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▶ グレート プレーンズ イメージング エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】画像下治療用医療機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20241025BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20241025BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
A61B17/32
A61B17/94
A61B17/34
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021572364
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020036159
(87)【国際公開番号】W WO2020247656
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】62/857,063
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521530727
【氏名又は名称】グレート プレーンズ イメージング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GREAT PLAINS IMAGING LLC
【住所又は居所原語表記】320 N. Terrace Dr, Wichita, Kansas 67208, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ジョエル
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05871454(US,A)
【文献】国際公開第2016/176403(WO,A1)
【文献】特表2015-502802(JP,A)
【文献】特表2016-531624(JP,A)
【文献】特表2007-508122(JP,A)
【文献】特表2015-516232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32 - 17/34
10/00 - 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像下治療処置において横手根靭帯(TCL)を切断する医療機器であって、
前記医療機器は、皮下注射針と、スタイレットを含み、
前記皮下注射針は、内針表面、外針表面、針近位端、針遠位端、および針軸を有し、
前記内針表面は、前記針近位端から前記針遠位端まで伸びる針穴を区画し、
前記針遠位端は前記TCLを穿刺させるように構成された鋭利な尖端を有し、
前記スタイレットは、スタイレット本体、スタイレットヘッド、スタイレット外面、スタイレット近位端、スタイレット遠位端、スタイレット軸を有し、
前記スタイレット軸は前記針軸と同軸であり、
前記スタイレットヘッドは前記スタイレット遠位端に位置し、
前記スタイレットヘッドは前記TCLを切断するために構成されており、
前記スタイレットの少なくとも一部は前記針穴内にあり、
前記針穴内に位置する前記スタイレットの一部と前記皮下注射針の前記内針表面は、集合的に少なくとも1つの流体通路を形成し、
前記スタイレットは前記針軸に沿って前記皮下注射針に対して可動であり、
前記スタイレットは収縮構成と伸長構成に調節可能であり、
前記スタイレットが空洞のないソリッドなモノリス部品であり、
前記スタイレットヘッドは、医療機器が前記収縮構成にあるときに前記針穴内に位置し、
前記スタイレットヘッドは、医療機器が前記伸長構成にあるときに前記針穴の外に位置し、
前記流体通路により、前記スタイレットが前記収縮構成および前記伸長構成にあるときに、前記針近位端から前記針遠位端に流体が流れることができ、
前記流体通路は、前記流体通路内の流体が前記スタイレット外面と前記内針表面の間を流れるように構成されており、
前記鋭利な尖端は、前記皮下注射針が患者の皮膚を簡単に穿刺し、人の解剖学上の内部へのアクセスを可能にし、
針穿刺は手順に用いられる唯一の挿入箇所である、医療機器。
【請求項2】
前記皮下注射針がバーミンガムゲージにより定義される14ゲージの針より小さく、バーミンガムゲージにより定義される28ゲージの針より大きい、請求項に記載の医療機器。
【請求項3】
前記皮下注射針がバーミンガムゲージにより定義される17ゲージの針より小さく、バーミンガムゲージにより定義される23ゲージの針より大きい、請求項に記載の医療機器。
【請求項4】
前記スタイレット近位端が、前記針近位端から近位方向に延びる、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記医療機器が、シリンジに取り外し可能に接続されるように構成された流体継手をさらに含み、前記流体継手が前記スタイレットの前記スタイレット近位端に接続される、請求項に記載の医療機器。
【請求項6】
前記スタイレット本体の前記スタイレット外面が、前記針穴を通して延びる少なくともの1つの平坦部を含み、前記スタイレットの前記平坦部と前記皮下注射針の前記内針表面が、前記流体通路を形成する、請求項に記載の医療機器。
【請求項7】
前記スタイレット本体の前記スタイレット外面が、前記針穴を通して延びる少なくともの1つのノッチ領域を含み、前記スタイレットの前記ノッチ領域と、前記皮下注射針の前記内針表面が、前記流体通路を形成する、請求項に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年6月4日に出願された米国仮特許出願第62/857,063号(MEDICAL INSTRUMENT FOR INTERVENTIONAL RADIOLOGY PROCEDURE)に基づく優先権を主張し、これを参照することにより全体が組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般的に、画像下治療に関連する医療機器および処置に関し、より具体的には、放射線科医が軟部組織で画像下治療処置を行うことを可能にするために設計された医療機器に関する。
【背景技術】
【0003】
画像下治療は、画像の助けを得て低侵襲な処置を行う放射線科の専門分野である。画像下治療処置は、さまざまな理由で実施される。たとえば、いくつかの画像下治療処置は診断目的(たとえば、生体検査)で行われる。他の画像下治療処置は治療目的(たとえば、ラジオ波アブレーション)で行われる。
【0004】
画像下治療処置中、放射線科医は医療機器を操作する際、画像を使用し指針を得る。一般的なインターベンショナル画像方法には、たとえば、X線透視、コンピュータ断層撮影(CT)、超音波、磁気共鳴画像法(MRI)などがある。画像下治療処置で使用される医療機器には、通常、たとえば、針、カテーテル、ドレーン、ガイドワイヤが含まれる。医療機器は、皮膚や身体の腔、または解剖学上の開口部を通して患者の体内に挿入される。画像方法を使用することにより、放射線科医はこれらの医療機器を体内の特定の関心領域に誘導することができる。
【0005】
画像下治療処置を行うために特別に設計された医療機器が必要である。いくつかの例では、これらの特別に設計された医療機器により、放射線科医は新しい画像下治療処置を行うことができるようになる。別の例では、特別に設計された医療機器により、放射線科医は、より高度な、および/または、より効率的に、現行の画像下治療処置を行うことができるようになる。さらに、画像下治療処置に関連した手法は、基本となる画像機器の技術向上により、進歩を続けている。画像下治療処置を行うのに特化した医療機器はまた、放射線科医がこれらの画像技術の進歩を活用することができる。
【0006】
画像下治療は、放射線科医がヒト解剖学上の特定関心領域に正確に焦点を合わせることを可能にする。画像下治療技術に関連するヒトの解剖学上の1つの分野は、手、手首、足、足首である。ヒト解剖学上のこの領域に関連するいくつかの一般的な病態/症候群は、たとえば、手根管症候群、デ・ケルヴァン症候群、ばね指、デュピュイトラン拘縮、線維腫、足根管症候群、および立方骨症候群を含む。画像下治療処置を用いてこれらの病態/症候群に対処することができれば、患者は直視下手術を受ける必要がなくなり、多くの利点をもたらす。たとえば、画像下治療処置を使用している放射線科医は、大きな切開無しに患者の内部解剖学的形態を可視化することができ、画像下治療処置は、外科手術よりも、侵襲性が低く、感染の危険性が少ない。このように、画像下治療は、従来の病院環境の外で処置を行うことを可能にし、診断または治療のコストを著しく減少させる。さらに、画像下治療処置は、侵襲性が低いため、患者の回復時間を短縮する可能性がある。
【0007】
従って、画像下治療処置を行うため特別に設計された医療機器が必要である。また、特別に設計された医療機器を活かした、新たな画像下治療処置の開発も必要である。特に、手、手首、足、足首に焦点を当てた画像下治療処置を行うために特別に設計された医療機器が必要である。
【発明の概要】
【0008】
1つの態様において、画像下治療処置中に軟部組織を切断するための医療機器は、内針表面、外針表面、針近位端、針遠位端、および針軸を有する皮下注射針を含む。内針表面は、針近位端から針遠位端まで伸びる針穴を区画する。針遠位端は、軟部組織を穿刺するように構成された鋭利な尖端を有する。スタイレットは、スタイレット本体、スタイレットヘッド、スタイレット外面、スタイレット近位端、スタイレット遠位端、および、スタイレット軸を有する。スタイレット軸は針軸と同軸である。スタイレットヘッドはスタイレット遠位端に位置する。スタイレットの少なくとも一部は針穴内にある。針穴内に位置するスタイレットの一部と皮下注射針の内針表面は、集合的に少なくとも1つの流体通路を形成する。スタイレットは針軸に沿って皮下注射針に対して可動である。スタイレットは収縮構成と伸長構成に調節可能である。スタイレットヘッドは、医療機器が収縮構成にあるときに針穴内に位置する。スタイレットヘッドは、医療機器が伸長構成にあるときに針穴の外に位置する。流体通路により、スタイレットが収縮構成および伸長構成にあるときに、針近位端から針遠位端に流体が流れることができる。流体通路は、流体通路内の流体がスタイレット外面と内針表面の間を流れるように構成されている。
【0009】
別の態様において、患部手首において手根管症候群の症状を示す患者に画像下治療処置を行う方法は、患者の患部手首の掌を上向きに向けることを含む。皮下注射針は、患部手首の手首皮線を通って、横手根靭帯(TCL)のすぐ表面の位置まで導かれる。流体は、皮下注射針がTCLのすぐ表面の位置に導かれている間、皮下注射針を通じて少なくとも間欠的に注入される。皮下注射針は、流体を注入している間、TCLを穿孔する。流体は正中神経をTCLから遠ざけ、流体ポケットを形成する。流体ポケットは正中神経を分離する。スタイレットは、スタイレットの遠端が皮下注射針の遠端から伸びるように、皮下注射針を通して前進する。スタイレットはTCLを切断するように構成されたスタイレットヘッドを有する。スタイレットヘッドはスタイレットの遠端に位置する。スタイレットは、スタイレットヘッドが少なくとも部分的に流体ポケット内に位置するように配置されている。スタイレットヘッドとTCL。画像下治療処置は、連続的画像表示下で行われ、これにより、処置中を通して患部手首の解剖学的構造を可視化することができる。
【0010】
別の態様において、画像下治療処置中に軟部組織を切断するための医療機器は、針軸、近位および遠位端を有する皮下注射針を含む。針は、近位端から遠位端まで針軸に沿って長手方向に伸びる、針穴を区画する内針表面を含む。針穴は、流体が針穴を通ることができるように構成されている。スタイレットは、針穴でスライド可能である。スタイレットは、近位端および遠位端先端を有する。スタイレットは収縮位置と伸長位置に、針軸に沿ってスライド可能である。スタイレットの遠端は、軟部組織を操作するように構成されたスタイレットヘッドを有する。スタイレットヘッドは、収縮位置では、皮下注射針によって覆われ、伸長位置では、スタイレットヘッドが露出するように、針の遠端から突出している。医療機器は、流体が皮下注射針の遠端から排出されるように、スタイレットに沿って針穴を通過するように構成されている。
【0011】
本開示の1つあるいはそれ以上の態様による医療機器は、たとえば、手根管開放、ド・ケルヴァンリリース、ばね指リリース、足根管開放、足底筋膜開放、筋膜切開術、洗浄(たとえば、肩洗浄)、及び組織生検を含む、多くの画像下治療処置を行うために使用することができる。
【0012】
他の態様は、部分的に明らかであり、部分的には、以下に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の医療機器の斜視図であり、医療機器は収縮構成である。
図2図2は、図1に示す医療機器の斜視図であり、医療機器は伸長構成である。
図3図3は、本発明の皮下注射針の側面図である。
図4図4は、図3の4-4線に沿った皮下注射針の断面図である。
図5図5は、本開示のスタイレットの側面図である。
図6図6は、図5の6-6線に沿ったスタイレットの断面図である。
図7図7は、本開示に基づくスタイレットの代替的な断面図である。
図8図8は、図1の8-8線に沿った医療機器の断面図である。
図9図9は、本発明の皮下注射針サブアセンブリの斜視図である。
図10図10は、本発明の皮下注射針サブアセンブリのカラーの側面図である。
図11図11は、図10に示すカラーの断面図であり、断面はカラーの途中にある垂直平面に沿った断面である。
図12図12は、本発明のスタイレットサブアセンブリの斜視図である。
図13図13は、本発明のスタイレットサブアセンブリの流体継手の側面図である。
図14図14は、図13に示す流体継手の断面図であり、断面は流体継手の途中にある垂直平面に沿った断面である。
図15図15は、医療機器が収縮構成のとき、流体継手がカラーの中でどのように向いているかを示す断面図であり、断面は流体継手とカラーの途中にある垂直平面に沿った断面である。
図16a図16aは、医療機器が伸長構成のとき、流体継手がカラーの中でどのように方向付けられているかを示す断面図であり、断面は流体継手とカラーの途中にある垂直平面に沿った断面である。
図16b図16bは、医療機器が収縮構成のとき、流体継手、カラー及び取り外し可能クリップが互いにどのように相互作用するかを説明する医療機器の斜視断面図であり、断面は、流体継手及びカラーの途中にある垂直平面に沿った断面である。
図17図17は、医療機器が伸長構成のとき、流体継手、カラー、取り外し可能クリップがどのように相互作用するかを示す医療機器の斜視断面図であり、断面は、流体継手とカラーの途中にある垂直平面に沿った断面である。
図18図18は、図13の18-18線に沿った流体継手の断面図である。
図19図19は、スタイレットを取り除いた医療機器の断面図であり、シリンジから皮下注射針を通る流体の流れを示す断面図である。
図20図20は、ロック機構、流体継手、及びカラーの側面図であり、医療機器が収縮構成に入り、ロック機構が係合されているときに、様々な部品の方向を示す図である。
図21図21は、ロック機構、流体継手、及びカラーの側面図であり、医療機器が伸長構成に入り、ロック機構が開放されたときに、様々な部品の方向を示す図である。
図22a図22aは、本発明の第1実施形態のスタイレットヘッドの斜視図である。
図22b図22bは、図22aに示すスタイレットヘッドの第1実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図22c図22cは、図22a-22bに示すスタイレットヘッドの第1実施形態の第2の斜視図である。
図23a図23aは、本発明のスタイレットヘッドの第2実施形態の斜視図である。
図23b図23bは、図23aに示すスタイレットヘッドの第2実施形態の第2の斜視図である。
図23c図23cは、図23a-23bに示すスタイレットヘッドの第2実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図23d図23dは、図23a-23cに示す第2のスタイレットヘッドの実施形態の上面図である。
図24a図24aは、本開示のスタイレットヘッドの第3実施形態の上面図である。
図24b図24bは、図24aに示すスタイレットヘッドの第3実施形態の斜視図である。
図24c図24cは、図24a-24bに示すスタイレットヘッドの第3実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図25a図25aは、本開示のスタイレットヘッドの第4実施形態の斜視図である。
図25b図25bは、図25aに示すスタイレットヘッドの第4実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図25c図25cは、図25a-bに示すスタイレットヘッドの第4実施形態の第2の斜視図である。
図26a図26aは、本開示のスタイレットヘッドの第5実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図26b図26bは、図26aに示すスタイレットヘッドの第5実施形態の斜視図である。
図26c図26cは、図26a-26bに示すスタイレットヘッドの第5実施形態の第2の斜視図である。
図27a図27aは、本発明のスタイレットヘッドの第6実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図27b図27bは、図27aに示す第6実施形態のスタイレットヘッドの斜視図である。
図27c図27cは、図27a-27bに示す第6実施形態のスタイレットヘッドの第2の斜視図である。
図28a図28aは、本発明のスタイレットヘッドの第7実施形態の斜視図である。
図28b図28bは、図28aに示す第7実施形態のスタイレットヘッドの第2の斜視図である。
図28c図28cは、図28a-28bに示す第7実施形態のスタイレットヘッドの右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図29a図29aは、本開示のスタイレットヘッドの第8実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図29b図29bは、図29aに示すスタイレットヘッドの第8実施形態の斜視図である。
図29c図29cは、スタイレットヘッドの8実施形態の代替実施形態の斜視図である。
図30a図30aは、本発明のスタイレットヘッドの第9実施形態の斜視図である。
図30b図30bは、図30aに示す第9実施形態のスタイレットヘッドの上面図であり、下面図はその鏡像である。
図30c図30cは、図30a-30bに示す第9実施形態のスタイレットヘッドの右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図31a図31aは、本開示のスタイレットヘッドの第10実施形態の斜視図である。
図31b図31bは、図31aに示すスタイレットヘッドの第10実施形態の右側面図である。
図31c図31cは、図31a-31bに示すスタイレットヘッドの第10実施形態の左側面図である。
図31d図31dは、図31a-31cに示す第10実施形態のスタイレットヘッドの上面図であり、下面図はその鏡像である。
図32a図32aは、本開示のスタイレットヘッドの第11実施形態の斜視図である。
図32b図32bは、図32aに示すスタイレットヘッドの第11実施形態の上面図である。
図32c図32cは、図32a-32bに示すスタイレットヘッドの第11実施形態の右側面図であり、左側面図はその鏡像である。
図32d図32dは、図32a-32cに示すスタイレットヘッドの第11実施形態の第2の斜視図である。
図33図33は、手根管症候群に関連する解剖学上の構造を示す、患者の手首のイメージである。
図34図34は、掌が上向きにある患部手首の側面図である。
図35図35は、手首に超音波トランスデューサーを配置した、図34の患部手首の側面図である。
図36図36は、図34の患部手首の上面図であり、患部手首は掌が上に向いている。
図37図37は、患者の手/手首に対して近位から遠位の方向に皮下注射針がベベル上向きの状態で患者の手/手首に挿入されるのを示す図であり、この図では、理解しやすくするために、針を図示された手/手首に対して拡大している。
図38図38は、患者の手/手首に対して遠位から近位の方向に皮下注射針がベベル上向きの状態で患者の手/手首に挿入されるのを示す図であり、この図では、理解しやすくするために、針を図示された手/手首に対して拡大している。
図39図39は、患者の手/手首に対して近位から遠位の方向に皮下注射針がベベル下向きの状態で患者の手/手首に挿入されるのを示す図であり、この図では、理解しやすくするために、針を図示された手/手首に対して拡大している。
図40図40は、患者の手/手首に対して遠位から近位の方向に皮下注射針がベベル下向きの状態で患者の手/手首に挿入されるのを示す図であり、この図では、理解しやすくするために、針を図示された手/手首に対して拡大している。
図41図41は、TCLと正中神経の間に流体ポケットが形成された後の手根管の超音波画像である。
図42図42は、手根管症候群に関連する解剖学上の構造を示す超音波画像である。
【0014】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を成す添付図面を参照する。図面中、全体を通じて対応するおよび/または類似の参照番号が類似の要素を特定する。図は、例示を明確にするおよび/または、簡略化するために、必ずしも縮尺に描かれているわけではない。たとえば、いくつかの要素のサイズは、他と比べて強調されていることがある。また、他の実施形態を活用していることも考えられる。さらに、クレームされた主題から逸脱することなく、構造および/または、他の変更を加えることがある。この明細書中の「クレームされた主題」への言及は、1つあるいはそれ以上のクレームによってカバーされることを意図した主題、またはその一部を指し、必ずしも完全なクレームセット、特定のクレームセット(たとえば、コンビネーションクレーム、装置クレームなど)、またはクレームを指すことを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
医療機器概要
本開示の画像下治療処置に使用するための医療機器は、図1-2の参考符号10により概して示されている。医療機器10は、画像下治療処置中の軟部組織の操作(たとえば移動または切断)に使用できる。医療機器10には、皮下注射針12とスタイレット14が含まれる。当業者は、皮下注射針12及びスタイレット14が、人間の患者内での医療用に好適な幾つかの種類の材料(すなわち、生体適合性を有する)で作製できることを理解するであろう。たとえば、皮下注射針12は、金属材料(たとえば、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、又はタングステンカーバイド)又はセラミック材料(たとえば、ジルコニア、アルミナ又はサファイア)から製造できる。同様に、スタイレット14は、金属材料(たとえば、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、又はタングステンカーバイド)又はセラミック材料(たとえば、ジルコニア、アルミナ又はサファイア)から製造することができる。当業者は、皮下注射針12及びスタイレット14を製作するために使用される材料が、実施される画像下治療処置の種類及び画像下治療処置の趣旨を含む多くの可変要素に依存することを理解するであろう。
【0016】
医療機器10はさらに、カラー16、流体継手18、取り外し可能クリップ20およびロック機構22を含む。皮下注射針12は、カラー16に強固に接続され、皮下注射針サブアセンブリ24を形成し、スタイレット14は、流体継手18に強固に接続され、スタイレットサブアセンブリ26を形成する。後述するように、医療機器10を組み立てると、スタイレット14は皮下注射針12内に収まり、医療機器10は皮下注射針内にスタイレットが覆われる収縮構成(図1に示す)と皮下注射針からスタイレットの一部が伸びる伸長構成(図2に示す)に調節可能である。
さらに、以下でより詳細に議論するように、スタイレット14は皮下注射針12内で回転可能である。
【0017】
図3-4に示すように、皮下注射針12は内針表面28、外針表面30、針近位端32、針遠位端34、針軸36を有する。内針表面28は、針近位端32から針遠位端34まで延びる針穴38を区画する。針遠位端34は、皮膚等の軟部組織を穿刺するように構成された鋭利な尖端40を有する。鋭利な尖端40は、皮下注射針12が患者の皮膚を簡単に穿刺し、人の解剖学上の内部へのアクセスを可能にする。
【0018】
好ましい実施形態では、皮下注射針12は、バーミンガムゲージによって定義される大きさに合わせて構成されている。バーミンガムゲージは、皮下注射針の厚みおよび/または直径を特定するために使用されるシステムである。このバーミンガムゲージは、バーミンガムワイヤゲージとしても知られている。次の表は、バーミンガムゲージによって定義された皮下注射針の外径、内径、公称壁厚を示す。種々のゲージの内径、公称壁厚とは以下の寸法と異なる場合がある。
【0019】
【表1】
【0020】
本開示の医療機器は、実施形態によって、上表に記載されているバーミンガムワイヤゲージのいずれかのゲージ・スタンダードの寸法に実質的に適合することができると考えられる。皮下注射針は、上の表に列挙されているバーミンガムゲージ針の外径の範囲の外径を持つことができ、および/または、上の表に列挙されているバーミンガムゲージ針の内径の範囲の内径を持つことができる。本開示の範囲となる針は、1つあるいはそれ以上の実施形態において、バーミンガムゲージ規格に厳密に準拠する必要はない。本開示の1つの実施形態において、皮下注射針12の外側及び内側の直径は、バーミンガムゲージにより定義される、14ゲージの針より小さく、28ゲージの針より大きい。別の実施形態では、皮下注射針12の外側及び内側の直径は、バーミンガムゲージにより定義される、17ゲージの針より小さく、23ゲージの針より大きい。また別の実施形態では、皮下注射針12の外側及び内側の直径は、バーミンガムゲージにより定義される、18ゲージの針よりも小さく、22ゲージの針よりも大きい。皮下注射針12の大きさは、実施される画像下治療処置の種類と基礎となる画像下治療処置の趣旨により異なる。たとえば、手、手首、足、および/または足首で行う画像下治療処置の場合、バーミンガムゲージにより定義される皮下注射針12は17ゲージの針より小さく、23ゲージの針より大きい皮下注射針となるであろう。この大きさの皮下注射針により、放射線科医は手、手首、足、および/または足首周辺の空間制約の中で画像下治療処置を行うことができる。当業者は、皮下注射針がバーミンガムゲージによって定義される大きさに従う必要はないことを理解するであろう。
【0021】
図5-6に示すように、スタイレット14は、スタイレット本体42、スタイレットヘッド44、スタイレット外面46、スタイレット近位端48、スタイレット遠位端50、およびスタイレット軸52を有する。スタイレット14は、皮下注射針12の中に入り込むような形状及び大きさである。1つの実施形態において、スタイレット14は空洞のない固体のモノリス部品である。スタイレット外面46はスタイレット14の外周を形成する。
【0022】
スタイレット14は、医療機器10が組み立てられた後、流体が針遠位端34から排出されるように、スタイレットのスタイレット外面46に沿って針穴38を通過することができるように構成されている。スタイレット14のスタイレット外面46は、少なくとも1つの長手方向流体通過面及び少なくとも1つの支持面を含む。図5-6に示す実施形態において、スタイレット本体42のスタイレット外面46は、スタイレット14の反対側に、正反対に配置された一対の平坦部54と、一対の曲面部55を含む。平坦部54はそれぞれ長手方向流体通過面部を構成しており、各曲面部55は流体支持面部を構成している。図5-6に示すように、平坦部54は曲面部55の間に交互配置されている。当業者は、スタイレット14が製造される材料のストックで、平坦部54を形成する複数の方法があることを理解するであろう。当業者は、医療機器10が使用されている具体的なケース、および必要な長手方向流体通過面の数に応じて、スタイレット本体42のスタイレット外面46は、1つの平坦部と1つの曲面部のみ、または、スタイレットの外周の間隔を空けて配置された2つ以上の平坦部と複数の曲面部を設けることができることをさらに理解するであろう。代替実施形態において、スタイレット本体のスタイレット外面は、平坦部の代わりに、スタイレットの正反対側に配置された一対のグルーブを含むことができる。この場合、それぞれのグルーブは長手方向流体通過面を構成する。当業者は、平坦部またはグルーブがスタイレットの正反対側に配置される必要がないことを理解するであろう。
【0023】
図6で示されたように、スタイレット14の外周は、平坦部54を除いて、断面が実質的に円形である(点線で図示されている)。このように、1つあるいはそれ以上の実施形態において、スタイレット14は、円筒形の素材を含み、ここから、平坦部を形成するために材料が取り除かれる。スタイレット本体42は中性軸NAと重心Cをもち、中性軸は重心を通る。図6-7に示すように、重心Cと各平坦部54の間の距離が長ければ長いほど、平坦部形成時、スタイレット本体42から除去される材料が少ない。平坦部54を形成する際にスタイレット本体42から除去される材料が少なければ少ないほど、スタイレット14の総合的な強度と硬さが増す。同時に、重心Cと各平坦部54の間の距離が長ければ長いほど、流体通路がより小さいため、特定の期間中に皮下注射針12を通過することができる流体が少ない。流体通路については、以下により詳しく考察する。
【0024】
スタイレットヘッド44は、スタイレット14のスタイレット遠位端50に配置されている。医療機器10は、多くの要因(たとえば、皮下注射針の大きさ、医療機器を通して与えられる流体の種類、画像方法など)に応じて、様々なタイプの画像下治療処置の中で様々な理由で使用することができる。放射線科医が医療機器10をどのように使用するかに影響を与える主要な要因の一つは、スタイレット14のスタイレットヘッド44の種類および/または設計である。スタイレットヘッド44は、軟部組織を移動および/または切り取ることを含め、患者体内で多くの機能を果たすことを可能にする。スタイレットヘッド44の様々な設計については、以下でより詳細に議論する。
【0025】
図1-2に示すように、医療機器10が組み立てられると、スタイレット軸52が針軸36と同軸になるように、スタイレット14が皮下注射針12内に受け入れられる。少なくともスタイレット14の一部は、針穴38内に配置されている。図1-2に示す実施形態では、スタイレット本体42の大部分が針穴38内に配置されている。医療機器10が組み立てられると、スタイレット14および皮下注射針12は、図8に示すように、集合的に流体通路56を形成する。図1-2に示す実施形態では、医療機器10は2つの流体通路56を含む。それぞれの流体通路56は、皮下注射針12の内針表面28と、針穴38内に位置するスタイレット14の一部のスタイレット外面46とによって形成される。より具体的には、それぞれの流体通路56は、皮下注射針12の内針表面28と、針穴38内に配置されたスタイレット14の平坦部54とによって集合的に形成される。流体通路56は、流体が針遠位端34から排出されるように、流体がスタイレット14に沿って皮下注射針12の針穴38を通過することを可能にする。このように、スタイレット14が針穴38内に位置していても、針遠位端34から流体を排出することができる。
【0026】
医療機器10が組み立てられると、スタイレット14は針軸36に沿って皮下注射針12に対して可動である。スタイレット14が針軸36に沿って皮下注射針12に対し移動する機能により、収縮構成(図1に示す)から伸長構成(図2に示す)に医療機器を調節できる。また、医療機器10が組み立てられると、スタイレット14は針軸36に対し回転可能となる。医療機器が収縮構成から伸長構成に調節されたり、針軸36に対し回転されたりすると、スタイレット外面46の曲面部55は、皮下注射針12の内針表面28に対して支持される。このように、曲面部55は、スタイレットが針12に対してスライドおよび/または回転するにつれて、スタイレット14を針穴38の中央に保つ。
【0027】
皮下注射針12は、図9に示す通り、カラー16に固定されており、皮下注射針サブアセンブリ24を形成している。図10―11に示すカラー16は、外側カラー面58と、近位カラー端62から遠位カラー端64まで伸びるカラー穴60を含む。外側のカラー面58は、第1の停止部68と第2の停止部70を有するグルーブ領域66を含む。カラー穴60は、皮下注射針12の針近位端32をぴったりと受け、カラー16に対する皮下注射針を固定するようなサイズで、遠位カラー端64に構成されている。1つあるいはそれ以上の実施形態において、皮下注射針12の近位端32は、カラー穴60でぴったり受けられたときに、カラー16と、フリクションフィットまたは干渉フィットを形成する。また、針近位端は、接着ボンド、サーマルボンド、相互ロックする機械パーツなどによって、カラーに接続することもできる。適宜、針近位端32は、針12とカラー16がユニットとして共同して動くように制約されるように固定されている。
【0028】
スタイレット14は、図12に示す通り、流体継手18に固定的に接続されている。スタイレット14および流体継手18は、部分的にスタイレットサブアセンブリ26を形成する。1つの実施形態では、流体継手18はルアーロック継手である。別の実施形態では、流体継手18は、ルアースリップ継手である。当業者は、他のタイプの流体継手を、ルアーロック継手またはルアースリップ継手の代わりに使用できることを理解するであろう。図13-14に示す流体継手18は、外側継手表面72と、近位継手一端76から遠位継手一端78まで伸びる継手穴74を含む。流体継手の外側継手表面72は、チャネル領域80と雄領域82を有している。流体継手18の雄領域82は、図15-16aに示すように、カラー16のカラー穴60内に収まるようなサイズで構成されている。
【0029】
図14に示すように、流体継手18の継手穴74は、レシーバ領域84、スタイレット領域88、針領域90、およびシーリングチャネル92を含む。レシーバ領域84は、シリンジ86を受けるように構成され、継手穴74の近位継手一端76に位置する。スタイレット領域88は、レシーバ領域84の下流であり、スタイレット14のスタイレット近位端48をぴったり受け、それによって流体継手18に対しスタイレットを固定するように構成されている。1つあるいはそれ以上の実施形態において、スタイレット近位端48(たとえば、湾曲した支持面部55)は、スタイレット領域88と摩擦フィットまたは干渉フィットを形成する。また、スタイレット近位端は、接着ボンド、サーマルボンド、相互ロックする機械パーツによって、流体継手に接続することもできる。適宜、スタイレット近位端48は、スタイレット14と流体継手18とがユニットとして同時に動くように制約されるように固定されている。
【0030】
さらに、スタイレット近位端48は、1つあるいはそれ以上の実施形態において、スタイレット近位端と流体継手との間のインターフェースを通して流体が通過できるように流体継手18に固定される。たとえば、図示された実施形態では、スタイレット領域88は断面がほぼ円形である。従って、スタイレット領域88は、スタイレット14のスタイレット近位端48をきちんと受け取るが、図18に示すように、平坦部54のため、流体継手18とスタイレットの間に流体チャネル94が形成される。
【0031】
図14に示すように、針領域90はスタイレット領域88の下流であり、皮下注射針12の針近位端32の動きに対応するように構成されている。医療機器10が収縮構成から伸長構成に、またその逆に、調節され、皮下注射針12の針近位端32は針領域90内で軸方向に動く。これは図16b-17に見ることができる。シーリングチャネル92は針領域の下流であり、シール94(たとえば、Oリング)を収容するように構成されている。シール94は、シーリングチャネル92内にぴったりフィットし、医療機器10が組み立てられたとき、流体継手18と外針表面30の間の流体密封を形成するようなサイズである。シール94は、流体継手18が針12に対してスタイレット14と軸方向に動くように、流体シールが維持されるように、スライド可能かつシールするように外針表面30と係合する。フェルール96は、皮下注射針12がシールに対して軸方向に移動する際に、シーリングチャネル92内にシール94が残存することを確かにするために、遠位継手一端78に取り付けるか又は接着することができる。一般的に、流体継手18、針12、シール94およびスタイレット14は、シリンジ86と内針表面28とスタイレット平坦部54の間に区画された通路56との間の密封流通を提供する通路を区画していることがわかる。そのため、医療機器10の使用中、流体が針遠位端から排出できるように、流体をシリンジ86から針穴38を通って、スタイレット14に沿って向けることができる。
【0032】
従って、スタイレット14、流体継手18、シール94、フェルール96は互いに対して固定され、集合的にスタイレットサブアセンブリ26を形成する。
【0033】
図1-2に示すように、医療機器10が組み立てられると、スタイレットサブアセンブリ26は、取り外し可能クリップ20によって皮下注射針サブアセンブリ24と接続される。図16b-17に示す通り、取り外し可能クリップ20は、近位レッジ98と遠位レッジ100を有する。取り外し可能クリップ20の近位レッジ98は、流体継手18のチャネル領域80内でスナップし、それによって、流体継手に対して取り外し可能クリップ20を固定する。取り外し可能クリップ20の遠位レッジ100は、取り外し可能なクリップの遠位レッジがカラーの第1と第2の停止部68、70の間で軸方向に動くことができるように、カラー16のグルーブ領域66内に収まる。スタイレットサブアセンブリ26が取り外し可能クリップ20を介して皮下注射針サブアセンブリ24に接続されると、スタイレット14は、皮下注射針12の針穴38内でスタイレット軸52(針軸36と同軸)を中心に回転できる。さらに、スタイレットサブアセンブリ26は、皮下注射針サブアセンブリ24に対して軸方向に移動することができ、それによって医療機器10が収縮構成から伸長構成へ調節できる。換言すると、取り外し可能なクリップ20の遠位レッジ100がカラー16の第1と第2の停止部68、70の間でスライドすると、流体継手18の雄領域82は、カラー16のカラー穴60の内側で軸方向に動くことができる。同様に、皮下注射針12の針近位端32は、流体継手18の針領域90内で軸方向に動くことができる。
【0034】
図16bに示すように、医療機器10が収縮構成にあるとき、取り外し可能クリップ20の遠位レッジ100は、カラー16の第1停止部68に隣接している。医療機器10が収縮構成にあるとき、スタイレット14は、スタイレットヘッド44が針穴38内に配置される退避位置にある(図1に示す通り)。図17に示すように、医療機器10が伸長構成にあるとき、取り外し可能クリップの遠位レッジは、カラー16の第2停止部70に隣接している。医療機器10が収縮構成にあるとき、スタイレット14は、スタイレットヘッド44が針穴38の少なくとも部分的に外側に位置する伸長位置にある(図2に示す通り)。当業者は、多くの要因が、スタイレットヘッド44のうち、どの程度が針穴38の外側がであるかを決定することを理解するであろう。たとえば、針穴38から遠方に延びるスタイレット14の量は、スタイレットヘッド44の設計および/または実施される画像下治療処置の種類に応じて変化する。
【0035】
図19に示すように、流体継手18のレシーバ領域84は、シリンジ86を受けるように構成されている。図19は医療機器10における流体の流れを概ね示しており、スタイレット14は流体の流れをより良く示すために削除している。シリンジ86は内部容量含有流体(たとえば、リドカインまたは生理食塩水、またはそれらの組み合わせ)を含む。画像下治療処置の開始時には、流体継手18のレシーバ領域84内でシリンジ86が受けられる。シリンジ86がシリンジレシーバ84内で受けられると、シリンジの内部容積内の流体は、継手穴74と流通する。換言すると、シリンジ86の内部容積からの流体は、継手穴74を通過することができる。シリンジ86の内部容積からの流体は、シリンジのシリンジプランジャー96が押圧されると、内部容積から継手穴74に強制的に流入される。シリンジ86からの流体は、流体継手18のレシーバ領域84を通ってスタイレット領域88に入る。その後、流体は、流体継手18とスタイレット14の平坦部54との間に形成された流体チャネル94を通り、針領域90に流入する。針領域90内の針近位端32の位置にかかわらず、流体は、皮下注射針12の内針表面28と針穴38内に位置するスタイレット14の平坦部54によって形成される流体通路56に強制的に流入される。シール94は、流体を流体通路56に強制的に流入することを確実にする。
【0036】
次いで、流体はスタイレット本体42に沿って流体通路56を通って針近位端32から針遠位端34に流れる。シリンジ86の内部容積からの流体は、最終的に、皮下注射針12の鋭利な尖端40を通って医療機器10から排出される。特に、シリンジ86からの流体は、医療機器10が収縮構成にあるか、伸長構成にあるか、又は何らかの中間構成にあるかにかかわらず、この一般的な流体経路に従う。従って、画像下治療処置中に、シリンジ86からの流体を、皮下注射針12内のスタイレット14の位置に関係なく、継続的にまたは間欠的に注入することができる。以下に詳しく述べるように、画像下治療処置中のどのような時でも流体を注入することができれば、特定の画像表示方法(たとえば、超音波)において、軟部組織の位置および/または動きを、放射線科医がより簡単に確認することができる。さらに、画像下治療処置中のどのような時にでも流体を注入することができれば、以下で詳しく論じるように、作業を通して放射線科医が軟部組織をハイドロダイセクションすることができる。
【0037】
医療機器10にはさらに、図20-21に示すロック機構22を含めることができる。始動されたとき、ロック機構22は、スタイレットサブアセンブリ26が針サブアセンブリ24に対して動かないようにしている。このように、ロック機構22は、作動時に医療機器10が収縮構成から伸長構成に調節できないようにしている。ロック機構22は、近位ロックレッジ102、遠位ロックレッジ104、およびプルタブ106を含む。近位ロックレッジ102は、流体継手18のチャネル領域80内でスナップし、それによって流体継手に対しロック機構22を固定する。ロック機構22は、係合すると、遠位ロックレッジ104がカラー16の近位カラー端62に接し、針サブアセンブリ24に対するスタイレットサブアセンブリ26の動きを防ぐように設計されている。ロック形状では、カラー16に関連した追加の構造は、1つあるいはそれ以上の実施形態でレッジ102の近位端を係合させることができる。さらに、カラー16に関連した構造は、レッジ102の一方または両方を係合させることができる。このように、ロック機構がロックされたとき、遠方、近方、および/または回転方向におけるカラーに対する流体継手の動きを抑制するように構成されている。
【0038】
ロック機構22を解放するには、放射線科医は、遠位ロックレッジ104がもはや近位カラー端62に接近しないように、プルタブ106を外側に引き出す。これにより、遠位ロックレッジ104が近位カラー端62を超えスライドし、スタイレットサブアセンブリ26が、皮下注射針サブアセンブリ24に対して移動することができる。このようにして、医療機器10が収縮構成(図20に示す)から伸長構成(図21に示す)に調節できるようにロック機構22を解放することができる。当業者は、ロック機構22が、ロック機構が係合されたときにニードルサブアセンブリ24に対するスタイレットサブアセンブリ26の動きを阻止することを確実にしながら、プルタブ106を引くことによって、放射線科医が容易にロック機構を解放することを可能にする好適材料で作られた1つの部品であってもよいことを理解するであろう。
【0039】
当業者は、プルタブを含まない他のタイプのロック機構が医療機器10に使用できることを理解するであろう。たとえば、医療機器10は、ツイストタイプのロック機構を組み込むように設計できる。このような実施形態では、取り外し可能なクリップ20とカラー16は、取り外し可能なクリップ(従って、スタイレットのサブアセンブリ26)が取り外し可能なクリップとスタイレットのサブアセンブリを回転させるまで、針のサブアセンブリ24に対して軸方向に移動できないように鍵留めできる。医療機器10の代替ロック機構には、また、コレット、ネジ、取り外し可能なスナップインブロックおよびキー、および他のデバイスが含まれるが、これらに限られない。これらのロック機構は、針組み立て24に対するスタイレットサブアセンブリ26の直線的な動きをロックするために使用することができる。加えて、または代替的に、これらのロック機構は、スタイレット軸52に対するスタイレットサブアセンブリ26の回転運動をロックするために使用することができる。
【0040】
当業者は、放射線科医に、皮下注射針12の向き(たとえば、ベベル上向きまたはベベル下向き)およびスタイレット14の向き等の体外指標を提供するように、医療機器10の様々な構成要素を設計できることをさらに理解するであろう。たとえば、図9に示すように、カラー16は、鋭利な尖端40のベベルの位置に対応する平坦領域107を含む。このように、カラー16の平坦領域107は、放射線科医に対し、皮下注射針12の向きについての体外指標を提供する。また、放射線科医は、画像下治療処置に使用される画像表示方法を介して皮下注射針12の向きを決定することができる。さらに、ロック機構22のプルタブ106を使用して、放射線科医にスタイレット14の向きについての体外指標を提供することができる。図2に示すように、プルタブ106の突起は、スタイレットヘッド44の位置に対応しており、これにより、放射線科医はスタイレットヘッドの向きを決定することができる。これは、スタイレット14が収縮位置にあり、皮下注射針12によって覆われているときに特に役に立つ。スタイレット14が伸長位置になった後、放射線医師はまた、画像下治療処置に使用されている画像表示方法を介してスタイレットヘッド44の向きを決定することができる。
【0041】
一般的に、カラー16および流体継手18の一方または両方が、医療機器10を制御するために、放射線科医に把持され、手で操作されるハンドルを形成する。カラーおよび/または継手によって形成されるハンドルに加えて、放射線科医は、流体継手18に連結されているシリンジ86(幅広くは流体源)を使用して、医療機器10を把持し、操作することができる。医療機器10の近端部の要素がハンドルを構成していると考えられる場合、カラー16は一般にハンドルハウジングを形成し、流体継手18は一般に、ハウジングに対し針軸に沿った動きのためにハウジング内で摺動可能に受けられる部分を有するキャリッジを形成することが明らかである。また、図示した実施形態では、ハウジングに対する針軸を中心とする回転に対し、キャリッジ(流体継手18)は、ハウジング(カラー16)で回転可能に受けることができる。理解されるように、他のハンドル構成も医療機器に使用できる。一般的に、好適なハンドルでは、ハウジングとキャリッジの一方は、医療機器を流体源に結合するように構成された流体結合部を構成することができ、ハウジングとキャリッジは共に、継手と針穴の間の密封流体連絡を与える通路を区画することができる。この開示の範囲内のハンドルの例示的な実施形態において、キャリッジ(たとえば、継手18)は、近位端位置と遠位端位置を含む運動の範囲を通して、ハウジング(たとえば、カラー16)に対して可動である。さらに、本開示の範囲内の特定のハンドルには、運動範囲内の近位端位置および遠位端位置の一方または両方で、キャリッジを選択的に解放可能なロックをする、1つあるいはそれ以上のロック機構が含まれる。
【0042】
スタイレットヘッド
医療機器10は、様々な要因(たとえば、皮下注射針の大きさ、医療機器に入れられる流体の種類、画像表示方法など)に応じて、様々な種類の画像下治療処置で様々な理由で使用することができる。1つの要因として、スタイレット14のスタイレットヘッド44の種類および/または設計が考えられる。例えば、1種のスタイレットヘッドで、医療機器10を使用し、1種類の画像表示方法(たとえば、超音波)によりガイドされた手根管減圧術を実行し軟部組織を切断できる。別のタイプのスタイレットヘッドでは、医療機器10を使用して、別のタイプの画像表示方法(たとえば、MRI)にガイドされ、デ・ケルヴァンの腱リリースを行うために軟部組織を切断できる。また、第3の種類のスタイレットヘッドでは、医療機器10を使って軟部組織を動かすことができ、画像表示方法を使用しながら、前立腺生検を行うことができる。従って、当業者は、本発明の医療機器は非常に汎用性があり、多種類の画像下治療処置に使用することができることを理解するであろう。
【0043】
図22a-22cは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置するスタイレットヘッド44aの第1設計を示す。スタイレットヘッド44aは、曲面108、非侵襲性尖端110、刃先112(広くは、カッティング要素)を有する。非侵襲性尖端110は、先端が軟部組織を損傷や切断することなく動かすことができるように構成されている。これにより、医療機器10が収縮構成から伸長構成に動く際に、非侵襲性尖端110が軟部組織を切らないことを確実にする。この実施形態では凸形であり、刃先112と反対の曲面108もまた非侵襲性である。曲面108は、損傷無しに組織を操作するために使用できる、スタイレットヘッド44aの非侵襲性領域を形成する。このように、図示された実施形態において、スタイレットヘッド44aは、非侵襲性領域108からスタイレットヘッドの外周と隔てられた刃先112を含む。これにより、放射線科医は、スタイレットヘッド44aの望ましい側面が標的組織に面するまでスタイレットを回転させるだけで、切断と、非侵襲的に組織を動かすのとを選択することができる。刃先112は、一対の収束ベベルまたはテーパ面によって区画されるエッジを含む。刃先112は、刃先が軟部組織を切れるように尖っている。図示した実施形態では、刃先112はスタイレットヘッド44aに沿って長手方向に延び、概ね径方向外側に面している。このように、スタイレットヘッド44aは、刃先112に接する軟部組織のみを切断するように設計されている。
【0044】
放射線科医は、様々な方法で刃先112に接している軟部組織を切断できる。たとえば、放射線科医は、収縮構成から伸長構成、またはその逆に医療機器10を調節することで、刃先112を使用して軟部組織を切断することができる。たとえば、スタイレットが収縮位置と伸長位置の間で針に沿って往復されるにつれて組織を切断することができると考えられる。別の方法として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を1つのユニットとして近/遠方および/または表面/深方向に移動させることにより、刃先112を用いて軟部組織を切断することができる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、切断を望む軟部組織隣接に刃先112を配置するため、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。1つあるいはそれ以上の実施形態においては、刃先112を組織に向かって促すことによって組織を切断するために、伸長されたスタイレットヘッド44aを使用する。刃先112が組織に接触している場合、放射線科医は、縦刃先を組織に沿って滑らせながらスタイレットヘッドを外側に向かって促すことができ、それによって刃先で組織をスライスする。当業者は、スタイレットヘッド44aを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。
【0045】
図23a-23dは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置するスタイレットヘッド44bの第2の設計を示す。スタイレットヘッド44bは、曲面108と縦刃先112を含む点で図22a-22cに示すスタイレットヘッド44aに類似している。しかしながら、非侵襲性尖端の代わりに、スタイレットヘッド44bは横方向の遠位刃先114を有する。縦刃先112と同様に、遠位刃先114は刃先が軟部組織を切れるように尖っている。このように、スタイレットヘッド44bで、放射線科医は縦刃先112に接している軟部組織、遠位刃先114に接している軟部組織を切断することができる。放射線科医はスタイレットヘッド44bを用いて様々な方法で軟部組織を切断することができる。たとえば、放射線科医は上述のスタイレットヘッド44aの縦刃先と同様に刃先112を用いて軟部組織を切断することができる。また、放射線科医は、収縮構成から伸長構成に医療機器10を調節することで、遠位刃先114を使用して軟部組織を切断することができる。代替として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方および/または表面/深方向に動かし、遠位刃先114を用いて軟部組織を切断することができる。さらに、放射線科医は、遠位刃先を組織に向けて圧力をかけ、刃先に概ね並行する向きに組織に沿って刃先を滑らせることにより、遠位刃先114を用いて組織をスライスすることを試みることができる。当業者は、スタイレットヘッド44bを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。
【0046】
図24a-24cは、スタイレット14bのスタイレット遠位端50bに位置する、第3の代替設計のスタイレットヘッド44cを示す。スタイレットヘッド44cは、非侵襲性尖端115、曲面116、およびスタイレットヘッド内に形成された側面凹部によって区画されるフック領域118を有する。フック領域118には、鋭利なフック120a、シャンク122、及び図示された実施形態において概ね近位に面した刃先124が含まれる。フック領域118は、鋭利なフック120aが刃先124に張り出るように設計されている。鋭利なフック120aの張り出しの性質により、放射線科医は、刃先124によって切断される軟部組織を画像表示方法(たとえば、超音波)により容易に見ることができる。鋭利なフック120aは、フック先端が軟部組織を切るか、貫通できるように、尖っている。シャンク122は、軟部組織を刃先124に誘導するために構成されている。刃先124は、刃先が軟部組織を切れるように尖っている。スタイレットヘッド44bの非侵襲性尖端115は、非侵襲性尖端が軟部組織を損傷や切断することなく動かすことができるように構成されている。これにより、医療機器10が収縮構成から伸長構成に移動したときに、非侵襲性尖端115が軟部組織を破損したり、切断したりしないことを確かにする。この実施形態では凸形であり、フック領域118と反対の曲面116も、曲面が軟部組織を損傷や切断することなく動かすことができるように、また、非侵襲的である。このように、スタイレットヘッド44cは、医療機器10としてフック領域118に掛けられた軟部組織のみを切断するように設計されている。放射線科医は、刃先124に接する軟部組織をさまざまな方法で切断することができる。たとえば、放射線科医は、伸長構成から収縮構成に医療機器10を調節することで、刃先124を使用して軟部組織を切断することができる。別の方法として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方におよび/または表面/深方向に動かすことにより、刃先124を用いて軟部組織を切断することができる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、軟部組織がフック領域118によって引っ掛けられ、その後刃先124によって切断されることを可能にするために、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。1つあるいはそれ以上の実施形態においては、伸長されたスタイレットヘッド44cは、フック領域118内の組織を集め、それをシャンク122に沿って刃先124に導くことにより、使用する。次に、スタイレット14を組織に対して近位に移動させて、ひっかけられた組織を通って刃先を引き出し、それにより組織を切断する。一定の実施形態では、スタイレット14は、フック領域に組織を引っ掛けた後に引っ込めることもできる。針12の内側遠位エッジは、フック領域118が組織を針穴38に引き込む際に、ひっかけられた組織を剪断することができる。当業者は、スタイレットヘッド44cを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。
【0047】
図25a-25cは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、第4の代替設計のスタイレットヘッド44dを示す。スタイレットヘッド44dは、非侵襲性尖端115、曲面116、フック領域118を含む点で図24a-24cに示すスタイレットヘッド44cに類似している。しかしながら、フック領域118内の鋭利なフック先端の代わりに、スタイレットヘッド44dは非侵襲性フック120bを有する。非侵襲性フック120bは、フック先端が軟部組織を切断または貫通できないように非侵襲的である。スタイレットヘッド44cと同様に、シャンク122は、シャンクが刃先124へと軟部組織を誘導するのに役立つように斜めに設計されている。放射線科医は、スタイレットヘッド44dを、スタイレットヘッド44cについて説明したのと同様の方法で使用することができる。
【0048】
図26a-26cは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、もう一つの代替設計のスタイレットヘッド44eを示す。スタイレットヘッド44eは、非侵襲性尖端115、曲面116およびフック領域118を含むという点で、図24a-24cに示されるスタイレットヘッド44cおよび図25a-25cに示されるスタイレットヘッド44dに類似している。しかしながら、スタイレットヘッド44c(鋭利なフック先端を有する)及びスタイレットヘッド44d(非侵襲性フック先端を有する)と異なり、スタイレットヘッド44eにはオーバーハングフック先端は含まれていない。代わりに、刃先124は上面125まで伸びる。スタイレットヘッド44eは、シャンクが刃先124へと軟部組織を誘導するのを助けるように設計されたシャンク122を含む。放射線科医は、刃先124に接する軟部組織をさまざまな方法で切断することができる。たとえば、放射線科医は、伸長構成から収縮構成に医療機器10を調節することで、刃先124を使用して軟部組織を切断することができる。別の方法として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方におよび/または表面/深方向に動かすことにより、刃先124を用いて軟部組織を切断することができる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、軟部組織がフック領域118によって引っ掛けられ、その後刃先124によって切断されることを可能にするために、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。スタイレットヘッド44cに関して上述で説明したように、放射線科医はまた、シャンク122に沿って組織を刃先124に向け遠位に引っぱり、その後、組織を切断するように刃先を引っかけた組織に促すことができる。当業者は、スタイレットヘッド44eを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。
【0049】
図27a-27cは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、別の代替設計のスタイレットヘッド44fを示す。スタイレットヘッド44a-44eとは異なり、スタイレットヘッド44fには刃先は含まれていない。その代わりに、スタイレットヘッド44fは、軟部組織を損傷や切断することなく動かすことができるように設計されている。スタイレットヘッド44fは、非侵襲性尖端115、曲面116、フック領域118を含む。フック領域118は、シャンク122、非侵襲性フック120b、及びスロート127を備える。非侵襲性フック120bは、フック先端が軟部組織を切断または損傷することなく動かすことができるように非侵襲的である。スタイレットヘッド44cおよびスタイレットヘッド44dとは異なり、フック領域118は軟部組織を切断するように設計されていない。代わりに、フック領域118は、スロート127内で軟部組織を引っ掛け、切断すること無しに動かすように設計されている。従って、スタイレットヘッド44fは、放射線医がスタイレット14を使用して軟部組織を引っ掛けて動かすことができるようにするように設計されている。当業者は、スタイレットヘッド44fが画像下治療処置中に放射線科医によって様々な方法で使用され得ることを理解するであろう。
【0050】
図28a-28cは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、別の代替設計のスタイレットヘッド44gを示す。スタイレットヘッド44gは、非侵襲性尖端126、上部材128、下部材130及び刃先132を有している。この実施形態の文脈において使用されるように、当業者は、「上」及び「下」という用語は、スタイレット14がスタイレット軸52を中心に回転可能であるので、入れ替え可能であることを理解するであろう。上部材128は、下部材130から隔てられており、それによりチャネル134を形成する。軟部組織がチャネル134に入ることを可能にするために、上部材128の長さは下部材130よりも短い。シャンク135は、軟部組織をチャネル134に向かって誘導するのを助ける。上部材128は、面取りされたエッジを有する曲がった外面を有し、下部材130は、面取りされたエッジを有する曲がった外面を有する。上下部材128、130の曲がった外表面と面取りされたエッジは、非侵襲性表面領域を形成する。上下部材128、130の非侵襲性は、切断又は損傷することなく組織を動かすためにスタイレットヘッド44gを使用することを容易にする。上部材128は、非侵襲性の、図28a-28cに示す実施形態の部材端部140を有し、部材端部は、軟部組織を切断または穿孔できない。当業者は、スタイレットヘッド44gの代替実施形態において、部材端128が軟部組織を切断または穿孔ができるように尖らせることができることを理解するであろう。刃先132は、チャネル134の遠端に位置し、軟部組織を切断することができるように尖っている。スタイレットヘッド44gの非侵襲性尖端126は、尖端が軟部組織を傷つけたり切ったりできないように構成されている。これにより、医療機器10が収縮構成から伸長構成に移動したとき、非侵襲性尖端126はいかなる軟部組織も切断しないことが保証される。この実施形態では、突起である曲線状の外面は、軟部組織を損傷や切断することができないように構成されている。このように、図28aー28cに示されるスタイレットヘッド44gは、チャネル134内に位置する軟部組織のみを切断するように設計されている。放射線科医は、チャネル134内の軟部組織を様々な方法で切断することができる。たとえば、スタイレットが伸長されている間、放射線科医はチャネル内の軟部組織を集め、その後、伸長構成から収縮構成に医療機器10を調節することができる。これにより、チャネル134内に位置する軟部組織は、チャネルの遠端に位置する刃先132によって切断されるまで、チャネル内を遠位へ横断する。別の方法として、放射線科医は、伸長構成にスタイレット14を置いて保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方におよび/または表面/深方向に移動させることによって、チャネル134内を遠位へ横断させ、それによってチャネル内の軟部組織を刃先132によって切断することができる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、軟部組織がチャネル134内に位置することを可能にするために、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。当業者は、スタイレットヘッド44gを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的なものではないことを理解するであろう。
【0051】
図29aと29bは、別の設計のスタイレットヘッド44hを示している。スタイレットヘッド44hには遠位ポイント142aが含まれる。図29aと29bに示される実施形態では、遠位ポイント142aは、放射線科医が軟部組織を損傷や切断することなく動かすことができるように非侵襲的である。当業者は、非侵襲性遠位ポイント142aを有するスタイレットヘッド44hが、画像下治療処置中に放射線科医によって様々な方法で使用され得ることを理解するであろう。図29cは、スタイレットヘッド44hの代替実施形態を示す。この代替実施形態では、鋭利な遠位ポイント142bは、放射線科医が、スタイレット14を近/遠方および/または表面/深方向に移動させた場合に、軟部組織を容易に穿孔または穿刺することを可能にするように、遠位ポイント142bが尖っている。当業者は、鋭利な遠位ポイント142bを有するスタイレットヘッド44hが、画像下治療処置中に放射線科医によって様々な方法で使用され得ることを理解するであろう。
【0052】
図30a-30cは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、別の代替設計のスタイレットヘッド44iを示す。スタイレットヘッド44iは、上曲面144、下曲面146、第1の鍛錬面148(たとえば、第1のベベル)、第2の鍛錬面150(たとえば、第2のベベル)を有する。第1および第2の鍛錬面148、150は、互いに交差し、刃先152を形成する。この実施形態では凸形である上下曲面144、146は、軟部組織を傷つけたり切断したりしないように非侵襲的である。図30bに示すように、第1および第2の鍛錬面148、150は、中心面CPに対し対称である。このようにして、第1及び第2鍛錬面148、150によって形成される刃先152は、中央平面CPに対し傾斜している。スタイレットヘッド44iは、刃先152に接する軟部組織のみを切断するように設計されている。放射線科医は刃先152を用いて様々な方法で軟部組織を切断できる。たとえば、収縮構成から伸長構成に医療機器10を調節することで、刃先152を使って軟部組織を切断できる。別の方法として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方および/または表面/深方向に動かし、刃先152を使用して軟部組織を切断することができる。1つあるいはそれ以上の実施形態では、伸長されたスタイレットヘッド44iは、刃先152を組織に向かって押し付け、それから刃先を組織に沿ってスライドさせ、それによって刃先で組織をスライスすることによって組織を切断する。例示されたスタイレットヘッド44iの遠端部はまた、くさび型である。放射線科医は、くさび型ヘッド44iを用いて、近接する組織から、組織を切断および剥離することができると考えられる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。当業者は、スタイレットヘッド44iを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。
【0053】
図31a-31dは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、別の代替設計のスタイレットヘッド44jを示す。スタイレットヘッド44jは、図30a-30cに示すスタイレットヘッド44iに類似しており、上曲面144、下曲面146、第1鍛錬面148、第2鍛錬面150を含む。しかしながら、スタイレットヘッド44iとは異なり、第1及び第2の鍛錬面148、150は中央面CPに対し対称ではない。代わりに、第2の鍛錬面150は、平坦部54の1つから実質的にまっすぐに伸びている。刃先152は中央面CPからオフセットされている。鍛錬面148、150は収束してたがね型のブレードを形成する。スタイレットヘッド44jは、刃先152に接している軟部組織のみを切断するように設計されている。放射線科医は刃先152を用いて様々な方法で軟部組織を切断できる。たとえば、収縮構成から伸長構成に医療機器10を調節することで、刃先152を使って軟部組織を切断できる。別の方法として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方および/または表面/深方向に動かし、刃先152を使用して軟部組織を切断することができる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。当業者は、スタイレットヘッド44jを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。
【0054】
図32a-32dは、スタイレット14のスタイレット遠位端50に位置する、別の代替設計のスタイレットヘッド44kを示す。スタイレットヘッド44kは、図30a-30cに示すスタイレットヘッド44iに類似しているが、上曲面144と第1及び第2鍛錬面148、150との交点が非侵襲性角領域154を形成する点が異なる。非侵襲性角領域154は、軟部組織を損傷や切断することなく動かすことができる。非侵襲性角領域154は、チップが中心面CPに対し対称になるように配向されている。スタイレットヘッド44kは、刃先152に接する軟部組織のみを切断するように設計されている。放射線科医は刃先152を用いて様々な方法で軟部組織を切断できる。たとえば、収縮構成から伸長構成に医療機器10を調節することで、刃先152を使って軟部組織を切断できる。別の方法として、放射線科医は、スタイレット14を伸長構成に置き保持し、医療機器10全体(皮下注射針12とスタイレットを含む)を近/遠方および/または表面/深方向に動かし、刃先152を使用して軟部組織を切断することができる。皮下注射針12内のスタイレット14の向きに応じて、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。当業者は、スタイレットヘッド44kを用いて放射線科医がどのように軟部組織を切断できるかの前述の例の一覧が網羅的ではないことを理解するであろう。加えて、当業者は、スタイレットヘッド44kが下曲面146と第1及び第2の鍛錬面148、150との交差点に第2の非侵襲性先端を持つことができることを理解するだろう。さらに、当業者は、スタイレットヘッド44jがまた、1あるいは2つの非侵襲性先端を有することができることを理解するだろう。
【0055】
画像下治療処置 - 手根管減圧術
上述したように、医療機器10は、多くの要因(たとえば、皮下注射針の大きさ、医療機器に入れられる流体の種類、画像表示方法など)に応じて、様々な種類の画像下治療処置で様々な理由で使用することができる。医療機器10が特に適している1つの画像下治療処置は、超音波誘導手根管減圧術である。手根管CTを図33に図示する。図33に示した像は、「Anatomy and Physiology」、2019年5月2日、Openstaxからであり、http://cnx.org/contents/ccc4ed14-6c87-408b-9934-7a0d279d853a@8より無料でダウンロードできる。
【0056】
手根管症候群は、手首の奥深くにある患者の正中神経のMNを圧迫することを含む。最も一般的には、患者の正中神経MNは横手根靭帯TCL(屈筋支帯とも呼ばれる)によって圧迫される。TCLは有鉤骨鉤(要素2と表示)と大菱形骨(要素3と表示)に付着する。TCLは手首の掌側面に位置する手根管の天井を形成する。図33で示されたように、正中神経はTCLより深部にある。他の解剖学上の要素は、屈筋腱FT、小菱形骨(要素4と表示)、有頭(要素5と表示)である。
【0057】
多くの場合、手根管症候群を経験した患者は、正中神経の圧迫を治そうとする試みとして、非外科方法を処方される。これらの非外科的方法には、安静、副子固定、物理的療法、コルチコステロイド注射などがある。前述の非外科方法の1つあるいはそれ以上により正中神経MNの圧迫が治らない場合、TCLを切断することにより正中神経MNの解放が達成される。歴史的に、TCLは観血的手術で切開されてきた。しかし、観血的手根管減圧術には多くの欠点がある。たとえば、観血的手術は侵襲が大きく、大きな切開を必要とする(しばしば長さ60mm以上)。切開が大きいと、瘢痕化、感染のリスク、手術中の合併症のリスクが高くなる。また、患者の回復期間も長くなる。さらに、観血的手根管減圧術は手術室で行われなければならず、多数の専門医(たとえば、整形外科医および麻酔科医)が立ち会う必要がある。観血的手根管減圧術を複数の専門医がいる手術室で行う必要があることは、手順に伴う医療費を飛躍的に増大させる。
【0058】
医療機器10を使用することで、放射線科医は画像下治療処置を使用して最小限の侵襲で手根管減圧術を行うことができ、それによって観血的手根管減圧術を行う必要を回避することができる。放射線科医は、手根管減圧術手順全てを通して患者の患部手首の直接的可視を維持する。直接可視により、放射線科医は、神経および/または血管を損傷することなく、医療機器10を患者内の適切な位置に誘導することができる。この開示は、放射線科医によって実施されているものとして手根管減圧術を実施する一定の例示的な方法を記述するが、他の実施者または医療専門家が、ここに記載される方法のいずれかの1つあるいはそれ以上の態様を実施し得ることは理解されるべきである。
【0059】
たとえば、X線透視、コンピュータ断層撮影、超音波、磁気共鳴画像法など、いくつかの異なる介在的画像方法によって直接視覚化が可能である。詳細な説明の以下の部分を通して議論される画像方法は超音波である。しかしながら、当業者は、他の好適画像化方法が本明細書に開示された方法に従って使用され得ることを理解するであろう。
【0060】
画像下治療処置の始めに、状況に応じて、手根管症候群の症候を罹患している患者を仰臥位または横臥位にする。たとえば、放射線科医は、使用可能な室内装備(たとえば、椅子、ベッド)と部屋の配置に応じて、患者を仰向けにするか、座位姿勢をとることを好む。患者の患部手首は、図34に示すように、患部手首の掌側が上向き(すなわち、手のひら)になるように向いている。図35に示すように、超音波トランスデューサー6を患者の手首の掌側に配置して、放射線科医が患者の手首の解剖学上の断面を決定することを可能にする。当業者は、放射線科医が希望する画像に応じて、探触子を患者の手首上横または長手方向に置いてもよいことを理解する。好ましくは、超音波トランスデューサーは高周波トランスデューサー(たとえば、15-7MHzトランスデューサー)である。たとえば、超音波トランスデューサーは、高周波の小さなフットプリント線形アレイトランスデューサー(一般に「ホッケースティック」トランスデューサーと呼ばれる)であり得る。このようなタイプの超音波トランスデューサーの1つは、Philips L15-7ioブロードバンドコンパクトリニアアレイトランスデューサである。放射線科医は、プロセス全体にわたって超音波トランスデューサーを片手で保持し、操作することができ、放射線科医が対側の手で医療機器10を保持し、操作することができることを理解できる。または、助手(たとえば、看護師または放射線技師)がプロセス全体にわたって超音波トランスデューサーを扱い、操作してもよい。図42に示した超音波画像にみられるように、放射線科医が見る主な解剖学上構造の一部は、(i)TCL(画像では「1000」と表示)、(ii)筋腱、(iii)正中神経(「1002」と表示)である。図42に示した超音波画像では、皮下注射針(「1004」と表示)の一部が患者に入り込んでいるのが見える。
【0061】
放射線科医が患者の患部手首の解剖学上の構造を可視化した後、患部手首の手首皮線を通して最初の皮下注射針(ここから「麻痺針」と呼ばれる)を導入することができる。手首皮線は、図36に示すように、近位手首皮線PWCまたは遠位手首皮線DWCのいずれかであり得る。流体継手(たとえば、ルアーロック)を、麻痺針の近位端に接続することができる。流体継手により、麻痺流体を含有するシリンジと麻痺針が流通する。当業者は、麻痺流体が、たとえば、生理食塩水、リドカイン、および/またはトリアムシノロンアセトニドの混合物を含有することができることを理解するであろう。麻痺流体は、画像下治療処置中も患者が静止していることを確かにし、処置中の患者の快適性を確かにするために、患者の解剖学上患部を麻痺させる役目を果たす。当業者は、麻痺針が患者に導入される最初の皮下注射針であるため、麻痺針が小さな針である可能性があることを理解するであろう。麻痺針を皮膚表面に対して鋭角に刺入してもよい。当業者は、麻痺針を皮膚表面に対して垂直な角度で導入することができることを理解するであろう。超音波ガイド下で、皮下注射針の遠位端が正中神経にからんだり触れたりしないようにしながら、麻痺針をTCLの深部に誘導する。状況に応じて、放射線科医は、TCLを麻痺針で刺さないように選択してもよい(すなわち、TCLの表層に残存させる)。当業者は、麻痺針が、患部手首に対して近位-遠位(図37に示される)または患部手首に対して遠位-近位(図38に示される)に導入され得ることを理解するであろう。麻痺流体は、麻痺針をTCLに誘導し麻痺針を通して少なくとも間欠的に注入する。
【0062】
患者に十分な麻酔を施した後、放射線科医は麻痺針を患者から抜去し、患者に収縮構成にあるスタイレット14の医療機器10を挿入する。流体含有シリンジを医療機器10の流体継手18に接続する。当業者は、患者がすでに麻酔されているため、流体が生理食塩水である可能性があることを理解するであろう。また、流体は、たとえば、塩類、リドカイン、および/またはトリアムシノロンアセトニドの混合物を含有する、麻痺流体である。医療機器10は、画像下治療処置中に手根管減圧術を実行するために使用される。このため、医療機器10に関連する皮下注射針12は、麻痺針よりも大きいサイズである可能性が高い。ここに記載された方法を用いて手根管減圧術を行う好ましい実施形態において、麻痺針は、バーミンガムゲージで23ゲージ以上の皮下注射針である。たとえば、1つあるいはそれ以上の実施形態において、約0.75mm以下(たとえば、約0.70mm以下、0.65mm以下)の外径を持つ。医療機器10に関連する皮下注射針12は、21以下のバーミンガムゲージのゲージ番号である。たとえば、医療機器10に関連する皮下注射針12は、1つあるいはそれ以上の実施形態(たとえば、少なくとも約0.80mm)で少なくとも約0.75mmの外径を有する。皮下注射針12に大きな針を使用することで、放射線科医はより大きな、より頑丈なスタイレット14を使用して手根管減圧術を行うことができる。しかしながら、適切には、医療機器10に関連する皮下注射針12はまた、超音波誘導下で手根管構造を不注意に損傷、たとえば、神経または血管を傷つけることなくナビゲートするのに十分な断面サイズの小ささである。1つあるいはそれ以上の実施形態において、医療機器10に関連する皮下注射針12は、2.5mm以下の外径を持つ(たとえば、約2.0mm以下、約1.7mm以下、約1.5mm以下、約1.4mm以下)。1つあるいはそれ以上の実施形態において、医療機器10に関連する皮下注射針12は、バーミンガムゲージ上の16ゲージ、17ゲージ、18ゲージ、19ゲージ、20ゲージ、21ゲージ、22ゲージのいずれかで構成されているか、または、そうでなければ、この群のバーミンガム針のどの部分集合でも同様の外部断面の大きさの針で構成されている。当業者は、麻痺針の代わりに医療機器10に関連する皮下注射針12を用いて麻酔を行うことができることを理解するであろう。
【0063】
放射線科医は、麻痺針を導入するために使用したのと同じ挿入箇所を通して、医療機器10に関連する皮下注射針12を導入することができる。このように、医療機器10に関連する皮下注射針12は、1つあるいはそれ以上の実施形態において、患部手首の手首皮線を通して導入される。麻痺針と同様に、医療機器10に関連する皮下注射針12を、概して近位から遠位方向(図37参照)または概して遠位から近位方向(図38参照)に患者に導入することができる。医療機器10に関連する皮下注射針12は、鋭利な尖端40が患者に導入される皮下注射針の最初の部分であるように導入される。麻痺針に関して上述したように、医療機器10に付随する皮下注射針12を、皮膚表面に対して垂直な角で患者に導入することができる。しかしながら、放射線科医は、医療機器10に関連する皮下注射針12を、皮膚表面に対して鋭角で導入する可能性が高い。医療機器10に関連する皮下注射針12は、放射線科医の好みおよび/または患部手首に関連する状況に応じて、ベベル上向き方向(図37-38に示す通り)またはベベル下向き方向(図39-40に示す通り)に向けることができる。画像下治療処置を通して、医療機器10に関連する皮下注射針12の一部が体外の場所に配置される。
【0064】
継続的な超音波ガイド下で、医療機器10に関連する皮下注射針12は、鋭利な尖端40がTCLのすぐ表層になるまで麻酔された経路に沿って誘導される。実施形態では、放射線科医が麻酔された経路に沿って医療機器10に関連する皮下注射針12を進めているので、流体は針穴38を通して少なくとも間欠的に注入される。間欠的に流体を注入することは、患者体内の様々な解剖学的構造に対し医療機器10に関連した皮下注射針12の正確な位置を、放射線医師がより正確に確認するのに役立つ。状況に応じて、流体は、たとえば、生理食塩水であることができる。あるいは、流体はたとえば、生理食塩水、リドカイン、およびトリアムシノロンアセトニドの混合物を含有する麻痺流体であってもよい。局所麻酔薬含有流体を間欠的に注入すると、患者が麻痺したままでいることを確認するというさらなる利点が得られる。
【0065】
鋭利な尖端40がTCLのすぐ表面になるように皮下注射針12を配置した後、放射線科医は針穴38を通して流体を注入しながら皮下注射針を深く進める。これにより、鋭利な尖端40がTCLを貫通するときに、ハイドロダイセクションを生じる。皮下注射針12から放出された流体のジェットは、正中神経とTCLの深い面とを隔てる。TCL穿孔後も流体を注入し続けると、強制的に正中神経をTCLから遠ざけ(たとえば、正中神経に対して作用する注入流体の圧力によって)、図41に示す通り、正中神経を分離する流体ポケット1006を与える。流体ポケットは、正中神経に接触および/または損傷を与えることなく、医療機器10を使用してTCLを分離するのに十分なスペースを与える。1つあるいはそれ以上の実施形態においては、流体ポケットは、TCLと正中神経の間に固体ブロッキング構造(たとえば、針の軸の遠端部以外の構造)がない。たとえば、特定の実施形態では、針と正中神経の間の保護を形成するために、意図的に流体ポケットに固体ブロック構造を導入しない。むしろ、これらの実施形態において、流体ポケットは、放射線科医が正中神経を損傷する実質的なリスクなしに超音波ガイド下でTCL解離を実施するために十分なクリアランスを提供するために使用される。流体ポケットは、必要に応じて、針穴38を通して追加の流体を注入することにより、画像下治療処置の残りの部分を通して維持することができる。1つあるいはそれ以上の実施形態において、流体ポケットは約1.0mmから2.0mmの、正中神経とTCLの間の隙間を区画する。
【0066】
その後、スタイレットヘッド44が部分的に流体ポケット内に少なくとも配置されるように、収縮構成から伸長構成に医療機器10を調節する。当業者は、放射線科医が流体ポケットを形成した後で、スタイレット14を収縮構成から伸長構成に調節する前に、表面的に皮下注射針12を動かすことができることを理解するであろう。別の方法として、当業者は、放射線科医が表面的に皮下注射針12を動かすことなく、収縮構成から伸長構成にスタイレット14を調節できることを理解するであろう。さらに、状況に応じて、様々なタイプのスタイレットヘッド設計を用いて手根管減圧術を行うことができることを理解する必要がある。TCLを切断し、正中神経を分離するのに使用できるスタイレットヘッド設計の一種は、図22a-22cに示すスタイレットヘッド44aである。
【0067】
皮下注射針12に対するスタイレットヘッド44aの向きに応じて、医療機器10が収縮構成から伸長構成に調節されるとき、刃先104をTCLに隣接させるために、スタイレット軸52を中心にスタイレットを回転させる必要がある場合がある。たとえば、スタイレット14は、医療機器10が収縮構成から伸長構成に調節されるとき、刃先112がTCLに隣接しないように、皮下注射針12内に向けられ得る。このようにスタイレット14を方向付けることは、医療機器10が収縮構成から伸長構成に調節されるとき、刃先112によってTCLが切断されないようにするのに役立つであろう。医療機器10が伸長構成に調節された後、放射線科医はスタイレット軸52を中心にスタイレット14を回転させて、刃先112をTCLのすぐ近くに配置することができる。放射線科医は、次に、刃先112をTCLと接触させ、刃先をTCLに対し移動させ、それによってTCLを切断することができる。刃先112は、TCLに対し刃先を促しつつ、往復させることができることを理解する必要がある。往復運動は、TCLが切断されるまで、スタイレットヘッド44aの刃先112でTCLを摩耗させる。あるいは、伸長構成から収縮構成にスタイレット14を調節することで、刃先104でTCLを切断することもできる。このように医療機器10を使用することで、TCLを切断して正中神経を分離した後、スタイレット14が皮下注射針12の中に納まり収納されることが確実となる。正中神経を分離し、スタイレットヘッド44aが皮下注射針10内に収容された後(すなわち、収縮位置に移動した)、放射線科医は医療機器10を患者から取り外すことができる。スタイレットヘッド44aが収縮位置にあるため、医療機器10を取り外す際に患者が保護される。
【0068】
あるいは、スタイレットヘッド44aは、皮下注射針12内で、スタイレット14が収縮構成から伸長構成に調節され、刃先112がTCLに隣接し、接触するように向けられることができる。このようにスタイレット14を向けることで、収縮構成から伸長構成に医療機器10を調節する際に、放射線科医はTCLの1回目の切断が可能となり得る。その後、医療機器10が伸長構成から収縮構成に移動する際に、刃先112を使用してTCLに2回目の切断ができる。これらの2段階で、TCLが完全に切断され、正中神経が解放されることを確実にし、同時に、TCLを切断し、正中神経を解放した後、スタイレットヘッド44aが皮下注射針12内に納まり収容されることも確実にし得る。
【0069】
TCLを切断しながら、放射線科医は医療機器10から流体を間欠的に注入し得る。流体の注入は、皮下注射針12の針遠位端34から放出された流体のジェットがTCLの断絶を強いるため、切断を助ける。多くの場合、TCLは正中神経に対し張り、肥厚している。したがって、TCLに対しスタイレット14の刃先112で繰り返し摩耗させ、針遠位端34から放出された流体のジェットとの組合せで、張ったTCLを切断し、正中神経を分離するのに十分な力を与える。TCLを切断しながら流体を注入することで、放射線科医はTCLが切断されたことを識別することもできる。TCLが断絶された後、皮下注射針12から流体が排出されると、TCLが粗動する。このTCLの粗動により、TCLが切断され、正中神経が分離されたことが超音波ガイドを介して放射線科医が視覚的に確認できる。
【0070】
次に、放射線科医は、流体継手18に接続されたシリンジを取り出し、シリンジをステロイド流体含有の2本目のシリンジに交換することができる。ステロイド流体はたとえば、トリアムシノロンアセトニド等のコルチコステロイドであり得る。第2のシリンジは、流体継手(及び皮下注射針12)がステロイド流体と流通するように流体継手18に接続されている。その後、放射線科医はTCLが切断された局所領域の患者にステロイド流体を注射し得る。観血的手術のように患部手首が”開かれた”わけではないので、ステロイド流体は患者の軟部組織によって容易に吸収される。ステロイド流体の注射は、切断したTCLによる患者の炎症反応の予防または軽減に役立つ。これは、処置後の線維化または瘢痕形成の可能性を抑制することができる。ステロイド流体を、新しい皮下注射針で患者に挿入するのではなく、医療機器10の皮下注射針12を介して導入することにより、TCLが切断された局所領域にステロイドが確実に届けられる。場合によっては、TCLの瘢痕化により手根管症候群が再発することがある。その後、放射線科医は流体継手から2本目のシリンジを取りはずし、2本目のシリンジを非ステロイド流体(たとえば、リドカインまたは生理食塩水等の洗浄流体)含有の別のシリンジに交換し得る。流体継手に流通するこのシリンジは、放射線科医が皮下注射針12を患者の皮膚表面に接触させる前に、注射針からあらゆるステロイド流体を流すことを可能にする。ステロイド流体を患者の皮膚表面に入れ込むと、場合によっては皮膚刺激を生じることがある。皮下注射針12を水洗した後、放射線科医は医療機器10を患者から取り出し、必要に応じて小さな絆創膏を挿入箇所に貼ることがある。
【0071】
医療機器10と上記の画像下治療処置を使ってTCLを切断することで、最小限の侵襲性の手根管減圧術が可能である。手順全体を通して複数の挿入箇所を使用することができるが(たとえば、麻痺針は医療機器10に関連する皮下注射針12とは異なる入力ポイントを持つことがある)、TCLを切断するためのアクセス(または正中神経の移動とTCLの切断の両方)は、1つを通して提供することができ、患者の手/手首の1つのみの挿入箇所を通して提供することができる。挿入箇所が、場合によっては長さ数センチまたはインチの切断である観血的手根管減圧術、または、約4ミリメートル以上の小さな切断を使用する、より侵襲性の低い手根管減圧術手順とは異なり、ここに記載される手順におけるTCL切断のための挿入箇所は、ただの皮下注射針穿孔である。したがって、1つあるいはそれ以上の実施形態において、TCLを切断する機器の挿入箇所(たとえば、皮下注射針穿孔)は、最大横径が3.5mm未満、3.0mm未満、2.5mm未満、2.0mm未満、1.7mm未満、1.5mm未満、または1.4mm未満である。挿入箇所の横寸法が小さいと、侵襲を最小限に抑えて手根管減圧術手順を行うことを容易にする。低侵襲性は、感染リスクの低減に役立ち、外来患者施設での診察時に施術を行うことを可能にし(医療費の削減に役立つ)、挿入箇所が治癒するのに必要な回復期間を大幅に最小限にし、瘢痕化のリスク(皮膚面とTCLを切断した部位の内部の両方)を有意に低減する。
【0072】
スタイレットヘッド44a以外に、手根管減圧術を行うために他のタイプのスタイレットヘッド設計を使用できることを理解する必要がある。スタイレットヘッド44及び当該スタイレットヘッドにおける刃先の位置に応じて、当業者は、TCL切断の正確な手順が上記に規定された手順と異なることを理解するであろう。たとえば、スタイレットヘッド44cを使用してTCLを切断する場合、スタイレット14を使用してTCLがフック領域118内に位置するようにすることで、刃先124がTCLを切断できる。
【0073】
他の画像下治療処置
医療機器10が、軟部組織操作を含む他のタイプの画像誘導放射線術の使用に好適であることは、当業者に明らかである。通常、どのような画像誘導放射線処置時でも、放射線科医は、超音波、Mill等の画像表示等において少なからず断続的に標的解剖学的構造を観察する。いくつかの実施形態では、放射線科医は、医療機器10を導入する前に麻酔した領域を確立するために麻痺針を使用する。医療機器を導入するには、皮下注射針12の鋭利な先端が患者の皮膚に穴を開けるか、さもなければ、適切な挿入箇所を介して患者の身体に入る。次に、針遠端が標的部位に位置するまで、画像誘導下で針12を進める。針12を前進させながらいつでも、スタイレット14に沿って針を通して連続的にまたは間欠的に流体を与え、針遠端から排出させ、任意の所望の作用、たとえば、ハイドロダイセクション、組織の治療的処置、麻酔、イメージ増強または視覚化の改善を達成することができる。画像表示により、針遠端が標的部位にあることが示されると、望ましいスタイレットヘッドのスタイレット14が針穴を通して伸長構成に進められる。続いて、医療機器10を単位として移動させるか、またはスタイレット14を針12に対して移動させて、手順で必要とされるように画像によるガイダンスのもとで標的組織を操作する。スタイレットヘッドを用いて組織を操作しながら、いつでも、好ましい効果、たとえば、ハイドロダイセクション、組織の治療的処置、麻酔、イメージ増強または視覚化の改善を達成するために針遠端から排出されるように、スタイレット14に沿って針を通して流体を継続的に又は間欠的に与えることができる。任意の所望の流体を含有するシリンジは、流体継手18に連結され、処置中に注射針12を通して付与され得る。処置が完了すると、患者から針を抜くことができる。
【0074】
針穿刺は手順に用いられる唯一の挿入箇所であるため、縫合は一般的に必要とされず、患者の回復には最小限の疼痛および不快感を伴う。約4mm以上でより小さな切開を用いる侵襲性の低い外科的処置を含む観血的手術とは異なり、医療機器10で処置を行うために使用する挿入箇所は皮下注射針穿刺のみである。このように、1つあるいはそれ以上の実施形態において、医療機器10を使用して画像下治療処置を行うための挿入箇所(たとえば、皮下注射針穿刺)は、最大横径が3.5mm未満、3.0mm未満、2.5mm未満、2.0mm未満、1.7mm未満、1.5mm未満、または1.4mm未満である。挿入箇所の横寸法が小さいと、侵襲を最小限に抑えて処置を行うことを容易にする。低侵襲性は、感染リスクの低減に役立ち、外来患者施設での診察時に施術を行うことを可能にし(医療費の削減に役立つ)、挿入箇所が治癒するのに必要な回復期間を大幅に最小限にし、瘢痕化のリスク(皮膚面とTCLを切断した部位の内部の両方)を有意に低減する。
【0075】
医療機器10を使用して実施することができる他の画像下治療処置中で、ド・ケルヴァンリリース、ばね指リリース、足根管開放術、足底筋膜解放、腕または下肢の筋膜切開、洗浄(たとえば、肩洗浄)、および組織生検(膵生検)を含む処置を実施するために、上記のような全般的な方法で器具を使用することが明示的に意図されている。以上を踏まえ、医療機器10を使ってこれらの手順を行うという基本的な方法は、当業者には明らかである。
【0076】
たとえば、ド・ケルヴァンリリースを行うために、皮下注射針12は、イメージ誘導の下で、手または手首に、親指の近くの手首に沿って走る患部腱に導入される。針の遠端が標的部位にあるとき、所望のスタイレットヘッド構成を有するスタイレットを伸長構成に進め、患部腱を剥離するために使用する(処置中に針穴を通して与えられるハイドロダイセクション、または他の治療または画像増強流体の助けあり/なしで)。
【0077】
ばね指リリースを実施するために、皮下注射針12は、画像誘導下で環状靭帯に向かって手に導入される。針の遠端が標的部(たとえば、環状靭帯の深部)にあるとき、望ましいスタイレットヘッド構成を持つスタイレットは伸長構成に進み、患部腱を剥離するために使用される(処置中に針穴を通して与えられるハイドロダイセクション、または他の治療または画像増強流体の助けあり/なしで)。
【0078】
足根管開放術を実施するために、皮下注射針12を、足部または足首の足根靭帯に向けて画像誘導下で導入する。針の遠端が標的部位にあるとき、所望のスタイレットヘッド構成を有するスタイレットを伸長構成に進め、患部腱を剥離するために使用する(処置中に針穴を通して与えられるハイドロダイセクション、または他の治療または画像増強流体の助けあり/なしで)。
【0079】
足底筋膜を剥離するために、皮下注射針12を、足部または足首の足底筋膜に向かって画像誘導下で導入する。針の遠端が標的部位にあるとき、所望のスタイレットヘッド構成を有するスタイレットを伸長構成に進め、足底筋膜を剥離するために使用する(処置中に針穴を通して与えられるハイドロダイセクション、または他の治療または画像増強流体の助けあり/なしで)。
【0080】
腕または脚の筋膜切開を実施するために、皮下注射針12を、腕または脚に沿って縦に間隔を置いた複数の位置で、それぞれの筋膜に向かって腕または脚に画像誘導のもとで導入する。針の遠端がそれぞれの標的部位にあるとき、望ましいスタイレットヘッド構成を持つスタイレットを伸長構成に進め、筋膜を剥離するために使用する(処置中に針穴を通して与えられるハイドロダイセクション、または他の治療または画像増強流体の助けあり/なしで)。
【0081】
肩洗浄を行うには、皮下注射針12を画像誘導下で腕または肩に導入する。(他の洗浄を行う場合には、他の身体部位に針を導入することが認識されるであろう。)医療機器を使用し、一般的に従来の洗浄技術を用いて肩の洗浄行うことができるが、肩の石灰質の堆積物を粉砕するためにスタイレットヘッドを使用することができる。処置時、スタイレットに沿って針に通した洗浄流体(たとえば、生理食塩水)を用いて、関節領域からカルシウムを洗浄する。その後、ステロイドをスタイレットに沿って針を通し、関節部(たとえば、嚢)に挿入する。
【0082】
生体検査の間、皮下注射針12は、生体検査を行う解剖学上の部分に向けて画像誘導のもとで導入される。針の遠端が標的部位に来ると、所望のスタイレットヘッド構成を持つスタイレットを伸長構成に進め、標的組織の試料を摘出する。1つあるいはそれ以上の実施形態では、組織試料をスタイレットヘッドに残し、それを収縮させる。採取した組織試料は、その後、医療機器を取り外すまで針内に安全に収められる。
【0083】
本発明の要素又はその好ましい実施形態の説明において、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、要素の1つあるいはそれ以上があることを意味するものとする。「comprising」、「including」および「having」という用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外の追加要素が存在する可能性を意味する。
【0084】
以上のことから、発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が得られていることがわかるだろう。
【0085】
上記の物及び方法では、発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることができ、上記の説明に含まれるすべての事項を例示的なものと解釈し、限定的な意味ではないことを意図している。
図1
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