(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/00 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
G06F15/00 410B
(21)【出願番号】P 2024135072
(22)【出願日】2024-08-13
【審査請求日】2024-08-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519363649
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥村 光平
(72)【発明者】
【氏名】奥村(大川) 美里
【審査官】田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126439(JP,A)
【文献】株式会社アルファシステムズ,リモートワークに最適、Windowsのリモート接続の活用ノウハウの紹介,アルファテックブログ,日本,2020年10月15日,https://alpha.co.jp/blog/202010_03/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、ここで、
前記接続要求は、前記第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、
前記第1ゲスト端末及び前記第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記ホスト端末を遠隔操作可能に構成され、
接続制御ステップでは、前記接続要求と、前記ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立し、ここで、
前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の状況に基づいて、前記接続要求を受け入れて前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立するように定義さ
れ、
表示制御ステップでは、前記ホスト端末に対する接続の状況に関する開始情報及び終了情報を含む情報を送信し、これにより少なくとも前記第1ゲスト端末で前記開始情報及び前記終了情報を表示可能とし、ここで、
前記開始情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が開始したことを示し、
前記終了情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が終了したことを示す、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記ホスト端末は、所定のデスクトップ環境を利用可能に構成され、
前記第1ゲスト端末及び前記第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記デスクトップ環境を遠隔操作可能に構成される、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記設定情報は、
前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されている場合には、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の確立を許容しないように定義され、
前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されていない場合には、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の確立を許容するように定義される、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項
1に記載の情報処理システムにおいて、
前記開始情報及び前記終了情報の少なくとも一方は、前記第2ゲスト端末に関連付けられた第2ユーザを認識させるための第2ユーザ情報を含む、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項
1に記載の情報処理システムにおいて、
投稿ステップでは、前記開始情報及び前記終了情報の少なくとも一方を含む投稿情報をタイムラインに投稿させ、ここで、
前記投稿情報は、前記開始情報及び前記終了情報の少なくとも一方が投稿アカウントに関連付けられて構成され、
前記投稿アカウントは、前記ホスト端末に関連付けられている、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項
5に記載の情報処理システムにおいて、
前記投稿情報は、複数の前記ホスト端末に含まれる特定の前記ホスト端末を前記第1ゲスト端末のユーザに認識させるための識別情報を含む、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記接続制御ステップでは、前記ホスト端末において終了条件が満たされたことに応じて、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を解除する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項
7に記載の情報処理システムにおいて、
前記終了条件は、所定時間に亘って前記第2ゲスト端末による前記ホスト端末の遠隔操作が実行されないことを含む、
情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、ここで、
前記接続要求は、前記第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、
前記第1ゲスト端末及び前記第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記ホスト端末を遠隔操作可能に構成され、
接続制御ステップでは、前記接続要求と、前記ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立し、ここで、
前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の状況に基づいて、前記接続要求を受け入れて前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立するように定義され
前記設定情報は、前記ホスト端末において終了条件が満たされたことに応じて更新され、ここで、
前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されているか否かに関わらず、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立するように、更新される、
情報処理システム。
【請求項10】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、ここで、
前記接続要求は、前記第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、
前記第1ゲスト端末及び前記第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記ホスト端末を遠隔操作可能に構成され、
接続制御ステップでは、前記接続要求と、前記ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立し、ここで、
前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の状況に基づいて、前記接続要求を受け入れて前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立するように定義され
前記接続制御ステップでは、前記第1ゲスト端末と前記第2ゲスト端末が同一ユーザに関連付けられている場合には、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されているか否かに関わらず、前記接続要求に応じて前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立する、
情報処理システム。
【請求項11】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、
送信ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を
送信し、ここで、
前記接続要求は、前記第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、
前記第1ゲスト端末及び前記第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記ホスト端末を遠隔操作可能に構成され、
前記接続要求と、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の状況に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立され
、
表示制御ステップでは、
受信した前記ホスト端末に対する
前記第2ゲスト端末の接続の状況に関する開始情報及び終了情報
を前記第1ゲスト端末に表示させ、ここで、
前記開始情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が開始したことを示し、
前記終了情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が終了したことを示す、
情報処理システム。
【請求項12】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項
11のいずれか1項に記載の情報処理システムが実行する各ステップを備える、
情報処理方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項
11のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、後着優先のリモートデスクトップ接続を利用したシステム(特に、RPAシステム)の運用を円滑化できる技術が開示されている。特許文献1において、遠隔操作システムは、所定のソフトウェアがインストールされたホスト端末と、ホスト端末のデスクトップ環境を後着優先のリモートデスクトップ接続により操作可能なゲスト端末と、を備え、ゲスト端末は、リモートデスクトップ接続状況を含むホスト端末の利用状況を監視する利用状況監視部と、利用状況監視部による監視結果を表示する利用状況表示部と、ユーザー操作に基づいて前記ホスト端末へのリモートデスクトップ接続の利用要求を受け付ける利用要求受付部と、利用要求受付部が利用要求を受け付けた場合に、リモートデスクトップ接続のプログラムを起動するリモートデスクトップ接続起動部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、ホスト端末の遠隔操作における利便性を改善する余地がある。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、ホスト端末の遠隔操作における利便性を改善する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、接続要求は、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、第1ゲスト端末及び第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、ホスト端末に対する接続が確立されることによってホスト端末を遠隔操作可能に構成され、接続制御ステップでは、接続要求と、ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立し、設定情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続の状況に基づいて、接続要求を受け入れて第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立するように定義される、情報処理システムが提供される。
【0007】
本発明によれば、ホスト端末の遠隔操作における利便性を改善する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るユーザ端末3の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理システム1において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】ユーザ端末3とホスト端末2の間で接続を確立するための処理を示すアクティビティ図である。
【
図6】ホスト端末2おける接続状況をユーザ端末3に表示させるための処理を示すアクティビティ図である。
【
図7】ユーザ管理テーブル700の一例を示す図である。
【
図8】チャットアプリケーションの画面の一例としての投稿画面800を示す参考図である。
【
図9】チャットアプリケーションの画面の他の一例としての投稿画面900を示す参考図である。
【
図10】情報処理装置2における遠隔操作の自動切断処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図11】ホスト端末2とユーザ端末3の間における接続の確立を制御するための処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図12】第1ゲスト端末3aにおけるディスプレイに表示される接続画面1200の一例を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態の一例について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0012】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.情報処理システムの概要
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示される情報処理システム1において、情報処理装置2と、ユーザ端末3とが、通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続される。本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば情報処理装置2、ユーザ端末3のそれぞれが単体であっても、情報処理システム1の一例に該当し得る。
【0015】
情報処理装置2は、第1ホスト端末2aと、第2ホスト端末2bと、仲介サーバ2cと、を含む。第1ホスト端末2a及び第2ホスト端末2bは、所定の制御環境を利用可能である。第1ホスト端末2a及び第2ホスト端末2bは、ゲスト端末であるユーザ端末3との間で接続が確立されることによって当該制御環境を遠隔操作可能である。以下の説明において、第1ホスト端末2aと、第2ホスト端末2bと、仲介サーバ2cとを特に区別しない場合には、これらを総称して情報処理装置2と称することがある。第1ホスト端末2aと、第2ホスト端末2bとを特に区別しない場合には、これらを総称してホスト端末2と称することがある。
【0016】
本実施形態において、ホスト端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ等の電子機器、またはスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、通信ネットワーク11に接続可能なロボット、冷蔵庫や洗濯機等の家電製品、プリンターやスキャナー等のオフィス機器、各種IOTデバイス、各種工作機等の業務用機器、POSシステム等の小売業向け機器、診断装置や治療装置等の医療機器、等である。各種機器を制御するための制御環境が、ユーザ端末3を用いて遠隔操作されるように構成される。
【0017】
以下の説明において、ホスト端末2において利用可能な制御環境が、所定のデスクトップ環境である場合を例示して詳述する。ホスト端末2には所定のアプリケーションがインストールされており、当該デスクトップ環境において各種ソフトウェアを操作できる。ユーザ端末3は、複数のホスト端末2のうち、第1ホスト端末2a及び第2ホスト端末2b少なくとも一方に対するリモートデスクトップ接続が確立されることによって、当該ホスト端末2におけるデスクトップ環境を操作可能である。すなわち、ユーザはユーザ端末3を介してホスト端末2にインストールされた各種ソフトウェアを遠隔操作して利用することができる。情報処理装置2は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器、またはスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスである。なお、ホスト端末2は、仲介サーバ2cを介してユーザ端末3に接続されるように構成してもよい。
【0018】
ユーザ端末3は第1ゲスト端末3aと、第1ゲスト端末3aとは異なる第2ゲスト端末3bと、を含む。以下の説明において、第1ゲスト端末3aと、第2ゲスト端末3bとを特に区別しない場合には、これらを総称してユーザ端末3、またはゲスト端末3と称することがある。ユーザ端末3において所定の制御環境を利用可能であり、所定の制御環境は例えば各種ソフトウェアを利用可能なデスクトップ環境である。ユーザ端末3にホスト端末2を遠隔操作するための接続アプリケーションがインストールされている。ユーザ端末3において当該接続アプリケーションが実行されることにより、ユーザはユーザ端末3を介してホスト端末2を遠隔操作できる。ユーザ端末3は、例えばパーソナルコンピュータ等の電子機器、またはスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスである。
【0019】
接続アプリケーションは、例えばホスト端末2とユーザ端末3にインストールされたWindows OS(「Windows」は登録商標)に標準で付属しているソフトウェアである。ユーザ端末3の接続アプリケーションからホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続を利用するための接続要求が送信され、ホスト端末2の接続アプリケーションが当該接続要求を受け入れることにより、ホスト端末2とユーザ端末3の接続が確立される。
【0020】
複数のユーザ端末3から同一のホスト端末2に対して接続要求が送信された場合、Windows標準のリモートデスクトップ接続アプリケーションにおいては、後から接続要求を送信したユーザ端末3が優先してホスト端末2と接続される「後着優先」が採用されている。しかし、後着優先のリモートデスクトップ接続を利用する場合、例えば既にホスト端末2に対して第2ゲスト端末3bがリモートデスクトップ接続されている場合、第1ゲスト端末3aから新たに接続要求が送信されると、第1ゲスト端末3aが優先して接続され、先に接続していた第2ゲスト端末3bとの接続は切断される。
【0021】
これは、「後着優先」の接続アプリケーションを採用した仲介サーバ2cを介してホスト端末2とユーザ端末3との接続を確立する場合においても同様である。仲介サーバ2cを介してホスト端末2とユーザ端末3との接続を確立する場合、ユーザ端末3の接続アプリケーションから仲介サーバ2cに対してリモートデスクトップ接続を利用するための接続要求が送信され、仲介サーバ2cの接続アプリケーションが当該接続要求を受け入れることにより、仲介サーバ2cはホスト端末2とユーザ端末3の接続を確立させる。従って、既にホスト端末2に対して第2ゲスト端末3bがリモートデスクトップ接続されている場合、第1ゲスト端末3aから仲介サーバ2cに対して新たに接続要求が送信されると、仲介サーバ2cは第1ゲスト端末3aを優先して接続し、先に接続していた第2ゲスト端末3bとの接続は切断される。
【0022】
2 ハードウェア構成
図1に示されるように、情報処理装置2は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24及び入出力部25を備える。制御部21は、通信バス20を介して記憶部22及び通信部23と電気的に接続されている。ユーザ端末3は、制御部31、記憶部32、通信部33、表示部34及び入出力部35を備える。制御部31は、通信バス30を介して記憶部32、通信部33、表示部34、及び入出力部35と電気的に接続されている。
【0023】
制御部21は、情報処理装置2の動作を制御するプロセッサを構成する。制御部31は、ユーザ端末3の動作を制御するプロセッサを構成する。制御部21,31は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の処理装置を含んで構成される。
【0024】
記憶部22,32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含んで構成される。記憶部22には、本実施形態に係る制御プログラム等の各種プログラムや、制御データやユーザ情報等の各種データが記憶される。
【0025】
例えば、記憶部22,32は、Windows等のOSのプログラム、リモートデスクトップ接続プログラム等のユーザ端末3からホスト端末2を遠隔操作するためのプログラム、ホスト端末2の遠隔操作による利用状況等が投稿されるチャットアプリケーションのプログラム、その他情報処理装置2及びユーザ端末3のデスクトップ環境において利用される各種アプリケーションのプログラム等を記憶する。また、記憶部22は、ホスト端末2とユーザ端末3の間の接続の確立を制御するための設定情報を記憶する。
【0026】
通信部23,33は、インターネット及びLAN等の通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2とユーザ端末3を通信可能に接続させる。通信部23,33は、情報処理装置2及びユーザ端末3におけるネットワークインターフェースを構成し、種々の情報が情報処理装置2とユーザ端末3との間で送受信される。
【0027】
表示部24,34は、制御部21,31による各種処理の結果をユーザが視認するための画面を表示させる。制御部21,31は画面を生成するためのレンダリング情報を生成し、当該レンダリング情報に基づいて表示される画面を生成してもよい。また、制御部21は、ユーザ端末3の制御部31において生成されたレンダリング情報を受信し、受信したレンダリング情報に基づいて表示される画面を生成してもよい。同様に、制御部31は、情報処理装置2の制御部21において生成されたレンダリング情報を受信し、受信したレンダリング情報に基づいて表示される画面を生成してもよい。表示部24,34は、情報処理装置2またはユーザ端末3と一体に構成されていてもよいし、別体に構成されて情報処理装置2またはユーザ端末3と電気的に接続されていてもよい。表示部24,34は、例えば液晶表示部や有機EL表示部、プラズマ表示部、LED表示部、3D表示部、プロジェクター等である。
【0028】
入出力部25,35は、種々の情報をユーザから受け付け、または、ユーザに対して出力するように構成される。入出力部25,35は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力装置を含む。入出力部25,35が受け付けた操作入力は、命令信号として通信バス20,30を介して制御部21,31に転送され、制御部21,31は当該操作入力に応じて各種処理を進行させる。入出力部35は、例えばマウスやキーボード、コントローラ等の周辺機器であり、ユーザのボタンやスティックに対する操作に応じて操作入力を受け付ける。入出力部35はタッチスクリーンとして構成されてもよく、表示部34と一体に構成されてもよい。
【0029】
入出力部25,35は、ユーザが五感を介して認識可能な情報を提示するように構成され、ユーザに対して音を出力するスピーカ、ユーザに対して振動等の触覚信号を出力するハプティックデバイス、ユーザに対して匂いを出力する匂い提示装置を含んでもよい。また、入出力部25,35は、脳波等のユーザが自ら認識することなく出力する情報を受け付けるように構成されてもよい。
【0030】
制御部21は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2において種々の機能を実現させる。また、制御部31は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、ユーザ端末3において種々の機能を実現させる。すなわち、記憶部22,32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部21,31によって具体的に実現されることで、各機能部が実行され得る。なお、制御部21,31は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部21,31を有するように構成してもよい。換言すれば、情報処理システム1は、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことでコンピュータを各機能部として機能させる。また、本実施形態における情報処理方法は、情報処理システム1における各機能部が実行する各ステップを備える。また、本実施形態におけるプログラムは、コンピュータに、情報処理システム1において実行される各ステップを実行させるように構成される。
【0031】
3. 機能構成
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成を示すブロック図である。制御部21は、記憶部22に記憶される各種プログラムを実行することにより、受信部211と、送信部212と、判定部213、管理部214、操作部215、特定部216、設定部217、接続制御部218、表示制御部219、投稿部220として機能する。
【0032】
図3は、本実施形態に係るユーザ端末3の機能構成を示すブロック図である。制御部31は、記憶部32に記憶される各種プログラムを実行することにより、受信部311と、送信部312と、操作部315と、特定部316と、接続制御部318と、表示制御部319と、投稿部320として機能する。
【0033】
受信部211,311は、種々のデータを受け付けるように構成される。受信部211は、ユーザ端末3において受け付けられた操作入力や各種要求を、通信部23を介して取得して、情報処理装置2における種々の演算を実行可能にする。受信部211が受信した種々の情報は、記憶部22に記憶される。受信部311は、情報処理装置2において受け付けられた操作入力や各種要求を、通信部33を介して取得して、ユーザ端末3における種々の演算を実行可能にする。受信部311が受信した種々の情報は、記憶部32に記憶される。
【0034】
送信部212は、情報処理装置2において取得され、または生成された種々のデータや情報を、通信部23を介してユーザ端末3に対して送信するように構成される。送信部312は、ユーザ端末3において取得され、または生成された種々のデータや情報を、通信部33を介して情報処理装置2に対して送信するように構成される。
【0035】
本実施形態において、送信部312は、情報処理装置2に対して接続要求を送信する。接続要求は、ユーザ端末3のホスト端末2に対する接続を確立することを要求する情報である。また、送信部212,312は、チャットアプリケーションのタイムラインに投稿される投稿情報を、チャットアプリケーションを提供するサーバに対して送信する。
【0036】
判定部213は、種々の判定を実行するように構成される。例えば、判定部213は、ユーザ端末3による情報処理装置2に対する接続が確立されているか否かを判定する。
【0037】
管理部214は、制御に関する種々の情報を管理するように構成される。例えば、管理部214は、ユーザ端末3に関連付けられたユーザ毎に、当該ユーザに関連付けられるユーザ端末3に関する情報や、当該ユーザが利用する種々のソフトウェアに関する情報を管理する。
【0038】
操作部215,315は、入出力部25,35を介してユーザから受け付けた各種入力や、受信部211,311が受信した情報に基づいて、各種制御を実行するように構成される。
【0039】
本実施形態では、情報処理装置2において、操作部215は、入出力部25を介してユーザから受け付けた各種入力に基づいて、当該情報処理装置2における制御環境を操作する。ユーザ端末3において、操作部315は、入出力部35を介してユーザから受け付けた各種入力に基づいて、当該ユーザ端末3における制御環境を操作する。また、ユーザ端末3において、操作部315は入出力部35を介してユーザから受け付けた各種入力に基づいて、接続が確立されたホスト端末2における制御環境を遠隔操作するための操作信号を生成する。送信部312が当該操作信号をホスト端末2に対して送信すると、ホスト端末2において、受信部211がこれを受信する。操作部215は、受信した操作信号に基づいて、当該ホスト端末2における制御環境を操作する。
【0040】
特定部216,316は、ユーザ端末3による接続要求を特定するように構成される。特定部216は、ユーザ端末3から送信された接続要求を受信部211が受信することによって、接続要求を特定する。特定部316は、ユーザ端末3において接続要求が生成されることによって、接続要求を特定する。
【0041】
設定部217は、設定情報を生成して記憶部22に記憶させるように構成される。設定情報は、他のゲスト端末3のホスト端末2に対する接続の状況に基づいて、接続要求を受け入れて当該接続要求を送信したユーザ端末3のホスト端末2に対する接続を確立するか否かを定義する。設定情報は、ホスト端末2の記憶部22に記憶されてもよいし、仲介サーバ2cの記憶部22に記憶されてもよい。
【0042】
本実施形態において、設定情報は、他のゲスト端末3のホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が確立されている場合には、当該ゲスト端末3のホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続の確立を許容しないように定義される。一方、他のゲスト端末3のホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が確立されていない場合には、当該ゲスト端末3のホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続の確立を許容するように定義される。
【0043】
例えば、前述のWindows OSに標準の機能によるリモートデスクトップ接続が実行される場合、ホスト端末2は「後着優先」でユーザ端末3との接続を確立するように、設定情報が定義されて記憶部22に記憶されている。つまり、他第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が確立されていない場合には、第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続の確立を許容するように定義されている。
【0044】
一方、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が確立されている場合には、設定部217は、第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続の確立を許容しないように設定情報を更新し、更新した設定情報を記憶部22に記憶させる。
【0045】
前述のWindows OSに標準の機能によるリモートデスクトップ接続の場合、設定情報は例えばホスト端末2におけるレジストリの設定である。レジストリはWindows OSにおける各種構成情報のデータベースであり、レジストリキーに対応するレジストリ値を指定することにより、所望の動作が実行される。例えば、ユーザ端末3からの接続要求を受け入れるか否かに対して、レジストリ値が「0」に指定されている場合には当該接続要求を受け入れるように情報処理装置2を動作させ、「1」に指定されている場合には当該接続要求を受け入れないように情報処理装置2を動作させることができる。
【0046】
接続制御部218,318は、ホスト端末2とユーザ端末3の間における接続の確立を制御するように構成される。接続制御部218は、接続要求と、ホスト端末2を制御する設定情報と、に基づいて、ゲスト端末3のホスト端末2に対する接続を確立する。ホスト端末2における接続制御部218は、記憶部22に記憶された設定情報に基づいて、接続要求を受け入れて当該接続要求を送信したユーザ端末3との間における接続を確立する。仲介サーバ2cにおける接続制御部218は、記憶部22に記憶された設定情報に基づいて、接続要求を受け入れて当該接続要求を送信したユーザ端末3とホスト端末2の間における接続を確立させる。
【0047】
例えば、仲介サーバ2cは、設定情報に基づいて接続要求をホスト端末2に対して転送するか否かを制御する。また、ゲスト端末3における接続制御部318は、接続要求と、他のゲスト端末のホスト端末2に対する接続の状況に基づいて、当該ゲスト端末3のホスト端末2に対する接続を確立させる。例えば、接続制御部318は、他のユーザ端末3のホスト端末2に対する接続の状況に基づいて、接続要求をホスト端末2に対して送信するか否か、または、接続要求を生成するか否かを制御する。
【0048】
表示制御部219,319は、種々の情報を表示部34に表示させるように構成される。表示部315は、演算部314が演算した結果に基づいて生成された画面情報に基づいて、ユーザに種々の情報を認識させるための表示画面を生成する。表示画面を生成するための画面情報は、情報処理装置2の送信部212から送信されて受信部311が受信することによって取得されてもよい。本実施形態において、表示制御部219,319は、投稿部220,320によって投稿された投稿情報を、表示部24,34に表示させるように構成される。
【0049】
投稿部220,320は、種々の情報を含む投稿情報をチャットアプリケーションのタイムラインに投稿するように構成される。投稿情報は、各ユーザ端末3においてユーザから入力されたテキスト、音声、画像、動画、外部サービスへのリンク情報、各種ファイル等のコンテンツを含む。投稿情報はチャットアプリケーションのサービスを提供するサーバに対して送信され、当該コンテンツは当該チャットアプリケーションを利用する各ユーザ端末3の表示部34に表示される。
【0050】
上述した各機能部における演算処理は、情報処理装置2の制御部21において実行されるように構成してもよいし、ユーザ端末3の制御部31において実行されるように構成してもよい。また、各機能部における演算処理は、制御部21及び制御部31がそれぞれ少なくとも一部を実行するように、分散して実行されるように構成してもよい。
【0051】
4. 情報処理
4.1 情報処理の概要
図4は、情報処理システム1において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下において、主として情報処理装置2としてのホスト端末2において各処理が実行される場合が例示される。なお、当該処理は、情報処理装置2としての仲介サーバ2cにおいて実行されてもよい。
【0052】
図4は、情報処理装置2よるユーザ端末3との間の接続を確立するための処理の流れを示す。ホスト端末2は、所定の制御環境を利用可能である。そして、第1ゲスト端末3a及び第2ゲスト端末3bは、ホスト端末2に対する接続が確立されることによって当該制御環境を遠隔操作可能である。
【0053】
ホスト端末2の特定部216は、受信部211が受信した第1ゲスト端末3aによる接続要求を特定する。(ステップS01)。接続制御部218は、接続要求と、ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対する接続を確立する(ステップS02)接続要求は、第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対する接続を確立することを要求する情報である。設定情報は、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対する接続の状況に基づいて、接続要求を受け入れて第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対する接続を確立するように定義される。
【0054】
これにより、第2ゲスト端末3bが接続されているか否かを考慮してホスト端末2が第1ゲスト端末3aの接続要求を受入れるか否かを設定することができる。これにより、ホスト端末2の遠隔操作における利便性が改善される。例えば、第1ゲスト端末3aの接続要求により、先に接続されている第2ゲスト端末3bが切断されてしまうことを防止できる。
【0055】
4.2 情報処理の具体例
<設定情報に基づく遠隔操作の接続制御>
情報処理システム1において実行される処理の具体例を説明する。
図5は、ユーザ端末3とホスト端末2の間で接続を確立するための処理を示すアクティビティ図である。
図6は、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対する接続状況を第1ゲスト端末3aに表示させるための処理を示すアクティビティ図である。
【0056】
図5において、ホスト端末2の設定部217は、設定情報を、リモートデスクトップ接続を受け入れるように設定する(アクティビティA01)。例えば、設定部217は、ユーザ端末3からの接続要求の受け入れに関するレジストリ値を「0」に設定することにより、設定情報を「後着優先」でリモートデスクトップ接続が確立されるように設定する。これにより、設定情報は、接続要求を送信したユーザ端末3に対してリモートデスクトップ接続の確立を許容するように定義される。
【0057】
第2ゲスト端末3bにおいて、入出力部35がユーザからホスト端末2へ接続するための入力を受け付けると、第2ゲスト端末3bの送信部312はホスト端末2に対して接続要求を送信する(アクティビティA02)例えば、第2ゲスト端末3bにおいてWindows OSに標準のリモートデスクトップ接続ソフトウェアが起動され、入出力部35がユーザから所定のホスト端末2が選択されることにより、第2ゲスト端末3bからホスト端末2に対して接続要求が送信される。
【0058】
ホスト端末2において、受信部211が第2ゲスト端末3bからの接続要求を受信すると、特定部216は、第1ゲスト端末3aによる接続要求を特定し、接続制御部218は、当該接続要求と設定情報に基づいて、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対する接続を確立する。これにより、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が開始される(アクティビティA03)。
【0059】
ホスト端末2において、設定部217は、設定情報について、リモートデスクトップ接続を受け入れないように設定する(アクティビティA04)。例えば、設定部217は、ユーザ端末3からの接続要求の受け入れに関するレジストリ値を「1」に更新する。これにより、設定情報は、後に接続要求を送信したユーザ端末3に対してリモートデスクトップ接続の確立を許容しないように定義される。
【0060】
第1ゲスト端末3aにおいて、入出力部35がユーザからホスト端末2へ接続するための入力を受け付けると、第1ゲスト端末3aの送信部312はホスト端末2に対して接続要求を送信する(アクティビティA05)。例えば、第1ゲスト端末3aにおいてWindows OSに標準のリモートデスクトップ接続ソフトウェアが起動され、入出力部35がユーザから所定のホスト端末2が選択されることにより、第1ゲスト端末3aからホスト端末2に対して接続要求が送信される。
【0061】
ホスト端末2において、受信部211が第1ゲスト端末3aからの接続要求を受信すると、特定部216は、第2ゲスト端末3bによる接続要求を特定し、接続制御部218は、当該接続要求と設定情報に基づいて、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対する接続を拒否する(アクティビティA06)。これにより、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対する接続は確立されず、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が継続される。
【0062】
第2ゲスト端末3bにおいて、入出力部35がユーザからホスト端末2への接続を終了するための入力を受け付けると、第2ゲスト端末3bの送信部312はホスト端末2に対して終了要求を送信する(アクティビティA07)。例えば、第2ゲスト端末3bにおいてWindows OSに標準のリモートデスクトップ接続ソフトウェアにおいて、入出力部35がユーザから当該ホスト端末2との接続を切断する操作を受け付けることにより、第2ゲスト端末3bからホスト端末2に対して接続要求が送信される。
【0063】
ホスト端末2において、受信部211が第2ゲスト端末3bからの終了要求を受信すると、接続制御部218は第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対する接続を切断し、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を終了させる(アクティビティA08)。
【0064】
ホスト端末2において、設定部217は、設定情報を、リモートデスクトップ接続を受け入れるように設定する(アクティビティA09)。例えば、設定部217は、ユーザ端末3からの接続要求の受け入れに関するレジストリ値を「0」に更新する。これにより、設定情報は、後に接続要求を送信したユーザ端末3に対してリモートデスクトップ接続の確立を許容するように定義される。
【0065】
第1ゲスト端末3aにおいて、入出力部35がユーザからホスト端末2へ接続するための入力を再度受け付けると、第1ゲスト端末3aの送信部312はホスト端末2に対して接続要求を再度送信する(アクティビティA10)
【0066】
ホスト端末2において、受信部211が第1ゲスト端末3aからの接続要求を受信すると、特定部216は、第1ゲスト端末3aによる接続要求を特定し、接続制御部218は、当該接続要求と設定情報に基づいて、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対する接続を確立する。これにより、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を開始する(アクティビティA11)。
【0067】
ホスト端末2において、設定部217は、設定情報を、リモートデスクトップ接続を受け入れないように設定する(アクティビティA12)。例えば、設定部217は、ユーザ端末3からの接続要求の受け入れに関するレジストリ値を「1」に更新する。これにより、設定情報は、後に接続要求を送信したユーザ端末3に対してリモートデスクトップ接続の確立を許容しないように定義される。
【0068】
第1ゲスト端末3aにおいて、入出力部35がユーザからホスト端末2への接続を終了するための入力を受け付けると、第1ゲスト端末3aの送信部312はホスト端末2に対して終了要求を送信する(アクティビティA13)。
【0069】
ホスト端末2において、受信部211が第1ゲスト端末3aからの終了要求を受信すると、接続制御部218は第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対する接続を切断し、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を終了させる(アクティビティA14)。
【0070】
ホスト端末2において、設定部217は、設定情報を、リモートデスクトップ接続を受け入れるように設定する(アクティビティA15)。例えば、設定部217は、ユーザ端末3からの接続要求の受け入れに関するレジストリ値を「0」に更新する。これにより、設定情報は、後に接続要求を送信したユーザ端末3に対してリモートデスクトップ接続の確立を許容するように定義される。
【0071】
以上をまとめると、本実施形態における情報処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各部を備える。特定部は、第1ゲスト端末による接続要求を特定する。接続要求は、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報である。第1ゲスト端末及び第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、ホスト端末に対する接続が確立されることによってホスト端末を遠隔操作可能に構成される。接続制御部は、接続要求と、ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立する。設定情報は、前記第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続の状況に基づいて、接続要求を受け入れて第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立するように定義される。
【0072】
これにより、第2ゲスト端末が接続されているか否かを考慮してホスト端末が第1ゲスト端末の接続要求を受入れるか否かを設定することができ、ホスト端末の遠隔操作における利便性が改善される。
【0073】
また、本実施形態において、ホスト端末は、所定のデスクトップ環境を利用可能に構成される。第1ゲスト端末及び第2ゲスト端末は、ホスト端末に対する接続が確立されることによってデスクトップ環境を遠隔操作可能に構成される。
【0074】
これにより、リモートデスクトップ接続における利便性が改善される。
【0075】
また、本実施形態において、設定情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が確立されている場合には、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続の確立を許容しないように定義される。第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が確立されていない場合には、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続の確立を許容するように定義される。
【0076】
これにより、ホスト端末の遠隔操作における利便性が好適に改善される。
【0077】
<遠隔操作の利用状況の表示制御>
図6はホスト端末2おける接続状況をユーザ端末3に表示させるための処理を示すアクティビティ図である。本実施形態において、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が開始された場合(
図5のアクティビティA03参照)、及び、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が終了された場合に(
図5のアクティビティA08参照)、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対する接続状況が第1ゲスト端末3aに表示されるように構成される。
【0078】
図6において、ホスト端末2の接続制御部218が第2ゲスト端末3bのリモートデスクトップ接続を開始すると(アクティビティA16)、投稿部220は、開始情報を含む投稿情報をチャットアプリケーションのタイムラインに投稿させる(アクティビティA17)。アクティビティA17の処理は、
図5におけるアクティビティA04の処理と並行して実行されることが好ましい。ホスト端末2の表示制御部219と、第1ゲスト端末3a及び第2ゲスト端末3bの表示制御部319とは、開始情報を含む投稿情報を表示部24,34に表示させる。第1ゲスト端末3aにおいて、受信部311がチャットアプリケーションを提供するチャットサーバから開始情報を含む投稿情報を受信することにより、表示制御部319は当該投稿情報をチャットアプリケーションのタイムラインに表示させる(アクティビティA18)。換言すれば、表示制御部219,319は、ホスト端末2に対する接続の状況に関する開始情報を、少なくとも第1ゲスト端末3aに表示させる。
【0079】
続いて、ホスト端末2の接続制御部218が第2ゲスト端末3bのリモートデスクトップ接続を終了させると(アクティビティA19)、投稿部220は、終了情報を含む投稿情報をチャットアプリケーションのタイムラインに投稿させる(アクティビティA20)。アクティビティA20の処理は、
図5におけるアクティビティA09の処理と並行して実行されることが好ましい。ホスト端末2の表示制御部219と、第1ゲスト端末3a及び第2ゲスト端末3bの表示制御部319とは、終了情報を含む投稿情報を表示部24,34に表示させる。第1ゲスト端末3aにおいて、受信部311がチャットアプリケーションを提供するチャットサーバから終了情報を含む投稿情報を受信することにより、表示制御部319は当該投稿情報をチャットアプリケーションのタイムラインに表示させる(アクティビティA21)。表示制御部は、ホスト端末に対する接続の状況に関する終了情報を、少なくとも第1ゲスト端末に表示させる。
【0080】
本実施形態において、投稿情報はチャットアプリケーションにおけるユーザを識別するためのアカウントの1つである投稿アカウントに関連付けて構成され、投稿アカウントは、ホスト端末2に関連付けられている。これにより、投稿情報が容易にチャットアプリケーションのタイムラインに投稿される。
【0081】
開始情報は、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対する接続の確立が開始したことを示す。終了情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が終了したことを示す。また、開始情報及び終了情報の少なくとも一方は、第2ゲスト端末3bに関連付けられた第2ユーザを認識させるための第2ユーザ情報を含む。これにより、第1ゲスト端末3aに関連付けられた第1ユーザは、表示部34に表示された開始情報を視認することにより、第2ユーザが第2ゲスト端末3bを用いてホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を利用していることを把握できる。
【0082】
また、投稿情報は、複数のホスト端末2に含まれる特定のホスト端末2を第1ユーザに認識させるための識別情報を含む。これにより、第1ユーザは、表示部34に表示された開始情報を視認することにより、複数のホスト端末2のうちのいずれのホスト端末2が第2ユーザによって利用されているかを把握できる。
【0083】
図7は、ユーザ管理テーブル700の一例を示す図である。ユーザ管理テーブル700において、端末IDと、ユーザ名と、チャットアカウントIDと、チャットアカウント名が互いに関連付けて管理されている。端末IDは、情報処理装置2及びユーザ端末3を識別するための識別情報である。ユーザ名は、端末IDに対応する情報処理装置2及びユーザ端末3を使用するユーザを識別するための識別情報である。チャットアカウントIDとチャットアカウント名は、チャットアプリケーションにおけるユーザを識別するための識別情報である。端末ID及びユーザ名の少なくとも一方、及び、チャットアカウントID及びチャットアカウント名の少なくとも一方が互いに関連付けられていればよく、端末ID及びユーザ名の一方、または、チャットアカウントID及びチャットアカウント名の一方が省略されていてもよい。
【0084】
端末IDは、情報処理装置2及びユーザ端末3のそれぞれに対して個別に割り当てられた識別情報であり、互いに重複しない文字列が付与されている。本実施形態において、「IPX_share_01」は第1ホスト端末2aに、「IPX_share_02」は第2ホスト端末2bに、「IPX_0001」は第1ゲスト端末3aに、「IPX_0002」は第2ゲスト端末3bにそれぞれ対応する。
【0085】
ユーザ名は、情報処理装置2及びユーザ端末3に関連付けられた名称を示す文字列である。ユーザ端末3にはそれぞれの端末を使用するユーザの氏名が対応付けられており、情報処理装置2にはそれぞれの端末が複数のユーザによって使用される共有端末のいずれかであることを示す名称が付与されている。
【0086】
チャットアカウントIDは、チャットアプリケーションにおける各ユーザに対して個別に割り当てられた、互いに重複しない文字列である。本実施形態においては、共有端末である「IPX_share_01」及び「IPX_share_02」に対して共通のチャットアカウントIDが付与されているが、それぞれに異なるチャットアカウントIDが付与されてもよい。一方、各ユーザ端末3に対応する端末IDに対しては、固有のチャットアカウントIDが付与されている。
【0087】
チャットアカウント名は、各チャットアカウントIDに関連付けられた文字列であり、ユーザが視認することにより当該チャットアカウントIDに関連付けられたユーザを認識できる文字列が付与されている。本実施形態において、チャットアカウントID:CH_IPX_001に対しては、共有端末に対応し、かつ、個別のユーザが対応付けられていないことを認識できるよう、「システムアカウント」が付与されている。チャットアカウントID:CH_IPX_002に対しては、ユーザであるA村X平を他のユーザが認識できるように、氏名の一部である「A」が付与されている。チャットアカウントID:CH_IPX_003に対しては、ユーザであるB川Y里を他のユーザが認識できるように、氏名の一部である「B」が付与されている。チャットアカウント名は任意の文字列が付与され得るが、ユーザ名を認識しうるように氏名や愛称に関連する文字列であることが好ましい。
【0088】
図8は、チャットアプリケーションの画面の一例としての投稿画面800を示す参考図である。
図9は、チャットアプリケーションの画面の他の一例としての投稿画面900を示す参考図である。投稿画面800及び投稿画面900は、情報処理装置2における表示部24、または、ユーザ端末3における表示部34に表示される。
【0089】
図8において、投稿画面800は、ルーム一覧810と、タイムライン820とを含んで構成されている。ルーム一覧810に示されるルームのうちから、ユーザにより選択ルーム811が選択されると、選択ルーム811に対応するタイムライン820が表示される。同様に、
図9において、投稿画面900は、ルーム一覧910と、タイムライン920とを含んで構成されている。ルーム一覧910に示されるルームのうちから、ユーザにより選択ルーム911が選択されると、選択ルーム911に対応するタイムライン920が表示される。
【0090】
入出力部25,35がユーザから投稿文の入力を受け付けると、入力された内容が入力欄830,930に表示される。この状態で入出力部25,35がユーザから投稿ボタン840,940に対する操作入力を受け付けると、入力欄830,930に入力された情報が、投稿情報としてタイムライン820,920に投稿される。入力欄830,930には、テキスト情報、画像、動画、音声等が入力されるように構成される。
【0091】
本実施形態において、タイムライン820,920に表示される投稿情報は、投稿された日時に応じた順序で所定方向に沿って配置される。投稿日時850,950は、各投稿情報が投稿された日時を示す情報であり、各投稿情報に対応する投稿文が入力欄930に入力された後に投稿ボタン840,940が操作された日時である。タイムライン820において、投稿821,822が上方から下方に投稿日時に応じた順序で配置されている。タイムライン920において、投稿921.922,923,924が上方から下方に投稿日時に応じた順序で配置されている。
【0092】
図8における選択ルーム811は「情報共有」をトピックとしたチャットルームであり、主としてユーザ間における自由なコミュニケーションが実行される。従って、タイムライン820には、主としてユーザ端末3に関連付けられたユーザによる投稿が表示される。
【0093】
タイムライン820は、投稿情報としての投稿821及び投稿822と、入力欄830と、投稿ボタン840と、を含んで構成されている。投稿821及び投稿822のそれぞれは、投稿文と、当該投稿文を投稿したユーザを識別する投稿アカウントであるチャットアカウント名が関連付けて表示されている。投稿821は、A村X平からの投稿であることが認識できるように、チャットアカウント名である「A」と、当該ユーザを表すアバター画像が関連付けられている。投稿822は、B川Y里からの投稿であることが認識できるように、チャットアカウント名である「B」と、当該ユーザを表すアバター画像が関連付けられている。投稿821及び投稿822には、投稿アカウントとして、チャットアカウントID、端末ID、ユーザ名等が関連付けて表示されてもよい。
【0094】
図9における選択ルーム911は「共有端末」をトピックとしたチャットルームであり、主としてシステムアカウントから他のユーザに対する情報の発信が実行される。従って、タイムライン920には、主として共有端末であるホスト端末2関連付けられた投稿アカウントによる投稿が表示される。タイムライン920には、タイムライン820と同様に、ユーザ端末3に関連付けられたユーザによる投稿が表示されてもよい。
【0095】
タイムライン920は、投稿情報としての投稿921、投稿922、投稿923、及び投稿924と、入力欄930と、投稿ボタン940と、を含んで構成されている。投稿921は、システムアカウントからの投稿であることが認識できるように、チャットアカウント名である「システムアカウント」と、当該投稿アカウントを表すアバター画像が関連付けられている。投稿922,923,924は、直前の投稿921と同一のチャットアカウントに関連付けられているため、チャットアカウント名やバター画像の表示が省略されている。投稿921.922,923,924には、投稿アカウントとして、チャットアカウントID、端末ID、ユーザ名等が関連付けて表示されてもよい。
【0096】
本実施形態において、タイムライン920に表示される投稿情報は、開始情報と終了情報を含む。開始情報及び終了情報は、投稿文として以下の情報を含む。
・開始情報または終了情報のいずれかを特定するための情報
・遠隔操作の対象となるホスト端末2を特定するための情報
・接続または切断するユーザ端末3を特定するための情報
【0097】
投稿921は、第1ホスト端末2aにおける開始情報であり、開始情報であることを特定するための文字列である「利用を開始しました」及び「★」を含む。また、投稿921は遠隔操作の対象となる第1ホスト端末2aを特定するための文字列である「共有端末[1]」及び「★」を含む。「★」は、投稿921が開始情報であることと、第1ホスト端末2aを遠隔操作の対象とすることの両方を示している。共有端末[1]はユーザ管理テーブル700における第1ホスト端末2aの「ユーザ名」に対応するが、「端末ID」を用いてもよい。また、投稿921は、接続する第2ゲスト端末3bを特定するための文字列である「Bさん」を含む。「B」はユーザ管理テーブル700における第2ゲスト端末3bの「ユーザ名」に対応するが、「端末ID」、「チャットアカウントID」、「チャットアカウント名を用いてもよい。
【0098】
投稿922は、第1ホスト端末2aにおける終了情報であり、終了情報であることを特定するための文字列である「利用を終了しました」及び「★★」を含む。また、投稿921と同様に、遠隔操作の対象となるホスト端末2を特定するための文字列である「共有端末[1]」「★★」、及び、接続するユーザ端末3を特定するための文字列である「Bさん」を含む。「★★」は、投稿922が終了情報であることと、第1ホスト端末2aを遠隔操作の対象とすることの両方を示している。
【0099】
投稿923は第2ホスト端末2bにおける開始情報であり、開始情報であることを特定するための文字列である「利用を開始しました」及び「▼」を含む。また、遠隔操作の対象となるホスト端末2を特定するための文字列である「共有端末[2]」「▼」、及び、接続するユーザ端末3を特定するための文字列である「Aさん」を含む。「▼」は、投稿923が開始情報であることと、第2ホスト端末2bを遠隔操作の対象とすることの両方を示している。
【0100】
投稿924は、第2ホスト端末2bにおける終了情報であり、終了情報であることを特定するための文字列である「利用を終了しました」及び「▼▼」を含む。また、投稿923と同様に、遠隔操作の対象となるホスト端末2を特定するための文字列である「共有端末[2]」、及び、接続するユーザ端末3を特定するための文字列である「Aさん」を含む。「▼▼」は、投稿924が終了情報であることと、第2ホスト端末2bを遠隔操作の対象とすることの両方を示している。
【0101】
以上をまとめると、本実施形態において、表示制御部は、ホスト端末に対する接続の状況に関する開始情報及び終了情報を、少なくとも第1ゲスト端末に表示させる。開始情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が開始したことを示す。終了情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が終了したことを示す。
【0102】
これにより、通信量を抑制しつつ、第1ゲスト端末においてホスト端末の利用状況を確実に把握させることができる。例えば、ユーザ端末3においてホスト端末2における接続の状況に関する情報を継続的に取得することなく、ホスト端末2における接続の状況を把握できる。特に、開始情報が表示される一方で終了情報が表示されていない場合には、ホスト端末2に対する遠隔操作が利用中であることを把握できる。一方、特定のホスト端末2について終了情報が表示されるとともに、次の開始情報が表示されていない場合には、ホスト端末2に対する遠隔操作が利用可能であることを把握できる。
【0103】
また、本実施形態において、開始情報及び終了情報の少なくとも一方は、第2ゲスト端末に関連付けられた第2ユーザを認識させるための第2ユーザ情報を含む。
【0104】
これにより、第1ゲスト端末においてホスト端末の利用状況を確実に把握させることができる。第1ゲスト端末3aのユーザは、ホスト端末2の遠隔操作を利用中である第2ゲスト端末3bのユーザに対してホスト端末2の遠隔操作を終了するように依頼するなど、ホスト端末2の遠隔操作の利用に必要な措置を検討することができる。
【0105】
また、本実施形態において、投稿部は、開始情報及び終了情報の少なくとも一方を含む投稿情報をタイムラインに投稿させる。投稿情報は、開始情報及び終了情報の少なくとも一方が投稿アカウントに関連付けられて構成される。投稿アカウントは、ホスト端末に関連付けられている。
【0106】
これにより、第1ゲスト端末においてホスト端末の利用状況を、投稿アプリケーションを用いて容易に把握させることができる。
【0107】
また、本実施形態において、投稿情報は、複数のホスト端末に含まれる特定のホスト端末を第1ユーザに認識させるための識別情報を含む。
【0108】
これにより、第1ゲスト端末においてホスト端末の利用状況を、投稿アプリケーションを用いて容易に把握させることができる。特に、ユーザはチャットアプリケーションのタイムラインに表示される投稿情報が、いずれのホスト端末2に関するものであるかを容易に把握できる。
【0109】
<遠隔操作の自動切断>
図10は、情報処理装置2における遠隔操作の自動切断処理の流れを示すアクティビティ図である。自動切断処理は、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続が開始された後(
図5におけるアクティビティA03)、接続が終了されるまで(
図5におけるアクティビティA08)の間において実行される。自動切断処理は、第2ゲスト端末3bからの終了要求(
図5におけるアクティビティA07)に基づくことなく、情報処理装置2が第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続を終了させるための処理である。
【0110】
図10において、ホスト端末2の接続制御部218が第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続を開始すると(アクティビティA22)、判定部213は、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件は、例えば所定時間に亘って第2ゲスト端末3bによる制御環境の操作が実行されないことである。
【0111】
本実施形態において、終了条件は、所定時間に亘って第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が実行されないことである。所定時間は、例えば1分、3分、5分、10分、15分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、6時間、等、ホスト端末2において任意に設定することが可能である。なお、仲介サーバ2cを介してホスト端末2とユーザ端末3が接続される場合には、終了条件は、所定時間に亘って第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作を仲介サーバ2cが受け付けないことである。
【0112】
判定部213が、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が一定時間内に実行されていると判定する場合には、接続制御部218は当該第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続を継続する。一方、判定部213が、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が一定時間に亘って実行されていないと判定する場合には、接続制御部218は当該第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続を終了するための処理を実行する。
【0113】
リモートデスクトップ接続を終了するための処理は、例えば接続制御部218が第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を切断することである(アクティビティA23)。換言すれば、接続制御部218は、制御環境において終了条件が満たされたことに応じて、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対する接続を解除する。
【0114】
これにより、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が所定時間に亘って実行されていないことに応じて、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対する接続が終了する。従って、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が所定時間に亘って実行されなかった場合には、その後受信部211が第1ゲスト端末3aによる接続要求を受信したことに応じて、接続制御部218が第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対する接続を確立する。
【0115】
リモートデスクトップ接続を終了するための処理は、例えば、他のユーザ端末3である第1ゲスト端末3aによるリモートデスクトップ接続を受け入れるように、設定部217が設定情報を設定することであってもよい(アクティビティA24)。設定部217は、制御環境において終了条件が満たされたことに応じて設定情報を更新する。例えば、設定部217は、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が所定時間に亘って実行されていないことに応じて、ユーザ端末3からの接続要求の受け入れに関するレジストリ値を「1」に更新する。これにより、ホスト端末2は「後着優先」でユーザ端末3の接続要求に応じて接続を確立する。換言すれば、第2ゲスト端末3bがホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が確立されているか否かに関わらず、第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を確立するように、設定情報が更新される。
【0116】
これにより、第2ゲスト端末3bによるリモートデスクトップ接続による操作が所定時間に亘って実行されていない場合にも、第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が継続される。一方、その後受信部211が第1ゲスト端末3aによる接続要求を受信した場合には、接続制御部218は第2ゲスト端末3bによる接続を終了するとともに、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対する接続を確立する。
【0117】
アクティビティA23による処理とアクティビティA24による処理は、いずれか一方のみが実行されてもよいし、その両方が実行されてもよい。アクティビティA24による処理は、アクティビティA23による処理と並行して実行されてもよいし、アクティビティA23による処理が実行された後に実行されてもよい。
【0118】
また、終了条件は所定時間に亘って第2ゲスト端末3bによる制御環境の操作が実行されないことに限られない。終了条件は、ホスト端末2の制御環境における所定の条件が満足されたことであってもよく、例えば、接続アプリケーションとは異なる所定のアプリケーションが動作を終了されたこと、当該所定のアプリケーションがバックグラウンドに移動されたことあってもよい。これにより、第2ゲスト端末3bのユーザがホスト端末2における所望の作業が終了し、遠隔操作を終了させても問題ない状況であると判断し得る。
【0119】
以上をまとめると、本実施形態において、接続制御部は、ホスト端末において終了条件が満たされたことに応じて、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続を解除する。
【0120】
これにより、第2ゲスト端末による遠隔接続の利用状況に応じて第1ゲスト端末による遠隔接続の確立が可能になり、第1ゲスト端末における利便性が改善される。
【0121】
また、本実施形態において、設定情報は、ホスト端末において終了条件が満たされたことに応じて更新される。設定情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が確立されているか否かに関わらず、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立するように、更新される。
【0122】
これにより、第2ゲスト端末による遠隔接続の利用状況に応じて第1ゲスト端末による遠隔接続の確立が可能になり、第1ゲスト端末における利便性が改善される。
【0123】
また、本実施形態において、終了条件は、所定時間に亘って第2ゲスト端末によるホスト端末の遠隔操作が実行されないことを含む。
【0124】
これにより、第1ゲスト端末における利便性がさらに改善される。特に、第2ゲスト端末のユーザがホスト端末における所望の作業が終了し、遠隔操作を終了させても問題ない状況であることを容易に判断し得る。
【0125】
<変形例>
上述した本実施形態において、ホスト端末2とユーザ端末3の間における接続が、ホスト端末2、または、ホスト端末2とユーザ端末3の接続を仲介する仲介サーバにおける接続制御部218によって制御されることを説明したが、これに限られない。例えば、ホスト端末2とユーザ端末3の間における接続が、ユーザ端末3における接続制御部318によって制御されてもよい。
【0126】
図11は、ユーザ端末3の接続制御部318による、ホスト端末2とユーザ端末3の間における接続の確立を制御するための処理の流れを示すアクティビティ図である。
図12は、第1ゲスト端末3aにおけるディスプレイに表示される接続画面1200の一例を示す参考図である。
【0127】
ホスト端末2において、送信部212は、リモートデスクトップ接続の状況を示す情報を、第1ゲスト端末3aに対して送信する(アクティビティA30)。第1ゲスト端末3aにおいて、受信部311がホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を示す情報を受信すると、表示制御部319は、表示部34にホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を表示させる(アクティビティA31)。
【0128】
図12は、第1ゲスト端末3aにおける表示部34に表示される接続画面1200の一例を示す。接続画面1200は、ユーザ端末3のホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続の状況を示す。第1ゲスト端末3aにおけるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を実行するためのアプリケーションである。接続画面1200は、接続先端末情報1210と、接続ボタン1211と、接続先端末情報1220と、接続ボタン1221と、更新ボタン1230と、遷移ボタン1240と、を含む。
【0129】
接続先端末情報1210は、第1ホスト端末2aにおけるリモートデスクトップの状況を示す。接続ボタン1211は、第1ゲスト端末3aから第1ホスト端末2aに対する接続要求を送信させるための操作子である。接続先端末情報1220は、第2ホスト端末2bにおけるリモートデスクトップの状況を示す。接続ボタン1221は、第1ゲスト端末3aから第2ホスト端末2bに対する接続要求を送信させるための操作子である。
【0130】
第1ゲスト端末3aは、ホスト端末2からリモートデスクトップ接続の状況に関する情報を所定の間隔で取得する。リモートデスクトップ接続の状況に関する情報は、例えば、当該ホスト端末2に対する接続が確立されているユーザ端末3の有無を示す情報や、接続が確立されているユーザ端末3を特定する情報である。所定の間隔は、例えば1分、3分、5分、7分、10分、等である。また、所定の間隔でユーザによる操作によらずにリモートデスクトップ接続の状況に関する情報を取得するほか、更新ボタン1230がユーザによって操作されることにより、リモートデスクトップ接続の状況に関する情報を取得するように構成される。
【0131】
第1ゲスト端末3aは、各ホスト端末2におけるリモートデスクトップ接続の状況に関する情報に基づいて、接続画面1200を生成する。例えば、モートデスクトップ接続の状況に関する情報に基づいて、接続先端末情報1210及び接続先端末情報1220を表示させる。本実施形態において、第1ホスト端末2aと他のユーザ端末3との間で接続が確立されているため、接続先端末情報1210において「使用中」である旨が表示されている。また、第1ゲスト端末3aが第1ホスト端末2aに接続することができないことを示すように、接続ボタン1211操作できないことを認識することができるように表示されている。また、第2ホスト端末2bと他のユーザ端末3との間で接続が確立されていないため、接続先端末情報1220において「接続可能」である旨が表示されている。また、第1ゲスト端末3aが第2ホスト端末2bに接続することができることを示すように、接続ボタン1221が操作可能であることを認識できるように表示されている。
【0132】
接続画面1200において、ホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を正確に表示させるためには、ホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を示す情報を高頻度に受信する必要がある。本実施形態においても、投稿部220が開始情報及び終了情報をチャットアプリケーションに投稿し、第1ゲスト端末3aにおいて表示制御部319が投稿された開始情報及び終了情報をタイムラインに表示させることが好ましい。換言すれば、表示制御部219,319は、ホスト端末2に対する接続に関する開始情報及び終了情報を少なくとも第1ゲスト端末3aに表示させるための表示情報を生成する。開始情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続の確立が開始したことを示す。終了情報は、確立されたリモートデスクトップ接続が終了したことを示す。これにより、第1ゲスト端末3aにおいて、ホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を示す情報を高頻度に受信することなく、ホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を正確に表示させることができる。
【0133】
図12において、接続画面1200が遷移ボタン1240を含んでおり、遷移ボタン1240が操作されることにより、表示部34には
図10に示されるチャットアプリケーションのタイムラインが表示されるように遷移してもよい。これにより、第1ゲスト端末3aにおいて、ホスト端末2のリモートデスクトップ接続の状況を容易に表示し得る。なお、遷移ボタン1240に換えて、接続画面1200にチャットアプリケーションのタイムラインが表示されるように構成してもよい。例えば、リモートデスクトップ接続を実行するためのアプリケーションが、チャットアプリケーションから「共有端末」ルームにおけるタイムラインに投稿された投稿情報を取得することにより、接続画面1200に投稿情報を表示されることができる。
【0134】
第1ゲスト端末3aにおいて、入出力部35を介してユーザによるリモートデスクトップ接続の開始操作を受け付けると(アクティビティA32)、接続制御部318は接続要求を生成する(アクティビティA33)。これにより、特定部316は、第1ゲスト端末3aによる接続要求を特定する。接続要求は、第1ゲスト端末3aのホスト端末2に対する接続を確立することを要求する情報である。
【0135】
ホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続を確立している他のユーザ端末3が存在しない場合には、接続制御部318は、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が利用可能であると判断し、特定部316は、生成された接続要求を特定する。送信部312は、特定された接続要求をホスト端末2に対して送信する。
【0136】
図12において、第2ホスト端末2bは、接続先端末情報1220に示されるように、他のユーザ端末3との間で接続が確立されておらず、リモートデスクトップ接続が利用可能な状態である。従って、ユーザにより接続ボタン1221が操作されると、第1ゲスト端末3aから、接続先端末情報1220に示された共有端末[2]に対応する第2ホスト端末2bに対して、接続要求が送信される。
【0137】
ホスト端末2において、受信部211が第1ゲスト端末3aからの接続要求を受信すると、接続制御部218は第2ゲスト端末3bによるホスト端末2に対する接続を確立し、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続を開始する(アクティビティA35)。
【0138】
一方、ホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続を確立している他のユーザ端末3が存在する場合には、第1ゲスト端末3aによるホスト端末2に対するリモートデスクトップ接続が利用不可能であると判断し、接続制御部318は、生成した接続要求を無効化し、接続要求がホスト端末2に対して送信されないように制御する。
【0139】
なお、ホスト端末2に対してリモートデスクトップ接続を確立している他のユーザ端末3が存在する場合に、接続制御部318は接続要求を生成しないように制御してもよい。
【0140】
図12において、第1ホスト端末2aは、接続先端末情報1210に示されるように、他のユーザ端末3との間で接続が確立されており、リモートデスクトップ接続が利用不可能な状態である。従って、ユーザにより接続ボタン1211が操作されると、第1ゲスト端末3aから、接続先端末情報1220に示された共有端末[1]に対応する第1ホスト端末2aに対して、接続要求が送信されないように制御される。例えば、接続ボタン1211が操作されることによって生成された接続要求が、第1ホスト端末2aに対して送信させることなく無効化されるよう制御してもよい。また、接続ボタン1211がユーザによって操作されたとしても、接続要求が生成されないように制御してもよい。接続ボタン1211は、グレーアウトされるなどして、ユーザによって操作されても接続要求が第1ホスト端末2aに対して送信されないことを示すように構成してもよい。
【0141】
以上をまとめると、本実施形態における情報処理システム1は、少なくとも1つのプロセッサを備える。プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各部を備える。特定部は、第1ゲスト端末による接続要求を特定する。接続要求は、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報である。第1ゲスト端末及び第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、ホスト端末に対する接続が確立されることによってホスト端末を遠隔操作可能に構成される。第2ゲスト端末は、接続要求と、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続の状況に基づいて、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続が確立される。接続制御部は、接続要求に基づいて、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立する。表示制御部は、ホスト端末に対する接続の状況に関する開始情報及び終了情報を少なくとも第1ゲスト端末に表示させる。開始情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が開始したことを示す。終了情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続が終了したことを示す。
【0142】
これにより、通信量を抑制しつつ、第1ゲスト端末においてホスト端末の利用状況を確実に把握させることができる。
【0143】
<その他>
【0144】
上述した実施形態において、第1ゲスト端末3aと第2ゲスト端末3bは異なるユーザによって操作されることを前提としたが、同一のユーザによって操作されてもよい。情報処理装置2において、判定部213が、接続要求を送信した第1ゲスト端末3aと第2ゲスト端末3bが同一ユーザに関連付けられている場合には、接続制御部218は「後着優先」で接続を確立するように制御してもよい。例えば、第2ゲスト端末3bが情報処理装置2に対して接続されている状態で、第2ゲスト端末3bと同一ユーザによって操作されている第1ゲスト端末3aからの接続要求を情報処理装置2が受信した場合に、第2ゲスト端末3bの接続を終了させるとともに、第1ゲスト端末3aとの接続を確立させる。判定部213は、
図7に示されるユーザ管理テーブル700を参照し、第1ゲスト端末3aの端末IDに関連付けられたユーザ名と、第2ゲスト端末3bの端末IDに関連付けられたユーザ名とを比較することにより、両者が同一であるか否かを判定し得る。
【0145】
換言すれば、本実施形態において、接続制御部218は、第1ゲスト端末3aと第2ゲスト端末3bが同一ユーザに関連付けられている場合には、第2ゲスト端末3bのホスト端末2に対する接続が確立されているか否かに関わらず、接続要求に応じて第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立する。
【0146】
これにより、同一ユーザが第1ゲスト端末及び第2ゲスト端末を用いてホスト端末の遠隔操作を実行する場合における利便性が改善される。例えば、第1ゲスト端末3aと第2ゲスト端末3bが同一ユーザによって操作されている場合には、当該ユーザは後から接続要求を送信したユーザ端末3においてホスト端末2に対する遠隔操作を実行したいものと推測できる。従って、当該ユーザの、先に接続したユーザ端末3において接続の解除を実行する手間が削減される。
【0147】
情報処理システム1に含まれる装置のうち少なくとも1つは、国外に設置されていても良い。例えば、情報処理装置2が海外に設置され、国内のユーザ端末3のユーザに対してサービスが提供されてもよい。また、国内に設置された情報処理装置2に対して、国外のユーザ端末3がアクセスしてもよい。
【0148】
本実施形態では、各機能部が1つの情報処理装置2の制御部21、ユーザ端末3の制御部31によって実現されるとして説明されているが、この少なくとも一部が複数の情報処理装置2、複数のユーザ端末3によって分散して実現されていてもよい。また、情報処理装置2の記憶部22及びユーザ端末3の記憶部32が、他の外部装置に分散的に記憶されていてもよい。この場合、ブロックチェーン等を基盤とした分散台帳管理がなされていてもよい。
【0149】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0150】
(1)情報処理システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、ここで、前記接続要求は、前記第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、前記第1ゲスト端末及び前記第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記ホスト端末を遠隔操作可能に構成され、接続制御ステップでは、前記接続要求と、前記ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立し、ここで、前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の状況に基づいて、前記接続要求を受け入れて前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立するように定義される、情報処理システム。
【0151】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記ホスト端末は、所定のデスクトップ環境を利用可能に構成され、前記第1ゲスト端末及び前記第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記デスクトップ環境を遠隔操作可能に構成される、情報処理システム。
【0152】
(3)上記(1)または(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されている場合には、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の確立を許容しないように定義され、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されていない場合には、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の確立を許容するように定義される、情報処理システム。
【0153】
(4)上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、表示制御ステップでは、前記ホスト端末に対する接続の状況に関する開始情報及び終了情報を、少なくとも前記第1ゲスト端末に表示させ、ここで、前記開始情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が開始したことを示し、前記終了情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が終了したことを示す、情報処理システム。
【0154】
(5)上記(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記開始情報及び前記終了情報の少なくとも一方は、前記第2ゲスト端末に関連付けられた第2ユーザを認識させるための第2ユーザ情報を含む、情報処理システム。
【0155】
(6)上記(4)または(5)に記載の情報処理システムにおいて、投稿ステップでは、前記開始情報及び前記終了情報の少なくとも一方を含む投稿情報をタイムラインに投稿させ、ここで、前記投稿情報は、前記開始情報及び前記終了情報の少なくとも一方が投稿アカウントに関連付けられて構成され、前記投稿アカウントは、前記ホスト端末に関連付けられている、情報処理システム。
【0156】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記投稿情報は、複数の前記ホスト端末に含まれる特定の前記ホスト端末を前記第1ゲスト端末のユーザに認識させるための識別情報を含む、情報処理システム。
【0157】
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記接続制御ステップでは、前記ホスト端末において終了条件が満たされたことに応じて、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を解除する、情報処理システム。
【0158】
(9)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記設定情報は、前記ホスト端末において終了条件が満たされたことに応じて更新され、ここで、前記設定情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されているか否かに関わらず、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立するように、更新される、情報処理システム。
【0159】
(10)上記(8)または(9)に記載の情報処理システムにおいて、前記終了条件は、所定時間に亘って前記第2ゲスト端末による前記ホスト端末の遠隔操作が実行されないことを含む、情報処理システム。
【0160】
(11)上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記接続制御ステップでは、前記第1ゲスト端末と前記第2ゲスト端末が同一ユーザに関連付けられている場合には、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立されているか否かに関わらず、前記接続要求に応じて前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立する、情報処理システム。
【0161】
(12)情報処理システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、ここで、前記接続要求は、前記第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、前記第1ゲスト端末及び前記第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、前記ホスト端末に対する接続が確立されることによって前記ホスト端末を遠隔操作可能に構成され、前記接続要求と、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続の状況に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が確立され、接続制御ステップでは、前記接続要求に基づいて、前記第1ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続を確立し、表示制御ステップでは、前記ホスト端末に対する接続の状況に関する開始情報及び終了情報を少なくとも前記第1ゲスト端末に表示させ、ここで、前記開始情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が開始したことを示し、前記終了情報は、前記第2ゲスト端末の前記ホスト端末に対する接続が終了したことを示す、情報処理システム。
【0162】
(13)情報処理方法であって、上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の情報処理システムが実行する各ステップを備える、情報処理方法。
【0163】
(14)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させるための、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0164】
最後に本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは例示であり、発明の範囲を限定することは意図されていない。本実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、置き換え、変更、省略を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0165】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置(ホスト端末)
3 :ユーザ端末(ゲスト端末)
11 :通信ネットワーク
20 :通信バス
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :表示部
25 :入出力部
30 :通信バス
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :表示部
35 :入出力部
700 :ユーザ管理テーブル
800 :投稿画面
900 :投稿画面
1200 :接続画面
【要約】
【課題】ホスト端末の遠隔操作における利便性を改善する技術を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムであって、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、プログラムを読み出すことで次の各ステップを実行するように構成され、特定ステップでは、第1ゲスト端末による接続要求を特定し、接続要求は、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立することを要求する情報であり、第1ゲスト端末及び第1ゲスト端末と異なる第2ゲスト端末は、ホスト端末に対する接続が確立されることによってホスト端末を遠隔操作可能に構成され、接続制御ステップでは、接続要求と、ホスト端末を制御する設定情報と、に基づいて、第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立し、設定情報は、第2ゲスト端末のホスト端末に対する接続の状況に基づいて、接続要求を受け入れて第1ゲスト端末のホスト端末に対する接続を確立するように定義される、情報処理システムが提供される。
【選択図】
図1