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特許7576952ロッカー管理システム、ロッカー装置、管理装置及びロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】ロッカー管理システム、ロッカー装置、管理装置及びロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20241025BHJP
   G07F 17/12 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G06Q10/0833
G07F17/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020163654
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055929
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淳
(72)【発明者】
【氏名】寳 憲祐
(72)【発明者】
【氏名】吉倉 貴慶
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-238644(JP,A)
【文献】特開2017-062606(JP,A)
【文献】特開2004-227364(JP,A)
【文献】特開2006-004269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカーと、前記ロッカー内の物品の別途保管のための管理者による指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に係るロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第1帳票を発行する発行部とを備えるロッカー装置と、
前記第1帳票から前記コードを読み取る読取部と、前記読取部の読取結果を少なくとも含む情報を別途保管情報として記憶する記憶部とを備える管理装置とを含む、ロッカー管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、別途保管に関する追加情報が入力される入力部を備え、
前記別途保管情報は、前記追加情報を含む、請求項1に記載のロッカー管理システム。
【請求項3】
ロッカーと、前記ロッカー内の物品の取り出しのための利用客による指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に係るロッカー内の物品が別途保管のために既に取り出されている場合に、当該ロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第2帳票を発行する発行部とを備えるロッカー装置と、
前記利用情報の少なくとも一部を含む情報を別途保管情報として記憶する記憶部と、前記第2帳票から前記コードを読み取る読取部と、前記読取部の読取結果に対応する前記別途保管情報を前記記憶部から取得する取得部と、前記取得部の取得結果を少なくとも含む情報を出力情報として出力する出力部とを備える管理装置とを含む、ロッカー管理システム。
【請求項4】
別途保管についての追加料金を算出する算出部をさらに含み、
前記出力情報は、前記追加料金についての情報を含む、請求項3に記載のロッカー管理システム。
【請求項5】
ロッカーを備えるロッカー装置と、記憶部を備える管理装置とを含むロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法であって、
前記ロッカー装置が、前記ロッカー内の物品の別途保管のための管理者による指示を受け付ける受付ステップと、
前記ロッカー装置が、前記受付ステップにおいて受け付けた指示に係るロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第1帳票を発行する発行ステップと、
前記管理装置が、前記第1帳票から前記コードを読み取る読取ステップと、
前記管理装置が、前記読取ステップでの読取結果を少なくとも含む情報を別途保管情報として前記記憶部に記憶する記憶ステップとを含む、ロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法。
【請求項6】
ロッカーを備えるロッカー装置と、記憶部を有する管理装置とを備えるロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法であって、
前記ロッカー装置が、前記ロッカー内の物品の取り出しのための利用客による指示を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けた指示に係るロッカー内の物品が別途保管のために既に取り出されている場合に、前記ロッカー装置が、当該ロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第2帳票を発行する発行ステップと、
前記管理装置が、前記利用情報の少なくとも一部を含む情報を別途保管情報として前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記管理装置が、前記第2帳票から前記コードを読み取る読取ステップと、
前記管理装置が、前記読取ステップでの読取結果に対応する前記別途保管情報を前記記憶部から取得する取得ステップと、
前記管理装置が、前記取得ステップでの取得結果を少なくとも含む情報を出力情報として出力する出力ステップとを含む、ロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロッカー管理システム、ロッカー管理システムに含まれるロッカー装置及び管理装置、並びに、ロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されたロッカー装置は、預け入れる物品を収納する複数のロッカーと、各ロッカーにおける動作等を管理する中央制御装置とを含む。このロッカー装置の管理者は、所定の利用日数を超えてロッカーに物品が収納されていることを発見した場合には、このロッカーの扉を中央制御装置における別途保管モードで開状態として、物品をロッカーから取り出す。その際、中央制御装置に設けられたプリンターが、この物品についてのロッカーの利用情報を記載した別途保管票を発行するので、管理者は、取り出した物品を別途保管票とともに管理事務所に持ち帰って別途保管する。別途保管されている物品の持ち主である利用者がロッカー装置にアクセスすると、中央制御装置のプリンターが、この物品が別途保管されている旨のメッセージ等が印字された別途保管証明書を発行する。利用者は、別途保管証明書を持って管理事務所に赴いて超過料金を支払う等により、自分の物品を受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-238644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、別途保管される物品についての情報は、管理事務所に備え付けの台帳やデータベースにおいて一括管理される。この場合、管理者は、別途保管する物品を管理事務所に持ち帰ってから、別途保管票に記載された情報を台帳に手書きしたりデータベースに手入力したりする必要があるので、手間がかかる。また、利用者が物品を受け取りに管理事務所に赴くと、管理者は、その物品を特定するために、利用者が持っている別途保管証明書の記載内容に基いて台帳やデータベースの中から当該物品の情報を探す必要があるので、手間がかかる。台帳やデータベースの入力内容自体が間違っていたり、管理者が別途保管証明書の記載内容を見間違えたりすると、管理者は、台帳やデータベースの中から必要な情報を見つけ出すことができないし、物品の受け渡しにミスが生じるおそれがある。これでは、利用者に返却する物品を特定するのに手間や時間がかかる。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとにおいてなされたものであり、ロッカーから物品を取り出して別途保管する場合における利便性の向上を図れるロッカー管理システム、ロッカー管理システムに含まれるロッカー装置及び管理装置、並びに、ロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、ロッカーと、前記ロッカー内の物品の別途保管のための管理者による指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に係るロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第1帳票を発行する発行部とを備えるロッカー装置と、前記第1帳票から前記コードを読み取る読取部と、前記読取部の読取結果を少なくとも含む情報を別途保管情報として記憶する記憶部とを備える管理装置とを含む、ロッカー管理システムを提供する。
【0007】
また、本発明の一実施形態では、前記管理装置が、別途保管に関する追加情報が入力される入力部を備え、前記別途保管情報が、前記追加情報を含む。
【0008】
また、本発明の一実施形態は、ロッカーと、前記ロッカー内の物品の取り出しのための利用客による指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に係るロッカー内の物品が別途保管のために既に取り出されている場合に、当該ロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第2帳票を発行する発行部とを備えるロッカー装置と、前記利用情報の少なくとも一部を含む情報を別途保管情報として記憶する記憶部と、前記第2帳票から前記コードを読み取る読取部と、前記読取部の読取結果に対応する前記別途保管情報を前記記憶部から取得する取得部と、前記取得部の取得結果を少なくとも含む情報を出力情報として出力する出力部とを備える管理装置とを含む、ロッカー管理システムを提供する。
【0009】
また、本発明の一実施形態では、前記ロッカー管理システムが、別途保管についての追加料金を算出する算出部をさらに含み、前記出力情報が、前記追加料金についての情報も含む
【0010】
また、本発明の一実施形態は、ロッカーと、前記ロッカー内の物品の別途保管のための管理者による指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に係るロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第1帳票を発行する発行部とを備える、ロッカー装置を提供する。
【0011】
また、本発明の一実施形態は、ロッカーと、前記ロッカー内の物品の取り出しのための利用客による指示を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた指示に係るロッカー内の物品が別途保管のために既に取り出されている場合に、当該ロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第2帳票を発行する発行部とを備える、ロッカー装置を提供する。
【0012】
また、本発明の一実施形態は、物品が別途保管されるロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第1帳票から前記コードを読み取る読取部と、別途保管に関する追加情報が入力される入力部と、前記読取部の読取結果及び前記追加情報を少なくとも含む情報を別途保管情報として記憶する記憶部とを備える、管理装置を提供する。
【0013】
また、本発明の一実施形態は、物品が別途保管されるロッカーの利用情報の少なくとも一部を含む情報を別途保管情報として記憶する記憶部と、前記利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第2帳票から前記コードを読み取る読取部と、前記読取部の読取結果に対応する前記別途保管情報を前記記憶部から取得する取得部と、前記取得部の取得結果を少なくとも含む情報を出力情報として出力する出力部とを備える、管理装置を提供する。
【0014】
また、本発明の一実施形態は、ロッカーを備えるロッカー装置と、記憶部を備える管理装置とを含むロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法であって、前記ロッカー装置が、前記ロッカー内の物品の別途保管のための管理者による指示を受け付ける受付ステップと、前記ロッカー装置が、前記受付ステップにおいて受け付けた指示に係るロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第1帳票を発行する発行ステップと、前記管理装置が、前記第1帳票から前記コードを読み取る読取ステップと、前記管理装置が、前記読取ステップでの読取結果を少なくとも含む情報を別途保管情報として前記記憶部に記憶する記憶ステップとを含む、ロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法を提供する。
【0015】
また、本発明の一実施形態は、ロッカーを備えるロッカー装置と、記憶部を有する管理装置とを備えるロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法であって、前記ロッカー装置が、前記ロッカー内の物品の取り出しのための利用客による指示を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けた指示に係るロッカー内の物品が別途保管のために既に取り出されている場合に、前記ロッカー装置が、当該ロッカーの利用情報の少なくとも一部がコードとして記載された第2帳票を発行する発行ステップと、前記管理装置が、前記利用情報の少なくとも一部を含む情報を別途保管情報として前記記憶部に記憶する記憶ステップと、前記管理装置が、前記第2帳票から前記コードを読み取る読取ステップと、前記管理装置が、前記読取ステップでの読取結果に対応する前記別途保管情報を前記記憶部から取得する取得ステップと、前記管理装置が、前記取得ステップでの取得結果を少なくとも含む情報を出力情報として出力する出力ステップとを含む、ロッカー管理システムにおける物品の別途保管方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
また、本発明の一実施形態によれば、ロッカーから物品を取り出して別途保管する場合における利便性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るロッカー管理システムの模式図である。
図2】ロッカー管理システムの電気的構成を示すブロック図である。
図3】ロッカー管理システムを構成するロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図4】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図5】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図6】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図7】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図8】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図9】ロッカー装置から発行される別途保管票の模式図である。
図10】ロッカー管理システムを構成する管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図11】管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図12】管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図13】管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図14】管理装置に記憶されるテーブルを示す図である。
図15】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図16】ロッカー装置から発行される別途保管証明書の模式図である。
図17】管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図18】管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図19】管理装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
図20】ロッカー装置の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るロッカー管理システム100の模式図である。ロッカー管理システム100は、駅の構内等におけるロッカーエリアに設置されたロッカー装置1と、ロッカー装置1に対する上位装置である管理装置2とを含む。管理装置2は、ロッカーエリアとは別の管理事務所に設置されている。管理事務所には、ロッカー管理システム100を管理する管理会社等に所属する管理者が駐在している。
【0019】
ロッカー装置1は、利用客が預け入れる物品の一例である荷物を収納する単数又は複数のロッカー3と、ロッカー3の動作制御等を実行する制御装置4とを備えている。この実施形態では、縦5段に並んだ5つのロッカー3によって構成された列が、制御装置4の左側に2列設けられ、制御装置4の右側に1列設けられ、ロッカー3が制御装置4の上下両側に1つずつ設けられている。ロッカー3の数及びレイアウトは、適宜変更可能である。また、ロッカー3のサイズは、全てのロッカー3において共通であってもよいし、ロッカー3に応じて異なってもよい。
【0020】
図1における左上のロッカー3を参照して、各ロッカー3は、正面側つまり前側へ開放された出入口3Aを有するボックス状の本体3Bと、本体3Bによって回動可能に支持されて出入口3Aを開閉する扉3Cとを備えている。本体3Bの前面において、例えば出入口3Aの右隣の領域3Dには、各ロッカー3に割り当てられたロッカー識別情報である扉番号(図示せず)が表示されている。また、領域3Dには、ロッカー3の使用可否等の情報を表示する表示部(図示せず)や、ロッカー3の利用料金の支払いが完了するまでの間において扉3Cを一時的に仮施錠するために利用客によって操作される仮施錠レバー(図示せず)が設けられてもよい。この実施形態における扉3Cは、本体3Bの前面の左端部に設けられた縦軸(図示せず)まわりに回動可能である。図1に示すように出入口3Aを閉じた状態における扉3Cの表面の右端部には、扉3Cを開閉するために利用客によって掴まれる取っ手3Eが設けられている。
【0021】
各ロッカー3の本体3Bには、例えば電磁ロックやソレノイド等によって構成された施解錠部5が内蔵されている。施解錠部5は、自身を内蔵する本体3Bの出入口3Aを閉じた状態にある扉3Cを施解錠することができる。なお、以下の説明において、扉3Cの施解錠と、この扉3Cが設けられたロッカー3の施解錠とは、同じ意味である。
【0022】
制御装置4は、例えば縦長のボックス形状を有し、その正面における上側領域には、受付部の一例としての表示操作部11が設けられている。表示操作部11は、例えばロッカー装置1の幅方向(図1の左右方向)に長手の矩形状に形成された液晶のタッチパネルである。表示操作部11は、利用客や管理者に向けた様々な情報が表示される表示部としての機能と、利用客や管理者によって操作される操作部として機能とを有する。表示部と操作部とは、表示操作部11にまとめられるのでなく、別々に存在してもよく、その場合の操作部は、物理的なメカボタンであってもよい。
【0023】
制御装置4の正面において、例えば表示操作部11の右側の領域には、スピーカー12及びコードリーダー13が上下に並んで配置されている。コードリーダー13の読み取り対象となるコードは、この実施形態ではQRコード(登録商標)のように大小多数のドットの組み合わせた二次元コードであるが、バーコード等の一次元コードや、QRコード以外の二次元コードであってもよい。制御装置4の正面において表示操作部11よりも下側の領域には、硬貨投入口14と、紙幣出入口15と、返却レバー16と、硬貨返却口17と、様々な帳票が発行される発行口18と、利用客が携帯するICカードから非接触にて情報を読み取るカードリーダー19と、管理者向けのメンテナンス錠20とが配置されている。これらの構成のレイアウトは、利用客や管理者にとってアクセスしやすいように適宜設定される。
【0024】
利用客は、荷物をいずれかのロッカー3に預け入れたい場合には、使用可能な空きロッカー3の扉3Cを開いて出入口3Aから本体3B内に荷物を収納した後に、扉3Cを閉じる。その際、利用客は、前述した仮施錠レバーを操作して扉3Cを仮施錠する。そして、利用客は、制御装置4の表示操作部11を操作して、荷物の預け入れ処理を選択し、今回利用するロッカー3の扉番号を特定して、このロッカー3の利用期間や利用料金の支払い方法を選択する。この実施形態では、現金又は電子マネーによって利用料金を支払うことができる。
【0025】
利用料金を現金によって支払うことを選択した利用客は、硬貨投入口14に硬貨を投入したり紙幣出入口15に紙幣を投入したりする。お釣りは、紙幣出入口15や硬貨返却口17から利用客に返却される。なお、紙幣出入口15は、紙幣を投入するための紙幣投入口と、紙幣を返却するための紙幣返却口とに分かれていてもよい。
【0026】
現金による利用料金の決済つまり現金決済が完了すると、利用先のロッカー3の扉3Cが施錠(本施錠)されるとともに、利用客向けの帳票である利用証明書(図示せず)が、発行口18から発行される。利用証明書には、ロッカー3の扉番号及び利用料金(決済済みの基本料金)と、このロッカー3の扉3Cを解錠するのに必要な鍵番号と、これらの情報(以下「利用情報」という。)を表わすコードとが記載されている。発行口18は、帳票の発行に関する不具合等を考慮して複数設けられており、この実施形態では、2つの発行口18が、発行口18A及び発行口18Bとして左右に並んでいる。この実施形態では、帳票は、発行口18Aから優先して発行される。
【0027】
利用料金を電子マネーによって支払うことを選択した利用客は、自身のICカードをカードリーダー19にかざす。すると、このICカードに紐づいた利用料金分の電子マネーが引き落とされることによって、電子マネーによる利用料金の決済つまりIC決済が完了するとともに、このICカードの識別情報が、カードリーダー19によって読み取られて、前述した利用情報と紐付いて制御装置4に記憶される。ICカードの識別情報の一例は、ICカードのICチップの製造番号であるIDmである。電子マネーによる利用料金の決済が完了すると、利用先のロッカー3が施錠(本施錠)される。この場合にも、前述した利用証明書が発行口18から発行されてもよい。なお、ロッカー装置1では、ICカードの代わりに、利用客のスマートフォン等の通信端末を用いてIC決済ができてもよいし、現金決済やIC決済に限らず、利用客のクレジットカードによって決済できてもよい。
【0028】
利用客は、ロッカー3に預け入れた荷物を取り出したい場合には、制御装置4の表示操作部11を操作して、荷物の取り出し処理を選択する。利用料金を現金決済した利用客は、現金決済の完了時に発行された利用証明書に記載されたコードをコードリーダー13にかざす。すると、このコードに含まれる利用情報における鍵番号に基いて、該当するロッカー3が解錠される。一方、利用料金をIC決済した利用客は、IC決済に用いたICカードをカードリーダー19にかざす。カードリーダー19がICカードから読み取った識別情報と、制御装置4に記憶されている識別情報とが一致すると、この識別情報に紐付いて制御装置4に記憶されている利用情報における鍵番号に基いて、該当するロッカー3が解錠される。利用客は、このように解錠されたロッカー3の扉3Cを開いて、本体3B内の荷物を出入口3Aから取り出すことができる。
【0029】
メンテナンス錠20に関し、管理者が、メンテナンス錠20の表面の鍵穴20Aに専用の鍵を差し込んで捻じると、制御装置4が、利用客向けの通常モードから管理者向けの管理モードに切り替わって、表示操作部11にログイン画面41(図3参照)が切替表示される。管理者は、ログイン画面41を操作してログインした後に、ロッカー装置1における設定条件等を変更できる。
【0030】
管理装置2は、いわゆるパソコンであって、液晶のタッチパネル等によって構成された表示操作部21と、コードリーダー13と同様にコードを非接触にて読み取る読取部22とを備えている。表示操作部21は、管理者によって入力される入力部として機能と、様々な情報を出力する出力部としての機能とを有する。入力部と出力部とは、表示操作部21にまとめられるのでなく、別々に存在してもよく、その場合、入力部はキーボード等の操作部によって構成されてもよく、出力部はモニター等の表示部によって構成されてもよい。ロッカー装置1と管理装置2とは、この実施形態のようにインターネット等の公衆回線Xを通じて通信可能であってもよいし、通信可能でなくてもよい。
【0031】
管理装置2が設置された管理事務所には、利用期間の経過後にさらに所定期間を超えてロッカー3内に放置されたために管理者によってロッカー3から取り出された荷物Pを保管するための保管エリアAが設けられている。この実施形態では、複数の保管エリアA1、A2、A3…が設けられた棚が管理事務所に設置されている。ロッカー3から取り出された荷物Pは、この実施形態では、保管エリアA1、A2、A3…におけるいずれかの保管エリアAにおいて保管(以下「別途保管」という。)される。
【0032】
図2は、ロッカー管理システム100の電気的構成を示すブロック図である。ロッカー装置1は、CPUやROM等を含んだマイクロコンピューター等によって構成された制御部25と、制御部25に対して電気的に接続された現金処理部26、発行部27、内部通信部28、外部通信部29及び記憶部30とをさらに備えている。
【0033】
制御部25には、前述した表示操作部11、スピーカー12、コードリーダー13及びカードリーダー19も電気的に接続されている。制御部25は、表示操作部11における表示を制御したり、利用客や管理者による表示操作部11の操作入力を受け付けたりする。制御部25は、スピーカー12の発報動作を制御する。コードリーダー13が帳票から読み取ったコードに含まれる情報は、制御部25に入力される。制御部25は、カードリーダー19によって利用客のICカードと非接触通信して、当該ICカードに紐付いた電子マネーによってロッカー3の利用料金についてIC決済する。
【0034】
現金処理部26は、硬貨投入口14や紙幣出入口15(図1参照)に投入された現金をロッカー装置1の内部に取り込む構成や、取り込んだ現金の金種及び真贋を識別する構成や、釣銭等の返却用の現金を紙幣出入口15や硬貨返却口17に排出する構成等を含む。制御部25は、投入された現金からロッカー3の利用料金を差し引くことによって、当該利用料金について現金決済する。
【0035】
発行部27は、発行口18に対応して複数設けられている。そのため、発行部27は、発行口18Aに対応する発行部27Aと、発行口18Bに対応する発行部27Bとを含む。それぞれの発行部27は、必要な情報を印字ヘッドからロール紙に印字して帳票を作成し、この帳票を切り離して、対応する発行口18に発行するプリンターである。
【0036】
内部通信部28は、各ロッカー3の施解錠部5に対して電気的に接続されたインターフェースである。そのため、制御部25は、各ロッカー3の施解錠部5の施解錠動作を個別に制御することによって、各ロッカー3の扉3Cを個別に施解錠することができる。
【0037】
外部通信部29は、ロッカー装置1が管理装置2と外部通信するためのインターフェースであって、公衆回線Xに接続されている。なお、ロッカー装置1が外部通信機能を備えない場合には、外部通信部29が省略されてもよい。記憶部30は、前述した利用情報等の様々な情報を記憶している。
【0038】
管理装置2は、マイクロコンピューター等によって構成されて制御部31と、制御部31に対して電気的に接続された外部通信部32及び記憶部33とをさらに備えている。制御部31は、取得部、出力部及び算出部の一例として機能する。制御部31には、前述した表示操作部21及び読取部22も電気的に接続されている。制御部31は、表示操作部21における表示を制御したり、管理者による表示操作部21の操作入力を受け付けたりする。読取部22が帳票から読み取ったコードに含まれる情報は、制御部31に入力される。外部通信部32は、管理装置2がロッカー装置1と外部通信するためのインターフェースであって、公衆回線Xに接続されている。なお、管理装置2が外部通信機能を備えない場合には、外部通信部32が省略されてもよい。記憶部33は、様々な情報を記憶している。
【0039】
以下では、このようなロッカー管理システム100におけるロッカー3内の荷物の別途保管方法について説明する。図3図8は、ロッカー装置1の表示操作部11における表示内容の一例を示す模式図である。まず、管理者は、ロッカーエリアに赴いて、制御装置4におけるメンテナンス錠20の鍵穴20Aに専用の鍵を差し込んで捻じって制御装置4を通常モードから管理モードに切り替える(図1参照)。また、管理者用のICカードをカードリーダー19に読み取らせることにより、制御装置4を通常モードから管理モードに切り替えることもできる。モードの切り替えに応じて、制御部25が、図3に示すログイン画面41を表示操作部11に切替表示する。
【0040】
ログイン画面41には、タイトル41Aと、管理者名の入力欄41Bと、管理者のパスワードの入力欄41Cと、入力部41Dとが、例えば上側からこの順番で表示されている。入力部41Dは、複数のタッチキーによって構成されたキーボードやテンキーである。なお、以降において登場するキーは、全てタッチキーである。管理者は、キーボードにタッチすることによって、入力欄41Bに自分の名前を入力したり、入力欄41Cに自分のパスワードを入力したりする。入力欄41Bには、管理者の名前でなく、例えば職員番号等の識別情報を入力できてもよい。
【0041】
管理者が、入力欄41B及び入力欄41Cに必要事項を入力してから、これらの入力欄の隣に表示された認証キー41Eにタッチすると、制御部25は、この管理者についての認証を実行する。管理者が入力した名前とパスワードとの組み合わせが制御装置4の記憶部30に記憶されていれば、制御部25は、この管理者の認証つまりログインが成功したと判断して、図4に示すメニュー画面42を表示操作部11に切替表示する。
【0042】
メニュー画面42には、タイトル42Aと、現在日時42Bと、各種の処理の選択を管理者に促す案内文42Cと、各処理に応じた複数のメニューキー42Dとが、例えば上側からこの順番で表示されている。また、例えばメニュー画面42の下端部には、ロッカー装置1の電源をOFFにするための電源OFFキー43と、ログアウトして制御装置4を管理モードから通常モードに切り替えるための完了キー44とが表示されてもよい。管理者が、複数のメニューキー42Dのうち、別途保管に対応するメニューキー42Eにタッチすると、制御部25が、図5に示す選択画面45を表示操作部11に切替表示する。
【0043】
選択画面45には、タイトル45Aと、現在日時45Bと、荷物を別途保管するロッカー3の扉番号の選択を管理者に促す案内文45Cと、預かり日数が所定日数(例えば、3日間)を超えているロッカー3についてのリスト45Dとが、例えば上側からこの順番で表示されている。なお、例えばメニュー画面42の下端部には、前述した完了キー44が表示されてもよい。リスト45Dには、現在使用中のロッカー3のそれぞれについての個別情報が、縦に並んで表示されている。それぞれの個別情報は、ロッカー3の扉番号、利用開始日時、超過時間、超過料金及び備考等を含む。超過時間は、利用期間経過後つまり利用終了時間から現時点までの経過時間である。超過料金は、経過時間と、ロッカー3の単位時間当たりの利用料金(以下「基本料金」という。)とに基いて制御部25によって算出される。この実施形態では、1日あたりの基本料金が300円であり、基本料金に超過時間(厳密には、超過時間における超過日数)を乗じることによって超過料金が得られる。
【0044】
図5のリスト45Dは、扉番号が1001であるロッカー3において、利用期間(ここでは1日)の経過後にさらに所定期間(ここでは2日)を超えて荷物が収納されていることを表わしている。リスト45Dにおいて、それぞれの個別情報の表示領域は、タッチキーになっている。管理者が、リスト45Dにおいて扉番号が1001番である個別情報の表示領域45Eにタッチすると、制御部25が、図6に示す確認画面46を表示操作部11に切替表示する。
【0045】
確認画面46には、タイトル46Aと、現在日時46Bと、先ほど扉番号が選択された1001番のロッカー3内の荷物を別途保管するか否かを管理者に確認する案内文46Cとが、例えば上側からこの順番で表示されている。確認画面46において、例えば案内文46Cの下側には、別途保管を決定するためのYESキー46Dと、別途保管をキャンセルするためのNOキー46Eとが左右に並んで表示されている。なお、例えば確認画面46の下端部には、前述した完了キー44が表示されてもよい。管理者が、扉番号が1001番のロッカー3内の荷物についての別途保管を決定するためにYESキー46Dにタッチすると、制御部25が、図7に示す発行画面47を表示操作部11に切替表示するとともに、扉番号が1001番のロッカー3の施解錠部5を制御して、このロッカー3の扉3Cを解錠する。
【0046】
発行画面47には、タイトル47Aと、現在日時47Bと、扉番号が1001番のロッカー3の扉3Cが解錠されて当該ロッカー3からの荷物の取り出しを管理者に促す旨の案内文47Cとが、例えば上側からこの順番で表示されている。また、発行画面47において、例えば案内文47Cの下側には、当該ロッカー3からの荷物の取り出し後に別途保管票を発行する旨の案内文47Dと、当該ロッカー3から荷物の取り出したか否かを管理者に確認する確認文47Eとが、例えば上側からこの順番で表示されている。さらに、発行画面47において、例えば確認文47Eの下側には、ロッカー3から荷物の取り出した旨を制御装置4に入力するためのYESキー47Fと、荷物の取り出しが未だである旨を制御装置4に入力するためのNOキー47Gとが左右に並んで表示されている。なお、例えば発行画面47の下端部には、前述した完了キー44が表示されてもよい。
【0047】
ロッカー3から荷物の取り出した管理者が、YESキー47Fにタッチすると、制御部25が、図8に示す完了画面48を表示操作部11に切替表示するとともに、発行部27を制御することによって、図9に示す別途保管票51を印刷して、発行口18に発行する。完了画面48には、発行された別途保管票51の抜き取りを管理者に促す旨の案内文48Aが表示されている。また、例えば完了画面48の下端部には、前述した完了キー44が表示されている。管理者が別途保管票51を抜き取って完了キー44にタッチすると、制御部25は、メニュー画面42(図4参照)を表示操作部11に切替表示したり、ログアウトして制御装置4を管理モードから通常モードに切り替えたりする。
【0048】
別途保管票51は、第1帳票の一例をなす矩形状の紙片である。別途保管票51には、タイトル51Aと、荷物を取り出したロッカー3についての今回の利用情報51Bと、手書き欄51Cと、コードC1とが、例えば上側からこの順に記載されている。利用情報51Bは、このロッカー3の利用開始日時と、例えば別途保管票51の発行日時と等しい別途保管日時と、ロッカー装置1の設置場所を表わすロケーション名と、扉番号と、鍵番号と、超過時間と、基本料金と、超過料金とを含んでいる。利用情報51Bは、このロッカー装置1に割り当てられた号機番号等の装置識別情報も含んでもよい。手書き欄51Cは、そのタイトル51Dに示すように、管理者がロッカー3から取り出した荷物の外観及び内容といった在中品明細を手書きするための記入欄であるが、別途保管票51に記載されなくてもよい。
【0049】
コードC1は、利用情報51Bの少なくとも一部(この実施形態では全部)をコード化したものである。また、コードC1は、今回の別途保管という手続きに対して制御部25が割り当てた識別情報である管理IDも含んでいる。なお、管理IDも、利用情報51Bのような文字や数字等として別途保管票51において認識可能に記載されてもよい。
【0050】
以上のように、ロッカー装置1では、表示操作部11が、ロッカー3内の荷物の別途保管のための管理者による指示を受け付けて(図3図8参照)、発行部27が、表示操作部11が受け付けた指示に係るロッカー3の利用情報51Bの少なくとも一部がコードC1として記載された別途保管票51を発行する。また、ロッカー装置1では、制御部25が、コードC1に含まれる情報、つまり今回の別途保管に関する情報を記憶部30に一時記憶する。
【0051】
ロッカー3から荷物を取り出して別途保管票51を受け取った管理者は、これらを管理事務所に持ち帰って、管理装置2において、今回の別途保管に係る入力を行う。図10図13は、管理装置2の表示操作部21における表示内容の一例を示す模式図である。待機状態の管理装置2では、制御部31が、図10に示すメニュー画面55を表示操作部21に表示している。
【0052】
メニュー画面55には、職員番号の入力及び処理の選択を管理者に促す案内文55Aと、職員番号の入力欄55Bと、入力部55Cとが、例えば上側からこの順番で表示されている。入力部55Cは、キーボードやテンキーである。管理者は、入力部55Cを操作して入力欄55Bに自分の職員番号を入力することによって、ログインする。この際、パスワードの入力がさらに必要であってもよい。メニュー画面55において、例えば入力部55Cの下側には、荷物を別途保管する処理を選択するための保管キー55Dと、別途保管中の荷物を利用客に返却する処理を選択するための引渡キー55Eとが左右に並んで表示されている。職員番号を入力した管理者が保管キー55Dにタッチすると、制御部31は、図11に示す案内画面56を表示操作部21に切替表示する。後述するように、メニュー画面55は、入力欄55B及び入力部55Cが表示されたログイン画面と、保管キー55D及び引渡キー55Eが表示された選択画面とに分かれていてもよい。また、管理者用のICカードを管理装置2のカードリーダー(図示せず)に読み取らせることによりログインして、処理を選択するようにしてもよい。
【0053】
案内画面56には、発行された別途保管票51のコードC1(図9参照)を読取部22にかざすことを管理者に促す旨の案内文56Aが表示されている。管理者がコードC1を読取部22にかざすことに応じて、読取部22が別途保管票51からコードC1を読み取ると、制御部31は、図12に示す第1入力画面57を表示操作部21に切替表示する。
【0054】
第1入力画面57には、別途保管する荷物の特徴等つまり当該荷物の種類、色及び個数の入力を管理者に促す案内文57Aと、荷物の種類別の入力欄57Bとが、例えば上側からこの順番で表示されている。入力欄57Bは、想定される荷物の種類に応じて複数設けられ、上下に並んで表示されている。最上段の入力欄57Bを参照して、各入力欄57Bには、対応する荷物の種類(スーツケース等)を選択するためのチェックボックス57Cと、荷物の色を選択するためのセレクトボックス57Dと、荷物の個数を選択するためのセレクトボックス57Eとが左右に並んで表示されている。セレクトボックス57D及びセレクトボックス57Eは、例えばプルダウン形式によるセレクトボックスである。第1入力画面57において、例えば最下段の入力欄57Bの下側には、入力欄57Bにおける入力内容を決定するための決定キー57Fが表示されている。
【0055】
管理者は、持ち帰った荷物の種類に相当する単数又は複数の入力欄57Bにおいて、チェックボックス57Cにタッチ等することによってチェックを入れて、セレクトボックス57D及びセレクトボックス57Eによって色及び個数を入力した後に、決定キー57Fにタッチする。すると、制御部31は、図13に示す第2入力画面58を表示操作部21に切替表示する。
【0056】
第2入力画面58には、別途保管する荷物の保管エリアの入力を管理者に促す案内文58Aと、保管エリアの入力欄58Bとが、例えば上側からこの順番で表示されている。入力欄58Bは、例えばプルダウン形式のセレクトボックスによって構成されている。第2入力画面58において、例えば入力欄58Bの下側には、入力欄58Bにおける入力内容を決定するための決定キー58Cが表示されている。管理者が持ち帰った荷物の保管エリアを入力欄58Bに入力した後に決定キー58Cにタッチすると、制御部31は、今回の別途保管に係る入力の受付処理を完了して、前述したメニュー画面55(図10参照)を表示操作部21に切替表示する。なお、別途保管する荷物が複数存在して、これらの荷物を複数の保管エリアに分けて保管する場合には、これらの保管エリアを入力欄58Bにおいて選択できてもよい。なお、入力欄58Bへの入力方法として、キーボード等による管理者の手入力や、バーコード入力もあり得る。前述した入力欄57B(図12参照)への入力方法についても同様である。管理者は、選択した保管エリアに荷物を保管する。
【0057】
管理装置2の記憶部33には、図14に示すテーブル61が記憶されている。テーブル61には、別途保管票51のコードC1(図9参照)についての読取部22による読取結果である利用情報と、管理者が表示操作部21の第1入力画面57(図12参照)及び第2入力画面58(図13参照)において入力した別途保管に関する追加情報とが、別途保管情報として登録されている。別途保管情報は、コードC1に含まれる管理IDに紐付いてテーブル61に登録されている。
【0058】
このように、案内画面56(図11参照)が表示された状態において管理者が別途保管票51のコードC1を読取部22に読み取らせると、制御部31は、このコードC1に含まれる情報をテーブル61に新規登録する。そして、管理者が第1入力画面57及び第2入力画面58によって追加情報を入力すると、制御部31は、追加情報をテーブル61に追加することによって今回の別途保管についての別途保管情報を完成させる。なお、別途保管される荷物に保管期限が定められる場合には、管理者は、表示操作部21の操作等によって保管期限を追加情報としてテーブル61に登録できてもよい。もちろん、保管期限以外の情報、例えば、管理者が情報入力を終えて決定キー58C(図13参照)にタッチした受付日時が、追加情報としてテーブル61に登録できてもよい。
【0059】
以上のように、管理者は、別途保管する荷物と、ロッカー装置1から発行された別途保管票51とを管理事務所に持ち帰って管理装置2の読取部22に別途保管票51のコードC1を読み取らせると、読取部22の読取結果を少なくとも含む情報が、別途保管情報として管理装置2に自動入力されて記憶部33に記憶される。そのため、管理者が、別途保管に関する情報を手書きしたり手入力したりせずに済むうえに、手書きや手入力に起因するミスを防止できる。これにより、ロッカー3から荷物を取り出して別途保管する場合における情報入力に関する利便性の向上を図れる。また、管理者は、別途保管に関する追加情報を表示操作部21によって管理装置2に入力すれば、読取部22が別途保管票51から読み取った情報だけでなく、この追加情報も、別途保管情報として記憶部33に記憶させることができる。
【0060】
利用客が、ロッカー3に預け入れた荷物の取り出しのためにロッカー装置1に赴いて、前述したように、制御装置4の表示操作部11を操作して荷物の取り出し処理を選択して、利用証明書に記載されたコードをコードリーダー13にかざしたり、自分のICカードをカードリーダー19にかざしたりする。
【0061】
このロッカー3内の荷物が別途保管のために管理者によって既に取り出されている場合には、制御装置4の記憶部30には、この荷物の別途保管に関するコードC1の情報(図9参照)が記憶されている。コードC1の情報と、利用客がかざした利用証明書やICカードに対応する利用情報とでは、少なくとも一部の情報(扉番号や利用開始日時等)が重複する。制御装置4の制御部25は、利用客がかざした利用証明書やICカードに対応するコードC1の情報を記憶部30において発見すると、図15に示す案内画面65を表示操作部11に切替表示するとともに、発行部27を制御することによって、図16に示す別途保管証明書66を印刷して発行口18に発行する。なお、この利用客の荷物が取り出されたロッカー3は、別の利用客によって既に利用中であってもよく、この場合のロッカー3は施錠されているので、この利用客は扉3Cを開けることができない。
【0062】
案内画面65には、利用客の荷物が利用期間の超過により管理事務所にて保管されている旨の案内文65Aと、管理事務所の電話番号等の連絡先65Bと、これから発行される別途保管証明書66を持って管理事務所に来ることを利用客に促す旨の案内文65Cとが表示されている。このように、案内画面65を表示している表示操作部11は、利用客の荷物が別途保管されている旨を報知する報知部の一例として機能している。
【0063】
別途保管証明書66は、第2帳票の一例をなす矩形状の紙片である。別途保管証明書66には、タイトル66Aと、別途保管に係るロッカー3についての今回の利用情報66Bと、備考情報66Cと、コードC2とが、例えば上側からこの順に記載されている。利用情報66Bは、ロッカー装置1の記憶部30に記憶されているコードC1の情報、つまり別途保管票51の利用情報51B(図9参照)の少なくとも一部と重複した情報である。この実施形態における利用情報66Bは、このロッカー3の利用開始日時と、前述したロケーション名に相当する利用場所と、扉番号と、鍵番号と、別途保管日時と、別途保管証明書66の発行日時とを含んでいる。なお、利用客が利用料金をICカードの電子マネーによって支払っていた場合の利用情報66Bには、鍵番号に代えて、ICカードの識別情報が含まれる。備考情報66Cは、利用客の荷物が利用期間の超過により管理事務所にて保管されている旨と、連絡先と、この連絡先への連絡を利用客に促す旨とを含んでいる。コードC2は、利用情報66Bの少なくとも一部(この実施形態では全部)をコード化したものである。また、コードC2は、対応するコードC1に割り当てられた管理IDも含んでいる。コードC2は、前述した超過時間、基本料金、超過料金及び号機番号の少なくともいずれかをさらに含んでもよい。なお、コードC1とコードC2とを区別するために、コードC1を第1コードC1と呼んでコードC2を第2コードC2と呼んでもよい。
【0064】
以上のように、ロッカー装置1では、表示操作部11が、ロッカー3内の荷物の取り出しのための利用客による指示を受け付けるが、この指示に係るロッカー3内の荷物が別途保管のために既に取り出されている場合に、発行部27が、当該ロッカー3の利用情報の少なくとも一部がコードC2として記載された別途保管証明書66を発行する。別途保管証明書66の発行に応じて、ロッカー装置1の制御部25は、今まで一時記憶していた対応するコードC1の情報を記憶部30から削除してもよいし、履歴情報として記憶部30における別の記憶領域に記憶してもよい。
【0065】
利用客は、ロッカー装置1から受け取った別途保管証明書66を持って管理事務所に赴き、別途保管証明書66を管理者に提示して荷物の引渡しを依頼する。すると、管理者は別途保管証明書66を受け取ってから、必要に応じて利用客の本人確認を行ったうえで、管理装置2において、別途保管の荷物の返却に係る入力を行う。図17図19は、管理装置2の表示操作部21における表示内容の一例を示す模式図である。待機状態の管理装置2の表示操作部21には、前述したメニュー画面55が表示されているので、管理者は、前述したように入力部55Cを操作することによって入力欄55Bに自分の職員番号を入力してログインした後に、引渡キー55Eにタッチする(図10参照)。すると、制御部31は、図17に示す案内画面71を表示操作部21に切替表示する。
【0066】
案内画面71には、別途保管証明書66のコードC2(図16参照)を読取部22にかざすことを管理者に促す旨の案内文71Aが表示されている。管理者がコードC2を読取部22にかざすことに応じて読取部22が別途保管証明書66からコードC2を読み取ると、制御部31は、記憶部33のテーブル61(図14参照)を参照して、このコードC2に含まれる管理IDに紐付いた別途保管情報を検索する。制御部31は、該当する別途保管情報を発見すると、つまりコードC2についての読取部22の読取結果に対応する別途保管情報をテーブル61から取得すると、図18に示す確認画面72を表示操作部21に切替表示する。
【0067】
なお、利用客が提示した別途保管証明書66が、管理者が所属する管理会社が発行する別途保管証明書66とは異なっている場合には、制御部31は、読取部22によって読み取った別途保管証明書が間違っている旨を表示操作部21の表示等によって報知してもよい。また、制御部31が検索のうえ発見した別途保管情報における保管期限が過ぎている場合には、該当する荷物が保管期限経過により処分されている旨を表示操作部21の表示等によって報知してもよい。これらの場合には、確認画面72が表示操作部21に表示されない。
【0068】
確認画面72には、利用客の荷物の特徴及び保管エリアが以下の通りである旨の案内文72Aと、荷物の特徴を利用客に確認するように管理者に促す案内文72Bと、荷物の特徴及び保管エリアを表わす荷物情報72Cと、荷物の特徴が合っているか否かを管理者に問い合わせる確認文72Dとが、例えば上側からこの順番で表示されている。荷物情報72Cは、制御部31がテーブル61から取得した別途保管情報における追加情報(図14参照)の少なくとも一部である。
【0069】
このように、制御部31は、テーブル61から取得した取得結果を少なくとも含む情報である荷物情報72Cを、出力情報の一例として、表示操作部21において出力する。そのため、管理者は、別途保管している荷物のうち利用客に返却する荷物に関する情報を、管理装置2から自動出力された当該出力情報によって容易かつ正確に取得できる。これにより、利用客に返却する荷物を容易かつ速やかに特定して保管エリアから取り出して利用客に返却することができる。そのため、別途保管される荷物の返却に関する利便性の向上を図れる。なお、別途保管証明書66のコードC2による以上のメリットは、別途保管情報が管理者によってテーブル61に手入力される構成や、ロッカー装置1から管理装置2にオンライン送信されてテーブル61に登録される構成においても得られる。
【0070】
管理者は、利用客に荷物の特徴を聞き取って、この特徴が荷物情報72Cに記載された荷物の特徴と合っているか否かを確認する。確認画面72において、例えば確認文72Dの下側には、荷物の特徴が合っている場合のYESキー72Eと、荷物の特徴が合っていない場合のNOキー72Fとが左右に並んで表示されている。
【0071】
利用客に問い合わせた荷物の特徴と、荷物情報72Cに記載された荷物の特徴とが合っていることを確認した管理者がYESキー72Eにタッチすると、制御部31が、図19に示す徴収画面73を表示操作部21に切替表示する。徴収画面73には、別途保管についての追加料金を利用客から徴収することを管理者に促す旨の案内文73Aと、徴収する料金についての料金情報73Bとが、例えば上側からこの順番で表示されている。料金情報73Bは、前述した超過料金についての情報73Cと、管理事務所における荷物の保管料金についての情報73Dと、これらの料金の合計に相当する追加料金についての情報73Eとを含む。
【0072】
制御部31は、超過料金の情報73Cをテーブル61(図14参照)から取得する。制御部31は、所定の算出式に基いて保管料金を算出する。そして、制御部31は、情報73Cの超過料金と情報73Dの保管料金とを足し合わせることによって、別途保管についての追加料金を算出する。追加料金についての情報73Eは、表示操作部21において出力される出力情報に含まれる。そのため、管理者は、利用客に返却する荷物に関する追加料金の情報も当該出力情報によって容易に取得できる。これにより、管理者は、追加料金の支払いを利用客に速やかに請求することによって、荷物の返却にかかる時間を短縮することができるので、別途保管される荷物の返却に関する利便性の向上を図れる。
【0073】
管理者が、利用客から追加料金を徴収すると、別途保管していた荷物を利用客に引き渡す。そして、管理者が、徴収画面73において例えば料金情報73Bの下側に表示された終了キー73Fにタッチすると、制御部31は、別途保管された荷物の引渡処理を完了して、前述したメニュー画面55(図10参照)を表示操作部21に切替表示する。
【0074】
なお、メニュー画面55は、職員番号等を入力するためのログイン画面と、荷物の保管又は引取を選択するための選択画面とに分かれていてもよく、その場合には、ログイン画面には入力欄55B及び入力部55Cが表示されて、選択画面には保管キー55D及び引渡キー55Eが表示される(図10参照)。制御部31は、管理者による終了キー73Fのタッチに応じて当該選択画面を表示操作部21に切替表示し、その後、入力画面の操作がないまま所定時間が経過すると、制御部31は、当該ログイン画面を表示操作部21に切替表示してもよい。
【0075】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0076】
例えば、ロッカー装置1は、前述した実施形態では1台だけ存在したが、複数台存在してもよい。
【0077】
また、荷物を持ち帰った管理者は、カメラによって当該荷物を撮影して、その画像データが、前述した追加情報としてテーブル61(図14参照)に登録されてもよい。カメラは、ロッカー管理システム100を構成する。この場合、荷物の受け渡し手続きの際における確認画面72には、荷物情報72Cとして、関連する画像データによる荷物の画像が表示されてもよい(図18参照)。荷物の受け渡し手続きの際における確認情報として荷物の画像を用いるのであれば、前述した第1入力画面57(図12参照)において荷物の特徴を入力しなくてもよい。
【0078】
前述した別途保管証明書66(図16参照)には、超過料金が記載されてもよい。ただし、別途保管された荷物の持ち主である利用客は、超過料金だけでなく、保管料金も支払う必要があることから、超過料金だけが文字や数字等として認識可能に別途保管証明書66に記載されていると、利用客は超過料金だけを払えばいいと勘違いすることにより、後々のトラブルが想定される。そこで、超過料金は、コード化された情報(文字や数字等とて認識できない情報)としてコードC2に含まれることが好ましい。または、ロッカー装置1が、超過料金と保管料金との合計である追加料金(図19参照)の情報を管理装置2から取得できるのであれば、別途保管証明書66には、追加料金が文字や数字等として認識可能に記載されてもよい。この場合には、超過料金及び保管料金が、追加料金の内訳として別途保管証明書66において追加料金と併記されてもよい。
【0079】
また、現金決済した利用客に限定されるが、別途保管証明書66Aを発行せずに、預入れ時に発行された利用証明書を別途保管証明書66Aの代わりに使用して、別途保管の荷物を利用客に引き渡してもよい。この場合の利用証明書には、ユニークな取引番号が付与されており、対応する別途保管票51(図9参照)の内容やテーブル61(図14参照)の別途保管情報にも、同じ取引番号が紐付けられている。そのため、この取引番号から利用者の荷物を特定し、必要な手続きを経てから荷物を返却することができる。
【0080】
駅や公共施設に設置されるロッカー装置1には、要人の訪問時におけるテロ対策等のために、要人の訪問期間及びそれ以前の例えば1週間の準備期間にわたって全てのロッカー3を使用中止にする機能がある。このような機能を有効にするために、管理者は、以下の使用扉設定処理をロッカー装置1に実行させる。具体的には、まず、管理者が、前述したメニュー画面42における複数のメニューキー42Dのうち、使用中止扉設定に対応するメニューキー42F(図4参照)にタッチする。すると、制御部25が、図20に示す設定画面81を表示操作部11に切替表示する。
【0081】
設定画面81には、タイトル81Aと、現在日時81Bと、ロッカー3の使用中止期間の選択を管理者に促す案内文81Cと、使用中止期間の開始日時を例えばプルダウン形式によって選択するためのセレクトボックス81Dと、使用中止期間の終了日時を例えばプルダウン形式によって選択するためのセレクトボックス81Eとが、例えば上側からこの順番で表示されている。セレクトボックス81D及びセレクトボックス81Eのそれぞれは、年、月、日、時及び分のそれぞれに応じて複数設けられてもよい。
【0082】
管理者は、セレクトボックス81D及びセレクトボックス81Eを操作することによって使用中止期間の開始日時及び終了日時を選択してから、設定画面81の例えば下端部に表示された確定キー81Fにタッチすると、今回の選択内容が決定される。これにより、開始日時から終了日時までの使用中止期間では、ロッカー装置1における全てのロッカー3が使用中止になっているので、利用客は荷物をロッカー3に預け入れることができない。ロッカー3内に放置されている荷物は、管理者によって使用中止期間の開始日時までに取り出されて、前述したように別途保管される。一方、管理者は、設定画面81において例えば確定キー81Fの横に表示されたキャンセルキー81Gにタッチすると、今回の選択内容をキャンセルすることができる。なお、使用中止期間において、ロッカー装置1における全てのロッカー3でなく、選択された所定のロッカー3だけが使用中止になってもよい。
【0083】
このようにロッカー3を使用中止にしても、使用中止期間中における防犯上の観点により、ロッカー3の扉3Cを施錠する必要がある。この場合、管理者がロッカーエリアに出向いてロッカー3を1つずつ施錠するのでは、負担が大きいし、人件費が増加してしまう。特に、ロッカー3の数が多い場合には、全てのロッカー3を開始日時までに施錠することができないおそれがある。それを見込んで開始日時よりも前のタイミングにおいて全てのロッカー3を早めに施錠しておくと、このタイミングから開始日時までの期間におけるロッカー3の利用による売上を逃してしまう。
【0084】
そこで、設定画面81において、例えばセレクトボックス81Dとセレクトボックス81Eとの間の領域には、使用中止期間の開始日において、使用中止対象のロッカー3の扉3Cを自動施錠するか否かを設定するためのYESキー81H及びNOキー81Iが左右に並んで表示されている。管理者が、開始日時及び終了日時を選択する際に、YESキー81Hにタッチすることによって自動施錠を有効になるように選択しておくと、ロッカー装置1の制御部25は、使用中止期間の開始日又はその前日におけるロッカー装置1の再起動に応じて、全てのロッカー3が使用中止にするとともに、解錠状態にあるロッカー3を施錠する。
【0085】
なお、ロッカー装置1の再起動は、利用客によるロッカー3に対する荷物の出し入れが無い深夜の時間帯、例えば午前2時頃に毎日実行される。そのため、ロッカー装置1の再起動時にロッカー3が使用中止になって施錠されても、取り出し途中の荷物の閉じ込め等の迷惑を利用客にかけることはない。
【0086】
このようにロッカー3を使用中止するだけでなく自動施錠もできれば、管理者の人手を増やしてロッカー3を施錠せずに済むので、管理者の負担軽減及び人件費の削減を図れる。また、使用中止期間の直前までロッカー3が利用できるので、売り上げ損失を抑制できる。このように複数のロッカー3を一斉に自動施錠する構成は、例えば、施解錠可能なゲートが駐車スペース毎に設けられた駐車場にも適用できる。
【0087】
ロッカー装置1の制御装置4には、帳票用のロール紙を無駄なく使いきることや、印刷トラブルへの対応等のために、発行部27が2つ備えられている。そして、原則として、一方の発行部27Aをメインとして使用して、この発行部27のロール紙がなくなると、他方の発行部27Bが使用される(図1及び図2参照)。このような運用方法だと、使用されるまでの長期間にわたって放置される発行部27Bのロール紙に埃が溜まり、この埃が発行部27Bの印字ヘッドに焼き付くことによって印字不良が発生することが想定される。前述したコードC1(図9参照)やコードC2(図16参照)が印字不良によって不鮮明であると、その後の処理において不都合が生じるので、印字不良を防止する必要がある。
【0088】
そこで、制御装置4の制御部25は、印字ヘッドに影響するほどの埃がロール紙に溜まる前のタイミングにおいて、サブの発行部27Bをたまに作動させるとよい。一例として、3日毎に1回の頻度にて、制御部25は、発行部27Bによって帳票を発行する。ロッカー装置1に限らず、発行部27のように同じ機能を有する装置を複数備えて、いずれかの装置を出番まで長時間休止させる場合には、休止中の装置をたまに作動させるとよい。
【0089】
ロッカー装置1の運用には、使用可能な空きロッカー3を解錠状態で待機させる「解錠待機」という運用の他に、使用中のロッカー3だけでなく使用可能な空きロッカー3も施錠状態にする「施錠待機」という運用がある。
【0090】
施錠待機の運用では、利用客が、荷物の預け入れのために選択したロッカー3の利用料金について決済すると、このロッカー3の扉3Cが解錠され、その後に利用者がロッカー3内に荷物を収納して扉3Cを閉めると、このロッカー3が自動施錠される。この場合に、決済後の利用客が、荷物が大き過ぎて収納できない等によって別のロッカー3に変更したり、今回のロッカー3の使用をキャンセルしたりしたいことが想定される。ロッカー3のサイズ変更(例えば小サイズから大サイズへの変更)に応じて追加料金が必要な場合には、追加料金についての現金決済やIC決済によって、ロッカー3のサイズ変更が可能である。
【0091】
現金処理部26を備えるロッカー装置1であれば、ロッカー3のキャンセルに応じて、利用料金を現金によって紙幣出入口15や硬貨返却口17から利用者に返却することができる。また、ロッカー3のサイズ変更(例えば大サイズから小サイズへの変更)に応じて利用料金の差額を返却することが必要である場合にも、差額分の現金を利用客に返却することができる。
【0092】
しかし、簡略化のために現金処理部26を備えない、つまりIC決済専用のロッカー装置1の場合には、利用料金や差額を現金によって利用客に返却することができないし、利用料金や差額を電子マネーによって利用客に返却することもできない。そこで、このようなロッカー装置1では、ロッカー3のキャンセル及びサイズ変更のいずれにおいても、制御部25は、今回決済されたロッカー3についてのキャンセル処理を実行する。具体的には、ロッカー3のキャンセル又はサイズ変更のための利用客による表示操作部11の操作に応じて、制御部25は、発行部27によってキャンセル証明書(図示せず)又はクーポンを印刷して発行口18に発行する(図1及び図2参照)。そして、キャンセルされたロッカー3の扉3Cが閉まったタイミング等において、制御部25は、この扉3Cを施錠する。これにより、キャンセル処理が終了する。
【0093】
キャンセル証明書が発行された利用客は、このキャンセル証明書を管理事務所に持ち込んで管理者に提示すれば、支払った利用料金の返金を受けることができる。クーポンが発行された利用客は、次回利用時のロッカー3について決済する際に、このクーポンの情報をロッカー装置1の表示操作部11等によって入力することによって、ロッカー3の利用料金の減免を受けることができる。なお、利用客に返却すべき差額が生じるロッカー3のサイズ変更の場合には、キャンセル扱いとはならずに、差額分のクーポンを発行して、変更先のロッカー3に荷物を預け入れることができてもよい。
【0094】
このようにキャンセル証明書やクーポンを発行することによって、利用客の損失を抑制して利用客からのクレームを低減することができるし、利用客による次回のロッカー3の利用を見込める。また、現金処理部26を備えるロッカー装置1でも、釣銭不足の場合にキャンセル証明書やクーポンを発行できてもよい。
【0095】
ロッカー装置1では、縦に並んだ複数のロッカー3による列を増減する等によってロッカー3の個数及びレイアウトを変更することがある。ロッカー3の個数及びレイアウトの変更(以下「配置変更」という。)は、全てのロッカー3が空になってから実行されることが好ましい。しかし、既にロッカー3に荷物が収納されている場合には、従来では、管理者がこの荷物をロッカー3から取り出して管理事務所において別途保管してから、配置変更が行われる。配置変更後に荷物を取り出そうとした利用客には、前述した別途保管証明書66と似た別途保管証明書がロッカー装置1から発行されるので、利用者は、この別途保管証明書を管理事務所において管理者に提示して荷物を受け取る。この別途保管は、管理事務所の都合によるので、追加料金が利用客に請求されることはないし、場合によっては利用料金を利用客に返却する必要がある。
【0096】
ロッカー装置1は、このような別途保管を伴わずにロッカー3の配置変更ができるように構成される。具体的には、管理者が、ロッカー3から荷物を取り出すためにロッカー装置1のメニュー画面42のメニューキー42Dのうち、ロッカー3を強制解錠に対応するメニューキー42G(図4参照)にタッチすると、ロッカー装置1の制御部25は、当該ロッカー3を強制解錠するとともに、コードが記載された帳票を発行口18に発行する。このコードには、このロッカー3の鍵番号等の利用情報が含まれている。そして、施工業者等がロッカー3の配置変更を行った後に、管理者は、先程取り出した荷物を、移設後のロッカー3に戻して、帳票のコードをコードリーダー13に読み取られる。すると、この荷物は、一旦ロッカー3から取り出されたものの移設後のロッカー3に管理者モードによって再び預け入れられたものとして、ロッカー装置1の制御装置4によって管理される。そのため、配置変更後に荷物路受け取りに来た利用客は、預け入れ時に発行された利用証明書又はICカードに紐付いた元の鍵番号を用いて移設後のロッカー3の扉3Cを解錠して、荷物を取り出すことができる。なお、制御部25は、利用客の荷物が収納されたロッカー3の位置が変更になった旨と、移設先のロッカー3の位置等の情報とを表示操作部11に表示してもよい。
【0097】
このように別途保管を伴わずにロッカー3の配置変更ができれば、ロッカー3から取り出した荷物を管理事務所にて別途保管して利用客に返却する手間を省けるし、ロッカー3の利用期間に応じた料金を利用者から回収することができる。
【0098】
以上に説明した様々な特徴は、取捨選択のうえ、必要に応じて適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 ロッカー装置
2 管理装置
3 ロッカー
11 表示操作部
21 表示操作部
22 読取部
27 発行部
31 制御部
33 記憶部
51 別途保管票
66 別途保管証明書
100 ロッカー管理システム
C1 コード
C2 コード
図1
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