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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/42 20060101AFI20241025BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
A61F13/42 B
A61F13/511 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020141172
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036793
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手塚 基文
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-517494(JP,A)
【文献】特開2016-146986(JP,A)
【文献】特開2011-212211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/42
A61F 13/511
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹側部と背側部を有する吸収性物品であって、
吸収体の身体側に配置されたトップシートを備え、
前記トップシートは、
略全面に配置された、排泄物が目立たない色の着色領域と、
前記背側部及び前記腹側部の少なくとも一方に、一定間隔に配置された、前記排泄物の色を視認可能な色の第1視認領域と、
被着用者の排尿口付近に、前記排泄物の色を視認可能な色の、前記吸収体の長手方向に延在した細長い形状の第2視認領域と、を有し、
前記トップシートは、前記背側部の前記吸収体の幅方向端部付近に、前記吸収体の長手方向に延在するように配置された、前記排泄物の色を視認可能な色の第3視認領域を有し、
前記第3視認領域は、前記トップシートに取り付けられた立体ギャザーで覆われる位置に配置されている
ことを特徴とする、吸収性物品。
【請求項2】
前記第2視認領域の、前記吸収体の長手方向の長さは、100mmである
ことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記着色領域は、排泄物の反対色で形成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記着色領域は、XYZ表色系において、X値及びZ値よりもY値が大きい
ことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品では、排泄物を目立たなくするために、トップシートを着色することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、着用者の肌に対向する表面シートと吸収体との間に配置される繊維材料からなる液透過性シートとして、密度が0.03~0.6g/cm、厚みが0.005~1.0mmであり、且つL*C*h表色系におけるL*が65以上、C*が0超、hが90°超~360°未満である寒色系に着色されたものを用いる吸収性物品が開示されている。これにより、吸収された高粘性液の隠蔽性を高くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-93290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の吸収性物品では、着色された液透過性シートを吸収性コアの略全面に配置する構成であり、排泄物の拡散範囲を確認すると共に、被着用者の正しい位置に装着することができない、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、排泄物を目立たなくしつつ、排泄物の拡散範囲を確認すると共に、被着用者の正しい位置に装着することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の吸収性物品は、腹側部と背側部を有する吸収性物品であって、吸収体の身体側に配置されたトップシートを備え、前記トップシートは、略全面に配置された、排泄物が目立たない色の着色領域と、前記背側部及び前記腹側部の少なくとも一方に、一定間隔に配置された、前記排泄物の色を視認可能な色の第1視認領域と、被着用者の排尿口付近に、前記排泄物の色を視認可能な色の、前記吸収体の長手方向に延在した細長い形状の第2視認領域と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように構成された本発明の吸収性物品は、排泄物を目立たなくしつつ、排泄物の拡散範囲を確認すると共に、被着用者の正しい位置に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の内装体が装着された使い捨ておむつを着用した状態を示す斜視図である。
図2】実施例1の内装体を示す平面図である。
図3】実施例1の内装体をギャザーシートと第1シートを省略して示す平面図である。
図4図2のA-A断面の断面図である。
図5】実施例2の内装体を示す平面図である。
図6】実施例3の内装体を示す平面図である。
図7】別の実施例の内装体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による吸収性物品を実現する実施形態を、図面に示す実施例1~実施例3に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
実施例1における吸収性物品は、大人用の使い捨ておむつに装着される内装体に適用される。
【0012】
[吸収性物品の構成]
図1は、実施例1の内装体が装着された使い捨ておむつを着用した状態を示す斜視図である。図2は、実施例1の内装体を示す平面図である。図3は、実施例1の内装体をギャザーシートと第1シートを省略して示す平面図である。図4は、図2のA-A断面の断面図である。以下、実施例1の吸収性物品としての内装体の構成を説明する。なお、内装体の長手方向を長手方向Dとし、幅方向を幅方向Wとする。
【0013】
図1に示すように、吸収性物品としての内装体10は、大人用の使い捨ておむつ1の被着用者P側に装着される。
【0014】
図2に示すように、内装体10は、腹側部10Aと、背側部10Bと、で構成され、被着用者Pの腹から股を介して背中に亘って覆うように形成されている。
【0015】
図2及び図4に示すように、内装体10は、身体側に配置されるトップシート11と、着衣側に配置されるバックシート15と、トップシート11とバックシート15との間に介在される吸収体14と、ギャザーシート16と、から構成されている。
【0016】
バックシート15は、例えば、樹脂フィルムで形成された液不透過性のシートを用いることができる。バックシート15は、吸収体14が保持している体液が、バックシート15を透過して衣類等を濡らさないようにする。
【0017】
吸収体14は、吸収性ポリマーとパルプを含んで構成される。吸収体14は、腹側から背側までシート状に形成される。吸収体14を包む包装紙14cは、排泄物の色を視認可能な色で形成されている。排泄物の色を視認可能な色は、例えば白色とすることができる。
【0018】
図3に示すように、吸収体14は、吸収体本体部14aと、吸収体袖部14bとで略十字状に形成されている。吸収体本体部14aは、長手方向Dに延在した矩形状に形成されている。吸収体袖部14bは、幅方向Wにおいて、吸収体本体部14aの側縁に設けられている。吸収体袖部14bは、長手方向Dにおいて、背側部10Bから、腹側部10Aに形成されている第2視認領域S2の中央付近まで延在した略矩形状に形成されている。なお、吸収体14は、単層であっても複層であってもよい。
【0019】
図2及び図4に示すように、ギャザーシート16は、例えば、液不透過性の不織布を用いることができる。ギャザーシート16は、幅方向Wにおいて、トップシート11の両端付近に設けられている。ギャザーシート16の幅方向Wの基端(一端)は、トップシート11に、例えばホットメルト等の接着剤や溶着等によって固定されている。
【0020】
ギャザーシート16の幅方向Wの開放端(他端)には、長手方向Dに延在する細長状の弾性伸縮部材17が所定の伸張状態で設けられている。弾性伸縮部材17は、例えば、糸状又は帯状の天然ゴム等を使用することができる。弾性伸縮部材17は、長手方向Dに、腹側部10Aから背側部10Bまで延在している。弾性伸縮部材17の収縮力によって、ギャザーシート16にギャザーとしての立体ギャザー18が形成される。
【0021】
立体ギャザー18は、幅方向Wにおいて、吸収体14の両端付近に形成されている。立体ギャザー18は、長手方向Dにおいて、内装体10の全長にわたって形成されている。立体ギャザー18は、被着用者Pの体型に合わせて変形可能であり、被着用者Pの排泄物の横漏れを防止する。
【0022】
このように構成された内装体10は、トップシート11とバックシート15と間に吸収体14を介在した状態で、トップシート11とバックシート15とギャザーシート16とを重ね合わせて、周縁部をホットメルト等の接着剤や溶着等によって固定することで、内装体10が形成される。
【0023】
[トップシートの構成]
図2及び図4に示すように、トップシート11は、身体側に配置される第1シート12と、第1シート12の着衣側に配置される第2シート13と、を備えている。
【0024】
<第1シート>
図2に示すように、第1シート12は、吸収体14より大きく形成されている。第1シート12は、例えば、有孔又は無孔の不織布等で形成された液透過性のシートを用いることができる。第1シート12は、吸収体14に向けて、体液を速やかに通過させる。
【0025】
第1シート12は、排泄物の色を視認可能な色で形成されている。排泄物の色を視認可能な色は、例えば白色とすることができる。第1シート12は、第2シート13の色が分かる程度の透過性を有する。
【0026】
<第2シート>
図2及び図3に示すように、第2シート13は、本体部13aと袖部13bとで略十字状に形成されている。第2シート13と吸収体14とは、略同じ形状にすることができる。
【0027】
本体部13aの幅方向Wの両端部は、立体ギャザー18によって覆われる位置に配置されている。袖部13bは、立体ギャザー18によって覆われる位置に配置されている。
【0028】
第2シート13は、例えば、有孔又は無孔の不織布等で形成された液透過性のシートを用いることができる。第2シート13は、吸収体14に向けて、体液を速やかに通過させる。
【0029】
第2シート13は、排泄物が目立たない色の着色領域S4と、排泄物の色を視認可能な色の第1視認領域S1と、排泄物の色を視認可能な色の第2視認領域S2と、排泄物の色を視認可能な色の第3視認領域S3と、を有している。
【0030】
(着色領域)
図2に示すように、着色領域S4は、第2シート13の略全面にわたって配置されている。着色領域S4は、排泄物が目立たない色に着色されている。排泄物が目立たない色とは、排泄物の反対色や補色とすることができる。着色領域S4の色は、排泄物としての尿の反対色や補色として、例えば、青色や、青紫色や、紫色とすることができる。
【0031】
なお、着色領域S4は、XYZ表色系において、X値及びZ値よりY値を多く含む色とすることもできる。言い換えると、着色領域S4は、緑の色味を多く含む色とすることができる。
【0032】
第2シート13の生地の色を着色領域S4の色とすることができる。なお、第2シート13に着色して、着色領域S4を形成してもよい。
【0033】
(第1視認領域)
図2に示すように、第1視認領域S1は、背側部10Bに配置されている。第1視認領域S1は、長手方向Dに一定の間隔G1(例えば、45mm)で、例えば3つ配置されている。
【0034】
各第1視認領域S1は、長さが略100mmで、幅が略10mmで構成された、幅方向Wに拡がった楕円状に形成されている。各第1視認領域S1は、幅方向Wにおいて、吸収体14の中央から、立体ギャザー18の幅方向Wの開放端の位置まで延在して形成されている。すなわち、各第1視認領域S1は、立体ギャザー18で覆われない位置に形成されている。
【0035】
第1視認領域S1の色は、排泄物の色を視認可能な色で形成さている。排泄物の色を視認可能な色は、例えば、白色とすることができる。第2シート13に着色して第1視認領域S1を形成することができる。
【0036】
なお、第1視認領域S1は、第2シート13に開口部を形成することで形成してもよい。この場合、第2シート13の開口部を通して視認できる吸収体14の包装紙14cの色が第1視認領域S1の色となる。また、第2シート13の生地の色を第1視認領域S1の色とすることもできる。
【0037】
(第2視認領域)
図2に示すように、第2視認領域S2は、腹側部10Aに形成されている。第2視認領域S2は、幅方向Wにおいて、吸収体14の略中央に配置されている。第2視認領域S2は、被着用者Pの排尿口付近に配置されている。すなわち、第2視認領域S2は、立体ギャザー18で覆われない位置に形成されている。
【0038】
第2視認領域S2は、長手方向Dに延在した細長い形状としての矩形状に形成されている。第2視認領域S2は、各第1視認領域S1より大きく形成されている。第2視認領域S2の長手方向Dの長さEは、例えば、略100mmとすることができる。第2視認領域S2の幅方向Wの幅は、例えば、略25mmとすることができる。長手方向Dにおいて、第2視認領域S2から長さL(例えば、50mm)離れた位置に、腹側の第1視認領域S1が形成されている。
【0039】
第2視認領域S2の色は、排泄物の色を視認可能な色で形成さている。排泄物の色を視認可能な色は、例えば、白色とすることができる。第2シート13に着色して第2視認領域S2を形成することができる。
【0040】
なお、第2視認領域S2は、第2シート13に開口部を形成することで形成してもよい。この場合、第2シート13の開口部を通して視認できる吸収体14の包装紙14cの色が第2視認領域S2の色となる。また、第2シート13の生地の色を第2視認領域S2の色とすることもできる。
【0041】
また、第2視認領域S2は、複数の領域の集合体として、長手方向Dに延在した細長い形状を形成していてもよい。例えば、第2視認領域S2は、星形や、菱形や、模様や、図形等の複数の領域が集合して形成されていてもよい。
【0042】
(第3視認領域)
図2及び図3に示すように、第3視認領域S3は、背側部10Bから、腹側部10Aにわたって形成されている。第3視認領域S3は、長手方向Dにおいて、背側部10Bから、腹側部10Aに形成されている第2視認領域S2の中央付近まで延在して形成されている。第3視認領域S3の長手方向Dの長さは、着色領域S4の長手方向Dの長さの50%以上とすることができる。なお、第3視認領域S3は、少なくとも背側部10Bに形成されていればよい。
【0043】
第3視認領域S3は、吸収体14の幅方向Wの両端付近に形成されている。各第3視認領域S3の幅方向Wの長さは、着色領域S4の幅方向Wの長さの10%~20%とすることができる。言い換えると、第3視認領域S3は、第2シート13の袖部13bに形成されている。
【0044】
図2及び図4に示すように、第3視認領域S3は、立体ギャザー18で覆われる位置に配置されている。
【0045】
第3視認領域S3の色は、排泄物の色を視認可能な色で形成さている。排泄物の色を視認可能な色は、例えば、白色とすることができる。第2シート13に着色して第3視認領域S3を形成することができる。
【0046】
なお、第3視認領域S3は、第2シート13に開口部や切り欠きを形成することで形成してもよい。この場合、第2シート13の開口部や切り欠きを通して視認できる吸収体14の包装紙14cの色が第3視認領域S3の色となる。また、第2シート13の生地の色を第3視認領域S3の色とすることもできる。
【0047】
また、第3視認領域S3は、複数の領域の集合体として形成してもよい。例えば、第3視認領域S3は、星形や、菱形や、模様や、図形等の複数の領域が集合して形成されていてもよい。
【0048】
[吸収性物品の作用]
以下、実施例1の吸収性物品(内装体10)の作用を説明する。
【0049】
実施例1の吸収性物品(内装体10)は、腹側部10Aと背側部10Bを有する吸収性物品(内装体10)であって、吸収体14の身体側に配置されたトップシート11を備え、トップシート11は、略全面に配置された、排泄物が目立たない色の着色領域S4と、背側部10B及び腹側部10Aの少なくとも一方に、一定間隔に配置された、排泄物の色を視認可能な色の第1視認領域S1と、被着用者Pの排尿口付近に、排泄物の色を視認可能な色の、吸収体14の長手方向Dに延在した細長い形状の第2視認領域S2と、を有する(図2)。
【0050】
これにより、着色領域S4では、排泄物の色を目立たなくして、介護者や被着用者Pが排泄物を視認し難くすることができる。また、排泄物の拡散に応じて、第1視認領域S1を排泄物で染めることができる。そのため、一定間隔に配置された第1視認領域S1を目盛りとして、排泄物の拡散範囲を確認することができる。
【0051】
さらに、第2視認領域S2を目印として、吸収性物品(内装体10)を被着用者Pに装着することができる。すなわち、排尿口を第2視認領域S2に当てるようにして、吸収性物品(内装体10)を被着用者Pに装着することができる。
【0052】
その結果、排泄物を目立たなくしつつ、排泄物の拡散範囲を確認すると共に、被着用者Pの正しい位置に吸収性物品(内装体10)を装着することができる。
【0053】
また、第1視認領域S1及び第2視認領域S2に付着した排泄物の色を確認することができる。そのため、被着用者Pの健康状態を確認することができる。
【0054】
実施例1の吸収性物品(内装体10)において、第2視認領域S2の、吸収体14の長手方向Dの長さは、略100mmである(図2)。
【0055】
これにより、被着用者Pの動きによって排尿口の位置が、吸収体14の長手方向Dに多少ずれたとしても、吸収性物品(内装体10)の吸収性能を維持可能な範囲に、排尿口が当たるようにして、吸収性物品(内装体10)を被着用者Pに装着することができる。
【0056】
また、第2視認領域S2で排尿すれば漏れないというイメージを、介護者や被着用者Pに与えることができる。
【0057】
実施例1の吸収性物品(内装体10)において、トップシート11は、背側部10Bの吸収体14の幅方向端部付近に、吸収体14の長手方向Dに延在するように配置された、排泄物の色を視認可能な色の第3視認領域S3を有する(図2)。
【0058】
これにより、背側部10Bの幅方向Wにおける排泄物の拡散状況を、介護者が確認することができる。そのため、仰向け又は横向きに寝た姿勢の被着用者Pが着用した吸収性物品(内装体10)において、排泄物の横漏れを防止することができる。
【0059】
また、第3視認領域S3に付着した排泄物の色を確認することができる。そのため、被着用者Pの健康状態を確認することができる。
【0060】
実施例1の吸収性物品(内装体10)において、第3視認領域S3は、トップシート11に取り付けられた立体ギャザー18で覆われる位置に配置されている(図4)。
【0061】
これにより、第3視認領域S3を立体ギャザー18で隠すことができる。そのため、立体ギャザー18を捲らない状態では、着色領域S4だけを見えるようにすることができる。一方、立体ギャザー18を捲れば、第3視認領域S3を見えるようにすることができる。
【0062】
その結果、被着用者Pや介護者は、排泄物の拡散状況を確認する場合は、立体ギャザー18を捲って第3視認領域S3を確認し、その必要がない場合は、第3視認領域S3を見えなくして、排泄物の色を目立たなくすることができる。
【0063】
実施例1の吸収性物品(内装体10)において、着色領域S4は、排泄物の反対色で形成されている。
【0064】
これにより、排泄物で着色された第1視認領域S1、第2視認領域S2及び第3視認領域S3と、着色領域S4との色の違いを目立たせることができる。そのため、第1視認領域S1、第2視認領域S2及び第3視認領域S3に付着した排泄物の色を確認しやすくすることができる。そのため、被着用者Pの健康状態を容易に確認することができる。
【0065】
実施例1の吸収性物品(内装体10)において、着色領域S4は、XYZ表色系において、X値及びZ値よりY値を多く含む。
【0066】
ところで、吸収性物品(内装体10)は、尿等の体液によってトップシート11が濡れると、光透過性が高まり、吸収体14に吸収された排泄物がトップシート越しに見え易くなる。ここで、Y値は、XYZ表色系における明るさ(視感反射率)を表す刺激値である。
【0067】
実施例1では、X値及びZ値よりY値を多く含むことで、トップシート11が水分を含んだ場合に、トップシート11を不透明とすることができる。そのため、トップシート11が水分を含んだ場合に、排泄物が透けて見えてしまうことを防止することができる。その結果、排泄物を目立たなくすることができる。
【実施例2】
【0068】
実施例2の吸収性物品は、第1視認領域の構成が異なる点で、実施例1の吸収性物品と相違する。
【0069】
[吸収性物品の構成]
図5は、実施例2の内装体を示す平面図である。以下、実施例2の吸収性物品としての内装体の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0070】
図5に示すように、実施例2の第1視認領域S1は、背側部10Bに配置されている。第1視認領域S1は、幅方向Wに一定の間隔G2(例えば、40mm)で、例えば3つ配置されている。
【0071】
各第1視認領域S1は、長さが略100mmで、幅が略10mmで構成された、長手方向Dに延在した矩形状に形成されている。各第1視認領域S1は、長手方向Dにおいて、第2視認領域S2から長さL(例えば、50mm)離れた位置に形成されている。各第1視認領域S1は、立体ギャザー18で覆われない位置に形成されている。
【0072】
このような構成の吸収性物品(内装体10)も、実施例1の吸収性物品(内装体10)と同様の作用効果を有する。
【実施例3】
【0073】
実施例3の吸収性物品は、第1視認領域の構成が異なる点で、実施例1の吸収性物品と相違する。
【0074】
[吸収性物品の構成]
図6は、実施例3の吸収性物品を示す平面図である。以下、実施例3の吸収性物品としての内装体の構成を説明する。なお、実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0075】
図6に示すように、実施例3の第1視認領域S1は、背側部10Bに配置されている。第1視認領域S1は、一定の間隔G3(例えば、10mm)で、例えば20ずつ配置されている。
【0076】
各第1視認領域S1は、直径が略10mmの円形状に形成されている。腹側の第1視認領域S1は、長手方向Dにおいて、第2視認領域S2から長さL(例えば、50mm)離れた位置に形成されている。各第1視認領域S1は、立体ギャザー18で覆われない位置に形成されている。
【0077】
このような構成の吸収性物品(内装体10)も、実施例1の吸収性物品(内装体10)と同様の作用効果を有する。
【0078】
以上、本発明の吸収性物品を実施例1~実施例3に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や、追加や、各実施例の組み合わせ等は許容される。
【0079】
実施例1~実施例3では、背側部10Bに第1視認領域S1を配置する例を示した。しかし、図7に示すように、第1視認領域S1は、腹側部10Aにも配置してもよい。この場合、腹側部10Aに配置されている第1視認領域S1は、長手方向Dに一定の間隔G4(例えば、10mm)で、例えば2つ配置される。腹側部10Aの第1視認領域S1は、長手方向Dにおいて、第2視認領域S2から長さL(例えば、50mm)離れた位置に形成される。
【0080】
実施例1~実施例3では、トップシート11に、第1視認領域S1と、第2視認領域S2と、第3視認領域S3とを設ける例を示した。しかし、トップシート11には、第3視認領域S3を設けないようにしてもよい。
【0081】
実施例1~実施例3では、トップシート11は、第1シート12と第2シート13とから構成される例を示した。しかし、トップシートは、1枚で構成されてもよい。
【0082】
第1視認領域S1と、第2視認領域S2と、第3視認領域S3との数は、上記実施例の態様に限定されるものではない。
【0083】
第1視認領域S1と、第2視認領域S2と、第3視認領域S3との形状は、上記実施例の態様に限定されるものではなく、例えば、星形や、菱形や、模様や、図形等にすることもできる。
【0084】
実施例1~実施例3では、第1視認領域S1は、立体ギャザー18で覆われない位置に形成される例を示した。しかし、第1視認領域S1は、立体ギャザー18で覆われる位置にも形成されてよい。
【0085】
実施例1~実施例3では、内装体10は、立体ギャザー18を備える例を示した。しかし、内装体は、立体ギャザーを備えていなくてもよい。
【0086】
実施例1~実施例3では、本発明の吸収性物品を、大人用の使い捨ておむつに装着される内装体に適用される例を示した。しかし、本発明の吸収性物品は、子供用の使い捨ておむつに装着される内装体に適用することもできる。
【0087】
実施例1~実施例3では、本発明の吸収性物品を、大人用の使い捨ておむつに装着される内装体に適用される例を示した。しかし、本発明の吸収性物品は、下着に取り付ける吸収性物品や、身体に接触させて排泄物を吸収できる吸収性物品に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 内装体(吸収性物品の一例)
10A 腹側部
10B 背側部
11 トップシート
14 吸収体
18 立体ギャザー
S1 第1視認領域
S2 第2視認領域
S3 第3視認領域
S4 着色領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7