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特許7576784献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20241025BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023515494
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 JP2022018260
(87)【国際公開番号】W WO2022224983
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2021071049
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石坪 三和
(72)【発明者】
【氏名】大西 秀和
(72)【発明者】
【氏名】杉本 隆
(72)【発明者】
【氏名】片山 剛
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-18966(JP,A)
【文献】特表2016-537265(JP,A)
【文献】特表2009-512604(JP,A)
【文献】中国実用新案第211003011(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、前記ライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに前記各献立を振り分ける処理を行うプロセッサを備えた献立振り分け装置であって、
前記プロセッサは、
複数の喫食者の各々に提供される複数の料理からそれぞれ構成される複数の献立に関する注文情報を取得し、
前記注文情報に基づき、前記複数の献立に関する献立別の注文数および前記複数の料理に関する料理別の注文数の少なくとも一方を計数し、
前記計数の結果に基づき、前記複数の献立の各々を取り扱う処理ラインを前記複数のラインの中から選択する、献立振り分け装置。
【請求項2】
前記複数のラインとして、
準備された複数の料理が作業者によらずに自動で排出される第1の料理収容棚が設けられた第1ラインと、
準備された複数の料理が作業者によって取り出される第2の料理収容棚が設けられた第2ラインとが設定される、請求項1に記載の献立振り分け装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記料理別の注文数を計数し、前記計数の結果が閾値以上である料理のみを含む前記献立について、前記第1ラインを前記処理ラインとして選択する、請求項2に記載の献立振り分け装置。
【請求項4】
前記閾値は、前記料理の種類に応じて設定される、請求項3に記載の献立振り分け装置。
【請求項5】
前記複数の喫食者の献立は、前記計数の対象外となる料理を含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の献立振り分け装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記計数の結果が閾値以上である前記献立について、前記第1ラインを前記処理ラインとして選択する、請求項2に記載の献立振り分け装置。
【請求項7】
前記プロセッサによる前記処理ラインの選択の結果を出力する振り分け情報出力装置を更に備えた、請求項1から請求項4及び請求項6のいずれかに記載の献立振り分け装置。
【請求項8】
請求項1に記載の前記献立振り分け装置および前記複数のラインを備えた配膳準備システム。
【請求項9】
前記複数のラインは、
準備された複数の料理が作業者によらずに自動で排出される第1の料理収容棚が設けられた第1ラインと、
準備された複数の料理が作業者によって取り出される第2の料理収容棚が設けられた第2ラインとを含む、請求項8に記載の配膳準備システム。
【請求項10】
前記第1ラインは、前記第1の料理収容棚から排出された前記料理を前記献立に従って組み合わせた状態で運ぶライン作業用コンベアとを含む、請求項9に記載の配膳準備システム。
【請求項11】
前記第1ラインには、料理配置作業者が、前記第1の料理収容棚から排出された複数の前記料理を前記献立に従って組み合わせて前記ライン作業用コンベア上のトレイに配置する料理配置作業を行う料理配置部が設けられ、
前記献立振り分け装置は、前記料理配置作業者に向けて前記料理配置作業に関する指示情報を出力する指示情報出力装置を更に備えた、請求項10に記載の配膳準備システム。
【請求項12】
前記指示情報出力装置は、前記指示情報として前記複数の料理が前記トレイ上に配置された状態の画像を表示する、請求項11に記載の配膳準備システム。
【請求項13】
複数の喫食者には、病院の患者が含まれ、
前記指示情報出力装置は、前記患者の前記献立に関する情報を表示する、請求項11または請求項12に記載の配膳準備システム。
【請求項14】
前記第1の料理収容棚は、前記複数の料理がそれぞれ収容される複数の料理収容部を有し、
前記料理収容部の各々には、前記料理を補給すべきか否かを示すための表示灯が設けられている、請求項11または請求項12に記載の配膳準備システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、そのライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに各献立を振り分ける献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院の入院患者向けの食事を病院外で準備するための院外調理システムが普及している。例えば、院外調理システムでは、病院から食事の注文を受けた業者は、病院外で食材を調理することにより複数の料理を準備する。さらに、その業者は、それら複数の料理を、各入院患者の献立に従ってトレイにセットした後に病院に配送する。
【0003】
そのような院外調理に関し、例えば、病院から受けた注文に応じて、入院患者に温かい料理を効率的に提供することを目的とする院外調理方法が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この従来の院外調理方法では、下処理指示書に従って料理が下処理され、その下処理済みの食材が調理指示書に従って調理され、その調理済みの料理が盛付け指示書に従ってトレイに盛付けられる。続いて、その料理が盛付けられたトレイがカートリストに従って冷蔵モードのクックチルカートに積載され、タイマがセットされる。その後、クックチルカートが配送指示書に従って病院に配送される。クックチルカートは、配膳の30分程前にタイマの作動により冷蔵モードから加熱モードに切替わるため、入院患者は温かい料理を食することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-18966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載されたような従来の調理システムでは、献立に応じて複数の料理を組み合わせるためライン作業をできる限り自動化し、作業効率を高めることが望ましい。
【0007】
本願発明者らは、鋭意検討した結果、従来の調理システムでは、注文された献立の種類が多い場合や、注文数の少ない料理を含む献立がある場合には、ライン作業を単純に自動化すると、料理収容棚(すなわち、配膳用に準備された複数の料理を一時的に収容可能な棚であってワゴンやカートを含む)に収容された複数の料理の中から、各献立に従って必要な料理を取り出す作業が煩雑になり、かえって作業効率が低下してしまうことを見出した。特に、病院の患者向けの食事の献立には、患者の病状に応じて多くの種類の料理が必要とされるため、そのような作業効率の低下は顕著となる。
【0008】
そこで、本開示は、複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、ライン作業の少なくとも一部を自動化しつつ作業の効率の低下を抑制する献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の献立振り分け装置は、複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、前記ライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに前記各献立を振り分ける処理を行うプロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の喫食者の各々に提供される複数の料理からそれぞれ構成される複数の献立に関する注文情報を取得し、前記注文情報に基づき、前記複数の献立に関する献立別の注文数および前記複数の料理に関する料理別の注文数の少なくとも一方を計数し、前記計数の結果に基づき、前記複数の献立の各々を取り扱う処理ラインを前記複数のラインの中から選択する構成とする。
【0010】
本開示の配膳準備システムは、前記献立振り分け装置および前記複数のラインを備えた構成とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、ライン作業の少なくとも一部を自動化しつつ作業の効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る配膳準備システムが院外調理に適用された例を示す構成図
図2図1に示した配膳準備システムの全体構成を示す模式図
図3図2に示した自動排出棚の内部および料理排出側の構成を示す説明図
図4図2に示した自動排出棚の料理補給側の構成を示す説明図
図5図2中のV部の詳細を示す説明図
図6】実施形態に係る献立振り分け装置の一例を示す機能ブロック図
図7】実施形態に係る注文情報の一例を示す説明図
図8】実施形態に係る献立振り分け装置のハードウェア構成例を示すブロック図
図9図6に示した献立振り分け装置による献立振り分け処理の流れを示すフロー図
図10図9に示した料理の計数処理(ST102)の結果の一例を示す説明図
図11図9に示した作業指示の出力(ST107)の第1の例を示す説明図
図12図9に示した作業指示の出力(ST107)の第2の例を示す説明図
図13図9に示した献立振り分け処理の変形例を示すフロー図
図14図13に示した献立の計数処理(ST202)の結果の一例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、前記ライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに前記各献立を振り分ける処理を行うプロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の喫食者の各々に提供される複数の料理からそれぞれ構成される複数の献立に関する注文情報を取得し、前記注文情報に基づき、前記複数の献立に関する献立別の注文数および前記複数の料理に関する料理別の注文数の少なくとも一方を計数し、前記計数の結果に基づき、前記複数の献立の各々を取り扱う処理ラインを前記複数のラインの中から選択する構成とする。
【0014】
これによると、注文情報に含まれる複数の献立に関する献立別の注文数および複数の料理に関する料理別の注文数の少なくとも一方に基づき、ライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに各献立を適切に振り分ける(すなわち、各献立をそれぞれに適したラインで処理させる)ことが可能となるため、ライン作業の少なくとも一部を自動化しつつ作業の効率の低下を抑制することができる。
【0015】
また、第2の発明は、前記複数のラインとして、準備された複数の料理が作業者によらずに自動で排出される第1の料理収容棚が設けられた第1ラインと、準備された複数の料理が作業者によって取り出される第2の料理収容棚が設けられた第2ラインとが設定される構成とする。
【0016】
これによると、準備された複数の料理が料理収容棚から作業者によらずに自動で排出される第1ラインと、準備された複数の料理が料理収容棚から作業者によって取り出される第2ラインとのいずれかが処理ラインとして選択されるため、第1ラインにおいて料理収容棚から料理を取り出す作業を自動化しつつ作業の効率の低下を抑制することができる。
【0017】
また、第3の発明は、前記プロセッサは、前記料理別の注文数を計数し、前記計数の結果が閾値以上である料理のみを含む前記献立について、前記第1ラインを前記処理ラインとして選択する構成とする。
【0018】
これによると、料理別の計数の結果が閾値以上である料理のみを含む献立が、自動化の程度が第2ラインよりも高い(すなわち、同一の料理を多数処理するのにより適している)第1ラインで取り扱われるため、料理収容棚から料理を取り出す作業を第1ラインにおいて自動化しつつ作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0019】
また、第4の発明は、前記閾値は、前記料理の種類に応じて設定される構成とする。
【0020】
これによると、料理の種類に応じて適切な閾値を設定可能であるため、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0021】
また、第5の発明は、前記複数の喫食者の献立は、前記計数の対象外となる料理を含む構成とする。
【0022】
これによると、付加的な料理を計数の対象外とすることにより、付加的な料理の注文数が処理ラインの選択に悪影響を及ぼすことを回避できる。
【0023】
また、第6の発明は、前記プロセッサは、前記計数の結果が閾値以上である前記献立について、前記第1ラインを前記処理ラインとして選択する構成とする。
【0024】
これによると、計数の結果が閾値以上である献立が、自動化の程度が第2ラインよりも高い第1ラインで取り扱われるため、第1ラインにおいて料理収容棚から料理を取り出す作業を自動化しつつ作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0025】
また、第7の発明は、前記プロセッサによる前記処理ラインの選択の結果を出力する振り分け情報出力装置を更に備えた構成とする。
【0026】
これによると、システムのオペレータは、処理ラインの選択の結果を容易に把握することができる。
【0027】
また、第8の発明は、第1の発明に係る前記献立振り分け装置および前記複数のラインを備えた配膳準備システムである。
【0028】
これによると、注文情報に含まれる複数の献立に関する献立別の注文数および複数の料理に関する料理別の注文数の少なくとも一方に基づき、ライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに各献立を適切に振り分けることが可能となるため、ライン作業の少なくとも一部を自動化しつつ作業の効率の低下を抑制することができる。
【0029】
また、第9の発明は、前記複数のラインは、準備された複数の料理が作業者によらずに自動で排出される第1の料理収容棚が設けられた第1ラインと、準備された複数の料理が作業者によって取り出される第2の料理収容棚が設けられた第2ラインとを含む構成とする。
【0030】
これによると、準備された複数の料理が料理収容棚から作業者によらずに自動で排出される第1ラインと、準備された複数の料理が料理収容棚から作業者によって取り出される第2ラインとが設けられるため、第1ラインにおいて料理収容棚から料理を取り出す作業を自動化しつつ作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0031】
また、第10の発明は、前記第1の料理収容棚から排出された前記料理を前記献立に従って組み合わせた状態で運ぶライン作業用コンベアとを含む構成とする。
【0032】
これによると、ライン作業の自動化の程度が第2ラインよりも高い第1ラインを容易に実現できる。
【0033】
また、第11の発明は、前記第1ラインには、料理配置作業者が、前記第1の料理収容棚から排出された複数の前記料理を前記献立に従って組み合わせて前記ライン作業用コンベア上のトレイに配置する料理配置作業を行う料理配置部が設けられ、前記献立振り分け装置は、前記料理配置作業者に向けて前記料理配置作業に関する指示情報を出力する指示情報出力装置を更に備えた構成とする。
【0034】
これによると、料理配置作業を行う作業者は、料理配置作業に関する指示情報に基づき当該作業を容易に行うことができる。
【0035】
また、第12の発明は、前記指示情報出力装置は、前記指示情報として前記複数の料理が前記トレイ上に配置された状態の画像を表示する構成とする。
【0036】
これによると、作業者は、複数の料理がトレイ上に配置された状態の画像に基づき料理配置作業を容易かつ確実に行うことができる。
【0037】
また、第13の発明は、複数の喫食者には、病院の患者が含まれ、前記指示情報出力装置は、前記患者の前記献立に関する情報を表示する構成とする。
【0038】
これによると、作業者は、表示された各患者の献立に関する情報に基づき、病院の患者向けの料理の配置作業をより確実に行うことができる。
【0039】
また、第14の発明は、前記第1の料理収容棚は、前記複数の料理がそれぞれ収容される複数の料理収容部を有し、前記料理収容部の各々には、前記料理を補給すべきか否かを示すための表示灯が設けられている構成とする。
【0040】
これによると、作業者は、料理の補給が必要な料理収容部を容易に認識することができる。
【0041】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0042】
図1は、実施形態に係る配膳準備システム1が院外調理に適用された例を示す構成図である。
【0043】
配膳準備システム1は、病院2の入院患者のための食事の提供に関する注文を受け、それらの食事の献立をそれぞれ構成する複数の料理の配膳を準備する。配膳準備システム1が設置されるエリアを画定する配膳準備場では、各献立に従って複数の料理を組み合わせるためのライン作業が実施される。配膳準備システム1は、配膳準備場でのライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに各献立を振り分ける献立振り分け装置5を備える。
【0044】
献立振り分け装置5は、病院2に設けられた注文端末6とネットワーク7を介して通信可能に接続される。献立振り分け装置5は、注文端末6との通信により、注文端末6から各入院患者の献立に関する注文情報を適宜受信する。注文端末6は、例えばPC(Personal Computer)や携帯電話などの通信機能を有するコンピュータからなる。ネットワーク7は、インターネットから構成される。ただし、ネットワーク7は、専用回線やLAN(Local Area Network)などから構成されてもよい。
【0045】
本実施形態では、配膳準備システム1で取り扱われる複数の料理は、隣接する調理施設(図示せず)から供給される。また、配膳準備システム1で取り扱われる複数の料理の少なくとも一部は、遠隔地の施設(例えば、図示しない食品加工工場)から供給されてもよい。
【0046】
図1では、説明の便宜上、1つの病院2のみが示されている。ただし、配膳準備システム1は、複数の病院から食事の献立に関する注文を受けることができる。また、配膳準備システム1は、院外調理に限らず、食事を提供する任意のシステムに適用可能である。例えば、配膳準備システム1は、学校から生徒の食事の献立に関する注文を受けることもできる。また例えば、配膳準備システム1は、レストランなどの食事を提供する施設に設けられ、施設の利用客に提供される食事の献立に関する注文を受けることもできる。
【0047】
本実施形態では、用語「料理」は、主として皿や椀などの食器に盛られた食物を意味する。ただし、「料理」には、紙製または樹脂製の容器で包装された食物(例えば、包装食品)も含まれ得る。また、「料理」には、調理されていない状態の食物(例えば、加熱用の鍋に盛られた生肉及び生野菜)も含まれ得る。そのような調理されていない食物は、配膳後に喫食者(すなわち、食事をする者)の食卓上で調理され得る。
【0048】
また、用語「ライン作業」は、各献立をそれぞれ構成する複数の料理を、各喫食者に配膳可能な状態にする(例えば、各トレイにセットする)ための一連の作業である。ライン作業において、各料理は予め設定された所定のラインを流れる(例えば、コンベアによって運搬される。)。「作業」は、作業者(人)が行う行為に限定されず、人の代わりに自動化された機械(例えば、ロボット)が行う仕事も含む。
【0049】
図2は、図1に示した配膳準備システム1の全体構成を示す模式図である。図2では、配膳準備システム1は、一部の構成要素を除いて概ね平面視として示されている。以下の説明では、配膳準備システム1における前後方向および左右方向は、図2に十字に示した矢印の方向に従う。
【0050】
配膳準備システム1は、各献立に従って複数の料理を組み合わせるためのライン作業に用いられるメインライン(第1ライン)11およびサブライン12(第2ライン)を備える。
【0051】
また、配膳準備システム1は、準備された複数の料理をメインライン11にそれぞれ供給する複数の自動排出棚15A-15Dを備える。自動排出棚15A-15Dは、略同一の構成を有する。以下、自動排出棚15A-15Dを特に区別する必要がない場合には、「自動排出棚15」と総称して説明する。
【0052】
献立振り分け装置5は、メインライン11、サブライン12、及び自動排出棚15A-15Dと共に配膳準備場に配置される。献立振り分け装置5は、各献立(すなわち、それを構成する複数の料理)を取り扱う処理ラインとしてメインライン11またはサブライン12を選択する。なお、献立振り分け装置5は、必要な機能を果たしうる限りにおいて、配膳準備場の外(例えば、遠隔地)に配置されてもよい。その場合、献立振り分け装置5は、ネットワーク7を介して配膳準備場に配置された各機器(例えば、後述するディスプレイ28A-29D、バーコードリーダ30A-30D)と通信可能に接続され得る。
【0053】
メインライン11は、左右方向に直線的に伸びるメインコンベア(ライン作業用コンベア)21を有する。メインコンベア21は、矢印Aで示すように、複数の料理が載置されたトレイ22Aを右側(上流側)から左側(下流側)へと順次運搬する。メインコンベア21には、各献立に従って複数の料理を組み合わせる(ここでは、トレイ22Aに載置する)ための作業スペースとして料理配置部23が設定される。料理配置部23には、料理配置作業を行う作業者29A(料理配置作業者)が配置される。
【0054】
メインライン11は、自動排出棚15A、15Bからそれぞれ自動で排出される各料理を料理配置部23に向けて順次運搬する第1補助運搬装置26を有する。第1補助運搬装置26は、メインコンベア21の前側において、メインコンベア21と略平行に配置される。第1補助運搬装置26は、各料理を左側から右側に運搬する(図5中の矢印B参照)。また、メインライン11は、自動排出棚15C、15Dからそれぞれ自動で排出される料理を料理配置部23に向けて順次運搬する第2補助運搬装置27を有する。第2補助運搬装置27は、第1補助運搬装置26と略同様の構成を有する。第2補助運搬装置27は、第1補助運搬装置26の右側においてメインコンベア21と略平行に配置される。第2補助運搬装置27は、料理を右側から左側に運搬する(図5中の矢印C参照)。
【0055】
メインライン11には、ライン用ディスプレイ28A(指示情報出力装置)が付設されている。ライン用ディスプレイ28Aは、作業者29Aが行うべき料理の配置作業に関する指示情報を出力する。
【0056】
また、メインライン11には、各トレイ22Aに付されたバーコード(図示せず)の情報を読み取るバーコードリーダ30Aが付設されている。バーコードの情報には、各トレイ22Aに対応する献立およびその献立を構成する各料理の情報が含まれる。献立振り分け装置5は、バーコードリーダ30Aによって読み取られたバーコードの情報を取得することにより、料理配置部23を通過するトレイ22A(すなわち、それに対応する献立)を把握できる。なお、料理配置部23における料理の配置作業を作業者29Aの代わりに自動化された機械が行う場合、ライン用ディスプレイ28Aは省略できる。
【0057】
自動排出棚15A-15Dには、それぞれ同種の料理が収容される。本実施形態では、自動排出棚15A-15Dには、各献立を構成する料理として、主食、主菜、副菜1、及び副菜2がそれぞれ収容される。ただし、そのような自動排出棚は、必ずしも複数設けられる必要はない。
【0058】
主食には、例えば、米、パン、もち、うどん、そば、又はパスタなど、炭水化物を主成分とする食材が含まれる。主菜には、例えば、魚、肉、大豆製品、又は卵など、主にタンパク質や脂質の供給源となる食材が含まれる。副菜1、2には、例えば、野菜、きのこ、又は海藻類など、ビタミン、ミネラル、及び食物繊維の供給源となる食材が含まれる。なお、各献立には、主食、主菜、副菜1、及び副菜2以外の食品(例えば、デザート、飲料)が含まれ得る。
【0059】
自動排出棚15A-15Dの近傍には、ライン用ディスプレイ28D(指示情報出力装置)が設けられている。ライン用ディスプレイ28Dは、作業者29Dが行うべき自動排出棚15A-15Dへの料理42の補給作業に関する指示情報を出力する。なお、ライン用ディスプレイ28Dは自動排出棚15A-15D毎に対応して複数設けられてもよい。また、作業者29Dは、複数配置されてもよい。
【0060】
サブライン12は、逆L字状のサブコンベア31を有する。サブコンベア31は、矢印Dで示すように、複数の料理が載置されたトレイ22Bをメインコンベア21に向けて順次運搬する。サブコンベア31には、各献立に従って複数の料理を組み合わせる(ここでは、トレイ22Bに載置する)ための作業スペースとして料理配置部35が設定される。料理配置部23の近傍には、料理配置作業を行う作業者29Bが配置される。
【0061】
また、料理配置部35の周辺には、複数のトレイ22Bがそれぞれ収容される複数のトレイ収容ラック33が配置される。また、作業者29Bの周辺には、各トレイ22Bに載置される複数の料理がそれぞれ収容される複数の料理収容ラック34(第2の料理収容棚)が配置される。料理収容ラック34は、図示しない車輪等を備えることにより移動可能に設けられているが、配膳準備場の適所に固定されてもよい。
【0062】
サブコンベア31の下流端31Aは、メインコンベア21の中間部21Aに接続されている。メインコンベア21は、その中間部21Aから更に左方向(下流側)に延在する。その中間部21Aから左方向に延在する部位は、メインライン11およびサブライン12に共有される共有ライン36を構成する。
【0063】
メインコンベア21の中間部21Aの近傍には、ライン用ディスプレイ28B(指示情報出力装置)が設けられている。ライン用ディスプレイ28Bは、中間部21Aに配置された作業者29Cが行うべき作業に関する指示情報を出力する。また、中間部21Aの近傍には、バーコードリーダ30Aと同様の機能を有するバーコードリーダ30Bが設けられている。
【0064】
共有ライン36には、ライン用ディスプレイ28C(指示情報出力装置)が更に設けられている。ライン用ディスプレイ28Cは、共有ライン36に配置された複数の作業者29Dが行うべき作業に関する指示情報を出力する。また、共有ライン36には、バーコードリーダ30Aと同様の機能を有するバーコードリーダ30Cが設けられている。
【0065】
共有ライン36の下流端36Aの近傍には、複数の配膳用カート58が配置される。作業者29Dは、献立に含まれる全ての料理がそれぞれ載置された各トレイ22A、22Bを配膳用カート58に順次収容する。
【0066】
本実施形態では、献立をそれぞれ構成する複数の料理がトレイ22A、22Bに載置されることにより、各献立に対応する料理が組み合わされる。ただし、料理の組み合わせには、必ずしもトレイが用いられる必要はなく、他の入れ物(例えば、カゴや袋)が用いられてもよい。
【0067】
各トレイ22Aに配置される料理の組み合わせは、同じ献立を構成する場合がある(すなわち、複数のトレイ22Aに同一の料理群が載置される場合がある。)。また、各トレイ22Bについても同様である。ただし、トレイ22Aに配置される料理の組み合わせとトレイ22Bに配置される料理の組み合わせとが、一致することはない(すなわち、同一の献立を構成することはない。)。
【0068】
また、配膳準備システム1に配置される作業者29A-29Dの数は適宜変更され得る。ただし、メインライン11には、自動排出棚15A-15Dが用いられる(すなわち、ライン作業の少なくとも一部が自動化されている)ため、メインライン11に配置される作業者の数は、サブライン12に配置される作業者の数よりも少ない。配膳準備システム1では、メインライン11に作業者が存在しない(すなわち、作業者29A、29Dによる作業が自動化された)構成も可能である。
【0069】
なお、図2に示した例では、作業者29Dがメインライン11の作業者に属すると考えた場合、メインライン11の作業者29A、29Dとサブライン12の作業者29Bの数は同数となる。しかしながら、サブライン12には、トレイ収容ラック33および料理収容ラック34を取り扱う作業者(図示せず)が存在するため、実際には、メインライン11に配置される作業者の数は、サブライン12に配置される作業者よりも少ない。
【0070】
次に、自動排出棚15Aの詳細について説明する。図3は、図2に示した自動排出棚15Aの内部および料理排出側の構成を示す説明図である。図4は、図2に示した自動排出棚の料理補給側(前側)の構成を示す説明図である。
【0071】
図3に示すように、自動排出棚15Aの棚本体(第1の料理収容棚)内には、複数の料理収容部41が設けられている。複数の料理収容部41は、上下方向および左右方向にそれぞれマトリックス状に配置される(図4参照)。各料理収容部41において、前後方向に延在する料理収容スペースには、複数の料理42が収容されている。各料理収容部41の後端側には、上下方向および左右方向に移動可能な分配テーブル43が設けられている。
【0072】
また、自動排出棚15Aの本体ハウジングの後側には、前後方向に延在する料理排出路45が付設されている。料理排出路45の前端部は、分配テーブル43の移動経路に近接して配置される。料理排出路45の後端部は、第1補助運搬装置26の保護ケース46内に設けられた上下2段の補助コンベア49A、49Bの一方(ここでは、補助コンベア49A)に近接する。なお、自動排出棚15Bの料理排出路(図示せず)は、料理排出路45よりも低い位置に配置され、その後端部は補助コンベア49Bに近接する。
【0073】
詳細は図示しないが、分配テーブル43及び料理排出路45は、各料理を前側から後側に移動させる移動機構(例えば、ベルトコンベア)を有している。また、料理収容部41は、前側から後側に向けて下方に傾斜することにより、各料理42をその自重で前方に滑らせるようにして移動させることが可能である。ただし、料理収容部41は、分配テーブル43及び料理排出路45と同様に、各料理を前側から後側に移動させる移動機構を有してもよい。
【0074】
自動排出棚15Aでは、料理の品目毎にそれぞれ所定数の各料理収容部41が割り当てられる。例えば図4に示すように、自動排出棚15Aでは、10個の料理収容部41からなるグループ51が米飯260gに割り当てられている。また、6個の料理収容部41からなるグループ52が米飯170gに割り当てられている。更に、4個の料理収容部41からなるグループ54が全粥150gに割り当てられている。各料理の品目に割り当てられる料理収容部41のグループの数は、各料理の品目に属する料理の数(すなわち、料理別の注文数)に応じて設定できる。そのような料理収容部41のグループの数は、例えば、所定時間内において自動排出棚15Aが処理すべき料理別の注文数に応じて設定され得る。
【0075】
また、自動排出棚15Aの前面には、各料理収容部41に対応する位置に表示灯57が設けられている。各表示灯57は、LEDランプから構成される。例えば、各表示灯57は、各料理収容部41の前側の開口を画定する枠部分に配置され得る。
【0076】
また、自動排出棚15Aの近傍には、バーコードの情報を読み取るバーコードリーダ30Dが設けられている。例えば、バーコードは、自動排出棚15Aに補給される料理(容器)またはそれらの料理を収容する通い箱に付される。
【0077】
各料理収容部41には、その前側の開口から作業者29Dによって料理が順次補給される。このとき、ディスプレイ28Dに作業者29Dへの指示情報が表示されるとともに、料理を補給すべき1以上の料理収容部41に対応する表示灯57が点灯する。これにより、作業者29Dは、料理を補給すべき料理収容部41の位置を容易に把握することができる。また、作業者29Dは、料理収容部41に料理を補給する前に、バーコードリーダ30Dによって当該料理に関するバーコードを読み取ることができる。これにより、献立振り分け装置5は、バーコードリーダ30Dによって読み取られたバーコードの情報を取得することにより、自動排出棚15Aに補給された料理を把握することが可能となる。
【0078】
ライン用ディスプレイ28Dが出力する指示情報は、自動排出棚15の前に配置された作業者29Dが行うべき補給作業に関するものである。例えば、ライン用ディスプレイ28Dには、料理収容部41に補給されるべき料理の品目に関する優先順位が表示される。
【0079】
作業者29Dによって料理収容部41に投入された各料理は、図3に示すように、順次後方に移動し、分配テーブル43に受渡される。料理収容部41から料理を受け取った分配テーブル43は、料理排出路45に整合する位置まで移動し、その料理を料理排出路45に受渡す。料理排出路45は、受け取った料理を後方に移動させ、対応する補助コンベア49Aに受渡す。補助コンベア49Aに載置された料理は、メインコンベア21の料理配置部23に向けて運搬される。
【0080】
なお、自動排出棚15Aから料理が自動で排出される構成については種々の変更が可能である。例えば、自動排出棚15Aでは、料理排出用の装置が、料理収容部41を有する棚本体とは別体として設けられてもよい。その場合、料理排出用の装置は、複数の料理収容部41(例えば、後方の料理排出口)のいずれかより、献立に応じて所望の料理を順次取り出すように構成される。自動排出棚15B-15Dは、収容される料理の種類の違いを除けば、上述の自動排出棚15Aと略同一の構成を有する。
【0081】
図5は、図2中のV部の詳細を示す説明図である。
【0082】
メインライン11において、第1補助運搬装置26の補助コンベア49A、49Bの下流端は、メインコンベア21の料理配置部23の前側まで延在している。同様に、第2補助運搬装置27の補助コンベア50A、50Bの下流端は、メインコンベア21の料理配置部23の前側まで延在している。上側の補助コンベア49Aの下流端は、補助コンベア50Aの下流端と近接して配置されている。同様に、下側の補助コンベア49Bの下流端は、補助コンベア50Bの下流端と近接して配置されている。
【0083】
補助コンベア49A、49Bの大半は、それぞれ左右方向に伸びる箱形の保護ケース46によって覆われている。ただし、補助コンベア49A、49Bの下流端は、メインコンベア21の料理配置部23の前側において、それぞれ保護ケース46から露出している。同様に、補助コンベア50A、50Bの下流端は、メインコンベア21の料理配置部23の前側において、それぞれ保護ケース48から露出している。各補助コンベア49A、49B、50A、50Bにおいて料理を運搬するベルトは、それぞれの下流端にて折り返されるように構成されている。
【0084】
メインコンベア21の料理配置部23において、作業者29Aは、各献立を構成する料理42A、42Bを、それぞれ補助コンベア49A、49Bから順次取出す。このとき、各補助コンベア49A、49Bでは、作業者29Aによって取り出されるべき料理42A、42Bが載置された部分のみが、保護ケース46から露出する位置にある。同様に、作業者29Aは、各献立を構成する料理42C、42Dを、それぞれ補助コンベア50A、50Bから順次取出す。このとき、各補助コンベア50A、50Bでは、作業者29Aによって取り出されるべき料理42C、42Dが載置された部分のみが、保護ケース46から露出する位置にある。また、ライン用ディスプレイ28Bは、作業者29Bが行うべき料理42A-42Dの配置作業に関する指示情報を、作業者29Bに向けて出力する。
【0085】
各補助コンベア49A、49B、50A、50Bには、予め定められた間隔(以下、規定料理間隔という。)で料理が移動方向に列をなすように配置される。各補助コンベア49A、49B、50A、50Bにおいて料理を運搬するベルトは、互いに同期して間欠移動する。自動排出棚15A-15Dは、補助コンベア49A、49B、50A、50Bの間欠移動の動作に同期して、規定料理間隔が維持されるように、それぞれ各料理を所定のタイミングで各料理を受渡す。
【0086】
作業者29Aによって、各補助コンベア49A、49B、50A、50Bから料理42A-42Dが取り出されると、各補助コンベア49A、49B、50A、50Bにおいて、各料理を運搬するベルトは、規定料理間隔に対応する長さだけ移動する。これにより、次に、作業者29Aよって次に取り出されるべき各料理が、保護ケース46、48からそれぞれ露出する。
【0087】
上記構成を有する配膳準備システム1では、メインライン11において、自動排出棚15A-15Dからそれぞれ対応する第1補助運搬装置26及び第2補助運搬装置27に各料理が順次排出される。自動排出棚15A-15Dから排出される料理およびそのタイミングは、各献立を構成する料理の情報に基づき決定される。通常は、同じ献立を構成する各料理が自動排出棚15A-15Dから同時に排出される。
【0088】
その後、第1補助運搬装置26及び第2補助運搬装置27によって、それぞれメインコンベア21の料理配置部23の前側に運ばれた各料理は、作業者29Aによって各献立に従って各トレイ22Aに載置される。
【0089】
複数の料理が載置された各トレイ22Aは、メインコンベア21によって順次運搬される。その後、中間部21Aに到達したトレイ22Aの列には、作業者29Cによってサブライン12からのトレイ22Bが適宜挿入される。その後の共有ライン36において、トレイ22A、22Bに載置されている料理が各献立に対応しているか作業者29Dによってチェックされる。
【0090】
また、共有ライン36において、各トレイ22A、22Bには、作業者29Dによって主食、主菜、副菜1、及び副菜2以外の付加的な料理(例えば、デザート、飲料)やカトラリーが載置され得る。各トレイ22A、22Bは、共有ライン36の下端まで到達すると、作業者29Dによって配膳用カート58に収容される。配膳用カート58は、料理運搬用の車両(図示せず)を用いて注文主である病院に運搬される。病院では、料理が載置された各トレイ22A、22Bが対応する各入院患者に順次配膳される。
【0091】
配膳準備システム1のサブライン12では、メインライン11と同様のライン作業が実施される。サブライン12では、各作業者29Bは、トレイ収容ラック33からトレイ22Aを取出し、それをサブコンベア31上に置く。ただし、サブライン12には自動排出棚は設置されておらず、料理収容ラック34の料理が自動で排出されることはない。そこで、サブライン12では、作業者29Bによって、料理収容ラック34から各献立に従って各料理が取り出され、それらがサブコンベア31上のトレイ22Bに載置される。
【0092】
料理が載置された各トレイ22Bは、サブコンベア31によって運搬される。各トレイ22Bは、メインライン11の中間部21Aに到達すると、上述のようにメインコンベア21上のトレイ22Aの列の間に適宜挿入される。
【0093】
図6は、実施形態に係る献立振り分け装置5の一例を示す機能ブロック図である。図7は、実施形態に係る注文情報の一例を示す説明図である。
【0094】
献立振り分け装置5において、注文情報取得部61は、ネットワーク7(図1参照)を介して注文端末6から献立に関する注文情報を受信する。この注文情報は、複数の喫食者(ここでは、入院患者)の各々に1回の食事として(例えば、昼食として)提供される複数の料理をそれぞれ含む複数の献立に関する情報である。特に、入院患者の食事は、医者によって診断された入院患者の病状などに基づき細分化されるため、注文情報には、より多くの料理の品目(例えば、食材の形状の違いや重量の違いを含む)が含まれる。
【0095】
注文情報には、例えば図7に示すように、喫食者の氏名、食種、形態、及び献立等の情報が含まれる。「食種」は、各喫食者の食事に関する献立の名称(種類)を示す。食種は、例えば、喫食者の年齢、性別、及び病状によって決定される。また、食種の決定には、喫食者に必要とされるカロリーや栄養素が考慮される。また、「形態」は、料理に含まれる食材の大きさを示す。形態は、各喫食者が食べやすいように選択される。「献立」には、各喫食者に提供される料理の種類及びそれに属する料理の品目が含まれる。
【0096】
ここでは、注文情報の献立には、料理の種類として主食、主菜、副菜1、及び副菜2が含まれる。ただし、各献立に含まれる料理の種類は主食、主菜、副菜1、及び副菜2に限定されるものではない。
【0097】
また、注文情報の献立には、料理の品目として、例えば、米飯260(数値260は重量を示す。以下同様。)、白身魚、昆布の炒め煮、及びもやし和えが含まれる。例えば喫食者Aおよび喫食者Bの主食には、それぞれ米飯260および米飯170が含まれるが、それらは、重量が異なるため、互いに異なる品目である。また、料理の品目は、料理の重量や食材の形態の違いによっても異なる。つまり、互いに同一の料理(例えば、白身魚)であっても、それらに含まれる食材の形態が異なる場合には、互いに異なる品目となる。
【0098】
献立振り分け処理部63は、注文情報取得部61によって取得された注文情報に基づき、各献立の配膳準備に必要とされるライン作業の実施を補助するための処理(以下、献立振り分け処理という。)を実行する。
【0099】
後に詳述するように、献立振り分け処理には、注文情報に基づき、各献立を取り扱う処理ラインを複数のラインの中から選択する処理が含まれる。処理ラインの選択結果は、図7中に二点鎖線で示すように、注文情報に付加される。また、献立振り分け処理には、作業者29A-29Dに対する指示情報の出力や、献立振り分け装置5のオペレータ(システムの管理者を含む)に対する管理情報の出力も含まれる。
【0100】
また、献立振り分け装置5において、コード情報取得部65は、バーコードリーダ30A-30Dによってそれぞれ読み取られたバーコードの情報を取得する。バーコードとしては、二次元バーコードを用いることができる。献立振り分け処理部63は、それらのバーコードの情報に基づき、配膳準備システム1におけるライン作業の状況や各料理の処理状況(すなわち、各献立の配膳準備の進捗度合い)を把握することができる。
【0101】
更に、献立振り分け装置5において、入力情報取得部67は、オペレータによって入力された情報を取得する。
【0102】
なお、図6に示された献立振り分け装置5の各機能の少なくとも一部は、次に示すプロセッサ等の処理によって実現される。図8は、実施形態に係る献立振り分け装置5のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0103】
献立振り分け装置5は、公知のハードウェア構成を有するコンピュータからなる。献立振り分け装置5は、プロセッサ71、RAM72、ROM73、ストレージ74、表示装置(振り分け情報出力装置)75、入力装置76、及び通信インタフェース(I/F)77を備える。
【0104】
プロセッサ71は、所定の制御プログラムに基づき、献立振り分け処理を統括的に実行する。RAM72は、プロセッサ71のワークエリア等として機能する揮発性メモリである。ROM73は、プロセッサ71が実行する制御プログラムや必要なデータを格納する不揮発性メモリである。ストレージ74は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等からなり、献立振り分け処理に必要な情報を格納する。表示装置75は、液晶ディスプレイ等からなり、献立振り分け処理に関する情報を表示する。入力装置76は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の入力デバイスからなる。通信インタフェース77は、ネットワークに接続され、他の装置との通信を実行する。
【0105】
献立振り分け装置5は、ライン用ディスプレイ28A-28Dおよびバーコードリーダ30A-30Dと通信可能に接続されている。
【0106】
なお、献立振り分け装置5の機能を複数の情報処理装置によって実現することも可能である。例えば、献立振り分け装置5の機能の一部がネットワーク7に接続されたサーバによって実現されてもよい。
【0107】
図9は、図6に示した献立振り分け装置5による献立振り分け処理の流れを示すフロー図である。図10は、図9に示した料理の計数処理(ST102)の結果の一例を示す説明図である。図11(A)-(C)は、図9に示した作業指示の出力(ST107)の第1の例を示す説明図である。図12は、図9に示した作業指示の出力(ST107)の第2の例を示す説明図である。
【0108】
図9に示すように、献立振り分け装置5は、病院2の注文端末6から送信された注文情報を取得する(ST101)。取得された注文情報は、ストレージ74(図8参照)に格納される。ステップST101において、献立振り分け装置5が病院2から受け取る注文情報は電子的な情報である必要はない。例えば、オペレータは、紙に記載された複数の献立の注文を病院から受け取り、その紙の情報に基づき、入力装置76(図8参照)に注文情報を直接入力することもできる。
【0109】
献立振り分け装置5による注文情報の取得は、任意のタイミングで行われる。例えば、献立振り分け装置5は、朝食、昼食、及び夕食の注文情報を注文端末6から異なるタイミングで受信してもよい。また、献立振り分け装置5は、同時期に複数の病院からそれぞれ複数の注文情報を取得することもできる。
【0110】
続いて、献立振り分け処理部63(図6参照)は、注文情報の各献立に含まれる各料理について、料理別に注文数を計数する(ST102)。このとき、処理すべき注文情報が複数存在する場合には、それら全ての注文情報に含まれる各料理について、料理別に注文数が計数される。
【0111】
そこで、献立振り分け処理部63は、処理ラインを選択する或る献立(例えば、図7に示した常食A)を構成する各料理について、料理別の注文数の総計が閾値以上であるか否かを判定する(ST103)。そこで、全ての料理について、料理別の注文数の総計が閾値以上である場合には、当該献立の処理ラインとしてメインライン11が選択される(ST104)。一方、当該献立において少なくとも1つの料理の注文数が閾値未満である場合には、当該献立の処理ラインとしてサブライン12が選択される(ST105)。処理ラインの選択結果は、ストレージ74に格納された注文情報に付加される。
【0112】
なお、ステップST103で用いる閾値は、料理の種類毎に設定されてもよい。例えば、主食、主菜、及び副菜(ここでは、副菜1、副菜2を含む)について、それぞれ異なる閾値が設定されてもよい。これにより、料理の種類に応じて適切な閾値を設定可能となり、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0113】
ステップST103で計数される料理の種類(主食、主菜、副菜1、及び副菜2など)は、処理ラインの選択に用いるべき料理の種類として予め設定されたものである。つまり、ステップST102の計数処理およびステップST103の判定処理は、必ずしも喫食者の献立に含まれる全ての料理について行われる必要はない。例えば、献立にデザートが含まれる場合でも、デザートはステップST102の計数処理およびステップST103の判定処理から除外され得る。
【0114】
ここで、一例として、図7に示した入院患者Aの献立について、処理ラインの選択方法を説明する。
【0115】
ステップST102において計数される料理別の注文数は、主食、主菜、副菜1、及び副菜2について、例えば、図10の(A)-(D)に示すように計数される。ここでは、主食、主菜、副菜1、及び副菜2に属する料理別の注文数の閾値は50(同一値)に設定されている。
【0116】
入院患者Aの献立の常食Aには、主食としての米飯260(注文数70)、主菜としての白身魚(注文数210)、副菜1としての昆布の炒め煮(注文数150)、及び副菜2としてのもやし和え(注文数150)が含まれる。それらの注文数は、図10の(A)-(D)に示すように全て閾値以上である。
【0117】
したがって、献立振り分け処理部63は、入院患者Aの献立の処理ラインとしてメインライン11を選択する。
【0118】
なお、図10の(A)-(D)では、注文数が閾値以上である料理が太枠で囲まれている。入院患者Aの献立と同様に、他の献立についても、その太枠内の料理で全て構成される場合、それらの処理ラインとしてメインライン11が選択される。
【0119】
このように、献立を構成する主要な料理(主食、主菜、及び副菜)に基づき処理ラインが選択されるため、メインライン11またはサブライン12に献立の各々を容易に振り分けることが可能となる。
【0120】
一方、各献立には、計数の対象外となる料理が含まれてもよい。この場合、特定の料理の種別(例えば、デザートや飲料に属する全ての料理)または特定の料理の品目(例えば、包装容器に入れられたプリンや牛乳)が対象外とされ得る。特に、共有ライン36において、トレイ22A、22Bに載置され得る付加的な料理(例えば、デザート、飲料)は計数の対象外とするとよい。これより、自動排出棚15A-15Dで取り扱われない付加的な料理の注文数が処理ラインの選択に悪影響を及ぼすことを回避できる。
【0121】
また、計数の対象外となる料理には、上記のような付加的な料理に限らず、主要な料理(例えば、主食、主菜、及び副菜)のうちの一部が含まれてもよい。その場合、計数の対象となった主要な料理のみが、メインライン11においてトレイ22Aに載置される。一方、計数の対象外とされた主要な料理は、共有ライン36において、対応するトレイ22Aに載置(すなわち、計数の対象となった主要な料理が配置されたトレイ22Aに追加)される。
【0122】
再び図9を参照すると、ステップST104またはステップST105によって処理ラインが選択されると、献立振り分け処理部63は、その処理ラインの選択結果を表示装置75(図8参照)に出力する(ST106)。これにより、配膳準備システム1のオペレータは、処理ラインの選択の結果を容易に把握することができる。
【0123】
また、献立振り分け処理部63は、処理ラインの選択結果に応じて、作業者29A-29Dに対する指示情報を、それぞれライン用ディスプレイ28A-28Dに出力する(ST107)。なお、ステップST107の処理は、作業者29A-29Dの作業状況に応じた適切なタイミングで実行され得る。
【0124】
ステップST107において、例えば図11(A)に示すように、ディスプレイ28Aには、作業者29Aへの指示情報として画像が表示される。この画像には、対応する献立に従ってトレイ22Aに載置されるべき料理42A-42Dが示されている。図11(A)では、料理42A-42Dは、蓋付きの容器に収容された状態で示されている。これにより、作業者29Aは、その画像にしたがって空のトレイ22Aに料理42A-42Dをそれぞれ容易かつ確実に配置することが可能となる。
【0125】
また、例えば図11(B)に示すように、ディスプレイ28Aに指示情報として示される料理42A-42Dの画像は、容器の蓋が外れた状態であってもよい。これにより、作業者29Aは、トレイ22Aに載置されるべき料理42A-42D(すなわち、容器の中身)が、献立に合致したものであるかを確認することが可能となる。
【0126】
また、例えば図11(C)に示すように、ディスプレイ28Aには、作業者29Aへの指示情報として、各喫食者に対応づけられた献立に関する情報を表示してもよい。ここでは、献立に関する情報として、食札の画像145や、食札から抽出された抽出情報47が表示された例を示す。抽出情報47には、主として文字情報が含まれるが、ここでは、料理の品目、並びにそれらの料理が温かい状態で提供されることを示す記号(図中の丸で囲まれた「温」を参照)、及びそれらの料理が冷たい状態で提供されることを示す記号(図中の丸で囲まれた「冷」を参照)も含まれている。ただし、ディスプレイ28Aに表示される献立に関する情報は、少なくとも献立を構成する複数の料理に関する情報を含めばよく、図11(C)に示した例に限定されない。
【0127】
また、図11(C)の例では、ディスプレイ28Aの画面の左側のエリアに現在の処理対象の献立に関する情報が表示されるとともに、画面の右側のエリアに次に処理対象となる献立に関する情報が表示されている。これにより、作業者29Aは、現在の作業内容のみならず、次の作業内容を事前に確認することができる。
【0128】
ディスプレイ28Aでは、例えば、図11(A)-(C)に示した表示内容のいずれかが表示される。ディスプレイ28Aでは、図11(A)-(C)に示した表示内容が、所定の時間間隔で順次切り替わるように表示されてもよい。また、図11(A)-(C)に示した表示内容は、ディスプレイ28Aに限らず、ディスプレイ28B、28Cにも同様に表示され得る。さらに、例えば、ディスプレイ28A-28Cには、作業者29Aへの指示情報として異なる内容を表示させることも可能である。例えば、ディスプレイ28A-28Cには、図11(A)-(C)の表示内容がそれぞれ個別に表示されてもよい。
【0129】
また、ステップST107において、例えば図12に示すように、ディスプレイ28Dには、作業者29Dへの指示情報として一覧表が示される。この一覧表には、自動排出棚15Aに補給すべき料理の優先度が示されている。これにより、作業者29Dは、その一覧表にしたがって自動排出棚15Aへの料理の補給を適切に行うことが可能となる。料理の優先度は、例えば、各料理の必要数(注文数のうちの未処理分)と自動排出棚15Aにおける収容数との比またはそれらの差分に基づき決定され得る。なお、自動排出棚15B-15Dについても自動排出棚15Aの場合と同様である。
【0130】
次に、注文情報に含まれる全ての献立について処理ラインの選択等の処理が完了したか否かが判定され(ST108)、未処理の献立が存在する場合(No)には、再びステップST103が実行される。最終的に全ての献立の処理が完了すると(ST108のYes)、献立振り分け処理は終了する。
【0131】
このように、配膳準備システム1では、複数の料理に関する料理別の注文数に基づき、ライン作業に用いられるメインライン11またはサブライン12に各献立を適切に振り分ける(すなわち、処理ラインとして選択する)ことが可能となるため、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下を抑制することができる。
【0132】
また、配膳準備システム1では、比較的作業者の多いサブライン12、または、少なくとも一部のライン作業が自動化されることにより比較的作業者の少ない(または作業者が存在しない)メインライン11が処理ラインとして選択されるため、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0133】
また、配膳準備システム1では、料理別の注文数が閾値以上である料理のみを含む献立が、自動化の程度がサブライン12よりも高い(すなわち、同一の料理を多数処理するのにより適している)メインライン11で取り扱われるため、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0134】
なお、献立振り分け装置5は、ステップST101においてストレージ74に格納した注文情報を補正することもできる。
【0135】
例えば、喫食者が大腿部骨折患者の場合、手術直後から数日ごとに回復具合に応じて、献立が変更される。手術直後の患者は発熱することが多いため、普通の食事よりも量が少なく且つ消化に良い形状の食材が用いられる。大腿部骨折は外傷のために回復が早く、患者の献立は日々普通の食事に近づく。献立振り分け装置5は、その患者の献立の変化(すなわち、病院による献立の判断)をデータとしてストレージ74に蓄積する。蓄積されるデータは、例えば、患者の献立の受注開始日からその患者の退院までのデータである。献立振り分け装置5は、その蓄積されたデータに基づき大腿部骨折患者の献立の将来的な変化を推測することにより、ストレージ74に格納した注文情報における献立の少なくとも一部を補正することができる。この補正は、注文の変更(すなわち、注文情報を受信した後の献立の変更)が生じる可能性が高いと判断された場合に、適当なタイミングで実行され得る。注文の変更が生じる可能性は、現在の注文情報における大腿部骨折患者の献立と、推測された献立との比較により判断できる。また、補正は、同一の病院のみならず、他の病院の大腿部骨折患者の献立にも実行可能である。
【0136】
図13は、図9に示した献立振り分け処理の変形例を示すフロー図である。
【0137】
図13に示す献立振り分け処理では、図9に示したステップST101、ST104-ST108とそれぞれ同様のステップST202、ST204-ST208が実行される。以下、図13に示す献立振り分け処理について、図9に示した献立振り分け処理と同様の事項については詳細な説明を省略する。
【0138】
変形例において、ステップST202では、献立振り分け処理部63(図8参照)は、注文情報に含まれる各献立について、献立別に注文数を計数する。このとき、処理すべき注文情報が複数存在する場合には、それら全ての注文情報に含まれる各献立について、献立別に注文数が計数される。
【0139】
また、ステップST203では、献立振り分け処理部63は、処理ラインを選択する或る献立(例えば、図2に示した常食A)について、献立別の注文数の総計が閾値以上であるか否かを判定する。そこで、当該献立について、献立別の注文数の総計が閾値以上である場合には、当該献立の処理ラインとしてメインライン11が選択される(ST204)。一方、当該献立について、献立別の注文数の総計が閾値未満である場合には、当該献立の処理ラインとしてサブライン12が選択される(ST205)。処理ラインの選択結果は、ストレージ74に格納された注文情報に付加される。
【0140】
ここで、一例として、図7に示した入院患者Aの献立について、処理ラインの選択方法を説明する。
【0141】
ステップST202による献立別の注文数は、図14のよう計数される。ここでは、注文数の閾値は50に設定されている。入院患者Aの献立の「常食A」の注文数は、閾値50以上の100である。したがって、献立振り分け処理部63は、入院患者Aの献立の処理ラインとしてメインライン11を選択する。なお、図14では、注文数が閾値以上である献立が太枠で囲まれている。入院患者Aの献立と同様に、その太枠内にある他の献立についても、それらを構成する料理の処理ラインとしてメインライン11が選択される。
【0142】
このように、配膳準備システム1では、複数の献立に関する献立別の注文数に基づき、ライン作業に用いられるメインライン11またはサブライン12に各献立を適切に振り分けることが可能となるため、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下を抑制することができる。
【0143】
また、配膳準備システム1では、注文数が閾値以上である献立が、ライン作業の自動化の程度がサブライン12よりも高いメインライン11で取り扱われるため、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0144】
別法として、上述のステップST202において、ステップST102で計数した料理別の注文数を更に計数し、ST203において、料理別の注文数および献立別の注文数がともにそれぞれの閾値以上である場合にのみ、ステップST204に進む構成も可能である。
【0145】
以上、本開示を特定の実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施の形態はあくまでも例示であって、本開示はこれらの実施の形態によって限定されるものではない。
【0146】
例えば、上述の実施形態におけるバーコードの代わりに、他の情報読み取り装置(例えば、RFID及びRFIDリーダ)を用いてもよい。
【0147】
また、ライン、自動排出棚、補助運搬装置などの各構成要素は組み合わせ自在でありこれらを組み合わせることで最適な生産能力の配膳準備システムを提供することができる。上述の実施形態では、2つのライン(メインライン11、サブライン12)から処理ラインが選択されるが、3以上のラインから処理ラインが選択されてもよい。さらに、上述の実施形態では、4つの自動排出棚(15A-15D)がメインラインに配置されているが、4つの自動排出棚を2セット配置し料理配置部(23)を2つ設けても良い。
【0148】
なお、上記実施の形態に示した本開示に係る献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システムの各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本開示に係る献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システムは、複数の献立をそれぞれ構成する複数の料理を組み合わせるためのライン作業が行われる配膳準備場において、各献立に従って複数の料理を組み合わせる作業の効率の低下を抑制する効果を有し、ライン作業に用いられる複数のラインのいずれかに各献立を振り分ける献立振り分け装置及びこれを用いた配膳準備システムなどとして有用である。
【符号の説明】
【0150】
1 :配膳準備システム
2 :病院
5 :献立振り分け装置
6 :注文端末
7 :ネットワーク
11 :メインライン(第1ライン)
12 :サブライン(第2ライン)
15A-15D:自動排出棚(第1の料理収容棚)
21 :メインコンベア(ライン作業用コンベア)
21A :中間部
22A、22B:トレイ
23 :料理配置部
26 :第1補助運搬装置
27 :第2補助運搬装置
28A-28D:ライン用ディスプレイ(指示情報出力装置)
29A-29D:作業者
30A-30D:バーコードリーダ
31 :サブコンベア
33 :トレイ収容ラック
34 :料理収容ラック(第2の料理収容棚)
35 :料理配置部
36 :共有ライン
36A :下流端
41 :料理収容部
42A-42D:料理
43 :昇降テーブル
45 :料理排出路
46、48:保護ケース
49A、49B:補助コンベア
50A、50B:補助コンベア
57 :表示灯
58 :配膳用カート
61 :注文情報取得部
63 :献立振り分け処理部
65 :コード情報取得部
67 :入力情報取得部
71 :プロセッサ
74 :ストレージ
75 :表示装置(振り分け情報出力装置)
76 :入力装置
図1
図2
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図14