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特許7576892スプリットリング販売システム、スプリットリング販売方法、およびスプリットリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】スプリットリング販売システム、スプリットリング販売方法、およびスプリットリング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241025BHJP
   A01K 85/00 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G06Q30/0601
A01K85/00 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024076889
(22)【出願日】2024-05-10
【審査請求日】2024-05-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524176487
【氏名又は名称】有限会社ユーノトレーディング
(74)【代理人】
【識別番号】100160185
【弁理士】
【氏名又は名称】垣内 茂晴
(72)【発明者】
【氏名】植野 覚
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-531591(JP,A)
【文献】特開2021-159031(JP,A)
【文献】顔の見えない見込み客、固定客を倍増する秘策は管理にあった!この“顧客データ管理術”を今すぐ実行せよ!!,e・カンパニー ,株式会社エクスナレッジ,2001年10月01日,第2巻第5号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01K 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用のスプリットリングを販売するスプリットリング販売システムであって、
ネットワークを介して接続された使用者端末と通信する通信部と、
前記スプリットリングの商品ごとに、前記スプリットリングのサイズ情報、前記スプリットリングの強度情報、および釣り糸の強度情報を対応付けて商品テーブルに記憶する記憶部と、
前記通信部を介して前記使用者端末からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを受信すると、前記商品テーブルを参照することにより、前記スプリットリングの商品をサイズ別および強度別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供し、前記使用者端末において所望の釣り糸の強度が指示されると、その指示を前記通信部を介して受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示された釣り糸の強度に対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品をサイズ別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する制御部と、
前記使用者端末において所望のスプリットリングの商品の購入が指示されると、指示されたスプリットリングの商品の販売処理を実行する販売管理部と
を備え
前記記憶部は、さらに、前記スプリットリングの商品ごとに、ルアーサイズ情報またはフックサイズ情報を対応付けて商品テーブルに記憶し、
前記制御部は、前記使用者端末において所望のルアーサイズまたはフックサイズが指示されると、その指示を前記通信部を介して受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示されたルアーサイズまたはフックサイズに対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品の購入画面のWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する
スプリットリング販売システム。
【請求項2】
釣り用のスプリットリングを販売するスプリットリング販売方法であって、
コンピュータが、
ネットワークを介して接続された使用者端末と通信する通信ステップと、
前記スプリットリングの商品ごとに、前記スプリットリングのサイズ情報、前記スプリットリングの強度情報、および釣り糸の強度情報を対応付けて商品テーブルに記憶する記憶ステップと、
前記通信ステップで前記使用者端末からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを受信すると、前記商品テーブルを参照することにより、前記スプリットリングの商品をサイズ別および強度別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供し、前記使用者端末において所望の釣り糸の強度が指示されると、その指示を前記通信ステップで受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示された釣り糸の強度に対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品をサイズ別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する制御ステップと、
前記使用者端末において所望のスプリットリングの商品の購入が指示されると、指示されたスプリットリングの商品の販売処理を実行する販売管理ステップと
を実行し、
前記記憶ステップでは、さらに、前記スプリットリングの商品ごとに、ルアーサイズ情報またはフックサイズ情報を対応付けて商品テーブルに記憶し、
前記制御ステップでは、前記使用者端末において所望のルアーサイズまたはフックサイズが指示されると、その指示を前記通信ステップで受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示されたルアーサイズまたはフックサイズに対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品の購入画面のWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する
スプリットリング販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用のスプリットリングを販売するスプリットリング販売システム、スプリットリング販売方法、およびスプリットリングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、釣り用の疑似餌(ルアー)として様々な形状や素材のものが知られている。一般にルアーは開発コストが高く、高価で販売されているものが多いので、根掛かりした場合にルアーを回収できないと損失が大きい。そこで、根掛かりした場合にルアーを回収できるように対策した釣り具が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、ルアーを水中に残すと自然環境への悪影響が懸念されるという理由でルアーを回収できるように対策した釣り具も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-23585号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】株式会社ファーストスターサービス、「ルアーバンク」、令和6年4月9日検索、インターネット<URL:https://lurebank.com/store_item.php?id=LB-LAS-PA>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在販売されている釣り具では根掛かり対策として不十分である。すなわち、ルアーを回収できるようにするためには、根掛かり時に釣り針とルアー本体との接続部分で破断しなければならないが、この接続部分の強度が弱すぎると魚を掛けた時にも破断してしまう。
【0006】
本発明は、釣り針のみを根掛かり箇所に残し、ルアー本体を回収できるように強度が調整されたスプリットリングを販売するスプリットリング販売システム、スプリットリング販売方法、およびスプリットリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、釣り用のスプリットリングを販売するスプリットリング販売システムであって、ネットワークを介して接続された使用者端末と通信する通信部と、前記スプリットリングの商品ごとに、前記スプリットリングのサイズ情報、前記スプリットリングの強度情報、および釣り糸の強度情報を対応付けて商品テーブルに記憶する記憶部と、前記通信部を介して前記使用者端末からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを受信すると、前記商品テーブルを参照することにより、前記スプリットリングの商品をサイズ別および強度別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供し、前記使用者端末において所望の釣り糸の強度が指示されると、その指示を前記通信部を介して受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示された釣り糸の強度に対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品をサイズ別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する制御部と、前記使用者端末において所望のスプリットリングの商品の購入が指示されると、指示されたスプリットリングの商品の販売処理を実行する販売管理部とを備え、前記記憶部は、さらに、前記スプリットリングの商品ごとに、ルアーサイズ情報またはフックサイズ情報を対応付けて商品テーブルに記憶し、前記制御部は、前記使用者端末において所望のルアーサイズまたはフックサイズが指示されると、その指示を前記通信部を介して受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示されたルアーサイズまたはフックサイズに対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品の購入画面のWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する
【0008】
また、本発明の他の一態様は、釣り用のスプリットリングを販売するスプリットリング販売方法であって、コンピュータが、ネットワークを介して接続された使用者端末と通信する通信ステップと、前記スプリットリングの商品ごとに、前記スプリットリングのサイズ情報、前記スプリットリングの強度情報、および釣り糸の強度情報を対応付けて商品テーブルに記憶する記憶ステップと、前記通信ステップで前記使用者端末からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを受信すると、前記商品テーブルを参照することにより、前記スプリットリングの商品をサイズ別および強度別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供し、前記使用者端末において所望の釣り糸の強度が指示されると、その指示を前記通信ステップで受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示された釣り糸の強度に対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品をサイズ別に構成したWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する制御ステップと、前記使用者端末において所望のスプリットリングの商品の購入が指示されると、指示されたスプリットリングの商品の販売処理を実行する販売管理ステップとを実行し、前記記憶ステップでは、さらに、前記スプリットリングの商品ごとに、ルアーサイズ情報またはフックサイズ情報を対応付けて商品テーブルに記憶し、前記制御ステップでは、前記使用者端末において所望のルアーサイズまたはフックサイズが指示されると、その指示を前記通信ステップで受信し、前記商品テーブルを参照することにより、指示されたルアーサイズまたはフックサイズに対応するスプリットリングの商品に絞り込み、絞り込んだ商品の購入画面のWebページデータを生成して前記使用者端末に提供する
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、釣り針のみを根掛かり箇所に残し、ルアー本体を回収できるように強度が調整されたスプリットリングを販売するスプリットリング販売システム、スプリットリング販売方法、およびスプリットリングを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態におけるスプリットリングの使用例を示す模式図である。
図2】本発明の実施の形態における商品ラインナップ例を示す模式図である。
図3】本発明の実施の形態における商品パッケージ例を示す模式図である。
図4】本発明の実施の形態におけるスプリットリングの形状例を示す模式図である。
図5】本発明の実施の形態におけるスプリットリング販売システムの構成図である。
図6図5に示されるサーバ装置の機能ブロック図である。
図7図6に示される商品テーブルの内部構成例を示す模式図である。
図8図5に示されるスプリットリング販売システムのシーケンス図である。
図9図5に示される使用者端末に表示される画面例を示す模式図である。
図10図5に示されるサーバ装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は、あくまで例示である。すなわち、以下に説明する実施の形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0014】
[使用例]
図1は、本発明の実施の形態におけるスプリットリング5の使用例を示す模式図である。このスプリットリング5は、釣り用のルアー1に使用される。例えば、図1(A)に示すように、ルアー本体2に設けられたフックアイ4にスプリットリング5が装着され、スプリットリング5に釣り針6(フロントフック6F,リアフック6R)が装着される。また、ルアー本体2に設けられたラインアイ3にスプリットリング7が装着され、スプリットリング7にナイロンラインなどの釣り糸8が結ばれる。ラインアイ3に装着されるスプリットリング7は一般的なものであるため、フックアイ4に装着されるスプリットリング5とは異なる符号を用いている。ラインアイ3に直接釣り糸8が結ばれる場合もある。
【0015】
図1(B)は、ルアー1が根掛かりした様子を示している。図1(B)に示すように、釣り針6が水中の障害物9に引っ掛かり、外れなくなった場合、たいてい釣り糸8が強度上のボトルネックになる。すなわち、多くの場合は、強度が最も弱い釣り糸8の結束部8Aで切れ、水中にルアー1が残ってしまう。本発明は、その強度上のボトルネックをスプリットリング5に変えるという全く新しい発想に基づくものである。これにより、フロントフック6Fのみを根掛かり箇所に残し、ルアー本体2は回収できる。
【0016】
[商品ラインナップ例]
一般的には、スプリットリング5のサイズは、ルアー1に最初に付いてくるサイズと同じにするのが基本である。スプリットリング5のサイズを変えると、ルアー1のバランスが崩れ、設計通りのアクションができなくなる可能性がある。
【0017】
現在販売されているスプリットリング5を使用した場合、ルアー1を設計通りにアクションさせながら、スプリットリング5を強度上のボトルネックにするのは難しい。本発明者が試行錯誤した結果、これらを両立するには、ルアーサイズやフックサイズなどを考慮し、細軸で大きい新規なスプリットリング5が必要であることがわかった。
【0018】
そこで、本発明の実施の形態では、スプリットリング5の商品をサイズ別にラインナップするとともに、同じサイズでも強度別にラインナップして販売するようにしている。これにより、ルアーサイズやフックサイズなどに合わせて細軸で大きいスプリットリング5を使用できるので、ルアー1を設計通りにアクションさせながら、スプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能となる。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態におけるスプリットリング5の商品のラインナップ例を示す模式図である。もちろん、細部の形状や寸法の比率などは現実のものと異なる場合がある。図2中の縦軸はスプリットリング5のサイズを示している。この図において上にいくほどサイズが小さく、下にいくほどサイズが大きくなっている。また、図2中の横軸はスプリットリング5の強度を示している。この図において左にいくほど強度が低く(線径が細く)、右にいくほど強度が高く(線径が太く)なっている。現在販売されているスプリットリング5の商品は、例えば、図2中の領域Eに示されるようなラインナップである。すなわち、領域Eの外に示されるような、強度が低くサイズが大きいスプリットリング5や、強度が高くサイズが小さいスプリットリング5の商品は販売されていないのが現状である。
【0020】
[スプリットリングの強度]
以下、スプリットリング5を強度上のボトルネックにするために考慮すべき点について詳しく説明する。例えば、強度20lb(20lbの力で引くと切れる)の釣り糸8を使用する場合、釣り糸8の結束強度を50%と見積もると、10lb未満の力でスプリットリング5が破断しなければならないが、弱すぎると魚を掛けた時にも破断してしまう。そのため、このような場合は、破断強度6lb~10lbなどの表記で販売し、その範囲内のどこかで破断するように強度を調整する。これにより、スプリットリング5をボトルネックにしつつ、6lb以上の強度(結束強度を50%と期待する使用者なら12lbの強度の釣り糸8を使用する場合と同程度の強度)を提供できる。
【0021】
このように、本発明の実施の形態では、破断強度6lb~10lbなどの数値範囲内で破断するようにスプリットリング5の強度を調整している。スプリットリング5の強度を調整する方法としては、スプリットリング5の線径を変える方法(図2参照)でもよいし、スプリットリング5の材料を変える方法でもよい。いずれの方法でも、スプリットリング5の強度が釣り糸8とルアー本体2との結束強度よりも低くなっている以上、本発明の効果が得られる。ただし、釣り糸8とルアー本体2との結束強度は、結束方法や糸の種類、使用状況により変わるため、そのことを販売時に明記しておくのが望ましい。これにより、販売時に明記された情報に従えば、安定してスプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能となる。
【0022】
[商品パッケージ例]
図3は、本発明の実施の形態におけるスプリットリング5の商品のパッケージ例を示す模式図である。一般に、スプリットリング5の商品が販売されるときは、まとまった数の同種の商品を透明な袋に入れ、その中に商品説明の紙50が入れられることが多い。このような販売方法の場合、例えば、図3(A)に示すように、商品説明の紙50には、スプリットリング5のサイズおよび強度を表記するとともに、推奨されるナイロンライン(釣り糸8)の強度も表記しておくのが望ましい。lb(ポンド)は、強度を示す単位の一例である。さらに、注意書きとして「結束方法や糸の種類、使用状況により結束強度は変わるので、あくまで目安です。」等と表記しておくのが望ましい。これにより、図3(B)に示すように、数多くの商品がラインナップされていても、適切な商品を確実に見つけ出すことができる。
【0023】
なお、ここでは、同種の商品を袋に入れて販売する場合を例示したが、販売方法はこれに限定されるものではない。例えば、異なる種類(サイズ、強度)のスプリットリング5の商品を1セットにし、仕切りのあるケースに入れて販売してもよい。その場合も、それぞれの種類のスプリットリング5の商品について、上記したような商品説明を表記しておくのが望ましい点は同じである。
【0024】
[スプリットリングの形状例]
図4は、本発明の実施の形態におけるスプリットリング5の形状例を示す模式図である。もちろん、細部の形状や寸法の比率などは現実のものと異なる場合がある。例えば、図4に示すように、スプリットリング5は、金属などの線材を螺旋状に巻くことによって構成された二重リングである。スプリットリングプライヤー(オープナー)などを用いて線材の先端の隙間Gを開き、その隙間Gからルアー1のフックアイ4などに装着する。
【0025】
本発明の実施の形態におけるスプリットリング5には、細軸で大きいスプリットリング5が含まれる。細軸とは、線径L3が小さいことを意味する。一般的な線径L3やサイズのスプリットリング5が含まれてもよい。図4中の符号L1は外径を示し、符号L2は内径を示している。スプリットリング5の形状は、図4(A)に示すように、平面視で真円形状に形成してもよい。ただし、スプリットリング5には、二重になってない部分(隙間G)があり、その部分で運悪くファイトをすると、表記の強度以下でもスプリットリング5が広がってしまう。本発明の実施の形態におけるスプリットリング5は、強度上のボトルネックにする関係上、期待する強度を安定して提供することは重要である。
【0026】
そこで、図4(B)や図4(C)に示すように、スプリットリング5を楕円形状や紡錘形状に形成し、側方部に隙間Gがくるように配置するのが望ましい。紡錘形状とは、中ほどが太く、両端Pに近づくに従って次第に細くなり、両端Pの2点で尖っている形状である。また、側方部とは、両端Pを除いた中ほどの部分である。楕円形状や紡錘形状のスプリットリング5を使用すれば、両端Pの二重になっている部分に力が掛かかり、スプリットリング5が想定強度以下で広がりにくい。特に、紡錘形状のスプリットリング5を使用すれば、力の掛かるポイントが両端Pの2点からずれにくいため、期待する強度を安定して提供することが可能となる。
【0027】
以上のように、本発明の実施の形態では、スプリットリング5の商品をサイズ別にラインナップするとともに、同じサイズでも強度別にラインナップして販売するようにしている。これにより、釣り針6のみを根掛かり箇所に残し、ルアー本体2を回収できるように強度が調整されたスプリットリング5を販売することが可能である。根掛かりは、釣り人であれば誰しもが体験する現象であるにもかかわらず、十分な対策が図られていないのが現状である。根掛かりによる損失(ルアー1の損失はもちろん、自然環境への悪影響も含む。)を防止できる本発明は、非常に実用的価値が高い発明と言える。
【0028】
[スプリットリング販売システム]
図5は、本発明の実施の形態におけるスプリットリング販売システムの構成図である。すなわち、スプリットリング5は、実店舗で販売できるのはもちろんであるが、ネットで販売することもできる。ここでは、図5に示すように、使用者端末10とサーバ装置20とがインターネット網などのネットワークNを介して接続されている場合を例示している。例えば、サーバ装置20は、スプリットリング5を販売するためのWebサイトを提供するコンピュータである。使用者端末10は、スプリットリング5の使用者(購入者)が操作するパソコン、タブレット、スマートフォンなどのコンピュータである。その他、本システムには、データベースサーバなどの外部装置が含まれてもよい。
【0029】
[サーバ装置20]
図6は、図5に示されるサーバ装置20の機能ブロック図である。サーバ装置20は、機能的には、図6に示すように、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、販売管理部24とを備える。通信部21は、使用者端末10などの外部装置と通信プロトコルに従ってデータを送受信する機能部である。記憶部22は、各種データを記憶する機能部であり、使用者テーブル22A、商品テーブル22B、販売テーブル22Cなどを記憶している。使用者テーブル22Aは、本サービス(Webサイト)にログインするための使用者IDやパスワード、使用者の住所、電話番号、メールアドレス、決済手段など、使用者に関する情報を格納する。商品テーブル22Bは、スプリットリング5の商品に関する情報を格納する(後述する)。販売テーブル22Cは、商品の販売履歴や在庫状況など、販売に関する情報を格納する。その他、記憶部22は、画像データやプログラムなど、本サービスを提供するのに必要な各種データを記憶しているものとする。制御部23は、本サービスに関する各種の制御を行う機能部である。例えば、制御部23は、使用者端末10からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストなどの要求を受信すると、その要求に応じてWebページデータを生成し、使用者端末10に提供する。販売管理部24は、商品の販売履歴や配送状況などを管理する機能部である。これらの各機能部は、物理的に異なる複数台のコンピュータに分散されていてもよい。
【0030】
[データ構成例]
図7は、図6に示される商品テーブル22Bの内部構成例を示す模式図である。例えば、図7に示すように、商品テーブル22Bは、「商品番号」ごとに「サイズ」「強度」「ナイロンライン」「価格」などの情報を対応付けて格納している。「商品番号」は、スプリットリング5の商品を識別するための情報である。「サイズ」は、スプリットリング5のサイズ情報(例えば外径L1を示す情報)である。「強度」は、スプリットリング5の強度情報である。「ナイロンライン」は、推奨されるナイロンラインの強度情報である。ナイロンラインは釣り糸8の一例であり、他の種類の釣り糸8であってもよい。「価格」は、スプリットリング5の価格情報である。例えば、この商品テーブル22Bの1行目について説明すると、商品番号が00010001のスプリットリング5の商品は、サイズが1号であり、強度が1lb~3lbであり、推奨されるナイロンラインの強度が6lbであり、価格がxxx円であることを示している。強度が1lb~3lbと表記されている場合、1lbから3lbの範囲内のどこかで破断することを意味している。
【0031】
[動作例]
図8は、図5に示されるスプリットリング販売システムの動作例を示すシーケンス図である。ここでは、使用者が使用者端末10を操作して、サーバ装置20が提供するWebサイトにアクセスし、使用者IDとパスワードを入力してログインしているものとする。
【0032】
まず、使用者がスプリットリング5の商品を検索すると(ステップS1)、その指示がサーバ装置20の通信部21を介して制御部23に受信される。これにより、制御部23は、スプリットリング5の商品をサイズ別および強度別にラインナップし、そのWebページデータを生成して使用者端末10に表示させる(ステップS2)。
【0033】
次いで、使用者が使用するナイロンラインの強度(例えば6lb)を指示すると(ステップS3)、その指示がサーバ装置20の通信部21を介して制御部23に受信される。これにより、制御部23は、商品テーブル22Bを参照し、ナイロンラインの強度が6lbに対応する商品(商品番号00010001,00020001,…の商品)をサイズ別にラインナップし、そのWebページデータを生成して使用者端末10に表示させる(ステップS4→S5)。
【0034】
次いで、使用者が所望の商品(例えば、商品番号00010001の商品)を指示すると(ステップS6)、その指示がサーバ装置20の通信部21を介して制御部23に受信される。これにより、制御部23は、その商品の購入画面のWebページデータを生成して使用者端末10に表示させる(ステップS7)。
【0035】
最後に、使用者が例えば商品番号が00010001の商品の購入を指示すると(ステップS8)、その指示がサーバ装置20の通信部21を介して販売管理部24に受信される。これにより、販売管理部24は、商品番号が00010001の商品について販売処理を実行する(ステップS9)。販売処理は、公知の電子商取引で行われている一般的な処理である。販売処理を実行する際には使用者テーブル22Aや販売テーブル22Cが参照されるが、この点は本発明の主眼とするところではないため、詳しい説明を省略する。
【0036】
[画面例]
図9は、図5に示される使用者端末10に表示される画面例を示す模式図である。以下、図9を参照しながら、上記した動作例を更に詳しく説明する。
【0037】
まず、使用者がスプリットリング5の商品を検索すると、図9(A)に示すように、使用者端末10には、スプリットリング5の商品をサイズ別および強度別にラインナップした画面が表示される。ここでは、商品番号が00010001の商品のイメージとその商品説明が表示されているが、画面をスクロールすれば別の商品を順次表示することができる。このとき、所望の商品がすぐに見つかれば、その商品の表示領域上をタップすることで、その商品の購入画面に進むことができる。しかし、本発明の実施の形態におけるスプリットリング5は全く新しい発想に基づくものであるため、適切なものを即座に見つけ出すことが難しい場合がある。そこで、そのような場合は、使用するナイロンラインの強度(例えば6lb)を入力欄11に入力し、絞り込みボタン12を押す。これにより、図9(B)に示すように、ナイロンラインの強度が6lbに対応するスプリットリング5の商品に絞り込まれ、それらの商品をサイズ別にラインナップした画面が表示される。これにより、使用するルアーサイズやフックサイズなどを考慮し、それに合ったサイズの商品(例えば商品番号が00010001の商品)を見つけ出す。その商品の表示領域13上をタップすると、図9(C)に示すように、その商品の購入画面に進むことができる。購入したい数量を入力欄14に入力し、「カートに入れる」ボタン15または「今すぐ買う」ボタン16などの購入ボタンを押す。実際には決済手段なども入力することになるが、この点は本発明の主眼とするところではないため、詳しい説明を省略する。
【0038】
以上のように、本発明の実施の形態におけるスプリットリング販売システムによれば、所望のスプリットリング5の商品を見つけるために釣り糸8の強度で絞り込むことができる。これにより、釣りの知識に乏しい初心者であっても、安定してスプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能となる。
【0039】
なお、上記の説明では言及しなかったが、釣り糸8の強度で絞り込んだ後、さらにルアーサイズやフックサイズなどで絞り込んでもよい。もちろん、その場合は、スプリットリング5の商品ごとに、推奨されるルアーサイズ情報や、推奨されるフックサイズ情報を対応付けて商品テーブル22Bに格納しておく。制御部23は、使用者端末10において所望のルアーサイズまたはフックサイズが指示されると、商品テーブル22Bを参照することにより、指示されたルアーサイズまたはフックサイズに対応するスプリットリング5の商品を使用者端末10に表示させるようになっている。このようにすれば、釣り糸8の強度で絞り込んだ後、さらにルアーサイズやフックサイズで絞り込むことができる。そのため、釣りの知識に乏しい初心者であっても、ルアー1を設計通りにアクションさせながら、スプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能となる。
【0040】
[ハードウェア構成例]
図10は、図5に示されるサーバ装置20のハードウェア構成図である。例えば、図10に示すように、プロセッサ20A、メモリ20B、記憶部20C、IF(Interface)部20D、入出力部20E、読取部20Fがバス20Iを介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ20Aは、種々の制御や演算を行う演算処理装置である。メモリ20Bは、種々のデータやプログラムを記憶する揮発性メモリである。記憶部20Cは、種々のデータやプログラムを記憶する不揮発性メモリである。IF部20Dは、他の端末との間の通信の制御等を行う装置である。入出力部20Eは、データを入力する入力装置、及びデータを出力する出力装置である。読取部20Fは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されたデータやプログラムを読み出す装置である。その他、一般的なコンピュータが備える様々な装置を備えていてもよいことはもちろんである。このようなコンピュータにおいて、プロセッサ20Aが各装置を制御することにより、図5に示されるサーバ装置20の各機能部が実現される。
【0041】
[本発明の特徴的な構成とその効果]
以上説明したように、本発明の実施の形態におけるスプリットリング販売システムは、釣り用のスプリットリング5を販売するシステムであって、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、販売管理部24とを備える。通信部21は、ネットワークNを介して接続された使用者端末10と通信する。記憶部22は、スプリットリング5の商品ごとに、スプリットリング5のサイズ情報、スプリットリング5の強度情報、および釣り糸8の強度情報を対応付けて商品テーブル22Bに記憶する。制御部23は、スプリットリング5の商品をサイズ別および強度別にラインナップして使用者端末10に表示させ、使用者端末10において所望の釣り糸8の強度が指示されると、商品テーブル22Bを参照することにより、指示された釣り糸8の強度に対応するスプリットリング5の商品をサイズ別にラインナップして使用者端末10に表示させる。販売管理部24は、使用者端末10において所望のスプリットリング5の商品の購入が指示されると、指示されたスプリットリング5の商品を販売する。これにより、釣り針6のみを根掛かり箇所に残し、ルアー本体2を回収できるように強度が調整されたスプリットリング5を販売することが可能である。しかも、スプリットリング5を購入する際、釣り糸8の強度で絞り込むことができるため、安定してスプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能となる。
【0042】
また、記憶部22は、さらに、スプリットリング5の商品ごとに、ルアーサイズ情報またはフックサイズ情報を対応付けて商品テーブル22Bに記憶してもよい。制御部23は、使用者端末10において所望のルアーサイズまたはフックサイズが指示されると、商品テーブル22Bを参照することにより、指示されたルアーサイズまたはフックサイズに対応するスプリットリング5の商品を使用者端末10に表示させてもよい。これにより、スプリットリング5を購入する際、釣り糸8の強度で絞り込んだ後、さらにルアーサイズやフックサイズで絞り込むことができるため、ルアー1を設計通りにアクションさせながら、スプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能となる。
【0043】
また、制御部23は、スプリットリング5の強度を数値範囲で規定し、スプリットリング5は、数値範囲内で破断するように強度が調整されているのが望ましい。これにより、根掛かり時には破断し、魚を掛けた時には破断しないように強度が調整されたスプリットリング5を販売することが可能である。
【0044】
また、スプリットリング5の線径を変えることによりスプリットリング5の強度が調整されているのが望ましい。これにより、スプリットリング5の材料を調整する場合に比べ、細軸で大きいスプリットリング5を容易に製造することが可能である。
【0045】
また、スプリットリング5の強度は、釣り糸8とルアー本体2との結束強度よりも低い。これにより、スプリットリング5を強度上のボトルネックにすることが可能である。
【0046】
また、本発明の実施の形態におけるスプリットリング販売方法は、ルアー釣りの仕掛けをスプリットリング5の箇所で破断させ、ルアー1回収を可能とするためのスプリットリング5を販売する方法であって、スプリットリング5の商品をサイズ別にラインナップするとともに、同じサイズでも強度別にラインナップして販売する。これにより、ルアー1等の釣りの仕掛けを任意の箇所で破断させ、破断箇所から釣り人側の仕掛けを回収することが可能となる。
【0047】
また、本発明の実施の形態におけるスプリットリング5は、線材を巻くことによって構成された釣り用のスプリットリング5であって、平面視で紡錘形状に形成され、線材の先端の隙間Gが紡錘形状の側方部に配置されている。紡錘形状のスプリットリング5を使用すれば、力の掛かるポイントが両端Pの2点からずれにくいため、期待する強度を安定して提供することが可能となる。
【0048】
なお、本発明は、上記したスプリットリング販売システムが備える特徴的な各機能部を各ステップとするスプリットリング販売方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるためのスプリットリング販売プログラムとして実現したりすることもできる。このようなプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体を介して、あるいはインターネット網などのネットワークNを介してコンピュータにインストールすることが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
1 ルアー
2 ルアー本体
3 ラインアイ
4 フックアイ
5 スプリットリング
6 釣り針
6F フロントフック
6R リアフック
7 スプリットリング
8 釣り糸
8A 結束部
9 障害物
10 使用者端末
20 サーバ装置
21 通信部
22 記憶部
22A 使用者テーブル
22B 商品テーブル
22C 販売テーブル
23 制御部
24 販売管理部
G 隙間
N ネットワーク
P 両端
【要約】
【課題】釣り針のみを根掛かり箇所に残し、ルアー本体を回収すること。
【解決手段】通信部21は、使用者端末10と通信する。記憶部22は、スプリットリング5の商品ごとに、スプリットリング5のサイズ情報、スプリットリング5の強度情報、および釣り糸8の強度情報を対応付けて商品テーブル22Bに記憶する。制御部23は、スプリットリング5の商品をサイズ別および強度別にラインナップして使用者端末10に表示させ、使用者端末10において所望の釣り糸8の強度が指示されると、商品テーブル22Bを参照することにより、指示された釣り糸8の強度に対応するスプリットリング5の商品をサイズ別にラインナップして使用者端末10に表示させる。販売管理部24は、使用者端末10において所望のスプリットリング5の商品の購入が指示されると、指示されたスプリットリング5の商品を販売する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10