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特許7577117管理された汚染領域のための移動式監視デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】管理された汚染領域のための移動式監視デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/24 20060101AFI20241025BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20241025BHJP
   C12M 1/12 20060101ALI20241025BHJP
   A61L 2/00 20060101ALI20241025BHJP
   A61L 2/26 20060101ALI20241025BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20241025BHJP
   G01N 1/26 20060101ALI20241025BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G01N1/24
C12M1/34 D
C12M1/12
A61L2/00
A61L2/26
A61L9/00 Z
G01N1/26
A47L9/28 E
C12M1/34 B
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022517827
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 US2020058657
(87)【国際公開番号】W WO2021091861
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】102019000020248
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506061299
【氏名又は名称】パーティクル・メージャーリング・システムズ・インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519215913
【氏名又は名称】ファーマ・インテグレーション・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】シャッロ, ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】レッキア, ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】ベチニ, クラウディオ
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-211315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/24
C12M 1/34
C12M 1/12
A61L 2/00
A61L 2/26
A61L 9/00
G01N 1/26
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンルームを監視するための移動式監視デバイス(1)であって、
前記クリーンルーム(100)内を移動するように構成された電動移動式構造体(2)と、
前記移動式構造体(2)に配置され、前記クリーンルームの空気および/または表面のサンプリング動作を実行し、前記クリーンルームの相対湿度、温度、絶対圧力および/または差圧を含む環境サンプリングデータと、粒子サンプリングデータとを含むサンプリングデータを取得するように構成されたサンプリングユニットであって、粒子サンプリングデータをリアルタイムで取得するように構成された光学粒子カウンタ(19、20)を備え、前記光学粒子カウンタ(19、20)が、入口および出口を有し全長に沿って等速流を提供するように構成された等速流ダクトを含む、サンプリングユニットと、
前記移動式構造体(2)および前記サンプリングユニットに動作可能に接続された中央管理制御ユニットと
前記中央管理制御ユニットに動作可能に接続され、前記中央管理制御ユニットを無線周波数信号を介して1つ以上の外部周辺デバイスと通信させるように構成された送受信機であって、前記クリーンルームの外側に配置される前記1つ以上の外部周辺デバイスに前記サンプリングデータをリアルタイムで送信するように構成される、送受信機と
を備え、
前記移動式構造体(2)が、前記クリーンルームの所定の複数の地点に到達するように前記中央管理制御ユニットによって制御され、
前記サンプリングユニットが、前記サンプリング動作の前記所定の開始地点に対応して、前記中央管理制御ユニットによって選択的に作動および/または停止される、移動式監視デバイス(1)。
【請求項2】
前記中央管理制御ユニットおよび前記サンプリングユニットの少なくとも一方に動作可能に接続され、前記サンプリングデータを記憶するように構成された少なくとも1つのメモリユニットを備える、請求項1に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項3】
前記中央管理制御ユニットに接続されたナビゲーションユニットを備え、前記ナビゲーションユニットが、位置データを前記中央管理制御ユニットに送信し、前記位置データを基準にして前記移動式監視デバイスが前記所定の複数の地点内で案内されるように構成されている、請求項1または2に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項4】
前記ナビゲーションユニットが、ロケーション情報を含む位置データを発信および/または受信するように構成された少なくとも1つの位置特定ユニットを備える、請求項に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項5】
前記ナビゲーションユニットが、前記移動式構造体(2)上に位置し、前記中央管理制御ユニットおよび前記位置特定ユニットの少なくとも一方に動作可能に接続された1つ以上のナビゲーションセンサ(13)を備え、前記ナビゲーションセンサが、近接情報を含む位置データを検出するように構成されている、請求項に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項6】
前記中央管理制御ユニットに動作可能に接続され、符号化された情報および/または記録可能なデータを検出するように構成された少なくとも1つの無線周波数検出センサを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項7】
前記移動式構造体(2)上に設置され、前記サンプリング動作において使用可能な少なくとも1つのサンプリング要素と相互作用するように構成された少なくとも1つのロボットアーム(9)を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項8】
前記中央管理制御ユニットに動作可能に接続され、画像および映像を取得するように構成された少なくとも1つのデジタルカメラ(11)を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項9】
少なくとも前記中央管理制御ユニットに動作可能に接続され、ユーザと対話するように構成された少なくとも1つのインターフェースユニットを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の移動式監視デバイス(1)。
【請求項10】
クリーンルームを監視するための監視システムであって、前記監視システムが、
少なくとも1つの移動式監視デバイス(1)であって、
前記クリーンルーム(100)内を移動するように構成された電動移動式構造体(2)と、
前記移動式構造体(2)に配置され、前記クリーンルームの空気および/または表面のサンプリング動作を実行し、前記クリーンルームの相対湿度、温度、絶対圧力および/または差圧を含む環境サンプリングデータと、粒子サンプリングデータとを含むサンプリングデータを取得するように構成されたサンプリングユニットであって、粒子サンプリングデータをリアルタイムで取得するように構成された光学粒子カウンタ(19、20)を備え、前記光学粒子カウンタ(19、20)が、入口および出口を有し全長に沿って等速流を提供するように構成された等速流ダクトを含む、サンプリングユニットと、
前記移動式構造体(2)および前記サンプリングユニットに動作可能に接続された中央管理制御ユニットと
前記中央管理制御ユニットに動作可能に接続され、前記中央管理制御ユニットを無線周波数信号を介して1つ以上の外部周辺デバイスと通信させるように構成された送受信機であって、前記クリーンルームの外側に配置される前記1つ以上の外部周辺デバイスに前記サンプリングデータをリアルタイムで送信するように構成される、送受信機と
を備え、
前記移動式構造体(2)は、前記クリーンルームの所定の複数の地点に到達するように前記中央管理制御ユニットによって制御され、
前記サンプリングユニットは、前記サンプリング動作の前記所定の開始地点に対応して、前記中央管理制御ユニットによって選択的に作動および/または停止される、少なくとも1つの移動式監視デバイス(1)と、
前記少なくとも1つの移動式監視デバイスと動作可能に通信するデータネットワーク(200)と、
前記データネットワークに動作可能に接続された外部周辺デバイス(205)と
を備える、監視システム。
【請求項11】
視対象の前記クリーンルーム内に設置された複数の基準ユニット(300)を備え、各基準ユニットが、所定の基準系内の既知の位置を有し、前記移動式監視デバイス(1)と通信するように構成されている、請求項10に記載の監視システム。
【請求項12】
前記基準ユニットが、RFIDシステムを備える、請求項11に記載の監視システム。
【請求項13】
前記基準ユニットが、GPSシステムを備える、請求項11に記載の監視システム。
【請求項14】
前記基準ユニットが、無線周波数送受信機によって検出センサを介して前記中央管理制御ユニットと通信するように構成されている、請求項11に記載の監視システム。
【請求項15】
前記基準ユニットが、前記移動式監視デバイス(1)のデジタルカメラ(11)を介して前記中央管理制御ユニットと通信するように構成されている、請求項11に記載の監視システム。
【請求項16】
前記移動式監視デバイス(1)と動作可能に通信する少なくとも1つの充電ステーション(115)を備える、請求項1015のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項17】
前記移動式監視デバイス(1)が、前記移動式監視デバイス(1)のエネルギー量が所定のレベルを下回ると、前記中央管理制御ユニットが前記移動式構造体(2)を前記充電ステーション(115)に導き、前記移動式監視デバイス(1)を前記充電ステーション(115)に結合するように構成されている、請求項16に記載の監視システム。
【請求項18】
前記移動式監視デバイス(1)と動作可能に通信し、前記移動式監視デバイス(1)に対して消毒および/または殺菌動作を実行するように構成された少なくとも1つの消毒ステーションを備える、請求項1017のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項19】
前記移動式監視デバイス(1)が、監視対象の前記クリーンルーム(100)の所定の地点(107、109)にナビゲート移動し、前記所定の地点(107、109)で前記サンプリングユニットを選択的に作動させるように構成されている、請求項1018のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項20】
前記光学粒子カウンタが、生物粒子と非生物粒子とを区別するように構成されている、請求項1019のいずれか一項に記載の監視システム。
【請求項21】
前記光学粒子カウンタが、生物粒子と非生物粒子とを区別するために蛍光を使用する、請求項20に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、2019年11月4日に出願されたイタリア特許出願第102019000020248号明細書に対する優先権の利益を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、特にクリーンルーム用の、汚染が管理された領域のための移動式監視デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]管理された汚染環境の使用は、高い品質基準を保証するために、多くの分野、例えば医薬品、食品および電子機器において広く普及している。
【0004】
[0004]クリーンルームは、粒子またはマイクロ粉末の濃度およびサイズを制御し、特定のISOおよび分野規格によって規定された制限内に維持しなければならない環境である。例えば医薬品およびマイクロ電子機器だけでなく食品および研究室などのクリーンルームの使用を伴う各業界は、一般に細菌、胞子および病原体などの粒子および他の汚染物質の濃度の特定の限界を遵守しなければならない。
【0005】
[0005]ISO規格および業界規格の両方は、クリーンルームの定期的なチェックを提供し、指定された上限値および一般に必要な標準条件の遵守を検証することを目的とした監視活動を行う。監視動作は、通常、以下のステップを含む:
・クリーンルーム内への器具および人員の進入;
・サンプルとして選択された地点内の機器の配置およびツーリング;
・監視開始;
・次の監視地点へ移動;
・クリーンルームからの退出。
【0006】
[0006]したがって、監視活動は、例えば、部屋の様々な部分内で装置を輸送し組み立てるなど、監視されるべきクリーンルーム内の繊細な動作を手動で行うことができる専門家を必要とする。
【0007】
[0007]監視中の人の存在は、様々な理由で不便である。実際、人々はクリーンルームの汚染のリスクを表している。したがって、それらの存在を制限することは、より大きな無菌性をもたらす。
【0008】
[0008]監視活動への人間の介入は、汚染の観点だけでなく、偽陽性の発生のリスクを表し、重大な経済的結果を伴う。
【0009】
[0009]さらに、人間の介入は、実行される作業に関する不確実性の要因を含む。実際、手動操作は操作の再現性を保証せず、この再現性は、生産を最適化すると同時にその品質を保証することを目的とした信頼できるデータの良好な構築に必要である。
【0010】
[0010]さらに、良好なサンプリング計画は、生産プラントが停止している状態および人員がいないときの静止環境で収集されたデータ、および動作中のサンプリングの両方を含むべきである。サンプリング中の人員の存在自体は、マッピングされたデータの良好な構築を可能にしない。
【0011】
[0011]これに加えて、スタッフは、適切な身支度、クリーンルームへの進入、およびサンプリングの操作について訓練され、監視されなければならない。
【0012】
[0012]このすべてにより、人間の介入は、経済的観点および運用的観点の両方から不利になる。
【発明の概要】
【0013】
[0013]したがって、本発明によって提起され解決される技術的課題は、既知の技術を参照して上記で言及した欠点を克服することを可能にする、管理された汚染領域のための移動式監視デバイスを提供することである。
【0014】
[0014]この問題は、請求項1に記載の管理された汚染領域のための移動式監視デバイスによって解決される。本発明はまた、請求項12に記載の管理された汚染領域を監視するためのシステムを提供する。
【0015】
[0015]1つの実施形態では、管理された汚染領域を監視するための移動式監視デバイスは、電動移動式構造体と、サンプリングユニットと、中央管理制御ユニットとを備える。電動移動式構造体は、監視対象の領域内を移動するように構成される。サンプリングユニットは、前記移動式構造体上に配置され、前記領域の空気および/または表面のサンプリング動作を実行し、サンプリングデータを取得するように構成される。中央管理制御ユニットは、移動式構造体および前記サンプリングユニットに動作可能に接続される。移動式構造体は、監視対象の領域の所定の複数の地点に到達するように中央ユニットによって制御され得る。サンプリングユニットは、前記サンプリング動作の前記所定の開始地点に対応して、前記中央ユニットによって選択的に作動および/または停止され得る。
【0016】
[0016]1つの実施形態では、デバイスは、中央ユニットに動作可能に接続され、中央ユニットを無線周波数信号を介して1つ以上の外部周辺デバイスと通信させるように構成された送受信機を備える。
【0017】
[0017]1つの実施形態では、デバイスは、中央ユニットおよびサンプリングユニットの少なくとも一方に動作可能に接続され、サンプリングデータを記憶するように構成された少なくとも1つのメモリユニットを備える。
【0018】
[0018]1つの実施形態では、デバイスは、中央ユニットに接続されたナビゲーションユニットを備え、ナビゲーションユニットが位置データを中央ユニットに送信し、位置データを基準にしてデバイスが所定の複数の地点内で案内されるように構成される。
【0019】
[0019]1つの実施形態では、ナビゲーションユニットは、ロケーション情報を含む位置データを発信および/または受信するように構成された少なくとも1つの位置特定ユニットを備える。
【0020】
[0020]1つの実施形態では、ナビゲーションユニットは、移動式構造体上に位置し、中央ユニットおよび位置特定ユニットの少なくとも一方に動作可能に接続された1つ以上のナビゲーションセンサを備え、ナビゲーションセンサは、近接情報を含む位置データを検出するように構成される。
【0021】
[0021]1つの実施形態では、デバイスは、中央ユニットに動作可能に接続され、符号化された情報および/または記録可能なデータを検出するように構成された少なくとも1つの無線周波数検出センサを備える。
【0022】
[0022]1つの実施形態では、デバイスは、移動式構造体上に設置され、サンプリング動作で使用可能な少なくとも1つのサンプリング要素と相互作用するように構成された少なくとも1つのロボットアームを備える。
【0023】
[0023]1つの実施形態では、デバイスは、中央ユニットに動作可能に接続され、画像および映像を取得するように構成された少なくとも1つのデジタルカメラを備える。
【0024】
[0024]1つの実施形態では、デバイスは、少なくとも中央ユニットに動作可能に接続され、ユーザと対話するように構成された少なくとも1つのインターフェースユニットを備える。
【0025】
[0025]1つの実施形態では、管理された汚染領域を監視するための監視システムは、少なくとも1つの移動式監視デバイスと、データネットワークと、外部周辺デバイスとを備える。少なくとも1つの移動式監視デバイスは、電動移動式構造体と、サンプリングユニットと、中央管理制御ユニットとを備える。電動移動式構造体は、監視対象の領域内を移動するように構成される。サンプリングユニットは、前記移動式構造体上に配置され、前記領域の空気および/または表面のサンプリング動作を実行し、サンプリングデータを取得するように構成される。中央管理制御ユニットは、移動式構造体および前記サンプリングユニットに動作可能に接続される。移動式構造体は、監視対象の領域の所定の複数の地点に到達するように中央ユニットによって制御され得る。サンプリングユニットは、前記サンプリング動作の前記所定の開始地点に対応して、前記中央ユニットによって選択的に作動および/または停止され得る。データネットワークは、少なくとも1つの移動式監視デバイスと動作可能に通信する。外部周辺デバイスは、データネットワークに動作可能に接続される。
【0026】
[0026]1つの実施形態では、システムは、監視対象の領域内に設置された複数の基準ユニットを備え、各基準ユニットは、所定の基準系内の既知の位置を有し、デバイスと通信するように構成される。1つの実施形態では、基準ユニットは、RFIDシステムを備える。1つの実施形態では、基準ユニットは、GPSシステムを備える。1つの実施形態では、基準ユニットは、無線周波数送受信機によって検出センサを介して中央ユニットと通信するように構成される。1つの実施形態では、基準ユニットは、デバイスのデジタルカメラを介して中央ユニットと通信するように構成される。
【0027】
[0027]1つの実施形態では、システムは、デバイスと動作可能に通信する少なくとも1つの充電ステーションを備える。1つの実施形態では、デバイスは、デバイスのエネルギー量が所定のレベルを下回ると、中央ユニットが移動式構造体を充電ステーションに導き、デバイスを充電ステーションに結合するように構成される。
【0028】
[0028]1つの実施形態では、システムは、デバイスと動作可能に通信し、前記デバイスに対して消毒および/または殺菌動作を実行するように構成された少なくとも1つの消毒ステーションを備える。
【0029】
[0029]1つの実施形態では、システムは、デバイスと動作可能に通信し、デバイスに対して消毒および/または殺菌動作を実行するように構成された少なくとも1つの消毒ステーションを備える。
【0030】
[0030]1つの実施形態では、デバイスは、監視対象の領域の所定の地点にナビゲート移動し、所定の地点でサンプリングユニットを選択的に作動させるように構成される。
【0031】
[0031]本発明の好ましい特徴は、従属請求項の主題である。
【0032】
[0032]本発明は、いくつかの関連する利点を提供する。主な利点は、考案されたデバイスにより、クリーンルーム監視段階中に人間の介入を改善できるという事実にある。
【0033】
[0033]考案されたデバイスは、実際には、クリーンルーム内のサンプリング地点に到達し、サンプリングを開始し、自動的にクリーンルームを出るようにプログラムすることができ、人間の介入を不要にする。
【0034】
[0034]他の利点は、監視動作が自動であるため、サンプリングされた値がより信頼性が高く、現実とより一致することから、考案されたデバイスの動作に関連付けられる。その結果、考案されたデバイスにより、サンプルを定性的な生産最適化に使用することが可能である。
【0035】
[0035]本発明の他の利点、特徴および使用方法は、非限定的な例として提示されるいくつかの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0036】
[0036]添付の図面の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明によるデバイスの好ましい実施形態の概略斜視図である。
図2】本発明による複数のデバイスを使用するシステムの第1の実施形態の概略図である。
図3】本発明による複数のデバイスを使用するシステムの第2の実施形態の概略図である。
図4】移動式監視デバイスの1つの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0041]上記で導入された図に示された厚さおよび曲率は、純粋に例示的なものとして意図されており、それらは全般的に拡大されており、必ずしも比例して示されていない。
【0039】
[0042]本発明の様々な実施形態および変形形態を以下に説明し、これを上記で導入した図を参照して説明する。同様の構成要素は、同じ参照番号で様々な図に示されている。
【0040】
[0043]以下の詳細な説明では、同じ説明において既に処理された実施形態および変形形態に関するさらなる実施形態および変形形態を、既に開示されたものとの違いに限定して示す。さらに、以下に説明する異なる実施形態および変形形態は、適合する場合、組み合わせて使用することができる。
【0041】
[0044]最初に図1を参照すると、本発明の一実施形態によれば、管理された汚染領域のための移動式監視デバイスが、全体的に1で示される。この論議では、「管理された汚染領域」および「監視対象の領域」という用語は、それぞれ「クリーンルーム」または「監視するべきクリーンルーム」という用語と同等であると見なされる。
【0042】
[0045]デバイス1は、監視対象の領域内を移動するように構成された電動移動式構造体2を含む。移動式構造体2は、車輪4を有する。車輪4は、現況技術で利用可能なものから選択された、簡略化のために図1には示さない電動機手段によって動作させることができる。
【0043】
[0046]移動式構造体2は、ハウジング3を備えることができる。好ましくは、車輪はハウジング3の基部3aに置かれるが、例えば車輪4がハウジング3に対して横方向に配置されるなどの技術的に同等の解決策は、排除されない。
【0044】
[0047]移動式構造体2には、デバイス1にエネルギーを供給することができる電気充電ステーションに接続されるように構成された充電ソケット12が有用に設けられる。任意選択的に、移動式構造体2は、例えば、移動式構造体2をある地点から別の地点に移動させるために、ユーザによって把持されるように構成された把持ハンドル5を備えることができる。
【0045】
[0048]有用には、移動式構造体2には、図1には示さない1つ以上の開放可能な区画を設けることができ、この区画は、サンプリング要素またはサンプリング動作を実行するのに有用な他の機器を収容するように構成することができる。
【0046】
[0049]デバイス1は、移動式構造体2上に配置され、サンプリングデータを取得するのに適したサンプリング動作を実施するように構成されたサンプリングユニットを備える。サンプリングは、主に、監視対象の領域またはクリーンルームに存在する空気および表面に関する。
【0047】
[0050]特に、実施されるサンプリング動作は、参照技術規格、例えばISO14698-1/2またはISO14644-1/2/3規格、または他の業界規格によって要求されるものであることができる。より具体的には、サンプリング動作は、以下のうちの1つ以上であることができる:
・空気粒子サンプリング;
・空気の微生物学的サンプリング;
・相対湿度、温度、絶対圧力および/または差圧などの環境パラメータのサンプリング、後者は異なる部屋または部屋に関して評価される;
・表面の微生物学的サンプリング;
・クリーンルーム内に空気が導入される速度の測定;
・フィルタの完全性のためのエアロゾル濃度測定。
【0048】
[0051]好適には、サンプリングユニットは、粒子カウンタ器、例えば簡略化のために図1には示さない粒子センサを備えることができ、粒子カウンタ器は、エンクロージャ3の少なくとも部分的に内側に配置される。粒子カウンタ器は、それらを通過する空気中に存在する粒子を電子的に計数するように構成される。
【0049】
[0052]例えば、1つの実施形態では、粒子カウンタ器は、カウンタ器自体を通過する空気の流れを通してレーザビームを放射するように構成されたレーザエミッタを含むことができる。粒子カウンタ器は、空気流を通過した後に、発せられた前記レーザビームを検出するように構成された検出器をさらに備えることができる。その構成は、粒子に衝突するレーザビームによって生成される光拡散または散乱の影響に基づいて、カウンタ器が、衝突した粒子の数およびサイズを検出するようなものである。
【0050】
[0053]したがって、粒子カウンタ器は、以下で「サンプリングデータ粒子」と称する粒子の存在に関するサンプリングデータを提供することができる。
【0051】
[0054]さらに、サンプリングユニットは、クリーンルームから来る空気をエンクロージャ3の内部に運ぶことができるダクト6、または一般に「コーン」と呼ばれるダクトを含むことができる。
【0052】
[0055]特に、ダクト6は粒子カウンタ器と関連付けられており、その構成は、ダクト6を通って運ばれた空気がカウンタ器および/またはセンサによって遮断され、その中に存在する粒子が保持され計数されるようなものである。
【0053】
[0056]好都合には、ダクト6は、流入する空気の速度を一定に保ちながら補償するような構成を有することができる。
【0054】
[0057]さらに、ダクト6は、例えば入口セクションおよび出口セクションを適切にサイズ設定することによって、その全長に沿って等速状態を維持するように適切に構成することができる。異なる入口速度および出口速度で一定の流れを維持するために、コーンは、その全長に沿って等速性の流れを維持するような、流入領域および流出領域の比率で設計することができる。
【0055】
[0058]好ましくは、サンプリングユニットは、簡略化のために図1には示さない、微生物学的「インパクタ」としても知られる少なくとも1つの微生物学的サンプラを備えることができる。微生物学的サンプラは、空気中の細菌および他の微生物の存在に関するサンプリングデータを提供することができ、これらのデータは、以下で「微生物サンプリングデータ」と称する。
【0056】
[0059]デバイス1は、1つ以上の微生物学的サンプラと係合するように構成された支持体7を備えることができる。特に、微生物学的サンプラは、支持体7上に取り外し可能に設置されてもよく、その後のサンプリングを実施するために他の微生物学的サンプラに交換することができる。
【0057】
[0060]有用には、各微生物学的サンプラには、少なくとも1つのペトリ皿が設けられ得る。
【0058】
[0061]使用時、空気は、支持体7上に設置されたペトリ皿を通過することができる。空気中に存在する微生物は、いずれもペトリ皿に保持され、このとき微生物学的サンプラは、保持された微生物に関する情報を検出する。
【0059】
[0062]有用には、微生物学的サンプラは、その後の分析において、また、保持された微生物に関する情報と組み合わせて使用することができる空気流および体積データを報告することができる。さらに、サンプリングユニットは、個別にまたは互いに統合された、空気の物理的パラメータを検出するための1つ以上の機器を備えることができる。例えば、サンプリングユニットは、温度を検出するためのプローブおよび/またはセンサ、相対湿度を検出するためのプローブおよび/またはセンサ、速度を検出するためのプローブおよび/センサ、ならびに圧力を検出するためのプローブおよび/またはセンサ、および他の物理的環境パラメータを検出するためのプローブおよび/またはセンサを含むことができる。
【0060】
[0063]物理的パラメータを検出するためのツールは、クリーンルームの環境パラメータに関するサンプリングデータを提供することができ、これらのデータは、以下、「環境サンプリングデータ」と称する。
【0061】
[0064]好適には、デバイス1は、移動式構造体2およびサンプリングユニットに動作可能に接続された中央管理制御ユニット、または他の様態でCPUと呼ばれるものを備える。
【0062】
[0065]この構成は、移動式構造体2が監視対象の領域の所定の複数の地点に到達するように中央ユニットによって制御され、サンプリングユニットがサンプリング動作の開始のために所定の地点で同じ中央ユニットによって選択的に作動/停止されるようなものである。
【0063】
[0066]特に、中央ユニットは、移動式構造体2を制御するように構成され、この構造体の起動を作動/停止させ、サンプリング動作が開始され得る所定の地点に到達するようにクリーンルーム内側で案内する。
【0064】
[0067]中央ユニット自体は、サンプリングユニットを起動/停止し、空気サンプリング動作を開始/終了するように構成される。所定の地点で、中央ユニットは、予め設定された時間間隔の間サンプリングユニットを作動させ、サンプリングデータの取得を可能にする。
【0065】
[0068]中央ユニットは、サンプリングユニットを選択的に作動させることができる。例えば、中央ユニットは、所定の地点ごとに1つ以上のサンプリング動作を開始することができ、要求された取得のタイプ、監視対象のクリーンルームのタイプ、および/または適用可能な規格によって要求される仕様に従って異なるサンプリングを動作させる。さらに、サンプリング動作は、クリーンルームを管理するための内部手順に依存することができる。
【0066】
[0069]監視地点、その位置およびその分析の種類の選択は、予防的リスク分析またはリスク分析から導かれる。
【0067】
[0070]中央ユニットは、中央ユニットおよび通常はデバイス1の動作に必要な計算動作に有用な入力データを受信するように有用に構成される。入力データは、監視対象の領域に関するトポグラフィ基準情報、パラメータおよび基準値、所定の地点または物体の識別情報、時間間隔の値、および/または動作を実施するのに有用な他のパラメータを含むことができる。
【0068】
[0071]好ましくは、入力データは、中央ユニットに既に含まれていてもよく、またはユーザによって事前設定され得る。
【0069】
[0072]有用には、中央ユニットは、機械学習アルゴリズムを実装するように構成された機械学習ユニットを含むことができる。したがって、中央ユニットは、サンプリング動作を最適化して、サンプリング戦略を提案および改善することができる。
【0070】
[0073]好適には、デバイス1は、中央ユニットに動作可能に接続され、無線周波数信号を使用して中央ユニットを外部周辺デバイスと通信するように構成された1つ以上の送受信機(簡単にするために図示さず)を備えることができる。
【0071】
[0074]有用には、送受信機は、例えばWi-Fi(登録商標)プロトコル、Bluetooth(登録商標)または他のプロトコルなどのリモートデータ伝送プロトコルと互換性のある無線周波数信号を使用して通信するように構成される。
【0072】
[0075]この機能により、中央ユニットが、例えば監視対象の領域外の遠隔外部デバイスから、これらデバイスが上記で説明したプロトコルに適合するデータネットワークに接続されている限り、データを受信および/または送信することが可能になる。したがって、デバイス1は、データネットワークに接続され、同じネットワークに接続された周辺デバイスと通信し、動作可能に接続することができる。周辺デバイスの中でも、例として、スマートフォンおよびタブレットなどのポータブル電子デバイス、またはPCまたは制御ステーションなどの固定式電子デバイスを挙げることが有用である。
【0073】
[0076]したがって、ユーザは、例えば動作設定を設定するために、または作業の進捗を確認するために、または確立された経路に沿ってデバイスを案内するために、周辺デバイスによって、デバイス1と遠隔通信することができる。
【0074】
[0077]有用には、デバイス1は、簡略化のために図1には示さない少なくとも1つのメモリユニットを備え、メモリユニットは、中央ユニットおよびサンプリングユニットの少なくとも一方に動作可能に接続され、サンプリングデータを記憶するように構成される。
【0075】
[0078]メモリユニットは、サンプリングデータおよび他の情報を記憶するように機能する。データをメモリ内に記憶することができ、および/または送受信機によって周辺デバイスに送信することができる。このように、メモリ容量の大きい周辺デバイスにデータを送信することで、大量のデータを記憶することができる。さらに、外部周辺デバイスとのリンクは、監視動作を監督するのに関与する任意のオペレータへのデータおよび情報のリアルタイム送信を可能にする。
【0076】
[0079]例として、記憶されたサンプリングデータは、以下を含むことができる:
・温度、圧力、速度、空気、相対湿度、および他の必要なパラメータ値などの環境パラメータの値;
・サンプリングが行われた所定の地点を識別する情報;
・サンプリング動作の持続時間値。
【0077】
[0080]好都合には、デバイス1は、中央ユニットに接続されたナビゲーションユニットを備える。その構成は、ナビゲーションユニットが、位置データを中央ユニットに送信し、それに対してデバイスが所定の地点に案内されるようなものである。特に、中央ユニットは、位置データを処理し、それに基づいて、移動式構造体2にコマンドを送信して、デバイスを所定の地点に移動させる。
【0078】
[0081]特に、ナビゲーションユニットは、以下でロケーションデータと呼ばれる、ロケーション情報を含むロケーションデータを発信および/または受信するように構成された少なくとも1つの位置特定ユニットを含むことができる。好ましい実施形態によれば、位置特定ユニットは、移動式構造体2の内部に置かれ、図1では見えない。
【0079】
[0082]位置特定ユニットは、例えばGPSなどの既知の基準系、または特別に開発されたローカルシステムに関するデバイス1の位置を伝え、位置特定に関するデータを中央ユニットに送信する。
【0080】
[0083]有用には、中央ユニットは、デバイス1が移動するように意図されている監視対象の領域のトポグラフィ情報を含むトポグラフィ基準系を含むことができる。位置データをトポグラフィ基準系と組み合わせることによって、中央ユニットは、移動式構造体2がサンプリング動作を開始するために所定の地点に到達するために移動しなければならない経路を計算することができる。
【0081】
[0084]基準系は、例えば、現況技術に知られている交換ファイルによって、情報のセットとして中央ユニットに直接ロードすることができる。あるいは、基準系は、例えば、双方向無線伝送手段を介して、周辺デバイスによって提供される情報のセットとして中央ユニットに提供することができる。
【0082】
[0085]好ましくは、ナビゲーションユニットは、移動式構造体2上に置かれ、中央ユニットおよび位置特定ユニットの少なくとも一方に動作可能に接続された1つ以上のナビゲーションセンサ13を備える。ナビゲーションセンサ13は、近接度の情報を含む位置データを検出するように構成される。特に、ナビゲーションセンサは、移動式構造体2の近傍に置かれた障害物または他の物体の存在を検出することができる。このようにして、中央ユニットは、移動式構造体2の経路を変更して障害物を回避することによって、障害物の存在に関する情報を受信することができる。
【0083】
[0086]図1に示す好ましい実施形態では、デバイス1は、移動式構造体2の前進方向に面する側壁に対応してハウジング3上に置かれたナビゲーションセンサ13を有する。好都合には、ナビゲーションセンサはまた、他の位置、例えばハウジングの背面、または前進方向に対してハウジング3に対して横方向に置くこともできる。
【0084】
[0087]位置データを組み合わせることにより、中央ユニットは、所定の地点に到達するための異なる経路および経路を計算することができ、監視対象の領域内で移動式構造体2を案内し、障害物を回避するように管理する。
【0085】
[0088]好適には、デバイス1は、中央ユニットに動作可能に接続され、符号化された情報および/または記録可能なデータを検出するように構成された、無線周波数検出の少なくとも1つのセンサを備えることができる。センサ検出は、既知の無線周波数識別(RFID)技術または他の同様の技術、例えばバーコードを読み取るための既知の技術を使用するように構成することができる。
【0086】
[0089]無線周波数検出センサは、バーコードによってコード化された情報、例えば監視対象の領域内の配置ポイント、ツールまたはデバイスを識別することができる。
【0087】
[0090]無線周波数センサはまた、例えば、シリアル番号、サンプリング期間、制限値、製造日、有効期限、入力されたオペレータ、および消耗品およびその使用に関する他の情報などの、サンプリング用の消耗品に関するデータを記録することができる。
【0088】
[0091]任意選択的に、デバイス1はまた、中央ユニットに動作可能に接続され、デバイスと障害物との間の接触を検出するように構成された、少なくとも1つの接触センサを含むことができる。接触した場合、センサは、関連する接触情報を中央ユニットに送信する。中央ユニットは情報を処理し、それにしたがって移動式構造体2を向ける。
【0089】
[0092]好適には、デバイス1は、移動式構造体2上に設置され、サンプリング動作で使用することができる少なくとも1つ以上のサンプリング要素と相互作用するように構成された少なくとも1つのロボットアーム9を備える。
【0090】
[0093]この説明では、「サンプリング要素」という用語は、特定の配置または抽出および保存動作によってサンプリング動作で使用できる要素、またはデバイス、またはツールを指す。1つの実施形態では、スワブを使用して、クリーンルーム内に存在する機器またはデバイスの表面サンプルを採取する。
【0091】
[0094]スワブは、サンプリングされる表面と接触して置かれてもよく、サンプリングが終了すると、将来の実験室分析のために格納および格納され得る。1つの実施形態では、ペトリ皿が、支持体7上に置かれ、微生物学的サンプリングが実施されると除去され得る。
【0092】
[0095]ロボットアーム9により、専門のオペレータによって手動で行われていたこれらの操作は、今や自動的に行うことができる。
【0093】
[0096]好ましい実施形態では、ロボットアーム9は、エンクロージャ3の上壁3b上に設置される。ロボットアーム9は、本明細書ではエンドエフェクタと呼ばれるエンドデバイスを支持するように構成されたエンドターミナル10を有する。ターミナルエンド10は、実行されるべき動作の種類に応じて選択される、異なる種類のエンドエフェクタを支持することができる。上記で説明したサンプリング動作の1つの実施形態では、例えば手の動きを再現するプライヤまたはジョイントを有する、把持動作を実施するように構成されたエンドエフェクタを使用することができる。異なるエンドエフェクタ、例えば、スワブをピックアップして格納するように、またはペトリ皿および/またはインパクタを置き直し、そして置くように特別に設計されたものも考えられる。
【0094】
[0097]1つの実施形態では、デバイス1は、中央ユニットに動作可能に接続され、画像および映像を取得するように構成されたデジタルカメラ11を備えることができる。デジタルカメラ11は、監視動作のライブ画像の送信を可能にして、オペレータが周辺デバイスを介して進行中の動作を遠隔で見ることを可能にする。また、デジタルカメラ11は、監視動作の画像および映像を記録することができる。
【0095】
[0098]図1を参照すると、デジタルカメラ11は、ロボットアーム9上に配置することができるが、図示するものとは異なる位置は、除外されない。
【0096】
[0099]好適には、デバイス1は、少なくとも中央ユニットに動作可能に接続され、ユーザと対話するように構成された、インターフェースユニットを備える。インターフェースユニットは、入力データ、およびデバイス1の管理および制御に使用することができる他の入力情報を中央ユニットに提供するように構成される。例えば、インターフェースユニットを介して、監視対象の領域のトポグラフィ情報を入力することができ、または具体的に構成された統合ソフトウェアを使用して、実施される動作を選択およびプログラムすることができる。
【0097】
[0100]ユーザは、スマートフォン、タブレット、固定PCまたは制御ステーションなどのネットワークデバイスを介して、遠隔インターフェースユニットと対話することができる。
【0098】
[0101]好ましくは、インターフェースユニットは、図1に示すようなタッチスクリーン8を備えることができ、ユーザがデバイス1と直接対話することを可能にする。異なる解決策は除外されず、例えば、1つの実施形態では、タッチスクリーン8は、アナログキーボードまたは他の既知のタイプのインターフェースを含むことができる。
【0099】
[0102]本発明はまた、上記で説明したような少なくとも1つの移動式監視デバイスを備える監視システムを提供する。
【0100】
[0103]システムは、有用には以下を含むことができる:
・上記で説明した1つ以上のデバイス1;
・監視対象の領域内に設置され、所定の基準系内の既知の位置を有し、前記中央ユニットと通信するように構成された複数の基準ユニット。
【0101】
[0104]基準ユニットは、無線周波数送受信機、またはナビゲーション手段、またはインターフェースユニットを介して、検出センサを介して中央ユニットと通信するように構成された、例えば無線信号、またはRFIDシステムまたはGPSシステムでマークされた、マークポイントであることが有用であり得る。
【0102】
[0105]基準ユニットは、デバイス1のための局所的な基準系を構築するように構成することができ、ナビゲーションをより正確にし、監視対象の領域の特殊性に適したものにする。
【0103】
[0106]有用には、システムは、中央ユニットと動作可能に通信する1つ以上の充電ステーションを含むことができ、ここでは、各デバイス1はエネルギーを供給することができる。このようにして、デバイス1は、充電ステーションに自律的に行くことができ、充電は、手動オペレータの介入なしに独立して実施することができる。デバイス1のエネルギー量が所定のレベルを下回ると、中央ユニットは、移動式構造体2を充電ステーションの方に導き、充電ユニット12とステーション自体との間の結合を実施するのに適した方法で移動式構造体2を配置する。
【0104】
[0107]好適には、システムは、各デバイス1を消毒および/または殺菌し、各デバイス1の中央ユニットと動作可能に通信するように構成された、少なくとも1つの消毒ステーションを備えることができる。
【0105】
[0108]消毒および殺菌操作は、デバイス1が汚染源になるのを防ぐために必要とされ得る。
【0106】
[0109]上記で説明したものと同様に、中央ユニットは、オペレータの介入なしに、ステーションの近くにデバイス1を導き、ステーションと通信して完全に自律的に消毒および殺菌の動作を開始することができる。
【0107】
[0110]実施例1-管理された汚染領域を監視するためのシステム
ここで図2に移ると、管理された汚染領域を監視するためのシステムの1つの実施形態が、示されている。システムは、いくつかの移動式監視デバイス1と、データネットワーク200と、少なくとも1つの周辺外部デバイス205とを含む。図2に示すように、移動式デバイス1は、監視対象の領域100の周りを自律的に移動することができる。監視対象の領域は、所定の地点107、109を含む。移動式デバイス1は、データネットワーク200から受信した命令に応答して、または搭載された命令セットに基づいて、所定の地点107、109のうちの一方にナビゲート移動することができる。所定の開始地点107、109のうちの一方に到達すると、デバイスのサンプリングユニットは、その中央ユニットによって選択的に作動されてサンプリング動作を開始することができる。サンプリング動作が完了すると、移動式デバイスを次の所定の地点を移動させることができる。
【0108】
[0111]監視対象の領域は、1つ以上の障害物130、132を含み得る。移動式デバイス1のナビゲーションユニットは、ナビゲーションセンサを介して障害物130、132の存在を検出することができる。このようにして、中央ユニットは、障害物130、132の存在に関する情報を受信し、それに応じて、それらを回避するように移動式デバイスの経路を修正することができる。
【0109】
[0112]システムの移動式デバイスは、データネットワーク200および1つ以上の外部周辺デバイス205を介して、オペレータ120によって監視対象の領域外のロケーションから制御および/または監視することができる。有用な周辺デバイスは、スマートフォンおよびタブレット、またはPCもしくは制御ステーションなどの固定電子デバイスを含む。したがって、各移動式デバイスは、オペレータ120によって遠隔的に制御、照会、および/または監視することができる。さらに、システムの各移動式デバイスの動きおよび作用は、調整され得る。
【0110】
[0113]図2のシステムは、移動式デバイス充填ステーション115を含むことができる。デバイス1の電源が所定のレベルを下回ると、中央ユニットは、移動式デバイスを充電ステーション115に導くことができる。移動式デバイスは、デバイスの充電ユニット12と充電ステーション115との間の結合を開始するために充電ステーション上に自動的に配置され得る。
【0111】
[0114]図2のシステムは、移動式デバイス殺菌ステーション111を含むことができる。特定の間隔で、データネットワーク200から受信した命令に基づいて、または搭載されて命令セットに基づいて、移動式デバイスは、殺菌されるために殺菌ステーション111にナビゲート移動することができる。移動式デバイスは、殺菌ステーション111上に自動的に配置され、殺菌手順を開始することができる。
【0112】
[0115]実施例2-管理された汚染領域内に配備された基準ユニット
ここで図3に移ると、管理された汚染領域を監視するためのシステムの第2の実施形態が、示されている。図3のシステムは、図2に関して論じた特徴を含み、さらに、複数の基準ユニット300を含む。基準ユニット300は、監視対象の領域100内に設置される。各基準ユニット300は、所定の基準系内の既知の位置を有する。各基準ユニット300はまた、移動式デバイスと通信するように構成される。
【0113】
[0116]基準ユニット300は、障害物130、132のロケーションなどのマークされた地点とすることが有用であり得る。基準ユニットはまた、所定のサンプリング地点107、109、充電ステーション115、および/または殺菌ステーション111をマークするために使用され得る。
【0114】
[0117]基準ユニット300は、無線信号、RFIDシステムおよび/またはGPSシステムを使用することができる。基準ユニット300は、無線周波数送受信機、ナビゲーションユニット、および/またはインターフェースユニットを介して、移動式デバイスと通信するように構成することができる。
【0115】
[0118]基準ユニット(300)は、デバイス1のための局所的な基準系を構築するように構成することができ、ナビゲーションをより正確にし、監視対象の領域の特殊性に適したものにする。
【0116】
[0119]実施例3-移動式デバイスの概略
ここで図4に移ると、移動式監視デバイスの1つの実施形態の概略図が、示されている。図示する実施形態は、ロボットアーム16を含む。ロボットアームは、15などの検出デバイスを支持することができる。1つの例では、検知デバイスは、バーコードリーダである。バーコードリーダは、サンプリングデータをクリーンルーム内のロケーションと関連付けるためにバーコードを読み取るように構成することができる。追加的または代替的に、バーコードリーダは、インパクタなどの消耗品に位置するバーコードを読み取るように構成することができる。追加的または代替的に、検知デバイスは、カメラを含むことができる。カメラは、後の調査のために、およびクリーンルーム内の動作の遠隔リアルタイム表示のために画像を記録するように構成することができる。
【0117】
[0120]図示する移動式監視デバイスは、粒子カウンタ19を含む。粒子カウンタ19は、レーザ散乱を用いて空気流中の粒子を検出することができる機器である。粒子カウンタ19は、レーザを通るように空気の流れを導く内蔵ブロワを含むことができる。
【0118】
[0121]図示する移動式デバイスは、リアルタイム生物粒子カウンタ20を含む。リアルタイム生物粒子カウンタ20は、生存可能な生物学的粒子を検出するように構成された機器である。1つの例では、リアルタイム生物粒子カウンタ20は、蛍光を使用する。追加的または代替的に、リアルタイム生物粒子カウンタ20は、生物粒子を検出するためにキラリティを使用する。
【0119】
[0122]図示する移動式監視デバイスは、微生物学的空気サンプラ21を含む。微生物学的空気サンプラ21は、空気のストリームを収集し、そのストリームをインパクタ18を通るように導くように構成されたブロワを備える。1つの実施形態では、インパクタは、後の培養のために生物粒子を捕捉するように構成された使い捨てデバイスである。1つの実施形態では、ロボットアーム16は、新しいインパクタ18を把持し、微生物学的空気サンプラ21の入口の上に置く。次に、ロボットアームは、インパクタ18からキャップを取り外して、収集面を露出させ、サンプリングを開始する。サンプリングが完了すると、ロボットアーム16は、キャップをインパクタ18上に置き直してサンプリング表面を再度覆う。次いで、ロボットアーム16は、ホルダ17上にインパクタ18を置くことができ、ここでは、ホルダは、サンプルを培養するために移動式デバイスによって実験室に運ばれる準備ができている。
【0120】
[0123]1つの実施形態では、インパクタ18は、ペトリ皿を含む。したがって、ロボットアーム16は、インパクタ18上のカバーを取り外し、インパクタ18内にペトリ皿を置くことができる。次いで、ロボットアーム16は、ペトリ皿上のキャップを開くことができる。次に、ロボットアーム16は、インパクタ18上にカバーを置き直すことができ、サンプリングを開始することができる。サンプリングが完了した後、ロボットアーム16は、再びインパクタカバーを取り外し、ペトリ皿上にキャップを置き直すことができる。次いで、ロボットアーム16は、ペトリ皿をホルダ17内に置くことができ、ここではホルダは、培養のために移動式デバイスによって実験室に運ばれる準備ができている。
【0121】
[0124]1つの実施形態では、ロボットアーム16は、ホルダ17内に配置されたローダックプレースと係合することができる。ロボットアーム16は、ロダックプレートのキャップを外すことができる。次いで、ロボットアーム16は、ロダックプレートをサンプリングされる表面と接触させることができる。ロボットアームは、キャップをロダックプレートに置き直し、それをホルダ17に戻して実験室に輸送することができる。
【0122】
[0125]1つの実施形態では、ロボットアーム16は、インピンジャと係合し、インピンジャを微生物学的空気サンプラ21の入口に接続し、サンプリングを開始することができる。サンプリングが完了した後、ロボットアームは、実験室への輸送のためにインピンジャをホルダ17に入れることができる。
【0123】
[0126]図示する移動式監視デバイスは、光度計22を含む。光度計22は、ブロワを介してフィルタを通るように粒子を導き、フィルタの表面を走査するように構成された機器である。
【0124】
[0127]図示する移動式監視デバイスは、ロボットアームコントローラ24を含む。ロボットアームコントローラ24は、ロボットアームを駆動する電子ユニットである。
【0125】
[0128]図示する移動式監視デバイスは、アンテナ26を含む。アンテナ26は、移動式デバイスをデータネットワークに接続するように構成される。
【0126】
[0129]図示する移動式監視デバイスは、消毒器28を含む。消毒器28は、移動式ステーションの周囲の環境を消毒することができるデバイスである。1つの実施形態では、消毒器28は、VHPおよび/またはオゾンおよび/またはイオン発生器を使用する。
【0127】
[0130]図示する移動式監視デバイスは、ナビゲーションシステム30を含む。ナビゲーションシステムは、クリーンルーム全体にわたって移動式監視デバイスを案内するように機能する。
【0128】
[0131]図示する移動式監視デバイスは、充電式バッテリ32を含む。充電式バッテリは、移動式システム全体に電力を供給するように機能する。これは、充電ステーションで充電することができる。
【0129】
[0132]図示する移動式監視デバイスは、パネルPC34を含む。パネルPC34は、以下の機能を有する:
・移動式監視デバイスの機器からサンプリングデータを受信する;
・サンプリングパラメータ(例えば、タイミング、サンプリング量、警告、警報設定など)を含むレシピを移動式監視デバイス機器にダウンロードする;
・到達ロケーションにリンクされたレシピによって各機器においてサンプリングを開始および停止する;
・以下を含むディスプレイ上のヒューマンインターフェース:
o監視すべき部屋の地図;
o警告、警報シグナリング;
oレシピおよびレビューの表示;
oそのロケーション内で行うべきアクション;
oそのロケーション内で行うべきアクションの状態;
oロケーションのグループ、機器、移動式ステーション、レシピ、および/またはレシピのセットによってフィルタリングすることができるサンプリングデータの報告。
・以下のための無線接続による外部データネットワークとの接続(例えば、wi-fi;Bluetooth;NFC):
oサンプリングデータを外部システムにアップロードするため;
oレシピ、および外部システムからサンプリングするためのパラメータをダウンロードするため;
o移動式監視デバイスのロケーションを(例えば、NFCタグなどを用いて)確認するため;
oサンプリングに使用するために消耗品のタグを読み取るため。
【0130】
[0133]実施例4-サンプリングレシピ
いくつかの実施形態では、移動式監視デバイスは、監視対象の領域内の所定のロケーションに基づくレシピベースのサンプリングを使用することができる。以下は、サンプリングのためのレシピの一例である。
・ロケーションを認識する(ナビゲーションシステムによって、または壁上のNFCタグを用いて)、例えば、番号:ロケーション3。
・ロケーション3の粒子カウンタのサンプリングを開始する:
oロボットアームを移動させ、消耗品を微生物学的空気サンプリングの入口に挿入する;
oバーコードリーダを介して消耗品のシリアル番号を読み取る;
o微生物学的空気サンプラのサンプリングを開始する。
【0131】
[0134]以上、本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきた。以下に示す特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の核に関連する他の実施形態が存在してもよいことを理解されたい。

図1
図2
図3
図4