(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】撮像補助装置、撮像補助システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20241025BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20241025BHJP
H04N 23/695 20230101ALI20241025BHJP
【FI】
G03B17/56 B
G03B15/00 P
G03B17/56 A
H04N23/695
(21)【出願番号】P 2020099472
(22)【出願日】2020-06-08
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】須藤 英理
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-183356(JP,A)
【文献】特開2006-115323(JP,A)
【文献】特開2017-102138(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0334638(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0301845(US,A1)
【文献】特表2016-515348(JP,A)
【文献】特開2007-239842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 15/00
H04N 23/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置に取り付けられる撮像補助装置であって、
撮像装置の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号を逐次的に取得する第1の取得部と、
1又は複数の規範データが格納された記憶部と、
前記1又は複数の規範データの
うちのユーザが選択した1つを取得する第2の取得部と、
前記第1の取得部が取得した前記操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記駆動用信号を用いて前記撮像装置の撮像方向を変更する駆動部を制御する駆動制御部と、
を備え、
前記生成部による前記処理には、前記第2の取得部が取得した規範データと前記操作信号とを参照することによって、前記操作信号を前記第2の取得部が取得した規範データに近づけるように処理することが含まれる
撮像補助装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記第2の取得部が取得した規範データと前記操作信号との差分から補正量を演算し、
演算した補正量と、前記操作信号とから前記駆動用信号を生成する
請求項1に記載の撮像補助装置。
【請求項3】
前記記憶部には複数の規範データが格納されており、
当該複数の規範データのうち、ユーザが選択した規範データを示す規範データ特定情報を取得する第3の取得部を備え、
前記第2の取得部は、前記規範データ特定情報が示す規範データを前記記憶部から取得し、
前記生成部による前記処理には、前記操作信号と、前記第2の取得部が取得した規範データとを参照することによって前記駆動用信号を生成する処理が含まれる
請求項1又は2に記載の撮像補助装置。
【請求項4】
前記生成部による前記処理には、前記操作信号における不要周波数帯域を除去する処理が含まれる
請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像補助装置。
【請求項5】
前記生成部による前記処理には、
生成した前記駆動用信号のうち所定の上限値を超える部分を当該所定の上限値に書き換える処理、及び、
生成した前記駆動用信号のうち所定の下限値を下回る部分を当該所定の下限値に書き換える処理
が含まれる
請求項1から4の何れか一項に記載の撮像補助装置。
【請求項6】
前記生成部による前記処理には、前記生成部が生成した直前までの前記駆動用信号の駆動パターンに基づいて、前記駆動用信号のその後の駆動パターンを決定する処理であって、
第1駆動パターンと当該第1駆動パターンに続く第2駆動パターンとの組み合わせデータ
である前記規範データを参照して、前記直前までの前記駆動用信号の駆動パターンに類似する第1駆動パターンを前記組み合わせデータから検索し、
検索した第1駆動パターンに続く第2駆動パターンに近づくように、前記駆動用信号の前記その後の駆動パターンを決定する処理
が含まれる
請求項1から5の何れか一項に記載の撮像補助装置。
【請求項7】
グリップコントローラ、タッチパネル、ボタン、及びジョイスティックのうちの少なくとも何れかを介して前記ユーザ操作を受け付ける操作受付部を更に備える
請求項1から6の何れか一項に記載の撮像補助装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の撮像補助装置と、
携帯端末装置と、を備え、
前記撮像補助装置の前記第1の取得部は、前記操作信号を前記携帯端末装置を介して取得する
撮像補助システム。
【請求項9】
撮像装置に取り付けられる撮像補助装置の制御方法であって、
撮像装置の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号を逐次的に取得する第1の取得工程と、
1又は複数の規範データが格納された記憶部から、
ユーザが選択した1つの規範データを取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程にて取得した前記操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する生成工程と、
生成した前記駆動用信号を用いて前記撮像装置の撮像方向を変更する駆動部を制御する駆動制御工程と、
を含み、
前記生成工程による前記処理には、前記第2の取得工程にて取得した規範データと前記操作信号とを参照することによって、前記操作信号を前記第2の取得工程にて取得した規範データに近づけるように処理すること
が含まれる
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を撮像するユーザを補助する撮像補助装置、撮像補助システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から動画撮像時に三脚を使ったパンニングやチルティングが行われており、使用する三脚によって出来上がりの映像に大きく差が出ることが知られている。三脚を使った動画撮像においては、高機能・高性能な動画向け三脚を使用するとパンニング/チルティングの開始及び終了時が滑らかになり、かつパンニングやチルティング中の回転操作が安定する。これにより滑らかなパンニングやチルティング映像を撮像することができる。
【0003】
一方、特許文献1には、水準器を用いて水平状態に自動で調整する水平位置調節装置付き三脚が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知の動画撮像用の三脚は、準備に時間がかかること、手動操作のため安定した回転操作を維持するのには熟練の技が必要であること等の問題がある。一方、特許文献1に開示された三脚は、雲台の水平状態を調節するだけであり、ビデオカメラのカメラワークを調節するものではない。また、一定速度の操作又はプログラマブルな回転操作だけを行う技術では、被写体の行動変化やさまざまなシチュエーションでのカメラワークに対応できない。
【0006】
本発明の一態様は、熟練した操作者でなくとも、安定したパンニングやチルティングを行うことのできる撮像補助装置、撮像補助システム及びその制御方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る撮像補助装置は、撮像装置に取り付けられる撮像補助装置であって、撮像装置の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号を逐次的に取得する取得部と、前記取得部が取得した前記操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する生成部と、前記生成部が生成した前記駆動用信号を用いて前記撮像装置の撮像方向を変更する駆動部を制御する駆動制御部と、を備えている。
【0008】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、熟練した操作者でなくとも、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0009】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、前記生成部による前記処理には、規範データと前記操作信号とを参照することによって前記駆動用信号を生成する処理が含まれてもよい。
【0010】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、規範データを参照して駆動用信号を生成するため、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0011】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、前記生成部は、前記規範データと前記操作信号との差分から補正量を演算し、演算した補正量と、前記操作信号とから前記駆動用信号を生成してもよい。
【0012】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、規範データに近づけるように操作信号を補正するため、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0013】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、前記取得部は、複数の規範データの候補のうち、ユーザが選択した規範データを示す規範データ特定情報を更に取得し、前記生成部による前記処理には、前記操作信号と、前記規範データ特定情報が示す規範データとを参照することによって前記駆動用信号を生成する処理が含まれてもよい。
【0014】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、ユーザが選択した規範データを用いることにより、ユーザの好みに合わせて安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0015】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、前記生成部による前記処理には、前記操作信号における不要周波数帯域を除去する処理が含まれてもよい。
【0016】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、不要周波数帯域を除去できるため、滑らかな動画を得ることができる。
【0017】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、前記生成部による前記処理には、前記駆動用信号の信号値が所定の範囲に収まるよう制限する処理が含まれてもよい。
【0018】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、駆動用信号の信号値が所定の範囲に収まるため、滑らかな動画を得ることができる。
【0019】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、前記生成部による前記処理には、直前までの駆動パターンに基づいてその後の駆動パターンを決定する処理が含まれてもよい。
【0020】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、好ましい操作パターンに基づいて駆動パターンを決定するため、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0021】
本発明の一態様に係る撮像補助装置において、グリップコントローラ、タッチパネル、ボタン、及びジョイスティックのうちの少なくとも何れかを介して前記ユーザ操作を受け付ける操作受付部を更に備えてもよい。
【0022】
上記の構成に係る撮像補助装置によれば、様々な操作方法を適用することができる。
【0023】
本発明の一態様に係る撮像補助システムは、上記のいずれかの撮像補助装置と、携帯端末装置と、を備え、前記撮像補助装置の前記取得部は、前記操作信号を前記携帯端末装置を介して取得する。
【0024】
上記の構成に係る撮像補助システムによれば、熟練した操作者でなくとも、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0025】
本発明の一態様に係る制御方法は、撮像装置に取り付けられる撮像補助装置の制御方法であって、撮像装置の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号を逐次的に取得する取得工程と、取得した前記操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する生成工程と、生成した前記駆動用信号を用いて前記撮像装置の撮像方向を変更する駆動部を制御する駆動制御工程とを含む。
【0026】
上記の構成に係る撮像補助装置の制御方法によれば、熟練した操作者でなくとも、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0027】
本発明の一態様に係る制御プログラムは、撮像装置に取り付けられる撮像補助装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、撮像装置の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号を逐次的に取得する取得部と、取得した前記操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する生成部と、生成した前記駆動用信号を用いて前記撮像装置の撮像方向を変更する駆動部を制御する駆動制御部と、としてコンピュータを機能させるための制御プログラムである。
【0028】
本発明の一態様に係る記録媒体は、上記の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様によれば、熟練した操作者でなくとも、安定したパンニングやチルティングを行うことのできる撮像補助装置、撮像補助システム及びその制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1の実施形態に係る撮像補助装置の全体概略図である。
【
図2】第1の実施形態に係る撮像補助装置のブロック構成図である。
【
図3】第1の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの一例である。
【
図4】第1の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御回路の一例である。
【
図5】第1の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御の概念図である。
【
図6】第1の実施形態に係る撮像補助装置のタッチパネルに表示される規範データの表示例である。
【
図7】第2の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの他の例である。
【
図8】第3の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの他の例である。
【
図9】第4の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの他の例である。
【
図10】第5の実施形態に係る撮像補助システムのブロック構成図である。
【
図11】携帯端末装置を用いて規範データを選択する図である。
【
図12】携帯端末装置を用いて撮像補助装置を操作する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る撮像補助装置1の全体概略図である。
図2は、第1の実施形態に係る撮像補助装置のブロック構成図である。撮像補助装置1は、撮像補助装置1に取り付けた撮像装置の撮像方向を、ユーザの指示に基づいて変更するための装置である。撮像装置は、動画を撮像するためのビデオカメラ、スマートフォン等である。
【0032】
(全体の構成)
まず、撮像補助装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、撮像補助装置1は、撮像装置20を載置する雲台10、ピッチ方向モータ30、ヨー方向モータ32、撮像補助装置1の全体を支持する筐体40、及び撮像装置20の撮像方向に関する操作を行うグリップコントローラ50を備える。ピッチ方向モータ30は、雲台10をピッチ方向に駆動する。ヨー方向モータ32は、雲台10をヨー方向に駆動する。
図1に示す実施形態では、撮像補助装置1は、略水平方向に配置された三脚5に取り付けられている。しかし、撮像補助装置は、三脚以外の支持物に取り付けて使用してもよい。また、最初から三脚と一体化された構成であってもよい。
【0033】
撮像装置20は、雲台10に載置され固定される。雲台10は、後述するように、載置した撮像装置20の重心位置を調節することができる。雲台10は、ピッチ方向モータ30によってピッチ方向に回転され、ヨー方向モータ32によってヨー方向に回転される。ヨー方向とは水平方向、つまり左右方向であり、ピッチ方向とはヨー方向と直交する方向、つまり上下方向である。撮像装置20のヨー方向の回転はパンニングとも称され、ピッチ方向の回転はチルティングとも称される。ピッチ方向モータ30とヨー方向モータ32とは、雲台10をピッチ方向及びヨー方向に回転させることにより、撮像装置20の撮像方向を3次元的に変更する。ピッチ方向モータ30とヨー方向モータ32とは、本実施形態に係る駆動部の一例である。
【0034】
ピッチ方向モータ30とヨー方向モータ32は、筐体40に支持されている。筐体40は三脚5に取り付けられている。三脚5が水平に配置されている場合、筐体40も略水平に配置され、雲台10も初期位置では略水平に配置される。
【0035】
グリップコントローラ50は、筐体40の側面に取り付けられている。グリップコントローラ50は、一端が筐体40に取り付けられ、筐体40から延伸する棒体である。操作者は、グリップコントローラ50の他端を任意の方向に任意の角度で倒すことができる。グリップコントローラ50は、本実施形態に係る操作部の一例である。具体的には、ユーザはグリップコントローラ50を倒す方向を変えることで撮像装置20を向ける方向を操作する。また、ユーザはグリップコントローラ50を倒す角度を変えることでその方向に向かって移動する速度を操作する。例えば、グリップコントローラ50を右方向に倒せば雲台10、即ち撮像装置20が右方向に回転し、大きく倒せばその回転速度が速くなる。
【0036】
図2に示すように、筐体40は、内部に制御部60、入出力部72及び記憶部74を備え、側面にSDカードスロット76を備える。制御部60は、撮像補助装置1全体の制御を行う。制御部60として、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、ASIC (Application Specific Integrated Circuit)又はPLD(Programmable Logic Device)等の各種プロセッサを用いることができる。入出力部72は、撮像補助装置1と外部との情報通信を行う。入出力部72は、例えばブルートゥース(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の送受信装置とすることができる。記憶部74は、各種制御プログラム、後述の規範データ、及びその他の情報を、予め、又は随時記憶する。記憶部74は、各種の揮発性又は不揮発性のROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等である。SDカードスロット76は、SDカードを受け付ける。制御部60、入出力部72、記憶部74、及びSDカードスロット76は、バス80を介して互いに電気的に接続されている。
【0037】
制御部60は、操作受付部62、取得部64、生成部66、及び駆動制御部68、を備える。操作受付部62は、グリップコントローラ50を介してユーザ操作を受け付ける。具体的には、操作受付部62は、グリップコントローラ50の動きを検出して、撮像装置(図示せず)の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号に変換する。撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号とは、例えばグリップコントローラ50の操作方向と操作量を表す操作信号である。さらに操作受付部62は、操作信号を取得部64に送信する。取得部64は、撮像装置の撮像方向に関するユーザ操作を示す操作信号を操作受付部62から逐次的に取得し、それを生成部66に送信する。生成部66は、取得部64が取得した操作信号を受信し、それを処理して、駆動用信号を逐次的に生成する。駆動制御部68は、生成部66が生成した駆動用信号を用いて、ピッチ方向モータ30とヨー方向モータ32とを制御する。操作受付部62、取得部64、生成部66、及び駆動制御部68は、バス80を介して互いに電気的に接続されている。
【0038】
雲台10は、デジタル水準器12と、雲台モータ14と、雲台モータ制御部16と、を備える。雲台モータ制御部16は、デジタル水準器12からの出力を解析して、撮像装置の重心位置を判断する。そして、雲台モータ14を駆動制御して撮像装置を載置した載置部を移動させ、撮像装置の重心を適切な位置に移動させる。例えば、撮像装置の重心をピッチ方向モータ30とヨー方向モータ32とを含めた雲台10の重心位置に移動させることにより、撮像装置の向きを安定して変更することができる。撮像装置が適切な位置に移動された段階で、載置台はその位置で固定される。
【0039】
(撮像補助装置の制御方法)
次に、撮像補助装置1の制御方法について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの一例である。ここで、撮像補助制御を開始する契機は、例えば撮像補助装置1の電源がオンになった場合である。又は、撮像補助装置1が撮像補助制御を開始する撮像補助制御モードスイッチを有する場合は、撮像補助制御を開始する契機は、そのスイッチがオンとなった場合である。
【0040】
図3に示すように、ステップS10において、制御部60の取得部64は、操作信号があるか否かを判定する。具体的には、取得部64は操作受付部62から操作信号を受信したか否かを判定する。操作信号を受信していないと判定された場合(ステップS10:N)は、ステップS10に戻る。操作信号を受信したと判定された場合(ステップS10:Y)は、ステップS12に移行する。ステップS12において、取得部64は、操作信号を逐次的に取得し、生成部66に送信する。次にステップS14に移行し、生成部66は、規範データと、取得部64から受信した操作信号と、を参照することによって駆動用信号を生成する。このように、規範データを参照して駆動用信号を生成するため、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。規範データは、予め記憶部74に記憶されている。又は、規範データは、ユーザが使用したい規範データが記憶されたSDカードをSDカードスロット76に差し込み、記憶部74に記憶させてもよい。
【0041】
次にステップS16に移行し、生成部66は、生成した駆動用信号を駆動制御部68に送信する。次にステップS18に移行し、駆動制御部68は、駆動用信号に基づいてピッチ方向モータ30とヨー方向モータ32を駆動制御する。次にステップS20に移行し、生成部66は、撮像補助制御を終了する終了条件が満足したか否かを判定する。終了条件が満足したと判定された場合(ステップS20:Y)は、撮像補助制御は終了する。終了条件が満足していないと判定された場合(ステップS20:N)は、ステップS10に戻る。撮像補助制御の終了条件とは、例えば撮像補助装置1の電源がオフになった場合である。又は、撮像補助装置1が撮像補助制御を開始する撮像補助制御モードスイッチを有する場合は、撮像補助制御の終了条件は、そのスイッチがオフになった場合である。
【0042】
(駆動用信号の生成)
駆動用信号は、操作信号を、例えば規範データに近づけるように処理することで生成される。規範データは、例えば予めさまざまな撮像装置の動き(カメラワーク)の映像を試し撮りして、良い映像であると評価される映像の動きを解析して、カメラワークの数値データとして作成される。あるいは、規範データは、カメラワークが優れていると評価される既存の映像の動きに基づいて予め作成されてもよい。
【0043】
図4は、好ましいカメラワークを規範データとして用いる目標追従制御回路FCの一例である。この回路の場合、生成部66は、規範データと操作信号との差分から補正量を演算し、演算した補正量と、操作信号とから駆動用信号を生成する。具体的には、
図4に示すように、操作信号Xと規範データ信号Sとの差分を取る差分器A1の出力Eを補正量演算回路Fに入力する。補正量演算回路Fからの出力Uと操作信号Xとを差分器A3で処理する。その出力Yと規範データ信号Sとを差分器A2にかけてその出力Cを補正量演算回路Fに入力する。こうして得られた差分器A3の出力Yを駆動用信号として用いる。
【0044】
図5に示すように、振れ幅の大きい操作信号Xを目標追従制御回路FCで処理した出力Yは、規範データ信号Sに近づくことがわかる。規範データ信号Sは、例えば撮像装置の角速度変化量である。ユーザが入力する操作信号は、一般的に振れ幅が大きく、また被写体の動きが急激ではないにもかかわらず、カメラワークの不安定さから移動方向及び角速度が急激に変化することが多い。それに対して、規範データ信号Sに近づける処理を施した駆動用信号は振れ幅が小さく、また移動方向及び角速度の時間的な変化量も小さくなる。その結果、見る者に滑らかな映像の印象を与える。つまり、規範データに近づけるように操作信号を補正するため、安定したパンニングやチルティングを行うことができる。なお、被写体が急激な動きをする場合は、カメラワークもそれに追従して急激に動く必要がある。カメラワークの急激な変化が、被写体の急激な動きに追従したものなのか、あるいはカメラワークの不安定さによるものなのかを見分ける方法として、例えば第2の実施形態で説明するような制御をすることが考えられる。
【0045】
(規範データ)
規範データは、上記の例に限られない。例えば撮像装置が動き始める際の方向、角度、角速度、角加速度、方向又は角度と角速度との組み合わせ、方向又は角度と角加速度との組み合わせ、等でもよい。このような規範データを用いることにより、撮像装置が急激に動き始めることを防止することができる。
【0046】
また、規範データは、例えば撮像装置の動きが停止する際の方向、角度、角速度、角加速度、方向又は角度と角速度との組み合わせ、方向又は角度と角加速度との組み合わせ、等でもよい。このような規範データを参照して駆動用信号を生成するため、撮像装置の急激な停止を防止することができる。
【0047】
また、規範データは、例えば撮像装置の向きが途中で変わる場合の、撮像装置の向きが変わり始める際の方向、角度、角速度、角加速度、方向又は角度と角速度との組み合わせ、方向又は角度と角加速度との組み合わせ、等でもよい。このような規範データを用いることにより、撮像装置の急激な方向変化を防止することができる。
【0048】
また、規範データは、例えば被写体の動きの特定パターンに合わせたデータでもよい。例えば、被写体が左右に移動する場合、遠ざかる場合、近づく場合、等のパターンである。この場合、ズームの変化量も組み合わせて規範データとしてもよい。
【0049】
また、規範データは、ユーザが使用したい規範データを、インターネット通信網を通じて所定のホームページ(サーバ)から選択してダウンロードして取得してもよい。ユーザは、ダウンロードした規範データを記憶部74に記憶させておき、撮影補助制御に用いることができる。所定のホームページは、例えば、撮像補助装置1の各種製品情報を提供するためのホームページである。
【0050】
(操作部)
上記の実施形態においては、操作部としてグリップコントローラ50を用いた例を説明した。しかし操作部はこれに限られず、ユーザの操作を入力できるものであればよい。例えば、ジョイスティック、ボタン、タッチパネル等であってもよい。また、これらが筐体40に配置されている必要はなく、その配置は任意である。例えば、操作部は筐体40とは分離された構成であってもよい。また、後述するように、携帯端末装置を用いて入力する構成でもよい。このように、撮像装置20の操作を行うため、様々な操作方法を適用することができる。
【0051】
例えば、
図6に示すように、操作部としてタッチパネル52を備える場合は、制御部60は、タッチパネル52に規範データの候補を複数表示させることができる。ユーザは、タッチパネル52に表示された候補データの中から適用したい規範データを選択することができる。
図6には、チェックボックスにチェックマークが表示されることで選択した規範データを示す例が示されている。具体的には、適用したい規範データをチェックして入力することにより、制御部60の取得部64に選択した規範データを示す信号(規範データ特定情報)が送信される。取得部64は、ユーザが選択した規範データを示す規範データ特定情報を取得して、生成部66に送信する。生成部66は、操作信号と、規範データ特定情報が示す規範データとを参照し、駆動用信号を生成する。このように、ユーザが選択した規範データを用いることにより、ユーザの好みに合わせて安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0052】
操作部としてジョイスティックを備える場合は、ユーザは、グリップコントローラ50の場合と同様な操作を行うことができる。また、他のジョイスティックで規範データを選択するように構成してもよい。操作部としてボタンを備える場合は、例えば複数のボタンで操作方向と操作量を入力できるように構成することができる。
【0053】
以上のような撮像補助制御によれば、ユーザが操作した撮像装置の動きが、好ましいカメラワークの規範データに近い動きに変更されるため、熟練した操作者でなくとも、撮像装置の安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0054】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について、図面を参照して説明する。第2の実施形態に係る撮像補助装置の全体構成は、第1の実施形態に係る撮像補助装置1と同じであるので、その説明は省略する。第2の実施形態に係る撮像補助装置は、生成部66が操作信号における不要周波数帯域(成分)を除去する処理を行う。不要周波数帯域(成分)とは、例えば、被写体が急激な移動をしていないにもかかわらず、カメラの動きが急激に変化する場合に発生する周波数帯域(成分)である。不要周波数帯域は、被写体の動きとカメラの追従とがマッチしていない場合の周波数帯域である。不要周波数帯域か否かを判定する方法としては、例えば操作信号量の変化の度合い、つまり操作信号の2回微分値で判断することができる。操作信号の1回微分値が大きくても、2回微分値が小さい場合は、被写体の急激な動きに追従していると考えられる。逆に、操作信号の2回微分値が大きい場合は、被写体の動きと追従とがマッチしていないと考えられる。つまり、操作信号の2回微分値が所定値以上である場合は、不要周波数帯域を含んでいると判定することができる。
図7は、第2の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの一例である。撮像補助制御を開始する契機は第1の実施形態と同様である。
【0055】
図7に示すフローチャートにおいて、ステップS40とステップS42は、第1の実施形態のフローチャートのステップS10とステップS12と同じである。次に、ステップS44において、生成部66は、取得部64から受信した操作信号から移動角度の2回微分である角加速度を取得して、その角加速度が所定値以上であるか否かを判定する。角加速度が所定値以上である場合(ステップS44:Y)は、ステップS46に移行する。ステップS46において、生成部66は、角加速度が所定値以上の範囲において不要周波数帯域を除去又は低減して駆動用信号を生成し、制御フローはステップS50に移行する。一方、角加速度が所定値未満である場合(ステップS44:N)は、制御フローはステップS48に移行する。ステップS48において、生成部66は、操作信号から駆動用信号を生成し、制御フローはステップS50に移行する。次のステップS50からステップS54までは、第1の実施形態のステップS16からステップS20までと同じである。
【0056】
あるいは、取得部64から受信した操作信号から角加速度を算出する代わりに、加速度センサを用いて、不要周波数帯域を除去又は低減する制御を行ってもよい。加速度センサは、本実施形態に係る撮像補助装置の例えば雲台10に配置される(図示せず)。この場合、取得部64は、加速度センサからの角加速度信号を取得し、生成部66は、取得部64が取得した角加速度信号が所定値以上であるか否かを判定する(
図7のステップS40からステップS44で、「操作信号」を「角加速度信号」に読み換えたものに相当)。以下、
図7のステップS44での判定結果に応じて、
図7の各ステップを実行すればよい。
【0057】
以上の第2の実施形態に係る撮像補助制御によれば、操作信号における不要周波数帯域を除去できるため、撮像装置20の動きが滑らかとなり、滑らかな動画を得ることができる。
【0058】
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態について、図面を参照して説明する。第3の実施形態に係る撮像補助装置の全体構成は、第1の実施形態に係る撮像補助装置1と同じであるので、その説明は省略する。第3の実施形態に係る撮像補助装置は、生成部66が、駆動用信号の信号値が所定の範囲に収まるよう制限する処理を行う。
図8は、第3の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの一例である。撮像補助制御を開始する契機は第1の実施形態と同様である。
【0059】
図8に示すフローチャートにおいて、ステップS60とステップS62は、第1の実施形態のフローチャートのステップS10とステップS12と同じである。次に、ステップS64において、生成部66は、操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する。次に、ステップS66において、生成部66は、生成した駆動用信号の信号値が所定の範囲に収まるよう制限する処理を行う。例えば、所定の範囲の上限値を超える部分は所定の範囲の上限値に書き換える。併せて、所定の範囲の下限値を下回る部分は所定の範囲の下限値に書き換えてもよい。次に、ステップS68において、生成部66は、制限した駆動用信号を駆動制御部68へ送信する。次のステップS70からステップS72までは、第1の実施形態に係るフローチャートのステップS18からステップS20までと同様である。
【0060】
第3の実施形態においては、規範データとして、例えば方向ごとに角速度及び角加速度の上限値を予め定めて記憶部74に記憶させておく。併せて、記憶部74に下限値を記憶させておいてもよい。規範データは、前述のように、予めさまざまな映像を試し撮りして、良い映像であると評価される映像の動きを解析して決定される。あるいは、規範データは、カメラワークが優れていると評価される既存の映像の動きに基づいて作成してもよい。なお、駆動用信号の信号値が所定の範囲に収まるよう制限する方法は上記の方法に限られない。例えば、操作信号がその最大値を超える場合は、最大値を超えない範囲で緩やかに変化させるように操作信号を処理して駆動用信号を生成してもよい。
【0061】
以上の第3の実施形態に係る撮像補助制御によれば、駆動用信号が所定の範囲に収まるように処理されることにより、撮像装置の動きが滑らかとなり、滑らかな動画を得ることができる。
【0062】
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態について、図面を参照して説明する。第4の実施形態に係る撮像補助装置の全体構成は、第1の実施形態に係る撮像補助装置1と同じであるので、その説明は省略する。第4の実施形態に係る撮像補助装置は、生成部66が直前までの駆動パターンに基づいてその後の駆動パターンを決定する処理を行う。
図9は、第4の実施形態に係る撮像補助装置の撮像補助制御フローチャートの一例である。撮像補助制御を開始する契機は第1の実施形態と同様である。
【0063】
図9に示すフローチャートにおいて、ステップS80とステップS82は、第1の実施形態のフローチャートのステップS10とステップS12と同じである。次に、ステップS84において、生成部66は、直前までに生成した駆動用信号のパターンを取得する。次に、ステップS86において、生成部66は、取得した駆動用信号のパターンに応じて、取得した操作信号を処理して駆動用信号を生成する。ステップS88からステップS92までは、第1の実施形態に係るフローチャートのステップS16からステップS20までと同様である。
【0064】
本実施形態においては、好ましい映像のカメラワークを解析して、第1駆動パターンに続く第2駆動パターンの特徴的な組み合わせデータを集めておく。そして、ステップS84において取得した、直前までに生成した駆動用信号のパターンに似た第1駆動パターンを、組み合わせデータの中から検索する。そして似た第1駆動パターンが見つかれば、それに続く第2駆動パターンに近づくように操作信号を処理する。
【0065】
以上の第4の実施形態に係る撮像補助制御によれば、直前までの駆動パターンに基づいてその後の駆動パターンが決定される。このように、撮像装置の好ましい操作パターン(カメラワーク)に基づいて駆動パターンを決定するため、撮像装置の安定したパンニングやチルティングを行うことができる。
【0066】
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
図10は、第5の実施形態に係る撮像補助システム100のブロック構成図である。撮像補助システム100は、撮像補助装置1と、携帯端末装置90と、を含む。撮像補助装置1は、第1から第4の実施形態で説明した撮像補助装置1と同じであるのでその説明は省略する。携帯端末装置90は、
図10に示すように、表示部92、取得部94、制御部96、及び入出力部98を備える。表示部92は、ユーザに各種情報を表示する、ディスプレイである。表示部92は、ユーザの指示を入力するタッチパネルも兼ねている。取得部94は、ユーザから表示部92を介して入力された操作信号を取得する。また、取得部94は、入出力部98を介して外部から受信した各種情報を取得する。制御部96は、携帯端末装置90全体の動作を制御する。入出力部98は、外部との間で各種情報を送受信するインターフェースである。表示部92、取得部94、制御部96、及び入出力部98は、バス82を介して互いに電気的に接続されている。携帯端末装置90は、例えばスマートフォンである。
【0067】
撮像補助システム100の撮像補助装置1と携帯端末装置90とは、撮像補助装置1の入出力部72と、携帯端末装置90の入出力部98と、を介して互いに情報通信を行うことができる。具体的には、ユーザは、携帯端末装置90を用いて、撮像補助装置1に対して、規範データのリストを送るよう指示することができる。携帯端末装置90を介してユーザの指示を受けた撮像補助装置1は、記憶部74に記憶された規範データのリストを携帯端末装置90に送信する。携帯端末装置90は、規範データのリストを受け取り、
図11に示すように、表示部92に表示させる。
【0068】
撮像補助システム100を構成するため、予め携帯端末装置90に、撮像補助装置1に対して規範データのリストを送るためのアプリケーションをインストールしておく。アプリケーションは、例えば撮像補助装置1の製品のホームページからダウンロードできるようにしてもよい。
【0069】
ユーザは、表示部92に表示された規範データから1つを選択して撮像補助装置1に送信する。
図11には、チェックボックスにチェックマークが表示されることで選択した規範データを示す例が示されている。撮像補助装置1は、ユーザが選択した規範データを用いて撮像補助制御を行う。
【0070】
図12は、撮像補助システム100において、携帯端末装置90を用いて撮像補助装置1を操作する方法を示す図である。本実施形態では、第1の実施形態のグリップコントローラ50に代えて、ユーザは携帯端末装置90を用いて撮像補助装置1を操作する。そのため、予め携帯端末装置90に撮像補助装置1を操作するためのアプリケーションをインストールしておく。アプリケーションは、例えば上述のホームページからダウンロードできるようにしてもよい。
【0071】
ダウンロードしたアプリケーションを起動すると、例えば
図12に示すように、表示部92に撮像補助装置1の操作画面が表示される。図示の例では、撮像補助装置1に搭載した撮像装置の方向が上下左右方向に表示され、その方向への移動速度が5段階の目盛で表示されている。ユーザは、撮像装置を移動させる方向に、移動させる速度の目盛まで指をスワイプすることによって撮像補助装置1を操作する。移動させる方向は上下左右方向だけでなく、斜め方向も可能である。
【0072】
表示部92に入力されたスワイプ操作は、携帯端末装置90の取得部94によって操作信号に変換され取得される。取得された操作信号は、入出力部98を介して撮像補助装置1に送信される。撮像補助装置1の取得部64は、携帯端末装置90を介して操作信号を取得し、生成部66に送信する。生成部66は、受信した操作信号を処理して、駆動用信号を逐次的に生成する。
【0073】
携帯端末装置90に表示する内容は、操作画面だけでなくともよい。例えば、携帯端末装置90と撮像装置との間で情報通信が可能に構成されている場合は、携帯端末装置90の表示部92に撮像装置のビュー画像をリアルタイムで表示してもよい。この場合、ユーザは撮像装置の撮像画面を表示部92で確認しながら表示部92で操作できるので、操作が容易となる。
【0074】
以上の第5の実施形態に係る撮像補助制御によれば、熟練した操作者でなくとも、撮像装置の安定したパンニングやチルティングを行うことができる。さらに、携帯端末装置を介して撮像装置の操作又は情報の取得等を行うことができ、利便性が向上する。
【0075】
撮像補助装置1の制御部60は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、撮像補助装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0076】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1 撮像補助装置
5 三脚
10 雲台
12 デジタル水準器
14 雲台モータ
16 雲台モータ制御部
20 撮像装置
30 ピッチ方向モータ(駆動部)
32 ヨー方向モータ(駆動部)
40 筐体
50 グリップコントローラ(操作部)
52 タッチパネル
60 制御部
62 操作受付部
64 取得部
66 生成部
68 駆動制御部
72 入出力部
74 記憶部
76 SDカードスロット
80、82 バス
90 携帯端末装置
92 表示部
94 取得部
96 制御部
98 入出力部
100 撮像補助システム