(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】車両測位技術
(51)【国際特許分類】
G01S 19/07 20100101AFI20241025BHJP
G01S 19/41 20100101ALI20241025BHJP
G01C 21/02 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G01S19/07
G01S19/41
G01C21/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112109
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2021014149の分割
【原出願日】2018-04-05
【審査請求日】2022-08-04
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シヴィジェティック,ネダ
(72)【発明者】
【氏名】コフィールド,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マクレランド,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴィッチ,ゼリコ
(72)【発明者】
【氏名】ハヴラック,フランシス
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-075380(JP,A)
【文献】特開2004-271317(JP,A)
【文献】国際公開第2017/070910(WO,A1)
【文献】特開2010-019728(JP,A)
【文献】特表2014-523519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0291164(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0089375(KR,A)
【文献】米国特許第06567041(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/00 - G01S 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準局の範囲を拡張するための装置であって、
プロセッサおよびメモリを含む第1の車両を備え、
前記プロセッサは前記メモリと通信し、前記メモリは命令のセットを保存し、前記命令は、前記プロセッサを介して実行されると、前記プロセッサに、
前記第1の車両が基準局の信号範囲内にあることを決定させ、
前記基準局から第1の補正データのセットを受信させ、
前記第1の補正データのセットに基づいて第2の補正データのセットを生成させ、
前記第2の補正データのセットをサーバに送信させ、前記サーバが前記第2の補正データのセットを第2の車両に送信するように構成され、
前記第2の車両は前記基準局の信号範囲外に配置され、
前記第1の車両が基準局の信号範囲内にあることを決定させることは、リアルタイムRTKデータチャネルが、前記基準局から前記第1の車両に利用可能であることを確認することを含む、装置。
【請求項2】
前記第1の車両が基準局の信号範囲内にあることを決定することは、衛星からの通信を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記衛星からデータを受信するように構成されたアンテナと、前記アンテナおよび前記プロセッサと接続された送受信機と、をさらに備える請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサと通信している送受信機と、前記送受信機およびネットワークと通信しているアンテナと、をさらに備え、前記ネットワークは前記サーバおよび前記基準局とさらに通信している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の補正データのセットを生成することは、前記第2の補正データのセットを決定するために、衛星から前記第1の車両に送信された測位データのセットに基づいて前記第1の補正データのセットを分析することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の補正データのセットを決定することは、RTKモジュールを含むデータ補正ロジックを使用する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の補正データのセットを前記第2の車両に送信することは、前記サーバと通信しているネットワークを介して放送することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
基準局の範囲を拡張する方法であって、
第1の車両クライアントが基準局の信号適用可能範囲内にいることを決定するステップと、
前記基準局の信号適用可能範囲内に配置された前記第1の車両クライアントが第1の補正データのセットを受信するステップと、
前記第1の補正データのセットに基づいて補正データのセットを生成するステップと、
前記基準局の前記信号適用可能範囲外に配置された第2の車両クライアントに、生成された補正データのセットを送信するステップと、
を含み、
前記第1の車両クライアントが前記基準局の前記信号適用可能範囲内にいることを決定するステップは、リアルタイムRTKデータチャネルが、前記基準局から前記第1の車両クライアントに利用可能であることを確認することを含む、方法。
【請求項9】
前記基準局から前記第1の補正データのセットを送信するステップを追加的に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の補正データのセットに基づいて、前記生成された補正データのセットを生成するステップを追加的に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の車両クライアントが前記基準局の前記信号適用可能範囲内にいることを決定するステップは、衛星との通信を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記生成された補正データのセットを生成するステップは、前記生成された補正データのセットを決定するために、衛星から前記第1の車両クライアントに送信された測位データのセットに基づいて前記第1の補正データのセットを分析することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記生成された補正データのセットを決定することは、RTKモジュールを含むデータ補正ロジックを使用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の車両クライアントに、前記生成された補正データのセットを送信するステップは、ハードウェアサーバと通信しているネットワークを介して放送することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
基準局の範囲を拡張するためのシステムであって、
ハードウェアサーバを備え、
前記ハードウェアサーバは、
基準局の信号適用可能範囲内に配置された第1の車両クライアントから、第1の補正データのセットを受信し、
前記基準局の前記信号適用可能範囲外に配置された第2の車両クライアントに前記補正データのセットを送信するように構成され
前記システムは、リアルタイムRTKデータチャネルが、前記基準局から前記第1の車両
クライアントに利用可能であることを確認することによって、前記第1の車両クライアントが前記基準局の信号範囲内にあることを決定する、システム。
【請求項16】
前記第1の車両クライアントおよび前記第2の車両クライアントと通信しているネットワークを追加的に備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記基準局と通信しているネットワークを追加的に備え、通信は有線、導波路または無線手段を介して実行される、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、車両測位(位置特定としても知られている)に関し、より具体的には、位置判定の精度を向上させるための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の航法衛星は、複数の信号を測位受信機に放送して、信号に基づいて、測位受信機が一定の精度でその位置を決定することができるようにする。衛星ジオメトリ、信号妨害、電離層擾乱、大気条件などの幾つかのファクタは、受信機の位置を決定する精度が低下するように信号に影響を与える。例えば、測位受信機を備えたスマートフォンは、受信機の位置をスマートフォンの5メートル以内に決定することができてもよい。受信機が建物、橋、木、または他の構造物の近くにある場合、位置決定の精度が悪化する可能性がある。これは幾つかの測位応用では十分であるが、自律走行を含む他の応用ではより高い精度が望ましい。従って、航法衛星からの信号に影響を及ぼすファクタにもかかわらず、より高い測位精度の提供が望まれる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、航法衛星からの信号に影響を及ぼすファクタにもかかわらず、測位精度を改善する1つまたは複数の発明を開示する。本発明は、差動アルゴリズムでの使用のために、様々な方法でオフセット(補正)を決定し適用することによって、または少なくとも1つがその位置を十分に正確に知っている複数の装置間で生の測位データの共有を介して、このような測位精度を向上させる。例えば、このような技術の幾つかは、(a)自動車との位置オフセットを共有する基準局、(b)大気、軌道、およびクロックを含む様々な誤差成分のパラメータのセット(オフセット/補正)を計算して共有する基準局、および/または(c)基準局の生のGNSSデータを共有し、その結果、車両が差異検出、または他の計算によって誤差を除去できる基準局を含むことができる。例えば、オフセットは、測位オフセット、すなわち実際のオフセット、衛星ごとまたは複数の衛星ごとの補正オフセット、車両が基地局と信号通信していないときに生データを処理する車両を介して生成される車両オフセットなどであり得る。
【0004】
一実施形態は、基準局の範囲を拡張する方法を含み、この方法は、ハードウェアサーバを介して、基準局の信号適用可能範囲内に位置する第1の車両クライアントから補正データのセットを受信することと、ハードウェアサーバを介して、基準局の信号適用可能範囲外に位置する第2の車両クライアントに補正データのセットを送信することとを含む。
【0005】
一実施形態は、基準局の範囲を拡張するシステムを含み、このシステムは、基準局の信号適用可能範囲内に位置する第1の車両クライアントから補正データのセットを受信し、基準局の信号適用可能範囲外に位置する第2の車両クライアントに補正データのセットを送信するように構成されたハードウェアサーバを備える。
【0006】
一実施形態は、基準局の範囲を拡張するための装置を含み、この装置はプロセッサおよびメモリとを含む車両を備え、プロセッサはメモリと通信し、メモリは、プロセッサを介して実行されると、プロセッサに、基準局から第1のデータのセットを受信させ、第1のデータのセットに基づいて第2のデータのセットを生成させ、かつ第2のデータのセットをサーバに送信させる命令のセットを格納する。
【0007】
一実施形態は基準局として車両を使用する方法を含み、この方法は、第1の車両クライアントが基準局として動作するように、ハードウェアサーバを介して、第1の車両クライアントが静止しているときに第1の車両クライアントから補正データのセットを受信することと、ハードウェアサーバを介して、第1の値および第2の値に基づいて、第1の車両クライアントに対して第2の車両クライアントを位置特定することと、第2の車両クライアントに対応する第1の値は、第1の車両クライアントに空間的に近接しており、第2の車両クライアントに対応する第2の値は、第1の車両クライアントに時間的に近接しており、ハードウェアサーバを介して、第2の車両クライアントが補正データのセットに基づいて、その測位測定値を補正できるように、補正データのセットを第2の車両クライアントに送信することとを備える。
【0008】
一実施形態は、基準局として車両を使用するためのシステムを含み、このシステムは、第1の車両クライアントが基準局として動作するように、第1の車両クライアントが静止しているときに第1の車両クライアントから補正データのセットを受信し、第1の値および第2の値に基づいて、第1の車両クライアントに対して第2の車両クライアントを位置特定し、第2の車両クライアントに対応する第1の値は、第1の車両クライアントに空間的に近接しており、第2の車両クライアントに対応する第2の値は、第1の車両クライアントに時間的に近接しており、第2の車両クライアントが補正データのセットに基づいて、その測位測定値を補正できるように、補正データのセットを第2の車両クライアントに送信するように構成されるハードウェアサーバを備える。
【0009】
一実施形態は、基準局として車両を使用するための装置であって、装置がプロセッサおよびメモリを含む車両を備え、プロセッサがメモリと通信し、メモリが閾値および命令のセットを格納し、命令のセットは、プロセッサを介して実行されると、プロセッサに、車両が基準局として動作するように、車両が静止しているある期間にわたって複数の測位測定値を生成させ、測位測定値が閾値を満たすか否かを決定させ、測位測定値に基づいて、補正データのセットを生成させ、補正データのセットをサーバに送信させる、装置を含む。
【0010】
一実施形態は、固定協調基準局として車両のセットを使用する方法を含み、この方法は、ハードウェアサーバを介して、第1の車両クライアントが静止しているときに、第1の車両クライアントから第1の生の測位測定値を受信することと、ハードウェアサーバを介して、第2の車両クライアントが静止しているときに、第2の車両クライアントから第2の生の測位測定値を受信することと、ハードウェアサーバを介して、第1の生の測位測定値および第2の生の測位測定値に基づく最適化プロセスを実行することと、ハードウェアサーバを介して、最適化プロセスに基づく測位補正を生成することと、第3の車両クライアントが移動しているときに、ハードウェアサーバを介して、補正を第3の車両クライアントに送信することとを含む。
【0011】
一実施形態は、固定協調基準局として車両のセットを使用するシステムを含み、このシステムは、第1の車両クライアントが静止しているときに、第1の車両クライアントから第1の生の測位測定値を受信し、第2の車両クライアントが静止しているときに、第2の車両クライアントから第2の生の測位測定値を受信し、第1の生の測位測定値および第2の生の測位測定値に基づく最適化プロセスを実行し、最適化プロセスに基づく測位補正を生成し、第3の車両クライアントが移動しているときに、補正を第3の車両クライアントに送信するように構成されるハードウェアサーバを含む。
【0012】
一実施形態は、固定協調基準局として車両のセットを使用するための装置を含み、この装置は、プロセッサとメモリとを含む車両を備え、プロセッサがメモリと通信し、メモリが閾値および命令のセットを格納し、命令のセットは、プロセッサを介して実行されると、プロセッサに、車両が静止しているある期間にわたって複数の第1の測位測定値を生成させ、第1の測位測定値が閾値を満たすか否かを決定させ、第1の測位測定値に基づいて、複数の第2の測位測定値を生成させ、第2の測位測定値は生であり、かつ第2の測位測定値をサーバに送信させる。
【0013】
一実施形態は、固定協調基準局として車両のセットを使用する方法を含み、この方法は、ハードウェアサーバを介して、第1の車両クライアントが静止しているときに、第1の車両クライアントから生の測位測定値を受信することと、ハードウェアサーバを介して、生の測位測定値に基づく大気モデル化プロセスを実行することと、ハードウェアサーバを介して、大気モデル化プロセスからの出力を生成することと、第2の車両クライアントが移動しているときに、ハードウェアサーバを介して、第2の車両クライアントに出力を送信することとを含む。
【0014】
一実施形態は、固定協調基準局として車両のセットを使用するシステムを含み、このシステムは、第1の車両クライアントが静止しているときに、第1の車両クライアントから生の測位測定値を受信し、生の測位測定値に基づく大気モデル化プロセスを実行し、大気モデル化プロセスからの出力を生成し、第2の車両クライアントが移動しているときに、第2の車両クライアントに出力を送信するように構成されるハードウェアサーバを備える。
【0015】
一実施形態は、地図相対位置特定用の移動基準局のセットとして車両のセットを使用する方法を含み、この方法は、ハードウェアサーバを介して、地図ポーズおよび生の測位測定値を、移動しており、地図に視覚-位置特定された第1の車両クライアントから受信する工程と、ハードウェアサーバを介して、(a)第2の車両クライアントが、地図ポーズおよび生の測位測定値に基づいて第1の車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定し、(b)第2の車両クライアントが第3の車両クライアントから第3の車両クライアントに対する第2の位置ベクトルを受信し、(c)第2の車両クライアントが、第1の位置ベクトルおよび第2の位置ベクトルに基づいて第2の地図ポーズを更新し、第2の地図ポーズは、第2の車両クライアントのものであるように、地図ポーズおよび生の測位測定値を第2の車両クライアントに送信する工程と、を含む。
【0016】
一実施形態は、地図相対位置特定用の移動基準局のセットとして車両のセットを使用するシステムを含み、このシステムは、地図ポーズおよび生の測位測定値を、移動しており、地図に視覚-位置特定された第1の車両クライアントから受信し、(a)第2の車両クライアントが、地図ポーズおよび生の測位測定値に基づいて第1の車両クライアントに対する第1の位置ベクトルを決定し、(b)第2の車両クライアントが第3の車両クライアントから第3の車両クライアントに対する第2の位置ベクトルを受信し、(c)第2の車両クライアントが、第1の位置ベクトルおよび第2の位置ベクトルに基づいて第2の地図ポーズを更新し、第2の地図ポーズは、第2の車両クライアントのものであるように、地図ポーズおよび生の測位測定値を第2の車両クライアントに送信するように構成されるハードウェアサーバを備える。
【0017】
一実施形態は、地図相対位置特定用の移動基準局として車両セットを使用するための装置を含み、この装置は、プロセッサとメモリとを含む車両を備え、プロセッサは、メモリと通信し、メモリは、プロセッサを介して実行されると、プロセッサに、車両を地図に視覚位置特定させ、地図に基づいてポーズを生成させ、生の測位測定値を生成させ、かつポーズおよび生の測位測定値をサーバに送信させる命令セットを格納する。
【0018】
一実施形態は、基準局として車両を使用するための装置を含み、装置はプロセッサ、メモリおよびセンサを含む車両を備え、プロセッサは、メモリおよびセンサと通信し、メモリは、プロセッサを介して実行されると、プロセッサに、センサからの入力を受信させ、入力に基づいて車両の地図参照位置を確認させ、測位信号を受信させ、地図参照位置および測位信号に基づいてオフセットを生成させ、かつオフセットを送信させる命令のセットを格納する。
【0019】
本開示のこれらのおよび他の実施形態または態様は、添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示による車両の実施形態の概略図を示す。
【0021】
【
図2A】本開示による基準局の範囲を拡張する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【0022】
【
図2B】本開示による基準局の範囲を拡張する方法の実施形態のデータフロー図を示す。
【0023】
【
図3】本開示による基準局として車両を使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【0024】
【
図4A】本開示による固定協調基準局として車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【0025】
【
図4B】本開示による固定協調基準局として車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【0026】
【
図5】本開示による地図相対位置特定用の移動基準局のセットとして車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【0027】
【
図6】本開示による基準局として車両を使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示は概して、航法衛星からの信号に影響を及ぼす可能性のあるファクタ(衛星ジオメトリ、信号妨害、電離層擾乱、大気条件など)にもかかわらず、測位精度を改善する技術を開示する。本発明は、差動アルゴリズムでの使用のために、オフセットを決定し、様々な方法でオフセットを通信することによって、または少なくとも1つがその位置を十分に正確に知っている複数の装置間で生の測位データの共有を介して、このような測位精度を向上させる。例えば、このような技術の幾つかは、(a)大気、軌道、およびクロックを含む様々な誤差成分のパラメータの組を計算して共有する基準局、または(b)基準局の生のGNSSデータを共有し、その結果、車両が差異検出などによって誤差を除去できる基準局を含むことができる。例えば、オフセットは、測位オフセット、すなわち実際のオフセット、衛星ごとまたは複数の衛星ごとの補正オフセット、車両が基地局と信号通信していないときに生データを処理する車両を介して生成される車両オフセットなどであり得る。生の測位データのセットは、送受信機によって測定される測位衛星から放射される電磁波の搬送波位相、送受信機によって経験される測位衛星から放射される電磁搬送波のドップラシフト、アンテナと測位衛星との間の距離を表す擬似距離測定値、送受信機によって経験される電磁ノイズ電力に対する搬送波電力の比、あるいは当業者には周知の他のものなどの、経度、緯度、高度、差動測位技術測定値うちの少なくとも1つに対応する英数字値を含むことができることに留意されたい。
【0029】
図1は、本開示による車両の実施形態の概略図を示す。システム100は、車両102、車両120、衛星126、ネットワーク118、サーバ114および基準局116を含む。
【0030】
ネットワーク118は、リソースまたは情報の共有を可能にする複数の通信チャネルを介して相互接続されたコンピュータまたは他のハードウェアの集合などの複数のノードを含むことができる。このような相互接続は、直接的または間接的であり得る。ネットワーク118は、有線、導波路、または無線であり得る。ネットワーク118は、暗号化されるかまたは暗号化されずに、短距離または長距離の通信を可能にすることができる。ネットワーク118は、イーサネット(登録商標)、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)などの少なくとも1つのネットワークプロトコルを介して動作することができる。ネットワーク118は、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ホームエリアネットワーク、ストレージエリアネットワーク(SAN)、キャンパスエリアネットワーク、バックボーンネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、広域ネットワーク(WAN)、エンタープライズプライベートネットワーク、仮想プライベートネットワーク、仮想ネットワーク、衛星ネットワーク、コンピュータクラウドネットワーク、インターネットワーク、セルラネットワークなどの任意のスケールを有することができる。ネットワーク118は、イントラネットまたはエクストラネットであるか、あるいはイントラネットまたはエクストラネットを含むことができる。ネットワーク118は、インターネットであってもよいし、インターネットを含んでもよい。ネットワーク118は、構造または動作においてネットワーク118と同一であるかまたは異なる、サブネットワークまたは別個のネットワークである他のネットワークを含むことができ、または他のネットワークとの通信を可能にできる。ネットワーク118は、コンピュータ、ネットワークインタフェースカード、リピータ、ハブ、ブリッジ、スイッチ、エクステンダ、アンテナなどのハードウェア、あるいはハードウェアベースまたはソフトウェアベースのファイアウォールを含むことができる。ネットワーク118は、本開示の内容とのいかなる関係にもかかわらず、1つまたは複数のエンティティまたは行為者によって、またはそれに代わって、直接的または間接的に操作することができる。幾つかの実施形態では、車両102、車両120、およびサーバ114の間のネットワーク118を有線で接続することができるが、ネットワーク118は、WiFi、セルラ、V2Xなどの異なるタイプの無線技術を使用することができる。
【0031】
衛星126は、4つ以上の衛星などの少なくとも2つの衛星などの複数の衛星を使用し、自律的地理空間測位を提供する全地球的航法衛星システム(GNSS)のコンポーネントである。このようなシステムの幾つかの例には、全地球的測位システム(GPS)、全地球的航法衛星システム(GLONASS)、ガリレオシステムなどが含まれる。
【0032】
車両102および車両120の各々は、有人または無人の、車/自動車、多目的スポーツ車(SUV)、バン、ミニバン、リムジン、バス、トラック、トレーラ、タンク、トラクター、バイク、自転車、重装備車両などの、非自律、半自律、または完全自律の陸上車両であってもよい。例えば、車両102または車両120の少なくとも1つは、テスラオートパイロット(Tesla Autopilot(商標))(強化オートパイロット)運転者アシスト機能を備え、ハードウェア2(Hardware2(商標))コンポーネントセット(2016年11月)を有するテスラ社Model S(登録商標)(または他のテスラ社モデル)であり得る。
【0033】
車両102および車両120の各々は、シャーシ、動力源、駆動源、車輪のセット、プロセッサ104、メモリ106、送受信機108a、送受信機108b、アンテナ110a、アンテナ110bおよびカメラ112を含む。
【0034】
シャーシは、動力源、駆動源、および車輪のセットを安全に提供する。動力源には、充電式のバッテリが含まれる。駆動源には、ブラシ付きかまたはブラシレスの電動モータが含まれる。しかしながら、内燃機関が可能であり、この場合、動力源は、シャーシを介して提供され、内燃機関に結合された燃料タンクを含む。動力源は駆動源に接続され、それにより駆動源に動力が供給される。車輪のセットは少なくとも1つの車輪を含み、これはランフラットタイヤを含むことができる膨らませることが可能なタイヤを含むことができる。車輪のセットは、駆動源を介して駆動される。
【0035】
プロセッサ104は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサなどのハードウェアプロセッサである。例えば、プロセッサ104は、並列/平行独立処理用の複数のコアを含むことができる中央処理装置(CPU)を含む。幾つかの実施形態では、プロセッサ104は、グラフィックス処理ユニット(GPU)を含む。プロセッサ104は、動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合される。幾つかの実施形態では、プロセッサ104は、特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができるテンソル処理ユニット(TPU)を含むことができる。
【0036】
メモリ106は、任意の既知の有線、無線、または導波路の方法などで、プロセッサ104と通信している。メモリ106は、非一時的であってもよいコンピュータ可読記憶媒体を含む。記憶媒体は、プロセッサ104を介して実行するための複数のコンピュータ可読命令を格納する。命令は、本明細書に開示されているように、オフセットを決定し、様々な方法でオフセットを通信することによって、測位精度を向上させる方法の実行を容易にするようプロセッサ104に命令する。例えば、命令は、車両のオペレーティングシステムまたは車両のオペレーティングシステム上で実行するアプリケーションを含むことができる。例えば、プロセッサ104およびメモリ106は、読み取り、書き込み、編集、修正、削除、更新、検索、選択、マージ、ソート、暗号化、重複排除などのいずれかを含む、同期または非同期の様々なファイルまたはデータ入力/出力動作を可能にできる。メモリ106は、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットなどの揮発性メモリユニット、または電気アドレス指定メモリユニットまたは機械アドレス指定メモリユニットなどの不揮発性メモリユニットのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、電気アドレス指定メモリは、フラッシュメモリユニットを含むことができる。例えば、機械アドレス指定メモリユニットは、ハードディスクドライブを含むことができる。メモリ106は、データリポジトリ、データマートまたはデータストアのうちの少なくとも1つなどの記憶媒体を含むことができる。例えば、記憶媒体は、リレーショナルデータベース、非リレーショナルデータベース、インメモリデータベース、あるいは生の状態、フォーマットされた状態、整理された状態または任意の他のアクセス可能な状態において、直接的および/または間接的にデータを格納でき、記憶制御装置を介してこのようなデータへのアクセスを可能にできる他の適切なデータベースなどの、分散型を含むデータベースを含むことができる。メモリ106は、一次記憶装置、二次記憶装置、三次記憶装置、オフライン記憶装置、揮発性記憶装置、不揮発性記憶装置、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、フラッシュ記憶装置、ハードディスクドライブ記憶装置、フロッピーディスクドライブ、磁気テープ、または他の適切なデータ記憶媒体などの任意のタイプの記憶装置を含むことができる。メモリ106は、動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合される。
【0037】
送受信機108aおよび108bのそれぞれは、任意の既知の有線、無線、または導波路の方法などで、プロセッサ104と通信している。送受信機108aおよび108bの各々は、送信機および受信機を含む。送信機と受信機とは、動作可能に相互接続され、単一の筐体内に収容されてもよいが、任意の組み合わせ方式で複数の筐体間での分散が可能である。送受信機108aおよび108bの各々は、無線などの電磁エネルギー用に構成されているが、光などの光エネルギー、音などの音エネルギー、または他の任意の形態のエネルギーでの使用など他の構成も可能である。送受信機108aおよび108bの各々は、動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合される。幾つかの実施形態では、車両102および車両120は、直接的または間接的に、送受信機108aを介してなど互いに通信することができる。例えば、このような通信は車車間(V2V)ネットワーク上で行うことができる。
【0038】
送受信機108aの各々は、アンテナ110aと通信している。送受信機108bの各々は、アンテナ110bと通信している。アンテナ110aおよびアンテナ110bの各々は、全方向性または指向性アンテナであってもよい。送受信機108aおよびアンテナ110aは、それぞれ送受信機108bおよびアンテナ110bと機能的に異なることに留意されたい。特に、送受信機108bおよびアンテナ110bは、衛星126などのGNSSシステムから測位信号およびデータを受信するように構成され、送受信機108aおよびアンテナ110aは、セルラネットワーク、Wi-Fiネットワーク、V2Vネットワークなどの地上ネットワークなどのGNSSシステム以外のネットワークを介してデータを通信するように構成され、それによって互いに異なる周波数、変調および符号化技術、ならびにプロトコルを使用する。例えば、アンテナ110aまたはアンテナ110bの少なくとも1つは、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、アレイアンテナ、ループアンテナ、開口アンテナ、進行波アンテナなどであってもよい。送受信機108aは、セルラまたはWi-Fi接続を介してなど、アンテナ110aを介してネットワーク118と通信している。送受信機108bは、GPSユニットを介してなど、アンテナ110bを介して衛星126と通信している。幾つかの実施形態では、送受信機108bは、ユニットとしてアンテナ110bを収容することができる。
【0039】
カメラ112は、任意の既知の有線、無線、または導波路の方法などで、プロセッサ104と通信している。カメラ112は、複数のカメラ112を含むことができる。カメラ112は、画像を捕捉または記録するための画像取り込み装置または光学機器を含み、画像は一時的または永続的にローカルに格納されてもよく、別の場所に送信されてもよく、またはその両方であってもよい。カメラ112は、プロセッサ104が圧縮、画像および映像解析、遠隔測定などの様々な画像処理技術を実行できるように、画像を取り込むことができる。例えば、画像および映像解析は、物体認識、物体追跡、任意の既知のコンピュータビジョンまたはマシンビジョン解析、または他の解析を含むことができる。例えば、カメラ112は、当業者に既知のように、車両102または車両120が走行している車線の境界の幾何学的位置を検出することができる。本明細書に開示されているように、このような検出は、視覚-地図一致位置特定手法において使用できるため、この機能は有益な有用性を有し、位置推定は、カメラが報告した車線境界が、地図が報告した車線境界と一致するまで変化する。画像は、個々の静止写真または映像を構成する一連の画像であってもよい。カメラ112は、半導体電荷結合素子(CCD)などの画像センサ、あるいは相補型金属酸化物半導体(CMOS)またはN型金属酸化物半導体(NMOS)のアクティブピクセルセンサ、ならびにレクティリニアレンズ、凹レンズ、凸レンズ、広角レンズ、魚眼レンズまたはその他のレンズなどのレンズを含むことができる。カメラ112は、アナログまたはデジタルであり得る。カメラ112は、広角または標準などの任意の焦点距離を含むことができる。カメラ112は、フラッシュ照明出力装置を含むことができる。カメラ112は、赤外線照明出力装置を含むことができる。カメラ112は、動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合される。
【0040】
サーバ114は、プロセッサ、メモリ、およびネットワークユニットを含むコンピュータ装置を含む。プロセッサは、シングルコアまたはマルチコアプロセッサなどのハードウェアプロセッサを含むことができる。例えば、プロセッサは、並列/平行独立処理用の複数のコアを含むことができるCPUを含む。幾つかの実施形態では、プロセッサはGPUを含む。例えば、サーバ114は、ネットワークサーバを含むことができる。
【0041】
メモリは、任意の既知の有線、無線、または導波路の方法などで、プロセッサと通信している。メモリは、非一時的であり得るコンピュータ可読記憶媒体を含む。記憶媒体は、プロセッサを介して実行するための複数のコンピュータ可読命令を格納する。本命令は、本明細書に開示されるように、差動アルゴリズムでの使用のために、様々な方法で補正を決定し適用することによって、または少なくとも1つがその位置を十分に正確に知っている複数の装置間で生の測位データの共有を介して、測位精度を向上させる方法の実行を容易にするようにプロセッサに命令する。例えば、プロセッサおよびメモリは、読み取り、書き込み、編集、修正、削除、更新、検索、選択、マージ、ソート、暗号化、重複排除などのいずれかを含む、同期または非同期の様々なファイルまたはデータ入力/出力動作を可能にできる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットなどの揮発性メモリユニット、または電気アドレス指定メモリユニットまたは機械アドレス指定メモリユニットなどの不揮発性メモリユニットのうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、電気アドレス指定メモリは、フラッシュメモリユニットを含むことができる。例えば、機械アドレス指定メモリユニットは、ハードディスクドライブを含むことができる。メモリは、データリポジトリ、データマートまたはデータストアのうちの少なくとも1つなどの記憶媒体を含むことができる。例えば、記憶媒体は、リレーショナルデータベース、非リレーショナルデータベース、インメモリデータベース、あるいは生の状態、フォーマットされた状態、整理された状態または任意の他のアクセス可能な状態において、直接的および/または間接的にデータを格納でき、記憶制御装置を介してこのようなデータへのアクセスを可能にできる他の適切なデータベースなどの、分散型を含むデータベースを含むことができる。メモリは、一次記憶装置、二次記憶装置、三次記憶装置、オフライン記憶装置、揮発性記憶装置、不揮発性記憶装置、半導体記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、フラッシュ記憶装置、ハードディスクドライブ記憶装置、フロッピーディスクドライブ、磁気テープ、または他の適切なデータ記憶媒体などの任意のタイプの記憶装置を含むことができる。したがって、プロセッサおよびメモリを介して、サーバ114は、MacOS(登録商標)、Windows(登録商標)などのオペレーティングシステム、およびオペレーティングシステム上のアプリケーションを実行する。
【0042】
ネットワークユニットは、有線、導波路、または無線のネットワーク118とのネットワーク通信用のネットワークインタフェースコントローラを含む。例えば、ネットワークユニットは、IEEE802.11標準などのInstitute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802規格のセットから選択された少なくとも1つの規格に基づくコンピュータネットワーク通信用のハードウェアユニットを含む。例えば、ネットワークユニットは、IEEE802.11(g)規格に従って動作する無線ネットワークカードを含む。ネットワークユニットは、任意の既知の有線、無線、または導波路の方法などで、プロセッサと通信している。
【0043】
基準局116は地上ベースであり、基準局116に割り当てられた既知の地理的位置に設置され、静止している。例えば、基準局は、本明細書に開示されるように、動力源を介して動力を供給され、プロセッサを介して制御され、動力源、プロセッサ、メモリ、複数の送受信機、複数のアンテナ、カメラ、あるいは他の入力または出力装置を含むことができる。幾つかの実施形態では、基準局116は、相対リアルタイムキネマティック(RTK)などの仮想であるか、海上にあるか、空上にあるか、または移動体である。基準局116は、有線、導波路、または無線のネットワーク118と通信している。基準局116はまた、衛星126と無線または導波路通信しており、それによって差動補正を可能にする。例えば、基準局116は既知の地理的位置に設置され、衛星126からのGNSSデータを継続的に収集する。衛星126は、基準局116が実際にあると基準局116が知っている場所とは異なる場所に基準局116があることを、基準局116に知らせることができる。基準局116が既知の地理的位置にあると基準局116が知っているが、基準局116が既知の地理的位置から一定の距離離れていることを衛星126が基準局116に知らせると、基準局116は、その既知の地理位置において、その時刻に、衛星126からのGNSSデータにおける特定の距離に対応するオフセットまたは誤差があることを決定できる。したがって、基準局116は、そのオフセットまたは誤差を、基準局116からデータを受信する任意のローバ装置に通信することができる。しかしながら、追加的にまたは代替的に、他の技術も可能であることに留意されたい。例えば、このような技術の幾つかは様々な手法を含むことができ、(1)基準局116が、大気、軌道、およびクロックを含む様々な誤差成分のパラメータのセットを計算して共有する、または(2)基準局116が、GPSデータなどのGNSSデータなどのその生の測位データを、車両102または車両120と共有し、その結果、車両102または車両120が差異検出によって誤差を除去できる。
【0044】
幾つかの実施形態では、車両102または車両120の少なくとも1つは、プロセッサ104と通信し、動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合された超音波センサを含むことができる。超音波センサは、送信機または送受信機を介してなど、電気信号を出力用に超音波に変換し、かつ受信機または送受信機を介してなど、反射された超音波を入力用に電気信号に変換する変換器である。超音波センサは、対象物から反射された音波から音響エコーを解析して対象物の属性を評価する。このような解析には、音波を送信してからエコーを受信するまでの時間間隔を測定して、対象物までの距離を決定することが含まれる。超音波センサは、好ましくは動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合される。超音波センサは、車両102または車両120の少なくとも1つに近接する物体を検出するのに使用できる。
【0045】
幾つかの実施形態では、車両102または車両120の少なくとも1つは、プロセッサ104と通信し、動力源を介して動力が供給され、シャーシに結合されたレーダを含むことができる。レーダは、無線またはマイクロ波スペクトルなどの電磁波を生成する送信機、送信アンテナ、受信アンテナ、受信機およびプロセッサ(プロセッサ104と同じでもよい)を含み、対象物の特性を決定する。当技術において一般的であるように、同じアンテナを送信および受信に使用することができる。送信機アンテナは送信機からの電波(パルスまたは連続)を放射して対象物から反射し、受信アンテナを介して受信機に戻り、対象物の位置、速度、角度および他の特性に関する情報をプロセッサに与える。プロセッサは、デジタル信号処理(DSP)、機械学習、および、メモリ106に格納されたコードを使用するなどにより、様々なノイズレベルから有用な情報を抽出することができる他の関連技術を適用するようにプログラムすることができる。幾つかの実施形態では、レーダは、電波に加えて、またはその代わりに、レーザからの紫外光、可視光、または近赤外光を使用するライダーを含む。ライダーは、車両102または車両120の少なくとも1つに近接する物体を検出するのに使用することができる。
【0046】
動作の1つのモードでは、車両102は、30マイル以内などの、基準局116の信号適用可能範囲内に配置され、基準局116から第1のデータのセットを受信し、基準局116は、衛星126と通信している基準局116に基づいて第1のデータのセットを生成する。これは、基準データユーザと基準局位置との間の分離が増加するにつれて、それぞれの条件の違いにより誤差推定の適用可能性が低下する状況において適切であることに留意されたい。車両102は、第1のデータのセットに基づいて第2のデータのセットを生成し、第2のデータのセットをサーバ114に送信する。また、車両102は、基準局116に十分接近することによって、その位置を十分に正確に計算することができ、車両102が第2のデータのセットを生成すると、その第2のデータのセットはこの正確さから利益を得、したがって、車両120が第2のデータのセットを受信すると、車両120はまた、その第2のデータのセットを使用して、より正確に自身の位置を計算できることによって利益を得ることに留意されたい。サーバ114は、車両102から第2のデータのセットを受信し、第2のデータのセットを、基準局116の信号適用可能範囲外に位置する車両120に送信する。
【0047】
図2aは、本開示による基準局の範囲を拡張する方法の実施形態のフローチャートを示す。方法200aは、システム100を介して実行される複数のブロック202~210を含む。
【0048】
ブロック202において、車両102などの第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、第1の車両が基準局116などの基準局の50マイル以内などの信号範囲にあることを確認する。このような確認は、ネットワーク118を介するなど、基準局からの補正信号を受信する第1の車両に基づいて、または衛星126と通信する送受信機108bを介するなど、基準局116の信号範囲内にあるべき第1の車両に既知の領域に位置する第1の車両に基づいて行われてもよい。例えば、第1の車両は、リアルタイムRTKデータチャネルなどのデータ補正解決策が、基準局116から第1の車両に利用可能であることを確認することができる。
【0049】
ブロック204において、第1の車両は、第1の車両が基準局の信号範囲内にある場合など、基準局から第1の補正データのセットを受信する。この受信は、有線、導波路、または送受信機108aを介するなどの無線であってもよい。第1の車両は、送受信機108bを介してなど、衛星126との測位信号通信していることに留意されたい。
【0050】
ブロック206において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、第1の補正データのセットに基づいて第2の補正データのセットを生成する。このような生成は、第2の補正データのセットを形成するために第1の補正データのセットを複製すること、または第1の補正データのセットを拡張してもよい第2の補正データのセットをローカルに決定するために、衛星126から送受信機108bに送信される測位データのセットに基づいて、第1の補正データのセットを解析することを含むことができる。例えば、このような決定は、第1の車両を介して提供される、当業者に既知のRTKモジュールなどのハードウェアまたはソフトウェアの、データ補正ロジックを介して行うことができる。
【0051】
ブロック208において、第1の車両は、送受信機108aを介してなど、第2の補正データのセットを、サーバ114などのサーバに送信する。このような送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線であってもよい。
【0052】
ブロック210において、サーバ114は、車両120などの第2の車両に第2の補正データのセットを送信するが、第2の車両は信号範囲の外にあるなど基準局の信号範囲内にはない。このような送信は、放送を含むことができ、ネットワーク118を介して行うことができる。例えば、第1の車両は、第1のデータのセットを基準局からの範囲外にある第2の車両に転送することができ、サーバはこの転送動作を実施するために使用される。この意味で、第1のデータのセットは、範囲外であり、第1のデータのセットを直接受け取ることができない第2の車両に繰り返される。このように、基準局の使用範囲が拡張される。
【0053】
図2bは、本開示による基準局の範囲を拡張する方法のデータフロー図を示す。データフロー
図200bは、GNSSモジュールおよび慣性測定ユニット(IMU)モジュールを単一のユニット122として提供する車両102を示しているが、この構成は、異なるユニットに別個に収容されるGNSSモジュールおよびIMUモデルに基づいて変更できる。
【0054】
図2aのブロック202~204に説明するように、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとすることができるGNSSモジュールは、第1の補正データのセットなどの基準局116からの、および測位データのセットなどの衛星126からのデータを受信するように構成される。ハードウェアおよび/またはソフトウェアとすることができるIMUモジュールは、車両102の特定の力および角速度を測定および出力するように構成される。ハードウェア形式では、IMUモジュールは、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計を含むことができる。IMUモジュールは、車両102が衛星126の照準線内にないとき、送受信機108bが衛星126と通信している場合など、電子干渉が存在するとき、トンネル、屋内ガレージ内など、または推測航法技術を介するなど他のシナリオでGNSSモジュールの動作を強化することができる。
【0055】
車両102はまた、ハードウェアおよび/またはソフトウェアであり得るデータ補正モジュール124を提供する。ユニット122は、第1の補正データのセットをモジュール124に送る。
図2aのブロック206で説明されるように、RTKモジュールなどのモジュール124は、第1のデータのセットおよび測位データのセットを解析し、次に第2のデータのセットを生成する。幾つかの実施形態では、基準局116からのデータは、モジュール122に追加されるか、またはモジュール122の代わりに、データ補正モジュール124を介して処理されてもよい。このような生成は、測位データのセットに基づいて第1の補正データのセットを解析し、次に、ハードウェアまたはソフトウェアあるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせである、ローカルに提供されるデータ補正ロジックを介して、第2の補正データのセットを決定することを含み得る。データ補正モジュール124は、
図2aのブロック208~210で説明されるように、第2の補正データのセットをサーバ118に送信し、この送信は、放送を介するなど、第2の補正データのセットを第2の車両に送信する。このように、基準局の使用範囲が拡張される。
【0056】
図3は、本開示による基準局として車両を使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。方法300は、システム100を介して実行される複数のブロック302~318を含む。
【0057】
ブロック302において、車両102などの第1の車両が、プロセッサ104を介してなど第1の車両が移動しているか否かを決定する。このような決定は、機械的、電気的またはデジタル的に起こり得る。例えば、機械的には、このような決定は、パークモードに設定されたトランスミッションを有するか、解放されたイグニッションキーを有するか、パークブレーキが作動しているか、ホイールが回転していないか、または駆動軸が回転していない第1の車両、あるいは他の何らかの機械的な方法に基づくことができる。同様に、電気的には、このような判定は、第1の車両の開いている回路に基づくことができ、閉じている回路は静止していない第1の車両に関連するか、またはその逆である。例えば、回路は、第1の車両の電動モータ、第1の車両の内燃機関、第1の車両のブレーキシステム、第1の車両のステアリングシステム、第1の車両のエアバッグシステム、または回路を有する第1の車両の任意の他のシステムに含まれ得る。同様に、デジタル的には、このような決定は、プロセッサ104上で実行されるモジュール、オブジェクト、ライブラリ、アプリケーション、オペレーティングシステムなどのソフトウェアコンポーネントに基づくことができ、プロセッサ104は、第1の車両が移動していないことを、ハードウェアまたはソフトウェアの第1の車両のコンポーネントセットを計算またはポーリングする要求/応答を介して決定することができる。いずれにせよ、第1の車両が移動している場合、ブロック304が実行される。あるいは、第1の車両が移動していない場合、ブロック306が実行される。
【0058】
ブロック304において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、送受信機108aを介するネットワーク118上のサーバ114、送受信機108aを介するネットワーク118上の基準局116、または他のものなどのデータソースからの補正データのセットを要求する。
【0059】
ブロック306において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、ある期間にわたって第1の車両に対する複数の測位測定値を推定/累積する。例えば、
図2bのモジュール122は、この推定/累積を容易にすることができる。このような推定/累積は、複数の測位測定値を生成する第1の車両を含むことができ、これは、シグマ方法論(sigma methodology)を介してなど、測位変動が低い可能性があるため、第1の車両が静止している期間にわたって測位測定値を平均化することを含み得る。測位測定値は、送受信機108aを介してネットワーク118上で基準局116と通信し、送受信機108bを介して衛星126と通信する第1の車両に基づくことができる。期間は任意の期間であり得る。例えば、期間は、包括的に1日未満、12時間未満、6時間未満、3時間未満、1時間未満、30分未満、15分未満、5分未満、または任意の他の期間であり得る。より長い期間がより正確な測位測定値または推定をもたらすことに留意されたい。幾つかの実施形態では、平均化は、適切な文脈として、少なくとも2分である。
【0060】
ブロック308において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、正確な位置が決定されたか否かを決定する。例えば、
図2bのモジュール124は、この決定を容易にすることができる。このような決定は、第1の車両が基準局116として機能することを可能にすることができ、車両102のメモリ104に格納された英数字値などの単一の値として平均化され得る測位測定値が、車両102のメモリ104に格納された英数字値などの閾値を満たすか否か、第1の車両が決定することを含み得る。閾値を上回るか下回るかにかかわらず閾値が満たされる場合、メモリ104に格納された英数字値のセットなど、正確な位置に対応する位置座標セットを、第1の車両に格納することができる。閾値は、遠隔データソースからのプログラミングまたはダウンロードによってなど予め設定することができるか、または遠隔データソースからのプログラミングまたはダウンロードによってなど予め設定された基準セットに基づいて、動作中になど動的に決定することができることに留意されたい。正確な位置が決定されていない場合、ブロック306が実行される。あるいは、正確な位置が決定された場合、ブロック310が実行される。
【0061】
ブロック310において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、その正確な位置に基づいて第1の車両に基づく測位補正を決定する。ただし、測位補正は、予め定められてもよい一定範囲内の車両に対してであってもよい。例えば、
図2bのモジュール124は、この決定を容易にすることができる。この決定は、衛星126から第1の車両に送信された信号への電離層の影響に対応することができる。
【0062】
ブロック312において、第1の車両は、送受信機108aを介してなど、サーバ114などのサーバに測位補正を送信する。このような送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線であってもよい。測位補正は、有効な精度の決定を可能にするために、第1の車両を介して取得された生のGPSデータのセットなどの生のGNSSデータのセットを含むか、生のGNSSデータのセットで補足されてもよいことに留意されたい。
【0063】
ブロック314において、サーバは、セルラ式または当業者に既知の別の方法などで、第1の車両と空間的および時間的に相関する位置にある車両120などの第2の車両の位置を特定する。例えば、サーバは、遠隔データソースからのプログラミングまたはダウンロードによってなど予め設定された、あるいは遠隔データソースからのプログラミングまたはダウンロードによってなど予め設定された基準のセットに基づいて、動作中になど動的に更新される、ファクタに基づいて、車両のセットの識別に基づき位置を特定することができる。このような位置特定は、第1の車両が静止しているときに、第1の車両からの補正データのセットなどの測位補正を受信することと、ネットワーク118を介して送受信機108aからなど第2の車両から位置データのセットを受信することとを含み、位置データのセットは、その時点における第2の車両の空間的および時間的位置を知らせる。位置特定データのセットは、送受信機108aを介してなど基準局116と通信し、送受信機108bを介してなど衛星126と通信する第2の車両に基づいて形成することができる。したがって、位置特定データのセットは、英数字値などの第1の値、および英数字値などの第2の値を生成するために使用でき、第1の値は空間値であり、第2の値は時間値であり、第1の値および第2の値は、サーバが第1の車両に対する空間的および時間的に相関した位置を有する第2の車両の位置を特定するための相関データセットを規定する。第1の値は、第2の車両が第1の車両に空間的に近接しているか否かを判定するために測位補正によって解析される。第2の値は、第2の車両が第1の車両に時間的に近接しているか否かを判定するために測位補正によって解析される。
【0064】
ブロック316において、サーバは、ネットワーク118上でネットワークユニットを介してなど、データ補正を第2の車両に送信し、第2の車両は第1の車両に空間的および時間的に相関する。データ補正には、測位補正が含まれる。
【0065】
ブロック318において、第1の車両に空間的および時間的に相関する第2の車両は、プロセッサ104を介してなど、送受信機108aを介してなどサーバから受信したデータ補正に基づいて、その測位測定値を補正する。このような補正は、送受信機108aを介してなど基準局116と通信し、送受信機108bを介してなど衛星126と通信し、このような通信に基づいて位置データセットを決定する第2の車両を含むことができる。次に、第2の車両は、データ補正に基づいて、位置データセットを修正し、例えばRTK技術介してなど、データ補正に対応する。
【0066】
図4aは、本開示による固定協調基準局として車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。方法400aは、システム100を介して実行される複数のブロック402a~414aを含む。
【0067】
ブロック402aにおいて、車両102などの第1の車両が、プロセッサ104を介してなど第1の車両が移動しているか否かを決定する。このような決定は、機械的、電気的またはデジタル的に起こり得る。例えば、機械的には、このような決定は、パークモードに設定されたトランスミッションを有するか、解放されたイグニッションキーを有するか、パークブレーキが作動しているか、ホイールが回転していないか、または駆動軸が回転していない第1の車両、あるいは他の何らかの機械的な方法に基づくことができる。同様に、電気的には、このような判定は、第1の車両の開いている回路に基づくことができ、閉じている回路は静止していない第1の車両に関連するか、またはその逆である。例えば、回路は、第1の車両の電動モータ、第1の車両の内燃機関、第1の車両のブレーキシステム、第1の車両のステアリングシステム、第1の車両のエアバッグシステム、または回路を有する第1の車両の任意の他のシステムに含まれ得る。同様に、デジタル的には、このような決定は、プロセッサ104上で実行されるモジュール、オブジェクト、ライブラリ、アプリケーション、オペレーティングシステムなどのソフトウェアコンポーネントに基づくことができ、プロセッサ104は、第1の車両が移動していないことを、ハードウェアまたはソフトウェアあるいは両方の第1の車両のコンポーネントセットを計算またはポーリングする要求/応答を介して決定することができる。いずれにせよ、第1の車両が移動している場合、ブロック414aが実行される。あるいは、第1の車両が移動していない場合、ブロック404aが実行される。
【0068】
ブロック404aにおいて、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、ある期間にわたって第1の車両に対する複数の測位測定値を推定/累積する。例えば、
図2bのモジュール122は、この推定/累積を容易にすることができる。このような推定/累積は、複数の測位測定値を生成する第1の車両を含むことができ、これは、シグマ方法論(sigma methodology)を介してなど、測位変動が低い可能性があるため、第1の車両が静止している期間にわたって測位測定値を平均化することを含み得る。例えば、測位測定値の平均化は、おそらく静的または動的に決定され得る閾値を下回る位置の変動によって証明される、車両102の位置の不確実性が許容できるような期間にわたって行われ得る。測位測定値は、送受信機108aを介してネットワーク118上で基準局116と通信し、送受信機108bを介して衛星126と通信する第1の車両に基づくことができる。期間は任意の期間であり得る。例えば、期間は、包括的に1日未満、12時間未満、6時間未満、3時間未満、1時間未満、30分未満、15分未満、5分未満、または任意の他の期間であり得る。より長い期間がより正確な測位測定値または推定をもたらすことに留意されたい。幾つかの実施形態では、平均化は、適切な文脈として、少なくとも2分である。
【0069】
ブロック406aにおいて、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、正確な位置が決定されたか否かを決定する。例えば、
図2bのモジュール124は、この決定を容易にすることができる。このような決定は、第1の車両が基準局116として機能することを可能にすることができ、車両102のメモリ104に格納された英数字値などの単一の値として平均化され得る測位測定値が、車両102のメモリ104に格納された英数字値などの閾値を満たすか否か、第1の車両が決定することを含み得る。閾値を上回るか下回るかにかかわらず閾値が満たされる場合、メモリ104に格納された英数字値のセットなど、正確な位置に対応する位置座標セットを、第1の車両に格納することができる。閾値は、遠隔データソースからのプログラミングまたはダウンロードによってなど予め設定することができるか、または遠隔データソースからのプログラミングまたはダウンロードによってなど予め設定された基準セットに基づいて、動作中になど動的に決定することができることに留意されたい。正確な位置が決定されていない場合、ブロック404aが実行される。あるいは、正確な位置が決定された場合、ブロック408aが実行される。
【0070】
ブロック408aにおいて、第1の車両は、送受信機108aを介してなど、サーバ114などのサーバに生の測位測定値を報告する。例えば、
図2bのモジュール124は、この報告を容易にすることができる。このような報告は、プロセッサ104を介してなど、正確な位置に対応する生の測位測定値を、測位測定値を平均化することを含んでもよい生成することを含み、次いで生の測位測定値をサーバに送ることを含むことができる。例えば、生の測位測定値は、正確な位置の経度および緯度、および場合によっては高度を含む英数字値のセットを含むことができる。追加的または代替的に、生の測位測定値は、送受信機108bによって測定される衛星126から放射される電磁波の搬送波位相、送受信機108bによって経験される衛星126から放射される電磁搬送波のドップラシフト、アンテナ110bと衛星126との間の距離を表す擬似距離測定値、送受信機108bによって経験される電磁ノイズ電力に対する搬送波電力の比、または当業者には既知の他のものなどのRTK技術のための様々な測定値を含むことができる。このように、このような測定値のいずれかが、第1の車両を介してサーバに報告され得る。生成は、当業者に既知のように、RTK技術の使用を含むことができる。この報告は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。したがって、サーバは、第1の車両が静止しているときに、第1の車両から第1の生の測位測定値を受信する
【0071】
ブロック410aにおいて、サーバは、ローカルまたは分散方式のいずれであっても、第1の車両を含む複数の移動していないなど静止している車両から受信したか、または静止している車両に対応する、複数のデータセットに基づいて、最適化プロセスを実行する。例えば、データセットはネットワーク118を介して受信され、第2の車両が静止しているときに第2の車両から第2の生の測位測定値を受信することを含むことができる。最適化プロセスは、当業者に既知のように、ネットワークRTK技法または拡張RTK技法を含むかまたはそれに基づくことができ、第1の生の測位測定値および第2の生の測位測定値を含むことができる。例えば、最適化プロセスは、カーブフィッティングまたは当業者に既知の任意の他の方法を介してなど、測定値の結合セットに最もよく適合する複数の基準点に基づいて変数を最適化し、そこからの偏差を決定することができ、測位補正の決定を可能にしてもよい。このようにして、サーバは、基準局116などの複数の基準局と通信する車両102などの複数の車両から提供されたデータを融合させることができ、このような融合により補正データのセットの決定が可能になる。
【0072】
ブロック412aにおいて、サーバは、車両120または移動している第3の車両などの別の車両などの、移動しているなどの複数の静止していない車両に、複数の測位補正を送信する。送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。測位補正は、コンテンツまたはフォーマットにおいて互いに同一であっても異なっていてもよい。サーバは、ブロック410aのように、最適化技術に基づいて測位補正を生成または提供する。サーバは、ネットワーク118上で送受信機108aを介して、またはブロック410aから静止車両を除外することによって、または
図3のブロック314のようになど、サーバと通信する車両に基づいて、静止していない車両を認識する。
【0073】
ブロック414aにおいて、移動する第1の車両は、任意のタイプの動作をとる。例えば、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、当業者に既知のように、RTK技術を介してなど第1の車両に対する測位補正を決定することができる。例えば、動作は、本明細書で開示されるように、データを受信し、そのデータを処理してその測位精度を改善してなど、その測位精度を向上させるための補正データを消費する車両を含むことができる。例えば、
図2bのモジュール124は、この決定を容易にすることができる。あるいは、第1の車両は、
図3のブロック318のように動作してもよい。あるいは、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、送受信機108aを介するネットワーク118上のサーバ114、送受信機108aを介するネットワーク118上の基準局116、または他のものなどのデータソースからの補正データのセットを要求する。
【0074】
図4bは、本開示による固定協調基準局として車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。方法400bは、システム100を介して実行される複数のブロック402b~414bを含む。また、ブロック410b~412bを除いて、プロセッサ400aはプロセス400bと同様であることに留意されたい。したがって、ブロック410b~412bのみが説明される。
【0075】
ブロック410bにおいて、サーバは、ローカルまたは分散方式のいずれであっても、第1の車両を含む複数の移動していないなど静止している車両から受信したか、または静止している車両に対応する、複数のデータセットに基づいて、出力を生成する大気モデル化プロセスを実行する。例えば、データセットはネットワーク118を介して受信され、第2の車両が静止しているときに第2の車両から第2の生の測位測定値を受信することを含むことができる。例えば、大気モデル化プロセスは、当業者に既知の、ネットワークRTK環境における電離層の時間変化のモデル化、またはGPS電離層誤差補正モデル、または単一周波数GPSユーザのための電離層時間遅延アルゴリズムを伴うことができる。例えば、大気モデル化プロセスは、第1の生の測位測定値および第2の生の測位測定値を含むことができる。このようにして、サーバは、基準局116などの複数の基準局と通信する車両102などの複数の車両から提供されたデータを融合させることができ、このような融合は、補正データのセットの決定を可能にし、衛星126からの信号伝播に影響を及ぼす可能性のある大気条件に対応する。当業者に既知の対流圏、電離層、または他のものなどの、任意の大気モデルが使用できることに留意されたい。さらに、流体である大気条件のため、大気モデル化プロセスは、包括的に12時間未満など、このような流動性に対応するように定期的にリフレッシュまたは更新されてもよいことに留意されたい。
【0076】
ブロック412bにおいて、サーバは、車両120または移動している第3の車両などの別の車両などの、移動しているなどの複数の静止していない車両に、複数の測位補正を含んでもよい出力を送信する。送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。例えば、測位補正は、コンテンツまたはフォーマットにおいて互いに同一であっても異なっていてもよい。サーバは、ブロック410bのように、大気モデル化プロセスに基づいて測位補正を生成または提供する。サーバは、ネットワーク118上で送受信機108aを介して、またはブロック410bから静止車両を除外することによって、または
図3のブロック314のようになど、サーバと通信する車両に基づいて、静止していない車両を認識する。
【0077】
ブロック414bにおいて、移動する第1の車両は、任意のタイプの動作をとる。例えば、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、当業者に既知のように、RTK技術を介してなど第1の車両に対する測位補正を決定することができる。例えば、動作は、本明細書で開示されるように、データを受信し、そのデータを処理してその測位精度を改善してなど、その測位精度を向上させるための補正データを消費する車両を含むことができる。例えば、
図2bのモジュール124は、この決定を容易にすることができる。あるいは、第1の車両は、
図3のブロック318のように動作してもよい。あるいは、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、送受信機108aを介するネットワーク118上のサーバ114、送受信機108aを介するネットワーク118上の基準局116、または他のものなどのデータソースからの補正データのセットを要求する。
【0078】
図5は、本開示による地図相対位置特定用の移動基準局のセットとして車両のセットを使用する方法の実施形態のフローチャートを示す。方法500は、システム100を介して実行される複数のブロック502~514を含む。
【0079】
任意であるブロック502において、車両102などの第1の車両が、プロセッサ104を介してなど第1の車両が移動していることを確認する。しかしながら、本明細書で開示されるように、確認は逆であってもよく、すなわち第1の車両が静止していることに留意されたい。このような確認は、機械的、電気的またはデジタル的に起こり得る。例えば、機械的には、このような決定は、パークモードに設定されていないトランスミッションを有するか、解放されたイグニッションキーを有さないか、パークブレーキが作動していないか、ホイールが回転しているか、または駆動軸が回転している第1の車両、あるいは他の何らかの機械的な方法に基づくことができる。同様に、電気的には、このような決定は、第1の車両の閉じている回路に基づくことができ、開いている回路は静止している第1の車両に関連するか、またはその逆である。例えば、回路は、第1の車両の電動モータ、第1の車両の内燃機関、第1の車両のブレーキシステム、第1の車両のステアリングシステム、第1の車両のエアバッグシステム、または回路を有する第1の車両の任意の他のシステムに含まれ得る。同様に、デジタル的には、このような決定は、プロセッサ104上で実行されるモジュール、オブジェクト、ライブラリ、アプリケーション、オペレーティングシステムなどのソフトウェアコンポーネントに基づくことができ、プロセッサ104は、第1の車両が移動していることを、ハードウェアまたはソフトウェアあるいは両方の組み合わせの第1の車両のコンポーネントセットを計算またはポーリングする要求/応答を介して決定することができる。
【0080】
ブロック504において、第1の車両は、プロセッサ104を介してなど、第1の車両が、画像センサを介するなどカメラ112から受信した入力を介してなど、地図に視覚-位置特定されているか否かを判定する。例えば、第1の車両が移動しているとき、ランドマーク、彫刻、モニュメント、建物、他の車両、歩行者、公園/自然、スタジアム、街灯、道路標識、道路の曲がり角、車道、水道栓、陸橋、橋梁、車線マーク、車線幅、車線形状、マネキン、店頭、駐車場、あるいは経度、緯度、または高度を介してなど正確な位置を知るための他の視覚的基準点などの様々な物体を描写する2Dまたは3Dの、静止画または映像の入力を受信するためにカメラ112に電力が供給される。この地図ポーズは、視覚ベースの位置特定のために地図ポーズが正確であり得るという点で、有用であり得る。入力は、入力を物体のセットを含む画像のセットと比較するためにプロセッサ104に送られ、これはリアルタイムであってもよい。画像のセットは、2Dまたは3Dの静止画または映像を含むことができ、メモリ106を介してなどローカルに格納されてもよく、ネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど遠隔に格納されてもよい。プロセッサ104が、入力と画像のセットのメンバとの間のピクセルパターンを介してなど視覚的一致を識別する場合、プロセッサ104は、地図が2D、3Dまたはその他の任意のタイプであれ、地図上の測位に関してメンバに対応するX軸、Y軸、Z軸などの座標のセットについて、メンバから抽出するか、あるいはアレイ、ハッシュなどのデータ構造を照会する。データ構造は、メモリ106を介してなどローカルに格納されてもよく、またはネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど遠隔に格納されてもよい。プロセッサ104が座標のセットを受信すると、プロセッサ104は、地図に対して座標のセットを検証して、地理的座標のセットが地図上に存在することを確認することができ、これはメモリ106を介してなど、ローカルに格納されてもよく、ネットワーク118を介してサーバ114と通信する送受信機108aを介してなど、遠隔に格納されてもよい。このような検証は、送受信機108aを介して基準局116に照会するか、または送受信機108bを介して衛星126に照会する車両を介して補強することができる。車両が移動しており、プロセッサ104が入力を画像のセットと比較しているため、プロセッサ104は、マルチコアプロセッサであってもよいし、または並列処理などのマルチプロセッシング環境のコンポーネントであってもよく、第1の車両に局所的に、あるいは他の車両またはコンピューティングシステムと共に分散していてもよい。このように、一致が識別された場合、ブロック506が実行される。あるいは、一致が識別されない場合、ブロック508が実行される。
【0081】
ブロック506において、第1の車両は、送受信機108aを介してなど、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値をサーバ114などのサーバに送信する。例えば、
図2bのモジュール124は、このような送信を容易にすることができる。送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。第1の地図ポーズは、ブロック504のように、第1の車両が地図に視覚-位置特定されていることに基づいている。例えば、プロセッサ104は、第1の車両を地図上に配置する地図座標のセットを含むように第1の地図ポーズを生成することができる。生の測位測定値は、ネットワーク118上で送受信機108aを介してなど、基準局116と通信する第1の車両と、送受信機108bを介してなど衛星126とに基づくことができる。例えば、プロセッサ104は、生の測位座標のセットを含むように生の測位測定値を生成することができる。
【0082】
ブロック508において、サーバは、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値を、車両120などの第2の車両に送信する。送信は、有線、導波路、またはネットワーク118上などの無線方式を介した送信を含むことができる。サーバは、ネットワーク118を介してなど、第1の車両および第2の車両からの測位データを受信するサーバを介して決定されたとき、第1の車両から特定の距離内に位置する第2の車両に基づいて、車両間を識別し、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値を第2の車両に送信することができる。特定の距離は、基準のセットに基づいて局所的に、またはダウンロードされた更新を介してなど、静的にプログラムされるか、または動的に更新可能であり得る。
【0083】
ブロック510において、第2の車両は、
図2bのモジュール124を介してなど、RTK技術を介してなど、当業者に既知のように、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値に基づいて、第1の車両に対する第1の位置ベクトルを、プロセッサ104を介してなど、決定する。これにより、第2の車両は、ランドマークまたは正確な位置が既知である任意の他の構造物などの、画像のセットのメンバからのオフセットを決定することができる。例えば、第1の車両または第2の車両の各車両は、その車両がエリア内の他の自動車に関する集合データをサーバから受信した後に、自身の地図ポーズへの更新を決定する。例えば、地図ポーズおよび生の測位測定値を決定することに関して、相対ベクトルを計算するために、第1の車両および第2の車両の両方からのデータのそれぞれのセット対が使用される。
【0084】
ブロック512において、第2の車両は、プロセッサ104を介してなど、第2の車両からデータのセットを受信することに基づいて、第2の車両に対するこのベクトルを計算する第3の車両に基づくなどして第3の車両に対して第2の位置ベクトルを決定する。第2の位置ベクトルは、当業者に既知のように、第1の地図ポーズおよび生の測位測定値に基づいて、または
図2bのモジュール124を介してなど、RTK技術を介してなど、任意の他の方法で決定されてもよい。例えば、第2の車両は、サーバを介して、エリア内の他の車両に関する生の測位データおよび地図ポーズデータを受信し、次に、第1の地図ポーズは、サーバによって放送された集合位置データに基づいて、相対位置ベクトルを決定することができる結果として更新される。
【0085】
ブロック514において、第2の車両は、第2の地図ポーズが第1の地図ポーズよりも正確であるように、第2の位置ベクトルを組み込むことに基づいて、プロセッサ104を介してなど第1の地図ポーズを更新して第2の地図ポーズを形成する。この更新は、
図2bのモジュール124を介してなど、RTK技術を介してなど、当業者に既知のように、任意の方法であってもよい。
【0086】
ブロック504は、第1の車両が動いているか静止しているかにかかわらず、すなわち第1の車両が地図に位置特定されているか否かにかかわらず、第1の車両が移動していても静止していても、実行することができることに留意されたい。この位置特定は、メモリ106に格納された英数字値、画像などの、閾値を介して決定することができる。例えば、複数の車両の各車両について、閾値を満たすことに基づいてこの位置特定が決定されると、車両の各々は、それぞれの地図ポーズおよび測位測定値をサーバに送信し、次いでサーバは車両からのこれらの測定値を累積する。サーバがこれらの測定値を累積すると、サーバは、それらの車両が元の複数の車両の一部であるか否かにかかわらず、所定のエリア内で互いに近接する複数の車両にこれらの測定値を放送する。これらの測定値を受信した各車両は、これらの測定値を使用して、他のすべての車に対する相対的な位置を計算し、その単一の結果を使用して自身の地図ポーズを更新する。したがって、プロセス500は、
図5に現在示されているように連続していなくてもよい(例えば、車が他の1台の車から測位情報を受信した後、その地図ポーズを更新してから第2の車から情報を受信し、その地図ポーズを再び更新する)。むしろ、車両は複数の測定値を同時に受信することができ、この集合データのすべてに基づいてその地図ポーズを更新する。
【0087】
図6は、本開示による基準局として車両を使用する実施形態のフローチャートを示す。方法600は、システム100を介して実行される複数のブロック602~610を含む。
【0088】
ブロック602において、車両102などの静止車両は、カメラ112を介するなどのセンサ入力を、プロセッサ104を介してなど受信する。例えば、センサ入力は、静止画像か映像を構成する一連の画像にかかわらず、画像を含むことができる。センサ入力はまた、位置が既知である既知のマーカなどの静止基準の検知であってもよい。
【0089】
ブロック604において、静止車両は、プロセッサ104を介してなど、センサ入力に基づいてその地図参照位置を確認する。例えば、プロセッサ104は、センサ入力に対して処理された物体認識アルゴリズムを介してなどセンサ入力を処理し、センサ入力内の物体を識別することができる。次に、プロセッサ104は、物体に対応する測位データセットをデータ構造に照会することができる。幾つかの実施形態では、地図参照位置は、グローバル的に参照されるGNSS信号のセットなどの測位信号のセットに基づく位置とは異なる。
【0090】
ブロック606において、静止車両は、衛星126から送受信機108bを介してなど測位信号をプロセッサ104を介してなど受信する。例えば、測位信号は、4つ以上の衛星126などの複数の衛星126から、4つ以上の測位信号などの複数の測位信号を含むことができる。
【0091】
ブロック608において、静止車両は、プロセッサ104を介してなど、ブロック604ごとに確認されたマップ参照位置に基づくオフセットと、ブロック606ごとの位置信号とを生成する。例えば、プロセッサ104は、測位データセットに関連する位置と測位信号に関連する位置との間の差に基づいてオフセットを決定する。
【0092】
ブロック610において、静止車両は、プロセッサ104を介してなど、送受信機108aを介してなど、装置にオフセットを送信する。例えば、オフセットは、ネットワーク118上で、サーバ114などのサーバ、または車両120などの車両に送信することができる。
【0093】
本開示の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれているソースコードまたはオブジェクトコードであってもよい。コードセグメントまたは機械実行可能命令は、手続き、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、あるいは命令、データ構造、またはプログラム文の任意の組合せを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ内容を受け渡すおよび/または受け取ることによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合されてもよい。情報、引数、パラメータ、データなどは、とりわけメモリ共有、メッセージ受け渡し、トークン受け渡し、ネットワーク送信などを含む任意の適切な手段を介して、受け渡され、転送され、または送信され得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的に遠隔コンピュータ上、あるいは完全に遠隔コンピュータまたはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、あるいは外部コンピュータに接続されてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)。幾つかの実施形態では、本開示の態様を実行するために、例えばプログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個人専用にすることによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0094】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書で説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、およびフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施できることが理解されよう。本明細書で開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組み合わせとして実装されてもよい。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能性の点で一般的に上述されている。このような機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして実装されるかどうかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとに様々な方法で説明した機能を実装することができるが、このような実装の決定は、本開示の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。
【0095】
図面のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。幾つかの代替的な実施形態では、ブロックに記されている機能は、図に示された順序から外れて起こることがある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてもよく、または、関連する機能に応じてブロックが時々逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、特定の機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実行されるか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行することができる。
【0096】
「その後(then)」、「次に(next)」などの語は、ステップの順序を限定するものではなく、これらの言葉は、単に方法の説明を通じて読者を導くために使用される。プロセスフロー図は、その操作を逐次処理として記述していてもよいが、多くの操作を並行してまたは同時に実行することができる。さらに、操作の順序は再構成されてもよい。プロセスは、方法、関数、手続き、サブルーチン、サブプログラムなどに対応していてもよい。プロセスが機能に対応する場合、その終了は、機能を呼び出し機能または主機能に戻すことに対応することができる。
【0097】
特定の例示的な実施形態に関して説明された特徴または機能性は、様々な他の例示的な実施形態においておよび/または様々な他の例示的な実施形態と共に組み合わされ、部分組み合わせされてもよい。また、本明細書で開示される例示的な実施形態の異なる態様および/または要素は、同様に同じように組み合わせられ、部分組み合わせされてもよい。さらに、幾つかの例示的な実施形態は、個別におよび/または集合的に、より大きいシステムのコンポーネントであってもよく、他の手順がそれらのアプリケーションよりも優先され、および/またはそれらのアプリケーションを修正してもよい。さらに、本明細書で開示されるように、例示的な実施形態の前、後および/または同時に複数のステップが必要とされ得る。少なくとも本明細書に開示されるような任意のおよび/またはすべての方法および/またはプロセスは、少なくとも部分的に、少なくとも1つのエンティティまたはアクタを介して、任意の方法で実行され得ることに留意されたい。
【0098】
本明細書で使用される用語は、直接的または間接的、完全または部分的、一時的または永久的、措置または不作為を意味することができる。例えば、ある要素が他の要素の「上にある(on)」、「接続されている(connected)」、または「結合されている(coupled)」と言及されている場合、その要素は他の要素の直接の上にあるか、接続されるか、結合されてもよく、および/または間接的および/または直接的な変形体を含む介在要素が存在できる。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている(directly connected)」または「直接結合されている(directly coupled)」と言及される場合、介在要素は存在しない。
【0099】
第1の、第2のなどの用語は、様々な要素、コンポーネント、領域、層および/またはセクションを記述するために本明細書で使用することができるが、これらの要素、コンポーネント、領域、層および/またはセクションは、このような用語によって必ずしも限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションを別の要素、コンポーネント、領域、層またはセクションと区別するために使用される。従って、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションは、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層またはセクションと呼ぶことができる。
【0100】
本明細書で使用する用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためのものであり、本開示を必ずしも限定するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明白に示されていない限り、複数形も含むことが意図される。また、本明細書で使用される場合、「1つまたは複数」という用語は本明細書でも使用されるが、用語「a」および/または「an」は、「1つまたは複数」を意味するものである。本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」、「含む(includes)」および/または「備える(comprising)」、「含む(including)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素および/またはコンポーネントの存在を特定するものであるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在、および/または追加を含む。さらに、本開示が、何かが他の何かに「基づいて」と本明細書に述べる場合、このような記述は、1つまたは複数の他のものにも同様に基づくことができる基礎を指す。言い換えると、他に明示的に示されていない限り、本明細書で使用される場合、「基づいて」は包括的に「少なくとも一部基づいて」または「少なくとも部分的に基づいて」を意味する。
【0101】
本明細書で使用される場合、「または(or)」という用語は、排他的な「または(or)」ではなく包括的な「または(or)」を意味するものとする。すなわち、他に明記されていない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを用いる」は、自然な包含的置換のいずれかを意味することを意図する。つまり、XはAを使用する、XはBを使用する、またはXはAとBの両方を使用する場合、前述の例のいずれの場合でも「XはAまたはBを使用する」という条件が満たされる。
【0102】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化されたおよび/または過剰に形式的意味に解釈されるべきではない。
【0103】
この詳細な説明は、例示および説明の様々な目的のために提示されたものであるが、開示された様々な形態で本開示に完全に網羅されるおよび/または限定されることを意図するものではない。以下の様々な請求項に記載された本開示の範囲および精神から逸脱することなく、技術および構造の多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。したがって、このような修正および変形は、本開示の一部であると考えられる。本開示の範囲は、本開示の出願時に、既知の均等物および予測不可能な等価物を含む様々な請求項によって定義される。