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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/77 20170101AFI20241025BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G06T7/77
G01B11/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020202244
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089663
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 賢
(72)【発明者】
【氏名】平 将次郎
(72)【発明者】
【氏名】染谷 俊介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】黒田 健資
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-277813(JP,A)
【文献】杉本洋平,プラント施工進捗管理の効率化に向けた点群と3Dモデルの照合技術の開発,電気学会研究会資料 PI-20-7,電気学会,2020年03月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G01B 11/00
G06V 10/00 - 20/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の通り芯に基づく2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記第1点群データ及び前記第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記第1点群データは、前記一の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものであり、
前記第2点群データは、前記他の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1点群データは、前記一の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものであり、
前記第2点群データは、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1点群データは、前記一の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものであり、
前記第2点群データは、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、前記第2点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、の一方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置が、他方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置と共通の位置とされている、
請求項3又は請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
一の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記第1点群データ及び前記第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部と、
を備え、
前記第1点群データは、前記一の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものであり、
前記第2点群データは、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものである、
情報処理装置。
【請求項7】
一の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記第1点群データ及び前記第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部と、
を備え、
前記第1点群データは、前記一の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものであり、
前記第2点群データは、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものである、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設業での3次元スキャナ(以下、「3Dスキャナ」ともいう。)による3次元撮影は、土木分野と同様に、屋外から建物の躯体及び外装や、設備類を対象として行われている。また、当該3次元撮影は、半屋外(目隠し壁で隠れた屋上、ドライエリア、ピロティ等)や屋内においても、建物の躯体及び内装や、設備類を対象に行われている。
【0003】
この3Dスキャナによる3次元撮影によって取得した点群データは、パーソナルコンピュータ等により、現地及び現況の確認を行う活用方法の他に、BIM(Building Information Modeling)モデルとの重ね合わせを行うことにより、設計図や施工図等を現地の状況に即した精度の高い図面に更新するために活用している。
【0004】
従来は、点群データによる画像とBIMモデルによる画像を重ね合わせるために、点群データによる画像及びBIMモデルによる画像の少なくとも一方を、手動で3次元方向に動かして重ね合わせを行っているため、重ね合わせの精度に、人の技量によってばらつきが生じると共に、再現性が低い、という問題があった。
【0005】
この問題を解決するために適用することのできる技術として、以下の技術があった。
【0006】
特許文献1には、三次元レーザスキャナを用いた建築計画変更方法が開示されている。この建築計画変更方法では、三次元レーザスキャナを用いて建築現場の出来型表面の三次元データを点群データとして立体的に計測し、計測された出来型表面と、建築計画面との距離を比較して、前記出来型表面と前記建築計画面との干渉部分および隙間の少なくとも一方が最小になるように前記建築計画面を移動させる。
【0007】
特許文献2には、対応位置計算装置による対応位置計算方法が開示されている。この対応位置計算方法では、対応位置計算装置が、設計データ基準指定部と、計測データ基準指定部と、対応位置計算部とを有している。また、この対応位置計算方法では、前記設計データ基準指定部が、入力された設計データに対して、その設計データ内に存在する位置対応の基準となる構造物の指定を受け、前記指定された構造物の位置情報を前記設計データに追加する。また、この対応位置計算方法では、前記計測データ基準指定部が、入力された計測データに対して、その計測データ内に存在する位置対応の基準となる構造物の指定を受け、前記指定された構造物の位置情報を前記計測データに追加する。更に、この対応位置計算方法では、前記対応位置計算部が、前記設計データおよび前記計測データそれぞれの同じ構造物を示す位置情報を参照して、前記指定された構造物の近傍に位置する前記設計データ内の位置情報と前記計測データ内の位置情報とを対応付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5048962号公報
【文献】特開2019-109191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を、点群データによる画像とBIMモデルによる画像とを重ね合わせる目的に適用する場合、点群データが表す部材等の表面と、当該表面に対応するBIMモデルの部材等の表面とを検出する必要がある。このため、この技術では、点群データによる画像とBIMモデルによる画像との重ね合わせを、必ずしも簡易に行うことができるとは限らない、という問題点があった。
【0010】
また、特許文献2に記載の技術を、点群データによる画像とBIMモデルによる画像とを重ね合わせる目的に適用する場合、点群データが表す3次元画像とBIMモデルが表す3次元画像との双方の位置対応の基準となる構造物を指定する必要がある。このため、この技術においても、点群データによる画像とBIMモデルによる画像との重ね合わせを、必ずしも簡易に行うことができるとは限らない、という問題点があった。
【0011】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、3Dスキャナによって得られた点群データによる画像と、BIMモデルによる画像とを、より簡易に重ね合わせることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の本発明に係る情報処理装置は、一の通り芯に基づく2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記第1点群データ及び前記第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部と、を備えている。
【0013】
請求項1に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、一の通り芯に基づく2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得し、取得した第1点群データ及び第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行うことで、3Dスキャナによって得られた点群データによる画像と、BIMモデルによる画像とを、より簡易に重ね合わせることができる。
【0014】
請求項2に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1に記載の情報処理装置であって、前記第1点群データが、前記一の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものであり、前記第2点群データが、前記他の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものである。
【0015】
請求項2に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、第1点群データを、一の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものとすることで、より簡易に、3Dスキャナによって得られた点群データによる画像と、BIMモデルによる画像とを、重ね合わせることができる。
【0016】
請求項3に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1に記載の情報処理装置であって、前記第1点群データが、前記一の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものであり、前記第2点群データが、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものである。
【0017】
請求項3に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、第1点群データを、一の通り芯の上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものとすることで、より簡易に、3Dスキャナによる3次元撮影を行うことができる。
【0018】
請求項4に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1に記載の情報処理装置であって、前記第1点群データが、前記一の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものであり、前記第2点群データが、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものである。
【0019】
請求項4に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、第1点群データを、一の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所に3Dスキャナを設置して3次元撮影を行って得られたものとすることで、より簡易に、3Dスキャナによる3次元撮影を行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項3又は請求項4に記載の情報処理装置であって、前記第1点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、前記第2点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、の一方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置が、他方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置と共通の位置とされている。
【0021】
請求項5に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、第1点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、第2点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、の一方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置を、他方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置と共通の位置とすることで、より簡易に、3Dスキャナによる3次元撮影を行うことができる。
請求項6に記載の本発明に係る情報処理装置は、一の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記第1点群データ及び前記第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部と、を備え、前記第1点群データは、前記一の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものであり、前記第2点群データは、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものである。
請求項7に記載の本発明に係る情報処理装置は、一の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記第1点群データ及び前記第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部と、を備え、前記第1点群データは、前記一の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものであり、前記第2点群データは、前記他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものである。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、3Dスキャナによって得られた点群データによる画像と、BIMモデルによる画像とを、より簡易に重ね合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る3Dスキャナの構成の一例を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るスキャン情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る3Dスキャナの設置状態の一例を示す斜視図である。
図6】実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係る情報処理の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の一例を示す平面図である。
図8】従来の重ね合わせ表示画面の一例を示す正面図である。
図9】実施形態に係る重ね合わせ表示画面の一例を示す正面図である。
図10】実施形態に係る情報処理の他の形態例の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図である。
図11】実施形態に係る情報処理の他の形態例の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図である。
図12】実施形態に係る情報処理の他の形態例の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図である。
図13】実施形態に係る情報処理の他の形態例の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0025】
まず、図1図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システム90の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態に係る3Dスキャナ50の構成の一例を示す斜視図である。更に、図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム90は、情報処理装置10及び3Dスキャナ50を含んで構成されている。なお、情報処理装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の汎用又は専用の情報処理装置が挙げられる。
【0027】
本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0028】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、情報処理プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの情報処理プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0029】
また、記憶部13には、スキャン情報データベース13B及びBIMモデル13Cが記憶される。本実施形態に係る情報処理システム90では、BIMモデル13Cとして従来既知のものを適用している。
【0030】
即ち、建築設計の分野では、BIMの活用が進んでいる。建築設計者は、建築設計を行う際、設計対象の建物の3次元モデルを表すBIMモデルを作成することにより、設計作業を進める。
【0031】
BIMを活用することにより、コンピュータ上の空間内に建物の形状を表すオブジェクトが形成され、そのオブジェクトに対して属性情報が付与される。例えば、属性情報として、物理的特性に関する情報(比重、材質、強度、及び剛性等)又はコストに関する情報(例えば、1mあたりの単価及び施工コスト等)を、オブジェクトに対して紐づけることが可能となる。このため、例えば、BIMモデルと各種解析ツールとを連動させることにより、BIMモデルに応じて、構造解析及び熱負荷解析等を自動的に行うことができる。
【0032】
なお、BIMモデルは従来既知であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。また、スキャン情報データベース13Bについては、詳細を後述する。
【0033】
一方、図1に示すように、本実施形態に係る3Dスキャナ50は、スキャナ本体52及び記憶部58を含んで構成されている。なお、図示は省略するが、本実施形態に係る3Dスキャナ50は、スキャナ本体52により3次元撮影を行う際に当該スキャナ本体52による撮影方向を変化させるためのモータや、当該モータ、スキャナ本体52等の各部の作動を制御する制御部等も含まれている。
【0034】
図2に示すように、本実施形態に係る3Dスキャナ50は、3脚とされた脚部60の上部にスキャナ本体52が設けられており、スキャナ本体52は、脚部60の上部において、上述したモータの駆動により撮影方向が変更可能とされている。なお、脚部60は3脚には限らないことは言うまでもない。
【0035】
本実施形態に係る3Dスキャナ50は、スキャナ本体52からレーザを射出し、対象物に反射して返ってくるまでの時間から距離を算出する一方、スキャナ本体52の移動方向からレーザの射出角度を算出し、これらの算出値を用いて3次元位置を特定する、所謂タイムオブフライト方式のものとされている。但し、3Dスキャナ50による3次元位置の特定方式は、これに限るものではない。例えば、スキャナ本体52から複数に変調させたレーザを射出し、対象物に当たって戻ってきた拡散反射成分の位相差により対象物との距離を求め、当該距離とレーザの射出角度から3次元位置を特定する、所謂フェイズシフト方式のものを、3Dスキャナ50として適用する形態としてもよい。
【0036】
また、本実施形態に係る3Dスキャナ50では、点群データとして、各点の3次元位置の座標を示す座標情報の他、対応する点の上記レーザの反射強度を示す反射強度情報、及び対応する点の色を示す色情報が取得される。そして、本実施形態に係る3Dスキャナ50では、取得した座標情報、反射強度情報、及び色情報が点群データにおける点毎に関連付けられて記憶される。但し、この形態に限るものではなく、例えば、点群データとして、上記座標情報のみを記憶する形態としてもよいし、当該座標情報と、上記反射強度情報及び色情報の何れか一方の組み合わせを点群データとして記憶する形態としてもよい。
【0037】
なお、本実施形態に係る情報処理システム90では、3Dスキャナ50の記憶部58に記憶された各種情報を有線通信によって情報処理装置10に送信する形態とされているが、これに限るものではない。例えば、無線通信によって、3Dスキャナ50の記憶部58に記憶された各種情報を情報処理装置10に送信する形態としてもよい。また、記憶部58を3Dスキャナ50から着脱可能な可搬型の記憶媒体としておき、当該記憶媒体を介して、3Dスキャナ50の記憶部58に記憶された各種情報を情報処理装置10に転送する形態としてもよい。更に、3Dスキャナ50の記憶部58に記憶された各種情報を情報処理装置10に直接送信する形態には限らず、例えば、クラウドサーバを経由して情報処理装置10に送信する形態としてもよい。
【0038】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、取得部11A及び制御部11Bを含む。情報処理装置10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することで、取得部11A及び制御部11Bとして機能する。
【0039】
本実施形態に係る取得部11Aは、一の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する。なお、本実施形態では、第1点群データが、上記一の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものであり、第2点群データが、上記他の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとされている。
【0040】
また、本実施形態に係る制御部11Bは、取得部11Aによって取得された第1点群データ及び第2点群データによる画像を、BIMモデル13Cの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデル13Cによる画像に重ねて表示部15に表示する制御を行う。
【0041】
次に、図4を参照して、本実施形態に係るスキャン情報データベース13Bについて説明する。図4は、本実施形態に係るスキャン情報データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0042】
図4に示すように、本実施形態に係るスキャン情報データベース13Bは、座標、反射強度、及び色の各情報が関連付けられて記憶される。
【0043】
上記座標は、3Dスキャナ50による3次元撮影によって得られた各点の位置の座標を示す、上述した座標情報であり、上記反射強度は、対応する点における、上述した反射強度情報であり、上記色は、対応する点における、上述した色情報である。即ち、本実施形態に係るスキャン情報データベース13Bは、3Dスキャナ50による3次元撮影によって得られた座標情報、反射強度情報、及び色情報の点群データが登録されるものである。
【0044】
次に、図5図9を参照して、本実施形態に係る情報処理システム90の作用を説明する。図5は、本実施形態に係る3Dスキャナ50の設置状態の一例を示す斜視図である。また、図6は、本実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。更に、図7は、本実施形態に係る情報処理の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナ50による撮影位置の関係の一例を示す平面図である。
【0045】
一例として図5に示すように、3次元撮影を行う撮影者は、対象とする建物(以下、「対象建物」という。)80の内部における、墨出しされた一の通り芯(本実施形態では、BIMモデル13CにおけるX軸方向の通り芯)82の上の2箇所で3次元撮影を行う。また、撮影者は、対象建物80の内部における、墨出しされた他の通り芯(本実施形態では、BIMモデル13CにおけるY軸方向の通り芯)84の上の2箇所で3次元撮影を行う。なお、撮影者は、上記の4箇所で3次元撮影を行う際には、各々、スキャナ本体52が、対応する通り芯の垂線に可能な限り位置するように、3Dスキャナ50を設置する。
【0046】
この3次元撮影によって、対象建物80に対応し、かつ、4箇所の撮影位置毎の、上述した座標情報、反射強度情報、及び色情報の各情報が得られ、一時的に記憶部58に記憶される。
【0047】
その後、撮影者は、3Dスキャナ50に記憶された撮影位置毎の座標情報、反射強度情報、及び色情報の各情報を情報処理装置10に送信する操作を行う。
【0048】
撮影位置毎の各情報が3Dスキャナ50から受信されると、情報処理装置10では、受信した各情報が、そのままの形で記憶部13の所定領域に一時的に記憶される。そして、情報処理装置10では、当該各情報における座標情報、反射強度情報、及び色情報の各情報が、対象建物80を示す点群データとして1つの情報に合成されて、スキャン情報データベース13Bに登録される。
【0049】
この状態において、情報処理装置10のユーザは、情報処理プログラム13Aの実行を開始する指示入力を、入力部14を介して行う。この指示入力に応じて、情報処理装置10のCPU11が当該情報処理プログラム13Aを実行することにより、図6に示す情報処理が実行される。
【0050】
図6のステップ100で、CPU11は、BIMモデル13Cの各情報を記憶部13から読み出す。ステップ102で、CPU11は、スキャン情報データベース13Bから全ての情報(以下、「スキャン情報」という。)を読み出し、3Dスキャナ50の上記4箇所の撮影位置での3次元撮影により得られた座標情報を、記憶部13の上記所定領域から読み出す。一例として図7に示すように、以下では、柱86間におけるX軸上の通り芯82の上の一方の撮影位置を「撮影位置X1」といい、他方の撮影位置を「撮影位置X2」という。また、以下では、柱86間におけるY軸上の通り芯84の上の一方の撮影位置を「撮影位置Y1」といい、他方の撮影位置を「撮影位置Y2」という。
【0051】
ステップ104で、CPU11は、読み出した座標情報から、撮影位置X1及び撮影位置X2の2箇所の撮影位置を特定する。なお、撮影位置X1は、読み出した座標情報のうちの撮影位置X1での3次元撮影によって得られた座標情報における、3Dスキャナ50自身の位置に対応するX座標及びY座標の各座標値として得ることができる。同様に、撮影位置X2は、読み出した座標情報のうちの撮影位置X2での3次元撮影によって得られた座標情報における、3Dスキャナ50自身の位置に対応するX座標及びY座標の各座標値として得ることができる。
【0052】
ここで、一般に3Dスキャナでは、自身の水平面(X-Y平面)における位置を示す座標情報は、3次元撮影を行う際の死角となるため、得ることができない場合が多い。しかしながら、この場合は、上記死角となる領域の周囲(外周部)の位置を示す座標情報は得ることができるため、当該周囲の位置を示す座標情報から、上記死角の中心位置を算出することで、自身の位置を示す座標情報を得ることができる。
【0053】
ステップ106で、CPU11は、特定した撮影位置X1及び撮影位置X2の2箇所の撮影位置を結ぶ直線(以下、「X軸直線」という。)を導出する。
【0054】
ステップ108で、CPU11は、読み出した座標情報から、撮影位置Y1及び撮影位置Y2の2箇所の撮影位置を特定する。なお、撮影位置Y1は、読み出した座標情報のうちの撮影位置Y1での3次元撮影によって得られた座標情報における、3Dスキャナ50自身の位置に対応するX座標及びY座標の各座標値として得ることができる。同様に、撮影位置Y2は、読み出した座標情報のうちの撮影位置Y2での3次元撮影によって得られた座標情報における、3Dスキャナ50自身の位置に対応するX座標及びY座標の各座標値として得ることができる。なお、3Dスキャナ50によって3次元撮影を行う際に死角がある場合の対応は、上述した撮影位置X1及び撮影位置X2の2箇所の撮影位置を特定する場合と同様である。
【0055】
ステップ110で、CPU11は、特定した撮影位置Y1及び撮影位置Y2の2箇所の撮影位置を結ぶ直線(以下、「Y軸直線」という。)を導出する。
【0056】
ステップ112で、CPU11は、読み出したBIMモデル13CからX軸の通り芯82に相当する通り芯を特定し、ステップ114で、CPU11は、読み出したBIMモデル13CからY軸の通り芯84に相当する通り芯を特定する。
【0057】
ステップ116で、CPU11は、導出したX軸直線が、特定したBIMモデル13CのX軸の通り芯と重なり、かつ、導出したY軸直線が、特定したBIMモデル13CのY軸の通り芯と重なるように、読み出したスキャン情報(点群データ)により示される画像の姿勢を調整する。この画像の姿勢の調整は、例えば、当該画像の回転や、当該画像の移動等によって行われる。そして、CPU11は、当該姿勢の調整後の画像と、BIMモデル13Cが示す画像とを重ね合わせた画像を示す画面(以下、「重ね合わせ表示画面」という。)を表示するように表示部15を制御し、ステップ118で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0058】
図8には、従来の重ね合わせ表示画面の一例を示す正面図が示されている。また、図9には、本実施形態に係る重ね合わせ表示画面の一例を示す正面図が示されている。
【0059】
一例として図8に示すように、従来の重ね合わせ表示画面では、BIMモデルによる画像に対して、点群データが示す画像は位置や角度が一致していない場合が多く、表示された重ね合わせ表示画面に対して、点群データによる画像の姿勢の調整を手動で行う必要があった。この調整には、重ね合わせの精度に、人の技量によってばらつきが生じると共に、再現性が低い、という問題があったのは上述した通りである。
【0060】
これに対し、一例として図9に示すように、本実施形態に係る重ね合わせ表示画面では、点群データによる画像の姿勢の調整が自動的に行われた状態で当該画像が表示されるため、より簡易に最終的な重ね合わせ表示画面を得ることができる。
【0061】
なお、通り芯の位置からの、3Dスキャナ50による撮影位置のずれ等に起因して、本実施形態に係る調整が行われた後も、BIMモデルによる画像と点群データが示す画像とにずれが生じる場合もあるが、この場合でも当該ずれ量は少ないため、従来の技術に比較して、より簡易に最終的な重ね合わせ表示画面を得ることができる。
【0062】
一例として図9に示す重ね合わせ表示画面が表示部15に表示されると、ユーザは、表示されている重ね合わせ表示画面を確認した後、終了ボタン15Eを、入力部14を介して指定する。ユーザによって終了ボタン15Eが指定されると、ステップ118が肯定判定となって本情報処理が終了する。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10によれば、一の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第1点群データ、及び他の通り芯に基づく2箇所で3次元撮影を行って得られた第2点群データを取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された第1点群データ及び第2点群データによる画像を、BIMモデルの対応する通り芯に重なるように、当該BIMモデルによる画像に重ねて表示部に表示する制御を行う制御部11Bと、備えている。従って、3Dスキャナによって得られた点群データによる画像と、BIMモデルによる画像とを、より簡易に重ね合わせることができる。
【0064】
特に、本実施形態に係る情報処理装置10によれば、第1点群データを、一の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとしている。従って、より簡易に、3Dスキャナによって得られた点群データによる画像と、BIMモデルによる画像とを、重ね合わせることができる。
【0065】
なお、上記実施形態では、一の通り芯としてBIMモデルのX軸方向の通り芯を適用し、他の通り芯としてBIMモデルのY軸方向の通り芯を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、一の通り芯又は他の通り芯としてBIMモデルのZ軸方向(高さ方向)の通り芯を適用する形態としてもよい。この場合、3Dスキャナは、当該Z軸方向の2箇所に設置して3次元撮影を行う。
【0066】
また、上記実施形態では、3Dスキャナ50による3次元撮影を、通り芯82及び通り芯84の各通り芯上の2箇所ずつ、合計4箇所において行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、これらの4箇所に加えて、通り芯の位置とは無関係に3Dスキャナ50による3次元撮影を行う形態としてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、第1点群データを、一の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとした場合について説明したが、これに限定されない。例えば、第1点群データを、一の通り芯の上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとする形態(以下、「第2実施形態」という。)としてもよい。
【0068】
また、例えば、第1点群データを、一の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとし、第2点群データを、他の通り芯に対してオフセットされた線上の2箇所で3次元撮影を行って得られたものとする形態(以下、「第3実施形態」という。)としてもよい。
【0069】
更に、これらの第2実施形態及び第3実施形態においては、第1点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、第2点群データを得るために行う3次元撮影の2箇所の撮影位置と、の一方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置を、他方の2箇所の撮影位置における1箇所の撮影位置と共通の位置とする形態としてもよい。
【0070】
図10には、上記実施形態に係る情報処理の他の形態例(第2実施形態の一例)の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図が示されている。
【0071】
図10に示すように、この形態例では、上記実施形態においてX軸の通り芯82の位置に設定した撮影位置X1及び撮影位置X2に代えて、各々、Y軸方向に距離y1だけオフセットさせた位置である撮影位置Y1及び撮影位置X3を3Dスキャナ50による撮影位置として適用している。この形態の場合、上述した情報処理(図6も参照。)におけるステップ106の処理において、導出したX軸直線を距離y1だけ通り芯82の方向に平行移動させることになる。また、この形態では、撮影位置Y1を、Y軸の通り芯84での撮影位置と共通の位置としている。このため、撮影回数を1回少なくすることができる。
【0072】
また、図11には、上記実施形態に係る情報処理の他の形態例(第3実施形態の一例)の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図が示されている。
【0073】
図11に示すように、この形態例では、図10に示した形態例に対して、Y軸の通り芯84の位置に設定した撮影位置Y1及び撮影位置Y2に代えて、各々、X軸方向に距離x1だけオフセットさせた位置である撮影位置Y3及び撮影位置Y4を3Dスキャナ50による撮影位置として適用している。この形態の場合、上述した情報処理(図6も参照。)におけるステップ110の処理において、導出したY軸直線を距離x1だけ通り芯84の方向に平行移動させることになる。
【0074】
また、上記実施形態では、X軸の通り芯及びY軸の通り芯として、各々1本の通り芯のみを適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、X軸の通り芯及びY軸の通り芯の少なくとも一方の通り芯として、複数本の通り芯を適用する形態としてもよい。
【0075】
図12には、上記実施形態に係る情報処理の他の形態例の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図が示されている。
【0076】
図12に示すように、この形態例では、上記実施形態においてX軸の通り芯82の位置に設定した撮影位置X1及び撮影位置X2と、Y軸の通り芯84の位置に設定した撮影位置Y1及び撮影位置Y2とに加えて、他のX軸の通り芯83の位置に撮影位置X3及び撮影位置X4を設定し、他のY軸の通り芯85の位置に撮影位置Y3及び撮影位置Y4を設定する。この形態では、X軸直線及びY軸直線として、各々2本の直線が得られるため、より高精度に、点群データによる画像とBIMモデルによる画像との重ね合わせを行うことができる。
【0077】
更に、図13には、上記実施形態に係る情報処理の他の形態例の説明に供する図であり、墨出しされた通り芯の位置と3Dスキャナによる撮影位置の関係の他の例を示す平面図が示されている。
【0078】
図13に示すように、この形態例では、図12に示した形態例に対して、撮影位置X4と撮影位置Y4とを共通としている。従って、この形態では、図12に示した形態例に比較して、撮影回数を1回少なくすることができる。
【0079】
また、以上の実施形態では、点群データによる画像をBIMモデルによる画像と重ね合わせる場合について記載したが、これに限定されない。必ずしも、点群データによる画像をBIMモデルによる画像と重ね合わせる必要はなく、要は、通り芯に基づいて点群データを取得することで、取得した点群データと2次元図面を容易に比較することができることになる。
【0080】
また、上記実施形態において、例えば、取得部11A及び制御部11Bの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0081】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0082】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0083】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0084】
10 情報処理装置
11 CPU
11A 取得部
11B 制御部
12 メモリ
13 記憶部
13A 情報処理プログラム
13B スキャン情報データベース
13C BIMモデル
14 入力部
15 表示部
15E 終了ボタン
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
50 3Dスキャナ
52 スキャナ本体
58 記憶部
60 脚部
80 対象建物
82~85 通り芯
86 柱
90 情報処理システム
X1~X4 撮影位置
Y1~Y4 撮影位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13