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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】吸込口体および電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20241025BHJP
【FI】
A47L9/04 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023179394
(22)【出願日】2023-10-18
【審査請求日】2024-06-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大津 育弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 章義
(72)【発明者】
【氏名】山谷 直輝
(72)【発明者】
【氏名】森下 篤至
(72)【発明者】
【氏名】大下 悟
(72)【発明者】
【氏名】江部 清
(72)【発明者】
【氏名】大島 郁夫
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-164444(JP,A)
【文献】特開2021-194379(JP,A)
【文献】特開2016-168467(JP,A)
【文献】特開2002-345693(JP,A)
【文献】特表2018-534040(JP,A)
【文献】実開昭61-194470(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機本体と、
前記掃除機本体に収容されて負圧を発生させる電動送風機と、
前記電動送風機に流体的に接続される吸込口体と、を備え、
前記吸込口体は、
回転することで被掃除面上の塵埃を掻き上げ可能な一対の回転清掃体と、
前記一対の回転清掃体を回転させる駆動力を出力する駆動源と、
前記一対の回転清掃体に挟まれて前記一対の回転清掃体を回転可能かつ片持ち状に支持する支持部と、
前記駆動源から前記支持部に前記駆動力を伝達して前記一対の回転清掃体を回転させる動力伝達機構と、を備え、
前記一対の回転清掃体は、前記支持部に近い支持端側が前記支持部から遠い自由端側よりも回転方向に先行するよう配置される清掃部材を有する電気掃除機
【請求項2】
前記一対の回転清掃体と前記支持部とを着脱可能に連結する連結機構を備える請求項1に記載の電気掃除機
【請求項3】
前記一対の回転清掃体の回転中心線の延長線上にあって、前記自由端から離れて向かい合う内壁面を有する本体を備える請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項4】
前記支持部および前記一対の回転清掃体が一括して配置される清掃体室を画定する清掃体収容凹部を有する本体を備える請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項5】
前記一対の回転清掃体のそれぞれが個別に配置される一対の清掃体室を画定する清掃体収容凹部を有する本体を備える請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項6】
底面視において前記一対の回転清掃体の後方に配置され、かつ前記一対の回転清掃体に沿って配置され、前記一対の回転清掃体が掻き上げる前記塵埃を吸い込む負圧となる吸塵凹部を有する本体を備える請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項7】
前記吸塵凹部は、前記一対の回転清掃体の前記自由端の近傍まで延びている請求項6に記載の電気掃除機
【請求項8】
前記一対の回転清掃体が配置される清掃体収容凹部と、前記吸塵凹部と前記清掃体収容凹部との間にあって前記本体の底面に向かって垂れ下がるように延びる仕切部と、を有する本体を備える請求項6に記載の電気掃除機
【請求項9】
前記仕切部は、前記本体の幅方向において中央部よりも左右両端部の方が前記本体の底面から遠い請求項に記載の電気掃除機
【請求項10】
被掃除面に底面を向けて接地させると、前記一対の回転清掃体の前記支持端側よりも前記自由端側の方が前記被掃除面に強く押し当てられる請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項11】
前記一対の回転清掃体のそれぞれは、前記支持端側の外径よりも前記自由端側の外径の方が大きい逆テーパーを有する請求項9に記載の電気掃除機
【請求項12】
前記一対の回転清掃体のそれぞれは、錐台形状の軸芯部と、前記軸芯部の外周に設けられる前記清掃部材と、を備える請求項10に記載の電気掃除機
【請求項13】
前記一対の回転清掃体のそれぞれは、筒形状の軸芯部と、前記軸芯部の外周に設けられる前記清掃部材と、を備える請求項10に記載の電気掃除機
【請求項14】
前記支持部は、前記一対の回転清掃体の前記支持端側よりも前記自由端側が前記被掃除面に近くなるよう前記一対の回転清掃体を支持する請求項9に記載の電気掃除機
【請求項15】
前記一対の回転清掃体が配置される清掃体室を画定する清掃体収容凹部を有する本体と、
前記本体と前記一対の回転清掃体の自由端との間に設けられるシール部と、を備える請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項16】
前記一対の回転清掃体が配置される清掃体室を画定する清掃体収容凹部を有する本体と、
前記本体と前記一対の回転清掃体の前記自由端との間の隙間は、前記本体と前記一対の回転清掃体の前記自由端以外の部位との間の隙間よりも狭い請求項1または2に記載の電気掃除機
【請求項17】
回転することで被掃除面上の塵埃を掻き上げ可能な一対の回転清掃体と、
前記一対の回転清掃体を回転させる駆動力を出力する駆動源と、
前記一対の回転清掃体に挟まれて前記一対の回転清掃体を回転可能かつ片持ち状に支持する支持部と、
前記駆動源から前記支持部に前記駆動力を伝達して前記一対の回転清掃体を回転させる動力伝達機構と、を備え、
前記一対の回転清掃体は、前記支持部に近い支持端側が前記支持部から遠い自由端側よりも回転方向に先行するよう配置される清掃部材を有する吸込口体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、吸込口体および電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
略柱状の中心部材と、中心部材の表面の長手方向に沿って略V字状に配置された塵埃かき上げ用の帯状のブレードと、を有するアジテーターを備える電気掃除機用吸込具が知られている。ブレードのV字状の谷部は、吸込口に近接する、アジテーターの中央部に配置されている。この電気掃除機用吸込具は、V字状の谷部より先行してブレードの両端部が吸込口側に接近するようにアジテーターを回転させる。そうすることで、電気掃除機用吸込具は、順次、床面の塵埃を帯状のブレードの両端側からブレードのV字状の谷部側にかき寄せる。かき寄せられた塵埃は、効率よく吸込口より吸引される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-033424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の吸込口体のアジテーターは、毛髪のような糸状の塵埃をブレードのV字状の谷部へ誘導する。ブレードのV字状の谷部へ誘導された糸状の塵埃は、アジテーターに巻き取られてしまう可能性が高く、ブレードのV字状の谷部に巻き取られた糸状の塵埃は、アジテーターに絡み付いてしまう。アジテーターに絡み付いた糸状の塵埃が、アジテーターから自然に除去されることはない。これを除去するためには、ユーザーがハサミのような道具で糸状の塵埃を切断して除去せざるを得ない。つまり、従来の吸込口体は、糸状の塵埃がアジテーターに絡み付いてしまう虞が高く、利便性に欠ける。
【0005】
そこで、本発明は、回転清掃体に糸状の塵埃が巻き付き始めた場合には、回転清掃体に糸状の塵埃が絡み付かないよう排出可能な吸込口体、および電気掃除機を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る吸込口体は、回転することで被掃除面上の塵埃を掻き上げ可能な一対の回転清掃体と、前記一対の回転清掃体を回転させる駆動力を出力する駆動源と、前記一対の回転清掃体に挟まれて前記一対の回転清掃体を回転可能かつ片持ち状に支持する支持部と、前記駆動源から前記支持部に前記駆動力を伝達して前記一対の回転清掃体を回転させる動力伝達機構と、を備え、前記一対の回転清掃体は、前記支持部に近い支持端側が前記支持部から遠い自由端側よりも回転方向に先行するよう配置される清掃部材を有している。
【0007】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、掃除機本体と、前記掃除機本体に収容されて負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機に流体的に接続される前記吸込口体と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る電気掃除機の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る吸込口体の斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る吸込口体の斜視図。
図4】本発明の実施形態に係る吸込口体の平面図。
図5】本発明の実施形態に係る吸込口体の底面図。
図6】本発明の実施形態に係る吸込口体を下方から見た斜視図。
図7】本発明の実施形態に係る吸込口体の断面図。
図8】本発明の実施形態に係る吸込口体の断面図。
図9】本発明の実施形態に係る吸込口体の斜視断面図。
図10】本発明の実施形態に係る回転清掃体および連結機構の断面図。
図11】本発明の実施形態に係る連結機構の斜視図。
図12】本発明の実施形態に係る連結機構の凸部の斜視図。
図13】本発明の実施形態に係る連結機構の凹部の斜視図。
図14】本発明の実施形態に係る連結機構の連結解除体の斜視図。
図15】本発明の実施形態に係る吸込口体の正面図。
図16】本発明の実施形態に係る吸込口体の吸込口本体の他の例の斜視図
図17】本発明の実施形態に係る吸込口体の吸込口本体の他の例の断面図。
図18】本発明の実施形態に係る吸込口体の第二例を示す模式図。
図19】本発明の実施形態に係る吸込口体の第三例を示す模式図。
図20】本発明の実施形態に係る吸込口体の第四例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る吸込口体および電気掃除機の実施形態について、図1から図20を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の斜視図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、二次電池11が蓄える電力で駆動される負荷、例えば電動送風機12を備えている。二次電池11は、蓄電池、充電式電池、および充電池とも呼ばれる。電気掃除機1は、例えばスティック型の電気掃除機1である。
【0012】
なお、電気掃除機1は、キャニスター型、アップライト型、またはハンディ型であってもよい。電気掃除機1は、二次電池11を電源として備えるコードレスタイプであってもよいし、商用交流電源から電源コードを介して電力を得る有線式であってもよい。
【0013】
電気掃除機1は、把手15を有して手持ち操作可能な本体16と、本体16に着脱可能な二次電池11と、本体16に接続される延長管17と、延長管17に接続される吸込口体18と、を備えている。
【0014】
本体16は、把手15を有する本体ケース21と、本体ケース21に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機12と、本体ケース21に着脱自在に設けられる塵埃分離集塵部22と、主に電動送風機12の駆動および二次電池11の充放電を制御する本体制御部23と、を備えている。
【0015】
本体16は、二次電池11が蓄える電力によって電動送風機12を駆動させ、電動送風機12の駆動によって負圧を発生させ、発生した吸込負圧を塵埃分離集塵部22に作用させる。塵埃分離集塵部22に作用する吸込負圧は、延長管17、および吸込口体18に順次に作用する。吸込口体18に達した吸込負圧は、吸込口体18の吸込口25に作用する。吸込口25に作用する吸込負圧は、床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸込口25に吸い込む。吸込口25に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体18および延長管17を通じて塵埃分離集塵部22へ流入する。塵埃分離集塵部22は、吸込負圧によって吸い込まれる含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃が分離された空気を電動送風機12へ送る。電動送風機12は、塵埃が分離された空気を本体ケース21外へ排気する。
【0016】
さらに、本体16は、把手15を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置される入力部26を備えている。
【0017】
本体ケース21は、延長管17の延長線上に配置され、かつ延長管17の延長線に沿って延びる柱状の前部21aと、前部21aから下斜め後方へ垂れ下がる中央部21bと、中央部21bの背面の下半部から後方へ延びる筒状の後部21cと、中央部21bの背面の上半部から後方へ延び、円弧形状に湾曲して後部21cの上面の後端に繋がる把手15と、を備えている。
【0018】
本体ケース21の前部21aと中央部21bとは、協働して塵埃分離集塵部22を着脱可能に保持している。塵埃分離集塵部22は、全体で筒状の外観を有する。前部21aと中央部21bとは、塵埃分離集塵部22の中心線C、換言すると長手方向を延長管17の中心線の延長線に平行させて塵埃分離集塵部22を保持している。本体ケース21に延長管17および塵埃分離集塵部22が装着された状態では、延長管17の中心線の延長線および塵埃分離集塵部22の中心線Cは、本体ケース21を左右に実質的に均等に分断する中央縦断面上に配置されている。つまり、長手状の前部21aと筒状の塵埃分離集塵部22とは、中心線が平行するように併設されている。
【0019】
本体ケース21の前部21aは、延長管17の長手方向、つまり延伸方向の延長上に配置されて管状に延びている。前部21aは、延長管17を着脱可能な継手構造を備えている。前部21aは、本体16の流体的な入口である本体接続口28を有し、かつ延長管17と塵埃分離集塵部22とを流体的に接続している。本体16から延長管17を取り外すことによって、本体接続口28は、本体16を単体で使用する際の吸込口としても機能する。
【0020】
本体ケース21の後部21cは、電動送風機12および本体制御部23を収容している。後部21cは、電動送風機12の排気を本体ケース21内から吐出させる排気口29を有している。後部21cの底部には、二次電池11を着脱可能な電池装着部31が設けられている。
【0021】
本体ケース21の中央部21bは、前部21aに併設される塵埃分離集塵部22の後端部の一部を覆い隠すように保持し、かつ塵埃分離集塵部22と電動送風機12とを繋ぐ風路を収容している。中央部21bは、実質的に直線状に延びる前部21aの後端部に連接して本体ケース21の下斜め後方へ向かって膨らんでいる。中央部21bは、本体ケース21の後方へ向かって後ろ下がりに傾斜する外観を有している。
【0022】
把手15は本体ケース21に一体に設けられている。把手15は、電気掃除機1で床面を掃除するために、使用者が手で把持する部分である。そのため、把手15は、人の手指で把持し易い適宜の形状を有することが好ましい。
【0023】
把手15は、本体ケース21の前部21aと後部21cとの間に架設されている。把手15は、前部21aの後端から延長管17の延長方向へ延び、かつ弧状に湾曲して後部21cの後端部に繋がっている。把手15と本体ケース21の中央部21bの背面との間、および把手15と本体ケース21の後部21cの天面との間には、一続きの空間が、本体ケース21の左右方向(幅方向)へ貫通している。この空間には、把手15を握る使用者の手指、もっぱら人差し指、中指、薬指、および小指を含む四指が配置される。
【0024】
入力部26は、把手15の近傍であって、把手15を握った使用者がその手指を動かせる範囲に設けられている。入力部26は、電動送風機12の動作要求を受け付けるスイッチを備えている。このスイッチは、本体制御部23に電気的に接続されている。電気掃除機1の使用者は、入力部26を操作して電動送風機12の運転と停止とを交互に切り換えることができる。
【0025】
入力部26は、電動送風機12の運転モードを切り換えるスイッチを備えていてもよい。この場合、本体制御部23は、運転モード切替スイッチから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部26は、運転モード切替スイッチに代えて、強運転スイッチ、中運転スイッチ、および弱運転スイッチを個別に備えていてもよい。
【0026】
塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前部21aと本体ケース21の中央部21bとが成すL文字形状の収容空間に配置されている。塵埃分離集塵部22は、本体16に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機12へ送る。塵埃分離集塵部22は、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式である。塵埃分離集塵部22の下流側に含塵空気から塵埃を濾し取る濾過分離方式のフィルターが設けられていてもよい。
【0027】
また、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前後方向に沿って筒状に延伸している。換言すると、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前後方向に延びる中心線Cを有する筒形状の容器である。塵埃分離集塵部22の中心線Cに沿う方向、塵埃分離集塵部22の延伸方向、塵埃分離集塵部22の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース21の前後方向に実質的に一致している。したがって、塵埃分離集塵部22の中心線Cは、延長管17の中心線に実質的に平行している。また、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前部21aに併設されている。つまり、塵埃分離集塵部22の長手方向は、本体ケース21の前部21aの長手方向に倣っている。塵埃分離集塵部22の直径は、本体ケース21の前部21aの幅寸法よりも大きく、塵埃分離集塵部22は、本体ケース21の前部21aよりも本体16の左右方向(幅方向)に突出している。なお、本体16の左右方向(幅方向)は、本体16の中央縦断面の法線方向に相当する。筒状の塵埃分離集塵部22の中心線Cは、本体16の中央縦断面に実質的に含まれている。
【0028】
本体ケース21の中央部21bは、塵埃分離集塵部22の排気側に流体的に接続される連結口と、連結口と電動送風機12とを流体的に接続する分離部下流風路管と、を備えている。中央部21bは、塵埃分離集塵部22と本体ケース21の後部21cとの間に挟み込まれている部位を含んでいる。この部位に連結口および分離部下流風路管が配置されている。
【0029】
連結口は、中央部21bの正面を臨む部位に配置されている。連結口は、塵埃分離集塵部22が本体ケース21に装着された状態で、塵埃分離集塵部22の後ろ側の端面に正対する。したがって、連結口は、塵埃分離集塵部22が本体ケース21に装着された状態で、塵埃分離集塵部22の中心線Cの延長線上に配置される。
【0030】
電動送風機12の吸込側は、連結口および分離部下流風路管を介して塵埃分離集塵部22に接続される。電動送風機12は、塵埃分離集塵部22から空気を吸い込んで吸込負圧を発生させる。電動送風機12は、羽根車と、羽根車の回転駆動力を発生する電動機と、電動機から羽根車へ回転駆動力を伝達する回転軸と、を備えている。
【0031】
羽根車は、例えばターボファンであり、複数の羽根を備えている。それぞれの羽根は、円錐状のハブの中心部からハブの外縁部へ向かって徐々にハブの径方向へ向かって起立する、捻れた形状を有している。換言すると、それぞれの羽根は、前縁から後縁に掛けて翼型(airfoil)または翼断面(wing section)が変化する、いわゆる3次元翼である。羽根車は、吸込口を有するケースに覆われている。
【0032】
電動送風機12は、回転軸を中心とする円筒状、または円柱状の形状を有している。回転軸の中心線を本体ケース21の前後方向へ向け、かつ吸込口を前方へ向けて本体ケース21に収容されている。また、電動送風機12の回転軸の中心線は、実質的に塵埃分離集塵部22の中心線Cの延長線上に配置されている。
【0033】
本体制御部23は、電動送風機12の真後ろに配置されている。本体制御部23は、マイクロプロセッサー、およびマイクロプロセッサーが実行する各種演算プログラム、パラメーターなどを記憶する記憶部としての記憶装置を備えている。複数の運転モードから電動送風機12の運転モードを択一的に選択可能な制御を実装する場合には、記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶する。複数の運転モードは電動送風機12の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(電動送風機12の入力値、電動送風機12に流れる電流目標値)が設定されている。それぞれの運転モードは、入力部26が受け付ける動作要求に関連付けられている。本体制御部23は、入力部26の動作要求に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶装置から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機12を運転する。
【0034】
なお、電動送風機12の入力値は、二次電池11の放電量に相当する。二次電池11の放電量は、二次電池11の放電電流または放電電圧の高低によって制御される。二次電池11の放電電流の高低によって二次電池11の放電量を制御することが簡便で好ましい。
【0035】
二次電池11は、いわゆるバッテリーパックである。二次電池11が蓄える電力を放電することによって、電動送風機12や本体制御部23が駆動され、二次電池11へ電力を充電することによって、電動送風機12や本体制御部23で消費される電力が二次電池11に蓄えられる。二次電池11は、本体ケース21に着脱できる。換言すると、電気掃除機1は、複数の二次電池11を適宜に交換して利用できる。電気掃除機1に装着されている二次電池11の充電率が低下した場合には、この二次電池11を、充電済みの二次電池11に交換することによって、電気掃除機1は、運転を継続できる。つまり、二次電池11は、本体ケース21に装着したまま充電することもできるし、本体ケース21から一旦取り外し、電気掃除機1とは異なる充電器に装着して充電し、充電後に本体ケース21へ再装着することもできる。なお、電気掃除機1は、二次電池11を容易に交換自在なものであってもよいし、二次電池11を交換するために本体16の分解をともなうような、二次電池11を交換可能なものであってもよい。
【0036】
延長管17および吸込口体18は、電動送風機12から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで本体16へ案内する。
【0037】
延長管17は、本体ケース21の本体接続口28および塵埃分離集塵部22を介して電動送風機12の吸込側に流体的に接続されている。延長管17は、使用者が本体16の把手15を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。延長管17の一方の端部は、本体16の本体接続口28に着脱自在な継手構造を有している。延長管17の他方の端部は、本体16の吸込口体18を着脱自在な継手構造を有している。延長管17は、伸縮可能であってもよいし、伸縮不能な一定の長さを有していてもよい。
【0038】
吸込口体18は、木床やカーペットなどの床面上を走行自在または滑走自在であり、走行状態または滑走状態において床面に対向する底面に吸込口25を有する。また、吸込口体18は、吸込口25に配置される回転自在な回転清掃体32と、回転清掃体32を駆動させる電動機33と、を備えている。吸込口体18の一方の端部は、延長管17の他方の端部に着脱自在な継手構造を有している。吸込口体18は、延長管17を介して電動送風機12の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体18、延長管17、および塵埃分離集塵部22は、電動送風機12から吸込口25へ至る吸込風路である。
【0039】
なお、吸込口体18は、電動機33に代えて回転清掃体32を駆動させる風車、タービンを備えていてもよい。この風車、タービンは、電気掃除機1に吸い込まれる空気の流動によって回転し、回転清掃体32を駆動させる。
【0040】
電気掃除機1は、電動送風機12が停止している状態で入力部26が操作されると、電動送風機12を始動させる。運転モード切替スイッチが実装されている場合には、電気掃除機1は、先ず電動送風機12を強運転モードで始動させ、運転モード切替スイッチが操作されると電動送風機12の運転モードを中運転モードに変更し、再度、運転モード切替スイッチが操作されると電動送風機12の運転モードを弱運転モードに変更し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。電動送風機12に対する入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。始動した電動送風機12は、塵埃分離集塵部22から空気を吸込み、塵埃分離集塵部22内を負圧にする。
【0041】
塵埃分離集塵部22内の負圧は、本体接続口28、延長管17、および吸込口体18を順次に通じて吸込口25に作用する。電気掃除機1は、吸込口25に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部22は、電気掃除機1に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機12へ送る。電動送風機12は、塵埃分離集塵部22から吸い込んだ空気を本体16外へ排気する。
【0042】
次いで、吸込口体18について詳細に説明する。
【0043】
図2は、本発明の実施形態に係る吸込口体の斜視図である。
【0044】
図2に示すように、本実施形態に係る吸込口体18は、略直方体形の吸込口本体41と、吸込口本体41の後部に設けられる接続管42と、を備えている。
【0045】
なお、吸込口体18の前後、左右、上下は、電気掃除機1の使用者を基準に説明する。図2中の実線矢印Xの方向は、吸込口体18の前方または前進方向であり、その反対方向は後方または後退方向である。また、図2中の実線矢印Yの方向は、吸込口体18の左方であり、その反対方向は右方である。さらに、図2中の実線矢印Zの方向は、吸込口体18の上方であり、その反対方向は下方である。つまり、図2は、電気掃除機1の使用者の左前方から吸込口体18を見た斜視図である。
【0046】
平面視における吸込口本体41の形状は、前後方向に短辺を有し、左右方向に長辺を有する長方形状である。つまり、吸込口本体41の左右方向の寸法、つまり幅寸法は、吸込口本体41の前後方向の寸法、つまり奥行き寸法より大きい。一般に、使用者は、吸込口体18を前進させて吸込口体18を未掃除の被掃除面fへ進入させる。そのため、横長な吸込口体18は、一回の動作でより広範囲の被掃除面fから塵埃を除去しうる。
【0047】
吸込口本体41は、下ケース45と、下ケース45に覆い被さる上ケース46と、を備えている。
【0048】
接続管42は、吸込口本体41の後部、かつ幅方向略中央部に設けられている。接続管42は、いわゆる自在継手(Universal joint)である。接続管42は、吸込口本体41に対して回転可能な回転接続管48と、回転接続管48に対して揺動可能な揺動接続管49と、を備えている。
【0049】
回転接続管48は、吸込口体18の前後方向に延びる中心線(X軸に一致する線分またはX軸に平行な線分)まわりに回転する。この中心線は、吸込口本体41を左右に二分するように配置されていることが好ましい。
【0050】
揺動接続管49は、回転接続管48の回転中心線に直交する線分、または回転接続管48の回転中心線に直交する線分に平行な線分まわりに揺動する。揺動接続管49の自由端部は、延長管17の自由端部に着脱可能な継手である。
【0051】
図3は、本発明の実施形態に係る吸込口体の斜視図である。
【0052】
図4は、本発明の実施形態に係る吸込口体の平面図である。
【0053】
図5は、本発明の実施形態に係る吸込口体の底面図である。
【0054】
図6は、本発明の実施形態に係る吸込口体を下方から見た斜視図である。
【0055】
図7は、図4のVII-VII線における、本発明の実施形態に係る吸込口体の断面図である。
【0056】
なお、図3では、吸込口体18から上ケース46が取り外されている。図6では、吸込口体18から左回転清掃体32Lが取り外されている。
【0057】
図3から図7に示すように、本実施形態に係る吸込口体18は、吸込口本体41と、回転することで被掃除面f上の塵埃を掻き上げ可能な一対の回転清掃体32と、一対の回転清掃体32を回転させる駆動力を出力する駆動源としての電動機33と、一対の回転清掃体32に挟まれて一対の回転清掃体32を同一の回転中心線Cr上に回転可能かつ片持ち状に支持する支持部52と、電動機33から支持部52に駆動力を伝達して一対の回転清掃体32を回転させる動力伝達機構53と、電動機33の運転を制御する吸込口体制御部55と、を備えている。
【0058】
吸込口本体41は、一対の回転清掃体32が配置される清掃体収容凹部61と、一対の回転清掃体32が被掃除面fから掻き上げる塵埃を吸い込む負圧を作用させることが可能な吸塵凹部62と、を有している。
【0059】
清掃体収容凹部61は、吸込口本体41の前縁部に沿って配置され、吸込口本体41の全幅に渡っている。清掃体収容凹部61は、回転清掃体32を配置可能な清掃体室63を画定している。清掃体室63は、吸込口本体41の底面41bへ向かって開放されている。清掃体室63は、回転清掃体32の一部を吸込口本体41の底面41bに露出させて回転清掃体32を収容している。被掃除面fに底面41bを向けて吸込口本体41を接地させると、清掃体室63の外側に露出する回転清掃体32の一部が被掃除面fに押し当てられる。
【0060】
吸込口本体41の底面視において、吸塵凹部62は、清掃体収容凹部61の後方に配置され、かつ清掃体収容凹部61に沿って配置されている。したがって、吸込口本体41の底面視において、吸塵凹部62は、一対の回転清掃体32および支持部52の後方に配置され、かつ一対の回転清掃体32および支持部52に沿って配置されている。吸塵凹部62は、接続管42を通じて負圧を作用させることが可能な吸込室65を画定している。吸込室65は、吸込口本体41の底面41bへ向かって開放されている。吸込口本体41の底面41bに対する吸塵凹部62の投影面は、吸込口体18の吸込口25に相当する。吸込口25は、一対の回転清掃体32に遮られることなく、被掃除面fを臨む。つまり、吸込室65は、吸込口25を有する開放された空間である。吸塵凹部62は、吸込口本体41の幅方向における中央部分で接続管42に繋がっている。
【0061】
また、吸塵凹部62は、吸込口本体41の全幅に渡り、吸込口本体41の左右それぞれの側面に達している。換言すると、吸塵凹部62は、一対の回転清掃体32のそれぞれの自由端32tの近傍まで延びている。つまり、吸込口25は、吸込口本体41の左右それぞれの側面へ向かって開放されている。吸込口25は、吸込口本体41の底面41b、および左右それぞれの側面に渡って一続きに開放されている。したがって、吸込口体18は、吸込口本体41の全幅に渡って吸込口本体41の底面41bに向かい合う被掃除面f上の塵埃を負圧の作用で吸い込むことができる。
【0062】
さらに、吸塵凹部62は、吸込口本体41の左右それぞれの側面に近い箇所ほど浅く、吸込口本体41の幅方向における中央部分に近いほど深い。換言すると、吸塵凹部62は、吸込口本体41の中央近いほど深くなるよう傾斜している。この傾斜は、吸込口本体41の中央部分から左右それぞれの側面に近い箇所ほど吸塵凹部62の風路断面積を小さく絞る。この傾斜は、吸込口体18の幅方向へ細長く延びる吸込室65に吸い込まれる空気を、接続管42に繋がる吸込室65の中央部分へ円滑に案内する。また、この傾斜は、吸込口本体41の左右それぞれの側面に近い箇所において吸込室65に吸い込まれる空気の風速を上昇させる。
【0063】
また、吸込口本体41は、清掃体収容凹部61と吸塵凹部62との間にあって吸込口本体41の底面41bに向かって垂れ下がるように延びる仕切部68を備えている。仕切部68は、清掃体収容凹部61と吸塵凹部62とを完全に分断するものではなく、被掃除面fに底面41bを向けて吸込口本体41を接地させた状態であっても清掃体室63と吸込室65とが繋がる程度に両室を分け隔てている。したがって、被掃除面f上の塵埃を吸込口本体41の後方へ向かって掻き上げるように回転清掃体32を回転させると、掻き上げられた塵埃は、吸込室65へ効率的に投入される。
【0064】
清掃体収容凹部61および吸塵凹部62は、下ケース45に設けられている。また、吸込口本体41は、下ケース45に固定されて吸込室65の形状と接続管42内の風路の形状とをなめらかに連続させて繋ぐ風路狭窄管72を備えている。風路狭窄管72は、吸込室65と接続管42内の風路とを連絡する風路を画定している。
【0065】
さらに、吸込口本体41は、被掃除面fに接地して吸込口本体41を支える複数の転75を備えている。複数の転75は、吸込口本体41の底面41bに配置されている。複数の転75は、吸塵凹部62の後方近傍、かつ吸込口本体41の左右それぞれの端部に配置される一対の転75と、吸込口本体41の後部中央部に配置される転75と、を含んでいる。
【0066】
また、吸込口本体41は、吸塵凹部62の後方に配置され、かつ吸塵凹部62に沿って一続きに延びる線状清掃体76を備えている。線状清掃体76は、例えば起毛であってもよいし、ゴムのブレードであってもよい。線状清掃体76は、吸込口本体41の後方から吸込口25へ向かう空気の流れを遮ることで吸込口25の負圧を高めている。線状清掃体76は、吸込口本体41の左右それぞれの端部に配置される一対の転75の間に挟み込まれ、かつ一対の転75の車軸に沿って配置されている。したがって、吸込口本体41を被掃除面fに接地させた状態であっても、複数の転75が吸込口本体41の底面41bと被掃除面fとの間の距離を確保する。つまり、線状清掃体76が吸込口体18に押し潰されることはない。
【0067】
吸込口本体41の下ケース45と上ケース46との間には、空間が区画されている。この空間は、電動機33を収容する電動機室77と、動力伝達機構53を収容する機械室78と、吸込口体制御部55を収容する制御室79と、を含んでいる。これら電動機室77、機械室78、および制御室79は、繋がっていてもよいし、分断されていてもよい。電動機室77、機械室78、および制御室79は、吸込口本体41の平面視において清掃体収容凹部61よりも後方に配置されている。
【0068】
吸込口本体41の平面視において、機械室78は、接続管42と清掃体収容凹部61との間に挟み込まれるように配置されている。
【0069】
吸込口本体41の平面視において、電動機室77は、機械室78の左右いずれか一方に配置されている。電動機室77は、清掃体収容凹部61の極力近くに円筒形状の電動機33を収容している。つまり、電動機33の底部は、清掃体収容凹部61の頂部より下方に配置されている。このような電動機33の配置、および電動機室77の構成は、一対の回転清掃体32より上方に電動機33を配置する場合であっても、吸込口本体41の高さを一対の回転清掃体32の高さ(直径)と電動機33の高さ(直径)との和より低く抑える。
【0070】
吸込口本体41の平面視において、制御室79は、接続管42の左右いずれか一方に配置されている。電動機室77と制御室79とは、吸込口本体41の左右いずれか一方に集中配置されていてもよいし、左右両方に分散配置されていてもよい。
【0071】
一対の回転清掃体32は、支持部52を介して、吸込口本体41に回転可能に設けられている。一対の回転清掃体32は、吸込口本体41の左右いずれか一方、例えば左半部に配置される左回転清掃体32Lと、吸込口本体41の左右いずれか他方、例えば右半部に配置される右回転清掃体32Rと、を含んでいる。左回転清掃体32Lは、支持部52の左側(吸込口本体41の正面視において右側)に配置され、右回転清掃体32Rは、支持部52の右側(吸込口本体41の正面視において左側)に配置されている。つまり、一対の回転清掃体32は、支持部52を間に挟み込んでいる。一対の回転清掃体32のそれぞれは、吸込口本体41の左右方向へ延びる同一の回転中心線Crの周りに回転駆動可能なよう支持部52によって支持されている。つまり、一対の回転清掃体32の回転中心線Crは、吸込口本体41の幅方向に向けられている。
【0072】
一対の回転清掃体32のそれぞれは、支持部52に近い支持端32rと、支持部52から遠い自由端32tと、を有している。左回転清掃体32Lの支持端32rと右回転清掃体32Rの支持端32rとは、支持部52を間に挟み込んでいる。左回転清掃体32Lの自由端32tと右回転清掃体32Rの自由端32tとの間の距離は、実質的に一対の回転清掃体32の全幅に相当する。一対の回転清掃体32の全幅は、実質的に吸込口本体41の幅いっぱいに渡っている。換言すると、左回転清掃体32Lの自由端32tは、吸込口本体41の左端に配置され、右回転清掃体32Rの自由端32tの自由端32tは、吸込口本体41の右端に配置されている。一対の回転清掃体32の全幅は、吸込口本体41の幅寸法を超えていてもよい。左回転清掃体32Lの自由端32tは、吸込口本体41の左側壁の外側へ突出していてよく、右回転清掃体32Rの自由端32tは、吸込口本体41の右側壁の外側へ突出していてよい。
【0073】
また、一対の回転清掃体32のそれぞれは、支持端32rから自由端32tに達する軸芯部81と、軸芯部81の外周部に設けられる清掃部材82と、を備えている。
【0074】
清掃部材82は、回転清掃体32の支持端32rの側が自由端32tの側よりも回転清掃体32の回転方向に先行するよう配置されている。清掃部材82は、回転清掃体32の支持端32rから自由端32tに向かって回転清掃体32の回転に倣って巻き付く螺旋状に配置されている。清掃部材82は、回転清掃体32を回転させたときに、回転清掃体32の支持端32rから自由端32tに向かって螺旋を描くように回転清掃体32に巻き付いている。つまり、一対の回転清掃体32は、異なる方向に延びる螺旋状の清掃部材82を有している。清掃部材82は、軸芯部81を軸方向に見て一周以上、つまり360度以上巻いていてもよいし、一周よりも小さい範囲で巻かれていてもよい。
【0075】
清掃部材82は、ブラシ毛であって、刷毛である。清掃部材82は、軸芯部81の外周部を放射状に取り囲んで、複数の螺旋を描いている。例えば、清掃部材82は、8つの螺旋を描いて軸芯部81を螺旋状に囲んでいる。清掃部材82が描く複数の螺旋は、軸芯部81から全て同じ長さで突出していてもよいし、それぞれ異なる突出長さを有していてもよい。また、清掃部材82が描く複数の螺旋は、同じ剛性を有していてもよいし、異なる剛性を有していてもよい。清掃部材82の剛性は、毛腰とも呼ばれる。さらに、清掃部材82が描く複数の螺旋は、隙間無く軸芯部81を囲んでいてもよい。この場合、複数の螺旋は、清掃部材82の毛腰、清掃部材82の粗密、清掃部材82の突出長さの少なくとも1つ以上で分けられていればよい。
【0076】
左回転清掃体32Lの清掃部材82は、支持端32rから自由端32tを見た場合には、支持端32rから自由端32tに向かって反時計回りに軸芯部81に巻き付き、右回転清掃体32Rの清掃部材82は、支持端32rから自由端32tを見た場合には、支持端32rから自由端32tに向かって時計回りに軸芯部81に巻き付いている。したがって、左回転清掃体32Lの清掃部材82は、支持部52から吸込口本体41の左側を見た場合には、支持端32rから自由端32tに向かって反時計回りに軸芯部81に巻き付き、右回転清掃体32Rの清掃部材82は、支持部52から吸込口本体41の右側を見た場合には、支持端32rから自由端32tに向かって時計回りに軸芯部81に巻き付いている。
【0077】
そのため、被掃除面f上の塵埃を吸込口本体41の後方へ向かって掻き上げるように一対の回転清掃体32を回転させると、回転清掃体32の支持端32rの側が自由端32tの側よりも回転方向に先行する清掃部材82と被掃除面fとの接触箇所は、清掃部材82の支持端32rに近い部分から自由端32tに近い部分へと連続的に移動する。
【0078】
一対の回転清掃体32は、清掃体室63に大部分が収容されていてもよいし、清掃部材82の大部分が清掃体室63外に露出していてもよい。この回転清掃体32の露出部分は、吸込口本体41の正面の一部であることが好ましい。
【0079】
清掃体室63を画定する清掃体収容凹部61の左右それぞれの側壁83は、一対の回転清掃体32のそれぞれの自由端32tを露出させていてもよいし、覆っていてもよい。自由端32tを露出させる側壁83は、回転清掃体32の外観形状に沿う円弧状の縁83eを有していればよい。自由端32tを覆う側壁83(図6におけるハッチング領域)は、回転清掃体32の回転中心線Crの延長線上にあって、自由端32tに向かい合う内壁面83iを有している。清掃体収容凹部61の内壁面83iは、回転清掃体32の自由端32tに接していてもよいし、回転清掃体32の自由端32tから隙間を隔てて離れていてもよい。この側壁83は、自由端32tに障害物が接触することを防ぐことができる肉厚を有する限度で薄ければ薄いほど好ましい。
【0080】
吸込口本体41と一対の回転清掃体32の自由端32tとの間の隙間は、吸込口本体41と一対の回転清掃体32の自由端32t以外の部位との間の隙間よりも狭いことが好ましい。回転清掃体32および側壁83の少なくともいずれか一方は、回転清掃体32の自由端32tと側壁83との間に設けられるシール部84を有していることが好ましい。シール部84は、吸込口本体41と一対の回転清掃体32との間に設けられている。シール部84は、回転清掃体32と側壁83との隙間を完全に遮蔽するものではなく、回転清掃体32の自由端32tから抜け出る糸状の塵埃の排出を阻害しないもの、例えば起毛である。シール部84を回転清掃体32の自由端32tに設ける場合には、シール部84は、回転清掃体32に回転一体であって、清掃部材82と同じ回転速度で回転する。シール部84は、吸込口本体41の側壁83に設けられていてもよい。回転清掃体32に設けられるシール部84は、側壁83に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。吸込口本体41の側壁83に設けられるシール部84は、回転清掃体32に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0081】
電動機33は、吸込口本体41の平面視において、その出力軸33aが一対の回転清掃体32の回転中心線Crに平行になるよう配置されていることが好ましい。電動機33は、吸込口本体41の左右それぞれの端部から離れ、吸込口本体41の幅方向における中央部の近くに配置されている。電動機33は、吸込口体18の他の構成品に比べて重量が重い。そのため、吸込口本体41の左右いずれかの端部に電動機33を配置すると、吸込口体18の重心が接続管42から離れてしまい、吸込口体18の取り扱い性が低下する。本実施形態に係る吸込口体18にように、吸込口本体41の幅方向における中央部の近くに電動機33を配置することで、吸込口体18の重心が接続管42に近づき、吸込口体18の取り扱い性が向上する。
【0082】
電動機33は、吸込口本体41が被掃除面fに配置された状態で、被掃除面fの塵埃を吸込口25へ塵埃を掃き集める方向へ一対の回転清掃体32を回転させる。電動機33は、吸込口体18の前進を補助する回転方向へ一対の回転清掃体32を回転させる。
【0083】
支持部52は、一対の回転清掃体32に挟み込まれている。支持部52は、吸込口本体41の下ケース45に固定される軸受ハウジング85を備えている。支持部52は、清掃体室63内に配置されていてもよいし、清掃体室63を左右に分断していてもよい。換言すると、清掃体収容凹部61は、支持部52および一対の回転清掃体32が一括して配置される清掃体室63を画定していてもよく、一対の回転清掃体32のそれぞれが個別に配置される左右一対の清掃体室63を画定していてもよい。
【0084】
軸受ハウジング85の底面は、吸込口本体41の底面41bの一部である。軸受ハウジング85の底面には、不織布が設けられていることが好ましい。不織布は、被掃除面fに底面41bを向けて吸込口本体41を接地させた場合に、被掃除面fに接触する程度の毛足を有していることが好ましい。この不織布は、軸受ハウジング85と被掃除面fとの隙間における空気の流れを阻害して吸込室65の負圧を高め、また、左右に分断される一対の回転清掃体32の間の領域における塵埃の除去性能を高める。軸受ハウジング85の底面が被掃除面fから離れている場合には、清掃体収容凹部61は、支持部52および一対の回転清掃体32が一括して配置される清掃体室63を画定している。軸受ハウジング85の底面、または軸受ハウジング85の底面に設けられる不織布が被掃除面fに近接している場合には、清掃体収容凹部61は、一対の回転清掃体32のそれぞれが個別に配置される左右一対の清掃体室63を画定している。
【0085】
動力伝達機構53は、電動機33の出力軸33aに回転一体に設けられるドライブプーリー86と、一対の回転清掃体32に回転一体に連結されるドリブンプーリー87と、ドライブプーリー86からドリブンプーリー87へ電動機33が出力する駆動力を伝えるベルト88と、を備えている。動力伝達機構53の減速比は、電動機33が出力可能なトルクで一対の回転清掃体32を回転させることができるよう設定されている。動力伝達機構53は、吸込口体18の前進を補助する回転方向へ一対の回転清掃体32が回転するように電動機33の駆動力を一対の回転清掃体32へ伝達する。
【0086】
なお、電動機33および動力伝達機構53は、回転清掃体32の内側、つまり軸芯部81の内側に収容されていてもよい。
【0087】
また、支持部52は、一対の回転清掃体32を別個に回転可能に支持し、動力伝達機構53は、一対の回転清掃体32へ別個に駆動力を伝えてもよい。つまり、支持部52および動力伝達機構53は、左右で分断されていてもよい。
【0088】
吸込口体制御部55は、本体16から延長管17を介して供給される電力によって電動機33を運転する。
【0089】
吸込口体18を被掃除面f上で前進させると、吸込口体18の前進を補助する方向へ回転する一対の回転清掃体32は、被掃除面f上の塵埃を吸込口体18の進行方向の反対方向へ掻き上げる。つまり、吸込口体18の前進を補助する方向へ回転する一対の回転清掃体32は、清掃体収容凹部61の後方に配置される吸塵凹部62へ向かって被掃除面f上の塵埃を掻き上げる。掻き上げられた塵埃は、吸塵凹部62に作用する負圧によって風路狭窄管72に吸い込まれ、塵埃分離集塵部22に捕集される。
【0090】
ここで、被掃除面f上の塵埃に、毛髪などの糸状の塵埃が含まれる場合には、一対の回転清掃体32は、糸状の塵埃の一部、例えば中途部分を被掃除面fに押し付けながら、糸状の塵埃の一部を一対の回転清掃体32よりも後方へ送り出す。糸状の塵埃の、一対の回転清掃体32よりも後方へ送り出された部分は、吸塵凹部62に作用する負圧によって吸い込まれる。つまり、本実施形態に係る吸込口体18は、糸状の塵埃の中途部分を一対の回転清掃体32で被掃除面fに押さえつけた状態で、一対の回転清掃体32よりも後方にあって、一対の回転清掃体32に押さえつけられていない糸状の塵埃の一部を吸塵凹部62に作用する負圧によって吸い込もうとする。そうすることで、本実施形態に係る吸込口体18は、一対の回転清掃体32に糸状の塵埃が巻き付くことを防ぐ。
【0091】
しかしながら、一対の回転清掃体32に押さえつけられていない糸状の塵埃の一部が、吸塵凹部62に作用する負圧によって生じる空気の流れに乗り損ない、一対の回転清掃体32に巻き付いてしまう場合がある。
【0092】
そこで、本実施形態に係る吸込口体18は、一対の回転清掃体32と被掃除面fとの接触箇所が支持端32rに近い部分から自由端32tに近い部分へと連続的に移動するよう配置された螺旋状の清掃部材82を有している。螺旋状の清掃部材82と被掃除面fとの接触箇所は、常に支持部52から一対の回転清掃体32の自由端32tに向かって連続的に移動する。一対の回転清掃体32で見ると、左回転清掃体32Lの清掃部材82が描く螺旋と右回転清掃体32Rの清掃部材82が描く螺旋とが支持部52を中心に互いに離れていくように錯覚する方向へ、一対の回転清掃体32は回転している。したがって、左回転清掃体32Lの螺旋状の清掃部材82と被掃除面fとの接触箇所、および右回転清掃体32Rの螺旋状の清掃部材82と被掃除面fとの接触箇所は、一対の回転清掃体32の回転にともなって支持部52を中心に互いに離れるように移動する。
【0093】
したがって、一対の回転清掃体32に巻き付いた糸状の塵埃は、常に支持部52から一対の回転清掃体32の自由端32tに送り出す力にさらされる。卑近ではあるが、例えば手指に巻き付いた糸を手指の先端へ向かって引き抜こうとする際に、手指に巻き付いた糸に作用する力と同じような力が一対の回転清掃体32に巻き付いた糸状の塵埃に作用する。この力によって、仮に糸状の塵埃の一部が一対の回転清掃体32に巻き付いてしまった場合であっても、この糸状の塵埃は、一対の回転清掃体32から抜け出るようにして離脱する。
【0094】
仮に回転清掃体32に巻き付いた糸状の塵埃が回転清掃体32の支持端32rに集まると、支持部52と回転清掃体32との間に挟まり、回転清掃体32の回転を阻害しかねない。本実施形態に係る吸込口体18の回転清掃体32は、巻き付いた糸状の塵埃を自由端32tへ送り出すため、巻き付いた糸状の塵埃によって回転が阻害されることはない。
【0095】
そして、それぞれの回転清掃体32から抜け出るように離脱した糸状の塵埃は、それぞれの回転清掃体32の自由端32tの近傍に延びている吸塵凹部62に速やかに吸い込まれる。つまり、本実施形態に係る吸込口体18は、回転清掃体32に巻き付いた糸状の塵埃を回転清掃体32の自由端32tから排出するのみならず、速やかに吸い込んで回収することもできる。
【0096】
図8は、図5のVIII-VIII線における、本発明の実施形態に係る吸込口体の断面図である。
【0097】
図9は、本発明の実施形態に係る吸込口体の斜視断面図である。
【0098】
図10は、本発明の実施形態に係る回転清掃体および連結機構の断面図である。
【0099】
図11は、本発明の実施形態に係る連結機構の斜視図である。
【0100】
図12は、本発明の実施形態に係る連結機構の凸部の斜視図である。
【0101】
図13は、本発明の実施形態に係る連結機構の凹部の斜視図である。
【0102】
図14は、本発明の実施形態に係る連結機構の連結解除体の斜視図である。
【0103】
図8から図14に示すように、本実施形態に係る吸込口体18は、一対の回転清掃体32と、回転清掃体32を回転可能かつ片持ち状に支持する支持部52と、一対の回転清掃体32と支持部52とを着脱可能に連結する連結機構89と、を備えている。したがって、使用者は、吸込口体18から回転清掃体32を取り外して手入れし、また手入れした回転清掃体32を吸込口体18に取り付けることができる。
【0104】
一対の回転清掃体32のそれぞれは、空洞32cを有する筒状の軸芯部81を備えている。軸芯部81の支持端は、回転清掃体32の支持端32rでもあって、軸芯部81の自由端は、回転清掃体32の自由端32tでもあって、軸芯部81の空洞32cは、回転清掃体32の空洞32cでもある。
【0105】
支持部52は、軸受ハウジング85と、軸受ハウジング85および下ケース45によって保持される軸受91と、軸受91によって回転可能に支持される軸受91に支持される支持軸基部92と、支持軸基部92に回転一体であって一対の回転清掃体32のそれぞれに回転一体に連結される一対の支持軸部93と、を備えている。
【0106】
軸受91は、軸受ハウジング85および下ケース45に挟み込まれるようにして保持されている。
【0107】
一対の支持軸部93のそれぞれは、支持端32r側から軸芯部81の空洞32cの中に挿入されて回転清掃体32に連結される。一対の支持軸部93は、回転清掃体32の回転中心線Crに沿って一直線に延びている。一対の支持軸部93は、左回転清掃体32Lの軸芯部81に挿入される左支持軸部93Lと、右回転清掃体32Rの軸芯部81に挿入される右支持軸部93Rと、を含んでいる。左支持軸部93Lと右支持軸部93Rとは、同じ方向へ一体に回転する。一対の支持軸部93および支持軸基部92は、一体成形品であることが好ましく、回転清掃体32を片持ち支持する十分な強度を容易に獲得できるよう、金属製の軸芯を有する、または金属の一体成形品であることが好ましい。
【0108】
連結機構89は、一対の回転清掃体32のそれぞれを支持部52に着脱可能に連結する。連結機構89は、支持部52に一体に設けられる凹部95と、軸芯部81の空洞32cの中に設けられる凸部96と、を備えている。凸部96と凹部95とは、引っ掛かり合いを解除可能なように互いに引っ掛かり合って回転清掃体32が支持部52から離れること、つまり支持軸部93が軸芯部81の空洞32cから抜け出すことを妨げている。
【0109】
凹部95は、支持軸部93の先端部に設けられている。凹部95は、支持軸部93の自由端に設けられる傘状部によって現れる段差であって、凸部96が支持軸部93から離れる方向へ抜け出ないように引っ掛かる適宜の形状を有している。凹部95は、支持端32rから空洞32cの中に配置される。
【0110】
凸部96は、軸芯部81の空洞32cの支持端32r側に配置されるスリーブ状の基台97から、空洞32cの奥へ向かって、つまり自由端32tへ向かって延びる片持ち梁状のアーム98の先端部に設けられている。凸部96は、基台97の径方向内側へ向かって突出している。アーム98は、少なくとも基台97の径方向外側へ向かって撓むことができる。基台97の径方向外側へ向かってアーム98が撓むことによって、凹部95に引っ掛かり合う凸部96は、軸芯部81の内周面に近づくようにして凹部95から抜け出すことができる。また、基台97の径方向外側へ向かってアーム98が撓むことによって、軸芯部81の空洞32c内を凹部95に向かって進む凸部96は、凹部95に引っ掛かることができる。凸部96と凹部95とが引っ掛かり合う際に、アーム98を基台97の径方向外側へ向かって撓ませることができるよう、凹部95および凸部96は、互いに接触すると基台97の径方向外側へ向かってアーム98を撓ませる傾斜面を有している。凸部96の傾斜面は、アーム98の根元側を臨み、凹部95の傾斜面は、支持軸部93の突出端を臨む。
【0111】
凸部96は複数あることが好ましい。つまり凸部96が設けられるアーム98は、複数あることが好ましい。複数のアーム98は、環状に整列していることが好ましい。環状に整列するアーム98は、環状に整列する複数の凸部96を凹部95に引っ掛かける。凹部95に引っ掛かる、環状に整列する複数の凸部96は、軸芯部81から抜け出す方向へ支持軸部93に作用する力を均等に分散して強固に受け止めることができる。
【0112】
凹部95は軸芯部81の空洞32cの中に設けられていてもよく、凸部96は支持部52に一体に設けられていてもよい。つまり、連結機構89は、いずれか一方が支持部52に一体に設けられ、いずれか他方が軸芯部81の空洞32cの中に設けられて引っ掛かり合いを解除可能なように互いに引っ掛かり合い回転清掃体32が支持部52から離れることを妨げる凹部95および凸部96を備えていればよい。また、支持部52に一体に設けられる凹部95および凸部96のいずれか一方は、支持端32rから軸芯部81の空洞32cの中に配置可能であればよい。
【0113】
また、連結機構89は、軸芯部81の空洞32cに配置され、自由端32tから支持端32rの方へ向かって押し込まれると凹部95と凸部96との引っ掛かり合いを解除する連結解除体101と、連結解除体101を支持端32rから自由端32tへ向かう方向へ移動させる力を発生させて凹部95と凸部96との引っ掛かり合いを保つ保持力発生部102と、を備えている。
【0114】
連結解除体101は、空洞32cの内側であって自由端32tよりも奥側に配置されている。回転清掃体32は、被掃除面fに繋がる壁際や、被掃除面f上に設置される家具などの近傍で利用され得る。自由端32tは吸込口体18の左右それぞれの端部に近いので、連結解除体101が回転清掃体32の外側に露出している場合には、連結解除体101が壁や家具のような障害物に接触してしまう虞がある。連結解除体101が障害物に接触して押し込まれると、連結機構89による回転清掃体32と支持部52との連結が不意に解除されてしまう。そうすると、回転清掃体32が脱落してしまう場合がある。そこで、連結解除体101を空洞32cの内側であって自由端32tよりも奥側に配置することで、回転清掃体32と支持部52との不意の連結解除を回避できる。すなわち、回転清掃体32の不意の離脱が回避される。
【0115】
連結解除体101は、凸部96を有するアーム98を軸芯部81の内周面に近づける方向へ撓ませることが可能な傾斜面105と、自由端32tからアーム98の先端部に達する適宜の長さの棒体部106と、を備えている。
【0116】
連結解除体101が自由端32tから支持端32rの方へ向かって押し込まれると、傾斜面105は、アーム98の先端部に接触し、これを軸芯部81の内周面に近づける方向へ誘導する。傾斜面105は複数あって、複数のアーム98を実質的に同時に撓ませることができるよう、連結解除体101の先端へ向かって先細るテーパーに配置されている。
【0117】
棒体部106は、傾斜面105をアーム98に押し当てて、これを撓ませることが可能なように適宜の座屈強度を有する。
【0118】
さらに、連結機構89は、一方が連結解除体101に設けられ、他方が支持軸部93に設けられて回転清掃体32の回転中心線Crに沿って嵌まり合う案内棒107と案内穴108とを備えている。案内棒107と案内穴108とは、連結解除体101の移動を案内する。
【0119】
保持力発生部102は、凸部96を有するスリーブ状の基台97と連結解除体101との間に挟み込まれるコイルバネ109と、連結解除体101に一体に設けられてコイルバネ109に接するスリーブ状のバネ受部111と、を備えている。バネ受部111は、凸部96および凹部95を囲むように配置されている。バネ受部111は、凸部96を有するアーム98の撓みを避けるスリット状の開口部112を有している。開口部112は、アーム98と同数設けられている。アーム98は、撓みを阻害されない範囲で開口部112に入り込んでいることが好ましい。アーム98と開口部112との重なり合いは、連結解除体101が回転清掃体32の回転中心線Crの回りに回転することを妨げ、アーム98とバネ受部111の非開講部とが重なってアーム98の撓みが阻害されてしまわないよう連結解除体101を位置決めする。
【0120】
さらに、連結機構89は、いずれか一方が支持部52に一体に設けられ、いずれか他方が軸芯部81の空洞32cの中に設けられて引っ掛かり合いを解除可能なように互いに引っ掛かり合い回転清掃体32と支持部52とを回転一体化させる第二凹部115および第二凸部116を有している。第二凹部115および第二凸部116は、それぞれ複数あって環状に配置されている。第二凹部115と第二凸部116とはキー状に噛み合って支持部52から回転清掃体32へトルクを伝達する。第二凹部115および第二凸部116は、いわゆるスプライン軸、スプライン穴、セレーション軸、セレーション穴と呼ばれる。スプライン軸、セレーション軸に相当する第二凹部115および第二凸部116の一方は、凹部95および凸部96よりも支持軸部93の根元に近い部位に配置されている。支持軸部93の中心線に向かって窪む、いわゆるキー溝形状部分は、支持軸部93の先端部に達して凹部95に繋がっていてもよい。したがって、連結機構89は、回転清掃体32を支持部52から離そうとする力を凹部95と凸部96との引っ掛かり合いで支持し、支持部52から回転清掃体32に伝達されるトルクを第二凹部115と第二凸部116との引っ掛かり合いで支持している。それら役割の分担は、双方の構造を容易で簡便にし、連結機構89を回転清掃体32の空洞32c内に収容可能にする。
【0121】
図15は、本発明の実施形態に係る吸込口体の正面図である。
【0122】
図15に示すように、本実施形態に係る吸込口体18の、清掃体室63を画定する清掃体収容凹部61の後方の壁は、清掃体収容凹部61と吸塵凹部62とを間仕切りする仕切部68に繋がっている。
【0123】
仕切部68の下端縁、つまり、清掃体室63と吸込室65とを分け隔てる仕切部68の縁68eは、吸込口本体41の底面41bに平行かつ直線的であってもよいし、吸込口本体41の幅方向中央部において底面41bに近く、吸込口本体41の左右両端部において底面41bから遠くてもよいし、吸込口本体41の幅方向中央部において底面41bから遠く、吸込口本体41の左右両端部において底面41bに近くてもよい。幅方向中央部よりも左右両端部の方が底面41bから遠い縁68e(破線で示す縁68e)を有する仕切部68は、接続管42に近く負圧の作用が大きい中央部において空気の流れを絞り、接続管42から遠く負圧の作用が小さい左右両端部において空気の流れを増量させて、一般に低下しがちな吸込口本体41の幅方向両端部における除塵応力を向上できる。幅方向中央部よりも左右両端部の方が底面41bに近い縁68e(実線で示す縁68e)を有する仕切部68は、接続管42に近く負圧の作用が大きい中央部においてより多くの空気を流し、接続管42から遠く負圧の作用が小さい左右両端部において空気の流れを絞り吸込口体18の幅方向における中央部の除塵能力を最大化する。
【0124】
図16は、本発明の実施形態に係る吸込口体の吸込口本体の他の例の斜視図である。
【0125】
図17は、本発明の実施形態に係る吸込口体の吸込口本体の他の例の断面図である。
【0126】
図16および図17に示すように、本実施形態に係る吸込口体18は、一対の回転清掃体32のそれぞれの自由端32tを覆い隠す側壁83を有していてもよい。自由端32tを覆う側壁83(図6におけるハッチング領域)は、一対の回転清掃体32の回転中心線Crの延長線上にあって、自由端32tに向かい合う内壁面83iを有している。図17の例では、清掃体収容凹部61の内壁面83iは、回転清掃体32の自由端32tから隙間を隔てて離れている。
【0127】
側壁83は、吸込口本体41に着脱可能に装着される蓋部117を含んでいる。蓋部117を吸込口本体41の側壁83から取り外すと、図6に示すような、回転清掃体32の外観形状に沿う円弧状の縁83eが現れる。つまり、蓋部117を吸込口本体41の側壁83から取り外すと、回転清掃体32を容易に吸込口本体41へ着脱することができる。
【0128】
吸込口本体41は、蓋部117を着脱可能、または開閉可能に保持する保持部118を備えている。保持部118は、吸込口本体41の側面および正面を避けて吸込口本体41の上面または背面に配置されていることが好ましい。保持部118は、蓋部117と吸込口本体41とに設けられて相互に引っ掛かり合う凹部と凸部とを備えていればよい。蓋部117は、保持部118の凹部と凸部との引っ掛かりを解除することで取り外し可能、または保持部118の凹部と凸部との引っ掛かりを支点にして蝶番のように開閉可能であればよい。
【0129】
次に、本実施形態に係る吸込口体18の他の例を説明する。なお、各例で説明する吸込口体18A、18B、18Cにおいて、第一例の吸込口体18と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0130】
図18は、本発明の実施形態に係る吸込口体の第二例を示す模式図である。
【0131】
図18に示すように、本実施形態に係る第二例の吸込口体18Aは、被掃除面fに底面41bを向けて吸込口本体41を接地させると、支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる一対の回転清掃体32Aを備えている。一対の回転清掃体32Aのそれぞれの清掃部材82Aは、回転清掃体32Aの支持端32rよりも自由端32tに近い箇所で吸込口本体41の底面41bから長く突出している。
【0132】
吸込口体18Aの一対の回転清掃体32Aは、第一例の吸込口体18の一対の回転清掃体32と同様に吸込口本体41の左右方向へ一直線に延びる回転中心線Crを有している。つまり、吸込口体18Aの支持部52は、第一例の吸込口体18の支持部52と同様に一対の回転清掃体32Aを同一の回転中心線Cr上に支持する。
【0133】
一対の回転清掃体32Aのそれぞれは、支持端32r側の外径よりも自由端32t側の外径の方が大きい逆テーパーを有している。一対の回転清掃体32Aのそれぞれは、錐台形状の軸芯部81Aと、軸芯部81Aの外周に設けられる清掃部材82Aと、を備えている。
【0134】
清掃部材82Aは、一様な毛足の長さを有するブラシ毛であることが好ましい。つまり、軸芯部81Aは、回転清掃体32Aと同様の逆テーパーを有していることが好ましく、軸芯部81Aのテーパー角、テーパー比は、回転清掃体32Aのテーパー角、テーパー比と同じであることが好ましい。
【0135】
支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる回転清掃体32Aは、支持端32rから自由端32tに近づくほど、清掃部材82Aと被掃除面fとの間に作用する力を増加させる。そのため、回転清掃体32Aに巻き付いた糸状の塵埃に作用する、自由端32tに送り出す力は、自由端32tに近づけば近づくほど大きくなる。仮に糸状の塵埃の一部が回転清掃体32Aに巻き付いてしまった場合であっても、この糸状の塵埃は、第一例の吸込口体18に比べてより大きな力で自由端32tへ導かれて回転清掃体32Aから離脱する。
【0136】
図19は、本発明の実施形態に係る吸込口体の第三例を示す模式図である。
【0137】
図19に示すように、本実施形態に係る第三例の吸込口体18Bは、被掃除面fに底面41bを向けて吸込口本体41を接地させると、支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる一対の回転清掃体32Bを備えている。一対の回転清掃体32Bのそれぞれの清掃部材82Bは、支持端32rよりも自由端32tに近い箇所で吸込口本体41の底面41bから長く突出している。
【0138】
吸込口体18Bの一対の回転清掃体32Bは、第一例の吸込口体18の一対の回転清掃体32と同様に吸込口本体41の左右方向へ一直線に延びる回転中心線Crを有している。つまり、吸込口体18Bの支持部52は、第一例の吸込口体18の支持部52と同様に一対の回転清掃体32Bを同一の回転中心線Cr上に支持する。
【0139】
一対の回転清掃体32Bのそれぞれは、支持端32r側の外径よりも自由端32t側の外径の方が大きい逆テーパーを有している。一対の回転清掃体32Bのそれぞれは、筒形状の軸芯部81Bと、軸芯部81Bの外周に設けられる清掃部材82Bと、を備えている。
【0140】
軸芯部81Bは、第一例の軸芯部81と同様に一様な外径の筒形状を有していることが好ましい。つまり、清掃部材82Bは、支持端32r側に毛足の短いブラシ毛を有し、自由端32t側に毛足の長いブラシ毛を有して回転清掃体32Bの逆テーパーを描いている。したがって、清掃部材82Bのテーパー角、テーパー比は、回転清掃体32Aのテーパー角、テーパー比そのものである。清掃部材82Bのテーパーは、軸芯部81Bに予め毛足の長いブラシ毛を植え込み、これを切断することで整えることができる。
【0141】
支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる回転清掃体32Bは、支持端32rから自由端32tに近づくほど、清掃部材82Bと被掃除面fとの間に作用する力を増加させる。そのため、回転清掃体32Bに巻き付いた糸状の塵埃に作用する、自由端32tに送り出す力は、自由端32tに近づけば近づくほど大きくなる。仮に糸状の塵埃の一部が回転清掃体32Bに巻き付いてしまった場合であっても、この糸状の塵埃は、第一例の吸込口体18に比べてより大きな力で自由端32tへ導かれて回転清掃体32Bから離脱する。
【0142】
図20は、本発明の実施形態に係る吸込口体の第四例を示す模式図である。
【0143】
図20に示すように、本実施形態に係る第四例の吸込口体18Cは、被掃除面fに底面41bを向けて吸込口本体41を接地させると、支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる一対の回転清掃体32を備えている。一対の回転清掃体32のそれぞれの清掃部材82は、支持端32rよりも自由端32tに近い箇所で吸込口本体41の底面41bから長く突出している。
【0144】
吸込口体18Cの支持部52Cは、第一例の吸込口体18の支持部52と異なり一対の回転清掃体32を傾けて支持している。支持部52Cは、一対の回転清掃体32の支持端32r側よりも自由端32t側が被掃除面fに近くなるよう一対の回転清掃体32を支持している。
【0145】
したがって、吸込口体18Cの一対の回転清掃体32Aは、第一例の吸込口体18の一対の回転清掃体32と異なり交差する一対の回転中心線Crを有している。つまり、吸込口体18Cの支持部52Cは、第一例の吸込口体18の支持部52と異なり一対の回転清掃体32を交差する一対の回転中心線Cr上に支持する。
【0146】
支持部52Cは、一対の支持軸部93が互いに傾いた状態であっても一体に回転可能なように一対の支持軸部93を連結する自在継手121を備えている。支持部52Cは、自在継手121に代えて一対の支持軸部93の傾きに追従可能な蛇腹やコイルバネを備えていてもよい。
【0147】
また、支持部52Cは、一対の支持軸部93のそれぞれに設けられる一対の支持軸基部92と、一対の支持軸基部92のそれぞれを回転可能に支持する一対の軸受91と、を備えている。
【0148】
吸込口体18Cは、逆V字形状に配置される一対の回転清掃体32を備えているので、一対の回転清掃体32と同様に逆V字形状の清掃体室63を画定する清掃体収容凹部61Cを備えることが好ましい。
【0149】
支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる回転清掃体32は、支持端32rから自由端32tに近づくほど、清掃部材82と被掃除面fとの間に作用する力を増加させる。そのため、回転清掃体32に巻き付いた糸状の塵埃に作用する、回転清掃体32の自由端32tに送り出す力は、自由端32tに近づけば近づくほど大きくなる。仮に糸状の塵埃の一部が回転清掃体32に巻き付いてしまった場合であっても、この糸状の塵埃は、第一例の吸込口体18に比べてより大きな力で回転清掃体32の自由端32tへ導かれて回転清掃体32から離脱する。
【0150】
以上のように、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、支持端32rの側が自由端32tの側よりも回転方向に先行するように配置される清掃部材82、82A、82Bを有する回転清掃体32、32A、32Bを備えている。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32に糸状の塵埃が巻き付いた場合には、これを回転清掃体32の自由端32tへ導き、排出させることができる。したがって、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32に巻き付いた塵埃を除去するために使用者の手を煩わせることがなく、また、巻き付いた塵埃によって回転清掃体32の回転が阻害されることもなく、使用者に高い利便性を提供できる。さらに、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、左回転清掃体32Lの自由端32tおよび右回転清掃体32Rの自由端32tよりも吸込口本体41の左右方向外側に回転清掃体32を支えておくための構造、および回転清掃体32を回転させるための機構を必要としない。したがって、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、吸込口本体41の全幅に渡って回転清掃体32による塵埃の掻き上げを行うことができる。
【0151】
また、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bを支持部52、52Cに着脱可能に連結する連結機構89を備えている。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bと支持部52との境界に糸状の塵埃が偶然入り込んで支持軸部93に巻き付いてしまった場合には、支持部52、52Cから回転清掃体32、32A、32Bを取り外すことで支持軸部93に巻き付いてしまった糸状の塵埃を容易に除去することができる。
【0152】
さらに、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bの回転中心線Crの延長線上にあって、回転清掃体32、32A、32Bの自由端32tから離れて向かい合う内壁面83iを有する吸込口本体41を備えている。この内壁面83iを有する吸込口本体41の側壁83は、自由端32tに障害物が接触することを防ぐことができる肉厚を有する限度で薄くてよい。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、吸込口本体41の全幅に渡って回転清掃体32による塵埃の掻き上げを行うことができる。
【0153】
また、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、支持部52、52Cおよび一対の回転清掃体32、32A、32Bが一括して配置される清掃体室63を有する吸込口本体41を備えていてもよいし、一対の回転清掃体32、32A、32Bのそれぞれが個別に配置される一対の清掃体室63を有する吸込口本体41を備えていてもよい。
【0154】
また、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bの後方に配置され、かつ回転清掃体32、32A、32Bに沿って配置され、回転清掃体32、32A、32Bが掻き上げる塵埃を吸い込む負圧を作用させることが可能な吸塵凹部62を有する吸込口本体41を備えている。そうすると、回転清掃体32、32A、32Bに巻き付こうとしている糸状の塵埃は、回転清掃体32、32A、32Bと被掃除面fとの設置箇所における接線に近い方向へ向かうようにして吸塵凹部62へ送り出される。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bに糸状の塵埃が巻き付くことを未然に防止することができる。
【0155】
また、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、一対の回転清掃体32の自由端32tの近傍まで延びる吸塵凹部62を有している。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bの自由端32tから排出される糸状の塵埃を速やかに吸い取ることができる。
【0156】
さらに、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、清掃体収容凹部61、61Cと吸塵凹部62との間にあって前記本体の底面に向かって垂れ下がるように延びる仕切部68を有する吸込口本体41を備えている。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、吸込口本体41の幅方向において吸塵凹部62に作用する負圧の分布を適宜に調整できる。
【0157】
また、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、吸込口本体41の幅方向において中央部よりも左右両端部の方が吸込口本体41の底面41bから遠い仕切部68を備えている。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、一般に低下しがちな吸込口本体41の幅方向両端部における除塵応力を向上できる。
【0158】
さらに、本実施形態に係る吸込口体18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、被掃除面fに底面41bを向けて接地させると、支持端32r側よりも自由端32t側の方が被掃除面fに強く押し当てられる回転清掃体32、32A、32Bを備えている。そのため、吸込口体18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、支持端32rから自由端32tに渡って実質的に均一な力で被掃除面fに回転清掃体32を押し当てる場合に比べて、より大きな力で糸状の塵埃を回転清掃体32、32A、32Bの自由端32tへ導き、これを離脱させることができる。
【0159】
さらに、本実施形態に係る吸込口体18A、18Bおよび電気掃除機1は、支持端32r側の外径よりも自由端32t側の外径の方が大きい逆テーパーを有する回転清掃体32A、32Bを備えている。そのため、吸込口体18A、18Bおよび電気掃除機1は、回転清掃体32A、32Bの支持端32r側よりも自由端32t側の方を被掃除面fに容易に強く押し当てることができる。
【0160】
また、本実施形態に係る吸込口体18Aおよび電気掃除機1は、錐台形状の軸芯部81と、軸芯部81の外周に設けられる清掃部材82Aと、を有する回転清掃体32Aを備えている。そのため、吸込口体18Aおよび電気掃除機1は、一応な毛足を有する清掃部材82Aを用いて回転清掃体32Aの支持端32r側よりも自由端32t側の方を被掃除面fに容易に強く押し当てることができる。
【0161】
さらに、本実施形態に係る吸込口体18Bおよび電気掃除機1は、筒形状の軸芯部81と、軸芯部81の外周に設けられる清掃部材82Bと、を有する回転清掃体32Bを備えている。そのため、吸込口体18Bおよび電気掃除機1は、眺めの毛足を有する清掃部材82Bを追加工することで回転清掃体32Bの支持端32r側よりも自由端32t側の方を被掃除面fに容易に強く押し当てることができる。
【0162】
また、本実施形態に係る吸込口体18Cおよび電気掃除機1は、支持端32r側よりも自由端32t側が被掃除面fに近くなるよう一対の回転清掃体32を支持する支持部52Cを備えている。そのため、吸込口体18Cおよび電気掃除機1は、円筒形状の外形を有する一般的な回転清掃体32を用いて回転清掃体32の支持端32r側よりも自由端32t側の方を被掃除面fに容易に強く押し当てることができる。
【0163】
さらに、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、吸込口本体41と一対の回転清掃体32の自由端32tとの間に設けられるシール部84を備えている。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bに巻き付こうとしている糸状の塵埃を排出する一方で、清掃体収容凹部61、61Cを介して吸込負圧が低下することを防いで吸込性能を保つことができる。
【0164】
また、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、吸込口本体41と一対の回転清掃体32の自由端32t以外の部位との間の隙間よりも狭い、吸込口本体41と一対の回転清掃体32の自由端32tとの間の隙間を有する。そのため、吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1は、回転清掃体32、32A、32Bに巻き付こうとしている糸状の塵埃を排出する一方で、清掃体収容凹部61、61Cを介して吸込負圧が低下することを防いで吸込性能を保つことができる。
【0165】
したがって、本実施形態に係る吸込口体18、18A、18B、18Cおよび電気掃除機1によれば、回転清掃体32、32A、32Bに糸状の塵埃が巻き付き始めた場合には、回転清掃体32、32A、32Bに糸状の塵埃が絡み付かないよう排出できる。
【0166】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
1…電気掃除機、11…二次電池、12…電動送風機、15…把手、16…本体、17…延長管、18、18A、18B、18C…吸込口体、21…本体ケース、21a…前部、21b…中央部、21c…後部、22…塵埃分離集塵部、23…本体制御部、25…吸込口、26…入力部、28…本体接続口、29…排気口、31…電池装着部、32、32A、32B…回転清掃体、32L…左回転清掃体、32R…右回転清掃体、32r…支持端、32t…自由端、32c…空洞、33…電動機、33a…出力軸、41…吸込口本体、41b…底面、41b…底面、42…接続管、45…下ケース、46…上ケース、48…回転接続管、49…揺動接続管、52、52C…支持部、53…動力伝達機構、55…吸込口体制御部、61、61C…清掃体収容凹部、62…吸塵凹部、63…清掃体室、65…吸込室、68…仕切部、72…風路狭窄管、75…転、76…線状清掃体、77…電動機室、78…機械室、79…制御室、81、81A、81B…軸芯部、82、82A、82B…清掃部材、83…側壁、83i…内壁面、83e…円弧状の縁、84…シール部、85…軸受ハウジング、86…ドライブプーリー、87…ドリブンプーリー、88…ベルト、89…連結機構、91…軸受、92…支持軸基部、93…支持軸部、93L…左支持軸部、93R…右支持軸部、95…凹部、96…凸部、97…基台、98…アーム、101…連結解除体、102…保持力発生部、105…傾斜面、106…棒体部、107…案内棒、108…案内穴、109…コイルバネ、111…バネ受部、112…開口部、115…第二凹部、116…第二凸部、117…蓋部、118…保持部、121…自在継手。
【要約】
【課題】回転清掃体に糸状の塵埃が巻き付き始めた場合には、回転清掃体に糸状の塵埃が絡み付かないよう排出可能な吸込口体、および電気掃除機を提案する。
【解決手段】吸込口体18は、回転することで被掃除面上の塵埃を掻き上げ可能な一対の回転清掃体32と、一対の回転清掃体32を回転させる駆動力を出力する駆動源としての電動機33と、一対の回転清掃体32に挟まれて一対の回転清掃体32を回転可能かつ片持ち状に支持する支持部52と、電動機33から支持部52に駆動力を伝達して一対の回転清掃体32を回転させる動力伝達機構53と、を備え、一対の回転清掃体32は、支持端32rの側が自由端32tの側よりも回転方向に先行するよう配置される清掃部材82を有している。
【選択図】 図6
図1
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図5
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図7
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図10
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