(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】商標質問生成システム、商標質問生成装置、商標質問生成方法及び商標質問生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20241025BHJP
【FI】
G06Q50/18
(21)【出願番号】P 2024001043
(22)【出願日】2024-01-09
【審査請求日】2024-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517274039
【氏名又は名称】株式会社Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】110002701
【氏名又は名称】弁理士法人Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】100188525
【氏名又は名称】宮崎 超史
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 超史
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/173044(WO,A1)
【文献】商標調査のヒアリングで重要な5つのポイント,2016年02月27日,https://toreru.hatenablog.com/entry/2016/02/27/172402
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付部と、
前記入力情報
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成部と、
前記質問生成部が生成した質問をユーザーに提示する質問提示部と、
ユーザーからの回答を受け付ける回答受付部と、を有し、
前記入力受付部と前記回答受付部は、それぞれ異なる入力欄に入力された情報から前記入力情報と前記回答を受け付け、前記入力情報を入力する入力欄と前記回答を入力する入力欄は、異なる画面に表示され、
前記質問生成部が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、
商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を含み、
前記質問生成部は、
学習済みモデルとして大規模言語モデル(LLM)を使用して質問を生成し、前記回答受付部が受け付けたユーザーからの回答
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成する
ことを特徴とする商標質問生成システム。
【請求項2】
前記入力情報は、商標を使用する事業、商標を使用する場所、又は、商標を使用する商品若しくは役務である
ことを特徴とする請求項1に記載の商標質問生成システム。
【請求項3】
前記入力情報、生成された質問及びユーザーからの回答を、商標登録出願に係る書類の作成者又は商標調査を行う実施者に提供する結果提供部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の商標質問生成システム。
【請求項4】
質問の評価をユーザーから受け付ける質問評価受付部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の商標質問生成システム。
【請求項5】
ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付部と、
前記入力情報
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成部と、
前記質問生成部が生成した質問をユーザーに提示する質問提示部と、
ユーザーからの回答を受け付ける回答受付部と、を有し、
前記入力受付部と前記回答受付部は、それぞれ異なる入力欄に入力された情報から前記入力情報と前記回答を受け付け、前記入力情報を入力する入力欄と前記回答を入力する入力欄は、異なる画面に表示され、
前記質問生成部が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、
商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を含み、
前記質問生成部は、
学習済みモデルとして大規模言語モデル(LLM)を使用して質問を生成し、前記回答受付部が受け付けたユーザーからの回答
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成する
ことを特徴とする商標質問生成装置。
【請求項6】
コンピュータが行う商標質問生成方法であって、
ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付工程と、
前記入力情報
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成工程と、
前記質問生成工程で生成した質問をユーザーに提示する質問提示工程と、
ユーザーからの回答を受け付ける回答受付工程と、を有し、
前記入力受付工程と前記回答受付工程は、それぞれ異なる入力欄に入力された情報から前記入力情報と前記回答を受け付け、前記入力情報を入力する入力欄と前記回答を入力する入力欄は、異なる画面に表示され、
前記質問生成工程で生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、
商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を含み、
前記質問生成工程は、
学習済みモデルとして大規模言語モデル(LLM)を使用して質問を生成し、前記回答受付工程で受け付けたユーザーからの回答
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成する
ことを特徴とする商標質問生成方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付処理と、
前記入力情報
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成処理と、
前記質問生成処理で生成した質問をユーザーに提示する質問提示処理と、
ユーザーからの回答を受け付ける回答受付処理と、を実行させる商標質問生成プログラムであって、
前記入力受付処理と前記回答受付処理は、それぞれ異なる入力欄に入力された情報から前記入力情報と前記回答を受け付け、前記入力情報を入力する入力欄と前記回答を入力する入力欄は、異なる画面に表示され、
前記質問生成処理が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、
商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を含み、
前記質問生成処理は、
学習済みモデルとして大規模言語モデル(LLM)を使用して質問を生成し、前記回答受付処理が受け付けたユーザーからの回答
とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成する
ことを特徴とする商標質問生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商標質問生成システム、商標質問生成装置、商標質問生成方法及び商標質問生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商標登録における効率的な情報収集の重要性が高まっている。商標登録には、商品や役務の詳細な情報が必要であり、これらの情報は商標の特性や使用目的に密接に関連している。従来の商標登録プロセスでは、依頼者が提供する情報に基づいて、弁理士や担当者が手作業で質問を準備し、それを依頼者に提示する方式が一般的であった。
【0003】
特許文献1は、商標登録出願の準備を支援する方法に関するもので、ユーザーから受け取った商標使用事業の説明に基づいて、一組の商品や役務を列挙する第1のAIモデルと、これらの商品や役務の中から商標登録出願の願書に記載可能な商品や役務を選定する第2のAIモデルを用いることを特徴としている。この方法により、ユーザーが事業の説明を入力すれば自動的に商品や役務の候補が提示され、商標登録出願の願書に記載すべき商品や役務の選定が効率化されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、商標登録のための詳細情報の収集において、ユーザーに対する質問を行わず、単に商標を使用する事業の説明に基づいて一組の商品や役務を列挙するに留まっていた。このアプローチは、商標登録に関わる情報の深掘りが不足しており、より詳細な情報を得ることが困難であった。また、従来の情報収集のプロセスでは、弁理士による手作業が主流であり、このプロセスの自動化が進んでいなかったため、時間と労力の面で非効率であった。
【0006】
そこで、本発明は、自動でユーザーに対して質問を行い、自動で詳細な情報を引き出すことができるシステムを提供し、人間の手間を省き、商標に関する情報収集の効率化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の商標質問生成システムは、ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付部と、前記入力情報とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成部と、前記質問生成部が生成した質問をユーザーに提示する質問提示部と、ユーザーからの回答を受け付ける回答受付部と、を有し、前記入力受付部と前記回答受付部は、それぞれ異なる入力欄に入力された情報から前記入力情報と前記回答を受け付け、前記入力情報を入力する入力欄と前記回答を入力する入力欄は、異なる画面に表示され、前記質問生成部が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を含み、前記質問生成部は、学習済みモデルとして大規模言語モデル(LLM)を使用して質問を生成し、前記回答受付部が受け付けたユーザーからの回答とユーザーから追加情報を引き出すための質問を生成する指示とを学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自動でユーザーに対して質問を行い、自動で詳細な情報を引き出すことができるシステムを提供することができ、人間の手間を省き、商標に関する情報収集を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】商標質問生成システムの一例を示す図である。
【
図4】商標質問生成システムの他の例を示す図である。
【
図5】商標質問生成システムの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る商標質問生成システム、商標質問生成装置、商標質問生成方法及び商標質問生成プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0011】
本発明の商標質問生成システムは、ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付部と、前記入力情報を学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成部と、前記質問生成部が生成した質問をユーザーに提示する質問提示部と、ユーザーからの回答を受け付ける回答受付部と、を有し、前記質問生成部が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、前記質問生成部は、前記回答受付部が受け付けたユーザーからの回答を学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成することを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態における各構成部について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の商標質問生成システム1を説明するための図である。本発明の商標質問生成システム1は、入力受付部11、質問生成部12、質問提示部13、回答受付部14を有する。本発明の商標質問生成システム1は、例えばCPU、RAM、ROM、ストレージデバイス、インターフェース等を有し、必要に応じてその他の部品等を有する。
【0013】
ユーザー40としては、特に制限されるものではなく、例えば法人、個人、団体など適宜使用が可能であり、国、企業、特許事務所、その他の事務所等が挙げられる。ユーザーとしているが、使用者、管理者、利用者、対象者、受領者などと称してもよい。以下の説明では、ユーザーと対象者を区別なくともに用いている。また、端末41としては、PC、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
【0014】
本実施形態の商標質問生成装置10は、例えばCPU、RAM、ROM、HDD、IF等を有し、必要に応じてその他の部品等を有する。
【0015】
端末41と商標質問生成装置10との通信方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。
【0016】
入力受付部11は、ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る。入力受付部11は、商標を使用する商品やサービス、事業内容、使用目的などの情報を入力として受け入れる。
【0017】
ユーザーは、例えば、入力画面で、提供されたフォームに必要な情報を入力し、送信ボタン52をクリックすることで、情報をサーバーに送信する。送信された情報は、サーバー側で受け取られ、その後、質問生成部12に渡される。質問生成部12では、受け取った情報を基に次の質問を生成する。
【0018】
入力受付部11の入力形式は、テキスト形式以外にも画像形式、PDF形式、音声形式、動画形式などでも良い。これにより、ユーザーは様々な方法で情報を提供することができ、システムはこれらの情報を収集し、商標登録に関する詳細なデータを得ることが可能となる。
【0019】
入力情報としては、例えば、商標を使用する事業、商標を使用する場所、商標を使用する商品若しくは役務等が挙げられる。特に制限されないが、具体的には例えば、「飲食店での使用」、「店舗およびオンラインでの販売」、「食品や飲料の販売」、「被服」、「雑貨」等が挙げられる。
【0020】
質問生成部12は、ユーザーから受け取った商標の使用目的に関する入力情報を基に1回目の質問を生成する。質問生成部12は、入力情報を学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する。質問生成では、ニューラルネットワークや他の機械学習技術を活用することができるが、特に大規模言語モデル(LLM)のような生成AIの使用が好ましい。
【0021】
質問生成部12は、ユーザーからの回答を学習済みモデルに入力して2回目以降の質問を生成する。ユーザーからの回答を用いて質問を生成することにより、人間が質問して情報収集するようなやり取りをシステムが自動で行うことができる。
【0022】
質問生成部12が生成する質問は、例えば、商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問が挙げられる。質問生成部12が生成する質問にこのような質問が含まれることにより、商標登録出願や商標調査を効率良く行うことができる。このような質問を生成するには、例えば、学習済みモデルに入力する際に、どのような出力を行うかの指示を与えることにより実現できる。
【0023】
例えば、「洋服」という入力情報が与えられた場合、複数の商品、役務、区分、類似群コードが候補になるため、商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を生成する。このように質問の生成と回答の受付とを行うことで、適切な商標権を取得できるという利点や、適切に商標調査を行うことができる利点がある。本発明では、従来は人間が行っていた商標に関するヒアリングを、システムが自動で行うことができる。例えば商標登録出願をする際、商品や役務に関して、権利に使う表現と一般的に使っている表現とが異なること、どこまでが権利範囲になるか検討する必要があること、指定商品や指定役務として記載できる表現にする必要があることなどの理由により、ヒアリングには知識や経験が必要であった。本発明のシステムによれば、商標登録出願や商標調査を行う際に必要なヒアリングを自動で行うことができる。なお、後述の実施例では、商標登録出願又は商標調査を行う際に用いられる商品、役務、区分又は類似群コードを特定するための質問を行っている。
【0024】
質問生成部12によって生成された質問は、質問提示部13を通じてユーザーに提示される。これにより、ユーザーからの追加情報を引き出すための質問が提供される。
【0025】
質問提示部13は、生成された質問をユーザーに提示する。システム1の中で処理されたユーザーの入力情報に基づき、質問生成部12からの質問が質問提示部13によって例えばユーザーインターフェース上に表示される。
【0026】
ユーザーは質問提示部13に表示された質問に回答し、その回答は回答受付部14を通じてシステムに送信される。質問生成部12は、受け取った回答に基づいて次の質問を生成し、質問提示部13は、新しい質問をユーザーに提示する。ユーザーからの回答に応じて、質問提示部13は継続的に質問を生成する。例えば、ユーザーが必要な情報を提供するまでこのプロセスが進行する。
【0027】
回答受付部14は、ユーザーからの回答を受け付ける。ユーザーは、例えば、質問画面で、質問提示部13に表示された質問に対して回答を入力し、回答ボタンをクリックすることで、その回答をシステムに送信する。送信された回答は、質問生成部12に渡され、次の質問の生成プロセスに使用される。これにより、システムはユーザーの回答に基づいて新たな質問を作成する。
【0028】
本発明によれば、自動でユーザーに対して質問を行い、自動で詳細な情報を引き出すことができるシステムを提供することができ、人間の手間を省き、商標に関する情報収集を効率化することができる。
【0029】
本発明によれば、上述のように、商標質問生成装置が提供される。
本発明の商標質問生成装置は、ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付部と、前記入力情報を学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成部と、前記質問生成部が生成した質問をユーザーに提示する質問提示部と、ユーザーからの回答を受け付ける回答受付部と、を有し、前記質問生成部が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、前記質問生成部は、前記回答受付部が受け付けたユーザーからの回答を学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成することを特徴とする
【0030】
本発明によれば、上述のように、コンピュータにより行う商標質問生成方法が提供される。
本発明の商標質問生成方法は、コンピュータが行う商標質問生成方法であって、ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付工程と、前記入力情報を学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成工程と、前記質問生成工程で生成した質問をユーザーに提示する質問提示工程と、ユーザーからの回答を受け付ける回答受付工程と、を有し、前記質問生成工程で生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、前記質問生成工程は、前記回答受付工程で受け付けたユーザーからの回答を学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成することを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、上述のように、コンピュータに処理を実行させる商標質問生成プログラムが提供される。
本発明の商標質問生成プログラムは、コンピュータに、ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付処理と、前記入力情報を学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成処理と、前記質問生成処理で生成した質問をユーザーに提示する質問提示処理と、ユーザーからの回答を受け付ける回答受付処理と、を実行させる商標質問生成プログラムであって、前記質問生成処理が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、前記質問生成処理は、前記回答受付処理が受け付けたユーザーからの回答を学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成することを特徴とする。
【0032】
(実施例1)
本発明の実施例1について、
図1、
図2A、
図2B、
図2C、
図2Dを用いて説明する。本実施例1では、ユーザー40が端末41を用いて、商標の使用目的に関する入力情報を送信する。
【0033】
図2Aに示される入力画面50では、「商標を使用する商品またはサービスを入力してください」という指示の下、ユーザー40は入力欄51に「webサービス」と入力し、送信ボタン52をクリックする。これにより、入力受付部11は入力情報を受け取る。
【0034】
次に、質問生成部12は、入力された情報を基に質問を生成し、質問提示部13を通じて
図2Bに示される質問画面53に表示する。ここで、ユーザー40に提示される質問は「このWebサービスはオンラインでの小売業、情報提供、またはソフトウェアとしてのサービス提供のいずれに該当しますか?」である。
【0035】
ユーザー40は、回答入力欄55に「ToDoを管理するソフトウェアです。SaaSです。」と回答し、回答ボタン56をクリックする。この回答は回答受付部14に送信され、質問生成部12に送られる。
【0036】
質問生成部12は、新たな回答情報を受け取り、
図2Cに示されるように次の質問を生成する。例えば、「SaaS(Software as a Service)として提供されるToDo管理ソフトウェアということですね。次に、このソフトウェアは個人向け、企業向け、あるいは特定の業界に特化していますか?それとも、全てのユーザーカテゴリーに向けたサービスですか?」という質問が提示される。
【0037】
図2Dは質問終了画面である。最終的に、
図2Dに示される質問終了画面58にて、収集された情報の概要が確認できるようになっている。
【0038】
このように、本実施例1の商標質問生成システム1は、ユーザー40からの入力情報に基づいて連続的に質問を生成し、ユーザーとのやりとりを通じて必要な情報を効率的に収集することが可能である。これにより、人間の手間を省くことができる。また、ユーザー40は自身の商標使用に関する詳細な情報を簡単に伝えることができる。
【0039】
(実施例2)
図1、
図3A、
図3B、
図3C、
図3Dを用いて、本発明の実施例2を説明する。
図3Aにおける入力画面50で、「商標を使用する商品またはサービスを入力してください」という指示に従い、「アパレル」と入力する。送信ボタン52をクリックすることで、入力受付部11は入力情報を受け取る。
【0040】
質問生成部12は受け取った入力情報を基に質問を作成し、質問提示部13を介して
図3Bに表示される質問画面53に提示する。提示される質問は「アパレルについて、より具体的な商品・サービスの範囲について教えていただけますか?」である。
【0041】
ユーザー40は回答入力欄55で「服と鞄を販売します」と回答し、回答ボタン56を押下してこの回答を回答受付部14へ送信する。回答受付部14は、ユーザーからの回答を受け取り、質問生成部12は、
図3Cに示されるように次の質問を作成する。この質問は「販売される服と鞄に関して、一般的な消費者向けの小売業でしょうか、それとも卸売りや他のビジネス向けの販売をされる予定でしょうか?」である。
【0042】
図3Dは質問終了画面である。収集された情報は
図3Dに示される質問終了画面58にて確認できる
【0043】
このように、本実施例2の商標質問生成システム1は、ユーザーからの入力情報と回答に基づいて継続的に質問を生成し、質問と回答を通じて必要な情報を効率的に収集することができる。これにより、人間の手間を省くことができる。また、ユーザーは自社のアパレル商品に関する詳細な情報を簡潔に伝えることが可能である。
【0044】
(実施例3)
本発明の実施例3について、
図4を用いて説明する。本実施例では、結果提供部15が用いられる。結果提供部15は、ユーザーからの入力情報、生成された質問、およびユーザーの回答を、商標登録出願の書類作成者や商標調査を行う実施者に提供する。
【0045】
この実施例において、ユーザー40は、端末41を通じて、商標の使用目的に関する情報を入力受付部11に提供する。質問生成部12は入力情報を基に質問を生成し、質問提示部13を介してユーザー40にこれらの質問を提示する。ユーザー40からの回答は回答受付部14によって受け取られ、質問生成部12で新たな質問の生成に使用される。
【0046】
結果提供部15は、ユーザー40からの入力情報、質問生成部12によって生成された質問、およびユーザー40の回答を、商標登録出願の書類作成者や商標調査を行う実施者へ提供する。これにより、商標に関する詳細な情報が効率的に収集・提供されることになる。
【0047】
このように、実施例3の商標質問生成システム1は、ユーザーからの入力に基づいて継続的に質問を生成し、質問と回答を通じて必要な情報を収集する。さらに、結果提供部15によって、収集された情報が書類作成者や商標調査実施者に提供される。これにより、人間の手間を省くことができ、商標登録に関する詳細な情報の収集と提供のプロセスが一層効率化される。
【0048】
結果提供部15による提供方法は、適宜選択でき、例えば、端末43の画面に表示してもよいし、メール等によりデータを送信してもよい。
【0049】
(実施例4)
図5と
図6を用いて、本発明の実施例4について説明する。この実施例では、質問評価受付部16が用いられる。質問評価受付部16は、ユーザーからの質問に対する評価を受け付ける。質問に対する評価は、質問生成の精度向上に利用される。
【0050】
質問生成部12は、ユーザーからの入力情報を基に質問を生成し、質問は質問提示部13を介してユーザーに表示される。ユーザーからの回答は回答受付部14によって受け取られ、質問生成部12で次の質問の生成に利用される。
【0051】
質問評価受付部16は、質問提示部13に表示される質問に対するユーザーの評価を受け付ける。
図6に示されるように、ユーザーは質問に対して評価を行い、この評価は質問評価受付部16を通じてシステムに送信される。質問に対する評価は、質問生成部12での質問の改善やシステムの全体的な最適化に利用される。
【0052】
この方法により、実施例4の商標質問生成システム1は、ユーザーからの入力に基づいて連続的に質問を生成し、対話を通じて必要な情報を収集する。さらに、質問評価受付部16によって収集されたユーザーのフィードバックは、質問の質を高め、システム全体の効率性と有用性を向上させる。
【0053】
質問の評価の形式は、適宜選択でき、例えば、
図6に示すように、あらかじめ定められた評価を選択する形式であってもよい。その他にも例えば、評価の数値をユーザーが入力する形式であってもよい。その他にも例えば、評価をテキストで入力する形式であってもよい。
【0054】
上記説明したように、本発明によれば、自動でユーザーに対して質問を行い、自動で詳細な情報を引き出すことができるシステムを提供することができ、人間の手間を省き、商標に関する情報収集を効率化することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 商標質問生成システム
10 商標質問生成装置
11 入力受付部
12 質問生成部
13 質問提示部
14 回答受付部
15 結果提供部
16 質問評価受付部
40 ユーザー
41 端末
42 書類作成者
43 端末
50 入力画面
51 入力欄
52 送信ボタン
53 質問画面
54 質問生成欄
55 回答入力欄
56 回答ボタン
57 スキップボタン
58 質問終了画面
59 移動ボタン
60 質問評価選択領域
【要約】
【課題】自動でユーザーに対して質問を行い、自動で詳細な情報を引き出すことができるシステムを提供し、人間の手間を省き、商標に関する情報収集の効率化を目的とする。
【解決手段】ユーザーから商標の使用目的に関する入力情報を受け取る入力受付部と、前記入力情報を学習済みモデルに入力し、1回目の質問を生成する質問生成部と、前記質問生成部が生成した質問をユーザーに提示する質問提示部と、ユーザーからの回答を受け付ける回答受付部と、を有し、前記質問生成部が生成する質問は、ユーザーからの追加情報を引き出す質問であり、前記質問生成部は、前記回答受付部が受け付けたユーザーからの回答を学習済みモデルに入力し、2回目以降の質問を生成することを特徴とする商標質問生成システム。
【選択図】
図1