(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】GLP-1化合物の経口投薬
(51)【国際特許分類】
A61K 38/26 20060101AFI20241025BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241025BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241025BHJP
A61K 31/192 20060101ALI20241025BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20241025BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20241025BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20241025BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20241025BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
A61K38/26
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/192
A61K47/12
A61K47/32
A61K47/38
A61P3/04
A61P3/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019235054
(22)【出願日】2019-12-25
(62)【分割の表示】P 2016511088の分割
【原出願日】2014-05-02
【審査請求日】2020-01-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-24
(32)【優先日】2013-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレミング・セイエル・ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】ペル・サウエルバリ
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】山村 祥子
【審判官】齋藤 恵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/080471(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/009545(WO,A1)
【文献】特表2004-521093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K38/00
BIOSIS/MEDLINE/EMBASE/CA(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GLP-1ペプチドを含む、2型糖尿病又は肥満症の治療方法において、1日おき又はそれ超の
頻度で経口投与によって投与されるように用いられることを特徴とする、2型糖尿病又は肥満症の治療方法に用いるための組成物であって、前記ペプチドは、アシル化GLP-1(7-37)、又は、3個以下のアミノ酸修飾を有する前記アシル化GLP-1(7-37)の類似体であり、且つ、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する、組成物。
【請求項2】
GLP-1ペプチドを含む、2型糖尿病又は肥満症の治療方法において、1日おき又はそれ超の
頻度で、経口で投与されるように用いられることを特徴とする、2型糖尿病又は肥満症の治療方法に用いるための組成物であって、前記ペプチドは、アシル化GLP-1(7-37)、又は、3個以下のアミノ酸修飾を有する前記アシル化GLP-1(7-37)の類似体であり、且つ、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する、組成物。
【請求項3】
固体剤形、例えば錠剤又はカプセル剤の形態である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記ペプチドの
1日おき又はそれ超の頻度での投与における日数での投薬間隔との間の比が2:1超である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ヒトにおける前記GLP-1ペプチドの日数での血漿内半減期と前記GLP-1ペプチドの
1日おき又はそれ超の頻度での投与における日数での投薬間隔との間の比が3:1超である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1日に1回投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記GLP-1ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記GLP-1ペプチドが、1~25mgの量で投与されるように用いられることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
更に、SNAC、微結晶性セルロース、ポビドンK90、及びステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口療法におけるGLP-1ペプチドの改善された使用に関する。
【背景技術】
【0002】
経口経路は、薬物投与のための格段に最も広範に使用される経路である。しかし、ペプチド及びタンパク質、例えば、GLP-1ペプチドの投与は、いくつかの障害、例えば、胃腸管及び腸粘膜における酵素分解、腸粘膜からの不十分な吸収、並びに肝臓における初回通過代謝によって、好ましい経口投与よりむしろ非経口経路に限定されることが多い。
【0003】
WO2007/024700は、エキセンディンペプチドの使用によって、体重を低減させ、糖尿病を治療する方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO2007/024700
【文献】WO2009/030738
【文献】WO96/030036
【文献】WO00/046182
【文献】WO01/092206
【文献】WO2008/028859
【文献】WO2007/121318
【文献】WO2006/097537
【文献】WO2011/080103
【文献】WO2008/034881
【文献】WO2009/083549
【文献】WO2010/029159
【文献】WO2003/72195
【文献】PCT出願PCT/EP2013/055362
【文献】PCT出願PCT/EP2013/055363
【非特許文献】
【0005】
【文献】Johan Gabrielsson及びDaniel Weiner: Pharmacokinetics and Pharmacodynamic Data Analysis. Concepts & Applications、第3版、Swedish Pharmaceutical Press、Stockholm(2000)
【文献】R. F. Taylor、(1991)、「Protein immobilisation. Fundamental and applications」
【文献】Marcel Dekker、N.Y.; S. S. Wong、(1992)、「Chemistry of Protein Conjugation and Crosslinking」、CRC Press、Boca Raton
【文献】G. T. Hermansonら(1993)、「Immobilized Affinity Ligand Techniques」、Academic Press、N.Y.
【文献】Handbook of Pharmaceutical Excipients、第6版、Roweら、編、American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press, publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain (2009)
【文献】Remington: the Science and Practice of Pharmacy、第21版、Gennaro、編、Lippincott Williams & Wilkins (2005)
【文献】Greene及びWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、血漿濃度における可変性が許容される、経口経路によるGLP-1ペプチドの投与又は使用のための改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態において、本発明は、経口投与による医薬としての使用のためのGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、a)前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与され、或いはb)前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される。
【0008】
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者にGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物を経口的に投与することを含む、医学的治療の方法に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、a)前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与され、或いはb)前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される。
【0009】
本発明はまた、例示的な実施形態の開示から明らかであるさらなる問題を解決し得る。
【0010】
本発明の方法又は使用は、例えば、それを必要とする対象へのGLP-1ペプチドの投与を含む。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、0.5~100mgの範囲、例えば、0.5~50mg又は0.5~25mgの範囲の量で投与される。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、1~25mg又は5~50mgの範囲の量で投与される。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、0.5~10mg又は0.5~5mgの範囲の量で投与される。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、1~1000nM、例えば、1~300nM又は10~100nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、少なくとも60時間のヒトにおける血漿内半減期を有するGLP-1ペプチドを経口的に投与する方法(例えば、投薬レジメン)、又は言い換えると、例えば、2型糖尿病治療のための療法における前記GLP-1ペプチドの改善された使用に関する。GLP-1ペプチドは、固体剤形、例えば、錠剤で投与し得る。
【0012】
少なくとも60時間のヒトにおける血漿内半減期を有するGLP-1ペプチドは、低頻度の投与、例えば、週1回の投与で経口投薬レジメンに好ましく含まれることが予想されてきた。このような投薬レジメンは、例えば、GLP-1ペプチドであるセマグルチドの週1回のs.c.投与のために使用される。例えば、セマグルチドは、1.34mg/mlのセマグルチド、1.42mg/mlのリン酸水素二ナトリウム二水和物、14.0mg/mlのプロピレングリコール、5.50mg/mlのフェノール、pH7.4を含む水性組成物の形態で注射、例えば、s.c.注射によって投与することができ、塩酸及び/又は水酸化ナトリウムを使用してpHを調節する。代わりに、セマグルチドは、4.1mg/mlのセマグルチド、1.42mg/mlのリン酸水素二ナトリウム二水和物、14.0mg/mlのプロピレングリコール、5.50mg/mlのフェノール、pH7.4を含む水性組成物の形態で注射、例えば、s.c.注射によって投与することができ、塩酸及び/又は水酸化ナトリウムを使用してpHを調節する。
【0013】
しかし、本発明の方法又は使用によってGLP-1ペプチドを投薬するとき、GLP-1ペプチドの血漿濃度における可変性はより低いことを本発明者らは驚いたことに見出した。本発明は、前記GLP-1ペプチドの半減期が示唆するより頻度の高い前記GLP-1ペプチドの経口投与を含む、少なくとも60時間のヒトにおける血漿内半減期を有するGLP-1ペプチドの経口投与のための投薬レジメンとして見てもよく、前記GLP-1ペプチドは、固体剤形、例えば、錠剤で投与し得る。
【0014】
下記の非限定的例は、本発明の一態様を更に例示する。GLP-1ペプチドであるセマグルチドを含む錠剤の1日1回の経口投与は、ある期間(例えば、1カ月間)投与したとき、同じ期間の代替の投薬レジメン(例えば、週1回投与を使用した投薬レジメン)を使用した前記ペプチドの経口投与と比較して、前記ペプチドの血漿濃度におけるより低い可変性を驚いたことに実現する。本明細書における実施例1~3は、驚いたことに、GLP-1ペプチドを含む錠剤の毎日の経口投与が、血漿濃度における可変性の低減を実現することを示す。GLP-1ペプチドの週1回の投与を使用した投薬レジメンは、単回用量投与のそれと同様の範囲でGLP-1ペプチドの血漿濃度における可変性をもたらすことが予想される。
【0015】
本発明の方法又は使用によるGLP-1ペプチドを使用するとき、GLP-1ペプチドの血漿濃度における可変性は、集団への各用量の後のGLP-1ペプチドの血漿濃度を測定し、代替の投薬レジメンの後に同様の測定を行ったときの測定結果と比較したとき、このように驚いたことにより低い。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明は、前記GLP-1ペプチドの血漿濃度における可変性における改善を実現する、GLP-1ペプチドの特定の経口投薬レジメンに関する。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、代替の投薬レジメンに従った投与と比較して改善された可変性を実現する投薬レジメンによって投与される。
【0017】
集団及び/又は患者における血漿濃度における可変性の低減、並びにしたがって最小及び最大の血漿濃度の間のより低い差異は、より少ないGLP-1に関連する副作用(例えば、悪心及び嘔吐)、並びに医学的治療のより良好な効果(例えば、血中グルコース及び体重の低減)をもたらす。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明は、経口投与による医薬としての使用のためのGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与される。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者にGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物を経口的に投与することを含む医学的治療の方法に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与される。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明の方法又は使用は、1日2回、1日1回、又は1日おきの投与を含む。いくつかの実施形態において、本発明の方法又は使用は、少なくとも1日おき(すなわち、1日おき又はそれ超の頻度の投与)、少なくとも1日1回、又は少なくとも1日2回の投与を含む。
【0020】
変動における低減は、本発明の投薬レジメンを使用した数回の投与の後まで起こることが予想されない。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の方法又は使用は、少なくとも3回の投与等、ある期間行われる。いくつかの実施形態において、方法又は使用は、少なくとも5回又は少なくとも7回の投与を含む。いくつかの実施形態において、方法又は使用は、少なくとも10回、少なくとも14回又は少なくとも21回の投与を含む。いくつかの実施形態において、方法又は使用は、少なくとも2週間、少なくとも3週間、又は少なくとも4週間の期間行われる。
【0021】
可変性は、投薬間隔(すなわち、1回の経口投薬から次の経口投薬まで)における血漿濃度レベル(すなわち、Cmax、AUC又はC平均)を比較することによって評価される。いくつかの実施形態において、「可変性」という用語は、本明細書において、GLP-1ペプチドの血漿濃度に関連して使用するとき、投薬間隔におけるGLP-1ペプチドの血漿濃度レベル(すなわち、Cmax、AUC又はC平均)における%CVを意味することを意図する。いくつかの実施形態において、「可変性」という用語は、本明細書において、GLP-1ペプチドの血漿濃度に関連して使用するとき、集団への各投薬の後のGLP-1ペプチドの血漿濃度レベル(すなわち、Cmax、AUC又はC平均)における%CV又は%RSDを意味することを意図する。
【0022】
いくつかの実施形態において、本発明の方法又は使用は、GLP-1ペプチドを経口的に投与するのに特に適しており、経口投与ではバイオアベイラビリティーは低い。低バイオアベイラビリティーは、10%未満のバイオアベイラビリティーであり得る。本明細書において使用する場合、化合物の「バイオアベイラビリティー」という用語は、静脈内に投与された同じ量の前記化合物の血漿濃度に対する、経口的に投与された前記化合物の血漿濃度を指す。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明は、対象への薬学的活性GLP-1ペプチドの経口投与の方法又は使用に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記方法は、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む。本発明のいくつかの実施形態において、ヒトにおけるGLP-1ペプチドの血漿内半減期は、約70時間であり、前記方法は、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ヒトにおけるGLP-1ペプチドの血漿内半減期は、少なくとも100時間であり、前記方法は、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ヒトにおけるGLP-1ペプチドの血漿内半減期は、少なくとも120時間であり、前記方法は、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、ヒトにおけるGLP-1ペプチドの血漿内半減期は、少なくとも160時間であり、前記方法は、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明は、糖尿病の治療における経口医薬品としての1日おき又はそれ超の頻度の使用のためのGLP-1ペプチドに関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、本発明は、糖尿病の治療における経口医薬品としての1日おき又はそれ超の頻度の使用のためのGLP-1ペプチドに関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも70時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、本発明は、糖尿病の治療における経口医薬品としての1日おき又はそれ超の頻度の使用のためのGLP-1ペプチドに関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも100時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、本発明は、糖尿病の治療における経口医薬品としての1日おき又はそれ超の頻度の使用のためのGLP-1ペプチドに関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも120時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、本発明は、糖尿病の治療における経口医薬品としての1日おき又はそれ超の頻度の使用のためのGLP-1ペプチドに関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも160時間の血漿内半減期を有する。
【0025】
「血漿内半減期」とは、本明細書において、最初の分布相の後に測定した、投与(i.v.(静脈内)又はp.o.(経口的))後に血漿濃度が半減するのにかかる期間を意味する。
【0026】
いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドの「有効量」は、本明細書において使用する場合、所与の疾患又は状態及びその合併症の臨床徴候を治癒し、軽減し、又は部分的に抑止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに適正な量は、「有効量」と定義される。各目的のための有効量は、疾患又は傷害の重症度、並びに対象の体重及び全身状態によって決まる。適当な投与量を決定することは、値のマトリックスを構築し、マトリックスにおける異なるポイントを試験することによって通常の実験法を使用して達成し得ることが理解され、これは全て訓練された医師又は獣医の通常の技量内である。
【0027】
いくつかの実施形態において、「治療」又は「治療する」という用語は、本明細書において使用する場合、状態、例えば、疾患又は障害と戦う目的のための患者の管理及びケアを意味する。いくつかの実施形態において、「治療」又は「治療する」という用語は、患者が患っている所与の状態についての完全な範囲の治療、例えば、症状又は合併症を軽減し;疾患、障害、若しくは状態の進行を遅延させ;症状及び合併症を軽減若しくは緩和し;かつ/又は、疾患、障害、若しくは状態を治癒し、若しくは除去し、状態を予防するための活性GLP-1ペプチドの投与を含むことを意図する。いくつかの実施形態において、予防は、疾患、状態、又は障害と戦う目的のための患者の管理及びケアとして理解され、症状又は合併症の開始を予防するための活性GLP-1ペプチドの投与を含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、可変性は、100%未満であり、すなわち、血漿濃度は、1回の投薬から次の投薬まで100%未満で変化する。いくつかの実施形態において、血漿濃度における可変性は、1回の投薬から次の投薬までのGLP-1の血漿濃度を比較したとき、90%若しくはそれ未満、代わりに80%若しくはそれ未満、代わりに70%若しくはそれ未満である。いくつかの実施形態において、血漿濃度における可変性は、1回の投薬から次の投薬までのGLP-1の血漿濃度を比較したとき、60%若しくはそれ未満、代わりに50%若しくはそれ未満、代わりに40%若しくはそれ未満である。いくつかの実施形態において、可変性は、少なくとも5人の対象、例えば、少なくとも10人の対象の集団に基づいて決定される。
【0029】
「代替の投薬レジメン」という用語は、本明細書において特許請求した方法に入らない投薬レジメンを意味する。いくつかの実施形態において、「代替の投薬レジメン」という用語は、本明細書において使用する場合、単一の投与、週1回若しくはそれ未満の頻度の投与、又は隔週若しくはそれ未満の頻度の投与からなる群から選択される投薬間隔を含む投薬レジメン(すなわち、方法又は使用)である。
【0030】
いくつかの実施形態において、本発明は、経口投与による医薬としての使用のためのGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする患者にGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物を経口的に投与することを含む医学的治療の方法に関し、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明は、対象に投与される低クリアランスのGLP-1ペプチドの経口投与の方法又は使用に関し、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比は、2:1若しくはそれ超、例えば、3:1若しくはそれ超、又は4:1若しくはそれ超である。いくつかの実施形態において、ヒトにおけるGLP-1ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比は、5:1超又は6:1超である。いくつかの実施形態において、ヒトにおけるGLP-1ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比は、7:1超又は14:1超である。本発明のいくつかの実施形態において、経口投与の方法又は使用について記載し、治療的に有効な投与量の低クリアランスのGLP-1ペプチドを、対象に投与し、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比は、2:1若しくはそれ超である。このように、前記GLP-1ペプチドの血漿内半減期が、ヒトにおいて例えば、2日であるとき、前記ペプチドの日数での投薬間隔は、1日若しくはそれ未満であり、すなわち、ペプチドは、少なくとも1日当たり1回投薬される。前記GLP-1ペプチドの血漿内半減期が、ヒトにおいて例えば、4日であるとき、前記ペプチドの日数での投薬間隔は、2日若しくはそれ未満であり、すなわち、ペプチドは、少なくとも2日毎に1回投薬される等である。いくつかの実施形態において、本発明は、治療的に有効な投与量の低クリアランスのGLP-1ペプチドを、対象に投与し、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比は、2:1又はそれ超である、経口投与の方法又は使用に関する。いくつかの実施形態において、「治療的に有効な投与量」という用語は、治療有効量のGLP-1ペプチドを含む投与を指す。
【0032】
本明細書において使用するとき、「低クリアランスのGLP-1ペプチド」又は「低クリアランスのGLP-1」という用語は、GLP-1ペプチド「リラグルチド」と比較して、薬物動態(例えば、ビーグル犬、ブタ又はヒトにおける薬物動態)の標準的モデルにおいて長い血漿内半減期を有するGLP-1ペプチドを意味するべきである。いくつかの実施形態において、「長い血漿内半減期」という用語は、リラグルチドの半減期より長い半減期を指し、半減期は、本明細書において「血漿内半減期を決定する方法」というタイトルのセクションに記載しているように決定し得る。いくつかの実施形態において、「長い血漿内半減期」という用語は、少なくとも60時間、少なくとも70時間、又は少なくとも80時間である、ヒトにおける半減期を指す。
【0033】
いくつかの実施形態において、本発明の経口投与の方法又は使用は、代替の投薬レジメンを使用するときに対して副作用の低減をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の経口投与の方法は、代替の投薬レジメンを使用するときに対して悪心及び/又は嘔吐の低減をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の経口投与の方法は、代替の投薬レジメンを使用するときに対して悪心の低減をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の経口投与の方法は、代替の投薬レジメンを使用するときに対して嘔吐の低減をもたらす。
【0034】
血漿内半減期を決定する方法
ヒト又は動物(例えば、例えば、ビーグル犬)へのi.v.及び/又はp.o.投与の後に薬物動態研究を行って、GLP-1ペプチドの血漿内半減期を決定し得る。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドの血漿内半減期を、ヒトにおいてi.v.投与の後に決定する。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドの血漿内半減期は、ヒトにおいてp.o.投与の後に決定する。
【0035】
このような研究において、対象は典型的には、関連性のある製剤中のGLP-1ペプチドの単回用量のi.v.又はp.o.を投与される。血液試料を投薬後の所定の時点において抜き取り、試料を関連性のある定量的アッセイによってGLP-1ペプチドの濃度について分析する。これらの測定に基づいて、血漿濃度対時間のプロファイルをプロットし、いわゆる、データのノンコンパートメント薬物動態分析を行う。
【0036】
大部分の活性成分について、血漿-濃度プロファイルの終末部分は、片対数プロットにおいて描いたとき直線的であり、最初の吸収及び分布の後で、薬物が体から一定の配分速度で除去されることをこれは反映する。この速度(ラムダZ又はλZ)は、プロットの終末部分の勾配を引いたものと等しい。この速度から、t1/2=ln(2)/λZとしてまた血漿内半減期を計算し得る(例えば、Johan Gabrielsson及びDaniel Weiner: Pharmacokinetics and Pharmacodynamic Data Analysis. Concepts & Applications、第3版、Swedish Pharmaceutical Press、Stockholm(2000)を参照されたい)。
【0037】
GLP-1ペプチドの血漿濃度は、任意の適切な方法を使用して決定し得る。本発明の方法又は使用のためのGLP-1ペプチドの血漿中濃度は、任意の適切な方法を使用して決定し得る。例えば、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)、又は免疫アッセイ、例えば、RIA(放射線免疫アッセイ)、ELISA(酵素連結免疫吸着アッセイ)、及びLOCI(発光酸素チャネリング免疫アッセイ)を使用し得る。適切なRIA及びELISAアッセイのための一般のプロトコルは、例えば、WO2009/030738の116~118頁において見出される。GLP-1ペプチドの血漿濃度は、本明細書の「LOCIを使用した血漿試料の分析」というタイトルの実験セクションに記載されているLOCI方法を使用して決定し得る。GLP-1ペプチドの血漿濃度は、本明細書の「LC-MSを使用した血漿試料の代替分析」というタイトルの実験セクションに記載されているLC-MS方法を使用して決定し得る。
【0038】
血漿濃度における可変性を決定する方法
薬物動態研究を行って、ヒト又は動物(例えば、例えば、ビーグル犬)へのi.v.及び/又はp.o.投与の後にGLP-1ペプチドの血漿内半減期を決定し得る。このような研究において、対象に典型的には、関連性のある製剤中のGLP-1ペプチドの単回用量又は複数回用量のp.o.を投与する。血液試料を投薬後の所定の時点において抜き取り、試料を関連性のある定量的アッセイによって活性成分の濃度について分析する。これらの測定に基づいて、血漿濃度対時間のプロファイルをプロットし、いわゆる、データのノンコンパートメント薬物動態分析を行う。血漿濃度における可変性は、Cmax又はC平均又はAUCについて%CV又は%RSDとして決定することができる。例えば、血漿濃度における可変性は、Cmax又はC平均又はAUCについて%CVとして決定することができる。
【0039】
GLP-1ペプチド
本発明の方法又は使用は、少なくとも60時間のヒトにおける血漿内半減期を有するGLP-1ペプチドを含む。「GLP-1ペプチド」及び「活性GLP-1ペプチド」という用語は、本明細書において使用する場合、ヒトGLP-1、又はGLP-1活性を有するその類似体若しくは誘導体であるペプチドを意味する。
【0040】
「ヒトGLP-1」又は「天然GLP-1」という用語は、本明細書において使用する場合、その構造及び特性が周知であるヒトGLP-1ホルモンを意味する。ヒトGLP-1はまた、GLP-1(7-37)と表され、これは31個のアミノ酸を有し、プログルカゴン分子の選択的切断からの結果である。
【0041】
本発明のGLP-1ペプチドは、GLP-1活性を有する。この用語は、当技術分野において公知のように、GLP-1受容体に結合し、シグナル伝達経路を惹起し、インスリン分泌性作用又は他の生理学的効果をもたらす能力を指す。例えば、本発明の類似体及び誘導体は、標準的GLP-1活性アッセイを使用してGLP-1活性について試験することができる。
【0042】
「GLP-1類似体」という用語は、本明細書において使用する場合、修飾されたヒトGLP-1を意味し、ヒトGLP-1の1つ又は複数のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、かつ/又は1つ又は複数のアミノ酸残基がヒトGLP-1から欠失しており、かつ/又は1つ又は複数のアミノ酸残基がヒトGLP-1に付加及び/若しくは挿入されている。
【0043】
いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間、例えば、少なくとも約70時間、少なくとも90時間、少なくとも100時間、又は例えば、少なくとも120時間、少なくとも140時間又は少なくとも160時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間、少なくとも70時間又は少なくとも90時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも100時間、又は例えば、少なくとも120時間、少なくとも140時間又は少なくとも160時間の血漿内半減期を有する。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも1日、少なくとも36時間又は少なくとも2日の血漿内半減期を有する。
【0044】
いくつかの実施形態において、GLP-1類似体は、ヒトGLP-1に対して10個若しくはそれ未満のアミノ酸修飾(置換、欠失、付加(挿入を含めた)及び任意のこれらの組合せ)、代わりにヒトGLP-1に対して9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個又は2個若しくはそれ未満の修飾、また代わりに1個の修飾を含む。いくつかの実施形態において、GLP-1類似体は、ヒトGLP-1に対して5個若しくはそれ未満のアミノ酸修飾(置換、欠失、付加(挿入を含めた)及び任意のこれらの組合せ)を含む。
【0045】
GLP-1分子における修飾は、位置、及び天然アミノ酸残基を置換するアミノ酸残基についての1文字又は3文字のコードを指定して表される。
【0046】
配列表を使用するとき、配列の最初のアミノ酸残基は、第1番と割り当てられる。しかし以下において、GLP-1ペプチドについての当技術分野で確立された実践によると、この最初の残基を第7番と称し、それに続くアミノ酸残基に付番し、したがって、第37番で終わる。したがって、一般に、本明細書においてGLP-1(7-37)配列のアミノ酸残基番号又は位置番号への任意の言及は、7位におけるHisで開始し、37位におけるGlyで終わる配列に対するものである。アミノ酸についての1文字コードを使用して、34E、34Q、又は34R等の用語は、34位におけるアミノ酸がそれぞれ、E、Q及びRであることを指定する。アミノ酸についての3文字のコードを使用すると、対応する表現は、それぞれ、34Glu、34Gln及び34Argである。
【0047】
「des7」又は「(Des7)」とは、N末端アミノ酸であるヒスチジンを欠いている天然GLP-1を意味する。このように、例えば、des7GLP-1(7-37)は、ヒトGLP-1の類似体であり、7位におけるアミノ酸が欠失している。この類似体はまた、GLP-1(8-37)と指定し得る。同様に、GLP-1(7-37)への言及を暗示し得る、GLP-1(7-37)の類似体に関して(des7+des8);(des7、des8);(des7-8);又は(Des7、Des8)は、天然GLP-1の2つのN末端アミノ酸に対応するアミノ酸であるヒスチジン及びアラニンが欠失している類似体を指す。この類似体はまた、GLP-1(9-37)と指定し得る。
【0048】
本発明の類似体の非限定的例は、[Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)であり、これはGLP-1(7-37)類似体を指定し、ここでは8位におけるアラニンがα-アミノイソ酪酸(Aib)で置換されており、34位におけるリシンがアルギニンで置換されている。この類似体はまた、(8Aib、R34)GLP-1(7-37)と指定し得る。
【0049】
「GLP-1誘導体」という用語は、本明細書において使用する場合、化学修飾された親GLP-1(7-37)又はその類似体を意味し、修飾は、アミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステルの付着、ペグ化、これらの組合せ等の形態である。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、修飾は、GLP-1(7-37)又はその類似体への側鎖の付着を含む。特定の態様において、側鎖は、アルブミンと非共有結合的凝集物を形成することができ、それによって、GLP-1-誘導体及びアルブミンの凝集物がゆっくりとのみ崩壊し、活性ペプチド成分を放出するという事実によって、血流による誘導体の循環を促進し、誘導体の作用時間を遅延させる効果をまた有する。このように、置換基、又は側鎖は全体として、アルブミン結合部分と好ましくは称される。特定の態様において、側鎖は、少なくとも10個の炭素原子、又は少なくとも12個、14個、16個、18個、20個、22個、若しくは少なくとも24個の炭素原子を有する。さらなる特定の態様において、側鎖は、少なくとも5個のヘテロ原子、特に、O及びN、例えば、少なくとも7個、9個、10個、12個、15個、17個、又は少なくとも20個のヘテロ原子、例えば、少なくとも1個、2個、又は3個のN原子、及び/又は少なくとも3個、6個、9個、12個、又は15個のO原子を更に含み得る。いくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、アシル化されたGLP-1ペプチドである。
【0051】
いくつかの実施形態において、アルブミン結合部分は、アルブミン結合及びそれによって遅延に特に関連性があるポーションを含み、このポーションはしたがって「遅延性部分」と称し得る。遅延性部分は、ペプチドへの付着のそのポイントに対して、アルブミン結合部分の反対端部にあり、又はその近くであり得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、アルブミン結合部分は、遅延性部分とペプチドへの付着ポイントとの間のポーションを含み、このポーションは、「リンカー」、「リンカー部分」、「スペーサー」等と称し得る。リンカーは任意選択でよく、したがってこの場合、アルブミン結合部分は、遅延性部分と同一であり得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、アルブミン結合部分及び/又は遅延性部分は、親油性であり、かつ/又は生理学的pH(7.4)で負に帯電している。
【0054】
アルブミン結合部分、遅延性部分、又はリンカーは、例えば、GLP-1ペプチドのリシン残基にアシル化によって共有結合的に付着し得る。好ましい態様において、遅延性部分及びリンカーを好ましくは含むアルブミン結合部分の活性エステルは、アミド結合の形成(このプロセスは、アシル化と称される)下で、リシン残基のアミノ基、好ましくは、そのイプシロンアミノ基に共有結合的に連結している。
【0055】
特に明記しない限り、リシン残基のアシル化について言及がされるとき、これはそのイプシロン-アミノ基に対してであると理解される。
【0056】
本発明の目的のために、「アルブミン結合部分」、「遅延性部分」、及び「リンカー」という用語は、これらの分子の未反応形態及び反応形態を含み得る。1つ又は他の形態を意味するかどうかは、この用語が使用される状況から明らかである。
【0057】
GLP-1ペプチドへの付着のために、脂肪酸の酸基、又は脂肪二酸の酸基の1つは、好ましくは、リンカーを介して、GLP-1ペプチドにおけるリシン残基のイプシロンアミノ基とアミド結合を形成する。
【0058】
「脂肪二酸」という用語は、上記に定義されているような脂肪酸であるが、オメガ位においてさらなるカルボン酸基を有するものを指す。このように、脂肪二酸は、ジカルボン酸である。
【0059】
本発明の誘導体の2つのリンカーのそれぞれは、下記の第1のリンカーエレメントを含み得る。
【化1】
【0060】
式中、kは、1~5の範囲の整数であり、nは、1~5の範囲の整数である。
【0061】
特定の態様において、k=1及びn=1であるとき、このリンカーエレメントは、OEG、又は8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸のジラジカルと指定してもよく、かつ/又はこれは下記の式によって表し得る。
Chem II:
NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*
【0062】
別の特定の態様において、本発明の誘導体の各リンカーは、独立に、第2のリンカーエレメント、好ましくは、Gluジラジカル、例えば、Chem III及び/又はChem IVを更に含み得る。
【化2】
【0063】
式中、Gluジラジカルは、p回含まれてもよく、pは、1~3の範囲の整数である。
【0064】
Chem IIIはまた、別のリンカーエレメントへの、又はリシンのイプシロン-アミノ基への接続のためにここで使用される、アミノ酸であるグルタミン酸のガンマカルボキシ基であるという事実によってガンマ-Glu、又は簡潔にγGluと称し得る。上記で説明したように、他のリンカーエレメントは、例えば、別のGlu残基、又はOEG分子であり得る。Gluのアミノ基は、遅延性部分のカルボキシ基と、又は存在する場合、例えば、OEG分子のカルボキシ基と、又は存在する場合、例えば、別のGluのガンマ-カルボキシ基とアミド結合を形成する。
【0065】
Chem IVはまた、別のリンカーエレメント、又はリシンのイプシロン-アミノ基への接続のためにここで使用される、アミノ酸であるグルタミン酸のアルファカルボキシ基であるという事実によってアルファ-Glu、又は簡潔に、aGlu、又は単純にGluと称し得る。
【0066】
Chem.III及びChem.IVの上記の構造は、GluのL型、及びD型を包含する。特定の態様において、Chem.III及び/又はChem.IVは、独立に、a)L型、又はb)D型である。
【0067】
またさらなる特定の態様において、リンカーは、a)5~41個のC原子;及び/又はb)4~28個のヘテロ原子を有する。
【0068】
本発明のGLP-1誘導体の血漿中の濃度は、任意の適切な方法を使用して決定し得る。例えば、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)、又は免疫アッセイ、例えば、RIA(放射線免疫アッセイ)、ELISA(酵素連結免疫吸着アッセイ)、及びLOCI(発光酸素チャネリング免疫アッセイ)を使用し得る。適切なRIA及びELISAアッセイについての一般のプロトコルは、例えば、WO09/030738の116~118頁に見出される。
【0069】
GLP-1類似体及び活性化された側鎖のコンジュゲーションは、任意の通常の方法の使用によって、例えば、下記の参照文献(ポリマー分子の活性化のための適切な方法をまた記載する):R. F. Taylor、(1991)、「Protein immobilisation. Fundamental and applications」、Marcel Dekker、N.Y.; S. S. Wong、(1992)、「Chemistry of Protein Conjugation and Crosslinking」、CRC Press、Boca Raton;G. T. Hermansonら(1993)、「Immobilized Affinity Ligand Techniques」、Academic Press、N.Y.)に記載されているように行われる。使用される活性化方法及び/又はコンジュゲーション化学は、ポリペプチドの付着基(この例を更に上記で示す)、及びポリマーの官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、スルフヒドリル、スクシンイミジル、マレイミド、ビニルスルホン又はハロアセテートである)によって決まることを当業者は認識する。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)(代わりに、N6,26-{18-[N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-L-γ-グルタミル]-10-オキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18-ジアザオクタデカノイル}-[8-(2-アミノ-2-プロパン酸),34-L-アルギニン]ヒトグルカゴン様ペプチド1(7-37)と称する)又はNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態において、GLP-1ペプチドは、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである。
【0073】
エンハンサー
本発明の方法又は使用は、エンハンサーを含み得る。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、水溶性である。いくつかの実施形態において、「エンハンサー」という用語は、経口投与に続いて組成物のGLP-1ペプチドのバイオアベイラビリティーを増加させる化合物を指す。したがって、いくつかの実施形態において、エンハンサーは、バイオアベイラビリティーエンハンサーである。いくつかの実施形態において、エンハンサーの重量パーセントは、組成物の総重量に対して、少なくとも60%(w/w)、例えば、少なくとも70%(w/w)又は少なくとも75%(w/w)である。
【0074】
エンハンサーは、中鎖脂肪酸又はその塩であり得、約4~約20個の炭素原子の炭素鎖長を有する。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、カプリン酸の塩、例えば、カプリン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、前記中鎖脂肪酸、例えば、カプリン酸の塩(例えば、カプリン酸ナトリウム)の重量パーセントは、組成物の総重量に対して、少なくとも60%(w/w)、例えば、少なくとも70%(w/w)又は少なくとも75%(w/w)である。いくつかの実施形態において、組成物中の前記中鎖脂肪酸、例えば、カプリン酸の塩(例えば、カプリン酸ナトリウム)の量は、1つの投与量単位で、少なくとも2.0mmol、例えば、少なくとも2.5mmol又は少なくとも3.5mmolである。いくつかの実施形態において、組成物中のカプリン酸の塩、例えば、カプリン酸ナトリウムの量は、少なくとも300mg、少なくとも400mg、又は少なくとも500mgである。
【0075】
いくつかの実施形態において、エンハンサーは、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩である。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、吸収増強剤である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの構造式を、式(I)において示す。
【化3】
【0076】
いくつかの実施形態において、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、カプリル酸形態及び/又はカプリレート形態である。いくつかの実施形態において、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、1つの一価カチオン、2つの一価カチオン又は1つの二価カチオンを含む。いくつかの実施形態において、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩からなる群から選択される。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートの塩は、例えば、WO96/030036、WO00/046182、WO01/092206又はWO2008/028859に記載されている方法を使用して調製し得る。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、結晶性及び/又はアモルファスであり得る。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の無水物、一水和物、二水和物、三水和物、溶媒和物、又は1/3水和物、及びこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、WO2007/121318に記載されているようなN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩である。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、8-(サリチロイルアミノ)オクタン酸ナトリウムとしてもまた公知であるN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(本明細書において「SNAC」と称される)である。いくつかの実施形態において、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、SNACの重量パーセントは、組成物の総重量に対して、少なくとも60%(w/w)、例えば、少なくとも70%(w/w)又は少なくとも75%(w/w)である。いくつかの実施形態において、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、SNACの重量パーセントは、組成物の総重量に対して50~90%(w/w)である。いくつかの実施形態において、組成物中のN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、0.6~3.5mmolの範囲である。いくつかの実施形態において、組成物中のN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、少なくとも0.6mmolである。いくつかの実施形態において、組成物中のSNACの量は、100~1000mgの範囲である。いくつかの実施形態において、SNACの量は、100~500mg、例えば、200~400mg又は300mgである。いくつかの実施形態において、組成物中のGLP-1ペプチド及びエンハンサーのモル比は、10未満、例えば、5未満又は1未満である。
【0077】
組成物
本発明の方法又は使用は、GLP-1ペプチド及び任意選択でエンハンサーを含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、固体剤形の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、錠剤の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、カプセル剤の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、サシェ剤の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、乾式造粒によって製造された顆粒を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ローラー圧密化によって製造された顆粒を含む。いくつかの実施形態において、ローラー圧密化プロセスからの成形品を顆粒に微粉砕する。いくつかの実施形態において、「粒質物」という用語は、1つ又は複数の顆粒を指す。いくつかの実施形態において、「顆粒」という用語は、より大きな粒子に集められる粒子を指す。
【0078】
いくつかの実施形態において、「組成物」という用語は、本明細書において使用する場合、1つの投与量単位を指す。
【0079】
いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤を含む。「添加剤」という用語は、本明細書において使用する場合、活性治療成分以外の任意の成分を広範に指す。添加剤は、それ自体は任意の治療効果及び/又は予防効果を実質的に有さないという意味で不活性である、不活性な物質であり得る。添加剤は、例えば、エンハンサー、吸収エンハンサー、ビヒクル、充填剤(また賦形剤として公知である)、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、崩壊剤、結晶化遅延剤、酸性化剤、アルカリ化剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、錯化剤、界面活性剤、乳化剤及び/若しくは可溶化剤、甘味剤、湿潤剤、安定化剤、着色剤、香味剤として様々な目的にかない得、かつ/又は投与、及び/又は活性物質の吸収を改善し得る。当業者は、通常の実験法によって、不当な負担を伴わずに、固体経口剤形の特定の所望の特性に関して上記の添加剤の1つ又は複数を選択し得る。使用されるそれぞれの添加剤の量は、当技術分野で通常の範囲内で変化し得る。経口剤形を製剤するために使用し得る技術及び添加剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第6版、Roweら、編、American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press, publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain (2009);及びRemington: the Science and Practice of Pharmacy、第21版、Gennaro、編、Lippincott Williams & Wilkins (2005)に記載されている。
【0080】
いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、充填剤、例えば、ラクトース(例えば、噴霧乾燥したラクトース、α-ラクトース、β-ラクトース、Tabletose(登録商標)、様々なグレードのPharmatose(登録商標)、Microtose(登録商標)又はFast-FloC(登録商標))、微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)、Elcema(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)又はSolka-Floc(登録商標)の様々なグレード)、他のセルロース誘導体、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、スクロース、糖、デンプン又は加工デンプン(バレイショデンプン、トウモロコシデンプン及び米デンプンを含めた)、リン酸カルシウム(例えば、塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、第二リン酸カルシウム水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、充填剤は、微結晶性セルロース、例えば、Avicel PH101である。
【0081】
いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、結合剤、例えば、ラクトース(例えば、噴霧乾燥したラクトース、α-ラクトース、β-ラクトース、Tabletose(登録商標)、様々なグレードのPharmatose(登録商標)、Microtose(登録商標)又はFast-FloC(登録商標))、微結晶性セルロース(様々なグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)又はSolka-Floc(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L-ヒドロキシプロピルセルロース(低置換度)、ヒプロメロース(HPMC)(例えば、信越化学工業株式会社のMethocel E、F及びK、Metolose SH、例えば、4,000cpsグレードのMethocel E及びMetolose60SH、4,000cpsグレードのMethocel F及びMetolose65SH、4,000、15,000及び100,000cpsグレードのMethocel K;並びに4,000、15,000、39,000及び100,000グレードのMetolose90SH)、メチルセルロースポリマー(例えば、Methocel A、Methocel A4C、Methocel A15C、Methocel A4M)、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、他のセルロース誘導体、スクロース、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン又は加工デンプン(バレイショデンプン、トウモロコシデンプン及び米デンプンを含めた)、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、アカシア、アルギン酸ナトリウム、寒天、カラギーナン、ゼラチン、グアーガム、ペクチン、PEG、又はポビドンを含む。いくつかの実施形態において、結合剤は、ポビドン、例えば、ポビドンK90である。
【0082】
いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、崩壊剤、例えば、アルギン酸、アルギネート、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、他のセルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、又はカルボキシメチルデンプン(例えば、Primogel(登録商標)及びExplotab(登録商標))を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、滑沢剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又は他の金属ステアリン酸塩、タルク、ワックス、グリセリド、軽油、ベヘン酸グリセリル、硬化植物性油、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、アルキルスルフェート、又は安息香酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、滑沢剤、例えば、ケイ酸マグネシウム、タルク、又はコロイド状シリカを含む。いくつかの実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0084】
いくつかの実施形態において、組成物又は顆粒は、結晶化遅延剤、例えば、ポビドン等;可溶化剤(界面活性剤としもまた公知である)、例えば、アニオン性界面活性剤(例えば、Pluronic又はポビドン)、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双性イオン性界面活性剤;染料及び顔料、例えば、赤色酸化鉄若しくは黄色酸化鉄、二酸化チタン、及び/又はタルクを含めた着色剤;並びに/或いはpH調整剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、第二リン酸カルシウム、及び/又はリン酸水素二ナトリウムから選択される1種又は複数の添加剤を含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも60%(w/w)のエンハンサー、10%(w/w)未満の結合剤、5~40%(w/w)の充填剤、及び10%(w/w)未満の滑沢剤を含む。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩であり、組成物は、GLP-1ペプチドを含み、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩を含まない第1の顆粒と、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩を含み、GLP-1ペプチドを含まない第2の顆粒とを含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、錠剤の重量は、150mg~1000mgの範囲、例えば、300~600mg又は例えば、300~500mgの範囲である。
【0087】
組成物は、当技術分野で周知の方法によって調製し得る1つ又は複数のコーティングを含み得る。
【0088】
組成物の調製方法
本発明において使用するための組成物は、当技術分野において公知のように調製し得る。いくつかの実施形態において、組成物は、錠剤に圧縮する前に造粒し得る。いくつかの実施形態において、本発明の顆粒は、乾式造粒によって、例えば、ローラー圧縮によって製造される。いくつかの実施形態において、ローラー圧密化プロセスからの成形品を、顆粒に微粉砕する。組成物は、1つ又は複数の顆粒内部分及び顆粒外部分を含み得、顆粒内部分は造粒されており、顆粒外部分は造粒の後に加えられる。第1の顆粒内部分は、GLP-1ペプチド及び1種又は複数の添加剤を含み得、第2の顆粒内部分は、エンハンサー及び任意選択で1種又は複数の添加剤を含み得る。第1の顆粒内部分は、GLP-1ペプチド、充填剤及び/又は結合剤を含み得、第2の顆粒内部分は、エンハンサー、滑沢剤及び/又は充填剤を含み得る。いくつかの実施形態において、第1の顆粒内部分は、GLP-1ペプチド、微結晶性セルロース及び/又はポビドンを含み、第2の顆粒内部分は、エンハンサー、ステアリン酸マグネシウム及び/又は微結晶性セルロースを含む。顆粒外部分は、滑沢剤を含み得る。いくつかの実施形態において、顆粒外部分は、ステアリン酸マグネシウムを含む。
【0089】
打錠材料の乾燥ブレンドを調製するために、様々な成分を秤量し、任意選択で塊を崩し、次いで、合わせる。成分の混合は、均質なブレンドが得られるまで行い得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、組成物の少なくとも一部分は、乾式造粒又は湿式造粒される。粒質物は、当業者には公知の様式で、例えば、医薬活性剤及び/又はエンハンサーを添加剤と共に圧密化し、相対的に大きな成形品、例えば、スラグ又はリボンを形成し、これを粉砕によって微粉砕し、粉砕した材料を後で錠剤に圧縮する打錠材料としての役割を果たす乾式造粒技術によって生成し得る。乾式造粒のための適切な設備には、これらに限定されないが、Gerteis社からのローラー圧密化設備、例えば、Gerteis MINI-PACTORが含まれる。いくつかの実施形態において、粒質物は、ローラー圧密化によって調製される。いくつかの実施形態において、ローラー圧密化プロセスからの成形品を、顆粒に微粉砕する。代わりに、粒質物は、湿式造粒によって得ることができ、これは、水に溶解した医薬活性剤とエンハンサー及び任意選択で1種又は複数の添加剤の乾燥ブレンドとを混合し、それに続いて粒質物を乾燥させることによって行い得る。
【0091】
打錠材料を固体経口剤形、例えば、錠剤に圧縮するために、錠剤プレス機を使用し得る。打錠プレス機において、打錠材料は、ダイキャビティ中に充填(例えば、強制的供給又は重力を利用した供給)する。次いで、打錠材料を、圧力をかけてパンチによって圧縮する。それに続いて、このように得られたコンパクト、又は錠剤を、打錠プレスから取り出す。上記の圧縮プロセスは、これ以降本明細書において「圧縮プロセス」と称される。適切な錠剤プレス機には、これらに限定されないが、回転式錠剤プレス機及びエキセントリック型錠剤プレス機が含まれる。錠剤プレス機の例には、これらに限定されないが、Fette102i(Fette GmbH社)、Korsch XL100、Korsch PH106回転式錠剤プレス機(Korsch AG社、ドイツ)、Korsch EK-O偏心型打錠プレス(Korsch AG社、ドイツ)及びManesty F-Press(Manesty Machines Ltd.社、イギリス)が含まれる。いくつかの実施形態において、錠剤は、5~25kNの範囲の圧縮力を作用させることによって調製される。
【0092】
適応症
本発明において使用するための組成物は、医薬としての使用のためである。いくつかの実施形態において、組成物は、糖尿病及び/又は肥満症の治療又は予防における使用のためである。
【0093】
経口医薬品(すなわち、医薬)として使用するための組成物又はGLP-1ペプチドは、投与の方法として記載し、又は代わりに経口医薬品の製造における組成物の使用として記載し得ることを認識されたい。本明細書に記載されている投与の方法は、代わりに経口医薬品としての使用のための組成物、代わりに経口医薬品の製造における組成物の使用として記載し得ることを認識されたい。本明細書に記載されている投与の方法は、代わりに経口医薬品としての使用のためのGLP-1ペプチド、代わりに経口医薬品の製造におけるGLP-1ペプチドの使用として記載し得る。類似して、本明細書に記載されているGLP-1ペプチドの使用は、代わりに経口医薬品の製造におけるGLP-1ペプチドの投与又は使用の方法として記載し得る。いくつかの実施形態において、「投薬レジメン」及び「投与の方法」という用語は、本明細書において互換的に使用される。本明細書において、いくつかの実施形態において、「使用」という用語は、使用のための組成物を含み、例えば、「医学における使用」は、「医学における使用のための組成物」を含む。いくつかの実施形態において、「方法」という用語は、本明細書において使用する場合、投与の方法、例えば、経口投与の方法を含む。
【0094】
本発明の投与の方法は、経口療法を含む。いくつかの実施形態において、方法は、糖尿病及び/又は肥満症の治療又は予防を含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、方法又は使用は、
(i)全ての形態の糖尿病、例えば、高血糖症、2型糖尿病、グルコース耐性異常、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年者の成人発症型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは治療、並びに/又はHbA1cの低減のため;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行を遅延若しくは予防すること、グルコース耐性異常(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行を遅延させること、及び/又はインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行を遅延させること;
(iii)例えば、食物摂取量を減少させ、体重を低減させ、食欲を抑制し、満腹を誘発することによって、摂食障害、例えば、肥満症を予防及び/若しくは治療すること;抗精神病剤若しくはステロイドの投与によって誘発される過食障害、神経性過食症、及び/若しくは肥満症を治療若しくは予防すること;胃運動性の低減;及び/又は胃内容物排出を遅延させること
を含む(例えば、本発明のGLP-1ペプチドは、下記の医学的治療のために使用し得る)。
【0096】
いくつかの実施形態において、適応症は、(i)である。いくつかの実施形態において、適応症は、(ii)である。またさらなる特定の態様において、適応症は、(iii)である。いくつかの実施形態において、適応症は、2型糖尿病及び/又は肥満症である。
【0097】
いくつかの実施形態において、方法又は使用は、本明細書において定義する1つ又は複数の疾患又は状態における予防、処置、低減及び/又は誘発を含む。いくつかの実施形態において、適応症は、(i)及び(iii)である。いくつかの実施形態において、適応症は、(ii)及び(iii)である。いくつかの実施形態において、方法は、請求項1に記載のa)及びb)、a)及びc)、b)及びc)、又はa)、b)及びc)から選択される1つ又は複数の疾患又は状態における予防、治療、低減及び/又は誘発を含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明は、有効量のGLP-1ペプチドの投与を含む。いくつかの実施形態において、本発明は、有効量のGLP-1ペプチドの投与に関する。
【0099】
いくつかの実施形態において、本明細書において使用する場合、数又は間隔に関して示した特定の値は、特定の値として又は約の特定の値として理解し得る。
【0100】
本発明の実施形態
下記は、本発明の非限定的な実施形態である。
1.経口投与による医薬として使用するためのGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、
a)前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与され、或いは
b)前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される、組成物。
2.錠剤の形態である、実施形態1に記載の組成物。
3.1日2回、1日1回、又は1日おきに投与される、実施形態1から2のいずれか一項に記載の組成物。
4.前記ペプチドが、少なくとも1日おきに投与される、実施形態1から3のいずれか一項に記載の組成物。
5.前記ペプチドが、少なくとも1日1回投与される、実施形態1から4のいずれか一項に記載の組成物。
6.前記ペプチドが、少なくとも1日2回投与される、実施形態1から5のいずれか一項に記載の組成物。
7.前記ペプチドが、GLP-1ペプチドである、実施形態1から6のいずれか一項に記載の組成物。
8.前記ペプチドが、アシル化されたGLP-1ペプチドである、実施形態1から7のいずれか一項に記載の組成物。
9.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)又はNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態1から8のいずれか一項に記載の組成物。
10.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である、実施形態1から9のいずれか一項に記載の組成物。
11.前記ペプチドが、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態1から10のいずれか一項に記載の組成物。
12.前記ペプチドが、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む組成物中で投与される、実施形態1から11のいずれか一項に記載の組成物。
13.錠剤又はカプセル剤の形態である、実施形態1から12のいずれか一項に記載の組成物。
14.前記ペプチドが、1~1000nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態1から13のいずれか一項に記載の組成物。
15.前記ペプチドが、1~300nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態1から14のいずれか一項に記載のGLP-1。
16.前記ペプチドが、10~100nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態1から15のいずれか一項に記載のGLP-1。
17.前記治療が、2型糖尿病又は肥満症の予防及び/又は治療を含む、実施形態1から16のいずれか一項に記載の組成物。
18.前記エンハンサーが、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、SNACである、実施形態1から17のいずれか一項に記載の組成物。
19.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、SNACの重量パーセントが、前記組成物の少なくとも50%(w/w)である、実施形態1から18のいずれか一項に記載の組成物。
20.SNACの量が、100~500mgのSNAC、例えば、200~400mg又は300mgのSNACである、実施形態1から19のいずれか一項に記載の組成物。
21.前記エンハンサーが、カプリン酸の塩、例えば、カプリン酸ナトリウムである、実施形態1から20のいずれか一項に記載の組成物。
22.カプリン酸の前記塩、例えば、カプリン酸ナトリウムの量が、少なくとも300mgである、実施形態1から21のいずれか一項に記載の組成物。
23.カプリン酸の前記塩、例えば、カプリン酸ナトリウムの重量パーセントが、前記組成物の少なくとも50%(w/w)である、実施形態1から22のいずれか一項に記載の組成物。
24.コーティングを含む、実施形態1から23のいずれか一項に記載の組成物。
25.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも70時間の血漿内半減期を有する、実施形態1から24のいずれか一項に記載の組成物。
26.前記ペプチドが、0.01~100mg、例えば、2~60mg、又は例えば、少なくとも5mg又は少なくとも10mgの量で投与される、実施形態1から25のいずれか一項に記載の組成物。
27.前記ペプチドが、0.5~100mgの範囲の量で投与される、実施形態1から26のいずれか一項に記載の組成物。
28.前記ペプチドが、0.5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態1から27のいずれか一項に記載の組成物。
29.前記ペプチドが、0.5~25mgの範囲の量で投与される、実施形態1から28のいずれか一項に記載の組成物。
30.前記ペプチドが、1~25mgの範囲の量で投与される、実施形態1から29のいずれか一項に記載の組成物。
31.前記ペプチドが、5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態1から30のいずれか一項に記載の組成物。
32.前記ペプチドが、0.5~10mgの範囲の量で投与される、実施形態1から31のいずれか一項に記載の組成物。
33.前記ペプチドが、0.5~5mgの範囲の量で投与される、実施形態1から32のいずれか一項に記載の組成物。
34.1~100mgのGLP-1ペプチド及び100~500mg又は50~90%(w/w)のSNACを含む、実施形態1から33のいずれか一項に記載の組成物。
35.前記ペプチドが、セマグルチドである、実施形態1から34のいずれか一項に記載の組成物。
36.1~100mgのセマグルチド及び100~500mg又は50~90%(w/w)のSNACを含む、実施形態1から35のいずれか一項に記載の組成物。
37.2~40mgのセマグルチド及び200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNACを含む、実施形態1から36のいずれか一項に記載の組成物。
38.前記ペプチドが、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む医薬組成物に含まれる、実施形態1から37のいずれか一項に記載の組成物。
39.GLP-1ペプチド、SNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1から38のいずれか一項に記載の組成物。
40.1~100mgのGLP-1ペプチド、100~500mgのSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1から39のいずれか一項に記載の組成物。
41.1~100mgのGLP-1ペプチド、50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態1から40のいずれか一項に記載の組成物。
44.1~100mgのGLP-1ペプチド、100~500mg又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態1から43のいずれか一項に記載の組成物。
45.1~100mgのGLP-1ペプチド、100~500mg又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態1から44のいずれか一項に記載の組成物。
46.1~100mgのGLP-1ペプチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態1から45のいずれか一項に記載の組成物。
47.1~100mgのセマグルチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態1から46のいずれか一項に記載の組成物。
48.2~60mgのセマグルチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態1から47のいずれか一項に記載の組成物。
49.5~40mgのセマグルチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態1から48のいずれか一項に記載の組成物。
50.少なくとも5回、例えば、少なくとも7回又は少なくとも10回投与される、実施形態1から49のいずれか一項に記載の組成物。
51.少なくとも14回又は少なくとも21回投与される、実施形態1から50のいずれか一項に記載の組成物。
52.少なくとも2週間、少なくとも3週間、又は少なくとも4週間投与される、実施形態1から51のいずれか一項に記載の組成物。
53.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、3:1超である、実施形態1から52のいずれか一項に記載の組成物。
54.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、4:1超である、実施形態1から53のいずれか一項に記載の組成物。
55.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、5:1超である、実施形態1から54のいずれか一項に記載の組成物。
56.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、6:1超である、実施形態1から55のいずれか一項に記載の組成物。
57.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、7:1超である、実施形態1から56のいずれか一項に記載の組成物。
58.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、14:1超である、実施形態1から57のいずれか一項に記載の組成物。
59.血漿内半減期が、i.v.投与の後に測定される、実施形態1から58のいずれか一項に記載の組成物。
60.血漿内半減期が、p.o.投与の後に測定される、実施形態1から59のいずれか一項に記載の組成物。
61.糖尿病及び/又は肥満症の治療又は予防における使用のためである、実施形態1から60のいずれか一項に記載の組成物。
62.下記の医学的治療:
(i)全ての形態の糖尿病、例えば、高血糖症、2型糖尿病、グルコース耐性異常、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年者の成人発症型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは治療、並びに/又はHbA1cの低減のため;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行を遅延若しくは予防すること、グルコース耐性異常(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行を遅延させること、及び/又はインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行を遅延させること;及び/又は
(iii)例えば、食物摂取量を減少させ、体重を低減させ、食欲を抑制し、満腹を誘発することによって、摂食障害、例えば、肥満症を予防及び/若しくは治療すること;抗精神病剤若しくはステロイドの投与によって誘発される過食障害、神経性過食症、及び/若しくは肥満症を治療若しくは予防すること;胃運動性の低減;及び/又は胃内容物排出を遅延させること
における使用のためである、実施形態1から61のいずれか一項に記載の組成物。
63.対象への薬学的活性GLP-1ペプチドの経口投与の方法であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で前記ペプチドを投与する工程を含む、方法。
64.それを必要とする対象にGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物を経口投与する方法であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、a)前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与され、或いはb)前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される、方法。
65.それを必要とする対象にGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物を経口投与する方法であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与される、方法。
66.それを必要とする対象にGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物を経口投与する方法であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される、方法。
67.前記組成物が、錠剤の形態である、実施形態63から66のいずれか一項に記載の方法。
68.前記組成物が、1日2回、1日1回、又は1日おきに投与される、実施形態63から67のいずれか一項に記載の方法。
69.前記ペプチドが、少なくとも1日おきに投与される、実施形態63から68のいずれか一項に記載の方法。
70.前記ペプチドが、少なくとも1日1回投与される、実施形態63から69のいずれか一項に記載の方法。
71.前記ペプチドが、少なくとも1日2回投与される、実施形態63から70のいずれか一項に記載の方法。
72.前記ペプチドが、GLP-1ペプチドである、実施形態63から71のいずれか一項に記載の方法。
73.前記ペプチドが、アシル化されたGLP-1ペプチドである、実施形態63から72のいずれか一項に記載の方法。
74.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)又はNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態63から73のいずれか一項に記載の方法。
75.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である、実施形態63から74のいずれか一項に記載の方法。
11.前記ペプチドが、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態63から75のいずれか一項に記載の方法。
76.前記ペプチドが、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む組成物中で投与される、実施形態63から75のいずれか一項に記載の方法。
77.前記組成物が、錠剤又はカプセル剤の形態である、実施形態63から76のいずれか一項に記載の方法。
78.前記ペプチドが、1~1000nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態63から77のいずれか一項に記載の方法。
79.前記ペプチドが、1~300nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態63から78のいずれか一項に記載のGLP-1。
80.前記ペプチドが、10~100nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態63から79のいずれか一項に記載のGLP-1。
81.前記治療が、2型糖尿病又は肥満症の予防及び/又は治療を含む、実施形態63から80のいずれか一項に記載の方法。
82.前記エンハンサーが、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、SNACである、実施形態63から81のいずれか一項に記載の方法。
83.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、SNACの重量パーセントが、前記組成物の少なくとも50%(w/w)である、実施形態63から82のいずれか一項に記載の方法。
84.SNACの量が、100~500mgのSNAC、例えば、200~400mg又は300mgのSNACである、実施形態63から83のいずれか一項に記載の方法。
85.前記エンハンサーが、カプリン酸の塩、例えば、カプリン酸ナトリウムである、実施形態63から84のいずれか一項に記載の方法。
86.カプリン酸の前記塩、例えば、カプリン酸ナトリウムの量が、少なくとも300mgである、実施形態63から85のいずれか一項に記載の方法。
87.カプリン酸の前記塩、例えば、カプリン酸ナトリウムの重量パーセントが、前記組成物の少なくとも50%(w/w)である、実施形態63から86のいずれか一項に記載の方法。
88.前記組成物が、コーティングを含む、実施形態63から87のいずれか一項に記載の方法。
89.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも70時間の血漿内半減期を有する、実施形態63から88のいずれか一項に記載の方法。
90.前記ペプチドが、0.01~100mg、例えば、2~60mg、又は例えば、少なくとも5mg又は少なくとも10mgの量で投与される、実施形態63から89のいずれか一項に記載の方法。
91.前記ペプチドが、0.5~100mgの範囲の量で投与される、実施形態63から90のいずれか一項に記載の方法。
92.前記ペプチドが、0.5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態63から91のいずれか一項に記載の方法。
93.前記ペプチドが、0.5~25mgの範囲の量で投与される、実施形態63から92のいずれか一項に記載の方法。
94.前記ペプチドが、1~25mgの範囲の量で投与される、実施形態63から93のいずれか一項に記載の方法。
95.前記ペプチドが、5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態63から94のいずれか一項に記載の方法。
96.前記ペプチドが、0.5~10mgの範囲の量で投与される、実施形態63から95のいずれか一項に記載の方法。
97.前記ペプチドが、0.5~5mgの範囲の量で投与される、実施形態63から96のいずれか一項に記載の方法。
98.前記組成物が、1~100mgのGLP-1ペプチド及び100~500mg又は50~90%(w/w)のSNACを含む、実施形態63から97のいずれか一項に記載の方法。
99.前記ペプチドが、セマグルチドである、実施形態63から98のいずれか一項に記載の方法。
100.前記組成物が、1~100mgのセマグルチド及び100~500mg又は50~90%(w/w)のSNACを含む、実施形態63から99のいずれか一項に記載の方法。
101.前記組成物が、2~40mgのセマグルチド及び200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNACを含む、実施形態63から100のいずれか一項に記載の方法。
102.前記ペプチドが、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む医薬組成物に含まれる、実施形態63から101のいずれか一項に記載の方法。
103.前記組成物が、GLP-1ペプチド、SNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態63から102のいずれか一項に記載の方法。
104.前記組成物が、1~100mgのGLP-1ペプチド、100~500mgのSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態63から103のいずれか一項に記載の方法。
105.前記組成物が、1~100mgのGLP-1ペプチド、50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態63から104のいずれか一項に記載の方法。
106.前記組成物が、1~100mgのGLP-1ペプチド、100~500mg又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態63から105のいずれか一項に記載の方法。
107.前記組成物が、1~100mgのGLP-1ペプチド、100~500mg又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態63から106のいずれか一項に記載の方法。
108.前記組成物が、1~100mgのGLP-1ペプチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態63から107のいずれか一項に記載の方法。
109.前記組成物が、1~100mgのセマグルチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態63から108のいずれか一項に記載の方法。
110.前記組成物が、2~60mgのセマグルチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態63から109のいずれか一項に記載の方法。
111.前記組成物が、5~40mgのセマグルチド、200~400mg(例えば、300mg)又は50~90%(w/w)のSNAC、微結晶性セルロース、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有する、実施形態63から110のいずれか一項に記載の方法。
112.前記組成物が、少なくとも5回、例えば、少なくとも7回又は少なくとも10回投与される、実施形態63から111のいずれか一項に記載の方法。
113.前記組成物が、少なくとも14回又は少なくとも21回投与される、実施形態63から112のいずれか一項に記載の方法。
114.前記組成物が、少なくとも2週間、少なくとも3週間、又は少なくとも4週間投与される、実施形態63から113のいずれか一項に記載の方法。
115.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、3:1超である、実施形態63から114のいずれか一項に記載の方法。
116.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、4:1超である、実施形態63から115のいずれか一項に記載の方法。
117.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、5:1超である、実施形態63から116のいずれか一項に記載の方法。
118.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、6:1超である、実施形態63から117のいずれか一項に記載の方法。
119.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、7:1超である、実施形態63から118のいずれか一項に記載の方法。
120.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、14:1超である、実施形態63から119のいずれか一項に記載の方法。
121.血漿内半減期が、i.v.投与の後に測定される、実施形態63から120のいずれか一項に記載の方法。
122.血漿内半減期が、p.o.投与の後に測定される、実施形態63から121のいずれか一項に記載の方法。
123.前記組成物が、糖尿病及び/又は肥満症の治療又は予防における使用のためである、実施形態63から122のいずれか一項に記載の方法。
124.前記組成物が、下記の医学的治療:
(i)全ての形態の糖尿病、例えば、高血糖症、2型糖尿病、グルコース耐性異常、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年者の成人発症型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/若しくは治療、並びに/又はHbA1cの低減のため;
(ii)糖尿病疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行を遅延若しくは予防すること、グルコース耐性異常(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行を遅延させること、及び/又はインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行を遅延させること;及び/又は
(iii)例えば、食物摂取量を減少させ、体重を低減させ、食欲を抑制し、満腹を誘発することによって、摂食障害、例えば、肥満症を予防及び/若しくは治療すること;抗精神病剤若しくはステロイドの投与によって誘発される過食障害、神経性過食症、及び/若しくは肥満症を治療若しくは予防すること;胃運動性の低減;及び/又は胃内容物排出を遅延させること
における使用のためである、実施形態63から123のいずれか一項に記載の方法。
125.疾患又は状態、例えば、糖尿病の治療における経口投与のための医薬の製造におけるGLP-1ペプチドの使用であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、a)前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与され、或いはb)前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される、使用。
126.疾患又は状態、例えば、糖尿病の治療における経口投与のための医薬の製造におけるGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物の使用であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、1日おき又はそれ超の頻度で投与される、使用。
127.疾患又は状態、例えば、糖尿病の治療における経口投与のための医薬の製造におけるGLP-1ペプチド及びエンハンサーを含む固体組成物の使用であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記組成物は、少なくとも3回投与され、前記組成物は、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期と前記組成物の日数での投薬間隔との間の比が2:1超であるように投与される、使用。
128.前記GLP-1ペプチド及び/又は前記組成物が、従前の実施形態の任意の組合せにおいて定義される通りである、実施形態125から127のいずれか一項に記載の使用。
【0101】
さらなる特定の実施形態
下記は、本発明の特定の非限定的な実施形態である。
1.ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する、医学的治療における1日おき又はそれ超の頻度の経口医薬品としての使用のためのGLP-1ペプチド。
2.投薬レジメンが、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、2:1超であるようなものである、医学的治療において経口医薬品として使用するための低クリアランスのGLP-1ペプチドであるGLP-1ペプチド。
3.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、3:1超である、実施形態1から2のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
4.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、4:1超である、実施形態1から3のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
5.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、5:1超である、実施形態1から4のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
6.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、6:1超である、実施形態1から5のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
7.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、7:1超である、実施形態1から6のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
8.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、14:1超である、実施形態1から7のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
9.血漿内半減期が、i.v.投与の後に測定される、実施形態1から8のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
10.血漿内半減期が、p.o.投与の後に測定される、実施形態1から9のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
11.ヒトにおいて少なくとも1日の血漿内半減期を有する、実施形態1から10のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
12.ヒトにおいて少なくとも36時間の血漿内半減期を有する、実施形態1から11のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
13.ヒトにおいて少なくとも2日の血漿内半減期を有する、実施形態1から12のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
14.ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する、実施形態1から13のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
15.少なくとも1日おきに投与される、実施形態1から14のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
16.少なくとも1日1回投与される、実施形態1から15のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
17.少なくとも1日2回投与される、実施形態1から16のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
18.0.5~100mgの範囲の量で投与される、実施形態1から17のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
19.0.5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態1から18のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
20.0.5~25mgの範囲の量で投与される、実施形態1から19のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
21.1~25mgの範囲の量で投与される、実施形態1から20のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
22.5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態1から21のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
23.0.5~10mgの範囲の量で投与される、実施形態1から22のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
24.0.5~5mgの範囲の量で投与される、実施形態1から23のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
25.GLP-1ペプチドである、実施形態1から24のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
26.アシル化されたGLP-1ペプチドである、実施形態1から25のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
27.N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)又はNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態1から26のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
28.N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である、実施形態1から27のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
29.Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態1から28のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
30.1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む組成物中で投与される、実施形態1から29のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
31.前記組成物が、固体剤形、例えば、錠剤又はカプセル剤の形態である、実施形態22に記載のGLP-1ペプチド。
32.1~1000nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態1から31のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
33.1~300nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態1から32のいずれか一項に記載のGLP-1。
34.10~100nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態1から33のいずれか一項に記載のGLP-1。
35.前記治療が、2型糖尿病又は肥満症の予防及び/又は治療を含む、実施形態1から34のいずれか一項に記載のGLP-1ペプチド。
36.対象への薬学的活性GLP-1ペプチドの経口投与の方法であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記方法は、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む、方法。
37.対象への治療的に有効な投与量で低クリアランスのGLP-1ペプチドを経口投与する方法であって、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、2:1超である、方法
38.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、3:1超である、実施形態36から37のいずれか一項に記載の方法。
39.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、4:1超である、実施形態36から38のいずれか一項に記載の方法。
40.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、5:1超である、実施形態36から39のいずれか一項に記載の方法。
41.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、6:1超である、実施形態36から40のいずれか一項に記載の方法。
42.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、7:1超である、実施形態36から41のいずれか一項に記載の方法。
43.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、14:1超である、実施形態36から42のいずれか一項に記載の方法。
44.血漿内半減期が、i.v.投与の後に測定される、実施形態36から43のいずれか一項に記載の方法。
45.血漿内半減期が、p.o.投与の後に測定される、実施形態36から44のいずれか一項に記載の方法。
46.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも1日の血漿内半減期を有する、実施形態36から45のいずれか一項に記載の方法。
47.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも36時間の血漿内半減期を有する、実施形態36から46のいずれか一項に記載の方法。
48.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも2日の血漿内半減期を有する、実施形態36から47のいずれか一項に記載の方法。
49.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する、実施形態36から48のいずれか一項に記載の方法。
50.前記ペプチドが、少なくとも1日おきに投与される、実施形態36から49のいずれか一項に記載の方法。
51.前記ペプチドが、少なくとも1日1回投与される、実施形態36から50のいずれか一項に記載の方法。
52.前記ペプチドが、少なくとも1日2回投与される、実施形態36から51のいずれか一項に記載の方法。
53.前記ペプチドが、0.5~100mgの範囲の量で投与される、実施形態36から52のいずれか一項に記載の方法。
54.前記ペプチドが、0.5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態36から53のいずれか一項に記載の方法。
55.前記ペプチドが、0.5~25mgの範囲の量で投与される、実施形態36から54のいずれか一項に記載の方法。
56.前記ペプチドが、1~25mgの範囲の量で投与される、実施形態36から55のいずれか一項に記載の方法。
57.前記ペプチドが、5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態36から56のいずれか一項に記載の方法。
58.前記ペプチドが、0.5~10mgの範囲の量で投与される、実施形態36から57のいずれか一項に記載の方法。
59.前記ペプチドが、0.5~5mgの範囲の量で投与される、実施形態36から58のいずれか一項に記載の方法。
60.前記ペプチドが、GLP-1ペプチドである、実施形態36から59のいずれか一項に記載の方法。
61.前記ペプチドが、アシル化されたGLP-1ペプチドである、実施形態36から60のいずれか一項に記載の方法。
62.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)又はNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態36から61のいずれか一項に記載の方法。
63.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である、実施形態36から62のいずれか一項に記載の方法。
64.前記ペプチドが、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態36から63のいずれか一項に記載の方法。
65.前記ペプチドが、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む組成物中で投与される、実施形態36から64のいずれか一項に記載の方法。
66.前記組成物が、固体剤形、例えば、錠剤又はカプセル剤の形態である、実施形態22に記載の方法。
67.前記ペプチドが、1~1000nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態36から66のいずれか一項に記載の方法。
68.前記ペプチドが、1~300nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態36から67のいずれか一項に記載の方法。
69.前記ペプチドが、10~100nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態36から68のいずれか一項に記載の方法。
70.2型糖尿病又は肥満症の予防及び/又は治療を含む、実施形態36から69のいずれか一項に記載の方法。
71.糖尿病の治療における経口投与のための医薬の製造におけるGLP-1ペプチドの使用であって、前記ペプチドは、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有し、前記方法が、前記ペプチドを1日おき又はそれ超の頻度で、治療有効量で投与する工程を含む、使用。
72.糖尿病の治療における経口投与のための医薬の製造における低クリアランスのGLP-1ペプチドの使用であって、ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、2:1超である、使用
73.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、3:1超である、実施形態71から72のいずれか一項に記載の使用。
74.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、4:1超である、実施形態71から73のいずれか一項に記載の使用。
75.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、5:1超である、実施形態71から74のいずれか一項に記載の使用。
76.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、6:1超である、実施形態71から75のいずれか一項に記載の使用。
77.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、7:1超である、実施形態71から76のいずれか一項に記載の使用。
78.ヒトにおける前記ペプチドの日数での血漿内半減期及び前記ペプチドの日数での投薬間隔の比が、14:1超である、実施形態71から77のいずれか一項に記載の使用。
79.血漿内半減期が、i.v.投与の後に測定される、実施形態71から78のいずれか一項に記載の使用。
80.血漿内半減期が、p.o.投与の後に測定される、実施形態71から79のいずれか一項に記載の使用。
81.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも1日の血漿内半減期を有する、実施形態71から80のいずれか一項に記載の使用。
82.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも36時間の血漿内半減期を有する、実施形態71から81のいずれか一項に記載の使用。
83.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも2日の血漿内半減期を有する、実施形態71から82のいずれか一項に記載の使用。
84.前記ペプチドが、ヒトにおいて少なくとも60時間の血漿内半減期を有する、実施形態71から83のいずれか一項に記載の使用。
85.前記ペプチドが、少なくとも1日おきに投与される、実施形態71から84のいずれか一項に記載の使用。
86.前記ペプチドが、少なくとも1日1回投与される、実施形態71から85のいずれか一項に記載の使用。
87.前記ペプチドが、少なくとも1日2回投与される、実施形態71から86のいずれか一項に記載の使用。
88.前記ペプチドが、0.5~100mgの範囲の量で投与される、実施形態71から87のいずれか一項に記載の使用。
89.前記ペプチドが、0.5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態71から88のいずれか一項に記載の使用。
90.前記ペプチドが、0.5~25mgの範囲の量で投与される、実施形態71から89のいずれか一項に記載の使用。
91.前記ペプチドが、1~25mgの範囲の量で投与される、実施形態71から90のいずれか一項に記載の使用。
92.前記ペプチドが、5~50mgの範囲の量で投与される、実施形態71から91のいずれか一項に記載の使用。
93.前記ペプチドが、0.5~10mgの範囲の量で投与される、実施形態71から92のいずれか一項に記載の使用。
94.前記ペプチドが、0.5~5mgの範囲の量で投与される、実施形態71から93のいずれか一項に記載の使用。
95.前記ペプチドが、GLP-1ペプチドである、実施形態71から94のいずれか一項に記載の使用。
96.前記ペプチドが、アシル化されたGLP-1ペプチドである、実施形態71から95のいずれか一項に記載の使用。
97.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)又はNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態71から96のいずれか一項に記載の使用。
98.前記ペプチドが、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)である、実施形態71から97のいずれか一項に記載の使用。
99.前記ペプチドが、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OHである、実施形態71から98のいずれか一項に記載の方法。
100.前記ペプチドが、1種又は複数の薬学的に許容される添加剤を更に含む組成物中で投与される、実施形態71から99のいずれか一項に記載の使用。
101.前記組成物が、固体剤形、例えば、錠剤又はカプセル剤の形態である、実施形態22に記載の使用。
102.前記ペプチドが、1~1000nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態71から101のいずれか一項に記載の使用。
103.前記ペプチドが、1~300nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態71から102のいずれか一項に記載の使用。
104.前記ペプチドが、10~100nMの前記ペプチドの定常状態の平均血漿濃度を実現する投与量で投与される、実施形態71から103のいずれか一項に記載の使用。
105.前記方法が、2型糖尿病又は肥満症の予防及び/又は治療を含む、実施形態71から104のいずれか一項に記載の使用。
【実施例】
【0102】
GLP-1ペプチドの調製:
GLP-1ペプチドを、当業者には公知の方法によって、例えば、WO2006/097537の実施例4及びWO2011/080103の実施例2に記載されているように調製した。
【0103】
一般に、GLP-1ペプチドは、例えば、大腸菌(E.coli)又は出芽酵母(S.cerevisae)における組換え発現によって調製し得る(例えば、WO2008/034881を参照されたい)。代わりに、GLP-1ペプチドは、古典的なペプチド合成、例えば、t-Boc若しくはFmoc化学又は他の確立した技術を使用した固相ペプチド合成(例えば、Greene及びWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999を参照されたい)、或いは液相合成によって調製し得る。また代わりに、組換え発現及び化学合成の組合せを、(例えば、WO2009/083549に記載されているように)GLP-1ペプチドの生成のために使用し得る。GLP-1ペプチドによる化学修飾は、例えば、WO2010/029159に記載されているように、標準的なアシル化技術によって行い得る。
【0104】
GLP-1及びSNACを含む錠剤組成物の調製:
GLP-1ペプチド及びSNAC(N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム)を含む錠剤組成物を、例えば、WO2008/028859(SNACの調製)及びWO2003/72195、PCT出願PCT/EP2013/055362及びPCT出願PCT/EP2013/055363(GLP-1ペプチド/SNAC組成物の調製のための方法)に記載されているように、GLP-1ペプチド、SNAC、微結晶性セルロース(Avicel PH101)、ポビドンK90(Kollidon90F)、及びステアリン酸マグネシウムを混合し、ローラー圧密化することによって当業者には公知の方法によって調製した。
【0105】
LOCIを使用した血漿試料の分析:
発光酸素チャネリング免疫アッセイ(LOCI)を使用して、活性ペプチド成分について血漿を分析した。LOCIアッセイは、ストレプトアビジンでコーティングしたドナービーズ、及び活性ペプチド成分の分子中央領域に結合しているモノクローナル抗体とコンジュゲートしているアクセプタービーズを用いる。N末端エピトープに特異的な他のモノクローナル抗体をビオチン化した。アッセイにおいて、3種の反応物を活性ペプチド成分と合わせ、これによって2部位免疫複合体が形成された。複合体の照射によって、ドナービーズから一重項酸素原子を放出させ、これをアクセプタービーズ中に通し、化学発光をトリガーし、これをEnVisionプレートリーダーにおいて測定した。光の量は、活性ペプチド成分の濃度と比例的であり、血漿中のより低い定量化限界(LLOQ)は、100pMであった。
【0106】
LC-MSを使用した血漿試料の代替分析:
活性ペプチド成分について、当業者には公知のようにLC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析法)を使用して血漿を分析した。LC-MSシステムは、オートサンプラー(モデルAcq-SM)、ポンプ(モデルAcq-BSM)、カラムオーブン(モデルAcq-SM)、検出器(モデルAcq-TUV)及びLTQ Orbitrap XL(Thermo Fisher社)からなるWaters Acquity UPLCシステム(Waters社)からなった。45℃にて0.1ml/分の流量でCSH C18カラム(Waters社、1×150mm)を使用した0.1%ギ酸中のアセトニトリルの直線勾配を使用してRP-HPLC分離を達成した。
【0107】
(実施例1)
SNAC製剤中のN-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)(GLP-1ペプチド1)
薬物動態研究を行い、ヒトへのp.o.投与の後のGLP-1ペプチドの血漿内半減期を決定した。
【0108】
対象に、SNAC製剤中のGLP-1ペプチド1をp.o.投与した。投薬後に血液試料を所定の時点において抜き取り、試料をGLP-1ペプチドの濃度について分析した。これらの測定に基づいて、血漿濃度対時間のプロファイルをプロットし、データのノンコンパートメント薬物動態分析を行った。血漿濃度における可変性を、Cmax及びAUCの両方について%CVとして決定した。錠剤組成物中のSNACの量は、300mgであった。結果を、Table 1(表1)において提示する。
【0109】
【0110】
これらの結果は、ヒトへの単回用量の10mgのGLP-1ペプチド1と比較して、10mg、20mg又は40mgのGLP-1ペプチド1を70日間毎日投与したとき、GLP-1ペプチドの血漿曝露における可変性が有意に低減したことを示す。
【0111】
(実施例2)
SNAC製剤中のN-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)(GLP-1ペプチド1)
薬物動態研究を行い、ビーグル犬へのp.o.投与後にGLP-1ペプチドの血漿内半減期を決定した。
【0112】
イヌに、SNAC製剤中のGLP-1ペプチド1をp.o.投与した。投薬後に血液試料を所定の時点において抜き取り、試料をGLP-1ペプチドの濃度について分析した。これらの測定に基づいて、血漿濃度対時間のプロファイルをプロットし、データのノンコンパートメント薬物動態分析を行った。GLP-1ペプチドの血漿濃度における可変性を、AUCについて%CVとして決定した。錠剤組成物中のSNACの量は、300mgであった。
【0113】
結果を、Table 2(表2)において提示する。
【0114】
【0115】
これらの結果は、単回用量の15mgのGLP-1ペプチド1と比較して、5mgのGLP-1ペプチド1を7日間毎日投与したとき、GLP-1ペプチドの血漿曝露における可変性が有意に低減したことを示す。
【0116】
(実施例3)
SNAC製剤中のNε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OH(GLP-1ペプチド2)
薬物動態研究を行い、ビーグル犬へのp.o.投与後にGLP-1ペプチドの血漿内半減期を決定した。
【0117】
イヌに、SNAC製剤中のGLP-1ペプチド2をp.o.投与した。投薬後に血液試料を所定の時点において抜き取り、試料をGLP-1ペプチドの濃度について分析した。これらの測定に基づいて、血漿濃度対時間のプロファイルをプロットし、データのノンコンパートメント薬物動態分析を行った。GLP-1ペプチドの血漿濃度における可変性を、AUCについて%CVとして決定した。錠剤組成物中のSNACの量は、300mgであった。
【0118】
結果を、Table 3(表3)において提示する。
【0119】
【0120】
これらの結果は、10mgのGLP-1ペプチド2の単回用量と比較して、10mgのGLP-1ペプチド2を7日間毎日投与したとき、GLP-1ペプチドの血漿曝露における可変性が有意に低減したことを示す。
【0121】
本発明の特定のフィーチャを本明細書において例示及び記載してきた一方で、多くの修飾、置換、変更、及び同等物を今や当業者は思い当たる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲に入るものとして全てのこのような修飾及び変更を包含することを意図することが理解される。