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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/24 20060101AFI20241025BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20241025BHJP
【FI】
H01Q1/24 Z
A24F40/65
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022570148
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 GB2021051287
(87)【国際公開番号】W WO2021240156
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】2008076.8
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ライ, サム
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, リック
(72)【発明者】
【氏名】ホン, シー カイ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン, チン ティン
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-514188(JP,A)
【文献】特表2019-502279(JP,A)
【文献】特開2006-352673(JP,A)
【文献】実開昭63-041909(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/24
A24F 40/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル供給デバイスのための金属ハウジングであって、
前記金属ハウジング内に取り付けられたプリント回路基板と、
前記金属ハウジングの内側の第1の接続点と前記プリント回路基板のグランド接続部との間を電気的に接続する第1の接点ばねと、
前記金属ハウジングの内面の第2の接続点と、送信用のアンテナ信号を前記金属ハウジングに供給するためのアンテナ信号出力部との間を電気的に接続する第2の接点ばねと、
を備え、
前記金属ハウジングが、第1の表面要素から第2の表面要素まで延びる放射導体要素を含み、前記第1及び第2の接続点が前記放射導体要素に設けられ、前記第1の表面要素と前記第2の表面要素との間の距離が前記アンテナ信号送信波長の少なくとも1/4である、金属ハウジング。
【請求項2】
前記放射導体要素が楕円筒形の放射導体要素であり、前記第1の表面要素が第1の楕円形表面要素であり、前記第2の表面要素が第2の楕円形表面要素である、請求項1に記載の金属ハウジング。
【請求項3】
信号供給源要素及びアンテナ信号端子をさらに備え、前記アンテナ信号端子が前記第2の接続点に接続され、前記信号供給源要素が前記第2の接点ばねによって前記アンテナ信号端子に接続されている、請求項1又は請求項2に記載の金属ハウジング。
【請求項4】
インピーダンス整合回路をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の金属ハウジング。
【請求項5】
前記インピーダンス整合回路が調整可能である、請求項4に記載の金属ハウジング。
【請求項6】
送信用の前記アンテナ信号を生成するための制御モジュールをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の金属ハウジング。
【請求項7】
前記金属ハウジングが電子喫煙品のためのハウジングである、請求項1~6のいずれか一項に記載の金属ハウジング。
【請求項8】
送信用の前記アンテナ信号がブルートゥース(登録商標)信号又はWiFi信号である、請求項1~7のいずれか一項に記載の金属ハウジング。
【請求項9】
前記金属ハウジングが前記プリント回路基板を完全に囲む、請求項1~8のいずれか一項に記載の金属ハウジング。
【請求項10】
プリント回路基板の第1の接点ばねが、金属ハウジングの内側の第1の接続点と前記プリント回路基板のグランド接続部との間を電気的に接続するように、かつ
前記プリント回路基板の第2の接点ばねが、前記金属ハウジングの内面の第2の接続点と、送信用のアンテナ信号を前記金属ハウジングに供給するためのアンテナ信号出力部との間を電気的に接続するように、
前記プリント回路基板をエアロゾル供給デバイスのための前記金属ハウジングの中に挿入するステップを含み、
前記金属ハウジングが、第1の表面要素から第2の表面要素まで延びる放射導体要素を含み、前記第1及び第2の接続点が前記放射導体要素に設けられ、前記第1の表面要素と前記第2の表面要素との間の距離が前記アンテナ信号送信波長の少なくとも1/4である、方法。
【請求項11】
前記アンテナ信号生成回路と前記金属ハウジングとの間でインピーダンスを整合させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記インピーダンス整合を調整するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
送信用の前記アンテナ信号を生成するステップをさらに含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
送信用の前記アンテナ信号がブルートゥース(登録商標)信号又はWiFi信号である、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
モバイル通信デバイスとの通信のために前記アンテナ信号を使用するステップをさらに含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記アンテナ信号が、前記エアロゾル供給デバイスの位置を特定するために使用される、請求項10~15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
請求項1~9のいずれか一項に記載の金属ハウジングを備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載のエアロゾル供給デバイスを備える、電子喫煙品。
【請求項19】
モバイル通信デバイスと通信するために、請求項17に記載のエアロゾル供給デバイス又は請求項18に記載の電子喫煙品を使用するステップを含む、方法。
【請求項20】
モバイル通信デバイスにおいて、請求項17に記載のエアロゾル供給デバイス又は請求項18に記載の電子喫煙品から情報を受信するステップと、
前記エアロゾル供給デバイス又は前記電子喫煙品の位置を前記受信された情報に基づいて決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記決定された位置を前記モバイル通信デバイスの表示装置上でプロットするステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル供給デバイスに関し、特にエアロゾル供給デバイスのハウジングに関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガーなどの喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を生じさせる。タバコを燃焼させるこれらの物品の代替品を、燃やさずに化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。たとえば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル供給基材を加熱して、基材を燃焼させるのではなく加熱することによってエアロゾルを形成する。エアロゾル供給デバイスは、たとえば、デバイスの使用者の携帯通信デバイスと通信するための通信手段を備えることができる。この分野には、さらなる開発の必要性が残されている。
【概要】
【0003】
第1の態様として、本明細書では、エアロゾル供給デバイスのための金属ハウジング(たとえば、電子喫煙品のためのハウジング)について説明する。この金属ハウジングは、金属ハウジング内に取り付けられたプリント回路基板と、金属ハウジングの内側の第1の接続点とプリント回路基板のグランド接続部との間を電気的に接続する第1の接点ばねと、金属ハウジングの内面の第2の接続点と、送信用のアンテナ信号を金属ハウジングによって供給するためのアンテナ信号出力部との間を(金属ハウジングをブルートゥース(登録商標)又はWiFiのアンテナなどのアンテナとして使用できるように)電気的に接続する第2の接点ばねとを備え、ここで、金属ハウジングは、第1の表面要素から第2の表面要素まで延びる放射導体要素を含み、第1及び第2の接続点が放射導体要素に設けられ、第1の表面要素と第2の表面要素との間の距離はアンテナ信号送信波長の少なくとも1/4である。
【0004】
いくつかの例示的な実施形態では、放射導体要素は楕円筒形の放射導体要素であり、第1の表面要素は第1の楕円形表面要素であり、第2の表面要素は第2の楕円形表面要素である。
【0005】
金属ハウジングは、信号供給源要素及びアンテナ信号端子をさらに備えることができ、アンテナ信号端子は第2の接続点に接続され、信号供給源要素は第2の接点ばねによってアンテナ信号端子に接続されている。
【0006】
金属ハウジングはインピーダンス整合回路をさらに備えてもよく、このインピーダンス整合回路は調整可能とすることができる。インピーダンス整合回路は、プリント回路基板に設けることができる。
【0007】
金属ハウジングは、送信用のアンテナ信号を生成するための制御モジュールをさらに備えてもよい。制御モジュールは、データ(たとえば、デバイス使用データ、バッテリーレベルなど)が送信されるように構成することができる。これらのデータは、使用者のモバイル通信デバイス(たとえば、エアロゾル供給デバイスと通信している使用者の電話のアプリケーション)によって収集及び使用(たとえば、表示又は保存)することができる。
【0008】
金属ハウジングは、プリント回路基板を完全に囲むことができる。
【0009】
第2の態様として、本明細書で説明する方法は、プリント回路基板の第1の接点ばねが、金属ハウジングの内側の第1の接続点とプリント回路基板のグランド接続部との間を電気的に接続するように、かつ、プリント回路基板の第2の接点ばねが、金属ハウジングの内面の第2の接続点と、送信用のアンテナ信号(たとえば、ブルートゥース(登録商標)信号又はWiFi信号)を金属ハウジングによって供給するためのアンテナ信号出力部との間を電気的に接続するように、プリント回路基板をエアロゾル供給デバイスのための金属ハウジングの中に挿入するステップを含み、ここで、金属ハウジングは、第1の表面要素から第2の表面要素まで延びる放射導体要素を含み、第1及び第2の接続点が放射導体要素に設けられ、第1の表面要素と第2の表面要素との間の距離がアンテナ信号送信波長の少なくとも1/4である。アンテナ信号は、モバイル通信デバイスとの通信のために使用することができる。プリント回路基板は、挿入されると、金属ハウジングによって完全に囲むことができる。
【0010】
この方法は、アンテナ信号生成回路と金属ハウジングとの間でインピーダンスを整合させるステップをさらに含むことができ、たとえば、インピーダンス整合を調整するステップを含み得る。
【0011】
この方法は、送信用のアンテナ信号を生成するステップをさらに含み得る。
【0012】
アンテナ信号は、エアロゾル供給デバイスの位置を特定するために使用することができる。
【0013】
第3の態様として、本明細書では、第1の態様の特徴のいずれも含む金属ハウジングを備えるエアロゾル供給デバイス(たとえば、非燃焼式エアロゾル供給デバイス)について説明する。
【0014】
第4の態様として、本明細書では、第3の態様のエアロゾル供給デバイスを備える電子喫煙品について説明する。
【0015】
第5の態様として、本明細書では、モバイル通信デバイスと通信するために、第3の態様のエアロゾル供給デバイス又は第4の態様の電子喫煙品を使用するステップを含む方法について説明する。
【0016】
第6の態様として、本明細書では、モバイル通信デバイスにおいて、第3の態様のエアロゾル供給デバイス又は第4の態様の電子喫煙品から情報を受信するステップと、前記エアロゾル供給デバイス又は前記電子喫煙品の位置を受信された情報に基づいて決定するステップとを含む方法について説明する。この方法は、決定された位置を前記モバイル通信デバイスの表示装置上でプロットするステップをさらに含み得る。
【0017】
第7の態様として、本明細書では、コンピュータ装置によって実行されたときにコンピュータ装置が、第2、第5又は第6の態様を参照して説明したいずれの方法も実施する、コンピュータ可読命令について説明する。
【0018】
第8の態様として、本明細書では、非燃焼式エアロゾル生成システムで使用するための物品(たとえば、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品)を含む部材のキットについて説明し、非燃焼式エアロゾル生成システムは、上述の第1の態様の特徴のいずれも含む金属ハウジング、又は上述の第3若しくは4の態様の特徴のいずれも含むデバイス若しくはシステムを備える。
【0019】
次に、本発明の例示的な実施形態について、単なる例として以下の概略的な図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】例示的な実施形態による非燃焼式エアロゾル供給デバイスのブロック図である。
図2】例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
図3】例示的な実施形態によるハウジングのブロック図である。
図4】例示的な実施形態によるハウジングのブロック図である。
図5】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
図6】例示的な実施形態による機能性を示すグラフである。
図7】例示的な実施形態による機能性を示すグラフである。
図8】例示的な実施形態で使用される回路のブロック図である。
図9】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
図10】例示的な実施形態によるアンテナ構成体のブロック図である。
図11】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
図12】例示的な実施形態による例示的なユーザインターフェイスを示す図である。
図13】例示的な実施形態による非燃焼式エアロゾル供給デバイスのブロック図である。
【詳細な説明】
【0021】
本明細書では、用語の「送達システム」とは、物質を使用者に供給するシステムを包含するものであり、
シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用又は手巻き用又は自作シガレット用のタバコなどの(タバコ、タバコ派生物、膨化タバコ、再成タバコ、タバコ代替品、又は他の喫煙材がベースであるかにかかわらず)、燃焼式エアロゾル供給システムと、
電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル化可能材料を組み合わせたものを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなどの、エアロゾル化可能材料を燃焼させずにエアロゾル化可能材料から化合物を放出する非燃焼式エアロゾル供給システムと、
エアロゾル化可能材料を含み、これらの非燃焼式エアロゾル供給システムのうちの1つで使用されるように構成されている物品と、
ニコチンを含むことも含まないこともある材料を使用者にエアロゾルを形成せずに供給する、トローチ、ガム、パッチ、吸入可能な粉末を含む物品、並びに、スヌース及びかぎたばこのような無煙タバコ製品などの、エアロゾルなし送達システムとを含む。
【0022】
本開示によれば、「燃焼式」エアロゾル供給システムとは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)の構成エアロゾル化可能材料が、使用者に供給しやすくするために燃える、又は燃焼するものである。
【0023】
本開示によれば、「非燃焼式」エアロゾル供給システムとは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)の構成エアロゾル化可能材料が、使用者に供給しやすくするために燃えない、又は燃焼しないものである。本明細書で説明される実施形態において、送達システムとは、電力が供給される非燃焼式エアロゾル供給システムなどの、非燃焼式エアロゾル供給システムのことである。
【0024】
一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給システムは、吸い込みデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル化可能材料中にニコチンが存在することが1つの要件ではないことに留意されたい。
【0025】
一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られるタバコ加熱システムである。
【0026】
一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給システムは、1つ又は複数が加熱できるものである複数のエアロゾル化可能材料を組み合わせたものを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。エアロゾル化可能材料のそれぞれは、たとえば、固体、液体、又はゲルの形としてもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料と、固体のエアロゾル化可能材料とを含む。固体エアロゾル化可能材料は、たとえば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0027】
通常、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、この非燃焼式エアロゾル供給システムで使用するための物品とを含み得る。しかし、エアロゾル生成構成要素に電力供給するための手段をそれ自体が備える物品は、非燃焼式エアロゾル供給システムをそれ自体で形成できることが想定される。
【0028】
一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、電源及びコントローラを備えることができる。電源は、電力源又は発熱電源としてもよい。一実施形態において、発熱電源は、発熱電源に近接するエアロゾル化可能材料又は熱伝導材料に熱の形で電力を分配するように通電できる炭素基材を備える。一実施形態において、発熱電源などの電源は、非燃焼式エアロゾル供給を形成するように物品内に設けられる。
【0029】
一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、エアロゾル化可能材料、エアロゾル発生構成要素、エアロゾル発生領域、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能材料を受け入れる領域を備えることができる。
【0030】
一実施形態において、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するようにエアロゾル化可能材料と相互作用することができるヒータである。一実施形態において、エアロゾル生成構成要素は、加熱しなくてもエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することができる。たとえば、エアロゾル生成構成要素は、たとえば、振動手段、機械的手段、加圧手段、又は静電手段のうちの1つ又は複数によってエアロゾル化可能材料から、熱を加えなくてもエアロゾルを生成することが可能であり得る。
【0031】
一実施形態において、エアロゾル化可能材料は、活性材料、エアロゾル形成材料、及び任意選択で1つ又は複数の機能性材料を含み得る。活性材料には、ニコチン(タバコ又はタバコ派生物に任意選択で含まれる)又は1つ若しくは複数の他の非嗅覚生理活性材料が含まれ得る。非嗅覚生理活性材料は、嗅覚以外の生理的反応を得るためにエアロゾル化可能材料に含まれる材料である。本明細書で使用される活性物質とは生理活性材料のことであってもよく、これは、生理学的反応を得ること又は増強することを目的とする材料である。活性物質は、たとえば、栄養補助食品、向知性薬、精神活性剤から選択されてもよい。活性物質は、天然に存在するものであっても合成して得られるものでもよい。活性物質は、たとえば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はこれらの成分、派生物若しくは組み合わせたものを含み得る。活性物質は、タバコ、大麻、又は他の植物の1つ又は複数の成分、派生物、又は抽出物を含み得る。いくつかの実施形態において、活性物質にはニコチンが含まれる。いくつかの実施形態において、活性物質には、カフェイン、メラトニン又はビタミンB12が含まれる。
【0032】
エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、ジエチル硫酸塩、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0033】
1つ又は複数の機能性材料は、香料、担体、pH調整剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0034】
一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を受け入れる領域を備えることができる。一実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、マウスピースを備えることができる。エアロゾル化可能材料を受け入れる領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵する貯蔵領域としてもよい。たとえば、貯蔵領域はリザーバとしてもよい。一実施形態において、エアロゾル化可能材料を受け入れる領域は、エアロゾル生成領域と別個にすることも組み合わせることもできる。
【0035】
本明細書でエアロゾル生成材料とも呼ばれることがあるエアロゾル化可能材料とは、たとえば、加熱、照射されたときに、又は任意の他の方法でエネルギーが与えられたときにエアロゾルを生成できる材料のことである。エアロゾル化可能材料は、たとえば、ニコチン及び/又は香味料を含むことも含まないこともある固体、液体又はゲルの形とすることができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、「非晶質固体」を含むことがあり、これは別称として「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルとしてもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの何らかの流体を保持することができる固体材料である。
【0036】
エアロゾル化可能材料は、基材上に存在してもよい。その基材は、たとえば、紙、カード、板紙、厚紙、再構成されたエアロゾル化可能材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、又は金属合金としても、これらを含んでもよい。
【0037】
消耗品とは、エアロゾル生成材料を含む物品、又はエアロゾル生成材料から構成される物品のことであり、その一部又は全部は、使用者に使用中に消費されるものである。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料供給構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、巻紙、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤などの、1つ又は複数の他の構成要素を備え得る。消耗品はまた、使用時に熱を放出してエアロゾル発生材料にエアロゾルを発生させる、ヒータなどのエアロゾル発生デバイスを備えることもある。ヒータは、たとえば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備えることができる。
【0038】
サセプタは、交番磁界などの変化する磁界が侵入することにより加熱可能な材料である。サセプタは、変化する磁界が侵入すると加熱材料を誘導加熱するように、電気伝導性材料とすることができる。加熱材料は、変化する磁界が侵入すると加熱材料を磁気ヒステリシス加熱するように、磁性材料とすることができる。サセプタは、サセプタが両方の加熱機構によって加熱可能になるように、電気伝導性と磁性の両方にすることができる。変化する磁界を発生させるように構成されているデバイスは、本明細書では、磁界発生デバイスと呼ばれる。
【0039】
図1は、例示的な実施形態による、全体が参照数字10で示されている非燃焼式エアロゾル供給デバイスのブロック図である。エアロゾル供給デバイス10(eシガレットなど)は、マウスピース11、カートリッジ又はポッド12、アトマイザ13、センサ14、制御モジュール15、バッテリー16(たとえば、再充電可能リチウムバッテリー)及びLED17(又は何か他の照明デバイス)を備える。制御モジュール15は、マイクロプロセッサを備えることができる。
【0040】
エアロゾル供給デバイス10を使用する際、使用者はマウスピース11から吸い込む。ポッド12のカートリッジは、溶液(たとえば、グリセロール、香味料、及びニコチンの溶液)を貯蔵することができる。
【0041】
センサ14は、使用者が吸い込んだ空気流を検知するように構成された空気流センサとすることができ、制御モジュール15に入力を与えることができる。制御モジュール15の機能には、アトマイザ13及びLED17を制御することが含まれ得る。デバイス10は、アトマイザ13を使用して、煙状の蒸気香料らしく見せるようにすることができる。LED表示灯17は、使用時に点灯して喫煙中の火明りらしく見せることができる。
【0042】
制御モジュール15は、ブルートゥース(登録商標)チップ又はWiFiチップなどの通信手段を含み得る。通信手段は、制御モジュール15のマイクロプロセッサに統合されてもよい。アンテナ(詳細は以下で論述)は、通信手段が遠隔デバイス(携帯電話、モバイル通信デバイス、ラップトップ、コンピュータ、又は何か他のデバイスなど)と通信できるようにして、情報が使用者に提供されるようにする。
【0043】
以下で論述するように、アンテナは、金属外殻又はハウジング(たとえば、エアロゾル供給デバイス10の外殻、ハウジング又はスリーブ)によって形成することができる。アンテナは、板状逆F(PIFA)アンテナとすることができる。
【0044】
エアロゾル供給デバイス10は、バッテリー16を充電するために電源と接続することを可能にするUSBコネクタ(図示せず)などのコネクタを含み得る。
【0045】
エアロゾル供給デバイス10は、単なる例として提示されており、多くの変形形態及び代替形態があり得る。
【0046】
図2は、例示的な実施形態による、全体が参照数字20で示されているシステムのブロック図である。システム20は、エアロゾル供給デバイス10と、遠隔デバイス22(すなわち、エアロゾル供給デバイスから遠隔にある)とを含む。遠隔デバイス22は、たとえば、携帯電話、モバイル通信デバイス、ラップトップ、コンピュータ、又は同様のデバイスとすることができ、エアロゾル供給デバイス10の使用者が所有していてもよい。
【0047】
上に示す(且つ以下でさらに詳細に論述する)ように、エアロゾル供給デバイス10は、信号(ブルートゥース(登録商標)信号又はWiFi信号など)を送信する出力部を有する。送信された信号は、エアロゾル供給デバイス10が遠隔デバイス22と通信できるように、遠隔デバイス22で検出することができる。いくつかの例示的な実施形態では、遠隔デバイス22は、エアロゾル供給デバイス10へ送信できるが(システム20に点線で示されるように)、このことは全ての実施形態に必須ではない。
【0048】
エアロゾル供給デバイス10から遠隔デバイス22へ送信される信号を用いて、使用者が何本の電子タバコを吹かしたか、又は1日ごとの残っている液体の量などの情報を送信することができる。当業者であれば、エアロゾル供給デバイス10から遠隔デバイス22へ送信できるデータ(又は、実際に、遠隔デバイス22からエアロゾル供給デバイス10へ送信できるデータ)の他の多くの例について認識されよう。
【0049】
図3は、例示的な実施形態による、全体が参照数字30示されているハウジングのブロック図である。ハウジング30は、アルミニウムスリーブなどの外側スリーブ31を備え、このスリーブは、上述したエアロゾル供給デバイス10の少なくとも一部の外側を形成することができる。ハウジング30は、代替のエアロゾル供給デバイス又はエアロゾル生成デバイス、及び電子喫煙品で使用できることに留意されたい。
【0050】
図3に示すように、プリント回路基板32及びバッテリー34は、金属ハウジング30内に取り付けられている。制御モジュール15の電子構成要素は、プリント回路基板32に設けることができる。他の構成要素を設けることもできる(アトマイザ13など)。バッテリー34がプリント回路基板32の下方に示されているが、これは単なる1つの例示的な実施態様であることに留意されたい。プリント回路基板とバッテリーは、たとえば並べられてもよい。
【0051】
第1の接点ばね35aは、スリーブ31の内側の第1の接続点とプリント回路基板のグランド接続部との間を電気的に接続する。同様に、第2の接点ばね35bは、スリーブ31の内面の第2の接続点と、(金属ハウジング30をアンテナとして使用できるように)送信用のアンテナ信号を金属ハウジングによって供給するためのアンテナ信号出力部の間を電気的に接続する。
【0052】
以下でさらに論述される、全体が参照数字36で示された複数の回路要素が、プリント回路基板32の上に示されている。
【0053】
図4は、例示的な実施形態による、全体が参照数字40によって示されているハウジングのブロック図である。ハウジング40は、上述したハウジング30の例示的な実施態様である。ハウジング40はスリーブとしてもよい。ハウジング40は、楕円筒形としてもよく、ある程度の柔軟性をハウジングの形状が有するように弾力性があってもよい。ハウジング40は、エアロゾル供給デバイス10の形状に応じた形状とすることができる(たとえば、円形、長方形、楕円形、菱形、又は他の任意の形状としてもよい)。
【0054】
ハウジング40は、信号供給源要素41、アンテナ信号端子42、放射導体要素43、第1の表面要素44、第2の表面要素45、金属グランド面要素46及び金属ドーム要素47を含む。放射導体要素43は、第1の表面要素44から第2の表面要素45まで延びている。第1の表面要素と第2の表面要素との間の距離は、アンテナ信号送信が許容可能な効率になるように、アンテナ信号送信波長の少なくとも1/4である。
【0055】
図4には示されていないが、図3に関して上で言及した金属ハウジングの第1及び第2の接続点は、放射導体要素43に設けられている。
【0056】
図4に示された詳細な構成では、放射導体要素43は楕円筒形の放射導体要素である。同様に、第1の表面要素44及び第2の表面要素45は、楕円形表面要素である。しかし、楕円形であることは全ての例示的な実施形態に不可欠なものではない。ハウジング40は、エアロゾル供給デバイス10の形に応じた形状とすることができる(たとえば、円形、長方形、楕円形、菱形、又は他の任意の形状としてもよい)。同様に、放射導体要素43、並びに第1の表面要素44及び第2の表面要素45は、ハウジング40の形に応じた形状としてもよく、したがって、円形、長方形、楕円形、菱形又は他の任意の形状としてもよい。
【0057】
信号供給源要素41はアンテナ信号端子42に接続され、アンテナ信号端子42は放射導体要素43に接続される。アンテナ信号端子42は、上述の第2の接続点に接続されてもよい。より詳細には、信号供給源要素41は、上述の第2の接点ばね35bによって、アンテナ信号端子42又は放射導体要素43に接続されてもよい。
【0058】
放射導体要素43は、金属グランドプレーン要素46を覆っている。金属グランドプレーン要素46は、ブルートゥース(登録商標)チップ又はWiFiチップ、バッテリー、マイクロプロセッサ、空気流センサ、LEDインジケータ、及び他の構成要素を備えることができる。したがって、ハウジング40は、上述のエアロゾル供給デバイス10の要素の一部又は全部を取り囲むことができる。(エアロゾル供給デバイス10の要素の一部は、ハウジング40の外部に設けられてもよく、たとえば、ハウジング40の外部に接続されてもよいことに留意されたい。)
【0059】
図4に示されるように、金属ドーム要素47の一方の端部は放射導体要素43に接続され、他方の端部は、グランドを形成する金属グランドプレーン要素46に接続されており、電気的特性はゼロオームである。実際には、金属ドーム要素47は、接点ばね、ポゴピン、シンブル、又は同様の要素に置き換えることができる。したがって、金属ドーム要素47は、放射導体要素43と金属グランドプレーン要素46とを電気的に接続する導電体である。アンテナのインピーダンス整合は、信号供給源要素41の位置と金属ドーム要素47の位置との間の距離を調整することによって調整が可能である(たとえば、上述の第1の接続点と第2の接続点との間の距離を調整することによって)。50Ωの共振点インピーダンス(抵抗)における信号供給源要素41、及びリアクタンスはゼロに近くなければならず、これにより良好なインピーダンス整合が得られ、以て最大の電磁波伝送信号を誘導することができる。両方とも電気材料で作られている第1の表面要素44及び第2の表面要素45は、金属導体とすることもプラスチック材料とすることができる。
【0060】
放射導体要素43は、第1の表面要素44から第2の表面要素45まで延びる放射導体要素43の長さが送信波長の1/4であるとき、第1の共振モード周波数を励振することができる。同様に、放射導体要素43は、第1の表面要素44から第2の表面要素45まで延びる放射導体要素43の長さが送信波長の3/4であるとき、第2の共振モード周波数を励振することができる。最後に、放射導体要素43は、第1の表面要素44から第2の表面要素45まで延びる放射導体要素43の長さが送信波長の5/4であるとき、第3の共振モード周波数を励振することができる。当然ながら、他の共振モード(たとえば、もっと長い波長の共振モード)も可能である。いくつかの例示的な実施形態では、第2の共振モード周波数が好ましい伝送モードであり得ることに留意されたい(以下でさらに論述)。
【0061】
第1の表面要素と第2の表面要素との間の距離は、アンテナ信号送信波長の1/4に設定することができる。その理由は、この距離が、アンテナ信号送信の効率が高い点になるからである。いくつかの例示的な実施形態では、第1の表面要素と第2の面要素との間の距離を正確に設定するための十分な設計自由度がない。このような場合、第1の表面要素と第2の表面要素との間の距離は、アンテナ信号送信波長の少なくとも1/4であると十分であり得る。
【0062】
ハウジング40のいくつかの変形形態があり得る。たとえば、第1の表面要素44及び第2の表面要素45は、LED灯、ボタン、空気入口、又は充電ドックなどのいくつかの機能のために表面に孔を設けることができる。
【0063】
図5は、例示的な実施形態による、全体が参照数字50で示されているアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0064】
アルゴリズム50は、動作52で開始し、プリント回路基板32を金属ハウジング30(又はハウジング40)の中に挿入する。
【0065】
動作54で、プリント回路基板32を、第1の接点ばね35a及び第2の接点ばね35bがそれぞれ金属ハウジングの内側の第1及び第2の接続点に接触するまで、挿入し続ける。この構成において、第1の接点ばね35aは、第1の接続点とプリント回路基板のグランド接続との間を電気的に接続し、第2の接点ばね35bは、第2の接続点と、送信用のアンテナ信号を金属ハウジングによって供給するためのアンテナ信号出力部との間を電気的に接続する。
【0066】
アルゴリズム50が完了すると、プリント回路基板32は、金属ハウジング30又は40の中に完全に囲まれる。
【0067】
図6は、例示的な実施形態による機能性を示す、全体が参照数字60で示されているグラフである。
【0068】
グラフ60は、アンテナとして金属ハウジング40を使用して行われた送信の測定反射損失(S11)を示す。グラフ60は、損失が大幅に減少する周波数を明確に示しており、これらの周波数が第1の共振モード周波数62、第2の共振モード周波数63、及び第3の共振モード周波数64として示されている。第1の共振モード周波数62の中心周波数は810MHzであり、第2の共振モード周波数63の中心周波数は2430MHzであり、第3の共振モード周波数64の中心周波数は4050MHzである。第2の共振モード周波数63は、無線ブルートゥース(登録商標)通信周波数及びWiFi 2.4G通信周波数をカバーする。したがって、金属ハウジング40は、第2の共振モード周波数63をブルートゥース(登録商標)通信又はWiFi送信用に使用することができる。
【0069】
例示的な一実施形態において、第1の共振モードでは、第1の表面要素44から第2の表面要素45まで延びる放射導体要素43の長さが送信波長のであり、第2の共振モードでは、その長さを送信波長のとすることができ、第3の共振モードでは、その長さを送信波長のとすることができる。
【0070】
ブルートゥース(登録商標)又はWiFiの信号が約2.4GHz(波長が12.5センチメートル程度)で送信される場合、第1と第2の表面要素は、第2の共振モードで動作させるために、9.4センチメートル程度の距離で隔離することができる。
【0071】
ハウジング40の構造は、調整可能とすることができる(たとえば設計段階中に)。たとえば、放射導体要素43、第1の表面要素44及び第2の表面要素45のうちの1つ又は複数の形状、長さ、又は厚さの1つ又は複数を調整可能とすることができる。このような調整により、第1、第2及び第3の共振モードが生じる周波数に影響を及ぼすことができる。
【0072】
図7は、例示的な実施形態による機能性を示す、全体が参照数字70で示されているグラフである。グラフ70は、第2の共振モードアンテナについての効率線図を示している。
【0073】
図8は、例示的な実施形態で使用される、全体が参照数字80で示されている回路のブロック図である。
【0074】
回路80は、制御モジュール82と、インピーダンス整合回路84と、第1の接続点86と、第2の接続点87とを含む。制御モジュール82及びインピーダンス整合回路84は、上述のプリント回路基板32上の回路要素36から形成されてもよい。
【0075】
制御モジュール82は、送信用のアンテナ信号を生成するために使用される。制御モジュール82は、たとえば、エアロゾル供給デバイス10から上述の遠隔デバイス22へデータを送信するように構成することができる。例として、エアロゾルデバイス使用データ、バッテリーレベルなどのデータを送信することもできる。これらのデータは、取り外しデバイス22のところで収集及び使用(たとえば、表示又は保存)することができる。たとえば、遠隔デバイス22は、エアロゾル供給デバイス10に関連する情報を表示するために使用できるアプリケーションを備えた携帯電話としてもよい。
【0076】
第1の接続点86及び第2の接続点87は、上で論じたアルゴリズム50で言及した第1及び第2の接続点である。したがって、プリント回路基板が完全に挿入されると、第1の接点ばね35aは、第1の接続点86をグランドに接続し、第2の接点ばね35bは、インピーダンス整合回路84の出力を第2の接続点87に接続する。
【0077】
このようにして、制御モジュール82は、アンテナ信号(たとえば、ブルートゥース(登録商標)信号又はWiFi信号)を送信するために、第1の接続点86及び第2の接続点87を利用することができる。
【0078】
図9は、例示的な実施形態による、全体が参照数字90で示されているアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0079】
アルゴリズム90は動作92で開始し、アンテナ信号を生成する。上で論じたように、アンテナ信号は、制御モジュール82で生成することができる。
【0080】
動作94で、アンテナ信号生成回路(制御モジュール82)と送信アンテナ(金属ハウジング30又は40)の間のインピーダンス整合を行う。このインピーダンス整合は、インピーダンス整合回路84によって実施される。
【0081】
動作96で、金属ハウジングをアンテナとして使用して信号を送信する。送信は、ブルートゥース(登録商標)信号又はWiFi信号の形をとることができる。
【0082】
第1の接続点86と第2の接続点87は、金属ハウジング30又は40の内面に設けられ、アンテナ信号送信波長の規定倍数(たとえば、送信波長の1/4、3/4又は5/4)だけ隔離することができる。
【0083】
図10は、例示的な実施形態による、全体が参照数字100で示されているアンテナ構成体のブロック図である。アンテナ構成体は板状逆Fアンテナであるが、他のアンテナ構成体を他の例示的な実施形態で使用することもできる。
【0084】
アンテナ構成体100は、信号ノード101(上述の信号供給源要素41など)と、導体102(上述の放射導体要素43など)と、グランド接続部103とを含む。
【0085】
グランド接続部103は、たとえば、上述の第1の接点ばね35aなどのばねを用いて、導体102に接続されている。
【0086】
信号ノード101は、たとえば、上述の第2の接点ばね35bなどのばねを用いて、導体102に接続される。
【0087】
図2を参照して上で論じたように、アンテナ信号は、エアロゾル供給デバイス10(電子喫煙品など)から遠隔デバイス22(モバイル通信デバイスなど)へ送信することができる。遠隔デバイスは、データを多くの様々な方法で使用することができる。
【0088】
例として、図11は、例示的な実施形態による、全体が参照数字100で示されているアルゴリズムを示すフローチャートである。アルゴリズム110は、遠隔デバイス22によってエアロゾル供給デバイス10から取得できるデータの1つの例示的な使用法を示す。
【0089】
アルゴリズム110は、動作112で開始し、信号をエアロゾル供給デバイス10、電子喫煙品又は何か同様のデバイスから、遠隔デバイス22又は何か他のモバイル通信デバイスにおいて受信する。
【0090】
動作114で、前記エアロゾル供給デバイス、電子喫煙品又は同様のデバイスの位置を、受信された情報に基づいて決定する。位置決定は、受信位置を基準として送信位置を決定する形をとってもよい。
【0091】
任意選択的な動作116で、動作114で決定された位置は、たとえば遠隔デバイス又はモバイル通信デバイスの表示装置上でプロットすることができる。
【0092】
図12は、例示的な実施形態による、全体が参照数字120で示されている例示的な使用者インターフェースを示す。使用者インターフェース120は、遠隔デバイス22から、又は何か他のモバイル通信デバイスから出力することができる。
【0093】
使用者インターフェースは、使用者位置(たとえば、遠隔デバイス22の位置)を、エアロゾル供給デバイス10の位置のインジケータ(使用者インターフェース120において「X」で示されている)とともに示す。
【0094】
当然ながら、使用者インターフェース120は単なる例として提示されており、他の形のデータを表示することも含めて、多くの代替の表示形態を実現することができる。
【0095】
上で論じたように、エアロゾル供給デバイス10は、単なる例として説明されており、多くの変形形態及び代替形態があり得る。例として、図13は、例示的な実施形態による、全体が参照数字200で示されている非燃焼式エアロゾル供給デバイスのブロック図である。エアロゾル供給デバイス200は、上述のエアロゾル供給デバイス10の例示的な一実施態様である。
【0096】
図13は、外側カバーのないエアロゾル供給デバイス200を示す。エアロゾル供給デバイス200は、エアロゾル供給デバイス200に挿入して物品201を加熱できるようにし得る交換可能な物品201を備えることができる。エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル供給デバイス200及び複数の加熱要素203a、203b、203cをオン又はオフに切り換えるために使用できる起動スイッチ202と、1つ又は複数の空気管拡張器204及び205とをさらに備える。1つ又は複数の空気管拡張器204、205は、任意選択としてもよい。
【0097】
加熱要素203a、203b、203cは、物品201を直接加熱するヒータとしてもよい。或いは、加熱要素203a、203b及び203cは、物品201内に備えられている(又は他の場所に設けられている)サセプタと相互作用するように構成された誘導加熱要素としてもよい。3つの加熱要素203a、203b及び203cを使用することは、全ての例示的な実施形態に必須ではない。すなわち、エアロゾル供給デバイス100は、1つの加熱要素を備えても複数の加熱要素を備えてもよい。
【0098】
サセプタは、物品201の一部として設けられてもよい。例示的な実施形態において、物品201がエアロゾル供給デバイスに挿入されると、エアロゾル供給デバイス200は、物品201が挿入されることによりオンになることができる。エアロゾル供給デバイス100がオンになると、(誘導)加熱要素203(たとえば誘導加熱要素)により物品201がサセプタを介して加熱(たとえば誘導加熱)されることになり得る。一代替実施形態では、サセプタは、エアロゾル供給デバイス200の一部として(たとえば、物品201を受け入れるためのホルダの一部として)設けられてもよい。
【0099】
本明細書で説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を助けるためにだけ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表例として提供されているだけであり、網羅的及び/又は限定的なものではない。本明細書で説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造及び/又は他の側面は、請求項で定義された本発明の範囲を制限するもの、或いは請求項の均等物に対する制限と考えられるべきではないこと、並びに特許請求する発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、変更が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で具体的に説明したもの以外の、開示されている要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを適切に含んでも、これらのみからなっていても、或いは実質的にこれらのみからなっていてもよい。また、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載され得る他の発明を含み得る。
図1
図2
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