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特許7576775櫛状外刃、刃ユニット、および電気かみそり
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】櫛状外刃、刃ユニット、および電気かみそり
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/04 20060101AFI20241025BHJP
   B26B 19/06 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
B26B19/04 L
B26B19/06 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021058802
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155354
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大倉 翔貴
(72)【発明者】
【氏名】大森 雅斗
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏明
(72)【発明者】
【氏名】小森 俊介
(72)【発明者】
【氏名】池本 敦貴
(72)【発明者】
【氏名】曽根 大助
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-247146(JP,A)
【文献】特開平11-267377(JP,A)
【文献】米国特許第02416094(US,A)
【文献】特表平08-508434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気かみそりに取り付けられる櫛状外刃であって、
第一方向に延在する棒状の基礎部と、
前記第一方向、および前記第一方向に交差する第二方向に広がる板状の取付部と、
前記基礎部から前記第一方向、および前記第二方向に交差する第三方向に突出する片持ち棒状の開放刃部と、
前記第一方向において前記開放刃部と並んで配置され、前記基礎部と前記取付部とを接続する屈曲刃部と、を備え、
前記屈曲刃部は、
前記基礎部から前記第三方向に沿って突出する突出部と、
前記突出部の先端に接続され鋭角で前記第二方向に沿って前記取付部に向かって屈曲する屈曲部と、
前記第二方向において前記屈曲部から遠ざかるに従い前記第三方向において前記基礎部に近づくように傾いて前記屈曲部と前記取付部とを連結する連結部と、を備え
前記第三方向において、前記屈曲部の端面は、前記基礎部に対し前記開放刃部の先端面よりも遠い位置に配置される
櫛状外刃。
【請求項2】
前記開放刃部は、
前記第一方向、および前記第三方向に広がる開放上面部と、
前記第三方向における前記開放上面部の先端から延び、前記基礎部から遠ざかるに従い前記取付部に近づく開放傾斜面部を備える
請求項1に記載の櫛状外刃。
【請求項3】
前記屈曲刃部は、
隣り合う前記開放刃部の前記開放傾斜面部とほぼ同一面内に配置される屈曲傾斜面を備える
請求項に記載の櫛状外刃。
【請求項4】
前記開放刃部は、
前記第一方向、および前記第三方向に広がる開放上面部を備え、
前記開放上面部と開放側面部との隅部は面取りがなされている
請求項1からのいずれか一項に記載の櫛状外刃。
【請求項5】
前記屈曲刃部において
前記第一方向、および前記第三方向に広がる前記屈曲刃部の上面部と、前記第二方向、および前記第三方向に広がる前記屈曲刃部の側面部との隅部は面取りがなされている
請求項1からのいずれか一項に記載の櫛状外刃。
【請求項6】
前記開放刃部と前記屈曲刃部とは交互に並んで配置される
請求項1からのいずれか一項に記載の櫛状外刃。
【請求項7】
前記基礎部は、
前記第一方向、および前記第二方向に広がる面内において、中央部が両端部より突出するように湾曲し、
複数の前記開放刃部、および複数の前記屈曲刃部は前記基礎部の湾曲に沿って配置される
請求項1からのいずれか一項に記載の櫛状外刃。
【請求項8】
電気かみそりに着脱可能に取り付けられる電気かみそり用の刃ユニットであって、
請求項1からのいずれか一項に記載の櫛状外刃と、
前記櫛状外刃の内側に配置されるスリット内刃と、
前記スリット内刃を前記櫛状外刃に対して往復動可能に保持する櫛刃保持部材と、
を備える刃ユニット。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の櫛状外刃を備える
電気かみそり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人などの動物の体毛を剃毛するための櫛状外刃、刃ユニット、および電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気かみそりに用いられる外刃として刃が櫛のように突出する櫛状外刃がある(例えば特許文献1参照)。このような櫛状外刃は、肌表面に沿った(いわゆる寝た)体毛を櫛状外刃の刃の間に容易に導入することができる。このため、電気かみそりに取り付けられる複数種類の外刃の内、櫛状外刃は比較的長い体毛、寝た体毛の剃毛を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-247146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが櫛状外刃は、体毛をすくい上げる効果は高い反面、肌に与えるダメージは強くなる傾向にある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、体毛をすくい上げる高い効果を維持しつつ、肌に与えるダメージを抑制する櫛状外刃、櫛状外刃を備えた刃ユニット、および櫛状外刃を備えた電気かみそりの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つである櫛状外刃は、電気かみそりに取り付けられる櫛状外刃であって、第一方向に延在する棒状の基礎部と、前記第一方向、および前記第一方向に交差する第二方向に広がる板状の櫛刃取付部と、前記基礎部から前記第一方向、および前記第二方向に交差する第三方向に突出する片持ち棒状の開放刃部と、前記第一方向において前記開放刃部と並んで配置され、前記基礎部と前記櫛刃取付部とを接続する屈曲刃部と、を備え、前記屈曲刃部は、前記基礎部から前記第三方向に沿って突出する突出部と、前記突出部の先端に接続され鋭角に屈曲する屈曲部と、前記第二方向において前記屈曲部から遠ざかるに従い前記第三方向において前記基礎部に近づくように傾いて前記屈曲部と前記櫛刃取付部とを連結する連結部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の1つである刃ユニットは、電気かみそりに着脱可能に取り付けられる電気かみそり用の刃ユニットであって、第一方向に延在する棒状の基礎部と、前記第一方向、および前記第一方向に交差する第二方向に広がる板状の櫛刃取付部と、前記基礎部から前記第一方向、および前記第二方向に交差する第三方向に突出する片持ち棒状の開放刃部と、前記第一方向において前記開放刃部と並んで配置され、前記基礎部と前記櫛刃取付部とを接続する屈曲刃部と、を備え、前記屈曲刃部は、前記基礎部から前記第三方向に沿って突出する突出部と、前記突出部の先端に接続される屈曲部と、前記第二方向において前記屈曲部から遠ざかるに従い前記第三方向において前記基礎部に近づくように傾いて前記屈曲部と前記櫛刃取付部とを連結する連結部と、を備える櫛状外刃と、前記櫛状外刃の内側に配置されるスリット内刃と、前記スリット内刃を前記櫛状外刃に対して往復動可能に保持する櫛刃保持部材と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の他の1つである電気かみそりは、第一方向に延在する棒状の基礎部と、前記第一方向、および前記第一方向に交差する第二方向に広がる板状の櫛刃取付部と、前記基礎部から前記第一方向、および前記第二方向に交差する第三方向に突出する片持ち棒状の開放刃部と、前記第一方向において前記開放刃部と並んで配置され、前記基礎部と前記櫛刃取付部とを接続する屈曲刃部と、を備え、前記屈曲刃部は、前記基礎部から前記第三方向に沿って突出する突出部と、前記突出部の先端に接続される屈曲部と、前記第二方向において前記屈曲部から遠ざかるに従い前記第三方向において前記基礎部に近づくように傾いて前記屈曲部と前記櫛刃取付部とを連結する連結部と、を備える櫛状外刃を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、櫛状外刃を保持するために先端が曲げられた刃の形状により、高い体毛のすくい上げ効果と、肌に対するダメージの抑制とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態にかかる電気かみそりを示す斜視図である。
図2】本実施の形態にかかる刃ユニットを示す斜視図である。
図3】本実施の形態にかかる櫛状外刃を示す斜視図である。
図4】本実施の形態にかかる櫛状外刃の側面図である。
図5】本実施の形態にかかる開放刃部、および屈曲刃部近傍を示す斜視図である。
図6】本実施の形態にかかる開放刃部、および屈曲刃部近傍を示す平面図である。
図7】第一方向に屈曲刃部と開放刃部とを並べ第一方向から見た状態を示す図である。
図8】本実施の形態にかかる櫛状外刃を有する櫛刃ユニットを分解して示す斜視図である。
図9】本実施の形態にかかる組み立てられた状態の櫛刃ユニットを示す斜視図である。
図10】本実施の形態にかかる網状外刃を有する網刃ユニットを分解して示す斜視図である。
図11】本実施の形態にかかる組み立てられた状態の網刃ユニットを示す斜視図である。
図12】本実施の形態にかかる刃ユニットを分解して示す斜視図である。
図13】本実施の形態にかかる係合機構の動作状態を示す図である。
図14】本実施の形態にかかる櫛刃保持部材、網刃保持部材を透過状態で刃ユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る櫛状外刃、刃ユニット、および電気かみそりの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0012】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。
【0013】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0014】
図1は、電気かみそりを示す斜視図である。なお、電気かみそり300は、エッジがアール面取りされ、滑り止め用の凹凸などが設けられる部分が存在するが、これらの図示は省略している。
【0015】
電気かみそり300は、電動の刃を用いて髭などの体毛を切断して除去する装置であり、把持部310と、ヘッド部320と、を備えている。
【0016】
把持部310は、電気かみそり300を使用する際に使用者が把持する部分である。本実施の形態の場合、把持部310は、剃毛用の刃の駆動などを制御する制御装置、バッテリーなどを収容する筐体としても機能している。把持部310の外面には、電源をオン・オフするための電源スイッチ311などが設けられている。
【0017】
ヘッド部320は、体毛を切断するための刃を備えた刃ユニット200が着脱可能に取り付けられ、把持部310の一端に連結される部材である。本実施の形態の場合、ヘッド部320は、把持部310に対し相対的に動作可能に連結されている。本実施の形態においては、Y軸方向は外刃、滑り部材が延在する方向であり、X軸方向は外刃、滑り部材が平行に並べられている方向、Z軸方向は外刃が外力を受けたときにユニット台230に対して移動可能な方向である。
【0018】
図2は、刃ユニットを示す斜視図である。刃ユニット200は、電気かみそり300の使用によって刃などが劣化した場合などにヘッド部320に対して交換するためのユニットであり、櫛状外刃100と、網状外刃210と、滑り部材220と、ユニット台230と、を備えている。なお、櫛状外刃100、および網状外刃210を総称して外刃と記載する場合がある。
【0019】
本実施の形態の場合、刃ユニット200は、外刃が延在する方向である第一方向(図中Y軸方向)、および外刃がユニット台230に対して移動する方向である第二方向(図中Z軸方向)、複数の外刃が平行に並んで配置される方向、すなわち第一方向および第二方向に交差する第三方向(図中X軸方向)において、櫛状外刃100の両側に網状外刃210が配置される刃の組である第一組101、および第二組102を備えている。第一組101は、それぞれ異なる機能を有した三つの外刃で構成されており、第三方向に沿って、短毛の剃毛に適した第1の網状外刃、長毛の剃毛に適した櫛状外刃、短毛の剃毛に加えクセ髭の剃毛にも適した第2の網状外刃がこの順に並んでいる。また第二組102も第一組101と同じ構成の外刃を3つ具備している。この第一組101及び第二組102が第一方向および第二方向を含む面に対して対象になるように、ユニット台230に取り付けられ、6枚の外刃を構成している。このような配置により、剃毛時の電気かみそり300の移動方向(図中X軸方向)のいずれにおいても網状外刃210の次に櫛状外刃100が配置され、鼻の下など狭い領域の体毛を剃毛する場合でも櫛状外刃100が肌に当接して比較的長い体毛をすくい上げて切断することが可能となる。
【0020】
図3は、櫛状外刃を示す斜視図である。図4は、櫛状外刃の側面図である。櫛状外刃100は、電気かみそり300に取り付けられる外刃であって、基礎部110と、取付部120と、開放刃部130と、屈曲刃部140と、を備えている。本実施の形態の場合、櫛状外刃100は、板金をプレスにより打抜き加工、曲げ加工を実行することにより基礎部110、取付部120、開放刃部130、および屈曲刃部140が一体に形成されている。なお、櫛状外刃100の加工方法は、焼結、射出成型やエッチング加工、電鋳加工でもよく、また、2つの部材を溶接加工することにより作製したものでもよい。
【0021】
基礎部110は、第一方向(図中Y軸方向)に延在する棒状の部分である、基礎部110の両端部には、屈曲刃部140と屈曲形状が同じで屈曲刃部140よりも第一方向において長い長端部111が設けられている。本実施の形態の場合、基礎部110は、第一方向、および第一方向に直交する第二方向に広がる面内(図中YZ面内)において、中央部が両端部より前方(図中Z+側)に突出するように円弧状に湾曲している。これに伴い、複数の開放刃部130、および複数の屈曲刃部140は基礎部110の湾曲に沿って配置される。櫛状外刃100が凸状に湾曲することにより、人の顎の下などの窪んだ部分にも櫛状外刃100をフィットさせることができ、剃毛効率を向上させる事が可能となる。
【0022】
取付部120は、第一方向、および第一方向に直交する第二方向に広がる板状の部分であり、本実施の形態の場合、取付部120は、櫛刃保持部材180(後述)の外刃突起部183と係合する外刃係合爪121を備えている。
【0023】
図5は、開放刃部、および屈曲刃部近傍を示す斜視図である。図6は、開放刃部、および屈曲刃部近傍を示す平面図である。開放刃部130は、基礎部110から第一方向、および第二方向に直交する第三方向(図中X軸方向)に突出する片持ち棒状の部分であり、いわゆる寝ている体毛などを開放状態の先端ですくい上げて隣り合う刃部との間に案内し、相対的に往復動する第一内刃170(詳細は後述)との間で体毛を切断する。
【0024】
本実施の形態の場合、開放刃部130は、第一方向、および第三方向(図中XY平面)に広がり、基礎部110と面一の開放上面部131を備え、全体として矩形の棒状となっている。
【0025】
第三方向における開放上面部131の先端は、基礎部110から遠ざかるに従い取付部120に近づく開放傾斜面部132を備えている。開放傾斜面部132により開放刃部130の先端の厚み(図中Z軸方向の長さ)が薄くなり、肌面ぎりぎりに沿って延在する体毛でも効果的にすくい上げることができるものとなっている。
【0026】
開放刃部130の開放上面部131と開放側面部133との隅部はR面取り等で緩やかにつながっている。また、開放側面部133と開放傾斜面部132との間、開放傾斜面部132と先端面との間もR面取り等で緩やかにつながっている。これにより、櫛状外刃100が肌面と擦れる際の肌へのダメージの低減を図っている。
【0027】
屈曲刃部140は、第一方向において開放刃部130と並んで配置され、基礎部110と取付部120とに接続される部分である。本実施の形態の場合、屈曲刃部140と開放刃部130とは、平行に交互に並んで配置されている。屈曲刃部140と開放刃部130とを交互に配置した場合でも、屈曲刃部140の間に複数本の開放刃部130を配置した場合と同程度の体毛のすくい上げ効果を得ることができるという知見を発明者は実験により得ている。またこれにより櫛状外刃100の構造的強度を高く維持することができる。
【0028】
屈曲刃部140は、基礎部110から第三方向に沿って突出する突出部141と、突出部141の先端から取付部120に向かって屈曲(湾曲)する屈曲部142と、第二方向において屈曲部142から遠ざかるに従い第三方向において基礎部110に近づくように傾いて屈曲部142と取付部120とを連結する連結部143と、を備えている。このような形状の屈曲刃部140とすることで、突出部141と連結部143とのなす角が鋭角となっているため、先端に配置される屈曲部142によって肌に対するダメージを軽減しつつ寝ている体毛を効果的にすくい上げ、隣り合う刃部との間に体毛を導くことが可能となる。
【0029】
本実施の形態の場合、図6の破線で示すように、複数の屈曲部142の端面は、第三方向において、基礎部110に対しそれぞれ同じ距離に位置し、基礎部110に対し開放刃部130の先端面よりも遠い位置に配置されている。これにより、屈曲刃部140の先端が開放刃部130の先端よりも先に肌に当接するため、櫛状外刃100全体として肌へのダメージを軽減しつつ高い体毛のすくい上げ効果を発揮することができる。
【0030】
また、屈曲刃部140は、隣り合う開放刃部130の開放傾斜面部とほぼ同一面内に配置される屈曲傾斜面144を備え、屈曲部142の第二方向の厚みを薄くして体毛のすくい上げ効果の向上を図っている。屈曲刃部140は、開放刃部130と同様に、屈曲上面部145と屈曲側面部146との隅部はR面取り等で緩やかにつながっており、肌へのダメージの軽減を図っている。屈曲刃部140の突出部141の先端は、基端よりも幅が狭くなっている(第一方向の長さが短くなっている)。これにより、すくい上げた体毛を隣り合う刃部との間に導く効果を高めることができる。
【0031】
また、図7に示すように、第一方向に屈曲刃部140と開放刃部130とを並べると、開放刃部130のいずれの部分も屈曲刃部140から突出しないように屈曲刃部140が屈曲している。これにより、櫛状外刃100の肌へのダメージを抑制している。
【0032】
図8は、櫛状外刃を有する櫛刃ユニットを分解して示す斜視図である。図9は、組み立てられた状態の櫛刃ユニットを示す斜視図である。これらの図に示すように、櫛刃ユニット103は、櫛状外刃100と、第一内刃170と、櫛刃保持部材180と、第一付勢部材182、第一継手部材171を備えている。
【0033】
第一内刃170は、櫛状外刃100の内側(肌接触面の反対側)に配置され、櫛状外刃100に対し擦れながら第一方向に往復動することにより、櫛状外刃100の隣り合う刃部(開放側面部133と屈曲側面部146)との間に挿入された体毛を切断する。本実施の形態の場合、第一内刃170は、第一方向にスリットが並んだ形状となっている。第一内刃170は、樹脂製の第一継手部材171に固定的に取り付けられている。第一内刃170は、第一継手部材171の中央に設けられた窪みにヘッド部320から延びる駆動連結部(図示せず)が挿入され、往復の駆動力が付与される。第一継手部材171は、樹脂に規定されない。駆動連結部は、金属ピン・成形品、丸形・角型等駆動伝達の機能が果たせれば規定されない。
【0034】
櫛刃保持部材180は、櫛状外刃100の第一方向の両端部にそれぞれ固定的に取り付けられる樹脂製の部材である。櫛刃保持部材180は、第二方向にて第一内刃170と対向する第一対向部181を一体に備えている。第一対向部181には、第一継手部材171と連結する第一付勢部材182が取り付けられている。第一付勢部材182は、コイルバネなどであり、第一対向部181に基づき第一継手部材171を介して第一内刃170を櫛状外刃100の裏面に押しつけながら第一内刃170の往復動を許容している。
【0035】
櫛状外刃100と櫛刃保持部材180の接合方法は、特に限定されるものではない。本実施の形態の場合、櫛刃保持部材180の外刃突起部183と取付部120の外刃係合爪121とが係合することにより、櫛状外刃100と櫛刃保持部材180とが仮固定される。そして、外刃突起部183の先端を溶融することにより押し広げて第一溶融拡大部174を形成して櫛状外刃100と櫛刃保持部材180とが固定される。また櫛刃保持部材180は、その材料が樹脂に限られたものではなく、さらに、櫛状外刃100との固定方法についても、カシメ、フック係合、溶接のうちの一つまたはこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0036】
第一内刃170と第一継手部材171の接合方法は、特に限定されるものではない。本実施の形態の場合、第一内刃170と第一継手部材171の接合方法は、櫛状外刃100と櫛刃保持部材180の接合方法と同様である。金属製の第一内刃170は、内刃係合爪172を備え、第一継手部材171に設けられた円筒状の内刃係合突起173にフック係合することにより仮固定される。そして、内刃係合突起173の先端を溶融することにより押し広げて第二溶融拡大部175を形成して第一内刃と第一継手部材171とが固定される。なお、図9において第一溶融拡大部174、第二溶融拡大部175を単純化して記載しているが、第一溶融拡大部174、第二溶融拡大部175は樹脂を溶融して広げ固めた部分であり、実際には複雑な形状をしている。
【0037】
図10は、網状外刃を有する網刃ユニットを分解して示す斜視図である。図11は、組み立てられた状態の網刃ユニットを示す斜視図である。これらの図に示すように、網刃ユニット104は、網状外刃210と、第二内刃211と、網刃固定部材212と、網刃保持部材213と、第二付勢部材216、第二継手部材214を備えている。
【0038】
網状外刃210は、電気かみそり300に取り付けられる電気かみそり用の外刃であって、櫛状外刃100に沿って第一方向に延在しており、第二方向および第三方向に広がる面内(図中XZ面内)において湾曲している。本実施の形態の場合、網状外刃210は、櫛状外刃100の基礎部110と同様、第一方向および第二方向に広がる面内(図中YZ面内)において、中央部が両端部より前方(図中Z+側)に突出するように円弧状に湾曲している。および網状外刃210が図中YZ面内で図中Z+側に凸状に湾曲することにより、人の顎の下などの窪んだ部分にも櫛状外刃100をフィットさせることができ、剃毛効率を向上させる事が可能となる効果は櫛状外刃100と同様であり、櫛状外刃100と網状外刃210とが共に図中YZ面内で図中Z+側に湾曲することで、より効果を高めることができる。
【0039】
網状外刃210は、半円筒形状で網目状に複数の貫通孔を有する外刃であり、比較的短い体毛の切断に用いられる。本実施の形態の場合、網状外刃210は、櫛状外刃100を構成する板金より薄い板金にプレスにより多数の貫通孔を加工して形成されたものであり、湾曲させた状態を維持するように樹脂製の網刃固定部材212に固定されている。なお、網状外刃210の加工方法は、焼結、射出成型やエッチング加工、電鋳加工でもよく、また、網状外刃210と網刃固定部材212の固定方法は、2つの部材による溶接加工といった加工方法でもよく、その他の加工方法や固定方法でもよい。
【0040】
第二内刃211は、網状外刃210の内側に配置され、網状外刃210に対し擦れながら往復動することにより、網状外刃210の貫通孔に挿入された比較的短い体毛を切断する。本実施の形態の場合、第二内刃211は、第二方向および第三方向に広がる面において湾曲するアーチ状の刃がスリットを挟んで第一方向に並んだ形状を有する。第二内刃211は、樹脂製の第二継手部材214に固定的に取り付けられている。第二内刃211は、第二継手部材214の中央に設けられた窪みにヘッド部320から延びる駆動連結部(図示せず)が挿入され、往復の駆動力が付与される。なお、駆動連結部は、材料として金属ピン、成形品、形状として丸形、角型等でもよく、駆動伝達の機能が果たせれば特に限定されない。
【0041】
網刃保持部材213は、網状外刃210の両端部にそれぞれ固定的に取り付けられる樹脂製の部材である。網刃保持部材213は、第二方向に第二内刃211と対向する第二対向部215を一体に備えている。第二対向部215には、第二継手部材214と連結する第二付勢部材216が取り付けられている。第二付勢部材216は、コイルバネなどであり、第二対向部215に基づき第二継手部材214を介して第二内刃211を網状外刃210の裏面(肌接触面の反対側)に押しつけながら第二内刃211の往復動を許容している。また網刃保持部材213は、樹脂に限られたものではない。
【0042】
図12は、刃ユニットを分解して示す斜視図である。ユニット台230は、櫛状外刃100、および網状外刃210を第二方向(図中Z軸方向)および第一方向と第二方向が作成する平面内(斜め)にそれぞれ移動可能に保持する部材である。本実施の形態の場合、ユニット台230は、櫛刃ユニット103の櫛刃保持部材180を介して櫛状外刃100を第二方向に案内する第一案内部233を備えている。
【0043】
ユニット台230は、網刃ユニット104の網刃保持部材213を介して網状外刃210を第二方向に案内する第二案内部234を備えている。第一規制部235および第二規制部236は、ユニット台230の第二方向外向き側の表面部分に設けられた固定側突起部を有している。固定側突起部は、第一案内部233および第二案内部234として設けられた溝の一部を被覆するように、第三方向に突出した形状に形成されている。また、櫛刃ユニット103の櫛刃保持部材180と、網刃ユニット104の網刃保持部材213には、その第二方向端部において、第三方向に突出した刃ユニット側突起部が設けられており、この刃ユニット側突起部は、第二方向において固定側突起部と対向している。このような構成の第一規制部235および第二規制部236により、櫛刃ユニット103、網刃ユニット104が、それぞれ櫛刃付勢部材231、網刃付勢部材232により第二方向外向きに付勢され移動した際に、刃ユニット側突起部が固定側突起部の位置に到達すると、刃ユニット側突起部が固定側突起部に当接することで、櫛刃ユニット103、網刃ユニット104がそれ以上第二方向外向きに突出しないよう規制される。そしてこの第一規制部235と第二規制部236は、第一規制部235により規制された櫛刃ユニット103の櫛状外刃100が、図13の(a)に示すように、第二規制部236により規制された網刃ユニット104の網状外刃210よりも突出しないように第一規制部235、および第二規制部236が配置されている。
【0044】
また、第一案内部233は、櫛刃ユニット103のユニット台230に対する突出量を規制する第一規制部235を備え、第二案内部234は、網刃ユニット104のユニット台230に対する突出量を規制する第二規制部236を備えている。第一規制部235により規制された櫛刃ユニット103の櫛状外刃100は、図13の(a)に示すように、第二規制部236により規制された網刃ユニット104の網状外刃210よりも突出しないように第一規制部235、および第二規制部236が配置されている。
【0045】
櫛刃付勢部材231は、ユニット台230に対し櫛状外刃100を第二方向の外向き(図中Z+向き)に付勢する部材である。本実施の形態の場合、櫛刃付勢部材231は、コイルバネなどであり、ユニット台230と櫛刃ユニット103の櫛刃保持部材180との間であって、第一方向における櫛刃ユニット103の両端部に配置されている。第二方向において櫛状外刃100が押圧されていない状態において、櫛刃付勢部材231の付勢力は、ユニット台230に設けられた第一規制部235に櫛刃ユニット103の移動が規制された状態を維持している。
【0046】
網刃付勢部材232は、ユニット台230に対し網状外刃210を第二方向の外向き(図中Z+向き)に付勢する部材である。本実施の形態の場合、網刃付勢部材232は、コイルバネなどであり、ユニット台230と網刃ユニット104の網刃保持部材213との間であって、第一方向における網刃ユニット104の両端部に配置されている。第二方向において網状外刃210が押圧されていない状態において、網刃付勢部材232の付勢力は、ユニット台230に設けられた第二規制部236に櫛刃ユニット103の移動が規制された状態を維持しており、網状外刃210の頂上部は、第一方向におけるいずれの箇所においても櫛状外刃100よりも突出した位置(図中Z+側)に配置される。
【0047】
図13は、係合機構の動作状態を示す図である。係合機構240は、網刃付勢部材232の付勢力に抗して網状外刃210をユニット台230に向けて移動させる際に、ユニット台230に対して網状外刃210よりも櫛状外刃100が突出しない状態で櫛状外刃100を移動させる機構である。係合機構240の具体的な態様は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、係合機構240は、第一係合部241と、第二係合部242とを備えている。
【0048】
第一係合部241は、第二方向において第二係合部242と係合することにより櫛状外刃100の突出方向(図中Z+方向)の移動を規制することができる部材である。第一係合部241の配置位置や姿勢は特に限定されるものではないが、櫛刃ユニット103が備える一対の櫛刃保持部材180に網刃ユニット104に向かう突出状にそれぞれ設けられている。
【0049】
第二係合部242は、第二方向において、ユニット台230に向かって網刃ユニット104が押圧された場合に、第一係合部241と係合することにより櫛刃ユニット103に力を伝達し、櫛刃付勢部材231に抗して櫛状外刃100をユニット台230に向けて移動させることができる部材である。第二係合部242の配置位置は、第一係合部241よりも外側(第二方向上側)に位置しており、第一係合部241と係合して櫛状外刃100が網状外刃210よりも突出しないように第二方向における櫛状外刃100の移動を規制している。第二係合部242は、網刃ユニット104が備える網刃保持部材213の第一方向の両端部に櫛刃ユニット103に向かう突出状に設けられている。
【0050】
係合機構の動作態様を説明する。網状外刃210、および櫛状外刃100が押圧されていない状態(図13の(a))においては、櫛状外刃100、および網状外刃210は、外向きに最も突出している。この状態において、網状外刃210は、櫛状外刃100よりも突出している。なお図13中において櫛状外刃100の突出位置は位置199の破線により示している。この状態において、櫛状外刃100、および網状外刃210は、独立して沈み込む方向に移動可能である。
【0051】
次に、電気かみそり300を肌に軽く押しつけることにより、一般的に櫛状外刃100よりも突出している網状外刃210が先に押圧され、網刃付勢部材232に抗して網状外刃210が沈み込み始める。そして、網状外刃210が、係合機構240の第一係合部241および第二係合部242が係合するまで沈み込むと、第二係合部242から第一係合部241に押圧力が加えられ、櫛状外刃100が連動して沈み込み始める。この状態においても、網状外刃210は、櫛状外刃100よりも僅かに突出している。
【0052】
さらに、電気かみそり300を肌に押しつけると、第一係合部241と第二係合部242の係合状態が維持され、網状外刃210が櫛状外刃100よりも僅かに突出した状態を維持したまま網状外刃210、および櫛状外刃100がユニット台230に規制されるまで沈み込む。この状態において、櫛状外刃100は、独立して沈み込む方向に移動可能であるが、網状外刃210のいずれも櫛状外刃100を伴って沈み込む方向に移動する。つまり、係合機構240は、櫛状外刃100が突出する方向には第一係合部241と第二係合部242とが係合して櫛状外刃100が網状外刃210より突出することを規制するが、沈み込む方向には係合機構240は櫛状外刃100の移動を規制しないため、肌の形状によっては櫛状外刃100が押圧されて沈み込む場合がある。
【0053】
図14は、櫛刃保持部材、網刃保持部材を透過状態で刃ユニットを示す側面図である。滑り部材220は、広い肌面に刃ユニット200の全体を押し当てる際などに肌面に当接し、肌面に対し刃ユニット200を滑らせた際の肌滑りを向上させる部材である。滑り部材220の構造は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、滑り部材220は、第一方向(図中Y軸方向)に延在する回転軸を有するローラーである。本実施の形態の場合、網状外刃210の第一方向および第二方向に広がる面における湾曲形状に対応するように滑り部材220は、中央部の径が両端部よりも太くなるように膨らんだ形状になっている。また、刃ユニット200が押圧されていない状態において第一方向のいずれの位置においても滑り部材220は、網状外刃210よりも突出するように配置されている。
【0054】
滑り部材220は、近傍に配置される外刃を保持する保持部材に取り付けられる。本実施の形態の場合、滑り部材220は、最も近傍に配置されている一方の網刃保持部材213から隣接する網状外刃210に向かって斜め上方に突出する軸受部221に回転可能に取り付けられている。これにより、滑り部材220は、網状外刃210と共に第二方向に沈み込むことができ、網状外刃210よりも僅かに突出した状態を維持できる。なお、滑り部材220は、本実施の形態では、軸受部221に取り付けたが、他にも例えばユニット台230に取り付けることもできるものの、本実施の形態のように軸受部221に取り付けた方が、滑り部材220の突出状態がより安定して好ましい。
【0055】
滑り部材220の両側にはそれぞれ少なくとも二枚の外刃が配置される。本実施の形態の場合、滑り部材220の両側には三枚ずつで同数の外刃が配置されている。つまり刃ユニット200は偶数の外刃を備えており、滑り部材220は、その中央に配置されている。すなわち、両側に二枚以上配置されていればよいのであって、両側の枚数は特に限定されるものではない。
【0056】
滑り部材220の一方側には異なる種類の外刃が配置されている。本実施の形態の場合、外刃の一方は、櫛状外刃100であり、他方は網状外刃210である。刃ユニット200は、櫛状外刃100の両側に網状外刃210が配置される第一組101、および第二組102を備えており、滑り部材220は、第一組101および第二組102の間に配置されている。つまり、滑り部材220の直近の両隣には網状外刃210が配置されている。これにより、密に配置された網状外刃210により形成される谷間空間内に滑り部材220を配置することができ、刃ユニット200の全体をコンパクト化することができる。また、刃ユニット200を肌に押さえつけた際に谷間空間に肌が食い込むことを滑り部材220が防止でき、肌へのダメージを軽減することができる。
【0057】
上記実施の形態に係る電気かみそり300、刃ユニット200、櫛状外刃100によれば、体毛の高いすくい上げ効果を発揮させることができ、長く肌面に沿って生えている髭などの体毛を効果的に切断することができる。櫛状外刃100により切断され短くなった体毛は、網状外刃210によってさらに短く切断されるため、肌に対するダメージの抑制しながら深ぞり効果を高めることが可能となる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0059】
例えば、開放刃部130と屈曲刃部140とを交互に配置する場合を説明したが、隣り合う開放刃部130の間に複数の屈曲刃部140を配置してもよく、隣り合う屈曲刃部140の間に複数の開放刃部130を配置してもかまわない。
【0060】
また、基礎部110に対して開放刃部130と屈曲刃部140とを対称に配置したが、第三方向において開放刃部130と屈曲刃部140とが並んでもかまわない。
【0061】
また、屈曲刃部140のように開放刃部130の先端部の幅(第一方向の長さ)を基端部の幅より狭くしてもかまわない。
【0062】
また、内刃も備える刃ユニット200を例示したが、刃ユニット200は、内刃を備えなくてもかまわない。
【0063】
また、櫛刃ユニット103、網刃ユニット104のユニット台230に対する突出量を規制する第一規制部235、第二規制部236を説明したが、櫛状外刃100、網状外刃210の突出量を規制する構造はこれに限定されない。例えば、ユニット台230に第二方向に延在し延在方向の両端部が封鎖される溝を備え、櫛刃ユニット103、網刃ユニット104のいずれかにユニット台230の溝に挿入され溝に沿って移動する突起を備える構造でもかまわない。この場合、突起が溝の端部に当接することにより突出量が規制される。さらに、溝と突起について上記構造とは逆に、ユニット台230に突起を設け、櫛刃ユニット103、網刃ユニット104に溝を設けるようにしてもよい。
【0064】
また、櫛刃ユニット103、網刃ユニット104のユニット台230に対する突出量を規制する規制部は、ユニット台230や櫛刃ユニット103、網刃ユニット104に限定されず、突出量に応じてその他の位置に規制部を設けてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、髭を剃毛するいわゆる電気シェーバーなど、人を含む動物の体毛を剃毛することができる電気かみそりに適用できる。
【符号の説明】
【0066】
100 櫛状外刃
101 第一組
102 第二組
103 櫛刃ユニット
104 網刃ユニット
110 基礎部
111 長端部
120 取付部
121 外刃係合爪
130 開放刃部
131 開放上面部
132 開放傾斜面部
133 開放側面部
140 屈曲刃部
141 突出部
142 屈曲部
143 連結部
144 屈曲傾斜面
145 屈曲上面部
146 屈曲側面部
170 第一内刃
171 第一継手部材
172 内刃係合爪
173 内刃係合突起
174 第一溶融拡大部
175 第二溶融拡大部
180 櫛刃保持部材
181 第一対向部
182 第一付勢部材
183 外刃突起部
184 第一突条部
199 位置
200 刃ユニット
210 網状外刃
211 第二内刃
212 網刃固定部材
213 網刃保持部材
214 第二継手部材
215 第二対向部
216 第二付勢部材
217 第二突条部
220 滑り部材
221 軸受部
230 ユニット台
231 櫛刃付勢部材
232 網刃付勢部材
233 第一案内部
234 第二案内部
235 第一規制部
236 第二規制部
240 係合機構
241 第一係合部
242 第二係合部
300 電気かみそり
310 把持部
311 電源スイッチ
320 ヘッド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14