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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241025BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241025BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20241025BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20241025BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/30 349B
G09F9/30 365
H10K59/123
H10K59/131
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021563681
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2020109999
(87)【国際公開番号】W WO2021082648
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】201911038817.7
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】徐 攀
(72)【発明者】
【氏名】李 永▲謙▼
(72)【発明者】
【氏名】王 国英
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 大成
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 晨
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲ラン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 星
(72)【発明者】
【氏名】王 玲
(72)【発明者】
【氏名】林 奕呈
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 影
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-179248(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131369(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151120(US,A1)
【文献】特表2021-523512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G09G 3/00 - 3/38
H10K 59/00 - 59/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
基板と、前記基板に設置される複数のサブ画素とを備え、各サブ画素は発光領域及び非発光領域を備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、前記駆動回路は蓄電コンデンサ及び複数のトランジスタを備え、前記複数のトランジスタはスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びセンストランジスタを含み、
各サブ画素に対して、前記複数のトランジスタは非発光領域に位置し、前記蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、且つ前記蓄電コンデンサの前記基板での正投影と前記発光領域は重複領域が存在し、前記蓄電コンデンサの第1電極は前記複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、且つ前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と異なる層に設置され、前記蓄電コンデンサの第2電極は前記蓄電コンデンサの第1電極の前記基板に近接する側に位置し、
前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第1極は前記センストランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される、表示基板。
【請求項2】
各サブ画素に対して、各トランジスタの活性層はチャネル領域、第1導電領域及び第2導電領域を備え、
前記第1導電領域及び前記第2導電領域はそれぞれ対応のチャネル領域の両側に設置され、前記複数のトランジスタのうちの各トランジスタの第2極は前記第1導電領域に接続され、前記複数のトランジスタのうちの各トランジスタの第1極は前記第2導電領域に接続され、
前記駆動トランジスタの第2導電領域は前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第2導電領域は前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記表示基板は、前記複数のトランジスタの活性層の前記基板に近接する側に設置される緩衝層を更に備え、前記緩衝層は前記蓄電コンデンサの第2電極を露出させる第1ビア及び第2ビアを備え、
前記駆動トランジスタの第2導電領域は前記第1ビアによって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第2導電領域は前記第2ビアによって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記駆動トランジスタは、前記緩衝層の前記基板に近接する側に設置される遮光層を更に備え、
前記蓄電コンデンサの第2電極は前記緩衝層の前記基板に近接する側に設置され、前記第2電極の前記基板での正投影は前記遮光層の前記基板での正投影を被覆し、前記遮光層は前記第2電極に近接する表面が前記第2電極に完全に接触し、
前記遮光層は前記蓄電コンデンサの第2電極の前記基板に近接する側に設置され、又は、前記蓄電コンデンサの第2電極は前記遮光層の前記基板に近接する側に設置される、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記表示基板は、前記基板に設置される複数行のゲート線及び複数列のデータ線を更に備え、各サブ画素の位置ゲート線とデータ線が交差して制限され、前記複数のサブ画素はそれぞれ前記複数行のゲート線及び前記複数列のデータ線に1対1で対応し、前記複数行のゲート線は第1ゲート線及び第2ゲート線を含み、
前記第1ゲート線及び前記第2ゲート線は前記複数のトランジスタのゲート電極と同一層に設置され、前記複数列のデータ線は前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と同一層に設置される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
各サブ画素に対して、前記蓄電コンデンサの第1電極はそれぞれ前記スイッチングトランジスタの第1極及び前記駆動トランジスタのゲート電極に接続され、
前記スイッチングトランジスタのゲート電極はサブ画素に対応するゲート線のうちの第1ゲート線に接続され、前記スイッチングトランジスタの第2極はサブ画素に対応するデータ線に接続され、前記センストランジスタのゲート電極はサブ画素に対応するゲート線のうちの第2ゲート線に接続される、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
各サブ画素に対して、前記非発光領域は第1非発光領域及び第2非発光領域を含み、前記第1非発光領域及び前記第2非発光領域は前記発光領域の両側に位置し、且つ前記複数列のデータ線の延在方向に沿って設置され、
前記センストランジスタ及び前記第2ゲート線はいずれも前記第1非発光領域に位置し、前記スイッチングトランジスタ、前記駆動トランジスタ及び前記第1ゲート線はいずれも前記第2非発光領域に位置する、請求項6に記載の表示基板。
【請求項8】
前記表示基板は、前記複数列のデータ線と同一層に設置される電源コード及びセンス線を更に備え、各画素は前記複数行のゲート線の延在方向に沿って設置される4つのサブ画素を備え、各画素は2列の電源コード及び1列のセンス線に対応し、
各画素に対して、画素に対応するセンス線は第2サブ画素と第3サブ画素との間に位置し、画素に対応する1列の電源コードは第1サブ画素の前記第2サブ画素から離れる側に位置し、画素に対応するもう1列の電源コードは第4サブ画素の前記第3サブ画素から離れる側に位置し、
前記第1サブ画素に対応するデータ線は前記第1サブ画素の前記第2サブ画素に近接する側に位置し、前記第2サブ画素に対応するデータ線は前記第2サブ画素の前記第1サブ画素に近接する側に位置し、前記第3サブ画素に対応するデータ線は前記第3サブ画素の前記第4サブ画素に近接する側に位置し、前記第4サブ画素に対応するデータ線は前記第4サブ画素の前記第3サブ画素に近接する側に位置し、
前記表示基板は、前記複数のトランジスタのゲート電極と同一層に設置される電源接続線と、遮光層と同一層に設置されるセンス接続線とを更に備え、各画素はゲート線の延在方向に沿って設置される2つの電源接続線及びゲート線の延在方向に沿って設置される2つのセンス接続線に対応し、電源接続線はそれぞれ電源コードに対応し、前記電源接続線は対応の電源コードに接続され、2つのセンス接続線はセンス線に接続され、
前記第2サブ画素の駆動トランジスタの第2極は一方の電源接続線に接続され、
前記第3サブ画素の駆動トランジスタの第2極は他方の電源接続線に接続され、
前記第1サブ画素のセンストランジスタの第2極はセンストランジスタの活性層によって一方のセンス接続線に接続され、
前記第4サブ画素のセンストランジスタの第2極はセンストランジスタの活性層によって他方のセンス接続線に接続される、請求項5に記載の表示基板。
【請求項9】
前記表示基板は、前記複数のトランジスタの活性層の前記基板に近接する側に設置される緩衝層を更に備え、前記緩衝層に第3ビアが更に設置され、前記第3ビアは前記センス接続線を露出させ、
各サブ画素に対して、各トランジスタの活性層はチャネル領域、第1導電領域及び第2導電領域を備え、前記第1導電領域及び前記第2導電領域はそれぞれ前記チャネル領域の両側に設置され、
前記センストランジスタの第1導電領域は前記第3ビアによって前記センス接続線に接続される、請求項8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記表示基板は、前記複数のトランジスタのゲート電極と前記複数のトランジスタの活性層との間に設置されるゲート絶縁層と、前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と前記複数のトランジスタの活性層との間に設置される層間絶縁層とを更に備え、
前記ゲート絶縁層の前記基板での正投影は前記複数のトランジスタのゲート電極の前記基板での正投影と重複する、請求項7に記載の表示基板。
【請求項11】
前記層間絶縁層にビアが設置され、前記ビアは前記第2非発光領域に位置し、前記ビアは前記駆動トランジスタのゲート電極及び前記蓄電コンデンサの第1電極を同時に露出させ、前記スイッチングトランジスタの第1極は前記ビアによって前記駆動トランジスタのゲート電極及び前記第1電極に接続される、請求項10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記蓄電コンデンサの第1電極の製造材料は導電領域の製造材料と同じであり、前記導電領域は前記第1導電領域又は前記第2導電領域を含み、
前記蓄電コンデンサの第1電極の製造材料は透明金属酸化物を含み、前記蓄電コンデンサの第2電極の製造材料は透明導電性材料を含む、請求項2に記載の表示基板。
【請求項13】
各サブ画素には発光素子及びサブ画素と色が同じである光学フィルタが更に設置され、前記発光素子は順に設置される陽極、有機発光層及び陰極を備え、前記陽極は前記センストランジスタの前記第1極に接続され、前記陽極は透過電極であり、前記陰極は反射電極であり、
前記発光素子の前記基板での正投影と前記発光領域は重複領域が存在し、前記光学フィルタは前記発光領域に位置し、且つ前記発光素子の前記基板に近接する側に設置され、前記陽極の前記基板での正投影は前記光学フィルタの前記基板での正投影を被覆する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項14】
前記表示基板は、前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極の前記基板から離れる側に設置される不活性化層及び平坦層を更に備え、前記表示基板は、前記複数のトランジスタの活性層の前記基板に近接する側に設置される緩衝層を更に備え、前記緩衝層は前記蓄電コンデンサの第2電極を露出させる第1ビア及び第2ビアを備え、
前記不活性化層は前記光学フィルタの前記基板に近接する側に設置され、前記平坦層は前記発光素子と前記光学フィルタとの間に設置され、前記不活性化層には前記センストランジスタの前記第1極を露出させる第4ビアが設置され、前記平坦層には前記第4ビアを露出させる第5ビアが設置され、
前記陽極は前記第4ビア及び前記第5ビアによって前記センストランジスタの前記第1極に接続され、
前記第5ビアの前記基板での正投影は前記第2ビアの前記基板での正投影と不完全に重複する、請求項13に記載の表示基板。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の表示基板を備える表示装置。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載の表示基板を製造することに用いられる表示基板の製造方法であって、
基板を提供することと、
前記基板に複数のサブ画素を形成し、各サブ画素は発光領域及び非発光領域を備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、前記駆動回路は蓄電コンデンサ及び複数のトランジスタを備え、前記複数のトランジスタはスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びセンストランジスタを含むことと、を含み、
各サブ画素に対して、前記複数のトランジスタは非発光領域に位置し、前記蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、且つ前記蓄電コンデンサの前記基板での正投影と前記発光領域は重複領域が存在し、前記蓄電コンデンサの第1電極は前記複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、且つ前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と異なる層に設置され、前記蓄電コンデンサの第2電極は前記蓄電コンデンサの第1電極の前記基板に近接する側に位置し、
前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第1極は前記センストランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される表示基板の製造方法。
【請求項17】
前記表示基板は更にゲート線、データ線、電源コード、センス線を備え、前記ゲート線は第1ゲート線及び第2ゲート線を含み、各サブ画素には発光素子及びサブ画素と色が同じである光学フィルタが更に設置され、前記基板に複数のサブ画素を形成するステップは、
前記基板に遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極を形成することと、
前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極に前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極を形成することと、
前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極に前記複数のトランジスタのゲート電極、前記第1ゲート線及び前記第2ゲート線を形成することと、
前記複数のトランジスタのゲート電極、前記第1ゲート線及び前記第2ゲート線に前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極を形成することと、
前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極に前記光学フィルタ及び前記発光素子を順に形成することと、を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基板に前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極を形成するステップは、
前記基板に前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極を順に形成し、又は、前記基板に前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を順に形成し、又は、前記基板に前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を同時に形成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基板に前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を同時に形成するステップは、
前記基板に遮光薄膜及び透明導電性薄膜を順に堆積することと、
ハーフトーンマスクを用いて前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を同時に形成することと、を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極に前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極を形成するステップは、
前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極には第1ビア、第2ビア及び第3ビアを備える緩衝層を形成し、前記第1ビア及び前記第2ビアが前記蓄電コンデンサの第2電極を露出させ、前記第3ビアがセンス接続線を露出させることと、
前記緩衝層において同じ製造プロセスにより前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極を形成することと、を含み、
前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極に前記光学フィルタ及び前記発光素子を順に形成するステップは、
前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極には第4ビアを備える不活性化層を形成し、前記第4ビアが前記センストランジスタの前記第1極を露出させることと、
前記不活性化層には前記光学フィルタと、第5ビアを備える平坦層とを順に形成することと、
前記平坦層に前記発光素子を形成することと、を含む請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、出願番号がPCT/CN2020/109999であり、出願日が2020年8月19日であるPCT国際出願の、日本国の国内段階への移行である。該PCT国際出願は、2019年10月29日に提出した中国特許出願第201911038817.7号、発明の名称「表示基板及びその製造方法、表示装置」の優先権を主張し、その内容が援用により本願に取り込まれる。
技術分野
本開示は表示技術分野に関し、具体的に表示基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Device、OLEDと略称)による表示は従来の液晶表示(Liquid Crystal Display、LCDと略称)と異なる表示技術であり、能動的に発光し、温度特性が良く、消費電力が少なく、速く応答でき、湾曲可能で、極めて軽薄で、コストが低いという利点を有し、既に次世代表示装置の重要な発見の1つとなって、ますます注目を集めている。
【0003】
OLED表示基板は、出光方向によってボトムエミッションOLED、トップエミッションOLED及び両面エミッションOLEDの3種類に分けられてもよい。ボトムエミッションOLEDとは、OLEDデバイスにおける光が基板方向に向かって射出されることを指す。しかしながら、ボトムエミッションOLED表示基板は、画素開口領域により制限されるため、各サブ画素の占有する面積が比較的大きく、更にボトムエミッションOLED表示基板における単位面積あたりの画素数(Pixels Per Inch、PPIと略称)が比較的少なくなり、高いPPIを実現することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は本開示の詳細な説明の主題の概説である。本概説は特許請求の範囲を制限するためのものではない。一態様では、本開示は表示基板を提供し、基板と、前記基板に設置される複数のサブ画素とを備え、各サブ画素は発光領域及び非発光領域を備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、前記駆動回路は蓄電コンデンサ及び複数のトランジスタを備え、前記複数のトランジスタはスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びセンストランジスタを含み、
各サブ画素に対して、前記複数のトランジスタは非発光領域に位置し、前記蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、且つ前記蓄電コンデンサの前記基板での正投影と前記発光領域は重複領域が存在し、前記蓄電コンデンサの第1電極は前記複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、且つ前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と異なる層に設置され、前記蓄電コンデンサの第2電極は前記蓄電コンデンサの第1電極の前記基板に近接する側に位置し、
前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第1極は前記センストランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される。
【0005】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素に対して、各トランジスタの活性層はチャネル領域、第1導電領域及び第2導電領域を備え、
前記第1導電領域及び前記第2導電領域はそれぞれ対応のチャネル領域の両側に設置され、前記複数のトランジスタのうちの各トランジスタの第2極は前記第1導電領域に接続され、前記複数のトランジスタのうちの各トランジスタの第1極は前記第2導電領域に接続され、
前記駆動トランジスタの第2導電領域は前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第2導電領域は前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される。
【0006】
1つの例示的な実施形態では、前記表示基板は、前記複数のトランジスタの活性層の前記基板に近接する側に設置される緩衝層を更に備え、前記緩衝層は前記蓄電コンデンサの第2電極を露出させる第1ビア及び第2ビアを備え、
前記駆動トランジスタの第2導電領域は前記第1ビアによって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第2導電領域は前記第2ビアによって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続される。
【0007】
1つの例示的な実施形態では、前記駆動トランジスタは、前記緩衝層の前記基板に近接する側に設置される遮光層を更に備え、
前記蓄電コンデンサの第2電極は前記緩衝層の前記基板に近接する側に設置され、前記蓄電コンデンサの第2電極の前記基板での正投影は前記遮光層の前記基板での正投影を被覆し、前記遮光層は前記蓄電コンデンサの第2電極に近接する表面が前記第2電極に完全に接触し、
前記遮光層は前記第2電極の前記基板に近接する側に設置され、又は、前記第2電極は前記遮光層の前記基板に近接する側に設置される。
【0008】
1つの例示的な実施形態では、前記表示基板は、前記基板に設置される複数行のゲート線及び複数列のデータ線を更に備え、各サブ画素はゲート線とデータ線が交差して制限され、前記複数のサブ画素はそれぞれ前記複数行のゲート線及び前記複数列のデータ線に1対1で対応し、前記複数行のゲート線は第1ゲート線及び第2ゲート線を含み、
前記第1ゲート線及び前記第2ゲート線は前記複数のトランジスタのゲート電極と同一層に設置され、前記複数列のデータ線は前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と同一層に設置される。
【0009】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素に対して、前記蓄電コンデンサの第1電極はそれぞれ前記スイッチングトランジスタの第1極及び前記駆動トランジスタのゲート電極に接続され、
前記スイッチングトランジスタのゲート電極はサブ画素に対応するゲート線のうちの第1ゲート線に接続され、前記スイッチングトランジスタの第2極はサブ画素に対応するデータ線に接続され、前記センストランジスタのゲート電極はサブ画素に対応するゲート線のうちの第2ゲート線に接続される。
【0010】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素に対して、前記非発光領域は第1非発光領域及び第2非発光領域を含み、前記第1非発光領域及び前記第2非発光領域は前記発光領域の両側に位置し、且つ前記複数列のデータ線の延在方向に沿って設置され、
前記センストランジスタ及び前記第2ゲート線はいずれも前記第1非発光領域に位置し、前記スイッチングトランジスタ、前記駆動トランジスタ及び前記第1ゲート線はいずれも前記第2非発光領域に位置する。
【0011】
1つの例示的な実施形態では、前記表示基板は、前記複数列のデータ線と同一層に設置される電源コード及びセンス線を更に備え、各画素は前記複数行のゲート線の延在方向に沿って設置される4つのサブ画素を備え、各画素は2列の電源コード及び1列のセンス線に対応し、
各画素に対して、画素に対応するセンス線は前記第2サブ画素と前記第3サブ画素との間に位置し、画素に対応する1列の電源コードは前記第1サブ画素の前記第2サブ画素から離れる側に位置し、画素に対応するもう1列の電源コードは前記第4サブ画素の前記第3サブ画素から離れる側に位置し、
前記第1サブ画素に対応するデータ線は前記第1サブ画素の前記第2サブ画素に近接する側に位置し、前記第2サブ画素に対応するデータ線は前記第2サブ画素の前記第1サブ画素に近接する側に位置し、前記第3サブ画素に対応するデータ線は前記第3サブ画素の前記第4サブ画素に近接する側に位置し、前記第4サブ画素に対応するデータ線は前記第4サブ画素の前記第3サブ画素に近接する側に位置し、
前記表示基板は、前記複数のトランジスタのゲート電極と同一層に設置される電源接続線と、遮光層と同一層に設置されるセンス接続線とを更に備え、各画素はゲート線の延在方向に沿って設置される2つの電源接続線及びゲート線の延在方向に沿って設置される2つのセンス接続線に対応し、電源接続線はそれぞれ電源コードに対応し、前記電源接続線は対応の電源コードに接続され、2つのセンス接続線はセンス線に接続され、
前記第2サブ画素の駆動トランジスタの第2極は一方の電源接続線に接続され、
前記第3サブ画素の駆動トランジスタの第2極は他方の電源接続線に接続され、
前記第1サブ画素のセンストランジスタの第2極はセンストランジスタの活性層によって一方のセンス接続線に接続され、
前記第4サブ画素のセンストランジスタの第2極はセンストランジスタの活性層によって他方のセンス接続線に接続される。
【0012】
1つの例示的な実施形態では、前記緩衝層に第3ビアが更に設置され、前記第3ビアは前記センス接続線を露出させ、
前記センストランジスタの第1導電領域は前記第3ビアによって前記センス接続線に接続される。
【0013】
1つの例示的な実施形態では、前記表示基板は、前記複数のトランジスタのゲート電極と前記複数のトランジスタの活性層との間に設置されるゲート絶縁層と、前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と前記複数のトランジスタの活性層との間に設置される層間絶縁層とを更に備え、
前記ゲート絶縁層の前記基板での正投影は前記複数のトランジスタのゲート電極の前記基板での正投影と重複する。
【0014】
1つの例示的な実施形態では、前記層間絶縁層にビアが設置され、前記ビアは前記第2非発光領域に位置し、前記ビアは前記駆動トランジスタのゲート電極及び前記蓄電コンデンサの第1電極を同時に露出させ、前記スイッチングトランジスタの第1極は前記ビアによって前記駆動トランジスタのゲート電極及び前記第1電極に接続される。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、前記蓄電コンデンサの第1電極の製造材料は導電領域の製造材料と同じであり、前記導電領域は前記第1導電領域又は前記第2導電領域を含み、
前記蓄電コンデンサの第1電極の製造材料は透明金属酸化物を含み、前記蓄電コンデンサの第2電極の製造材料は透明導電性材料を含む。
【0016】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素には発光素子及びサブ画素と色が同じである光学フィルタが更に設置され、前記発光素子は順に設置される陽極、有機発光層及び陰極を備え、前記陽極は前記センストランジスタの前記第1極に接続され、前記陽極は透過電極であり、前記陰極は反射電極であり、
前記発光素子の前記基板での正投影と前記発光領域は重複領域が存在し、前記光学フィルタは前記発光領域に位置し、且つ前記発光素子の前記基板に近接する側に設置され、前記陽極の前記基板での正投影は前記光学フィルタの前記基板での正投影を被覆する。
【0017】
1つの例示的な実施形態では、前記表示基板は、前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極の前記基板から離れる側に設置される不活性化層及び平坦層を更に備え、
前記不活性化層は前記光学フィルタの前記基板に近接する側に設置され、前記平坦層は前記発光素子と前記光学フィルタとの間に設置され、前記不活性化層には前記センストランジスタの前記第1極を露出させる第4ビアが設置され、前記平坦層には前記第4ビアを露出させる第5ビアが設置され、
前記陽極は前記第4ビア及び前記第5ビアによって前記センストランジスタの前記第1極に接続され、
前記第5ビアの前記基板での正投影は前記第2ビアの前記基板での正投影と不完全に重複する。
【0018】
他の態様では、本開示は上記任意の表示基板を備える表示装置を提供する。
【0019】
他の態様では、本開示は表示基板の製造方法を提供し、上記任意の表示基板を製造することに用いられ、前記方法は、
基板を提供することと、
前記基板に複数のサブ画素を形成し、各サブ画素は発光領域及び非発光領域を備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、前記駆動回路は蓄電コンデンサ及び複数のトランジスタを備え、前記複数のトランジスタはスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びセンストランジスタを含むことと、を含み
各サブ画素に対して、前記複数のトランジスタは非発光領域に位置し、前記蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、且つ前記蓄電コンデンサの前記基板での正投影と前記発光領域は重複領域が存在し、前記蓄電コンデンサの第1電極は前記複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、且つ前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と異なる層に設置され、前記蓄電コンデンサの第2電極は前記第1電極の前記基板に近接する側に位置し、
前記駆動トランジスタの第1極は前記駆動トランジスタの活性層によって前記蓄電コンデンサの第2電極に接続され、前記センストランジスタの第1極は前記センストランジスタの活性層によって前記第2電極に接続される。
【0020】
1つの例示的な実施形態では、前記表示基板は更にゲート線、データ線、電源コード、センス線を備え、前記ゲート線は第1ゲート線及び第2ゲート線を含み、前記基板に複数のサブ画素を形成するステップは、
前記基板に遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極を形成することと、
前記遮光層及び前記第2電極に前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極を形成することと、
前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極に前記複数のトランジスタのゲート電極、前記第1ゲート線及び前記第2ゲート線を形成することと、
前記複数のトランジスタのゲート電極、前記第1ゲート線及び前記第2ゲート線に前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極を形成することと、
前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極に前記光学フィルタ及び前記発光素子を順に形成することと、を含む。
【0021】
1つの例示的な実施形態では、前記基板に前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極を形成するステップは、
前記基板に前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極を順に形成し、又は、前記基板に前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を順に形成し、又は、前記基板に前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を同時に形成することを含む。
【0022】
1つの例示的な実施形態では、前記基板に前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を同時に形成するステップは、
前記基板に遮光薄膜及び透明導電性薄膜を順に堆積することと、
ハーフトーンマスクを用いて前記蓄電コンデンサの第2電極及び前記遮光層を同時に形成することと、を含む。
【0023】
1つの例示的な実施形態では、前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極に前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極を形成するステップは、
前記遮光層及び前記蓄電コンデンサの第2電極には第1ビア、第2ビア及び第3ビアを備える緩衝層を形成し、前記第1ビア及び前記第2ビアが前記蓄電コンデンサの第2電極を露出させ、前記第3ビアがセンス接続線を露出させることと、
前記緩衝層において同じ製造プロセスにより前記複数のトランジスタの活性層及び前記蓄電コンデンサの第1電極を形成することと、を含み、
前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極に前記光学フィルタ及び前記発光素子を順に形成するステップは、
前記データ線、前記電源コード、前記センス線及び前記複数のトランジスタのソース/ドレイン電極には第4ビアを備える不活性化層を形成し、前記第4ビアが前記センストランジスタの前記第1極を露出させることと、
前記不活性化層には前記光学フィルタと、第5ビアを備える平坦層とを順に形成し、前記第5ビアが第7ビアを露出させることと、
前記平坦層に前記発光素子を形成することと、を含む。本願の他の特徴及び利点は以下の明細書において説明され、且つ、部分的に明細書から明らかになり、又は本願を実施することにより理解される。本願の他の利点は明細書、特許請求の範囲及び図面に説明される解決手段により実現・取得され得る。
【0024】
図面及び詳細な説明を閲読して理解した後、他の態様を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面は本願の技術案に対する理解を提供するためのものであり、且つ明細書の一部となり、本願の実施例とともに本願の技術案を解釈することに用いられ、本願の技術案を制限するためのものではない。
図1図1は駆動回路の等価回路図である。
図2A図2Aは本開示の実施例に係る表示基板の断面図である。
図2B図2Bは本開示の実施例に係る表示基板の他の断面図である。
図3図3は本開示の実施例に係る表示基板の上面図である。
図4図4は本開示の実施例に係る表示基板の他の上面図である。
図5図5は本開示の実施例に係る局所構造の他の模式図である。
図6図6は本開示の実施例に係る表示基板のまた他の上面図である。
図7図7は本開示の実施例に係る表示基板の更なる上面図である。
図8図8は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法のフローチャートである。
図9図9A図9Hは本開示の実施例に係る遮光層及び第2電極の製造模式図である。
図10図10は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ100の模式図である。
図11図11は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ200の模式図である。
図12図12は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ300の模式図である。
図13図13は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ400の模式図である。
図14図14は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ500の模式図である。
図15図15は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ600の模式図である。
図16図16は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法におけるステップ700の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は複数の実施例を説明したが、該説明は例示的なものであって、制限のためのものではない。且つ、当業者にとって明らかなことに、本開示に説明される実施例に含まれる範囲内にはより多くの実施例及び実現方式があってもよい。図面に複数の可能な特徴の組み合わせを示し、且つ具体的な実施形態において検討したが、開示される特徴の複数の他の組み合わせ方式も可能である。特に制限しない限り、いかなる実施例におけるいかなる特徴又は素子はいかなる他の実施例におけるいかなる他の特徴又は素子と組み合わせて使用されてもよく、又はいかなる他の実施例におけるいかなる他の特徴又は素子を代替してもよい。
【0027】
本開示は当業者に知られている特徴及び素子の組み合わせを含んで想定する。本開示に開示された実施例、特徴及び素子はいかなる通常の特徴又は素子と組み合わせられてもよく、それにより特許請求の範囲により制限される独特な技術案が形成される。いかなる実施例におけるいかなる特徴又は素子は他の技術案からの特徴又は素子と組み合わせられてもよく、それにより特許請求の範囲により制限される他の独特な技術案が形成される。従って、理解されるように、本開示に指示及び/又は検討するいかなる特徴は独立して実現されてもよく、又はいかなる適切な組み合わせにより実現されてもよい。従って、添付の特許請求の範囲及びその等価置換に基づいて行われた制限以外に、実施例は他の制限を受けない。また、添付の特許請求の範囲内で種々の修正や変更を行うことができる。
【0028】
また、代表的な実施例を説明するとき、明細書は方法及び/又は過程を特定のステップシーケンスに呈する可能性がある。ところが、該方法又は過程は本開示に記載のステップの特定順序に依存しない程度で、該方法又は過程は前記特定順序のステップに限らない。当業者が理解するように、他のステップ順序も可能である。従って、明細書に説明されるステップの特定順序は特許請求の範囲を制限するためのものであると解釈されるべきではない。また、該方法及び/又は過程に対する特許請求の範囲は書かれた順序に従ってこれらのステップを実行することに限らず、当業者であれば容易に理解できるように、これらの順序は変化してもよく、且つ依然として本開示の実施例の趣旨及び範囲内に含まれる。
【0029】
特に定義しない限り、本開示の実施例に使用される技術用語又は科学用語は本開示の属する分野内で当業者が理解する通常の意味であるべきである。本開示の実施例に使用される「第1」、「第2」及び類似する言葉はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。「備える」又は「含む」等の類似する言葉は、該言葉の後に記載された素子又は部材が、該言葉の前に列挙した素子又は部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「連結」等の類似する言葉は物理的又は機械的な接続に限定されるのではなく、直接的又は間接的接続にかかわらず、電気的接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を指すだけであり、説明された対象の絶対的な位置が変化すると、該相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0030】
本実施例では、表示基板は複数のサブ画素を備え、各サブ画素は駆動回路及び発光素子を備える。図1は駆動回路の等価回路図であり、3T1Cの駆動回路を示す。図1に示すように、駆動回路は第1ゲート線G1、センス線Sense、電源コードVDD、データ線Data及び第2ゲート線G2に電気的に接続され、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2、センストランジスタT3及び蓄電コンデンサCstを備える。
【0031】
1つの例示的な実施形態では、駆動回路におけるスイッチングトランジスタT1のゲート電極は第1ゲート線G1に接続され、スイッチングトランジスタT1の第1極はノードN1に接続され、スイッチングトランジスタT1の第2極はデータ線Dataに接続され、駆動トランジスタT2のゲート電極はノードN1に接続され、駆動トランジスタT2の第1極はノードN2に接続され、駆動トランジスタT2の第2極は電源コードVDDに接続され、センストランジスタT3のゲート電極は第2ゲート線G2に接続され、センストランジスタT3の第1極はノードN2に接続され、センストランジスタT3の第2極はセンス線Senseに接続され、発光素子OLEDの陽極はノードN2に接続され、発光素子OLEDの陰極は電源コードVSSに接続され、駆動トランジスタの第1極の電流に応答して対応する輝度の光を発するように設定される。駆動回路が第1ゲート線G1によりスイッチングトランジスタT1をオンにするとき、データ線Dataの提供するデータ電圧VdataはスイッチングトランジスタT1を介して蓄電コンデンサCstに記憶され、これにより、電流を生成して有機発光ダイオードOLEDを駆動して発光させるように駆動トランジスタT2を制御する。また、センストランジスタT3はセンス時序列に応答して、駆動トランジスタT2の閾値電圧Vth及び移動度を抽出することができ、蓄電コンデンサCstは1フレームの発光周期内のノードN1とノードN2との間の電圧差を維持することに用いられる。
【0032】
第1極とはソース電極を指し、第2極とはドレイン電極を指す。
【0033】
本開示のいくつかの実施例は表示基板を提供し、図2Aは本開示の実施例に係る表示基板の断面図であり、図2Bは本開示の実施例に係る表示基板の他の断面図である。図2A及び図2Bに示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、基板10と、基板10に設置される複数のサブ画素とを備え、各サブ画素は発光領域AA及び非発光領域NAを備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、駆動回路は蓄電コンデンサCst及び複数のトランジスタを備え、複数のトランジスタはスイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2及びセンストランジスタT3を含む。
【0034】
各サブ画素に対して、複数のトランジスタは非発光領域NAに位置し、蓄電コンデンサCstは透明コンデンサであり、且つ蓄電コンデンサCstの基板10での正投影と発光領域AAは重複領域が存在し、蓄電コンデンサCstの第1電極C1は複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、且つ複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と異なる層に設置され、蓄電コンデンサCstの第2電極C2は第1電極C1の基板10に近接する側に位置し、駆動トランジスタT2の第1極23は駆動トランジスタT2の活性層21によって第2電極C2に接続され、センストランジスタT3の第1極43はセンストランジスタT3の活性層41によって第2電極C2に接続される。
【0035】
1つの例示的な実施形態では、基板におけるサブ画素はアレイ状に配列され、図2A及び図2Bは1つのサブ画素を例とし、図2A及び図2Bは異なる角度の断面図である。
【0036】
1つの例示的な実施形態では、基板10は剛性基板又は可撓性基板であってもよい。剛性基板はガラス及び金属薄片のうちの1つ又は複数であってもよいが、それらに限らない。可撓性基板はポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、紡織繊維のうちの1つ又は複数であってもよいが、それらに限らない。
【0037】
1つの例示的な実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、本開示の実施例のスイッチングトランジスタT1は基板10に順に設置される活性層31、ゲート電極32、第1極33及び第2極34を備え、駆動トランジスタT2は基板10に順に設置される活性層21、ゲート電極22、第1極23及び第2極24を備え、センストランジスタT3は基板10に順に設置される活性層41、ゲート電極42、第1極43及び第2極44を備える。
【0038】
1つの例示的な実施形態では、本開示の実施例に係る表示基板はボトムエミッションOLED表示基板である。
【0039】
本開示の実施例の蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、表示基板の出光効果に影響せず、スムーズに出光するように確保することができる。
【0040】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素に発光素子が更に設置され、発光素子はOLEDであってもよい。
【0041】
本開示の実施例に係る表示基板について、表示基板は、基板と、基板に設置される複数のサブ画素とを備え、各サブ画素は発光領域及び非発光領域を備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、駆動回路は蓄電コンデンサ及び複数のトランジスタを備え、複数のトランジスタはスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びセンストランジスタを含み、各サブ画素に対して、複数のトランジスタは非発光領域に位置し、蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、且つ蓄電コンデンサの基板での正投影と発光領域は重複領域が存在し、蓄電コンデンサの第1電極は複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、且つ複数のトランジスタのソース/ドレイン電極と異なる層に設置され、蓄電コンデンサの第2電極は第1電極の基板に近接する側に位置し、駆動トランジスタの第1極は駆動トランジスタの活性層によって第2電極に接続され、センストランジスタの第1極はセンストランジスタの活性層によって第2電極に接続される。本開示は透明な蓄電コンデンサの基板での正投影と発光領域が重複領域が存在し、及び一部のトランジスタの活性層がトランジスタの第1極及び蓄電コンデンサの第2電極に接続されるように設定することにより、各サブ画素におけるトランジスタに接続される第1極及び第2電極に開設されるビアの厚さ及びサイズを減少させるだけではなく、開口率を確保するとともに、蓄電コンデンサの非発光領域での占有する面積比率を大幅に低減することもでき、更に各サブ画素の占有する面積を減少させ、表示基板の高いPPIを実現することができる。
【0042】
1つの例示的な実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、各サブ画素に対して、各トランジスタの活性層はチャネル領域A1、第1導電領域A2及び第2導電領域A3を備える。
【0043】
第1導電領域A2及び第2導電領域A3はそれぞれチャネル領域A1の両側に設置され、トランジスタの第2極は第1導電領域A2に接続され、トランジスタの第1極は第2導電領域A3に接続され、駆動トランジスタT2の第2導電領域A3は第2電極C2に接続され、センストランジスタT3の第2導電領域A3は第2電極C2に接続される。
【0044】
1つの例示的な実施形態では、各トランジスタに対して、トランジスタの活性層の基板での正投影とトランジスタのゲート電極の基板での正投影は重複領域が存在する。
【0045】
1つの例示的な実施形態では、図3は本開示の実施例に係る表示基板の上面図である。図2及び図3に示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、トランジスタの活性層の基板10に近接する側に設置される緩衝層12を更に備え、緩衝層12は第2電極C2を露出させる第1ビアV1及び第2ビアV2を備える。
【0046】
1つの例示的な実施形態では、駆動トランジスタT2の第2導電領域A3は第1ビアV1によって第2電極C2に接続され、センストランジスタT3の第2導電領域A3は第2ビアV2によって第2電極C2に接続される。
【0047】
1つの例示的な実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、本開示の実施例に係る駆動トランジスタT2は、緩衝層12の基板10に近接する側に設置される遮光層11を更に備える。
【0048】
1つの例示的な実施形態では、第2電極C2は緩衝層12の基板10に近接する側に設置され、第2電極C2の基板10での正投影は遮光層11の基板10での正投影を被覆し、遮光層11の第2電極C2に近接する表面はC2第2電極に完全に接触する。
【0049】
1つの例示的な実施形態では、遮光層11は前記第2電極C2の基板10に近接する側に設置され、又は、第2電極C2は遮光層11の前記基板10に近接する側に設置される。図2は遮光層11が第2電極C2の基板10に近接する側に設置される場合を例とする。第2電極C2が遮光層11の基板10に近接する側に設置される場合、駆動トランジスタT2の第2導電領域A及びセンストランジスタT3の第2導電領域Aは遮光層11によって第2電極C2に接続される。
【0050】
本開示の実施例は遮光層11の第2電極C2に近接する表面が第2電極C2に完全に接触することにより、遮光層と第2電極との間に絶縁層を設置することを回避し、表示基板の層数及び厚さを減少させるだけではなく、マスクの使用回数も減少させ、製造プロセスを簡素化し、且つ表示基板の製造コストを削減する。
【0051】
1つの例示的な実施形態では、遮光層11の基板10での正投影は駆動トランジスタT2の活性層31のチャネル領域A1の基板10での正投影を被覆する。
【0052】
1つの例示的な実施形態では、遮光層11の製造材料は金属、例えば銀、アルミニウム等の他の金属であり、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0053】
1つの例示的な実施形態では、図4は本開示の実施例に係る表示基板の上面図である。図4に示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、基板に設置される複数行のゲート線及び複数列のデータ線を更に備え、各サブ画素はゲート線とデータ線が交差して制限され、サブ画素はそれぞれゲート線及びデータ線に1対1で対応し、ゲート線は第1ゲート線G1及び第2ゲート線G2を含む。図4は4つのサブ画素を例とするものであり、図2A図4のA-A方向に沿う断面図であり、図2B図4のB-B方向に沿う断面図である。
【0054】
1つの例示的な実施形態では、第1ゲート線G1及び第2ゲート線G2はトランジスタのゲート電極と同一層に設置され、データ線Dataはトランジスタのソース/ドレイン電極と同一層に設置される。
【0055】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素に対して、第1電極C1はそれぞれスイッチングトランジスタT1の第1極33及び駆動トランジスタT2のゲート電極22に接続され、第2電極C2はそれぞれ駆動トランジスタT2の第1極23及びセンストランジスタT3の第1極43に接続され、スイッチングトランジスタT1のゲート電極22はサブ画素に対応するゲート線のうちの第1ゲート線G1に接続され、スイッチングトランジスタT1の第2極34はサブ画素に対応するデータ線Dataに接続され、センストランジスタT3のゲート電極はサブ画素に対応するゲート線のうちの第2ゲート線G2に接続される。
【0056】
1つの例示的な実施形態では、図4に示すように、各サブ画素に対して、非発光領域は第1非発光領域及び第2非発光領域を含み、第1非発光領域及び第2非発光領域は発光領域AAの両側に位置し、且つデータ線Dataの延在方向に沿って設置される。
【0057】
1つの例示的な実施形態では、センストランジスタT3及び第2ゲート線G2はいずれも第1非発光領域に位置し、スイッチングトランジスタT1、駆動トランジスタT2及び第1ゲート線G1はいずれも第2非発光領域に位置する。
【0058】
1つの例示的な実施形態では、図3に示すように、表示基板は、データ線Dataと同一層に設置される電源コードVDD及びセンス線Senseを更に備え、各画素はゲート線の延在方向に沿って設置される4つのサブ画素を備え、各画素は2列の電源コード及び1列のセンス線に対応する。
【0059】
1つの例示的な実施形態では、第2サブ画素及び第3サブ画素の画素構造は対称的に設置され、第1サブ画素及び第4サブ画素は対称的に設置される。
【0060】
各画素に対して、画素に対応するセンス線Senseは第2サブ画素P2と第3サブ画素P3との間に位置し、画素に対応する1列の電源コードVDDは第1サブ画素P1の第2サブ画素P2から離れる側に位置し、画素に対応するもう1列の電源コードVDDは第4サブ画素P4の第3サブ画素P3から離れる側に位置する。
【0061】
第1サブ画素P1に対応するデータ線Dataは第1サブ画素P1の第2サブ画素P2に近接する側に位置し、第2サブ画素P2に対応するデータ線は第2サブ画素P2の第1サブ画素P1に近接する側に位置し、第3サブ画素P3に対応するデータ線は第3サブ画素P3の第4サブ画素P4に近接する側に位置し、第4サブ画素P4に対応するデータ線は第4サブ画素P4の第3サブ画素P3に近接する側に位置する。
【0062】
1つの例示的な実施形態では、図4に示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、トランジスタのゲート電極と同一層に設置される電源接続線VLと、遮光層11と同一層に設置されるセンス接続線SLとを更に備え、各画素はゲート線の延在方向に沿って設置される2つの電源接続線及びゲート線の延在方向に沿って設置される2つのセンス接続線SLに対応し、電源接続線VLはそれぞれ電源コードVDDに対応し、電源接続線VLは対応の電源コードに接続され、2つのセンス接続線SLはセンス線Senseに接続される。
【0063】
1つの例示的な実施形態では、第2サブ画素P2の駆動トランジスタの第2極は一方の電源接続線VLに接続され、第3サブ画素P3の駆動トランジスタの第2極は他方の電源接続線VLに接続され、第1サブ画素P1のセンストランジスタの第2極はセンストランジスタの活性層によって一方のセンス接続線SLに接続され、第4サブ画素P4のセンストランジスタの第2極はセンストランジスタの活性層によって他方のセンス接続線SLに接続される。
【0064】
1つの例示的な実施形態では、センス接続線SLは単層構造であってもよく、二層構造であってもよい。センス接続線SLが単層構造である場合、センス接続線は遮光層又は第2電極と同一層に設置され、センス接続線SLが二層構造である場合、センス接続線の第1層は遮光層と同一層に設置される。第2層は第2電極と同一層に設置される。図3はセンス接続線が遮光層と同一層に設置される場合を例とする。
【0065】
1つの例示的な実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、トランジスタのゲート電極とトランジスタの活性層との間に設置されるゲート絶縁層13と、トランジスタのソース/ドレイン電極とトランジスタの活性層との間に設置される層間絶縁層14とを更に備える。
【0066】
ゲート絶縁層13の基板10での正投影はトランジスタのゲート電極の基板10での正投影と重複する。
【0067】
1つの例示的な実施形態では、層間絶縁層14には活性層の導電領域を露出させるビアが設置され、複数のトランジスタのソース/ドレイン電極は該ビアによって活性層の導電領域に接続される。
【0068】
1つの例示的な実施形態では、緩衝層12、ゲート絶縁層13及び層間絶縁層14の製造材料は酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は酸化ケイ素及び窒化ケイ素の複合体であり、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0069】
1つの例示的な実施形態では、図3に示すように、各サブ画素に対して、緩衝層12に第3ビアV3が更に設置され、第3ビアはセンス接続線SLを露出させ、センストランジスタT3の第1導電領域は第3ビアV3によってセンス接続線SLに接続される。
【0070】
1つの例示的な実施形態では、図5は本開示の実施例に係る局所構造の置換模式図である。図5に示すように、本開示の実施例に係る表示基板における層間絶縁層14はビアVを備え、ビアVは発光領域の第2側に位置し、ビアは駆動トランジスタのゲート電極22及び第1電極C1を同時に露出させ、スイッチングトランジスタT1の第1極33はビアVによって駆動トランジスタT2のゲート電極22及び第1電極C1に接続される。
【0071】
1つの例示的な実施形態では、ビアVは半分埋め込まれた穴であり、層間絶縁層におけるビアVはハーフトーンマスクにより製造されてもよい。
【0072】
1つの例示的な実施形態では、第1電極C1の製造材料は導電領域の製造材料と同じであり、導電領域は第1導電領域又は第2導電領域を含む。
【0073】
1つの例示的な実施形態では、第1電極C1の製造材料は導体化された活性層であり、透明金属酸化物を含み、透明金属酸化物はインジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zinc Oxide、IGZOと略称)等を含み、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0074】
1つの例示的な実施形態では、第2電極C2の製造材料は透明導電性材料であり、透明導電性材料は酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxides、ITOと略称)、酸化亜鉛スズ等を含み、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0075】
1つの例示的な実施形態では、図6は本開示の実施例に係る表示基板のまた他の上面図であり、図7は本開示の実施例に係る表示基板の更なる上面図である。図2図6及び図7に示すように、各サブ画素には発光素子及びサブ画素と色が同じである光学フィルタ50が更に設置され、発光素子は順に設置される陽極61、有機発光層62及び陰極63を備え、陽極61はセンストランジスタT3の第1極43に接続され、陽極61は透過電極であり、陰極63は反射電極である。
【0076】
1つの例示的な実施形態では、陽極61の製造材料は透明導電性材料、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛スズ等であってもよく、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0077】
1つの例示的な実施形態では、陰極63の製造材料は金属、例えば銀、アルミニウム等であり、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0078】
1つの例示的な実施形態では、発光素子の基板10での正投影と発光領域AAは重複領域が存在し、光学フィルタ50は発光領域AAに位置し、且つ発光素子の基板10に近接する側に設置され、陽極61の基板10での正投影は光学フィルタ50の基板10での正投影を被覆する。
【0079】
1つの例示的な実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、トランジスタのソース/ドレイン電極の基板10から離れる側に設置される不活性化層15と、陽極61と光学フィルタ50との間に設置される平坦層16と、平坦層16の基板10から離れる側に設置され且つサブ画素領域を定義するための画素定義層17とを更に備える。
【0080】
1つの例示的な実施形態では、図6に示すように、不活性化層15は光学フィルタ50の基板10に近接する側に設置され、平坦層16は発光素子と光学フィルタ50との間に設置され、不活性化層16にはセンストランジスタT3の第1極43を露出させる第4ビアV4が設置され、平坦層16には第4ビアV4を露出させる第5ビアV5が設置される。
【0081】
陽極61は第4ビアV4及び第5ビアV5によってセンストランジスタT3の第1極43に接続され、第5ビアV5の基板10での正投影は第2ビアV2の基板10での正投影と不完全に重複する。
【0082】
1つの例示的な実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、本開示の実施例に係る表示基板は、発光素子の基板10から離れる側に設置される支持部70と、支持部70の基板10から離れる側に設置されるカバープレート80とを更に備える。
【0083】
1つの例示的な実施形態では、カバープレート80は発光素子を保護することに用いられ、カバープレート80はガラスカバープレートであってもよい。
【0084】
同じ発明構想に基づいて、本開示の実施例は表示基板を備える表示装置を更に提供する。
【0085】
1つの例示的な実施形態では、該表示装置は携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、カーナビゲーション等のいかなる表示機能を持つ製品又は部材であってもよい。該表示装置にとって不可欠な他の構成部分はいずれも当業者によく知られているものであり、ここで詳細な説明は省略し、本開示を制限するものとされるべきではない。該表示装置の実施については上記組み込みタッチパネルの実施例を参照してもよく、重複する箇所について詳細な説明は省略する。
【0086】
表示基板は上記実施例に係る表示基板であり、その実現原理及び実現効果は類似し、ここで詳細な説明は省略する。
【0087】
同じ発明構想に基づいて、本開示のいくつかの実施例は更に表示基板の製造方法を提供し、表示基板を製造することに用いられる。図8は本開示の実施例に係る表示基板の製造方法のフローチャートである。図8に示すように、本開示の実施例に係る表示基板の製造方法は下記ステップを含む。
【0088】
ステップS1、基板を提供する。
【0089】
1つの例示的な実施形態では、基板は剛性基板又は可撓性基板であってもよい。剛性基板はガラス及び金属薄片のうちの1つ又は複数であってもよいが、それらに限らない。可撓性基板はポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、紡織繊維のうちの1つ又は複数であってもよいが、それらに限らない。
【0090】
ステップS2、基板に複数のサブ画素を形成する。
【0091】
1つの例示的な実施形態では、基板におけるサブ画素はアレイ状に配列され、図2は1つのサブ画素を例とする。
【0092】
1つの例示的な実施形態では、各サブ画素は発光領域及び非発光領域を備え、各サブ画素に駆動回路が設置され、駆動回路は蓄電コンデンサ及び複数のトランジスタを備え、複数のトランジスタはスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びセンストランジスタを含む。
【0093】
各サブ画素に対して、複数のトランジスタは非発光領域に位置し、蓄電コンデンサは透明コンデンサであり、且つ蓄電コンデンサの基板での正投影と発光領域は重複領域が存在し、蓄電コンデンサの第1電極は複数のトランジスタの活性層と同一層に設置され、蓄電コンデンサの第2電極は第1電極の基板に近接する側に位置する。
【0094】
駆動トランジスタの第1極は駆動トランジスタの活性層によって第2電極に接続され、センストランジスタの第1極はセンストランジスタの活性層によって第2電極に接続される。
【0095】
表示基板は上記実施例に係る表示基板であり、その実現原理及び実現効果は類似し、ここで詳細な説明は省略する。
【0096】
1つの例示的な実施形態では、表示基板は更にゲート線、データ線、電源コード及びセンス線を備える。ゲート線は第1ゲート線及び第2ゲート線を含む。ステップS2は具体的に、基板に遮光層及び第2電極を形成することと、遮光層及び第2電極に複数のトランジスタの活性層及び第1電極を形成することと、複数のトランジスタの活性層及び第1電極に複数のトランジスタのゲート電極、第1ゲート線及び第2ゲート線を形成することと、トランジスタのゲート電極、第1ゲート線及び第2ゲート線にデータ線、電源コード、センス線及び複数のトランジスタのソース/ドレイン電極を形成することと、データ線、電源コード、センス線及び複数のトランジスタのソース/ドレイン電極に光学フィルタ及び発光素子を順に形成することと、を含む。
【0097】
1つの例示的な実施形態では、基板に遮光層及び第2電極を形成することは、基板に遮光層及び第2電極を順に形成し、又は、基板に第2電極及び遮光層を順に形成し、又は、基板に第2電極及び遮光層を同時に形成することを含む。
【0098】
1つの例示的な実施形態では、基板に遮光層及び第2電極を順に形成することは、基板に第1マスクを用いて遮光層を形成し、遮光層に第2マスクを用いて第2電極を形成することを含む。
【0099】
1つの例示的な実施形態では、基板に第2電極及び遮光層を順に形成することは、基板に第2マスクを用いてパターニングプロセスにより第2電極を形成し、第2電極に第1マスクを用いて遮光層を形成することを含む。
【0100】
1つの例示的な実施形態では、基板に第2電極及び遮光層を同時に形成することは、基板に遮光薄膜及び透明導電性薄膜を順に堆積し、ハーフトーンマスクを用いて第2電極及び遮光層を同時に形成することを含む。
【0101】
パターニングプロセスはフォトレジストコーティング、露出、現像、エッチング及びフォトレジスト剥離等のプロセスを含む。
【0102】
1つの例示的な実施形態では、遮光層及び第2電極に複数のトランジスタの活性層及び第1電極を形成することは、遮光層及び第2電極には第1ビア、第2ビア及び第3ビアを備える緩衝層を形成し、第1ビア及び第2ビアが第2電極を露出させ、第3ビアがセンス接続線を露出させることと、緩衝層において同じ製造プロセスにより複数のトランジスタの活性層及び第1電極を形成することと、を含む。
【0103】
1つの例示的な実施形態では、データ線、電源コード、センス線及び複数のトランジスタのソース/ドレイン電極に光学フィルタ及び発光素子を順に形成することは、データ線、電源コード、センス線及び複数のトランジスタのソース/ドレイン電極には第4ビアを備える不活性化層を形成し、第4ビアがセンストランジスタの第1極を露出させることと、不活性化層には光学フィルタと、第5ビアを備える平坦層とを順に形成し、第5ビアが第7ビアを露出させることと、平坦層に発光素子を形成することと、を含む。
【0104】
以下、遮光層が第2電極の基板に近接する側に設置される場合を例として、図9A図9Fを参照して遮光層及び第2電極の製造過程について更に説明する。該過程は下記ステップを含む。
【0105】
ステップ110、図9Aに示されるように、基板に遮光薄膜110を堆積し、遮光薄膜110にフォトレジスト101をコーティングし、第1マスクM1を透過してフォトレジストを露出させる。
【0106】
ステップ120、図9Bに示されるように、フォトレジスト101を現像する。
【0107】
ステップ130、図9Cに示されるように、フォトレジスト101で被覆されていない遮光薄膜をエッチングする。
【0108】
ステップ140、図9Dに示されるように、フォトレジスト101を剥離して、遮光層11を形成する。
【0109】
ステップ150、図9Eに示されるように、遮光層11に透明導電性薄膜120を堆積し、透明導電性薄膜120にフォトレジスト101をコーティングし、第2マスクM2を透過してフォトレジストを露出させる。
【0110】
ステップ160、図9Fに示されるように、フォトレジスト101を現像する。
【0111】
ステップ170、図9Gに示されるように、フォトレジスト101で被覆されていない透明導電性薄膜をエッチングする。
【0112】
ステップ180、図9Hに示されるように、フォトレジスト101を剥離して、第2電極C2を形成する。
【0113】
1つの例示的な実施形態では、遮光層及び第2電極に複数のトランジスタの活性層及び第1電極を形成することは、遮光層及び第2電極には第1ビア、第2ビア及び第3ビアを備える緩衝層を形成することと、緩衝層において同じ製造プロセスにより複数のトランジスタの活性層及び第1電極を形成することと、を含む。
【0114】
1つの例示的な実施形態では、第1ビア及び第2ビアが第2電極を露出させ、第3ビアがセンス接続線を露出させる。
【0115】
サブ画素が4つあり、センス接続線が単層構造であり、且つ遮光層と同一層に設置され、遮光層が第2電極の基板に近接する側に設置される場合を例とし、以下に図10図16を参照して本開示の実施例に係る表示基板の製造方法について更に説明する。該方法は下記ステップを含む。
【0116】
ステップ100、図10に示されるように、基板10に遮光層11及びセンス接続線SLを形成する。
【0117】
ステップ200、図11に示されるように、遮光層11及びセンス接続線SLに第2電極C2及び緩衝層(図示せず)を順に形成する。
【0118】
緩衝層には第2電極C2を露出させる第1ビアV1及び第2ビアV2、並びにセンス接続線SLを露出させる第3ビアV3が設置される。
【0119】
ステップ300、図12に示されるように、緩衝層に第1電極C1、スイッチングトランジスタの活性層31、駆動トランジスタの活性層21及びセンストランジスタの活性層41を形成する。
【0120】
ステップ400、図13に示されるように、スイッチングトランジスタの活性層31、駆動トランジスタの活性層21及びセンストランジスタの活性層41にゲート絶縁層を形成し、ゲート絶縁層にスイッチングトランジスタのゲート電極32、駆動トランジスタのゲート電極22及びセンストランジスタの活性層42、第1ゲート線G1、第2ゲート線G2及び電源接続線VLを形成する。
【0121】
ステップ500、図14に示されるように、トランジスタのゲート電極、第1ゲート線、第2ゲート線及び電源接続線に層間絶縁層を形成し、層間絶縁層にデータ線Data、電源コードVDD、センス線Sense、スイッチングトランジスタの第1極33及び第2極34、駆動トランジスタの第1極23及び第2極24、並びにセンストランジスタの第1極43及び第2極44を形成する。
【0122】
ステップ600、図15に示されるように、データ線、電源コード、センス線及び複数のトランジスタのソース/ドレイン電極には第4ビアV4を備える不活性化層を形成し、不活性化層には光学フィルタ50を形成し、光学フィルタ50には第5ビアV5を備える平坦層を形成する。
【0123】
ステップ700、図16に示されるように、平坦層に陽極61を形成する。
【0124】
ステップ800、陽極に画素定義層、有機発光層及び陰極を順に形成し、且つ陰極に支持部及びカバープレートを順に設置する。
【0125】
本開示の実施例の図面は本開示の実施例に関わる構造のみに関し、他の構造については通常の設計を参照してもよい。
【0126】
明確のために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は微細構造の厚さ及びサイズが拡大される。理解されるように、層、膜、領域又は基板等の素子が他の素子の「上」又は「下」に位置すると称される場合、該素子は他の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、又は中間素子があってもよい。
【0127】
以上は本開示に開示される実施形態であるが、前記内容は本開示を理解しやすくするために用いた実施形態に過ぎず、本開示を制限するためのものではない。当業者であれば、本開示に開示される趣旨及び範囲を逸脱せずに、実施形態及び詳細に対して任意に修正や変更を行うことができるが、本開示の保護範囲は依然として添付の特許請求の範囲により定義される範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0128】
10 基板
11 遮光層
12 緩衝層
13 ゲート絶縁層
14 層間絶縁層
15 不活性化層
16 平坦層
17 画素定義層
21、31、41 活性層
22、32、42 ゲート電極
50 光学フィルタ
61 陽極
62 有機発光層
63 陰極
70 支持部
80 カバープレート
A1 チャネル領域
A2 第1導電領域
A3 第2導電領域
AA 発光領域
C1 第1電極
C2 第2電極
G1 第1ゲート線
G2 第2ゲート線
P1 第1サブ画素
P2 第2サブ画素
P3 第3サブ画素
P4 第4サブ画素
SL センス接続線
T1 スイッチングトランジスタ
T2 駆動トランジスタ
T3 センストランジスタ
V1 第1ビア
V2 第2ビア
V3 第3ビア
V4 第4ビア
V5 第5ビア
VDD 電源コード
VL 電源接続線
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16