(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20241025BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20241025BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20241025BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20241025BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/51
A24F40/57
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2023522752
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2021019482
(87)【国際公開番号】W WO2022145852
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0189858
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ソン ウク
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/084773(WO,A1)
【文献】特表2020-505063(JP,A)
【文献】米国特許第10791765(US,B2)
【文献】特表2020-521438(JP,A)
【文献】特表2012-513750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物品を加熱するヒータと、
前記ヒータの温度を測定する温度センサと、
前記ヒータの加熱動作を開始するためのユーザ入力が受信されるとき、前記温度センサによって測定された前記ヒータの初期温度を獲得し、前記ヒータの前記初期温度と第1温度と、を比較し、
前記初期温度が前記第1温度よりも低い場合、既設定の温度プロファイルによる前記加熱動作を遂行するように前記ヒータを制御し、前記第1温度よりも高い第2温度で前記ヒータが加熱される場合、前記加熱動作を第1遅延時間の間、中断するように前記ヒータを制御
し、
前記初期温度が前記第1温度以上である場合、前記初期温度に基づいて第2遅延時間を決定し、前記第2遅延時間徒過後に加熱動作を遂行するように前記ヒータを制御する、プロセッサと、を含む、装置。
【請求項2】
前記第1遅延時間は、前記ヒータの性能、前記ヒータに供給される電力、前記ヒータの目標温度、及び前記ヒータの前記目標温度
の到逹時間のうち、少なくとも1つに基づいて予め設定される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記ヒータが前記初期温度から前記第2温度に加熱されるまでの所要時間に基づいて前記第1遅延時間を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1遅延時間は、前記所要時間に対して負の相関関係(negative correlation)を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記ヒータの初期温度に基づいて前記第1遅延時間を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1遅延時間は、前記ヒータの初期温度に対して正の相関関係を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2遅延時間は、前記初期温度に対して正の相関関係を有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記エアロゾル生成装置は、
前記エアロゾル生成物品を収容する空洞と、
前記空洞に前記エアロゾル生成物品が挿入されたか否かを感知する挿入感知センサと、をさらに含み、
前記挿入感知センサが前記空洞にエアロゾル生成物品の挿入を感知するとき、前記ユーザ入力が生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記エアロゾル生成物品を収容する空洞と、
前記空洞に挿入された前記エアロゾル生成物品の種類を識別する識別センサと、をさらに含み、
前記プロセッサは、
前記識別センサによって識別された前記エアロゾル生成物品の種類に基づいて前記第1
遅延時間を決定する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記エアロゾル生成物品を収容する空洞をさらに含み、
前記ヒータは、
前記空洞を取り囲むように配置されて可変磁場を発生させるように構成されるコイルと、
前記コイルの内側に配置され、前記可変磁場によって加熱されるサセプタと、を含み、前記プロセッサは、
前記コイルに供給される電力を制御することで、前記加熱動作を遂行するか、中断するように、前記ヒータを制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第1遅延時間中に前記加熱動作が停止される間、
前記サセプタは、前記可変磁場から誘導された渦電流(eddy current)の残留によって前記エアロゾル生成物品に対する熱伝導を持続する、請求項
10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なエアロゾル生成物品の短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、燃焼なしにエアロゾル生成物品(例えば、シガレット)に含まれるエアロゾル生成物質を加熱させてエアロゾルを生成させる方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。特に、互いに異なる環境でも、ユーザに均一な喫煙経験を提供するための研究が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル生成装置が互いに異なる環境で使用されるか、互いに異なるエアロゾル生成物品が使用される場合、同じプロファイルによって電力が供給されても、ヒータの温度変化が互いに異なってもいる。これにより、予熱時間に偏差が発生し、ユーザに均一ではない喫煙経験が提供されうる。したがって、予熱時間の偏差を減少させ、ユーザに均一な喫煙経験を提供する必要がある。
【0004】
一方、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を加熱するヒータ;前記ヒータの温度を測定する温度センサ;及びヒータの加熱動作を開始するためのユーザ入力が受信されるとき、温度センサによって測定されたヒータの初期温度を獲得し、ヒータの初期温度と第1温度とを比較し、第1温度よりも低い初期温度に基づいて、既設定の温度プロファイルによる加熱動作を遂行するようにヒータを制御し、第1温度より高い第2温度にヒータが加熱される場合、加熱動作を第1遅延時間の間、中断するように、ヒータを制御するプロセッサ;を含みうる。
【発明の効果】
【0006】
エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度に基づいて加熱動作を遂行することで、互いに異なる環境で予熱時間の偏差を最小化し、ユーザに均一な喫煙経験を提供することができる。また、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品が挿入される場合、ユーザの外部入力なしにも、予熱時間の偏差を最小化するための加熱動作を遂行することができる。
【0007】
本発明の効果が上述した効果に制限されず、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【
図4】誘導加熱方式を用いたエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【
図7】一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】ヒータの初期温度が第1温度よりも低い場合、目標温度到達時間の偏差を示すグラフである。
【
図9】ヒータの初期温度が第1温度よりも低い場合、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのグラフである。
【
図10】ヒータの初期温度が第1温度以上である場合、目標温度到達時間の偏差を示すグラフである。
【
図11】ヒータの初期温度が第1温度以上である場合、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのグラフである。
【
図12】一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【
図13】他の実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【
図14】さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0010】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによっても具現される。
【0011】
本明細書において使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が、配列された構成要素の前に位置するとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」のような表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0012】
以下、添付された図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、互いに異なる様々な形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0014】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す図面である。
【0015】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120、及びヒータ130を含む。
【0016】
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、蒸気化器140をさらに含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入されうる。
【0017】
図1ないし
図3に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1ないし
図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0018】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置100にヒータ130が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ130は省略されうる。
【0019】
図1には、バッテリ110、プロセッサ120、及びヒータ130が一列に配置されている。また、
図2には、バッテリ110、プロセッサ120、蒸気化器140、及びヒータ130が一列に配置されている。また、
図3には、蒸気化器140及びヒータ130が並列に配置されている。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、
図1ないし
図3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130、及び蒸気化器140の配置は変更されうる。
【0020】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130及び/または蒸気化器140を作動させ、エアロゾル生成物品200及び/または蒸気化器140からエアロゾルを発生させうる。ヒータ130及び/または蒸気化器140によって発生したエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。
【0021】
必要によって、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130を加熱することができる。
【0022】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130または蒸気化器140が加熱されうるように電力を供給し、プロセッサ120の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0023】
プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的に、プロセッサ120は、バッテリ110、ヒータ130、及び蒸気化器140だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0024】
プロセッサ120は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによって具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0025】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によって加熱されうる。例えば、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200の外部に位置しうる。したがって、加熱されたヒータ130は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0026】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかし、ヒータ130は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0027】
一方、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ130には、エアロゾル生成物品を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、エアロゾル生成物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含みうる。
【0028】
例えば、ヒータ130は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0029】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ130は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ130の一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、ヒータ130の形状は、
図1ないし
図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0030】
蒸気化器140は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルがエアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0031】
例えば、蒸気化器140は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含みうるが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置100に含まれてもよい。
【0032】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器140から/に脱/付着されるように作製され、蒸気化器140と一体として作製されうる。
【0033】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または、風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物はビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含みうる。
【0034】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0035】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置されうる。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0036】
例えば、蒸気化器140は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0037】
一方、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130、及び蒸気化器140以外に汎用的な構成をさらに含みうる。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含みうる。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサ(パフセンサ、温度センサ、挿入感知センサなど)を含みうる。また、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出されうる構造に作製されうる。
【0038】
図1ないし
図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生装置100が結合された状態でヒータ130が加熱されうる。
【0039】
エアロゾル生成物品200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分される。または、エアロゾル生成物品200の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0040】
エアロゾル生成装置100の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置100の内部に第1部分の一部のみ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0041】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気通路の開閉及び/または、空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてエアロゾル生成物品200の内部に流入されうる。
【0042】
図4は、誘導加熱方式を採用したエアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【0043】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120、コイル410及びサセプタ420を含む。また、エアロゾル生成装置100の空洞430には、エアロゾル生成物品200の少なくとも一部が収容されうる。
図4のエアロゾル生成物品200、バッテリ110及びプロセッサ120は、
図1ないし
図3のエアロゾル生成物品200、バッテリ110及びプロセッサ120に対応する。また
図4のコイル410及びサセプタ420は、
図1ないし
図3のヒータ130に含まれうる。したがって、重複説明は省略する。
【0044】
図4に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図4に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0045】
コイル410は、空洞430周辺に巻き取られうる。
図4には、コイル410が空洞430を取り囲むように配置されているが、それに限定されない。
【0046】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100の空洞430に収容されれば、エアロゾル生成装置100は、コイル410が可変磁場を発生させるように、コイル410に電力を供給することができる。コイル410によって発生した可変磁場がサセプタ420を貫通することにより、サセプタ420が加熱されうる。
【0047】
例えば、サセプタ420内の磁気誘導が変化する場合、電場がサセプタ420内に生成されることで、渦電流(eddy current)がサセプタ420内に流れる。渦電流は、サセプタ420内で電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0048】
サセプタ420が渦電流によって加熱され、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質は、加熱されたサセプタ420によって加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。エアロゾル生成物質から生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。
【0049】
バッテリ110は、コイル410が可変磁場を発生させるように電力を供給しうる。プロセッサ120は、コイル410と電気的に連結されうる。
【0050】
コイル410は、バッテリ110から供給された電力によって可変磁場を発生させる導電性コイルでもある。コイル410は、空洞430の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。コイル410によって発生した可変磁場は、空洞430の内側端部に配置されるサセプタ420に印加されうる。
【0051】
サセプタ420は、コイル410から発生する可変磁場が貫通されることにより、加熱され、金属または炭素を含みうる。例えば、サセプタ420は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0052】
また、サセプタ420は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、サセプタ420は、前述した例に限定されず、可変磁場が印加されることにより、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0053】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100の空洞430に収容されれば、サセプタ420は、エアロゾル生成物品200の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。したがって、加熱されたサセプタ420は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0054】
図4には、サセプタ420がエアロゾル生成物品の少なくとも一部を取り囲むように配置されると図示されているが、それに限定されない。例えば、サセプタ420は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0055】
また、エアロゾル生成装置100には、サセプタ420が複数個配置されうる。この際、複数個のサセプタ420は、エアロゾル生成物品200の外部に配置され、内部に挿入されるように配置されうる。また、複数個のサセプタ420の一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、サセプタ420の形状は、
図4に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0056】
以下、
図5及び
図6を参照して、エアロゾル生成物品200の例を説明する。
【0057】
図5及び
図6は、エアロゾル生成物品の例を示す図面である。
【0058】
図5を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図1ないし
図3を参照して上述した第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。
【0059】
図5には、フィルタロッド220が単一セグメントで図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含みうる。また、必要によって、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含みうる。
【0060】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2以上のラッパ240によって重畳的に包装されうる。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド210が包装され、ラッパ242、243、244によってフィルタロッド220が包装されうる。そして、単一ラッパ245によってエアロゾル生成物品200全体が再包装されうる。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244によって包装されうる。
【0061】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含みうるが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含みうる。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド210に噴射されることにより添加される。
【0062】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウム箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行う。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含みうる。
【0063】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0064】
フィルタロッド220は、香味が発生するように作製されうる。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されうる。
【0065】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれる。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させうる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0066】
もし、フィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質で製造されうる。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけで作製されうるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の穿孔を含む酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を遂行するものであれば、制限なしに該当しうる。
【0067】
図6を参照すれば、エアロゾル生成物品300は、前端プラグ330をさらに含みうる。前端プラグ330は、タバコロッド310において、フィルタロッド320に反対となる一側に位置しうる。前端プラグ330は、タバコロッド310の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド310から液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置(
図1ないし
図3の100)に流入されることを防止しうる。
【0068】
フィルタロッド320は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含みうる。ここで、第1セグメント321は、
図5のフィルタロッド220の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、
図5のフィルタロッド220の第2セグメントに対応する。
【0069】
エアロゾル生成物品300の直径及び全長は、
図5のエアロゾル生成物品200の直径及び全長に対応しうる。例えば、前端プラグ330の長さは、約7mm、タバコロッド310の長さは、約15mm、第1セグメント321の長さは、約12mm、第2セグメント322の長さは、約14mmでもあるが、それに限定されない。
【0070】
エアロゾル生成物品300は、少なくとも1枚のラッパ350によって包装されうる。ラッパ350には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ330が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド310が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装されうる。そして、第5ラッパ355によってエアロゾル生成物品300全体が再包装されうる。
【0071】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔360が形成されうる。例えば、穿孔360は、タバコロッド310を取り囲む領域に形成されうるが、それに制限されない。穿孔360は、
図2及び
図3に図示されたヒータ130によって形成された熱をタバコロッド310の内部に伝達する役割を遂行することができる。
【0072】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル340が含まれる。ここで、カプセル340は、香味またはエアロゾルを発生させうる。例えば、カプセル340は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル340は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0073】
図7は、一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
【0074】
図7を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130、温度センサ710及びプロセッサ120を含みうる。
図7のヒータ130は、
図1ないし
図4のヒータ130、コイル410及びサセプタ420に対応して
図7のプロセッサ120は、
図1ないし
図4のプロセッサ120に対応する。したがって、重複説明は省略する。
【0075】
図7に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図7に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0076】
ヒータ130は、エアロゾル生成物品を加熱することができる。例えば、ヒータ130は、エアロゾル生成装置100に収容されるエアロゾル生成物品を加熱することで、エアロゾル生成物品に含有されたエアロゾル生成物質を加熱することができる。
【0077】
温度センサ710は、ヒータ130と隣接して配置されてヒータ130の温度を直間接的に測定しうる。例えば、温度センサ710は、ヒータ130の温度を感知し、感知された温度に対応する電圧を出力しうる。または、温度センサ710は、感知された温度に対応する抵抗値を出力するサーミスターを含みうる。プロセッサ120は、温度センサ710から受信した情報(例えば、電圧または抵抗値)に基づいてヒータ130の温度を決定しうる。但し、上述した温度センサ710の動作方法は、例示に過ぎず、温度を感知または測定するための方法であれば、温度センサ710に制限なしに適用されうる。
【0078】
プロセッサ120は、ユーザ入力に応答しうる。ユーザ入力は、エアロゾル生成装置100の加熱動作を開始するためのユーザの入力として入力方式は、様々である。例えば、入力方式は、ボタンの押し、タッチスクリーンのタッチ、またはエアロゾル生成物品の挿入などを含みうる。エアロゾル生成物品の挿入による入力方式については、後述するようにする。但し、これは、例示に過ぎず、ユーザ入力の入力方式は、エアロゾル生成装置100が応答可能ないかなる方式でも該当しうる。プロセッサ120は、ユーザ入力に応答してエアロゾル生成装置100の加熱動作のためのプロセスを遂行しうる。
【0079】
プロセッサ120は、ユーザ入力の受信時の温度であるヒータ130の初期温度によって加熱動作のためのプロセスを異ならしうる。例えば、プロセッサ120は、ヒータ130の初期温度が常温に近接した場合、加熱動作を直ちに遂行し、ヒータ130の初期温度が既に加熱された状態の温度である場合には、一定時間以後に加熱動作を遂行することができる。
【0080】
プロセッサ120は、ユーザ入力に応答し、加熱動作のために遂行するプロセスを決定しうる。プロセッサ120は、プロセスを決定するために温度センサ710によって測定されたヒータ130の初期温度と第1温度とを比較しうる。第1温度は、ヒータ130の初期温度が常温に近接したか、または加熱された状態の温度であるかを判断するために適切な値に設定されうる。例えば、第1温度は、50℃~80℃に該当しうる。
【0081】
プロセッサ120は、ヒータ130の初期温度が第1温度よりも低い場合、ヒータ130を用いた加熱動作を遂行することができる。例えば、プロセッサ120は、ヒータ130を用いて既設定の温度プロファイルによる加熱動作を遂行することができる。プロセッサ120は、ヒータ130が加熱されることにより、第2温度に到逹する場合、加熱動作を第1遅延時間の間、中断することができる。プロセッサ120は、第1遅延時間経過後、加熱動作を再開することができる。ヒータ130の初期温度が第1温度よりも低い場合の動作方法については、
図9を参照して具体的に後述する。
【0082】
プロセッサ120は、ヒータ130の初期温度が第1温度以上である場合、ヒータ130を用いた加熱動作を直ちに遂行せず、第2遅延時間徒過後に加熱動作を遂行することができる。プロセッサ120は、ヒータ130の初期温度に基づいて第2遅延時間を決定しうる。ヒータ130の初期温度が第1温度以上である場合の動作方法については、
図11を参照して具体的に後述する。
【0083】
一方、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品を収容する空洞(図示せず)をさらに含みうる。空洞は、エアロゾル生成装置100内部にエアロゾル生成物品を収容するための収容空間を形成しうる。
図7の空洞は、
図4の空洞430に対応する。したがって、重複説明は省略する。
【0084】
一実施例において、エアロゾル生成装置100は、挿入感知センサ(図示せず)をさらに含みうる。挿入感知センサは、空洞にエアロゾル生成物品が挿入されたか否かを感知することができる。例えば、エアロゾル生成物品は,アルミニウムのような金属物質を含み、挿入感知センサは、エアロゾル生成物品が空洞に挿入されることにより、発生する磁場変化を感知するインダクティブセンサを含みうる。但し、それに制限されるものではなく、挿入感知センサは、光センサ、温度センサ、抵抗センサなどを含みうる。
【0085】
その場合、挿入感知センサによって空洞に挿入されるエアロゾル生成物品の感知は、加熱動作のためのユーザ入力として見なされうる。すなわち、エアロゾル生成物品の挿入が感知されるとき、プロセッサ120は、追加的な外部の入力なしにも、自動的に加熱動作のためのプロセスを遂行することができる。
【0086】
他の実施例において、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品に提供される識別マークに基づいて空洞に挿入されたエアロゾル生成物品の種類を識別する識別センサ(図示せず)をさらに含みうる。例えば、識別マークは、エアロゾル生成物品の種類を示すことで、エアロゾル生成物品のラッパに印刷または付着されるか、エアロゾル生成物品に含まれる金属物質でもある。したがって、同種のエアロゾル生成物品に付与された識別マークは、同一であり、互いに異なる種類のエアロゾル生成物品に付与された識別マークは、互いに異なってもいる。例えば、識別マークは、特定色相を示すマーク、特定文言、バーコード、QR(quick response)コードまたは特定の金属物質などを含みうるが、それらに制限されない。
【0087】
識別センサは、エアロゾル生成装置100に収容されるエアロゾル生成物品に付与された識別マークを認識することができる。識別センサは、識別マークの色、パターン、模様または物質などを感知することで識別マークを認識することができる。識別センサは、識別マークの種類によって適した構成を含みうる。例えば、識別センサは、識別マークの種類によってインダクティブセンサ、カラーセンサ、光学スキャナ、NFC(near field communication)読取り機、またはRFID(radio frequency identifier)読取り機などを含みうる。一方、前記例示は、説明の便宜のためのものであって、識別センサの種類を制限しようとするものではない。識別センサは、識別マークを認識するものであれば、制限なしに該当しうる。
【0088】
識別センサがインダクティブセンサを含む場合、識別マークは、金属物質に該当しうる。識別センサは、エアロゾル生成物品が挿入されることにより、感知されるインダクタンスの変化量に基づいてエアロゾル生成物品の種類を識別することができる。その場合、識別センサは、挿入感知センサとも見なされる。
【0089】
プロセッサ120は、識別センサによって識別されたエアロゾル生成物品の種類に基づいて第1遅延時間を決定しうる。エアロゾル生成物品の種類に基づいて第1遅延時間を決定する方法については、
図9を参照して具体的に後述する。
【0090】
さらに他の実施例において、ヒータ130は、コイル(図示せず)及びサセプタ(図示せず)を含みうる。コイルは、空洞を取り囲むように配置され、可変磁場を発生させうる。サセプタは、コイルの内側に配置され、可変磁場によって加熱されうる。
図7のコイル及びサセプタは、
図4のコイル410及びサセプタ420に対応する。したがって、重複説明は省略する。
【0091】
プロセッサ120は、コイルに供給される電力を制御することで、加熱動作を遂行するか、中断しうる。例えば、プロセッサ120は、コイルに電力が供給されるように、エアロゾル生成装置100のバッテリを制御することで、加熱動作を遂行し、コイルに電力供給が遮断されるように、バッテリを制御することで、加熱動作を中断することができる。また、プロセッサ120は、第1遅延時間の間、加熱動作を中断した後、再びコイルに電力が供給されるように、エアロゾル生成装置100のバッテリを制御することで、加熱動作を再開することができる。第1遅延時間の間コイル及びサセプタの動作については、
図9を参照して後述する。
【0092】
図8は、ヒータの初期温度が第1温度よりも低い場合、目標温度到達時間の偏差を示すグラフである。
【0093】
図8を参照すれば、第1グラフ810及び第2グラフ820が図示される。第1グラフ810及び第2グラフ820は、エアロゾル生成装置が互いに異なる環境で加熱動作を遂行した結果を示す。例えば、互いに異なる環境は、エアロゾル生成装置の外部温度または湿度などが互いに異なるか、互いに異なる種類のエアロゾル生成物品が使用された場合に該当しうる。または、互いに異なる環境は、同種のエアロゾル生成物品に属する場合にも、互いに異なる個別シガレットが使用された場合に該当する。目標温度は、予熱完了温度であって、目標温度に到逹した時間(t
1またはt
2)は、予熱完了時間に該当しうる。
【0094】
エアロゾル生成物品は、種類によって、ラッパの厚さと材料の構成が互いに異なる。また、同種のエアロゾル生成物品であっても、個別シガレット別に製造過程でラッパの厚さ及び材料の構成に偏差が発生しうる。したがって、同じプロファイルによってヒータに電力が供給されても、エアロゾル生成物品の種類または同種の個別シガレットの間に目標温度に到逹する時間が互いに異なってもいる。
図8に図示されたように、第1グラフ810による目標温度到達時間(t
1)と第2グラフ820による目標温度到達時間(t
2)に差(Δt)がある。例えば、第2グラフ820において、エアロゾル生成物品は、第1グラフ810でのエアロゾル生成物品よりも厚いラッパを含みうる。
【0095】
一方、プロセッサは、PID(Proportional-Integral-Differential)制御を用いて加熱動作を遂行することができる。PID制御は、目標温度到達時間のみならず、オーバーシュート(overshoot)も減少するように考慮して遂行される。したがって、ヒータを目標温度に到達させるために、初期には、温度が急上昇するが、目標温度に近接するほど、オーバーシュートの減少のために、温度が緩やかに上昇する。したがって、
図8に図示されたように、第1グラフ810と第2グラフ820との時間差は、目標温度に近接するほど大きくなる。
【0096】
このように使用されるエアロゾル生成物品ごとに、または外部環境が変化する度に予熱時間に偏差が発生すれば、ユーザに均一な喫煙経験を提供不可能になる。しかし、
図7のエアロゾル生成装置100は、ヒータを用いた加熱動作に第1遅延時間または第2遅延時間を適用することで、使用されるエアロゾル生成物品または外部環境の差を問わず、さらに均一な予熱時間(すなわち、目標温度に到逹する時間)を提供することができる。
【0097】
図9は、ヒータの初期温度が第1温度よりも低い場合、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのグラフである。
【0098】
図9を参照すれば、第1グラフ910及び第2グラフ920が図示される。
図9の第1グラフ910は、
図8の第1グラフ810と同じ環境で加熱動作の結果を示し、
図9の第2グラフ920は、
図8の第2グラフ820と同じ環境で加熱動作が遂行された結果を示す。例えば、
図9の第1グラフ910及び
図8の第1グラフ810は、同じエアロゾル生成物品について加熱動作が遂行された結果を示す。
【0099】
図9に図示されたように、プロセッサは、ヒータの初期温度が第1温度未満であると測定されることにより、ヒータを用いた加熱動作を直ちに遂行することができる。プロセッサは、ヒータが加熱されることにより、第2温度に到逹する場合、加熱動作を第1遅延時間の間、中断しうる。
【0100】
第2温度は、第1温度よりも高い温度であり、ヒータの性能、ヒータに供給される電力、ヒータの目標温度、及び目標温度に到逹するまでの所要時間のうち、少なくとも1つを考慮し、適切な値に設定されうる。例えば、第2温度は、100℃~130℃に該当しうる。
【0101】
第1遅延時間(td)は、加熱動作の停止時から加熱動作の再開時までの時間である。目標温度到達時間(t1及びt2)の差(Δt)は、第1遅延時間(td)の長さによっても異なる。第1遅延時間(td)は、目標温度到達時間(t1及びt2)の差(Δt)を減少させ、目標温度到達時間(t1及びt2)が大きく増加しないように適切な時間に設定されうる。
【0102】
第1遅延時間は、エアロゾル生成装置の製造過程の設計過程で既設定の時間でもある。または、第1遅延時間は、プロセッサによって決定される時間でもある。例えば、第1遅延時間は、ヒータの性能、ヒータに供給される電力、ヒータの目標温度、及び目標温度に到逹するまでの所要時間のうち、少なくとも1つに基づいて決定された時間でもある。例えば、第1遅延時間は、2秒~5秒に設定されうる。
【0103】
第2グラフ920の場合について第2温度において等しい第1遅延時間が適用されても、後述する少なくとも1つの理由によって、目標温度到達時間の差(Δt)は、
図8での差(Δt)より依然として減少しうる。
【0104】
ラッパ及び構成材料は、互いに異なる種類のエアロゾル生成物品または同種の個別物品別に互いに異なってもいる。ヒータが第2温度まで加熱された後、第1遅延時間の間、エアロゾル生成物品のラッパ及び材料が軟化されることで、エアロゾル生成物品間の差が減少しうる。プロセッサは、エアロゾル生成物品間の差が減少した状態で、加熱動作を再開することで、目標温度到達時間の差(Δt)を減少させうる。
【0105】
または、第1遅延時間後、加熱動作が再開されるとき、PID制御によれば、加熱動作は、加熱動作の最初開始時の遂行と同様のプロセスを遂行することで再開されうる。したがって、加熱動作の再開時、初期温度で加熱動作が遂行されることと類似して、ータの温度が急上昇しうる。この際、第2温度と目標温度との差は、初期温度と目標温度との差よりも小さいので、加熱速度(すなわち、温度上昇速度)が第1遅延時間が適用されない
図8のグラフ820よりもさらに高い温度で減少し始める。したがって、加熱速度が相対的に低い区間が短くなるので、目標温度到達時間の差(Δt)が減少しうる。
【0106】
一方、
図9に図示されたように加熱動作が中断された(すなわち、バッテリからヒータへの電力供給が遮断された)第1遅延時間の間にもヒータの温度は、上昇し、加熱動作が遂行されるときに比べて、遅い加熱速度でのみ上昇しうる。具体的に、ヒータに供給されたが、加熱動作が中断されるまで消耗せず、残留電力によってヒータは、加熱を持続することができる。加熱動作の中断中にも、ヒータの温度は、緩やかに上昇するので、ヒータの温度が保持されるか、下降する場合に比べて、目標温度到達時間が減縮されうる。
【0107】
一実施例において、ヒータがコイル及びサセプタを含む場合(
図4参照)、加熱動作が中断された後、第1遅延時間の間、サセプタは、可変磁場から誘導された渦電流の残留によって、エアロゾル生成物品に対する熱伝導を持続することができる。コイルに電力供給が中断されても、サセプタに既に発生した渦電流の一部は、残留するので、それからサセプタの加熱が持続されうる。
【0108】
または、コイルは、既に供給されて残留する電力によって、依然として、可変磁場を発生させうる。サセプタは、残留電力によってコイルから発生する可変磁場によってエアロゾル生成物品に対する熱伝導を持続することができる。コイルは、サセプタの大部分の領域を取り囲み、数回巻かれるので、加熱動作が中断された後、コイルに残留電力が存在するならば、サセプタは、残留電力から発生する可変磁場によって効果的に加熱が持続しうる。したがって、ヒータがコイル及びサセプタを含む場合、加熱動作が中断された後、第1遅延時間の間にも、サセプタの加熱が効果的に持続するので、目標温度到達時間が減縮されうる。
【0109】
プロセッサは、後述する多様な方法を通じて第1遅延時間を決定しうる。例えば、プロセッサは、加熱動作の開始からヒータの温度が第2温度に到逹するまでの所要時間に基づいて第1遅延時間を決定しうる。第1遅延時間は、ヒータの温度が第2温度に到逹するまでの所要時間について負の相関関係を有する。すなわち、ヒータの温度が第2温度に到逹するまでの所要時間が長くなると、目標温度到達時間の差が最小化するように、第1遅延時間は減少しうる。
【0110】
または、プロセッサは、ヒータの初期温度に基づいて第1遅延時間を決定しうる。この際、第1遅延時間は、ヒータの初期温度に対して正の相関関係を有する。すなわち、ヒータの初期温度が高くなると、目標温度到達時間の差が最小化するように、第1遅延時間は増加しうる。
【0111】
または、プロセッサは、識別センサによって識別されたエアロゾル生成物品の種類に基づいて第1遅延時間を決定しうる。エアロゾル生成装置のメモリには、エアロゾル生成物品の種類それぞれに対応する第1遅延時間が保存されうる。メモリに保存された第1遅延時間は、多様な種類のエアロゾル生成物品が実質的に同じ目標温度到達時間を有するように予め設定されうる。例えば、相対的に早く加熱されるエアロゾル生成物品の種類について第1遅延時間は、比較的長く設定されうる。プロセッサは、メモリに保存された多様な第1遅延時間のうち、識別されたエアロゾル生成物品の種類に対応する第1遅延時間を決定しうる。
【0112】
図10は、ヒータの初期温度が第1温度以上である場合、目標温度到達時間の偏差を示すグラフである。
【0113】
図10を参照すれば、第1グラフ1010及び第2グラフ1020が図示される。第1グラフ1010及び第2グラフ1020は、以前の加熱動作後に、ヒータの温度が常温まで下降する前に開始した加熱動作の結果を示す。第1グラフ1010及び第2グラフ1020は、互いに異なる環境でエアロゾル生成装置によって遂行された加熱動作の結果を示す。例えば、第1グラフ1010は、第2グラフ1020より以前加熱動作の終了後、早い時間内に加熱動作が開始されるので、初期温度がさらに高い。
【0114】
同じプロファイルによってヒータに電力が供給されても、ヒータの初期温度によって目標温度に到逹する時間が互いに異なってもいる。
図10に図示されたように、さらに高い初期温度の第1グラフ1010の目標温度到達時間(t
1)が、第2グラフ1020による目標温度到達時間(t
2)よりもさらに早くもある。したがって、初期温度の差によって、目標温度到達時間に差(t)が発生しうる。
【0115】
このようにヒータの初期温度が変化する度に予熱時間に偏差が発生すれば、ユーザに均一な喫煙経験を提供することができなくなる。
図7のエアロゾル生成装置100は、ヒータを用いた加熱動作に第2遅延時間を適用することで、ヒータの初期温度を問わず、さらに均一な予熱時間(または、目標温度に到逹する時間)を提供することができる。
【0116】
図11は、ヒータの初期温度が第1温度以上である場合、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を説明するためのグラフである。
【0117】
図11を参照すれば、第1グラフ1110及び第2グラフ1120が図示される。
図11の第1グラフ1110は、
図10の第1グラフ1010と同じ環境で遂行される加熱動作の結果を示し、
図11の第2グラフ1120は、
図10の第2グラフ1020と同じ環境で遂行される加熱動作の結果を示す。例えば、
図11の第1グラフ1110は、
図10の第1グラフ1010と同じ初期温度で加熱動作が遂行された結果を示しうる。
【0118】
プロセッサは、
図11に図示されたように、ヒータの初期温度が第1温度以上であると測定された場合、第2遅延時間(t
d1またはt
d2)後に、加熱動作を遂行することができる。ヒータの初期温度が第1温度以上であれば、プロセッサは、ヒータの初期温度が測定されたとき、または、加熱動作に対するユーザの入力が受信されたとき(例えば、エアロゾル生成物品の挿入が感知されたとき)から、第2遅延時間経過後、加熱動作を開始しうる。第2遅延時間の長さによって目標温度到達時間及び目標温度到達時間の差は変わりうる。第2遅延時間は、目標温度到達時間の差を減少させ、目標温度到達時間が大きく増加しないように適切な時間に設定されうる。
【0119】
プロセッサは、ヒータの初期温度に基づいて第2遅延時間を決定しうる。第2遅延時間は、ヒータの初期温度に対して正の相関関係を有しうる。すなわち、ヒータの初期温度が高くなるとき、目標温度到達時間の差が最小化されるように、第2遅延時間は増加しうる。
【0120】
図11に図示されたように、初期温度がさらに低い第1グラフ1110による第2遅延時間(t
d1)は、第2グラフ1120による第2遅延時間(t
d2)よりもさらに短い。初期温度がさらに低い第1グラフ1110に対して加熱動作が、第2グラフ1120よりもさらに早く開始されるので、目標温度到達時間の差は、
図10の場合でさらに減少しうる。
【0121】
図12は、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0122】
図12を参照すれば、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法は、
図7に図示されたエアロゾル生成装置100で処理される段階で構成される。したがって、以下で省略されても、
図7に図示されたエアロゾル生成装置100について以上で記述された内容は、
図12のエアロゾル生成装置の動作方法にも適用されうる。
【0123】
段階1210において、エアロゾル生成装置は、ユーザ入力が受信されたか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、ユーザ入力が受信されていないと判断される場合、ユーザ入力が受信されるまで待機しうる。例えば、エアロゾル生成装置は、既設定の周期によって繰り返して段階1210を遂行しうる。エアロゾル生成装置は、ユーザ入力が受信されたと判断される場合、段階1220を遂行しうる。ユーザ入力は、ボタン押し、タッチスクリーンのタッチ、または空洞に挿入されたエアロゾル生成物品の感知などを含みうる。
【0124】
段階1220において、エアロゾル生成装置は、温度センサを用いてユーザ入力が受信されたときの温度であるヒータの初期温度を測定しうる。また、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度と第1温度とを比較しうる。
【0125】
段階1230において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度より低いか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度より低い場合、段階1240を遂行し、第1温度以上である場合、段階1280を遂行しうる。
【0126】
段階1240において、エアロゾル生成装置は、ヒータを用いた加熱動作を遂行しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度より低いと測定されることにより、ヒータを用いた加熱動作を直ちに遂行することができる。
【0127】
段階1250において、エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹したか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、温度センサを用いて加熱されるヒータの温度をリアルタイムで測定しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹した場合、段階1260を遂行しうる。
【0128】
段階1260において、エアロゾル生成装置は、加熱動作を既設定の第1遅延時間の間、中断しうる。例えば、第1遅延時間は、ヒータの性能、ヒータに供給される電力、ヒータの目標温度、及び目標温度に到逹するまでの所要時間のうち、少なくとも1つを考慮して予め設定された時間でもある。
【0129】
段階1270において、エアロゾル生成装置は、段階1260において、加熱動作を中断した後、第1遅延時間が経過すれば、加熱動作を再開しうる。エアロゾル生成装置は、加熱動作に第1遅延時間を適用することで、互いに異なる外部環境でエアロゾル生成装置が使用されるか、互いに異なるエアロゾル生成物品が使用されても、均一な予熱時間(または、目標温度到達時間)を提供することができる。
【0130】
段階1280において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度に基づいて第2遅延時間を決定しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度に対して正の相関関係を有する第2遅延時間を決定しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度以上であると測定された場合、段階1240とは異なって、加熱動作を直ちに遂行せず、第2遅延時間が経過するまで待機する。
【0131】
段階1290において、エアロゾル生成装置は、第2遅延時間徒過後に加熱動作を遂行しうる。エアロゾル生成装置は、加熱動作に第2遅延時間を適用することで、ヒータの初期温度が互いに異なっても、均一な予熱時間(または、目標温度到達時間)を提供しうる。
【0132】
図13は、他の実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0133】
図13を参照すれば、他の実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法は、
図7に図示されたエアロゾル生成装置100で処理される段階で構成される。したがって、以下で省略されても、
図7に図示されたエアロゾル生成装置100について以上で記述された内容は、
図13のエアロゾル生成装置の動作方法にも適用されうる。
【0134】
図13の段階1310ないし1350及び段階1370ないし1371は、
図12の段階1210ないし1250及び段階1280ないし1290にそれぞれ対応する。したがって、重複説明は省略する。
図13の実施例において、
図12と異なって、第1遅延時間は、ヒータの初期温度またはヒータが、第2温度に到逹するまでの時間に基づいてリアルタイムで決定される(S1360参照)。
【0135】
段階1310において、エアロゾル生成装置は、ユーザ入力が受信されたか否かを判断することができる。
【0136】
段階1320において、エアロゾル生成装置は、ヒータの温度と第1温度とを比較しうる。
【0137】
段階1330において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度より低いか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度未満である場合、段階1340を遂行し、第1温度以上である場合、段階1370を遂行することができる。
【0138】
段階1340において、エアロゾル生成装置は、ヒータを用いた加熱動作を遂行しうる。
【0139】
段階1350において、エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹したか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹した場合、段階1360を遂行することができる。
【0140】
段階1360において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度またはヒータの温度が第2温度に到逹するまでの所要時間に基づいて第1遅延時間を決定することができる。
【0141】
一実施例において、エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹するまでの所要時間に対して負の相関関係を有する第1遅延時間を決定しうる。他の実施例において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度に対して正の相関関係を有する第1遅延時間を決定しうる。
【0142】
段階1361において、エアロゾル生成装置は、加熱動作を第1遅延時間の間、中断しうる。
【0143】
段階1362において、エアロゾル生成装置は、第1遅延時間後加熱動作を再開することができる。エアロゾル生成装置は、ヒータが加熱される速度またはヒータの初期温度に基づいて第1遅延時間を決定することで、互いに異なる外部環境でエアロゾル生成装置が使用されるか、互いに異なるエアロゾル生成物品が使用されても、均一な予熱時間(すなわち、目標温度到達時間)を提供することができる。
【0144】
段階1370において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度に基づいて第2遅延時間を決定することができる。
【0145】
段階1371において、エアロゾル生成装置は、第2遅延時間徒過後に加熱動作を遂行することができる。
【0146】
図14は、さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0147】
図14を参照すれば、さらに他の実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法は、
図7に図示されたエアロゾル生成装置100で処理される段階で構成される。したがって、以下で省略されても、
図7に図示されたエアロゾル生成装置100について以上で記述された内容は、
図14のエアロゾル生成装置の動作方法にも適用されうる。
【0148】
図14の段階1410ないし1450及び段階1470ないし1471は、
図12の段階1210ないし1250及び段階1280ないし1290にそれぞれ対応する。したがって、重複説明は省略する。
【0149】
段階1410において、エアロゾル生成装置は、ユーザ入力が受信されたか否かを判断しうる。
【0150】
段階1420において、エアロゾル生成装置は、ヒータの温度と第1温度とを比較しうる。
【0151】
段階1430において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度より低いか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度が第1温度より低い場合、段階1440を遂行し、第1温度以上である場合、段階1470を遂行することができる。
【0152】
段階1440において、エアロゾル生成装置は、ヒータを用いた加熱動作を遂行することができる。
【0153】
段階1450において、エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹したか否かを判断しうる。エアロゾル生成装置は、ヒータの温度が第2温度に到逹した場合、段階1460を遂行する。
【0154】
段階1460において、エアロゾル生成装置は、空洞に挿入されたエアロゾル生成物品の種類を識別する。エアロゾル生成装置は、識別センサを用いてエアロゾル生成物品の識別マークを認識することで、エアロゾル生成物品の種類を識別することができる。
【0155】
段階1461において、エアロゾル生成装置は、識別されたエアロゾル生成物品の種類に基づいて、第1遅延時間を決定しうる。エアロゾル生成装置は、メモリに保存された多様な第1遅延時間のうち、識別されたエアロゾル生成物品の種類に対応する第1遅延時間を決定する。
【0156】
段階1462において、エアロゾル生成装置は、加熱動作を第1遅延時間の間、中断することができる。
【0157】
段階1463において、エアロゾル生成装置は、第1遅延時間後加熱動作を再開する。エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品の種類に基づいて第1遅延時間を決定することで、互いに異なる外部環境でエアロゾル生成装置が使用されるか、互いに異なるエアロゾル生成物品が使用されても、均一な予熱時間(すなわち、目標温度到達時間)を提供することができる。
【0158】
段階1470において、エアロゾル生成装置は、ヒータの初期温度に基づいて第2遅延時間を決定する。
【0159】
段階1471において、エアロゾル生成装置は、第2遅延時間徒過後に加熱動作を遂行する。
【0160】
実施例によれば、
図14に図示された動作は、互いに異なる順序で遂行されうる。例えば、段階1460及び1461は、段階1450において、ヒータの温度が第2温度に到逹する前に遂行されうる。
【0161】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、または、その他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0162】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態にも具現されるということを理解することができるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。