(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】パレット搬送装置及びパレット搬送システム
(51)【国際特許分類】
B07C 7/04 20060101AFI20241025BHJP
B08B 13/00 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
B07C7/04
B08B13/00
(21)【出願番号】P 2023145560
(22)【出願日】2023-09-07
【審査請求日】2024-06-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼開催名 : 2022年9月13日 ▲2▼集会名、開催場所 : 第15回 国際物流総合展 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1) ▲3▼公開者 : シーエスジャパン株式会社 ▲4▼公開された発明の内容: シーエスジャパン株式会社が、第15回 国際物流総合展にて、野村 智夫らが発明したパレット搬送装置について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522357459
【氏名又は名称】シーエスジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(72)【発明者】
【氏名】野村 智夫
(72)【発明者】
【氏名】川守田 隆
(72)【発明者】
【氏名】野城 正人
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼田 俊和
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/051509(WO,A1)
【文献】特開2010-137984(JP,A)
【文献】特開2009-42193(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0166395(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 7/04
B08B 13/00
B65G 57/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットを搬送するパレット搬送装置であって、
前記パレットが投入される投入ラインと、
前記パレットが洗浄され、洗浄された前記パレットを良品として取り出される洗浄ラインと、
前記パレットが不良品として取り出される選別ラインと、
ユーザーの操作によって、前記洗浄ライン及び前記選別ラインのいずれかに前記パレットを搬送する操作ラインと
を備える、
パレット搬送装置。
【請求項2】
前記投入ラインは、
前記パレットが投入される第1自在ローラ部と、
動力と接続し、搬送方向へ前記パレットを搬送する第1動力ローラ部と
前記パレットを1枚ずつ前記操作ラインに搬送する段ばらし部と
を含み、
前記パレットは、前記投入ラインにおいて前記第1自在ローラ部、前記第1動力ローラ部、前記段ばらし部の順に搬送される
請求項1に記載のパレット搬送装置。
【請求項3】
前記第1自在ローラ部には、傾斜が設けられる
請求項2に記載のパレット搬送装置。
【請求項4】
前記洗浄ラインは、
ユーザーの操作に基づいて、前記パレットを反転する反転部と、
動力と接続し、前記反転部から前記パレットを搬送する第2動力ローラ部と、
前記パレットを洗浄する洗浄部と、
動力と接続し、前記洗浄部から前記パレットを搬送する第3動力ローラ部と、
前記パレットを積載する積載部と、
前記積載部から前記パレットを搬送する第2自在ローラ部と、
動力と接続し、前記第2自在ローラ部から前記パレットを搬送する第4動力ローラ部と、
前記パレットが取り出される第3自在ローラ部と
を含み、
前記パレットは、前記洗浄ラインにおいて前記反転部、前記第2動力ローラ部、前記洗浄部、前記第3動力ローラ部、前記積載部、前記第2自在ローラ部、前記第4動力ローラ部、前記第3自在ローラ部の順に搬送される
請求項3に記載のパレット搬送装置。
【請求項5】
前記第2自在ローラ部には、傾斜が設けられる
請求項4に記載のパレット搬送装置。
【請求項6】
前記第2自在ローラ部の傾斜は、前記第1自在ローラ部の傾斜より小さい
請求項5に記載のパレット搬送装置。
【請求項7】
前記第3自在ローラ部には、傾斜が設けられ、
前記第3自在ローラ部の傾斜は、前記第2自在ローラ部の傾斜より小さい
請求項5に記載のパレット搬送装置。
【請求項8】
前記第2自在ローラ部の搬送方向における長さは、前記パレットの搬送方向における長さの1.5倍以上でかつ前記パレットの搬送方向における長さの2倍以下である
請求項4に記載のパレット搬送装置。
【請求項9】
前記第1動力ローラ部には、光電センサが設けられ、
前記第1動力ローラ部は、
前記光電センサが前記パレットを検知している場合に、搬送動作を開始し、
前記光電センサが前記パレットを検知していない場合に、搬送動作を停止する
請求項2に記載のパレット搬送装置。
【請求項10】
前記操作ラインは、
ユーザーによって操作可能な操作部と、
前記操作部におけるユーザーの操作によって前記洗浄ライン及び前記選別ラインのいずれかに前記パレットを搬送する振分部と
を含み、
前記選別ラインは、前記パレットが取り出される第4自在ローラ部を含み、
前記第4自在ローラ部の搬送方向は、前記操作部の搬送方向に対して傾斜及び角度を有する
請求項1に記載のパレット搬送装置。
【請求項11】
パレットを搬送するパレット搬送システムであって、
前記パレットが投入される投入手段と、
前記パレットが洗浄され、洗浄された前記パレットを取り出される洗浄手段と、
前記パレットが取り出される選別手段と、
ユーザーの操作によって、前記洗浄手段及び前記選別手段のいずれかに前記パレットを搬送する操作手段と
を備える、
パレット搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレット搬送装置及びパレット搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流分野において、荷物を載せるためのパレット(pallet)を搬送、移載する装置、システムが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【文献】特許第5629534号公報
【文献】特許第5666697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パレット搬送装置において、良品、不良品選別及びパレット洗浄が可能なパレット搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、パレットを搬送するパレット搬送装置を提供する。パレット搬送装置は、投入ラインを備えてよい。投入ラインにおいて、パレットが投入されてよい。パレット搬送装置は、洗浄ラインを備えてよい。洗浄ラインにおいて、パレットが洗浄されてよい。洗浄ラインにおいて、洗浄されたパレットを良品として取り出されてよい。パレット搬送装置は、選別ラインを備えてよい。選別ラインにおいて、パレットが不良品として取り出されてよい。パレット搬送装置は、操作ラインを備えてよい。操作ラインは、ユーザーの操作によって、洗浄ライン及び選別ラインのいずれかにパレットを搬送してよい。
【0005】
投入ラインは、第1自在ローラ部を含んでよい。第1自在ローラ部において、パレットが投入されてよい。投入ラインは、第1動力ローラ部を含んでよい。第1動力ローラ部は、動力と接続してよい。第1動力ローラ部は、搬送方向へパレットを搬送してよい。投入ライン部は、段ばらし部を含んでよい。段ばらし部は、パレットを1枚ずつ操作ラインに搬送してよい。パレットは、投入ラインにおいて第1自在ローラ部、第1動力ローラ部、段ばらし部の順に搬送されてよい。
【0006】
第1自在ローラ部には、傾斜が設けられてよい。
【0007】
洗浄ラインは、反転部を含んでよい。反転部は、ユーザーの操作に基づいて、パレットを反転してよい。洗浄ラインは、第2動力ローラ部を含んでよい。第2動力ローラ部は、動力と接続してよい。第2動力ローラ部は、反転部からパレットを搬送してよい。洗浄ラインは、洗浄部を含んでよい。洗浄部は、パレットを洗浄してよい。洗浄ラインは、第3動力ローラ部を含んでよい。第3動力ローラ部は、動力と接続してよい。第3動力ローラ部は、洗浄部からパレットを搬送してよい。洗浄ラインは、積載部を含んでよい。積載部は、パレットを積載してよい。洗浄ラインは、第2自在ローラ部を含んでよい。第2自在ローラ部は、積載部からパレットを搬送してよい。洗浄ラインは、第4動力ローラ部を含んでよい。第4動力ローラ部は、動力と接続してよい。第4動力ローラ部は、第2自在ローラ部からパレットを搬送してよい。洗浄ラインは、第3自在ローラ部を含んでよい。第3自在ローラ部において、パレットが取り出されてよい。パレットは、洗浄ラインにおいて反転部、第2動力ローラ部、洗浄部、第3動力ローラ部、積載部、第2自在ローラ部、第4動力ローラ部、第3自在ローラ部の順に搬送されてよい。
【0008】
第2自在ローラ部には、傾斜が設けられてよい。
【0009】
第2自在ローラ部の傾斜は、第1自在ローラ部の傾斜より小さくてよい。
【0010】
第3自在ローラ部には、傾斜が設けられてよい。第3自在ローラ部の傾斜は、第2自在ローラ部の傾斜より小さくてよい。
【0011】
第2自在ローラ部の搬送方向における長さは、パレットの搬送方向における長さの1.5倍以上でかつパレットの搬送方向における長さの2倍以下であってよい。
【0012】
第1動力ローラ部には、光電センサが設けられてよい。第1動力ローラ部は、光電センサがパレットを検知している場合に、搬送動作を開始してよい。第1動力ローラ部は、光電センサがパレットを検知していない場合に、搬送動作を停止してよい。
【0013】
操作ラインは、操作部を含んでよい。操作部は、ユーザーによって操作可能であってよい。振分部を含んでよい。振分部は、操作部におけるユーザーの操作によって洗浄ライン及び選別ラインのいずれかにパレットを搬送してよい。選別ラインは、第4自在ローラ部を含んでよい。第4自在ローラ部において、パレットが取り出されてよい。第4自在ローラ部の搬送方向は、操作部の搬送方向に対して傾斜及び角度を有してよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、パレットを搬送するパレット搬送システムを提供する。パレット搬送システムは、投入手段を備えてよい。投入手段において、パレットが投入されてよい。パレット搬送システムは、洗浄手段を備えてよい。洗浄手段において、パレットが洗浄されてよい。洗浄手段において、洗浄されたパレットを良品として取り出されてよい。パレット搬送システムは、選別手段を備えてよい。選別手段において、パレットが不良品として取り出されてよい。パレット搬送システムは、操作手段を備えてよい。操作手段は、ユーザーの操作によって、洗浄手段及び手段ラインのいずれかにパレットを搬送してよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係るパレット搬送装置1000の構成の一例を示す図である。
【
図2】パレット搬送装置1000が実施するパレット搬送のフローチャートを示す図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るパレット搬送装置2000の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
本明細書では、適宜、X軸、Y軸及びZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する。Z軸はパレット搬送装置(またはパレット搬送システム)が設置される床面に対する高さ方向を示す。つまり、Z軸をパレット搬送装置の高さ方向と表現する。X軸、Y軸は、Z軸に対して直交する軸である。なお座標軸の各矢印方向をX軸方向正側、Y軸方向正側、Z軸方向正側と表現し、座標軸の各矢印方向と反対方向をX軸方向負側、Y軸方向負側、Z軸方向負側と表現する。
【0018】
図1は、本発明の一つの実施形態に係るパレット搬送装置1000の構成の一例を示す図である。パレット搬送装置1000は、パレットを搬送する装置である。パレット搬送装置1000は、パレット搬送システムと表現されてもよい。ここでパレットとは、物流において荷物を載せるための荷役台であってよい。パレットは、物流において、荷役作業の効率化のために用いられる。またパレットは、一般的に国際標準化機構(ISO)によって規格が定まっているものである。パレット搬送装置1000には、一例として14型のパレット(1辺の長さが1400mm)や11型のパレット(1辺の長さが1100mm)が搬送される。パレット搬送装置1000には、これら以外のサイズのパレットが搬送されてよい。
【0019】
パレット搬送装置1000は、投入ライン100、洗浄ライン200、選別ライン300及び操作ライン400を備える。投入ライン100は、パレットが投入されるラインである。洗浄ライン200は、パレットが洗浄されるラインである。また洗浄ライン200は、洗浄されたパレットが良品として取り出されるラインであってよい。選別ライン300は、パレットが不良品(NG品)として取り出されるラインである。操作ライン400は、ユーザーの操作によって、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送するラインである。なおパレット搬送装置1000は、投入ライン100、洗浄ライン200、選別ライン300及び操作ライン400以外のラインを備えてもよい。パレット搬送装置1000は、投入ライン100、洗浄ライン200、選別ライン300及び操作ライン400を備えるため、1つの装置で良品、不良品選別及びパレット洗浄が可能である。投入ライン100、洗浄ライン200、選別ライン300、操作ライン400は、それぞれ、投入手段、洗浄手段、選別手段、操作手段と表現されてよい。
【0020】
投入ライン100は、自在ローラ部10、自在ローラ部20、動力ローラ部30及び段ばらし部40を含む。投入ライン100は、これら以外の構成要素を含んでもよい。パレットは、投入ライン100において自在ローラ部10、自在ローラ部20、動力ローラ部30、段ばらし部40の順に搬送される。
【0021】
自在ローラ部10には、自在ローラが設けられる。自在ローラとは、搬送方向に回転することによりパレットを搬送方向に搬送するフリーローラである。
図1において、自在ローラ部10の搬送方向とは、X軸方向正側である。本例において自在ローラ部10は、自在ローラ部20にパレットを搬送する。後述するが、自在ローラ部10には傾斜が設けられてよい。自在ローラ部10には、パレットが投入されてよい。投入されるパレットは、複数のパレットが積みあがっているパレット(以下、段パレットという)であってよい。投入されるパレットは、1つのパレットのみであってもよい。自在ローラ部10は、請求項中の「第1自在ローラ部」の一例である。
【0022】
自在ローラ部20には、自在ローラが設けられる。
図1において、自在ローラ部20の搬送方向とは、X軸方向正側である。本例において自在ローラ部20は、動力ローラ部30にパレットを搬送する。後述するが、動力ローラ部30には傾斜が設けられてよい。自在ローラ部20は、請求項中の「第1自在ローラ部」の一例である。自在ローラ部10は、自在ローラ部20と一体になってもよい。また、自在ローラ部10を介さずに自在ローラ部20から、パレット(段パレット)が投入されてもよい。
【0023】
動力ローラ部30には、動力ローラが設けられる。動力ローラは、動力に接続する。動力ローラは、動力によって搬送方向に回転することによりパレット(段パレット)を搬送方向に搬送するローラである。
図1において、動力ローラ部30の搬送方向とは、X軸方向正側である。本例において動力ローラ部30は、段ばらし部40にパレット(段パレット)を搬送する。動力ローラ部30は、請求項中の「第1動力ローラ部」の一例である。
【0024】
動力ローラ部30には、光電センサ32、ミラー34、光電センサ36及びミラー38が設けられる。光電センサとは、光信号を電気信号に変換するセンサである。光電センサ32は、ミラー34に対して光を出射し、反射した光を検知する。光電センサ32とミラー34の間をパレットが通過した場合反射した光を検知することができないため、光電センサ32は、光電センサ32とミラー34の間をパレット(段パレット)が通過したか否かを検知することができる。光電センサ36はミラー38に光を出射するため、光電センサ36は、光電センサ36とミラー38の間をパレット(段パレット)が通過したか否かを検知することができる。
【0025】
段ばらし部40は、段パレットをばらし、パレットを1枚ずつ操作ライン400に搬送してよい。段パレットをばらすとは、段パレットを解体し、パレットを1枚ずつ搬送することであってよい。
図1において、段ばらし部40の搬送方向とは、X軸方向正側である。
【0026】
段ばらし部40には、光電センサ42、光電センサ44、光電センサ46、ミラー48、光電センサ52、ミラー54、光電センサ56及びミラー58が設けられる。光電センサ42、光電センサ44は、光電センサ42と光電センサ44の間をパレット(段パレット)が通過したか否かを検知することができる。光電センサ46はミラー48に光を出射するため、光電センサ46は、光電センサ46とミラー48の間をパレット(段パレット)が通過したか否かを検知することができる。光電センサ52はミラー54に光を出射するため、光電センサ52は、光電センサ52とミラー54の間をパレット(段パレット)が通過したか否かを検知することができる。光電センサ56はミラー58に光を出射するため、光電センサ56は、光電センサ56とミラー58の間をパレット(段パレット)が通過したか否かを検知することができる。各光電センサの機能は後述する。段ばらし部40には、チェーンコンベアが設けられてよい。チェーンコンベアには、チェーンが設けられてよい。チェーンコンベアは、動力ローラと同様に、動力に接続し、動力によって搬送方向に搬送させる。チェーンコンベアは直接チェーンによってパレットを搬送する。一方動力ローラにもチェーンコンベアが設けられ、動力ローラは、ローラを介してパレットを搬送する。
【0027】
洗浄ライン200は、反転部110、動力ローラ部120、洗浄部130、動力ローラ部140、積載部150、自在ローラ部160、動力ローラ部170及び自在ローラ部180を含む。洗浄ライン200は、これら以外の構成要素を含んでもよい。パレットは、洗浄ライン200において反転部110、動力ローラ部120、洗浄部130、動力ローラ部140、積載部150、自在ローラ部160、動力ローラ部170、自在ローラ部180の順に搬送される。
【0028】
反転部110には、パレットを反転する機構が設けられる。本例において反転部110には、パレットを反転するアームバー112が設けられる。アームバー112が持ち上がることによって、パレットの反転が可能である。アームバー112には、衝撃を吸収するショックアブソーバーが設けられてよい。また反転部110には、近接スイッチ114及びリミットスイッチ116が設けられる。近接スイッチ114及びリミットスイッチ116は、反転部110が行う反転工程に用いられる。パレットを反転後、反転部110はパレットを反転部110の搬送方向に搬送する。
図1において、反転部110の搬送方向とは、Y軸方向正側である。反転部110には、パレットを搬送するためのチェーンコンベアが設けられてよい。
【0029】
動力ローラ部120には、動力ローラが設けられる。また動力ローラ部120には、チェーンコンベアが設けられる。
図1において、動力ローラ部120の搬送方向とは、Y軸方向正側及びX軸方向負側である。本例において動力ローラ部120の動力ローラは、X軸方向負側(洗浄部130)にパレットを搬送する。また本例において動力ローラ部120のチェーンコンベアは、Y軸方向正側にパレットを搬送する。動力ローラ部120は、請求項中の「第2動力ローラ部」の一例である。
【0030】
動力ローラ部120には、光電センサ122、ミラー124、光電センサ126及びミラー128が設けられる。光電センサ122はミラー124に光を出射するため、光電センサ122は、光電センサ122とミラー124の間をパレットが到着したか否かを検知することができる。光電センサ126はミラー128に光を出射するため、光電センサ126は、光電センサ126とミラー128の間をパレットが通過したか否かを検知することができる。動力ローラ部120には、下降機構が設けられてよい。下降機構は、チェーンコンベアによってY軸方向に搬送されたパレットを下降してよい。動力ローラ部120の動力ローラは、下降機構によって下降したパレットを搬送してよい。
【0031】
洗浄部130には、パレットを洗浄する機構が設けられる。洗浄部130は、ブラシを含んでよい。洗浄部130は、エアブローを含んでよい。本例において、洗浄部130は、ブラシ及びエアブローを含むものとして説明する。また洗浄部130には、近接スイッチ132、リミットスイッチ134及びリミットスイッチ136が設けられる。近接スイッチ132、リミットスイッチ134及びリミットスイッチ136は、洗浄部130が行う洗浄工程に用いられる。パレットを清掃後、洗浄部130はパレットを洗浄部130の搬送方向に搬送する。
図1において、洗浄部130の搬送方向とは、X軸方向負側である。洗浄部130には、チェーンコンベアが設けられてよい。
【0032】
動力ローラ部140には、動力ローラが設けられる。
図1において、動力ローラ部140の搬送方向とは、X軸方向負側である。本例において動力ローラ部140は、積載部150にパレットを搬送する。動力ローラ部140は、請求項中の「第3動力ローラ部」の一例である。
【0033】
動力ローラ部140には、光電センサ142、ミラー144、光電センサ146及びミラー148が設けられる。光電センサ142はミラー144に光を出射するため、光電センサ142は、光電センサ142とミラー144の間をパレットが通過したか否かを検知することができる。光電センサ146はミラー148に光を出射するため、光電センサ146は、光電センサ146とミラー148の間をパレットが通過したか否かを検知することができる。
【0034】
積載部150は、パレットを積載し、段パレットとして搬送してよい。積載部150は、一例として30段の段パレットを搬送する。積載部150には、段パレットを積載するためにサポートが設けられてよい。本例において積載部150は、自在ローラ部160にパレットを搬送する。
図1において、積載部150の搬送方向とは、X軸方向負側である。また積載部150には、スイッチ152が設けられる。スイッチ152は、積載部150が行う積載工程に用いられる。積載部150には、チェーンコンベアが設けられてよい。
【0035】
自在ローラ部160には、自在ローラが設けられる。
図1において、自在ローラ部160の搬送方向とは、X軸方向負側である。本例において自在ローラ部160は、動力ローラ部170に段パレットを搬送する。後述するが、自在ローラ部160には傾斜が設けられてよい。自在ローラ部160は、請求項中の「第2自在ローラ部」の一例である。また自在ローラ部160には、積載部150の搬送動作に用いられるリミットスイッチ162が設けられる。
【0036】
動力ローラ部170には、動力ローラが設けられる。
図1において、動力ローラ部170の搬送方向とは、X軸方向負側である。本例において動力ローラ部170は、自在ローラ部180にパレットを搬送する。動力ローラ部170は、請求項中の「第4動力ローラ部」の一例である。
【0037】
動力ローラ部170には、光電センサ172、ミラー174、光電センサ176及びミラー178が設けられる。光電センサ172はミラー174に光を出射するため、光電センサ172は、光電センサ172とミラー174の間をパレットが通過したか否かを検知することができる。光電センサ176はミラー178に光を出射するため、光電センサ176は、光電センサ176とミラー178の間をパレットが通過したか否かを検知することができる。
【0038】
自在ローラ部180には、自在ローラが設けられる。自在ローラ部180において、段パレットが良品として取り出される。後述するが、自在ローラ部180には傾斜が設けられてよい。自在ローラ部180は、請求項中の「第3自在ローラ部」の一例である。また自在ローラ部180には、動力ローラ部170の搬送動作に用いられるリミットスイッチ182が設けられる。
【0039】
選別ライン300は、自在ローラ部210、動力ローラ部220、積載部230及び自在ローラ部240を含む。選別ライン300は、これら以外の構成要素を含んでもよい。パレットは、選別ライン300において自在ローラ部210、動力ローラ部220、積載部230、自在ローラ部240の順に搬送される。
【0040】
自在ローラ部210には、自在ローラが設けられる。
図1において、自在ローラ部210の搬送方向とは、Y軸方向負側である。本例において自在ローラ部210は、動力ローラ部220にパレットを搬送する。
【0041】
動力ローラ部220には、動力ローラが設けられる。また動力ローラ部220には、チェーンコンベアが設けられる。
図1において、動力ローラ部120の搬送方向とは、Y軸方向負側及びX軸方向負側である。本例において動力ローラ部120の動力ローラは、X軸方向負側(積載部230)にパレットを搬送する。また本例において動力ローラ部120のチェーンコンベアは、Y軸方向負側にパレットを搬送する。
【0042】
動力ローラ部220には、光電センサ222、ミラー224、光電センサ226及びミラー228が設けられる。光電センサ222はミラー224に光を出射するため、光電センサ222は、光電センサ222とミラー224の間をパレットが到着したか否かを検知することができる。光電センサ226はミラー228に光を出射するため、光電センサ226は、光電センサ226とミラー228の間をパレットが通過したか否かを検知することができる。動力ローラ部220には、下降機構が設けられてよい。下降機構は、チェーンコンベアによってY軸方向に搬送されたパレットを下降してよい。動力ローラ部220の動力ローラは、下降機構によって下降したパレットを搬送してよい。
【0043】
積載部230は、パレットを積載し、段パレットとして搬送してよい。積載部230は、一例として15段の段パレットを搬送する。本例において積載部230は、自在ローラ部240にパレットを搬送する。
図1において、積載部230の搬送方向とは、X軸方向負側である。また積載部230には、リミットスイッチ232が設けられる。リミットスイッチ232は、積載部230が行う積載工程に用いられる。積載部230には、チェーンコンベアが設けられてよい。
【0044】
自在ローラ部240には、自在ローラが設けられる。自在ローラ部240において、段パレットが不良品として取り出される。また自在ローラ部240には、積載部230の搬送動作に用いられるリミットスイッチ242及びリミットスイッチ244が設けられる。
【0045】
操作ライン400は、操作部310及び振分部320を含む。操作ライン400は、これら以外の構成要素を含んでもよい。パレットは、操作ライン400において操作部310、振分部320の順に搬送される。
【0046】
操作部310は、ユーザーによって操作可能であってよい。操作部310において、ユーザーは、パレットが良品であるか不良品であるかを判定可能である。操作部310には、検査台が設けられてよい。検査台は、検査台が回転することにより、検査台上に載置されたパレットを回転させてよい。操作部310において、ユーザーは、振分部320において洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送するかを指定することができる。例えば、操作部310には洗浄ライン200に対応するボタン、選別ライン300に対応するボタンがそれぞれ設けられ、ユーザーによってボタンが押し下げられた場合に、振分部320は当該ボタンに対応するラインにパレットを搬送する。また判定のため、操作部310には、パレット反転機構が設けられてよい。本例において、操作部310は、アームバー62が設けられている。アームバー62が持ち上がることによって、パレットの反転及びパレットの裏面確認が可能である。アームバー62には、衝撃を吸収するショックアブソーバーが設けられてよい。また操作部310には、光電センサ312、光電センサ314、光電センサ316及び光電センサ318が設けられる。
【0047】
振分部320は、操作部310におけるユーザーの操作によって洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかに前記パレットを搬送する。振分部320には、X軸方向に搬送するために動力ローラが設けられてよい。振分部320には、Y軸方向に搬送するためにチェーンコンベアが設けられてよい。振分部320には、上昇機構が設けられてよい。振分部320は、上昇機構が上昇することによりパレットを上昇させ、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかに前記パレットを搬送する。洗浄ライン200に搬送する場合、振分部320のチェーンコンベアの搬送方向とは、Y軸方向正側である。選別ライン300に搬送する場合、振分部320のチェーンコンベアの搬送方向とは、Y軸方向負側である。
【0048】
振分部320には、光電センサ322及びミラー324が設けられる。光電センサ322はミラー324に光を出射するため、光電センサ322は、光電センサ322とミラー324の間をパレットが到着したか否かを検知することができる。
【0049】
図2は、パレット搬送装置1000が実施するパレット搬送のフローチャートを示す図である。パレット搬送装置1000が行うパレット搬送のフローチャートにおいて、投入工程S1010、操作工程S1020、洗浄工程S1030及び選別工程S1040が実施される。以下では、各工程を詳細に説明する。
【0050】
図3、
図4及び
図5は、投入工程S1010を詳細に示す図である。
図3、
図4及び
図5では、Y軸方向から見た自在ローラ部10、自在ローラ部20、動力ローラ部30及び段ばらし部40を示している。投入工程S1010は、投入ライン100において実施される。
図3(A)において、自在ローラ部10にパレットが投入される。自在ローラ部10にパレットが投入される際に、パレット種類(サイズ)を指定してもよい。パレット搬送装置1000は、指定したパレット種類(サイズ)に応じて、仕様を変更可能であってもよい。例えば、指定したパレット種類(サイズ)に応じて、使用するセンサ等を変更してもよい。自在ローラ部10にパレットが投入されることにより、自在ローラ部10の傾斜及びパレットの自重によって、パレットが搬送方向(
図3のX軸方向正側)に搬送される。
【0051】
自在ローラ部10には、傾斜が設けられる。自在ローラ部10の傾斜角度θ1は、一例として1.356度である。自在ローラ部10の傾斜角度θ1は、1度以上であってよい。自在ローラ部10の傾斜角度θ1は、2度以下であってよい。自在ローラ部10の傾斜角度θ1は、0.5度以上であってよい。自在ローラ部10の傾斜角度θ1は、3度以下であってよい。自在ローラ部10に傾斜が設けられることにより、動力ローラを設置せずにパレットを搬送することができる。
図3(A)に示す自在ローラ部10のX軸方向における長さL1は、一例として1500mmである。
図3(A)に示す自在ローラ部10のX軸方向における長さL1は、パレットのX軸方向における長さ(14型のパレットの場合1400mm)より大きくてよい。
【0052】
図3(B)において、自在ローラ部20にパレットが搬送される。自在ローラ部20にパレットが搬送された後、自在ローラ部20の傾斜及びパレットの自重によって、パレットが搬送方向(
図3(B)のX軸方向)に搬送される。
【0053】
自在ローラ部20には、傾斜が設けられる。自在ローラ部20の傾斜角度は、一例として1.356度である。自在ローラ部20の傾斜角度は、1度以上であってよい。自在ローラ部20の傾斜角度は、2度以下であってよい。自在ローラ部20の傾斜角度は、0.5度以上であってよい。自在ローラ部20の傾斜角度は、3度以下であってよい。自在ローラ部20の傾斜角度は、自在ローラ部10の傾斜角度θ1と同一であってよい。本例において、自在ローラ部20の傾斜角度は、自在ローラ部10の傾斜角度θ1と同一である。自在ローラ部20の傾斜は、自在ローラ部10の傾斜角度θ1と異なってもよい。自在ローラ部20に傾斜が設けられることにより、動力ローラを設置せずにパレットを搬送することができる。
図3(A)に示す自在ローラ部20のX軸方向における長さL2は、一例として1880mmである。
図3(A)に示す自在ローラ部20のX軸方向における長さL2は、パレットのX軸方向における長さ(14型のパレットの場合1400mm)より大きくてよい。
【0054】
図1(または
図3(B)の矢印部分)で示したとおり動力ローラ部30のX軸方向負側端部付近には光電センサ32が設けられる。したがって、動力ローラ部30への搬送が開始された場合に、光電センサ32はパレットが通過したか否かを検知することができる。光電センサ32がパレットの通過を検知した場合、動力ローラ部30に設けられた動力ローラが回転を開始する。つまり、光電センサ32がパレットを検知している場合に、搬送動作を開始し、光電センサ32がパレットを検知していない場合に、搬送動作を停止する。動力ローラ部30の動力ローラの回転速度は、一例として、150mm/sである。動力ローラ部30に光電センサ32が設けられているため、パレットが到着した際に動力ローラ部30を動作させ、消費電力を抑えることができる。
図3(A)に示す動力ローラ部30のX軸方向における長さL3は、一例として1580mmである。
図3(A)に示す動力ローラ部30のX軸方向における長さL3は、パレットのX軸方向における長さ(14型のパレットの場合1400mm)より大きくてよい。
【0055】
図4(A)において、動力ローラ部30から段ばらし部40にパレットが搬送される。段ばらし部40の光電センサ46は、段ばらし部40にパレットがあるか否かを検知する。動力ローラ部30は、光電センサ46によって段ばらし部40にパレットがないと検知された場合に、段ばらし部40にパレットを搬送してよい。
【0056】
図1で示したとおり動力ローラ部30のX軸方向正側端部付近には光電センサ36が設けられる。したがって、光電センサ36はパレットが搬送されているか否かを検知することができる。光電センサ36がパレットを検知しなくなった場合、動力ローラ部30に設けられた動力ローラが回転を停止する。本例では、光電センサ32、光電センサ36の両方がパレットを検知していない場合に、動力ローラ部30に設けられた動力ローラが回転を停止する。つまり光電センサ32がパレットを検知している場合に、搬送動作を開始し、光電センサ32、光電センサ36の両方がパレットを検知していない場合に、搬送動作を停止する。動力ローラ部30に光電センサ32、光電センサ36が設けられているため、パレットが到着した際に動力ローラ部30を動作させ、消費電力を抑えることができる。
【0057】
図4(B)において、段ばらし部40にパレットが搬送された場合に、段ばらし部40は、パレットを引き込む。引き込む際の段ばらし部40のチェーンコンベアの回転速度は、一例として、150mm/sである。段ばらし部40は、チェーンコンベアを用いてパレットを引き込んでよい。光電センサ42、光電センサ44は、パレットの異常を検知してよい。光電センサ42又は光電センサ44がパレットの荷姿の異常を検知した場合、段ばらし部40は、チェーンコンベアを停止してよい。光電センサ46及びミラー48は、段ばらし部40の対角上に設けられてよい。光電センサ46は、段ばらし部40にパレットがあるか否かを検知する。光電センサ52及び光電センサ56は、パレットの到着を検知し、チェーンコンベアを停止する。投入時に指定したパレット種類(サイズ)に応じて、段ばらし部40は、光電センサ52、光電センサ56のいずれかを使用する。光電センサ52は、11型のパレットを搬送する際に使用される。光電センサ56は、14型のパレットを搬送する際に使用される。そして、各センサに異常がない場合に、段ばらし部40は、パレットを操作ライン400に搬送する。操作ライン400に搬送する際の段ばらし部40のチェーンコンベアの回転速度は、一例として、300mm/sである。
【0058】
図5(A)において、段ばらし部40に載置される段パレットとは別の段パレットが搬送される。また
図5(B)において、さらに別の段パレットが搬送される。
図5(A)に、
図5(B)において、光電センサ32、光電センサ36はパレットを検知しているが、光電センサ46によって段ばらし部40にパレットがあると検知しているため、動力ローラ部30の動力ローラは回転しない。以上、順番に複数の段パレットが段ばらし部40に搬送される。
【0059】
投入ライン100において自在ローラ部10、自在ローラ部20、動力ローラ部30、段ばらし部40の順に搬送されるため、複数の自在ローラ部を設けても、パレットを搬送することが可能である。したがって、パレット搬送装置1000において動力ローラ部の代わりに複数の自在ローラ部を設けることができ、消費電力を抑えることが可能である。
【0060】
操作工程S1020は、操作ライン400において実施される。操作部310にパレットが搬送された場合に、操作部310は、パレットを引き込む。引き込む際の操作部310のチェーンコンベアの回転速度は、一例として、300mm/sである。また操作部310は、投入時に指定したパレット種類(サイズ)に応じて、ストッパーを使用して、パレットを停止させる。光電センサ312、光電センサ314、光電センサ316及び光電センサ318は、アームバー62の停止角度を決定するために用いられる。
【0061】
操作工程S1020において、ユーザーは、操作部310を操作することによって、パレットが良品であるか不良品であるかを判定する。ユーザーの判定に基づいて、操作部310は、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送するかを指定する。例えば、ユーザーが操作部310には洗浄ライン200に対応するボタン、選別ライン300に対応するボタンをそれぞれ押し下げることによって、操作部310は、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送するかを指定する。またユーザーが判定を行わずに、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送するかを指定してもよい。例えば、操作部310は、洗浄ライン200に全てのパレットを搬送するよう指定してもよい。例えば、操作部310は、選別ライン300に全てのパレットを搬送するよう指定してもよい。
【0062】
振分部320は、操作部310の指定に基づいて、パレットを搬送する。光電センサ322は、パレットの到着を検知し、動力ローラを停止させる。パレットの到着を検知したあと、振分部320の上昇機構は、パレットを上昇させる。パレットを上昇させた後、チェーンコンベアは、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送する。動力ローラ、チェーンコンベアの回転速度は、一例として、300mm/sである。
【0063】
操作工程S1020において良品と判定された場合、パレットは洗浄ライン200に搬送される。洗浄工程S1030は、洗浄ライン200において実施される。反転部110は、操作工程S1020において、ユーザーの反転操作(指示)があった場合に、パレットを反転してよい。また反転部110は、搬送される全てのパレットを反転してもよい。パレットを反転する場合、リミットスイッチ116がパレットに接触すると、反転部110はチェーンコンベアを停止させる。パレットを停止させた後、反転部110は、近接スイッチ114の接点に従い反転を実施する。反転後、反転部110は、パレットを動力ローラ部120に搬送する。動力ローラ部120に搬送するチェーンコンベアの回転速度は、一例として、300mm/sである。
【0064】
次に、動力ローラ部120から洗浄部130にパレットが搬送される。動力ローラ部120の光電センサ122がパレットの到着を検知した場合は、搬送するチェーンコンベアを停止し、パレットが下降機構により下降する。そして動力ローラによって、パレットがX軸方向に搬送される。光電センサ126は、洗浄部130のパレットの有無を検知する。光電センサ126によってパレットが洗浄部130にないと検知した場合は、動力ローラ部120から洗浄部130にパレットが搬送される。
【0065】
洗浄部130は、パレットを洗浄する。洗浄部130の入り口側(動力ローラ部120から洗浄部130にパレットが搬送される側)には、入り口ブラシ(不図示)が設けられてよい。洗浄部130の中央付近には回転する回転ブラシが設けられてよい。動力ローラ部120から洗浄部130にパレットが搬送される際に、入り口ブラシは、回転ブラシで除去できない汚れを落とす。また洗浄部130の内部には、内部の汚れを防止するために粉塵飛散防止ラバーが設けられてよい。
【0066】
近接スイッチ132は、洗浄部130のチェーンコンベアが正規の位置で停止するか検知する。近接スイッチ132により、洗浄部130内のパレット位置を正常化できる。リミットスイッチ134が押されることにより、入り口側(動力ローラ部120から洗浄部130にパレットが搬送される側)エアブローが空気の噴射を開始する。リミットスイッチ134が押されている間(パレットが通過している間)、入り口側エアブローが空気の噴射をし続ける。リミットスイッチ136が押されることにより、出口側(洗浄部130から動力ローラ部140にパレットが搬送される側)エアブローが空気の噴射を開始する。リミットスイッチ136が押されている間(パレットが通過している間)、出口側エアブローが空気の噴射をし続ける。洗浄部130は、パレットを洗浄し、洗浄したパレットを動力ローラ部140に搬送する。
【0067】
図1で示したとおり動力ローラ部140のX軸方向正側端部付近には光電センサ142が設けられる。したがって、動力ローラ部140への搬送が開始された場合に、光電センサ142はパレットが通過したか否かを検知することができる。光電センサ142がパレットの通過を検知した場合、動力ローラ部140に設けられた動力ローラが回転を開始する。動力ローラ部140の動力ローラの回転速度は、一例として、300mm/sである。なお光電センサ142は、パレットが通過している間、動力ローラ部120の光電センサ126に信号を通知してよい。動力ローラ部120の光電センサ126に信号を通知することにより、動力ローラ部120の光電センサ126は、洗浄部130にパレットが残っているか検知することが可能である。
【0068】
次に、動力ローラ部140から積載部150にパレットが搬送される。
図1で示したとおり動力ローラ部140のX軸方向負側端部付近には光電センサ146が設けられる。したがって、光電センサ146はパレットが搬送されているか否かを検知することができる。光電センサ146がパレットを検知した場合、積載部150のチェーンコンベアが作動し、パレットが引き込まれる。光電センサ146において、パレットを検知しなくなった場合、動力ローラ部140に設けられた動力ローラが回転を停止する。
【0069】
図6(A)に示すように、積載部150は、パレットを積載し、段パレットとして搬送してよい。スイッチ152は、所定の段数パレットが積載されたかを検知し、所定の段数パレットが積載された場合に、積載部150は、所定の段数パレットが積載された段パレットを搬送する。所定の段数とは、一例として30段である。
【0070】
次に、積載部150から自在ローラ部160に段パレットが搬送される。自在ローラ部160のリミットスイッチ162は、X軸方向における自在ローラ部160中心付近に設けられる。自在ローラ部160のリミットスイッチ162が押されている間は、積載部150から自在ローラ部160に段パレットの搬送を停止してよい。
【0071】
図6、
図7は、洗浄工程1030を詳細に示す図である。
図6(A)に示す自在ローラ部160のX軸方向における長さL4は、一例として2630mmである。14型のパレットは、X軸方向における1辺の長さは一般的に1400mmである。したがって、自在ローラ部160のX軸方向における長さL4は、パレットのX軸方向における長さの1.5倍以上でかつパレットのX軸方向における長さの2倍以下である。パレット2枚分の2800mmよりも示す自在ローラ部160のX軸方向における長さL4より短くすることにより、自在ローラ部160に段パレット(第1の段パレットとする)が積載されている場合に、積載部150から別の段パレット(第2の段パレットとする)が搬送される(
図6(B))と、矢印でしめすとおり第1の段パレットは、動力ローラ部170まで押し出される(
図7(A))。したがって、自在ローラ部160の長さを調節することにより、自在ローラ部160に段パレットをストックすることが可能である。したがって、
図7(B)に示すとおり、積載部150、自在ローラ部160、動力ローラ部170及び自在ローラ部180それぞれに段パレットをストックすることが可能である。
【0072】
自在ローラ部160には、傾斜が設けられる。自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、一例として1.080度である。自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、1度以上であってよい。自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、2度以下であってよい。自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、0.5度以上であってよい。自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、3度以下であってよい。自在ローラ部160に傾斜が設けられることにより、動力ローラを設置せずにパレットを搬送することができる。
【0073】
自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、自在ローラ部10の傾斜角度θ1より小さくてもよい。自在ローラ部160には、投入ライン100に投入されるパレットより高い段数のパレットが搬送されるため、自在ローラ部160の傾斜角度θ2を自在ローラ部10の傾斜角度θ1より小さくすることにより、自在ローラ部160において段パレットが倒壊する可能性を少なくすることができる。自在ローラ部160の傾斜角度θ2は、自在ローラ部10の傾斜角度θ1と同一であってもよい。
【0074】
動力ローラ部170から自在ローラ部180にパレットが搬送される。
図1で示したとおり動力ローラ部170のX軸方向正側端部付近には光電センサ172が設けられる。したがって、動力ローラ部170への搬送が開始された場合に、光電センサ172はパレットが通過したか否かを検知することができる。光電センサ172パレットの通過を検知した場合、動力ローラ部170に設けられた動力ローラが回転を開始する。動力ローラ部170の動力ローラの回転速度は、一例として、150mm/sである。
図6(A)に示す動力ローラ部170のX軸方向における長さL5は、一例として1580mmである。
図6(A)に示す動力ローラ部170のX軸方向における長さL5は、パレットのX軸方向における長さ(14型のパレットの場合1400mm)より大きくてよい。
【0075】
図1で示したとおり動力ローラ部170のX軸方向負側端部付近には光電センサ176が設けられる。したがって、光電センサ176はパレットが搬送されているか否かを検知することができる。光電センサ176がパレットを検知しなくなった場合、動力ローラ部170に設けられた動力ローラが回転を停止する。
【0076】
自在ローラ部180において、段パレットが取り出される。自在ローラ部180には、リミットスイッチ182が設けられる。リミットスイッチ182が押された場合には、動力ローラ部170からの搬送を停止する。
図6(A)に示す自在ローラ部180のX軸方向における長さL6は、一例として1510mmである。
図6(A)に示す自在ローラ部180のX軸方向における長さL6は、パレットのX軸方向における長さ(14型のパレットの場合1400mm)より大きくてよい。
【0077】
自在ローラ部180には、傾斜が設けられる。自在ローラ部180の傾斜角度θ3は、一例として0.759度である。自在ローラ部180の傾斜角度θ3は、0.5度以上であってよい。自在ローラ部180の傾斜角度θ3は、1度以下であってよい。自在ローラ部160の傾斜角度θ3は、0.75度以上であってよい。自在ローラ部180の傾斜角度θ3は、2度以下であってよい。
【0078】
自在ローラ部180の傾斜角度θ3は、自在ローラ部160の傾斜角度θ2より小さくてよい。自在ローラ部160の傾斜角度θ2を自在ローラ部180の傾斜角度θ3より小さくすることにより、自在ローラ部180での移動を最小限にすることができ、自在ローラ部180において段パレットをストック可能である。自在ローラ部180の傾斜角度θ3は、自在ローラ部160の傾斜角度θ2と同一であってもよい。
【0079】
洗浄ライン200において積載部150、自在ローラ部160、動力ローラ部170、自在ローラ部180の順に搬送されるため、複数の自在ローラ部を設けても、パレットを搬送することが可能である。したがって、パレット搬送装置1000において動力ローラ部の代わりに複数の自在ローラ部を設けることができ、消費電力を抑えることが可能である。
【0080】
操作工程S1020において不良品と判定された場合、パレットは選別ライン300に搬送される。選別工程S1040は、選別ライン300において実施される。振分部320は、自在ローラ部210を介して動力ローラ部220にパレットを搬送する。
【0081】
次に、動力ローラ部220から積載部230にパレットが搬送される。動力ローラ部220の光電センサ222がパレットの到着を検知した場合は、搬送するチェーンコンベアを停止し、パレットが下降機構により下降する。そして動力ローラによって、パレットがX軸方向に搬送される。光電センサ226は、積載部230のパレットの有無を検知する。光電センサ226によってパレットが積載部230にないと検知した場合は、動力ローラ部220から積載部230にパレットが搬送される。動力ローラ部220の動力ローラの回転速度は、一例として、300mm/sである。積載部230にパレットが搬送された後、積載部230のチェーンコンベアによってパレットが引き込まれる。
【0082】
積載部230は、パレットを積載し、段パレットとして搬送してよい。リミットスイッチ232は、所定の段数パレットが積載されたかを検知し、所定の段数パレットが積載された場合に、積載部230は、所定の段数パレットが積載された段パレットを搬送する。所定の段数とは、一例として15段である。
【0083】
自在ローラ部240において、段パレットが取り出される。自在ローラ部240には、リミットスイッチ242が設けられる。リミットスイッチ242が押された場合には、積載部230からの搬送を停止する。さらに自在ローラ部240には、リミットスイッチ244が設けられる。リミットスイッチ244が押された場合には、リミットスイッチ244上に置かれた段パレットを検知することができる。
【0084】
自在ローラ部240には、傾斜が設けられる。自在ローラ部240の傾斜は、自在ローラ部180の傾斜と同一であってよい。また自在ローラ部240には、2つの段パレットがストック可能であってよい。以上により、選別ライン300には、自在ローラ部240に2つの段パレット、積載部230に1つの段パレットをストックすることが可能である。
【0085】
以上のように、パレット搬送装置1000は1つの装置で良品、不良品選別及びパレット洗浄が可能である。また複数の自在ローラ部が設けられているため、消費電力を抑えることができる。さらに動力ローラ部に光電センサが設けられているため、パレットが到着した際に動力ローラ部を動作させ、消費電力を抑えることができる。
【0086】
図8は、本発明の他の実施形態に係るパレット搬送装置2000の構成の一例を示す図である。パレット搬送装置2000は、投入ライン100、洗浄ライン200、選別ライン300及び操作ライン400を備える。パレット搬送装置2000において、パレット搬送装置1000と同一の符号は説明を省略する。
【0087】
パレット搬送装置2000の投入ライン100は、自在ローラ部410、動力ローラ部420及び段ばらし部430を備える。自在ローラ部410には、自在ローラが設けられ、動力ローラ部420にパレット(段パレット)を搬送する。動力ローラ部420には、動力ローラが設けられ、段ばらし部430にパレット(段パレット)を搬送する。段ばらし部430は、段パレットをばらし、パレットを1枚ずつ操作ライン400に搬送する。
【0088】
パレット搬送装置2000の洗浄ライン200は、自在ローラ部510、動力ローラ部520、洗浄部530、積載部540、自在ローラ部550、動力ローラ部560及び自在ローラ部570を備える。自在ローラ部510には、自在ローラが設けられ、動力ローラ部520にパレットを搬送する。動力ローラ部520には、動力ローラが設けられ、洗浄部530にパレットを搬送する。洗浄部530はパレットを洗浄し、洗浄したパレットを積載部540に搬送してよい。積載部540は、パレットを積載し、自在ローラ部550に段パレットとして搬送してよい。自在ローラ部550は、パレット搬送装置1000の自在ローラ部160と同一であってよい。動力ローラ部560は、パレット搬送装置1000の動力ローラ部170と同一であってよい。自在ローラ部570は、パレット搬送装置1000の自在ローラ部180と同一であってよい。
【0089】
パレット搬送装置2000の選別ライン300は、自在ローラ部610、動力ローラ部620、積載部630及び自在ローラ部640を備える。自在ローラ部610は、自在ローラが設けられ、動力ローラ部620にパレットを搬送する。動力ローラ部620は、動力ローラが設けられ、積載部630にパレットを搬送する。積載部630は、パレットを積載し、自在ローラ部640に段パレットとして搬送してよい。自在ローラ部640は、段パレットをストックし、自在ローラ部640において段パレットが取り出される。
【0090】
パレット搬送装置2000の操作ライン400は、操作部710及び振分部720を備える。ユーザーは、操作部710を操作することによって、パレットが良品であるか不良品であるかを判定する。振分部720は、操作部710の指定に基づいて、洗浄ライン200及び選別ライン300のいずれかにパレットを搬送する。
【0091】
パレット搬送装置2000において、自在ローラ部640(請求項中の第4自在ローラ部)の搬送方向は、操作部710の搬送方向(X軸方向負側)に対して傾斜及び角度を有する。つまり、自在ローラ部640の搬送方向は、操作部710の搬送方向(X軸方向負側)に対して0度より大きく180度より小さい角度を有する。自在ローラ部640の搬送方向を操作部710の搬送方向に対して角度を有するため、パレット搬送装置2000の設計自由度を高めることができる。またパレット搬送装置2000において、動力ローラ部620の搬送方向は、操作部710の搬送方向(X軸方向負側)に対して角度を有してよい。パレット搬送装置2000において、積載部630の搬送方向は、操作部710の搬送方向(X軸方向負側)に対して角度を有してよい。
【0092】
なおパレット搬送装置1000の操作部310にパレット反転機構が設けられる場合、アームバー62には、キャスターが設けられてよい。アームバー62にキャスターが設けられることにより、パレットの破損を防止し、スムーズにパレットを反転することができる。操作部310には、洗浄ライン200に全てのパレットを搬送するように指示するボタン、選別ライン300に全てのパレットを搬送するよう指定するボタンがそれぞれ設けられてよい。パレット搬送装置1000の操作部310にパレット反転機構が設けられる場合、一時停止するための近接スイッチが設けられてよい。当該近接スイッチは、取り外しを容易にするため扇型であってよい。さらにパレット搬送装置1000の操作部310にパレット反転機構が設けられる場合、パレットを反転する際に操作部310に設けられたローラ上でパレットが滑るのを防止するため、操作部310に設けられたチェーンコンベアを上昇させてよい。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10・・自在ローラ部、20・・自在ローラ部、30・・動力ローラ部、32・・光電センサ、34・・ミラー、36・・光電センサ、38・・ミラー、40・・段ばらし部、42・・光電センサ、44・・光電センサ、46・・光電センサ、48・・ミラー、52・・光電センサ、54・・ミラー、56・・光電センサ、58・・ミラー、62・・アームバー、100・・投入ライン、110・・反転部、112・・アームバー、114・・近接スイッチ、116・・リミットスイッチ、120・・動力ローラ部、122・・光電センサ、124・・ミラー、126・・光電センサ、128・・ミラー、130・・洗浄部、132・・近接スイッチ、134・・リミットスイッチ、136・・リミットスイッチ、140・・動力ローラ部、142・・光電センサ、144・・ミラー、146・・光電センサ、148・・ミラー、150・・積載部、152・・リミットスイッチ、160・・自在ローラ部、162・・リミットスイッチ、170・・動力ローラ部、172・・光電センサ、174・・ミラー、176・・光電センサ、178・・ミラー、180・・自在ローラ部、182・・リミットスイッチ、200・・洗浄ライン、210・・自在ローラ部、220・・動力ローラ、222・・光電センサ、224・・ミラー、226・・光電センサ、228・・ミラー、230・・積載部、232・・リミットスイッチ、240・・自在ローラ部、242・・リミットスイッチ、244・・リミットスイッチ、300・・選別ライン、310・・操作部、312・・光電センサ、314・・光電センサ、316・・光電センサ、318・・光電センサ、320・・振分部、322・・光電センサ、324・・ミラー、400・・操作ライン、410・・自在ローラ部、420・・動力ローラ部、430・・段ばらし部、510・・自在ローラ部、520・・動力ローラ部、530・・洗浄部、540・・積載部、550・・自在ローラ部、560・・動力ローラ部、570・・自在ローラ部、610・・自在ローラ部、620・・動力ローラ部、630・・積載部、640・・自在ローラ部、710・・操作部、720・・振分部、1000・・パレット搬送装置、2000・・・・パレット搬送装置
【要約】
【課題】良品、不良品選別及びパレット洗浄が可能なパレット搬送装置を提供する。
【解決手段】パレットを搬送するパレット搬送装置であって、パレットが投入される投入ラインと、パレットが洗浄され、洗浄されたパレットを良品として取り出される洗浄ラインと、パレットが不良品として取り出される選別ラインと、ユーザーの操作によって、前記洗浄ライン及び前記選別ラインのいずれかに前記パレットを搬送する操作ラインとを備える、パレット搬送装置を提供する。
【選択図】
図1