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特許7577121電子素子収納用パッケージ、電子装置及び電子モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】電子素子収納用パッケージ、電子装置及び電子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20241025BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20241025BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/12 Z
H01S5/022
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022533948
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 JP2021024065
(87)【国際公開番号】W WO2022004574
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2020111241
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】松本 久人
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-183013(JP,A)
【文献】特開2013-191834(JP,A)
【文献】特開2017-076809(JP,A)
【文献】特開2015-165551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01S 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂から構成される基体と、
一部が前記基体内に位置し、別の一部が前記基体から露出されたリードフレームと、
を備え、
前記基体は、
段部を含んだ凹部を有し、
前記リードフレームは、
前記段部に露出し、第1辺と第2辺とを有するリード面と、
前記リード面から前記第1辺を越えて外方に延在し前記基体内に位置する第1延在部と、
前記リード面から前記第2辺を越えて外方に延在し前記基体内に位置する第2延在部と、
を有し、
前記第1辺と前記第2辺とは対向しない2辺であり、
前記凹部は、前記凹部の開口方向から見た場合における前記凹部の外縁の一部を規定する第1壁および第2壁であって、前記開口方向に前記リード面から突出した前記第1壁および前記第2壁を有し、
前記第1壁は、前記第1辺に沿って延び、
前記第2壁は、前記第2辺に沿って延び、
前記第1延在部は、前記開口方向から見た場合に、前記第1壁に重なり、
前記第2延在部は、前記開口方向から見た場合に、前記第2壁に重なり、
前記第2延在部は、屈曲し、かつ、前記基体における前記凹部とは反対側でのみ露出する、
電子素子収納用パッケージ。
【請求項2】
前記第1辺は前記リード面の長手方向に沿った辺であり、前記第2辺は前記リード面の短手方向に沿った辺である、
請求項1記載の電子素子収納用パッケージ。
【請求項3】
前記段部の長手方向に前記リード面の長手方向が向いている、
請求項2記載の電子素子収納用パッケージ。
【請求項4】
前記第1辺は、前記段部の上面と前記第1壁の内壁面との境に位置する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子素子収納用パッケージ。
【請求項5】
前記リード面は、前記第2辺に対向する第3辺を有し、
前記リードフレームは、前記リード面から前記第3辺を越えて外方に延在し前記基体内に位置する第3延在部を、更に含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電子素子収納用パッケージ。
【請求項6】
前記リード面は、前記第1辺に対向する第4辺を有し、
前記リードフレームは、前記リード面から前記第4辺を越えて外方に延在し前記基体内に位置する第4延在部を、更に含む、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電子素子収納用パッケージ。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電子素子収納用パッケージと、
前記凹部内に搭載され、前記リードフレームに電気的に接続された電子素子と、
を備える電子装置。
【請求項8】
請求項記載の電子装置と、
前記電子装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備える電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子素子収納用パッケージ、電子装置及び電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004-281490号公報には、金属性のリードフレームの周囲に樹脂がインサート成形されて構成される電子素子収納用パッケージが示されている。電子素子収納用パッケージは、段部を含んだ凹部を有し、段部上にリードフレームの一部が露出している。電子素子は凹部内に搭載され、段部上に露出したリードフレームの一部(リード面)とワイヤーボンディングにより電気的に接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示に係る電子素子収納用パッケージは、
樹脂から構成される基体と、
一部が前記基体内に位置し、別の一部が前記基体から露出されたリードフレームと、
を備え、
前記基体は、段部を含んだ凹部を有し、
前記リードフレームは、
前記段部に露出し、第1辺と第2辺とを有するリード面と、
前記リード面から前記第1辺を越えて外方に延在し前記基体内に位置する第1延在部と、
前記リード面から前記第2辺を越えて外方に延在し前記基体内に位置する第2延在部と、
を有し、
前記第1辺と前記第2辺とは対向しない2辺であり、
前記凹部は、前記凹部の開口方向から見た場合における前記凹部の外縁の一部を規定する第1壁および第2壁であって、前記開口方向に前記リード面から突出した前記第1壁および前記第2壁を有し、
前記第1壁は、前記第1辺に沿って延び、
前記第2壁は、前記第2辺に沿って延び、
前記第1延在部は、前記開口方向から見た場合に、前記第1壁に重なり、
前記第2延在部は、前記開口方向から見た場合に、前記第2壁に重なり、
前記第2延在部は、屈曲し、かつ、前記基体における前記凹部とは反対側でのみ露出する。
【0004】
本開示に係る電子装置は、
上記の電子素子収納用パッケージと、
前記凹部内に搭載され、前記リードフレームに電気的に接続された電子素子と、
を備える。
【0005】
本開示に係る電子モジュールは、
上記の電子装置と、
前記電子装置が搭載されたモジュール用基板と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の実施形態1に係る電子素子収納用パッケージを示す斜視図である。
図2】実施形態1のリードフレームを示す斜視図である。
図3A】実施形態1の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。
図3B図3AのB-B線における断面図である。
図3C図3AのC-C線における断面図である。
図3D】実施形態1の電子素子収納用パッケージを示す裏面図である。
図4A】実施形態2の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。
図4B図4AのB-B線における断面図である。
図4C図4AのC-C線における断面図である。
図5A】実施形態3の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。
図5B図5AのB-B線における断面図である。
図5C図5AのC-C線における断面図である。
図6A】実施形態4の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。
図6B図6AのB-B線における断面図である。
図6C図6AのC-C線における断面図である。
図7A】実施形態5の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。
図7B図7AのB-B線における断面図である。
図7C図7AのC-C線における断面図である。
図8】本開示の実施形態に係る電子装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1に係る電子素子収納用パッケージを示す斜視図である。図2は、実施形態1のリードフレームを示す斜視図である。図3Aは、実施形態1の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。図3Bは、図3AのB-B線における断面図である。図3Cは、図3AのC-C線における断面図である。図3Dは、実施形態1の電子素子収納用パッケージを示す裏面図である。以下、電子素子収納用パッケージを、単にパッケージとも呼ぶ。
【0009】
実施形態1のパッケージ1は、面発光型レーザチップなどの電子素子を収納するプリモールドパッケージである。パッケージ1は、樹脂から構成される基体10と、金属から構成されるリードフレーム20と、を備える。パッケージ1は、リードフレーム20が配置された金型内に樹脂が射出されて成形されたインサート成形品である。
【0010】
基体10となる樹脂は、電子素子収納用パッケージ1の絶縁材料としての機能を持つ。基体10となる樹脂は、250℃から300℃の半田リフロー処理などの複数回の熱処理に耐えうる機能が要求されてもよい。当該要求に応じるため、当該樹脂としては、一般的に耐熱性を有した熱可塑性樹脂である液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、芳香族ポリアミド(PPA)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が用いられてもよい。上記材質の中でも、耐熱性とインサート成形性の観点から液晶ポリマー(LCP)が適用されるとより効果的である。
【0011】
パッケージ1は、凹部2を有する。以下、凹部2の開口側を上方として説明する。凹部2には2つの段部3、4(図1図3A及び図3Cを参照)が含まれる。2つの段部3、4は、凹部2の内底部2bよりも一段高く、内底部2bを挟んで内底部2bの両側に位置する。段部3は一方向に長く、段部4は、段部3と同一方向に長い。上方から見て、段部3、4の短手方向に、段部3、内底部2b、段部4が、段部3、内底部2b、段部4の順で並ぶ。短手方向とは、上方から見て、段部3、4の短い方の幅方向を意味する。
【0012】
リードフレーム20は、一部が基体10内に位置し、一部が基体10から露出する。リードフレーム20の材質は、一般的にはアルミニウム、鉄、銅系材料等が用いられ、電気伝導性と熱伝導性が高い材料として銅系材料を適用するとより効果的である。リードフレーム20は、互いに離間した第1パーツ21~第5パーツ25を含む。
【0013】
第4パーツ24及び第5パーツ25は、底面が基体10の底に露出し、上記底面が基板固定用の外部端子として機能する。第4パーツ24及び第5パーツ25は、底面以外が基体10内に位置する。
【0014】
第3パーツ23は、上面の中央面S23が凹部2の内底部2bに露出し、中央面S23の一部が電子素子の搭載部として機能する。第3パーツ23の底面は、基体10の底に露出し、電子素子から導いた熱を外部へ放出する。
【0015】
第1パーツ21と第2パーツ22とは、段部3、4(段部3、4の上面)にそれぞれ露出するリード面S21、S22を有する。リード面S21、S22は、ワイヤーボンディングが施される面であり、上記のワイヤーボンディングにより電子素子の端子とリード面S21、S22とが電気的に接続される。
【0016】
第1パーツ21のリード面S21は、矩形状であり、リード面S21の長手方向は、段部3の長手方向を向き、リード面S21の短手方向は段部3の短手方向を向く。リード面S21は、長手方向に沿った第1辺A1及び第4辺A4と、短手方向に沿った第2辺A2及び第3辺A3とを有する(図3A図3C)。
【0017】
第1パーツ21は、リード面S21から第1辺A1を越えて外方へ延在する延在部21e1を有し、延在部21e1は基体10内に位置する。さらに、第1パーツ21は、リード面S21から第2辺A2を越えて外方へ延在する延在部21e2を有し、延在部21e2は基体10内に位置する。リード面S21から外方へ延在するとは、リード面S21に垂直な方向から見て、リード面S21より外方へ延在することを意味する。延在部21e1は、本開示の第1延在部の一例に相当する。延在部21e2は、本開示の第2延在部の一例に相当する。
【0018】
第1辺A1と第2辺A2とは、隣り合い、対向しない二辺である。第1辺A1は、段部3の上面と、凹部2の内壁面との境に位置する。
【0019】
延在部21e2は、リード面S21に近い箇所からリード面S21から離れた端部にかけて、下方に屈曲し、次にリード面S21に平行な方向へ屈曲し、下面の一部が基体10の底(凹部2の反対側)に露出する。
【0020】
上記のように、リード面S21の対向しない二辺の奥に、基体10内に位置する延在部21e1、21e2を有することで、第1パーツ21は、延在部21e1、21e2によりアンカー効果が働き、リード面S21が段部3から浮き上がり難くすることができる。したがって、実施形態1のリード面S21によれば、複数回のリフロー処理で生じる圧縮応力と引張応力とが第1パーツ21に繰り返し生じても、リード面S21の浮き上がり難くすることができる。
【0021】
加えて、実施形態1のリード面S21によれば、長手方向の第1辺A1が、凹部2の内壁面と段部3の上面との境に位置するので、延在部21e1の上面とリード面S21とを連続面とすることができ、リードフレーム20の形状を単純化できる。さらに、リード面S21の第1辺A1が凹部2の壁体に押さえ付けられるので、リード面S21を押さえる力を増強できる。
【0022】
さらに、実施形態1のリード面S21によれば、第2辺A2の奥に位置する延在部21e2が、屈曲して一部が基体10の底に露出しているので、延在部21e2により強いアンカー効果が得られる。
【0023】
第2パーツ22及びリード面S22は、第1パーツ21及びリード面S21と同様の構造を有し、同様の効果が奏される。
【0024】
(実施形態2)
図4Aは、実施形態2の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。図4Bは、図4AのB-B線における断面図である。図4Cは、図4AのC-C線における断面図である。実施形態2のパッケージ1Aは、リードフレーム20のパーツ構成と、リード面S21、S22の周辺構造の一部が異なる他は、実施形態1と同様である。
【0025】
実施形態2のリードフレーム20は、第1パーツ21A、第2パーツ22A及び第3パーツ23を有する。第1パーツ21A及び第2パーツ22Aは、段部3、4にそれぞれ露出したリード面S21、S22を有する。
【0026】
実施形態2の第1パーツ21Aは、実施形態1と同じように延在部21e1、21e2を有する。さらに、実施形態2の第1パーツ21Aは、リード面S21から第3辺A3を越えて外方へ延在しかつ基体10内に位置する延在部21e3を有する。第3辺A3は、リード面S21の短手方向に沿った辺であり、第1辺A1とは、互いに対向しない二辺に相当し、第2辺A2とは、互いに対向する二辺に相当する。第3辺A3の奥に位置する延在部21e3は、リード面S21に近い箇所からリード面S21から離れた端部にかけて、まず、下方に屈曲し、次にリード面S21に平行な方向へ屈曲し、下面の一部が基体10の底に露出する。互いに対向する第2辺A2と第3辺A3との奥にそれぞれ位置する延在部21e2、21e3は互いに対称な形状を有する。延在部21e3は、本開示の第3延在部の一例に相当する。
【0027】
第2パーツ22Aは、第1パーツ21Aと同様の構造を有する。
【0028】
実施形態2のパッケージ1Aによれば、リード面S21の三辺の奥に延在部21e1~21e3があることで、リード面S21のアンカー効果がより向上する。そして、リードフレーム20と基体10との間に圧縮応力と引張応力とが繰り返し生じた場合でも、リード面S21が段部3から、より浮き上がり難くすることができる。リード面S22についても同様である。
【0029】
(実施形態3)
図5Aは、実施形態3の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。図5Bは、図5AのB-B線における断面図である。図5Cは、図5AのC-C線における断面図である。実施形態3のパッケージ1Bは、リードフレーム20におけるリード面S21、S22の一部周辺の構造が異なる他は、実施形態1と同様である。
【0030】
実施形態3のリードフレーム20は、第1パーツ21B、第2パーツ22B、並びに、第3パーツ23~第5パーツ25を有する。第1パーツ21B及び第2パーツ22Bは、段部3、4にそれぞれ露出したリード面S21、S22を有する。
【0031】
実施形態3の第1パーツ21Bは、実施形態1と同じように、延在部21e1、21e2を有する。更に、実施形態3の第1パーツ21Bは、リード面S21から第3辺A3を越えて外方へ延在しかつ基体10内に位置する延在部21e3Bを有する。第3辺A3は、リード面S21の短手方向に沿った辺であり、第1辺A1とは、互いに対向しない二辺に相当し、第2辺A2とは、互いに対向する二辺に相当する。第3辺A3の奥に位置する延在部21e3Bは、第1パーツ21Bの第3辺A3よりも下方の一部が、上方から見て、リード面S21の長手方向に突出して構成される(図5Bを参照)。延在部21e3Bは、本開示の第3延在部の一例に相当する。
【0032】
第2パーツ22Bは、第1パーツ21Bと同様の構造を有する。
【0033】
実施形態3のパッケージ1Bによれば、リード面S21の三辺の奥に延在部21e1、21e2、21e3Bがあることで、リード面S21のアンカー効果がより向上する。そして、リードフレーム20と基体10との間に圧縮応力と引張応力とが繰り返し生じた場合でも、リード面S21が段部3から、より浮き上がり難くすることができる。リード面S22についても同様である。
【0034】
(実施形態4)
図6Aは、実施形態4の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。図6Bは、図6AのB-B線における断面図である。図6Cは、図6AのC-C線における断面図である。実施形態4のパッケージ1Cは、リードフレーム20におけるリード面S21、S22の一部周辺の構造が異なる他は、実施形態2と同様である。
【0035】
実施形態4のリードフレーム20は、第1パーツ21C、第2パーツ22C及び第3パーツ23を有する。第1パーツ21C及び第2パーツ22Cは、リード面S21、S22を有する。
【0036】
実施形態4の第1パーツ21Cは、実施形態2と同じように、延在部21e1~21e3を有する。さらに、実施形態4の第1パーツ21Cは、リード面S21から第4辺A4を越えて外方へ延在しかつ基体10内に位置する延在部21e4を有する。第4辺A4は、長手方向に沿った辺であり、第1辺A1と互いに対向する二辺に相当し、第2辺A2及び第3辺A3と対向せず、第2辺A2及び第3辺A3と隣り合う辺に相当する。第4辺A4の奥に位置する延在部21e4は、第1パーツ21Cの第4辺A4の下方の一部が、上方から見て、リード面S21の短手方向へ突出して構成される。延在部21e4は、本開示の第4延在部の一例に相当する。
【0037】
第2パーツ22Cは、第1パーツ21Cと同様の構造を有する。
【0038】
実施形態4のパッケージ1Cによれば、リード面S21の四辺全周の奥に延在部21e1~21e4があることで、リード面S21のアンカー効果がより向上する。そして、リードフレーム20と基体10との間に圧縮応力と引張応力とが繰り返し生じた場合でも、リード面S21が段部3から、より浮き上がり難くすることができる。リード面S22についても同様である。
【0039】
なお、実施形態4のパッケージ1Cにおいて、第3辺A3の奥に位置する延在部21e3は、実施形態3の延在部21e3Bに代替されてもよい。
【0040】
(実施形態5)
図7Aは、実施形態5の電子素子収納用パッケージを示す平面図である。図7Bは、図7AのB-B線における断面図である。図7Cは、図7AのC-C線における断面図である。実施形態5のパッケージ1Dは、リードフレーム20のパーツ構成と、段部3、4に露出するリード面S21、S22、S24、S25の構成が異なる他は、実施形態2と同様である。
【0041】
実施形態5のリードフレーム20は、第1パーツ21~第3パーツ23に加え、第4パーツ24Dと第5パーツ25Dとを含む。第1パーツ21及び第2パーツ22は、実施形態1と同様の構造を有する。ただし、第1パーツ21及び第2パーツ22のリード面S21、S22は、長手方向の長さが段部3、4の長手方向の長さの半分以下など短くされている。
【0042】
第4パーツ24Dは、段部3に一部が露出するリード面S24と、リード面S24から互いに対向しない第1辺A1d及び第2辺A2dをそれぞれ越えて外方に延在する延在部24e1、24e2と、を有する。第4パーツ24Dのリード面S24は、段部3において、第1パーツ21のリード面S21と長手方向に並ぶ。
【0043】
延在部24e1が奥に位置する第1辺A1dは、リード面S24の長手方向に沿った辺であり、凹部2の内壁面と段部3の上面との境界に位置する。延在部24e1の上面は、リード面S24と連続する。
【0044】
延在部24e2が奥に位置する第2辺A2dは、リード面S24の短手方向に沿った辺であり、第1パーツ21のリード面S21から遠い側に位置する。延在部24e2は、第2辺A2dの近い箇所からリード面S24から離れた端部にかけて、まず、下方に屈曲し、次にリード面S24に平行な方向へ屈曲し、下面の一部が基体10の底に露出する。
【0045】
第5パーツ25Dは、第4パーツ24Dと同様の構造を有する。第5パーツ25Dは、段部4に一部が露出するリード面S25と、リード面S25から互いに対向しない二辺をそれぞれ超えて外方に延在する延在部25e1、25e2と、を有する。第5パーツ25Dのリード面S25は、段部4において、第2パーツ22のリード面S22と長手方向に並ぶ。延在部25e1、25e2は、第4パーツ24Dの延在部24e1、24e2と同様の構造を有する。
【0046】
以上のように、実施形態5のパッケージ1Dによれば、4つのリード面S21、S22、S24、S25により、2つの段部3、4に合計4つの電気的に独立した端子を設けることができる。さらに、各リード面S21、S22、S24、S25に対して、対向しない二辺の奥に延在部(21e1、21e2、24e1、24e2等)を有し、延在部(21e1、21e2、24e1、24e2等)によりアンカー効果が生じる。したがって、リードフレーム20と基体10との間に圧縮応力と引張応力とが繰り返し生じた場合でも、リード面S21、S22、S24、S25が段部3、4から浮き上がり難くすることができる。
【0047】
なお、実施形態5のリードフレーム20の第1パーツ21においても、実施形態3の延在部21e3B、実施形態4の延在部21e4、又は延在部21e3B、21e4の両方が設けられてもよい。延在部21e3B、21e4により、リード面S21の三辺又は四辺においてアンカー効果が得られ、リード面S21が段部3から、より浮き上がり難くすることができる。第2パーツ22、第4パーツ24D、第5パーツ25Dについても同様である。
【0048】
(電子装置及び電子モジュール)
図8は、本開示の実施形態に係る電子装置及び電子モジュールを示す縦断面図である。本実施形態に係る電子装置60は、電子素子収納用パッケージ1と、電子素子収納用パッケージ1の凹部2に搭載された電子素子61とを備える。パッケージ1は、実施形態2~実施形態5のパッケージ1A~1Dに代替されてもよい。
【0049】
電子素子61は、面発光型レーザチップ、半導体チップ、光学素子、半導体素子など、どのような素子であってもよい。電子素子61は、リードフレーム20の第3パーツ23に放熱可能に接合される。さらに、電子素子61は、段部3、4のリード面S21、S22とワイヤーボンディング等により電気的に接続される。パッケージ1の凹部2は、封止材が充填されて封止されてもよいし、凹部2の開口部が蓋により密閉されてもよい。
【0050】
本実施形態に係る電子モジュール100は、モジュール用基板110と、モジュール用基板110に実装された電子装置60とを備える。モジュール用基板110には、電子装置60に加えて、他の電子装置、電子素子及び電気素子などが実装されていてもよい。モジュール用基板110には電極パッド111が設けられ、電子装置60は、電極パッド111に半田又は金スズ等の接合材113を介して接合されてもよい。
【0051】
本実施形態の電子装置60及び電子モジュール100によれば、電子装置60の製造工程、あるいは、電子モジュール100の製造工程に、多数のリフロー工程が含まれる場合でも、電子装置60のリード面S21、S22が段部3、4から浮き上がり難くすることができる。したがって、電子装置60及び電子モジュール100の信頼性を向上できる。
【0052】
以上、本開示の各実施形態について説明した。しかし、本開示の電子素子収納用パッケージ、電子装置及び電子モジュールは上記実施形態に限られるものでない。例えば、上記実施形態では、リード面の長手方向が段部の長手方向を向く構成を示したが、リード面の長手方向が段部の短手方向を向く構成に、本開示の延在部の構成が適用されてもよい。上記のリード面の向きとすることで、より多くのリード面を段部に配置することができる。その他、実施形態で示した細部は適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本開示は、電子素子収納用パッケージ、電子装置及び電子モジュールに利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1、1A~1D 電子素子収納用パッケージ
2 凹部
3、4 段部
10 基体
20 リードフレーム
21、21A~21C 第1パーツ
21e1 延在部(第1延在部)
21e2 延在部(第2延在部)
21e3、21e3B 延在部(第3延在部)
21e4 延在部(第4延在部)
22、22A~22C 第2パーツ
23 第3パーツ
24、24D 第4パーツ
24e1、24e2 延在部
25、25D 第5パーツ
25e1、25e2 延在部
S21、S22、S24、S25 リード面
A1、A1d 第1辺
A2、A2d 第2辺
A3 第3辺
A4 第4辺
60 電子装置
100 電子モジュール
110 モジュール用基板
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8