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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20241025BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20241025BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20241025BHJP
   F24F 11/32 20180101ALI20241025BHJP
   F24F 11/77 20180101ALI20241025BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20241025BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20241025BHJP
   F24F 110/65 20180101ALN20241025BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F25B49/02 D
F25B49/02 520M
F24F11/36
F24F11/32
F24F11/77
F24F11/61
F24F11/70
F24F110:65
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020199643
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087617
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水間 聖人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英樹
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/001847(WO,A1)
【文献】特開2002-188878(JP,A)
【文献】特開2011-241994(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199808(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/175300(WO,A1)
【文献】特開2015-117931(JP,A)
【文献】特開2016-211794(JP,A)
【文献】特開2011-137595(JP,A)
【文献】特開2009-041782(JP,A)
【文献】国際公開第2012/049710(WO,A1)
【文献】特開2002-130751(JP,A)
【文献】特開2004-278936(JP,A)
【文献】特開2003-042495(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0106492(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F25B 49/02
F24F 11/36
F24F 11/32
F24F 11/77
F24F 11/61
F24F 11/70
F24F 110/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微燃性冷媒または可燃性冷媒を循環させる冷凍サイクルと、
前記冷凍サイクルに接続された熱交換器が設けられ、室内空間に設置される室内機と、
前記室内機から漏洩した冷媒を検知する冷媒センサと、
前記室内空間を換気する換気装置と、
商用電源により充電される蓄電部と、
制御部とを備え、
前記冷媒センサと、前記換気装置とは、商用電源により動作され、
前記制御部は、前記商用電源の供給が停止した場合に、前記蓄電部の電力により前記換気装置を動作させ、
前記換気装置を動作させた後に、前記冷媒センサが正常に機能しているか否かを判定し、
前記冷媒センサが正常に機能していると判定した場合に、前記換気装置の運転を所定時間継続させる
ことを特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記商用電源の供給が停止した場合に、室内容積の空気が換気されるように、前記蓄電部の電力により前記換気装置を動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記蓄電部に残存する電力量と、前記換気装置の換気量とに応じて、前記換気装置を所定時間動作させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記制御部は、停電時に前記室内空間に冷媒が漏洩していたと仮定した場合、前記室内空間の冷媒濃度が所定値以下となる時間以上に前記換気装置を動作させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記室内空間の冷媒濃度が所定値以下となる時間は、前記換気装置が前記室内容積の空気の換気に要する時間以下である
ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記商用電源の供給が停止した場合に、前記蓄電部の電力により前記冷媒センサを動作させ、
前記冷媒センサが冷媒の漏洩を検知した場合、及び前記冷媒センサが正常に機能していないと判定された場合の少なくともいずれか一方の場合に、前記蓄電部の電力により前記換気装置を動作させる第1換気運転を実行させる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1換気運転を開始してから所定時間が経過した後、前記換気装置の駆動と停止を交互に繰り返す第2換気運転を実行させる
ことを特徴とする請求項6に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2換気運転を実行してから所定時間が経過した後、前記換気装置の駆動と停止を交互に繰り返し、かつ、前記第2換気運転よりも前記換気装置の停止時間を長くする第3換気運転を実行させる
ことを特徴とする請求項7に記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1換気運転を開始してから所定時間が経過した後、前記換気装置の換気量を低下させる第4換気運転を実行させる
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記蓄電部の電力により前記冷媒センサと前記換気装置とを動作させる場合に、前記冷媒センサに電力を供給することを停止した状態で、前記換気装置を動作させる
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記蓄電部の電力により前記冷媒センサと前記換気装置とを動作させる場合に、前記換気装置が停止してから所定時間の経過後に前記冷媒センサを動作させる
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記商用電源の供給が停止している場合に、
前記換気装置の停止、及び前記冷媒センサの動作の開始のいずれか一方の後に、冷媒が所定濃度に達するまでの時間が経過すると、前記冷媒センサを間欠的に動作させる
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、停電時に緊急用電源として使用される蓄電部により検知センサが起動されるときに、検知可能時間をできるだけ長くする室内機を開示する。この室内機は、ケーシングと、可燃性冷媒が流れる熱交換器と、商用電源からの電源供給がないときに緊急用電源として使用される蓄電部と、冷媒の漏洩を検知する検知センサと、商用電源または蓄電部から検知センサへの通電を制御する制御部とを備えている。制御部は、検知センサを断続的に起動するように、蓄電部から検知センサに通電を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-117931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、商用電源からの電源供給がないときに、蓄電部の電力を用いて効率的に、冷媒漏洩の対策のための装置を駆動させることが可能な空気調和システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における空気調和システムは、微燃性冷媒または可燃性冷媒を循環させる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルに接続された熱交換器が設けられ、室内空間に設置される室内機と、前記室内機から漏洩した冷媒を検知する冷媒センサと、前記室内空間を換気する換気装置と、商用電源により充電される蓄電部と、制御部とを備え、前記冷媒センサと、前記換気装置とは、商用電源により動作され、前記制御部は、前記商用電源の供給が停止した場合に、前記蓄電部の電力により前記換気装置を動作させ、前記換気装置を動作させた後に、前記冷媒センサが正常に機能しているか否かを判定し、前記冷媒センサが正常に機能していると判定した場合に、前記換気装置の運転を所定時間継続させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、商用電源からの電源供給がないときに、蓄電部の電力を用いて効率的に、冷媒漏洩の対策のための装置を駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態1に係る空気調和システム1の構成を示すブロック図
図2】室内空間における空気調和システム1の構成を示す図
図3】商用電源が停電状態の場合の空気調和システム1の動作を示すフローチャート
図4】商用電源が停電状態の場合の空気調和システム1の動作を示すフローチャート
図5】本実施の形態2に係る空気調和システム1の構成を示すブロック図
図6】商用電源が停電状態の場合の空気調和システム1の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、空気調和システム1の室内機において、停電時の冷媒漏洩対策のために、緊急用電源として使用される蓄電部により検知センサが起動されるときに、検知可能時間をできるだけ長くする技術があった。
この室内機は、可燃性冷媒が流れる熱交換器と、商用電源からの電源供給がないときに緊急用電源として使用される蓄電部である電池と、可燃性冷媒の漏洩を検知する検知センサと、商用電源または電池から検知センサへの通電を制御する制御部である制御装置とを備えている。制御装置は、検知センサを断続的に起動するように、電池から検知センサに通電を制御する。
【0009】
ところで、地震などで商用電源が停止(所謂、停電)状態となった場合、冷媒配管の破損等により、冷媒が漏洩している虞があるため、商用電源が停止した場合、外部電源により、冷媒センサや換気装置を駆動させる必要性が高い。しかしながら、換気装置は、冷媒センサよりも電力消費量が大きいため、外部電源によりこれらの冷媒漏洩対策のための装置を、長時間動作させることができない虞があった。
そこで本開示は、商用電源の電源供給が停止したときに、蓄電部の電力により、換気装置を効率的に駆動させることが可能な空気調和システム1を提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1図4を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.空気調和システムの構成]
【0012】
図1は、本実施の形態に係る空気調和システム1の構成を示すブロック図である。
図2は、室内空間70における空気調和システム1の構成を示す図である。
空気調和システム1は、室内機11に収められた室内熱交換器29や減圧装置、及び室外機10に収められた圧縮機や減圧装置、室外熱交換器等で形成された冷凍サイクルを備えている。そして、空気調和システム1は、この冷凍サイクルに冷媒を流通させることで、室内機11が設けられた被調和空間である室内空間70の空調を行うものである。
本実施形態では、空気調和システム1の冷媒には、微燃性冷媒であるR32が用いられている。なお、これに限らず、空気調和システム1の冷媒には、炭化水素、アンモニア等の各種の代替フロンが用いられていてもよい。
【0013】
図1図2の示すように、本実施形態の空気調和システム1は、室外機10と、室内機11とを備え、これらの室外機10と室内機11とが冷媒配管2、4によって接続されることで構成されている。
室外機3は、圧縮機、熱源側熱交換器、膨張弁、及び、暖房運転と冷房運転とを切り替える切替弁を備えている。なお、室外機3は、アキュムレータ、圧力センサ等を備えていてもよい。
【0014】
室内機11は、室内空間70に設置され、当該室内空間70の空調を行う。すなわち、室内空間70は、室内機11の被調和空間である。
空気調和システム1は、室内空間70に対して、冷房運転、または暖房運転を行う。このため、室外機3と室内機11との間には、2本の冷媒配管2、4を通じて冷媒が流れる。冷媒配管2、4の一方には、高圧のガス冷媒が流れ、他方には、低圧のガスまたは液状の冷媒が流れる。冷媒配管2、4は、それぞれが分岐して室内機11が備えている冷媒回路21に接続される。冷媒配管2、4を冷媒が流れる方向は、空気調和システム1の冷房運転時と暖房運転時とで逆となる。
【0015】
空気調和システム1は、冷媒を検知する検知センサである冷媒漏洩検知センサ13を備えている。冷媒漏洩検知センサ13は、冷媒回路21や、冷媒回路21と冷媒配管2、4との接続部等から漏出した冷媒を検知する。
本実施形態では、冷媒漏洩検知センサ13は、室内空間70に設置される。空気調和システム1が使用する冷媒が空気より比重の大きい気体である場合、冷媒漏洩検知センサ13は室内空間70の下部に設置されることが望ましい。
なお、冷媒漏洩検知センサ13は、室内機11の筐体内部に配置されていてもよい。
【0016】
空気調和システム1は、換気装置14を備えている。この換気装置14は、軸流ファンや遠心ファン等の各種のファンを備えた送風機が用いられ、当該ファンによって、設置された室内空間の換気を行う、所謂機械換気装置である。
本実施の形態の換気装置14は、室内空間70に漏洩した冷媒を当該室内空間70の外部に排出するものである。
【0017】
換気装置14は、商用電源としての商用交流電源9に、給電線32を介して接続される。商用交流電源9は、室内空間70において換気装置14に接続される電源である。このため、換気装置14には、AC200Vの電力が商用交流電源9から供給される。換気装置14は、この電力によって駆動可能となる。
【0018】
本実施の形態の空気調和システム1では、室内空間に配置される外部電源キット15が設けられている。
外部電源キット15は、供給された電流を蓄電する蓄電部52を備えるものである。この外部電源キット15は、電流の供給が停止すると、放電して空気調和システム1の各部に蓄電した電力を供給する。
【0019】
空気調和システム1は、警報装置16を備えている。警報装置16は、外部に警報を発報するものであり、本実施の形態では空気調和システム1の状態に応じて、各種の情報を管理センタに報知する。例えば、冷媒漏洩検知センサ13や換気装置14の駆動が確認できない場合に、警報装置16は、これらの修理が必要であることを管理センタに報知する。
なお、警報装置16は、外部に限らず、室内空間70にいる人に発報するのもであってもよい。またこの場合、空気調和システム1の操作が可能なリモコン装置等に一体に設けられていてもよい。
【0020】
空気調和システム1は、制御装置19を備えている。制御装置19は、空気調和システム1の運転を制御する。この制御装置19は、例えば、室外機10の運転開始及び運転停止の制御、室外機10が備える圧縮機や切替弁の動作制御、室外機10及び室内機11の運転状態の検出等を実行する。
【0021】
[1-1-2.室内機の構成]
図2に示すように、室内機11は、冷媒回路21を構成する室内熱交換器29、及び室内熱交換器29に送風する室内ファン28を備えている。
【0022】
室内機11は、室外機10から供給される冷媒が流通する冷媒回路21を備えている。冷媒回路21は、例えば、利用側熱交換器である室内熱交換器29や、その他の配管を含む。
【0023】
室内機11は、商用電源としての商用交流電源9に給電線33により接続される。商用交流電源9は、室内空間70において室内機11に接続される電源である。この商用交流電源9は、上述した換気装置14に接続されるものと共通の電源である。このため、室内機11には、AC200Vの電力が商用交流電源9から供給される。
【0024】
なお、本実施形態では、AC200Vの商用交流電源9が室内機11に接続される例を説明するが、これに限らず、例えばAC100V等の他の電源が室内機11に接続されてもよい。同様に、上述した換気装置14には、AC200Vに限らず、例えばAC100V等の他の電源が接続されてもよい。
【0025】
室内機11は、室内機制御部20を備えている。室内機制御部20は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスとを有したコンピュータを備え、空気調和システム1の各部を制御する制御部として機能する。なお、室内機制御部20は、複数のプロセッサ、または半導体チップにより実現してもよい。
【0026】
室内機制御部20は、PCB(Printed Circuit Board)22を備えている。PCB22は、所謂プリント基板であり、当該PCB22は、室内機制御部20を構成するマイコンやプロセッサ、電源回路等が実装される基板である。
室内機制御部20は、室内機11の運転、及び電気的に接続された空気調和システム1の各部を制御する。例えば、室内機制御部20は、給電線33を通じて供給される電力により、室内ファン28のファンモータを動作させる。
【0027】
PCB22には、リモコン受光部や操作パネルを接続してもよい。この場合、室内機制御部20は、リモコンや操作パネルの操作に基づき目標温度の変更等を行い、目標温度に従って室内機11の運転を制御する。また、室内機制御部20は、制御装置19に対して運転状態に関するデータを送信する機能を備えていてもよい。
【0028】
PCB22と冷媒漏洩検知センサ13との間には、給電線34が配置される。給電線34は、給電線33より給電される電力を分岐して冷媒漏洩検知センサ13に出力する。従って、冷媒漏洩検知センサ13には、AC200Vの電力が供給される。
PCB22には、給電線33が接続されている。これによって、PCB22には、例えばAC200Vの電力が商用交流電源9から供給される。
【0029】
PCB22には、信号線41によって、冷媒漏洩検知センサ13が接続されている。
信号線41は、PCB22が生成する制御信号を冷媒漏洩検知センサ13に伝送する。信号線41の具体的な態様は任意であり、例えば、電気的にPCB22と冷媒漏洩検知センサ13とを接続する線であってもよいし、所定の通信プロトコルに基づく制御信号を伝送する通信回線であってもよい。また、無線通信回線により接続されてもよい。なお、本実施の形態では、以下に説明する他の信号線の態様は、この信号線41の態様と同一である。
【0030】
なお、冷媒漏洩検知センサ13は、PCB22を経由せずに商用交流電源9が接続されていてもよい。この場合、冷媒漏洩検知センサ13は、PCB22と無線、または有線で接続され、当該PCB22により冷媒漏洩検知センサ13が制御されてもよい。
またこの場合、冷媒漏洩検知センサ13に制御部が搭載され、当該制御部により冷媒漏洩検知センサ13が制御されてもよい。
【0031】
制御信号は、この信号線41を介して、冷媒漏洩検知センサ13の駆動または停止を指示する信号である。冷媒漏洩検知センサ13は、この制御信号を受信することで、駆動して冷媒漏洩の検知を実施する、または駆動を停止する。
また、室内機制御部20は、この信号線41を介して、冷媒漏洩検知センサ13の検知状態を監視し、冷媒漏洩検知センサ13を利用して冷媒の漏洩を検知する。さらに、室内機制御部20は、この信号線41を介して、冷媒漏洩検知センサ13が正常に冷媒の漏洩が検知できているか否かを判定する。
【0032】
PCB22は、信号線43によって換気装置14に接続される。信号線43は、室内機制御部20が生成する制御信号を換気装置14に伝送する。この制御信号は、換気装置14に対して室内機制御部20が駆動の開始、または停止を指示する信号である。換気装置14は、この制御信号を受信することで、駆動して室内空間70の換気を実施する、または室内空間70の換気を停止する。
【0033】
PCB22と外部電源キット15との間には、給電線35が配置される。給電線35は、給電線33より給電される電力を分岐して外部電源キット15に出力する。従って、外部電源キット15には、AC200Vの電力が供給される。
【0034】
PCB22には、信号線44によって、外部電源キット15が接続されている。室内機制御部20は、この信号線44を介して、制御信号を送信することで、外部電源キット15を制御する。
【0035】
室内機制御部20は、空気調和システム1の各部の運転や、室内機11の運転に係る各種のデータを記憶する記憶部24を備えている。
[1-1-3.外部電源キットの構成]
図1に示すように、外部電源キット15は、外部電源制御部50と、蓄電部52と、充電ポート54とを備えている。
【0036】
蓄電部52は、給電線35によってPCB22から供給された電流により充電されるものである。この蓄電部52は、PCB22を介して商用交流電源9から電流が供給される間は、蓄電し、充電された状態を維持する。
また、蓄電部52は、供給される電流が停止した場合に放電し、複数の給電線36を介して外部電源キット15に接続された各部に電力を供給する。供給される電流が停止した場合とは、PCB22の出力が停止する場合であり、例えば、商用交流電源9が停電した場合である。
【0037】
本実施の形態では、外部電源キット15には、各給電線36を介して、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14と、警報装置16とが接続されている。外部電源キット15の蓄電部52は、例えば商用交流電源9が停電した場合に、これらの装置に電力を供給する。これによって、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電した場合であっても、外部電源キット15からの電力によって、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14と、警報装置16とを駆動することが可能となる。
【0038】
蓄電部52は、二次電池またはキャパシタに電力を蓄える。蓄電部52が金属水素電池、リチウム電池、リチウムイオン電池等の二次電池を備える構成とした場合、蓄電容量の大容量化が可能である。また、蓄電部52がキャパシタを備える構成とした場合、速やかな充放電が可能である。さらに、二次電池が必要とする充放電制御回路等の複雑な回路構成を省略することができ、コスト面で有利となる。蓄電部52の二次電池、またはキャパシタは、当該蓄電部52に給電線36を介して接続された各装置を所定時間動作させることが可能な電力量を蓄電できることが望ましい。
【0039】
外部電源キット15が備える充電ポート54は、外部のバッテリや発電機等を接続して蓄電部52に給電可能にするものである。本実施の形態では、例えば、商用交流電源9の停電が長期に亘った場合に、充電ポート54にバッテリ等の商用交流電源9以外の電力源を接続することで、蓄電部52に給電させることが可能である。
【0040】
上述の通り、外部電源キット15は、外部電源制御部50を備えている。外部電源制御部50は、室内機制御部20と同様に、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスとを有したコンピュータを備えている。なお、外部電源制御部50は、複数のプロセッサ、または半導体チップにより実現してもよい。
【0041】
外部電源制御部50は、蓄電部52等の外部電源キット15の各部を制御する制御部として機能する。
また、上述の通り、外部電源キット15は、信号線44を介してPCB22に接続されている。外部電源制御部50は、この信号線44を介して所定の信号を取得することで、商用交流電源9が給電可能な状態にあるか否か、すなわち商用電源が停電状態にあるか否かを判定する判定部として機能する。
【0042】
本実施の形態では、外部電源キット15には、各信号線45を介して、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14と、警報装置16とが接続されている。
そして、外部電源制御部50は、商用交流電源9から供給される電流が停止し、蓄電部52が放電して、複数の給電線36を介して外部電源キット15に接続された各部に電力を供給する場合には、各信号線45を介して当該外部電源キット15に接続された各部を制御する制御部として機能する。
【0043】
具体的には、外部電源制御部50は、信号線45を介して、当該外部電源制御部50が生成する制御信号を冷媒漏洩検知センサ13に伝送する。
制御信号は、この信号線45を介して、冷媒漏洩検知センサ13の駆動または停止を指示する信号である。冷媒漏洩検知センサ13は、この制御信号を受信することで、駆動して冷媒漏洩の検知を実施する、または駆動を停止する。
【0044】
本実施の形態では、外部電源制御部50は、換気装置14の駆動が停止している場合に冷媒漏洩検知センサ13を駆動させ、換気装置14が駆動している場合に冷媒漏洩検知センサ13を停止させる。
換気装置14が駆動している場合において、室内空間70では、当該換気装置14によって漏洩した冷媒が拡散される。これによって、室内空間70の冷媒濃度は、希釈される。このため、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を停止することができ、蓄電部52の消費電力量を効果的に削減できる。
【0045】
また、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13に対する蓄電部52の電力供給の開始から所定時間以上経過した場合に、冷媒漏洩検知センサ13を間欠的に駆動させる。
詳述すると、換気装置14の駆動が停止してから所定時間の間は、室内空間70の冷媒濃度は、希釈された状態となる。このため、空気調和システム1では、換気装置14の駆動が停止した後に、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を所定時間停止することが可能となる。そして、空気調和システム1では、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を所定時間停止することで、蓄電部52の消費電力量を効果的に削減できる。
【0046】
また、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13に対する蓄電部52の電力供給の開始から所定時間以上経過した場合には、冷媒漏洩検知センサ13を間欠的に駆動させるとさらに好ましい。これにより、空気調和システム1では、蓄電部52の消費電力量を効果的に削減できる。
【0047】
これに加えて、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13を間欠的に駆動させる場合には、間欠的な駆動の開始から所定の時間が経過するにつれて、冷媒漏洩検知センサ13の駆動時間に対する冷媒漏洩検知センサ13の停止時間の割合が長くなるよう制御する。
詳述すると、商用交流電源9による電力供給が停止してからの時間経過が長くなるにつれて、室内空間70に冷媒が漏洩する可能性が低くなる。このため、空気調和システム1では、商用電源が停止してからの時間が経過するに従い、上述したような時間の経過と共に冷媒漏洩検知センサ13の停止時間の割合が長くなるような制御を実施することで、蓄電部52の消費電力量を効果的に削減できる。
【0048】
さらに、外部電源制御部50は、この信号線45を介して、冷媒漏洩検知センサ13の検知状態を監視し、冷媒漏洩検知センサ13を利用して冷媒の漏洩を検知する。これに加えて、外部電源制御部50は、この信号線45を介して、冷媒漏洩検知センサ13が正常に冷媒の漏洩が検知できているか否かを判定する。
【0049】
外部電源制御部50は、信号線45によって換気装置14に接続される。信号線45は、外部電源制御部50が生成する制御信号を換気装置14に伝送する。この制御信号は、換気装置14に対して外部電源制御部50が駆動の開始、または停止を指示する信号である。換気装置14は、この制御信号を受信することで、駆動して室内空間70の換気を実施する、または室内空間70の換気を停止する。すなわち、外部電源制御部50は、この信号線45を介して、換気装置14の駆動の制御を実施する。
【0050】
外部電源制御部50には、信号線45によって警報装置16が接続される。信号線45は、外部電源制御部50が生成する制御信号を警報装置16に伝送する。この制御信号は、警報装置16に対して、冷媒漏洩検知センサ13や換気装置14の駆動が確認できない場合に、これらの修理が必要であることを管理センタに報知することを指示する信号である。警報装置16は、この制御信号を受信することで、これらの修理が必要であることを管理センタに報知する。
また、外部電源制御部50は、警報装置16に対して、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことを管理センタに報知することを指示する制御信号を、信号線45を介して警報装置16に伝送する。警報装置16は、この制御信号を受信することで、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことを管理センタに報知する。
【0051】
外部電源制御部50は、外部電源キット15の各部や、外部電源キット15に接続された各部の制御に関わる各種のデータを記憶する記憶部56を備えている。例えば、記憶部56は、床面積S(m)や漏洩高さH(m)、LFL(vol%)等を記憶しており、外部電源制御部50は、記憶部56からこれらの値を取得する。
なお、本実施の形態では、床面積S(m)や漏洩高さH(m)、LFL(vol%)等の各種の数値は、空気調和システム1の設置時に作業者によって記憶部56に入力される。
【0052】
[1-2.動作]
以上のように構成された空気調和システム1について、その動作を以下に説明する。
図3、及び図4は、商用交流電源9が停電状態の場合の空気調和システム1の動作を示すフローチャートである。
上述の通り、空気調和システム1において、室内機11と、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14と、外部電源キット15と、警報装置16とには、商用交流電源9からAC200Vの電力が商用交流電源9から供給される。
【0053】
しかしながら、例えば落雷などによって、停電が発生し、商用交流電源9から空気調和システム1に対する電力供給が停止する、所謂停電が発生する場合がある。
このように、商用交流電源9が停電状態の場合には、外部電源キット15に対するPCB22からの電力供給が停止したことを外部電源制御部50が検知する。そして、外部電源制御部50は、蓄電部52から換気装置14に対して、給電を開始させると共に、当該換気装置14を所定の換気量で換気するように駆動させる(ステップSA1)。
【0054】
このように、停電発生時に冷媒漏洩検知センサ13による冷媒の検知の有無に関わらず、速やかに換気装置14を駆動させることで、仮に、停電発生と共に冷媒が漏洩していた場合であっても、空気調和システム1は、冷媒漏洩に遅延なく確実に対応できる。このため、空気調和システム1では、室内空間70における漏洩した冷媒の濃度の上昇を抑制できる。
【0055】
この後、外部電源制御部50は、商用交流電源9が停電から復帰したか否かを判定する(ステップSA2)。具体的には、外部電源制御部50は、PCB22に接続された信号線44を介して所定の信号を取得することで、商用交流電源9が停電状態にあるか否かを判定する。
なお、ステップSA2において、外部電源制御部50は、換気装置14を一時停止させてもよい。
【0056】
商用交流電源9が停電から復帰したと外部電源制御部50が判定すると(ステップSA2:YES)、当該外部電源制御部50は、蓄電部52から換気装置14に対しての給電を停止させると共に、商用交流電源9による各部に対する給電を再開させる。
次いで、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能しているか否かを判定する(ステップSA3)。
具体的には、外部電源制御部50は、信号線45を介して冷媒漏洩検知センサ13と通信し、当該冷媒漏洩検知センサ13から正常な信号を受信できるか否かを判定する。
【0057】
冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能していると判定された場合(ステップSA3:YES)、すなわち、冷媒漏洩検知センサ13から正常な信号を受信できた場合、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させ、当該冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知したか否かを判定する(ステップSA4)。具体的には、外部電源制御部50は、信号線45を介して、冷媒漏洩検知センサ13の検知結果を取得し、当該冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したか否かを判定する。
【0058】
冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知した場合(ステップSA4:YES)、外部電源制御部50は、換気装置14の駆動を継続させると共に、警報装置16を駆動させる(ステップSA5)。この警報装置16によって、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことが管理センタに報知される。
そして、管理センタから指示された作業者によって冷媒漏洩箇所の修理が実施される(ステップSA6)。
【0059】
ステップSA4において、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知していない場合(ステップSA4:NO)、外部電源制御部50は、換気装置14を停止させる(ステップSA7)そして、外部電源制御部50は、空気調和システム1の各部を通常運転に復帰させる(ステップSA8)。
【0060】
ステップSA3において、冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能していないと判定された場合(ステップSA3:NO)、外部電源制御部50は、換気装置14の駆動を継続させると共に、警報装置16を駆動させる(ステップSA5)。この警報装置16によって、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことが管理センタに報知される。
そして、管理センタから指示された作業者によって冷媒漏洩箇所の修理が実施される(ステップSA6)。
【0061】
なお、ステップSA2において、商用交流電源9が停電から復帰したと外部電源制御部50が判定した場合(ステップSA2:YES)、空気調和システム1の各部の制御は、外部電源制御部50からPCB22に切り替えられてもよい。
【0062】
ステップSA2において、商用交流電源9が停電から復帰していないと外部電源制御部50が判定した場合(ステップSA2:NO)、当該外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能しているか否かを判定する(ステップSA9)。
【0063】
冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能していると判定された場合(ステップSA9:YES)、すなわち、冷媒漏洩検知センサ13から正常な信号を受信できた場合、外部電源制御部50は、換気装置14の運転を所定時間継続させる(ステップSA10)。
【0064】
ここで、ステップSA10において、換気装置14の運転を外部電源制御部50が継続させる所定時間である換気時間について説明する。
外部電源制御部50は、商用交流電源9が停電し、かつ冷媒漏洩検知センサ13が正常に、冷媒の漏洩が検知できていると判定した場合に、蓄電部52の残存電力量と、設定時間T1、T2とを用いて換気装置14が駆動する時間、すなわち換気時間(所定時間)を決定する。
【0065】
設定時間T1は、次式(1)を用いて算出される。
T1=Vr/M (1)
式(1)において、T1(s)は、換気時間であり、Vr(m)は、室内空間70における所定の容積であり、M(m/s)は、単位時間当たりの換気装置14の換気量である。
すなわち、T1は、換気装置14が室内空間70の容積である室内容積の空気を換気できる時間(室内容積の空気の換気にかかる時間)である。
本実施の形態では、Vr(m)は、床面積S(m)と漏洩高さH(m)との積によって決定される。なお、漏洩高さHは、室内空間70の床面から冷媒が漏洩すると想定される箇所までの高さである。
【0066】
設定時間T2は、室内空間70の到達濃度がLFL(Lower Flammability Limit:燃焼下限界)の半分の濃度(1/2LFL)となるまでの換気装置14による換気時間である。
なお、設定時間T2は、室内容積に対して1/2LFLとなるような時間で算出したが、本開示は、これに限られない。例えば、商用交流電源9の停電時に室内空間70に冷媒が漏洩していたと仮定した場合、室内空間70の冷媒濃度が所定濃度以下となる時間まで、換気すればよい。この室内空間70の冷媒濃度が所定濃度以下となる時間は、例えば、室内容積に対する1/4LFL未満となるまでの換気時間としてもよい。
また、換気装置14による換気時間の下限値は、上述したT2に限らず、例えば室内空間70等にR32安全装置の要否判定ツールを設け、当該要否判定ツールから取得してもよい。
【0067】
外部電源制御部50は、設定時間T1を換気装置14による換気時間の上限値、設定時間T2を換気装置14による換気時間の下限値とする。そして、外部電源制御部50は、蓄電部52の残存電力量に応じて、設定時間T1、T2の間で換気時間を決定し、当該換気時間で換気装置14を駆動させる。
なお、設定時間T1、T2については、冷媒の漏洩速度を勘案して算出してもよい。
【0068】
また、外部電源制御部50は、換気装置14に対する蓄電部52の電力供給の開始から所定時間以上経過した場合に、換気装置14を間欠的に駆動させる。すなわち、外部電源制御部50は、換気装置14に対する蓄電部52の電力供給の開始から所定時間以上経過した場合には、換気装置14に対する蓄電部52の電力供給を間欠的に実施する。
【0069】
これに加えて、外部電源制御部50は、換気装置14を間欠的に駆動させる場合には、時間が経過するにつれて、換気装置14をより長時間停止させる。すなわち、外部電源制御部50は、換気装置14の運転回数の増加に伴って、蓄電部52から換気装置14に対しての電力供給を停止する時間を長くする。
なお、外部電源制御部50は、換気装置14を間欠的に駆動させる場合には、時間が経過するにつれて、換気装置14の換気量を低下させてもよい。
【0070】
図4に示すように、外部電源制御部50は、上記の換気時間が経過すると、換気装置14を停止させる(ステップSA11)。さらに、外部電源制御部50は、換気装置14の停止から所定時間経過後に、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させる(ステップSA12)。
詳述すると、換気装置14の運転停止直後には、室内空間70の冷媒濃度が希釈されているため、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させる必要性が低い。そこで、空気調和システム1では、ステップSA12において、換気装置14の運転停止直後に冷媒漏洩検知センサ13に通電しないことで、冷媒漏洩検知センサ13に通電する電力量を抑制できる。
【0071】
また、換気装置14による換気から所定時間を空けて冷媒漏洩検知センサ13を駆動させることで、冷媒の漏洩が生じていた場合に、当該冷媒が所定量滞留した状態で冷媒漏洩検知センサ13による検知が実施される。このため、空気調和システム1では、当該冷媒漏洩検知センサ13による検知漏れを抑制すると共に、冷媒漏洩検知センサ13の駆動時間を短縮させ、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
【0072】
なお、本実施の形態において、換気装置14の停止から冷媒漏洩検知センサ13を駆動させるまでの間の所定時間は、冷媒の漏洩速度を10kg/hとし、当該漏洩速度とLFLから算出された時間である。
【0073】
図4に示すように、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させた後に、当該冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知したか否かを判定する(ステップSA13)。
冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知した場合(ステップSA13:YES)、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を停止させると共に、換気装置14と、警報装置16とを駆動させる(ステップSA14)。警報装置16によって、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことが管理センタに報知される。
【0074】
ステップSA14のように、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知した場合に、外部電源制御部50が換気装置14を駆動させることによって、空気調和システム1では、室内空間70に漏洩した冷媒を拡散させ、当該冷媒の濃度を効果的に希釈できる。
以下、ステップSA14のように、所定時間に亘って継続して換気装置14が駆動することを、換気装置14の第1換気運転という。
【0075】
また、ステップSA14では、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14とが同時に駆動することが抑制される。これによって、空気調和システム1では、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制可能となる。
【0076】
外部電源制御部50は、換気装置14の第1換気運転が実行されてから、所定時間が経過すると、換気装置14の駆動と停止を交互に繰り返す、所謂、間欠運転を当該換気装置14に実施させる(ステップSA15)。
これによって、空気調和システム11では、換気装置14を連続して駆動させるよりも、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
以下、換気装置14の第1換気運転が実行されてから所定時間が経過した後に実施される換気装置14の間欠運転を換気装置14の第2換気運転という。
【0077】
冷媒漏洩が生じた場合において、漏洩する冷媒量は、時間の経過と共に減少する。すなわち、空気調和システム1において、必要となる換気量は、時間の経過と共に、減少する。
このため、ステップSA15において、外部電源制御部50は、換気装置14を駆動させてからの時間の経過とともに、換気装置14の間欠運転において、停止時間を駆動時間よりも相対的に延長させる。換言すれば、外部電源制御部50は、換気装置14の第2換気運転を実行させてから所定時間が経過した後、換気装置14の間欠運転を継続しつつ、且つ第2換気運転よりも換気装置14が停止する時間を延長させる。
【0078】
これによって、空気調和システム1では、冷媒漏洩箇所の修理の実施までの間において、換気装置14が駆動する時間を短縮でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
以下、換気装置14の第2換気運転が実行されてから所定時間が経過した後、換気装置14の間欠運転を継続しつつ、且つ第2換気運転よりも換気装置14が停止する時間を延長させる換気装置14の駆動を換気装置14の第3換気運転という。
【0079】
なお、外部電源制御部50は、上述のような時間の経過と共に換気装置14の停止時間を延長させることに代えて、時間の経過と共に換気装置14が駆動する場合の換気量を低減させてもよい。この場合には、換気装置14が消費する電力量を抑制でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
以下、時間の経過と共に換気量を低下させる換気装置14の駆動を換気装置14の第4換気運転という。
【0080】
さらに、外部電源制御部50は、時間の経過と共に、換気装置14の停止時間を駆動時間よりも相対的に延長させることと、換気装置14の換気量を低減させることを共に換気装置14に実施させてもよい。換言すれば、外部電源制御部50は、換気装置14に、第3換気運転と第4換気運転とを同時に実行させてもよい。
【0081】
この後、管理センタから指示された作業者によって冷媒漏洩箇所の修理が実施される(ステップSA16)。作業者によって冷媒漏洩箇所の修理が完了すると、換気装置14は、例えば当該作業者によって停止される。
【0082】
ステップSA13において、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知していない場合であっても(ステップSA13:NO)、冷媒の漏洩速度が遅い、所謂スローリークが生じている虞がある。
そこで、本実施の形態では、冷媒がスローリークしていた場合に、当該スローリークによって室内空間70における冷媒の濃度がLFLの半分の濃度(1/2LFL)となるまでの時間が経過しても、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知していない場合(SA17:YES、SA18:NO)、冷媒漏洩検知センサ13を間欠的に駆動させる(ステップSA19)。これによって、空気調和システム11では、冷媒漏洩検知センサ13を連続して駆動させるよりも、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
【0083】
なお、本実施の形態では、1/2LFLとなるような時間が経過した場合に、冷媒漏洩検知センサ13を間欠的に駆動させるとしたが、本開示は、これに限らない。すなわち、室内空間70において、冷媒がスローリークしていた場合に、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知可能となるような時間が経過すればよい。
さらに、ステップSA19において、外部電源制御部50は、時間の経過と共に、冷媒漏洩検知センサ13の停止時間を延長させてもよい。これによって、空気調和システム11では、商用交流電源9の復帰までの間において、冷媒漏洩検知センサ13が駆動する時間を短縮でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
【0084】
冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知した場合(ステップSA18:YES)、外部電源制御部50は、上述したステップSA14からステップSA16を空気調和システム11の各部に実施させる。
【0085】
ステップSA9において、冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能していないと判定した場合(ステップSA9:NO)、外部電源制御部50は、ステップSA15と同一の駆動を換気装置14に実施させる。すなわち、換気装置14による第2換気運転が実行される。また、外部電源制御部50は、警報装置16を駆動させる(ステップSA21)。この警報装置16によって、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことが管理センタに報知される。
なお、これに限らず、ステップSA21では、ステップSA14と同様に、換気装置14の第1換気運転が実行されてもよい。
【0086】
これによって、空気調和システム1では、冷媒漏洩箇所の修理の実施までの間において、換気装置14が駆動する時間を短縮でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
そして、管理センタから指示された作業者によって冷媒漏洩箇所の修理が実施される(ステップSA22)。
【0087】
[1-3.効果等]
【0088】
以上のように、本実施の形態において、空気調和システム1では、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷凍サイクルに接続された室内熱交換器29が設けられ、室内空間70に設置される室内機11と、室内機11から漏洩した冷媒を検知する冷媒漏洩検知センサ13と、室内空間を換気する換気装置14と、外部電源キット15により充電される蓄電部52と、外部電源制御部50とを備える。これらの冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14とは、商用交流電源9により動作され、外部電源制御部50は、商用交流電源9の供給が停止したときに、蓄電部52に残存する電力量に応じて蓄電部52の電力により冷媒漏洩検知センサ13と換気装置14とを動作させる。
【0089】
これにより、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電状態の場合に、冷媒漏洩検知センサ13と換気装置14とを蓄電部52の残存電力量に応じて、駆動させる。
そのため、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電状態であっても、複数の冷媒漏洩の対策のための装置を所定時間駆動させることができる。
【0090】
本実施の形態のように、外部電源制御部50は、商用交流電源9の供給が停止した場合に、室内空間70の室内容積の空気が換気されるように、蓄電部52の電力により換気装置14を動作させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電状態の場合に、換気装置14を蓄電部52の電力量よって駆動させる。
そのため、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電状態であっても、換気装置14を駆動させて、室内空間70に漏洩した冷媒を拡散させ、当該冷媒の濃度を効果的に希釈できる。
【0091】
本実施の形態のように、外部電源制御部50は、蓄電部52の電力により冷媒漏洩検知センサ13と換気装置14とを動作させるときに、蓄電部52に残存する電力量と、換気装置14の換気量とに応じて、換気装置14を所定時間動作させるようにしてもよい。
【0092】
これにより、空気調和システム1では、室内機11が設けられた室内空間70における冷媒の濃度と換気装置14の換気量と、蓄電部52の残存電力量とに応じて、当該換気装置14の駆動時間が決定される。
そのため、空気調和システム1では、室内機11が設けられた室内空間70における漏洩した冷媒の濃度を十分に低減できる換気量で換気装置14を駆動させつつ、蓄電部52の電力量の低下を抑制できる。
【0093】
本実施の形態のように、外部電源制御部50は、停電時に室内空間70に冷媒が漏洩していたと仮定した場合、室内空間70の冷媒濃度が所定値以下となる時間以上に換気装置14を動作させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電状態で、且つ室内空間70に冷媒が漏洩した場合に、蓄電部52の電力によって、当該室内空間の冷媒濃度を低下可能な時間以上に亘って換気装置14を駆動させる。
そのため、空気調和システム1では、商用交流電源9が停電状態であっても、換気装置14を駆動させて、室内空間70に漏洩した冷媒を拡散させ、当該冷媒の濃度をより確実に希釈できる。
【0094】
本実施の形態のように、室内空間70の冷媒濃度が所定値以下となる時間は、換気装置14が室内容積の空気の換気に要する時間以下であってもよい。
これにより、空気調和システム1では、室内空間70に冷媒が漏洩した場合に、当該室内空間の容積である室内容積全体を換気するのに必要な時間以下の駆動時間で、換気装置14を駆動させる。
このため、空気調和システム1では、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制しつつ、換気装置14を駆動させて、室内空間70に漏洩した冷媒を拡散させ、室内空間70の冷媒濃度が所定値以下に希釈できる。
【0095】
本実施の形態のように、外部電源制御部50は、商用交流電源9の供給が停止した場合に、蓄電部52の電力により冷媒漏洩検知センサ13を動作させ、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知した場合、及び冷媒漏洩検知センサ13が正常に機能していないと判定された場合の少なくともいずれか一方の場合に、蓄電部52の電力により換気装置14を動作させる第1換気運転を実行させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、蓄電部52の電力によって冷媒漏洩検知センサ13と換気装置14とが駆動される場合に、冷媒漏洩検知センサ13の検知結果、または検知状態に応じて、換気装置14を駆動させる。このため、空気調和システム1では、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制しつつ、換気装置14を駆動させて、室内空間70に漏洩した冷媒をより確実に拡散させることができる。
【0096】
本実施形態のように、外部電源制御部50は、第1換気運転を開始してから所定時間が経過した後、換気装置14の駆動と停止を交互に繰り返す第2換気運転を実行させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、所定時間あたりにおける換気装置14が駆動する時間を短縮でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
そのため、空気調和システム1では、長期間に亘って、換気装置14を駆動させることができる。
【0097】
本実施形態のように、外部電源制御部50は、第2換気運転を実行してから所定時間が経過した後、換気装置14の駆動と停止を交互に繰り返し、かつ、第2換気運転よりも換気装置14の停止時間を長くする第3換気運転を実行させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、所定時間あたりにおける換気装置14が駆動する時間をより短縮でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
そのため、空気調和システム1では、より長期間に亘って、換気装置14を駆動させることができる。
【0098】
本実施形態のように、外部電源制御部50は、第1換気運転を開始してから所定時間が経過した後、換気装置14の換気量を低下させる第4換気運転を実行させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、所定時間あたりにおける換気装置14の駆動量を抑制でき、蓄電部52に蓄電された電力の消費量を抑制できる。
そのため、空気調和システム1では、より長期間に亘って、換気装置14を駆動させることができる。
【0099】
本実施形態のように、外部電源制御部50は、蓄電部52の電力により冷媒漏洩検知センサ13と換気装置14とを動作させる場合に、冷媒漏洩検知センサ13に電力を供給することを停止した状態で、換気装置14を動作させてもよい。
これにより、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14とが同時に駆動することが抑制される。
そのため、空気調和システム1では、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
【0100】
本実施形態のように、外部電源制御部50は、蓄電部52の電力により冷媒漏洩検知センサ13と換気装置14とを動作させる場合に、換気装置14が停止してから所定時間の経過後に冷媒漏洩検知センサ13を動作させてもよい。
これにより、冷媒の漏洩が生じていた場合に、当該冷媒が所定量滞留した状態で冷媒漏洩検知センサ13による検知が実施される。そのため、空気調和システム1では、当該冷媒漏洩検知センサ13による検知漏れを抑制すると共に、冷媒漏洩検知センサ13の駆動時間を短縮させ、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
【0101】
本実施形態のように、外部電源制御部50は、商用交流電源9の供給が停止している場合に、換気装置14の停止、及び冷媒漏洩検知センサ13の動作の開始のいずれか一方の後に、冷媒が所定濃度に達するまでの時間が経過すると、冷媒漏洩検知センサ13を間欠的に動作させてもよい。
これにより、空気調和システム1では、所定時間あたりにおける冷媒漏洩検知センサ13が駆動する時間を短縮でき、蓄電部52に蓄電された電力量の低下を抑制できる。
そのため、空気調和システム1では、より長期間に亘って、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させることができる。
【0102】
(実施の形態2)
以下、図5を用いて、実施の形態2を説明する。
図5は、本実施の形態2に係る空気調和システム1の構成を示すブロック図である。
図5において、図1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
[2-1.構成]
実施の形態2に係る空気調和システム100は、少なくとも、熱源感知センサ80が設けられている点で、実施の形態1に係る空気調和システム1と異なる。この熱源感知センサ80は、空気調和システム100の室内機11が設けられた室内空間70において、漏洩した冷媒が影響を及ぼし得る人やものがあるか否かを検知する装置の一例である。
[2-1-2.熱源感知センサの構成]
【0103】
本実施の形態では、熱源感知センサ80は、室内空間70に設けられている。この熱源感知センサ80は、室内機11に一体に設けられていてもよい。
熱源感知センサ80は、例えば赤外線検知器やサーミスタのような、室内空間で所定以上の温度を発する熱源を感知する熱センサである。本実施形態の熱源感知センサ80は、空気調和システム1に用いられる冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源を感知する。このような熱源は、例えばライターの火や、電気ヒータ等である。
なお、空気調和システム100では、熱センサに限らず、カメラ等によって熱源を検知してもよい。
【0104】
この熱源感知センサ80は、室内機制御部20、及び外部電源制御部50のそれぞれと通信可能に構成されている。室内機制御部20、及び外部電源制御部50は、いずれも熱源感知センサ80の検知結果を取得可能である。
【0105】
[2-2.動作]
以上のように構成された空気調和システム100について、その動作を以下に説明する。
図6は、商用交流電源9が停電状態の場合の空気調和システム100の動作を示すフローチャートである。
上述の通り、空気調和システム100において、商用交流電源9が停電状態の場合には、外部電源キット15に対するPCB22からの電力供給が停止したことを外部電源制御部50が検知する。そして、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させ、当該冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知したか否かを判定する(ステップSB1)。
【0106】
冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知したと判定した場合(ステップSB1:YES)、外部電源制御部50は、換気装置14を駆動させると共に、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を停止させ、警報装置16を駆動させる(ステップSB2)。この警報装置16によって、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒を検知したことが管理センタに報知される。
また、冷媒漏洩検知センサ13と、換気装置14とが同時に駆動することが抑制されることで、蓄電部52に蓄電された電力量の低下が抑制される。
【0107】
そして、管理センタから指示された作業者によって冷媒漏洩箇所の修理が実施される(ステップSB3)。
【0108】
ステップSB1において、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知していないと判定した場合(ステップSB1:NO)、外部電源制御部50は、熱源感知センサ80を駆動させ、当該熱源感知センサ80の検知結果から、冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在するか否かを検知させる(ステップSB4)。
外部電源制御部50は、当該熱源が存在すると判定した場合(ステップSB4:YES)、換気装置14を駆動させると共に、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を停止させる(ステップSB5)。
【0109】
そして、外部電源制御部50は、所定時間の間、換気装置14を運転させた後に、停止させる(ステップSB6)。ここで、この所定時間は、実施の形態1で説明した上限値である設定時間T1と、下限値である設定時間T2の間で、蓄電部52の残存電力量に応じて、外部電源制御部50が決定する換気時間である。
【0110】
外部電源制御部50は、換気装置14の停止後に、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させ、当該冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知したか否かを判定する(ステップSB7)。
冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知した場合(ステップSB7:YES)、外部電源制御部50は、空気調和システム100の各部に、ステップSB2、ステップSB3を実施させる。
【0111】
ステップSB7において、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知していないと判定した場合(ステップSB7:NO)、外部電源制御部50は、冷媒漏洩検知センサ13の駆動を停止させる(ステップSB8)。そして、商用交流電源9が停電状態から復帰したか否かを判定する(ステップSB9)。商用交流電源9が停電状態から復帰したと判定した場合、外部電源制御部50は、空気調和システム100を通常運転に復帰させる(ステップSB10)。
【0112】
ステップSB4において、室内空間70に熱源が存在すると判定した場合(ステップSB11:NO)、外部電源制御部50は、引き続き換気装置14を停止させると共に、冷媒漏洩検知センサ13を駆動させる(ステップSB11)。そして、冷媒漏洩検知センサ13が冷媒の漏洩を検知したか否かを判定するステップSB7を実施する。
【0113】
なお、本実施の形態2では、熱源感知センサ80を用いて、室内空間70の熱源の有無によって、空気調和システム100を制御した。しかしながらこれに限らず、例えばカメラや対物、対人センサ等を用いて、室内空間70における人の有無や多寡を検知し、当該検知結果によって空気調和システム100を制御してもよい。さらに、これらの判定のときに、室内空間70における所定の体積Vrや室内空間70全体の容積等を反映させてもよい。
【0114】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1及び2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1及び2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0115】
上述した実施の形態において、空気調和システム1、100が備える室外機3及び室内機11の数は制限されない。例えば、空気調和システム1は、1台の室外機3と1台の室内機11とを接続した構成であってもよい。
【0116】
上述した実施の形態において、図1、5の構成では、商用電源が供給される装置には、共通の商用交流電源9から電力が供給される構成であるとしたが、これに限らず、一部または全部の装置に対して、独立して商用交流電源9が設けられてもよい。すなわち、空気調和システム1、100には、複数の商用交流電源9が接続されてもよい。
【0117】
冷媒漏洩検知センサ13は、室内機11の筐体内部に配置されていてもよい。この場合、上述したステップSA12で換気装置14の停止直後に冷媒漏洩検知センサ13を駆動させてもよい。また、この場合、ステップSA17を省略してもよい。
【0118】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示は、複数の冷媒漏洩の対策のための装置を有する空気調和システムに適用可能である。具体的には、停電下であっても複数の冷媒漏洩の対策のための装置を駆動させる空気調和システムなどに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0120】
1、100 空気調和装置
9 商用交流電源(商用電源)
11 室内機
13 冷媒漏洩検知センサ(検知センサ)
14 換気装置
15 外部電源キット
29 室内熱交換器(熱交換器)
48 熱源感知センサ
50 外部電源制御部
52 蓄電部
70 室内空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6