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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】エアクリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/56 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
B60S1/56 120B
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023074634
(22)【出願日】2023-04-28
(65)【公開番号】P2023177256
(43)【公開日】2023-12-13
【審査請求日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】22176667.8
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヤックル
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク ピッテルレ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ライター
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-227757(JP,A)
【文献】国際公開第2020/137823(WO,A1)
【文献】実開昭62-137164(JP,U)
【文献】米国特許第05657929(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 - 1/68
B60Q 1/04
G01N 21/34 - 21/90
G01N 21/93 - 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前照灯(20)のカバーレンズ(30)をクリーニングするためのクリーニング装置(10)であって
なくとも1つの空気流(50)を生成し、当該空気流(50)を、前記カバーレンズ(30)の方向に導くよう構成され、
-少なくとも1つの空気流装置(60)を備え、各空気流装置は、空気流方向(X)の、少なくとも1つの空気流(50)を生成するよう構成され、
各前記空気流装置(60)は、
空気を受け入れる入気口(110)と、前記受け入れた空気を拡散する拡散部(120)と、拡散空気を均質化する均質化部(130)と、前記受け入れた空気を前記空気流方向(X)に排出し、それぞれの前記空気流(50)を形成するノズル(140)と、を有する空気室(100)を備え、
前記拡散部(120)は、前記空気室(100)の前記入気口(110)から、前記空気流方向(X)に対して横方向に、少なくとも1つの案内流路(121)を備え、
前記案内流路(121)は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向(X)に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を前記空気室(100)の前記均質化部(130)に導くよう構成され、
前記均質化部(130)は、前記拡散空気を、前記案内流路(121)から各別の流路出口(122)を介して受け取り、前記均質化部(130)は、前記空気室(100)のノズル(140)に沿って、前記拡散空気を均質化するよう構成され、
前記少なくとも1つの空気流装置(60)は、
-各空気流装置(60)の前記空気室(100)の、前記入気口(110)と、前記拡散部(120)の一部と、前記均質化部(130)の一部と、前記ノズル(140)の一部と、を備える主部材(200)と、
-各空気室(100)の、前記拡散部(120)の一部と、前記均質化部(130)の一部と、前記ノズル(140)の一部と、を備える離隔部材(300)であって、前記主部材(200)が当該離隔部材(300)と結合して、各空気流装置(60)の前記拡散部(120)を形成するよう、前記主部材(200)上に配置される離隔部材(300)と、
-各空気室(100)の前記均質化部(130)の一部と、前記ノズル(140)の一部と、を備えるカバー部材(400)であって、前記主部材(200)および前記離隔部材(300)と結合して、各空気流装置(60)の前記均質化部(130)および前記ノズル(140)を形成するように前記離隔部材(300)および前記主部材(200)の上に配置されるカバー部材(400)と、の組み合わせによって形成され、
前記主部材(200)と前記カバー部材(400)との間に配置される前記離隔部材(300)は、前記主部材(200)と前記カバー部材(400)との間に、前記空気流方向(X)に対し横方向に延在し、各空気室(100)の前記ノズル(140)を画定するギャップを形成するよう、前記主部材(200)および前記カバー部材(400)を離隔するよう構成される、クリーニング装置。
【請求項2】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
なくとも2つの空気流装置(60)を備える、クリーニング装置。
【請求項3】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
前記少なくとも1つの空気流装置(60)の前記拡散部(120)は、前記空気室(100)の前記入気口(110)から、前記空気流方向(X)に対して横方向に分岐する、少なくとも2つの案内流路(121)を備え、各案内流路(121)は、各別の流路出口を備え、
前記案内流路(121)は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向(X)に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を、前記空気室(100)の前記均質化部(130)に導くよう構成される、クリーニング装置。
【請求項4】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
前記離隔部材(300)は、厚み(D)を有する薄片として作られ、
前記薄片の前記厚み(D)は、各空気室(100)の前記ノズル(140)の前記ギャップを画定する、クリーニング装置。
【請求項5】
請求項4記載のクリーニング装置であって、
前記薄片は、30から70μmの厚み(D)を有する、クリーニング装置。
【請求項6】
請求項4記載のクリーニング装置であって、
前記薄片は、樹脂材料で作られる、クリーニング装置。
【請求項7】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
前記主部材(200)は、当接部(210)を備え、
前記離隔部材(300)は、前記主部材(200)の前記当接部(210)上に配置される、クリーニング装置。
【請求項8】
請求項7記載のクリーニング装置であって、
前記空気流装置(複数)(60)は、前記主部材(200)の一部と前記離隔部材(300)とで構成されるブリッジ(211)によって互いに分離される、クリーニング装置。
【請求項9】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
前記空気流装置(60)は、個別に制御可能である、クリーニング装置。
【請求項10】
請求項9記載のクリーニング装置であって、
前記空気流装置(60)は、最初の空気流装置(60)から開始して1つずつ起動されるよう構成され、
次の隣接する前記空気流装置(60)は、時間のずれを伴って起動されることができる、クリーニング装置。
【請求項11】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
各空気流装置(60)の前記空気室(100)の前記拡散部(120)は、正に2つの案内流路(121)を備える、クリーニング装置。
【請求項12】
請求項4記載のクリーニング装置であって、
前記薄片は、50μmの厚み(D)を有する、クリーニング装置。
【請求項13】
請求項1記載のクリーニング装置であって、
前記空気流装置(60)は、制御装置によって制御可能である、クリーニング装置。
【請求項14】
カバーレンズ(30)と、
少なくとも1つの、請求項1から13のいずれか1項に記載のクリーニング装置と、を備える車両前照灯(20)。
【請求項15】
請求項14記載の車両前照灯であって、
前記少なくとも1つのクリーニング装置は、当該車両前照灯(20)が、車両に正しく設置された状態において、前記空気流(50)の前記空気流方向(X)が上向きになるよう配置される、車両前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年6月1日に出願された欧州特許出願第22176667.8号についてのパリ条約上の優先権の利益を主張するものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
【0002】
本発明は、車両前照灯のカバーレンズをクリーニングするためのクリーニング装置に関する。当該クリーニング装置は、少なくとも1つの空気流を生成し、当該空気流をカバーレンズに導くよう構成される。
【0003】
本発明は、さらに、カバーレンズと、少なくとも1つの本発明によるクリーニング装置とを備える車両前照灯に関する。
【背景技術】
【0004】
最近の車両前照灯は、車両前照灯の前方の環境を検出するために、光学センサも備えていることが多い。これらの光学センサは、車両前照灯のハウジングの内部に配置される。これらのセンサには、車両前照灯のカバーレンズを通したクリアな視界が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第97/04875号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような要求を満たすため、車両前照灯は、カバーレンズをクリーニングするためのクリーニング装置も備える。しかしながら、先行技術のクリーニング装置は、カバーレンズの特定の領域のみをクリーニングする必要がある場合には、通常、効率的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、改良された調整システムを提供することである。
【0008】
本発明の第一の視点によれば、車両前照灯のカバーレンズをクリーニングするためのクリーニング装置であって、少なくとも1つの空気流を生成し、当該空気流を、前記カバーレンズの方向に導くよう構成されたクリーニング装置が提供される。
前記クリーニング装置は、
-少なくとも1つの空気流装置を備え、各空気流装置は、空気流方向の、少なくとも1つの空気流を生成するよう構成され、
各前記空気流装置は、
空気を受け入れる入気口と、前記受け入れた空気を拡散する拡散部と、拡散空気を均質化する均質化部と、前記受け入れた空気を前記空気流方向に排出し、それぞれの前記空気流を形成するノズルと、を有する空気室を備え、
前記拡散部は、前記空気室の前記入気口から、前記空気流方向に対して横方向に、少なくとも1つの案内流路を備え、
前記案内流路は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を前記空気室の前記均質化部に導くよう構成され、
前記均質化部は、前記拡散空気を、前記案内流路から各別の(separate)流路出口を介して受け取り、前記均質化部は、前記空気室のノズルに沿って、前記拡散空気を均質化するよう構成され、
前記少なくとも1つの空気流装置は、
-各空気流装置の前記空気室の、前記入気口と、前記拡散部の一部と、前記均質化部の一部と、前記ノズルの一部と、を備える主部材と、
-各空気室の、拡散部の一部と、均質化部の一部と、ノズルの一部と、を備える離隔部材であって、前記主部材が当該離隔部材と結合して、各空気流装置の前記拡散部を形成するよう、前記主部材上に配置される離隔部材と、
-各空気室の前記均質化部の一部と、前記ノズルの一部と、を備えるカバー部材であって、当該カバー部材は、当該カバー部材が、前記主部材および前記離隔部材と結合して、各空気流装置の前記均質化部および前記ノズルを形成するように前記離隔部材および前記主部材の上に配置されるカバー部材と、の組み合わせによって形成され、
前記主部材と前記カバー部材との間に配置される前記離隔部材は、前記主部材と前記カバー部材との間に、前記空気流方向に対し横方向に延在し、各空気室の前記ノズルを画定するギャップを形成するよう、前記主部材および前記カバー部材を離隔するよう構成される。
【0009】
本発明の第二の視点によれば、カバーレンズと、少なくとも1つの、本願発明によるクリーニング装置と、を備える、車両前照灯が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(形態1)上記本発明の第一の視点参照。
(形態2)形態1のクリーニング装置において、
当該クリーニング装置は、少なくとも2つの空気流装置を備えることが好ましい。
(形態3)形態1または2のクリーニング装置において、
前記少なくとも1つの空気流装置の前記拡散部は、前記空気室の前記入気口から、前記空気流方向に対して横方向に分岐する、少なくとも2つの案内流路を備え、各案内流路は、各別の流路出口を備え、
前記案内流路は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を、前記空気室の前記均質化部に導くよう構成されることが好ましい。
(形態4)形態1のクリーニング装置において、
前記離隔部材は、厚みを有する薄片として作られ、
前記薄片の前記厚みは、各空気室の前記ノズルの前記ギャップを画定することが好ましい。
(形態5)形態4のクリーニング装置において、
前記薄片は、30から70μm、好ましくは、50μmの厚みを有することが好ましい。
(形態6)形態4または5のクリーニング装置において、
前記薄片は、樹脂材料で作られることが好ましい。
(形態7)形態1から6のいずれかのクリーニング装置において、
前記主部材は、当接部を備え、
前記離隔部材は、前記主部材の前記当接部上に配置されることが好ましい。
(形態8)形態7のクリーニング装置において、
前記空気流装置(複数)は、前記主部材の一部と前記離隔部材とで構成されるブリッジによって[互いに]分離されることが好ましい。
(形態9)形態1から8のいずれかのクリーニング装置において、
前記空気流装置は、個別に制御可能であり、好ましくは、制御装置によって制御可能であることが好ましい。
(形態10)形態9のクリーニング装置において、
前記空気流装置は、最初の空気流装置から開始して1つずつ起動されるよう構成され、
次の隣接する前記空気流装置は、時間のずれを伴って起動されることができることが好ましい。
(形態11)形態1から10のいずれかのクリーニング装置において、
各空気流装置の前記空気室の前記拡散部は、正に2つの案内流路を備えることが好ましい。
(形態12)上記本発明の第二の視点参照。
(形態13)形態12の車両前照灯において、
前記少なくとも1つのクリーニング装置は、当該車両前照灯が、車両に正しく設置された状態において、前記空気流の前記空気流方向が上向きになるよう配置されることが好ましい。
【0011】
有利には、主部材は、別部材として作られるか、カバーレンズと一体部材として作られる。
【0012】
さらに、クリーニング装置は、有利には、空気流装置には含まれない、カバーレンズのクリーニングを補助する別個の水クリーニングシステムを備えることができる。
【0013】
有利には、クリーニング装置は、カバーレンズ上の汚れ(例えば、ほこりや泥等)を検出する検出システムを備える。検出装置により汚れが検出された際、汚れの領域に空気流が到達する空気流装置だけが作動され、その領域のカバーレンズがクリーニングされる。
【0014】
有利には、当該クリーニング装置は、少なくとも2つの空気流装置を備える。
【0015】
有利には、前記少なくとも1つの空気流装置の前記拡散部は、前記空気室の前記入気口から、前記空気流方向に対して横方向に分岐する、少なくとも2つの案内流路を備え、各案内流路は、各別の流路出口を備え、
前記案内流路は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を、前記空気室の前記均質化部に導くよう構成される。
【0016】
有利には、前記離隔部材は、厚みを有する薄片として作られ、
前記薄片の前記厚みは、各空気室の前記ノズルの前記ギャップを画定する。
【0017】
有利には、前記薄片は、30から70μm、好ましくは、50μmの厚みを有する。
【0018】
有利には、前記薄片は、樹脂材料で作られる。
【0019】
有利には、前記主部材は、当接部を備え、
前記離隔部材は、前記主部材の前記当接部上に配置される。
【0020】
有利には、前記空気流装置(複数)は、前記主部材の一部と前記離隔部材とで構成されるブリッジによって[互いに]分離される。
【0021】
有利には、前記空気流装置は、個別に制御可能であり、好ましくは、制御装置によって制御可能である。
【0022】
有利には、前記空気流装置は、最初の空気流装置から開始して1つずつ起動され、
次の隣接する前記空気流装置は、時間のずれを伴って起動される。
【0023】
有利には、各空気流装置の前記空気室の前記拡散部は、正に2つの案内流路を備える。
【0024】
前記課題は、カバーレンズと、少なくとも1つの、本発明によるクリーニング装置と、を備える車両前照灯によっても達成される。
【0025】
有利には、前記少なくとも1つのクリーニング装置は、当該車両前照灯が、車両に正しく設置された状態において、前記空気流の前記空気流方向が上向きになるよう配置される。このような向きは、クリーニング装置が、走行中の車両に設置されている場合に有益である。
【0026】
また、当該車両前照灯が車両に正しく設置された状態において、前記空気流の前記空気流方向を、下向きまたは横向きとすることも可能である。
【0027】
以下に、本発明をさらに説明するために、図面に示されるような、例示的かつ非限定的な実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、カバーレンズとクリーニング装置とを備える車両前照灯の透視図である。なお、クリーニング装置は、空気流を生成し、当該空気流をカバーレンズの方向に導くよう構成され、当該クリーニング装置は、主部材と、離隔部材と、カバー部材とによって作られる。
図2A図2Aは、図1のクリーニング装置の主部材を示す図である。
図2B図2Bは、図2Aの主部材を、当該主部材の上に配置された離隔部材とともに示す図である。
図2C図2Cは、図2Bの主部材および離隔部材と、主部材および離隔部材の上に配置されるカバー部材と、を示す図である。
図3図3は、主部材の詳細図である。なお、主部材は、各空気流装置の空気室の、入気口と、拡散部の一部と、均質化部の一部と、ノズルの一部と、を備える。
図4図4は、図2Cに示されたクリーニング装置の模式的断面図である。
【実施例
【0029】
図1に、カバーレンズ30とクリーニング装置10とを備える車両前照灯20を示す。クリーニング装置10は、車両前照灯20のカバーレンズをクリーニングするよう構成される。クリーニング装置10は、車両前照灯20が、車両に正しく取り付けられている状態において、空気流50の空気流方向Xが上向きになるように配置される。
【0030】
クリーニング装置10は、少なくとも1つの空気流50を生成し、その空気流50を、カバーレンズ30の方向に導く(向ける)よう構成される。クリーニング装置10は、空気流装置60(複数)を備える。各空気流装置60は、空気流方向がXの1つの空気流50を生成する。空気流装置60は、個別に制御可能であり、好ましくは、制御装置によって制御可能である。
【0031】
各空気流装置60は、例えば、図3に示すように、空気を受け入れる入気口110と、受け入れた空気を拡散(spread)する拡散部120と、拡散空気を均質化する均質化部130と、受け入れた空気を空気流方向Xに排出し、それぞれの空気流50を形成するノズル140と、を有する空気室100を備える。
【0032】
図示の例では、各拡散部120は、空気室100の入気口110から空気流方向Xに対して横方向に分岐する2つの案内流路121を備える。そして、各案内流路121は、各別の流路出口122を備える。案内流路121は、受け入れた空気を空気流方向Xに対して横方向に拡散し、受け入れた空気を空気室100の均質化部130に導くよう構成される。
【0033】
均質化部130は、拡散空気を案内流路121の各別の流路出口122を介して受け取る。均質化部130は、空気室100のノズル140に沿って拡散空気を均質化するよう構成される。
【0034】
空気流装置60は、主部材200と離隔部材300とカバー部材400との組み合わせによって形成される。
【0035】
主部材200は、各空気流装置60の空気室100の、入気口110と、拡散部120の一部と、均質化部130の一部と、ノズル140の一部と、を備える。図2Aに、主部材200と、主部材の一部を示す。
【0036】
離隔部材300は、各空気室100の拡散部120の一部と、ノズル140の一部と、を備える。離隔部材300は、主部材200が離隔部材300と結合して、各空気流装置60の拡散部120を形成するよう、主部材200上に配置される。図2Bに、図2Aの主部材上に配置される離隔部材300を示す。
【0037】
カバー部材400は、各空気室100の均質化部130の一部とノズル140の一部とを備える。カバー部材400は、離隔部材300および主部材200上に、カバー部材400が主部材200および離隔部材300と結合して、各空気流装置60の均質化部130およびノズル140を形成するよう配置される。図2Cに、主部材200および離隔部材300の上に配置されたカバー部材400を示す。
【0038】
離隔部材300は、主部材200とカバー部材400との間に配置され、主部材200とカバー部材400との間で、空気流方向Xに対して横方向に延在するギャップを形成し、主部材200とカバー部材400とを離隔するよう構成される。ギャップは、各空気室100のノズル140を画定する。
【0039】
言い換えると、空気流装置(複数)60は、主部材200の一部と離隔部材300とを備えるブリッジ211によって分離される。
【0040】
配置された部材200、300および400を合わせた、より良い概観が、図4に示される。図4には、図2Cのこれらの構成部材の断面が示される。
【0041】
図に示された例では、離隔部材300は、厚みDを有する(金属の)薄片として作られる。その薄片の厚みDは、各空気室100のノズル140のギャップを画定する。薄片は、30から70μm、好ましくは、50μmの厚みDを有する。薄片は、樹脂材料で作られていてもよい。
【0042】
さらに、主部材200は、当接部210(例えば、図2Aに示す。)を有する。離隔部材300は、主部材200の当接部210上に配置される。
【0043】
さらに、空気流装置(複数)60は、最初の空気流装置60から開始して1つずつ起動させてもよい。ここに、次の隣接する空気流装置60は、時間のずれを伴って起動される。
【0044】
上記の実施形態の全部または一部は、以下の付記として記載可能であるが、それらに限定されない。
[付記1]
クリーニング装置であって、
-少なくとも1つの空気流装置を備え、各空気流装置は、空気流方向の、少なくとも1つの空気流を生成するよう構成され、
各前記空気流装置は、
空気を受け入れる入気口と、前記受け入れた空気を拡散する拡散部と、拡散空気を均質化する均質化部と、前記受け入れた空気を前記空気流方向に排出し、それぞれの前記空気流を形成するノズルと、を有する空気室を備え、
前記拡散部は、前記空気室の前記入気口から、前記空気流方向に対して横方向に、少なくとも1つの案内流路と、流路出口と、を備え、
前記案内流路は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を前記空気室の前記均質化部に導くよう構成され、
前記均質化部は、前記拡散空気を、前記案内流路から各別の流路出口を介して受け取り、前記均質化部は、前記空気室のノズルに沿って、前記拡散空気を均質化するよう構成され、
前記少なくとも1つの空気流装置は、
-各空気流装置の前記空気室の、前記入気口と、前記拡散部の一部と、前記均質化部の一部と、前記ノズルの一部と、を備える主部材と、
-各空気室の、拡散部の一部と、ノズルの一部と、を備える離隔部材であって、当該離隔部材は、前記主部材が当該離隔部材と結合して、各空気流装置の前記拡散部を形成するよう、前記主部材上に配置される離隔部材と、
-各空気室の前記均質化部の一部と、前記ノズルの一部と、を備えるカバー部材であって、当該カバー部材は、当該カバー部材が、前記主部材および前記離隔部材と結合して、各空気流装置の前記均質化部および前記ノズルを形成するように前記離隔部材および前記主部材の上に配置されるカバー部材と、の組み合わせによって形成され、
前記主部材と前記カバー部材との間に配置される前記離隔部材は、前記主部材と前記カバー部材との間に、前記空気流方向に対し横方向に延在し、各空気室の前記ノズルを画定するギャップを形成するよう、前記主部材および前記カバー部材を離隔するよう構成される、クリーニング装置。
[付記2]
付記1による上記クリーニング装置において、
当該クリーニング装置は、少なくとも2つの空気流装置を備えることが好ましい。
[付記3]
付記1または2による上記クリーニング装置において、
前記少なくとも1つの空気流装置の前記拡散部は、前記空気室の前記入気口から、前記空気流方向に対して横方向に分岐する、少なくとも2つの案内流路を備え、各案内流路は、各別の流路出口を備え、
前記案内流路は、前記受け入れた空気を、前記空気流方向に対して横方向に拡散し、前記受け入れた空気を、前記空気室の前記均質化部に導くよう構成されることが好ましい。
[付記4]
付記1による上記クリーニング装置において、
前記離隔部材は、厚みを有する薄片として作られ、
前記薄片の前記厚みは、各空気室の前記ノズルの前記ギャップを画定することが好ましい。
[付記5]
付記4による上記クリーニング装置において、
前記薄片は、30から70μm、好ましくは、50μmの厚みを有することが好ましい。
[付記6]
付記記4または5による上記クリーニング装置において、
前記薄片は、樹脂材料で作られることが好ましい。
[付記7]
付記1から6のいずれかによる上記クリーニング装置において、
前記主部材は、当接部を備え、
前記離隔部材は、前記主部材の前記当接部上に配置されることが好ましい。
[付記8]
付記7による上記クリーニング装置において、
前記空気流装置(複数)は、前記主部材の一部と前記離隔部材とを備えるブリッジによって分離されることが好ましい。
[付記9]
付記1から8のいずれかによる上記クリーニング装置において、
前記空気流装置は、個別に制御可能であり、好ましくは、制御装置によって制御可能であることが好ましい。
[付記10]
付記9による上記クリーニング装置において、
前記空気流装置は、最初の空気流装置から開始して1つずつ起動されるよう構成され、
次の隣接する前記空気流装置は、時間のずれを伴って起動されることができることが好ましい。
[付記11]
付記1から10のいずれかによる上記クリーニング装置において、
各空気流装置の前記空気室の前記拡散部は、正に2つの案内流路を備えることが好ましい。
[付記12]
カバーレンズと、
少なくとも1つの、付記1から11のいずれかに記載のクリーニング装置と、を備える車両前照灯。
[付記13]
付記12による上記車両前照灯であって、
前記少なくとも1つのクリーニング装置は、当該車両前照灯が、車両に正しく設置された状態において、前記空気流の前記空気流方向が上向きになるよう配置されることが好ましい。
【0045】
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「非選択」を含む。)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0046】
更に、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
【0047】
更に、上記の各文献の全内容は引用を以って本書に繰り込み、ここに記載されているものとする。
【符号の説明】
【0048】
10:クリーニング装置
20:車両前照灯
30:カバーレンズ
50:空気流
60:空気流装置
100:空気室
110:入気口
120:拡散部
121:案内流路
122:流路出口
130:均質化部
140:ノズル
200:主部材
210:当接部
211:ブリッジ
300:離隔部材
400:カバー部材
D:厚み
X:空気流方向
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4