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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】測位システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20241025BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20241025BHJP
【FI】
G01C21/30
G06T7/20 300Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021006417
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2022110793
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-12-06
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】表 昌佑
(72)【発明者】
【氏名】児島 史秀
(72)【発明者】
【氏名】松村 武
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-143901(JP,A)
【文献】特開2019-096062(JP,A)
【文献】特開2016-085686(JP,A)
【文献】特表2015-521127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を含む画像情報を取得し該画像情報における前記移動体の相対的位置に基づいて前記移動体の位置を示す画像位置情報を生成するセンサ部と、
前記移動体に備えた無線装置からの要求に応じて前記画像位置情報に基づいた前記移動体の位置情報を取得するサーバ部と、
前記無線装置から前記要求を受けるとともに前記無線装置に対して前記移動体の位置情報を提供する無線部とを備え、
前記無線部は、視覚的に識別可能な前記移動体がなすべき動作を示す動作指示情報を前記無線装置に送信し、
前記センサ部は、前記画像情報において前記動作指示情報に対応する動作をしている前記移動体を含む領域を探索し、該領域に対応する位置を前記画像位置情報として生成すること
を特徴とする測位システム。
【請求項2】
前記センサ部は、前記移動体を異なる位置から撮影して得た第1の画像情報および第2の画像情報を取得し、前記第1の画像情報における前記移動体を含む領域の相対的位置および前記第2の画像情報における前記移動体を含む領域の相対的位置に基づいて前記画像位置情報を生成することを特徴とする請求項1記載の測位システム。
【請求項3】
前記センサ部は、前記第1の画像情報における前記移動体を含む領域および前記第2の画像情報における前記移動体を含む領域それぞれの重複割合に基づいて前記画像位置情報を生成することを特徴とする請求項2記載の測位システム。
【請求項4】
前記動作指示情報は、前記移動体の移動態様、移動時間、移動距離および前記移動体における灯火の点灯状態のいずれか1以上含むことを特徴とする請求項1記載の測位システム。
【請求項5】
前記無線部は、前記移動体に備えた無線装置から、該無線装置が自律的に取得し前記無線装置の位置を示す自律位置情報を取得し、
前記サーバ部は、前記自律位置情報および前記画像位置情報に基づいて前記移動体の位置情報を取得すること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の測位システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、測位システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者の移動に対する不安を解消して、社会参画と自立を促す高齢者向けスマートモビリティの実現が強く望まれている。高齢者向けスマートモビリティとは、車いすのような車両や介護補助ロボットなどにおいて、カメラやライダ(LiDAR: Light Detection and Ranging)、GNSS/IMU装置などの多種多様なセンサ情報やインフラセンサ情報を活用し、自律的かつ自動走行を実現して主として高齢者の移動支援を行うシステムである。
【0003】
屋外であれば衛星測位装置による位置情報が有効であるが、屋内では自律的に自己の位置を取得する手段が必要である。屋内において利用可能な位置取得手段としては、室内測位センサ、無線装置による三角測位、カメラなどを用いた室内測位の技術が知られている。これらの測位技術を組み合わせることで、屋内での自動走行車等、精密な位置情報を要するシステムにも有効となる。
【0004】
しかし、自動走行車のように移動する車両を念頭に置いた場合、移動に伴う測位誤差の克服が課題となる。特に、移動に伴う周辺の環境や状況の変化によるセンサの誤動作や蓄積誤差が無視できなくなり、自己位置の推定が難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特願2019-18117
【文献】特開2008-176504
【文献】特許第5454573号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の測位システムでは、周辺環境や状況の変化でセンサの誤動作や蓄積誤差による自己位置の推定が難しいという問題がある。以下に説明する実施形態は係る課題を解決するためになされたもので、移動に伴う環境や状況の変化においてもセンサの誤動作や蓄積誤差を抑えることのできる測位システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
移動体を含む画像情報を取得し該画像情報における移動体の相対的位置に基づいて移動体の位置を示す画像位置情報を生成するセンサ部と、移動体に備えた無線装置からの要求に応じて画像位置情報に基づいた移動体の位置情報を取得するサーバ部と、無線装置から要求を受けるとともに無線装置に対して移動体の位置情報を提供する無線部とを備えている。
【0008】
センサ部は、移動体を異なる位置から撮影して得た第1の画像情報および第2の画像情報を取得し、第1の画像情報における移動体を含む領域の相対的位置および第2の画像情報における移動体を含む領域の相対的位置に基づいて画像位置情報を生成してもよい。ここで、センサ部は、第1の画像情報における移動体を含む領域および第2の画像情報における移動体を含む領域それぞれの重複割合に基づいて画像位置情報を生成してもよい。
【0009】
無線部は、視覚的に識別可能な移動体がなすべき動作を示す動作指示情報を無線装置に送信し、センサ部は、移動体が動作指示情報に応じてなした動作に基づいて画像情報における移動体を含む領域を確定して画像位置情報を生成してもよい。このとき、動作指示情報は、移動体の移動態様、移動時間、移動距離および移動体における灯火の点灯状態のいずれか1以上含んでもよい。ここで、無線部が、移動体に備えた無線装置から、該無線装置が自律的に取得し無線装置の位置を示す自律位置情報を取得し、サーバ部が、自律位置情報および画像位置情報に基づいて移動体の位置情報を取得してもよい。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の測位システムによれば、移動に伴う環境や状況の変化においてもセンサの誤動作や蓄積誤差を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の測位システムの概要を示す図である。
図2】実施形態の測位システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施形態の測位システムにおける画像認識の様子を示す図である。
図4】実施形態の測位システムの適用例を示す図である。
図5】実施形態の測位システムの適用例を示す図である。
図6】実施形態の測位システムの適用例を示す図である。
図7】実施形態の測位システムの動作を示すフローチャートである。
図8】実施形態の測位システムの動作を示すフローチャートである。
図9】実施形態の測位システムの動作を示すフローチャートである。
図10】実施形態の測位システムの動作を示すフローチャートである。
図11】実施形態の測位システムの動作を示すフローチャートである。
図12】実施形態の測位システムの動作を示すフローチャートである。
図13】実施形態の測位システムの動作を説明する図である。
図14】実施形態の測位システムの動作を説明する図である。
図15】実施形態の測位システムの動作を説明する図である。
図16】実施形態の測位システムにおける動作指示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態の概要)
実施形態の測位システムは、主として屋内における移動体の位置を測定し追跡する。図1に示すように、実施形態の測位システム1は、スマート電子カーブミラー10を用いて、移動体30の位置を測定することができる。
【0013】
スマート電子カーブミラー10は、センサ装置11と、無線装置12と、アンテナ13を有している。センサ装置11は、車いすなどの移動体30、歩行者41、物体42などを撮影するセンサとしてのカメラを有しており、撮影した物体を識別する機能を有している。無線装置12およびアンテナ13は、移動体30に搭載された端末装置32およびアンテナ33と対応し、端末装置32と通信する機能をもつ。スマート電子カーブミラー10は、サーバ20と無線または有線により接続されている。サーバ20は、スマート電子カーブミラー10を介して取得した情報に基づいて移動体30の位置を測定し、測定した位置の情報を移動体30に提供する機能を有する。図1に示す例では、サーバ20は、複数のスマート電子カーブミラー10とネットワークNWを介して接続されている。
【0014】
移動体30に搭載された端末装置32は、自己の位置を自律的に測定する手段を有してもよい。端末装置32が自己の位置を自律的に測定する手段を有する場合、その測定精度は高くなくてもよい。端末装置32は、自ら取得する自己の位置情報と、スマート電子カーブミラー10を介して取得する自己の位置情報とを用いて、自動運転が可能なレベルの位置精度を得ることができる。
【0015】
(実施形態の構成)
続いて、図2を参照して、実施形態の測位システム1の構成を詳細に説明する。図2に示すように、実施形態の測位システム1は、スマート電子カーブミラー10、サーバ20を有している。スマート電子カーブミラー10は、センサ装置11および無線装置12を有している。
【0016】
センサ装置11は、カメラCM、画像処理部112、制御部114およびネットワークインタフェース(NW I/F)116を有している。カメラCMは、例えば、移動体を光学的に撮影可能なセンサである。図2に示すように、実施形態のカメラCMは、端末装置32を備えた移動体30を撮影可能に構成される。画像処理部112は、カメラCMが取得した動画像に係る画像情報について所定の画像処理を行う演算ブロックである。画像処理部112は、画像処理部112により処理された画像情報に基づいて移動体30を識別する機能をも有する。制御部114は、センサ装置11全体を制御する演算ブロックである。ネットワークインタフェース116は、サーバ20とネットワークNWを介して接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース116は、無線でも有線でも構わない。
【0017】
図3は、センサ装置11が移動体30などを撮影し識別する様子を示している。カメラCMが画像50を撮影すると、画像処理部112は、移動体30や歩行者41、物体42を識別し、それぞれに識別枠51を重畳させた画像情報を生成する。識別枠51は、カメラCMが撮影した画像情報において一定の位置を占めているから、当該画像情報における相対的位置を求めることを可能にする。すなわち、画像処理部112は、識別枠51を通じて、識別枠51により識別した移動体30や歩行者41などの相対的位置を示す画像位置情報を生成する。画像処理部112は、例えば移動体30が移動すると、その移動を追跡し、識別枠51も当該移動に追随して移動させた画像情報を逐次生成する。すなわち、画像処理部112は、カメラCMが取得した画像50において移動体30などの物体を識別し、その動きを追跡することができる。識別枠51が重畳された画像情報は、ネットワークNWを介してサーバ20に送られる。
【0018】
無線装置12は、端末装置32と通信する無線アクセスポイントとして機能する。無線装置12は、アンテナ13、無線インタフェース(無線I/F)122、制御部124およびネットワークインタフェース(NW I/F)126を有している。無線インタフェース122は、端末装置32と電波により接続するためのインタフェースである。アンテナ13は、無線インタフェース122と接続され端末装置32との無線通信を実現する。制御部124は、通信相手となる端末装置32を識別し送受信データを生成し復号する演算ブロックである。ネットワークインタフェース(NW I/F)126は、ネットワークインタフェース116と対応し、サーバ20とネットワークNWを介して接続するためのインタフェースである。
【0019】
サーバ20は、センサ装置11を介して移動体30を識別し、位置を測定する機能を有する。図2に示すように、サーバ20は、地図情報処理部210、位置情報処理部220、識別処理部230、端末登録部240、記憶部250およびネットワークインタフェース(NW I/F)260を有している。
【0020】
地図情報処理部210は、移動体30(端末装置32)が位置するエリアの地図情報を生成して移動体30に提供する演算ブロックである。位置情報処理部220は、センサ装置11を介して移動体30の位置情報を取得する演算ブロックである。識別処理部230は、センサ装置11を介して取得した画像情報に基づいて移動体30を識別する演算ブロックである。端末登録部240は、測位対象となる移動体30を追跡対象として記憶部250に登録する演算ブロックである。記憶部250は、移動体30に提供する地図情報や移動体30の位置情報、移動体30に備えられる端末装置32に関する端末情報などを記憶する記憶媒体である。ネットワークインタフェース(NW I/F)260は、ネットワークインタフェース116・126と対応し、センサ装置11や無線装置12とネットワークNWを介して接続するためのインタフェースである。
【0021】
図2に示す例では、端末装置32は、移動体30に備えられ無線通信機能および自己位置取得機能を有する。端末装置32は、アンテナ33、地図管理部310、位置管理部320、制御部330、無線インタフェース(無線I/F)340、入力インタフェース(入力I/F)350および出力インタフェース(出力I/F)360を有している。
【0022】
地図管理部310は、自己の位置を含む地図の地図情報を取得しユーザに提供する演算ブロックである。位置管理部320は、自己の位置に係る位置情報を取得する演算ブロックである。制御部330は、無線装置12との通信や各要素のプロセスを制御する演算ブロックである。無線インタフェース(無線I/F)340は、無線インタフェース122と対応し、無線装置12と電波を介して接続するためのインタフェースである。アンテナ33は、無線インタフェース340と接続され、無線装置12との無線通信を実現する。入力インタフェース350は、例えばキーボードやタッチパネルなどユーザがコマンド等を入力可能なインタフェースである。出力インタフェース360は、例えばディスプレイ装置等ユーザに画像情報を提供可能なインタフェースである。
【0023】
(実施形態の適用例)
続いて、図4ないし図16を参照して、実施形態の適用例とその動作について説明する。実施形態の測位システム1は、例えば図4に示すように移動体30が建物Bの中を移動するような場合に適用することができる。図4に例示する建物Bは、部屋R101~R104を有する一階FL1と、部屋R501~R506を有する二階FL2を有し、エレベータEVにより上下階を移動可能とされている。
【0024】
一階FL1には、センサ装置11C1~11C3が備えられ、一階FL1の廊下部分を撮影している。同様に、二階FL2には、センサ装置11C4~11C6が備えられ、二階FL2の廊下部分を撮影している。センサ装置11C1~11C6は、ネットワークNWを介してサーバ20に接続されている。センサ装置11C1~11C6は、それぞれ撮影領域VC1~VC6の範囲を撮影することができる。
【0025】
また、図5に示すように、建物Bの一階FL1には、それぞれアンテナ13A1~13A2を備えた無線装置12A1~12A2が備えられている。同様に、二階FL2には、アンテナ13A3~13A4を備えた無線装置12A3~12A4が備えられている。無線装置12A1~12A4はネットワークNWを介してサーバ20に接続されている。無線装置12A1~12A4は、それぞれ通信領域WA1~WA4の範囲に存在する端末装置32と通信することができる。
【0026】
図6は、図4および図5を重畳したものである。図6に示すように、移動体30が移動する建物Bの廊下は、センサ装置11C1~11C6の撮影領域VC1~VC6と、無線装置12A1~12A4の通信領域WA1~WA4にカバーされている。以下の説明において、移動体30(図6中「M1」と表示)が矢印に沿って地点RからRへ進んでエレベータEVへ到達し、二階FL2においてエレベータEVを降りて地点RからRへと移動するものとする。
【0027】
移動体30が地点R、地点R、地点Rを経てエレベータEVに到達する経路を考えると、端末装置32は、当該経路をカバーする通信領域WA1をもつ無線装置12A1と通信可能になる。その際、移動体30は、センサ装置11C1、センサ装置11C3、センサ装置11C2それぞれの撮影領域VC1、撮影領域VC3、撮影領域VC2を通過し、それぞれのセンサ装置により撮影されることになる。
【0028】
同様に、移動体30が地点R~地点Rを移動して部屋R506に到達する経路を考えると、端末装置32は、まず通信領域WA3をもつ無線装置12A3と通信可能となり、次いで通信領域WA4をもつ無線装置12A4と通信可能となる。その際、移動体30は、センサ装置11C4、センサ装置11C5、センサ装置11C6それぞれの撮影領域VC4、撮影領域VC5、撮影領域VC6を通過し、それぞれのセンサ装置により撮影されることになる。
【0029】
サーバ20は、無線装置12を介して端末装置32か自律的に取得した自己の位置を示す自律位置情報を取得する。また、サーバ20は、センサ装置11が撮影した端末装置32を含む画像情報に基づいて取得した画像位置情報を取得する。前述したとおり、画像位置情報は、センサ装置11が撮影した画像情報における端末装置32の相対的位置を示しているから、当該相対的位置を通じて端末装置32の絶対的位置をも得ることができる。すなわち、実施形態の測位システムは、対象物自ら取得する位置情報を、外部から客観的に得られる位置情報により補間することを可能にする。
【0030】
(位置登録動作)
この実施形態では、端末装置32は、スタート地点(Start)において、地図情報の取得、位置情報の取得、サーバ20への登録を行う。図6および図7を参照して、実施形態の適用例における測位システム1の動作を説明する。
【0031】
端末装置32は、スタート地点(Start)において、一階FL1の地図情報をサーバ20に要求する。端末装置32の地図管理部310は、自己のIDを含む地図要求信号を生成する。地図要求信号は、端末装置32を通信範囲WA1に含む無線装置12A1に送られる。無線装置12A1の制御部124は、地図要求信号をサーバ20に送り、サーバ20の地図情報処理部210は、地図要求信号を受け付ける(S100)。
【0032】
地図情報処理部210は、一階FL1の地図情報を記憶部250から読み出す。地図情報処理部210は、読みだした地図情報を無線装置12A1に送り、無線装置12A1は、地図情報を端末装置32に送る(S110)。端末装置32の地図管理部310は、受け取った地図情報を、出力インタフェース360を通じてユーザに提供する。
【0033】
端末装置32の位置管理部320は、自律的に自己の位置を示す位置情報(自律位置情報)を取得し保持している。位置管理部320は、端末装置32の位置を示す自律位置情報(X1,Y1)をもとに、位置通知信号を生成する。位置通知信号は、自己のIDと、自律位置情報(X1,Y1)を含んでいる。位置通知信号は、端末装置32を通信範囲WA1に含む無線装置12A1に送られる。無線装置12A1の制御部124は、位置通知信号をサーバ20に送り、サーバ20の位置情報処理部220は、位置通知信号を受け付ける(S120)。
【0034】
続いて、位置情報処理部220は、受け付けた位置通知信号に含まれる端末装置32の自律位置情報(X1,Y1)に基づき、端末装置32が撮影領域VC1に含まれるセンサ装置11C1に対して、端末装置32の画像情報取得を指示する。センサ装置11C1の画像処理部112は、カメラCMを通じて取得した画像情報から端末装置32を識別し、その位置を示す画像位置情報(X2,Y2)を取得する。画像位置情報は、センサ装置11が画像情報から取得した対象の位置を示す位置情報である。画像処理部112は、カメラCMを通じて取得した端末装置32の画像位置情報(X2,Y2)をサーバ20に送り、位置情報取得部220は、画像位置情報(X2,Y2)を受け付ける(S130)。
【0035】
識別処理部230は、位置情報処理部220が受け付けた自律位置情報(X1,Y1)および画像位置情報(X2,Y2)を対比(識別処理)する(S140)。識別処理は、端末装置32が自律的に取得・保持している自律位置情報と、センサ装置11が取得した画像情報から取得した端末装置32の画像位置情報とが同一の対象物を示しているか否かの観点から判定する。
【0036】
自律位置情報と画像位置情報とが同一対象を示すと判定された場合、端末登録部240は、自律位置情報(X1,Y1)かつ画像位置情報(X2,Y2)により示される対象と端末装置32のIDとを関連付けて記憶部250に保存する。また、端末登録部240は、無線装置12A1を介して、自律位置情報(X1,Y1)が登録された旨端末装置32に通知する(S150)。端末装置32は、この時点で自律位置情報が画像位置情報により確認されたことを知ることができる。
【0037】
併せて、端末登録部240は、画像位置情報(X2,Y2)を示す対象が端末装置32であることをセンサ装置11C1に通知する。センサ装置11C1は、画像位置情報(X2,Y2)に示される対象が、自律位置情報(X1,Y1)の端末装置32であることを記録する(S160)。
【0038】
(複数のセンサ装置による画像位置情報の存在)
以上説明した例では、端末装置32がセンサ装置11C1により撮影されて画像位置情報(X2,Y2)を取得し、位置情報処理部220が画像位置情報(X2,Y2)を受け付けたものとして説明したが、これには限定されない。例えば、図6において移動体30が地点Rに位置する場合、移動体30は、撮影領域VC1だけでなく撮影領域VC3にも位置していることになる。すなわち、移動体30は、センサ装置11C1およびセンサ装置11C3により撮影されるから、位置情報処理部220は、二つの画像位置情報を受け付けることになる。
【0039】
図13を参照して詳細に説明する。図13に示すように、例えば移動体32がセンサ装置11C1およびセンサ装置11C3により撮影されると、それぞれの画像処理部122は、識別枠52C1および識別枠52C3を画像情報に重畳する。すなわち、センサ装置11C1は識別枠52C1を用いて画像位置情報を取得し、センサ装置11C3は識別枠52C3を用いて画像位置情報を取得する。このとき、センサ装置11C1により生成された識別枠52C1とセンサ装置11C3により生成された識別枠52C3は一致しないことがあり、二つの異なる画像位置情報が存在してしまう。
【0040】
同様に、例えば移動体33がセンサ装置11C1およびセンサ装置11C3により撮影されると、それぞれの画像処理部122は、識別枠53C1および識別枠53C3を画像情報に重畳する。すなわち、センサ装置11C1は識別枠53C1を用いて画像位置情報を取得し、センサ装置11C3は識別枠53C3を用いて画像位置情報を取得する。このとき、センサ装置11C1により生成された識別枠53C1とセンサ装置11C3により生成された識別枠53C3は一致しないことがあり、二つの異なる画像位置情報が存在してしまう。
【0041】
特に、図13に示すように、複数の移動体32および33が近接して存在する場合、自律位置情報と画像位置情報とがあまりに乖離していると、無線装置12を介して得た自律位置情報に対応する端末装置が、移動体32に対応するか移動体33に対応するか確定することができなくなる。
【0042】
そこで、実施形態の測位システムでは、複数の識別枠の重複割合に基づいて識別判定を行う。例えば、図14に示すように、異なるセンサ装置が画像情報に重畳した識別枠53C1と識別枠53C3の重複部分53OVが識別枠に占める割合が所定の閾値(例えば50%)を超えた場合、両者は同じ対象物を識別していると判定し、どちらか一方のセンサ装置が取得した画像位置情報を自律位置情報との対比に用いる。逆に、重複部分が閾値を超えない場合、センサ装置それぞれは同じ対象物を指しているとは限らないと判定し、画像位置情報が取得できないものとして処理を行う。
【0043】
この実施形態の測位システムによれば、無線装置12を介して取得され端末装置32が自律的に保持している自律位置情報と、センサ装置11を介して取得され画像情報に基づき取得される画像位置情報とを比較するので、自律位置情報の位置精度を向上させることができる。
【0044】
(自律位置情報が取得できない場合の動作)
続いて、図6および図8を参照して、端末装置32が自己の位置情報を取得できない場合の測位システムの動作について説明する。以下の説明において、図7にて説明する動作と共通するステップには共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0045】
端末装置32は、スタート地点(Start)において、一階FL1の地図情報をサーバ20に要求する。端末装置32の地図管理部310は、自己のIDを含む地図要求信号を生成する。地図要求信号は、端末装置32を通信範囲WA1に含む無線装置12A1に送られる。無線装置12A1の制御部124は、地図要求信号をサーバ20に送り、サーバ20の地図情報処理部210は、地図要求信号を受け付ける(S100)。
【0046】
地図情報処理部210は、一階FL1の地図情報を記憶部250から読み出す。地図情報処理部210は、読みだした地図情報を無線装置12A1に送り、無線装置12A1は、地図情報を端末装置32に送る(S110)。端末装置32の地図管理部310は、受け取った地図情報を、出力インタフェース360を通じてユーザに提供する。
【0047】
図2に示す端末装置32の位置管理部320は、自律位置情報を取得し保持するが、何らかの理由で自立位置情報の保持に失敗することがある。この場合、端末装置32は、サーバ20に対し画像位置情報を要求する。端末装置32の位置管理部320は、自己のIDを含む位置要求信号を生成する。位置要求信号は、例えば移動体30が地点Rに位置する場合、端末装置32を通信範囲WA1に含む無線装置12A1および通信範囲WA2に含む無線装置12A2の少なくとも一方に送られる。無線装置12A1および/または無線装置12A2の制御部124は、位置要求信号をサーバ20に送り、サーバ20の位置情報処理部220は、位置要求信号を受け付ける(S235)。
【0048】
位置要求信号を受け付けると、サーバ20は、要求端末識別処理を開始する(S240)。要求端末識別処理は、端末装置32に対する動作指示と、センサ装置11対する識別要求の二つの処理を含んでいる。
【0049】
サーバ20の識別処理部230は、無線装置12を介して、動作指示信号を端末装置32の位置管理部320に送る。動作指示信号は、無線装置32を備える移動体30が視覚的に識別可能な所定の動作をするよう指示する信号である。例えば、動作指示信号は、動作すべき時刻や時間、動作すべき内容(所定距離前進、所定距離後進などの移動態様や移動距離)、移動体30に備えた灯火の有無や状態(点滅の有無、点滅間隔、灯火の色など)などのうち一以上の動作が含まれている。位置管理部320は、動作指示信号の内容を、ユーザの理解できる態様で出力インタフェース360を通じて移動体30を利用しているユーザに提供する。これに対してユーザは、出力インタフェース360により提供された動作指示信号の内容に応じた動作を実施する。例えば、動作指示信号に「所定距離前進」の内容が含まれていれば、ユーザは移動体30を所定の距離の前進動作を実行する。また、動作指示信号に「所定間隔で灯火を点滅」が含まれていれば、ユーザはセンサ装置11から視認されるように灯火を点滅させる。
【0050】
サーバ20の識別処理部230は、動作指示信号を送ると、移動体30の識別要求をセンサ装置11に送る。カメラCMは、位置登録動作を行った端末装置32およびそれを備える移動体30を常に追跡しているから、動作指示信号に応じた動作を行った移動体30は、カメラCMにより撮影されている。センサ装置11の画像処理部112は、サーバ20から識別要求を受けると、動作指示信号に対応する動作をしている端末装置を探索する。具体的には、画像処理部112が生成する識別枠のうち、動作指示信号に対応する動きを示す識別枠を探索し、該当する識別枠に対応する画像位置情報を生成する。サーバ20の識別処理部230は、センサ装置11が取得した画像位置情報に対応する端末装置32のIDを確定する。これら一連の動作により、位置要求信号を発した端末装置32とその画像位置情報が確定される(S245)。
【0051】
端末装置32と対応する画像位置情報とが確定すると、端末登録部240は、画像位置情報(X2,Y2)により示される対象と端末装置32のIDとを関連付けて記憶部250に保存する。また、端末登録部240は、無線装置12A1または無線装置12A2介して、画像位置情報(X2,Y2)が登録された旨端末装置32に通知する(S250)。端末装置32は、この時点で最新の画像位置情報を取得するので、端末装置32の位置管理部320は、取得した画像位置情報をもとに自己の自律位置情報(X1,Y1)の生成を再開することができる(S260)。
【0052】
ここで、図15および図16を参照して、要求端末識別処理(S240)について詳細に説明する。センサ装置11は、カメラCMが取得した画像情報に移動体30等を追跡する識別枠を重畳する。このとき、複数の移動体が近接した状況では、一つの識別枠に複数の移動体が含まれてしまうことが考えられる。この場合、センサ装置11が移動体単位の位置追跡を行うことができず、移動体毎の画像位置情報を生成することが困難となる。
【0053】
例えば、図15に示すように、端末装置32が自立位置情報の取得に失敗しサーバ20に位置要求信号を発した場合、センサ装置11は端末装置32を備えた移動体30について識別枠を用いて画像位置情報を生成する。しかし、移動体30a・30bが互いに接近しているため、一つの識別枠51に二つの移動体30a・30bが含まれてしまい、画像位置情報を確定することができない。
【0054】
そこで、実施形態の測位システムでは、サーバ20が端末装置32に対して動作指示信号を送信する。動作指示信号は、移動体30が実施すべき動作内容を含んでいる。図16は、動作指示信号の一例を示している。図16に示す動作指示信号の例では、インデックス0として動作「停止」、条件として「X秒間」、スタート時刻と終了時刻が規定されている。すなわち、動作指示信号にインデックス0が含まれていれば、指示内容は「X秒間の停止」である。同様に、インデックス2として動作「直進」、条件として「Xm」、スタート時刻と終了時刻が規定されている。すなわち、動作指示信号にインデックス2が含まれていれば、指示内容は「Xmの直進(前進)」となる。動作指示信号は、図16に示すような内容をデータとして含んでもよいし、図16に示すインデックス番号のみを含んでもよい。動作指示信号にインデックス番号のみを含む場合、サーバ20の識別処理部230、センサ装置11の画像処理部112、および端末装置32の位置管理部320は、図16に示すような動作指示信号の共通のテーブルを保持しておけばよい。
【0055】
端末装置32のユーザは、サーバ20から送られた動作指示信号の内容を、出力インタフェース360を通じて取得する。ユーザは、動作指示信号の内容に応じて移動体30を動作させる。例えば、インデックス番号が2であれば、ユーザは移動体30をXm前進させる。
【0056】
センサ装置11の画像処理部112は、動作指示信号の内容に応じた動作をしている移動体を識別要求に係る移動体であると判定し、識別枠により追跡を行い、画像位置情報を生成する。すなわち、移動体30a・30bのうち、Xmの前進動作をする移動体を識別枠51で追跡し、画像位置情報を生成する。
【0057】
この実施形態の測位システムによれば、端末装置32が自律的に取得する自己の位置を示す自律位置情報の取得に失敗した場合でも、センサ装置11により得られる画像位置情報に基づいて端末装置32の位置(移動体30の位置)を取得することができる。なお、以上説明した実施形態の例では、端末装置32の位置管理部320が無線通信機能および自己位置取得機能を有するものとして説明したが、これには限定されない。すなわち、端末装置32が自己位置取得機能を有していなくてもよい。この場合、図8の「自律位置情報が取得できない場合の動作」と同様に、端末装置32がサーバ20に対して位置要求信号を送り(図8ステップS235)、サーバ20が要求端末識別処理を開始し(同S240)、サーバ20が端末装置32に対して動作指示信号を送り、センサ装置11が端末装置を探索して画像位置情報を生成する(S245)。これにより、移動体30の端末装置32が自己位置取得機能を持っていなくても、端末装置32はセンサ装置11による画像位置情報に基づいて自己の位置を取得することができる。
【0058】
続いて、図6図9ないし図12を参照して、移動体30の移動に応じてなされる通信動作について詳細に説明する。
【0059】
位置登録が完了すると(図7)、端末装置32は、サーバ20に行先情報を送信して経路情報を要求し、サーバ20は、端末装置32による経路情報の要求を受け付ける(S300)。サーバ20は、端末装置32から送られた行先情報に基づいて経路情報を生成し、関連する地図情報を端末装置32に送る(S310)。
【0060】
センサ装置11C1は、撮影した画像情報内の移動体30について識別枠51を用いて追跡し、画像位置情報を生成する。サーバ20は、移動体30の画像位置情報を受け取り、記憶部250に記憶する(S400)。
【0061】
位置Rにおいて、移動体30は、センサ装置11C1およびセンサ装置11C2に撮影されている。複数のセンサ装置11が移動体30をとらえた場合(S410のYes)、サーバ20は、図13および図14により説明した識別処理を実行する(S420)。すなわち、識別枠51の重複割合を用いて識別処理する。サーバ20は、確定した画像位置情報を端末装置32に送る(S430)。
【0062】
位置Rにおいて、移動体30は、センサ装置11C2に撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C2から移動体30の画像位置情報を受け取る(S440)。
【0063】
移動体30が位置RからRに至ると、移動体30は、センサ装置11C4に撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C4から移動体30の画像位置情報(X1,Y1)を受け取る(S500)。
【0064】
移動体30が位置Rに至ると、移動体30はセンサ装置11C4の撮影領域VC4を外れてしまい、センサ装置11C4は、移動体30の追跡ができなくなる(S510のYes)。その場合、サーバ20は、端末装置32から自律位置情報(X2,Y2)を取得する(S520)。
【0065】
移動体30が位置Rに達したところで、移動体30は、センサ装置11C6により撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C6から移動体30の画像位置情報(X3,Y3)を受け取る(S530)。併せて、サーバ20は、端末装置32から自律位置情報(X4,Y4)を取得する(S540)。
【0066】
サーバ20は、画像位置情報(X3,Y3)と自律位置情報(X4,Y4)を用いて識別処理を実行する(S550)。識別処理は、端末装置32が自律的に取得・保持している自律位置情報と、センサ装置11C6が取得した画像情報から取得した端末装置32の画像位置情報とが同一の対象物を示しているか否かの観点から判定する。
【0067】
自律位置情報と画像位置情報とが同一対象を示すと判定された場合、サーバ20は、自律位置情報(X4,Y4)かつ画像位置情報(X3,Y3)により示される対象と端末装置32のIDとを関連付けて記憶部250に保存する。また、サーバ20は、無線装置12A4を介して、自律位置情報(X4,Y4)が登録された旨端末装置32に通知する。端末装置32は、この時点で自律位置情報が画像位置情報により確認されたことを知ることができる(S560)。
【0068】
併せて、サーバ20は、画像位置情報(X3,Y3)を示す対象が端末装置32であることをセンサ装置11C6に通知する。センサ装置11C6は、画像位置情報(X3,Y3)に示される対象が、自律位置情報(X4,Y4)の端末装置32であることを記録する。
【0069】
移動体30は、センサ装置11C6により撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C6から移動体30の画像位置情報を受け取る(S570)。
【0070】
以上説明した例では、位置Rにおいてセンサ装置11C4の撮影領域から外れた場合に、自律位置情報と画像位置情報とに基づいてセンサ装置による追跡を再開したが、複数の移動体が近接して存在する場合は、画像位置情報の取得が難しい。その場合は、要求端末識別処理を行う。
【0071】
移動体30が位置RからRに至ると、移動体30は、センサ装置11C4に撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C4から移動体30の画像位置情報を受け取る(S600)。
【0072】
移動体30が位置Rに至ると、移動体30はセンサ装置11C4の撮影領域VC4を外れてしまい、センサ装置11C4は、移動体30の追跡ができなくなる(S610のYes)。その後、移動体30が位置Rに達したところで、移動体30は、センサ装置11C6により撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C6から移動体30の画像位置情報(X2,Y2)を受け取る(S620)。併せて、サーバ20は、端末装置32から自律位置情報を取得する(S630)。
【0073】
サーバ20の識別処理部230は、無線装置12を介して、動作指示信号を端末装置32の位置管理部320に送る。端末装置32の位置管理部320は、動作指示信号の内容を、ユーザの理解できる態様で出力インタフェース360を通じて移動体30を利用しているユーザに提供する。ユーザは、出力インタフェース360により提供された動作指示信号の内容に応じた動作を実施する(S640)。
【0074】
サーバ20の識別処理部230は、動作指示信号を送ると、移動体30の識別要求をセンサ装置11に送る。カメラCMは、位置登録動作を行った端末装置32およびそれを備える移動体30を常に追跡しているから、動作指示信号に応じた動作を行った移動体30は、カメラCMにより撮影されている。センサ装置11の画像処理部112は、サーバ20から識別要求を受けると、動作指示信号に対応する動作をしている端末装置を探索する。具体的には、画像処理部112が生成する識別枠のうち、動作指示信号に対応する動きを示す識別枠を探索し、該当する識別枠に対応する画像位置情報を生成する。サーバ20の識別処理部230は、センサ装置11が取得した画像位置情報に対応する端末装置32のIDを確定する。これら一連の動作により、位置要求信号を発した端末装置32とその画像位置情報が確定される(S650)。
【0075】
サーバ20は、自律位置情報(X1,Y1)かつ画像位置情報(X2,Y2)により示される対象と端末装置32のIDとを関連付けて記憶部250に保存する。また、サーバ20は、無線装置12A4を介して、自律位置情報(X1,Y1)が登録された旨端末装置32に通知する。端末装置32は、この時点で自律位置情報が画像位置情報により確認されたことを知ることができる(S660)。
【0076】
併せて、サーバ20は、画像位置情報(X2,Y2)を示す対象が端末装置32であることをセンサ装置11C6に通知する。センサ装置11C6は、画像位置情報(X2,Y2)に示される対象が、自律位置情報(X1,Y1)の端末装置32であることを記録する。
【0077】
移動体30は、センサ装置11C6により撮影されており、サーバ20は、センサ装置11C6から移動体30の画像位置情報を受け取る(S670)。
【0078】
このように、実施形態の測位システムによれば、センサ装置による移動体の追跡が途切れて画像位置情報の取得ができなくなった場合でも、移動体が自ら取得する自律位置情報に基づいて移動体の追跡を回復することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…測位システム、10…スマート電子カーブミラー、11…センサ装置、CM…カメラ、112…画像処理部、114…制御部、116…ネットワークインタフェース、12…無線装置、122…無線インタフェース、124…制御部、126…ネットワークインタフェース、13…アンテナ、20…サーバ、210…地図情報処理部、220…位置情報処理部、230…識別処理部、240…端末登録部、250…記憶部、260…ネットワークインタフェース、30…移動体、32…端末装置、33…アンテナ、310…地図管理部、320…位置管理部、330…制御部、340…無線インタフェース、350…入力インタフェース、360…出力インタフェース、NW…ネットワーク。
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