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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20230101AFI20241025BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
B05B11/00 102E
B65D47/34 100
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021029820
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131080
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】立藏 亮
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-189862(JP,A)
【文献】特開平04-284873(JP,A)
【文献】特開2000-157895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 11/00
B65D 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前端部に装着され、液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、
前記噴出器本体は、
上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に設けられたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、
前記トリガー部の後方移動を規制する規制位置、及び前記トリガー部の後方移動を許容する許容位置の間を移動可能に前記トリガー部に設けられたストッパと、を備え、
前記ストッパは、前記トリガー部に対して前方に突出するとともに、前記ストッパを操作可能な操作部を備え
前記ストッパと前記トリガー部との間には、前記ストッパから前方に向かうに従い下方に延びるとともに、前記ストッパを前記規制位置に向けて付勢する付勢部材が配置され、
前記トリガー部には、前記付勢部材の前端部が接触するとともに、後方に向かうに従い漸次深くなるバネ受部が形成されているトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記トリガー機構は、
前記トリガー部の移動に連係して前後動するピストンと、
前記ピストンが挿入され、内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダ部と、を備え、
前記ストッパは、前記規制位置において、前記シリンダ部に前方から近接又は当接する規制部を備えている請求項に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
前記トリガー部及び前記ストッパは、上下方向から見て前後方向に交差する左右方向に延びる軸線回りにそれぞれ回転可能に構成され、
前記ストッパは、前記操作部の後方への移動に伴い、前記規制位置から前記許容位置に移動する請求項1又は請求項2に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記ノズル部材は、前記ストッパの前記規制位置から前記許容位置への移動を規制する係合位置、及び前記ストッパの前記規制位置から前記許容位置への移動を許容する係合解除位置の間を、前記噴出器本体に対して前後方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられている請求項1から請求項の何れか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トリガー式液体噴出器として、上下方向に延び、容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に設けられたトリガー部を有し、トリガー部の後方への移動によって、液体を縦供給筒部内から噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を有する構成が知られている。
例えば下記特許文献1には、トリガー部に設けた連結部材を上下にスライドさせることで、トリガー部の前後動に伴うピストンへの押圧力の伝達状態及び非伝達状態を切り替える構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-50423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、液体が予期せず噴出されるのを抑制した上で、優れた操作性を発揮させる点で未だ改善の余地があった。すなわち、従来のトリガー式液体噴出器では、連結部材がトリガー部の後方に設けられている。そのため、液体噴出操作を行う際には、まずトリガー部の側面に設けられた操作部を摘まんで連結部材を操作し、連結部材によってトリガー部とピストンとを伝達状態とする。続いて、トリガー部を前方から把持して、トリガー部を後方に引く。このように、従来のトリガー式液体噴出器では、液体を噴出させるにあたって、トリガー部の把持操作とは別の操作が必要となり、液体噴出操作が煩雑であるという課題がある。
【0005】
本発明は、液体が予期せず噴出されるのを抑制した上で、優れた操作性を発揮させることができるトリガー式液体噴出器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係るトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前端部に装着され、液体を前方に向けて噴出する噴出孔が形成されたノズル部材と、を備え、前記噴出器本体は、上下方向に延び、前記容器体内の液体を吸上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に設けられたトリガー部を有し、前記トリガー部の後方への移動によって、液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、前記トリガー部の後方移動を規制する規制位置、及び前記トリガー部の後方移動を許容する許容位置の間を移動可能に前記トリガー部に設けられたストッパと、を備え、前記ストッパは、前記トリガー部に対して前方に突出するとともに、前記ストッパを操作可能な操作部を備えている。
【0007】
本態様によれば、操作部がトリガー部に対して前方に突出しているため、液体の噴出操作の際にトリガー部に指等を引っ掛けた状態で操作部を操作することができる。すなわち、トリガー部に指等を引っ掛け、トリガー部を後方に移動させる一連の噴出操作の過程でストッパを許容位置に移動させることができる。そのため、トリガー部を把持する前に連結部材とピストンとを伝達状態とする従来の構成に比べ、液体が予期せず噴出されるのを抑制した上で、優れた操作性を発揮させることができる。
【0008】
上記態様のトリガー式液体噴出器において、前記ストッパと前記トリガー部との間には、前記ストッパを前記規制位置に向けて付勢する付勢部材が配置されていることが好ましい。
本態様によれば、操作部を介したストッパへの操作力を解放することで、ストッパが規制位置に復帰する。これにより、噴出操作の完了後、ストッパを規制位置に戻し忘れるのを抑制でき、液体が予期せず噴出されるのをより確実に抑制できる。
【0009】
上記態様のトリガー式液体噴出器において、前記トリガー機構は、前記トリガー部の移動に連係して前後動するピストンと、前記ピストンが挿入され、内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダ部と、を備え、前記ストッパは、前記規制位置において、前記シリンダ部に前方から近接又は当接する規制部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、ストッパ(規制部)がシリンダ部に当接することで、トリガー部の後方移動が規制される。そのため、規制位置において、ピストンによってシリンダ部内が加圧されるのを抑制し、液体が予期せず噴出されるのを抑制できる。
【0010】
上記態様のトリガー式液体噴出器において、前記トリガー部及び前記ストッパは、上下方向から見て前後方向に交差する左右方向に延びる軸線回りにそれぞれ回転可能に構成され、前記ストッパは、前記操作部の後方への移動に伴い、前記規制位置から前記許容位置に移動することが好ましい。
本態様によれば、トリガー部及びストッパの双方を回転操作によって操作することができる。特に、ストッパを許容位置に移動させるにあたって、操作部を後方に向けて移動させるので、ストッパを許容位置に移動させる回転操作に続けて、トリガー部を後方に引くことで、液体の噴出させることができる。これにより、操作性の更なる向上を図ることができる。
【0011】
上記態様のトリガー式液体噴出器において、前記ノズル部材は、前記ストッパの前記規制位置から前記許容位置への移動を規制する係合位置、及び前記ストッパの前記規制位置から前記許容位置への移動を許容する係合解除位置の間を、前記噴出器本体に対して前後方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、ストッパ自体の許容位置への移動をノズル部材によって規制できる。これにより、液体が予期せず噴出されるのをより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、液体が予期せず噴出されるのを抑制した上で、優れた操作性を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るトリガー式液体噴出器の断面である。
図2】第1実施形態に係るトリガー式液体噴出器の断面である。
図3】第1実施形態に係るトリガー式液体噴出器の断面である。
図4】第2実施形態に係るトリガー式液体噴出器の断面である。
図5】第2実施形態に係るトリガー式液体噴出器の断面である。
図6】第3実施形態に係るトリガー式液体噴出器の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
<第1実施形態>
図1に示すように、トリガー式液体噴出器1は、例えば消毒液等の液体が収容された容器体Aに装着される噴出器本体20と、噴出器本体20に装着されたノズル部材19と、を備えている。
なお、トリガー式液体噴出器1の各構成部品は、特に記載がなければ合成樹脂を用いた成形品とされている。
【0015】
噴出器本体20は、縦供給筒部10と、正倒立用アダプタ14と、パイプ15と、射出筒部11と、トリガー機構Tと、ストッパモジュール100と、を有している。
以下、縦供給筒部10の中心軸線O1に沿う方向を上下方向といい、上下方向に沿って容器体Aの底部(不図示)側を下側、その反対側を上側という。上下方向から見て、縦供給筒部10に対してノズル部材19が位置している側を前側、その逆側を後側という。上下方向から見て、前後方向に直交する方向を左右方向という。
【0016】
縦供給筒部10は、容器体Aの口部A1内を通じて容器体A内の液体を吸上げる。縦供給筒部10は、有頂筒状の外筒12と、外筒12内に嵌合された内筒13と、を備えている。
【0017】
外筒12は、大径部12aと、大径部12aの上方に配置され、かつ大径部12aより直径が小さい小径部12bと、大径部12aの上端部と小径部12bの下端部とを連結する上フランジ部12cと、を備えている。
小径部12bの上端開口は、頂壁部12dに塞がれている。
【0018】
内筒13は、大径部13aと、大径部13aより直径が小さい小径部13bと、大径部13aの上端部と小径部13bとを連結する下フランジ部13cと、を備えている。
大径部13aは外筒12の大径部12a内に嵌合され、小径部13bは外筒12の小径部12b内に嵌合されている。小径部13bの上端部は、大径部13aの上端部より上方に位置している。小径部13bの下端部は、大径部13aの下端部より上方で、かつ外筒12の小径部12bの下端部より下方に位置している。
【0019】
下フランジ部13cは、外筒12の上フランジ部12cよりも下方で、かつ外筒12の大径部12aの下端部より上方に位置している。下フランジ部13cと、上フランジ部12cと、の間に上下方向の隙間S1が設けられている。下フランジ部13cは、小径部13bの外周面のうち、外筒12の小径部12bから下方に突出した部分から径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びている。
【0020】
内筒13の大径部13aにおいて、外筒12の大径部12aから下方に突出した部分に、径方向の外側に向けて突出した環状の鍔部13dが形成されている。鍔部13dは、容器体Aの口部A1に装着(例えば螺着)される装着キャップ21の上端部内に設けられ、装着キャップ21の上端部に中心軸線O1回りに回転可能に係止されている。鍔部13dは、装着キャップ21と口部A1の上端開口縁とにより上下方向に挟まれる。装着キャップ21は、口部A1に螺着され、トリガー式液体噴出器1を容器体Aに対して着脱可能に固定する。なお、縦供給筒部10の中心軸線O1は、容器体Aの容器軸に対して後方に位置している。
【0021】
内筒13の上端部内には、上下方向に弾性変形可能に形成された噴出弁30が設けられている。
噴出弁30は、内筒13の内周面に段差状に形成された弁座32に対して上方から下方付勢状態で密に当接している。噴出弁30は、内筒13内において、弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断する。噴出弁30は、下方付勢力に抗して上昇し、弁座32から離間することで、内筒13内において、弁座32よりも上方に位置する空間と、弁座32よりも下方に位置する空間と、を連通させる。
【0022】
内筒13の内周面のうち、弁座32よりも下方に位置し、かつパイプ15の上端よりも上方に位置する部分に、内側に向けて突出する環状のテーパ筒部35が形成されている。テーパ筒部35は、下方に向かうに従い縮径している。テーパ筒部35の内側に、テーパ筒部35の内周面に離反可能に着座するボール弁36が配置されている。
【0023】
ボール弁36は、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、の連通を遮断する。ボール弁36は、テーパ筒部35に対して上昇してテーパ筒部35の内周面から離間することで、内筒13内において、テーパ筒部35よりも上方に位置する空間と、テーパ筒部35よりも下方に位置する空間と、を連通させる。
【0024】
正倒立用アダプタ14は、縦供給筒部10の下端部に装着されている。正倒立用アダプタ14は、容器体Aが正立姿勢(口部A1を上方に向けた姿勢)、及び倒立姿勢(口部A1を下方に向けた姿勢)の何れにおいても、容器体A内の液体の噴出を可能とするものである。
【0025】
正倒立用アダプタ14は、アダプタ本体14aと、切替弁14bと、を備えている。
アダプタ本体14aは、中空円柱状に形成されている。アダプタ本体14aは、大径部13aに対して下方から嵌め込まれている。アダプタ本体14a内には、第1空間Q1及び第2空間Q2が形成されている。第1空間Q1は、アダプタ本体14aに形成された正立導入口14cを通じて容器体A内と縦供給筒部10内とを連通している。第2空間Q2は、アダプタ本体14aに形成された倒立導入口14dを通じて容器体A内と縦供給筒部10内とを連通している。第1空間Q1及び第2空間Q2は、アダプタ本体14a内において、連通部14fを通じて連通している。
【0026】
切替弁14bは、連通部14fを通じた第1空間Q1と第2空間Q2との連通及び遮断を切り替える。切替弁14bは、例えばボール弁である。すなわち、切替弁14bは、自重等によって第2空間Q2内を移動可能に設けられている。切替弁14bは、容器体Aが正立姿勢にあるとき、連通部14fに着座して第1空間Q1及び第2空間Q2の連通を遮断する。切替弁14bは、容器体Aが倒立姿勢にあるとき、連通部14fから離間して第1空間Q1と第2空間Q2とを連通させる。
【0027】
パイプ15は、アダプタ本体14aに下方から装着されている。パイプ15は、容器体A内を下方に延びている。パイプ15は、正立導入口14cを通じて容器体A内と第1空間Q1とを連通している。
【0028】
噴出器本体20は、縦供給筒部10の前方に設けられた射出筒部11を備えている。射出筒部11は、縦供給筒部10内の液体を、後述する噴出孔18側に向けて流通させる。
射出筒部11は、縦供給筒部10の上端部から前方に向けて延びている。射出筒部11の内部は、外筒12及び内筒13に一体に形成された前後方向に貫通する第1横孔16を通して、縦供給筒部10の内部に連通している。第1横孔16は、内筒13内において、弁座32よりも上方に位置する空間に開口している。
【0029】
外筒12において、射出筒部11よりも下方に位置する部分に、前方に向けて突出するシリンダ装着筒40が形成されている。シリンダ装着筒40は、後端開口が閉塞された横向きの筒状に形成されている。シリンダ装着筒40の下端部は、外筒12の上フランジ部12cと一体に形成されている。
【0030】
トリガー機構Tは、トリガー部51の後方への移動によって、縦供給筒部10内から射出筒部11内を通じて噴出孔18側に向けて液体を流通させる。トリガー機構Tは、縦供給筒部10の前方に前方付勢状態で後方に移動可能に設けられたトリガー部51と、トリガー部51の移動に連係して前後動するピストン52と、ピストン52が挿入され、内部が縦供給筒部10内に連通するシリンダ53と、を備えている。
【0031】
トリガー部51は、射出筒部11から下方に向かうに従い前方に向けて延びている。トリガー部51の上端部は、左右方向に沿う軸線回りに回転可能に噴出器本体20(後述する上板部材84)に支持されている。トリガー部51には、上側ガイド筒51a及び下側ガイド筒51bが形成されている。上側ガイド筒51aは、トリガー部51の上部において、トリガー部51の前壁部から後方に延びている。下側ガイド筒51bは、トリガー部51のうち上側ガイド筒51aの下方に位置する部分において、トリガー部51の前壁部から後方に延びている。各ガイド筒51a,51bは、例えば角筒状に形成されている。
【0032】
シリンダ53は、後端開口が閉塞された横向きの筒状に形成され、シリンダ装着筒40内に嵌合されている。なお、シリンダ53の周壁部53aのうち、下端に位置する部分には、周壁部53aから前方に突出する規制突起53bが形成されている。規制突起53bは、前後方向から見た正面視において、周壁部53aの下端部を含み周壁部53aに倣って延びる円弧状に形成されている。但し、周壁部53aの正面視での寸法や、前後方向における周壁部53aからの突出量等は適宜変更が可能である。なお、シリンダ装着筒40及びシリンダ53は、本実施形態においてシリンダ部を構成する。
【0033】
ピストン52は、前端開口が閉塞された横向きの筒状に形成され、シリンダ53内に前後動可能に嵌合されている。ピストン52の前端壁52aは、上側ガイド筒51a内に上側ガイド筒51aの後方から進入している。前端壁52aは、上側ガイド筒51a内でトリガー部51に連結されている。ピストン52は、トリガー部51とともに後述する弾性板部54により前方に付勢され、かつトリガー部51の後方への移動に伴って後方に移動してシリンダ53内に押し込まれる。
【0034】
シリンダ53の外周面とシリンダ装着筒40の内周面とは、前後方向の両端部において密接している。シリンダ53の外周面とシリンダ装着筒40の内周面との間のうち、前後方向の両端部同士の間に位置する中間部に、環状の隙間S2が設けられている。
シリンダ53には、シリンダ53の内側と隙間S2とを連通させる第1通気孔63が形成されている。外筒12の上フランジ部12cに、隙間S2と、上フランジ部12cと内筒13の下フランジ部13cとの間の隙間S1と、を連通させる第2通気孔64が形成されている。下フランジ部13cには、隙間S1と、内筒13の大径部13aの内側(容器体Aの内部)と、を連通させる第3通気孔65が形成されている。
【0035】
トリガー部51が最前方移動位置に位置しているときに、ピストン52は第1通気孔63を閉塞している。トリガー部51の後方への移動によってピストン52が所定量だけ後方移動したときに、第1通気孔63が開放される。これにより、容器体Aの内部は、第3通気孔65、隙間S1、第2通気孔64、隙間S2及び第1通気孔63を通じて外部に連通する。
【0036】
シリンダ53のうち後端開口を閉塞する後端壁と、縦供給筒部10と、には前後方向に貫通し、シリンダ53内と内筒13の小径部13b内とを連通する第2横孔17が一体に形成されている。第2横孔17は、内筒13内において、弁座32よりも下方に位置し、かつテーパ筒部35よりも上方に位置する空間に開口している。
以上より、噴出弁30は、縦供給筒部10内を通した、射出筒部11内とシリンダ53内との連通及び遮断を切り替え、ボール弁36は、縦供給筒部10内を通した、容器体A内とシリンダ53内との連通及びその遮断を切換える。
【0037】
射出筒部11の上面には、縦供給筒部10における外筒12の頂壁部12dに連結された平板状の上板部材84が取付けられている。上板部材84は、トリガー部51の上端部を回転可能に支持している。
上板部材84における左右方向の両端部に、左右方向から見た側面視で前方に突の円弧状を呈し、射出筒部11の下方まで延びる弾性板部54が形成されている。弾性板部54の下端部に、下方に向けて突出する係止片が形成されており、この係止片がトリガー部51に上方から係止されている。これにより、弾性板部54はトリガー部51を前方に付勢している。
【0038】
噴出器本体20は、射出筒部11に対して前方から組み合わされた中継部材22を備えている。
中継部材22は、射出筒部11の前端開口を前方から覆う隔壁90と、隔壁90から後方に向けて延び、射出筒部11に外嵌された外嵌筒部91と、隔壁90から前方に向けて延び、ノズル部材19が装着された第1装着筒部92と、隔壁90のうち、第1装着筒部92の内側に位置する部分から前方に向けて延びるガイド軸部94と、を備えている。
【0039】
隔壁90のうち、第1装着筒部92の内側に位置する部分には、射出筒部11内に連通する連通孔95が形成されている。
ガイド軸部94における前端部の外周面には、前後方向に延びるとともに前方に向けて開口する第1切換溝94aが形成されている。ガイド軸部94は、第1装着筒部92と同軸に配設されている。
【0040】
ノズル部材19は、噴出器本体20の前端部に装着され、液体を前方に向けて噴出する噴出孔18を有している。
ノズル部材19は、第1装着筒部92を介して中継部材22に装着されることで、中継部材22に対して前方から組み合わされている。ノズル部材19は、中継部材22に対してガイド軸部94の軸線O2回りに回転可能に装着されている。
【0041】
ノズル部材19は、第1装着筒部92に回転可能に外嵌された第2装着筒部24と、第2装着筒部24の内側に設けられ、ガイド軸部94に回転可能に外嵌された嵌合筒部23と、を備えている。第2装着筒部24及び嵌合筒部23は、同軸に配設されている。
嵌合筒部23の内周面には、前後方向に延びるとともに、後方に開口する第2切換溝23aが形成されている。第2切換溝23aは、第1装着筒部92の内側に連通している。第2切換溝23aは、ガイド軸部94の第1切換溝94aに対応して配置されている。第2切換溝23aの前端部、及び第1切換溝94aの後端部それぞれの前後方向の位置は、互いに同じになっている。第2切換溝23aは、中継部材22に対するノズル部材19の回転位置に応じて第1切換溝94aに連通する。すなわち、ノズル部材19は、第1切換溝94a及び第2切換溝23a同士が連通する連通位置、及び第1切換溝94a及び第2切換溝23aの連通が遮断された遮断位置の間を回転可能に構成されている。連通位置において、第1切換溝94aは、前端部を通じて第2切換溝23aに連通する。これにより、射出筒部11内は、第1切換溝94a及び第2切換溝23aを通じて噴出孔18に連通する。一方、遮断位置において、第1切換溝94aが嵌合筒部23によって閉塞されることで、射出筒部11内と噴出孔18との連通が遮断される。
【0042】
ノズル部材19は、ノズル筒31及び外装筒33を備えている。
ノズル筒31は、前後方向に延びる噴出筒27、及び噴出筒27の後端開口を閉塞し、かつ噴出孔18が形成された閉塞壁29を有している。
閉塞壁29から第2装着筒部24及び嵌合筒部23が後方に向けて延びている。噴出孔18の後端開口は、嵌合筒部23内に開口し、噴出孔18の前端開口は、噴出筒27内に開口している。
外装筒33は、閉塞壁29の外周縁から後方に延びている。外装筒33は、第2装着筒部24の周囲を取り囲んでいる。外装筒33は、噴出筒27の外周面とともに、ノズル部材19の外装面を構成する。
【0043】
ストッパモジュール100は、トリガー部51の後方移動(液体の噴出操作)の規制及び許容を切り替える。ストッパモジュール100は、左右方向に沿う軸線回りに回動可能にトリガー部51に設けられている。ストッパモジュール100は、ストッパ101と、付勢部材102と、が一体に形成された構成である。
【0044】
ストッパ101は、操作部101aと、規制部101bと、回動軸101cと、を備えている。
操作部101aは、左右方向から見た側面視において、後方に開口するC字状に形成されている。操作部101aは、トリガー部51の前方から、上側ガイド筒51a及び下側ガイド筒51b間を跨って配置されている。具体的に、操作部101aは、上側ガイド筒51a内に進入する上壁部110aと、下側ガイド筒51b内に進入する下壁部110bと、上壁部110a及び下壁部110bの前端部同士を接続する接続壁110cと、を備えている。したがって、操作部101aは、トリガー部51の前壁部から前方に突出した状態で配置されている。
【0045】
規制部101bは、下壁部110bから後方に延びている。規制部101bは、下側ガイド筒51bを貫通してトリガー部51に対して後方に突出している。
回動軸101cは、下壁部110bの後端部(規制部101bとの境界部分)において、左右方向の両側に向けて突出している。回動軸101cは、左右方向に沿う軸線回りに回動可能に下側ガイド筒51bに支持されている。
【0046】
本実施形態のストッパモジュール100は、トリガー部51の後方移動を規制する規制位置、及びトリガー部51の後方移動を許容する許容位置の間を回動する。具体的に、規制位置において、ストッパモジュール100は、規制部101bの後端が規制突起53bに前方から近接又は当接している。ストッパモジュール100は、規制部101bが規制突起53bに前方から当接することで、トリガー部51の後方移動を規制する。規制位置において、接続壁110cは、下方に向かうに従い後方に向けて傾斜した状態で延びている。
【0047】
図2に示す許容位置において、ストッパモジュール100は、規制部101bが規制突起53bから下方に退避している。すなわち、許容位置において、規制部101bは、トリガー部51の後方移動時に規制突起53bに干渉しない位置に配置される。許容位置において、接続壁110cは、上下方向に沿って延びている。なお、許容位置における接続壁110cの前後方向に対する傾斜角度は、規制位置における傾斜角度に比べて大きいことが好ましい。
【0048】
付勢部材102は、ストッパ101を規制位置に向けて付勢している。付勢部材102は、規制部101bの後端から前方に延びている。付勢部材102は、前方に向かうに従い下方に延びる板ばね状に形成されている。付勢部材102は、厚さ方向に弾性変形可能に構成されている。付勢部材102の前端部は、下側ガイド筒51b内に後方から進入している。具体的に、下側ガイド筒51bの底壁51cには、バネ受部51dが形成されている。バネ受部51dは、底壁51cの内面が後方に向かうに従い漸次深くなるように窪んだ凹部である。付勢部材102の前端は、下側ガイド筒51b内においてバネ受部51dの前端部に近接又は当接している。なお、付勢部材102は、ストッパ101と別体で設けられていてもよい。
【0049】
次に、上述のように構成されたトリガー式液体噴出器1の作用について説明する。以下の説明において、噴出器本体20の各部内には既に液体が充填されているものとする。
トリガー式液体噴出器1の噴出操作を行うには、まず中継部材22に対してノズル部材19を回転させ、ノズル部材19を連通位置とする。
【0050】
続いて、例えば人差し指や中指をトリガー部51に前方から引っ掛け、親指を装着キャップ21に引っ掛けた状態で、トリガー式液体噴出器1を把持する。この状態で、図1図2に示すように、ストッパモジュール100を規制位置から許容位置に移動させる。例えば、トリガー部51に中指を引っ掛けた状態で、人差し指によって操作部101aを後方に押し込む。すると、ストッパモジュール100は、接続壁110cを介して操作部101aが後方に押し込まれることで、回動軸101cを支点として回動する。これにより、操作部101aが後方に移動するとともに、規制部101bが下方に移動することで、ストッパモジュール100が図2に示す許容位置となる。これにより、トリガー部51の後方移動が可能となる。なお、許容位置において、上壁部110aの後端は、ピストン52の前端壁52aに近接又は当接する。
【0051】
ストッパモジュール100が規制位置から許容位置に移行する過程において、付勢部材102は前方に変位しようとする。この際、付勢部材102の前端がバネ受部51dに支持されることで、付勢部材102が下方に向けて凸状に弾性変形する。なお、ストッパモジュール100を許容位置に移動させた後、操作部101aは指で押圧したままとする。これにより、ストッパモジュール100が規制位置に弾性復帰するのを抑制できる。
【0052】
図2図3に示すように、ストッパモジュール100を許容位置に移動させた状態で、人差し指や中指によってトリガー部51を後方に引く。すると、トリガー部51が弾性板部54の付勢力に抗して後方に移動することで、ピストン52が後退する。これにより、シリンダ53内の液体が、第2横孔17を通して縦供給筒部10の内筒13に導入される。内筒13に導入された液体は、ボール弁36を押し下げてテーパ筒部35を閉弁するとともに、噴出弁30を押し上げて内筒13の上端開口を開弁させる。その結果、液体が、加圧された状態で第1横孔16を通じて射出筒部11内に供給される。射出筒部11内に供給された液体は、連通孔95、第1装着筒部92の内側、第2切換溝23a及び第1切換溝94aを通じて噴出孔18に到達し、噴出孔18から噴出される。なお、トリガー部51を後方に移動させた状態で、仮に操作部101aから指を離したとしても、規制部101bがシリンダ53に対して下方から近接又は当接することで、ストッパモジュール100の規制位置への復帰が規制される。
【0053】
液体の噴出後、トリガー部51に付与した後方への押圧力を解放すると、弾性板部54の復元力によってトリガー部51が前方に付勢されて元の位置に復帰する。これに伴ってピストン52が前方移動することで、シリンダ53内に負圧が生じる。この負圧によって、噴出弁30が内筒13の上端開口を閉弁した状態で、ボール弁36が上昇してテーパ筒部35を開弁する。その結果、容器体A内の液体が、縦供給筒部10内に吸い上げられ、第2横孔17を通してシリンダ53内に導入される。
【0054】
液体の噴出操作を完了させ、ストッパモジュール100に付与した後方への操作力を開放すると、ストッパモジュール100は、付勢部材102の復元力によって規制位置に復帰する。具体的に、ストッパモジュール100は、回動軸101cを支点として、操作部101aが前方に移動するとともに、規制部101bが上方に移動する。これにより、ストッパモジュール100が規制位置に移動し、トリガー部51の後方移動が規制される。なお、本実施形態では、ストッパモジュール100及びトリガー部51の双方に指を引っ掛けた状態で噴出操作を行う構成について説明したが、この構成に限られない。噴出操作を行うには、少なくともストッパモジュール100に指を引っ掛け、ストッパモジュール100を許容位置に移動させた状態で、ストッパモジュール100を介してトリガー部51を後方に引いてもよい。
【0055】
このように、本実施形態のトリガー式液体噴出器1において、ストッパモジュール100は、トリガー部51に対して前方に突出するとともに、ストッパモジュール100を操作可能な操作部101aを備えている構成とした。
この構成によれば、操作部101aがトリガー部51に対して前方に突出しているため、液体の噴出操作の際にトリガー部51に指等を引っ掛けた状態で操作部101aを操作することができる。すなわち、トリガー部51に指等を引っ掛け、トリガー部51を後方に移動させる一連の噴出操作の過程でストッパモジュール100を許容位置に移動させることができる。そのため、トリガー部51を把持する前に連結部材とピストンとを伝達状態とする従来の構成に比べ、液体が予期せず噴出されるのを抑制した上で、優れた操作性を発揮させることができる。
【0056】
本実施形態のトリガー式液体噴出器1において、ストッパ101とトリガー部51との間には、ストッパ101を規制位置に向けて付勢する付勢部材102が配置されている構成とした。
この構成によれば、操作部101aを介したストッパモジュール100への操作力を解放することで、ストッパモジュール100が規制位置に復帰する。これにより、噴出操作の完了後、ストッパモジュール100を規制位置に戻し忘れるのを抑制でき、液体が予期せず噴出されるのをより確実に抑制できる。
【0057】
本実施形態のトリガー式液体噴出器1において、ストッパモジュール100は、規制位置において、シリンダ53に前方から近接又は当接する規制部101bを備えている構成とした。
この構成によれば、ストッパモジュール100(規制部101b)がシリンダ53に当接することで、トリガー部51の後方移動が規制される。そのため、規制位置において、ピストン52によってシリンダ53内が加圧されるのを抑制し、液体が予期せず噴出されるのを抑制できる。
【0058】
本実施形態のトリガー式液体噴出器1において、トリガー部51及びストッパモジュール100は、左右方向に延びる軸線回りの周方向にそれぞれ回転可能な構成とした。
この構成によれば、トリガー部51及びストッパモジュール100の双方を回転操作によって操作することができる。特に、ストッパモジュール100を許容位置に移動させるにあたって、操作部101aを後方に向けて移動させるので、ストッパモジュール100を許容位置に移動させる回転操作に続けて、トリガー部51を後方に引くことで、液体の噴出させることができる。これにより、操作性の更なる向上を図ることができる。
【0059】
<第2実施形態>
本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、ストッパモジュール100の規制位置から許容位置への移動を規制及び許容する係合部200がノズル部材19に設けられている点で、上述した第1実施形態と相違している。
図4に示すトリガー式液体噴出器1において、ノズル部材19の外装筒33には、係合部200が形成されている。係合部200は、外装筒33のうち、ノズル部材19が遮断位置にあるときに、下方を向く部分に形成されている。すなわち、係合部200は、ノズル部材19の回転位置に応じてガイド軸部94の軸線O2回りの周方向に移動可能である。本実施形態の係合部200は、ノズル部材19が遮断位置と連通位置との間を移動するのに伴い、下方を向けて突出する係合位置と、下方以外の方向を向く係合解除位置と、の間を移動する。
【0060】
係合部200は、正面視において、ガイド軸部94の軸線O2に交差する径方向に突出している。係合部200は、側面視において、三角形状に形成されている。図示の例において、係合部200は、前方を向く斜面の傾斜角度が、後方を向く斜面の傾斜角度に比べて大きくなっている。
【0061】
ストッパモジュール100は、操作部101aの上壁部110aに引掛け部150を備えている。引掛け部150は、上壁部110aの前部から上方に突出している。引掛け部150は、ストッパモジュール100が規制位置にあり、係合部200が係合位置にある状態で、係合部200に対して前方から近接又は当接する。引掛け部150は、係合部200に前方から当接することで、ストッパモジュール100の許容位置に向けた移動を規制する。なお、図示の例において、付勢部材102は、前方に向かうに従い下方に向けて湾曲しながら延びている。付勢部材102の前端は、トリガー部51の後面に接している。
【0062】
本実施形態のトリガー式液体噴出器1において、ノズル部材19が遮断位置にあるとき、係合部200が係合位置にあることで、引掛け部150が係合部200に係合し、ストッパモジュール100の許容位置への移動が規制されている。この状態から液体を噴出させるには、まずノズル部材19を連通位置に移動させる。具体的には、図4図5に示すように、ノズル部材19を連通位置まで回転させる。すると、係合部200が引掛け部150に対して周方向に退避し、係合部200が係合解除位置に移動する。これにより、ストッパモジュール100の規制が解除される。この状態で、第1実施形態と同様に、ストッパモジュール100を許容位置に移動させた後、トリガー部51を後方に引くことで、噴出孔18を通じて液体が噴出される。液体の噴出操作の後、ストッパモジュール100が規制位置に復帰した状態でノズル部材19を遮断位置まで回転させることで、係合部200が係合位置に移動する。これにより、係合部200が引掛け部150の後方に進入し、ストッパモジュール100の許容位置への移動が再び規制される。
【0063】
本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏することに加え、ストッパモジュール100自体の許容位置への移動をノズル部材19によって規制できる。これにより、液体が予期せず噴出されるのをより確実に抑制できる。
【0064】
<第3実施形態>
図6に示すトリガー式液体噴出器1において、ノズル部材19は、外装筒33から軸線O2の径方向に延びるガイド壁201を備えている。ガイド壁201は、ノズル部材19が遮断位置にあるとき、外装筒33から下方に突出している。ガイド壁201は、ノズル部材19が遮断位置にあるとき、ストッパモジュール100に対して左右方向の一方側に配置される。
【0065】
ガイド壁201には、左右方向の他方側に向けて延びる係合突起202が形成されている。係合突起202は、ノズル部材19が遮断位置にあるとき、操作部101aの後方に進入して、ストッパモジュール100の許容位置への移動を規制する(係合位置)。具体的に、係合突起202は、係合位置において、接続壁110cの後方で、かつ上壁部110aの下方に位置し、接続壁110c及び上壁部110aに近接又は当接する。係合突起202は、上壁部110a又は接続壁110cに当接することで、ストッパモジュール100の許容位置への移動を規制する。
【0066】
一方、係合突起202は、ノズル部材19の遮断位置から連通位置への移動に伴い、軸線O2回りの周方向に移動する。これにより、係合突起202は、ノズル部材19が連通位置にあるとき、ストッパモジュール100が許容位置へ移動する際の操作部101aの移動軌跡から周方向に退避する(係合解除位置)。その結果、ストッパモジュール100の規制位置から許容位置への移動が可能になる。
【0067】
本実施形態においても、ストッパモジュール100自体の許容位置への移動をノズル部材19によって規制できる。これにより、液体が予期せず噴出されるのをより確実に抑制できる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0069】
上述した実施形態では、ストッパモジュール100が付勢部材102を備える構成について説明したが、付勢部材102を備えない構成であってもよい。
上述した実施形態では、ストッパモジュール100が左右方向に沿う軸線回りに回動することで、規制位置及び許容位置間を移動する構成について説明したが、この構成に限られない。ストッパモジュール100は、操作部101aがトリガー部51よりも前方に突出する構成であれば、例えばスライド動作や前後方向に沿う軸線回りに回動動作する構成等であってもよい。
上述した実施形態では、規制部101bがシリンダ53に当接する構成について説明したが、この構成に限られない。規制部101bは、噴出器本体20の任意の位置に当接してもよい。例えば、規制部101bは、シリンダ装着筒40に当接する構成であってもよい。
上述した実施形態では、トリガー部51が回転可能に設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。トリガー部51は、前後方向に移動可能に設けられていればよい。
【0070】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1:トリガー式液体噴出器
10:縦供給筒部
18:噴出孔
19:ノズル部材
20:噴出器本体
40:シリンダ装着筒(シリンダ部)
51:トリガー部
52:ピストン
53:シリンダ(シリンダ部)
101:ストッパ
101a:操作部
101b:規制部
102:付勢部材
A:容器体
T:トリガー機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6