IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドの特許一覧

特許7577139送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置
<>
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図1
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図2
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図3
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図4
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図5
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図6
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図7
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図8
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図9
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図10
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図11
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図12
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図13
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図14
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図15
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図16
  • 特許-送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】送出システム用部品および送出システム用部品の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/06 20060101AFI20241025BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20241025BHJP
【FI】
A24D3/06
A24D3/17
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2022575948
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 GB2021051438
(87)【国際公開番号】W WO2021250408
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2008903.3
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】バートン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】カルジュラ、カール
(72)【発明者】
【氏名】ソーントン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】キング、イアン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/145740(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/207302(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0271968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/06
A24D 3/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料からなる本体に再構成されるシート材と、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に破壊可能になるように、本体と組み合わされる少なくとも1つの添加剤カプセルとを含み、本体は、プラグであり、シート材は、折り曲げられて本体を形成し、1つ以上の添加剤カプセルは、シート材の折り目内に保持されている送出システム用部品。
【請求項2】
使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に破壊可能になるように、本体と組み合わされる複数の添加剤カプセルを含むことを特徴とする請求項1記載の部品。
【請求項3】
使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に1つ以上の添加剤カプセルを壊れやすくするように、本体と組み合わされる複数の粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の部品。
【請求項4】
前記粒子は、少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含むことを特徴とする請
求項3記載の部品。
【請求項5】
粒子は、高分子材料、好ましくはプラスチックを含むことを特徴とする請求項3または4記載の部品。
【請求項6】
粒子は、セルロースアセテートを含み、好ましくはセルロースアセテートチップを含むことを特徴とする請求項3乃至5いずれか1項記載の部品。
【請求項7】
シート材は、紙を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の部品。
【請求項8】
シート材は、少なくとも30マイクロメートル、好ましくは少なくとも40、50、60、70または80マイクロメートルの厚さを有することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の部品。
【請求項9】
シート材は、130マイクロメートル未満、好ましくは120、110、100、90または80マイクロメートル未満の厚さを有することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の部品。
【請求項10】
シート材は、少なくとも15gsm、好ましくは少なくとも20、25または30gsmの坪量を有することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の部品。
【請求項11】
シート材は、100gsm未満、好ましくは90、80、70、60、55、50、45または40gsm未満の坪量を有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の部品。
【請求項12】
1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材に貼り付けられ、好ましくは接着剤または静電気によってシート材に貼り付けられることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の部品。
【請求項13】
シート材の折り目はミウラ折りを含むことを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の部品。
【請求項14】
1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材の形成体によって本体に保持され、好ましくは形成体は、シート材のくぼみまたは隆起を含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の部品。
【請求項15】
粒子は、ほぼ円筒状であることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の部品。
【請求項16】
粒子は、1つ以上の湾曲した縁部を有することを特徴とする請求項1乃至15いずれか1項記載の部品。
【請求項17】
部品は、燃焼系エアロゾル供給システム、非燃焼系エアロゾル供給システムまたはエアロゾルを含まない供給システム用の部品であることを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載の部品。
【請求項18】
請求項1乃至17いずれか1項記載の部品を含む送出システム。
【請求項19】
少なくとも1つの添加剤カプセルをシート材に供給することと、
シート材を本体に再構成して添加剤カプセルが本体に組み合わされるようにし、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に、添加剤カプセルを破壊できるようにすることと、を含み、本体はプラグであり、シート材は、折り曲げられて本体を形成し、1つ以上の添加剤カプセルは、シート材の折り目内に保持されている送出システム用部品の製造方法。
【請求項20】
複数の添加剤カプセルをシート材に供給することを含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
複数の粒子をシート材と組み合わせてシート材を本体に再構成した際に粒子が本体に組み合わされて、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に粒子が1つ以上の添加剤カプセルを破壊しやすくすることをさらに含むことを特徴とする請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子をシート材に貼り付ける、好ましくは1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子を接着剤および/または静電気を使用して貼り付けることを含むことを特徴とする請求項19乃至21いずれか1項記載の方法。
【請求項23】
シート材を折って、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目に保持されるようにすることを含み、好ましくは折り目の少なくとも一部は、ミウラ折りを含むことを特徴とする請求項19乃至22いずれか1項記載の方法。
【請求項24】
シート材に形成体を形成し、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子が形成体によって本体に保持されるようにすることを含み、好ましくは形成体は、くぼみまたは隆起を含むことを特徴とする請求項19乃至23いずれか1項記載の方法。
【請求項25】
シート材に少なくとも1つの添加剤カプセルを供給するように構成された供給システムと、
シート材を本体に再構成して部品の使用時にユーザーによって力が本体に加えられた際に添加剤カプセルが破壊可能になるように構成された本体形成機とを含み、本体は、プラグである請求項1記載の送出システム用部品の製造装置。
【請求項26】
供給システムは、複数の添加剤カプセルをシート材に供給するように構成されていることを特徴とする請求項25記載の製造装置。
【請求項27】
供給システムは、シート材に粒子を供給し、シート材が本体に再構成された際に、ユーザーによって本体に力が加えられた際に粒子が1つ以上の添加剤カプセルを破壊しやすくするように構成されていることを特徴とする請求項25または26記載の製造装置。
【請求項28】
供給システムは、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子をシート材に貼り付けるように構成され、好ましくは接着剤アプリケーターおよび/または静電気発生器とを含むことを特徴とする請求項25乃至27いずれか1項記載の製造装置。
【請求項29】
本体形成機は、シート材をひだ付けし、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目内に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項25乃至28いずれか1項記載の製造装置。
【請求項30】
シート材を折って1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目内に保持されるように構成された折り機をさらに含み、好ましくは折り機は、シート材にミウラ折りを形成するように構成されていることを特徴とする請求項25乃至29いずれか1項記載の製造装置。
【請求項31】
シート材に形成体を形成し、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子が形成体にまたは形成体に対して収容されるように構成された形成体形成機を含み、好ましくは形成体は、くぼみまたは隆起を含むことを特徴とする請求項25乃至30いずれか1項記載の製造装置。
【請求項32】
部品が請求項1乃至17いずれか1項記載の特徴を有することを特徴とする請求項19乃至24いずれか1項記載の方法。
【請求項33】
部品が請求項1乃至17いずれか1項記載の特徴を有することを特徴とする請求項25乃至31いずれか1項記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は送出システム用部品およびその部品を含む送出システムに関する。また本開示は送出システム用部品の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風味剤を含むカプセルを紙巻きタバコに設けることが当業界では知られている。使用中、ユーザーはカプセルを壊して紙巻きタバコを流れる煙に風味剤を放出させることができる。従って、ユーザーは選択的に煙に風味を加えることができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示では送出システム用部品が提供され、この部品は、材料からなる本体に再構成されるシート材と、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に破壊可能になるように、本体と組み合わされる少なくとも1つの添加剤カプセルとを含む。
【0004】
一部の実施態様では本発明の部品は、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に破壊可能になるように、本体と組み合わされる複数の添加剤カプセルを含む。
【0005】
一部の実施態様では本発明の部品は、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に1つ以上の添加剤カプセルを壊れやすくするように、本体と組み合わされる複数の粒子をさらに含む。
【0006】
一部の実施態様では添加剤カプセル/粒子が本体と組み合わされるということは添加剤カプセル/粒子が本体内に配置されるまたは本体の外方面上に配置されることを意味する。
【0007】
一部の実施態様では前記粒子は、少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含む。
【0008】
一部の実施態様では本体は、プラグである。
【0009】
一部の実施態様では粒子は、可塑剤を含む。
【0010】
一部の実施態様では粒子は、高分子材料、好ましくはプラスチックを含む。
【0011】
一部の実施態様では粒子は、セルロースアセテートを含み、好ましくはセルロースアセテートチップを含む。
【0012】
一部の実施態様ではシート材は、紙を含む。
【0013】
一部の実施態様ではシート材は、折り曲げられて本体を形成する。
【0014】
一部の実施態様ではシート材は、少なくとも30マイクロメートル、好ましくは少なくとも40、50、60、70または80マイクロメートルの厚さを有する。
【0015】
一部の実施態様ではシート材は、130マイクロメートル未満、好ましくは120、110、100、90または80マイクロメートル未満の厚さを有する。
【0016】
一部の実施態様ではシート材は、少なくとも15gsm、好ましくは少なくとも20、25または30gsmの坪量を有する。
【0017】
一部の実施態様ではシート材は、100gsm未満、好ましくは90、80、70、60、55、50、45または40gsm未満の坪量を有する。
【0018】
一部の実施態様では1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材に貼り付けられ、好ましくは接着剤または静電気によってシート材に貼り付けられる。
【0019】
一部の実施態様では1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材の折り目内に保持され、好ましくは折り目はミウラ折りを含む。
【0020】
一部の実施態様では1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材の形成体によって本体に保持され、好ましくは形成体は、シート材のくぼみまたは隆起を含む。
【0021】
一部の実施態様ではくぼみは、ディンプルまたは溝であってもよい。
【0022】
一部の実施態様では形成体は、例えばシート材をエンボス加工または捲縮することによって形成してもよい。
【0023】
一部の実施態様では粒子は、ほぼ円筒状である。
【0024】
一部の実施態様では本発明の部品は、燃焼系エアロゾル供給システム、非燃焼系エアロゾル供給システムまたはエアロゾルを含まない供給システム用の部品である。
【0025】
本開示では本明細書で説明する部品を含む送出システムも提供される。
【0026】
一部の実施態様では本発明の送出システムは、燃焼系エアロゾル供給システム、非燃焼系エアロゾル供給システムまたはエアロゾルを含まない供給システムである。
【0027】
一部の実施態様では本発明の部品は、7.5mm超の直径、好ましくは約8mmの直径を有する。
【0028】
シート材は、本体を形成するために少なくとも1つの折り目を含んでもよい。一部の実施態様ではシート材は、複数の折り目を含む。
【0029】
一部の実施態様では粒子は、1つ以上の添加剤カプセルを破壊しやすくするために1つ以上の表面形成体を含む。
【0030】
一部の実施態様では粒子は、少なくとも50m/g未満、好ましくは30、20、10、5または3m/g未満の平均表面積を有する。
【0031】
一部の実施態様では粒子は、R-Scaleで少なくとも25、好ましくはR-Scaleで少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90または少なくとも100のRockwell硬度を有する材料から形成される。
【0032】
一部の実施態様では1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材と組み合わされる。
【0033】
一部の実施態様では粒子は、95%超、好ましくは96%、97%、98%または99%超のボールパン硬度を有する。
【0034】
一部の実施態様では粒子の少なくともいくつかは、活性炭を含まない。
【0035】
一部の実施態様では1つ以上の添加剤カプセルは、0.6~1.4mm、選択的に約1mmの直径を有する。
【0036】
一部の実施態様では1つ以上の添加剤カプセルは、0.8~1.2mmの直径を有する。
【0037】
一部の実施態様では粒子は、0.6~2.4mmの粒径、好ましくは0.8~2mmの粒径を有する。
【0038】
一部の実施態様では粒子は、1.2~2.4mmの粒径、好ましくは1.4~2mmの粒径を有する。
【0039】
一部の実施態様では粒子12は、1.2~1.8mmの範囲の粒径を有する。
【0040】
一部の実施態様では粒子は均一な形状を有する。例えば、ほぼ円筒状の粒子である。長さは、1.5mm、直径は1.5mmである。これとは別に粒子は、不規則な形状であってもよい。
【0041】
一部の実施態様ではタバコ産業製品部品は、20~100個の添加剤カプセル、好ましくは30~50個の添加剤カプセルを含む。
【0042】
一部の実施態様では添加剤カプセルは、3N~5N、好ましくは3.5N~4.5Nの平均破裂強度を有する。一部の実施態様では本体は、4~12mmの長さ、好ましくは6~10mmの長さを有する。
【0043】
一部の実施態様では本発明の部品は、材料体の対向する側部に位置する第1および第2セグメントをさらに含む。
【0044】
一部の実施態様(図示せず)ではシート材は、1つ以上のカプセルを破裂しやすくする形成体を含む。シート材は、1つ以上の添加剤カプセルを破裂しやすくする突出部を有してもよく、1つ以上の添加剤カプセルを破裂しやすくする先端、縁部または平坦部を含んでもよい。形成体は、例えばシート材をエンボス加工することによって形成してもよい。
【0045】
一部の実施態様では本発明の部品は、本体ラッパーをさらに含み、本体ラッパーは、不透過性コーティングを含み、本体ラッパーは、少なくとも60gsmの坪量を有し、本体ラッパーは、少なくとも35マイクロメートルの厚さを有し、本発明の部品は、ユーザーに力を部品のどこに加えるべきかを示すように構成された表示部を含む外面をさらに含む。
【0046】
また本開示では送出システム用部品の製造方法も提供され、シート材に少なくとも1つの添加剤カプセルを供給することと、シート材を本体に再構成して添加剤カプセルが本体に組み合わされるようにし、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に、添加剤カプセルを破壊できるようにすることとを含む。
【0047】
一部の実施態様では本発明の方法は、複数の添加剤カプセルをシート材に供給することを含む。
【0048】
一部の実施態様では本発明の方法は、複数の粒子をシート材と組み合わせてシート材を本体に再構成した際に粒子が本体に組み合わされ、使用時にユーザーによって本体に力が加えられた際に粒子が1つ以上の添加剤カプセルを破壊しやすくすることをさらに含む。
【0049】
一部の実施態様では本発明の方法は、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子をシート材に貼り付ける、好ましくは1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子を接着剤および/または静電気を使用して貼り付けることを含む。
【0050】
一部の実施態様では本発明の方法は、シート材およびまたは添加剤カプセル/粒子に接着剤を塗布することを含む。任意に接着剤は接着剤を噴霧することによって塗布される。
【0051】
一部の実施態様では本発明の方法は、シート材を折って、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目に保持されるようにすることを含み、折り目の少なくとも一部は、ミウラ折りを含む。
【0052】
一部の実施態様では本発明の方法は添加剤カプセルが折り目に保持されるようにシート材をひだ付けして本体にすることを含む。
【0053】
一部の実施態様では本発明の方法は、シート材に形成体を形成し、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子が形成体によって本体に保持されるようにすることを含み、好ましくは形成体は、くぼみまたは隆起を含む。
【0054】
一部の実施態様では形成体は、シート材をエンボス加工または捲縮することによって形成される。
【0055】
また本開示では送出システム用部品製造装置も提供され、本装置は、シート材に少なくとも1つの添加剤カプセルを供給するように構成された供給システムと、シート材を本体に再構成して部品の使用時にユーザーによって力が本体に加えられた際に添加剤カプセルが破壊可能になるように構成された本体形成機とを含む。
【0056】
一部の実施態様では供給システムは、複数の添加剤カプセルをシート材に供給するように構成されている。
【0057】
一部の実施態様では供給システムは、シート材に粒子を供給し、シート材が本体に再構成された際に、ユーザーによって本体に力が加えられた際に粒子が1つ以上の添加剤カプセルを破壊しやすくするように構成されている。
【0058】
一部の実施態様では供給システムは、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子をシート材に貼り付けるように構成され、好ましくは接着剤アプリケーターおよび/または静電気発生器とを含む。
【0059】
一部の実施態様では接着剤アプリケーターは、接着剤をシート材およびまたは添加剤カプセル/粒子に塗布するように構成されている。任意に接着剤アプリケーターは、接着剤を噴霧するように構成されている。
【0060】
一部の実施態様では本体形成機は、シート材をひだ付けし、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目内に保持されるように構成されている。
【0061】
一部の実施態様では本発明の製造装置は、シート材を折って1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目内に保持されるように構成された折り機をさらに含み、好ましくは折り機は、シート材にミウラ折りを形成するように構成されている。
【0062】
一部の実施態様では本発明の製造装置は、シート材に形成体を形成し、1つ以上の添加剤カプセルおよび/または粒子が形成体にまたは形成体に対して収容されるように構成された形成体形成機を含み、好ましくは形成体は、くぼみまたは隆起を含む。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図面を参照しながらあくまで例示として本発明の実施態様を本明細書で説明する。
図1】送出システムの実施態様の斜視図である。
図2図1の送出システムの略式側部断面図である。
図3図1の送出システムの材料からなる本体の拡大側部断面図である。
図4図1のA-A線に沿った本体の端部断面図である。
図5図1の送出システムの添加剤カプセルの側部断面図である。
図6図1の送出システムのセルロースアセテート粒子の斜視図である。
図7図1の送出システムのプラグラッパーの斜視図である。
図8】送出システムの別の実施態様の拡大側部断面図である。
図9】巻かれていない状態の図8の送出システムのシート材の端面図である。
図10】巻かれていない状態の図9のシート材の上面図である。
図11図1の送出システムの第1セグメントの側面図である。
図12図11の第1セグメントの端面図である。
図13】巻かれていない状態の別の実施態様のシート材の端面図である。
図14】巻かれていない状態の図13のシート材の上面図である。
図15】シート材の別の実施態様による上面図である。
図16】送出システム用部品の製造方法の実施態様の工程を示すブロック図である。
図17】送出システム用部品の製造装置の実施態様の略式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
ここで図1~7を参照すると、送出システム1の実施態様が示されている。
【0065】
本実施態様では送出システム1は、燃焼系エアロゾル供給システム1である。しかしながら、別の実施態様(図示せず)では送出システム1は、燃焼系エアロゾル供給システム1とは別の構成のものであってもよい。例えば、送出システム1は、非燃焼系エアロゾル供給システム(図示せず)またはエアロゾルを含まない送出システム(図示せず)であってもよい。
【0066】
燃焼系エアロゾル供給システム1は、タバコロッド2と、本例では燃焼系エアロゾル供給システム1用の部品3である送出システム用部品3とを含む。
【0067】
外方ラッパー4は、部品3およびタバコロッド2の一部を囲む。外方ラッパー4は、タバコロッド2を部品3に取り付けるチッピング紙4を含む。タバコロッド2はロッドラッパー6に囲まれた喫煙材のカラム5を含む。
【0068】
本実施態様では部品3は、フィルター3である。部品3は、第1、第2および第3セグメント7、8、9を含む。
【0069】
第1セグメント7は、シート材10および複数の添加剤カプセル11および複数の粒子12を含む。
【0070】
シート材10は、プラグAに再構成される。一部の実施態様ではプラグ10Aは、ほぼ円筒状である。しかしながら、当業者は、他の形状も可能であることを認識するはずである。
【0071】
本実施態様ではシート材10は、紙を含む。しかしながら、他の実施態様ではシート材10は、異なる材料、例えばプラスチックを含むことを留意すべきである。一部の実施態様ではシート材10は、織られてシートになったまたはシートに形成された繊維を含む。
【0072】
シート材10、例えば紙は、少なくとも30マイクロメートル(μm)の厚さを有してもよい。一部の実施態様ではシート材10は、少なくとも40、50、60、70または80マイクロメートルの厚さを有する。
【0073】
シート材10、例えば紙は、130マイクロメートル(μm)未満の厚さを有してもよい。一部の実施態様ではシート材10は、少なくとも120、110、100、90または80マイクロメートル未満の厚さを有する。
【0074】
一部の実施態様ではシート材10は、30~130マイクロメートルの範囲の厚さを有する。一部の実施態様ではシート材10は、40~120マイクロメートルの範囲、50~110マイクロメートルの範囲、60~100マイクロメートルの範囲または70~90マイクロメートルの範囲の厚さを有する。一部の実施態様ではシート材10は、80~90マイクロメートルの範囲の厚さを有する。1つの実施態様ではシート材は、約85マイクロメートルの厚さを有する。
【0075】
シート材10、例えば紙は、少なくとも15GSMの坪量を有してもよい。一部の実施態様ではシート材10は、少なくとも20、25、30GSMの坪量を有する。一部の実施態様ではシート材10は、少なくとも32.5GSMの坪量を有する。
【0076】
シート材10、例えば紙は、100GSM未満の坪量を有してもよい。一部の実施態様ではシート材10は、90、80、70、60、55、50、45または40GSM未満の坪量を有する。一部の実施態様ではシート材10は、37.5GSM未満の坪量を有する。
【0077】
シート材10、例えば紙は、15~100GSMの範囲の坪量を有してもよい。一部の実施態様ではシート材10は、20~50GSMの範囲、25~45GSMの範囲または30~40GSMの範囲の坪量を有する。1つの実施態様ではシート材10は、32.5~37.5GSMの範囲の坪量を有する。1つの実施態様ではシート材10は、約35GSMまたは約36GSMの坪量を有する。
【0078】
シート材10は、4~12mmの範囲、好ましくは6~10mmの範囲の幅を有してもよい。しかしながら、他の実施態様ではシート材10は、異なる幅を有する。1つの実施態様ではシート材10は、4~8mm、好ましくは5~7mm、好ましくは約6mmの長さを有する。別の実施態様ではシート材10は、8~12mmの範囲、好ましくは9~11mmの範囲、好ましくは約10mmの長さを有する。シート材10の幅は、図2において矢印「X」で示されている。
【0079】
本実施態様ではシート材10は、プラグ10Aが「紙フィルター」または「クレープフィルター」となるようにひだ付けされた紙を含む。シート材10は、気体流がプラグ10Aを通過する際に気体流をろ過してもよい。
【0080】
第2および第3セグメント8、9は、フィルター材、例えばセルロースアセテートからなる第1および第2プラグ8、9を含む。第1および第2セグメント8、9の一方または両方を省略してもよいことを留意すべきである。
【0081】
第1、第2および第3セグメント7、8、9は、ほぼ円筒状であってもよいが、当業者は他の形状も可能であることを認識するはずである。
【0082】
第1、第2および第3セグメント7、8、9は、軸方向に位置合わせされている。第1セグメント7は、第2および第3セグメントの間に位置する。第3セグメント9は、タバコロッド2の下流でこれに隣接して位置している。第1セグメントは、第3セグメントの下流でこれに隣接して位置している。第2セグメント8は、第1セグメント7の下流でこれに隣接して位置している。第2セグメント8は部品3の吸い口端にあってもよい。
【0083】
第1セグメント7は、4~12mmの範囲の軸方向長さ(図2に矢印「X」で示す)を有し、好ましくは6~10mmの範囲の長さを有する。しかしながら、他の実施態様では第1セグメント7は、異なる長さを有する。
【0084】
一つの実施態様では第1セグメント7は、4~8mmの範囲、好ましくは5~7mmの範囲、好ましくは約6mmの長さを有する。別の実施態様では第1セグメント7は、8~12mmの範囲、好ましくは9~11mmの範囲、好ましくは約10mmの長さを有する。
【0085】
第2セグメント8は、3~9mmの範囲、好ましくは4~8mmの範囲、好ましくは5~7mmの範囲の軸方向長さを有する。しかしながら、他の実施態様では第2セグメント8は、異なる長さを有する。1つの実施態様では第2セグメント8は、約5mmまたは約7mmの長さを有する 。
【0086】
第3セグメント9は、3~9mmの範囲、好ましくは4~8mmの範囲、好ましくは5~7mmの範囲の軸方向長さを有する。しかしながら、他の実施態様では第3セグメント9は、異なる長さを有する。一つの実施態様では第3セグメント9は、約5mmまたは約7mmの長さを有する。
【0087】
一部の実施態様では第2および第3セグメント8、9は、等しい軸方向長さを有する。
【0088】
一つの実施態様では第1セグメント7は、約6mmの軸方向長さを有し、第2および第3セグメント8、9は、それぞれ約7mmの軸方向長さを有する。
【0089】
別の実施態様では第1セグメント7は、約10mmの軸方向長さを有し、第2および第3セグメント8、9は、それぞれ約5mmの軸方向長さを有する。
【0090】
一部の実施態様では管フィルター21は、第2セグメント8の下流に設けられ、5~9mmの範囲、好ましくは6~8mmの範囲、好ましくは約7mmの軸方向長さを有してもよい。
【0091】
部品3の第1セグメント7は、複数の添加剤カプセル11および複数の粒子12を含む。
【0092】
シート材10は、折り曲げられてプラグ10Aを形成し、複数の添加剤カプセル11および複数の粒子12が折り目内に保持されるようになっている。一部の実施態様ではシート材10は、Decoufle(商標)社によって製造されているCU-20機を使用してプラグ10Aに形成してもよい。しかしながら、他の装置、例えば「紙フィルター」および「クレープフィルター」の製造に知られている装置を使用してシート材10をプラグに再構成してもよいことを当業者は認識するはずである。
【0093】
選択的にシート材10は、例えば添加剤カプセル11および粒子12がシート材10に供給される前に捲縮される。捲縮は、シート材10をプラグ10Aに再構成しやすくする。
【0094】
添加剤カプセル11および粒子12は、シート材10がプラグ10Aに形成される前にまたはそれと同時にシート材10に加えられてもよい。一部の実施態様では添加剤カプセル11および粒子12は、シート材10に貼り付けられる。
【0095】
例えば、添加剤カプセル11および粒子12は、接着剤でシート材10に貼り付けてもよい。接着剤は、シート材10および/または添加剤カプセル11および粒子12に塗布してもよい。接着剤はシート材10および/または添加剤カプセル11および粒子12に噴霧してもよく、あるいはブラシまたはローラーを使用して塗布してもよい。
【0096】
別の実施態様では添加剤カプセル11および粒子12は、静電気を使用してシート材10に貼り付けられる。即ち、シート材10および/または添加剤カプセル11および粒子12は静電荷が付与され、添加剤カプセル11および粒子12がシート材10に引きつけられるようになっている。例えば、シート材10は、負電荷および正電荷の一方が付与され、添加剤カプセル11および粒子12は負電荷および正電荷の他方が付与されてもよい。他の実施態様ではシート材10または添加剤カプセル11および粒子12は、中性または実質的に中性電荷を有し、それとは別のシート材10および添加剤カプセル11および粒子12は、正電荷または負電荷を持つ。
【0097】
添加剤カプセル11および粒子12および/またはシート材10は、電荷発生器を使用して電荷を付与してもよい。一つの実施態様では負電荷が添加剤カプセル11および/または粒子12に掛けられ、正電荷がシート材10に掛けられる。別の実施態様では正電荷が添加剤カプセル11および/または粒子12に掛けられ、負電荷がシート材10に掛けられる。
【0098】
一つの実施態様では電荷発生器は、シート材10にこすりつけられて電荷がシート材に掛かるようにする帯電部材を含む。例えば、シート材10は、搬送経路に沿って移動する連続したウェブとして供給されてもよい。連続したウェブがそれが搬送経路に沿って移動する際に帯電部材にこすりつけられて帯電する。帯電部材は、帯電列においてシート材と異なるランク付けがされており、帯電部材またはシート材10の一方が帯電部材またはシート材10の他方に電子を渡すようになっている。帯電部材は、例えばポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、Teflon(商標)、ポリエステル、ガラスまたはナイロンを含んでもよい。別の実施態様では帯電部材は、帯電したドラムを含み、シート材10は、そのドラム上を通過し、シート材に電荷を付与する。他の実施態様では添加剤カプセル11および粒子12は、ドラム上を通過させ、帯電部材またはホッパーまたはトレイなどの別の帯電した部材にこすられてもよい。一部の実施態様では電荷発生器は、Van de Graaff発生器を含む。
【0099】
添加剤カプセル11および粒子12の場合、同じ電荷(例えば負電荷)が添加剤カプセル11および粒子12を互いに反発させ、シート材10上で添加剤カプセル11および粒子12がより均一に配分されやすくしてもよい。
【0100】
一部の実施態様では静電荷は、時間が経つにつれて消散させて、添加剤カプセル11および粒子12および/またはシート材10が実質的に同じ電荷に戻るようにしてもよい。しかしながら、電荷は、シート材10がプラグ10Aに形成された後、消散する傾向があり、したがって、添加剤カプセル11および粒子12は、プラグ10Aの折り目内に保持されることになる。したがって、静電荷は、シート材10のプラグを形成機への搬送中およびシート材10をプラグ10Aに再構成する間に添加剤カプセル11および粒子12をシート材10上に保持することに役立つ。
【0101】
添加剤カプセル11および粒子12は、プラグ10A全体に散在させられる。添加剤カプセル11は、以下により詳しく説明するように気体流中に添加剤を選択的に同伴するように構成されている。粒子12は、ユーザーによってプラグ10Aに外力が加えられた際に添加剤カプセル11を壊れやすくすることに役立つ。しかしながら、別の実施態様では粒子12は省略されることを留意すべきである。
【0102】
複数の添加剤カプセル11の1つの側部断面を図5に示す。各添加剤カプセル11は外方シェル13と内方コア14とを含む。
【0103】
各添加剤カプセル11のシェル13は室温で固体であってもよい。シェル13は、アルギン酸塩を含む、アルギン酸塩からなるまたはアルギン酸塩から実質的になる。しかしながら、これとは別の実施態様ではシェル13は、異なる材料から形成されることを認識すべきである。例えば、シェル13は、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンを含む、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンからなる、またはゼラチン、カラギーナンまたはペクチンから実質的になる。シェル14は、アルギン酸塩、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンの1つ以上を含む、アルギン酸塩、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンの1つ以上からなるまたはアルギン酸塩、ゼラチン、カラギーナンまたはペクチンの1つ以上から実質的になる。
【0104】
各添加剤カプセル11の内方コア14は、添加剤、例えば第1セグメント7の本体10を流れる気体に添加剤がその気体に晒された際に風味を付与するように構成された風味剤を含む、風味剤からなる、または風味剤から実質的になる。しかしながら、他の実施態様では添加剤は、これとは別にまたは加えて湿潤剤などの異なる種類の添加剤を含んでもよいことを認識すべきである。本実施態様では内方コア14は、液体である。しかしながら、他の実施態様(図示せず)では内方コア14は、固体、例えば粉末を含んでもよい。
【0105】
各添加剤カプセル11のシェル13は、コア14の添加剤に対して非透過性または実質的に非透過性であってもよい。したがって、シェル12は、最初はコア14の添加剤が添加剤カプセル11から漏れて本体10を流れる気体に同伴されないようにする。ユーザーが気体に添加剤を同伴させること、例えば添加剤が風味剤である実施態様では気体に風味付けすることを望んだ際に添加剤カプセル11のシェル13を破裂させ、添加剤が気体に同伴されるようにする。
【0106】
一部の実施態様(図示せず)では添加剤カプセル11は、キャリアー材をさらに含む。キャリアー材は、例えばゼラチンを含んでもよい。
【0107】
本実施態様では粒子12は、セルロースアセテート(CA)粒子12である。
【0108】
セルロースアセテート粒子12は、可塑剤、例えばトリアセチンによって硬化されたセルロースアセテートを含む。可塑剤は、ユーザーが添加剤カプセル11を壊すために部品3に力を加えた際にセルロースアセテート粒子12が壊れないようにすることに役立つ。さらに可塑剤により添加剤カプセル11の硬度を高めることによって添加剤カプセル11を壊れやすくするのに役立つ。これとは別にまたは加えてセルロースアセテートは、異なる可塑剤、例えばジアセチン、クエン酸トリエチルまたはPEGによって硬化させてもよいことを認識すべきである。
【0109】
セルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテート粒子12の重量で15~40%の範囲で、好ましくはセルロースアセテート粒子12の重量で20~35%の範囲の可塑剤を含んでもよい。セルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテート粒子12の重量で少なくとも15%の、好ましくはセルロースアセテート粒子12の重量で少なくとも20%の可塑剤を含んでもよい。セルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテート粒子12の重量で40%未満、好ましくはセルロースアセテート粒子12の重量で35%未満の可塑剤を含んでもよい。
【0110】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、ASTM D785の手順Aに従って測定されるR-scaleで少なくとも25のRockwell硬さを有する材料から製造してもよい。好ましくは粒子12はR-scaleで30超、40超、50超、60超、70超、80超、90超または100超のRockwell硬さを有する材料で製造してもよい。粒子12のロックウェル硬度が高いとユーザーが部品3に力を加えて添加剤カプセルを壊す際に粒子12が壊れることを妨げ、また添加剤カプセル11を壊れやすくすることにも役立つことが分かっている。
【0111】
一部の実施態様では粒子12は、少なくとも50m/g未満、好ましくは30、20、10、5または3m/g未満の平均表面積を有する。表面積はASTM D1993-18(多点BET窒素吸着による析出したシリカ表面の標準試験法、ASTM International、West Conshohocken, PA, 2018)に従って測定してもよい。粒子密度は、材料の孔を含むが粒子間の空隙を除く粒子からなる材料の密度を言う(「嵩密度」になる)。
【0112】
粒子12の表面積が小さくなるほど、粒子はより堅固になることが分かっており、これは粒子12に孔度が小さくなることによる。粒子12がより堅固であるということは部品3の外面に外力を加えた際に添加剤カプセル11を壊しやすくすることに役立つ。粒子がより堅固であるということは、移送中にカプセルが壊れにくくすることに役立つ。さらに表面積が小さいということは添加剤カプセルが破裂した際、粒子12が吸着する添加剤が少なくなることを意味し、より多くの添加剤をユーザーに送出できることを意味することが分かっている。
【0113】
粒子12は、少なくとも1g/ccの粒子密度を有する材料を含む。これは、粒子12をより堅固にし、使用時の添加剤カプセル12の破壊を促し、そして移送時の粒子12の破壊を妨げることに役立つ。一部の実施態様では粒子12は、少なくとも1.1g/ccまたは少なくとも1.2g/ccの粒子密度を有する材料を含み、粒子12の粒子密度を大きくすることは粒子12の頑健性を上げることに役立つ。
【0114】
一つの実施態様では粒子12は、5g/cc未満および好ましくは2g/cc未満または1.5g/cc未満の粒子密度を有する材料を含む。粒子12の粒子密度が小さくなると送出システムの部品が軽くなり、従って移送しやすくなる。
【0115】
一部の実施態様では粒子12の粒子密度は、1~2g/ccまたは1.1~2g/ccまたは1.1~1.5g/ccである。
【0116】
一部の実施態様では粒子12は、ほぼ円筒状の形状である。粒子12は、ロッド材から押し出され、個々にほぼ円筒状に切断されててもよい。1つのこのような実施態様では粒子12は、1~2mmの範囲の直径と、1~2mmの長さを有する。好ましくは粒子12は、1.2~2.2mmの範囲の直径および/または長さを有する。好ましくは粒子12は、1.2~2.2mm、好ましくは約1.5mmの直径および/または長さを有する。一部の実施態様では粒子12は、1.2~1.8mmの範囲の粒径を有する。
【0117】
一部の実施態様では粒子12は、95%超、好ましくは96%超、97%超、98%超または99%超のボールパン硬度を有する。一部の実施態様では粒子のボールパン硬度は99.5%、99.6%、99.7%、99.8%または99.9%より高い。粒子12のボールパン硬度は、ASTM D3802-16(活性炭のボールパン硬度の標準試験法、ASTM International、 West Conshohocken、PA、2016)に記載のボールパン硬度試験を使用して測定することができる。この試験は活性炭の硬度を試験について説明されている。しかしながら、これは粒状材の硬度の測定にも適している。粒子12のボールパン硬度を上げることで粒子は、より堅固になり、従って使用時に添加剤カプセル11を壊れやすくことにより効果的であり、そしてまた粒子12が移送時に壊れにくくなる。
【0118】
セルロースアセテート粒子12は、ユーザーが部品3に力を加えた際に添加剤カプセル11を壊れやすくするように構成された1つ以上の表面形成体を含んでもよい。表面形成体は、添加剤カプセル11のシェル13を切断または穴開けしやすくし、または添加剤カプセル11を粉砕しやすくし、添加剤カプセル11を粉砕できる堅い縁部または面を呈する。本実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、それぞれ1つ以上の縁部15Aおよび/または1つ以上の角15Bを含む。縁部15Aおよび角15Bは、例えばセルロースアセテート粒子12を形成するためにセルロースアセテートの部分を切断または砕いて形成してもよい。縁部15Aは、角度が付けられた縁部であってもよい。別の実施態様(図示せず)ではセルロースアセテート粒子12は縁部15Aおよび/または角15Bを全く含まなくてもよく、例えば球体であってもよい。本実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、セルロースアセテートチップ12を含む。一部の実施態様では粒子12は、ほぼ円筒状である。
【0119】
部品3は、部品3を通過する気体流に導入される添加剤の量をユーザーが調節できるようにする。最初は各添加剤粒子11のシェル13は完全な状態であり、従って、コア14から添加剤が気体流に導入されない。ユーザーが添加剤を導入したいと思ったとき、ユーザーは、部品3に外力を加え、添加剤カプセル11のシェル13を破裂させる。ユーザーは指の間で部品3を強く保持し、指の間で転がす。これによりキャビティ10Aを囲むセルロースアセテート粒子12が添加剤カプセル11のシェル13を破裂させやすくし、コア14の添加剤がシェル13を通って放出され、気体流に入る。
【0120】
部品3をユーザーの指の間で多く転がすと、破裂する添加剤カプセル11の数が多くなり、従って気体流内に放出される添加剤が多くなるので有利である。従って、ユーザーは、部品3が指の間で転がす時間を調整することで気体流に加えられる添加剤の量を調整することができる。セルロースアセテートは、例えば紙巻きタバコフィルターのろ過材としてタバコ産業に製造される部材に既に使用されている入手容易な材料である。従って、セルロースアセテート粒子12を含む部品3の研磨材は部品3の製造を単純化する。したがって、他の材料を使用して粒子12を製造してもよいことを留意すべきである。
【0121】
破裂した添加剤カプセル11から添加剤は、シート材10に浸透させてもよいおよび/またはシート材10上に広げてもよい。これは部品3を流れる気体と接触する添加材料の量、したがって気体流に同伴する添加剤の量を増やすことに役立つ。したがって、シート材10を含まない構成と比較して少ない添加剤カプセル11が気体流に所定の添加剤レベルを達成するために必要とされる。
【0122】
シート材10に添加剤カプセル11と粒子12を設けることで部品3を速く製造できることが分かっている。もし添加剤カプセル11と粒子12が代わりにフィルター材からなる軸方向に間隔が空けられたプラグの間に形成された空間に設けられ、フィルター材によって囲まれていない場合、最初にプラグをラッパーに位置させ、次にプラグ間の空間を添加剤カプセル/粒子で埋める必要がある。それに対して本発明は、添加剤カプセル/粒子を第1セグメント/プラグの製造時に第1セグメント/プラグ中に設けることが可能であり、これにより迅速な製造を可能にすることが分かっている。
【0123】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、ASTM D1238によるメルトフローが0.2~6g/10分の範囲にある材料から製造してもよい。一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、メルトフローが0.25~5.5g/10分の範囲または0.5~4g/10分の範囲にある材料から製造してもよい。一部の実施態様ではメルトフローは、5.5g/10分未満である。
【0124】
1つの典型的な実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、トリアセチン28%とセルロースアセテート72%とを含み、材料は、414mg/3分(1.38g/10分)のメルトフローを有する。別の典型的な実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、トリアセチン25%とセルロースアセテート75%とを含み、材料は266mg/3分(0.89g/10分)のメルトフローを有する。
【0125】
一部の実施態様では本体10Aは、ラッパー22(図4に示す)によって囲まれている。ラッパー22は、例えばシート材10が折られた状態から開いてしまわないようにすることによってシート材10を本体10Aの形状に保持することに役立つ。
【0126】
チッピング紙4は、外力を部品3のどこに加えるべきかをユーザーに視覚的に示す1つ以上の表示部19を含む。例えば、表示部19は、部品3のどこを把持し、添加剤を放出するためにどこを指の間で転がすかを示してもよい。表示部19は、例えばチッピング紙4に印刷してもよく、あるいはチッピング紙4に貼り付けられたラベルを含んでもよい。表示部19は、フィルター材からなる本体10に重なってもよい。
【0127】
部品3は、第1セグメント7および第2および/または第3セグメント8、9の少なくとも一部を囲むプラグラッパー16をさらに含む。本実施態様ではプラグラッパー16は、第2および第3セグメント8、9の両方の全長を囲む。
【0128】
選択的に第1セグメント7に重なるプラグラッパー16とチッピング紙4は、使用時にユーザーが添加剤カプセル11を壊すためにチッピング紙4と第1セグメント7を半径方向内方に変形させるために外力を加えられるように変形可能である。上述の例ではユーザーは、壁を把持し、指の間で部品3を転がし、セルロースアセテート粒子12が添加剤カプセル11のシェル13を破裂させてそこから添加剤を放出する。プラグラッパー16が省略される実施態様ではチッピング紙4を変形させる。チッピング紙4が省略される実施態様ではプラグラッパー16を変形させる。一部の実施態様では壁は、チッピング紙4および/またはプラグラッパー16に加えて別のシート材(図示せず)を含む。他の実施態様(図示せず)ではチッピング紙4もプラグラッパー16も第1セグメント(または第1セグメント7の全体)を囲まず、したがってユーザーは、プラグ10Aに直接力を加える。
【0129】
プラグラッパー16は、紙の層17と密封層18とを含む。密封層18は、添加剤カプセル11の添加剤に対して不透過性または実質的に不透過性である。したがって、添加剤カプセル11が壊されて気体流に添加剤を同伴させる際に密封層18は、添加剤がプラグラッパー16を介して染み出るのを防ぐ。これは燃焼系エアロゾル供給システム1が、通常、部品3の領域でユーザーの指の間で保持され、従って密封層18が添加剤がユーザーの指と接触することを妨げることに役立つので有利である。
【0130】
本実施態様では密封層18は、紙の層17の上に供されるコーティング18の形体である。例えば、コーティング18は、エチルセルロースを含んでもよい。別の実施態様(図示せず)では密封層18は、例えば接着剤によって紙巻の層17に接着させたプラスチックシートまたはホイルなどの材料の層を含む。一部の実施態様では密封層18は、はつ油剤である。
【0131】
1つの実施態様では密封層18は、紙の層17が密封層18とチッピング紙4の間に配置されるように紙の層17の内面に設けられる。これとは別に密封層18は、密封層18が紙の層17とチッピング紙4の間に配置されるように紙の層17の外面に設けられる。
【0132】
1つの実施態様では密封層18は、紙の層17の内面全体および/または外面全体に亘って設けられる。しかしながら、別の実施態様では密封層18は、紙の層17の内面の一部および/または外面の一部のみ、例えばプラグ10Aを囲む紙の層17の部分のみに設けられる。
【0133】
部品3がユーザーの指の間で転がされると、壁は半径方向内方に変形し、添加剤カプセル11は挽かれ、互いに押しつけられる。フィルター材からなるプラグ10A内に散在させた粒子12は、添加剤カプセル11から添加剤を放出させやすくすることが分かっている。
【0134】
プラグラッパー16は、添加剤を放出するために部品3を転がしている間、部品3の構造的完全性を維持することに役立つように部品3を構造的に支持するように構成されている。一部の実施態様ではプラグラッパー16は、少なくとも60gsm、好ましくは少なくとも80gsmの坪量を有する。この坪量によりプラグラッパー16の剛性が高められ、部品3を転がす際の部品3の構造的完全性を維持するのに役立つ。一部の実施態様ではプラグラッパー16の坪量は、60~110gsmの範囲内であり、好ましくは80~110gsmの範囲内である。プラグラッパー16の坪量は、60~100gsmの範囲内または80~100gsmの範囲内であってもよい。
【0135】
1つの実施態様ではプラグラッパー16の剛性は、少なくとも35マイクロメートル、好ましくは少なくとも50、60、70、80、90または100マイクロメートルの厚さを有する紙から紙の層17を製造することによって得られる。一部の実施態様では紙の層17は、35~137マイクロメートルの範囲の厚さを有する。プラグラッパー16の剛性は、ユーザーが添加剤を放出するために部品3を転がし終えた際に壁が元の形状に戻りやすくすることに役立つ。
【0136】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、少なくとも0.6mmの直径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセル11は、少なくとも0.8mmの直径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセル11は、1.4mm未満の直径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセル11は、1.2mm未満の直径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセルは、約1mmの直径を有する。
【0137】
添加剤カプセル11の直径が小さいほど各添加剤カプセル11を破裂させた際に気体流に導入される添加剤の量が少なくなることが分かっており、これによりユーザーが指の間で部品3が転がされる時間の長さに基づいて気体流に加えられる添加剤の量をより正確に調整することができる。
【0138】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、0.6mm~1.4mmの範囲の、または0.8~1.2mmの範囲の直径を有する。
【0139】
一部の実施態様では添加剤カプセル11は、少なくとも0.6mmの粒径を有する。「粒径」なる用語は、ふるい分けによって測定された際の粒の大きさを言う。好ましくは添加剤カプセル11は、少なくとも0.8mmの粒径を有する。一部の実施態様では添加剤カプセル11は、1.4mm未満の粒径または1.2mm未満の粒径を有する。1つの実施態様では添加剤カプセル11は、0.6mm~1.4mmの範囲または0.8~1.2mmの範囲の粒径を有する。好ましくは添加剤カプセル11は、約1mmの粒径を有する。
【0140】
一部の実施態様では粒子12は、1.2~1.8mmの範囲の粒径を有する。
【0141】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、少なくとも0.6mm、好ましくは少なくとも0.8mm、少なくとも1.2mmまたは少なくとも1.4mmの粒径を有する。「粒径」なる用語は、ふるい分けによって測定された際の粒の大きさを言う。一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、2.4mm未満または2.2mm未満、2mm未満、1.8mm未満、1.6 mm未満または1.2mm未満の粒径を有する。
【0142】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、0.6~2.2mmの範囲、好ましくは0.8~2mmの範囲の粒径を有する。
【0143】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、0.6~1.4mmの範囲または0.8~1.2mmの範囲の粒径を有する。
【0144】
一部の実施態様では粒子12は、1.2~2.2mmの範囲、好ましくは1.4~2mmの範囲の粒径を有する。
【0145】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、0.6~2.2mmの範囲の粒径、好ましくは0.8~2mmの範囲の粒径を有する。1つのこのような実施態様において添加剤カプセル11は、0.6mm~1.4mmの範囲のまたは0.8~1.2mmの範囲の直径/粒径を有する。添加剤カプセル11の大きさとセルロースアセテート粒子12の大きさのこの組み合わせは、添加剤カプセル11を破裂させるというセルロースアセテート粒子の効果を増大させるのに有利であることが分かっている。
【0146】
部品3は、部品3の吸い口端に空隙20を含んでもよい。図1~7に示す実施態様では部品3は、管フィルター3であり、環状部分21が部品3の吸い口端に設けられ、空隙20は、環状部分の中空の中心に設けられている。環状部分21は、例えばセルロースアセテートなどのろ過材を含んでもよい。
【0147】
環状部分21は、第2セグメント8の下流に設けられ、チッピング紙4および/またはプラグラッパー16によってそれに取り付けられている。別の実施態様では第2セグメント8は、空隙20が第2セグメント8の材料に設けられるように環状部分を含む。さらに別の実施態様(図示せず)では部品3は、キャビティフィルター3である。チッピング紙4、プラグラッパー16または別のラッパー(図示せず)は、空隙20含む空間を形成するためにフィルター材からなる第1プラグ9の吸い口端を越えて延びてもよく、環状部分21は省略される。
【0148】
1つの実施態様では第2および第3セグメント8、9は、それぞれろ過材、例えばセルロースアセテートまたは活性炭の一部を含み、各部分は、それ自体のプラグラッパー(図示せず)に包まれている。第2および第3セグメント8、9は、キャビティ8も囲むプラグラッパー16に包まれる。しかしながら別の実施態様(図示せず)では第2および/または第3セグメントの個別のプラグラッパーは、省略される。一部の実施態様(図示せず)ではプラグラッパー16は、第2および/または第3セグメント8、9を囲まず、任意に第1セグメント7だけを囲む。
【0149】
一部の別の実施態様(図示せず)では第2および/または第3セグメント8、9は、省略される。例えば、第3セグメント9は、第1セグメント7が第2セグメント8とタバコロッド2の間に位置し、第2セグメント8とタバコロッド2に隣接するように省略してもよい。
【0150】
上述の実施態様では各添加剤カプセル11は外方シェル13と内方コア14とを含む。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では外方シェル13が省略される。1つの実施態様(図示せず)では各添加剤カプセル11は添加剤を含む材料体を含み、シェルはこの材料体を囲まない。1つの実施態様(図示せず)では各添加剤カプセル11は、外力を部品3に加えて添加剤をプラグ10Aを流れる気体に同伴させる際に壊れて例えば粉を形成する固体材料を含む。セルロースアセテート12は添加剤カプセル11を壊して粉にすることに役立つ。
【0151】
一部の実施態様では部品3は、5~70個の範囲の添加剤カプセル11、好ましくは10~60個の範囲の添加剤カプセル11を含む。この数の添加剤カプセル11は、ユーザーが力を部品3に加えた際に破裂する添加剤カプセル11の割合を最大にし、従って煙流に放出される添加剤の量が最大になることが分かっている。好ましくは添加剤カプセル11の数は、20~50個であり、これは破裂する添加剤カプセル11の割合をさらに多くすることが分かっている。一つの実施態様では部品3は、25~40個の範囲の添加剤カプセルを含み、約30個の添加剤カプセル11を含んでもよい。しかしながら、他の実施態様では部品3は、それより多いまたは少ない添加剤カプセル11を含んでもよいことを留意すべきである。一部の実施態様では部品3は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60個の添加剤カプセル11を含む。
【0152】
一部の実施態様では部品3は、3.5mg~45mgの範囲の添加剤カプセル11、好ましくは7~42mgの範囲の添加剤カプセル11を含む。この質量の添加剤カプセル11は、ユーザーが力を部品3に加えた際に破裂する添加剤カプセル11の割合を最大にし、従って煙流に放出される添加剤の量が最大になることが分かっている。好ましくは添加剤カプセル11の質量は、14~35mgであり、これは破裂する添加剤カプセル11の割合をさらに多くすることが分かっている。一つの実施態様では部品3は、17.5mg~28mgの範囲の添加剤カプセルを含み、約21mgの添加剤カプセル11を含んでもよい。しかしながら、他の実施態様では部品3は、異なる質量の添加剤カプセル11を含んでもよいことを留意すべきである。一部の実施態様では部品3は、少なくとも3.5、7、10.5、14、17.5、21、24.5、28、31.5、35、38.5または42mgの添加剤カプセル11を含む。
【0153】
一部の実施態様では部品3は、75mg未満、好ましくは60mg未満のセルロースアセテート粒子12を含む。これは部品3の製造および貯蔵時の添加剤カプセル11の早期の破裂を妨げることに役立つことが分かっている。
【0154】
一部の実施態様では部品3は、少なくとも20mgの粒子12、好ましくは少なくとも30mg、少なくとも40mgまたは少なくとも50mgの粒子12を含む。
【0155】
一部の実施態様では部品3は、30~60mgの範囲の粒子12を含む。1つの好ましい実施態様では部品3は、50~60mgの範囲の粒子12を含む。
【0156】
ここで図8~12を参照すると、送出システム101用部品103の別の実施態様が示されている。
【0157】
図8~12の実施態様の部品103は、図1~7の実施態様の部品と類似の特徴を有し、同様の特徴は同じ参照番号のままである。
【0158】
部品103は、フィルター材、例えばセルロースアセテートからなる本体110を含む。しかしながら、図1~7の部品との違いは、第1セグメント7が別の第1セグメント107に変えられているということである。
【0159】
第1セグメント107は、シート材110から形成された本体110Aを含む。シート材110は、巻かれて本体110Aを形成する。本実施態様では本体110Aはプラグ110Aである。
【0160】
部品103は、添加剤カプセル11と粒子12とをさらに含む。上記実施態様と同じように添加剤カプセル11は、部品103に力を加えると添加剤を放出するように破壊可能である。粒子12は、添加剤カプセル11を破壊しやすくする。これは粒子12、例えばセルロースアセテートチップが添加剤カプセル12を粉砕可能にするおよび/または粒子12が添加剤カプセル11を切断または穴開け可能にする固い面を供するからである。
【0161】
本実施態様ではシート材110は、複数の形成体112を含み、これはシート材110を巻き上げてプラグ110Aを形成しやすくする。形成体112は、シート材110の複数の棟112Aと谷112Bを含む。即ち、シート材110は捲縮されている、またはジグザグ断面を有するように折られる。折り曲げ線112Cが各棟112Aと谷112Bの中間点で形成されている。各折り曲げ線112Cは、シート材110の対向する長手方向縁部11A、11Bの間でシート材110の全幅を横断して延びてもよい。
【0162】
当業者は別の実施態様では形成体112は、別の方法、例えばシート材110をしわ付けまたはエンボス加工することによって形成してもよいことを認識するはずである。一部の実施態様ではシート材110は、図8~12に示す例のV字状ではなく、各棟および谷がほぼU字状の波形断面を有する。
【0163】
形成体112は、ほぼ線状であってもよい。形成体112は、シート材110の幅を横断して延びてもよい。即ち、形成体112は、シート材110の対向する長手方向縁部111A、111Bの間をシート材110の全幅を延びてもよい。
【0164】
また形成体112は、添加剤カプセル11および粒子12のための空間113を供し、シート材110をプラグ110Aに再構成する際に添加剤カプセル11および粒子12が空間113に保持される。図12から分かるようにカプセル11と粒子12は、隣接する形成体112の折り目の間の空間に保持されている。
【0165】
第1の実施態様と同様に添加剤カプセル11および粒子12は、選択的に例えば接着剤または静電気によってシート材110に貼り付けられる。
【0166】
1つの実施態様ではシート材110は、板紙を含む。しかしながら、当業者は、紙またはプラスチックなどの他の材料も適していると認識するはずである。一部の実施態様ではシート材110は、シートに織られたまたは形成された繊維を含む。
【0167】
添加剤を放出するためにユーザーは、指の間で部品103を転がし、添加剤カプセル11を破裂させる。粒子12は、添加剤カプセル11を破裂させやすくする。
【0168】
添加剤カプセル11および粒子12は、シート材110の両面に貼り付けられてもよい。これとは別に添加剤カプセル11および粒子12をシート材110の一方の面にのみ貼り付け、もう一方の面は、添加剤カプセル11および粒子12の無い面にしてもよい。さらに別の実施態様では添加剤カプセル11をシート材110の第1の面に貼り付け、粒子をシート材110の第2のもう一方の面に貼り付けられる。このような実施態様では第1の面は、粒子12が無く、第2の面には添加剤カプセル11が無い。
【0169】
1つの実施態様(図示せず)では添加剤カプセル11および粒子12は、シート材110の一方の面のみに、およびその面の一部のみに貼り付けて、シート材110が本体110Aに丸められた際に添加剤カプセル11および粒子12がシート材110の外側だけに配置される。これとは別にカプセルと粒子を本体110Aの内面だけに配置してもよい。
【0170】
ここで図13および14を参照すると送出システムの部品の別の実施態様のシート材210が示されている。上記実施態様と同様にシート材210は、プラグ(図示せず)に再構成されて、添加剤カプセル(図示せず)と粒子(図示せず)がプラグ内に保持される。添加剤カプセルは添加剤を放出するために破壊可能であり、粒子12は、添加剤カプセルを破壊しやすくする。
【0171】
シート材210は、複数の形成体212を含む。本実施態様では形成体212は、シート材210のくぼみ212Aおよび突出部212Bである。くぼみ212Aは、添加剤カプセルと粒子のための空間213を供し、シート材210がプラグに再構成された際に添加剤カプセルおよび粒子が空間213に保持されるようになっている。
【0172】
本実施態様ではシート材の一方の側のくぼみ212Aは、シート材210の反対側で突出部212Bを形成する。さらなる空間213が突出部212Bの間に形成され、シート材210がプラグに再構成された際に添加剤カプセルと粒子が空間213に保持されるようになっている。
【0173】
くぼみ212Aは、シート材212の表面に形成してもよい。突起212Bは、シート材212の表面から外方に突出してもよい。
【0174】
一部の実施態様ではくぼみ212Aまたは突出部212Bの一方を省略してもよいことを留意すべきである。例えば、くぼみ212Aは、シート材210の厚みに形成して、対応する突出部212Bがシート材210の反対側に形成されないようにしてもよい。
【0175】
一部の実施態様では形成体212は、エンボス加工することによって形成される。
【0176】
一部の実施態様では形成体212は、不連続で互いに間隔が空けられる。形成体212は、規則的な列に設けてもよい。
【0177】
ここで図15を参照すると送出システムの部品の別の実施態様のシート材310が示されている。上記実施態様と同様にシート材310は、プラグ(図示せず)に再構成され、添加剤カプセル(図示せず)と粒子(図示せず)がプラグ内に保持されるようになっている。添加剤カプセルは添加剤を放出するために破壊可能であり、粒子12は添加剤カプセルを破壊しやすくする。
【0178】
シート材310は、添加剤カプセルおよび粒子を保持するように構成されたミウラ折りを含む。
【0179】
図15は予め折られた状態にあるシート材310を示している。シート材310は、複数の第1の折り曲げ線312Aと、第2の折り曲げ線312Bとを含む。第1の折り曲げ線312Aは、山折りであり、これは各第1の折り曲げ線312Aの両側のシート材310の面が第1折り曲げ線312Aの周囲で互いに離れるように折られることを意味する。第2の折り曲げ線312Bは、谷折りであり、第2の折り曲げ線312Bの両側のシート材310の面が前記第2の折り曲げ線312Bの周囲で互いの方に折り曲げられることを意味する。
【0180】
第1の折り曲げ線312Aは、図15で破線で示されている。第2の折り曲げ線312Bは、図15で点線で示されている。
【0181】
第1および第2の折り曲げ線312A、312Bは、シート材310の表面に一連の平行四辺形315を形成する。
【0182】
シート材310は、第1および第2の対向する側縁部311A、311Bと、第1および第2側縁部311A、311Bに直交する第3および第4の対向する側縁部311C、311Dとを含む。
【0183】
シート材310は、第1および第2の折り曲げ線312A、312Bからなる複数の第1のグループ313を含む。第1のグループ313は、第1および第2側縁部311A、311Bの間を延びている。各第1のグループ313は、繰り返しのパターンに順番に配された第1および第2の折り曲げ線312A、312Bを含む。各第1のグループ313は、第1および第2側縁部311A、311Bの間を直線に延びている。
【0184】
シート材310は、第1および第2の折り曲げ線312A、312Bからなる複数の第2のグループ314を含む。第2のグループ314は、第3および第4側縁部311C、311Dの間を延びている。第2のグループ314は、第1の折り曲げ線312A全体を含むものと第2の折り曲げ線312B全体を含むものが交互に存在する。各第2のグループ314は、第3および第4側縁部311C、311Dの間をジグザグに延びている。
【0185】
第1および第2グループ313、314は、交差してシート材310の平行四辺形315を形成する。
【0186】
第1および第2の折り曲げ線312A、312Bがシート材310に形成されると、シート材は折り曲げることができ、シート材310の平行四辺形315が互いに実質的に平面に位置し、したがって本体を形成する。添加剤カプセル(図示せず)と粒子(図示せず)は、シート材310の隣接する平行四辺形315の間で折り目に保持される。
【0187】
添加剤カプセルと粒子を保持するために折られたシート材の状態でシート材310をさらに折ってまたは曲げて異なる形状、例えば円筒状のプラグにすることが可能である。これとは別に折られたシート材310によって形成された本体は、それより大きなプラグ材、例えばセルロースアセテートなどのろ過材のプラグ内に埋め込んでもよい。
【0188】
複数の添加剤カプセル(図示せず)と粒子(図示せず)は、第1および第2の折り曲げ線312A、312Bがシート材310に形成された後、シート材310に貼り付けてもよい。選択的に添加剤カプセルおよび/または粒子は、例えば上述したように接着剤または静電気でシート材に貼り付けることができる。しかしながら、他の実施態様では添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材310の折り目に支えられることによってのみ保持される。
【0189】
ここで図16を参照すると送出システム用部品の製造方法400の実施態様を表すブロック図が示されている。本発明の方法は、複数の粒子をシート材に供給することと(工程S1)と、複数の添加剤カプセルをシート材に供給することと(工程S2)を含む。本発明の方法は、使用時に添加剤カプセルがユーザーによって力が本体に加えられた際に壊れるようにシート材から本体に作製すること(工程S3)をさらに含み、粒子は添加剤カプセルを壊れやすくする。
【0190】
一部の実施態様では粒子をシート材に供給する工程S1は、粒子をシート材に貼り付けることを含む。一部の実施態様では添加剤カプセルをシート材に供給する工程S2は、添加剤カプセルをシート材に貼り付けることを含む。
【0191】
一部の実施態様では粒子は、スクリューフィーダーなどの供給装置を使用してシート材に供給され、添加剤カプセルは、その供給装置またはスクリューフィーダーなどの第2供給装置によってシート材に供給される。
【0192】
シート材は、搬送経路に沿って送られ、粒子と添加剤カプセルは、シート材にそれが搬送経路に沿って移動する際に供給されてもよい。例えば、シート材がスクリューフィーダーまたは1つ以上の他の供給装置を通過する際に、粒子と添加剤カプセルをシート材に落下させてもよい。
【0193】
添加剤カプセルおよび/または粒子は、上述のように接着剤または静電気を使用してシート材に貼り付けてもよい。他の実施態様では添加剤カプセルおよび/または粒子を材料からなる本体にシート材から作製する前にシート材に貼り付けられない。
【0194】
一部の実施態様ではシート材は、エンボス加工または例えば捲縮ローラー内に供給されることによって捲縮される。粒子および添加剤カプセルは、シート材が捲縮された後にシート材に供給されて捲縮工程が粒子および添加剤カプセルを損傷しないようにしてもよい。
【0195】
シート材から本体、例えばプラグに作製する工程S3は、シート材を折って本体にすることを含んでもよく、これはシート材をひだ付けして本体にすること(例えば、「クレープフィルター」の製造方法と類似の方法で)を含んでもよい。1つのこのような実施態様においてシート材は、断面積が減少している舌部に供給され、シート材が舌部を通過する際にシート材がひだ付けされるようになっている。一部の実施態様では本発明の方法は、シート材を折って、添加剤カプセルおよび/または粒子がシート材の折り目内に保持されるようにすることをを含む。折り目はミウラ折りを含んでもよく、あるいは異なる構成のものであってもよい。
【0196】
一部の実施態様では本発明の方法は、シート材に形成体を形成し、添加剤カプセルおよび/または粒子が形成体にまたは形成体に対して保持されるようにすることを含み、好ましくは形成体は、くぼみまたは隆起を含む。形成体は、例えばシート材をエンボス加工または捲縮することによって形成してもよい。
【0197】
ここで図17を参照すると、送出システム用部品を製造するための装置500の実施態様が示されている。
【0198】
装置500は、シート材10の供給部501と、形成体形成機502、接着剤アプリケーター503と、本体形成機506とを含む。装置500は、第1および第2供給機504、505を含む供給システムをさらに含む。
【0199】
本例では供給部501は、搬送経路(図17の矢印「P」で示す)に沿って供給されるシート材10のリール501である。シート材10は、当業者には自明な例えばローラーおよび/またはベルトによって搬送路Pに沿って供給されてもよい。本例ではシート材10は、本体形成機506に連続したウェブとして供給される。
【0200】
本例では形成体形成機502は、捲縮機502であり、第1および第2ローラー502A、502Bを含んでもよい。しかしながら、他の実施態様では形成体形成機502は省略してもよく、あるいは例えばこれとは別にまたは加えてエンボスローラーなどのエンボス加工機を含む異なる構造を有してもよい。この形成体形成機または別の形成体形成機は、シート材10のくぼみまたは突出部を形成するように構成してもよい。
【0201】
捲縮機502は、シート材がローラー502A、502Bを通過する際にシート材を捲縮するように構成されている。
【0202】
接着剤アプリケーター503は、例えば接着剤を噴霧することによってまたは接着剤をローラーまたはブラシで塗布することによってシート材10に接着剤を塗布するように構成されている。これとは別に接着剤は、シート材10に重力で供給されてもよい。接着剤は、シート材10が搬送路Pに沿って移動し、接着剤アプリケーター503を通過した際にシート材10に塗布される。
【0203】
接着剤アプリケーター503は、圧縮ガスを使用してノズル503Aを介してシート材10に接着剤を供給してもよい。
【0204】
第1供給機504は、ホッパー504Aと、スクリューフィーダー504Bとを含む。ホッパー504Aは、粒子12を含んでいる。スクリューフィーダー504Bは、シート材10が搬送路Pに沿って移動し、第1供給機504を通過した際にシート材10にホッパー504Aから粒子12を供給するように構成されている。
【0205】
第2供給機505は、ホッパー505Aと、スクリューフィーダー505Bとを含む。ホッパー505Aは、添加剤カプセル11を含んでいる。スクリューフィーダー505Bは、シート材10が搬送路Pに沿って移動し、第2供給機505を通過した際にシート材10にホッパー505Aから添加剤カプセル11を供給するように構成されている。
【0206】
本例では第1供給機504は、第2供給機505の上流にあり、シート材10が搬送路Pに沿って移動する際に第2供給機505に到達する前にシート材10が第1供給機504に到達するようになっている。しかしながら、第1および第2供給機504、505の順番は、逆にすることも可能である。別の実施態様では(図示せず)供給システムは、シート材10に粒子および添加剤カプセルの両方を供給する供給機を含んでもよい。例えば、粒子と添加剤カプセルは、単独のホッパーで混ぜられ、シート材に供給することも可能である。
【0207】
別の実施態様(図示せず)ではスクリューフィーダー504B、505Bの一方または両方を別の供給機、例えば粒子または添加剤カプセルをシート材に供給するベルトに置き換えられる。一部の実施態様(図示せず)では粒子および/または添加剤カプセルを容器に貯蔵し、圧縮されたガスを使用する管を通してシート材に供給される。
【0208】
本体形成機506は、舌部506Aを含む。舌部506Aは断面積が小さくなっていてシート材10が舌部506を通過する際にシート材10がひだ付けされて本体10を形成するようになっている。1つの実施態様では本体形成機は、Decoufle(商標)が製造するCU-20紙フィルター製造機である。しかしながら、当業者は、他の機械、例えば「クリープフィルター」または「紙フィルター」を製造するための装置を使用してシート材を本体に形成できることを認識するはずである。
【0209】
本体形成機506は、シート材10をラッパーによって囲まれる材料からなる本体に再構成してもよい。本体とラッパーは、次に送出システムに組み込むためにセグメントに切断してもよい。
【0210】
一部の実施態様ではシート材10が材料からなる本体に再構成される際、添加剤カプセルと粒子は、シート材の折り目に保持される。
【0211】
別の実施態様(図示せず)では接着剤アプリケーター503は、省略される。
【0212】
別の実施態様では(図示せず)では接着剤アプリケーターを添加剤カプセルおよび粒子が静電気を使用してシート材10に貼り付けられるように構成された静電気発生器に置き換えられる。即ち、シート材10および/または添加剤カプセルおよび粒子は、静電気発生器によって静電荷が与えられ、添加剤カプセルと粒子がシート材10に貼り付けられるようになっている。例えば、シート材10は、負電荷および正電荷の一方が与えられ、添加剤カプセルと粒子は、負電荷および正電荷のもう一方が与えられる。他の実施態様ではシート材10または添加剤カプセルおよび粒子は、中性または実質的に中性の電荷を持ち、シート材10または添加剤カプセルおよび粒子の他方は、正または負電荷を持つ。
【0213】
1つの実施態様(図示せず)では静電気発生器は、電荷がシート材10に付与されるようにシート材10にこすりつけられる帯電部材(図示せず)を含む。例えば、シート材10は、搬送経路に沿って移動する連続したウェブとして供給されてもよい。連続したウェブがそれが搬送経路に沿って移動する際に帯電部材にこすりつけられて帯電する。帯電部材は、帯電列においてシート材と異なるランク付けがされており、帯電部材またはシート材10の一方が帯電部材またはシート材10の他方に電子を渡すようになっている。帯電部材は、例えばポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、Teflon(商標)、ポリエステル、ガラスまたはナイロンを含んでもよい。別の実施態様では電荷発生器は、電荷を帯びたプレートまたはドラムを含み、シート材10は、プレートまたはドラムを通過させられ電荷をシート材10に付与する。他の実施態様では添加剤カプセルおよび粒子は、ドラム上を通過させて帯電部材またはホッパーまたはトレイなどの別の帯電部品にこすりつけてもよい。一部の実施態様では静電気発生器は、Van de Graaff発生器を含む。
【0214】
添加剤カプセルおよび粒子に同じ電荷(例えば、負電荷)を供することで添加剤カプセルと粒子が互いに反発させ、シート材10上に添加剤カプセルと粒子をより均一に分配させやすくなる。
【0215】
一部の実施態様では静電気は、添加剤カプセルおよび粒子および/またはシート材が同じまたは実質的に同じ電荷に戻るように時間が経つにつれて消散する。しかしながら、電荷はシート材10が材料からなる本体に形成された後、消散しやすく、したがって添加剤カプセルと粒子は、プラグの折り目内に保持される。したがって、静電荷は、シート材10のプラグ形成機への搬送およびシート材10をプラグに再構成する間、添加剤カプセルと粒子をシート材10に保持することに役立つ。
【0216】
1つの実施態様(図示せず)では装置500は、シート材10にミウラ折りを形成するように構成された折り目付け機(図示せず)を含む。一つの実施態様ではミウラ折りは、シート材10選択された領域において変形させる折り目パターンを形成する定形ローラー(図示せず)を含む折り目付け機によってシート材10に形成される。供給システムは、粒子および添加剤カプセルをシート材10に供給するように構成され、シート材10は、粒子および添加剤カプセルが折り目に保持された状態で材料からなる本体に形成される。一つの実施態様ではミウラ折りは突出部および対応する凹部を有する一対のローラーによってシート材10に形成され、これはシート材がローラーの間を通過した際にミウラ折りを形成する。一方のローラーの突出部は、もう一方のローラーの凹部に位置合わせされる。
【0217】
別の実施態様(図示せず)ではシート材10は、予め設けられたミウラ折りを有し、次に搬送経路Pに沿って搬送するためにリール501に巻かれる。例えば、ミウラ折りを折り目付け機でまたは手動で予め設けることも可能である。
【0218】
上述の実施態様では部品3、103は、添加剤カプセルを破壊しやすくするように構成された粒子12を含む。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では添加剤カプセルは省略される。一部の実施態様では添加剤を放出するためにユーザーは、指の間で部品3、103を転がし、添加剤カプセル11を破裂させる。粒子12は添加剤カプセル11を破裂させやすくする。これは、粒子12、例えばセルロースアセテートチップが固い表面を有し、これに対して添加剤カプセルを押しつぶすことができる、またはこれに対してシート材10、110、210、310を部品3、103が転がされている間に圧縮し、添加剤カプセル11が圧縮され、したがってより硬くなったシート材10、110、210、310に押しつけられた際により簡単にカプセルを破裂させやすくなっているからである。
【0219】
一部の実施態様(図示せず)ではシート材10、110、210、310は、添加剤カプセル11を破裂させやすくする形成体を含む。シート材10、110、210、310は、添加剤カプセル11を破裂させやすくする突出部を有してもよく、添加剤カプセル11を破裂させやすくする先端、縁部または平坦部を含んでもよい。形成体は、例えばシート材10、110、210、310をエンボス加工することによって形成してもよい。
【0220】
上述の実施態様では添加剤カプセル11および粒子12は、シート材が本体に作製される前に例えば、静電気または接着剤によってシート材10、110、210、310に貼り付けられる。しかしながら、別の実施態様(図示せず)では代わりに添加剤カプセルおよび/または粒子は、シート材を材料からなる本体に再構成した後、シート材の折り目内に保持される。
【0221】
本実施態様では送出システム101は、燃焼系エアロゾル供給システム101である。しかしながら、別の実施態様(図示せず)では送出システム101は、燃焼系エアロゾル供給システム101以外の構成のものである。例えば、送出システム101は、非燃焼系エアロゾル供給システムまたはエアロゾルを含まない送出システムであってもよい。
【0222】
一部の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は可塑化されたセルロースアセテートの押し出しで形成され、次にセルロースアセテート粒子12を形成するために押し出しされた可塑化されたセルロースアセテートを切断または粉砕する。しかしながら、別の実施態様ではセルロースアセテート粒子12は、例えば成型などの異なる方法で形成されることを認識すべきである。1つの実施態様では製造されるセルロースアセテート粒子12より大きい可塑化されたセルロースアセテートの一部が製造され、セルロースアセテート粒子12が可塑化されたセルロースアセテートのその部分からチップを切断することによって形成される。
【0223】
上述の実施態様では粒子12は、セルロースアセテートを含む。しかしながら、別の実施態様では粒子は、異なる材料、例えばポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)またはアクリル(PMMA)を含んでもよい。他の実施態様では粒子は、活性炭または海塩を含んでもよい。
【0224】
上記実施態様では部品3、103は、フィルター3、103の形体である。しかしながら、これとは別の実施態様(図示せず)では部品3、103は、異なる構造を有することを留意すべきである。例えば、部品3、103は、フィルターを含まないe-シガレットなどのエアロゾル発生デバイスの一部を含んでもよい。
【0225】
本明細書中では「供給システム」なる用語はユーザーに少なくとも1つの物質を供給するシステムを包含することを意図し、次のものを含む、
紙巻きタバコ、シガリロ、シガーおよびパイプまたは手巻きまたは自作紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係無く)などの燃焼系エアロゾル供給システム、
電子タバコ、タバコ加熱製品、エアロゾル発生材の組合わせを使用してエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムなどのエアロゾル発生材を燃焼させずにエアロゾル発生材から化合物を放出する非燃焼系エアロゾル供給システム、および
トローチ、ガム、パッチ、パッチ吸入可能な粉を含む物品およびスヌースまたはモイストスヌースを含む経口タバコなどの経口製品を含むがこれらに限定されないユーザーにニコチンを含むまたは含まない上記少なくとも1つの物質を経口的、経鼻的、経皮的または別の方法で供給するエアロゾルを含まない供給システム。
【0226】
本開示では「燃焼系」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(またはまたはその構成要素)の構成エアロゾル発生材をユーザーへ供給しやすくするために燃焼させるまたは燃やすシステムである。
【0227】
一部の実施態様では送出システムは紙巻きタバコ、シガリロおよび葉巻からなる群から選択されるシステムなどの燃焼系エアロゾル供給システムである。
【0228】
一部の実施態様では本開示は、フィルター、フィルターロッド、フィルターセグメント、タバコロッド、こより、カプセルなどのエアロゾル変性剤放出部材、より糸またはビーズまたはプラグラッパー、チッピング紙またはシガレットペーパーなどの紙などの燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための部品に関する。
【0229】
本開示では「非燃焼系」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの少なくとも1つの物質の送出を容易にするために、エアロゾル供給システム(またはその構成要素)の構成エアロゾル発生材を燃焼させないまたは燃やさないシステムである。
【0230】
一部の実施態様では送出システムは、非燃焼系エアロゾル供給システム、例えば電動非燃焼系エアロゾル供給システムである。
【0231】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、ベイピング装置または電子ニコチン送出システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル発生材中のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0232】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材加熱システムであり、非燃焼加熱システムとしても知られている。このようなシステムの一例は、タバコ加熱システムである。
【0233】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、エアロゾル発生材の組合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、その1種以上の材料を加熱することができる。エアロゾル発生材のそれぞれは、例えば、固体、液体、またはゲルの形体であり、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。一部の実施態様ではハイブリッドシステムは、液体またはゲルのエアロゾル発生材および固体のエアロゾル発生材を含む。固体エアロゾル発生材は、例えばタバコまたは非タバコ製品を含んでもよい。
【0234】
通常は非燃焼系エアロゾル供給システムは、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと、非燃焼系エアロゾル供給デバイスと使用するための消耗品とをを含んでもよい。
【0235】
一部の実施態様では本開示は、エアロゾル発生材を含み、非燃焼系エアロゾル供給デバイスに使用するように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は、時には本開示を通して物品と言う。
【0236】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼系エアロゾル供給デバイスは、動力源と、コントローラとを含んでもよい。動力源は、例えば電源または発熱動力源であってもよい。一部の実施態様では発熱動力源は、炭素基材を含み、これは動力を熱の形体で発熱動力源に近接したエアロゾル発生材または熱伝導材に分配するように励起される。
【0237】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムは、消耗品を収容するための領域と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域、ハウジング、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0238】
一部の実施態様では非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための消耗品は、エアロゾル発生材と、エアロゾル発生材貯蔵領域と、エアロゾル発生材移送部品と、エアロゾル発生器と、エアロゾル発生領域と、ハウジングと、ラッパーと、フィルターと、マウスピースおよび/またはエアロゾル変性剤とを含んでもよい。
【0239】
一部の実施態様では本開示は、フィルター、フィルターロッド、フィルターセグメント、タバコロッド、こより、カプセルなどのエアロゾル変性剤放出部材、より糸またはビーズまたはプラグラッパー、チッピング紙またはシガレットペーパーなどの紙などの非燃焼系エアロゾル供給システムに使用するための部品に関する。
【0240】
一部の実施態様では本発明の送出システムは、トローチ、ガム、パッチ、パッチ吸入可能な粉を含む物品およびスヌースまたはモイストスヌースを含む経口タバコなどの経口製品を含むがこれらに限定されないユーザーにニコチンを含むまたは含まない少なくとも1つの物質を経口的、経鼻的、経皮的または別の方法で供給するエアロゾルを含まない送出システムである。
【0241】
一部の実施態様では供給される物質は、エアロゾル発生材またはエアロゾル化されることを意図していない材料であってもよい。必要に応じて、いずれかの材料は、1つ以上の活性成分、1つ以上の風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および/または1つ以上の他の機能性材を含んでもよい。
【0242】
一部の実施態様では供給される物質は、活性物質を含む。
【0243】
本発明で使用する活性物質は生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性物質は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は自然に発生したものまたは合成で得られたものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6またはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性物質はタバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0244】
一部の実施態様では活性物質はニコチンを含む。一部の実施態様では活性物質はカフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
【0245】
本明細書で説明するように活性物質は1つ以上のカンナビノイドまたはテルペンなどの大麻の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
【0246】
本明細書で説明するように活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は植物に天然に存在するまたは合成して得られる活性化合物を含んでもよい。材料は、液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例としてはタバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせがある。ミントは次のミント種から選択されてもよい、ハッカ、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、イングリッシュスペアミントおよびマルバハッカ。
【0247】
一部の実施態様では活性物質は、活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はタバコである。
【0248】
一部の実施態様では活性物質は、植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はユーカリ、トウシミキ、ココアおよびオオアサから選択される。
【0249】
一部の実施態様では植物またはその成分、派生物または抽出物の1つ以上を含むまたはそれらから派生したものであってもよく、植物はルイボスおよびウイキョウから選択される。
【0250】
一部の実施態様では物質は、風味料を含む。
【0251】
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味、匂いまたは他の体性感覚刺激を生じさせるために使用される。それらは自然発生の風味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたもの(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、橙花、サクランボ花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、オオアサ、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、トウシミキ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤を含む。それらは、模倣物、合成または天然の成分またはそれらのブレンドであってもよい。それらは、例えば油などの液体、粉などの固体または気体などのあらゆる好適な形体であってもよい。
【0252】
一部の実施態様では風味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。一部の実施態様では風味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。一部の実施態様では風味料はタバコから抽出された風味成分を含む。一部の実施態様では風味料は大麻から抽出された風味成分を含む。
【0253】
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS-3であるが、これらに限定されない。
【0254】
エアロゾル発生材は、例えば加熱、照射または何らかの他の方法で励起された際にエアロゾルを発生することができる材料である。エアロゾル発生材は、例えば活性物質および/または風味剤を含んでも含まなくてもよい固体、液体またはゲルの形体であってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、「非晶質固体」を含んでもよく、これはこれとは別に「モノリシック固体」(即ち、非繊維性)とも言われる。一部の実施態様では非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。一部の実施態様ではエアロゾル発生材は、約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体から約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含む。
【0255】
エアロゾル発生材は、1つ以上の活性物質および/または風味料、1つ以上のエアロゾル形成材および必要であれば1つ以上の他の機能材を含んでもよい。
【0256】
エアロゾル形成材は、エアロゾルを形成できる1つ以上の成分を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル形成材は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジルフェニル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、および炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0257】
1つ以上の機能材は、pHレギュレーター、着色剤、保存料、バインダー、充填材、安定剤および/または酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0258】
形成材は、基材を形成するために支持体上または支持体内にあってもよい。支持体は、例えば紙、ボール紙、板紙、厚紙、再生材、プラスチック材、セラミック材、複合材料、ガラス、金属または金属合金であってもあるいは含んでもよい。一部の実施態様では支持体はサセプタを含む。一部の実施態様ではサセプタは、上記材料に埋め込まれている。一部の別の実施態様ではサセプタは材料の一方または両側にある。
【0259】
消耗品は、一部またはすべてが使用中にユーザーによって消費されることを意図したエアロゾル発生材を含むまたはそのような発生材からなる物品である。消耗品は、エアロゾル発生材貯蔵領域、エアロゾル発生材移送構成部品、エアロゾル発生領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルターおよび/またはエアロゾル変性剤などの1つ以上の他の構成部品を含んでもよい。また消耗品は、使用時にエアロゾル発生材がエアロゾルを発生するように熱を放射するヒーターなどのエアロゾル発生器を含んでもよい。ヒーターは、例えば燃焼系材、電気伝導によって加熱可能な材料またはサセプタを含んでもよい。
【0260】
サセプタは、交番磁界などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の誘導加熱を生じさせるようにしてもよい。加熱材は、導電性材料であってもよく、変動磁場の侵入によって加熱材の磁気ヒステリシス加熱を生じさせるようにしてもよい。サセプタは、導電性および磁力の両方によるものであってもよく、これにより加熱材は両方の加熱機構で加熱可能になる。変動磁場を発生させるように構成されている装置を本明細書では磁場発生器と言う。
【0261】
エアロゾル変性剤は、典型的にはエアロゾル発生領域の下流に位置し、発生したエアロゾルを例えばエアロゾルの味、風味、酸度または別の特徴を変えることによって変性するように構成された物質である。エアロゾル変性剤は、エアロゾル変性剤を選択的に放出するように動作可能なエアロゾル変性剤放出構成部品内に設けてもよい。
【0262】
エアロゾル変性剤は、例えば添加剤または吸着剤であってもよい。エアロゾル変性剤は、例えば風味剤、着色剤、水および炭素吸着剤のうちの1つ以上を含んでもよい。エアロゾル変性剤は、例えば固体、液体またはゲルであってもよい。エアロゾル変性剤は、粉、糸または粒体であってもよい。エアロゾル変性剤はろ過材を含まなくてもよい。
【0263】
エアロゾル発生器は、アロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成された装置である。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、エアロゾル発生材を熱エネルギーに晒し、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生材から1つ以上の揮発性物質を放出するように構成されたヒーターである。一部の実施態様ではエアロゾル発生器は、熱することなくエアロゾル発生材からエアロゾルを発生させるように構成されている。例えば、エアロゾル発生器は、振動、高圧力または静電エネルギーのうちの1つ以上にエアロゾル発生材を晒すように構成してもよい。
【0264】
本明細書に記載の送出システムは、燃焼系エアロゾル供給システム、非燃焼系エアロゾル供給システムまたはエアロゾルを含まない送出システムとして実施できる。
【0265】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17