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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】現金自動取引システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20241025BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20241025BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241025BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20241025BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20241025BHJP
【FI】
G06Q20/32 300
G07D11/00
G06T7/00 660A
G06Q20/18
G06Q20/40
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021116853
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013003
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 篤士
(72)【発明者】
【氏名】寺井 智美
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-006718(JP,A)
【文献】特開2018-152001(JP,A)
【文献】特開2001-256501(JP,A)
【文献】特開2020-161191(JP,A)
【文献】特開2007-052688(JP,A)
【文献】特開2020-027378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07D 11/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャッシュカードに記録された口座情報を読み取るカードリーダと、
前記キャッシュカードを保持する保持者の顔を撮影する第1カメラと、前記保持者を特定する本人確認書類の顔写真を撮影する第2カメラと、前記保持者が保持する携帯電話端末の画面に表示された情報を読み取る第1情報読取機と、情報を表示する表示画面を有する本人確認装置と、
前記保持者の顔を撮影する第3カメラと、前記携帯電話端末の画面又は前記本人確認装置の表示画面に表示された情報を読み取る第2情報読取機を有し、前記保持者の操作を基に前記保持者の口座に対する現金取引の処理を実行する現金自動取引装置と、
前記カードリーダと、前記本人確認装置と、前記現金自動取引装置、及び前記携帯電話端末と情報の送受信を行うサーバと、を備え、
前記本人確認装置は、
前記第1カメラの撮影による第1顔画像と前記第2カメラの撮影による第2顔画像とを比較する第1顔認証処理を実行し、前記第1顔画像と前記第2顔画像とが一致する場合、前記保持者の顔を特定する本人顔認証データを生成し、
前記サーバは、
前記本人顔認証データを基に少なくとも仮登録管理番号2次元バーコードを生成する事前登録処理を実行し、
前記本人確認装置は、
前記携帯電話端末の画面に前記仮登録管理番号2次元バーコードが表示された場合、前記仮登録管理番号2次元バーコードを基に第2顔認証処理を実行し、前記第2顔認証処理の結果を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を前記本人確認装置から受信したことを条件に、仮登録から正式登録に移行する更新処理を実行し、
前記現金自動取引装置は、
カードレス取引が選択された場合、前記キャッシュカードの暗証番号が入力されたことを条件に、第3顔認証処理を実行し、前記第3顔認証処理に成功したことを条件に、前記口座情報と前記キャッシュカードの暗証番号とを基に前記口座情報で特定される対象口座に対する残高照会を行い、前記残高照会が正常であることを条件に、前記キャッシュカードを保持する前記保持者に関するカードレス取引を正式に登録する正式登録処理を実行し、正式登録の完了を前記サーバに送信し、
前記カードレス取引の正式登録完了後に、前記カードレス取引が選択された場合、前記キャッシュカードの暗証番号が入力されたことを条件に、第4顔認証処理を実行し、前記第4顔認証処理に成功した場合、前記キャッシュカードの有効期限が正常であることを条件に、前記口座情報と前記キャッシュカードの暗証番号とを基に前記口座情報で特定される対象口座に対する取引を開始することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項2】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記サーバは、
前記事前登録処理として、前記携帯電話端末の電話番号と暗証番号コードが入力されたことを条件に、前記カードリーダから前記保持者の口座情報を入力すると共に、前記本人確認装置から前記本人顔認証データを入力し、入力された各情報を基に前記保持者を特定する仮登録管理番号を生成し、生成した前記仮登録管理番号と前記本人顔認証データ及び前記口座情報を含む仮登録情報を基に前記仮登録管理番号2次元バーコードを生成すると共に、前記本人顔認証データを含む前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLを生成し、生成した前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLを前記携帯電話端末の電話番号を送信先として送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項3】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記サーバは、
前記事前登録処理として、暗証番号コードが入力されたことを条件に、前記カードリーダから前記保持者の口座情報を入力すると共に、前記本人確認装置から前記本人顔認証データを入力し、入力された各情報を基に前記保持者を特定する仮登録管理番号を生成し、生成した前記仮登録管理番号と前記本人顔認証データ及び前記口座情報を含む仮登録情報を基に前記仮登録管理番号2次元バーコードを生成すると共に、前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLを生成し、前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLを基に仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを生成し、生成した前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを前記本人確認装置に送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項4】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記サーバは、
前記事前登録処理として、前記カードリーダから前記保持者の口座情報を入力すると共に、前記本人確認装置から前記本人顔認証データを入力し、入力された各情報を基に前記保持者を特定する仮登録管理番号を生成し、生成した前記仮登録管理番号と前記本人顔認証データ及び前記口座情報を含む仮登録情報を基に前記仮登録管理番号2次元バーコードを生成し、生成した前記仮登録管理番号2次元バーコードを前記本人確認装置に送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項5】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記本人確認装置は、
前記第2顔認証処理として、前記仮登録管理番号2次元バーコードを読み取り、読み取った前記仮登録管理番号2次元バーコードを復号化して前記本人顔認証データを取得し、取得した前記本人顔認証データから得られた第3顔画像と前記第1カメラの撮影による第4顔画像とを比較し、前記第3顔画像と前記第4顔画像とが一致した場合、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を前記サーバに送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項6】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記本人確認装置は、
前記第2顔認証処理として、前記サーバから前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを受信した場合、受信した前記仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを表示し、その後、前記携帯電話端末の画面に前記仮登録管理番号2次元バーコードが表示された場合、前記仮登録管理番号2次元バーコードを読み取り、読み取った前記仮登録管理番号2次元バーコードを復号化して前記本人顔認証データを取得し、取得した前記本人顔認証データから得られた第3顔画像と前記第1カメラの撮影による第4顔画像とを比較し、前記第3顔画像と前記第4顔画像とが一致した場合、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を前記サーバに送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項7】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記本人確認装置は、
前記第2顔認証処理として、前記サーバから前記仮登録管理番号2次元バーコードの情報を受信した場合、受信した前記仮登録管理番号2次元バーコードの情報を前記表示画面に表示し、前記携帯電話端末の画面に前記仮登録管理番号2次元バーコードに相当する2次元バーコードが表示された場合、前記携帯電話端末の画面に表示された前記2次元バーコードの情報を読み取り、読み取った前記2次元バーコードの情報と前記サーバから受信した前記仮登録管理番号2次元バーコードの情報とが一致するか否かを判定し、その後、前記携帯電話端末の画面に前記仮登録管理番号2次元バーコードが表示された場合、前記仮登録管理番号2次元バーコードを読み取り、読み取った前記仮登録管理番号2次元バーコードを復号化して前記本人顔認証データを取得し、取得した前記本人顔認証データから得られた第3顔画像と前記第1カメラの撮影による第4顔画像とを比較し、前記第3顔画像と前記第4顔画像とが一致した場合、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を前記サーバに送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項8】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記サーバは、
前記更新処理として、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を受信した場合、前記保持者を特定する正式登録管理番号を生成し、生成した前記正式登録管理番号と前記口座情報を含む仮登録情報と前記キャッシュカードの有効期限の情報を基にカードレス取引用2次元バーコードを生成し、生成した前記カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLを前記携帯電話端末の電話番号を送信先として送信することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項9】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記サーバは、
前記更新処理として、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を受信した場合、前記保持者を特定する正式登録管理番号を生成し、生成した前記正式登録管理番号と前記口座情報を含む仮登録情報と前記キャッシュカードの有効期限の情報を基にカードレス取引用2次元バーコードを生成すると共に、前記カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLを生成し、生成した前記前記カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを前記本人確認装置に送信し、
前記本人確認装置は、
前記サーバから前記カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを受信した場合、受信した前記カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを表示することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項10】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記サーバは、
前記更新処理として、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を受信した場合、前記保持者を特定する正式登録管理番号を生成し、生成した前記正式登録管理番号と前記口座情報を含む仮登録情報と前記キャッシュカードの有効期限の情報を基にカードレス取引用2次元バーコードを生成し、生成した前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を前記本人確認装置に送信し、
前記本人確認装置は、
前記サーバから前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を受信した場合、受信した前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を表示することを特徴とする現金自動取引システム。
【請求項11】
請求項1に記載の現金自動取引システムであって、
前記現金自動取引装置は、
前記第3顔認証処理として、前記携帯電話端末の画面に表示されたカードレス取引用2次元バーコードの情報を読み取り、読み取った前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を復号化して前記本人顔認証データを取得し、取得した前記本人顔認証データから得られた第5顔画像と前記第3カメラの撮影による第6顔画像とを比較し、前記第5顔画像と前記第6顔画像とが一致した場合、前記読み取った前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を復号化して前記口座情報を取得し、
前記第4顔認証処理として、前記携帯電話端末の画面に表示された前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を読み取り、読み取った前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を復号化して前記本人顔認証データを取得し、取得した前記本人顔認証データから得られた第7顔画像と前記第3カメラの撮影による第8顔画像とを比較し、前記第7顔画像と前記第8顔画像とが一致した場合、前記読み取った前記カードレス取引用2次元バーコードの情報を復号化して前記口座情報を取得することを特徴とする現金自動取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末と情報の送受信を行って現金の自動取引を行う現金自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融機関店舗での現金自動取引装置での取引において、キャッシュカードを使用することなく、お客様自身が持っている携帯電話端末のみを利用して取引することが可能になることが求められている。
【0003】
この際、携帯電話端末を本人が使用していることを確認するために、事前に免許証などの本人確認書類の顔画像と撮影した顔写真の顔画像との顔照合を行って、本人を確認できた場合に、携帯電話端末に照合結果を示す2次元バーコードをダウンロードし、現金自動取引装置で携帯電話端末に表示された2次元バーコードを読み取ることで、キャッシュカードを使用せず、取引を行ことが可能になる。
【0004】
しかし、キャッシュレス決済などで発生しているなりすましやフィッシングなどのようなセキュリティリスクが存在するため、携帯電話端末にダウンロードするデータの暗号化や、多段階による認証方式などのセキュリティ対策を行ったうえで安全にカードレス取引を実現する必要がある。
【0005】
ここで、携帯電話端末を用いて本人確認する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、本人確認に必要なデータをユーザが所持する携帯電話端末のみを用いて取得する方式である。また、本人確認ができる現金自動預払機が提案されている(特許文献2参照)。この現金自動預払機は、顔画像と本人確認書類を撮影する機能により本人確認を行うことで一時的な取引ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-077421号公報
【文献】特開2019-106005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1によれば、本人確認に必要なデータをユーザが所持する携帯電話端末のみを用いて取得することが可能となる。また、特許文献2によれば、現金自動預払機に備えた顔画像と本人確認書類を撮影する機能により本人確認を行うことで一時的な取引が可能となる。しかし、各特許文献の方法では、現金の自動取引を行う際のセキュリティ対策としては十分ではない。
【0008】
本発明の目的は、顔認証処理を含む多段階の処理の完了を条件に現金の自動取引を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、キャッシュカードに記録された口座情報を読み取るカードリーダと、前記キャッシュカードを保持する保持者の顔を撮影する第1カメラと、前記保持者を特定する本人確認書類の顔写真を撮影する第2カメラと、前記保持者が保持する携帯電話端末の画面に表示された情報を読み取る第1情報読取機と、情報を表示する表示画面を有する本人確認装置と、前記保持者の顔を撮影する第3カメラと、前記携帯電話端末の画面又は前記本人確認装置の表示画面に表示された情報を読み取る第2情報読取機を有し、前記保持者の操作を基に前記保持者の口座に対する現金取引の処理を実行する現金自動取引装置と、前記カードリーダと、前記本人確認装置と、前記現金自動取引装置、及び前記携帯電話端末と情報の送受信を行うサーバと、を備え、前記本人確認装置は、前記第1カメラの撮影による第1顔画像と前記第2カメラの撮影による第2顔画像とを比較する第1顔認証処理を実行し、前記第1顔画像と前記第2顔画像とが一致する場合、前記保持者の顔を特定する本人顔認証データを生成し、前記サーバは、前記本人顔認証データを基に少なくとも仮登録管理番号2次元バーコードを生成する事前登録処理を実行し、前記本人確認装置は、前記携帯電話端末の画面に前記仮登録管理番号2次元バーコードが表示された場合、前記仮登録管理番号2次元バーコードを基に第2顔認証処理を実行し、前記第2顔認証処理の結果を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記第2顔認証処理に成功した旨の結果を前記本人確認装置から受信したことを条件に、仮登録から正式登録に移行する更新処理を実行し、前記現金自動取引装置は、カードレス取引が選択された場合、前記キャッシュカードの暗証番号が入力されたことを条件に、第3顔認証処理を実行し、前記第3顔認証処理に成功したことを条件に、前記口座情報と前記キャッシュカードの暗証番号とを基に前記口座情報で特定される対象口座に対する残高照会を行い、前記残高照会が正常であることを条件に、前記キャッシュカードを保持する前記保持者に関するカードレス取引を正式に登録する正式登録処理を実行し、正式登録の完了を前記サーバに送信し、前記カードレス取引の正式登録完了後に、前記カードレス取引が選択された場合、前記キャッシュカードの暗証番号が入力されたことを条件に、第4顔認証処理を実行し、前記第4顔認証処理に成功した場合、前記キャッシュカードの有効期限が正常であることを条件に、前記口座情報と前記キャッシュカードの暗証番号とを基に前記口座情報で特定される対象口座に対する取引を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、顔認証処理を含む多段階の処理の完了を条件に現金の自動取引を行うことができ、結果として、現金の自動取引に対するセキュリティ対策の向上及びお客様の利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムが適用された金融機関のシステム構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る管理テーブルの構成図である。
図3】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムの処理の概略を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報事前登録処理(ダウンロード方式)の遷移図である。
図5】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報事前登録処理(2次元バーコード読取方式)の遷移図である。
図6】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報事前登録処理(2次元バーコード撮影方式)の遷移図である。
図7】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人再確認処理(ダウンロード方式)の遷移図である。
図8】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人再確認処理(2次元バーコード読取方式)の遷移図である。
図9】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人再確認処理(2次元バーコード撮影方式)の遷移図である。
図10】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報正式登録処理の遷移図である。
図11】本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおけるカードレス取引処理の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
先ず、金融機関のシステム構成図を用いて、カードレス取引を行うために必要なシステム構成および各装置の機能について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムが適用された金融機関のシステム構成図である。図1において、金融機関センタ300には勘定系システム310およびカードレス取引/本人確認管理サーバ320が設置され、金融機関店舗100には、ルータ110と、現金自動取引装置120と、本人確認制御装置130と、本人確認装置140と、カードリーダ150が設置される。勘定系システム310とカードレス取引/本人確認管理サーバ320は、ネットワーク330を介して互いに接続される。カードレス取引/本人確認管理サーバ320には、ネットワーク340とルータ110及びネットワーク112を介して本人確認制御装置130が接続され、勘定系システム310には、ネットワーク350とルータ110及びネットワーク114を介して現金自動取引装置120が接続される。また、勘定系システム310には、無線360、370を介して、お客様所有品200に属する携帯電話端末210が接続される。本人確認制御装置130には、USB(Universal・Serial・Bus)インタフェース132を介してカードリーダ150が接続され、USBインタフェース134を介して本人確認装置140が接続される。なお、ネットワーク330、112、114としては、LAN(Local・Area・Network)を用いることができ、ネットワーク340、350としては、例えば、WAN(Wide・Area・Network)を基いることができる。また、無線360には、HTTP(Hypertext・Transfer・Protocol)を用いることができ、無線370には、SMS(Short・Message・Service)を用いることができる。
【0015】
勘定系システム310、カードレス取引/本人確認管理サーバ320、現金自動取引装置120、及び本人確認制御装置130は、例えば、プロセッサ、主記憶装置、補助記憶装置、入力装置、出力装置、及び通信装置を備える計算機(図示せず)で構成される。
【0016】
プロセッサは、例えば、CPU(Central・Processing・Unit)やMPU(Micro・Processing・Unit)を用いて構成される。
【0017】
主記憶装置は、コンピュータプログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read・Only・Memory)、RAM(Random・Access・Memory)、及び不揮発性半導体メモリ等である。
【0018】
補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ、SSD(Solid・State・Drive)、光学式記憶媒体(即ち、CD(Compact・Disc)、及びDVD(Digital・Versatile・Disc)等)、ストレージシステム、ICカード(Integrated・Circuit・Card)、SD(Secure・Digital)メモリカード、等の記録媒体の読取/書込装置、及びクラウドサーバの記憶領域等である。補助記憶装置に格納されているコンピュータプログラムやデータは、主記憶装置に随時読み込まれる。
【0019】
入力装置は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、音声入力デバイス等である。出力装置(表示装置)は、ユーザに処理経過や処理結果等の各種情報を提供するユーザインタフェースである。出力装置は、例えば、画面表示装置(即ち、液晶モニタ、LCD(Liquid・Crystal・Display)、又はグラフィックカード等)、音声出力装置(即ち、スピーカ等)、又は印字装置等である。
【0020】
通信装置は、LANやインターネット等の通信手段を介した他の装置との間の通信を実現する有線方式又は無線方式の通信インタフェースである。通信装置は、例えば、NIC(Network・Interface・Card)、無線通信モジュール、USB(Universal・Serial・Bus)モジュール、又はシリアル通信モジュール等である。
【0021】
カードリーダ150は、お客様所有品200に属するキャッシュカード220に記録された磁気情報(口座情報)を読み取り、読み取った磁気情報を、本人確認制御装置130に転送する。本人確認装置140は、キャッシュカードを保持する保持者(お客様)の顔を撮影する顔カメラ(第1カメラ)と、保持者を特定する本人確認書類230、例えば、免許証の顔写真を撮影する媒体カメラ(第2カメラ)と、保持者が保持する携帯電話端末(例えば、スマートフォン)210の画面に表示された情報を読み取る情報読取機(第1情報読取機)と、情報を表示する表示画面(いずれも図示せず)を有する。
【0022】
この際、本人確認装置140は、本人確認書類230の顔写真を、媒体カメラで撮影した顔画像(第1顔画像)の情報を取り込み、携帯電話端末210を保持するお客様の顔を顔カメラで撮影し、撮影して得られた顔画像(第2顔画像)の情報を取り込み、取り込んだ各情報を基に第1顔画像と第2顔画像とを比較する第1顔認証処理を実行し、第1顔画像と第2顔画像とが一致する場合、保持者の顔を特定する本人顔認証データを生成し、生成した本人顔認証データを本人確認制御装置130に転送する。本人確認制御装置130は、本人確認装置140からの情報とカードリード150からの情報をまとめてルータ110を介してカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する。
【0023】
現金自動取引装置120は、保持者の顔を撮影する顔カメラ(第3カメラ)と、携帯電話端末210の画面又は本人確認装置140の表示画面に表示された情報を読み取る情報読取機(第2情報読取機)を有し、保持者の操作を基に保持者の口座に対する現金取引の処理を実行する。この際、現金自動取引装置120は、携帯電話端末210から情報(2次元バーコード)を取り込むと共に、お客様所有品200に属する本人確認書類230、例えば、免許証の顔写真を、内蔵の顔カメラで撮影した顔画像の情報を取り込み、取り込んだ各情報を、ルータ110を介して勘定系システム310及びカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する。
【0024】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードリーダ150と、本人確認装置140と、及び現金自動取引装置120と、ルータ110、本人確認制御装置130を介して情報の送受信を行うと共に、勘定系システム310を介して携帯電話端末210と情報の送受信を行う。
【0025】
この際、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、本人確認装置140で生成された本人顔認証データを基に少なくとも仮登録管理番号2次元バーコードを生成する事前登録処理を実行し、事前登録処理の結果を本人確認装置140に転送する。本人確認装置140は、携帯電話端末210の画面に仮登録管理番号2次元バーコードが表示された場合、仮登録管理番号2次元バーコードを基に第2顔認証処理を実行し、第2顔認証処理の結果をカードレス取引/本人確認管理サーバ320に送信する。カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、第2顔認証処理に成功した旨の結果を本人確認装置140から受信したことを条件に、仮登録から正式登録に移行する更新処理を実行する。
【0026】
現金自動取引装置120は、カードレス取引/本人確認管理サーバ320による更新処理が実行された後、カードレス取引が選択された場合、キャッシュカード220の暗証番号が入力されたことを条件に、第3顔認証処理を実行し、第3顔認証処理に成功したことを条件に、口座情報とキャッシュカード220の暗証番号とを基に口座情報で特定される対象口座に対する残高照会を勘定系システム310との間で行い、残高照会が正常であることを条件に、キャッシュカード220を保持する保持者(お客)に関するカードレス取引を正式に登録する正式登録処理を実行し、正式登録の完了をカードレス取引/本人確認管理サーバ320に送信する。この後、現金自動取引装置120は、カードレス取引の正式登録完了後に、カードレス取引が選択された場合、キャッシュカード220の暗証番号が入力されたことを条件に、第4顔認証処理を実行し、第4顔認証処理に成功した場合、キャッシュカード220の有効期限が正常であることを条件に、口座情報とキャッシュカード220の暗証番号とを基に口座情報で特定される対象口座に対する取引を開始する。
【0027】
図2は、本発明の実施例1に係る管理テーブルの構成図である。図2において、管理テーブル400は、カードレス取引/本人確認管理サーバ320の記憶装置に格納されるテーブルであって、サーバ登録情報410と2次元バーコード420とから構成される。2次元バーコード420は、ダウンロード/読取方式430と撮影方式440とから構成される。サーバ登録情報410は、カードレス取引/本人確認管理サーバ320の記憶装置に記録される情報の項目として、案件番号450、仮/正式種別452、仮/正式登録管理番号454、本人顔認証データ456、口座情報(磁気情報)458、本人電話番号460、PIN(Personal・Identification・Number)コード462、仮/正式有効期限464、仮/正式参照用URL(Uniform・Resource・Locator)情報466、仮登録管理番号2次元バーコード468、カードレス取引2次元バーコード470から構成される。
【0028】
サーバ登録情報410を2次元バーコード420として登録するに際して、ダウンロード/読取方式430を採用した場合、案件番号450、仮/正式種別452、仮/正式登録管理番号454、本人顔認証データ456、口座情報(磁気情報)458、本人電話番号460、PINコード462、仮/正式有効期限464、仮/正式参照用URL情報466、仮登録管理番号2次元バーコード468、カードレス取引2次元バーコード470の全ての項目に関して、情報が記録される。一方、撮影方式440を採用した場合、PINコード462及び仮/正式参照用URL情報466の項目を除いて、案件番号450、仮/正式種別452、仮/正式登録管理番号454、本人顔認証データ456、口座情報(磁気情報)458、本人電話番号460、仮/正式有効期限464、仮登録管理番号2次元バーコード468、カードレス取引2次元バーコード470の情報が記録される。すなわち、2次元バーコードのダウンロード方式によって、仮/正式参照用URL情報466およびそれにアクセスするためのPINコード462の有無が異なる。なお、ダウンロード/読取方式430と撮影方式440の欄に情報が記録される場合、丸印が付加されている。
【0029】
図3は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムの処理の概略を説明するためのフローチャートである。図3において、本人確認装置140は、事前登録の処理として、例えば、本人確認書類230に添付された顔写真の顔画像の情報と、顔カメラで撮影して得られた顔画像の情報とを比較し、両者の情報が一致するかどうかの顔認証の処理(本人確認の第1顔認証処理)を実行し(S1)、顔認証の処理の結果から、本人であることを確認できたか否かを判定し(S2)、ステップS2で否定の判定結果を得た場合(NG)、ステップS1に戻り、ステップS1~S2の処理を繰り返し、ステップS2で肯定の判定結果を得た場合(OK)、本人確認認証データを、本人確認制御装置130を介してカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する。
【0030】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードリーダ150が取得した情報として、キャッシュカード220に記録された口座情報を含む磁気情報を本人確認制御装置130から取り込むと共に、本人確認認証データを本人確認制御装置130から取り込み、取り込んだ各種情報を仮登録管理番号に関連づけて記憶装置に登録する(S3)。この後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、仮登録管理番号、本人顔認証データ、及び口座情報を含む仮登録情報を基に2次元バーコードを仮登録管理番号2次元バーコードとして生成し、生成した仮登録管理番号2次元バーコードを勘定系システム310に転送する(S4)。この後、携帯電話端末210は、勘定系システム310にアクセスし、勘定系システム310から仮登録管理番号2次元バーコードを取得する(S5)。次に、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、サーバ内の2次元バーコードを削除する(S6)。
【0031】
この後、本人確認装置140は、再度本人確認を行うための本人再確認の処理として、例えば、本人確認書類230に添付された顔写真の顔画像の情報と、顔カメラで撮影して得られた顔画像の情報とを比較し、両者の情報が一致するかどうかの顔認証の処理(第2顔認証処理)を実行し(S7)、顔認証の処理の結果から、本人であることを確認できたか否かを判定し(S8)、ステップS8で否定の判定結果を得た場合(NG)、ステップS1に戻り、ステップS1~S7の処理を繰り返し、ステップS8で肯定の判定結果を得た場合(OK)、本人顔認証データを、本人確認制御装置130を介してカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する。
【0032】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、正式管理番号、本人顔認証データ、及び口座情報を含む正式登録情報を基にカードレス取引用2次元バーコードを生成し、生成したカードレス取引用2次元バーコードを勘定系システム310に転送する(S9)。この後、携帯電話端末210は、勘定系システム310にアクセスし、勘定系システム310からカードレス取引用2次元バーコードを取得する(S10)。次に、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、サーバ内の2次元バーコードを削除する(S11)。
【0033】
この後、現金自動取引装置120は、携帯電話端末210とカードレス取引用2次元バーコードを含む情報の送受信を行い、本人確認のための正式登録処理を実行する(S12)。例えば、現金自動取引装置120は、本人確認書類230に添付された顔写真の顔画像の情報と、カードレス取引用2次元バーコードから抽出された顔画像の情報とを比較し、両者の情報が一致するかどうかの顔認証の処理(第3顔認証処理)を実行する。この際、現金自動取引装置120は、顔認証の処理の結果から、本人であることを確認できたか否かを判定し(S13)、ステップS13で否定の判定結果を得た場合(NG)、ステップS1に戻り、ステップS1~S13の処理を繰り返し、ステップS13で肯定の判定結果を得た場合(OK)、勘定系システム310に対する残高照会が完了したことを条件に、正式登録が完了したことをカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する。
【0034】
この後、現金自動取引装置120は、携帯電話端末210とカードレス取引用2次元バーコードを含む情報の送受信を行い、顔カメラで撮影された顔画像の情報と、カードレス取引用2次元バーコードから抽出された顔画像の情報とを比較し、両者の情報が一致するかどうかの顔認証の処理(第4顔認証処理)を実行し、本人であることが確認されたことを条件に、カードレス取引の処理を実行し(S15)、その後、このルーチンでの処理を終了する。
【0035】
図4は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報事前登録処理(ダウンロード方式)の遷移図である。図4では、カードレス取引を行うための本人情報を事前に登録する際に、2次元バーコードの受け取りをダウンロード方式で行う場合の処理について説明する。
【0036】
本人確認制御装置130に接続されたカードリーダ140は、キャッシュカード220に記録された口座情報を含む磁気情報を読み取り(A1)、読み取った磁気情報を、本人確認制御装置130を介してカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A2、A3)。
【0037】
本人確認制御装置130に接続された本人確認装置140は、内蔵した媒体カメラで本人確認書類230の顔写真を撮影して顔画像を生成し、内蔵した顔カメラで、携帯電話端末210を所持する人の顔を撮影して顔画像を生成し(A4)、生成した各顔画像が一致するか否かの顔認証の処理(第1顔認証処理)を実行する。この際、本人確認装置140は、生成した各顔画像が一致することを確認した場合、本人顔認証データを生成し、生成した本人顔認証データを、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A5、A3)。
【0038】
本人確認装置140は、携帯電話端末210の電話番号が入力された場合、入力された携帯電話端末210の電話番号を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A5、A3)。
【0039】
本人確認装置140は、仮登録管理番号2次元バーコードおよびカードレス取引用2次元バーコードの受け取り用URLにアクセスするためのPINコード(暗証番号コード)が入力された場合、入力されたPINコードの情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A5、A3)。
【0040】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードリーダ140からの磁気情報や本人確認装置140からの情報(本人顔認証データ、電話番号、PINコード)を受信した場合、受信した情報を基に、正式登録を行うための仮登録管理番号を生成すると共に、仮登録管理番号、本人顔認証データ、及び口座情報を含む仮登録情報で2次元バーコードを生成する。さらに、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、本人顔認証データを含む仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLを生成する。その後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLを、事前に登録された携帯電話端末210の電話番号を送信先として、この電話番号に無線370(SMS)で送信する(A6)。この後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、携帯電話端末210を管理する管理テーブルに仮登録が完了した旨の情報を登録する。これにより、携帯電話端末210を所持する人に関する本人情報事前登録が完了する。
【0041】
図5は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報事前登録処理(2次元バーコード読取方式)の遷移図である。図5では、カードレス取引を行うための本人情報の事前登録において、2次元バーコードの受け取りを本人確認装置140に表示された2次元バーコードを読み取る方式の処理について説明する。
【0042】
本人確認制御装置130に接続されたカードリーダ140は、キャッシュカード220に記録された口座情報を含む磁気情報を読み取り(A1)、読み取った磁気情報を、本人確認制御装置130を介してカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A2、A3)。
【0043】
本人確認制御装置130に接続された本人確認装置140は、内蔵した媒体カメラで本人確認書類230の顔写真を撮影して顔画像を生成し、内蔵した顔カメラで、携帯電話端末210を所持する人の顔を撮影して顔画像を生成し(A4)、生成した各顔画像が一致するか否かの顔認証の処理(第1顔認証処理)を実行する。この際、本人確認装置140は、生成した各顔画像が一致することを確認した場合、本人顔認証データを生成し、生成した本人顔認証データを、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A5、A3)。
【0044】
本人確認装置140は、仮登録管理番号2次元バーコードおよびカードレス取引用2次元バーコードの受け取り用URLにアクセスするためのPINコードが入力された場合、入力されたPINコードの情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A5、A3)。
【0045】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードリーダ140からの磁気情報や本人確認装置140からの情報(本人顔認証データ、PINコード)を受信した場合、受信した情報を基に、正式登録を行うための仮登録管理番号を生成すると共に、仮登録管理番号、本人顔認証データ、及び口座情報を含む仮登録情報で2次元バーコードを生成する。さらに、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、本人顔認証データを含む仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLを生成すると共に、仮登録情報2次元バーコード受け取り用のURLで2次元バーコードを生成する。その後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLの2次元バーコードを、本人確認制御装置130経由で本人確認装置140に転送する(A6、A7)。
【0046】
本人確認装置140は、受信した仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLの2次元バーコードを表示する。この際、携帯電話端末210は、2次元バーコード読取機能により、表示された仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLの2次元バーコードを読み取る(A8)。
【0047】
この後、本人確認装置140は、仮登録が完了した旨の情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する(A5、A3)。カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、本人確認装置140からの通知を受信した場合、携帯電話端末210を管理する管理テーブルに仮登録が完了した旨の情報を登録する。これにより、携帯電話端末210を保持する保持者に関する本人情報事前登録が完了する。
【0048】
図6は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報事前登録処理(2次元バーコード撮影方式)の遷移図である。図6では、カードレス取引を行うための本人情報の事前登録において、2次元バーコードの受け取りを本人確認装置140に表示された2次元バーコードを携帯電話端末210のカメラ機能で撮影して入手する2次元バーコード撮影方式の処理について説明する。
【0049】
図6において、本人確認制御装置130に接続されたカードリーダ140は、キャッシュカード220に記録された口座情報を含む磁気情報を読み取り(A1)、読み取った磁気情報を、本人確認制御装置130を介してカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A2、A3)。
【0050】
本人確認制御装置130に接続された本人確認装置140は、内蔵した媒体カメラで本人確認書類230の顔写真を撮影して顔画像を生成し、内蔵した顔カメラで、携帯電話端末210を所持する人の顔を撮影して顔画像を生成し(A4)、生成した各顔画像が一致するか否かの顔認証の処理(第1顔認証処理)を実行する。この際、本人確認装置140は、生成した各顔画像が一致することを確認した場合、本人顔認証データを生成し、生成した本人顔認証データを、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に転送する(A5、A3)。
【0051】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードリーダ140からの磁気情報や本人確認装置140からの情報(本人顔認証データ)を受信した場合、受信した情報を基に、正式登録を行うための仮登録管理番号を生成すると共に、仮登録管理番号、本人顔認証データ、及び口座情報を含む仮登録情報で2次元バーコード(仮登録管理番号2次元バーコード)を生成する。その後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、仮登録管理番号2次元バーコードを、本人確認制御装置130経由で本人確認装置140に転送する(A6、A7)。
【0052】
本人確認装置140は、受信した仮登録管理番号2次元バーコードを表示する。この際、携帯電話端末210は、カメラ機能により、表示された仮登録管理番号2次元バーコードを撮影し(A8)、撮影して得られた仮登録管理番号2次元バーコードを表示する。この際、本人確認装置140は、表示された仮登録管理番号2次元バーコードを読み取り(A9)、読み取った仮登録管理番号2次元バーコードを復号化して得られた本人顔認証データの顔画像と、内蔵した媒体カメラで本人確認書類230の顔写真を撮影して得られた顔画像とを比較し、両者の顔画像が一致したことを確認した場合、仮登録が完了した旨の情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する(A5、A3)。
【0053】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、本人確認装置140からの通知を受信した場合、携帯電話端末210を管理する管理テーブルに仮登録が完了した旨の情報を登録する。これにより、携帯電話端末210を所持する人に関する本人情報事前登録が完了する。
【0054】
図7は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人再確認処理(ダウンロード方式)の遷移図である。図7では、カードレス取引を行うための本人再確認において、2次元バーコードの受け取りをダウンロード方式で行う場合の処理について説明する。
【0055】
図7において、携帯電話端末210は、仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLにアクセスすると共に、携帯電話端末210で事前登録したPINコードを入力し、アクセス先から仮登録管理番号2次元バーコードの情報をダウンロードし、ダウンロードした仮登録管理番号2次元バーコードを表示画面に表示する。
【0056】
本人確認制御装置130に接続された本人確認装置140は、携帯電話端末210に表示された仮登録管理番号2次元バーコードの情報を読み取る(A1)。この際、本人確認装置140は、読み取った仮登録管理番号2次元バーコードの情報を復号化し、仮登録管理番号2次元バーコードに含まれる本人顔認証データを取得する。この後、本人確認装置140は、取得した本人顔認証データの顔画像と本人確認装置140の顔カメラで撮影した本人(携帯電話端末210を保持する人)の顔画像とを比較する顔認証処理(第2顔認証処理)を実行し、比較結果から、本人であることを確認した場合、顔認証OKである旨(顔認証処理に成功した旨)の情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する(A2、A3)。
【0057】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、顔認証OKである旨の情報を受信した場合、仮登録情報を正式登録情報に更新する更新処理を実行する。この際、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、正式登録番号および口座情報を含む正式登録情報、有効期限(キャッシュカードの有効期限)でカードレス取引用2次元バーコードを生成すると共に、カードレス取引用2次元バーコードの受け取り用URLを生成する。その後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードレス取引用2次元バーコード受け取り用のURLを、事前に登録した携帯電話端末210の電話番号に無線370(SMS)で送信する(A4)。
【0058】
携帯電話端末210は、カードレス取引用2次元バーコード受け取り用のURLを受信した場合、受信したURLにアクセスする。この際、携帯電話端末210は、事前登録したPINコードを入力し、アクセス先から、カードレス取引用2次元バーコードをダウンロードする。カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、サーバ内のカードレス取引用2次元バーコードデータを削除する。これにより、携帯電話端末210を所持する本人を再確認する処理と更新処理が完了する。
【0059】
図8は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人再確認処理(2次元バーコード読取方式)の遷移図である。図8では、カードレス取引を行うための本人再確認において、2次元バーコードの受け取りを本人確認装置140に表示された2次元バーコードを読み取る方式の処理について説明する。
【0060】
図8において、携帯電話端末210は、仮登録管理番号2次元バーコード受け取り用のURLにアクセスすると共に、携帯電話端末210で事前登録したPINコードを入力し、アクセス先から仮登録管理番号2次元バーコードの情報をダウンロードし、ダウンロードした仮登録管理番号2次元バーコードを表示画面に表示する。
【0061】
本人確認制御装置130に接続された本人確認装置140は、携帯電話端末210に表示された仮登録管理番号2次元バーコードの情報を読み取る(A1)。この際、本人確認装置140は、読み取った仮登録管理番号2次元バーコードの情報を復号化し、仮登録管理番号2次元バーコードに含まれる本人顔認証データを取得する。この後、本人確認装置140は、取得した本人顔認証データの顔画像と本人確認装置140の顔カメラで撮影した本人(携帯電話端末210を保持する人)の顔画像とを比較する顔認証処理(第2顔認証処理)し、比較結果から、本人であることを確認した場合、顔認証OKである旨の情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する(A2、A3)。
【0062】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、顔認証OKである旨の情報を受信した場合、仮登録情報を正式登録情報に更新する更新処理を実行する。この際、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、正式登録番号および口座情報を含む正式登録情報、有効期限でカードレス取引用2次元バーコードを生成すると共に、カードレス取引用2次元バーコードの受け取り用URLを生成する。その後、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、カードレス取引用2次元バーコード受け取り用のURLで2次元バーコードを生成し、生成した2次元バーコード(カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコード)を、本人確認制御装置130経由で本人確認装置140に転送する(A4、A5)。
【0063】
本人確認装置140は、カードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを受信した場合、受信したカードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを画面に表示する。この際、携帯電話端末210は、2次元バーコード読取機能により、表示されたカードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLの2次元バーコードを読み取り、読み取ったカードレス取引用2次元バーコード受け取り用URLにアクセスする。この後、携帯電話端末210は、事前登録したPINコードを入力し、アクセス先から、カードレス取引用2次元バーコードをダウンロードする。カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、サーバ内のカードレス取引用2次元バーコードデータを削除する。これにより、携帯電話端末210を所持する本人を再確認する処理と更新処理が完了する。
【0064】
図9は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人再確認処理(2次元バーコード撮影方式)の遷移図である。図9では、カードレス取引を行うための本人再確認において、2次元バーコードの受け取りを本人確認装置140に表示された2次元バーコードを携帯電話端末210のカメラ機能で撮影して入手する2次元バーコード撮影方式の処理について説明する。
【0065】
図9において、携帯電話端末210は、カメラ機能で撮影した仮登録管理番号2次元バーコードを画面に表示する。本人確認制御装置130に接続された本人確認装置140は、携帯電話端末210に表示された仮登録管理番号2次元バーコードの情報を読み取る(A1)。この際、本人確認装置140は、読み取った仮登録管理番号2次元バーコードの情報を復号化し、仮登録管理番号2次元バーコードに含まれる本人顔認証データを取得する。この後、本人確認装置140は、取得した本人顔認証データの顔画像と本人確認装置140の顔カメラで撮影した本人(携帯電話端末210を保持する人)の顔画像とを比較する顔認証処理(第2顔認証処理)を実行し、比較結果から、本人であることを確認した場合、顔認証OKである旨の情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する(A2、A3)。
【0066】
カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、顔認証OKである旨の情報を受信した場合、仮登録情報を正式登録情報に更新する更新処理を実行する。この際、カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、正式登録番号および口座情報を含む正式登録情報、有効期限でカードレス取引用2次元バーコードを生成し、生成したカードレス取引用2次元バーコードを、本人確認制御装置130経由で本人確認装置140に転送する(A4、A5)。
【0067】
本人確認装置140は、カードレス取引用2次元バーコードを受信した場合、受信したカードレス取引用2次元バーコードを画面に表示する。この際、携帯電話端末210は、カメラ機能により、表示されたカードレス取引用2次元バーコードを撮影し、撮影したカードレス取引用2次元バーコードの情報を画面に表示する。
【0068】
本人確認装置140は、携帯電話端末210に表示されたカードレス取引用2次元バーコードの情報を読み取る(A1)。この際、本人確認装置140は、読み取ったカードレス取引用2次元バーコードの情報を復号化し、カードレス取引用2次元バーコードに含まれる本人顔認証データを取得する。この後、本人確認装置140は、取得した本人顔認証データの顔画像と本人確認装置140の顔カメラで撮影した本人(携帯電話端末210を保持する人)の顔画像とを比較し、比較結果から、本人であることを確認した場合、顔認証OKである旨の情報を、本人確認制御装置130経由でカードレス取引/本人確認管理サーバ320に通知する(A2、A3)。カードレス取引/本人確認管理サーバ320は、サーバ内のカードレス取引用2次元バーコードデータを削除する。これにより、携帯電話端末210を所持する本人を再確認する処理と更新処理が完了する。
【0069】
図10は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおける本人情報正式登録処理の遷移図である。図10では、カードレス取引を行うための本人情報を正式に登録するための処理について説明する。
【0070】
図10において、携帯電話端末210は、カードレス取引用2次元バーコードを画面に表示する。この際、現金自動取引装置120では、カードレス取引が選択される。この際、現金自動取引装置120は、バーコード読み取り機能により、携帯電話端末210に表示されたカードレス取引用2次元バーコードの情報を読み取る(A1)。現金自動取引装置120は、顔画像撮影機能(第3カメラ)により、本人(携帯電話端末210を保持する人)の顔画像を撮影し、撮影された顔画像と、カードレス取引用2次元バーコードを復号化して得られた本人顔認証データ内の顔画像とを比較する顔認証処理(第3顔認証処理)を実行し、両者の顔画像が一致するかを確認する。現金自動取引装置120は、両者の顔画像が一致し、本人であることを確認した場合、カードレス取引用2次元バーコードを復号化して、カードレス取引用2次元バーコードから口座情報を取得する。現金自動取引装置120は、対象口座に対する暗証番号が入力された場合、勘定系システム310に対して、対象口座に対して残高照会を行う(A2)。現金自動取引装置120は、勘定系システム310から、残高照会が正常にできた旨の情報を受信した場合(A3)、カードレス取引/本人確認管理サーバ320に対して、正式登録が完了したことを通知する(A4)。これにより、携帯電話端末210を所持する本人を正式に登録する本人情報正式登録処理が完了する。
【0071】
図11は、本発明の実施例1に係る現金自動取引システムにおけるカードレス取引処理の遷移図である。図11では、正式登録完了後のカードレス取引処理について説明する。
【0072】
図11において、携帯電話端末210は、カードレス取引用2次元バーコードを画面上に表示する。この際、現金自動取引装置120では、カードレス取引が選択される。この後、現金自動取引装置120は、バーコード読み取り機能により、携帯電話端末210に表示されたカードレス取引用2次元バーコードの情報を読み取る(A1)。現金自動取引装置120は、読み取ったカードレス取引用2次元バーコードを復号化し、カードレス取引用2次元バーコードから、本人顔認証データ、口座情報、有効期限(キャッシュカードの有効期限)を取得する。現金自動取引装置120は、取得した有効期限が期限内であるかを確認し、本人顔認証データから得られた顔画像と、顔画像撮影機能により、本人(携帯電話端末210を保持する人)の顔画像を撮影して得られて顔画像とを比較し、両者の顔画像が一致するかを確認する処理(第4顔認証処理)を実行する。
【0073】
現金自動取引装置120は、両者の顔画像が一致し、本人であることを確認した場合、対象口座に対する暗唱番号が入力されたことを条件に、勘定系システム310に対して、対象口座に関する取引を依頼する(A2)。この後、現金自動取引装置120は、対象口座に関する処理結果を勘定系システム310から受信し(A3)、対象口座に関する取引の処理を完了する。これにより、対象口座に関する取引の処理を完了する。
【0074】
本実施例によれば、顔認証処理を含む多段階の処理の完了を条件に現金の自動取引を行うことができ、結果として、現金の自動取引に対するセキュリティ対策の向上及びお客様の利便性の向上を図ることができる。すなわち、カメラ機能を備えた携帯電話端末を保持する人は、本人の情報を事前登録した後は、現金自動取引装置でキャッシュカードを使用することなく、携帯電話端末が、現金自動取引装置及び金融機関センタと情報の送受信を行い、顔認証処理を含む複数の処理が完了したことを条件に、現金の自動取引を行うことができる。
【0075】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、カードレス取引/本人確認管理サーバ320と勘定系システム310とを一体化してサーバとして構成することもできる。前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。
【0076】
また、前述した各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0077】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)の記録媒体に格納することができる。
【符号の説明】
【0078】
100・・・金融機関店舗、110・・・ルータ、120・・・現金自動取引装置、130・・・本人確認制御装置、140・・・本人確認装置、150・・・カードリーダ、200・・・お客様所有品、210・・・携帯電話端末、220・・・キャッシュカード、300・・・金融機関センタ、310・・・勘定系システム、320・・・カードレス取引/本人確認管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11