(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】炭酸飲料の製造設備および製造方法
(51)【国際特許分類】
B01F 23/236 20220101AFI20241025BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20241025BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20241025BHJP
B67D 1/04 20060101ALN20241025BHJP
【FI】
B01F23/236
A23L2/00 T
B01F21/00
B67D1/04 D
(21)【出願番号】P 2021127446
(22)【出願日】2021-08-03
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】中原 一暢
(72)【発明者】
【氏名】徳永 慎一
【審査官】瀧澤 佳世
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-141771(JP,A)
【文献】特開平02-307517(JP,A)
【文献】特開平06-292823(JP,A)
【文献】特開2015-147184(JP,A)
【文献】特開2015-188791(JP,A)
【文献】特開2016-141444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 23/236
B01F 21/00
A23L 2/00
B67D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料水と原料シロップとの混合液を生成するとともに、生成される前記混合液を蓄える混合液タンクを備えるブレンダと、
前記混合液タンクから供給される前記混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液を生成するとともに、生成される前記製品液を蓄える、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクを備えるカーボネータと、
前記カーボネータの運転時において前記製品液タンクから排出される前記炭酸ガスを常に前記混合液タンクに向けて供給するガス送給路と、を備え、
前記ブレンダは、
シロップ供給源から供給される前記原料シロップを蓄えるシロップタンクと、
原料水供給源から供給される前記原料水を蓄える水タンクと、
前記シロップタンクからの前記原料シロップおよび前記水タンクからの前記原料水を前記混合液タンクに供給する液配管と、を備え、
前記ガス送給路は、
前記シロップタンクと前記水タンクのそれぞれに前記炭酸ガスを供給する、
炭酸飲料の製造設備。
【請求項2】
前記ガス送給路は、
前記シロップタンクと前記水タンクのそれぞれに供給された前記炭酸ガスが前記シロップタンクと前記水タンクを経由して前記混合液タンクに至る、
請求項1に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項3】
前記ガス送給路は、
前記シロップタンクおよび前記水タンクよりも上流側に、前記製品液タンクから排出される前記炭酸ガスの圧力を低減する圧力調整機を備える、
請求項2に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項4】
前記圧力調整機は、
単一種または複数種のレギュレータを含む、
請求項3に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項5】
前記圧力調整機は、
圧力調整弁および圧力センサを含む、
請求項3に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項6】
前記ブレンダは、
前記混合液タンクに接続され、前記混合液タンクの内部の前記炭酸ガスを常に排出する第1ガス排出路を備える、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項7】
前記カーボネータは、
前記製品液タンクに接続され、前記製品液タンクの内部の前記炭酸ガスをその濃度に応じて排出する第2ガス排出路を備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項8】
前記ガス送給路は、
前記第2ガス排出路で排出される前記炭酸ガスを除いて、
前記製品液タンクから排出される前記炭酸ガスの全てを前記混合液タンクに向けて供給する、
請求項
7に記載の炭酸飲料の製造設備。
【請求項9】
原料水と原料シロップを混合して生成される混合液を混合液タンクに蓄える第1ステップと、
前記混合液に炭酸ガスを溶解させて生成される製品液を、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクに蓄える第2ステップと、を備え、
前記第2ステップにおいて前記製品液タンクから排出される前記炭酸ガスを常にシロップ供給源から供給される原料シロップを蓄えるシロップタンクと、原料水供給源から供給される原料水を蓄える水タンクに供給し、かつ、
前記シロップタンクと前記水タンクのそれぞれに供給された前記炭酸ガスが前記シロップタンクと前記水タンクを経由して前記混合液タンクに至る、
炭酸飲料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、原料である水とシロップとの混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液である炭酸飲料を製造する設備に関する。
【背景技術】
【0002】
水とシロップを原料とする飲料の一例である炭酸飲料は、通常、水とシロップを混合し、さらに炭酸ガスを溶解させることによって製造される。
炭酸飲料の製造設備は、水とシロップを所定の混合比で混合するブレンダと、ブレンダにより得られた混合液に所定量の炭酸ガスを溶解させて製品液を得るカーボネータと、炭酸ガスが溶解された製品液を容器に充填するフィラと、を少なくとも備えている。炭酸飲料の製造設備は、水とシロップを混合してから、容器に製品液を充填する工程が連続的に行われる。なお、本開示において、ブレンダにより水とシロップが混合された液を混合液といい、混合液に炭酸ガスを溶解させた液を製品液ということにする。炭酸ガスの化学名は二酸化炭素(CO2)である。
【0003】
炭酸飲料の製造設備において、シロップの濃度および炭酸の濃度をモニタリングすることが行われている。特許文献1は、モニタリングの結果、シロップの濃度が規定範囲から外れた製品液を再利用することを提案する。特許文献1によれば、シロップの濃度が規定範囲から外れた製品液を廃棄しないで製品に再利用することができるので、飲料製造のコストを低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製品液の再利用に限らず、飲料製造のコスト低減は、特に近時において強く要求されることである。
そこで、本開示は、炭酸ガスの使用量を低減することを通じ、炭酸飲料の製造コストを低減できるとともに環境負荷を低減できる炭酸飲料の製造設備および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る炭酸飲料の製造設備は、原料水と原料シロップとの混合液を生成するとともに、生成される混合液を蓄える混合液タンクを備えるブレンダと、混合液タンクから供給される混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液を生成するとともに、生成される製品液を蓄える、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクを備えるカーボネータと、カーボネータの運転時において製品液タンクから排出される炭酸ガスを常に混合液タンクに向けて供給するガス送給路と、を備える。
【0007】
本開示に係る炭酸飲料の製造方法は、原料水と原料シロップとの混合液を生成するとともに、生成される混合液を混合液タンクに蓄える第1ステップと、混合液タンクから供給される混合液に炭酸ガスを溶解させて製品液を生成するとともに、生成される製品液を、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンクに蓄える第2ステップと、を備え、第2ステップにおいて製品液タンクから排出される炭酸ガスを常に混合液タンクに供給する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、炭酸ガスの使用量を低減することを通じ、炭酸飲料の製造コストを低減できるとともに環境負荷を低減できる炭酸飲料の製造設備および製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】定常製造モードを行っている
図1の製造設備を示す図である。
【
図3】ガスパージモードを行っている
図1の製造設備を示す図である。
【
図4】定置洗浄モードを行っている
図1の製造設備を示す図である。
【
図5】本開示の他の実施形態に係る炭酸飲料の製造設備の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】定置洗浄を行っている
図5の製造設備を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す炭酸飲料の製造設備1は、炭酸ガス(CO
2)を含有する炭酸飲料、例えば、炭酸水や、サイダー、コーラ等を製造するラインを構成している。このラインは製造設備1の上流側および下流側に種々の設備が設けられる。
以下では、水およびシロップを原料に用いて、炭酸ガスが溶解された炭酸飲料を製造するための製造設備1を説明する。製造設備1は、炭酸飲料を製造するにあたって炭酸ガスの使用量を低く抑えることができる。
【0011】
〔炭酸飲料の製造設備1:
図1〕
炭酸飲料の製造設備1は、
図1に示すように、原料の一方である水(原料水)と原料の他方であるシロップ(原料シロップ)とを混ぜて混合液を生成するブレンダ(blender)10、ブレンダ10で生成される混合液に炭酸ガスを圧入して溶解させるカーボネータ(carbonator)20と、カーボネータ20で生成される製品液としての炭酸飲料を容器に充填するフィラ30(filler)と、を備える。また、製造設備1は、ブレンダ10、カーボネータ20およびフィラ30の動作を制御するコントローラ50を備える。なお、
図1は製造設備1の説明に必要な最小限の要素のみを示しており、現実の製造設備1には
図1に記載されていない種々のバルブ、圧力計や流量計等を備えることができる。以下、ブレンダ10、カーボネータ20およびフィラ30の順にその構成を説明する。コントローラ50については、ブレンダ10~フィラ30の説明の過程で、本実施形態に特徴的な制御について言及する。
【0012】
[ブレンダ10:
図1]
ブレンダ10は、
図1に示すように、調合された原料シロップRSを蓄えるシロップ供給源11と、精製処理された原料水RWを蓄える原料水供給源13と、を備える。シロップ供給源11は液配管LT1でシロップタンク12と接続され、原料シロップRSはシロップ供給源11から液配管LT1を介してシロップタンク12に供給され、シロップタンク12に蓄えられる。原料水供給源13は液配管LT2で水タンク14と接続され、原料水RWは原料水供給源13から液配管LT2を介して水タンク14に供給され、水タンク14に蓄えられる。
なお、原料水供給源13と水タンク14の間に液配管LT2において、原料水RWから脱気するためのデェアレータ(deaerator)を設けることができる。デェアレータは、原料水RWに溶解している酸素ガスや窒素ガス等を取り除く。デェアレータは、脱気用の炭酸ガスを使用して、ヘンリーの法則より分圧と溶解度に基づいて、原料水RWに溶解している酸素ガスなどを離脱させる。
【0013】
本実施形態において、原料シロップ、原料水などが流れる向きに基づいて上流および下流が特定される。例えば、シロップ供給源11はシロップタンク12の上流に位置し、水タンク14は原料水供給源13の下流に位置する。なお、上流および下流は相対的に特定される。
【0014】
ブレンダ10は、
図1に示すように、シロップタンク12から供給される原料シロップRSと水タンク14から供給される原料水RWとを混合する混合液タンク16を備える。シロップタンク12の下方に接続される液配管LT3と水タンク14の下方に接続される液配管LT4とが合流する液配管LT5が混合液タンク16に接続されることにより、原料シロップRSと原料水RWが混合液タンク16の内部で混合されることで混合液MLが生成され、混合液タンク16の内部に蓄えられる。液配管LT3には絞り弁17が設けられ、また、液配管LT4には絞り弁18が設けられる。絞り弁17および絞り弁18の絞りの程度を調整することにより、液配管LT3を流れる原料シロップRSの流量および液配管LT4を流れる原料水RWの流量を調整し、混合液MLにおける原料シロップRSと原料水RWの混合比率が特定される。絞り弁17および絞り弁18の絞りの程度は、コントローラ50からの指令に基づく。
【0015】
ブレンダ10は、一例としてG.O.B(Gravity Orifice Blender)が採用され、原料シロップRSのシロップタンク12の内部の液位と原料水RWの水タンク14の内部の液位とがそれぞれ一定に制御される。シロップタンク12から絞り弁17を通じて所定の流量だけ払い出される原料シロップRSと水タンク14から絞り弁18を通じて所定の流量だけ払い出される原料水RWが混合液タンク16の内部で混合される。ただし、本開示においては、公知の他のブレンダを採用することを排除しない。
【0016】
図1に示すように、混合液MLをカーボネータ20に向けて供給する液配管LT6の一方端が、混合液タンク16の下方から引き出されている。液配管LT6の他方端はカーボネータ20の製品液タンク25の下方に接続されている。液配管LT6にはポンプP1が介在されており、混合液タンク16に蓄えられる混合液MLを吸引するとともに製品液タンク25に向けて送給する。ポンプP1の動作は、コントローラ50からの指令に基づく。
【0017】
ブレンダ10には、炭酸ガスの供給および排出に係る配管が配置されるが、カーボネータ20に配置されるガス配管GT1などとの関連が強いため、カーボネータ20の説明において言及する。なお、後に言及する
図2~
図4において、液体(Liquid)が流れる配管には「LT」が表記され、ガス(gas)が流れる配管には「GT」が表記される。
[カーボネータ20:
図1]
次に、カーボネータ20について、
図1を参照して説明する。
カーボネータ20は、炭酸ガス供給源21と、液配管LT6を介して混合液タンク16から供給される混合液MLに炭酸ガスを圧入、溶解して製品液PLを生成するカーボネートノズル23と、を備える。また、カーボネータ20は、カーボネートノズル23において生成される製品液PLが供給、貯留される製品液タンク25を備える。
【0018】
炭酸ガス供給源21は製品液タンク25とガス配管GT1で接続されており、一例として0.6~0.9MPaの範囲から選択される一定の圧力の炭酸ガスが供給される製品液タンク25の内部は炭酸ガス雰囲気とされる。ガス配管GT1には、炭酸ガス供給源21と製品液タンク25の間には圧力調整弁V1が設けられており、炭酸ガス供給源21から供給される炭酸ガスは圧力調整弁V1において、例えば0.2~0.5MPaの範囲から選択される一定の圧力に減圧されて製品液タンク25に供給される。これにより、製品液タンク25の内部に貯留される製品液PLは当該一定の圧力の炭酸ガスで加圧される。圧力調整弁V1は、コントローラ50により炭酸ガスを減圧する程度が制御される。
【0019】
製品液タンク25とカーボネートノズル23はガス配管GT2で接続されており、ガス配管GT1を介して製品液タンク25に供給される炭酸ガスの一部は、ガス配管GT2を通ってカーボネートノズル23に供給され、カーボネートノズル23において混合液MLに溶解され、製品液PLが生成される。生成された製品液PLは液配管LT6を通って製品液タンク25に供給される。
ルシャトリエの原理より、温度が低いほど混合液MLに炭酸ガスが溶解し易い。そのため、混合液MLへの炭酸ガスの注入に際して、図示を省略する冷却機により混合液MLを冷却してもよい。また、混合液MLを例えば加熱により殺菌する殺菌器を冷却機の前に設けてもよい。この冷却器、殺菌器はカーボネートノズル23よりも上流の液配管LT6に設けられる。
【0020】
カーボネートノズル23は、一例として、複数のノズルにそれぞれ流入した混合液MLに、炭酸ガス供給源21から各ノズルの内部に炭酸ガスを送り込んで圧入し、混合液MLに炭酸ガスを溶解させる。
【0021】
カーボネータ20は、製品液タンク25とフィラ30を接続する液配管LT7を備えている。液配管LT7には、上流側からポンプP2および流量調整弁V2が設けられており、コントローラ50からの指示にしたがって、製品液タンク25からフィラ30への製品液PLの供給量が調整される。
【0022】
製品液タンク25には、製品液タンク25に供給された炭酸ガスを排出させるガス配管GT3が接続されている。ガス配管GT3から分岐するガス配管GT4には安全弁V3が設けられている。ガス配管GT3とガス配管GT4は、本開示における第2ガス排出路の一例である。製品液タンク25の内部の炭酸ガスの圧力が予め定められた設定値以上になると、炭酸ガスの圧力を下げるために安全弁V3が開かれることで、製品液タンク25の内部の炭酸ガスを排出させて、製品液タンク25の内部の圧力を設定値未満に下げる。つまり、定常時には安全弁V3は閉じられ、ガス配管GT3,GT4を介した炭酸ガスの排出は行われない。なお、この炭酸ガスの排出のことをパージと称することがある。
【0023】
[カーボネータ20とブレンダ10の間の炭酸ガスの供給経路:
図1]
次に、
図1を参照して、カーボネータ20とブレンダ10の間の炭酸ガスの供給経路について説明する。
カーボネータ20とブレンダ10は、ガス配管GT3から分岐するガス配管GT5で接続されている。具体的には、ガス配管GT5は、一方端がガス配管GT3を介して製品液タンク25に接続されており、他方端がガス配管GT6とガス配管GT7に分岐しており、ガス配管GT6がシロップタンク12に接続され、ガス配管GT7が水タンク14に接続されている。これにより、シロップタンク12と水タンク14の内部は、所定圧力の炭酸ガスにより加圧される。
ここでは、ガス配管GT3からガス配管GT4とガス配管GT5が分岐することにしているが、ガス配管GT3を設けることなく、ガス配管GT4とガス配管GT5をそれぞれ独立して製品液タンク25に接続することもできる。
【0024】
ガス配管GT5には、ガス配管GT5を流れる炭酸ガスの圧力を低減する圧力調整機であるレギュレータ40が設けられる。レギュレータ40に向けてガス配管GT5を流れる炭酸ガスの圧力は前述したように0.2~0.5MPaの範囲から選択されるが、圧力制御を高い精度で行うことができるレギュレータ40において、例えば0.05MPaの一定圧に減圧されてから、シロップタンク12および水タンク14に供給される。この程度の減圧ができる限りレギュレータ40の形式は問われず、単一種の機器で必要な減圧を行うこともできるし、複数種の機器で必要な減圧を行うこともできる。二種類の機器を用いる場合、一例として、相対的に圧力設定範囲の大きい電空レギュレータを上流側に設け、相対的に圧力設定範囲の小さい手動による精密レギュレータを下流側に設けることができる。
【0025】
ブレンダ10のシロップタンク12と水タンク14にはそれぞれ、内部の炭酸ガスを排出させるガス配管GT8およびガス配管GT9の一方端が接続され、ガス配管GT8およびガス配管GT9の他方端はガス配管GT10の一方端に集約される。ガス配管GT10の他方端は混合液タンク16に接続されるので、シロップタンク12と水タンク14における炭酸ガスは混合液タンク16に供給される。
ここまで説明したガス配管GT3~ガス配管GT10は、本開示におけるガス送給路の一例に該当する。
【0026】
また、混合液タンク16にはガス配管GT11が接続されている。ガス配管GT11は、本開示における第1ガス排出路の一例に該当する。シロップタンク12および水タンク14の内部の炭酸ガスの圧力を一定に保つために、ブレンダ10が運転されている間は原則として常に、混合液タンク16、ガス配管GT6~ガス配管GT11を介して、シロップタンク12および水タンク14の内部の炭酸ガスをパージする。ここで、シロップタンク12、水タンク14および混合液タンク16に供給される炭酸ガスは、製品液タンク25に接続されるガス配管GT3から排出されるものである。したがって、シロップタンク12および水タンク14の内部の炭酸ガスのパージは、製品液タンク25からの炭酸ガスのパージと等価である。
【0027】
[フィラ30:
図1]
フィラ30は、カーボネータ20にて炭酸ガスが溶解された製品液PLを、ペットボトルなどの容器に充填する。フィラ30としては、一次的にタンクに貯えられた製品液を、連続的に供給される容器に充填する回転式の充填機を用いることができる。
【0028】
[製造設備1の運転:
図2,
図3,
図4]
次に、炭酸飲料の製造設備1の運転手順を説明する。
製造設備1は、定常製造モード(
図2)、製品液タンク25からのガスパージを伴うガスパージ製造モード(
図3)およびCIPを行う定置洗浄モード(
図4)の三つの運転モードを行うことができる。定常製造モードおよびガスパージ製造モードは、炭酸飲料の製造を担う。
定常製造モードは、製品液タンク25における炭酸ガスの圧力が設定値未満の場合に実行されるものである。
ガスパージ製造モードは、製品液タンク25における炭酸ガスの圧力が設定値以上になった時に実行されるものである。
洗浄運転モードは、定常またはガスパージのいずれかに関わらず、例えば所定時間の製造運転を経過した後に、製造設備1を洗浄するために行われる。
【0029】
[定常製造モード:
図2]
まず、
図2を参照して定常製造モードにおける液体および気体の流れについて説明する。なお、
図2において、液体または気体が流れている配管を実線で示し、そうでない配管を破線で示している。また、
図2において、液体が流れる向きを実線矢印で示し、気体が流れる向きを破線矢印で示す。次のガスパージ製造モードについても同様である。ここでいう液体とは原料シロップRS、原料水RW、混合液MLおよび製品液PLが該当し、気体とは炭酸ガスが該当する。
【0030】
[液体の流れ]
シロップ供給源11から供給されシロップタンク12に蓄えられている原料シロップRSが液配管LT3を通って混合液タンク16に、また、原料水供給源13から供給され水タンク14に蓄えられている原料水RWが液配管LT4を通って混合液タンク16に供給される。
混合液タンク16において、原料シロップRSと原料水RWが混合され、混合液MLが生成される。混合液MLは、絞り弁17で制御される原料シロップRSの流量および絞り弁18で制御される原料水RWの量に応じる、原料シロップRSと原料水RWの比率で生成される。混合液タンク16とポンプP1の間の液配管LT6に設けられる例えばブリックス計(図示省略)により計測される濃度を継続的に取得することにより、混合液MLのシロップ濃度を規定範囲に管理することができる。
【0031】
ブレンダ10において、シロップタンク12にはガス配管GT6および水タンク14にはガス配管GT7を介して炭酸ガスが供給され、内部が例えば0.05MPaの圧力の炭酸ガスが充填される。これにより、原料シロップRSおよび原料水RWがいずれ溶解される炭酸ガス以外の酸素、窒素などのガスとの接触が制限される。ガス配管GT10を介して炭酸ガスが供給される混合液タンク16も同様である。
【0032】
混合液MLは、ポンプP1の動力により液配管LT6を介して混合液タンク16から製品液タンク25に向けて送られる。その過程で、カーボネートノズル23において、ガス配管GT2から供給される炭酸ガスが混合液MLに溶解されることで生成される製品液PLが製品液タンク25に供給される。製品液タンク25に供給された製品液PLは、ポンプP2の動作により液配管LT7を介してフィラ30に供給され、図示を省略する容器への充填などの処理が行われる。
【0033】
[気体の流れ]
次に、炭酸ガス供給源21から製品液タンク25に供給された炭酸ガスの一部は製品液タンク25から排出され、ガス配管GT2を通ってカーボネートノズル23に供給される。これにより、カーボネートノズル23において混合液MLから製品液PLが生成される。
炭酸ガス供給源21から製品液タンク25に供給された炭酸ガスの他の一部はガス配管GT3およびガス配管GT5を介してブレンダ10に向けて供給される。この過程で、レギュレータ40を通過することで、炭酸ガスの圧力は下げられる。定常製造モードにおいて、安全弁V3が閉じられているため、炭酸ガスはガス配管GT4には流れない。
図1において安全弁V3が閉じられていることを黒塗りで示されている。なお、安全弁V3が閉いているときには白抜きで示される。
【0034】
レギュレータ40を通過した炭酸ガスは、ガス配管GT5、ガス配管GT6およびガス配管GT7を介して、シロップタンク12および水タンク14に供給される。シロップタンク12および水タンク14に供給された炭酸ガスは、ガス配管GT8、ガス配管GT9およびガス配管GT10を介して混合液タンク16に供給される。混合液タンク16に供給された炭酸ガスの一部は、ガス配管GT11を介してパージされる。この混合液タンク16における炭酸ガスのパージは、製品液PLの製造中、常に行われる。
【0035】
炭酸ガスの圧力についてこれまで例示をしてきたが、以下にまとめて記載しておく。
炭酸ガス供給源21:0.6~0.9MPa
製品液タンク25:0.2~0.5MPa
ガス配管GT5(レギュレータ40以前):0.2~0.5MPa
ガス配管GT5(レギュレータ40以後),シロップタンク12,水タンク14,
混合液タンク16,ガス配管GT11:0.05MPa
【0036】
[ガスパージ製造モード:
図3]
次に、
図3を参照して、ガスパージ製造モードについて説明する。ただし、この説明は
図2で示した定常製造モードとの相違点に絞って説明する。
ガスパージ製造モードにおいて、製品液タンク25の内部の炭酸ガスの圧力が予め定められる設定値に達すると、製品液タンク25の内部の圧力を低減するために、安全弁V3を開く。そうすると、ガス配管GT3を通ってガス配管GT5だけを流れていた炭酸ガスが、ガス配管GT4にも流れ込む。安全弁V3が開かれているので、ガス配管GT4を流れてきた炭酸ガスは外気に放出され、製品液タンク25の内部の圧力を低減する。
【0037】
[定置洗浄モード:
図4]
次に、
図4を参照して、洗浄運転モードについて説明する。
製品液PLを無菌状態で充填する設備は、例えば容器に充填する飲料の種類を切り替えるか又は定期的に、設備内の飲料、炭酸ガスが流れる経路を構成する配管類、タンク類を洗浄して、付着した汚れを除去する。したがって、このモードにおいては、炭酸飲料の製造は停止されている。この洗浄は、CIP(cleaning in place:定置洗浄)と称され、配管系内に洗浄液を循環させることにより行われる。製造設備1は、レギュレータ40を避けて定置洗浄を行う。具体的には、ブレンダ10の側から洗浄液CLを供給してカーボネータ20、フィラ30には洗浄液CLを行きわたるようにするが、レギュレータ40への洗浄液CLの供給は行わない。また、ブレンダ10に属するガス配管GT5などは、洗浄エアCAで洗浄される。以下、より具体的に洗浄運転モードにおける洗浄液CLおよび洗浄エアCAの流れを、
図4を参照して説明する。
【0038】
[洗浄液CL]
はじめに、洗浄液CLについて説明する。なお、洗浄液CLは、ブレンダ10、カーボネータ20およびフィラ30の順番で流れる。また、
図4において、洗浄液CLは破線矢印の向きで流れる。
ブレンダ10において、シロップ供給源11について原料シロップRSに替えて洗浄液CLが充填され、原料水供給源13に原料水RWに替えて洗浄液CLが充填される。シロップ供給源11に充填された洗浄液CLは液配管LT1を通ってシロップタンク12に供給され、原料水供給源13に充填された洗浄液CLは液配管LT2を通って水タンク14に供給される。ここまでで、シロップ供給源11、シロップタンク12、原料水供給源13、水タンク14、液配管LT1および液配管LT2が定置洗浄される。
【0039】
次に、シロップタンク12に充填された洗浄液CLは液配管LT3および液配管LT5を通って混合液タンク16に供給される。また、水タンク14に充填された洗浄液CLは液配管LT4および液配管LT5を通って混合液タンク16に供給される。
混合液タンク16に充填された洗浄液CLは、ポンプP1の動作により、ポンプP1およびカーボネートノズル23を含めた液配管LT6を通って製品液タンク25に向けて供給される。ここまでで、混合液タンク16、ポンプP1、カーボネートノズル23および液配管LT6が定置洗浄される。
【0040】
製品液タンク25に供給された洗浄液CLは、三つの経路に向けて流れる。
一つ目の経路は、ガス配管GT2に供給された洗浄液CLはカーボネートノズル23を通って製品液タンク25に戻る循環経路である。二つ目の経路は、ガス配管GT3およびガス配管GT4を通って経路外に洗浄液CLが排出されるのに加えて、ガス配管GT3およびガス配管GT5を通って経路外に排出される経路である。三つ目の経路は、流量調整弁V2を含む液配管LT7を通ってフィラ30に洗浄液CLが供給される経路である。フィラ30に供給された洗浄液CLは系外に排出される。
ここまでで、製品液タンク25、ポンプP2、流量調整弁V2、フィラ30、ガス配管GT2,GT3,GT4,GT5および液配管LT7の洗浄が行われる。
【0041】
[洗浄エアCA]
次に、洗浄エアCAの流れについて
図4を参照して説明する。洗浄エアCAはブレンダ10だけを洗浄対象としており、
図4において実線の矢印で示されている。
洗浄エアCAは、レギュレータ40よりも下流においてガス配管GT5に供給される。供給された洗浄エアCAは、ガス配管GT6を通ってシロップタンク12に供給されるとともに、ガス配管GT7を通って水タンク14に供給される。シロップタンク12および水タンク14に供給された洗浄エアCAは、ガス配管GT8、ガス配管GT9およびガス配管GT10を通って混合液タンク16に供給され、ガス配管GT11から系外に排出される。
以上の通りであり、洗浄エアCAによって、ガス配管GT5,GT6,GT7,GT8,GT9,GT10,GT11が洗浄エアCAにより洗浄される。
【0042】
洗浄液CLによる洗浄および洗浄エアCAによる洗浄は同時並行的に行うこともできるし、洗浄液CLによる洗浄と洗浄エアCAによる洗浄とを時間をずらして個別に行うこともできる。
また、定置洗浄が終わった後に、当該供給経路について、SIP(Sterilization in Place:定置殺菌)を行うこともできる。
【0043】
[製造設備1の効果]
以上説明した製造設備1によれば、以下の効果を奏する。
製造設備1によれば、炭酸ガス供給源21から製品液タンク25に供給される炭酸ガスの一部が、製品液タンク25からブレンダ10のシロップタンク12に供給されることにより、以下説明するように、炭酸ガスの使用量を低減できる。
製品液タンク25における炭酸ガスは、カーボネートノズル23において混合液MLに溶解され製品液PLを生成するのに用いられるとともに、生成された製品液PLに圧力を加えることから、その濃度が一定であることが要求される。しかし、種々の要因により、炭酸ガスの濃度が変動することがあるため、炭酸ガスの濃度を一定に保つために、新たな炭酸ガスを炭酸ガス供給源21から補給するとともに製品液タンク25の内部の炭酸ガスをパージする。このパージは、カーボネータ20が運転されている期間にわたって常に行われることが好ましく、製品液タンク25からパージされる炭酸ガスの量は決して少なくない。
【0044】
そこで、製造設備1は、製品液タンク25からパージされる炭酸ガスを、ブレンダ10において利用し、シロップタンク12、水タンク14および混合液タンク16に炭酸ガス雰囲気を形成する。シロップタンク12、水タンク14および混合液タンク16に炭酸ガス雰囲気を形成するのは、ブレンダ10を稼働している期間にわたって、シロップタンク12、水タンク14および混合液タンク16に炭酸ガス雰囲気を形成する必要があるので、必要な炭酸ガスの量は決して少なくない。しかし、製造設備1によれば、炭酸ガスの濃度を一定に保つために製品液タンク25からパージされる炭酸ガスを、ブレンダ10に必要な炭酸ガス雰囲気の形成に用いるので、炭酸ガス雰囲気を形成するために新たな炭酸ガスを導入する必要がない。よって、製造設備1によれば、炭酸ガスの使用量を低減できる。これにより、製品コストを低減できるとともに環境負荷を低減できる。
【0045】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る炭酸飲料の製造設備3について、
図5を参照して説明する。
第2実施形態に係る製造設備3は、カーボネータ20とブレンダ10を接続するガス配管GT5に設けられる圧力調整機を、第1実施形態のレギュレータ40とは異なり、ガス流量調整弁V4で構成する。つまり、
図5に示すように、ガス流量調整弁V4をガス配管GT5に設けるとともに、ガス流量調整弁V4よりも下流側に圧力センサ43を設ける。圧力センサ43はガス配管GT5を流れる炭酸ガスの圧力を検出し、検出される圧力に基づいてガス流量調整弁V4の開度を調整することにより、シロップタンク12および水タンク14に供給される炭酸ガスの圧力を例えば0.05MPaに制御する。
【0046】
ガス流量調整弁V4および圧力センサ43は、洗浄液CLで洗浄できる。したがって、
図6に示すように、第1実施形態では洗浄されなかったレギュレータ40およびガス配管GT5の一部、さらには、洗浄エアCAによる洗浄の対象であった部分が、洗浄液CLによる洗浄の対象となる。なお、第1実施形態においては、レギュレータ40の定置洗浄は避けられている。
【0047】
[製造設備3が奏する効果]
製造設備3のガス流量調整弁V4および圧力センサ43は、洗浄液CLによる洗浄が可能である。したがって、製造設備3は、その全体を洗浄液CLにより洗浄できるので、より洗浄の完全性を担保できる。また、製造設備3によれば、洗浄エアCAの供給に必要な要素を備える必要がなく、洗浄液CLによる洗浄に必要な要素を備えれば足りるので、洗浄に要する構造を簡素化できる。
【0048】
[付記]
本開示の第1形態に係る炭酸飲料の製造設備は、原料水(RW)と原料シロップ(RS)との混合液を生成するとともに、生成される混合液(ML)を蓄える混合液タンク(16)を備えるブレンダ(10)と、混合液タンクから供給される混合液(ML)に炭酸ガスを溶解させて製品液(PL)を生成するとともに、生成される製品液を蓄える、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンク(25)を備えるカーボネータ(20)と、カーボネータ(20)の運転時において製品液タンク(25)から排出される炭酸ガスを常に混合液タンク(16)に向けて供給するガス送給路(GT3~GT10)と、を備える。
第1形態に係る製造設備によれば、炭酸ガスの使用量を低減することを通じ、炭酸飲料の製造コストを低減できる。
【0049】
本開示の第2形態に係るブレンダ(10)は、好ましくは、シロップ供給源(11)から供給される原料シロップ(RS)を蓄えるシロップタンク(12)と、原料水供給源(13)から供給される原料水(RW)を蓄える水タンク(14)と、シロップタンク(12)からの原料シロップ(RS)および水タンク(14)からの原料水(RW)を混合液タンク(16)に供給する液配管(LT3~LT5)と、を備え、ガス送給路(GT3~GT10)は、シロップタンク(12)と水タンク(14)を経由して混合液タンク(16)に至る。
第2形態に係る製造設備によれば、混合液タンク(16)のみならず、シロップタンク(12)および水タンク(14)にも炭酸ガスを供給できるので、炭酸ガスの使用量低減をさらに図ることができる。
【0050】
本開示の第3形態に係るガス送給路(GT5~GT10)は、好ましくは、シロップタンク(12)および水タンク(14)よりも上流側に、製品液タンク(25)から排出される炭酸ガスの圧力を低減する圧力調整機(40,V4)を備える。
第3形態に係る製造設備によれば、混合液タンク(16)、さらにはシロップタンク(12)および水タンク(14)に適切な圧力で炭酸ガスを供給できる。
【0051】
本開示の第4形態に係る圧力調整機(40,V4)は、好ましくは、単一種または複数種のレギュレータ(40)を含む。
第4形態に係る製造設備によれば、混合液タンク(16)、さらにはシロップタンク(12)および水タンク(14)に供給される炭酸ガスの圧力を精度よく制御できる。
【0052】
本開示の第5形態に係る圧力調整機(40,V4)は、好ましくは、圧力調整弁(V4)および圧力センサ(43)を含む。
第5形態に係る製造設備によれば、圧力調整弁(V4)および圧力センサ(43)についても定置洗浄の対象にできる。
【0053】
本開示の第6形態に係るブレンダ(10)は、好ましくは、混合液タンク(16)に接続され、混合液タンク(16)の内部の炭酸ガスを常に排出する第1ガス排出路(GT11)を備える。
第6形態に係る製造設備によれば、混合液タンク(16)、さらにはシロップタンク(12)および水タンク(14)における炭酸ガスの圧力を維持できる。
【0054】
本開示の第7形態に係るカーボネータ(20)は、好ましくは、記製品液タンク(25)に接続され、製品液タンク(25)の内部の炭酸ガスをその濃度に応じて排出する第2ガス排出路(GT3,4)を備える。
第7形態に係る製造設備によれば、製品液タンク(25)において、異常な炭酸ガスの圧力が生ずるのを避けることができる。
【0055】
本開示の第8形態に係るガス送給路(GT3~GT10)は、ガス排出路(GT3,4)で排出される炭酸ガスを除いて、製品液タンク(25)から排出される炭酸ガスの全てを混合液タンク(16)に向けて供給する。
第8形態に係る製造設備によれば、廃棄する炭酸ガスの量を制限することによって、炭酸飲料の製造コストを低減できる。
【0056】
本開示の第9形態に係る炭酸飲料の製造方法は、原料水(RW)と原料シロップ(RS)を混合して生成される混合液(ML)を混合液タンク(16)に蓄える第1ステップと、混合液(ML)に炭酸ガスを溶解させて生成される製品液(PL)を、炭酸ガス雰囲気とされる製品液タンク(25)に蓄える第2ステップと、第2ステップにおいて製品液タンク(25)から排出される炭酸ガスを常に混合液タンク(16)に供給する。
第9形態に係る製造方法によれば、炭酸ガスの使用量を低減することを通じ、炭酸飲料の製造コストを低減できる。
【0057】
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1,3 製造設備
10 ブレンダ
11 シロップ供給源
12 シロップタンク
13 原料水供給源
14 水タンク
16 混合液タンク
17,18 絞り弁
20 カーボネータ
21 炭酸ガス供給源
23 カーボネートノズル
25 製品液タンク
30 フィラ
40 レギュレータ
50 コントローラ
V1,V4 圧力調整弁
V2 流量調整弁
V3 安全弁
P1,P2 ポンプ
GT1,GT2,GT3,GT4,GT5,GT6 ガス配管
GT7,GT8,GT9,GT10,GT11 ガス配管
LT1,LT2,LT3,LT4,LT5,LT6,LT7 液配管
RS 原料シロップ
RW 原料水
ML 混合液
PL 製品液
CA 洗浄エア
CL 洗浄液