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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20241025BHJP
   H01R 4/64 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
H05K7/14 G
H01R4/64 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024009534
(22)【出願日】2024-01-25
【審査請求日】2024-02-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】沖 昭広
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-029371(JP,A)
【文献】国際公開第2019/244487(WO,A1)
【文献】特開2020-136522(JP,A)
【文献】特開2008-171616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H01R 4/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非導電性の外装部材と、
前記外装部材に対して内部側に配置された非導電性の内部部材と、
前記外装部材の外側表面で外部に露出し、前記外装部材を前記内部部材に対して第1の方向に固定する導電性の固定部材と、
前記固定部材に対して前記第1の方向に弾性接触する導電性の弾性部材と、
前記弾性部材と電気的に接続し、前記固定部材を前記弾性部材を介して除電する除電部材と、を有する、電子機器。
【請求項2】
前記固定部材が、外部に露出する頭部と前記頭部から前記第1の方向に延在するおねじ部とを備える固定ねじであって、
前記外装部材が、前記第1の方向に貫通し、前記固定ねじの前記おねじ部が通過する通し穴を備え、
前記内部部材が、前記固定ねじの前記おねじ部に係合するめねじ穴を備える、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記弾性部材が、前記外装部材の前記通し穴に進入して前記固定ねじの前記頭部に対して前記第1の方向に接触する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記弾性部材が、前記固定ねじに対して前記頭部に一端が前記第1の方向に接触する接触端部と、前記接触端部の他端から前記第1の方向と交差する第2の方向に延在するカンチレバー部と、前記カンチレバー部を片持ち支持して前記除電部材と接触するベース部とを含んでいる、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記内部部材の前記めねじ穴が貫通穴状であって、
前記弾性部材が、前記めねじ穴又は別の貫通穴に進入して前記固定ねじの前記おねじ部の先端に対して前記第1の方向に弾性接触する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記除電部材が、前記内部部材を支持する金属製のフレームである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記フレームが、回路基板を支持し、
前記回路基板のグランド電位部分が、前記フレームに電気的に接続されている、請求項6に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子機器において、固定ねじ(固定部材)を介する静電気放電に対して様々な対策がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-243855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、導電性材料から作製された固定ねじが、非導電性材料、例えば樹脂材料から作製された複数の部材を互いに固定するために使用されることがある。すなわち、導電性材料、例えば金属材料から作製された導電性部材に固定ねじが接触していない場合がある。この場合、静電気を貯えた物体、例えば人の指が固定ねじに触れると、その固定ねじがその近くの導電性部材に対して静電気放電する可能性がある。例えば、固定ねじ近傍に回路基板などの電子部品が存在する場合、電子部品が固定ねじからの静電気放電によって損傷する可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、導電性部材に接触することなく使用される固定部材を備える電子機器において、固定部材からの静電気放電を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
非導電性の外装部材と、
前記外装部材に対して内部側に配置された非導電性の内部部材と、
前記外装部材の外側表面で外部に露出し、前記外装部材を前記内部部材に対して第1の方向に固定する導電性の固定部材と、
前記固定部材に対して前記第1の方向に弾性接触する導電性の弾性部材と、
前記弾性部材と電気的に接続し、前記固定部材を前記弾性部材を介して除電する除電部材と、を有する、電子機器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、導電性部材に接触することなく使用される固定部材を備える電子機器において、固定部材からの静電気放電を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施の形態に係る電子機器の斜視図
図2】電子機器の一部分の分解斜視図
図3図1に示すA-A線に沿った電子機器の一部分の部分断面図
図4】固定ねじが取り付けられる前の外装部材の通し穴周辺を示す斜視図
図5】固定ねじが取り付けられる前の外装部材の通し穴周辺を示す正面図
図6】弾性部材の外装部材への取り付けを示す斜視図
図7】別の実施の形態に係る電子機器の一部分の部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0010】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
以下、本開示の実施の形態に係る撮像装置について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施の形態に係る電子機器の斜視図である。なお、図1においては、一部分のみが図示され、残りの部分については図示が省略されている。また、図2は、電子機器の一部分の分解斜視図である。さらに、図3は、図1に示すA-A線に沿った電子機器の一部分の部分断面図である。なお、図に示すX-Y-Z直交座標系は、本開示の実施の形態の理解を容易にするためのものであって、本開示の実施の形態を限定するものではない。
【0013】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る電子機器10は、電子機器10の外側表面の一部分を備える外装部材12と、電子機器10の内部に配置される内部部材14と、電子機器10の内部に配置される電子部品である回路基板16と、回路基板16を支持するフレーム18とを含んでいる。
【0014】
外装部材12と内部部材14は、非導電性を備える。本実施の形態の場合、外装部材12と内部部材14は、非導電性材料、例えば樹脂材料から作製されている。なお、内部部材14は、コネクタ20のケーシングであって、且つ、回路基板16に取り付けられている。
【0015】
回路基板16は、コネクタ20が実装されている電子部品であって、電子機器10の内部に配置されてフレーム18に支持されている。
【0016】
フレーム18は、導電性材料、例えば金属材料から作製された部材であって、電子機器10の内部に配置されて回路基板16を支持する。また、フレーム18は、回路基板16のグランド電位部分と、リード線22を介して電気的に接続されている。それにより、フレーム18は、グランド電位を備える。
【0017】
本実施の形態の場合、外装部材12は、固定ねじ24、26を介して、内部部材14に対して第1の方向(Y軸方向)に固定されている。
【0018】
固定ねじ24は、導電性材料、例えば金属材料から作製され、頭部24aと、頭部24から延在するおねじ部24bとを備える。
【0019】
固定ねじ24を介して外装部材12を内部部材14に対して固定するために、本実施の形態の場合、外装部材12が通し穴12aを備え、内部部材14がめねじ穴14aを備える。固定ねじ24のおねじ部24bは、外装部材12の通し穴12aを通過し、内部部材14のめねじ穴14aと係合する。なお、本実施の形態の場合、外装部材12には、固定ねじ24の頭部24aが収容されるザグリ穴12bが形成されている。
【0020】
なお、固定ねじ26も、固定ねじ24と同様に、外装部材12を内部部材14に対して固定する。
【0021】
ここからは、本開示の実施の形態に係る電子機器10の更なる特徴について説明する。
【0022】
上述したように、また、図3に示すように、導電性の固定ねじ24は、非導電性の外装部材12および内部部材14には接触するが、フレーム18などの導電性部材には接触していない。そのため、静電気を貯えた物体、例えば人の指が外装部材12の外側表面で露出する固定ねじ24の頭部24aに触れると、その固定ねじ24がその近くの回路基板16に対して静電気放電する可能性がある。すなわち、固定ねじ24と回路基板16との間でスパークが発生する可能性がある。その結果、例えば、回路基板16に実装された半導体素子が損傷または誤動作する可能性がある。
【0023】
この固定ねじ24から回路基板16への静電気放電を抑制するために、図2および図3に示すように、固定ねじ24は、導電性の弾性部材30を介して、フレーム18に電気的に接続されている。
【0024】
弾性部材30は、導電性材料、例えば金属薄板から作製された部材であって、外装部材12の内部部材14への固定方向(第1の方向(Y軸方向))に、固定ねじ24に対して弾性接触する。なお、第1の方向は、外装部材12の通し穴12aの貫通方向であって、且つ、内部部材14のめねじ穴14aの延在方向でもある、すなわち、固定ねじ24のおねじ部24bの延在方向でもある。また、「弾性接触」は、弾性変形した弾性部材の復元力によって物体に対して接触することを言う。
【0025】
本実施の形態の場合、図3に示すように、弾性部材30は、電子機器10の内部側から固定ねじ24の頭部24aの裏側部分に、第1の方向(Y軸方向)に弾性接触する。そのために、弾性部材30は、外装部材12の通し穴12aに進入する。
【0026】
具体的には、本実施の形態の場合、弾性部材30は、固定ねじ24の頭部24aと接触する接触端部30aと、接触端部30aを支持するカンチレバー部30bと、カンチレバー部30bを片持ち支持するベース部30cとを含んでいる。
【0027】
図4および図5は、固定ねじが取り付けられる前の外装部材の通し穴周辺を示す斜視図および正面図である。また、図6は、弾性部材の外装部材への取り付けを示す斜視図である。
【0028】
弾性部材30において、接触端部30aは、図3および図4に示すように、第1の方向(Y軸方向)に延在し、外装部材12の通し穴12aを通過する部分である。図3に破線によって示すように、固定ねじ24が取り付けられていないとき、接触端部30aの一端30d(その延在方向の一方の端)は、外装部材12のザグリ穴12bの底面12cを越えている。
【0029】
なお、図5に示すように、接触端部30aと固定ねじ24のおねじ部24bとが通過する外装部材12の通し穴12aは、その接触端部30aとおねじ部24bとが接触しないように、鍵穴状である。すなわち、通し穴12aは、おねじ部24bが通過する円形断面を備える貫通穴と、接触端部30aが通過する矩形状断面を備える貫通穴とが一体化されてなる貫通穴である。これと代わって、おねじ部24bが通過する貫通穴と接触端部30aが通過する貫通穴が互いに分離した状態で、外装部材12に形成されてもよい。
【0030】
弾性部材30において、カンチレバー部30bは、図4に示すように、第1の方向(Y軸方向)にたわみ変形可能な、すなわち第1の方向に薄い帯状の部分である。また、カンチレバー部30bは、図3に示すように、接触端部30aの他端(その延在方向の他方の端)から、第1の方向と交差する第2の方向(Z軸方向)に延在する。なお、本実施の形態の場合、カンチレバー部30bの延在長さ(Z軸方向のサイズ)は、接触端部30aの延在長(Y軸方向のサイズ)に比べて大きい。
【0031】
弾性部材30において、ベース部30cは、接触端部30aが設けられた端とは反対側のカンチレバー部30bの端を片持ち支持する部分である。また、ベース部30cは、フレーム18と接触する部分、すなわちフレーム18に対して電気的に接続する弾性部材30の部分でもある。
【0032】
図6に示すように、本実施の形態の場合、弾性部材30のベース部30cは、外装部材12に対して位置決め状態で取り付けられる。具体的には、外装部材12の内側表面には、弾性部材30のカンチレバー部30bとベース部30cとが着座する着座面12dが形成されている。また、着座面12dには、2つの位置決めピン12eが設けられている。これらの位置決めピン12eそれぞれと係合する2つの位置決め穴30eが弾性部材30のベース部30cに形成されている。
【0033】
図3に示すように、固定ねじ24を介して外装部材12が内部部材14に対して第1の方向(Y軸方向)に固定されると、弾性部材30のベース部30cは、外装部材12の着座面12dとフレーム18とによって第1の方向に挟持される。すなわち、図2に示すように、内部部材14が設けられている回路基板16を支持するフレーム18において外装部材12に対して第1の方向に対向する表面18aが、弾性部材30のベース部30cに接触する。
【0034】
なお、フレーム18の表面18aは、弾性部材30のカンチレバー部30bには接触しない。カンチレバー部30bとの接触を回避する貫通穴18bがフレーム18の表面18aに形成されている。図3に示すように、カンチレバー部30bは、たわみ変形すると、貫通穴18bに進入する。また、この貫通穴18bには、固定ねじ24のおねじ部24bが通過している。
【0035】
このような弾性部材30によれば、固定ねじ24とフレーム18との間の電気的な接続が維持される。具体的には、図3に示すように、固定ねじ24の頭部24aが外装部材12のザグリ穴12bの底面12cに着座するとき、その底面12cから突出していた弾性部材30の接触端部30aの一端30dが固定ねじ24の頭部24aに押されて外装部材12の通し穴12a内に後退する。この後退により、弾性部材30のカンチレバー部30bが、たわみ変形し、外装部材12の着座面12dから離れる。
【0036】
固定ねじ24が外装部材12を内部部材14に対して固定している間、すなわち固定ねじ24の頭部24aがザグリ穴12bの底面12cに着座し続けている間、カンチレバー部30bは、たわみ変形(弾性変形)し続け、接触端部30aを固定ねじ24の頭部24aに向かって付勢し続ける。それにより、弾性部材30と固定ねじ24とが弾性接触し続ける。その結果、弾性部材30を介する固定ねじ24とフレーム18との間の電気的な接続が維持される。
【0037】
外装部材12の外側表面で外部に露出する固定ねじ24の頭部24aに対して静電気を貯えた物体、例えば人の指が触れると、固定ねじ24に電気が流れる。固定ねじ24を流れる電気は、頭部24aと弾性接触する接触端部30aを介して弾性部材30内に流れる。そして、弾性部材30内の電気は、ベース部30cと接触するフレーム18に流れる。すなわち、フレーム18が、弾性部材30を介して固定ねじ24を除電する除電部材として機能する。その結果、固定ねじ24からその近傍の回路基板16への静電気放電が抑制される。
【0038】
なお、固定ねじ24の頭部24aが弾性部材30の接触端部30aに接触した瞬間から、工具による頭部24の回転が弾性部材30に伝わる。しかしながら、図6に示すように、弾性部材30は、外装部材12の複数の位置決めピン12eがベース部30cの複数の位置決め穴30eと係合しているので、回転が制限されている。
【0039】
また、弾性部材30の接触端部30aは、固定ねじ24の頭部24aに接触した瞬間から頭部24aの回転方向に変位するように力を受ける。このような力を受けても適切に頭部24aとの接触を維持できるように、図4に示すように、接触端部30aの一端30dは、丸いコーナーを備えている(R加工されている)。
【0040】
以上のような本実施の形態によれば、導電性部材に接触することなく使用される固定ねじ24を備える電子機器10において、固定ねじ24からの静電気放電、例えば固定ねじ24から回路基板16への静電気放電を抑制することができる。
【0041】
以上、上述の実施の形態を挙げて本開示の実施の形態を説明したが、本開示の実施の形態はこれに限らない。
【0042】
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すように、弾性部材30は、固定ねじ24の頭部24aに弾性接触する。それにより、弾性部材30を介する固定ねじ24とフレーム18との電気的な接続が維持される。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。
【0043】
図7は、別の実施の形態に係る電子機器の一部分の部分断面図である。なお、図7に示す別の実施の形態において、上述の実施の形態の構成要素と実質的に同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【0044】
図7に示すように、別の実施の形態に係る電子機器において、弾性部材130は、固定ねじ24に対して第1の方向(Y軸方向)に弾性接触する。
【0045】
具体的には、弾性部材130は、固定ねじ24に一端が接触する接触端部130aと、接触端部130aの他端から延在するカンチレバー部130bと、カンチレバー部130bを片持ち支持してフレーム18に接触するベース部130cとを含んでいる。接触端部130aは、固定ねじ24のおねじ部24bの先端に対して第1の方向(Y軸方向)に弾性接触する。そのために、接触端部130aは、貫通穴状の内部部材14のめねじ穴14aに進入する。
【0046】
このような別の実施の形態においても、上述の実施の形態と同様に、固定ねじ24からの静電気放電を抑制することができる。
【0047】
また、上述の実施の形態の場合、図3に示すように、互いに接触して電気的に接続する弾性部材30とフレーム18は、別部材である。これに代わって、弾性部材30とフレーム18は、1つの導電性部材の異なる部分であってもよい。
【0048】
さらに、上述の実施の形態の場合、図1および図2に示すように、弾性部材30を介して固定ねじ24と電気的に接続される部材は、回路基板16を支持するフレーム18である。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。フレーム18以外の導電性部材を電子機器が備える場合、その導電性部材に固定ねじ24が弾性部材を介して電気的に接続されてもよい。すなわち、弾性部材と接触する部材は、固定ねじ24を弾性部材を介して除電できる除電部材であればよい。
【0049】
さらにまた、上述の実施の形態の場合、外装部材12を内部部材14に固定する固定部材は、固定ねじ24である。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。外装部材12を内部部材14に対して第1の方向に固定する固定部材は、例えば、ボルト、リベットなどであってもよい。
【0050】
すなわち、本開示の実施の形態に係る電子機器は、広義には、非導電性の外装部材と、前記外装部材に対して内部側に配置された非導電性の内部部材と、前記外装部材の外側表面で外部に露出し、前記外装部材を前記内部部材に対して第1の方向に固定する導電性の固定部材と、前記固定部材に対して前記第1の方向に弾性接触する導電性の弾性部材と、前記弾性部材と電気的に接続し、前記固定部材を前記弾性部材を介して除電する除電部材と、を有する。
【0051】
以上のように、本開示における技術の例示として、上述の実施の形態を説明してきた。そのために、図面および詳細な説明を提供している。したがって、図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0052】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本開示は、導電性部材に接触することなく使用される固定ねじを備える電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
12 外装部材
14 内部部材
18 除電部材(フレーム)
24 固定部材(固定ねじ)
30 弾性部材
【要約】
【課題】導電性部材に接触することなく使用される固定ねじを備える電子機器において、固定ねじからの静電気放電を抑制する。
【解決手段】電子機器は、非導電性の外装部材12と、外装部材12に対して内部側に配置された非導電性の内部部材14と、外装部材12の外側表面で外部に露出し、外装部材12を内部部材14に対して第1の方向に固定する導電性の固定部材24と、固定部材24に対して第1の方向に弾性接触する導電性の弾性部材30と、弾性部材30と電気的に接続し、固定部材24を弾性部材30を介して除電する除電部材18とを有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7