IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッドの特許一覧

特許7576913温度監視のための統合された無線接続性を有するエアロゾル送達装置
<>
  • 特許-温度監視のための統合された無線接続性を有するエアロゾル送達装置 図1
  • 特許-温度監視のための統合された無線接続性を有するエアロゾル送達装置 図2
  • 特許-温度監視のための統合された無線接続性を有するエアロゾル送達装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】温度監視のための統合された無線接続性を有するエアロゾル送達装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20241025BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241025BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20241025BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241025BHJP
【FI】
A24F47/00
H04Q9/00 311J
H04W4/38
H04W84/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019525001
(86)(22)【出願日】2017-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 IB2017057111
(87)【国際公開番号】W WO2018087738
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】15/350,869
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハント,エリック・ティー
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】石黒 雄一
【審判官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-507477(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0158782(US,A1)
【文献】特開2015-57078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを囲む少なくとも1つのハウジングと、
エアロゾル前駆体組成物の構成要素をアクティブ化し、気化させるように制御可能な加熱要素と、
加熱要素の温度を測定するように、または加熱要素の温度決定可能な特性を測定するように構成された温度センサと、
温度センサに連結され、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)への接続、およびWLANを含む少なくとも1つのネットワーク上で、データベースを含むサービスプラットフォームとの通信を可能にするように構成された内蔵通信インターフェースを含むマイクロコントローラユニット(MCU)とを備え、
データベースへの温度の格納およびデータベースからの温度の分析を可能にし、かつ、サービスプラットフォームと通信するコンピューティングデバイスが、加熱要素の温度が、許容可能な上限を規定する閾値温度を上回っているか、閾値温度であるか、または閾値温度を下回っているかを示す信号を遠隔的に受信し、受信した信号に基づいて、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供することを可能にするために、MCUは、サービスプラットフォームと通信するように構成されており、
エアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を制御するために、サービスプラットフォームを通してコンピューティングデバイスから信号を受信することに応答して、MCUは、エアロゾル送達装置のロック状態を変更するように構成されている、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
MCUが、加熱要素の温度に基づいて、ロック状態を変更するようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
MCUが、エアロゾル送達装置の電力状態を変更するようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
MCUが、加熱要素の温度に基づいてエアロゾル送達装置の電力状態を変更するようにさらに構成される、請求項3に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
エアロゾル送達装置のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに備え、
MCUが、モーションセンサにも連結されており、サービスプラットフォームと通信して、コンピューティングデバイスがモーションセンサによって検出されたモーションを示す信号を遠隔的に受信し、受信した信号に基づいて、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供することを可能にするように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
MCUが、加熱要素の温度を示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するため、エアロゾル送達装置のインジケータまたはコンピューティングデバイスのインジケータを制御するようにさらに構成されている、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
エアロゾル送達装置のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに備え、
MCUが、モーションセンサにも連結されており、モーションセンサによって検出されたモーションを示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するため、エアロゾル送達装置のインジケータまたはコンピューティングデバイスのインジケータを制御するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
エアロゾル前駆体組成物がグリセリンおよびニコチンを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
エアロゾル送達装置を形成するためにカートリッジと連結された、または連結可能な制御本体であって、カートリッジが、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバと、エアロゾル前駆体組成物の構成要素をアクティブ化し、気化させるように制御可能な加熱要素と、加熱要素の温度を測定するように、または加熱要素の温度決定可能な特性を測定するように構成された温度センサとを備え、制御本体は、
ハウジングと、ハウジングの中に、
制御本体がカートリッジと連結される際、温度センサに連結され、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)への接続、およびWLANを含む少なくとも1つのネットワーク上で、データベースを含むサービスプラットフォームとの通信を可能にするように構成された内蔵通信インターフェースを含むマイクロコントローラユニット(MCU)とを備え、
ータベースへの温度の格納およびデータベースからの温度の分析を可能にし、かつ、サービスプラットフォームと通信するコンピューティングデバイスが、加熱要素の温度が、許容可能な上限を規定する閾値温度を上回っているか、閾値温度であるか、または閾値温度を下回っているかを示す信号を遠隔的に受信し、受信した信号に基づいて、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供することを可能にするために、MCUは、サービスプラットフォームと通信するように構成されており、
エアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を制御するために、サービスプラットフォームを通してコンピューティングデバイスから信号を受信することに応答して、MCUは、エアロゾル送達装置のロック状態を変更するように構成されている、制御本体。
【請求項10】
MCUが、加熱要素の温度に基づいてロック状態を変更するようにさらに構成される、請求項9に記載の制御本体。
【請求項11】
MCUが、エアロゾル送達装置の電力状態を変更するようにさらに構成される、請求項9に記載の制御本体。
【請求項12】
MCUが、加熱要素の温度に基づいてエアロゾル送達装置の電力状態を変更するようにさらに構成される、請求項11に記載の制御本体。
【請求項13】
制御本体のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに備え、
MCUが、モーションセンサにも連結されており、サービスプラットフォームと通信して、コンピューティングデバイスがモーションセンサによって検出されたモーションを示す信号を遠隔的に受信し受信した信号に基づいて、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供することを可能にするように構成される、請求項9に記載の制御本体。
【請求項14】
MCUが、加熱要素の温度を示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するため、エアロゾル送達装置のインジケータまたはコンピューティングデバイスのインジケータを制御するようにさらに構成される、請求項9に記載の制御本体。
【請求項15】
エアロゾル送達装置のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに備え、
MCUが、モーションセンサにも連結されており、モーションセンサによって検出されたモーションを示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するため、エアロゾル送達装置のインジケータまたはコンピューティングデバイスのインジケータを制御するように構成される、請求項9に記載の制御本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙物品などのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、エアロゾルの発生のために電気的に生成された熱を利用してもよいエアロゾル送達装置(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙物品)に関する。喫煙物品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、称するところによれば、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないように設計されている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書および2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願番号第15/222,615号明細書に説明されている背景技術に記載されている様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に説明されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,881,737号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
しかしながら、装置の有用性を拡張し得るような改善された電子機器をエアロゾル送達装置に提供することが望ましい場合がある。
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置、そのような装置を形成する方法およびそのような装置の要素に関する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0006】
例示的な実施形態1:
エアロゾル送達装置であって、 エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを囲む少なくとも1つのハウジングと、 エアロゾル前駆体組成物の構成要素をアクティブ化し、気化させるように制御可能な加熱要素と、 加熱要素の温度を測定するように、または加熱要素の温度が決定可能な、温度センサの特性を測定するように構成された温度センサと、温度センサに連結され、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)への接続、およびWLANを含む少なくとも1つのネットワーク上でサービスプラットフォームとの通信を可能にするように構成された内蔵通信インターフェースを含むマイクロコントローラユニット(MCU)とを備え、サービスプラットフォームと通信するコンピューティングデバイスが、温度センサによって測定された、または温度センサによって測定された特性から決定された加熱要素の温度を示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを遠隔的に受けとり提供することを可能にするために、MCUは、サービスプラットフォームと通信するように構成されている、エアロゾル送達装置。
【0007】
例示的な実施形態2:
MCUがサービスプラットフォームと通信するように構成されていることが、コンピューティングデバイスがエアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を遠隔制御することをさらに可能にするためにサービスプラットフォームと通信するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0008】
例示的な実施形態3:
少なくとも1つの機能的要素の制御は、エアロゾル送達装置の電力状態またはロック状態を変更するための少なくとも1つの機能的要素の制御を含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態4:
電力状態またはロック状態を変更するための少なくとも1つの機能的要素の制御が、加熱要素の温度に基づいて電力状態またはロック状態を変更するための少なくとも1つの機能的要素の制御を含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態5:
サービスプラットフォームがデータベースを含み、MCUがサービスプラットフォームと通信するように構成されていることが、データベースへの温度の格納、およびそこからの温度の分析をさらに可能にするように構成されことを含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態6:
エアロゾル送達装置が、エアロゾル送達装置のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに備え、MCUは、モーションセンサにも連結されておりサービスプラットフォームと通信して、コンピューティングデバイスがモーションセンサによって検出されたモーションを示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを遠隔的に受けとり提供することを可能にするように構成される、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0012】
例示的な実施形態7:
MCUは、加熱要素の温度を示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するようにインジケータを制御するようにさらに構成されている、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0013】
例示的な実施形態8:
MCUは、エアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を制御して、加熱要素の温度に基づいてエアロゾル送達装置の電力状態またはロック状態を変更するようにさらに構成されている、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0014】
例示的な実施形態9:
エアロゾル送達装置が、エアロゾル送達装置のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに含み、MCUはモーションセンサにも連結されており、インジケータを制御して、モーションセンサによって検出されたモーションを示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するように構成される、前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0015】
例示的な実施形態10:
エアロゾル前駆体組成物がグリセリンおよびニコチンを含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0016】
例示的な実施形態11:
エアロゾル送達装置を形成するためにカートリッジと連結された、または連結可能な制御本体であって、カートリッジが、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバと、エアロゾル前駆体組成物の構成要素をアクティブ化し、気化させるように制御可能な加熱要素と、加熱要素の温度を測定するように、または加熱要素の温度が決定可能な、温度センサの特性を測定するように構成された温度センサとを備え、制御本体は、
ハウジングと、ハウジングの中に、制御本体がカートリッジと連結される際、温度センサに連結され、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)への接続、およびWLANを含む少なくとも1つのネットワーク上でサービスプラットフォームとの通信を可能にするように構成された内蔵通信インターフェースを含むマイクロコントローラユニット(MCU)とを備え、サービスプラットフォームと通信するコンピューティングデバイスが、温度センサによって測定された、または温度センサによって測定された特性から決定された加熱要素の温度を示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを遠隔的に受けとり提供することを可能にするために、MCUは、サービスプラットフォームと通信するように構成されている、制御本体。
【0017】
例示的な実施形態12:
MCUがサービスプラットフォームと通信するように構成されていることが、コンピューティングデバイスがエアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を遠隔制御することをさらに可能にするためにサービスプラットフォームと通信するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせのエアロゾル送達装置。
【0018】
例示的な実施形態13:
少なくとも1つの機能的要素の制御は、エアロゾル送達装置の電力状態またはロック状態を変更するための少なくとも1つの機能的要素の制御を含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0019】
例示的な実施形態14:
電力状態またはロック状態を変更するための少なくとも1つの機能的要素の制御は、加熱要素の温度に基づいて電力状態またはロック状態を変更するための少なくとも1つの機能的要素の制御を含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0020】
例示的な実施形態15:
サービスプラットフォームがデータベースを含み、MCUがサービスプラットフォームと通信するように構成されることが、データベースへの温度の格納、およびそこからの温度の分析をさらに可能にするためにサービスプラットフォームと通信するように構成されることを含む、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0021】
例示的な実施形態16:
制御本体は、制御本体のモーションを検出するように構成されたモーションセンサをさらに含み、MCUは、モーションセンサにも連結されており、サービスプラットフォームと通信して、コンピューティングデバイスがモーションセンサによって検出されたモーションを示す、ユーザにより知覚可能なフィードバックを遠隔的に受けとり提供することを可能にするように構成される、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0022】
例示的な実施形態17:
MCUは、加熱要素の温度を示すユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するようにインジケータを制御するようにさらに構成されている、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0023】
例示的な実施形態18:
MCUは、エアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を制御して、加熱要素の温度に基づいて電力状態またはロック状態を変更するようにさらに構成されている、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0024】
例示的な実施形態19:
制御本体は、エアロゾル送達装置のモーションを検出するようにモーションセンサをさらに含み、MCUは、モーションセンサにも連結されており、インジケータを制御して、モーションセンサによって検出されたモーションを示すユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するように構成されている、任意の前述の例示的な実施形態の、または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組み合わせの制御本体。
【0025】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に説明されている特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組合せ可能に見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0026】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記で説明された例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実施形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0027】
本開示は上述の一般的な用語説明されており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の例示的な実施形態による、制御本体に連結されたカートリッジを含むエアロゾル送達装置の側面図である。
図2】様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の部分切欠図である。
図3】様々な例示的な実施形態による、コンピューティングデバイスと無線通信するエアロゾル送達装置を含むシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに完全に説明される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように、そして本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように説明される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、幾何学的関係などを参照することがあるが、別段の記載がない限り、これらのすべてではないにしてもいずれか1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変形例を説明するように絶対的または近似的であり得る。
【0030】
以下に説明されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達装置に関する。本開示によるエアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する。そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは携帯式装置と見なすのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素を使用しても煙が発生されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の構成要素の揮発または気化に起因する蒸気が発生される結果となる。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来の構成要素を組み込み、それによりエアロゾル形態のタバコ由来の構成要素を送達する。
【0031】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成部品は、そのいかなる構成要素も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)を提供し得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が従来の種類の喫煙物品を使用するのと同じように、その部品を持ちおよび使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かしたりすることができる。
【0032】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して本明細書に説明されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連してもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙物品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ(heat-not-burn cigarette)、および本明細書に開示されたいずれかの製品のための関係する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示された機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0033】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気発生物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように適合されることができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0034】
本開示のエアロゾル送達装置は、使用時に、従来の種類の喫煙物品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって採用される多くの物理的アクションを受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達装置のユーザは、従来の種類の喫煙物品に大いに似たその物品を持ち、その物品によって発生されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かす等を行うことができる。
【0035】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられた多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変えることができ、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変えることができる。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得る細長いシェルまたは本体を備えることができ、それゆえ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合される、および分離可能である、2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池および/または充電式スーパーキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える制御本体を一端に有し、他端においては、そこへ取り外し可能に連結可能な、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味収容カートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを有することができる。単一ハウジングタイプのユニット内または複数部品の分離可能ハウジングタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配列は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。加えて、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配列とを理解することができる。
【0036】
本開示のエアロゾル送達装置は、最も好ましくは、電源(すなわち、電気的な動力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ))、ヒータまたは発熱部材(例えば、単独でまたは1つ以上のさらなる要素と組み合わせて、一般に「噴霧器」と呼ばれ得る電気抵抗加熱要素または他の構成要素)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸入により引き出され得るような、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを備える。
【0037】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の位置合わせは変えることができる。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザの口に近接して配置されるように構成され得るエアロゾル送達装置の端部の近くに設置されて、ユーザへのエアロゾル送達を最大にすることができる。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物の十分に近くに配置されて、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に、ユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させるようにし、ユーザへの送達のためのエアロゾルを形成することができる。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0038】
上述したように、エアロゾル送達装置は、電池または他の電源を組み込んで、ヒータの電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流を提供してもよい。電源は様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、加熱要素を急速に加熱するのに十分な電力を送達してエアロゾル形成を提供することができ、エアロゾル送達装置に、所望の持続時間にわたり使用を通して電力を供給することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。加えて、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分に軽量である。
【0039】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配列は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。加えて、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の構成要素の選択および配列を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配列を理解することもできる。市販の製品であって、その構成要素、その動作の方法、その中に含まれる材料および/または他のその属性が本開示の装置に含まれ得る製品の例は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Lorillard Technologies,Inc.によるBLU(TM)、Epuffer(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK LtdによるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、Smoke Stik(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek,LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるAVIGO、VUSE、VUSE CONNECT、VUSE FOB、VUSE HYBRID、ALTO、ALTO+、MODO、CIRO、FOX+FOGおよびSOLO+、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOLならびにCN Creative Ltd.によるVYPEとして市販されている。さらに他の電動式エアロゾル送達装置、特に、いわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、SOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【0040】
本開示のエアロゾル送達装置に採用され得る構成要素および関係技術の追加の製造業者、設計者および/または譲受人は、中国、深せんのShenzhen Jieshibo Technology、中国、深せん市のShenzhen First Union Technology、カリフォルニア州ロサンゼルスのSafe Cig、フィリピンのJanty Asia Company、中国、深せんのJoyetech Changzhou Electronics、SIS Resources、デラウェア州ドーバーのB2B International Holdings、オハイオ州のEvolv LLC、イタリア、ボローニャのMontrade、中国、深せんのShenzhen Bauway Technology、フロリダ州ポンパノビーチのGlobal Vapor Trademarks Inc.、フロリダ州フォートローダーデールのVapor Corp.、ドイツ、ラシャウ=マルカースバッハのNemtra GMBH、ミシガン州アレガンのPerrigo L.Co.、Needs Co.,Ltd.、ネバダ州ラスベガスのSmokefree Innotec、スウェーデン、ヘルシンボリのMcNeil AB、Chong Corp、カリフォルニア州マウンテンビューのAlexza Pharmaceuticals、ノースカロライナ州シャーロットのBLEC,LLC、フランス、ロアバッハ=レ=ビッチュのGaitrend Sarl、中国、深せんのFeelLife Bioscience International、ドイツ、ゼルプのVishay Electronic BMGH、中国、深せんのShenzhen Smaco Technology Ltd.、フロリダ州ボカラトンのVapor Systems International、イスラエルのExonoid Medical Devices、中国、深せんのShenzhen Nowotech Electronic、中国、香港のMinilogic Device Corporation、中国、深せんのShenzhen Kontle Electronics、およびオハイオ州メダイナのFuma International,LLC、ウィスコンシン州ベロイトの21st Century Smoke、および中国、香港のKimree Holdings(HK)Co.Limitedを含む。
【0041】
様々な例では、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを備えることができる。リザーバは、特に、多孔質材料(例えば、繊維質材料)から形成されることができ、したがって、多孔質基材(例えば、繊維質基材)と呼ばれてもよい。
【0042】
エアロゾル送達装置内のリザーバとして有用な繊維質基材は、複数の繊維またはフィラメントから形成された織布または不織布材料であってよく、天然繊維および合成繊維の一方または両方から形成されることができる。例えば、繊維質基材は、ガラス繊維材料を備えてもよい。特定の例では、酢酸セルロース材料を使用することができる。他の例示的な実施形態では、炭素材料を使用することができる。リザーバは、実質的に容器の形態であってよく、その中に含まれる繊維質材料を含んでもよい。
【0043】
図1は、本開示の様々な例示的な実施形態による、制御本体102およびカートリッジ104を含むエアロゾル送達装置100の側面図を示す。具体的には、図1は、互いに連結された制御本体およびカートリッジを示す。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係で着脱可能に位置合わせされてもよい。様々な機構がカートリッジを制御本体に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、カートリッジおよび制御本体が組み立てられた構成にある場合、エアロゾル送達装置は、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。エアロゾル送達装置はまた、断面が実質的に長方形または菱形であってよく、これにより、扁平型電池を含む電源など、実質的に扁平または薄膜の電源との優れた適合性がもたらされ得る。カートリッジおよび制御本体は、多数の異なる材料のうちのいずれかから形成され得る別個のそれぞれのハウジングまたは外側本体を含んでもよい。ハウジングは、任意の好適な構造的に安定した材料から形成されてもよい。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどのような金属または合金から形成されてもよい。他の好適な材料は、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネート)、プラスチック上の金属めっき、セラミックなどを含む。
【0044】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100の制御本体102またはカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体は、交換可能な電池または充電式電池を有してもよく、したがって、典型的な壁コンセントへの接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(たとえばUSB2.0、3.0、3.1、USB Type-C)などを介したコンピュータへの接続、28%の効率を有するGaAs光電池(時に太陽電池と呼ばれる)も含み得る、光電池、もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、またはRF-DC変換器への接続を含む任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、カートリッジは、参照により本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを備えてもよい。
【0045】
図2は、いくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100をさらに具体的に示す。そこに示されている切欠図に見られるように、この場合もやはり、エアロゾル送達装置は、各々が多数のそれぞれの構成要素を含む制御本体102およびカートリッジ104を備えることができる。図2に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在してもよい構成要素の代表であり、本開示に包含される構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。示されるように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、流量センサ210、電源212および1つ以上の発光ダイオード(LED)214を含むことができる制御本体シェル206から形成されることができ、そのような構成要素は、可変に位置合わせすることができる。電源は、例えば、電池(使い捨てまたは充電式)、リチウムイオン電池(LiB)、固体電池(SSB)、充電式薄膜SSB、充電式スーパーキャパシタなど、またはそれらの何らかの組合せを含んでもよい。好適な電源のいくつかの例は、参照により本明細書に組み込まれる2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願番号第14/918,926号明細書に提供されている。LEDは、エアロゾル送達装置に装備され得る好適な視覚的インジケータの一例であり得る。LED、量子ドット対応LED(quantum dot enabled LED)などの視覚的インジケータに加えて、またはそれらの代わりとして、音声的インジケータ(例えば、スピーカ)、触覚的インジケータ(例えば、振動モータ)などの他のインジケータを含めることができる。
【0046】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ218を囲み、ヒータ222(時に加熱要素と呼ばれる)を含むカートリッジシェル216から形成されることができる。様々な構成では、この構造はタンクと呼ばれてもよい;したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバを囲み、ヒータを含むシェルまたは他のハウジングを指すために区別なく使用され得る。
【0047】
示されるように、いくつかの例では、リザーバ218は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ222に吸い上げるか、そうでなければ輸送するように構成された液体輸送要素220と流体連通してもよい。いくつかの例では、弁が、リザーバとヒータとの間に配置され、リザーバからヒータに送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0048】
電流が印加されると熱を発生するように構成された様々な例の材料を使用して、ヒータ222を形成してもよい。これらの例のヒータは、ワイヤコイル、マイクロヒータ,カーボンベースのヒータなどのような抵抗加熱要素であってよい。加熱要素を形成してもよい材料の例は、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ステンレス鋼、二珪化モリブデン(MoSi)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al))、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)を含む。適切な炭素系ヒータの例は、2016年4月20日に提出されたSur等に対する米国特許出願第15/133,916号明細書に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なヒータまたは加熱部材の例示的な実施形態がさらに以下に説明され、本明細書に説明される図2に示すような装置に組み込むことができる。
【0049】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部224がカートリッジシェル216内に(例えば、マウスエンドに)存在してもよい。
【0050】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子的な構成要素226を含んでもよい。例えば、カートリッジは、ヒータ222の温度を測定するように構成された、または温度センサの特性を測定して、ヒータの温度を温度センサの特性から決定されるように構成されたアナログまたはデジタル温度センサを含むことができる。適切な温度センサの例は、サーミスタ、熱電対、測温抵抗体(RTD)、シリコンバンドギャップ温度センサなどである。より具体的な例は、2016年11月11日に出願されたDavis等に対する米国特許出願第15/349,619号明細書に説明されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。電子的な構成要素は、有線または無線手段によって、制御構成要素208および/または外部装置と通信するように適合されてもよい。電子的な構成要素は、カートリッジまたはその基部228内のどこに配置されてもよい。
【0051】
制御構成要素208および流量センサ210は別個に示されているが、制御構成要素および流量センサを含む様々な電子的な構成要素が、電子的な構成要素を支持し電気的に接続する電子プリント回路板(PCB)上で組み合わせられてもよいことを理解されたい。さらに、PCBは、PCBが制御本体の中心軸に対して長さ方向に平行であり得るという点で、図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの例では、空気流量センサは、それが取り付けられ得るそれ自体のPCBまたは他の基部要素を備えてもよい。いくつかの例では、フレキシブルPCBが利用されてもよい。フレキシブルPCBは、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。いくつかの例では、フレキシブルPCBは、ヒータ基板と組み合わされるか、ヒータ基板上に積層されるか、ヒータ基板の一部または全部を形成してもよい。
【0052】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。図2に示すように、制御本体は、内部にキャビティ232を有するカプラ230を含むことができる。カートリッジの基部228は、カプラと係合するように構成することができ、キャビティ内に嵌合するように構成された突起234を含むことができる。このような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電源212および制御構成要素208とカートリッジ内のヒータ222との間の電気的接続を確立することができる。さらに、制御本体シェル206は、吸気口236を含むことができ、吸気口236はシェル内のノッチであってよく、ここでノッチはカプラに接続し、これが、カプラ周辺の周囲空気が通過してシェル内に入り、次いでカプラのキャビティ232を通過し、突起234を通してカートリッジ内に入ることを可能とする。
【0053】
本開示による有用なカプラおよび基部は、参照により本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に説明されている。例えば、図2に見られるように、カプラ230は、基部228の内周240とつがいになるように構成された外周238を画定してもよい。一例では、基部の内周は、カプラの外周の半径と実質的に等しいか、それよりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラは、基部の内周に画定された1つ以上の凹部244と係合するように構成された1つ以上の凸部242を外周に画定してもよい。しかしながら、様々な他の例の構造、形状および構成要素を使用して、基部をカプラに連結してもよい。いくつかの例では、カートリッジ104の基部と制御本体102のカプラとの間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の例では、それらの間の接続は解放可能であってよく、例えば、制御本体が、使い捨ておよび/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のカートリッジとともに、再利用され得る。
【0054】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。他の例では、追加の形状および寸法、例えば、長方形または三角形の断面、多面体形状などが包含される。
【0055】
図2に示すリザーバ218は、容器であってもよいし、本明細書に説明されるように繊維質リザーバであってもよい。例えば、この例では、リザーバは、カートリッジシェル216の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を備えることができる。リザーバ内にエアロゾル前駆体組成物を保持することができる。例えば、リザーバによって液体成分が吸着して保持することができる。リザーバは、液体輸送要素220と流体接続することができる。この例では、液体輸送要素は、毛細管作用によって、金属ワイヤコイルの形態であるヒータ222に、リザーバ内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、ヒータは液体輸送要素を伴った加熱する配置にある。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なリザーバおよび輸送要素の例示的な実施形態がさらに以下に説明され、本明細書に説明される図2に示すような装置に、このようなリザーバおよび/または輸送要素を組み込むことができる。特に、以下にさらに説明する加熱部材と輸送要素との特定の組合せが、本明細書に説明される図2に示すような装置に組み込まれてもよい。
【0056】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸引すると、流量センサ210によって空気流が検出され、ヒータ222がアクティブ化してエアロゾル前駆体組成物の構成要素が気化される。エアロゾル送達装置のマウスエンドを吸引すると、周囲空気が吸気口236に入り、カプラ230内のキャビティ232と、基部228の突起234内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と組み合わさって、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、ヒータから吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、エアロゾル送達装置のマウスエンド内の開口部224から出る。
【0057】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、多数の追加のソフトウェア制御機能を含んでもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、電源入力、電源端子への負荷、および充電入力を検出するように構成された電源保護回路を含んでもよい。電源保護回路は、短絡保護、低電圧ロックアウトおよび/または過電圧充電保護、電池温度補償、電池電解質補償を含んでもよい。エアロゾル送達装置はまた、周囲温度測定のための構成要素を含んでもよく、その制御構成要素208は、充電開始前または充電中に、周囲温度が特定の温度(例えば、0℃)を下回るか、特定の温度(例えば、45℃)を超えた場合に、少なくとも1つの機能要素を制御して、(特に任意の電池の)電源充電を禁止するように構成されてもよい。
【0058】
電源212からの電力送達は、電力制御機構に従って、装置100を用いた各吹かしの経過にわたって変わってもよい。装置は、ユーザまたは構成要素(例えば、流量センサ210)の故障によって装置に連続的に吹かしを試みさせる場合に、制御構成要素208が、少なくとも1つの機能要素を制御して、いくらかの期間(例えば、4秒)後に自動的に吹かしを終了させてもよいように、「長期吹かし」安全タイマを含んでもよい。さらに、装置を用いた吹かしの間の時間は、ある期間(例えば、100秒)未満に制限されてもよい。ウォッチドッグ安全タイマは、エアロゾル送達装置上で実行されるその制御構成要素またはソフトウェアが不安定になり、適切な時間間隔(例えば、8秒)内にタイマにサービスしない場合、エアロゾル送達装置を自動的にリセットしてもよい。流量センサ210の欠陥、そうでなければ故障の場合には、不慮の加熱を防止するためにエアロゾル送達装置を恒久的にディセーブル化するなどにより、さらなる安全保護が提供されてもよい。圧力センサが故障して、4秒の最大吹かし時間後に装置を停止させることなく連続的にアクティブ化させた場合には、吹かしリミットスイッチが装置を停止させてもよい。
【0059】
エアロゾル送達装置100は、(カートリッジ内のe-リキッド充填に照らして計算された利用可能な吹かしの数に基づいて)取り付けられたカートリッジについて定義された数の吹かしが達成されると、ヒータをロックアウトするように構成された吹かし追跡アルゴリズムを含んでもよい。エアロゾル送達装置は、スリープ、スタンバイまたは低電力モード機能を含んでもよく、それによって、定義された不使用期間の後に電力送達が自動的に遮断されてもよい。これらのモードでは、ミリアンペアまたはマイクロアンペアの範囲であり得る静止状態(Iddq)の供給電流がエアロゾル送達装置の電力バックアップを可能にする。電源212のあらゆる充電/放電サイクルがその寿命にわたって制御構成要素208によって監視され得るという点で、さらなる安全保護が提供されてもよい。電源が所定数(例えば、200回)の完全放電および完全再充電サイクルに相当するサイクルに達した後、電源は使い果たされたと宣言され得、制御構成要素が少なくとも1つの機能要素を制御して、電源がさらに充電されるのを防いでもよい。
【0060】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、目下の技術分野に説明され市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用されることができる電池の例は、参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に説明されている。
【0061】
エアロゾル送達装置100は、エアロゾル発生が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)、ヒータ222への電力の供給を制御するためのセンサ210もしくは別のセンサまたは検出器を組み込むことができる。そのため、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合にヒータへの給電をオフにし、吸引中にヒータによる熱の発生を作動させるかトリガするために給電をオンにする様式または方法が提供される。追加の代表的な種類の感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な動作の方法は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書およびFlickのPCT特許出願公開国際公開第2010/003480号パンフレットに説明されている。
【0062】
エアロゾル送達装置100は、吸引中にヒータ222への電力量を制御するための制御構成要素208または別の制御機構を組み込むことが最も好ましい。代表的な種類の電子的な構成要素、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な動作の方法は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書、Panの米国特許第8,205,622号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書およびHenryらの米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に説明されている。
【0063】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書およびBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に説明されている。加えて、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のそれらのウィッキング材料の構成および動作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0209105号明細書に記載されている。
【0064】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な構成要素を備えてもよい。代表的な種類のエアロゾル前駆体構成要素および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書ならびにZhengらの米国特許公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号パンフレットおよび2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願番号第15/222,615号明細書に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体は、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Imperial Tobacco Group PLCによるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体を含む。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0065】
エアロゾル前駆体とともに発泡性材料の実施形態を使用することができ、発泡性材料の実施形態は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に説明されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNiaziらの米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書、Patherらの米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらの米国特許第8,424,541号明細書およびStricklandらの米国特許第8,627,828号明細書ならびにBrinkleyらの米国特許公開第2010/0018539号明細書およびSunらの米国特許公開第2010/0170522号明細書およびJohnsonらのPCT国際公開第97/06786号パンフレットに説明されている。エアロゾル前駆体組成物に含まれるタバコまたはタバコ由来の構成要素の説明を含む、エアロゾル前駆体組成物の実施形態に関する追加の説明は、いずれも2016年7月21日に出願され、いずれもDavisらの米国特許出願番号第15/216,582号明細書および米国特許出願番号第15/216,590号明細書に提供され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
視覚的インジケータおよび関係構成要素、音声的インジケータ、触覚的インジケータなど、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類がエアロゾル送達装置100に使用されてもよい。好適なLED部品の例ならびにそれらの構成および使用は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayの米国特許第8,539,959号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2015/0216233号明細書に説明されている。
【0067】
本開示のエアロゾル送達装置に組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Kataseの米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に説明されている。
【0068】
上記で示されたように、制御構成要素208は、多数の電子的な構成要素を含み、いくつかの例では、PCBから形成されてもよい。電子的な構成要素は、マイクロプロセッサまたはプロセッサコアおよびメモリを含んでもよい。いくつかの例では、制御構成要素は、統合されたプロセッサコアおよびメモリを有するマイクロコントローラを含んでもよく、1つ以上の統合された入力/出力周辺機器をさらに含んでもよい。いくつかの例では、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティングデバイスまたは他の適切にイネーブルにされた装置との無線通信をイネーブルにするために通信インターフェース246に連結されてもよい。好適な通信インターフェースの例は、2015年3月4日に出願されたMarionらの米国特許出願番号第14/638,562号明細書に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの例では、制御構成要素は、内蔵通信インターフェースを有するマイクロコントローラユニット(MCU)を含む。通信インターフェースを内蔵した適切なMCUの一例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップ無線MCUである。エアロゾル送達装置が無線通信するように構成されてもよい好適な様式の例は、Ampoliniらの米国特許出願公開第2016/0007651号明細書およびHenry,Jr.らの米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されており、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
図3は、様々な例示的な実施形態による、エアロゾル送達装置100の外部にあるコンピューティングデバイス302(外部コンピューティングデバイス)と無線通信するエアロゾル送達装置100を含むシステム300を示す。このコンピューティングデバイスは、いくつかの異なるモバイルコンピュータのうちのいずれかなど、いくつかの異なるデバイスとして具現化されることもできる。適切なモバイルコンピュータのより詳細な例は、ポータブルコンピュータ(例えばラップトップ、ノートブック、タブレットコンピュータ)、移動電話(例えば携帯電話、スマートフォン)、ウェアラブルコンピュータ(例えばスマートウォッチ)などを含む。他の例では、コンピューティングデバイスは、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータなどの様式などでモバイルコンピュータ以外として具現化される場合もある。
【0070】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100の通信インターフェース246は、コンピューティングデバイス302を含む無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)304の確立またはそれへの接続を可能にするように構成される。適切なWPAN技術の例には、ブルートゥース、ブルートゥース低エネルギー(ブルートゥースLE)、ジグビー、赤外線(例えばIrDA)、無線周波数識別(RFID)、無線USBなどを含むIEEE802.15規格に基づいたもの、またはそれによって規定されるものが含まれる。適切なWPAN技術の他の例は、Wi-Fi Direct、ならびにIEEE 802.11規格に基づいた、またはそれによって規定された、直接の装置間の通信をサポートする他の特定の技術を含む。
【0071】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100の通信インターフェース246は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)304への接続を可能にするように構成されている。適切なWLAN技術の例には、IEEE 802.11規格に基づくもの、またはそれによって規定され、Wi-Fiとして市販されているものが含まれる。WLANは適切なネットワーキングハードウェアを含み、そのうちのいくつかは統合されており、他のものは別個のものであり、相互接続されていてもよい。示されるように、例えば、WLANは、エアロゾル送達装置100およびコンピューティングデバイス302を含む無線装置がWLANに接続することを可能にするように構成された無線アクセスポイント306を含む。また示されるように、例えば、WLANは、WLANをインターネットのような広域ネットワーク(WAN)のような外部コンピュータネットワーク310に接続するように構成されたレジデンシャルゲートウェイのようなゲートウェイ装置308を含んでよい。いくつかの例では、無線アクセスポイントまたはゲートウェイ装置は、他のシステムまたはデバイスが接続され得る統合されたルータを含んでもよい。WLANは、ネットワークスイッチ、ハブ、デジタル加入者線(DSL)モデム、ケーブルモデムなどの他の統合された、または別個の接続されたネットワークハードウェアを含む場合もある。
【0072】
いくつかの例では、システム300は、(図示されているように)WLAN304または外部ネットワーク310によってアクセス可能なコンピュータシステムとして具現化することができるサービスプラットフォーム312をさらに含む。サービスプラットフォームは、例えば1つ若しくはそれ以上のブレードサーバ、クラウドコンピューティングインフラストラクチャなどによって提供され得る、1つ若しくはそれ以上のサーバを含んでよい。いくつかの例では、サービスプラットフォームは、クラウドコンピューティングインフラストラクチャを提供するために使用され得るなど、複数のコンピューティングデバイスを含む分散コンピューティングデバイスとして具現化される。そしてこれらの例では、サービスプラットフォームを形成するコンピューティングデバイスは、外部ネットワークなどのネットワーク上で互いに通信することができる。
【0073】
いくつかの例では、サービスプラットフォーム312は、WLAN304および外部ネットワーク310上でエアロゾル送達装置100によってアクセス可能であり、このエアロゾル送達装置に、および場合によっては他の複数のエアロゾル送達装置に1つ若しくはそれ以上のサービスを提供するように構成される。例えば、サービスプラットフォームは、エアロゾル送達装置の製造業者、エアロゾル送達装置の売り主、またはエアロゾル送達装置の製造、流通または保守に関心のある他のエンティティによって運営されてよい。サービスプラットフォームは、以下に記載されるものなどのエアロゾル送達装置の管理のための機能などの様々な機能にユーザがアクセスし、使用することを可能にし得る。
【0074】
エアロゾル送達装置100と同様に、いくつかの例では、サービスプラットフォーム312は、WLAN304および外部ネットワーク310上でコンピューティングデバイス302によってアクセス可能であるが、WLANまたは外部ネットワークはエアロゾル送達装置とコンピューティングデバイスとの間で異なる場合がある。コンピューティングデバイスは、インストール済みアプリケーションを含むか、またはサービスプラットフォーム114がアクセス可能な他のインターフェースを提供できる。このアプリケーションまたは他のインターフェースは、シンククライアントおよび/または他のクライアントアプリケーションであってもよく、または、これらによって提供されてもよく、これらは、サービスプラットフォームによって提供されるウェブページ(例えば、サービスポータル)がアクセス可能なウェブブラウザアプリケーションのようなものである。別の例として、アプリケーションまたは他のインターフェースは、モバイルコンピューティングデバイスとして具現化されたコンピューティングデバイス上にインストールされたモバイルアプリなどの専用アプリケーションであってよい、またはそれによって提供されてもよい。
【0075】
制御構成要素208が内蔵通信インターフェースを有するMCUを含む少なくともいくつかの例では、MCUは温度センサ(電子的な構成要素226)に連結され、内蔵通信インターフェースはWLAN304への接続を可能にするように構成され、WLANを含む少なくとも1つのネットワーク(例えば、WLANおよび外部ネットワーク310)上でサービスプラットフォーム312と通信する。これらの例では、サービスプラットフォームと通信するコンピューティングデバイス302が、温度センサによって測定された、または温度センサによって測定された特性から決定されたヒータ222の温度を示すユーザにより知覚可能なフィードバックを遠隔的に受けとり提供することを可能にするために、MCUがサービスプラットフォームと通信するように構成される。
【0076】
いくつかの例では、ユーザにより知覚可能なフィードバック(例えば、視覚的、聴覚的、触覚的フィードバック)は、コンピューティングデバイスのインジケータ314(例えば、視覚的インジケータ、音声的インジケータ、触覚的インジケータ)によって提供される。フィードバックは、例えば、ヒータ222の温度の、あるいは許容可能な上限を規定する閾値温度をヒータの温度が上回っているか、または下回っているかの、視覚的、聴覚的および/または触覚的な通知を含んでよい。その量が閾値温度を超える場合、インジケータは、ユーザに警告するために、警報、ブザー、振動、または視覚的インジケータ(例えば、LED)などのユーザにより知覚可能なフィードバックを提供してよい。
【0077】
いくつかの例では、MCU(制御構成要素208)は、離れたユーザにより知覚により知覚可能なフィードバックを可能にするだけでなく、コンピューティングデバイス302がエアロゾル送達装置100の少なくとも1つの機能的要素を遠隔制御することをさらに可能にするためにサービスプラットフォームと通信するように構成される。例えば、機能的要素の制御は、ヒータ222の温度に基づいて、またはそれとは無関係に、のいずれかで、エアロゾル送達装置の電力状態またはロック状態を変更するための機能的要素の制御を含む。これは、例えばエアロゾル送達装置をオンまたはオフにすること、またはエアロゾル送達装置の動作をロック解除(イネーブル化)またはロック(ディセーブル化)することを含んでよい。したがって、ヒータの温度が閾値温度を超える場合には、コンピューティングデバイスのユーザがコンピューティングデバイスを制御するか、またはコンピューティングデバイスが自動的に動作してエアロゾル送達装置を遠隔的にオフにする、またはその動作をロックする。
【0078】
いくつかの例では、サービスプラットフォーム312はデータベース316(組織化されたデータの集まり)を含む。これらの例では、MCU(制御構成要素208)は、データベースへの温度の格納およびそこからの温度の分析をさらに可能にするためにサービスプラットフォームと通信するように構成されてよい。例えば、温度は、適切なデータ構造化のためにJava、構造化照会言語(SQL)などを使用して処理することができる。ヒータ222に供給される電力の分析、エアロゾル送達装置100内のウィッキング材料の特徴付けなどのために、ツールを実行して温度データに対して統計分析を行うことができる。
【0079】
上述のエアロゾル送達装置100は、コンピューティングデバイス302における温度の監視を可能にする温度センサ(電子的な構成要素226)を含むが、他の類似の機能を可能にするために他のセンサを含めることができることを理解されたい。一時的に図2に戻ると、いくつかの例では、制御本体102は、エアロゾル送達装置100、またはより具体的には制御本体のモーションを検出するように構成されたモーションセンサ248をさらに含む。適切なモーションセンサの例は、傾斜センサ、単軸または多軸加速度計、ジャイロスコープなどの単一または組み合わせを含み、それらのうちの任意の1つまたは複数は、マイクロエレクトロメカニカルシステムベース(MEMS)技術を使用して構築され得る。これらの例のうちの少なくともいくつかでは、MCU(制御構成要素208)はモーションセンサにも連結されており、コンピューティングデバイスが、モーションセンサによって検出されたモーションを示すユーザにより知覚可能なフィードバックを遠隔的に受けとり提供することを可能にするためにサービスプラットフォーム312と通信するように構成される。これは、エアロゾル送達装置がその所望の位置から移動されたことをコンピューティングデバイスのユーザに警告するための警報、ブザー、振動または視覚的インジケータ(例えばLED)を提供するなど、多くの異なる目的に有用であり得る。
【0080】
特定の機能がコンピューティングデバイス302においてイネーブルにされ得るが、類似の機能が、エアロゾル送達デバイス100自体において追加的または代替的にイネーブルにされ得ることもまた理解されるべきである。いくつかの例では、MCU(制御構成要素208)はさらに、インジケータ250(例えば視覚的インジケータ、音声的インジケータ、触覚的インジケータ)を制御して、ヒータ222の温度を示す、ユーザにより知覚可能なフィードバック(例えば視覚的、聴覚的、触覚的フィードバック)を提供するように構成される。インジケータおよびフィードバックは、コンピューティングデバイスのインジケータ314に関して上述したものと同様であり得る。
【0081】
インジケータ250の制御に加えて、またはそれに代えて、いくつかの例では、MCU(制御構成要素208)は、ヒータ222の温度に基づいてエアロゾル送達装置の電力状態またはロック状態を変更するようにエアロゾル送達装置の少なくとも1つの機能的要素を制御するようにさらに構成される。前のものと同様に、これは、例えばヒータの温度が閾値温度を超える場合のように、エアロゾル送達装置をオンまたはオフにすること、あるいはエアロゾル送達装置の動作をアンロック(イネーブル化)またはロック(ディセーブル化)することを含んでよい。
【0082】
さらにまた、制御本体102がモーションセンサ248を含む少なくともいくつかの例では、MCU(制御構成要素208)はモーションセンサにも連結されており、モーションセンサによって検出されたモーションを示すユーザにより知覚可能なフィードバックを提供するようにインジケータ250または別のインジケータを制御するように構成される。ここでもやはり、これは、エアロゾル送達装置がその望ましい場所から移動していることをエアロゾル送達装置の十分に近くにいるユーザに警告するために警報、ブザー、振動または視覚的インジケータ(例えばLED)を提供するなどの多くの異なる目的に有用であり得る。
【0083】
別個に示されていないが、制御本体102に加えて、またはその代わりに、カートリッジ104が温度センサ、および場合によってはモーションセンサおよび/またはインジケータも含む場合もある。カートリッジ内の温度センサ、モーションセンサおよびインジケータは、本明細書で説明されているように制御本体に見られるものと同様のものであってよい。
【0084】
物品の使用の前述の説明は、本明細書で提供されるさらなる開示に照らして当業者にとって明らかであってよく、わずかな修正を通して本明細書で説明される様々な例示的な実施形態に適用することができる。しかしながら、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示の、開示の全ての必要な要件を満たすために提供されている。図1から図3に示される、またはそうでなければ上述した物品(複数可)に示されている任意の要素は、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれてよい。
【0085】
本明細書に記載された開示の多くの修正形態および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面に提示された教示の恩恵を受けて、本開示が関係する当業者が思い浮かべるであろう。したがって、本開示は開示された特定の実施形態に限定されるものではないこと、ならびに修正形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。さらに、前述の説明および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせの文脈で例示的な実施形態を説明しているが、要素および/または機能の異なる組み合わせが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替の実施形態によって提供され得ることを理解されたい。これに関して、例えば、添付の特許請求の範囲の一部に記載されているように、明示的に上述されたもの以外の要素および/または機能の様々な組み合わせも企図される。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。
図1
図2
図3