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特許7577013金属素材の鍛造方法、金属素材の鍛造用の金型
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】金属素材の鍛造方法、金属素材の鍛造用の金型
(51)【国際特許分類】
   B21J 5/06 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
B21J5/06 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021056548
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022153822
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】503378420
【氏名又は名称】日鉄ステンレス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】西村 基
(72)【発明者】
【氏名】石丸 詠一朗
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-204123(JP,A)
【文献】特開昭61-049736(JP,A)
【文献】特開昭63-203241(JP,A)
【文献】特開2001-047173(JP,A)
【文献】特開平11-320021(JP,A)
【文献】特開2003-094144(JP,A)
【文献】特開2020-131217(JP,A)
【文献】特開昭52-076270(JP,A)
【文献】米国特許第01381102(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第01123764(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0015016(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を用いて板状の金属素材を鍛造することにより、中空筒状の縦壁部および前記縦壁部の端部から突出するフランジ部を備えたフランジ部品を製造する金属素材の鍛造方法であって、
前記金型として、
平面状の上型面を有する上型と、
前記上型面の大きさよりも小さな平面状の下型面および前記下型面の外周端に接する側型面を有する下型と、
貫通中空部が設けられた本体部を有する中間型と、を備え、
前記中間型の前記本体部には、前記貫通中空部の軸方向の一方側から前記上型が挿入可能な第1嵌入部と、前記貫通中空部の前記軸方向の他方側から前記下型が挿入可能であってその内径が前記第1嵌入部の内径よりも小さな第2嵌入部と、前記第1嵌入部と前記第2嵌入部の間にあって、前記第1嵌入部の内径より小さく、第2嵌入部の内径より大きな第3嵌入部と、が設けられており、
前記第1嵌入部には、前記第3嵌入部との内径差により生じた環状型面が設けられているとともに、前記第3嵌入部には、前記第2嵌入部との内径差により生じた、前記環状型面の内周側において前記金属素材の板厚tよりも大きな幅を有する環状の凹部が設けられている金型を用い、
前記中間型の前記第1嵌入部に前記金属素材を配置するとともに前記上型を前記第1嵌入部に挿入して、前記中間型の前記環状型面及び前記上型の前記上型面により前記金属素材を拘束する準備工程と、
前記環状型面及び前記上型面により前記金属素材を拘束したまま、前記下型によって前記金属素材を鍛造することにより、前記金属素材の中央部分の板厚を減肉させる第1鍛造工程と、
前記下型の下型面及び前記環状型面によって前記金属素材を支持した状態で、前記上型によって前記金属素材の全面を鍛造することにより、前記下型面及び前記環状型面に支持された部分を減肉させる第2鍛造工程と、を備え、
前記第1鍛造工程及び前記第2鍛造工程の前記鍛造時に、前記中間型の前記凹部及び前記下型の前記側型面に囲まれた空隙部に、前記金属素材の材料を圧入させる、金属素材の鍛造方法。
【請求項2】
前記第1鍛造工程における前記下型による前記金属素材に対する圧下量を、前記第2鍛造工程における前記上型による前記金属素材に対する圧下量よりも大きくする、請求項1に記載の金属素材の鍛造方法。
【請求項3】
前記第1鍛造工程及び前記第2鍛造工程における前記金属素材の温度を200~500℃の範囲とし、前記金型の温度を100~200℃の範囲とする、請求項1または請求項2に記載の金属素材の鍛造方法。
【請求項4】
前記金属素材が、ステンレス鋼板である、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の金属素材の鍛造方法。
【請求項5】
前記第2鍛造工程後に、前記金属素材の前記中央部分を打ち抜いて開口部を設ける工程を備える、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の金属素材の鍛造方法。
【請求項6】
板状の金属素材を鍛造することにより、フランジ部品を製造するために用いる金属素材の鍛造用の金型であって、
平面状の上型面を有する上型と、
前記上型面の大きさよりも小さな平面状の下型面および前記下型面の外周端に接する側型面を有する下型と、
貫通中空部が設けられた本体部を有する中間型と、を備え、
前記中間型の前記本体部には、前記貫通中空部の軸方向の一方側から前記上型が挿入可能な第1嵌入部と、前記貫通中空部の前記軸方向の他方側から前記下型が挿入可能であってその内径が前記第1嵌入部の内径よりも小さな第2嵌入部と、前記第1嵌入部と前記第2嵌入部の間にあって、前記第1嵌入部の内径より小さく、第2嵌入部の内径より大きな第3嵌入部と、が設けられており、
前記第1嵌入部には、前記第3嵌入部との内径差により生じた環状型面が設けられているとともに、前記第3嵌入部には、前記第2嵌入部との内径差により生じた、前記環状型面の内周側において前記金属素材の板厚tよりも大きな幅を有する環状の凹部が設けられている、金属素材の鍛造用の金型
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属素材の鍛造方法、金属素材の鍛造用の金型に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車部品として用いられる金属製のフランジ部品は、中空筒状の縦壁部と、縦壁部の一端部から縦壁部の外側に向けて突出するフランジ部とを有する。
【0003】
このようなフランジ部品は、鍛造及び削り出し加工により製造されることが多いが、削り出し加工は生産性の低下を招く。そこで、生産性向上のために、金属板に対してバーリング加工や張出加工を行うことでフランジ部品を製造することが検討されている。バーリング加工によりフランジ部品を製造する場合は、予め板中央に下穴を設けた金属板を用意し、下穴の開口径よりも大きな外径を有するパンチを下穴に押し込む。これにより、パンチの肩部によって下穴の周囲にあった材料がパンチの押し込み方向に曲げられるとともに、曲げられた材料が更にパンチの周方向に伸ばされる所謂伸びフランジ加工がなされることで、縦壁部が形成される。また、縦壁部の周囲にあってパンチによる変形を受けなかった部分がフランジ部になる。
【0004】
ところで、バーリング加工によって製造されたフランジ部品の縦壁部は、前述のように伸びフランジ成形によって形成されたものであるため、その肉厚が、フランジ部の肉厚よりも薄くなる。このため、フランジ部品においては、縦壁部の断面積が小さくなって剛性が低くなり、フランジ部品全体が変形しやすくなり、自動車部品としての性能を十分に発揮できないおそれがある。そこで、金属板からフランジ部品を製造する際に、縦壁部の肉厚をフランジ部の肉厚以上に増肉させる製造方法が望まれている。
【0005】
例えば、特許文献1の図7には、中空円板状部とリム部と歯部とを備えた歯車を製造する工程の一部として、素材11を分流鍛造金型1200に配置してから上部金型1210を所定量押し込むことにより、円板状部110’と円板状部110’の外周に軸方向の両側に突出した突出部120とを備えた鍛造成形体12を成形する鍛造工程が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-108930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1において製造される鍛造成形体12は、そもそも、中空円板状部とリム部と歯部とを備える歯車の中間製品であって、フランジ部品の中間成形品ではないので、フランジ部品の製造には適していない。
【0008】
また、フランジ部品を製造する手段として、鍛造及び削り出し加工を用いた場合は生産性の低下を招き、バーリング加工や張出加工を用いた場合は自動車部品としての性能を十分に発揮できなくなるのは、既に述べた通りである。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属板を素材として、金属素材の板厚以上の肉厚を有する縦壁部を鍛造により形成することを可能とする、金属素材の鍛造方法、金属素材の鍛造用の金型を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
[1] 金型を用いて板状の金属素材を鍛造することにより、中空筒状の縦壁部および前記縦壁部の端部から突出するフランジ部を備えたフランジ部品を製造する金属素材の鍛造方法であって、
前記金型として、
平面状の上型面を有する上型と、
前記上型面の大きさよりも小さな平面状の下型面および前記下型面の外周端に接する側型面を有する下型と、
貫通中空部が設けられた本体部を有する中間型と、を備え、
前記中間型の前記本体部には、前記貫通中空部の軸方向の一方側から前記上型が挿入可能な第1嵌入部と、前記貫通中空部の前記軸方向の他方側から前記下型が挿入可能であってその内径が前記第1嵌入部の内径よりも小さな第2嵌入部と、前記第1嵌入部と前記第2嵌入部の間にあって、前記第1嵌入部の内径より小さく、前記第2嵌入部の内径より大きな第3嵌入部と、が設けられており、
前記第1嵌入部には、前記第3嵌入部との内径差により生じた環状型面が設けられているとともに、前記第3嵌入部には、前記第2嵌入部との内径差により生じた、前記環状型面の内周側において前記金属素材の板厚t0よりも大きな幅を有する環状の凹部が設けられている金型を用い、
前記中間型の前記第1嵌入部に前記金属素材を配置するとともに前記上型を前記第1嵌入部に挿入して、前記中間型の前記環状型面及び前記上型の前記上型面により前記金属素材を拘束する準備工程と、
前記環状型面及び前記上型面により前記金属素材を拘束したまま、前記下型によって前記金属素材を鍛造することにより、前記金属素材の中央部分の板厚を減肉させる第1鍛造工程と、
前記下型の下型面及び前記環状型面によって前記金属素材を支持した状態で、前記上型によって前記金属素材の全面を鍛造することにより、前記下型面及び前記環状型面に支持された部分を減肉させる第2鍛造工程と、を備え、
前記第1鍛造工程及び前記第2鍛造工程の前記鍛造時に、前記中間型の前記凹部及び前記下型の前記側型面に囲まれた空隙部に、前記金属素材の材料を圧入させる、金属素材の鍛造方法。
[2] 前記第1鍛造工程における前記下型による前記金属素材に対する圧下量を、前記第2鍛造工程における前記上型による前記金属素材に対する圧下量よりも大きくする、[1]に記載の金属素材の鍛造方法。
[3] 前記第1鍛造工程及び前記第2鍛造工程における前記金属素材の温度を200~500℃の範囲とし、前記金型の温度を100~200℃の範囲とする、[1]または[2]に記載の金属素材の鍛造方法。
[4] 前記金属素材が、ステンレス鋼板である、[1]乃至[3]の何れか一項に記載の金属素材の鍛造方法。
[5] 前記第2鍛造工程後に、前記金属素材の前記中央部分を打ち抜いて開口部を設ける工程を備える、[1]乃至[4]の何れか一項に記載の金属素材の鍛造方法。
[6] 板状の金属素材を鍛造することにより、フランジ部品を製造するために用いる金属素材の鍛造用の金型であって、
平面状の上型面を有する上型と、
前記上型面の大きさよりも小さな平面状の下型面および前記下型面の外周端に接する側型面を有する下型と、
貫通中空部が設けられた本体部を有する中間型と、を備え、
前記中間型の前記本体部には、前記貫通中空部の軸方向の一方側から前記上型が挿入可能な第1嵌入部と、前記貫通中空部の前記軸方向の他方側から前記下型が挿入可能であってその内径が前記第1嵌入部の内径よりも小さな第2嵌入部と、前記第1嵌入部と前記第2嵌入部の間にあって、前記第1嵌入部の内径より小さく、第2嵌入部の内径より大きな第3嵌入部と、が設けられており、
前記第1嵌入部には、前記第3嵌入部との内径差により生じた環状型面が設けられているとともに、前記第3嵌入部には、前記第2嵌入部との内径差により生じた、前記環状型面の内周側において前記金属素材の板厚t0よりも大きな幅を有する環状の凹部が設けられている、金属素材の鍛造用の金型
【発明の効果】
【0011】
本発明の金属素材の鍛造方法によれば、上型及び下型と、環状型面及び凹部を有する中間型とを備えた金型を用いることで、上型及び環状型面によってフランジ部品のフランジ部を形成し、下型の側型面及び中間型の凹部によってフランジ部品の縦壁部を形成することができる。特に、第1鍛造工程及び第2鍛造工程の鍛造時に、中間型の凹部及び下型の側型面に囲まれた空隙部に、金属素材の材料が圧入されるので、板状の金属素材から縦壁部を形成することができる。また、中間型の凹部の幅を、金属素材の板厚tよりも大きくすることで、金属素材の板厚t以上の肉厚tを有する縦壁部を鍛造することができる。更に、鍛造を2工程に分けて行うことで、即ち、第1鍛造工程において下型によって金属素材を鍛造して、金属素材の中央部分の板厚を先に減肉させ、次いで、第2鍛造工程において上型によって金属素材の全面を鍛造して、下型面及び環状型面に支持された部分を減肉させることで、成形荷重を過剰に高めることなく、縦壁部及びフランジ部を形成することができる。
【0012】
また、本発明の金属素材の鍛造方法によれば、第1鍛造工程における下型による圧下量を、第2鍛造工程における上型による圧下量よりも大きくすることで、第1鍛造工程において、より多くの材料を、中間型の凹部及び下型の側型面に囲まれた空隙部に圧入させることができ、成形荷重を過剰に大きくすることなく、縦壁部を確実に形成できる。
【0013】
また、本発明の金属素材の鍛造方法によれば、第1鍛造工程及び第2鍛造工程における金属素材の温度を200~500℃の範囲とし、金型の温度を100~200℃の範囲とすることで、成形荷重を低くできるとともに、金型による抜熱を抑制して成形荷重の増大を防止できる。
【0014】
また、本発明の金属素材の鍛造方法によれば、金属素材としてステンレス鋼板を用いることで、ステンレス鋼からなるフランジ部品を鍛造により容易に形成することができる。
【0015】
また、本発明の金属素材の鍛造方法によれば、第2鍛造工程後の鍛造品の中央部分を打ち抜いて開口部を形成するので、鍛造と打ち抜きによってフランジ部品を製造することができる。
【0016】
次に、本発明の金属素材の鍛造用の金型によれば、上型及び下型と、環状型面及び凹部を有する中間型とを備えているので、上型及び環状型面によってフランジ部品のフランジ部を形成し、下型の側型面及び中間型の凹部によってフランジ部品の縦壁部を形成することができる。特に、鍛造時に、中間型の凹部及び下型の側型面に囲まれた空隙部に、金属素材の材料が圧入されるので、板状の金属素材から縦壁部を形成することができる。また、中間型の凹部の幅を、金属素材の板厚tよりも大きくすることで、金属素材の板厚t以上の肉厚tを有する縦壁部を鍛造することができる。
【0017】
本発明の鍛造方法によって得られるフランジ部品は、縦壁部の肉厚が、フランジ部の肉厚よりも厚くされているので、フランジ部品全体の剛性を高めることができる。
なお、フランジ部品とは、円筒の底部につば状に張出した形状を有するものであり、他部品を接続するフランジ、ノズルプレート、ノズルマウント等のターボ部品等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造用の金型及び金属素材を示す断面模式図。
図2図2は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法の準備工程を説明する断面模式図。
図3図3は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法の準備工程を説明する断面模式図。
図4図4は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法の第1鍛造工程を説明する断面模式図。
図5図5は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法の第2鍛造工程を説明する断面模式図。
図6図6は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法の第2鍛造工程後の鍛造品を示す模式図。
図7図7は、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法の開口部を形成する工程後の鍛造品であるフランジ部品を示す模式図。
図8図8は、本発明の実施形態であるフランジ部品の要部を示す断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態である金属素材の鍛造方法(以下、「鍛造方法」という場合がある。)及び金属素材の鍛造用の金型(以下、「金型」という場合がある。)について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1には、本実施形態の金型1の断面模式図を示す。図1に示すように、本実施形態の金型1は、上型2、下型3及び中間型4とから構成されている。上型2及び下型3は、中間型4に対して嵌合するように構成されている。
【0021】
上型2は、円柱状とされており、円柱の底面が上型面21とされている。上型面21の平面視形状は円形とされている。また、上型面21は平面状とされている。
【0022】
下型3は、円柱状とされており、円柱の上面が下型面31とされている。下型面31の平面視形状は円形とされている。また、下型面31は平面状とされている。更に、円柱状の下型3の外径は、上型2の外径よりも小さくされている。これにより、下型3は、上型面21よりも小さな下型面31を有するものとなる。更に、下型3の外径は、金属素材Aの直径rよりも小さくされる。
【0023】
また、下型3には、下型面31の外周端31aに接する側型面32が設けられている。側型面32は、円柱状の下型3の周面である。
【0024】
中間型4は、貫通中空部41が設けられた本体部42から構成されている。貫通中空部41は、本体部42を上下方向に貫通している。
【0025】
中間型4の本体部42には、第1嵌入部43と第2嵌入部44と第3嵌入部47とが設けられている。第1嵌入部43は、貫通中空部41の軸方向の一方側(上側)から上型2が挿入可能とされている。第2嵌入部44は、貫通中空部41の軸方向の他方側(下側)から下型3が挿入可能とされている。第3嵌入部47は、第1嵌入部43と第2嵌入部44との間に設けられており、第2嵌入部44側から挿入された下型3が挿入可能とされている。第3嵌入部47は、第1嵌入部43及び第2嵌入部44と連通している。
【0026】
第1嵌入部43は、本体部42の一部であって、中空円筒状とされており、円柱状の上型2が嵌入されるようになっている。第1嵌入部43における貫通中空部41の内径は、上型2の外径よりもクリアランスの分だけ大きくなっており、上型2の嵌入が円滑に行われるように構成されている。また、後述するように、本実施形態の鍛造方法の第2鍛造工程では、第2嵌入部44から挿入された下型3によって金属素材Aが鍛造されるが、その際に、第1嵌入部43に第2嵌入部44および第3嵌入部47を通じて下型3の一部が入り込む。従って第1嵌入部43は、上型2及び下型3の両方が入り込む領域になっている。
【0027】
また、第1嵌入部43には、鍛造素材である金属素材Aが挿入できるようになっている。第1嵌入部43における貫通中空部41の内径は、金属素材Aの直径rよりもクリアランスの分だけ大きくなっており、金属素材Aの挿入が円滑に行われるように構成されている。
【0028】
第2嵌入部44は、本体部42の一部であって、中空円筒状とされており、円柱状の下型3が嵌入できるようになっている。第2嵌入部44における貫通中空部41の内径は、下型3の外径よりもクリアランスの分だけ大きくなっており、下型3の嵌入が円滑に行われるように構成されている。
【0029】
第3嵌入部47は、本体部42の一部であって、中空円筒状とされており、円柱状の下型3が嵌入できるようになっている。第3嵌入部47における貫通中空部41の内径は、第1嵌入部43おける貫通中空部41の内径よりも小さな内径とされている。これにより、第1嵌入部43と第3嵌入部47との間に内径差が生じている。この内径差により、第1嵌入部43には、その底部に、環状型面45が設けられている。環状型面45は、貫通中空部41の軸方向上側に向いた面になっている。環状型面45は、金属素材Aが第1嵌入部43に挿入された際に、金属素材Aが載置される面となる。
【0030】
また、第3嵌入部47における貫通中空部41の内径は、第2嵌入部44における貫通中空部41の内径よりも大きな内径とされている。これにより、第3嵌入部47と第2嵌入部44との間に内径差が生じている。この内径差により、第3嵌入部47には、環状型面45の内周側に環状の凹部46が設けられている。中間型4を平面視した場合の凹部46の幅wは、金属素材Aの厚みtよりも大きな寸法の幅とされている。
【0031】
図1に示すように、鍛造素材である金属素材Aは、直径r、厚さtの平面視円形の金属板からなる。金属素材Aは、平面視円形の上面A1及び下面A2と、上面A1及び下面A2の間にある帯状の周端面A3とを有している。金属素材Aの材質は金属であれば特に制限はなく、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、純アルミニウム、アルミニウム合金、純銅、銅合金などを用いることができるが、本実施形態ではステンレス鋼が好ましい。ステンレス鋼は、炭素鋼、アルミニウム合金または銅合金よりも硬度が高いため、鍛造では加工しにくい素材であるが、本実施形態の鍛造方法を適用することにより、従来の鍛造では製造が難しいとされていた形状であるフランジ部品を製造可能になる。また、ステンレス鋼は耐食性に優れるため、本実施形態の鍛造方法によって製造されるステンレス鋼よりなるフランジ部品は、自動車の排気系部品として好適に用いることが可能にある。フランジ部品が適用可能な排気系部品としては、ターボチャージャーの部品を例示できる。
【0032】
次に、本実施形態の鍛造方法について図面を参照して説明する。本実施形態の鍛造方法は、上型2と中間型4とにより金属素材Aを拘束する準備工程と、下型3によって金属素材Aを鍛造する第1鍛造工程と、上型2によって金属素材Aを鍛造する第2鍛造工程とを順次行う。また、第2鍛造工程後の鍛造品に対して、打ち抜き工程を行ってもよい。以下、各工程について説明する。
【0033】
準備工程では、図2に示すように、中間型4の第1嵌入部43における中空貫通部41に、直径r、厚みtの円板状の金属素材Aを配置する。金属素材Aは、上面A1を上にした状態で、第1嵌入部43に設けられた環状型面45の上に載せられる。更に、中間型4の第1嵌入部43に上型2を挿入し、上型面21を金属素材Aの上面A1に押し当てる。このようにして、上型面21及び環状型面45によって金属素材Aの外周部A4をその厚み方向から挟んで拘束する。
【0034】
なお、図3には、中間型4に金属素材Aを配置し、更に上型2及び下型3を中間型4に挿入した状態を示している。図3に示すように、金属素材Aに上型2及び下型3を接触させると、金型1内に円環状の空隙部Kが形成される。空隙部Kは、下型3の側型面32、中間型4の凹部46及び金属素材Aに囲まれた空間である。
【0035】
次に、第1鍛造工程では、図4に示すように、上型2の上型面21及び中間型4の環状型面45によって金属素材Aを拘束したまま、下型3によって金属素材Aを鍛造する。下型3は、第2嵌入部44及び第3嵌入部47を通じて第1嵌入部43に達するまで進入させる。金属素材Aは、上型2に支持された状態で、下型3によって鍛造される。金属素材Aを安定して鍛造するために、上型2による金属素材Aの拘束力は、下型3による鍛造時の加圧力よりも大きくする。
【0036】
金属素材Aの直径rよりも小さな下型面31によって金属素材Aを鍛造することにより、金属素材Aの中央部分の板厚が減肉される。中央部分の厚みは、元の金属素材Aの板厚tから、第1鍛造工程における圧下量sを差し引いた厚み(t-s)になる。一方、上型面21及び環状型面45によって拘束されていた金属素材Aの外周部A4の厚みは、元の金属素材Aの板厚tのままである。
【0037】
第1鍛造工程では、金属素材Aの中央部分が減肉されると同時に、減肉によって押し出された金属素材Aの材料Mが、凹部46と側型面32に囲まれた空隙部Kに圧入される。
【0038】
第1鍛造工程では、金属素材Aの中央部分を鍛造するので、金属素材Aの下面A2の全面を鍛造する場合に比べて、鍛造時の成形荷重が小さくなる。
【0039】
次に、第2鍛造工程では、図5に示すように、下型3を、第2嵌入部44および第3嵌入部47を通じて第1嵌入部43に進入させたままとして、下型3の下型面31及び中間型4の環状型面45によって金属素材Aを支持した状態で、上型2によって金属素材Aの上面A1の全面を鍛造することにより、下型面31及び環状型面45に支持された部分を減肉させる。
【0040】
これにより、金属素材Aの外周部A4は、元の金属素材Aの厚みtから、第2鍛造工程における圧下量sに相当する厚み分が減肉される。外周部の厚みはt(=t-s)になる。
【0041】
また、金属素材Aの中央部分は、第1鍛造工程後の厚み(t-s)から、第2鍛造工程における圧下量tに相当する厚み分が減肉される。中央部分の厚みはt(=t-(s+s2))になる。
【0042】
第2鍛造工程では、金属素材Aが減肉されると同時に、減肉によって押し出された金属素材Aの材料が、凹部46と側型面32に囲まれた空隙部Kに更に圧入され、空隙部Kは金属素材Aの材料によってほぼ満たされる。
【0043】
ここで、第1鍛造工程及び第2鍛造工程それぞれにおける鍛造時の圧下量の関係を述べると、第1鍛造工程における下型3による金属素材Aに対する圧下量sは、第2鍛造工程における上型2による金属素材Aに対する圧下量sよりも大きくすることが好ましい。これにより、金属素材Aの上面A1の全面を圧下する上型2の圧下量sを比較的小さくすることができ、成形荷重の増大が抑制される。
【0044】
また、第1鍛造工程及び第2鍛造工程における金属素材Aの温度は200~500℃の範囲とし、金型1の温度は100~200℃の範囲とする。鍛造時の金属素材Aの温度を200℃以上とすることで、各鍛造工程における成形荷重を低減できる。また、金属素材Aの温度が高すぎると、炭化物析出による強度低下および高温摺動性の低下を招くので、上限は500℃以下とすることが好ましい。成形荷重の低減と材質の劣化を両立する好ましい温度条件は400℃以下である。また、金型1の温度を100℃以上にすることで、金属素材Aからの抜熱を抑制することができるため好ましい。金型1の温度の高温化は、金属素材Aとの焼き付きや焼き付きによる抵抗に伴う荷重増加が懸念されるので、金型1の温度の上限は200℃以下とすることが好ましい。
【0045】
第1鍛造工程及び第2鍛造工程を順次行うことにより、図6に示すような、縦壁部101と、フランジ部102と、薄肉部103とを有する鍛造品100が得られる。
【0046】
鍛造品100の縦壁部101は、第1鍛造工程及び第2鍛造工程により、金属素材Aの材料が空隙部Kに圧入されることにより形成される。フランジ部102は、第2鍛造工程において、中間型4の環状型面45に支持された金属素材Aの外周部A4が、上型2の上型面21によって圧下されることにより形成される。薄肉部103は、第1鍛造工程において金属素材Aの中央部分が下型3の下型面31によって圧下されるとともに、第2鍛造工程において金属素材Aの中央部分が上型2の上型面21によって圧下されることにより形成される。
【0047】
鍛造品100の縦壁部101の肉厚tは、金属素材Aの板厚tよりも厚いものとなる。フランジ部102の肉厚tは、金属素材Aの板厚tから、第2鍛造工程における上型の圧下量sを差し引いた厚み(t-s)になる。薄肉部103の肉厚tは、金属素材Aの板厚tから、第1鍛造工程における下型3の圧下量sと第2鍛造工程における上型2の圧下量sの合計(s+s)を差し引いた厚み(t-(s+s))になる。
【0048】
更に、鍛造品100に対して、打ち抜き工程を行うことで、鍛造品100の薄肉部103を打ち抜いてもよい。打ち抜き工程を実施することで、図7に示すような、中空筒状の縦壁部101と、縦壁部101の一端部から外側に突出するフランジ部102とを有するフランジ部品200が得られる。
【0049】
フランジ部品200は、縦壁部101の肉厚tが、フランジ部102の肉厚tよりも厚くされた鍛造品である。縦壁部101の肉厚tがフランジ部102の肉厚tよりも厚くされていることで、フランジ部品200全体の剛性が高められ、変形しにくくなる。
【0050】
得られたフランジ部品200は、例えば、自動車の排気系部品として好適に用いられる。フランジ部品200が適用可能な排気系部品としては、ターボチャージャーの部品を例示できる。
【0051】
フランジ部品200を構成する材料は、既に述べたように、ステンレス鋼であれば、オーステナイト系、フェライト系、オーステナイト-フェライト二相系、マルテンサイト系のいずれのステンレス鋼でもよいが、好ましくは耐食性及び強度に優れたオーステナイト系ステンレス鋼がよい。
【0052】
オーステナイト系ステンレス鋼として、例えば、質量%で、C:0.005~0.2%、Si:5.0%以下、Mn:0.1~5.0%、P:0.01~0.05%、S:0.0001~0.01%、Ni:5.0~20.0%、Cr:15.0~26.0%、N:0.02~0.3%、Al:0.003~1.0%、Cu:0.05~3.0%、Mo:0.01~2.0%、V:0.05~1.0%、Ti:0~0.3%、Nb:0~0.3%、B:0~0.0050%、Ca:0~0.01%、W:0~3.0%、Zr:0~0.3%、Sn:0~0.5%、Co:0~0.3%、Mg:0~0.01%、Sb:0~0.5%、REM:0~0.2%、Ga:0~0.3%、およびTa:0~1.0%、を含有し、残部がFe及び不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼を例示できる。
【0053】
また、上記化学成分のうち、Ti:0.005~0.3%、Nb:0.005~0.3%、B:0.0002~0.0050%、Ca:0.0005~0.01%、W:0.1~3.0%、Zr:0.05~0.3%、Sn:0.01~0.5%、Co:0.03~0.3%、Mg:0.0002~0.01%、Sb:0.005~0.5%、REM:0.001~0.2%、Ga:0.0002~0.3%、およびTa:0.001~1.0%から選択される1種以上を含有してもよい。
【0054】
なお、本実施形態の鍛造方法では、下記の式1、式2で示される恒等式が成立する。下記式1及び式2は、金属素材Aと鍛造品100との間で体積が一定であることから求められる。下記式1及び式2が成立する範囲で、金属素材Aの板厚t、直径r、鍛造品100及びフランジ部品200におけるフランジ部102の肉厚t、縦壁部101の肉厚t、縦壁部101の高さh、縦壁部101の内径r、鍛造品100における薄肉部103の肉厚tを調整することができる。式1及び式2におけるt、r、t、t、h、r、tの単位はいずれもミリメートルである。図8には、鍛造品100の要部と寸法線とを示している。
【0055】
本実施形態においては、例えば、t=3~8mmとし、r=20~50mmとし、t=1.1t~1.3tmmとし、h=1.5t~2.1tmmとし、r=0.3r~0.5rmmとし、t=0超2mm以下とすることが好ましい。
【0056】
薄肉部103の肉厚tが2mmを超えると、打ち抜き工程において薄肉部103の打ち抜きが困難になる場合があるため、肉厚tの上限を2mm以下とする。また、フランジ部103を設けるための条件として、r+t<rが成立することが望ましい。
【0057】
【数1】
【0058】
【数2】
【0059】
式2におけるXは、定数であって、鍛造品100またはフランジ部品200の縦壁部の肉厚t2を、金属素材Aの板厚t0で除した値(すなわち、X=t/t)である。
【0060】
本実施形態では、定数Xを1.0超とし、好ましくは1.1~2.1の範囲とする。
【0061】
式1及び式2の利用方法の一例として、式1及び式2の右辺における(t-t)は、第2鍛造工程における上型2の圧下量sに対応する。そこで、縦壁部の肉厚t、高さhを所定の値にするために、第2鍛造工程における上型2の圧下量sをどの程度とするかを、式1及び式2によって設計してもよい。
【0062】
式1及び式2の利用方法の別の例として、鍛造品100の寸法形状の目標値を先に決めておき、次に、鍛造品100の寸法形状の目標値を達成するために必要な金属素材Aの板厚t及び直径rを式1、式2から求めるともに、第1、第2鍛造工程における圧下量を決めてもよい。
【0063】
以上説明したように、本実施形態の金属素材の鍛造方法によれば、上型2及び下型3と、環状型面45及び凹部46を有する中間型4とを備えた金型1を用いることで、上型2及び環状型面45とによって鍛造品100及びフランジ部品200のフランジ部102を形成し、下型3の側型面32及び中間型4の凹部46とによって鍛造品100及びフランジ部品200の縦壁部101を形成することができる。特に、第1鍛造工程及び第2鍛造工程の鍛造時に、中間型4の凹部46及び下型3の側型面32に囲まれた空隙部Kに、金属素材Aの材料が圧入されるので、板状の金属素材Aから縦壁部101を形成することができる。また、中間型4の凹部46の幅を、金属素材Aの板厚tよりも大きくすることで、金属素材Aの板厚t以上の肉厚tを有する縦壁部102を鍛造することができる。更に、鍛造を2工程に分けて行うことで、即ち、第1鍛造工程において下型3によって金属素材Aを鍛造して、金属素材Aの中央部分の板厚を先に減肉させ、次いで、第2鍛造工程において上型2によって金属素材Aの全面を鍛造して、下型面31及び環状型面45に支持された部分を減肉させることで、成形荷重を過剰に高めることなく、縦壁部101及びフランジ部102を形成することができる。
【0064】
また、本実施形態の金属素材の鍛造方法によれば、第1鍛造工程における下型3による圧下量sを、第2鍛造工程における上型2による圧下量sよりも大きくすることで、第1鍛造工程において、より多くの材料を、空隙部Kに圧入させることができ、成形荷重を過剰に大きくすることなく、縦壁部101を確実に形成できる。
【0065】
また、本実施形態の金属素材の鍛造方法によれば、第1鍛造工程及び第2鍛造工程の鍛造時に、中間型4の凹部46及び下型3の側型面32に囲まれた空隙部Kに、金属素材Aの材料を圧入させることで、縦壁部101を容易に形成することができる。
【0066】
また、本実施形態の金属素材の鍛造方法によれば、第1鍛造工程及び第2鍛造工程における金属素材Aの温度を200~500℃の範囲とし、金型1の温度を100~200℃の範囲とすることで、成形荷重を低くできるとともに、金型1による抜熱を抑制して成形荷重の増大を防止できる。
【0067】
また、本実施形態の金属素材の鍛造方法によれば、金属素材Aとしてステンレス鋼板を用いることで、ステンレス鋼からなる鍛造品100及びフランジ部品200を鍛造により容易に形成することができる。
【0068】
また、本実施形態の金属素材の鍛造方法によれば、第2鍛造工程後の鍛造品100の中央部分を打ち抜いて開口部を形成するので、鍛造と打ち抜きによってフランジ部品200を製造することができる。
【0069】
次に、本実施形態の金属素材の鍛造用の金型によれば、上型2及び下型3と、環状型面45及び凹部46を有する中間型4とを備えているので、上型2及び環状型面45によって鍛造品100及びフランジ部品200のフランジ部102を形成し、下型4の側型面32及び中間型4の凹部46によって鍛造品100及びフランジ部品200の縦壁部101を形成することができる。特に、鍛造時に、中間型4の凹部46及び下型3の側型面32に囲まれた空隙部Kに、金属素材Aの材料が圧入されるので、板状の金属素材Aから縦壁部101を形成することができる。また、中間型4の凹部46の幅を、金属素材Aの板厚tよりも大きくすることで、金属素材Aの板厚t以上の肉厚tを有する縦壁部103を鍛造することができる。
【0070】
次に、本実施形態のフランジ部品200によれば、縦壁部101の肉厚tが、フランジ部102の肉厚tよりも厚くされているので、フランジ部品200全体の剛性を高めることができる。
【符号の説明】
【0071】
1…金型、2…上型、3…下型、4…中間型、21…上型面、31…下型面、31a…外周端、32…側型面、41…貫通中空部、42…本体部、43…第1嵌入部、44…第2嵌入部、45…環状型面、46…凹部、101…縦壁部、102…フランジ部、200…フランジ部品、A…金属素材、K…空隙部、s…下型による圧下量、s…上型による圧下量。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8