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特許7576948温度センサを備えたソースドライバ及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】温度センサを備えたソースドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20241025BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20241025BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G09G3/20 623A
G09G3/3225
G09G3/20 670L
G09G3/20 612U
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020155325
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2021047405
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0113249
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517232084
【氏名又は名称】エルエックス セミコン カンパニー, リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シン・ギョンミン
(72)【発明者】
【氏名】アン・ヨンソン
(72)【発明者】
【氏名】シン・ギウン
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0136149(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0027414(KR,A)
【文献】特開2009-276744(JP,A)
【文献】特開2008-152087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0096661(US,A1)
【文献】特開2016-118664(JP,A)
【文献】特開2007-065457(JP,A)
【文献】国際公開第2015/008424(WO,A1)
【文献】特開2008-257162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
G02F 1/133-1/1347
G09G 3/00-3/38
G09F 9/00-9/46
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の温度データ及び前記複数の温度データに相応する複数の電圧データをソースドライバの電力消費量に応じたモードに応じて異なるように取得し、前記取得された複数の温度データ及び前記取得された複数の電圧データから前記モードに応じてそれぞれの温度及び電圧の間の関数を生成する較正部;及び
前記ソースドライバのモードを判別し、入力電圧データを受信し、前記ソースドライバのモードに対応する関数を選択し、前記入力電圧データを前記選択された関数に適用して前記入力電圧データに相応する温度データを算出するデータ算出部を含むソースドライバ。
【請求項2】
前記モードは、第1電力消費量に対する第1モード及び前記第1電力消費量より低い第2電力消費量に対する第2モードを含み、
前記第1モードに応じた第1複数の温度データ及び第1複数の電圧データと、前記第2モードに応じた第2複数の温度データ及び第2複数の電圧データが格納されるメモリをさらに含む、請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項3】
前記較正部は、前記メモリから前記モードに応じて複数の温度データ及び複数の電圧データを読出し、前記読出された複数の温度データ及び複数の電圧データから前記関数を生成する、請求項2に記載のソースドライバ。
【請求項4】
前記電力消費量は、パネルの画面再生率(Refresh Rate;RR)により決定される、請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項5】
オフセットデータが格納されるメモリを含み、
前記較正部は、前記複数の電圧データに前記オフセットデータを反映したデータから前記関数を生成する、請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項6】
前記較正部は、前記複数の電圧データまたは前記オフセットデータを選択するMUXを含む、請求項5に記載のソースドライバ。
【請求項7】
前記複数の電圧データ及び前記入力電圧データに対応する信号を生成する温度センサを含む、請求項1に記載のソースドライバ。
【請求項8】
パネル;及び
前記パネルのある一面に結合されたソースドライバを含み、
前記ソースドライバは、
前記パネルの熱の伝達を受けて、前記ソースドライバの電力消費量に応じたモードに応じて温度データと電圧データを異なるように取得し、
前記ソースドライバの第1モードに応じて、第1温度データ及び前記第1温度データに相応する第1電圧データと、第2温度データ及び前記第2温度データに相応する第2電圧データを取得し、
前記ソースドライバの第2モードに応じて、第3温度データ及び前記第3温度データに相応する第3電圧データと、第4温度データ及び前記第4温度データに相応する第4電圧データを取得し、
前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データから温度及び電圧の間の第1関数を生成し、前記第3温度データ及び前記第3電圧データと前記第4温度データ及び前記第4電圧データから温度及び電圧の間の第2関数を生成し、
前記ソースドライバのモードを判別し、前記ソースドライバのモードに対応する関数を選択し、
電圧データを受信し、前記第電圧データを前記選択された関数に適用して前記第電圧データに相応する第温度データを算出する表示装置。
【請求項9】
前記パネルと前記ソースドライバとの間に位置して前記パネルの熱を前記ソースドライバに伝達する放熱板を含む、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第温度データは、前記パネルに対する温度である、請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
較正部及びデータ算出部を含むソースドライバにおいて、
前記較正部は、
前記ソースドライバの電力消費量に応じたモードに応じて温度データと電圧データを異なるように取得し、前記ソースドライバの第1モードに応じて、第1温度データ及び前記第1温度データに相応する第1電圧データと、第2温度データ及び前記第2温度データに相応する第2電圧データを取得し、前記ソースドライバの第2モードに応じて、第3温度データ及び前記第3温度データに相応する第3電圧データと、第4温度データ及び前記第4温度データに相応する第4電圧データを取得し、前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データから温度及び電圧の間の第1関数を生成し、前記第3温度データ及び前記第3電圧データと前記第4温度データ及び前記第4電圧データから温度及び電圧の間の第2関数を生成し、
前記データ算出部は、
前記ソースドライバのモードを判別し、前記ソースドライバのモードに対応する関数を選択し、電圧データを受信し、前記第電圧データを前記選択された関数に適用して前記第電圧データに相応する第温度データを算出するソースドライバ。
【請求項12】
データが格納されるメモリをさらに含み、
前記較正部は、前記メモリから前記第1乃至第4温度データ及び前記第1乃至第4電圧データを読出する、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項13】
温度に応じて前記第1乃至第電圧データに対応する第1乃至第信号をアナログ的に生成する温度センサを含む、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項14】
前記第1乃至第信号をデジタル化して前記第1乃至第電圧データに変換するアナログデジタルコンバータを含む、請求項13に記載のソースドライバ。
【請求項15】
前記第1関数は、前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データとが連結されて形成された1次式の直線を有し、
前記第2関数は、前記第3温度データ及び前記第3電圧データと前記第4温度データ及び前記第4電圧データが連結されて形成された1次式の直線を有する、請求項11に記載のソースドライバ。
【請求項16】
前記較正部は、前記関数の傾き及び前記関数のオフセットを調整して前記関数を生成する、請求項15に記載のソースドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は補正機能を有する温度センサとこれを含むソースドライバ及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温度センサは周辺の熱を感知するセンサであって、半導体集積回路にも広範囲に使われている。特に、表示装置で温度センサは熱に敏感な部品の温度を感知し、パネル駆動装置は感知された温度によって部品に供給する電圧または電流を適切に制御することができる。
【0003】
温度センサは熱によって変化する電気的特性を用いて温度を示すことができる。温度センサは温度によって変わる電流または電流のような電気的特性を出力し、電気的特性から温度を算出するが、実際の温度と温度センサが出力する温度との間に誤差が発生することがある。
【0004】
このような誤差を補正する多様な技術が開発されている。誤差を補正するためにアナログ段階で温度データを補正することもあるが、これは補正のために複雑な回路を要求するという短所がある。また、温度センサが非線形的電圧の特性を通じて温度を算出すれば、算出される温度と実際温度との間の誤謬が発生することもある。
【0005】
一方、温度センサは幾つかの要因によって誤差を発生させることがある。例えば、温度センサの接地(ground)電圧が変動して温度センサがセンシングを通じて出力する電圧が変わることがある。または、表示装置のソースドライバが電力を多く消耗する動作をすれば、内部温度が実際温度より高まって、ソースドライバの内部に装着された温度センサが実際温度と異なるようにセンシングすることがある。
【0006】
したがって、既存の温度センサ誤差補正の問題点を解決し、電力消費に従う発熱量を考慮する温度センサ補正技術の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景で、本実施形態の一目的は、温度と電圧との間の相関関係を較正して温度センサ測定誤差を補正する技術を提供することにある。本実施形態の他の目的は、ソースドライバの電力消費量によって相異する温度補正技術を提供することにある。本実施形態の更に他の目的は、熱の伝導性を用いてパネルの温度を測定するソースドライバに対する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、一実施形態は、複数の温度データ及び前記複数の温度データに相応する複数の電圧データをソースドライバの電力消費量に従うモードによって異なるように取得し、前記取得された複数の温度データ及び前記取得された複数の電圧データから温度及び電圧の間の関数を生成する較正部;及び入力電圧データを受信し、前記入力電圧データを前記関数に適用して前記入力電圧データに相応する温度データを算出するデータ算出部を含むソースドライバを提供する。
【0009】
前記ソースドライバで、前記モードは、第1電力消費量に対する第1モード及び前記第1電力消費量より低い第2電力消費量に対する第2モードを含み、前記第1モードに従う第1複数の温度データ及び第1複数の電圧データと、前記第2モードに従う第2複数の温度データ及び第2複数の電圧データが格納されるメモリをさらに含むことができる。
【0010】
前記ソースドライバで、前記較正部は、前記メモリから前記モードによって複数の温度データ及び複数の電圧データを読出し、前記読出された複数の温度データ及び複数の電圧データから前記関数を生成することができる。
【0011】
前記ソースドライバで、前記電力消費量は、パネルの画面再生率(Refresh Rate;RR)により決定できる。
【0012】
前記ソースドライバで、オフセットデータが格納されるメモリを含み、前記較正部は、前記複数の電圧データに前記オフセットデータを反映したデータから前記関数を生成することができる。
【0013】
前記ソースドライバで、前記較正部は、前記複数の電圧データまたは前記オフセットデータを選択するMUXを含むことができる。
【0014】
前記ソースドライバで、前記複数の電圧データ及び前記入力電圧データに対応する信号を生成する温度センサを含むことができる。
【0015】
他の実施形態は、パネル;及び前記パネルのある一面に結合されて前記パネルの熱の伝達を受けて、第1温度データ及び前記第1温度データに相応する第1電圧データと、第2温度データ及び前記第2温度データに相応する第2電圧データを取得し、前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データから温度及び電圧の間の関数を生成し、第3電圧データを受信し、前記第3電圧データを前記関数に適用して前記第3電圧データに相応する第3温度データを算出するソースドライバを含む表示装置を提供する。
【0016】
前記表示装置で、前記パネルと前記ソースドライバとの間に位置して前記パネルの熱を前記ソースドライバに伝達する放熱板を含むことができる。
【0017】
前記表示装置で、前記第3温度データは、前記パネルに対する温度でありうる。
【0018】
更に他の実施形態は、第1温度データ及び前記第1温度データに相応する第1電圧データと、第2温度データ及び前記第2温度データに相応する第2電圧データを取得し、前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データから温度及び電圧の間の関数を生成する較正部;及び第3電圧データを受信し、前記第3電圧データを前記関数に適用して前記第3電圧データに相応する第3温度データを算出するデータ算出部を含むソースドライバを提供する。
【0019】
前記ソースドライバで、データが格納されるメモリをさらに含み、前記較正部は、前記メモリから前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データを読出することができる。
【0020】
前記ソースドライバで、温度によって前記第1乃至第3電圧データに対応する第1乃至第3信号をアナログ的に生成する温度センサを含むことができる。
【0021】
前記ソースドライバで、前記第1乃至第3信号をデジタル化して前記第1乃至第3電圧データに変換するアナログデジタルコンバータを含むことができる。
【0022】
前記ソースドライバで、前記関数は、前記第1温度データ及び前記第1電圧データと前記第2温度データ及び前記第2電圧データとが連結されて形成された1次式の直線を有することができる。
【0023】
前記ソースドライバで、前記較正部は、前記関数の傾き及び前記関数のオフセットを調整して前記関数を生成することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上で説明したように、本実施形態によれば、ソースドライバの電力消費量によって引き起こされる温度センシング誤差を改善することができる。そして、本実施形態によれば、ソースドライバにより測定されるパネル温度の測定誤差を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態に従う表示装置の構成図である。
図2】一実施形態に従うソースドライバの一例示構成図である。
図3】一実施形態に従う温度センサの一例示回路図である。
図4】一実施形態に従うデータ加工部及び較正部の一例示構成図である。
図5】一実施形態に従うデータを加工する過程を示す図である。
図6】一実施形態に従う関数生成を遂行する過程を示す図である。
図7】他の実施形態に従う較正部で表示モードによって他のデータを選択する過程を示す図である。
図8】他の実施形態に従う較正部で表示モードによってオフセット反映データを選択する過程を示す図である。
図9】更に他の実施形態に従う表示装置の構成図である。
図10】更に他の実施形態に従うソースドライバとパネルとの結合態様を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態に従う温度較正に対する実験結果を示す第1例示図である。
図12】本発明の実施形態に従う温度較正に対する実験結果を示す第2例示図である。
図13】本発明の実施形態に従う温度較正に対する実験結果を示す第3例示図である。
図14】従来の温度センシング誤差を示す第1例示図である。
図15】従来の温度センシング誤差を示す第2例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、一実施形態に従う表示装置の構成図である。
【0027】
図1を参照すると、表示装置100は、パネル110、ソースドライバ120、ゲートドライバ130、タイミングコントローラ140などを含むことができる。
【0028】
パネル110には、複数のデータライン(DL)、複数のゲートライン(GL)、及び複数のセンシングライン(SL)が配置され、複数の画素(P)が配置できる。
【0029】
ゲートドライバ130はターンオン電圧あるいはターンオフ電圧のスキャン信号をゲートライン(GL)に供給することができる。ターンオン電圧のスキャン信号が画素(P)に供給されれば、該当画素(P)はデータライン(DL)と連結され、ターンオフ電圧のスキャン信号が画素(P)に供給されれば、該当画素(P)とデータライン(DL)との連結は解除される。
【0030】
ソースドライバ120は、データライン(DL)にデータ電圧を供給する。データライン(DL)に供給されたデータ電圧はスキャン信号によってデータライン(DL)と連結された画素(P)に伝達される。
【0031】
ソースドライバ120は、各画素(P)に形成される特性値-例えば、電圧、電流など-をセンシングする。ソースドライバ120はスキャン信号によって各画素(P)と連結されることもでき、別途のセンシング信号によって各画素(P)と連結されることもできる。この際、センシング信号はゲートドライバ130により生成できる。
【0032】
タイミングコントローラ140は、ゲートドライバ130及びソースドライバ120に各種の制御信号を供給することができる。タイミングコントローラ140は、各フレームで具現するタイミングによってスキャンが始まるようにするゲート制御信号(GCS)を生成してゲートドライバ130に転送することができる。そして、タイミングコントローラ140は外部から入力される映像データをソースドライバ120で使用するデータ信号形式に合うように転換した映像データ(RGB)をソースドライバ120に出力することができる。また、タイミングコントローラ140は、各タイミングに合うようにソースドライバ120が各画素(P)にデータ電圧を供給するように制御するデータ制御信号(DCS)を転送することができる。
【0033】
タイミングコントローラ140は、画素(P)の特性によって映像データ(RGB)を補償して転送することができる。この際、タイミングコントローラ140はソースドライバ120から画素センシングデータ(SENSE_DATA)を受信することができる。画素センシングデータ(SENSE_DATA)には画素(P)の特性に対する測定値が含まれ得る。画素センシングデータ(SENSE_DATA)にはソースドライバ120がデータライン(DL)に出力するデータ電圧に対する測定値が含まれ得る。画素センシングデータ(SENSE_DATA)にはパネルの温度に対する温度データが含まれ得る。タイミングコントローラ140は、前記温度データからパネルの温度を把握し、前記パネルの温度に照らして適合した電圧をパネルに供給するようにPMIC(Power Management IC)を制御することができる。
【0034】
パネル110は有機発光表示パネルでありうる。この際、パネル110に配置される画素(P)は有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)及び1つ以上のトランジスタを含むことができる。各画素(P)に含まれる有機発光ダイオード(OLED)及びトランジスタの特性は時間あるいは周辺環境によって変わることがあるが、ソースドライバ120は各画素(P)に含まれたこのような構成要素の特性をセンシングしてタイミングコントローラ140に転送することができる。
【0035】
図2は一実施形態に従うソースドライバの一例示構成図であり、図3は一実施形態に従う温度センサの一例示回路図である。
【0036】
図2を参照すると、ソースドライバ120は、温度センサ121、アナログデジタルコンバータ(ADC)122、データ加工部123、較正部124、データ算出部125、及びデータ出力部126を含むことができる。
【0037】
温度センサ121は、ソースドライバ120の温度をセンシングすることができる。温度センサ121は、ソースドライバ120の内部に備えられてソースドライバ120の温度を感知し、感知された温度に相応する電流または電圧を出力することができる。
【0038】
図3を参照すると、温度センサ121はトランジスタ、例えばBJT(Bipolar Junction Transistor)を含むPTAT(Proportional To Absolute Temperature)回路を含むことができる。温度センサ121の回路はBJTの他にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、増幅器、及び抵抗を含むことができる。温度によって変わるBJT端子間の電圧差によって温度センサ121はIPTATまたはVPTATを引き起こすことができる。即ち、温度センサ121は周辺温度に相応するIPTATまたはVPTATを生成することができる。温度とIPTATまたはVPTATの関係は比例でありうる。具体的に、温度センサ121は次の数式1を通じて温度とIPTATまたはVPTATの関係を示すことができる。
【数1】
【0039】
ここで、kはボルツマン定数を、qは電荷量を、Tはケルビンを単位にする温度を、R及びRは抵抗を、VBE1は第1のBJT(Q1)のベースとエミッタとの間の電圧を、VBE2は第2のBJT(Q2)のベースとエミッタとの間の電圧を各々示すことができる。ln(n)で、nはベースとエミッタとの間の接触面積(A)に対するスケールを示す係数であって、定数である。したがって、数式1によれば、VPTATとTは1次式の関数で表現できるので、温度センサ121はTに比例するVPTATを出力することができる。
【0040】
また、図2を参照すると、温度センサ121は温度に相応するセンシング信号(S_SENSE)を出力することができる。センシング信号(S_ENSE)は電圧信号を含むことができる。前記電圧信号は数式1のVPTATの値に対するものでありうる。温度センサ121は、センシング信号(S_SENSE)をアナログデジタルコンバータ122に送信することができる。
【0041】
アナログデジタルコンバータ122は、センシング信号(S_SENSE)をデジタル的に変換してデジタルセンシングデータ(D_SENSE)を生成することができる。センシング信号(S_SENSE)はアナログ電圧値を含み、デジタルセンシングデータ(D_SENSE)はデジタル電圧値を含むことができる。デジタルセンシングデータ(D_SENSE)はデータ加工部123でフィルタリングされた後に較正部124で温度と電圧との間の関数生成のために使用できる。
【0042】
データ加工部123は、デジタルセンシングデータ(D_SENSE)を加工することができる。データ加工部123はデジタルセンシングデータ(D_SENSE)に対するノイズを除去し、加工センシングデータ(SENSE_OUT)を出力することができる。加工センシングデータ(SENSE_OUT)はデジタル化された電圧データを含むことができる。データ加工部123は、加工センシングデータ(SENSE_OUT)を較正部124及びデータ算出部125に送信することができる。
【0043】
較正部124は、温度及び電圧の間の相関関係を求めて、前記相関関係を較正することができる。前記較正された相関関係から新たな温度、即ち、較正された温度がデータ算出部125で算出できる。前記相関関係は温度と電圧を変数にする関数を含むことができる。
【0044】
例えば、較正部124は加工センシングデータ(SENSE_OUT)から温度及び電圧の間の関数を生成することができる。加工センシングデータ(SENSE_OUT)は電圧データを含み、記憶素子(図示せず)に温度データのように対応して格納できる。較正部124は、記憶素子(図示せず)に格納された温度データと加工センシングデータ(SENSE_OUT)に含まれた電圧データから温度と電圧との間の関数を求めて、前記関数をデータ算出部125に送信することができる。
【0045】
データ算出部125は、関数から較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を算出することができる。データ算出部125は、較正部124から関数データ(FUNCTION)を受信し、データ加工部123から加工センシングデータ(SENSE_OUT)を受信することができる。データ算出部125は、加工センシングデータ(SENSE_OUT)を関数データ(FUNCTION)に含まれた関数に適用して較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を算出することができる。温度センサ121がソースドライバ120に含まれて動作するので、較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)はソースドライバ120の温度でありうる。または、パネル110の熱がソースドライバ120まで伝導されれば、較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)はパネル110の温度でありうる。
【0046】
データ出力部126は、較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を出力することができる。その出力の以前に、データ出力部126は較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)に対してセッティング(setting)を遂行することができる。データ出力部126は、前記セッティングされた温度データを出力することができる。例えば、データ出力部126は較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)のビット数を減らすことができる。較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)が小数点を含む場合、小数点以下を示すビットを除去することができる。または、較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)にデジタル的に署名されたコード(signed code)を設定することができる。
【0047】
図4は一実施形態に従うデータ加工部及び較正部の一例示構成図であり、図5は一実施形態に従うデータを加工する過程を示す図であり、図6は一実施形態に従う関数生成を遂行する過程を示す図である。
【0048】
図4を参照すると、データ加工部123はフィルタ411及び平均値生成部412を含むことができる。データ加工部123は、フィルタ411及び平均値生成部412を通じてデジタルセンシングデータ(D_SENSE)に対するノイズを除去することができる。
【0049】
図5を参照すると、フィルタ411及び平均値生成部412によるノイズ除去過程が示される。
【0050】
まず、フィルタ411は温度センサ(図2の121)がセンシングしたデータ-デジタルセンシングデータ(D_SENSE)-に中間値(median value)を取得することができる。フィルタ411は、アナログデジタルコンバータ(図2の122)からデジタルセンシングデータ(D_SENSE)を受信することができる。フィルタ411は、デジタルセンシングデータ(D_SENSE)を一定の個数にサンプリング(sampling)し、前記サンプリングされたデータから中間値を算出することができる。
【0051】
例えば、フィルタ411は304、295、301、298、300、300、...の順序を有する一連のデジタルセンシングデータ(D_SENSE)を受信することができる。各々のデジタルセンシングデータ(D_SENSE)は2進数の9ビット形態で伝達できる。しかしながら、これに限定されず、設計によってデジタルセンシングデータ(D_SENSE)は9ビットより拡張または縮小できる。フィルタ411はサンプリングウィンドウ510を通じて複数のデジタルセンシングデータ(D_SENSE)を抽出することができる。デジタルセンシングデータ(D_SENSE)によってサンプリングウィンドウ510も9ビットを一単位にしてサンプリングすることができ、その単位は拡張または縮小できる。サンプリングウィンドウ510は前記一連のデジタルセンシングデータ(D_SENSE)から中間値算出のための基礎データを選択的に抜き出すことができる。本例示で、サンプリングウィンドウ510は3個の連続的なデジタルセンシングデータ(D_SENSE)301、298、300をサンプリングすることができる。フィルタ411は、サンプリングされたデジタルセンシングデータ(D_SENSE)301、298、300に対する中間値520を算出することができる。本例示で、中間値は300でありうる。
【0052】
フィルタ411はデジタルセンシングデータ(D_SENSE)の任意の時点からサンプリングを始めることができるが、受信されたデジタルセンシングデータ(D_SENSE)の開始点または中間点からサンプリングできる。例えば、フィルタ411はデジタルセンシングデータ(D_SENSE)の開始点である304から始めて304、295、301をサンプリングするか、または中間点である301から始めて301、298、300をサンプリングすることができる。
【0053】
フィルタ411は、中間値を複数個生成することができる。複数の中間値生成のためにフィルタ411はサンプリングウィンドウ510を一定単位で移動させてサンプリングした後、そのサンプリングされたデジタルセンシングデータ(D_SENSE)から中間値を続けて生成することができる。例えば、フィルタ411は301、298、300に対してサンプリングした後にサンプリングウィンドウ510を一単位移動させて298、300、300をサンプリングすることができる。フィルタ411は、298、300、300から中間値300を算出することができる。
【0054】
平均値生成部412は、フィルタ411によりデジタルセンシングデータ(D_SENSE)から生成された複数の中間値から平均値を算出することができる。平均値生成部412は、前記複数の中間値の全部または一部に対して平均値を算出することができる。平均値生成部412は小数点も共に示すことによって正確な平均値を生成することができる。平均値生成部412は、前記平均値を含む加工センシングデータ(SENSE_OUT)を生成することができる。
【0055】
例えば、平均値生成部412はフィルタ411から中間値データを受信することができる。フィルタ411は、301、298、300からサンプリングウィンドウ510を一単位ずつ移動して300、300、300、300、301、301、298、298を含む中間値データを生成することができる。平均値生成部412は、300、300、300、300、301、301、298、298に対する平均である299.750を算出することができる。平均値生成部412は小数点以前の299を9ビットで、小数点以後の750を8ビットで各々示して、総17ビットで構成された加工センシングデータ(SENSE_OUT)を生成することができる。加工センシングデータ(SENSE_OUT)の小数点以後は8ビットに限定されず、設計によって8ビットより拡張または縮小できる。
【0056】
また、図4を参照すると、較正部124はメモリ421及び関数生成部422を含むことができる。メモリ421には加工センシングデータ(SENSE_OUT)が温度データと対応して格納できる。関数生成部422は、前記格納された加工センシングデータ(SENSE_OUT)の電圧データ及び前記電圧データに対応する温度データから温度及び電圧の間の関数を生成することができる。
【0057】
較正部124は、平均値を含む加工センシングデータ(SENSE_OUT)を受信してメモリ421に格納することができる。具体的に、温度センサ121は周囲温度をセンシングし、前記センシングされた温度によってVPTATを出力し、前記出力されたVPTATに基づいて電圧データを生成することができる。前記電圧データを含む加工センシングデータ(SENSE_OUT)は、前記電圧データに対応する温度データとマッチングされてメモリ421に格納できる。加工センシングデータ(SENSE_OUT)及び温度データのマッチング並びにその結果は予め格納できる。
【0058】
温度センサ(図2の121)のセンシング結果であるデジタルセンシングデータ(D_SENSE)はアナログデジタルコンバータ(図2の122)及びデータ加工部123を経て加工センシングデータ(SENSE_OUT)に変換され、加工センシングデータ(SENSE_OUT)はこれに対応する温度データとマッチングされてメモリ421に格納できる。温度センサ(図2の121)が持続的にセンシング動作を遂行する場合、センシング動作する度に生成された加工センシングデータ(SENSE_OUT)が温度データと共にメモリ421に格納できる。
【0059】
例えば、温度センサ(図2の121)は温度センサ回路を通じて常温でVPTATを引き起こして、常温でのVPTATを示す電圧値を含むセンシング信号を生成することができる。アナログデジタルコンバータ(図2の122)は、前記センシング信号をデジタル化し、データ加工部123は前記デジタル化されたセンシング信号を加工して常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)を生成することができる。ここで、常温は略30℃でありうる。常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)はメモリ421に30℃(常温)に対する温度データと共に格納できる。
【0060】
または、温度センサ(図2の121)は温度センサ回路を通じて高温でVPTATを引き起こし、高温でのVPTATを示す電圧値を含むセンシング信号を生成することができる。アナログデジタルコンバータ(図2の122)は前記センシング信号をデジタル化し、データ加工部123は前記デジタル化されたセンシング信号を加工して高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)を生成することができる。ここで、高温は略90℃でありうる。高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)はメモリ421に90℃に対する温度データと共に格納できる。
【0061】
関数生成部422は、メモリ421から複数の加工センシングデータ(SENSE_OUT)及びこれに対応する複数の温度データを読出し、前記読出された複数の加工センシングデータ(SENSE_OUT)及び複数の温度データから前記関数を生成することができる。
【0062】
図6を参照すると、関数生成部422による関数生成過程が示される。
【0063】
関数生成部422は、複数の加工センシングデータ(SENSE_OUT)とこれに対応する複数の温度データを使用して温度と電圧との関係を示す関数を生成することができる。加工センシングデータ(SENSE_OUT)は温度センサ(図2の121)が出力したVPTATに対する電圧データを含むことができる。仮に、2以上の温度データ及びこれに対応する電圧データがあれば、関数生成部422はx軸(TEMP)を温度に、y軸(VPTAT)を電圧にする座標平面で2以上の座標を連結して1つの直線を導出することができる。関数生成部422はxy平面で直線形態の1次関数を生成することができ、前記1次関数は温度と電圧との相関関係を示すことができる。このように、2以上の電圧データ及び2以上の温度データを通じて関数を生成することは2点較正(two-point calibration)と命名できる。
【0064】
例えば、メモリ421に常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)とこれに対応する常温温度データとが格納され、高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)とこれに対応する高温温度データとが格納できる。関数生成部422は、常温温度データと常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)とを一点に、高温温度データと高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)とを反対側の一点に連結する直線形態の1次関数を生成することができる。仮に、関数生成部422は30℃及び30℃でのVPTATと、90℃及び90℃でのVPTATとから第2較正関数612を生成することができる。第2較正関数612は、理想的関数620(点線表示)と一致することができる。ここで、理想的関数620(点線表示)は較正部124が生成した関数が有しなければならない形態を示すことができる。また、理想的関数620(点線表示)は較正部124が目的とする温度及び電圧の間の相関関係を示すことができる。
【0065】
較正する以前には、ソースドライバ(図1の120)は基本関数610のような温度及び電圧の間の相関関係を有することができる。ここで、基本関数610はソースドライバ(図1の120)が製造される時から本来有する温度及び電圧間の相関関係であって、製造上の欠陥により発生することがある。基本関数610のような相関関係は較正部124が目的としないものでありうる。または、基本関数610は誤差を含む温度及び電圧の間の相関関係を意味することができる。相関関係に対する較正部124の2点-較正を通じてソースドライバ(図1の120)は基本関数610のような相関関係でない理想的関数620(点線表示)のような相関関係を有することができる。較正部124が較正動作を遂行する間、関数(相関関係)は次のように較正されることと理解できる。
【0066】
例えば、較正部124の関数生成部422は理想的関数620(点線表示)の傾きと一致するように基本関数610の傾きを較正して第1較正関数611を生成することができる。傾きに対する較正は第1較正601であって、第1較正関数611の傾きと理想的関数620(点線表示)の傾きとは第1較正601を通じて互いに同一になることができる。
【0067】
次に、較正部124の関数生成部422は理想的関数620(点線表示)のy切片と一致するように第1較正関数611のy切片を補償して第2較正関数612を生成することができる。y切片に対する補償は第2較正602であって、オフセット(offset)較正と呼ぶことができる。第2較正関数612のy切片と理想的関数620(点線表示)のy切片は第2較正602を通じて互いに同一になることができる。
【0068】
すなわち、関数生成部422は基本関数610の傾き及びy切片に対する2回の較正を通じて、目的とする温度と電圧(VPTAT)との相関関係である理想的関数620(点線表示)と一致する第2較正関数612を生成することができる。
【0069】
また、図4を参照すると、データ算出部125は関数データ(FUNCTION)に新たな電圧データを適用して関数データ(FUNCTION)に基づいた新たな温度データを生成することができる。
【0070】
データ算出部125は、較正部124から関数データ(FUNCTION)を受信することができる。ここで、関数データ(FUNCTION)は、関数生成部422がメモリ421に格納された複数の加工センシングデータ(SENSE_OUT)と温度データから生成した関数に較正を遂行した結果でありうる。例えば、関数生成部422は30℃の常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)及び常温温度データと90℃の高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)及び高温温度データから第2較正関数612を生成することができる。関数データ(FUNCTION)は第2較正関数612を含むことができるが、データ算出部125は関数生成部422から第2較正関数612を受信することができる。
【0071】
データ算出部125は加工センシングデータ(SENSE_OUT)に含まれた新たな電圧データを関数データ(FUNCTION)に適用して新たな温度データを生成することができる。データ加工部123は、加工センシングデータ(SENSE_OUT)を較正部124に送信すると共に、データ算出部125にも送信することができる。データ算出部125は、加工センシングデータ(SENSE_OUT)に含まれた電圧データを関数データ(FUNCTION)に適用して関数データ(FUNCTION)に従う新たな温度データを生成することができる。前記新たな温度データは較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)と呼ぶことができる。
【0072】
ここで、前記新たな電圧データを含む加工センシングデータ(SENSE_OUT)は、関数生成に使われるためにメモリ421に格納された加工センシングデータ(SENSE_OUT)でないデータ算出部125が受信した他の電圧データを意味することができる。データ算出部125は、前記新たな電圧データを予め生成した関数に適用して前記新たな温度データを算出することができる。ここで、前記新たな電圧データは入力電圧データと呼ぶことができ、前記新たな温度データは出力温度データと呼ぶことができる。
【0073】
具体的に、データ算出部125は関数データ(FUNCTION)に含まれた第2較正関数612に加工センシングデータ(SENSE_OUT)に含まれた電圧データを適用して、それに従う較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を算出することができる。ここで、第2較正関数612に適用される加工センシングデータ(SENSE_OUT)は第2較正関数612の生成に使われたものと同一または異なることがある。即ち、第2補償関数612が常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)及び高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)から生成される場合、第2較正関数612に適用される加工センシングデータ(SENSE_OUT)は常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)及び高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)のうちのいずれか1つ、または常温加工センシングデータ(ROOM_SENSE_OUT)及び高温加工センシングデータ(HOT_SENSE_OUT)でない他の加工センシングデータ(SENSE_OUT)でありうる。
【0074】
例えば、データ算出部125が第2較正関数612に常温である30℃に対応するVPTATを適用すれば、これに相応する較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を生成することができる。較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)は30℃の温度値を意味することができる。または、データ算出部125が第2較正関数612に高温である90℃に対応するVPTATを適用すれば、これに相応する較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を生成することができる。較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)は90℃の温度値を意味することができる。
【0075】
データ算出部125は、較正の以前には基本関数610に加工センシングデータ(SENSE_OUT)を適用する一方、較正の以後には第2較正関数612に加工センシングデータ(SENSE_OUT)を適用するようになる。したがって、較正の以前の出力された温度データと較正の以後の較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)は互いに相異になることができる。ここで、前記較正の以前の出力された温度データは誤差が反映されたものとみられるが、較正の以後の較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)は誤差が除去されたものとみられる。
【0076】
本発明に従うソースドライバ120は温度と電圧との間の理想的な1次関数を探して既存の相関関係(関数)を一致させて温度値を補正することができる。また、本発明に従うソースドライバ120は順序のような特定条件を満たす必要なく、デジタルで表現される温度及び電圧の間の任意の2つの点(two points)を使用し、較正に必要なデータを記憶素子に格納して使用することができる。したがって、本発明は非常に簡単で、かつ正確度の高い誤差改善の効果を示すことができる。
【0077】
データ出力部126は較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)及びこれに従う新たな温度値を出力することができる。その出力の以前にデータ出力部126は較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を加工して出力することができる。例えば、データ出力部126は較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)のビット数を減らすことができる。加工センシングデータ(SENSE_OUT)が16ビットからなる場合、データ出力部126は較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を8ビットに減らして小数点以下を除去して出力することができる。
【0078】
図7は、他の実施形態に従う較正部で表示モードによって異なるデータを選択する過程を示す図である。
【0079】
図7を参照すると、較正部724は表示モードによって格納された加工センシングデータ(SENSE_OUT)を選択的に用いることによって、較正過程を異なるように遂行することができる。
i.ソースドライバ(図1の120)が温度と電圧の相関関係-例えば、関数-によって較正された温度データを出力しても、幾つかの要因によって前記較正された温度データは誤差を有することができる。例えば、温度センサ(図2の121)の接地(ground)電圧が上昇することがあるが、前記接地電圧が上昇すれば、温度センサ(図2の121)が生成するVPTATが変わり、VPTATに基づいて出力される温度データはソースドライバ(図1の120)の実際温度を正しく反映できないことがある。ソースドライバ(図1の120)の消費電力変化または導線による寄生抵抗は前記接地電圧の変動を引き起こすことができる。
【0080】
その他の例を挙げると、ソースドライバ(図1の120)が消費電力を多く消耗すれば、ソースドライバ(図1の120)の内部温度が上昇することがある。内部温度が上昇すれば、温度センサ(図2の121)が生成するVPTATが変わり、VPTATに基づいて出力される温度データはソースドライバ(図1の120)の実際温度-例えば、ソースドライバ(図1の120)の外部温度-を正しく反映できないことがある。
【0081】
このように、温度データに誤差を発生させるソースドライバ(図1の120)の消費電力はその量の多寡によって表示モードを定義することができる。表示モードは、高電力モード及び低電力モードを含むことができる。高電力モードはソースドライバ(図1の120)が消費電力を多く消耗しながら動作する場合を意味することができる。低電力モードはソースドライバ(図1の120)が消費電力を少なく消耗しながら動作する場合を意味することができる。
【0082】
一方、表示モードはソースドライバ(図1の120)の駆動態様によって変わることができる。
【0083】
例えば、パネルが高い画面再生率(Refresh Rate;RR)で映像を出力する場合、ソースドライバ(図1の120)はパネルに一定のデータ電圧を持続的に供給するので、ソースドライバ(図1の120)の電力消費量及びこれに従う発熱量も多く、ソースドライバ(図1の120)の温度も高まることができる。ソースドライバ(図1の120)を含む表示装置(図1の100)は高電力モード(駆動モード)にあるようになる。この際、表示装置(図1の100)の内部でソースドライバ(図1の120)の温度のみ局地的に高いことがある。
【0084】
一方、パネルが低い画面再生率で映像を出力する場合、ソースドライバ(図1の120)は高い画面再生率に比べて相対的に非持続的にデータ電圧を供給するので、ソースドライバ(図1の120)の電力消費量及びこれに従う発熱量も少なく、ソースドライバ(図1の120)の温度も低くなることがある。ソースドライバ(図1の120)を含む表示装置(図1の100)は低電力モード(待機モード)にありえる。この際、表示装置(図1の100)の内部でソースドライバ(図1の120)の温度のみ局地的に低いことがある。
【0085】
ソースドライバ(図1の120)の温度、即ち、表示モードは温度センサ(図2の121)の誤差に影響を与えることができる。したがって、温度センサ(図2の121)の誤差はソースドライバ(図1の120)の表示モードによって変わることができる。例えば、温度センサ(図2の121)はソースドライバ(図1の120)の高電力モード及び低電力モードで実際温度と異なるようにセンシングすることができる。したがって、ソースドライバ(図1の120)の較正部724は高電力モードでの較正と低電力モードでの較正とを異なるように遂行する必要がある。較正部724は各表示モードの較正のためのデータを表示モードによって選択的に読出して較正に用いることができる。
【0086】
表示モードに従って差別的に較正するために較正部724はメモリ721で表示モードによって相異するデータを読出し、前記読出されたデータから関数を生成することができる。ここで、加工センシングデータ(SENSE_OUT)(電圧データ)はこれに対応する温度データとマッチングされて共にメモリ721に格納され、メモリ721から読出できる。
【0087】
例えば、メモリ721には加工センシングデータ(SENSE_OUT)が表示モード別に格納できる。表示モードは高電力モード及び低電力モードを含むことができる。前記高電力モードは、ソースドライバ(図1の120)の電力消費量及び発熱量が大きい場合を、前記低電力モードはソースドライバ(図1の120)の電力消費量及び発熱量の小さな場合を各々意味することができる。したがって、高電力モードで使われる高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)及び高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)と、低電力モードで使われる低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)及び低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)のような加工センシングデータ(SENSE_OUT)がメモリ721に格納できる。
【0088】
較正部724は、MUX701、702を通じて表示モードによって異なる加工センシングデータ(SENSE_OUT)を選択することができる。
【0089】
MUX701、702は高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)及び低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)を入力とする第1のMUX701と、高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)及び低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)を入力とする第2のMUX702とを含むことができる。
【0090】
MUX701、702は、モード選択信号(MODE_SEL)を受信することができる。モード選択信号(MODE_SEL)は、ソースドライバ(図1の120)の表示モードによって異なる加工センシングデータ(SENSE_OUT)をメモリ721から選択するようにMUX701、702を制御することができる。較正部724に含まれたモード選択部(図示せず)または関数生成部422がモード選択信号(MODE_SEL)をMUX701、702に送信することができる。
【0091】
例えば、MUX701、702が第1モードを選択するモード選択信号(MODE_SEL)を受信すれば、第1のMUX701は高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)を、第2のMUX702は高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)をメモリ721から各々読出することができる。または、MUX701、702が第2モードを選択するモード選択信号(MODE_SEL)を受信すれば、第1のMUX701は低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)を、第2のMUX702は低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)をメモリ721から各々読出することができる。
【0092】
関数生成部422は、MUX701、702から加工センシングデータ(SENSE_OUT)を受信し、関数の生成を経て較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を出力することができる。
【0093】
例えば、MUX701、702が第1モードを選択するモード選択信号(MODE_SEL)を受信すれば、関数生成部422は高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)及び高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)から関数を生成し、前記関数に対する傾き補償及びy切片補償を遂行して補償関数を生成することができる。データ算出部125は、前記補償関数に加工センシングデータ(SENSE_OUT)を適用して較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を算出することができる。または、MUX701、702が第2モードを選択するモード選択信号(MODE_SEL)を受信すれば、関数生成部422は低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)及び低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)から関数を生成することができる。前記関数は、前記関数の傾き及びy切片を較正することによって生成できる。データ算出部125は、前記関数に加工センシングデータ(SENSE_OUT)を適用して較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を算出することができる。
【0094】
以上では、第1モードは高電力モードを、第2モードは低電力モードを意味するものとして説明したが、連結方式またはモード選択信号(MODE_SEL)特性によって第1モードが低電力モードを、第2モードが高電力モードを意味することができる。
【0095】
前記のように、パネル駆動に従うソースドライバ(図1の120)の電力消費量-または表示モード-によってデータが差別的に使われることによって、ソースドライバ(図1の120)の電力消費量(発熱量)によって引き起こされるセンシング温度と実際温度との間の誤差を改善することができる。
【0096】
図8は、他の実施形態に従う較正部で表示モードによってオフセット反映データを選択する過程を示す図である。
【0097】
図8を参照すると、較正部824はオフセット(offset)を反映した加工センシングデータ(SENSE_OUT)を較正過程に用いることができる。オフセットの反映はデータに特定値を足したり引いたりすることを含むことができる。また、オフセットは主として加工センシングデータ(SENSE_OUT)の電圧データに反映できる。以下で、加工センシングデータ(SENSE_OUT)(電圧データ)はこれに対応する温度データとマッチングされて共にメモリ821に格納されるか、またはメモリ821から読出できる。
【0098】
メモリ821には加工センシングデータ(SENSE_OUT)が表示モード別に格納されるだけでなく、オフセットデータ(SENSE_OFFSET)も格納できる。
【0099】
較正部824は、加算器805、806を通じてメモリ821に格納された加工センシングデータ(SENSE_OUT)にオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足すことができる。または、較正部824は減算器(図示せず)を通じてメモリ821に格納された加工センシングデータ(SENSE_OUT)からオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を引くことができる。
【0100】
較正部824はある一表示モードに対応する加工センシングデータ(SENSE_OUT)に対してオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を反映することができる。
【0101】
例えば、加算器805、806は低電力モードの加工センシングデータ(SENSE_OUT)に対してのみオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を反映することができる。加算器(805、806)は低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)にオフセットデータ(SENSE_OFFSET)のオフセット値を足して、低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)にオフセット値を足すことができる。または、加算器805、806は高電力モードの加工センシングデータ(SENSE_OUT)に対してもオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を反映することができる。加算器805、806は、高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)にオフセットデータ(SENSE_OFFSET)のオフセット値を足して、高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)にオフセット値を足すことができる。
【0102】
較正部824は、MUX803、804を通じて表示モードによってオフセットを反映した加工センシングデータ(SENSE_OUT)を選択することができる。
【0103】
MUX803、804は、高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)及びオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足した低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)を入力とする第3のMUX803と、高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)及びオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足した低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)を入力とする第4のMUX804を含むことができる。
【0104】
MUX803、804は、オフセット選択信号(OFFSET_SEL)を受信することができる。オフセット選択信号(OFFSET_SEL)は、表示装置(図1の100)の表示モードによってオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を反映した加工センシングデータ(SENSE_OUT)をメモリ821から選択するようにMUX803、804を制御することができる。較正部824に含まれたオフセット選択部(図示せず)または関数生成部422がオフセット選択信号(OFFSET_SEL)をMUX803、804に送信することができる。
【0105】
例えば、MUX803、804がオフセット反映データを選択するオフセット選択信号(OFFSET_SEL)を受信すれば、第3のMUX803はオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足した低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)を、第4のMUX804はオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足した低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)を各々メモリ821から読出することができる。または、MUX803、804がオフセット反映データを選択しないオフセット選択信号(OFFSET_SEL)を受信すれば、第3のMUX803は高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)を、第4のMUX804は高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)を各々メモリ821から読出することができる。
【0106】
MUX801、802は図7のMUX701、702と同一の機能を遂行するが、入力端のうちの1つがMUX803、804の出力と連結された点で相異することができる。したがって、MUX801、802が第1モードを選択するモード選択信号(MODE_SEL)を選択すれば、第1のMUX801は第3のMUX803から出力されたデータ(高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)またはオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足した低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT))を出力し、第2のMUX802は第4のMUX804から出力されたデータ(高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)またはオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を足した低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT))を出力することができる。
【0107】
関数生成部422は、MUX801、802から最終的に出力された加工センシングデータ(SENSE_OUT)を用いて関数生成を遂行することができる。
【0108】
前述したように、較正部824はパネル駆動に従う高電力モード及び低電力モードによって異なるデータを選択するだけでなく、ある1つのモードに対してはオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を反映したデータを選択することによって、較正された温度データ(CAL_TEMP_OUT)を生成することができる。本発明の図面は低電力モードで使われる低電力常温加工センシングデータ(L_ROOM_SENSE_OUT)及び低電力高温加工センシングデータ(L_HOT_SENSE_OUT)にオフセットデータ(SENSE_OFFSET)を反映したが、これに限定されず、高電力モードに使われる高電力常温加工センシングデータ(H_ROOM_SENSE_OUT)及び高電力高温加工センシングデータ(H_HOT_SENSE_OUT)にもオフセットデータ(SENSE_OFFSET)が反映できる。
【0109】
図9は、更に他の実施形態に従う表示装置の構成図である。
【0110】
図9を参照すると、表示装置900はチップオンフィルム(Chip On Film;COF)パッケージ910を含むことができる。
【0111】
チップオンフィルムパッケージ910は、半導体チップ-例えば、ソースドライバ120-を実装することができる。ソースドライバ120は、第1ラインL1を通じて回路基板920に配置されるタイミングコントローラ140から映像データを受信し、第2ラインL2を通じてパネル110にデータ駆動信号を出力することができる。
【0112】
チップオンフィルムパッケージ910に含まれたソースドライバ120は温度センサ121を通じてパネル110の温度をセンシングすることができる。チップオンフィルムパッケージ910とパネル110とが互いに隣接するように結合された構造はソースドライバ120がパネル110に対する温度をセンシングするようにすることができる。
【0113】
ここで、パネル110の温度はソースドライバ120の較正過程で用いられる電圧データ及び温度データと関係のないことがある。即ち、パネル110の温度は第2較正関数(図6の612)の生成のためにメモリ(図4の421)に格納された温度データでないことがある。ソースドライバ120は、温度センサ121を通じてパネル110の温度をセンシングし、第2較正関数(図6の612)を通じて新たな温度データを出力することができる。ソースドライバ120は、前記出力された温度データをパネル110の温度として示すことができる。
【0114】
参考に、このような較正はソースドライバ120の製造またはテスト過程で遂行できる。好ましくは、較正はソースドライバ120がチップオンフィルムパッケージ910に結合される以前に遂行できる。
【0115】
チップオンフィルムパッケージ910がパネル110のある一面に付着または接触するように結合されれば、パネル110の熱の伝達を受けることができる。パネル110からチップオンフィルムパッケージ910への熱伝導によって、チップオンフィルムパッケージ910の温度はパネル110の温度とほぼ一致することができる。ソースドライバ120は、チップオンフィルムパッケージ910に含まれているので、ソースドライバ120の温度も同様にパネル110の温度とほぼ一致することができる。ソースドライバ120は前述した較正過程を経て較正された温度を出力することができ、前記較正された温度はパネル110に対することと見なされ得る。
【0116】
チップオンフィルムパッケージ910は、パネル110の一面に全体に亘って結合できる。結合面積が広ければ、パネル110の熱がチップオンフィルムパッケージ910に容易に移動することができ、チップオンフィルムパッケージ910の温度、即ち、ソースドライバ120の温度はパネル110の温度に近接することができる。または、本発明の図面のようにチップオンフィルムパッケージ910がパネル110の一面に部分的に結合され、かつチップオンフィルムパッケージ910の全体面積が結合されてもソースドライバ120の温度はパネル110の温度に近接することができる。
【0117】
図10は、更に他の実施形態に従うソースドライバとパネルとの結合態様を示す断面図である。
【0118】
図10を参照すると、チップオンフィルムパッケージ910は、ソースドライバ120、絶縁層1011、金属ライン層1012、フィルム層1013、バンパー1014、及び放熱板1015を含むことができる。
【0119】
絶縁層1011は、金属ライン層1012上に位置して金属ライン層1012に対する絶縁を強化させ、外部の影響から金属ラインを保護することができる。絶縁層1011は、表面絶縁部材(SR:Surface Resist)として知られた素材を含むことができる。
【0120】
金属ライン層1012は、多数の金属ラインで構成されてフィルム層1013上に配置できる。金属ライン層1012は、第1ライン(図9のL1参照)及び第2ライン(図9のL2参照)を含むことができる。
【0121】
金属ライン層1012は金属材質-例えば、銅-で構成されることができ、バンパー1014を通じてソースドライバ120と電気的に連結できる。
【0122】
フィルム層1013は軟性フィルムであって、ポリイミド系列の軟性フィルムでありうる。
【0123】
バンパー1014は、ソースドライバ120の下面に形成されて金属ライン層1012で露出した部分-絶縁層1011が形成されていない部分-と結合しながらソースドライバ120と金属ライン層1012とを電気的に連結することができる。
【0124】
放熱板1015は、フィルム層1013及びパネル110の間に配置されてソースドライバ120とパネル110との間の熱伝導を促進することができる。放熱板1015は金属性材質-例えば、アルミニウム-で構成される放熱金属を含むので、高い熱伝導率を有することができる。パネル110の熱は放熱板1015、フィルム層1013、金属ライン層1012、及びバンパー1014を経てソースドライバ120に移動することができる(点線矢印参照)。
【0125】
チップオンフィルムパッケージ910が放熱板1015を境界にしてパネル110と付着または接触すれば、パネル110の熱がソースドライバ120に伝達できる。ソースドライバ120の温度はパネル110の温度と等しくなり、ソースドライバ120は温度をセンシングし、本発明の実施形態によって較正された温度を出力することができる。ソースドライバ120とパネル110との間に挿入された放熱板1015は、ソースドライバ120がパネル110の温度を正確に認知するようにする。
【0126】
図11は、本発明の実施形態に従う温度較正に対する実験結果を示す第1例示図である。
【0127】
図11を参照すると、本発明の実施形態に従う較正過程を経て出力された較正温度と実際温度とを比較した表が示される。
【0128】
第1サンプル(sample1)及び第2サンプル(sample2)をチャンバー(chamber)の中に置いてチャンバーの温度を-20℃、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、90℃に順次に設定(setting)した時、第1サンプル及び第2サンプルのいずれもチャンバーの実際温度とほぼ同一の較正温度を示している。第1サンプル及び第2サンプルは本発明の実施形態を具現するソースドライバ(図1の120)またはこれを含む表示装置(図1の100)でありうる。
【0129】
第1サンプルは一部区間で約1℃の誤差を除いて-20℃、0℃、10℃、20℃で同一の数値を示している。第2サンプルも同様に一部区間で約1℃の誤差を除いて0℃、10℃、20℃、30℃で同一の数値を示している。
【0130】
図12は、本発明の実施形態に従う温度較正に対する実験結果を示す第2例示図である。
【0131】
図12を参照すると、本発明の実施形態に従う較正過程を経て出力された較正温度と実際温度とを比較したグラフが示される。
【0132】
本発明のグラフは、チャンバーの温度を連続して設定した状態で、チャンバーの中に置かれた1つのサンプルが5回(N=5)に亘って出力した較正温度を平均した値(result)とチャンバーの実際温度(chamber temp)とを比較したものである。本発明のグラフはサンプルの平均較正温度値とチャンバーの実際温度値とが互いに一致することを示す。
【0133】
図13は、本発明の実施形態に従う温度較正に対する実験結果を示す第3例示図である。
【0134】
図13を参照すると、本発明の実施形態に従う較正過程を経て出力された較正温度と実際温度との間の差を示すグラフが示される。
【0135】
本発明のグラフは、チャンバーの温度を連続して設定した状態で、チャンバーの中に置かれたサンプルが出力した較正温度は一部区間で実際温度(chambertemp)と0.2℃程度の差(result)を示しているが、10℃からは差が減少しつつ、結局、実際温度と同一になることを示す。
【0136】
図14は従来の温度センシング誤差を示す第1例示図であり、図15は従来の温度センシング誤差を示す第2例示図である。
【0137】
図14及び図15を参照すると、従来技術により製造された製品群が出力する温度(output)に対して実際温度を出力する製品の個数(number of sample)を示すグラフが示される。
【0138】
図14の実際温度30℃の環境で従来の製品(ソースドライバまたは表示装置)は28℃から32℃までの誤差範囲に亘って温度を出力する。多くの製品が29.8℃、30.25℃、及び30.7℃の値を出力するが、この値は実際温度30℃から遥かに逸脱するものである。これは、従来技術に対する比較的正確でない温度センシング機能を意味するものといえる。
【0139】
図15の実際温度90℃の環境で従来の製品(ソースドライバまたは表示装置)は86℃から97℃までの誤差範囲に亘って温度を出力する。多くの製品が90.1℃、91.3℃、92.4℃、及び93.6℃の値を出力するが、この値は実際温度90℃から遥かに逸脱するものである。これも同様に従来技術に対する比較的正確でない温度センシング機能を意味するものといえる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15