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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】配管挟持装置およびスクイズオフ装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/10 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
F16L55/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020212647
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022098956
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000241902
【氏名又は名称】北海道瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391000841
【氏名又は名称】大肯精密株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 拓也
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-075594(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
互いに対向するように前記支持体に配置され、互いの間に形成される挟持空間に収容された配管を挟持面で挟持する一対の挟持部と、
を備え、
一方の挟持部は、前記挟持面の反対側に形成される裏面を前記配管に押し当てることにより回動して前記挟持空間を開くように前記支持体に支持され
前記支持体は、
前記一方の挟持部を他方の挟持部に対向する挟持姿勢で支持するように前記一方の挟持部の裏面に係合する係合部と、
前記一方の挟持部を回動可能に支持する支持体本体と、
前記支持体本体との間で前記挟持面を挟むように配置されると共に前記係合部が配置され、前記支持体本体との間隔を拡げるような可動性を有する可動部と、
を有し、
前記一方の挟持部は、前記支持体本体との間隔を拡げるような前記可動部の動きにより前記係合部の係合が外れて、前記一対の挟持部の間に収容された前記配管を開放するように前記他方の挟持部の反対側に回動する、
配管挟持装置。
【請求項2】
前記他方の挟持部は、前記一方の挟持部から離れるように移動可能に前記支持体に支持され、
前記可動部は、前記一方の挟持部から離れる方向への前記他方の挟持部の移動に伴って前記支持体本体との間隔を拡げるように形成される、
請求項に記載の配管挟持装置。
【請求項3】
前記他方の挟持部は、前記一方の挟持部に向かって移動可能に前記支持体に支持され、前記一方の挟持部に向かって移動されることにより前記一方の挟持部との間で前記配管を挟持する、
請求項1又は2に記載の配管挟持装置。
【請求項4】
前記一方の挟持部は、前記裏面を前記配管に押し当てることにより前記他方の挟持部側に回動して前記挟持空間を開くように前記支持体に支持される、
請求項1~のいずれか一項に記載の配管挟持装置。
【請求項5】
前記一方の挟持部は、前記裏面を前記配管に押し当てることにより、前記一対の挟持部が対向する方向に対して直交する方向に回動して前記挟持空間を開くように前記支持体に支持される、
請求項1~のいずれか一項に記載の配管挟持装置。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の配管挟持装置を備え、
前記一対の挟持部は、前記配管を押し潰すように挟持するスクイズオフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配管挟持装置およびスクイズオフ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガスなどの流体が配管を流通するのを一時的に遮断するスクイズオフ装置が実用化されている。このスクイズオフ装置は、例えば、ポリエチレンなどの可撓性材料から形成される配管を一対の挟持部で押し潰すように挟持することで、配管における流体の流通を遮断することができる。ここで、配管を簡単に遮断することが求められている。
【0003】
そこで、配管を簡単に遮断する技術として、例えば、特許文献1には、簡単に管路の遮断を行うことができる管路遮断装置が開示されている。この装置は、一対の挟持部が揺動可能に設けられ、第2の挟持部に対して第1の挟持部の揺動端側を移動させることで、配管を簡単に遮断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-106109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置は、作業者が手作業で配管に対して一対の挟持部を挟持させるため、作業性が低下するおそれがある。
【0006】
本開示は、配管を容易に挟持する配管挟持装置およびスクイズオフ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る配管挟持装置は、支持体と、互いに対向するように前記支持体に配置され、互いの間に形成される挟持空間に収容された配管を挟持面で挟持する一対の挟持部とを備え、一方の挟持部は、前記挟持面の反対側に形成される裏面を前記配管に押し当てることにより回動して前記挟持空間を開くように前記支持体に支持され、前記支持体は、前記一方の挟持部を他方の挟持部に対向する挟持姿勢で支持するように前記一方の挟持部の裏面に係合する係合部と、前記一方の挟持部を回動可能に支持する支持体本体と、前記支持体本体との間で前記挟持面を挟むように配置されると共に前記係合部が配置され、前記支持体本体との間隔を拡げるような可動性を有する可動部とを有し、前記一方の挟持部は、前記支持体本体との間隔を拡げるような前記可動部の動きにより前記係合部の係合が外れて、前記一対の挟持部の間に収容された前記配管を開放するように前記他方の挟持部の反対側に回動するものである。
【0008】
本開示に係るスクイズオフ装置は、上記の配管挟持装置を備え、一対の挟持部は、配管を押し潰すように挟持するものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、配管を容易に挟持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態1に係る配管挟持装置を備えたスクイズオフ装置の構成を示す図である。
図2】接続部および回転防止パイプの内側の構成を示す部分断面図である。
図3】ガス管を挟持空間に収容する様子を示す図である。
図4】一対の挟持部でガス管を押し潰す様子を示す図である。
図5】作業管内に配管挟持装置を挿入する様子を示す図である。
図6】挟持空間に収容されたガス管を開放する様子を示す図である。
図7】実施の形態2のパイプ延長部の構成を示す図である。
図8】実施の形態2の軸延長部の構成を示す図である。
図9】実施の形態3に係る配管挟持装置の構成を示す図である。
図10】実施の形態4に係る配管挟持装置の構成を示す図である。
図11】実施の形態5に係る配管挟持装置の構成を示す図である。
図12】実施の形態5の支持体および挟持部の構成を示す図である。
図13】実施の形態5の一方の挟持部が回動する様子を示す図である。
図14】実施の形態6に係る配管挟持装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1に、本開示の実施の形態1に係る配管挟持装置を備えたスクイズオフ装置の構成を示す。スクイズオフ装置は、操作部1と、接続部2と、支持体3と、一対の挟持部4aおよび4bとを有する。この支持体3と一対の挟持部4aおよび4bから配管挟持装置5が構成される。
【0013】
操作部1は、挟持部4aおよび4bによる配管の挟持を操作するもので、締め付けハンドル6aと、締め付け軸部6bと、回転防止ハンドル7aと、回転防止パイプ7bと、シャフト8とを有する。
【0014】
締め付けハンドル6aは、操作者が把持して回転操作するもので、締め付け軸部6bの基端部に固定されている。
締め付け軸部6bは、締め付けハンドル6aから接続部2に向かって回転防止パイプ7bの内側を延びるように配置され、先端部がシャフト8に嵌合されている。締め付け軸部6bは、自らの周りに回転可能に配置されている。
【0015】
回転防止ハンドル7aは、操作者が把持して、締め付けハンドル6aの回転操作に伴う配管挟持装置5の回転を防止するもので、回転防止パイプ7bの基端部に固定されている。
回転防止パイプ7bは、回転防止ハンドル7aから接続部2に向かって延びるパイプ形状を有し、先端部が接続部2に接続されている。ここで、回転防止パイプ7bは、先端部近傍に回転防止ピン7cを有し、この回転防止ピン7cが接続部2に係合することにより回転防止パイプ7bが接続部2に対して着脱可能に取り付けられている。
【0016】
シャフト8は、締め付けハンドル6aの回転操作に応じて挟持部4bを前後方向D1に移動させるもので、締め付け軸部6bの先端部から支持体3を貫通して挟持部4bまで延びるように配置されている。シャフト8の基端部は締め付け軸部6bの先端部に嵌合され、シャフト8の先端部はベアリング9aを介して挟持部4bの後部に回転自在に接続されている。このとき、ベアリング9aは、シャフト8の回転力を挟持部4bに伝達することなく、シャフト8のみが回転するようにシャフト8と挟持部4bを接続する。
【0017】
ここで、シャフト8の外周面には、支持体3に固定された螺合部9bの螺子穴に螺合する螺子山が形成されている。これにより、シャフト8は、螺合部9bに螺合しつつ自らの周りに回転することで、螺合部9bとの螺合方向に従って前後方向D1に進退することができる。このように、シャフト8は、螺合部9bを介して、前後方向D1に進退可能に支持体3に固定されている。
【0018】
なお、螺合部9bは、例えば、ナットなどから構成することができる。
また、前後方向D1は、配管を挟持するために挟持部4bが移動する方向、すなわち配管に対して配管挟持装置5を進退させる方向であり、例えば配管挟持装置5を配管の上方から進行させる場合には上下方向となる。
【0019】
接続部2は、回転防止パイプ7bを支持体3に接続するもので、前後方向D1に延びる管形状を有し、内部をシャフト8が通るように配置されている。接続部2は、取付部10と、固定パイプ11とを有する。
【0020】
取付部10は、回転防止パイプ7bの先端部に対応する内径を有し、回転防止パイプ7bの先端部が挿入されている。取付部10の端部には、挿入された回転防止パイプ7bを固定するための固定溝10aが形成されている。固定溝10aは、U字状に延びるように形成されており、この固定溝10aに回転防止ピン7cを係合させることにより、回転防止パイプ7bが取付部10に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
固定パイプ11は、取付部10から支持体3に向かって延びるように配置され、一端部が取付部10に一体に固定されると共に他端部が支持体3に固定されている。また、固定パイプ11の外周に沿って前後方向D1に延びるように付勢部11aが配置されている。付勢部11aは、取付部10に対して支持体3を押し下げるように付勢する。なお、付勢部11aは、例えば、ばねなどから構成することができる。
【0022】
支持体3は、挟持部4aおよび4bを支持するもので、支持体本体12と、可動部13とを有する。
【0023】
支持体本体12は、本体側部12aと、本体後部12bとを有する。
【0024】
本体側部12aは、支持体3の一側部側を前後方向D1に延びるように配置され、厚み方向D2における中央部に前後方向D1に延びる支持溝12cが形成されている。支持溝12cは、挟持部4aおよび4bの厚みに対応する幅で形成されており、その内側に挟持部4aおよび4bの一端部がはめ込まれている。また、本体側部12aの先端部近傍には、挟持部4aに対応する位置を厚み方向D2に貫通する回動軸12dが配置されている。この回動軸12dは、本体側部12aに対して挟持部4aを回動可能に支持するものである。このように、本体側部12aは、挟持部4aを回動可能に支持すると共に挟持部4bを前後方向D1に移動可能に支持する。
【0025】
本体後部12bは、本体側部12aの基端部から支持体3の他側部に向かって延びる、すなわち幅方向D3に延びるように配置されている。この本体後部12bには、シャフト8が挿入された貫通孔が形成され、その貫通孔に対応する位置に螺合部9bが固定されている。
【0026】
可動部13は、可動側部13aと、可動後部13bとを有する。
【0027】
可動側部13aは、支持体3の他側部側を前後方向D1に延びるように配置され、厚み方向D2における中央部に前後方向D1に延びる支持溝が形成されている。支持溝は、挟持部4aおよび4bの厚みに対応する幅で形成されており、その内側に挟持部4aおよび4bの他端部がはめ込まれている。このように、可動側部13aは、挟持部4aおよび4bにおいて配管を挟持する挟持面15aおよび15bを本体側部12aとの間で挟むように配置されており、本体側部12aとの間に挟持空間Sを形成する。また、可動側部13aは、挟持部4bを前後方向D1に移動可能に支持する。
【0028】
可動側部13aの支持溝には、挟持部4aの他端部に対応する位置に係合部14が配置されている。係合部14は、挟持部4aを挟持部4b側に回動可能で、且つ、挟持部4aを挟持部4bに対向する挟持姿勢P1で支持するように挟持部4aの裏面に係合する。ここで、挟持部4aの裏面は、挟持部4aにおいて挟持面15aの反対側に形成される面である。
【0029】
可動後部13bは、可動側部13aの基端部から支持体3の一側部に向かって延びる、すなわち幅方向D3に延びるように配置されている。可動後部13bの端部近傍には、可動後部13bおよび本体後部12bを貫通する可動軸13cが配置されている。この可動軸13cは、支持体本体12に対して可動部13を回動可能に支持するものである。これにより、本体側部12aとの間隔を拡げるように可動側部13aを動かすことができ、可動部13は、幅方向D3における支持体本体12との間隔を拡げるような可動性を有することになる。
【0030】
挟持部4aおよび4bは、幅方向D3に延びる棒形状に形成されると共に支持体3に互いに対向するように配置され、互いの間に形成される挟持空間Sに収容された配管を押し潰すように挟持面15aおよび15bで挟持する。挟持面15aおよび15bは、山形状に湾曲するように形成されている。
【0031】
挟持部4aは、回動軸12dを介して支持体3に回動可能に支持される。このとき、挟持部4aは、挟持面15aの反対側に形成される裏面を配管に押し当てることにより挟持部4b側に回動して、挟持部4aおよび4bの間に形成される挟持空間Sを開くように支持体3に支持され、その開口部から挟持空間S内に配管が収容される。また、挟持部4aは、幅方向D3における支持体本体12との間隔を拡げるような可動部13の動きにより係合部14の支持が外れて、挟持部4aおよび4bの間に収容された配管を開放するように挟持部4bの反対側に回動する。
【0032】
ここで、挟持部4aは、支持体3に対して挟持部4b側とは反対側に回動するように付勢部16で付勢されている。付勢部16は、回動軸12dに巻き付くように線状に形成され、その一端部が支持体3を側方に弾性的に押圧すると共に他端部が挟持部4aを前方に弾性的に押圧するように配置されている。
【0033】
挟持部4bは、シャフト8を介して挟持部4aに向かって移動可能に支持体3に支持されている。挟持部4bが、挟持部4aに向かって移動されることにより、挟持空間Sに収容された配管を挟持部4aとの間で押し潰すように挟持する。また、挟持部4bは、シャフト8を介して挟持部4aから離れるように移動可能に支持体3に支持されている。すなわち、挟持部4bは、前後方向D1に移動可能に支持体3に支持されている。
【0034】
また、支持体本体12の本体後部12bには、前後方向D1に延びる押上部17が配置されている。押上部17は、前半部が本体後部12bから露出すると共に後半部が本体後部12bを貫通して後端部が可動後部13bに当接するように配置されている。これにより、押上部17は、挟持部4aから離れる方向への挟持部4bの移動に伴って挟持部4bから押圧されて後方に移動し、付勢部11aの付勢力に抗して可動後部13bを本体後部12bに対して押し上げることができる。この押上部17の押し上げにより、可動部13は、幅方向D3における支持体本体12との間隔を拡げるように動かされる。
【0035】
次に、接続部2および回転防止パイプ7bの内側の構成について詳細に説明する。
【0036】
図2に示すように、接続部2の固定パイプ11が、可動部13に形成された貫通孔3aに挿入され、その先端部が支持体本体12に固定されている。また、付勢部11aは、取付部10と可動部13の間に配置され、取付部10に対して可動部13を押し下げるように付勢する。これにより、可動部13の姿勢が、幅方向D3における支持体本体12との間隔を一定に保つように維持される。また、取付部10の内側には、回転防止パイプ7bを後方に付勢する付勢部10bが配置されている。これにより、回転防止ピン7cが固定溝10aから外れることを抑制し、回転防止パイプ7bを取付部10に確実に固定することができる。
【0037】
固定パイプ11の内側には、シャフト8が挿入されている。このシャフト8は、締め付け軸部6bの先端部に嵌合されている。シャフト8の基端部には、締め付け軸部6bに向かって突出する凸部8aが形成されており、この凸部8aが締め付け軸部6bの先端部に形成された凹部6cに嵌入されることによりシャフト8と締め付け軸部6bが着脱可能に嵌合されることになる。
【0038】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0039】
まず、図1に示すように、操作者が締め付けハンドル6aまたは回転防止ハンドル7aを把持して、配管挟持装置5を配管に向かって進行させる。例えば、図3(a)に示すように、操作者は、内部をガスが流通するガス管Gに向かって上方から下方に配管挟持装置5を進行させる。ここで、ガス管Gは、例えば、ポリエチレンなどの可撓性材料から構成されるものとする。
【0040】
続いて、図3(b)に示すように、配管挟持装置5がガス管Gに到達した後も配管挟持装置5を下方に進行させることにより、挟持部4aの裏面がガス管Gに押し当てられて、挟持部4aが回動軸12dを中心に挟持部4b側に回動する。このとき、係合部14は、挟持部4aの裏面に係合するため、挟持部4aにガス管Gを押し当てることにより挟持部4aを挟持部4b側に容易に回動させることができる。これにより、挟持部4aは、挟持空間Sを開放する開放姿勢P2となり、開放された開口部から挟持空間S内にガス管Gをそのまま収容することができる。
【0041】
図3(c)に示すように、ガス管Gが挟持空間S内に完全に入ると、ガス管Gと挟持部4aとの接触が外れて、挟持部4aが、付勢部16の付勢力および自重により、挟持部4b側とは反対側、すなわち挟持空間Sを閉じるように回動軸12dを中心に回動する。そして、挟持部4aは、挟持部4bと対向したところで他端部が係合部14に係合されて挟持姿勢P1に維持される。
【0042】
このように、挟持部4aは、裏面をガス管Gに押し当てることにより挟持部4b側に自動的に回動するように支持体3に支持されるため、配管挟持装置5をガス管Gに向かって進行させるだけで、ガス管Gを挟持部4aおよび4bの間の挟持空間S内に容易に収容することができる。このとき、操作者は、ガス管Gの位置で作業する必要がなく、ガス管Gから離れた位置で操作することができ、ガス管Gを挟持空間S内に容易且つ安全に収容することができる。
【0043】
また、挟持部4aは、付勢部16により付勢されているため、ガス管Gが挟持空間S内に収容されると、挟持空間Sを自動的に閉じるように回動させることができ、ガス管Gを挟持部4aおよび4bの間に容易に収容することができる。
【0044】
また、挟持部4aは、挟持部4bと対向したところで係合部14に係合されるため、挟持部4aを挟持姿勢P1に確実に戻すことができる。
【0045】
さらに、幅方向D3において挟持部4aおよび4bの外側に部材が配置されておらず、またガス管Gの位置で作業を行わないため、作業スペースを狭くすることができる。このため、例えば、ガス管Gが地中に埋設されている場合に、地面を広い範囲で掘り起こす必要がなく、その労力を抑制することができる。
【0046】
このようにして、挟持部4aおよび4bの間にガス管Gが収容されると、操作者は、締め付けハンドル6aを回転操作して、締め付け軸部6bを自らの周りに回転させる。図2に示すように、締め付け軸部6bの先端部には、シャフト8の基端部が嵌合されており、締め付け軸部6bの回転に応じてシャフト8が自らの周りに回転することになる。
【0047】
図4(a)に示すように、シャフト8は、支持体3に固定された螺合部9bに螺合されており、回転に伴って挟持部4a側へ進行する。
このとき、操作者は、回転防止ハンドル7aの位置を一定に保ちつつ締め付けハンドル6aを回転操作することにより、シャフト8と共に支持体3が回転することを抑制し、シャフト8をスムーズに挟持部4a側へ進行させることができる。
【0048】
このシャフト8の進行に応じて、挟持部4bが、挟持部4aとの間の挟持空間Sを狭めるように挟持部4aに向かって移動する。そして、図4(b)に示すように、挟持部4bが、挟持部4aとの間でガス管Gを押し潰すまで移動したところで、締め付けハンドル6aの回転操作が停止され、ガス管Gを押し潰した状態が維持される。これにより、ガス管Gにおけるガスの流通が遮断されて、スクイズオフ作業が完了する。
【0049】
このように、挟持部4bが、シャフト8を介して挟持部4aに向かって移動可能に支持体3に支持されるため、挟持部4aとの間でガス管Gを容易に挟持して押し潰すことができる。このとき、操作者は、ガス管Gの位置で作業する必要がなく、ガス管Gから離れた位置から操作することができ、ガス管Gを容易且つ安全に押し潰すことができる。
【0050】
このように、ガス管Gのスクイズオフ作業を容易に行うことができるため、例えば地震などの災害時にガス管Gを流通するガスを速やかに遮断して避難することができ、二次災害を防ぐことができる。
【0051】
このとき、図5に示すように、地中に埋設されたガス管Gに対して作業管Wを配置することが好ましい。例えば、宅地に引き込まれたガス管Gに対して作業管Wを配置する。作業管Wは、地表Lからガス管Gに向かって延びるように形成され、その内部にガス管Gが露出するように配置する。これにより、配管挟持装置5を作業管W内に挿入して、ガス管Gを挟持部4aおよび4bで容易に挟持することができる。このように、ガス管Gに対して作業管Wを設置するだけでよく、バルブなどの遮断装置を設ける必要がないため、設置の労力およびコストを抑制することができる。このため、全ての宅地を網羅するように作業管Wを配置することができ、二次災害を確実に防ぐことができる。
【0052】
なお、ガス管Gが損傷している場合には、一般的なガス管Gの補修作業を行うことができる。
【0053】
続いて、ガスの遮断を解除する場合には、操作者は、締め付けハンドル6aを上記とは反対方向に回転操作して、締め付け軸部6bを自らの周りに回転させる。これにより、図6(a)に示すように、シャフト8が、上記とは反対方向に回転し、螺合部9bとの螺合方向に従って上方へ後退する。このシャフト8の後退に応じて、挟持部4bが、挟持部4aから離れるように上方へ移動し、その裏面が押上部17の前端部に当接する。
【0054】
そして、図6(b)に示すように、挟持部4bが、さらに上方へ移動することにより、押上部17の前端部を上方に押圧する。そして、挟持部4bに押圧された押上部17が、上方に移動し、付勢部11aの付勢力に抗して後端部で可動部13を上方へ押し上げる。これにより、可動部13が、支持体本体12に対して可動軸13cを中心に外側に、すなわち本体側部12aに対する可動側部13aの間隔を拡げるように動くことになる。この可動部13の動きに応じて係合部14による挟持部4aの係合が外れて、挟持部4aが、付勢部16の付勢力および自重により挟持部4bの反対側に回動する。
【0055】
これにより、挟持部4aは、挟持部4aおよび4bの間に収容されたガス管Gを開放する開放姿勢P3となり、操作者が、締め付けハンドル6aまたは回転防止ハンドル7aを上方に移動させることにより、配管挟持装置5をガス管Gから容易に取り外すことができる。ここで、ガス管Gは、挟持部4aおよび4bの挟持から開放されることにより元の形状に戻っており、遮断されていたガスが再び流通される。
【0056】
このように、可動部13が、支持体本体12との間隔を拡げるような可動性を有するため、係合部14による挟持部4aの係合を容易に外すことができ、挟持部4aおよび4bの間に収容されたガス管Gを速やかに開放することができる。
【0057】
また、挟持部4aは、付勢部16により付勢されているため、係合部14による係合が外れることにより挟持部4bの反対側に自動的に回動させることができ、ガス管Gを確実に開放することができる。
【0058】
また、可動部13が、挟持部4aから離れる方向への挟持部4bの移動に伴って押上部17で支持体本体12との間隔を拡げるように形成されているため、ガス管Gを挟持空間Sから容易に開放することができる。このとき、操作者は、ガス管Gの位置でガス管Gを取り外す作業を行う必要がなく、ガス管Gから離れた位置で操作することができ、ガス管Gを容易且つ安全に開放することができる。
【0059】
このように、操作者は、一連の作業、すなわち挟持空間S内へのガス管Gの収容作業、挟持部4aおよび4bによるガス管Gの遮断作業、遮断の解除作業および挟持空間Sからのガス管Gの開放作業を通して、ガス管Gから離れた位置で操作することができ、一連の作業を容易且つ安全に行うことができる。
【0060】
本実施の形態によれば、挟持部4aが、裏面をガス管Gに押し当てることにより挟持部4b側に回動して挟持空間Sを開くように支持体3に支持されるため、ガス管Gを挟持部4aおよび4bで容易に挟持することができる。
【0061】
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2について説明する。ここでは、上記の実施の形態1との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0062】
上記の実施の形態1において、締め付け軸部6bおよび回転防止パイプ7bを延長する延長部を配置することができる。
【0063】
例えば、図7に示すように、実施の形態1の回転防止パイプ7bと接続部2との間にパイプ延長部21を新たに配置することができる。パイプ延長部21は、回転防止パイプ7bから接続部2に向かって延びる管形状を有し、先端部に回転防止ピン22が配置されると共に基端部に接続部23が配置されている。
【0064】
回転防止ピン22は、接続部2の固定溝10aに応じた大きさに形成され、固定溝10aに係合することにより、パイプ延長部21を接続部2に着脱可能に固定する。
接続部23は、回転防止パイプ7bを接続するもので、回転防止パイプ7bの先端部が挿入されている。接続部23の端部には、挿入された回転防止パイプ7bを固定するための固定溝23aが形成されている。固定溝23aは、U字状に延びるように形成されており、この固定溝23aに回転防止ピン7cを係合させることにより、回転防止パイプ7bが接続部23に着脱可能に固定される。
【0065】
また、図8に示すように、実施の形態1の締め付け軸部6bとシャフト8との間に軸延長部24を配置することができる。軸延長部24は、締め付け軸部6bからシャフト8に向かって延びるように形成され、先端部に凹部24aが形成されると共に基端部に凸部24bが形成されている。
【0066】
凹部24aは、シャフト8の基端部に形成された凸部8aに応じた大きさで窪むように形成され、凸部8aが嵌入されることにより軸延長部24がシャフト8に着脱可能に嵌合される。
凸部24bは、締め付け軸部6bの先端部に形成された凹部6cに応じた大きさで突出するように形成され、凹部6cに嵌入されることにより軸延長部24が締め付け軸部6bに着脱可能に嵌合される。
【0067】
このような構成により、回転防止パイプ7bの先端部にパイプ延長部21の基端部を固定すると共に接続部2にパイプ延長部21の先端部を固定して、回転防止パイプ7bを延長することができる。
また、締め付け軸部6bの先端部に軸延長部24の基端部を嵌合すると共にシャフト8の基端部に軸延長部24の先端部を嵌合して、締め付け軸部6bを延長することができる。
【0068】
このように、回転防止パイプ7bがパイプ延長部21で延長されると共に締め付け軸部6bが軸延長部24で延長されるため、締め付けハンドル6aおよび回転防止ハンドル7aの操作位置からガス管Gまでの距離に応じて回転防止パイプ7bおよび締め付け軸部6bの長さを変えることができ、スクイズオフ作業を容易に行うことができる。
【0069】
なお、パイプ延長部21および軸延長部24は、1つに限られるものではない。すなわち、同様の構成を有する複数のパイプ延長部21を互いに連結して回転防止パイプ7bを延長することができる。また、同様の構成を有する複数の軸延長部24を互いに連結して締め付け軸部6bを延長することができる。これにより、回転防止パイプ7bおよび締め付け軸部6bの長さを自在に変えることができ、スクイズオフ作業をより容易に行うことができる。
【0070】
本実施の形態によれば、回転防止パイプ7bがパイプ延長部21で延長されると共に締め付け軸部6bが軸延長部24で延長されるため、締め付けハンドル6aおよび回転防止ハンドル7aの操作位置からガス管Gまでの距離に応じて回転防止パイプ7bおよび締め付け軸部6bの長さを変えることができ、スクイズオフ作業を容易に行うことができる。
【0071】
(実施の形態3)
以下、本開示の実施の形態3について説明する。ここでは、上記の実施の形態1および2との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1および2との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0072】
上記の実施の形態1および2では、係合部14は、可動部13の支持溝の内側に配置されたが、挟持部4aを挟持部4bと対向する挟持姿勢P1で支持するように挟持部4aの裏面に係合することができればよく、これに限られるものではない。
【0073】
例えば、図9に示すように、実施の形態1の係合部14に換えて係合部31を配置することができる。
【0074】
係合部31は、可動部13の可動側部13aから内側に突出するように配置される。係合部31は、挟持部4aを挟持部4b側に回動可能で、且つ、挟持部4aを挟持部4bに対向する挟持姿勢P1で支持するように挟持部4aの裏面に係合する。
【0075】
このように、係合部31が、可動側部13aから内側に突出するように配置されるため、挟持部4aの長さを短くすることができる。これにより、挟持部4aが挟持部4bの反対側に回動する範囲を狭くすることができ、ガス管Gの下方における作業空間を抑制することができる。
【0076】
本実施の形態によれば、係合部31が、可動側部13aから内側に突出するように配置されるため、挟持部4aの長さを短くすることができ、これに応じてガス管Gの下方における作業空間を抑制することができる。
【0077】
(実施の形態4)
以下、本開示の実施の形態4について説明する。ここでは、上記の実施の形態1~3との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1~3との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0078】
上記の実施の形態1~3では、挟持部4aは、1つの回動軸12dを中心に回動するように配置されたが、その裏面をガス管Gに押し当てることにより挟持部4b側に回動するように配置されていればよく、これに限られるものではない。
【0079】
例えば、図10に示すように、実施の形態1の挟持部4aに換えて挟持部41aおよび41bを配置することができる。
【0080】
挟持部41aは、支持体本体12の本体側部12aから可動部13の可動側部13aに向かって延びるように配置されている。そして、挟持部41aは、本体側部12aに設けられた回動軸42aを中心に回動するように形成されている。
挟持部41bは、可動側部13aから本体側部12aに向かって延びるように配置されている。そして、挟持部41bは、可動側部13aに設けられた回動軸42bを中心に回動するように形成されている。
【0081】
このような構成により、挟持部41aおよび41bの裏面をガス管Gに押し当てることにより、挟持部41aおよび41bを挟持部4b側に回動させることができる。これにより、挟持部41aおよび41bと挟持部4bとの間にガス管Gが収容されて、その収容されたガス管Gを容易に挟持することができる。
【0082】
これにより、挟持部41aおよび41bをそれぞれ短く形成することができ、挟持部41aおよび41bが挟持部4bの反対側に回動する範囲が狭くなるため、ガス管Gの下方における作業空間を抑制することができる。
【0083】
本実施の形態によれば、挟持部41aおよび41bが、それぞれ、本体側部12aおよび可動側部13aに設けられた回動軸42aおよび42bを中心に回動するように設けられるため、挟持部41aおよび41bをそれぞれ短く形成することができ、これに応じてガス管Gの下方における作業空間を抑制することができる。
【0084】
(実施の形態5)
以下、本開示の実施の形態5について説明する。ここでは、上記の実施の形態1~4との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1~4との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0085】
上記の実施の形態1~4では、一方の挟持部は、他方の挟持部側に回動するように配置されたが、裏面をガス管Gに押し当てることにより挟持空間Sを開くように回動すればよく、これに限られるものではない。
【0086】
例えば、図11に示すように、実施の形態1の支持体3および挟持部4aに換えて支持体51および挟持部52を配置することができる。
【0087】
支持体51は、側部53および54を有する。
側部53は、円柱形状を有し、支持体51の一側部側を前後方向D1に延びるように配置されている。また、側部53は、挟持部52の一端部近傍を貫通するように配置され、その表面には案内溝53aが形成されている。この案内溝53aは、挟持部52を前後方向D1に案内しつつ、一対の挟持部4bおよび52が対向する方向(前後方向D1)に直交する直交方向に挟持部52を回動させるものである。このように、側部53は、挟持部52を直交方向に回動可能に支持する。
【0088】
側部54は、四角柱形状を有し、支持体51の他側部側を前後方向D1に延びるように配置されている。また、側部54には、前後方向D1に延びる支持溝54aが形成されており、その内側に挟持部4bおよび52の他端部がはめ込まれている。このように、側部54は、挟持部4bおよび52においてガス管Gを挟持する挟持面を側部53との間で挟むように配置されている。また、側部54は、挟持部4bを前後方向D1に移動可能に支持する。
【0089】
また、側部54には、支持溝54aの前端部近傍において挟持部52の他端部に対応する位置に係合部54bが形成されている。この係合部54bは、挟持部52を挟持部4bに対向する挟持姿勢P1で支持するように挟持部52の裏面に係合する。
【0090】
挟持部52は、裏面をガス管Gに押し当てることにより、一対の挟持部4bおよび52が対向する方向(前後方向D1)に対して直交する直交方向に回動して挟持空間Sを開くように支持体51の側部53に支持されている。
【0091】
また、挟持部52の一端部には、挟持部52を挟持部4b側へ移動させるための延在部55が取り付けられている。延在部55は、締め付けハンドル6aおよび回転防止ハンドル7aの近傍まで延びるように配置され、操作者が引っ張ることにより挟持部52を挟持部4b側へ移動させる。延在部55は、例えば、ワイヤなどから構成することができる。
【0092】
次に、支持体51および挟持部52の構成について詳細に説明する。
【0093】
図12(a)に示すように、支持体51の側部53に形成された案内溝53aは、S字状に延びるように形成、具体的には前後方向D1に直交する直交方向に湾曲しつつ前後方向D1に延びるように形成されている。このとき、案内溝53aは、両端部が側部53の周方向に90度ずれて位置するように形成されている。
【0094】
また、図12(b)に示すように、挟持部52には、側部53が挿入される挿入孔52aが形成され、挿入孔52aの内面には突出部52bが設けられている。この突出部52bが案内溝53aに嵌まるように側部53が挿入孔52aに挿入される。これにより、挟持部52が、側部53に沿って前後方向D1に移動すると、案内溝53aに従って前後方向D1に対して直交する直交方向に回動することになる。
【0095】
このとき、側部54には、支持溝54aにおいて係合部54bの後部側を開放、すなわち挟持部52の正面を開放する開口部54cが形成されている。これにより、係合部54bは、挟持部52を直交方向に回動可能に挟持部52を係合することができる。
【0096】
このような構成により、挟持部52の裏面をガス管Gに押し当てると、挟持部52が、支持体51の側部53に沿って挟持部4b側に移動する。このとき、挟持部52は、突出部52bが案内溝53aに案内されつつ移動するため、図13に示すように、前後方向D1に直交する直交方向に回動することになる。これにより、挟持部52は、挟持空間Sを開放する開放姿勢となり、開放された開口部から挟持空間S内にガス管Gを収容することができる。
【0097】
そして、ガス管Gが挟持空間S内に完全に入ると、ガス管Gと挟持部52との接触が外れて、挟持部52が自重により側部53に沿って挟持部4bから離れる方向に移動する。これにより、挟持部52は、案内溝53aに従って挟持空間Sを閉じるように回動することになる。
なお、挟持部52は、前後方向D1において挟持部4bから離れる方向に付勢することができる。これにより、挟持部52を挟持部4bから離れる方向に確実に移動させることができる。
【0098】
このように、挟持部52は、裏面をガス管Gに押し当てることにより、前後方向D1に直交する直交方向に回動するように支持体51に支持されるため、配管挟持装置5をガス管Gに向かって進行させるだけで、ガス管Gを挟持部4aおよび4bの間の挟持空間S内に容易に収容することができる。
【0099】
このようにして、挟持部4bと挟持部52との間にガス管Gが収容されると、実施の形態1と同様に、挟持部4bを挟持部52に向かって移動させて、挟持部4bと挟持部52との間でガス管Gが押し潰される。これにより、ガス管Gを流通するガスを容易に遮断することができる。
【0100】
続いて、ガスの遮断を解除する場合には、挟持部4bを挟持部52から離れるように上方へ移動させる。そして、操作者が、延在部55を引っ張ることにより、挟持部52が支持体51の側部53に沿って挟持部4b側に移動する。これにより、挟持部52は、案内溝53aに従って回動し、挟持空間Sに収容されたガス管Gを速やかに開放することができる。
このように、操作者は、配管挟持装置5をガス管Gから離れた位置で操作することができ、一連の作業を容易且つ安全に行うことができる。
【0101】
なお、挟持部52および支持体51の側部54は、実施の形態1と同様の構成を設けて、側部54が側部53との間隔を拡げるように動かされることにより挟持部52が挟持部4bの反対側に回動して、挟持空間Sに収容されたガス管Gを開放するように形成することもできる。
【0102】
本実施の形態によれば、挟持部52が、裏面をガス管Gに押し当てることにより一対の挟持部4bおよび52が対向する方向に対して直交する直交方向に回動して挟持空間Sを開くように支持体51に支持されるため、ガス管Gを挟持部4bおよび52で容易に挟持することができる。
【0103】
(実施の形態6)
以下、本開示の実施の形態6について説明する。ここでは、上記の実施の形態1~5との相違点を中心に説明し、上記の実施の形態1~5との共通点については、共通の参照符号を使用して、その詳細な説明を省略する。
【0104】
上記の実施の形態1~5では、一方の挟持部は、回動することにより挟持空間Sに収容されたガス管Gを開放したが、挟持空間Sを開放することができればよく、回動するものに限られるものではない。
【0105】
例えば、図14に示すように、実施の形態1の挟持部4aに換えて挟持部61を配置すると共に回動軸12dに換えて回動軸62を配置することができる。
【0106】
挟持部61の一端部側には、回動軸62が挿入される円状の貫通孔61aが形成され、その貫通孔61aから他端部に向かって延びるようにスライド溝61bが形成されている。このスライド溝61bは、貫通孔61aの直径に対して半分の幅を有するように形成される。
【0107】
回動軸62は、半円状の横断面を有するように形成され、貫通孔61aに挿入されて挟持部61を支持体本体12に対して回動可能に支持する。また、回動軸62は、スライド溝61bに対応する厚みで形成されており、スライド溝61bに沿って相対的に移動することにより挟持部61が幅方向D3にスライドされる。このように、挟持部61は、支持体本体12に対して、挟持部4b側に回動可能に支持されると共に幅方向D3にスライド可能に支持されている。
【0108】
このような構成により、挟持部61の裏面をガス管Gに押し当てることにより挟持部61が挟持部4b側に回動して、ガス管Gを挟持空間S内に収容することができる。このとき、スライド溝61bは、回動軸62の直径より小さな幅で形成されるため、回動の途中で回動軸62がスライド溝61b内に侵入するのを防ぎ、挟持部61が下方に移動することを抑制することができる。
【0109】
また、挟持空間Sに収容されたガス管Gを開放する場合には、挟持部61を支持体本体12側にスライドさせる。このとき、回動軸62は、スライド溝61bの幅に対応して半円状に形成されているため、スライド溝61b内を挟持部61の他端部側に相対的に移動することができる。これにより、挟持部61を支持体本体12側にスムーズにスライドさせることができ、挟持空間Sに収容されたガス管Gを容易に開放することができる。
【0110】
本実施の形態によれば、挟持部61が、幅方向D3にスライド可能に支持体3に支持されるため、挟持空間Sに収容されたガス管Gを容易に開放することができる。
【0111】
なお、上記の実施の形態1~6では、配管挟持装置5は、スクイズオフ装置に配置されたが、一対の挟持部の間に収容された配管を挟持面15aおよび15bで挟持できればよく、スクイズオフ装置に限られるものではない。例えば、配管挟持装置5は、一対の挟持部で配管を挟持して固定するクランプ装置に配置することもできる。このとき、一対の挟持部は、互いの間に配置された配管を挟持面15aおよび15bで挟持できればよく、配管を押し潰すように挟持するものに限られるものではない。また、一対の挟持部の形状は、配管挟持装置5が配置される装置の用途に応じて変えることができ、棒形状に限られるものではない。
【0112】
また、上記の実施の形態1~6では、一対の挟持部は、ガス管Gを挟持するように形成されたが、配管を挟持するように形成されていればよく、ガス管Gに限られるものではない。例えば、一対の挟持部は、内部を水が流通する水道管を挟持するように形成することができる。
【0113】
その他、上記の実施の形態は、何れも本発明の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、上記の実施の形態で説明した各部の形状や個数などについての開示はあくまで例示であり、適宜変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本開示に係る配管挟持装置は、一対の挟持部で配管を挟持する装置に利用できる。
【符号の説明】
【0115】
1 操作部
2,23 接続部
3,51 支持体
3a 貫通孔
4a,4b,41a,41b,52,61 挟持部
5 配管挟持装置
6a 締め付けハンドル
6b 締め付け軸部
6c,24a 凹部
7a 回転防止ハンドル
7b 回転防止パイプ
7c,22 回転防止ピン
8 シャフト
8a,24b 凸部
9a ベアリング
9b 螺合部
10 取付部
10a,23a 固定溝
10b,11a,16 付勢部
11 固定パイプ
12 支持体本体
12a 本体側部
12b 本体後部
12c,54a 支持溝
12d,42a,42b,62 回動軸
13 可動部
13a 可動側部
13b 可動後部
13c 可動軸
14,31,54b 係合部
15a,15b 挟持面
17 押上部
21 パイプ延長部
24 軸延長部
52a 挿入孔
52b 突出部
53,54 側部
53a 案内溝
54c 開口部
55 延在部
61a 貫通孔
61b スライド溝
D1 前後方向
D2 厚み方向
D3 幅方向
G ガス管
P1 挟持姿勢
P2,P3 開放姿勢
S 挟持空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14