(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び報酬付与方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241025BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241025BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2021034962
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古山 泰嗣
(72)【発明者】
【氏名】古敷谷 萌南
(72)【発明者】
【氏名】森本 留名
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158658(JP,A)
【文献】特開2017-158813(JP,A)
【文献】特開2018-171310(JP,A)
【文献】特開2016-063847(JP,A)
【文献】特開2021-010469(JP,A)
【文献】特許第6705101(JP,B1)
【文献】特開2021-013613(JP,A)
【文献】特開2021-000152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから報酬の選択を受け付ける報酬選択受付部と、
ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、前記ユーザに付与するコンテンツを抽選する抽選実行部と、
前記抽選に基づいて前記ユーザと対応付けて蓄積される蓄積値が、前記ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に達すると、前記ユーザが選択した報酬を前記ユーザに付与する報酬付与部と、
前記抽選の回数、及び前記抽選の結果の少なくとも一方に基づき、前記ユーザと対応付けて蓄積する前記蓄積値を算出する蓄積値算出部と、
を有し、
前記抽選実行部の抽選により前記ユーザに付与される前記コンテンツには、前記蓄積値算出部による前記蓄積値の増加量が加算される特別なコンテンツが含まれ、前記特別なコンテンツは、前記ユーザにより指定可能である、情報処理装置。
【請求項2】
前記特別なコンテンツは、前記コンテンツを抽選する抽選画面に前記ユーザが前記特別なコンテンツを確認することができる表示態様で表示される、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザから選択を受け付ける報酬ごとに、前記ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値を算出する対価値算出部、を更に有すること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記蓄積値算出部は、前記抽選実行部の抽選により前記ユーザに付与される前記コンテンツのレアリティ、及び前記抽選実行部の抽選が行われた期間の少なくとも一方により前記蓄積値の増加量が異なるように前記蓄積値を算出すること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記報酬選択受付部は、前記ユーザが所有している前記コンテンツに応じて、選択を受け付ける前記報酬を変化させること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置を、
ユーザから報酬の選択を受け付ける報酬選択受付部、
ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、前記ユーザに付与するコンテンツを抽選する抽選実行部、
前記抽選に基づいて前記ユーザと対応付けて蓄積される蓄積値が、前記ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に達すると、前記ユーザが選択した報酬を前記ユーザに付与する報酬付与部、
前記抽選の回数、及び前記抽選の結果の少なくとも一方に基づき、前記ユーザと対応付けて蓄積する前記蓄積値を算出する蓄積値算出部、として機能させ、
前記抽選実行部の抽選により前記ユーザに付与される前記コンテンツには、前記蓄積値算出部による前記蓄積値の増加量が加算される特別なコンテンツが含まれ、前記特別なコンテンツは、前記ユーザにより指定可能である、プログラム。
【請求項7】
前記特別なコンテンツは、前記コンテンツを抽選する抽選画面に前記ユーザが前記特別なコンテンツを確認することができる表示態様で表示される、
請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
情報処理装置に、
ユーザから報酬の選択を受け付ける報酬選択受付ステップと、
ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、前記ユーザに付与するコンテンツを抽選する抽選実行ステップと、
前記抽選に基づいて前記ユーザと対応付けて蓄積される蓄積値が、前記ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に達すると、前記ユーザが選択した報酬を前記ユーザに付与する報酬付与ステップと、
前記抽選の回数、及び前記抽選の結果の少なくとも一方に基づき、前記ユーザと対応付けて蓄積する前記蓄積値を算出する蓄積値算出ステップと、
を実行させ、
前記抽選実行ステップの抽選により前記ユーザに付与される前記コンテンツには、前記
蓄積値算出ステップによる前記蓄積値の増加量が加算される特別なコンテンツが含まれ、前記特別なコンテンツは、前記ユーザにより指定可能である、報酬付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及び報酬付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタ、武器、装備、アイテムなどのゲーム内のコンテンツをユーザに付与するための、いわゆるガチャと呼ばれる抽選が行われるゲームが知られている。例えば抽選手段により抽選されたアイテムをユーザに提供する通信システムにおいて、アイテム提供回数に応じて追加アイテム(景品)を決定し、追加アイテムをユーザに提供する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は追加アイテムをユーザが選択できず、ユーザの欲しい追加アイテムでなければ、ユーザの抽選の実行意欲を喚起することができないという問題があった。
【0005】
本開示は、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選の実行意欲を喚起させる新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、ユーザから報酬の選択を受け付ける報酬選択受付部と、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とし、前記ユーザに付与するコンテンツを抽選する抽選実行部と、前記抽選に基づいて前記ユーザと対応付けて蓄積される蓄積値が、前記ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に達すると、前記ユーザが選択した報酬を前記ユーザに付与する報酬付与部と、を有する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
一の側面によれば、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選の実行意欲を喚起させる新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】クライアントのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】クライアントの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態で利用するユーザ情報テーブルの一例の構成図である。
【
図7】本実施形態で利用するコンテンツ情報テーブルの一例の構成図である。
【
図8】本実施形態で利用する報酬付与条件テーブルの一例の構成図である。
【
図9】本実施形態に係る報酬選択処理の一例のフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る抽選処理の一例のフローチャートである。
【
図11】対価値及び蓄積値をガチャ回数で表す抽選画面の一例のイメージ図である。
【
図12】対価値及び蓄積値をガチャの結果に基づき算出されるポイントで表す抽選画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、ゲーム内のキャラクタ、武器、装備、アイテム、カードなどのゲーム内のコンテンツを抽選対象とするガチャの例を説明するが、これに限定するものではない。本実施形態におけるガチャは抽選対象であるゲーム内のコンテンツ群からユーザに付与するコンテンツを抽選する情報処理の一例である。
【0010】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、
図1を参照して説明する。
図1は本実施形態に係るゲームシステム10の一例を示す図である。一実施形態に係るゲームシステム10は、クライアント20とサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。
【0011】
クライアント20はユーザがゲームをプレイする情報処理端末の一例である。クライアント20は、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯電話機、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。クライアント20はユーザからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等の入力装置で受け付け、操作に応じた画像を表示装置に表示してユーザにゲームをプレイさせる。クライアント20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0012】
サーバ30はクライアント20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能をクライアント20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ30はクライアント20へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理やユーザのログイン処理、ガチャに関する処理、各種テーブルの管理などに利用される。
【0013】
図2は、クライアント20のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124、及び表示装置125を有する。CPU121は、クライアント20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0014】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、表示装置125はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0015】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132、及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0016】
図4はクライアント20の機能構成の一例を示す図である。クライアント20は、記憶部21、クライアント制御部22、操作受付部23、出力制御部24、及びクライアント側通信部25を有する。記憶部21は、ゲームプログラム31などのプログラム、そのプログラムが利用するデータなどを記憶している。記憶部21は、記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0017】
クライアント制御部22はクライアント20の全体の制御を行う。クライアント20の全体の制御には、ユーザがプレイするゲーム全般に関する制御が含まれる。クライアント制御部22は、CPU121がゲームプログラム31に記載された処理を実行することにより実現される。クライアント制御部22は、ゲーム制御部35、画像生成部36、要求送信部37、及び結果受信部38を有する。
【0018】
ゲーム制御部35は、ユーザがプレイするゲームに関する制御を行う。画像生成部36は後述するような抽選画面の画像など、ゲーム画面の表示に必要な画像を生成する。要求送信部37はユーザの操作に基づいてサーバ30にガチャの抽選要求を行うなど、各種処理要求をサーバ30に対して行う。結果受信部38はサーバ30に対して行ったガチャの抽選要求に対する抽選結果など、各種処理要求に対する結果を受信する。
【0019】
操作受付部23は入力装置124に対するユーザの各種操作を受け付ける。出力制御部24は表示装置125にゲーム画面及びゲーム音を出力する。なお、操作受付部23はCPU121が入力装置124を制御することで実現される。また、出力制御部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現される。
【0020】
ここで入力装置124に対するユーザの各種操作とは、CPU121に処理を実行させるため、ゲームをプレイするユーザが操作受付部23を操る操作をいう。操作受付部23はゲームをプレイするユーザから各種操作を受け付ける。クライアント制御部22は操作受付部23がユーザから受け付けた各種操作に基づき、ゲームを進行させる。
【0021】
出力制御部24は、クライアント制御部22が生成した画像及び音に基づき、ゲーム画面及びゲーム音を表示装置125に出力する。クライアント側通信部25は、サーバ30と通信する。なお、クライアント側通信部25はCPU121がゲームプログラム31を実行し、ゲームプログラム31に従って通信装置123を制御することで実現される。
【0022】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図5のサーバ30は、記憶部51、サーバ制御部52、及びサーバ側通信部53を有する。
【0023】
記憶部51は、サーバプログラム61、ゲームプログラム62、プログラムが利用するデータ、後述するユーザ情報テーブル63、コンテンツ情報テーブル64、及び報酬付与条件テーブル65などを記憶している。記憶部51は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。記憶部51に記憶されたユーザ情報テーブル63、コンテンツ情報テーブル64、及び報酬付与条件テーブル65の詳細は後述する。
【0024】
サーバ制御部52は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ制御部52は、CPU131がサーバプログラム61に記載された処理を実行することにより実現される。例えばサーバ制御部52は記憶部51に記憶されているゲームプログラム62、そのゲームプログラム62が利用するデータなどをクライアント20へダウンロードさせるダウンロード処理を行う。
【0025】
サーバ制御部52は、報酬選択受付部71、抽選実行部72、対価値算出部73、蓄積値算出部74、及び報酬付与部75を有する。報酬選択受付部71は、クライアント20に表示させるゲーム画面を制御して、ユーザから報酬の選択を受け付ける。報酬は、抽選実行部72による抽選の抽選対象のコンテンツであってもよいし、抽選対象以外のコンテンツであってもよい。報酬は、ユーザが獲得するために必要な対価値が後述するように設定される。報酬は、後述するように、ユーザが抽選画面から抽選を行うことで蓄積される蓄積値が対価値に達することでユーザに付与される。
【0026】
抽選実行部72はクライアント20からのガチャの抽選要求に従い、ガチャの抽選処理を行い、ガチャの抽選結果としてユーザに付与するコンテンツの情報をクライアント20に応答する。
【0027】
対価値算出部73は、ユーザの選択した報酬に基づき、その報酬をユーザが獲得するために必要な対価値を算出する。なお、ユーザの選択した報酬を獲得するために必要な対価値は、例えばユーザが抽選画面から行う抽選の回数で表される。また、ユーザが報酬を獲得するために必要な対価値は、抽選の回数又は抽選の結果に応じたポイントなどで表してもよい。対価値算出部73は、ユーザが報酬として選択したコンテンツのレアリティ又はステータス値などにより、その報酬を獲得するために必要な対価値を算出する。
【0028】
例えば対価値算出部73は、ユーザが報酬として選択したコンテンツのレアリティ又はステータス値などが高ければ、その報酬を獲得するために必要な対価値が大きくなるように算出を行う。また、対価値算出部73は、ユーザが報酬として選択したコンテンツのレアリティ又はステータス値などが低ければ、その報酬を獲得するために必要な対価値が小さくなるように算出を行う。
【0029】
なお、対価値算出部73は、キャンペーン期間中などの指定期間中に、対価値が小さくなるように算出を行ってもよい。また、対価値算出部73は報酬として選択されたコンテンツがキャラクタなどの場合、そのキャラクタの誕生月など、キャラクタ起因の特定期間に対価値が小さくなるように算出を行ってもよい。
【0030】
また、対価値算出部73はユーザが所有しているコンテンツに応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。例えばユーザが同一のコンテンツを重複して所有することのできるゲームであれば、対価値算出部73は報酬として選択されたコンテンツをユーザが重複して所有しているコンテンツの数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。
【0031】
また、例えばユーザが抽選により同一のコンテンツを付与された場合に、そのコンテンツの所有数を増加させるのではなく、そのコンテンツの上限レベルを解放する、いわゆる上限突破を行うゲームであれば、対価値算出部73は報酬として選択されたコンテンツと同一のユーザが所有しているコンテンツの上限突破数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。
【0032】
また、対価値算出部73は、報酬として選択されたコンテンツと同一キャラクタの別衣装や別装備などの別バージョンのコンテンツの所有数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。また、対価値算出部73は後述のラッキーコンテンツと同一キャラクタの別衣装や別装備などの別バージョンのコンテンツの所有数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。また、対価値算出部73は、報酬として選択されたコンテンツと同一属性のコンテンツの所有数又は上限突破数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。このように対価値が変化するように算出を行うことで、ユーザは所有しているコンテンツと報酬として選択したコンテンツとの関係を、報酬の入手のしやすさに反映することができ、ゲームの世界観を強化できる。なお、対価値算出部73は後述のラッキーコンテンツと同一属性のコンテンツの所有数又は上限突破数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。
【0033】
また、対価値算出部73は、報酬として選択されたコンテンツと関連の深いキャラクタなどの所有数、又はコンテンツ関連装備品の所有数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。このように対価値が変化するように算出を行うことで、例えば三国志のゲームであれば、劉備と張飛のキャラクタを所有しているユーザは、報酬として選択された関羽のキャラクタを入手しやすくなり、ゲームの世界観を強化できる。また、関羽の関連装備品を多数所有しているユーザは、報酬として選択された関羽のキャラクタを入手しやすくなり、キャラクタ関連装備品を有効活用できるようになる。
【0034】
なお、対価値算出部73は後述のラッキーコンテンツと関連の深いキャラクタなどのコンテンツの所有数、又はコンテンツ関連装備品の所有数に応じて、対価値が変化するように算出を行ってもよい。また、対価値算出部73はボーナス対象属性が設定されている場合に、そのボーナス対象属性のキャラクタなどのコンテンツの対価値が減少するように算出を行ってもよい。さらに、対価値算出部73はボーナス対象属性が設定されている場合に、そのボーナス対象属性のキャラクタなどのコンテンツの所有状態に基づき、対価値が増減するように算出を行ってもよい。
【0035】
蓄積値算出部74は、ユーザが抽選画面から抽選を行うことで蓄積される蓄積値を算出する。なお、ユーザが抽選画面から抽選を行うことで蓄積される蓄積値は、例えばユーザが抽選画面から行った抽選の回数で表される。また、ユーザが抽選画面から抽選を行うことで蓄積される蓄積値は、抽選の回数又は抽選の結果に応じたポイントなどで表してもよい。
【0036】
例えば蓄積値算出部74は、ユーザが抽選の結果として付与されたコンテンツのレアリティなどにより、蓄積値の増加量が変化するように(例えばN=0点、R=1点、SR=2点、SSR=3点など)算出を行う。また、蓄積値算出部74はキャンペーン期間中などの指定期間中に、蓄積値の増加量が大きくなるように算出を行ってもよい。また、蓄積値算出部74は、ユーザの誕生月又は誕生日など(登録後変更不可)の指定期間中に蓄積値の増加量が大きくなるように算出を行ってもよい。
【0037】
蓄積値算出部74は、抽選対象のコンテンツに後述のラッキーコンテンツを設定しておくことで、ユーザが抽選の結果として付与されたコンテンツがラッキーコンテンツである場合に、蓄積値の増加量が大きくなるように算出を行う。
【0038】
例えば蓄積値算出部74は抽選ごとに指定されたボーナス対象属性のキャラクタなどのコンテンツ、又は固有のキャラクタのキャラクタ関連装備品などのコンテンツが抽選の結果としてユーザに付与される場合、蓄積値の増加量が大きくなるように(ボーナスポイントを加算するように)算出を行う。
【0039】
後述のラッキーコンテンツはユーザが指定できるようにしてもよい。また、ボーナス対象属性もユーザが指定できるようにしてもよい。さらに、ラッキーコンテンツがキャラクタなどの場合、蓄積値算出部74は、そのキャラクタの誕生月など、キャラクタ起因の特定期間に蓄積値の増加量が大きくなるように算出を行ってもよい。
【0040】
報酬付与部75はユーザが抽選画面から抽選を行うことで蓄積されていくユーザの蓄積値とユーザが選択した報酬の獲得に必要な対価値とを比較し、ユーザの蓄積値が報酬の獲得に必要な対価値に達していれば、報酬をユーザに付与する。
【0041】
例えば蓄積値及び対価値が抽選画面から行う抽選の回数で表される場合、ユーザは報酬を選択することで、その報酬の獲得に必要な対価値を設定できる。ユーザは抽選画面から抽選を行うことで蓄積値を増加させることができ、その蓄積値が対価値に達することで報酬を付与される。
【0042】
また、サーバ側通信部53はクライアント20と通信する。サーバ側通信部53は、CPU131がサーバプログラム61を実行し、サーバプログラム61に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0043】
なお、
図4に示したクライアント20の機能構成、及び
図5に示したサーバ30の機能構成は一例であって、例えば
図5に示したサーバ30の機能構成の少なくとも一つが
図4に示したクライアント20の機能構成に含まれていてもよい。つまり、
図4及び
図5に示した機能構成は、クライアント20又はサーバ30の何れか一方が有していればよい。
【0044】
また、サーバ30の記憶部51に記憶されているユーザ情報テーブル63、コンテンツ情報テーブル64、及び報酬付与条件テーブル65の構成例は、以下の通りである。
【0045】
図6は本実施形態で利用するユーザ情報テーブルの一例の構成図である。
図6のユーザ情報テーブルはクライアント20でゲームを行うプレイヤなどのユーザの情報が設定されている。
図6のプレイヤ情報テーブルは、ユーザID、所有コンテンツID、蓄積値、報酬ID、及び対価値を項目として有する。
【0046】
ユーザIDは、ユーザを特定する識別情報の一例である。所有コンテンツIDはユーザが所有するゲーム内のコンテンツを特定する識別情報の一例である。蓄積値は、蓄積値算出部74が算出したユーザの蓄積値の一例である。報酬IDは、ユーザが報酬として選択したコンテンツを特定する識別情報の一例である。なお、
図6では、報酬が、抽選実行部72による抽選の抽選対象のコンテンツである例を示したが、抽選対象以外のコンテンツであってもよい。対価値は、対価値算出部73が算出した、ユーザが報酬を獲得するために必要な報酬の対価値の一例である。
【0047】
例えば
図6のユーザID「user001」のユーザは、蓄積値及び対価値が抽選の回数で表されている場合、報酬ID「c500」により特定されるコンテンツを報酬として選択した結果、その報酬を獲得するために必要な対価値として抽選の回数「30回」が設定されている。なお、
図6のユーザID「user001」のユーザは、抽選画面から抽選を行い、蓄積値を「30回」に到達させることで、報酬を獲得できる。
【0048】
図7は、本実施形態で利用するコンテンツ情報テーブルの一例の構成図である。コンテンツ情報テーブルは、抽選対象となるゲーム内のコンテンツの情報が設定される。
図7のコンテンツ情報テーブルは、コンテンツID、レアリティ、及び属性を項目として有している。コンテンツIDはゲーム内のコンテンツを特定する識別情報の一例である。レアリティはコンテンツの希少性や価値を表す情報の一例である。属性は、コンテンツの性質や能力など、コンテンツをグループ分けする情報の一例である。
【0049】
図8は本実施形態で利用する報酬付与条件テーブルの一例の構成図である。報酬付与条件テーブルは、ユーザが選択した報酬の付与の判定に必要な対価値算出方法、蓄積値算出方法、及びラッキーコンテンツが設定されている。
図8の報酬付与条件テーブルはボーナス対象属性等、前述した対価値又は蓄積値の計算に影響を与える情報が設定されていてもよい。
【0050】
対価値算出方法は、ユーザが選択した報酬に基づき、その報酬をユーザが獲得するために必要な対価値の算出方法が設定されている。蓄積値算出方法は、ユーザが抽選画面から抽選を行うことで蓄積される蓄積値の算出方法が設定されている。ラッキーコンテンツは抽選の結果としてユーザに付与された場合に、蓄積値の増加量が大きくなるようにボーナスポイントが加算されるコンテンツが設定されている。
【0051】
このように、
図6のユーザ情報テーブル、
図7のコンテンツ情報テーブル、及び
図8の報酬付与条件テーブルによれば、ユーザが選択した報酬の獲得に必要な対価値及びユーザが抽選を行うことで蓄積される蓄積値を管理することができる。したがって、サーバ30はユーザが選択した報酬の獲得に必要な対価値に、ユーザが抽選を行うことで蓄積される蓄積値が達すると、報酬をユーザに付与できる。
【0052】
[ゲーム動作]
以下では、ユーザから報酬の選択を受け付けた場合の処理と、ユーザから抽選の要求を受け付けた場合の処理と、に分けて説明する。なお、報酬の選択の受け付けは、ユーザによる報酬の設定漏れを防ぐため、報酬をプリセットしておいてもよい。そして、ユーザが初めてガチャ画面を表示した際に「プリセットされている報酬を変更しますか?」と表示することでユーザからの報酬の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0053】
図9は本実施形態に係る報酬選択処理の一例のフローチャートである。ステップS10において、ユーザはクライアント20を操作し、報酬を選択する。例えばユーザはクライアント20に表示された報酬選択画面から所望の報酬を選択する。報酬選択画面はユーザが報酬として選択できるコンテンツの一覧が表示されている。なお、報酬選択画面に表示されるコンテンツの一覧は、ユーザのコンテンツの所有状態によって、変化させるようにしてもよい。
【0054】
例えば報酬選択画面は、上限突破が完全に終わっている(上限突破の制限回数に達している)コンテンツを表示しないことで、そのコンテンツが報酬として選択されないようにしてもよい。また、報酬選択画面は、上限突破が終わっていない(上限突破の制限回数に達していない)コンテンツを、上限突破の制限回数までに必要となる数量を上限としてコンテンツを報酬として選択できるように表示してもよい。また、報酬選択画面は、ユーザが所有しているコンテンツを表示しないことで、そのコンテンツが報酬として選択されないように表示してもよい。
【0055】
また、報酬選択画面は、ユーザの所有するコンテンツの属性の片寄りによって、報酬としてユーザが選択できるコンテンツのラインナップを変更してもよい。例えば報酬選択画面は、ユーザが多く所有している属性のコンテンツを多く表示する、又は少なく表示するように、ユーザが報酬として選択できるコンテンツのラインナップを変更する。また、報酬選択画面は、ユーザのゲームの進行状況、レベル等に応じて、ユーザが報酬として選択できるコンテンツのラインナップを変更してもよい。さらに、報酬選択画面はゲーム内通貨やゲーム内ポイントなどの対価を消費することで、ユーザが報酬として選択できるコンテンツのラインナップを変更してもよい。
【0056】
サーバ30の報酬選択受付部71はクライアント20に報酬選択画面を表示させるように制御を行い、ユーザから報酬の選択を受け付ける。報酬選択画面の制御をクライアント20が行い、サーバ30はユーザが選択した報酬の情報をクライアント20から得るようにしてもよい。
【0057】
ステップS10に続いてステップS12に進み、対価値算出部73はユーザが選択した報酬に基づき、その報酬をユーザが獲得するために必要な対価値を算出する。ステップS14において、対価値算出部73はユーザに選択された報酬、及び算出した対価値を、例えば
図6のユーザ情報テーブルに設定する。
図9に示した報酬選択処理によれば、ユーザに報酬を事前に選択させ、その報酬の獲得に必要なガチャ回数を対価値としてユーザ情報テーブルに設定できる。
【0058】
また、
図9に示した報酬選択処理によれば、ユーザに報酬を事前に選択させ、その報酬の獲得に必要な対価値として、ガチャ回数又はガチャの結果に基づき算出されるポイントを設定できる。
【0059】
図10は本実施形態に係る抽選処理の一例のフローチャートである。ステップS20において、ユーザはクライアント20を操作し、例えば
図11又は
図12に示すような抽選画面1000から抽選の要求を行う。
【0060】
図11は対価値及び蓄積値をガチャ回数で表す抽選画面の一例のイメージ図である。
図12は対価値及び蓄積値をガチャの結果に基づき算出されるポイントで表す抽選画面の一例のイメージ図である。
【0061】
図11及び
図12の抽選画面1000は、ユーザが選択した報酬1002、ラッキーコンテンツ1004、及びガチャ実行ボタン1006を表示している。報酬1002は
図9の報酬選択処理によりユーザが報酬として選択したコンテンツである。報酬1002の下には、ユーザ情報テーブルの対価値及び蓄積値に基づき、ユーザが報酬1002を獲得するために必要な残りのガチャ回数又はポイントが表示される。
【0062】
したがって、ユーザは抽選画面1000から抽選の要求を行う際に、事前に選択しておいた報酬1002を獲得するために必要な残りのガチャ数又はポイントを確認でき、抽選の実行意欲が喚起される。
【0063】
また、ユーザは抽選画面1000においてラッキーコンテンツ1004を確認することができる。さらに、抽選画面1000はキャンペーン期間の情報や、報酬予定コンテンツの誕生月など、報酬1002の獲得がユーザにとって有利になる期間などの情報を表示してもよい。
【0064】
ユーザはガチャ実行ボタン1006を押下するなどの操作を行うことで、抽選画面1000から抽選の要求を行う。ユーザからの抽選の要求を受け付けると、サーバ30の抽選実行部72はガチャの抽選処理を行い、ガチャの抽選結果としてユーザに付与するコンテンツを抽選する。
【0065】
ステップS22において、蓄積値算出部74はステップS20で抽選を実行したユーザの蓄積値を算出する。例えば蓄積値算出部74は、蓄積値がガチャ数で表されている場合であって、ガチャ実行ボタン1006の「ガチャを1回実行」が押下された場合、ユーザ情報テーブルの蓄積値に「1」を加算する。また、蓄積値算出部74は蓄積値がガチャ数で表されている場合であって、ガチャ実行ボタン1006の「ガチャを10回実行」が押下された場合、ユーザ情報テーブルの蓄積値に「10」を加算してもよいし、加算したガチャ数「10+α」をユーザ情報テーブルの蓄積値に加算してもよい。ガチャの抽選結果のコンテンツがラッキーコンテンツ1004であった場合、蓄積値算出部74はユーザ情報テーブルの蓄積値に、更にラッキーコンテンツ1004に対応するガチャ数を加算する。
【0066】
また、例えば蓄積値算出部74は、蓄積値がポイントで表されている場合に、ガチャの抽選結果のコンテンツのレアリティ等に対応するポイントをユーザ情報テーブルの蓄積値に加算する。なお、ガチャの抽選結果のコンテンツがラッキーコンテンツ1004である場合、蓄積値算出部74はユーザ情報テーブルの蓄積値に、更にラッキーコンテンツ1004に対応するポイントを加算する。
【0067】
ステップS24において、報酬付与部75はユーザ情報テーブルに設定されている対価値と蓄積値とを比較する。ステップS26において、報酬付与部75はユーザ情報テーブルに設定されているユーザの蓄積値が、ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に到達したか否かを判定する。
【0068】
ユーザの蓄積値が、ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に到達していれば、報酬付与部75はステップS28において、ユーザが事前に選択した報酬1002をユーザに付与する。ユーザの蓄積値が、ユーザの選択した報酬の獲得に必要な対価値に到達していなければ、報酬付与部75はステップS28の処理をスキップする。
【0069】
図10に示した抽選処理によれば、ユーザは抽選画面1000から抽選を行うことで増加する蓄積値が、事前に選択した報酬1002の対価値に到達することで、報酬1002を獲得できる。
【0070】
なお、報酬1002は途中で変更できるようにしてもよい。報酬1002が途中で変更された場合、ユーザ情報テーブルの蓄積値は引き継がれるようにしてもよい。報酬1002を変更する操作をユーザから受け付けた時、ユーザ情報テーブルの蓄積値が変更後の報酬1002の対価値に達していた場合は、変更後の報酬1002をユーザに付与した後で報酬1002を変更前のままとしてもよい。例えばユーザ情報テーブルの蓄積値が「100」、変更前の報酬Aの対価値が「200」、変更後の報酬Bの対価値が「10」である場合は、ユーザの選択した報酬1002は「報酬A」のまま、ユーザに「報酬B」が付与され、ユーザ情報テーブルの蓄積値が「90」となる。また、報酬1002のユーザへの付与に期間が設けられている場合は、期間の終了時にユーザの蓄積値をゲーム内通貨などに自動変換してユーザに提供することで、変換忘れによる喪失感などを防ぐようにしてもよい。
【0071】
以上、本実施形態によれば、事前に報酬1002をユーザに選択させることで、その報酬1002の獲得に必要な対価値をユーザに提示することができる。ユーザは、抽選を行うことで増加させることのできる蓄積値が対価値に到達すれば自分で選択した報酬1002を獲得できるため、抽選の実行意欲が喚起される。
【0072】
また、ユーザにゲームを提供するゲーム会社側としては、例えば無課金で行うことができる抽選(以下、無課金抽選と呼ぶ)と課金より行うことができる抽選(以下、課金抽選と呼ぶ)とがあるゲームにおいて、課金抽選を行うことで蓄積値が増加する仕組みや、課金抽選の方が無課金抽選よりも蓄積値が有利に増加する仕組み、とすることで、課金による売り上げの向上が期待できる。
【0073】
以上、本実施形態によれば、ゲーム内のコンテンツを抽選対象とする抽選の実行意欲を喚起させる新たな仕組みを提供できる。
【0074】
開示した一実施形態のゲームシステム10、クライアント20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0075】
10 ゲームシステム
20 クライアント
21 記憶部
22 クライアント制御部
23 操作受付部
24 出力制御部
25 クライアント側通信部
30 サーバ
31 ゲームプログラム
35 ゲーム制御部
36 画像生成部
37 要求送信部
38 結果受信部
40 ネットワーク
51 記憶部
52 サーバ制御部
53 サーバ側通信部
61 サーバプログラム
62 ゲームプログラム
63 ユーザ情報テーブル
64 コンテンツ情報テーブル
65 報酬付与条件テーブル
71 報酬選択受付部
72 抽選実行部
73 対価値算出部
74 蓄積値算出部
75 報酬付与部
1000 抽選画面
1002 報酬
1004 ラッキーコンテンツ