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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】クッション
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/14 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
A47C27/14 D
A47C27/14 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020189250
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078520
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087468
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 一美
(72)【発明者】
【氏名】井上 靖教
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 裕美
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3193471(JP,U)
【文献】特開2020-124649(JP,A)
【文献】特開2017-46933(JP,A)
【文献】中国実用新案第207784786(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00-22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッションカバーにクッション材を包んで成るクッションであって、
エアバッグと、前記エアバッグに空気を供給する空気供給手段と、前記エアバッグと前記空気供給手段とを繋ぐホースとを前記クッションカバーの内部に前記クッション材と共に収容し、
前記クッション材の一部に前記空気供給手段が収められる空所が設けられ、前記空所に前記空気供給手段が収容されると共に前記クッションカバー越しに前記空気供給手段が操作可能とされ
前記空気供給手段はリリースバルブを備える送気球であり、かつ前記リリースバルブは前記クッションカバーの外に露出するように配置され、クッションカバーの外で操作し得るように設けられている
ことを特徴とするクッション。
【請求項2】
前記エアバッグは、前記クッションカバーの裏面の生地と前記クッション材との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のクッション。
【請求項3】
前記空所の上の前記クッションカバーの上張地には、前記空気供給手段の収納領域を表示する目印があることを特徴とする請求項1または2記載のクッション。
【請求項4】
座として使用されるものであり、前記エアバッグが前記クッション材の後方に配置されており、着座部の臀部の後方を起こす方向に作用するペルビックサポート機能を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載のクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッションに関するものである。さらに詳述すると、本発明は、特に、ダイニング椅子の座の上に載せて座り心地と姿勢の調整を改善する座クッションに適用して好適なクッションに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、世界的に猛威を振るっている新型コロナ禍の状況下で、在宅勤務を行う機会が増加しており、生活環境にある什器を使って長時間の座り仕事をせざるを得ない場合がある。しかし、生活環境にある什器として一般的なダイニングチェアは、事務作業専用の高機能な椅子とは異なり、座面が比較的硬く且つ平坦であるため、長時間業務を快適に行うことは難しい。このことから、ダイニングチェアの座の上に載せて使用する座クッションが要望されている。
【0003】
従来より、クッション材を張地で覆ったクッションの中にエアバッグを搭載し、エアバッグを膨張、収縮させることで、着座者の好みにあわせるクッションは存在する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-110492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エアバッグの膨張、収縮を調整する操作ポンプ並びにホースは外部に露出しており、美観性に乏しいクッションとなっている。また、外部に露出しているため、操作ポンプ、ホースに足を引っ掛けるなどしてエアバッグ装置が破損する虞もある。特に、小さな子供などが触れる虞がある家庭内での使用では、危険性が高いものとなる。
【0006】
本発明は、外観を損なうことなく、尚且つ取り扱いが容易なクッションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、クッションカバーにクッション材を包んで成るクッションであって、エアバッグと、エアバッグに空気を供給する空気供給手段と、エアバッグと空気供給手段とを繋ぐホースとをクッションカバーの内部にクッション材と共に収容し、クッション材の一部に空気供給手段が収められる空所が設けられ、空所に空気供給手段が収容されると共にクッションカバー越しに空気供給手段が操作可能とされ、空気供給手段はリリースバルブを備える送気球であり、かつリリースバルブはクッションカバーの外に露出するように配置され、クッションカバーの外で操作し得るように設けられている。
【0008】
ここで、エアバッグは、クッションカバーの裏面の生地とクッション材との間に配置されていることが好ましい。
【0010】
また、空所の上の前記クッションカバーの上張地には、前記空気供給手段の収納領域を表示する目印があることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明のクッションは、座として使用されるものであり、エアバッグがクッション材の後方に配置されており、着座部の臀部の後方を起こす方向に作用するペルビックサポート機能を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のクッションは、エアバッグと、エアバッグに空気を供給する空気供給手段と、エアバッグと空気供給手段とを繋ぐホースとがクッション材と共にクッションカバーの内部に収容され、クッション材の一部に設けられた空所に収められている空気供給手段がクッションカバー越しに操作可能とされ、空気供給手段がリリースバルブを備える送気球であり、かつリリースバルブはクッションカバーの外に露出するように配置され、クッションカバーの外で操作し得るように設けられることにより、エアバッグや空気供給手段等とクッション材との位置関係が保たれ、尚且つ1部品となるので、クッションとしての取り扱いが簡便なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明にかかるクッションを座クッションに適用した一実施形態を示す斜視図である。
図2】同座クッションの平面図である。
図3】同座クッションの一部上張地を破断した平面図である。
図4】同座クッションの正面図である。
図5】同座クッションの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。尚、本明細書において、前後左右の方向は着座者を中心に定められており、「前あるいは前方」とは座に適用した場合には、着座者にとっての前あるいは前向きであり、「後あるいは後方」とは同様に着座者にとっての後あるいは後向きである。また、前後方向と水平面内において直交する方向が着座者にとっての左右方向あるいは座の幅方向である。さらに、「上」及び「下」は着座者にとっての上及び下であり、鉛直面内の上と下である。
【0016】
図1図5に、本発明のクッションを座クッションに適用した一実施形態を示す。本実施形態の座クッションは、ダイニングチェアの座や床上に座る場合に用いて座り心地を改善するものであり、クッションカバー9にクッション材を包んで成るクッションであって、エアバッグ7と、エアバッグ7に空気を供給する空気供給手段5と、エアバッグ7と空気供給手段5とを繋ぐホース8とをクッションカバー9の内部にクッション材3と共に収容し、クッション材3の一部に空気供給手段5が収められる空所4が設けられ、空所4に空気供給手段5が収容されると共にクッションカバー9越しに空気供給手段5が操作可能とされている。
【0017】
ここで、エアバッグ7に空気を供給する空気供給手段5としては、特定の装置に限られるものではないが、本実施形態では、電源を必要としない手動式の送気球(以下、送気球5と呼ぶ)が用いられている。この送気球5は、逆止弁を備える排気口と吸気口とを有するエラストマー製の中空の楕円球(いわゆるゴム球)であり、押し潰される際には吸気口を塞いで内部の空気が排気口から排出され、手の力を抜くとゴムの復元力で元の形状に戻るときに排気口を塞いで吸気口から外気を吸引するゴム球ものである。本実施形態の場合、送気球5はリリースバルブ6及びホース8を介してエアバッグ7に接続されている。
【0018】
即ち、本実施形態の座クッションは、図3に示すように、エアバッグ7並びに送気球5、リリースバルブ6及びホース8は、クッション材3と共に組み合わされた状態でクッションカバー9に収容されることによって、1つの座クッションとして構成されている。ここで、リリースバルブ6は、クッションカバー9の外で操作し得るように、少なくとも操作部例えば操作ボタン部分がクッションカバー9の外に露出するように配置されることが好ましい。
【0019】
尚、クッションカバー9は、本実施形態の場合、上張地1とクッションの裏面となる滑り止めシート2とを縫製により袋状にしており、概ね後半部(例えば、座としての中心よりも後ろ側)にクッション材3などを挿入するための開口部分を設けて、図示していないチャックやホックなどで開閉可能にされている。
【0020】
本実施形態の場合、クッションカバー9は、滑り止めシート2と上張地1とから成り、滑り止めシート2の上に上張地1が重ねられた状態で縫合されて一体化されている。クッションカバー9の裏面に滑り止めシート2を採用することによって、位置ずれを効果的に防止することができる。
【0021】
ここで、クッションカバー9は、特定の素材に限定されるものではないが、一般的には通気性を有する伸縮自在な生地で製作されることが好ましい。具体的には、上張地1は、クッション材3を収容した状態で通気性を発揮することが好ましく、例えばダブルラッセル編みのクッションカバー9生地によって構成されている。他方、裏面となる滑り止めシート2は、滑りにくい材質あるいは滑り難い処理が施されていることが好ましく、例えばアクリル繊維のシート材で形成される。また、クッションカバー9は、クッション材3に対して余裕を持たせた大きさに仕上げても良いが、場合によってはエアバッグなどとクッション材3を入れるとぴったりと密着するタイトな寸法・形状・素材で成形することも可能である。
【0022】
クッション材3は所定の形状に成型された例えばモールドウレタンの使用が好ましい。ここで、クッション材3の縁付近には送気球5を収容する空所4が形成されている。この空所4は、着座時に臀部や大腿部の下にならない位置、中でもクッション材3の中央よりも前方側の縁に沿って形成されることが好ましい。本実施形態の場合、着座時に着座者の手が自然と届く位置、例えば着座者が横に腕を垂らした位置あるいはそれよりも僅かに前方の側縁部(つまり、前縁部と後縁部との間の前後方向の縁部)に設けられている。この場合、着座状態で姿勢を崩さずに手を伸ばして操作し易い。また、座の前側では、図4及び図5に示すように、着座者の臀部を支える後部側寄りもクッション材3の厚みが比較的薄いため、送気球5を操作する際に必要とされる力が小さくて済むという利点がある。他方、前縁部例えば中央部に配置される場合には、送気球5を操作するために脚を広げたり、姿勢が前屈みにならざるを得ないので、操作不能ではないが好ましくはない。また、座の後部側、例えば後方の側縁あるいは後縁部分では、臀部を支えるためのモールドウレタンの厚みが厚くなることから、送気球5を押すのに大きな力が必要となる。このため、女性等の力が弱い人には操作し難いものとなる。中でも、後縁部分では、送気球5の操作のために体を捻らなければならず、操作し易いとは言い難い。したがって、クッション材3の中央よりも前方側の側縁に沿って形成されることが好ましい。この場合、図示の例では、右側の側縁部に空所4を設けているが、これに特に限られず左の側縁部に設けるようにしても良いし、左右双方に設けるようにしても良い。
【0023】
尚、空所4の形状は、収容する空気供給手段例えば送気球5の操作(つまり、押し潰しと開放による復元)を可能としつつクッション材3の機能を損なわないように配慮して、最小限の空間とすることが望まれる。他方、内方に収容する空気供給手段の形状・大きさに左右されることから、本実施形態の場合には送気球5を収めて操作し得る必要最小限の大きさの空間とすることが好ましい。また、この空間は、上下方向に貫通したものでも良いが、座面に段差が生じないように上面部分はある程度クッション材3を残した空間(上に凹)、あるいは下面側では送気球5が露出するような空間(下に凹)でも良いし、場合によっては上下両面部分にある程度クッション材3を残して側面に開放された空間(横に凹)でも良い。
【0024】
また、クッションバー9には、空気供給手段の収納領域即ち空所4の位置を表示する目印10が設けられている。本実施形態の場合、目印10は、例えば他の領域の上張地1とは異なる布目の方向の上張地や、異なる柄や色の上張地あるいは異なる材質の上張地を縫合することで形成されている。勿論、空気供給手段の収納領域即ち空所4の位置を表示する目印10は、上述したような面として表示する場合に限られず、例えば領域の縁を縁取る線で表示したり、あるいは図示していないが記号や図柄などのマークで代用するようにしても良い。
【0025】
本実施形態のクッション材3は、例えば図5に示すように、座骨座位に導き易くするために、前側の着座者の大腿部を支える大腿部支持部位側に比べて後側の臀部を支える着座部側が凹んだ形状を成している。つまり、クッション材3の着座部は、着座者の臀部を包み込むように臀部の形に合わせてくぼんだ面を形成し、着座部の前は着座者の臀部の前滑り防止の機能も兼ねて隆起している。そして、座の前端は、着座者の大腿部が当たらないように前垂れしている。また、クッション材3の周縁部分は臀部並びに大腿部を包み込むように盛り上がっている。したがって、クッション材3は、側面から見ると、前端側が垂れ下がり、その後方がやや隆起しながら再び臀部付近に向けて沈下しながら後端側で再び隆起する複合的な曲線形状、即ち緩やかな略S字形状をなす形状を成している。勿論、クッション材3の形状・構造については特に限定されるものではない。
【0026】
座に適用した本実施形態のクッションの場合、図5に示すように、クッション材3の後部に着座者の臀部の後ろ側を押し上げるエアバッグ7が設けられている。エアバッグ7は極力座の後ろの位置に配置することが好ましい。これにより、骨盤の所を持ち上げて、骨盤を起こして立てることで前傾姿勢を自然に採らせることができる。エアバッグ7は、座の前後方向中央位置よりも後方寄りに少なくとも収容されて固定されており、送気球5から空気が送り込まれることで膨らませられて、クッション材3の後方部を隆起させて着座者の臀部後方を押し上げる。これにより、骨盤を立てて背骨の自然なS字形状を保つための前傾気味の姿勢に調整するペルビックサポート機能を発揮できる。
【0027】
エアバッグ7は、クッション材3の下、つまりクッション材3と滑り止めシート2との間に配置されることが好ましい。この場合、エアバッグ7の膨張による高さの変化がそのままクッション材3の持ち上げに寄与させられることから、座面の形状を保ちながら、即ち着座者の臀部をサポートしながら臀部の後ろ側のクッション材3を折り曲げるように盛り上げることができる。このこと、クッション材3の内部に埋設することを否定するものでもない。
【0028】
エアバッグ7は、例えばクッション材3に凹部(図示省略)を設けて収納することにより、位置ずれを防ぐようにしても良いが、場合によっては膨らみの頂部となる領域をクッション材3あるいは滑り止めシート2に予め接着しておくことで位置固定するようにしても良いし、あるいは図示しない吊り糸などで直接係留させても良いし、クッション材3あるいは滑り止めシート2に縫合された袋(図示省略)にエアバッグ7を収納することで定位置に固定するようにしても良い。さらには、エアバッグ7そのものに底摩擦材を貼付してクッション材3あるいは滑り止めシート2との間の摩擦で位置すれを防ぐようにしても良い。
【0029】
エアバッグ7は本実施形態の場合、例えば広く市販されており入手し易い長方形の袋体を採用しているが、これに特に限られるものでは無く、必要に応じてクッション形状・臀部形状に合わせた湾曲形状や楕円形状に成形したものを採用するようにしても良い。
【0030】
ホース8は、本実施形態の場合、上張地1と滑り止めシート2との縫合箇所の隅即ちクッションカバー9の隅とクッション材3との間の隙間に配置され、クッション材3とクッションカバー9の隅との間で挟持されて動きが拘束されている。勿論、より確実にホースの動きを拘束するために、クッション材3の角部分あるいは側面にホース8が収まる溝を形成して、該溝にホース8が収めるようにしても良い。
【0031】
ここで、ホース8と送気球5との間のリリースバルブ6は、操作し易くするために、クッションカバー9の外に引き出されている。そして、ホース8は再びクッションカバー9の上張地の例えば縫合箇所からクッションカバー9内に挿入されている。リリースバルブ6は通常時は閉じた状態であり、送気球5の操作によって空気をエアバッグ7に送り込むことでエアバッグ7を膨らませる。そして、必要に応じてリリースバルブ6を操作例えばボタン操作により開放している間には、エアバッグ内の空気を抜くことができる。これによって、エアバッグを完全に押し潰したり、あるいは途中でエア抜きを止めることにより高さを調整することができる。
【0032】
以上の如く構成された座クッションによれば、比較的に硬く且つ平坦な座面のダイニングチェアのような椅子であっても、本実施形態の座クッションを載せるだけで、長時間の座り仕事に最適化された事務用椅子の座面のような座り心地に改善することができる。
【0033】
つまり、座クッションを椅子の座の上に載置したときには、図5に示すように、後方の臀部支持部が前方の大腿支持部よりも低くなると共に大腿部側がほぼ水平に保たれるため、着座者の大腿部が臀部よりも持ち上げられ、体が前側へずれないように力が働く。これによって、所謂仙骨座りが防がれる。さらに、臀部支持部には、臀部の周りを包み込むように支えることで体圧を分散すると共に安定的に保持が図られる。その上、送気球5を操作してエアバッグ7を膨らませて臀部の後ろのクッション材3を押し上げることにより、骨盤を立てて背骨の自然なS字形状を保つための前傾気味の姿勢に調整するペルビックサポート機能を発揮できる。
【0034】
しかも、エアバッグ7並びにその空気圧力源となる送気球5、リリースバルブ6及びホース8が、クッション材3と共に組み合わされた状態でクッションカバー9に収容されることによって、全ての部品の位置関係が保たれたまま1つの座クッションとして構成されるので、取り扱いが簡便なものとなる。
【0035】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、座面が平坦な椅子例えば家庭用椅子の座の上に置いて使用することにより座面の座り心地を改善するものとして利用する場合について主に説明したが、これに特に限られるものではなく、その他の用途例えば福祉用あるいは医療用クッションとしても利用できることは言うまでもない。
【0036】
また、上述の実施形態ではダイニングチェアで使用する座クッションとして好適な一例を挙げて本発明を説明したが、これに特に限定されるものではなく、座椅子や車椅子などで用いる座クッション、あるいは座布団代わりに用いる場合にも好適なものであるし、さらにはダイニングチェアの背凭れに取り付けて背凭れの改善を図るクッションとして利用することも可能である。
【0037】
また、上述の実施形態では、エアバッグ7を主に座クッションの後部に備えたペルビックサポート機能を有するものとして構成した例を挙げて説明したが、これに特に限られるものではなく、必要に応じてエアバッグ7を座の前部に設けて大腿部の持ち上げによる前滑り防止機能の改善あるいは側部に設けて大腿部から臀部の側方のサポート機能の強化を図ることも可能である。
【0038】
また、上述の実施形態では、クッション材3として主にモールドウレタンを用いた例を挙げて説明したが、これに特に限られるものでは無く、発泡ウレタンスラブなどから削り出したりあるいは複数のブロックを接着して所望の形状に成形したり、若しくは立体網状構造体を採用しても良い。
【0039】
また、上述の実施形態では、エアバッグ7に空気を供給する空気供給手段としては、送気球5が用いられているが、これに特に限られるものでは無く、その他の電源を必要としないポンプ手段であっても良いし、場合によっては電動式ポンプであっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1 上張地
2 滑り止めシート(裏地)
3 クッション(モールドウレタン)
4 空所
5 送気球(空気供給手段)
6 リリースバルブ
7 エアバッグ
8 ホース
9 クッションカバー
10 空気供給手段の収納領域を表示する目印
図1
図2
図3
図4
図5