(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム並びにエネルギー貯蔵及びエネルギー放出方法
(51)【国際特許分類】
F24H 7/04 20060101AFI20241025BHJP
F02C 1/05 20060101ALI20241025BHJP
F04B 41/06 20060101ALI20241025BHJP
F24H 7/02 20220101ALI20241025BHJP
F28D 20/00 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
F24H7/04 C
F02C1/05
F04B41/06
F24H7/02 602A
F24H7/02 602Z
F28D20/00 Z
(21)【出願番号】P 2023513964
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2021095843
(87)【国際公開番号】W WO2022222219
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202120800207.2
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110420392.7
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520414480
【氏名又は名称】中国長江三峡集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】謝 寧寧
(72)【発明者】
【氏名】藺 新星
(72)【発明者】
【氏名】尹 立坤
(72)【発明者】
【氏名】孫 長平
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109140797(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109059318(CN,A)
【文献】特開2002-257422(JP,A)
【文献】特表2016-505126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D3/00-3/18
F24H1/00,7/00-7/06
F02C1/05
F04B41/06
F28D20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填床蓄熱装置(1)と蓄熱回路(2)と放熱回路(3)と貯気回路(4)と光熱回路(5)と暖房回路(6)と冷房回路(7)とを備え
、
前記充填床蓄熱装置(1)は、充填床(11)と前記充填床(11)の液体排出端に接続された貯液タンク(12)とを備え、伝熱性液状媒質が流通し、
前記充填床(11)は、前記伝熱性液状媒質の熱を吸収し、前記充填床(11)の液体注入口端は、圧力安定化システム(13)に接続され、
前記貯液タンク(12)は、前記充填床(11)から排出された前記伝熱性液状媒質を貯蔵し、
前記蓄熱回路(2
)は、前記充填床蓄熱装置(1)
の前記充填床(11)と前記貯液タンク(12)とに接続し
て前記伝熱性液状媒質の熱を蓄熱し、
前記放熱回路(3)は、前記充填床蓄熱装置(1)の前記充填床(11)と前記貯液タンク(12)とに接続して前記伝熱性液状媒質の熱を放熱し、
前記貯気回路(4)は、前記蓄熱回路(2)の蓄熱熱交換器(21)と前記放熱回路(3)の放熱熱交換器(31)
とに接続し
て、第1の高温高圧空気が前記蓄熱熱交換器(21)で前記伝熱性液状媒質と熱交換された低温高圧空気であって、前記放熱熱交換器(31)で前記伝熱性液状媒質と熱交換される、低温高圧空気を貯蔵し、
前記光熱回路(5)は
、前記蓄熱回路(2)に接続し
て前記蓄熱回路(2)から流入する前記伝熱性液状媒質を加熱し、前記伝熱性液状媒質が前記充填床蓄熱装置(1)を通って前記蓄熱回路(2)と前記放熱回路(3)とを加熱し、
前記暖房回路(6)は
、前記放熱回路(3)と前記光熱回路(5)
とに接続し
て前記伝熱性液状媒質を用いて暖房を提供し、
前記冷房回路(7)は
、前記充填床蓄熱装置(1)と前記光熱回路(5)
とに接続し
て前記伝熱性液状媒質を用いて冷房を提供する、
ことを特徴とす
る圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記蓄熱回路(2)は、蓄熱管路と
、前記蓄熱管路に直列に接続された
前記蓄熱熱交換器(21)及び低温
キャンドポンプ(22)と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
前記蓄熱熱交換器(21)
は、前記蓄熱回路(2)側において、室温空気を前記第1の高温高圧空気に変換して前記第1の高温高圧空気を前記蓄熱熱交換器(21)に届ける圧縮機(23)
に接続され、
前記放熱熱交換器(31)は、前記放熱回路(3)側において、前記放熱熱交換器(31)から排出された第2の高温高圧空気に駆動されて仕事をする膨張機(33)に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記放熱回路(3)は、放熱管路と
、前記放熱管路に直列に接続された
前記放熱熱交換器(31)及び高温
キャンドポンプ(32)と
、を備え、前記放熱管路は膨張タンク(34)に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記貯気回路(4)は、貯気タンク(41)と
、前記貯気タンク(41)に接続された給気管路及び排気管路と
、を備え、前記給気管
路は、前記蓄熱熱交換器(21
)に接続され、前記排気管路は
、前記放熱熱交換器(31)と気源管(42)
とに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記光熱回路(5)は、光熱管路と
、前記光熱管路に直列に接続された光集熱システム(51)及び電気加熱装置(52)と
、を備え、前記光熱管路は前記蓄熱回路(2)と前記暖房回路(6)と
前記冷房回路(7)
とに接続する、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記暖房回路(6)は、暖房熱交換器(61)と
、前記暖房熱交換器(61)に接続された暖房用端末(62)と
、を備え、前記暖房熱交換器(61)は、
前記放熱回路(3)と
前記光熱回路(5)
とに接続する、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記冷房回路(7)は、吸収式冷凍システム(71)と
、前記吸収式冷凍システム(71)に接続された冷房用端末(72)と
、を備え、前記吸収式冷凍システム(71)は、前記蓄熱回路(2)と前記光熱回路(5)
とに接続する、
ことを特徴とする請求項1に記載
の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記蓄熱回路(2)は、蓄熱管路と、前記蓄熱管路に直列に接続された前記蓄熱熱交換器(21)及び低温キャンドポンプ(22)と、を備え、
前記蓄熱熱交換器(21)は、圧縮機(23)に接続され、前記放熱熱交換器(31)は、膨張機(33)に接続され、
前記放熱回路(3)は、放熱管路と、前記放熱管路に直列に接続された前記放熱熱交換器(31)及び高温キャンドポンプ(32)と、を備え、前記放熱管路は膨張タンク(34)に接続され、
前記貯気回路(4)は、貯気タンク(41)と、前記貯気タンク(41)に接続された給気管路及び排気管路と、を備え、前記給気管路は、前記蓄熱熱交換器(21)に接続され、前記排気管路は、前記放熱熱交換器(31)と気源管(42)とに接続され、
前記光熱回路(5)は、光熱管路と、前記光熱管路に直列に接続された光集熱システム(51)及び電気加熱装置(52)と、を備え、前記光熱管路は前記蓄熱回路(2)と前記暖房回路(6)と前記冷房回路(7)とに接続し、
前記暖房回路(6)は、暖房熱交換器(61)と、前記暖房熱交換器(61)に接続された暖房用端末(62)と、を備え、前記暖房熱交換器(61)は、前記放熱回路(3)と前記光熱回路(5)とに接続し、
前記冷房回路(7)は、吸収式冷凍システム(71)と、前記吸収式冷凍システム(71)に接続された冷房用端末(72)と、を備え、前記吸収式冷凍システム(71)は、前記蓄熱回路(2)と前記光熱回路(5)とに接続する、
請求項1に記載の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵及びエネルギー放出方法であって、
前記圧縮機(23)から排出された
前記第1の高温高圧空気が
前記蓄熱熱交換器(21)に流入し、
前記蓄熱熱交換器(21)が熱を吸収した後、
前記蓄熱回路(2)内の低温伝熱性液状媒質と熱変換を行うサブステップS1-1と、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が
前記蓄熱回路(2)に入り、
前記低温
キャンドポンプ(22)が
前記蓄熱回路(2)内の
前記伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、
前記伝熱性液状媒質が
前記蓄熱熱交換器(21)の熱を連続的に吸収し、同時に
前記第1の高温高圧空気を冷却した後形成された低温高圧空気を
前記貯気タンク(41)に入れて貯蔵するサブステップS1-2と、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が設定温度値に達する場合、或いは
前記貯気タンク(41)内の
前記低温高圧空気が設定値に達する場合、エネルギー貯蔵工程を終えるサブステップS1-3と
、の経由で、
前記圧縮機(23)及び
前記低温
キャンドポンプ(22)を始動して
前記第1の高温高圧空気を
前記低温高圧空気に変換して
前記低温高圧空気を
前記貯気タンク(41)に貯蔵するエネルギー貯蔵工程S1と、
前記貯気タンク(41)内の
前記低温高圧空気が
前記放熱熱交換器(31)に入り、
前記放熱熱交換器(31)が熱を吸収した後
前記貯気回路(4)中の
前記低温高圧空気と熱変換を行うサブステップS2-1と、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が
前記放熱回路(3)に入り、
前記高温
キャンドポンプ(32)が
前記放熱回路(3)内の
前記伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、
前記伝熱性液状媒質がその熱を
前記放熱熱交換器(31)に連続的に伝え、同時に
前記低温高圧空気が熱を吸収した後
第2の高温高圧空気を形成して
前記膨張機(33)を駆動して仕事をするサブステップS2-2と、
前記貯気タンク(41)内の
前記低温高圧空気が設定値に達する場合、或いは
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が設定値に達する場合、エネルギー放出工程を終えるサブステップS2-3と
、の経由で、
前記高温
キャンドポンプ(32)を始動して
前記貯気タンク(41)内の
前記低温高圧空気を
前記第2の高温高圧空気に変換し、
前記第2の高温高圧空気を
前記膨張機(33)に届けて仕事をするエネルギー放出工程S2と、
前記圧縮機(23)が作動していない場合、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が
前記低温
キャンドポンプ(22)の駆動下で
前記光熱回路(5)に入り、次いで
前記電気加熱装置(52)に加熱された後
前記充填床(11)に入り、その後
前記貯液タンク(12)に戻る電気加熱工程S3と、
前記圧縮機(23)が作動していない場合、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が
前記低温
キャンドポンプ(22)の駆動下で
前記光熱回路(5)に入り、次いで
前記光集熱システム(51)に加熱された後
前記充填床(11)に入り、その後
前記貯液タンク(12)に戻る電気加熱工程S4と、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が
前記放熱回路(3)に入り、次いで
前記高温
キャンドポンプ(32)の駆動下で
前記暖房回路(6)に入った後
前記充填床(11)に入り、その後
前記貯液タンク(12)に戻り、その過程中に
前記暖房熱交換器(61)が
前記伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収した後
前記暖房用端末(62)に熱を届ける暖房工程S5と、
前記貯液タンク(12)内の
前記伝熱性液状媒質が
前記放熱回路(3)に入り、次いで
前記高温
キャンドポンプ(32)の駆動下で
前記吸収式冷凍システム(71)に入り、
前記吸収式冷凍システム(71)が
前記伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収し仕事をして冷気を
前記冷房用端末(72)に供給し、その後
前記伝熱性液状媒質が
前記貯液タンク(12)に戻る暖房工程S6と、
前記気源管(42)を開いて
前記貯気タンク(41)内の
前記低温高圧空気が
前記気源管(42)に入り、S1において前記放熱回路(3)がオフ状態にある中で、
前記貯気タンク(41)の
前記排気管路が止まり、
前記給気管路が通じ、S2において前記蓄熱回路(2)がオン状態にある中で、
前記貯気タンク(41)の
前記排気管路が通じ、
前記給気管路が留まるガス供給工程S7と、を含む、
ことを特徴とす
るエネルギー貯蔵及びエネルギー放出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギー貯蔵の技術的分野に関し、特に多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮空気によるエネルギー貯蔵システムでは、エネルギーを放出している間に空気タービンで発電を行うため、高圧空気の膨張及び冷却作用がその過程でユーザーに冷却エネルギーを生成し提供することができ、更に圧縮熱を回収するための蓄熱サブシステム内に回収熱を介して加熱及びエネルギー放出を行う時の高圧空気を利用できるだけでなく、ユーザーに用水と暖房を提供する。特許文献1は、電力出力や冷房モや暖房等のモジュールを含む高機能の分散型多源併用の圧縮空気エネルギー貯蔵システム及びその適用方法を開示したが、それは、様々な季節におけるユーザーの負荷需要を満たすが、再燃焼技術を採用するので完全にゼロ汚染を達成しない。同様に、特許文献2は、圧縮機の熱を回収し、太陽熱集熱装置が熱を供給するという技術的手段を含む高機能の多源相補冷熱電併用の圧縮空気エネルギー貯蔵システム及びその適用方法を開示したが、依然として再燃焼技術を採用している。特許文献3は、冷熱電併用の圧縮空気エネルギー貯蔵システムを開示し、再燃焼技術を採用する上に、冷、熱、電気を供給するための様々な要件を満たすが、蓄熱システムをさらに最適化すべきである。
【0003】
前述の技術的手段は、電力出力や冷房や暖房や給気などの多目的機能を同時に満足できなく、エネルギー貯蔵の過程で温度が運転温度に達しなかったら、タービン効率が低下し、システムが不安定になる。まだ、それらは連続的な冷房及び暖房を提供できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許出願公開第109826708号明細書
【文献】中国特許第107299891号明細書
【文献】中国特許第107939654号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結構が簡単であるとういう技術的問題を解決しようとする本発明は、蓄熱回路と放熱回路がそれぞれ充填床蓄熱装置を接続し、蓄熱回路の蓄熱熱交換器と放熱回路の放熱熱交換器がそれぞれ貯気回路に接続し、光熱回路が蓄熱回路に接続し、暖房回路が放熱回路と光熱回路に接続し、冷房回路が充填床蓄熱装置と光熱回路に接続し、光熱回路が蓄熱回路と放熱回路を加熱することで多目的機能を同時に備え、システムの安定した仕事性能及び効率を向上させ、連続的な暖房及び冷房を実現する多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本発明で採用される技術手段は、以下である。
充填床蓄熱装置と蓄熱回路と放熱回路と貯気回路と光熱回路と暖房回路と冷房回路とを備え、前記蓄熱回路と前記放熱回路はそれぞれ充填床蓄熱装置に接続し、前記蓄熱回路の蓄熱熱交換器と前記放熱回路の放熱熱交換器はそれぞれ前記貯気回路に接続し、前記光熱回路は前記蓄熱回路に接続し、前記暖房回路は前記放熱回路と前記光熱回路に接続し、前記冷房回路は前記充填床蓄熱装置と前記光熱回路に接続し、前記光熱回路は前記蓄熱回路と前記放熱回路を加熱する多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0007】
前記充填床蓄熱装置は、充填床と前記充填床の液体排出端に接続された貯液タンクとを備え、前記蓄熱回路と前記放熱回路は、それぞれ前記充填床と前記貯液タンクに接続し、前記充填床の液体注入口端は圧力安定化システムに接続される。
【0008】
前記蓄熱回路は、蓄熱管路と前記蓄熱管路に直列に接続された蓄熱熱交換器及び低温缶詰ポンプとを備える。
【0009】
前記蓄熱熱交換器及び前記放熱熱交換器は、それぞれ圧縮機と膨張機に接続される。
【0010】
前記放熱回路は、放熱管路と前記放熱管路に直列に接続された放熱熱交換器及び高温缶詰ポンプとを備え、前記放熱管路は膨張タンクに接続される。
【0011】
前記貯気回路は、貯気タンクと前記貯気タンクに接続された給気管路及び排気管路とを備え、前記給気管路と前記排気管路は、それぞれ前記蓄熱熱交換器と前記放熱熱交換器に接続され、前記排気管路は気源管に接続される。
【0012】
前記光熱回路は、光熱管路と前記光熱管路に直列に接続された光集熱システム及び電気加熱装置とを備え、前記光熱管路は前記蓄熱回路と前記暖房回路と冷房回路に接続する。
【0013】
前記暖房回路は、暖房熱交換器と前記暖房熱交換器に接続された暖房用端末とを備え、前記暖房熱交換器は、放熱回路と光熱回路に接続する。
【0014】
前記冷房回路は、吸収式冷凍システムと前記吸収式冷凍システムに接続された冷房用端末とを備え、前記吸収式冷凍システムは、前記蓄熱回路と前記光熱回路に接続する。
【0015】
圧縮機から排出された高温高圧空気が蓄熱熱交換器に流入し、蓄熱熱交換器が熱を吸収した後、蓄熱回路内の低温伝熱性液状媒質と熱変換を行うサブステップS1-1と、
貯液タンク内の伝熱性液状媒質が蓄熱回路に入り、低温缶詰ポンプが蓄熱回路内の伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、伝熱性液状媒質が蓄熱熱交換器の熱を連続的に吸収し、同時に高温高圧空気を冷却した後形成された低温高圧空気を貯気タンクに入れて貯蔵するサブステップS1-2と、
貯液タンク内の伝熱性液状媒質が設定温度値に達する場合、或いは貯気タンク内の低温高圧空気が設定値に達する場合、エネルギー貯蔵工程を終えるサブステップS1-3との経由で、
圧縮機及び低温缶詰ポンプを始動して高温高圧空気を低温高圧空気に変換して低温高圧空気を貯気タンクに貯蔵するエネルギー貯蔵工程S1と、
貯気タンク内の低温高圧空気が放熱熱交換器に入り、放熱熱交換器が熱を吸収した後貯気回路中の低温高圧空気と熱変換を行うサブステップS2-1と、
貯液タンク内の伝熱性液状媒質が放熱回路に入り、高温缶詰ポンプが放熱回路内の伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、伝熱性液状媒質がその熱を放熱熱交換器に連続的に伝え、同時に低温高圧空気が熱を吸収した後高温高圧空気を形成して膨張機を駆動して仕事をするサブステップS2-2と、
貯気タンク内の低温高圧空気が設定値に達する場合、或いは貯液タンク内の伝熱性液状媒質が設定値に達する場合、エネルギー放出工程を終えるサブステップS2-3との経由で、
高温缶詰ポンプを始動して貯気タンク内の低温高圧空気を高温高圧空気に変換し、高温高圧空気を膨張機に届けて仕事をするエネルギー放出工程S2と、
圧縮機が作動していない場合、貯液タンク内の伝熱性液状媒質が低温缶詰ポンプの駆動下で光熱回路に入り、次いで電気加熱装置に加熱された後充填床に入り、その後貯液タンクに戻る電気加熱工程S3と、
圧縮機が作動していない場合、貯液タンク内の伝熱性液状媒質が低温缶詰ポンプの駆動下で光熱回路に入り、次いで光集熱システムに加熱された後充填床に入り、その後貯液タンクに戻る電気加熱工程S4と、
貯液タンク内の伝熱性液状媒質が放熱回路に入り、次いで高温缶詰ポンプの駆動下で暖房回路に入った後充填床に入り、その後貯液タンクに戻り、その過程中に暖房熱交換器が伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収した後暖房用端末に熱を届ける暖房工程S5と、
貯液タンク内の伝熱性液状媒質が放熱回路に入り、次いで高温缶詰ポンプの駆動下で吸収式冷凍システムに入り、吸収式冷凍システムが伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収し仕事をして冷気を冷房用端末に供給し、その後伝熱性液状媒質が貯液タンクに戻る暖房工程S6と、
気源管を開いて貯気タンク内の低温高圧空気が気源管に入り、S1において前記放熱回路がオフ状態にある中で、貯気タンクの排気管路が止まり、給気管路が通じ、S2において前記放熱回路がオン状態にある中で、貯気タンクの排気管路が通じ、給気管路が留まるガス供給工程S7とを含む、
前記の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵及びエネルギー放出方法。
【0016】
充填床蓄熱装置と蓄熱回路と放熱回路と貯気回路と光熱回路と暖房回路と冷房回路とを備え、蓄熱回路と放熱回路はそれぞれ充填床蓄熱装置を接続し、蓄熱回路の蓄熱熱交換器と放熱回路の放熱熱交換器はそれぞれ貯気回路に接続し、光熱回路は蓄熱回路に接続し、暖房回路は放熱回路と光熱回路に接続し、冷房回路は充填床蓄熱装置と光熱回路に接続し、光熱回路は蓄熱回路と放熱回路を加熱することを特徴とする多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム及びその方法。本発明は、伝統的なシステムが多目的機能を満たさなく、エネルギー貯蔵プロセスにおいて温度が要件を満たさないと仕事効率の低下によってシステム不安定性が引き起こされるという問題を克服し、簡単な結構と多目的機能を兼ね、システムの安定した仕事性能及び効率を向上させ、連続的な暖房及び冷房を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明による充填床蓄熱装置の構造図である。
【
図6】本発明による光熱回路と蓄熱回路との接続の構造図である。
【
図7】本発明による暖房回路との接続の構造図である。
【
図8】本発明による冷房回路との接続の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を図面及び実施例と相まってさらに説明する。
【0019】
図1~8に示されたように、多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システムは、充填床蓄熱装置1と蓄熱回路2と放熱回路3と貯気回路4と光熱回路5と暖房回路6と冷房回路7とを備え、蓄熱回路2と放熱回路3はそれぞれ充填床蓄熱装置1を接続し、蓄熱回路2の蓄熱熱交換器21と放熱回路3の放熱熱交換器31はそれぞれ貯気回路4に接続し、光熱回路5は蓄熱回路2に接続し、暖房回路6は放熱回路3と光熱回路5に接続し、冷房回路7は充填床蓄熱装置1と光熱回路5に接続し、光熱回路5は蓄熱回路2と放熱回路3を加熱する。本発明は、多目的機能を兼ね、システムの安定した仕事性能及び効率を向上させ、連続的な暖房及び冷房を実現することができる。
【0020】
好ましい解決策において、充填床蓄熱装置1は、充填床11の液体排出端に接続された貯液タンク12を備え、蓄熱回路2と放熱回路3は、それぞれ充填床11と貯液タンク12を接続し、充填床11の液体注入口端には圧力安定化システム13を接続する。本解決策は、簡単な結構を備え、運転時充填床11は伝熱性液状媒質の熱を吸収するために用いられ、貯液タンク12は充填床11から排出された伝熱性液状媒質を貯蔵するために用いられる。
【0021】
好ましくは、充填床11の液体注入口端に接続された圧力安定化システム13は、システムの起動前に回路内の空気を排出するために用いられる。
【0022】
好ましくは、圧力安定化システム13は圧力安定化管路で順番に互いに接続された圧力安定化装置及び気体流量調節弁を備え、気体流量調節弁の一端を充填床11の液体注入口端に接続する。
【0023】
好ましい解決策において、蓄熱回路2は、蓄熱管路に直列に接続された蓄熱熱交換器21及び低温缶詰ポンプ22を備える。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、放熱回路3が止まると、伝熱性液状媒質は貯液タンク12から蓄熱回路2に排出され、低温缶詰ポンプ22は蓄熱管路内の伝熱性液状媒質を循環的に流動させ、伝熱性液状媒質は蓄熱熱交換器21の熱を連続的に吸収し、伝熱性液状媒質は徐々に昇温し、同時に蓄熱熱交換器21は、高温高圧空気を低温高圧空気に変換する。
【0024】
好ましい解決策において、蓄熱熱交換器21及び放熱熱交換器31は、それぞれ圧縮機23と膨張機33に接続される。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、圧縮機23は、仕事をすると、室温空気を高温高圧空気に変換して高温高圧空気を蓄熱熱交換器21に届け、放熱熱交換器31から排出された高温高圧空気は、仕事をするように膨張機33を駆動する。
【0025】
好ましい解決策において、放熱回路3は、放熱管路に直列に接続された放熱熱交換器31及び高温缶詰ポンプ32を備え、膨張タンク34を放熱管路に接続する。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、蓄熱回路2が止まると、伝熱性液状媒質は貯液タンク12から放熱回路3に排出され、高温缶詰ポンプ32は放熱管路内の伝熱性液状媒質を循環的に流動させ、放熱熱交換器31は伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収し、放熱熱交換器31は徐々に昇温し、同時に、放熱熱交換器31は低温高圧空気を高温高圧空気に変換する。
【0026】
好ましくは、膨張タンク34は、エネルギー放出プロセス中で伝熱性液状媒質の急激な温度上昇における放熱管路への圧力を相殺するために用いられる。その運転プロセスは、放熱管路の圧力が急激に上昇すると、伝熱性液状媒質の一部が膨張タンク34に快速に入り、管路の破裂を防ぐように放熱管路の圧力を下げることである。
【0027】
好ましい解決策において、貯気回路4は、貯気タンク41に接続された給気管路及び排気管路を備え、給気管路と排気管路は、それぞれ蓄熱熱交換器21と放熱熱交換器31に接続され、気源管42を排気管路に接続する。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、蓄熱段階では、貯気タンク41は蓄熱熱交換器21から排出された低温高圧空気を受け入れて貯蔵し、エネルギー放出段階では、貯気タンク41は低温高圧空気を排出して放熱熱交換器31に届ける。貯気タンク41に気体がない場合、気源としていつでも気源管42に気体を届ける可能性がある。
【0028】
好ましい解決策において、光熱回路5は、光熱管路に直列に接続された光集熱システム51及び電気加熱装置52を備え、光熱管路は蓄熱回路2と暖房回路6と冷房回路7に接続する。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、伝熱性液状媒質は、貯液タンク12から蓄熱回路2に排出され、低温缶詰ポンプ22は、蓄熱管路内の伝熱性液状媒質を光熱回路5に流入させ、次いで充填床11に入らせ、その後、貯液タンク12に戻って循環回路を形成し、光集熱システム51又は電気加熱装置52は、伝熱性液状媒質を加熱する。
【0029】
好ましくは、エネルギー放出段階では、低温缶詰ポンプ22は、それに応じて起動すると、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質を貯液タンク12の液体排出端から排出し、次いで伝熱性液状媒質の一部を放熱回路3に入れ、伝熱性液状媒質の他の部分を光熱回路5に入らせて加熱を行い、もう一度充填床11に入らせ、その後、貯液タンク12に戻させてエネルギー放出段階で伝熱性液状媒質に対し加熱を行う。
【0030】
好ましい解決策において、暖房回路6は、暖房熱交換器61に接続された暖房用端末62を備え、暖房熱交換器61は、放熱回路3と光熱回路5に接続する。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質は、放熱回路3に入り、高温缶詰ポンプ32は、伝熱性液状媒質を暖房回路6の暖房熱交換器61に流入させ、次いで充填床11に入らせ、その後、貯液タンク12に戻させ、暖房熱交換器61は、伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収した後、その熱を暖房用端末62に伝える。
【0031】
好ましくは、充填床蓄熱装置1がオフ状態にあると、低温缶詰ポンプ22又は高温缶詰ポンプ32は、起動して低温缶詰ポンプ22、光熱回路5及び暖房回路6に沿って伝熱性液状媒質を高温缶詰ポンプ32に流入させ、その後、低温缶詰ポンプ22に戻させ、光熱回路5は暖房回路6に高温高圧空気を直接供給する。
【0032】
好ましい解決策において、冷房回路7は、吸収式冷凍システム71に接続された冷房用端末72を備え、吸収式冷凍システム71は、蓄熱回路2と光熱回路5に接続する。本解決策は、簡単な結構を備え、運転中、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質は、放熱回路3に入り、高温缶詰ポンプ32は、放熱回路3に沿って伝熱性液状媒質を吸収式冷凍システム71に流入させ、吸収式冷凍システム71は仕事をして冷凍を行い、冷房用端末72に冷房を提供し、その後、伝熱性液状媒質は、貯液タンク12に戻って充填床11を通過せずに循環回路を形成する。
【0033】
好ましくは、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質は蓄熱回路2に入り、低温缶詰ポンプ22は、伝熱性液状媒質を低温缶詰ポンプ22及び光熱回路5に沿って冷房回路7に流入させ、その後、貯液タンク12に戻させて、伝熱性液状媒質は、充填床11を通過せずに、或いは光熱回路5から冷房回路7に入る途中で、一部が冷房回路7を流れて貯液タンク12に戻り、他の部分が充填床11を通過した後貯液タンク12に戻るとともに循環を形成する。
【0034】
好ましくは、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質は蓄熱回路2に入り、低温缶詰ポンプ22は、伝熱性液状媒質を低温缶詰ポンプ22及び蓄熱熱交換器21に沿って冷房回路7に流入させ、その後、貯液タンク12に戻させて、伝熱性液状媒質は、充填床11を通過せずに、或いは蓄熱熱交換器21から冷房回路7に入る途中で、一部が冷房回路7を流れて貯液タンク12に戻り、他の部分が充填床11を通過した後貯液タンク12に戻るとともに循環を形成する。
【0035】
好ましい解決策において、圧縮機23から排出された高温高圧空気が蓄熱熱交換器21に流入し、蓄熱熱交換器21が熱を吸収した後、蓄熱回路2内の低温伝熱性液状媒質と熱変換を行うサブステップS1-1と、
貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が蓄熱回路2に入り、低温缶詰ポンプ22が蓄熱回路2内の伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、伝熱性液状媒質が蓄熱熱交換器21の熱を連続的に吸収し、同時に高温高圧空気を冷却した後形成された低温高圧空気を貯気タンク41に入れて貯蔵するサブステップS1-2と、
貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が設定温度値に達する場合、或いは貯気タンク41内の低温高圧空気が設定値に達する場合、エネルギー貯蔵工程を終えるサブステップS1-3との経由で、
圧縮機23及び低温缶詰ポンプ22を始動して高温高圧空気を低温高圧空気に変換して低温高圧空気を貯気タンク41に貯蔵するエネルギー貯蔵工程S1と、
貯気タンク41内の低温高圧空気が放熱熱交換器31に入り、放熱熱交換器31が熱を吸収した後貯気回路4中の低温高圧空気と熱変換を行うサブステップS2-1と、
貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が放熱回路3に入り、高温缶詰ポンプ32が放熱回路3内の伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、伝熱性液状媒質がその熱を放熱熱交換器31に連続的に伝え、同時に低温高圧空気が熱を吸収した後高温高圧空気を形成して膨張機33を駆動して仕事をするサブステップS2-2と、
貯気タンク41内の低温高圧空気が設定値に達する場合、或いは貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が設定値に達する場合、エネルギー放出工程を終えるサブステップS2-3との経由で、
高温缶詰ポンプ32を始動して貯気タンク41内の低温高圧空気を高温高圧空気に変換し、高温高圧空気を膨張機33に届けて仕事をするエネルギー放出工程S2と、
圧縮機23が作動していない場合、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が低温缶詰ポンプ22の駆動下で光熱回路5に入り、次いで電気加熱装置 52に加熱された後充填床11に入り、その後貯液タンク12に戻る電気加熱工程S3と、
圧縮機23が作動していない場合、貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が低温缶詰ポンプ22の駆動下で光熱回路5に入り、次いで光集熱システム51に加熱された後充填床11に入り、その後貯液タンク12に戻る電気加熱工程S4と、
貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が放熱回路3に入り、次いで高温缶詰ポンプ32の駆動下で暖房回路6に入った後充填床11に入り、その後貯液タンク12に戻り、その過程中に暖房熱交換器61が伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収した後暖房用端末62に熱を届ける暖房工程S5と、
貯液タンク12内の伝熱性液状媒質が放熱回路3に入り、次いで高温缶詰ポンプ32の駆動下で吸収式冷凍システム71に入り、吸収式冷凍システム71が伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収し仕事をして冷気を冷房用端末72に供給し、その後伝熱性液状媒質が貯液タンク12に戻る暖房工程S6と、
気源管42を開いて貯気タンク41内の低温高圧空気が気源管42に入り、S1において前記放熱回路3がオフ状態にある中で、貯気タンク41の排気管路が止まり、給気管路が通じ、S2において前記放熱回路2がオン状態にある中で、貯気タンク41の排気管路が通じ、給気管路が留まるガス供給工程S7と、を含む、
前記の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵及びエネルギー放出方法。
【0036】
本方法は、蓄熱回路2を加熱することにより、伝熱性液状媒質の温度を上昇できる上に、暖房や冷房や給気等の多目的機能を兼ね、システムの安定した仕事性能及び効率を向上させ、連続的な暖房及び冷房を実現することができる。
【0037】
上記実施例はただ本発明の好ましい技術手段であり、本発明を限定するものと見なしてならなく、本願における実施例及び実施例における特徴は矛盾しない限り、互に任意に組み合わせることが可能である。本発明の保護範囲は、発明登録請求の範囲に記載の技術手段に加えて、発明登録請求の範囲に記載の技術手段における技術特徴の同等な取替手段をも保護範囲とすべきである。即ち、この範囲で行われる同等な取替改良も本発明の保護範囲に含まれるものである。
【0038】
(付記)
(付記1)
充填床蓄熱装置(1)と蓄熱回路(2)と放熱回路(3)と貯気回路(4)と光熱回路(5)と暖房回路(6)と冷房回路(7)とを備え、前記蓄熱回路(2)と前記放熱回路(3)はそれぞれ充填床蓄熱装置(1)に接続し、前記蓄熱回路(2)の蓄熱熱交換器(21)と前記放熱回路(3)の放熱熱交換器(31)はそれぞれ前記貯気回路(4)に接続し、前記光熱回路(5)は前記蓄熱回路(2)に接続し、前記暖房回路(6)は前記放熱回路(3)と前記光熱回路(5)に接続し、前記冷房回路(7)は前記充填床蓄熱装置(1)と前記光熱回路(5)に接続し、前記光熱回路(5)は前記蓄熱回路(2)と前記放熱回路(3)を加熱する、
ことを特徴とする多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0039】
(付記2)
前記充填床蓄熱装置(1)は、充填床(11)と前記充填床(11)の液体排出端に接続された貯液タンク(12)とを備え、前記蓄熱回路(2)と前記放熱回路(3)は、それぞれ前記充填床(11)と前記貯液タンク(12)に接続し、前記充填床(11)の液体注入口端は圧力安定化システム(13)に接続される、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0040】
(付記3)
前記蓄熱回路(2)は、蓄熱管路と前記蓄熱管路に直列に接続された蓄熱熱交換器(21)及び低温缶詰ポンプ(22)と、を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0041】
(付記4)
前記蓄熱熱交換器(21)及び前記放熱熱交換器(31)は、それぞれ圧縮機(23)と膨張機(33)に接続される、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0042】
(付記5)
前記放熱回路(3)は、放熱管路と前記放熱管路に直列に接続された放熱熱交換器(31)及び高温缶詰ポンプ(32)とを備え、前記放熱管路は膨張タンク(34)に接続される、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0043】
(付記6)
前記貯気回路(4)は、貯気タンク(41)と前記貯気タンク(41)に接続された給気管路及び排気管路とを備え、前記給気管路と前記排気管路は、それぞれ前記蓄熱熱交換器(21)と前記放熱熱交換器(31)に接続され、前記排気管路は気源管(42)に接続される、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0044】
(付記7)
前記光熱回路(5)は、光熱管路と前記光熱管路に直列に接続された光集熱システム(51)及び電気加熱装置(52)とを備え、前記光熱管路は前記蓄熱回路(2)と前記暖房回路(6)と冷房回路(7)に接続する、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0045】
(付記8)
前記暖房回路(6)は、暖房熱交換器(61)と前記暖房熱交換器(61)に接続された暖房用端末(62)とを備え、前記暖房熱交換器(61)は、放熱回路(3)と光熱回路(5)に接続する、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0046】
(付記9)
前記冷房回路(7)は、吸収式冷凍システム(71)と前記吸収式冷凍システム(71)に接続された冷房用端末(72)とを備え、前記吸収式冷凍システム(71)は、前記蓄熱回路(2)と前記光熱回路(5)に接続する、
ことを特徴とする付記1に記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システム。
【0047】
(付記10)
圧縮機(23)から排出された高温高圧空気が蓄熱熱交換器(21)に流入し、蓄熱熱交換器(21)が熱を吸収した後、蓄熱回路(2)内の低温伝熱性液状媒質と熱変換を行うサブステップS1-1と、
貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が蓄熱回路(2)に入り、低温缶詰ポンプ(22)が蓄熱回路(2)内の伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、伝熱性液状媒質が蓄熱熱交換器(21)の熱を連続的に吸収し、同時に高温高圧空気を冷却した後形成された低温高圧空気を貯気タンク(41)に入れて貯蔵するサブステップS1-2と、
貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が設定温度値に達する場合、或いは貯気タンク(41)内の低温高圧空気が設定値に達する場合、エネルギー貯蔵工程を終えるサブステップS1-3との経由で、
圧縮機(23)及び低温缶詰ポンプ(22)を始動して高温高圧空気を低温高圧空気に変換して低温高圧空気を貯気タンク(41)に貯蔵するエネルギー貯蔵工程S1と、
貯気タンク(41)内の低温高圧空気が放熱熱交換器(31)に入り、放熱熱交換器(31)が熱を吸収した後貯気回路(4)中の低温高圧空気と熱変換を行うサブステップS2-1と、
貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が放熱回路(3)に入り、高温缶詰ポンプ(32)が放熱回路(3)内の伝熱性液状媒質を連続的に循環させ、伝熱性液状媒質がその熱を放熱熱交換器(31)に連続的に伝え、同時に低温高圧空気が熱を吸収した後高温高圧空気を形成して膨張機(33)を駆動して仕事をするサブステップS2-2と、
貯気タンク(41)内の低温高圧空気が設定値に達する場合、或いは貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が設定値に達する場合、エネルギー放出工程を終えるサブステップS2-3との経由で、
高温缶詰ポンプ(32)を始動して貯気タンク(41)内の低温高圧空気を高温高圧空気に変換し、高温高圧空気を膨張機(33)に届けて仕事をするエネルギー放出工程S2と、
圧縮機(23)が作動していない場合、貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が低温缶詰ポンプ(22)の駆動下で光熱回路(5)に入り、次いで電気加熱装置(52)に加熱された後充填床(11)に入り、その後貯液タンク(12)に戻る電気加熱工程S3と、
圧縮機(23)が作動していない場合、貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が低温缶詰ポンプ(22)の駆動下で光熱回路(5)に入り、次いで光集熱システム(51)に加熱された後充填床(11)に入り、その後貯液タンク(12)に戻る電気加熱工程S4と、
貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が放熱回路(3)に入り、次いで高温缶詰ポンプ(32)の駆動下で暖房回路(6)に入った後充填床(11)に入り、その後貯液タンク(12)に戻り、その過程中に暖房熱交換器(61)が伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収した後暖房用端末(62)に熱を届ける暖房工程S5と、
貯液タンク(12)内の伝熱性液状媒質が放熱回路(3)に入り、次いで高温缶詰ポンプ(32)の駆動下で吸収式冷凍システム(71)に入り、吸収式冷凍システム(71)が伝熱性液状媒質の熱を連続的に吸収し仕事をして冷気を冷房用端末(72)に供給し、その後伝熱性液状媒質が貯液タンク(12)に戻る暖房工程S6と、
気源管(42)を開いて貯気タンク(41)内の低温高圧空気が気源管(42)に入り、S1において前記放熱回路(3)がオフ状態にある中で、貯気タンク(41)の排気管路が止まり、給気管路が通じ、S2において前記蓄熱回路(2)がオン状態にある中で、貯気タンク(41)の排気管路が通じ、給気管路が留まるガス供給工程S7と、を含む、
ことを特徴とする付記1~9いずれかに記載の多目的の多源蓄熱式の圧縮空気によるエネルギー貯蔵システムのエネルギー貯蔵及びエネルギー放出方法。
【符号の説明】
【0048】
1-充填床蓄熱装置、11-充填床、12-貯液タンク、13-圧力安定化システム、2-蓄熱回路、21-蓄熱熱交換器、22-低温缶詰ポンプ、23-圧縮機、3-放熱回路、31-放熱熱交換器、32-高温缶詰ポンプ、33-膨張機、34-膨張タンク、4-貯気回路、41-貯気タンク、42-気源管、5-光熱回路、51-光集熱システム、52-電気加熱装置、6-暖房回路、61-暖房熱交換器、62-暖房用端末、7-冷房回路、71-吸収式冷凍システム、72-冷房用端末。