(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
E04G 9/10 20060101AFI20241025BHJP
E04G 9/04 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
E04G9/10 101A
E04G9/04
(21)【出願番号】P 2020129605
(22)【出願日】2020-07-30
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳井 修司
(72)【発明者】
【氏名】坂本 守
(72)【発明者】
【氏名】池元 康彦
(72)【発明者】
【氏名】酒井 秀樹
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-044959(JP,U)
【文献】特開平08-326308(JP,A)
【文献】特開平02-153163(JP,A)
【文献】特開平11-093407(JP,A)
【文献】特開2018-065294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 7/00-7/46
E02D27/00-27/52
E04G 9/00-21/10
25/00-25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート打設面と、前記コンクリート打設面に隣接して前記コンクリート打設面と交差する型枠側面と、を有する木製の型枠に取り付けられる樹脂製の型枠用シートであって、
前記コンクリート打設面の全面に対向する打設面対向部と、
前記打設面対向部に連続して前記型枠側面に対向する側面対向部と、を備え
、
前記打設面対向部は長方形状をしており、
前記打設面対向部の長辺を介して隣接する前記側面対向部と前記打設面対向部との境界と、前記打設面対向部の短辺を介して隣接する前記側面対向部と前記打設面対向部との境界とからなるL字状の罫線を有し、
前記罫線が形成されていない側の前記打設面対向部の長辺及び短辺に沿ってL字状の折曲線が形成されており、
前記側面対向部のうち前記罫線で折れ曲がる部分の曲率半径は、前記折曲線で折れ曲がる部分の曲率半径よりも小さい
型枠用シート。
【請求項2】
前記側面対向部の面積は、前記型枠側面の面積の80%以上でかつ95%以下である
請求項1記載の型枠用シート。
【請求項3】
木製の型枠と、前記型枠に取り付けられた樹脂製の型枠用シートと、を備える型枠ユニットであって、
前記型枠は、コンクリート打設面と、前記コンクリート打設面に隣接して前記コンクリート打設面と交差する型枠側面と、を有し、
前記型枠用シートは、前記コンクリート打設面の全面に対向する打設面対向部と、前記打設面対向部に連続して前記型枠側面に対向する側面対向部と、を有し、
前記打設面対向部は長方形状をしており、
前記打設面対向部の長辺を介して隣接する前記側面対向部と前記打設面対向部との境界
と、前記打設面対向部の短辺を介して隣接する前記側面対向部と前記打設面対向部との境界とからなるL字状の罫線を有し、
前記罫線が形成されていない側の前記打設面対向部の長辺及び短辺に沿ってL字状の折曲線が形成されており、
前記側面対向部のうち前記罫線で折れ曲がる部分の曲率半径は、前記折曲線で折れ曲がる部分の曲率半径よりも小さい
型枠ユニット。
【請求項4】
前記コンクリート打設面と前記打設面対向部との間に、樹脂製の中空構造体を有する
請求項3記載の型枠ユニット。
【請求項5】
木製の型枠と、前記型枠に取り付けられた樹脂製の型枠用シートと、を備える型枠ユニット
の製造方法であって、
前記型枠は、コンクリート打設面と、前記コンクリート打設面に隣接して前記コンクリート打設面と交差する型枠側面と、を有し、
前記型枠用シートは、前記コンクリート打設面の全面に対向する打設面対向部と、前記打設面対向部に連続して前記型枠側面に対向する側面対向部と、を有する
ものであり、
前記製造方法は、折曲線形成工程を有し、
前記折曲線形成工程は、前記打設面対向部と前記側面対向部との間の境界に折曲線を形成する工程であり、
前記打設面対向部は、長方形状をして、前記打設面対向部の長辺を介して隣接する前記側面対向部と前記打設面対向部との境界と、前記打設面対向部の短辺を介して隣接する前記側面対向部と前記打設面対向部との境界とからなるL字状の罫線を有するものであり、
前記打設面対向部を前記コンクリート打設面に重なるように合わせるにあたり、前記罫線にて前記打設面対向部に対して折り曲がった前記側面対向部を前記型枠側面に当てて、前記側面対向部をガイドとする、
型枠ユニット
の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート用型枠が知られている(例えば特許文献1参照)。このコンクリート用型枠は、木製の枠体の片面に木製の堰板が取り付けられて構成される。堰板は、枠体の片面に取り付けられる木製の板材と、この木製の板材のコンクリートと接触する面に取り付けられるプラスチック製の板材と、により構成される。木製の板材の表面に直接コンクリートが打ち込まれると、板材の表面にコンクリートが付着して、コンクリートが板材の表面から剥離しにくい。そこで、堰板のコンクリートと接触する面に、プラスチック製の板材を設け、コンクリートが木製の板材の表面に直接接触しないようにすることで、堰板がコンクリートから剥離しやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したコンクリート用型枠は、コンクリートを打ち込む空間を囲むように並べて設置されることが多い。コンクリート用型枠が並べて設置されているところにコンクリートを打ち込むと、コンクリートは、隣接するコンクリート用型枠の間の隙間に進入しやすい。このような施工において上述したコンクリート用型枠が使用されると、木製の枠体の側面にコンクリートが付着して、コンクリートがコンクリート用型枠から剥離しにくい。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、型枠のコンクリート打設面と隣接する側面にコンクリートが付着しても、コンクリートを剥離しやすい型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る一形態の型枠用シートは、コンクリート打設面と、前記コンクリート打設面に隣接して前記コンクリート打設面と交差する型枠側面と、を有する木製の型枠に取り付けられる樹脂製の型枠用シートである。前記型枠用シートは、前記コンクリート打設面の全面に対向する打設面対向部と、前記打設面対向部に連続して前記型枠側面に対向する側面対向部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る一形態の型枠ユニットは、木製の型枠と、前記型枠に取り付けられた樹脂製の型枠用シートと、を備える型枠ユニットである。前記型枠は、コンクリート打設面と、前記コンクリート打設面に隣接して前記コンクリート打設面と交差する型枠側面と、を有する。前記型枠用シートは、前記コンクリート打設面の全面に対向する打設面対向部と、前記打設面対向部に連続して前記型枠側面に対向する側面対向部と、を有する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る一形態の型枠ユニットの製造方法は、木製の型枠と、前記型枠に取り付けられた樹脂製の型枠用シートと、を備える型枠ユニットの製造方法である。前記型枠は、コンクリート打設面と、前記コンクリート打設面に隣接して前記コンクリート打設面と交差する型枠側面と、を有し、前記型枠用シートは、前記コンクリート打設面の全面に対向する打設面対向部と、前記打設面対向部に連続して前記型枠側面に対向する側面対向部と、を有するものである。
【0009】
前記製造方法は、仮固定工程及び折曲線形成工程を有する。前記仮固定工程は、前記型枠用シートを前記型枠の所定の位置に仮止めする工程である。前記折曲線形成工程は、前記打設面対向部と前記側面対向部との間の境界に折曲線を形成する工程である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法にあっては、型枠のコンクリート打設面と隣接する側面にコンクリートが付着しても、コンクリートを剥離しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aは、第一実施形態に係る型枠の斜視図である。
図1Bは、同上の型枠の底面図である。
【
図2】
図2Aは、同上の実施形態に係る型枠用シートの平面図である。
図2Bは、同上の型枠用シートに罫線を形成した状態の斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の実施形態に係る型枠ユニットの斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の実施形態に係る仮固定工程を説明する型枠ユニットの一部斜視図である。
【
図5】
図5Aは、同上の実施形態に係る折曲線形成工程を説明する型枠ユニットの一部斜視図である。
図5Bは、同上の折曲線形成工程により折曲線が形成された型枠ユニットの一部斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の実施形態に係る除去工程を説明する型枠ユニットの一部斜視図である。
【
図7】
図7Aは、第二実施形態に係る型枠ユニットの斜視図である。
図7Bは、同上の型枠ユニットの断面図である。
図7Cは、同上の型枠ユニットの中空構造体の破断面を含む斜視図である。
【
図8】
図8は、変形例に係る型枠用シートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法に関し、更に詳しくは、コンクリート打設面と型枠側面とを有する木製の型枠に取り付けられる樹脂製の型枠用シート及び、この型枠用シートが取り付けられた型枠に関する。以下、本発明に係る型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0013】
第一実施形態に係る型枠用シート、型枠ユニット及び型枠ユニットの製造方法について、
図1A~
図6に基いて説明する。まず、型枠について
図1A及び
図1Bに基づいて説明する。
【0014】
型枠1は、コンクリートを打設する際に使用される、木製の枠である。具体的には、型枠1は、無垢の木材により製造されるのが好ましいが、合板やMDF(Medium Density Fiberboard)といった繊維板等からなる木質材により製造されてもよい。型枠1は、コンクリート打設面11と、コンクリート打設面11に隣接してコンクリート打設面11と交差する型枠側面12と、を有する。
【0015】
第一実施形態では、型枠1は、堰板部13と、桟木14とを有する。堰板部13は、木製の平板である。堰板部13は、板面に直交する方向から見て(正面視という)、長方形状をしている。堰板部13の一方の板面が、コンクリート打設面11となる。コンクリート打設面11は平面である。桟木14は、堰板部13のコンクリート打設面11と反対側の板面(裏面という)に取り付けられる。
【0016】
桟木14は、木製の棒状部材により構成される。桟木14は、堰板部13の両方の長辺に沿った端部にそれぞれ取り付けられる。桟木14は、長手方向に直交する断面が長方形状をしており、四つの側面のうちの一つである平面が堰板部13の裏面に取り付けられる。桟木14の長手方向の長さは、堰板部13の長辺の長さと同じに形成される。堰板部13のコンクリート打設面11の長辺を介して隣接する側面と、この側面に連続する桟木14の側面と、により、長辺側の型枠側面121が構成される。堰板部13のコンクリート打設面11の短辺を介して隣接する側面と、この側面に連続する桟木14の長手方向の端面と、により、短辺側の型枠側面122が構成される。型枠側面12は、長方形状をした平面である。
【0017】
次に、型枠用シート2について
図2Aに基づいて説明する。
【0018】
型枠用シート2は、型枠1の主にコンクリート打設面11を覆う、樹脂製のシートである。型枠用シート2は、型枠1に取り付けられる。第一実施形態では、型枠用シート2は、ポリプロピレンからなる厚さ0.4mmのシートにより構成されている。型枠用シート2は、打設面対向部21と、側面対向部22と、を備える。
【0019】
打設面対向部21は、コンクリート打設面11の全面に対向する部分である。打設面対向部21は、コンクリート打設面11と同じ形状でかつ同じ大きさの長方形状をしている。すなわち、打設面対向部21は、コンクリート打設面11に過不足なく対応している。
【0020】
側面対向部22は、打設面対向部21に連続する。側面対向部22は、型枠側面12に対向する部分である。第一実施形態では、側面対向部22としては、型枠1の長辺側の型枠側面121に対向する長辺側の側面対向部221と、型枠1の短辺側の型枠側面122に対向する短辺側の側面対向部222と、が設けられる。
【0021】
第一実施形態では、長辺側の側面対向部221の長手方向の長さは、長辺側の型枠側面121の長手方向の長さと同じに形成され、短辺側の側面対向部222の長手方向の長さは、短辺側の型枠側面122の長手方向の長さと同じに形成される。また、長辺側の側面対向部221の短手方向の長さは、長辺側の型枠側面121の短手方向の長さと同じに形成され、短辺側の側面対向部222の短手方向の長さは、短辺側の型枠側面122の短手方向の長さと同じに形成される。すなわち、長辺側の側面対向部221は、長辺側の型枠側面121と同じ形状でかつ同じ大きさの長方形状をしており、短辺側の側面対向部222は、短辺側の型枠側面122と同じ形状でかつ同じ大きさの長方形状をしている。側面対向部22の面積は、型枠側面12の面積と同じである。なお、側面対向部22の面積は、型枠側面12の面積より小さくてもよく、例えば型枠側面12の面積の80%以上でかつ95%以下でもよい。
【0022】
上述した型枠用シート2は型枠1に取り付けられて、型枠1及び型枠用シート2を有する、
図3に示す型枠ユニット3が構成される。型枠ユニット3の製造方法について説明する。
【0023】
型枠ユニット3の製造方法は、型枠1の準備工程、型枠用シート2の準備工程及び取付工程を有する。
【0024】
(1)型枠1の準備工程
型枠1の準備工程は、施工現場に持ち込む型枠1を準備する工程である。型枠1を準備するとは、型枠1を製造したり、型枠1を購入等により入手したりして、型枠1の完成品を準備することである。第一実施形態では、型枠1の準備工程は、型枠1を製造する工程である。この工程は、堰板部13の準備工程、桟木14の準備工程及び堰板部13への桟木14の取付工程を有する。
【0025】
(1.1)堰板部13の準備工程
堰板部13の準備工程は、木製の板材より、堰板部13となる所定の形状及び所定の大きさの部分を切り出して、堰板部13を形成する工程である。
【0026】
(1.2)桟木14の準備工程
桟木14の準備工程は、桟木14の断面形状と同じ断面形状を有する長尺の棒状部材を所定の長さに切断して、桟木14を形成する構成である。なお、堰板部13の準備工程と桟木14の準備工程の順序は任意であり、これらの工程は同時に行われてもよい。
【0027】
(1.3)堰板部13への桟木14の取付工程
堰板部13への桟木14の取付工程は、桟木14を堰板部13の裏面の所定の位置に取り付ける工程である。桟木14の堰板部13への取り付けは、例えば、桟木14を堰板部13の裏面に接着剤を介して取り付けて、桟木14を堰板部13に固定する。あるいは、堰板部13のコンクリート打設面11側より釘を打ち込んで、桟木14を堰板部13の裏面に取り付けて、桟木14を堰板部13に固定する。桟木14の堰板部13への取り付け方法は、限定されない。以上のようにして、型枠1の完成品が得られる。
【0028】
(2)型枠用シート2の準備工程
型枠用シート2の準備工程は、施工現場に持ち込む型枠用シート2を準備する工程である。第一実施形態では、型枠用シート2の準備工程は、原形作成工程及び罫線作成工程を有する。
【0029】
(2.1)原形作成工程
原形作成工程は、樹脂製の大きなシートより、型枠用シート2となる所定の形状及び所定の大きさの部分を切り出して、型枠用シート2の原形となる部分を作成する工程である。原形作成工程は、トムソン刃を使用したトムソン加工により行われる。トムソン加工を行うトムソン加工装置については、様々なものが公知であり、これらが適宜利用可能であるため、説明を省略する。
【0030】
型枠用シート2の原形となる部分は、打設面対向部21となる部分と側面対向部22となる部分を含む部分である。型枠用シート2の原形となる部分は、様々な形状や大きさの型枠1に対応できるように、使用されると想定される型枠1よりも大きく形成されてもよい。具体的には、
図2Aに示すように、型枠用シート2の原形となる部分は、打設面対向部21を中心として、各辺に側面対向部22を有する略十字状に形成される。すなわち、四隅に切欠28が形成された長方形状に形成される。
【0031】
(2.2)罫線作成工程
罫線作成工程は、打設面対向部21の長辺を介して隣接する側面対向部22と打設面対向部21との境界に罫線23を形成する工程である。罫線作成工程は、特殊なトムソン刃を使用したトムソン加工により行われる。特殊なトムソン刃は、先端が鋭利とならずに丸みを帯びている。このような特殊なトムソン刃を使用したトムソン加工では、型枠用シート2の原形となる部分は切断されず、罫線23となる薄肉部が形成される。
【0032】
罫線23は、打設面対向部21の一方の長辺側の長辺側の側面対向部221と打設面対向部21との境界と、これに隣接する一方の短辺側の短辺側の側面対向部222と打設面対向部21との境界とに形成され、L字状をなす。罫線23は、打設面対向部21に対して側面対向部22を折り曲げやすくするために形成される。
【0033】
トムソン加工を行う罫線作成工程により、
図2Bに示すように、罫線23で一方の長辺側の側面対向部221と一方の短辺側の側面対向部222とが打設面対向部21に対して折れ曲がった型枠用シート2が形成される。以上のようにして、型枠用シート2が得られる。なお、型枠1の準備工程と型枠用シート2の準備工程の順序は任意であり、これらの工程は同時に行われてもよい。
【0034】
(3)取付工程
取付工程は、型枠用シート2を型枠1に取り付ける工程である。第一実施形態では、取付工程は、仮固定工程、折曲線形成工程、本固定工程及び除去工程を有する。
【0035】
(3.1)仮固定工程
仮固定工程は、型枠用シート2を型枠1の所定の位置に仮止めする工程である。この工程では、まず、型枠用シート2の打設面対向部21のコンクリート打設面11を向く面に、両面テープ(不図示)を貼り付ける。次に、
図4に示すように、L字状をした罫線23の角部の位置を、コンクリート打設面11の角部の位置に合わせる。これにあたっては、打設面対向部21に対して折れ曲がった長辺側の側面対向部221及び短辺側の側面対向部222を、長辺側の型枠側面121及び短辺側の型枠側面122にそれぞれ当てることで、容易に位置合わせを行うことができる。すなわち、長辺側の側面対向部221及び短辺側の側面対向部222は位置合わせのガイドとして機能する。
【0036】
位置合わせの後、両面テープを介して打設面対向部21をコンクリート打設面11に貼り付ける。長辺側の側面対向部221と打設面対向部21との間の罫線23(
図2B参照)は、コンクリート打設面11の一方の長辺に合わせられ、短辺側の側面対向部222と打設面対向部21との間の罫線23は、コンクリート打設面11の一方の短辺に合わせられる。
【0037】
(3.2)折曲線形成工程
折曲線形成工程は、罫線23が形成されていない側の打設面対向部21の長辺及び短辺に沿って、折曲線24を形成する工程である。折曲線24は、罫線23と同様に、打設面対向部21に対して側面対向部22を折り曲げやすくするために形成される。
図5Aに示すように、折曲線24は、作業者がけがき具25を使用して形成する。けがき具25としては、一般的に使用されるけがき針が使用される。
【0038】
作業者は、作業台の上に、型枠1が上側となるように型枠用シート2を載置する。そして、罫線23が形成されていない側の打設面対向部21の長辺及び短辺に沿って、長辺側の型枠側面121及び短辺側の型枠側面122をガイドとして、けがき具25によりけがいて折曲線24を形成する。これにより、
図5Bに示すように、打設面対向部21の全周にわたって、罫線23又は折曲線24のいずれかが形成される。罫線23で折れ曲がる側面対向部22の方が、折曲線24で折れ曲がる側面対向部22よりも大きく折れ曲がっていて、Rが小さい。なお、打設面対向部21と側面対向部22の境界に罫線23と折曲線24のいずれも形成されないと、施工現場で作業者が型枠用シート2の平坦な部分を手で折り曲げることとなる。この場合、型枠用シート2が型枠1のコンクリート打設面11及び型枠側面12に沿わず、コンクリート打設面11と型枠用シート2の打設面対向部21がずれて、コンクリート打設面11と打設面対向部21との間に隙間が形成されたり、打設面対向部21にしわが形成されるおそれがあるため、好ましくない。
【0039】
(3.3)本固定工程
本固定工程は、型枠用シート2を型枠1に本固定する工程である。仮固定工程では、両面テープにより型枠用シート2を型枠1に固定したのに対し、本固定工程では、タッカー(不図示)を使用して、ステイプル26(
図3参照)を、型枠用シート2を介して型枠1に打ち込むことにより、型枠用シート2を型枠1に固定する。
【0040】
(3.4)除去工程
除去工程は、型枠1に本固定した型枠用シート2の余分な部分を切除する工程である。型枠用シート2の余分な部分とは、第一実施形態では、型枠1の表面に沿っていない部分をいう。
図6に示すように、作業者は、切断具27により型枠用シート2を切断する。具体的には、短辺側の側面対向部222の一部をカッターナイフからなる切断具27により切除する。ここで、作業者は、堰板部13の端部及び桟木14の端部をガイドとして、切断具27により短辺側の側面対向部222を切断して、不要な部分を除去する。なお、型枠1の型枠側面12の上端(コンクリート打設面11に隣接する辺)から40cm以上でかつ60cm以下、好ましくは45cm以上でかつ55cm以下の部分に、側面対向部22を形成してもよい。折り曲げた長辺側の側面対向部221と短辺側の側面対向部222とが重なる部分は、切除して重ならないようにする。すなわち、長辺側の側面対向部221と短辺側の側面対向部222とが重なると、重なる部分で厚みが厚くなり、型枠ユニット3を並設した時に、これらの型枠ユニット3の間に隙間ができやすくなり、好ましくない。
【0041】
以上の工程により、取付工程が完了して、
図3に示す型枠ユニット3の完成品が製造される。第一実施形態の型枠ユニット3にあっては、型枠用シート2の側面対向部22が、型枠1の型枠側面12を覆っているため、並設された型枠ユニット3の間にコンクリートが進入して型枠側面12に直接接触し、コンクリートが型枠側面12から剥離しにくくなることを抑えることができる。型枠用シート2にコンクリートが付着してコンクリートが固化した場合でも、樹脂のコンクリートからの剥離性は良好であるため(少なくとも木材又は木質材からの剥離性と比較した場合)、型枠ユニット3からのコンクリートの剥離性は良好なものとなる。このため、従来、型枠1のコンクリート打設面11や型枠側面12に付着したコンクリートをヘラで削ぎ落していたところ、第一実施形態では、樹脂からなる打設面対向部21や側面対向部22に付着したコンクリートをタオル等で拭き取ることができ、コンクリートを型枠ユニット3から容易に剥離させやすいと共に、型枠ユニット3に傷がつきにくく、型枠ユニットに傷がついた場合には、シール材で傷がついた範囲を補修することができる。また、木製の型枠1の腐食を防止し、型枠1を長期間使用することができる。
【0042】
また、型枠ユニット3を並設する際には、互いに対向する側面対向部12の間に、樹脂製のシール材を設けるが好ましい。並設された型枠ユニット3の間にコンクリートが進入して型枠側面12に直接接触し、コンクリートが型枠側面12から剥離しにくくなることを抑えることができる。
【0043】
また、型枠1のコンクリート打設面11の外周の部分が欠けるのを防止できるため、複数の型枠1を並設した時に、型枠1間にコンクリート打設面11の外周の欠けに起因する隙間ができにくくなり、型枠1間にコンクリートが入りやすくなるのを防止できる。
【0044】
木製の型枠1と樹脂製の型枠用シート2は、材質の違いにより線膨張率や寸法公差が異なるため、事前に型枠用シート2に罫線23を加工して型枠1に型枠用シート2を貼ると、コンクリート打設面11と打設面対向部21が微妙にずれるおそれがある。このため、各型枠1に合わせて型枠用シート2を貼る必要がある。また、季節の違いによっても線膨張の程度が異なるため、各型枠1に合わせて型枠用シート2を貼る必要がある。
【0045】
また、側面対向部22の面積は、型枠側面12の面積と同じであり、側面対向部22は型枠側面12の全面を覆うため、型枠側面12にコンクリートが付着することを確実に抑えられる。また、型枠側面12を覆わず宙に浮くような部分が側面対向部22に生じないため、型枠ユニット3の取り扱いが容易となる。
【0046】
また、予め打設面対向部21と側面対向部22との境界に罫線23を形成するため、型枠用シート2が型枠1の表面に沿わずに型枠1から浮いた状態となるのを抑えやすい。
【0047】
また、罫線23がL字状をなしているため、長辺側の側面対向部221及び短辺側の側面対向部222がガイドとして機能して、打設面対向部21をコンクリート打設面11に重なるように合わせる位置合わせがしやすい。
【0048】
次に、第二実施形態について、
図7A~
図7Cに基いて説明する。なお、第二実施形態は、第一実施形態と大部分において同じであるため、第一実施形態と重複する説明については説明を省略し、主に第一実施形態と異なる部分について説明する。
【0049】
第一実施形態では、桟木14は、堰板部13の両方の長辺に沿った端部にのみ取り付けられるのに対して、第二実施形態では、桟木14は、堰板部13の両方の長辺及び短辺に沿った端部に取り付けられて、ロ字状に形成されている。これにより、型枠ユニット3の剛性及び強度が向上する。
【0050】
第一実施形態では、側面対向部22の面積は型枠側面12の面積と同じであったのに対し、第二実施形態では、側面対向部22の面積は、型枠側面12の面積の80%以上でかつ95%以下である。このように、側面対向部22の面積を型枠側面12の面積の95%以下とすることで、型枠1に本固定した型枠用シート2の余分な部分が形成されず、第一実施形態において必要であった除去工程が不要となる。更に、側面対向部22の面積を型枠側面12の面積の80%以上とすることで、型枠側面12にコンクリートが付着しにくくすることができ、型枠ユニット3のコンクリートの剥離性を良好に保つことができる。
【0051】
型枠ユニット3は、コンクリート打設面11と打設面対向部21との間に、樹脂製の中空構造体4を有する。中空構造体4は、
図7Cに示すように、ハニカム構造を有するコア層41と、コア層41の両面に溶着等により形成されるスキン層42と、を有する。このような中空構造体4としては、公知の様々な中空構造体が適宜利用可能であり、詳細な説明を省略する。型枠ユニット3が中空構造体4を有することにより、打設されたコンクリートを養生させる際の型枠ユニット3の保温性を向上させることができる。
【0052】
次に、変形例について説明する。
【0053】
型枠1は、木材及び木質材以外の材質を含んでもよく、例えばコンクリート打設面11の全面又は一部に樹脂コーティングを有してもよいが、少なくとも型枠側面12の一部に木材及び木質材が露出している。
【0054】
堰板部13(コンクリート打設面11)は、正面視において、長方形状ではなく、例えば正方形状や、四角形以外の形状をしてもよく、形状は限定されない。
【0055】
コンクリート打設面11は、平面でなくてもよい。
【0056】
桟木14は、堰板部13の短辺に沿った端部にのみ取り付けられてもよい。桟木14の断面形状は、長方形状ではなく、例えば正方形状や、四角形以外の形状をしてもよく、形状は限定されない。桟木14の長手方向の長さは、堰板部13の辺の長さと同じに形成されなくてもよい。
【0057】
型枠側面12は、長方形状をしていなくてもよいし、平面でなくてもよい。
【0058】
型枠用シート2は、透明な樹脂製のシートにより構成されてもよいし、半透明又は不透明な樹脂製のシートにより構成されてもよい。型枠用シート2の材質としては、ポリプロピレン以外にも例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、フッ素樹脂、シリコン添加樹脂等が好適に使用されるが、これらに限定されない。型枠用シート2の厚さは、特に限定されないが、0.3mm以上でかつ1.0mm以下であることが好ましく、0.4mm以上でかつ0.8mm以下であることがより好ましい。
【0059】
型枠用シート2を保管したり輸送したりするにあたっては、型枠用シート2を複数枚重ねて、対角の位置にある切欠28(
図2A参照)に紐等を引っ掛けて束ねてもよい。更に、このように束ねた型枠用シート2の束を、複数積み重ねてもよい。各型枠用シート2は平坦であるため、型枠用シート2の束は上面が略水平となるように寝かせられて、複数の束を積み重ねても崩れにくい。
【0060】
打設面対向部21は、コンクリート打設面11に完全に過不足なく対応していなくてもよく、コンクリート打設面11の一部を覆っていなくてもよい。
【0061】
打設面対向部21は、正面視において、長方形状ではなく、例えば正方形状や、四角形以外の形状をしてもよく、形状は限定されないが、コンクリート打設面11に対応した形状及び大きさをしている。
【0062】
側面対向部22は、正面視において、長方形状ではなく、例えば正方形状や、四角形以外の形状をしてもよく、形状は限定されない。
【0063】
型枠側面12の面積に対する側面対向部22の面積は、限定されない。
【0064】
図8に型枠用シート2の変形例を示す。この変形例では、型枠用シート2に、2種類のサイズの型枠1に合わせた罫線23が形成されている。まず、大きい方の型枠1に合わせて、第1の罫線231が形成されている。これは、第一実施形態における型枠1を本変形例の大きい方の型枠1としたものと概ね同じである。但し、第一実施形態における型枠用シート2は、
図2Aに示すように、罫線23が打設面対向部21の二辺にL字状に形成されていたのに対し、本変形例では、打設面対向部21の全周の四辺に形成されている点で異なる。更に、第一実施形態では、型枠用シート2の四隅に切欠28が形成されていたのに対し、本変形例では、四隅のうちの一箇所にのみ形成されている点で異なる。
【0065】
そして小さい方の型枠1に合わせて、第2の罫線232が形成されている。第2の罫線232は、打設面対向部21の四隅のうち切欠28が形成されている隅に小さい方の型枠1の一角部を合わせた時の型枠1の辺に対応する部分に、形成される。但し、打設面対向部21には第2の罫線232は形成されず、側面対向部22にのみ第2の罫線232が形成される。これにより、2種類のサイズの型枠1に対応することが可能となる。
【0066】
また、型枠用シート2の外周には、型枠1の大きさに合わせて折曲線24を入れて曲げ易くするために、ノッチ(スリット)を入れてもよい。
【0067】
原形作成工程において、シートロールから所定の大きさのシートを切り出して、そのシートをトムソン刃で打ち抜いて、型枠用シート2の原形となる部分を作成してもよい。この時、複数枚のシートを重ねてトムソン刃で打ち抜き、型枠用シート2の原形となる部分複数毎を同時に作成してもよい。また、トムソン刃ではなくプレス型によりシートを打ち抜いて、型枠用シート2の原形となる部分を作成してもよい。
【0068】
罫線作成工程は、トムソン刃を使用したトムソン加工により行われなくてもよく、他の方法により行われてもよい。
【0069】
上述した型枠ユニット3の製造方法は一例であり、型枠ユニット3の製造方法は上記の製造方法に限定されない。
【0070】
仮固定工程における型枠用シート2の型枠1への仮止めに、両面テープを使用しなくてもよく、代わりに例えば接着剤を使用してもよく、仮止め方法は限定されない。また、仮固定工程は任意の工程であり、取付工程において設けられなくてもよい。
【0071】
けがき具25としては、けがき針の代わりに、カッターナイフの背等、様々なものが適宜使用可能であり、特に限定されない。
【0072】
本固定工程における型枠用シート2の型枠1への本固定に、ステイプル26を使用しなくてもよく、代わりに例えば接着剤を使用してもよく、本固定の方法は限定されない。
【0073】
除去工程において、型枠用シート2を切断する方法は、カッターナイフにより切断する方法に限定されない。
【0074】
以上、述べた実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様は、コンクリート打設面11と、コンクリート打設面11に隣接してコンクリート打設面11と交差する型枠側面12と、を有する木製の型枠1に取り付けられる樹脂製の型枠用シート2である。型枠用シート2は、コンクリート打設面11の全面に対向する打設面対向部21と、打設面対向部21に連続して型枠側面12に対向する側面対向部22と、を備える。
【0075】
第1の態様によれば、側面対向部22が型枠側面12を覆うため、コンクリートが型枠側面12に直接付着しにくく、コンクリートが型枠側面12から剥離しにくくなることを抑え、型枠用シート2に付着したコンクリートを容易に剥離させることができる。
【0076】
第2の態様は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、側面対向部22の面積は、型枠側面12の面積の80%以上でかつ95%以下である。
【0077】
第2の態様によれば、側面対向部22の面積を型枠側面12の面積の95%以下とすることで、型枠1に本固定した型枠用シート2の余分な部分が形成されにくく、余分な部分を除去する必要がない。また、側面対向部22の面積を型枠側面12の面積の80%以上とすることで、型枠側面12にコンクリートが付着しにくくすることができ、コンクリートの剥離性を良好に保つことができる。
【0078】
第3の態様は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、打設面対向部21は長方形状をしている。
【0079】
型枠用シート2は、打設面対向部21の長辺を介して隣接する側面対向部22と打設面対向部21との境界に罫線23を有する。
【0080】
第3の態様によれば、型枠用シート2が型枠1の表面に沿わずに型枠1から浮いた状態となるのを抑えやすい。
【0081】
第4の態様は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、打設面対向部21は長方形状をしている。型枠用シート2は、打設面対向部21の長辺を介して隣接する側面対向部22と打設面対向部21との境界と、打設面対向部21の短辺を介して隣接する側面対向部22と打設面対向部21との境界とからなるL字状の罫線23を有する。
【0082】
第4の態様によれば、型枠用シート2が型枠1の表面に沿わずに型枠1から浮いた状態となるのを抑えやすいのに加えて、側面対向部22が位置合わせのガイドとして機能して、打設面対向部21をコンクリート打設面11に重なるように合わせる位置合わせがしやすい。
【0083】
第5の態様は、樹脂製の型枠用シート2が取り付けられた木製の型枠1である。型枠1は、コンクリート打設面11と、コンクリート打設面11に隣接してコンクリート打設面11と交差する型枠側面12と、を有する。型枠用シート2は、コンクリート打設面11の全面に対向する打設面対向部21と、打設面対向部21に連続して型枠側面12に対向する側面対向部22と、を有する。
【0084】
第5の態様によれば、側面対向部22が型枠側面12を覆うため、コンクリートが型枠側面12に直接付着しにくく、コンクリートが型枠側面12から剥離しにくくなることを抑え、型枠用シート2に付着したコンクリートを型枠ユニット3から容易に剥離させることができる。
【0085】
第6の態様は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、型枠1は、コンクリート打設面11と打設面対向部21との間に、樹脂製の中空構造体を有する。
【0086】
第6の態様によれば、打設されたコンクリートを養生させる際の型枠ユニット3の保温性を向上させることができる。
【0087】
第7の態様は、木製の型枠1と、型枠1に取り付けられた樹脂製の型枠用シート2と、を備える型枠ユニット3の製造方法である。型枠1は、コンクリート打設面11と、コンクリート打設面11に隣接してコンクリート打設面11と交差する型枠側面12と、を有する。型枠用シート2は、コンクリート打設面11の全面に対向する打設面対向部21と、打設面対向部21に連続して型枠側面12に対向する側面対向部22と、を有するものである。
【0088】
型枠ユニット3の製造方法は、仮固定工程及び折曲線形成工程を有する。仮固定工程は、型枠用シート2を型枠1の所定の位置に仮止めする工程である。折曲線形成工程は、打設面対向部21と側面対向部22との間の境界に折曲線24を形成する工程である。
【0089】
第7の態様によれば、作業者が型枠用シート2の平坦な部分を手で折り曲げて、型枠用シート2が型枠1から浮いた状態となるのを抑えることができる。また、施工現場において折曲線24を形成することができるため、様々な大きさの型枠1に合わせて型枠用シート2を折り曲げることができる。
【0090】
第8の態様は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、打設面対向部21は、長方形状をして、打設面対向部21の長辺を介して隣接する側面対向部22と打設面対向部21との境界と、打設面対向部21の短辺を介して隣接する側面対向部22と打設面対向部21との境界とからなるL字状の罫線23を有するものであり、仮固定工程において、打設面対向部21をコンクリート打設面11に重なるように合わせるにあたり、罫線23にて打設面対向部21に対して折り曲がった側面対向部22を型枠側面12に当てて、側面対向部22をガイドとする。
【0091】
第8の態様によれば、打設面対向部21をコンクリート打設面11に重なるように合わせる位置合わせがしやすい。
【符号の説明】
【0092】
1 型枠
11 コンクリート打設面
12 型枠側面
121 長辺側の型枠側面
122 短辺側の型枠側面
13 堰板部
14 桟木
2 型枠用シート
21 打設面対向部
22 側面対向部
221 長辺側の側面対向部
222 短辺側の側面対向部
23 罫線
24 折曲線
25 けがき具
26 ステイプル
27 切断具
28 切欠
3 型枠ユニット
4 中空構造体
41 コア層
42 スキン層