IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 室町ケミカル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図1
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図2
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図3
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図4
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図5
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図6
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図7
  • 特許-尿素水製造システム及び尿素水製造方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】尿素水製造システム及び尿素水製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 273/14 20060101AFI20241025BHJP
   C07C 275/00 20060101ALI20241025BHJP
   B01F 21/00 20220101ALN20241025BHJP
   B01F 23/70 20220101ALN20241025BHJP
   B01F 35/80 20220101ALN20241025BHJP
   B01F 35/91 20220101ALN20241025BHJP
【FI】
C07C273/14
C07C275/00
B01F21/00 101
B01F23/70
B01F35/80
B01F35/91
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024056314
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398045865
【氏名又は名称】室町ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【弁理士】
【氏名又は名称】森 博
(74)【代理人】
【識別番号】100229389
【弁理士】
【氏名又は名称】香田 淳也
(72)【発明者】
【氏名】北野 了
(72)【発明者】
【氏名】坂口 恵太
(72)【発明者】
【氏名】白石 育夫
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-111229(JP,A)
【文献】特開2005-118705(JP,A)
【文献】中国実用新案第205687706(CN,U)
【文献】中国実用新案第201969502(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 273/14
C07C 275/02
B01F 21/00
B01F 23/70
B01F 35/80
B01F 35/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造システムであって、
原料水及び尿素を混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する混合手段と、
前記原料水を加熱する加熱装置を有し、前記加熱装置により加熱された前記原料水を前記混合手段に供給する原料水供給手段と、
前記尿素を前記混合手段に供給する尿素供給手段と、
前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段において、下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値が設定され、
前記制御手段が、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算し、前記混合手段において製造される前記尿素水の白濁を防止するように、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御することを特徴とする尿素水製造システム。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
【請求項2】
前記制御手段において設定される前記製造条件設定値が、設定値(b)及び設定値(c)である請求項に記載の尿素水製造システム。
【請求項3】
設定値(c)が所定の範囲に制限され、
前記制御手段が、所定の範囲に制限された設定値(c)及び尿素の水への溶解熱に基づいて、前記混合手段において製造される尿素水が白濁しない温度となるように前記混合手段に供給される前記原料水の目標加熱制御温度である制御値(e)を演算し、前記混合手段に供給される前記原料水の温度が演算された制御値(e)となるように前記原料水供給手段を制御する請求項に記載の尿素水製造システム。
【請求項4】
設定値(c)が、20重量%以上50重量%以下である請求項に記載の尿素水製造システム。
【請求項5】
前記混合手段に供給される前記原料水の温度が、50℃以上80℃以下である請求項1に記載の尿素水製造システム。
【請求項6】
前記混合手段において製造される前記尿素水の温度が、20℃以上80℃以下である請求項1に記載の尿素水製造システム。
【請求項7】
前記混合手段が非加熱式である請求項1に記載の尿素水製造システム。
【請求項8】
前記原料水供給手段が、
前記原料水を精製する原料水精製装置と、
前記原料水精製装置において精製された前記原料水を貯留し、前記加熱装置の上流に接続された原料水貯留装置をさらに有する請求項1からのいずれかに記載の尿素水製造システム。
【請求項9】
前記原料水供給手段が、前記原料水貯留装置に貯留された前記原料水が所定量を上回ってから、前記混合手段へ前記原料水の供給を行う請求項に記載の尿素水製造システム。
【請求項10】
前記原料水精製装置が、連続式電気脱イオン処理装置(EDI装置)を有する請求項に記載の尿素水製造システム。
【請求項11】
白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造方法であって、
下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を設定し、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算する工程(1)と、
前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、原料水を加熱して混合手段に供給する工程(2)と、
前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、前記尿素を前記混合手段に供給する工程(3)と、
工程(2)において供給された前記原料水と工程(3)において供給された前記尿素を前記混合手段において混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する工程(4)と、
を有する尿素水製造方法。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白濁の発生を防止した尿素水の製造システム及び尿素水の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
尿素水は、窒素酸化物(NOx)を浄化する技術に用いられ、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガス浄化に利用されている。
尿素水を用いて排気ガスを浄化する際、尿素水は排気ガス中へ噴霧されて導入される。尿素水が排気ガス中に導入されると、尿素水に含まれる尿素からアンモニアが生成され、アンモニアが還元剤として排気ガス中のNOxと反応する。NOxは窒素と水に還元され、排気ガス中のNOxが減り、排気ガスが浄化される。
尿素水を用いた排気ガス浄化方法は、有効なクリーン技術として注目されている。
【0003】
排気ガスの浄化で重要な還元剤として用いられる尿素水であるが、尿素水を製造する技術として、様々な取り組みがなされている。
例えば、特許文献1には、尿素と純水(原料水)とを自動計量しつつ撹拌容器に供給して撹拌し、所望の濃度の濃度かつ容量の尿素水溶液(尿素水)を容易かつ小規模に製造する尿素水溶液製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4514431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
他方、尿素水は白濁することが知られている。白濁した尿素水を排気ガス浄化等に用いる際、白濁成分が設備の配管や機器等に詰まり閉塞原因となることがある。閉塞等のトラブルを回避するために、尿素水の白濁を防止する必要がある。
【0006】
尿素水の白濁の原因として、尿素の水への溶解度が挙げられる。すなわち、所定の温度における水における尿素の飽和溶解度を超える尿素が水に投入されると、尿素水は白濁を生じることとなる。
また、尿素水の白濁の他の原因として、尿素水に含まれる不純物が挙げられる。不純物が核となって固形分が形成され、尿素水に白濁が生じてしまう。
【0007】
上述した特許文献1に開示されている装置は、所望の濃度の濃度かつ容量の尿素水を容易かつ小規模に製造することが可能であるものの、尿素水の白濁に留意しておらず、尿素水の白濁を防止した対応が必要となる。
特に、特許文献1に開示されている小規模な装置と違って、工業的に尿素水を大量生産する場合、尿素水の白濁防止は非常に重要な課題となる。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、尿素水の白濁を防止し、大量生産可能な尿素水の製造システム及び尿素水の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造システムであって、原料水及び尿素を混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する混合手段と、前記原料水を加熱する加熱装置を有し、前記加熱装置により加熱された前記原料水を前記混合手段に供給する原料水供給手段と、前記尿素を前記混合手段に供給する尿素供給手段と、前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御する制御手段と、を有する尿素水製造システム。
<2> 前記制御手段において、下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値が設定され、前記制御手段が、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算し、前記混合手段において製造される前記尿素水の白濁を防止するように、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御する<1>に記載の尿素水製造システム。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
<3> 前記制御手段において設定される前記製造条件設定値が、設定値(b)及び設定値(c)である<2>に記載の尿素水製造システム。
<4> 設定値(c)が所定の範囲に制限され、前記制御手段が、所定の範囲に制限された設定値(c)及び尿素の水への溶解熱に基づいて、前記混合手段において製造される尿素水が白濁しない温度となるように前記混合手段に供給される前記原料水の目標加熱制御温度を制御値(e)として演算し、前記混合手段に供給される前記原料水の温度が演算された制御値(e)となるように前記原料水供給手段を制御する<3>に記載の尿素水製造システム。
<5> 前記設定値(c)が、20重量%以上50重量%以下である<2>から<4>のいずれかに記載の尿素水製造システム。
<6> 前記混合手段に供給される前記原料水の温度が、50℃以上80℃以下である<1>から<5>のいずれかに記載の尿素水製造システム。
<7> 前記混合手段において製造される前記尿素水の温度が、20℃以上80℃以下である<1>から<6>のいずれかに記載の尿素水製造システム。
<8> 前記混合手段が非加熱式である<1>から<7>のいずれかに記載の尿素水製造システム。
<9> 前記原料水供給手段が、前記原料水を精製する原料水精製装置と、前記原料水精製装置において精製された前記原料水を貯留し、前記加熱装置の上流に接続された原料水貯留装置をさらに有する<1>から<8>のいずれかに記載の尿素水製造システム。
<10> 前記原料水供給手段が、前記原料水貯留装置に貯留された前記原料水量が所定量を上回ってから、前記混合手段へ前記原料水の供給を行う<9>に記載の尿素水製造システム。
<11> 前記原料水精製装置が、連続式電気脱イオン処理装置(EDI装置)を有する<9>又は<10>に記載の尿素水製造システム。
【0011】
<1a> 白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造方法であって、下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を設定し、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算する工程(1)と、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、前記原料水を加熱して混合手段に供給する工程(2)と、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、前記尿素を前記混合手段に供給する工程(3)と、工程(2)において供給された前記原料水と工程(3)において供給された前記尿素を前記混合手段において混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する工程(4)と、を有する尿素水製造方法。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
<2a> 工程(1)において設定される前記製造条件設定値が、設定値(b)及び設定値(c)である<1a>に記載の尿素水製造方法。
<3a> 設定値(c)が所定の範囲に制限され、所定の範囲に制限された設定値(c)及び尿素の水への溶解熱に基づいて、前記混合手段において製造される尿素水が白濁しない温度となるように前記混合手段に供給される前記原料水の温度が制御値(e)として演算され、工程(2)において前記混合手段に供給する前記原料水の温度を演算された制御値(e)となるように前記原料水供給手段が制御される<1a>又は<2a>に記載の尿素水製造方法。
<4a> 前記設定値(c)が、20重量%以上50重量%以下である<1a>から<3a>のいずれかに記載の尿素水製造方法。
<5a> 前記混合手段に供給される前記原料水の温度が、50℃以上80℃以下である<1a>から<4a>のいずれかに記載の尿素水製造方法。
<6a> 前記混合手段において製造される前記尿素水の温度が、20℃以上80℃以下である<1a>から<5a>のいずれかに記載の尿素水製造方法。
<7a> 前記混合手段が非加熱式である<1a>から<6a>のいずれかに記載の尿素水製造方法。
<8a> 工程(2)において、前記原料水を加熱して混合手段に供給する前に、前記原料水を精製する処理と、精製した前記原料水を貯留する処理を更に有する<1a>から<7a>のいずれかに記載の尿素水製造方法。
<9a> 工程(2)において、貯留された前記原料水が所定量を上回ってから、前記原料水が前記混合手段へ供給される<8a>に記載の尿素水製造方法。
<10a> 工程(2)において、前記原料水を精製する処理が、連続式電気脱イオン処理装置(EDI装置)によって行われる<8a>又は<9a>に記載の尿素水製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、尿素水の白濁を防止し、大量生産可能な尿素水の製造システム及び尿素水の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る尿素水製造システムを示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る制御手段(第1の態様)の概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る制御手段(第2の態様)の概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る尿素水製造方法のメインフロー図である。
図5】本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の製造条件設定工程フロー図である。
図6】本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の原料水供給工程フロー図である。
図7】本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の尿素供給工程フロー図である。
図8】本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の混合工程フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<1.尿素水製造システム>
本発明の尿素水製造システムは、白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造システムであって、原料水及び尿素を混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する混合手段と、前記原料水を加熱する加熱装置を有し、前記加熱装置により加熱された前記原料水を前記混合手段に供給する原料水供給手段と、前記尿素を前記混合手段に供給する尿素供給手段と、前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御する制御手段と、を有する。
【0015】
このような構成をとることによって、本発明の尿素水製造システムは、尿素と原料水を混合し、白濁を防止した尿素水を製造することができる。
【0016】
また、本発明の尿素水製造システムは、前記制御手段において、下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値が設定され、前記制御手段が、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算し、前記混合手段において製造される前記尿素水の白濁を防止するように、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御することができる。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
【0017】
このような構成をとることによって、本発明の尿素水製造システムは、尿素水の白濁を防止できる製造条件の設定と制御値の演算を行うことができ、自動的に白濁を防止した尿素水を製造することができる。
【0018】
本発明において、製造条件設定値とは、尿素水を製造するために必要な条件を規定する設定値である。製造条件設定値は、設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上から構成され、数値で設定される。なお、設定値(a)及び設定値(b)に係る供給量は、重量単位(例えばkg)、又は体積単位(例えばL)でもよい。また、設定値(c)に係る濃度は、重量単位(例えば重量%)、又はモル単位(例えばmol%)でもよい。また、設定値(d)に係る製造量は、重量単位(例えばkg)、又は体積単位(例えばL)でもよい。
また、本発明において、制御値とは、尿素水を製造する制御に用いられる制御変数であって、尿素水を製造するために必要な条件を規定する制御変数である。
本発明に係る製造条件設定値及び制御値の詳細については後述する。
【0019】
以下に本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0020】
図1に本発明の実施形態に係る尿素水製造システムを示す概略図を示す。
尿素水製造システム1は、尿素と原料水を混合し、白濁を防止した尿素水を製造するシステムである。
尿素水製造システムは、原料水供給手段10と、尿素供給手段20と、混合手段30と、制御手段90と、を有する。
【0021】
[1-1.原料水供給手段]
原料水供給手段10は、原料水(尿素水の原料となる水)を加熱し、加熱した原料水を混合手段30に供給する。このように加熱した原料水を混合手段30に供給することで、吸熱反応である尿素の水への溶解により尿素水の温度低下を抑制し、飽和溶解度低下での尿素の析出による白濁を防止した尿素水を製造することができる。
【0022】
原料水供給手段10は、原料水精製装置11と、原料水貯留装置13と、送液装置16と、加熱装置12と、流量計17を備える。
【0023】
図1に示すように、原料水供給源Wから供給された原料水は、原料水を精製する原料水精製装置11で精製される。
原料水精製装置11において、原料水が精製されることで原料水中の異物が除去されるため、異物に起因する尿素の析出を回避でき、尿素水の白濁を防止することができる。
【0024】
本実施形態において、原料水供給源Wから原料水精製装置11に供給される原料水は、水道水である。
なお、本発明において、原料水精製装置に供給される原料水は、原料水精製装置において精製することができ、精製された原料水を用いた尿素水が白濁しない限り、任意である。
【0025】
ここで、本発明に係る原料水精製装置は、原料水中に含まれる異物を除去して原料水を精製する装置である。原料水精製装置は、尿素水の白濁を防止できるように原料水を精製できる限り、任意の装置や部材を用いることができる。原料水精製装置に用いることができる任意の装置や部材として、例えば、逆浸透膜(RO膜)、脱炭酸膜、連続式脱イオン処理装置(EDI装置)、イオン交換樹脂、ろ材等を挙げることができる。この中でも、原料水精製装置は、連続式電気脱イオン処理装置を有することが好ましい。原料水精製装置は、連続式電気脱イオン処理装置を用いることにより、薬品等を用いずに原料水を精製できるため、メンテナンスを簡素化でき、また、連続的に原料水の精製処理を行うことができる。
なお、原料水精製装置は、目的に応じて、上記の装置や部材を任意に組み合わせて用いることができる。
【0026】
原料水精製装置11で精製された原料水は、原料水精製装置の下流に設置された原料水貯留装置13に貯留される。原料水貯留装置13は、原料水精製装置11において精製された原料水を貯留する。原料水貯留装置13は、高さ6.2m、直径3.3mの円筒形のタンクで、その容量は50,000Lである。
原料水貯留装置13は、貯留された原料水の水位を計測する水位計(図示なし)を有する。水位計の計測値に従って、原料水貯留装置13に貯留された原料水を所定の量に管理する。
【0027】
原料水貯留装置13に貯留された原料水は、原料水貯留装置13の下流に配置された送液装置(送水ポンプ)16によって、加熱装置12に送られる。
【0028】
送液装置16によって加熱装置12に送られた原料水は、加熱装置(ボイラ)12によって加熱される。加熱された原料水は、加熱装置12から混合手段30へ供給される。すなわち、原料水供給手段10は、原料水を加熱する加熱装置12を有し、加熱装置12により加熱された原料水を混合手段30に供給することができる。
このように、加熱された原料水を混合手段30へ供給することにより、混合手段30における尿素水を所定の温度以上に維持することができるため、製造される尿素水中の尿素の析出を回避し、尿素水の白濁を防止することができる。
【0029】
加熱装置12は加熱した原料水の温度を計測する温度計(図示なし)を有する。加熱された原料水の温度を温度計を用いて計測しながら、加熱装置12は、後述する制御手段によって制御され、原料水を所定の温度(制御値(e))に加熱する。制御の詳細は後述する。
【0030】
加熱装置12の下流には、加熱された原料水の流量を計測する流量計17が設置されている。流量計17が計測した流量計を積算することにより、混合手段30で製造する尿素水に必要な量を把握することができる。
【0031】
[1-2.尿素供給手段]
尿素供給手段20は、尿素を混合手段30に供給する。
本発明において、尿素供給手段は、尿素を混合手段に供給できる限り、任意である。例えば、尿素供給手段は、尿素供給経路を備えて手作業によって尿素を混合手段に供給できる構成であってもよく、また、フレキシブルコンテナバック(フレコン)を用いて尿素を混合手段に供給できる構成であってもよく、また、尿素貯蔵容器及び開閉弁を備え自動的に尿素を混合手段に供給できる構成であってもよい。なお、手作業によって尿素を混合手段に供給する場合、尿素の供給量を設定値(a)に設定することができ、後述する制御手段は尿素供給手段を制御しなくてもよい。
【0032】
本実施形態において、尿素供給源Uから尿素供給手段20に供給される尿素(及び尿素供給手段20から混合手段30に供給される尿素)の形状は、粉末状である。なお、本発明において、尿素供給手段によって供給される尿素の形状は、混合手段で原料水及び尿素を混合し、原料水に尿素を溶解させて尿素水を製造できる限り、任意の尿素の形状を用いることができ、粉末状以外でもよく、例えば、粒状でもよい。
【0033】
[1-3.混合手段)
混合手段30は、原料水供給手段10から供給された原料水及び尿素供給手段から供給された尿素を混合し、原料水に尿素を溶解させて尿素水を製造する。
混合手段30は、高さ2.0m、直径2.7mの円筒形のタンクで、その容量は10,000Lである。
【0034】
混合手段30は、撹拌装置(図示なし)を備える。混合手段30に供給された原料水及び尿素は撹拌装置によって撹拌され、混合される。撹拌装置で原料水及び尿素が混合されることによって、尿素が原料水に溶解し、尿素水が製造される。なお、混合手段30において、原料水に尿素が溶解し、尿素水が製造されるのであれば、混合手段30は撹拌装置を備えなくてもよい。
【0035】
混合手段30は、非加熱式である。
上述の通り、原料水供給手段10によって加熱された原料水が供給されるため、混合手段30が非加熱式であっても原料水(又は尿素水)の温度(尿素の飽和溶解度)を高くして尿素の析出を回避でき、白濁を防止した尿素水を製造できる。また、混合手段30を非加熱式とすることにより、余分な設備投資と熱量追加による消費エネルギーの増加を回避できる。特に工業的に大規模に尿素水を製造する際に、メリットが大きくなる。
なお、本発明に係る混合手段は、本発明の目的を損なわない限り、加熱式であってもよい。
【0036】
また、本発明において、混合手段は、尿素水(又は原料水)の温度を測定する温度計を備えてもよい。混合手段が温度計を備えることで、制御手段が温度計の計測値に基づいて加熱した原料水を供給するように原料水供給手段を制御し、混合手段の尿素水の温度を上げて、尿素濃度を下げることで、尿素の析出を回避し、尿素水の白濁を防止することができる。
また、本発明において、混合手段は、尿素水(又は原料水)の水位を計測する水位計を備えてもよい。混合手段が水位計を備えることで、制御手段は水位計の計測値に基づいて原料水を混合手段に供給(追加)するように原料水供給手段を制御することができる。また、制御手段は、必要に応じて、尿素を混合手段に供給(追加)するように尿素供給手段を制御してもよい。
【0037】
混合手段30において製造された尿素水は、混合手段30の下流に設置された尿素水貯留手段(図示なし)に送液され、貯留される。
【0038】
[1-4.制御手段]
上述の通り、尿素水製造システム1は、混合手段30において原料水供給手段10から供給された原料水と、尿素供給手段20から供給された尿素を混合し、原料水に尿素を溶解させて尿素水を製造する。
原料水に尿素を溶解させて白濁を防止した尿素水を製造するために、尿素水製造システム1は、制御手段90を有し、制御手段90は、原料水供給手段及び尿素供給手段のうち1以上を制御する。制御手段90は、第1の態様(制御手段90A)と第2の態様(制御手段90B)があり、図面を参照して説明する。
図2に本発明の実施形態に係る制御手段(第1の態様)の概略図を、図3に本発明の実施形態に係る制御手段(第2の態様)の概略図を示す。
【0039】
(1-4-1.制御手段_第1の態様)
図2に示すように、本発明の実施形態に係る制御手段90Aは、設定部91、演算部92、受信部93、制御部94を備える。
【0040】
設定部91は、表示器(ディスプレイ)を有し、尿素水を製造するために必要な製造条件設定値を設定することができる。設定部91で設定できる製造条件設定値は下記設定値(a)から(d)である。なお、製造条件設定値を設定する単位を付記した。
設定値(a):混合手段30に供給される原料水の供給量(単位:kg)
設定値(b):混合手段30に供給される尿素の供給量(単位:kg)
設定値(c):混合手段30において製造される尿素水の濃度(単位:重量%)
設定値(d):混合手段30において製造される尿素水の製造量(単位:kg)
【0041】
設定部91において、上記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を設定できる。後述するように、演算部92は設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値から、尿素水の製造に必要な制御値を演算する。制御部94は、製造条件設定値及び/又は制御値に基づいて、制御手段90は原料水供給手段10及び尿素供給手段20のうち1以上を制御する。すなわち、制御手段90において、設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値が設定され、制御手段90は、製造条件設定値に基づいて制御値を演算し、混合手段30において製造される尿素水の白濁を防止するように、製造条件設定値及び/又は制御値に基づいて前記原料水供給手段10及び前記尿素供給手段20のうち1以上を制御する。
【0042】
設定部91において、上記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を任意に設定できるが、制御手段において設定される製造条件設定値が、設定値(b)及び設定値(c)であってもよい。製造条件設定値を設定値(b)及び設定値(c)とすることによって、尿素水を製造する制御を簡素化できる。手作業等によって混合手段に供給した尿素の供給量を設定値(b)として設定し、製造すべき尿素水の濃度を設定値(c)として設定することにより、制御手段90は原料水供給手段10のみを制御して、白濁を防止した尿素水を製造することができる。
【0043】
演算部92は、設定部91から製造条件設定値を受信し、白濁を防止した尿素水を製造するための制御に必要な制御値を演算する。制御値としては、以下の制御値(a)~(e)を挙げることができる。
制御値(a):混合手段30に供給される原料水の供給量の制御目標値
制御値(b):混合手段30に供給される尿素の供給量の制御目標値
制御値(c):混合手段30において製造される尿素水の濃度の制御目標値
制御値(d):混合手段30において製造される尿素水の製造量の制御目標値
制御値(e):混合手段30に供給される原料水の加熱温度の制御目標値(原料水の目標加熱制御温度)
【0044】
演算される制御値は、製造条件設定値として設定された製造条件以外の制御値が対象となる。例えば、製造条件設定値として設定値(a)及び(b)が設定された場合、演算される制御値は制御値(c)~(e)が対象となる。また、製造条件設定値として設定値(b)及び(c)が設定された場合、演算される制御値は制御値(a),(d),(e)が対象となる。
演算部92での演算の詳細は後述する。
【0045】
なお、本発明に係る演算部は、白濁を防止した尿素水を製造できるよう制御部が各手段を制御できる限り、制御値(a)~(e)全てを演算しなくてもよい。
例えば、製造条件設定値として設定値(a)及び(b)が設定された場合、演算される制御値は制御値(e)のみとすることができる。制御部は設定値(a)及び制御値(e)に基づいて原料水供給手段を制御し、設定値(b)に基づいて尿素供給手段を制御することができる。
また、製造条件設定値として設定値(b)及び(c)が設定された場合、演算される制御値は制御値(a)及び(e)とすることができる。制御部は制御値(a)及び(e)に基づいて原料水供給手段を制御し、設定値(b)に基づいて尿素供給手段を制御することができる。
また、製造条件設定値として設定値(c)及び(d)が設定された場合、演算される制御値は制御値(a)、(b)及び(e)とすることができる。制御部は制御値(a)及び(e)に基づいて原料水供給手段を制御し、設定値(b)に基づいて尿素供給手段を制御することができる。
【0046】
演算部92は、製造条件設定値及び制御値を制御部94に送信する。
【0047】
なお、演算部92は製造条件設定値から制御値を演算することができるが、本発明に係る制御手段は、演算部において演算された制御値を表示部(図示なし)に表示して、表示された制御値を設定部に改めて設定し、改めて設定された設定値を製造条件設定値として、演算部は製造条件設定値を制御部に送信するようにしてもよい。
例えば、設定部において設定値(b)と設定値(c)を製造条件設定値として設定し、演算部で制御値(a)及び(e)を演算し、制御値(a)を表示部に示し、表示部に示された制御値(a)を設定部において製造条件設定値(設定値(a))として設定し、設定値(a)を演算部から制御部に送信してもよい。また、表示部に示された制御値(a)を設定部において製造条件設定値(設定値(a))として設定し、設定値(a)を設定部から(演算部を経由せず)制御部に送信してもよい。
【0048】
受信部93は、原料水供給手段10、尿素供給手段20及び混合手段30のそれぞれが具備する機器から送信される信号を受信する。
原料水供給手段10から、原料水精製装置11の稼働状況、原料水貯留装置13の水位計の水位、送液装置16の動作出力、加熱装置12の稼働状況、加熱後原料水温度、流量計測装置17の原料水流量に関する信号が送信される。
尿素供給手段20から、混合手段30に供給する尿素量に関する信号が送信される。
混合手段30から、撹拌装置の動作状況に関する信号が送信される。
受信部93はこれらの信号を受信し、制御部94に送信する。
【0049】
なお、本発明に係る受信部は、白濁を防止した尿素水を製造できる限り、上述した信号以外の信号を受信してもよい。例えば、受信部は、原料水供給手段から原料水精製装置の稼働時間及び原料水処理量に関する信号を受信してもよい。また、混合手段が温度計及び/又は水位計を備える場合、受信部は、混合手段から尿素水(原料水)の温度及び/又は水位に関する信号を受信してもよい。
また、本発明に係る受信部は、白濁を防止した尿素水を製造できる限り、上述した信号の一部を受信しなくてもよい。例えば、設定部において設定値(b)(混合手段に供給される尿素の供給量)が設定される場合、受信部は、尿素供給手段から供給される尿素量に関する信号を受信しなくてもよい。
【0050】
制御部94は、演算部92から製造条件設定値及び制御値を受信し、受信部93から各種信号を受信する。
制御部94は、演算部92から受信した製造条件設定値及び制御値に基づいて、原料水供給手段10、尿素供給手段20及び混合手段30を制御する。制御部94は、それぞれの手段を制御することによって得られた受信部93からの各種信号をふまえ、各種信号が製造条件設定値及び/又は制御値となるようにそれぞれの手段を制御(調整)する。
具体的には、制御部94は、設定値(a)又は制御値(a)及び設定値(e)又は制御値(e)に基づいて原料水供給手段10を制御する。また、制御部94は、設定値(b)又は制御値(b)に基づいて尿素供給手段20を制御する。
このように、制御手段90が原料水供給手段10、尿素供給手段20及び混合手段30への制御を行うことにより、尿素水製造システム1は白濁を防止した尿素水を製造できる。
【0051】
なお、本発明の実施形態に係る制御部94は、原料水供給手段10、尿素供給手段20及び混合手段30を制御しているが、本発明に係る制御部は、原料水供給手段及び尿素供給手段のうち1以上を制御する。例えば、尿素供給手段を介して手作業によって尿素を供給する場合、本発明に係る制御部は尿素供給手段の制御を行わなくてもよい。また、本発明に係る混合手段が撹拌装置や計測器を有さない場合、本発明に係る制御部は混合手段の制御を行わなくてもよい。
【0052】
演算部92は、設定部91において設定される設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を用いることで、尿素水の濃度、尿素水の製造量、原料水の供給量及び尿素の供給量の制御値を演算することができる。
具体的には、4つの設定値(a)~(d)に対応する変数Xa~Xdを含む連立方程式を用いることで、設定された2以上の製造条件設定値から、未設定の製造条件である以下の制御値を適宜演算することができる。
制御値(a):混合手段30に供給される原料水の供給量の制御目標値
制御値(b):混合手段30に供給される尿素の供給量の制御目標値
制御値(c):混合手段30において製造される尿素水の濃度の制御目標値
制御値(d):混合手段30において製造される尿素水の製造量の制御目標値
【0053】
なお、後述するように、白濁を防止した尿素水を製造するために必要な原料水の加熱目標温度も求めることができる。
制御値(e):混合手段30に供給される原料水の加熱温度の制御目標値(原料水の目標加熱制御温度)
【0054】
【数1】
【0055】
【数2】

(Xa:混合手段30に供給される原料水の供給量、Xb:混合手段30に供給される尿素の供給量、Xc:混合手段30において製造される尿素水の濃度、Xd:混合手段30において製造される尿素水の製造量)
【0056】
例えば、設定部91において設定値(a)(原料水の供給量)と設定値(b)(尿素の供給量)が設定された場合、式(1)によって設定値(a)と設定値(b)を足し合わせることで尿素水の製造量(制御値(d))を演算でき、式(2)によって設定値(b)を演算した尿素水の製造量で割ることで尿素水の濃度(制御値(c))を演算できる。
また、上記(設定値(a)及び設定値(b))以外の設定された2以上の製造条件設定値からも同様に、未設定の製造条件の制御値を演算することができる。
したがって、演算部92は、設定部91において設定される設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を用いることで、白濁を防止した尿素水を製造するための条件(原料水の供給量、尿素の供給量、尿素水の濃度、尿素水の製造量)を製造条件設定値及び制御値として設定することができる。
【0057】
演算部92は、設定又は演算された原料水の供給量、及び、設定又は演算された尿素の供給量に基づいて、混合手段30において製造される尿素水の白濁を防止するように、原料水供給手段10で加熱される原料水の温度を演算する。尿素の水への溶解は吸熱反応であり、原料水を加熱して所定の温度以上に加熱することにより、尿素の析出(尿素が飽和溶解度以上含まれること)を防ぎ、白濁を防止することができる。
【0058】
演算部92は、尿素の水への溶解エンタルピー及び水の比熱を用いて、設定又は演算された原料水の供給量、及び、設定又は演算された尿素の供給量から、尿素の水への溶解時の温度変化(低下)を演算することができる。
【0059】
【数3】

(ΔT:尿素の水への溶解時の温度変化、W:混合手段30に供給される原料水の供給量(重量)、W:混合手段30に供給される尿素の供給量(重量)、M:尿素の分子量、HUW:尿素の水への溶解エンタルピー、C:水の比熱)
【0060】
尿素の分子量(M)が60、尿素の水への溶解エンタルピー(HUW)が15.4kJ/mol、水の比熱(C)が4.2kJ/kg・Kであることから、式3は以下のように変形できる。
【0061】
【数4】
【0062】
式(3)及び式(4)に示す通り、原料水の供給量が分母、尿素の供給量が分子に、変数として含まれており、原料水及び尿素の相対的な供給量(供給比率)を把握することができると、尿素の水への溶解時の温度変化(低下)を演算することができる。
原料水及び尿素の相対的な供給量(供給比率)は、尿素水の濃度から算出することが可能であることから、尿素水の濃度である設定値(c)又は制御値(c)が設定されることによって、尿素の水への溶解時の温度変化(低下)を演算することができる。
【0063】
尿素水の白濁を防止するために、混合手段30において製造される前記尿素水の温度を所定の温度以上に保つ必要があり、尿素の水への溶解時の温度低下を加味して制御値(e)(原料水の加熱目標温度)を演算する。すなわち、保ちたい尿素水の温度に尿素の水への溶解時変化温度(ΔT)を足し合わせることで、制御値(e)を演算することができる。
【0064】
演算部92において、上記演算を行うことによって、設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値から、制御値(a)から(e)を演算することができる。
【0065】
なお、高品質の尿素水を製造する観点から、設定部91において尿素水の濃度である設定値(c)が選択される場合、設定値(c)が所定の範囲に制限されることが好ましい。設定値(c)の尿素水の濃度が低すぎると、尿素水に含まれる尿素が少なくなり、尿素水を使用する際に十分な効果が得られなくなってしまう可能性がある。また、設定値(c)の尿素水の濃度が高すぎると、尿素が析出し、尿素水の白濁が生じてしまう。
【0066】
設定値(c)(混合手段において製造される尿素水の濃度)の範囲として、例えば、20重量%以上50重量%以下、25重量%以上45重量%以下、30重量%以上40重量%以下である。
【0067】
また、設定値(c)は、設定部91において尿素水の濃度を選択肢の中から選択して設定できるようにしてもよい。尿素水の濃度の選択肢として、例えば、20重量%、22.5重量%、25重量%、27.5重量%、30重量%、32.5重量%、35重量%、37.5重量%及び40重量%からなる群から選択される2以上の選択肢を設定できるようにしてもよい。このように尿素水の濃度を選択肢の中から選択して設定できるようにすることで、設定を簡素化することができる。
【0068】
設定値(c)が所定の範囲に制限される場合、制御部94(制御手段90A)は、所定の範囲に制限された設定値(c)及び尿素の水への溶解熱に基づいて、混合手段30において製造される尿素水が白濁しない温度となるように混合手段30に供給される原料水の目標加熱制御温度である制御値(e)を演算し、混合手段30に供給される原料水の温度が制御値(e)となるように原料水供給手段10を制御することができる。
【0069】
原料水の温度が低い場合、原料水に尿素は溶解しづらく、仮に尿素が溶解しても析出する可能性がある。また、原料水(又は尿素水)の温度が高い場合、溶解している尿素からアンモニアが生成し、異臭の発生等、尿素水の品質が低下する可能性がある。製造される尿素水の白濁防止及び品質維持のために、混合手段30における原料水の温度、すなわち、混合手段30において製造される尿素水の温度は、所定の温度範囲であることが好ましい。混合手段30において製造される尿素水の温度は、例えば、20℃以上80℃以下、30℃以上75℃以下、40℃以上70℃以下である。
【0070】
尿素水を所定の温度以上に保つため、尿素の水への溶解時の温度低下を加味して原料水を加熱する。尿素水の温度を20℃以上に保ち、尿素の水への溶解時の温度低下が30℃である場合、混合手段30に供給される原料水の温度は50℃以上となる。
【0071】
他方、混合手段30に供給される原料水の温度が高すぎると、加熱に要するエネルギーが無駄になり、また、尿素水の温度が高すぎることによる尿素のアンモニアへの分解(及びアンモニアの異臭)が生じてしまう。
したがって、混合手段30に供給される原料水の温度は所定の温度範囲に制御されることが好ましい。混合手段30に供給される原料水の温度として、例えば、50℃以上80℃以下、55℃以上75℃以下、60℃以上70℃以下である。
【0072】
(1-4-2.制御手段_第2の態様)
図3に示すように、本発明の実施形態に係る制御手段(第2の態様、以下、制御手段90B)は、設定部91、演算部92、受信部93、制御部94及び記憶部95を備える。
【0073】
設定部91及び受信部93の詳細については、上述した通りであるため説明を省略する。また、演算部92及び制御部94の詳細については、上述した内容と重複する部分は適宜説明を省略する場合がある。記憶部95は、制御手段90B(第2の態様)で新たに追加された構成であり、以下、詳細を説明する。
【0074】
記憶部95は、制御部94が各手段を制御するために必要な制御値を記憶している。記憶部95が記憶している制御値の一つに、制御値(e)(混合手段30に供給される原料水の加熱温度の制御目標値(原料水の目標加熱制御温度))がある。記憶部95は、制御値(e)を制御部94に送信する。
なお、本発明に係る記憶部は、尿素水製造システムが白濁を防止した尿素を製造するために、任意の制御値を記憶し、制御部に送信できる。
【0075】
演算部92は、上述した通り、設定部91において設定される設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の設定値を用いることで、制御値(a)から(d)を演算することができる。なお、記憶部95が、制御値(e)(原料水の目標加熱制御温度)を記憶し、制御部94に送信するため、演算部92は、加熱温度の演算を行わなくてもよい。
【0076】
記憶部95に記憶される制御値(e)は、混合手段30において製造される尿素水の白濁を防止できる限り任意である。記憶部95に記憶される制御値(e)は、例えば、50℃以上80℃以下、55℃以上75℃以下、60℃以上70℃以下とすることができる。
【0077】
制御部94は、演算部92及び記憶部95から製造条件設定値及び制御値を受信し、受信部93から各種信号を受信する。
制御部94は、演算部92及び記憶部95から受信した製造条件設定値及び制御値に基づいて、原料水供給手段10、尿素供給手段20及び混合手段30を制御する。制御部94は、それぞれの手段を制御することによって得られた受信部93からの各種信号をふまえ、各種信号が製造条件設定値及び制御値となるようにそれぞれの手段を制御(調整)する。このように、制御手段90が原料水供給手段10、尿素供給手段20及び混合手段30への制御を行うことにより、尿素水製造システム1は白濁を防止した尿素水を製造できる。
【0078】
以上、本発明の尿素水製造システムについて説明を行ってきたが、以下、図面を用いて、本発明の尿素水製造方法について説明する。
図4に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法のメインフロー図、図5に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の原料水供給工程フロー図、図6に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の尿素供給工程フロー図、図7に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の尿素供給工程フロー図、図8に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の混合工程フロー図を示す。
なお、上述した内容と重複する説明は適宜省略する場合がある。
【0079】
<2.尿素水製造方法>
本発明の尿素水製造方法は、白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造方法であって、下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を設定し、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算する工程(1)と、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、前記原料水を加熱して混合手段に供給する工程(2)と、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、前記尿素を前記混合手段に供給する工程(3)と、工程(2)において供給された前記原料水と工程(3)において供給された前記尿素を前記混合手段において混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する工程(4)と、を有する。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
【0080】
このような構成をとることによって、本発明の尿素水製造方法は、尿素と原料水を混合し、白濁を防止した尿素水を製造することができる。
【0081】
図4に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法のメインフロー図を示す。
本発明の実施形態に係る尿素水製造方法は、設定工程(S100)、原料水供給工程(S200)、尿素供給工程(S300)及び混合工程(S400)を有する。
【0082】
なお、本発明の実施形態に係る尿素水製造方法は、製造条件設定工程(S100)、原料水供給工程(S200)、尿素供給工程(S300)及び混合工程(S400)の順序で実行されるが、本発明の目的を損なわない限り、本発明の尿素水製造方法は、原料水供給工程の前に尿素供給工程を行ってもよく、原料水供給工程と尿素供給工程を並行して行ってもよい。また、本発明の尿素水製造方法は、原料水供給工程、尿素供給工程及び混合工程を並行して行ってもよい。各工程を並行して行うことにより、製造時間を短縮することができる。
【0083】
[2-1.製造条件設定工程]
製造条件設定工程(S100)は、下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上の製造条件設定値を設定し、前記製造条件設定値に基づいて制御値を演算する工程(1)である。
設定値(a):前記混合手段に供給される前記原料水の供給量
設定値(b):前記混合手段に供給される前記尿素の供給量
設定値(c):前記混合手段において製造される前記尿素水の濃度
設定値(d):前記混合手段において製造される前記尿素水の製造量
図5に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の製造条件設定工程フロー図を示す。
【0084】
製造条件設定工程(S100)において、白濁を防止した尿素水の製造方法に用いる設定値が下記設定値(a)から(d)からなる群から選択される2以上が入力(設定)される(S110)。入力された2以上の設定値から、制御値(a)から(e)が演算される(S120)。制御値の演算については上述の通りであり、説明を省略する。
制御値の演算が完了すると、原料水供給工程(S200)に移行する。
【0085】
なお、本発明の目的を損なわない限り、本発明の尿素水製造方法は下記の構成をとることができる。
例えば、制御値の演算に替えて、記憶部に記憶された制御値を用いることができる。
また、工程(1)において設定される前記製造条件設定値が、設定値(b)及び設定値(c)であってもよい。
また、設定値(c)が所定の範囲に制限され、所定の範囲に制限された設定値(c)及び尿素の水への溶解熱に基づいて、前記混合手段において製造される尿素水が白濁しない温度となるように前記混合手段に供給される前記原料水の温度が制御値(e)として演算され、工程(2)において前記混合手段に供給する前記原料水の温度を演算された制御値(e)となるように前記原料水供給手段が制御されてもよい。
また、前記設定値(c)が、20重量%以上50重量%以下であってもよい。
【0086】
[2-2.原料水供給工程]
原料水供給工程(S200)は、前記製造条件設定値及び/又は前記制御値に基づいて、前記原料水を加熱して混合手段に供給する工程(2)である。
図6に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の原料水供給工程フロー図を示す。
【0087】
原料水供給工程(S200)へ移行すると、原料水の精製が開始される(S210)。原料水の精製は、原料水精製装置を用いて原料水(水道水)から異物を除去することによって実行される。原料水の精製が行われることによって、原料水中の異物が除去され、異物に起因する尿素水の白濁を防止することができる。
精製された原料水は原料水貯留装置に貯留される。原料水貯留装置に設置された水位計によって、貯留された原料水の水位が計測され、所定の水位に達するまで原料水が精製される(S210,S220)。
原料水貯留装置に貯留された原料水の水位が所定の水位に達したら、加熱装置によって原料水が加熱され、混合手段へ加熱された原料水の供給が行われる(S230)。すなわち、原料水供給手段は、原料水貯留装置に貯留された原料水量が所定量を上回ってから、混合手段へ原料水の供給を行う。このような処理(S220,230)を行うことによって、この後の原料水の加熱及び供給を中断することなく行うことができ、中断による再開待ち時間を回避できる。再開待ち時間を回避することによって、混合手段にすでに供給された加熱された原料水の温度低下と温度低下に伴う尿素析出による尿素水の白濁を防止することができる。
加熱装置による原料水の加熱は、設定値又は設定値から演算された制御値に基づいて行われる。原料水の加熱に関する演算及び制御については上述の通りであり、説明を省略する。加熱された原料水が混合手段に供給されることによって、尿素水中の尿素の飽和溶解度を上げ、尿素の析出を防ぎ、白濁を防止した尿素水を製造することができる。
原料水供給手段に設けられた流量計が混合手段に供給される原料水の積算流量を計測する。積算流量が設定値(a)(原料水の供給量)又は設定値から演算された制御値に到達するまで、原料水が加熱されて混合手段に供給される(S230,S240)。
積算流量が設定値(a)(原料水の供給量)又は設定値から演算された制御値に到達後、尿素供給工程(S300)に移行する。
【0088】
なお、本発明の目的を損なわない限り、本発明の尿素水製造方法は下記の構成をとることができる。
例えば、前記混合手段に供給される前記原料水の温度が、50℃以上80℃以下であってもよい。
また、上述の通り、工程(2)において、前記原料水を加熱して混合手段に供給する(S230)前に、前記原料水を精製する処理(S210)と、精製した前記原料水を貯留する処理(S220)を更に有しているが、前記原料水を精製する処理(S210)と、精製した前記原料水を貯留する処理(S220)は有さなくてもよい。
また、上述の通り、工程(2)において、貯留された前記原料水が所定量を上回ってから、前記原料水が前記混合手段へ供給されているが(S220,S230)、貯留された前記原料水が所定量を上回る前に、前記原料水が前記混合手段へ供給されてもよい。
また、工程(2)において、前記原料水を精製する処理が、連続式電気脱イオン処理装置(EDI装置)によって行われてもよい。
【0089】
[2-3.尿素供給工程]
尿素供給工程(S300)は、設定値に基づいて、前記尿素を前記混合手段に供給する工程である。
図7に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の尿素供給工程フロー図を示す。
【0090】
尿素供給工程(S300)へ移行すると、混合手段への尿素の供給が開始される(S310)。尿素は尿素の供給量(設定値(b)又は制御値)に到達するまで、手業で混合手段に供給される(S310)。
尿素を混合手段に供給後、混合工程(S400)に移行する。
【0091】
なお、尿素の供給は、尿素貯蔵容器及び開閉弁を備え自動的に尿素を混合手段に供給してもよい。
【0092】
[2-4.混合工程]
混合工程(S400)は、原料水供給工程において供給された原料水と尿素供給工程において供給された尿素を混合手段において混合し、原料水に尿素を溶解させて尿素水を製造する工程である。
図8に本発明の実施形態に係る尿素水製造方法の混合工程フロー図を示す。
【0093】
混合工程(S400)へ移行すると、混合装置に設けられた撹拌機が作動する(S410)。撹拌機が作動することにより、混合手段に供給された原料水と尿素が、混合手段内で撹拌され混合される。原料水と尿素が、混合手段内で混合されることで、尿素が原料水に溶解し、尿素水が製造される。
なお、混合手段に供給された原料水は精製されて異物が除去されており、また、原料水は加熱されて供給されているため、異物及び溶解度飽和起因の尿素の析出を回避でき、白濁を防止した尿素水を製造することができる。
撹拌機が所定時間経過し、尿素水の製造が完了すると撹拌機は停止する(S420、S430)。
撹拌機の停止により、尿素水の製造は完了する(S900)。
【0094】
なお、本発明の目的を損なわない限り、本発明の尿素水製造方法は下記の構成をとることができる。
例えば、前記混合手段において製造される前記尿素水の温度が、20℃以上80℃以下であってもよい。
また、前記混合手段が非加熱式であってもよい。
【0095】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
【実施例
【0096】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0097】
本発明の尿素水製造システム及び尿素水製造方法を用いて、実施例の尿素水を以下の通り作製した。
<1.尿素水の製造>
[1-1.実施例1]
水処理装置(室町ケミカル製)を用いて、精製した水道水1,560kgを原料水とした。原料水を53℃まで加熱し、尿素(日産化学株式会社製、工業用粒状尿素)750kgを原料水に投入した。原料水と尿素を混合(撹拌)して尿素水を原料水に溶解させ、実施例1の尿素水(濃度32.5重量%)を製造した。
[1-2.実施例2]
原料水(精製した水道水)1,350kg、原料水加熱温度63℃及び原料水に投入した尿素900kg以外は、実施例1の尿素水の製造方法と同じ手順で、実施例2の尿素水(濃度40重量%)を製造した。
[1-3.実施例3]
原料水(精製した水道水))1,350kg、原料水加熱温度63℃及び原料水に投入した尿素1,000g以外は、実施例1の尿素水の製造方法と同じ手順で、実施例2の尿素水(濃度42.5重量%)を製造した。
【0098】
<2.尿素水の評価>
各実施例に用いた原料水の温度(加熱温度)と各実施例の尿素水の製造直後の温度とを計測し、尿素の水への溶解による温度変化を実測した。また、実施例1~3の尿素水の白濁有無を確認した。各実施例の尿素水の濃度から演算した温度変化と併せて、結果を表1に示す。
【0099】
【表1】
【0100】
表1に示す通り、尿素の水への溶解による温度変化に関し、実測値と演算値はほぼ同程度であることが確認された。また、白濁を防止した尿素水を製造できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、尿素水の製造分野、特に工業的な尿素水の製造分野において、尿素水製造システム及び尿素水製造方法として産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0102】
1 尿素水製造システム
10 原料水供給手段
11 原料水精製装置
12 加熱装置
13 原料水貯留装置
16 送液装置
17 流量計測装置
20 尿素供給手段
30 混合手段
90,90A,90B 制御手段
91 設定部
92 演算部
93 受信部
94 制御部
95 記憶部
【要約】
【課題】尿素水の白濁を防止し、大量生産可能な尿素水の製造システム及び尿素水の製造方法を提供する。
【解決手段】白濁を防止した尿素水を製造する尿素水製造システムであって、原料水及び尿素を混合し、前記原料水に前記尿素を溶解させて前記尿素水を製造する混合手段と、前記原料水を加熱する加熱装置を有し、前記加熱装置により加熱された前記原料水を前記混合手段に供給する原料水供給手段と、前記尿素を前記混合手段に供給する尿素供給手段と、前記原料水供給手段及び前記尿素供給手段のうち1以上を制御する制御手段を有する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8