算をするステップであって、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量はすべての樹種の林木バイオマス、枯れ木と枯落物の炭素貯蔵量の総和で、温室効果ガス排出を減算し、以下の式により計算され、
【0064】
【数12】
式中、c
current,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層のプロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量であり、c
base,i,tは第t回のモニタリングで、第i炭素層ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量である。
【0065】
ステップ(3.4)において、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量の計算をするステップであって、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量に各炭素層のスペックル面積を乗じて、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量を取得し、以下の式により計算され、
【0066】
【数13】
式中、c
current,tは第t回のモニタリング項目の炭素層の総炭素貯蔵量であり、s
current,i,tは第i炭素層のプロジェクト炭素層のスペックル面積である。
【0067】
ステップ(4)において、総炭素貯蔵量と炭素変化量のモニタリングをするステップであって、プロジェクト境界内の今回のモニタリング周期の総炭素貯蔵量、及び単位時間当たりの炭素変化量を計算し、総炭素貯蔵量はプロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量とベースライン炭素層炭素貯蔵量の差であり、以下の式により計算され、
【0068】
【数14】
式中、c
tは第t回のモニタリングの総炭素貯蔵量であり、
炭素変化量は一定モニタリング周期内の炭素貯蔵量の変化量であり、以下の式により計算され、
【0069】
【数15】
式中、Δc
t2,t1 はt
1回目のモニタリングからt
2回目のモニタリングまでの時間内の炭素貯蔵量の変化量であり、c
t2 は第t
2回のモニタリングの総炭素貯蔵量であり、c
t1はt
1回目のモニタリングの総炭素貯蔵量であり、t
2、t
1はモニタリングの周期であり、モニタリングの周期はモノのインタネットのモニタリングのサンプルプロットに設定される。
【0070】
ステップ(5)において、モニタリング終了と周期モニタリングの判断をするステップであって、モノのインタネットのモニタリングのサンプルプロットの設定時間に基づいて周期化運行とモニタリングを行い、プロジェクト境界、ベースライン、プロジェクト活動のモニタリングをすべて停止し、プロジェクトの撤去を招いた場合、モニタリングは終了する。
【0071】
サーバーはベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのサンプルプロットとプロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのサンプルプロットの通信ゲートウェイに対して統一授時と同じモニタリング周期を採用し、さらに通信ゲートウェイは各樹径測定センサに対するウェイクアップ時刻、ウェイクアップ時間長さとウェイクアップ周波数も同じである。プロジェクトのベースラインとプロジェクトの活動が同じ周波数と時間のことを保証する。
【0072】
新しいモニタリングの周期では、ベースライン炭素層と面積に変化がないため、ベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのサンプルプロットを通じてリアルタイムのベースライン炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量を取得し、本周期のベースライン炭素層の総埋蔵量を計算して取得する。新しいリモートセンシング画像を取得するには、プロジェクト炭素層のリモートセンシング変化のモニタリングによりプロジェクト炭素層面積を更新し、プロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのサンプルプロットを通じて、リアルタイムのプロジェクト炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量を取得し、計算により本サイクルのプロジェクト炭素層の炭素貯蔵量を取得する。新しいリモートセンシング画像が得られなければ、前期プロジェクト炭素層面積を使用して本周期プロジェクト炭素層総貯蔵量を計算し続けて、最後に本モニタリング周期の総炭素貯蔵量と炭素変化量を取得する。
【0073】
本発明は炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源プロジェクトの炭素吸収源計量とモニタリング過程において一般的にモニタリングのコストが高く、精度が低く、時効性が悪く、汎化能力が弱い欠点が存在することに対して、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源のプロジェクトの動的モニタリング方法を提供し、ベースラインとプロジェクト活動に炭素層の単位面積当たりの炭素貯蔵量のモノのインタネットのサンプルプロットに対してベースラインとプロジェクトの単位面積当たりの炭素貯蔵量を動的に取得して、ベースライン炭素層の区分と面積の計算、及びプロジェクト炭素層のリモートセンシング変化のモニタリング動態更新のプロジェクト炭素層の面積を結合し、動的周期性に炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源のプロジェクト境界内のベースライン炭素層の総炭素貯蔵量、プロジェクト炭素層の総炭素貯蔵量及び総炭素貯蔵量と炭素変化量を取得し、炭素吸収源造林と森林経営炭素吸収源のプロジェクトのモニタリングの時効性と精度を著しく向上させ、モニタリングのコストを下げて大規模な普及使用に適している。
【0074】
説明しなければならない本発明の炭素集積計量では、林木バイオマス、枯れ木、枯落物の炭素貯蔵量及び変化のみを考慮し、低木、土壌有機炭素及び木材製品カーボンバンクを無視する。本発明の炭素吸収源造林と森林経営の炭素吸収源のプロジェクト活動は潜在的な漏洩がなく、認識は0である。