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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】単一分子組織化のための基板
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20241025BHJP
   G01N 33/551 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
G01N33/53 D
G01N33/53 M
G01N33/53 Z
G01N33/551
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2023533274
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2021061130
(87)【国際公開番号】W WO2022115756
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】63/119,316
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505373306
【氏名又は名称】ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナート アシュウィン
(72)【発明者】
【氏名】ロゼムンド ポール
(72)【発明者】
【氏名】シェティ リシャブ
(72)【発明者】
【氏名】ボーエン シェーン
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-187844(JP,A)
【文献】国際公開第2019/191838(WO,A1)
【文献】特表2021-519431(JP,A)
【文献】国際公開第2020/197554(WO,A1)
【文献】特表2022-535637(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0323002(US,A1)
【文献】特表2006-513701(JP,A)
【文献】XU, Anqin, et al.,DNA origami: the bridge from bottom to top.,MRS Bulletin,Springer Nature,2017年,Vol.42,p.943-950,https://doi.org/10.1557/mrs.2017.275
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
G01N 35/00-37/00
C12Q 1/00- 3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル内の検体分子の検出のための基板を形成する方法であって、
ベース層を与える段階と、
前記ベース層上に結合層を与える段階と、
前記結合層上に上部層を堆積させる段階と、
前記結合層の部分を露出するために前記上部層をパターン化する段階であって、この露出部分が前記結合層上の複数の結合部位に対応する、前記パターン化する段階と、
前記複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた超分子構造体を与える段階であって、前記超分子構造体が、
複数のコア分子を備えるコア構造体と、
第1の場所で前記コア構造体にリンクされた捕捉分子と、
第2の場所で前記コア構造体にリンクされた検出器分子であって、前記超分子構造体が不安定状態であり、それにより、脱構築体を用いることで、前記検出器分子が前記コア構造体からそれらの間のリンクの切断を通して前記第2の場所で解放されるように構成され、かつ、離間したそれぞれの前記捕捉分子及び前記検出器分子が前記不安定状態で予め決められた距離になり、安定状態では、前記検出器分子及び前記捕捉分子が前記検体分子に結合することを通して互いにリンクされ、それにより、前記検出器分子及び捕捉分子間のリンクを形成し、前記検出器分子が、前記捕捉分子との前記リンクを通してかつ前記検体分子が個々の前記結合部位に関連付けられるように、前記コア構造体にリンクされたままに留まる、前記検出器分子と、を備える、
前記与える段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記パターン化された上部層を活性化する段階と、
前記結合層の前記露出部分との反応性を持たない不動態化層を、前記活性化された上部層上に堆積させる段階と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン化された上部層を活性化する段階が、プラズマ処理又は化学処理を備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記不動態化層は、前記活性化する段階によって前記上部層上に形成された反応基と反応するポリマー層であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記結合層の露出部分を活性化して前記複数の結合部位を形成する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記結合層の前記露出部分を活性化する段階が、プラズマ処理又は化学処理を備えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記上部層は、指定の厚みを有し、
前記上部層をパターン化する段階が、それぞれの前記複数の結合部位が配置された複数のウェルを形成し、
前記ウェルの壁が、前記上部層の材料によって形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ウェルは、深さが5オングストロームと300nmの間であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ベース層上に結合層を堆積又は成長させる段階が、
前記結合層の一部分を犠牲フィルムで保護する段階と、
前記結合層の無保護部分をエッチング又は除去して、前記結合層内にパターン化された面を形成する段階と、
前記犠牲フィルムを除去して前記結合層内で前記パターン化された面を露出する段階であって、前記上部層が前記パターン化された面上に堆積される、前記露出する段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記結合層は、珪素、二酸化珪素、窒化珪素、グラフェン、石英、金、銀、金属、プラチナ、パラジウム、PDMS、又はポリマーフィルムを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記上部層は、金属酸化物、グラフェン、HfO2、又はCO2を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ベース層は、平面支持体を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の結合部位のうちの各結合部位での前記不安定状態から前記安定状態への前記超分子構造体のシフトを検出する検出システムに、前記基板を結合する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の結合部位のうちの各それぞれの結合部位にカプリングされた複数の光導体を前記ベース層に形成する段階を備え、
前記検出システムは、前記複数の光導体のうちの各光導体にカプリングされた光ダイオードを備える、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の結合部位のうちの各結合部位を1又は2以上の電気リードにカプリングする段階を備え、
前記検出システムは、電界効果トランジスタを備える、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた前記超分子構造体を与える段階が、個々のコア構造体を前記複数の結合部位のうちの個々の結合部位に関連付ける段階と、前記関連付ける段階に続いて、前記第1の場所で前記捕捉分子を前記コア構造体にリンクする段階と、前記第2の場所で前記検出器分子を前記コア構造体にリンクする段階とを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記超分子構造体を各結合部位から除去して基板を再生する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記超分子構造体の一部分のみを各結合部位から除去して基板を再生する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた前記超分子構造体を与える段階が、個々のコア構造体を前記複数の結合部位のうちの個々の結合部位に関連付ける段階と、前記関連付ける段階に続いて、前記第1の場所で前記捕捉分子を前記コア構造体にリンクする段階と、前記第2の場所で前記検出器分子を前記コア構造体にリンクする段階とを備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するための基板であって、
ベース層と、
前記ベース層上の結合層と、
前記結合層の各部分を露出するパターン化された上部層であって、この露出部分が前記結合層上の複数の結合部位に対応する、前記パターン化された上部層と、
前記複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた超分子構造体であって、
複数のコア分子を備えるコア構造体と、
第1の場所で超分子コアにリンクされた捕捉分子と、
第2の場所で前記超分子コアにリンクされた検出器分子であって、前記超分子構造体が不安定状態にあり、それにより、脱構築体を用いることで、前記検出器分子が前記コア構造体からそれらの間のリンクの切断を通して前記第2の場所で解放されるように構成され、また、各超分子構造体が、前記検出器分子と、前記捕捉分子と、前記1又は2以上の検体分子のうちのそれぞれの検体分子との間における相互作用を通して、前記不安定状態から安定状態にシフトするように構成される、前記検出器分子と、を備える、
前記超分子構造体と、
を備えることを特徴とする基板。
【請求項21】
前記上部層上に配置され、前記結合層上には配置されない、不動態化層を備えることを特徴とする請求項20に記載の基板。
【請求項22】
前記不動態化層は、活性化することによって前記上部層上に形成された反応基と反応するポリマー層であることを特徴とする請求項21に記載の基板。
【請求項23】
前記上部層は、指定の厚みを有し、かつそれぞれの前記複数の結合部位が配置された複数のウェルを形成し、
前記ウェルの壁が、前記上部層の材料によって形成される、
ことを特徴とする請求項20に記載の基板。
【請求項24】
前記ウェルは、深さが5オングストロームと300nmの間であることを特徴とする請求項23に記載の基板。
【請求項25】
前記結合層は、珪素、二酸化珪素、窒化珪素、グラフェン、石英、金、銀、金属、プラチナ、パラジウム、PDMS、又はポリマーフィルムを備えることを特徴とする請求項20に記載の基板。
【請求項26】
前記上部層は、金属酸化物、グラフェン、HfO2、又はCO2を備えることを特徴とする請求項20に記載の基板。
【請求項27】
前記ベース層は、シリコンウェーハを備えることを特徴とする請求項20に記載の基板。
【請求項28】
前記複数の結合部位のうちの各結合部位での前記不安定状態から前記安定状態への前記超分子構造体のシフトを検出する検出システムにカプリングされることを特徴とする請求項20に記載の基板。
【請求項29】
前記ベース層は、前記複数の結合部位のうちの各それぞれの結合部位にカプリングされた複数の光導体を備え、
前記検出システムは、前記複数の光導体のうちの各光導体にカプリングされた光ダイオードを備える、
ことを特徴とする請求項28に記載の基板。
【請求項30】
前記複数の結合部位のうちの各結合部位が、1又は2以上の電気リードにカプリングされ、
前記検出システムは、電界効果トランジスタを備える、
ことを特徴とする請求項28に記載の基板。
【請求項31】
各コア構造体が、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場混成DNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、マルチストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、マルチストランドRNAタイル構造体、複数の足場を有する階層的構成DNA又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを独立に備えることを特徴とする請求項20に記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一分子組織化のための基板に関する。
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、これにより本明細書に引用によってその開示が全体的に組み込まれる2020年11月30日出願の「単一分子組織化のための基板(SUBSTRATE FOR SINGLE MOLECULE ORGANIZATION)」という名称の米国仮特許出願第63/119,316号に対する優先権及びその利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
個別ヘルスケアの現状は、個人内に存在する遺伝子を定量化することに主として着目する圧倒的にゲノム中心的なものである。そのような手法は、極めて強力であることを実証しているが、それは、臨床医に個人の健康状態の全体像を提供しない。これは、遺伝子が個人の「設計図」であり、それが病気を発症する可能性を通知するだけであるからである。個人内では、これらの「設計図」は、個人の健康状態に対していずれかの効果を有するように、最初にRNAに転写され、次に、細胞内の実際の「行為者」である様々な蛋白質分子に変換される必要がある。
【0003】
蛋白質の濃度、蛋白質間の相互作用(蛋白質-蛋白質相互作用又はPPI)、並びに蛋白質と小分子間の相互作用は、異なる器官の健康状態、恒常性調節機構、並びに外部環境とのこれらのシステムの相互作用に複雑にリンクしている。従って、蛋白質、並びにPPIに関する定量的な情報は、所与の時点での個人の健康状態の全体像を生成するのに、並びに出現するあらゆる健康問題を予想するのに非常に重要である。例えば、心筋が受けるストレスの量(例えば、心臓発作中の)は、末梢血内に存在するトロポニンI/II及びミオシン軽ストランドの濃度を測定することによって推測することができる。類似の蛋白質バイオマーカも、広範な器官機能障害(例えば、肝臓疾患及び甲状腺障害)、特定の癌(例えば、結腸直腸癌又は前立腺癌)、及び感染疾患(例えば、HIV及びZika)に対して識別され、検証され、かつ市場展開されている。これらの蛋白質間の相互作用は、薬物開発にも不可欠であり、かつ益々強く求められるデータセットになっている。体液の所与のサンプル内で蛋白質及び他の分子を検出かつ定量化する機能は、そのようなヘルスケア発展の不可欠な構成要素である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の開示は、一般的に、サンプル内の検体分子の検出及び定量化のためのシステム、構造体、及び方法に関する。
【0005】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、サンプルに存在する検体分子を検出する方法であり、本方法は、a)中実支持体を与える段階、b)中実支持体をパターン化して中実支持体上に複数の結合部位を形成する段階、及びc)単一超分子構造体を中実支持体上の複数の結合部位の中からの結合部位と関連付ける段階を備え、超分子構造体は、i)複数のコア分子を備えるコア構造体、ii)第1の場所でコア構造体にリンクされた捕捉分子、及びiii)第2の場所でコア構造体にリンクされた検出器分子を備え、超分子構造体は、検出器分子がコア構造体から第2の場所でのそれらの間のリンクの切断を通して解放されるように構成されるような不安定状態にある。
【0006】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、基板を使用して検体分子を検出する方法であり、本方法は、複数の結合部位を備える基板を与える段階であって、複数の結合部位のうちの個々の結合部位が、複数の超分子構造体のうちの超分子構造体に関連付けられ、超分子構造体が、複数のコア分子を備えるコア構造体と、第1の場所でコア構造体にリンクされた捕捉分子と、第2の場所でコア構造体にリンクされた検出器分子とを備え、超分子構造体が、検出器分子がコア構造体から第2の場所でのそれらの間のリンクの切断を通して解放されるように構成されるような不安定状態にある上記与える段階と、超分子構造体が不安定状態から安定状態にシフトするようにサンプルを超分子構造体と接触させる段階であって、検出器分子と捕捉分子が、検体分子に結合することを通して互いにリンクされ、それによって検出器分子と捕捉分子間のリンクを形成し、不安定状態にある各超分子構造体が、予め決められた距離で離間したそれぞれの捕捉分子と検出器分子とを備える上記接触させる段階と、第2の場所で検出器分子とコア構造体間のリンクを切断するトリガを与える段階であって、検出器分子が、捕捉分子とのリンケージを通してかつ検体分子が個々の結合部位と関連付けられるようにコア構造体にリンクされたままに留まる上記与える段階と、安定状態にシフトした超分子構造体によって提供される信号に基づいて検体分子を検出する段階とを備える。他の実施形態では、超分子構造体は、一体的な検出器分子を含まず、検出は、個別段階を介して行われる。
【0007】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、サンプル内の検体分子の検出のための基板を形成する方法である。本方法は、ベース層を与える段階と、ベース層上に結合層を与える段階と、結合層上に上部層を堆積させる段階と、結合層上の複数の結合部位に対応する結合層の各部分を露出するように上部層をパターン化する段階と、複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた超分子構造体を与える段階であって、超分子構造体が、複数のコア分子を備えるコア構造体と、第1の場所でコア構造体にリンクされた捕捉分子と、第2の場所でコア構造体にリンクされた検出器分子とを備える上記与える段階とを含み、超分子構造体は、検出器分子がコア構造体から第2の場所でのそれらの間のリンクの切断を通して解放されるように構成されるようなかつ離間したそれぞれの捕捉分子と検出器分子とが不安定状態では予め決められた距離にあるような不安定状態にあり、安定状態では、検出器分子と捕捉分子は、検体分子に結合することを通して互いにリンクされ、それによって検出器分子と捕捉分子間のリンクを形成し、検出器分子は、捕捉分子とのリンケージを通してかつ検体分子が個々の結合部位に関連付けられるようにコア構造体にリンクされたままに留まる。
【0008】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、サンプル内の検体分子の濃度を定量化する段階を更に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、検出された検体分子を識別する段階を更に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、検体分子が単一分子又はそれよりも高次の数でサンプル内に存在する時に信号に基づいて検体分子を検出する段階を更に備える。一部の実施形態では、中実支持体は、個々の結合部位での超分子構造体による検体捕捉又は結合の結果として安定状態の存在又は形成を示す検出可能な変化に基づいて信号を発生する検出システムに結合されるか又はそれに関連付けられる。
【0009】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、サンプルは、複合生体サンプルを備え、本方法は、単一分子感度を提供し、それによってダイナミックレンジと複合生体サンプル内の様々な分子濃度の定量的な捕捉とを増大する。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、その錯体、又はそのいずれかの組合せを備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各超分子構造体は、ナノ構造体である。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各コア構造体は、ナノ構造体である。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各コア構造体のための複数のコア分子は、予め定められた形状に配置される及び/又は指定の分子量を有する。一部の実施形態では、予め定められた形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限又は防止するように構成される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各コア構造体のための複数のコア分子は、1又は2以上の核酸ストランド、1又は2以上の分枝核酸、1又は2以上のペプチド、1又は2以上の小分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各コア構造体は、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場混成DNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、マルチストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、マルチストランドRNAタイル構造体、複数の足場を有する階層的構成DNA又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを独立に備える。
【0011】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、トリガは、脱構築分子、トリガ信号、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、脱構築分子は、DNA、RNA、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、光信号、電気信号、又は両方を備える。一部の実施形態では、トリガ光信号は、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、近赤外線照明、又はその組合せを備える。
【0012】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、それぞれの検体分子は、1)それぞれの超分子構造体の捕捉分子に化学結合を通して結合され、及び/又は2)それぞれの超分子構造体の検出器分子に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各超分子構造体のための捕捉分子及び検出器分子は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、蛍光色素分子、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、又はその組合せを独立に備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各超分子構造体に関して、a)捕捉分子は、コア構造体に捕捉バーコードを通してリンクされ、捕捉バーコードは、第1の捕捉リンカーと、第2の捕捉リンカーと、第1及び第2の捕捉リンカー間に配置された捕捉ブリッジとを備え、第1の捕捉リンカーは、コア構造体上の第1の場所に結合された第1のコアリンカーに結合され、捕捉分子と第2の捕捉リンカーは、第3の捕捉リンカーに結合することを通して互いにリンクされ、b)検出器分子は、コア構造体に検出器バーコードを通してリンクされ、検出器バーコードは、第1の検出器リンカーと、第2の検出器リンカーと、第1及び第2の検出器リンカー間に配置された検出器ブリッジとを備え、第1の検出器リンカーは、コア構造体上の第2の場所に結合された第2のコアリンカーに結合され、検出器分子と第2の検出器リンカーは、第3の検出器リンカーに結合することを通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、捕捉ブリッジと検出器ブリッジは、ポリマーコアを独立に備える。一部の実施形態では、捕捉ブリッジのポリマーコアと検出器ブリッジのポリマーコアは、特定配列の核酸(DNA又はRNA)又はPEGのようなポリマーを独立に備える。一部の実施形態では、第1のコアリンカーと、第2のコアリンカーと、第1の捕捉リンカーと、第2の捕捉リンカーと、第3の捕捉リンカーと、第1の検出器リンカーと、第2の検出器リンカーと、第3の検出器リンカーとは、反応分子又はDNA配列ドメインを独立に備える。一部の実施形態では、各反応分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定配列の単一ストランド核酸(RNA又はDNA)、PEG又は重合開始剤のような1又は2以上のポリマー、又はその組合せを独立に備える。一部の実施形態では、捕捉バーコードと1)第1のコアリンカー及び/又は2)第3の捕捉リンカーとの間のリンクは、化学結合を備える。一部の実施形態では、この化学結合は、共有結合を備える。一部の実施形態では、検出器バーコードと1)第2のコアリンカー及び/又は2)第3の検出器リンカーとの間のリンクは、化学結合を備える。一部の実施形態では、この化学結合は、共有結合を備える。一部の実施形態では、トリガは、1)第1の検出器リンカーと第2のコアリンカー及び/又は2)第1の捕捉リンカーと第1のコアリンカー間のリンケージを切断する。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、捕捉分子は、第3の捕捉リンカーに化学結合を通して結合され、及び/又は検出器分子は、第3の検出器リンカーに化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、捕捉分子は、第3の捕捉リンカーに共有結合され、及び/又は検出器分子は、第3の検出器リンカーに共有結合される。
【0013】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、不安定状態にある各超分子構造体は、第1の超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子と第2の超分子構造体の対応する捕捉分子及び/又は検出器分子との間の交差反応の発生を低減するか又は抑制するために、予め決められた距離で離間したそれぞれの捕捉分子及び検出器分子を備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、予め決められた距離は、約3nmから約40nmである。
【0014】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各超分子構造体は、コア構造体にリンクされたアンカー分子を更に備える。一部の実施形態では、アンカー分子は、アンカーバーコードを通してコア構造体にリンクされ、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカーと、第2のアンカーリンカーと、第1及び第2のアンカーリンカー間に配置されたアンカーブリッジとを備え、第1のアンカーリンカーは、コア構造体上の第3の場所に結合された第3のコアリンカーに結合され、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーにリンクされる。一部の実施形態では、アンカー分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定配列の単一ストランド核酸(RNA又はDNA)、PEG又は重合開始剤のような1又は2以上のポリマー、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジは、ポリマーコアを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジのポリマーコアは、特定配列の核酸(DNA又はRNA)又はPEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第3のコアリンカー、第1のアンカーリンカー、第2のアンカーリンカー、及びアンカー分子は、アンカー反応分子又はDNA配列ドメインを独立に備える。一部の実施形態では、各アンカー反応分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHS-エステル、特定配列の単一ストランド核酸(RNA又はDNA)、PEG又は重合開始剤のような1又は2以上のポリマー、又はその組合せを独立に備える。一部の実施形態では、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーに化学結合を通してリンクされる。一部の実施形態では、アンカー分子は、第2のアンカーリンカーに共有結合される。一部の実施形態では、トリガは、更に、1)第2のアンカーリンカーをアンカー分子から、2)第1のアンカーリンカーを第3のコアリンカーから、又はその組合せで切断する。一部の実施形態では、第1及び第2の場所は、コア構造体の第1の側に位置し、第3の場所は、コア構造体の第2の側に位置する。
【0015】
一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、信号は、安定状態にシフトした超分子構造体に対応する検出器バーコード、捕捉バーコード、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法も、対応する信号が、それぞれの捕捉分子及び検出器分子に結合された検体分子の検出のためのそれぞれの検出器バーコードを備えるように、安定状態にシフトした少なくとも1つの超分子構造体のための各検出器バーコードを対応する検出器分子から分離する段階を更に備える。一部の実施形態では、各分離された検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合された検体分子に対応するDNA信号を与える。一部の実施形態では、少なくとも1つの分離された検出器バーコードは、遺伝子型決定、qPCR、配列分析、又はその組合せを使用して分析される。一部の実施形態では、サンプル内の複数の検体分子は、安定状態にシフトした1又は2以上の超分子構造体を通じて多重化を通して同時に検出される。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、各超分子構造体のための捕捉分子及び検出器分子は、1又は2以上の特定のタイプの検体分子に結合するように構成される。
【0016】
一部の実施形態では、本明細書に開示する複数の超分子構造体を使用する段階を備えるいずれの方法に対しても、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体の間の交差反応を低減するか又は排除するような指定の形状、サイズ、分子量、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の捕捉分子及び検出器分子を備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体の間の交差反応を低減するか又は排除するような指定の化学量論比の捕捉分子と検出器分子とを備える。
【0017】
一部の実施形態では、本明細書に開示する複数の超分子構造体を使用する段階を備えるいずれの方法に対しても、各超分子構造体に関する不安定状態は、第1の超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子と第2の超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子との間の交差反応の発生を低減するか又は抑制するような予め決められた距離で離間した捕捉分子と検出器分子とを更に備える。一部の実施形態では、予め決められた距離は、約3nmから約40nmである。一部の実施形態では、いずれか2つの超分子構造体の間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕捉分子と検出器分子間の予め決められた距離よりも大きい。一部の実施形態では、いずれか2つの超分子構造体の間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕捉分子と検出器分子間の予め決められた距離よりも大きい。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、1又は2以上の中実基板に取り付けられる。一部の実施形態では、1又は2以上の中実基板の各中実基板は、平面基板を備える及び/又は結合部位のアレイを有するパターン化又は成形された面を有する平面基板を備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、基板上に配置され、基板は、複数の結合部位を備え、各結合部位は、対応する超分子構造体に関連付けられる。一部の実施形態では、基板の結合部位アレイの個々の結合部位は、最大で1つの超分子構造体、例えば、結合部位毎に1つのみの超分子構造体に関連付けられる。一部の実施形態では、基板上に分散された複数の超分子構造体は、同じ検体分子を検出するように構成される。一部の実施形態では、複数の信号伝達要素は、安定状態にシフトした少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子とリンクするように構成される。一部の実施形態では、各信号伝達要素は、蛍光性の分子又はマイクロビーズ、蛍光性ポリマー、高荷電ナノ粒子、又は高荷電ポリマーを備える。一部の実施形態では、基板上の複数の超分子構造体のうちの少なくとも1つの超分子構造体は、他の超分子構造体のうちの少なくとも1つとは異なる検体分子を検出するように構成される。一部の実施形態では、個々の超分子構造体は、基板上の各超分子構造体の場所を識別するために、基板上の各超分子構造体を区別する特異バーコードでバーコード化される。一部の実施形態では、複数の信号伝達要素は、安定状態にシフトした少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子とリンクする。一部の実施形態では、各信号伝達要素は、蛍光性の分子又はマイクロビーズ、蛍光性ポリマー、高荷電ナノ粒子、又は高荷電ポリマーを備える。
【0018】
本明細書に提供するのは、基板を形成する方法であり、本方法は、ベース層を与える段階と、ベース層上に結合層を与える段階と、結合層上に上部層を堆積させる段階と、結合層上の複数の結合部位に対応する結合層の各部分を露出するように上部層をパターン化する段階と、各結合部位で分子又は構造体を関連付ける段階とを備える。一部の実施形態では、本方法は、複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた超分子構造体を与える段階であって、超分子構造体が、複数のコア分子を備えるコア構造体を備える上記与える段階を含む。コア構造体は、検体に対して親和性を有するか又は検体に結合する1又は2以上の貨物分子にリンクすることができる。本発明の技術は、一般的に、単一分子、例えば、超分子構造体の1又は2以上のコア構造体を組織化するのに使用することができ、すなわち、様々な異なる分野での用途を見出すことができる。実施形態では、本発明の技術は、一般的に、単一量子ドットを組織化するのに使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示するいずれの方法に対しても、形成された基板を検体検出が完了した後に再生させる追加の段階を実施することができる。再生は、超分子構造体の全て又は一部分を除去する段階を含む場合がある。
【0019】
一部の実施形態では、サンプル内の検体又は検体分子が検出される。検体は、生体粒子又は生体分子を備えることができる。一部の実施形態では、検体分子は、化学化合物、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、核酸、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、細胞小器官、又はこれらのいずれかの錯体を備える。一部の実施形態では、サンプルは、組織生検材料、血液、血漿、尿、唾液、涙液、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養基、廃棄組織、植物性物質、合成蛋白質、細菌及び/又はウイルスサンプル、又は真菌組織、又はその組合せを備える。
【0020】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するための基板であり、基板は、それぞれの複数の超分子構造体に関連付けられた複数の結合部位を備え、各超分子構造体は、a)複数のコア分子を備えるコア構造体と、b)第1の場所で超分子コアにリンクされた捕捉分子と、c)第2の場所で超分子コアにリンクされた検出器分子とを備え、超分子構造体は、検出器分子がコア構造体から第2の場所でのそれらの間のリンクの切断を通して解放されるように構成されるような不安定状態にあり、各超分子構造体は、検出器分子と、捕捉分子と、1又は2以上の検体分子のそれぞれの検体分子との間の相互作用によって不安定状態から安定状態にシフトするように構成され、トリガとの相互作用時に、安定状態にシフトされたそれぞれの超分子構造体は、それぞれの検体分子を検出するための信号を提供する。
【0021】
本明細書に提供するのは、一部の実施形態では、サンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するための基板であり、基板は、ベース層と、ベース層上の結合層と、結合層上の複数の結合部位に対応する結合層の各部分を露出するパターン化された上部層と、複数の結合部位のうちの各結合部位に関連付けられた超分子構造体とを備える。超分子構造体は、複数のコア分子を備えるコア構造体と、第1の場所で超分子コアにリンクされた捕捉分子と、第2の場所で超分子コアにリンクされた検出器分子とを備え、超分子構造体は、検出器分子がコア構造体から第2の場所でのそれらの間のリンクの切断を通して解放されるように構成されるような不安定状態にあり、各超分子構造体は、検出器分子と、捕捉分子と、1又は2以上の検体分子のそれぞれの検体分子との間の相互作用を通して不安定状態から安定状態にシフトするように構成される。
【0022】
一部の実施形態では、トリガとの相互作用時に、不安定状態にある超分子構造体にリンクされた各検出器分子は、当該超分子構造体から解放された状態になる。一部の実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。一部の実施形態では、いずれか2つの超分子構造体の間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕捉分子と検出器分子間の予め決められた距離よりも大きい。一部の実施形態では、基板は、中実支持体又は中実基板を備える。
【0023】
一部の実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体の間の交差反応を低減するか又は排除するような指定の形状、サイズ、分子量、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の捕捉分子及び検出器分子を備える。一部の実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体の間の交差反応を低減するか又は排除するような指定の化学量論比の捕捉分子と検出器分子とを備える。一部の実施形態では、各超分子構造体に関する不安定状態は、第1の超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子と第2の超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子との間の交差反応の発生を低減するか又は抑制するような予め決められた距離で離間した捕捉分子と検出器分子とを更に備える。一部の実施形態では、予め決められた距離は、約3nmから約40nmである。一部の実施形態では、いずれか2つの超分子構造体の間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕捉分子と検出器分子間の予め決められた距離よりも大きい。
【0024】
一部の実施形態では、各基板は、ウィジェット、中実支持体、ポリマー母材、中実基板、又は分子凝縮体を備える。一部の実施形態では、いずれか2つの超分子構造体の間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕捉分子と検出器分子間の予め決められた距離よりも大きい。一部の実施形態では、中実基板は平面基板を備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、基板上に配置され、基板は、複数の結合部位を備え、各結合部位は、対応する超分子構造体とリンクするように構成される。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、同じ検体分子を検出するように構成される。一部の実施形態では、複数の信号伝達要素は、安定状態にシフトした少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子とリンクするように構成される。一部の実施形態では、各信号伝達要素は、蛍光性の分子又はマイクロビーズ、蛍光性ポリマー、高荷電ナノ粒子、又は高荷電ポリマーを備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体のうちの少なくとも1つの超分子構造体は、他の超分子構造体とは異なる検体分子を検出するように構成される。
【0025】
一部の実施形態では、超分子構造体は、別の超分子構造体との交差反応を低減するか又は排除するような及び/又は基板内の結合部位のサイズ及び形状に位置合わせするような指定の形状、サイズ、分子量、又はその組合せを備える。一例では、x-y平面内の超分子構造体の寸法は、結合部位のサイズ及び形状と適合するか又はそれに重なるように選択される。1つの結合部位との1つだけの超分子構造体の関連付けを促進するために、結合部位及び超分子構造体は、2つの超分子構造体が単一結合部位上に適合するとは考えられないようにサイズ決定及び成形することができる。一部の実施形態では、超分子構造体は、結合部位と関連付けられた時に少なくとも1つの寸法において個々の結合部位よりも小さくすることができる。一部の実施形態では、超分子構造体は、複数の捕捉及び検出器分子を備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、別の超分子構造体との交差反応を低減するか又は排除するような指定の化学量論比の捕捉分子と検出器分子とを備える。
【0026】
ここで本発明の開示のデバイス、送出システム、又は方法の特定の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。この詳細説明のいずれも、いずれかの特定の構成要素、特徴、又は段階が本発明に不可欠であることを示唆するように意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】例示的な超分子構造体及び関連の従属構成要素を描く図である。
図1B】例示的な超分子構造体及び関連の従属構成要素を描く図である。
図2】例示的な3アーム核酸接合ベースの組立超分子構造体及び関連の従属構成要素を描く図である。
図3図2の3アーム核酸接合ベースの超分子構造体の例示的な個々の従属構成要素を描く図である。
図4図2の3アーム核酸接合ベースの超分子構造体の従属構成要素に対応する例示的な脱構築分子を描く図である。
図5】例示的なDNAオリガミベースの組立超分子構造体及び関連の従属構成要素を描く図である。
図6図5のDNAオリガミベースの超分子構造体の例示的な個々の従属構成要素を描く図である。
図7図5のDNAオリガミベースの超分子構造体の従属構成要素に対応する例示的な脱構築分子を描く図である。
図8】トリガ(例えば、脱構築分子との相互作用)を受ける前及び受けた後に不安定状態にある超分子構造体の例示的な図である。
図9】トリガ(例えば、脱構築分子との相互作用)を受ける前及び受けた後に安定状態にある超分子構造体の例示的な図である。
図10】検体分子との相互作用後に不安定状態から安定状態にシフトする超分子構造体、並びにトリガ(例えば、脱構築分子との相互作用)を受ける前及び受けた後のそれぞれの構成の例示的な図である。
図11】検体分子との相互作用後に安定状態から不安定状態にシフトする超分子構造体、並びにトリガ(例えば、脱構築分子との相互作用)を受ける前及び受けた後のそれぞれの構成の例示的な図である。
図12】複数の超分子構造体を使用して検体分子を検出及び定量化する方法の例示的な図である。
図13】平面基板に取り付けられた複数の超分子構造体を使用して検体分子を検出及び定量化する方法の例示的な図である。
図14】DNAオリガミを含む超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
図15】超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
図16】超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
図17】超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
図18】検出システムに結合された基板の例示的な図である。
図19】電界効果トランジスタ検出システムに結合された基板の例示的な図である。
図20】光学検出システムに結合された基板の例示的な図である。
図21】基板を再生させるためのワークフローの例示的な図である。
図22】DNAオリガミを含む超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
図23】DNAオリガミを含む超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
図24】DNAオリガミを含む超分子構造体に対する結合部位のアレイを基板上に形成するための技術の例示的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書に提供するのは、サンプルに存在する1又は2以上の検体分子を検出するための構造体及び方法である。一部の実施形態では、1又は2以上の検体分子は、基板、例えば、中実支持体に結合された1又は2以上の超分子構造体を使用して検出される。中実支持体は、個々の結合部位で超分子構造体を受け入れる複数の結合部位を含むことができる。従って、この基板は、超分子構造体のための単一分子組織を可能にする。一例では、複数の結合部位のうちの各結合部位は、単一超分子構造体に関連付けられる。複数の結合部位の1又は2以上の結合部位で検体を検出することができる。基板上での超分子構造体のパターン化及び配置、並びに各超分子構造体の特性、特に構成要素に基づいて、望ましい分析機能を発生させることができる。
【0029】
一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、互いの交差反応性を最小にすることに特化して設計される。一部の実施形態では、超分子構造体は双安定性を有し、サンプルからの1又は2以上の検体分子との相互作用を通して不安定状態から安定状態にシフトする。一部の実施形態では、安定状態への移行の結果として安定状態にある超分子構造体は、検体分子の検出及び/又は定量化に関する信号を提供するように構成される。一部の実施形態では、この信号は、電気信号、光信号、電磁信号、又は検体分子の検出及び定量が検体分子の存在をDNA信号に変換する段階を備えるようなDNA信号である。本明細書に提供する基板に関連付けられた検出システムは、個々の結合部位に帰することができる信号を発生するように構成される。
【0030】
サンプル
一部の実施形態では、サンプルは、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、これらの錯体、又はそのいずれかの組合せを備える水溶液を備える。一部の実施形態では、サンプル内の検体分子は、蛋白質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、これらの錯体、又はそのいずれかの組合せを備える。一部の実施形態では、検体分子は、無傷の蛋白質、変性蛋白質、部分的又は完全に分解した蛋白質、ペプチド断片、変性核酸、分解した核酸断片、これらの錯体、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、サンプルは、組織、細胞、組織及び/又は細胞の環境、又はその組合せから得られる。一部の実施形態では、サンプルは、組織生検材料、血液、血漿、尿、唾液、涙液、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培養基、廃棄組織、植物性物質、合成蛋白質、細菌サンプル、ウイルスサンプル、真菌組織、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、サンプルは、細胞、組織、体液(例えば、血液)、環境サンプル、又はその組合せのような主供給源から精製によって又はよらずに隔離される。一部の実施形態では、細胞は、機械的処理又は他の細胞溶手法(例えば、溶解緩衝液)を使用して溶解される。一部の実施形態では、サンプルは、機械的処理(例えば、遠心分離)、ミクロン濾過、クロマトグラフィー円柱、他の濾過法、又はその組合せを使用して濾過される。一部の実施形態では、サンプルは、1又は2以上の核酸又は1又は2以上の蛋白質を取り出すために1又は2以上の酵素を使用して処理される。一部の実施形態では、サンプルは、無傷の蛋白質、変性蛋白質、部分的又は完全に分解した蛋白質、ペプチド断片、変性核酸、又は分解した核酸断片を備える。一部の実施形態では、サンプルは、1又は2以上の個人、1又は2以上の動物、1又は2以上の植物、又はその組合せから採取される。一部の実施形態では、サンプルは、感染疾患、免疫障害、癌、遺伝子疾患、変性疾患、生活習慣疾患、損傷、希少疾患、加齢関連疾患、又はその組合せを備える疾患又は障害を有する個人、動物、及び/又は植物から採取される。
【0031】
超分子構造体
一部の実施形態では、超分子構造体は、分子を空間的に組織化することができるプログラマブル構造体である。一部の実施形態では、超分子構造体は、互いにリンクされた複数の分子を備える。一部の実施形態では、超分子構造体の複数の分子は、互いの少なくとも一部と相互作用する。一部の実施形態では、超分子構造体は、特定の形状を備える。一部の実施形態では、この超分子ナノ構造体は、その複数の分子ベースの指定の分子量を備える。一部の実施形態では、超分子構造体はナノ構造体である。一部の実施形態では、複数の分子は、結合、化学結合、物理的取り付け、又はその組合せによって互いにリンクされる。一部の実施形態では、超分子構造体は、特に互いに相互作用する明確な個数のより小さい分子から形成された特定の形状及び分子量の大きい分子エンティティを備える。一部の実施形態では、超分子構造体の構造的、化学的、及び物理特性が明確に設計される。一部の実施形態では、超分子構造体は、指定距離に従って離間した複数の従属構成要素を備える。一部の実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部分は剛性を有する。一部の実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部分は半剛性を有する。一部の実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部分は可撓性を有する。
【0032】
図1A及び図1Bは、コア構造体13と捕捉分子2とを備える超分子構造体40の例示的実施形態を提供している。図1Aに示すように、超分子構造体40は、実施形態では検出器分子1とアンカー分子18とを備えることができる。一部の実施形態では、超分子構造体は、1又は2以上の捕捉分子2と、1又は2以上の検出器分子1と、任意的に1又は2以上のアンカー分子18とを備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、アンカー分子を備えない。一部の実施形態では、超分子構造体はポリヌクレオチド構造体である。
【0033】
一部の実施形態では、コア構造体13は、互いにリンクされた1又は2以上のコア分子を備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、互いにリンクされた2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、50個、100個、200個、又は500個の特異分子を備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、約2個から約1000個の特異分子を備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコア分子は、互いに相互作用して超分子構造体の特定の形状を定める。一部の実施形態では、複数のコア分子は、可逆非共有相互作用を通して互いに相互作用する。一部の実施形態では、コア構造体の特定の形状は、3次元(3D)構成にある。一部の実施形態では、1又は2以上の分子は、特定の分子量を与える。一部の実施形態では、コア構造体13はナノ構造体である。一部の場合に、1又は2以上のコア分子は、1又は2以上の核酸ストランド(例えば、DNA、RNA、非天然核酸)、1又は2以上の分枝核酸、1又は2以上のペプチド、1又は2以上の小分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、コア構造体は、ポリヌクレオチド構造体を備える。一部の実施形態では、コア構造体の少なくとも一部分は剛性を有する。一部の実施形態では、コア構造体の少なくとも一部分は半剛性を有する。一部の実施形態では、コア構造体の少なくとも一部分は可撓性を有する。一部の実施形態では、コア構造体は、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場混成DNA:RNAオリガミ、単一ストランドDNAタイル構造体、マルチストランドDNAタイル構造体、単一ストランドRNAオリガミ、マルチストランドRNAタイル構造体、複数の足場を有する階層的構成DNA又はRNAオリガミ、ペプチド構造体、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、DNAオリガミは足場化される。一部の実施形態では、RNAオリガミは足場化される。一部の実施形態では、混成DNA:RNAオリガミは足場化される。一部の実施形態では、DNAオリガミ、RNAオリガミ、又は混成DNA:RNAオリガミを備えるコア構造体は、指定の2次元(2D)形状又は3D形状を備える。
【0034】
図1に示すように、一部の実施形態では、コア構造体13は、捕捉分子2、検出器分子1、アンカー分子18、又はその組合せにリンクされるように構成される。一部の実施形態では、捕捉分子2、検出器分子1、及び/又はアンカー分子18は、コアナノ構造体13にリンクされた時に、それに対して不動化される。一部の実施形態では、いずれの個数の1又は2以上のコア分子も、捕捉分子2、検出器分子1、及び/又はアンカー分子18とのリンケージを形成するように構成された1又は2以上のリンカー10、12、14を備える。一部の実施形態では、いずれの個数のコア分子も、捕捉分子2、検出器分子1、及び/又はアンカー分子18とのリンケージを形成するように構成された1又は2以上のリンカー10、12、14とリンクされるように構成される。一部の実施形態では、1又は2以上のリンカーは、化学結合を通して1又は2以上のコア分子にリンクされる。一部の実施形態では、1又は2以上のコアリンカーのうちの少なくとも1つは、コア反応分子を備える。一部の実施形態では、各コア反応分子は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を独立に備える。一部の実施形態では、1又は2以上のコアリンカーのうちの少なくとも1つは、DNA配列ドメインを備える。
【0035】
一部の実施形態では、コア構造体13は、1)コア構造体上の指定の第1の場所で捕捉分子2に、2)コア構造体上の指定の第2の場所で検出器分子1に、及び任意的に3)コア構造体上の指定の第3の場所でアンカー分子18にリンクされる。一部の実施形態では、コア構造体上の第1の場所に指定の第1のコアリンカー12が配置され、コア構造体上の第2の場所に指定の第2のコアリンカー10が配置される。一部の実施形態では、第1の場所にある1又は2以上のコア分子は、第1のコアリンカー12とのリンケージを形成するように修正される。一部の実施形態では、第1のコアリンカー12は、コア構造体13の延長である。第2の場所にある1又は2以上のコア分子は、第2のコアリンカー10とのリンケージを形成するように修正される。一部の実施形態では、第2のコアリンカー10は、コア構造体13の延長である。一部の実施形態では、コア構造体13の3D形状及び第1の場所と第2の場所の相対距離は、捕捉分子2と検出器分子1の間の分子内相互作用を最大に高めるように指定される。一部の実施形態では、コア構造体13の3D形状及び第1の場所と第2の場所の相対距離は、捕捉分子2と検出器分子1の間の分子内相互作用を最大に高めるような捕捉分子2と検出器分子1の間の望ましい距離を達成するように指定される。
【0036】
本明細書で議論するように、一部の実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1の間の距離は、約3nm、4nm、5nm、6nm、10nm、12nm、15nm、20nm、30nm、又は40nmである。一部の実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1の間の距離は、約1nmから約60nmである。一部の実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1の間の距離は、約1nmから約2nm、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約1nmから約20nm、約1nmから約40nm、約1nmから約60nm、約2nmから約5nm、約2nmから約10nm、約2nmから約20nm、約2nmから約40nm、約2nmから約60nm、約5nmから約10nm、約5nmから約20nm、約5nmから約40nm、約5nmから約60nm、約10nmから約20nm、約10nmから約40nm、約10nmから約60nm、約20nmから約40nm、約20nmから約60nm、又は約40nmから約60nmであり、そこでの区分を含む。一部の実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1の間の距離は、約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、又は約60nmである。一部の実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1の間の距離は、少なくとも約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、又は約40nmである。一部の実施形態では、捕捉分子2と検出器分子1の間の距離は、最大で約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、又は約60nmである。
【0037】
一部の実施形態では、コア構造体13上の第3の場所に指定の第3のコアリンカー14が配置される。一部の実施形態では、第3の場所にある1又は2以上のコア分子は、第3のコアリンカー14とのリンケージを形成するように修正される。一部の実施形態では、第3のコアリンカー12は、コア構造体13の延長である。一部の実施形態では、第1及び第2の場所は、コア構造体13の第1の側に配置され、任意的な第3の場所は、コア構造体13の第2の側に配置される。
【0038】
一部の実施形態では、捕捉分子2は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、蛍光色素分子、ナノボディ、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、検出器分子1は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、蛍光色素分子、ナノボディ、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、アンカー分子は反応分子を備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は反応分子を備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、反応分子を備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、蛋白質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、蛍光色素分子、ナノボディ、darpin、触媒、重合開始剤、PEGのようなポリマー、有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、捕捉分子2と、対応する検出器分子1との単一ペアは、コア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、捕捉分子2と、対応する検出器分子1との複数のペアは、コア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、捕捉分子2と、対応する検出器分子1との複数のペアは、クロストークを最小にするために、すなわち、第1のペアからの捕捉分子及び/又は検出器分子が第2のペアからの捕捉分子及び/又は検出器分子と相互作用することを最小にするために互いに離間している。
【0039】
一部の実施形態では、超分子構造体の各構成要素は、独立に修正又は調整することができる。一部の実施形態では、超分子構造体の構成要素のうちの1又は2以上を修正する段階は、超分子構造体自体の2D又及び3Dの幾何学形状を修正することができる。一部の実施形態では、超分子構造体の構成要素のうちの1又は2以上を修正する段階は、コア構造体の2D及び3Dの幾何学形状を修正することができる。一部の実施形態では、超分子ナノ構造体の構成要素を独立に修正するためのそのような機能は、中実基板(例えば、平坦面)上及び3D容積(例えば、中実基板上に形成されたウェル内)上での1又は2以上の超分子構造体の組織化に対する正確な制御を可能にする。
【0040】
捕捉バーコード
図1A及び図1Bに示すように、一部の実施形態では、捕捉分子2は、捕捉バーコード20を通してコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、捕捉分子2とのリンケージを形成し、かつコア構造体13とのリンケージを形成する。一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、第1の捕捉リンカー11と、第2の捕捉リンカー6と、捕捉ブリッジ7とを備える。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、反応分子を備える。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6は反応分子を備える。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、ビオチン、マレイミド、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカーはDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉ブリッジ7はポリマーを備える。一部の実施形態では、捕捉ブリッジ7は、特定配列の核酸(例えば、DNA又はRNA)を備えるポリマーを備える。一部の実施形態では、捕捉ブリッジ7は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、捕捉ブリッジ7にその第1の終端部で取り付けられ、第2の捕捉リンカー6は、捕捉ブリッジ7にその第2の終端部で取り付けられる。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、化学結合を通して捕捉ブリッジ7に取り付けられる。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、化学結合を通して捕捉ブリッジ7に取り付けられる。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11は、物理的取り付けを通じて捕捉ブリッジ7に取り付けられる。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、物理的取り付けを通じて捕捉ブリッジ7に取り付けられる。
【0041】
一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12の間のリンクを通してコア構造体13にリンクされる。本明細書に説明する一部の実施形態では、第1のコアリンカー12は、コア構造体13上の第1の場所に配置される。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12とは、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12とは、共有結合によって互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12の間のリンクは、トリガを受けた時に逆転可能である。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(「捕捉脱構築分子」、例えば、図4図7の参照文字30)との相互作用又はトリガ信号への露出を備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は光信号を備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。
【0042】
一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、第2の捕捉リンカー6と捕捉分子2に結合された第3の捕捉リンカー5との間のリンクを通して捕捉分子2にリンクされる。一部の実施形態では、第3の捕捉リンカー5は反応分子を備える。一部の実施形態では、第3の捕捉リンカー5は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第3の捕捉リンカー5はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に共有結合によって結合される。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6と第3の捕捉リンカー5とは、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第2のリンカー6と第3の捕捉リンカー5とは、共有結合によって互いにリンクされる。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6と第3の捕捉リンカー5の間のリンクは、トリガを受けた時に逆転可能である。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(「捕捉バーコード放出分子」、例えば、図4図7の参照文字31)との相互作用又はトリガ信号への露出を備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード放出分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は光信号を備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。
【0043】
一部の実施形態では、トリガを受けることにより、第1の捕捉リンカー11と第1のコアリンカー12の間のリンクのみが破断され、それによって第1の場所でのコアナノ構造体13との捕捉分子リンケージが破断される。一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、コア構造体13及び捕捉分子2から分離された時に、検体分子を検出することに関する信号を提供するように構成される。一部の実施形態では、捕捉バーコード20から供給される信号はDNA信号である。
【0044】
検出器バーコード
図1Aに示すように、一部の実施形態では、検出器分子1は、検出器バーコード21を通してコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、検出器バーコード21は、検出器分子1とのリンケージを形成し、検出器バーコード21は、コア構造体13とのリンケージを形成する。一部の実施形態では、検出器バーコードは、第1の検出器リンカー9と、第2の検出器リンカー4と、検出器ブリッジ8とを備える。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9は反応分子を備える。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4は反応分子を備える。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器ブリッジ8はポリマーを備える。一部の実施形態では、検出器ブリッジ8は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備えるポリマーを備える。一部の実施形態では、検出器ブリッジ8は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9は、検出器ブリッジ8にその第1の終端部で取り付けられ、第2の検出器リンカー4は、検出器ブリッジ8にその第2の終端部で取り付けられる。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9は、化学結合を通して検出器ブリッジ8に取り付けられる。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4は、化学結合を通して検出器ブリッジ8に取り付けられる。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9は、物理的取り付けを通じて検出器ブリッジ8に取り付けられる。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4は、物理的取り付けを通じて検出器ブリッジ8に取り付けられる。
【0045】
一部の実施形態では、検出器バーコード21は、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10の間のリンクを通してコア構造体13にリンクされる。本明細書に説明する一部の実施形態では、第2のコアリンカー10は、コア構造体13上の第2の場所に配置される。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10とは、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10とは、共有結合によって互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10の間のリンクは、トリガを受けた時に逆転可能である。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(「検出器脱構築分子」、例えば、図4図7の参照文字28)との相互作用又はトリガ信号への露出を備える。一部の実施形態では、検出器脱構築分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は光信号を備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。
【0046】
一部の実施形態では、検出器バーコード21は、第2の検出器リンカー4と、検出器分子1に結合された第3の検出器リンカー3との間のリンクを通して検出器分子1にリンクされる。一部の実施形態では、第3の検出器リンカー3は反応分子を備える。一部の実施形態では、第3の検出器リンカー3は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第3の検出器リンカー3はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器分子1は、第3の検出器リンカー3に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、検出器分子1は、第3の検出器リンカー3に共有結合によって結合される。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4と第3の検出器リンカー3とは、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4と第3の検出器リンカー3とは、共有結合によって互いにリンクされる。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4と第3の検出器リンカー3の間のリンクは、トリガを受けた時に逆転可能である。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(「検出器バーコード放出分子」、例えば、図4図7の参照文字29)との相互作用又はトリガ信号への露出を備える。一部の実施形態では、検出器バーコード放出分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は光信号を備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。
【0047】
一部の実施形態では、トリガを受けることにより、第1の検出器リンカー9と第2のコアリンカー10の間のリンクのみが破断され、それによって第2の場所でのコア構造体13との検出器分子リンケージが破断される。一部の実施形態では、検出器バーコード21は、コア構造体13及び検出器分子2から分離された時に、検体分子を検出することに関する信号を提供するように構成される。一部の実施形態では、検出器バーコード21から供給される信号はDNA信号である。
【0048】
アンカーバーコード
図1Aに示すように、一部の実施形態では、アンカー分子18は、アンカーバーコードを通してコア構造体13にリンクされる。一部の実施形態では、アンカーバーコードは、アンカー分子18とのリンケージを形成し、アンカーバーコードは、コア構造体13とのリンケージを形成する。一部の実施形態では、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー15と、第2のアンカーリンカー17と、アンカーブリッジ16とを備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は反応分子を備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジ16はポリマーを備える。一部の実施形態では、アンカー架橋部16は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備えるポリマーを備える。一部の実施形態では、アンカーブリッジ16は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、アンカーブリッジ16にその第1の終端部で取り付けられ、第2のアンカーリンカー17は、アンカーブリッジ16にその第2の終端部で取り付けられる。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、化学結合を通してアンカーブリッジ16に取り付けられる。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、物理的取り付けを通じてアンカーブリッジ16に取り付けられる。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15は、化学結合を通してアンカーブリッジ16に取り付けられる。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、物理的取り付けを通じてアンカーブリッジ16に取り付けられる。
【0049】
一部の実施形態では、アンカーバーコードは、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14の間のリンクを通してコア構造体13にリンクされる。本明細書に説明する一部の実施形態では、第3のコアリンカー14は、コア構造体13上の第3の場所に配置される。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14は、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14は、共有結合によって互いにリンクされる。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14の間のリンクは、トリガを受けた時に逆転可能である。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(「アンカー脱構築分子」、例えば、図4図7の参照文字32)との相互作用又はトリガ信号への露出を備える。一部の実施形態では、アンカー脱構築分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は光信号を備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。
【0050】
一部の実施形態では、アンカーバーコードは、第2のアンカーリンカー17とアンカー分子18の間のリンクを通してアンカー分子18にリンクされる。本明細書に開示するように、アンカー分子は、反応分子、反応分子、DNA配列ドメイン、反応分子を備えるDNA配列ドメイン、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、第2のアンカーリンカー17に化学結合を通して結合される。一部の実施形態では、アンカー分子18は、第2のアンカーリンカー17に共有結合によって結合される。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17とアンカー分子18の間のリンクは、トリガを受けた時に逆転可能である。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(「アンカーバーコード放出分子」、例えば、図4図7の参照文字33)との相互作用又はトリガ信号への露出を備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード放出分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、トリガ信号は光信号を備える。一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。
【0051】
一部の実施形態では、トリガを受けることにより、第1のアンカーリンカー15と第3のコアリンカー14の間のリンクのみが破断され、それによって第3の場所でのコアナノ構造体13とのアンカー分子のリンクが破断される。
【0052】
一部の実施形態では、捕捉脱構築分子と、捕捉バーコード放出分子と、検出器脱構築分子と、検出器バーコード放出分子とは、同じタイプの分子を備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子と、捕捉バーコード放出分子と、検出器脱構築分子と、検出器バーコード放出分子とは、異なるタイプの分子を備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子と、捕捉バーコード放出分子と、検出器脱構築分子と、検出器バーコード放出分子と、アンカー脱構築分子と、アンカーバーコード放出分子とは、同じタイプの分子を備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子と、捕捉バーコード放出分子と、検出器脱構築分子と、検出器バーコード放出分子と、アンカー脱構築分子と、アンカーバーコード放出分子とは、異なるタイプの分子を備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子と、捕捉バーコード放出分子と、検出器脱構築分子と、検出器バーコード放出分子と、アンカー脱構築分子と、アンカーバーコード放出分子とのいずれの組合せも、同じタイプの分子を備える。
【0053】
3アーム核酸接合ベースの超分子構造体
図2図3は、3アーム核酸接合を備える超分子構造体40及び関連の従属構成要素の例示的な図を提供している。図2は、完全な超分子構造体を提供しており、それに対して図3は、図2の超分子構造体を備える従属構成要素を提供している。一部の実施形態では、超分子構造体の従属構成要素は、5つのDNAストランド(参照文字20~24)と、末端修正部を有する1つのDNAストランド25と、単一DNAリンカー3、5によって修正された2つの抗体(1、2)とを備える。図4は、図2の超分子構造体40からそれぞれの従属構成要素を切断するように構成されたそれぞれの脱構築分子の例示的な図を提供している。図2図4の参照文字1~18は、図1Aに同じ参照文字で提供するそれぞれの構成要素に対応する。
【0054】
【0055】
一部の実施形態では、コア構造体の第1のコアストランド23は、DNA配列ドメインを備える第1のコアリンカー12を備える。一部の実施形態では、第1のコアストランド23は、図2図4に「A」とラベル付けしており、第1のコアリンカー12から非構造化DNA領域によって分離されたDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、非構造化DNA領域は、ポリマースペーサを備える。一部の実施形態では、ポリマースペーサは、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、ポリマースペーサは、PEGのようなポリマーを備える。
【0056】
一部の実施形態では、第1のコアリンカー12は、捕捉バーコードストランド20上の第1の捕捉リンカー11と相補的である。一部の実施形態では、捕捉バーコードストランド20は、その両方の端部に第1の捕捉リンカー11及び第2の捕捉リンカー6のいずれかを備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコードストランド20は、第1の捕捉リンカー11と第2の捕捉リンカー6の間に特異捕捉バーコード配列7を更に備える。一部の実施形態では、特異捕捉バーコード配列7は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、特異捕捉バーコード配列7は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、トウホールド(「TH」)と呼ぶ短いドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード配列7がトウホールド(「TH」)を備える。
【0057】
一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、第3の捕捉リンカー5と相補的である。一部の実施形態では、第3の捕捉リンカー5は、DNA配列ドメインである。一部の実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に結合される27。一部の実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に共有結合される。一部の実施形態では、捕捉分子2は捕捉抗体である。
【0058】
【0059】
一部の実施形態では、第2のコアリンカー10は、検出器バーコードストランド21上の第1の検出器リンカー9と相補的である。一部の実施形態では、検出器バーコードストランド21は、その両方の端部に第1の検出器リンカー9及び第2の検出器リンカー4のいずれかを備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器バーコードストランド21は、第1の検出器リンカー9と第2の検出器リンカー4の間に特異検出器バーコード配列8を更に備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列8は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列8は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、検出器バーコード21は、トウホールド(「TH」)と呼ぶ短いドメインを備える。一部の実施形態では、検出器バーコード配列8がトウホールド(「TH」)を備える。
【0060】
一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4は、第3の検出器リンカー3と相補的である。一部の実施形態では、第3の検出器リンカー3はDNA配列ドメインである。一部の実施形態では、検出器分子1は、第3の検出器リンカー3に結合される26。一部の実施形態では、検出器分子1は、第3の捕捉リンカー3に共有結合される。一部の実施形態では、検出器分子1は検出器抗体である。
【0061】
一部の実施形態では、第3のコアリンカー14は、アンカーバーコードストランド22上の第1のアンカーリンカー15と相補的である。一部の実施形態では、アンカーバーコードストランド22は、その両方の端部に第1のアンカーリンカー15及び第2のアンカーリンカー17のいずれかを備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコードストランド22は、第1のアンカーリンカー15と第2のアンカーリンカー17の間に特異アンカーバーコード配列16を更に備える。一部の実施形態では、特異アンカーバーコード配列16は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、特異アンカーバーコード配列16は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード22は、トウホールド(「TH」)と呼ぶ短いドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード配列16がトウホールド(「TH」)を備える。
【0062】
一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アンカー分子18と相補的である。一部の実施形態では、アンカー分子18はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は、末端修正部34にリンクされる25。一部の実施形態では、末端修正部34は反応分子を備える。一部の実施形態では、末端修正部34は反応分子を備える。一部の実施形態では、末端修正部34は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。
【0063】
図4は、超分子構造体40に対する異なる反応をトリガするのに使用することができる脱構築分子の例示的実施形態を提供している。一部の実施形態では、検出器脱構築分子28は、検出器バーコード21上のTHドメイン及び第2のコアストランド24上の第2のコアリンカー10(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器脱構築分子28は、検出器バーコード21とコア構造体(例えば、第2のコアストランド24)との間のリンクを切断するように構成される。一部の実施形態では、検出器バーコード放出分子29は、検出器バーコード21上のTHドメイン及び第3の検出器リンカー3(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器バーコード放出分子28は、検出器バーコード21と検出器分子1の間のリンクを切断するように構成される。
【0064】
一部の実施形態では、捕捉脱構築分子30は、捕捉バーコード20上のTHドメイン及び第1のコアストランド23上の第1のコアリンカー12(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子30は、捕捉バーコード20とコア構造体(例えば、第1のコアストランド23)との間のリンクを切断するように構成される。一部の実施形態では、捕捉バーコード放出分子31は、捕捉バーコード20上のTHドメイン及び第3の捕捉リンカー5(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード放出分子31は、捕捉バーコード20と捕捉分子2の間のリンクを切断するように構成される。
【0065】
一部の実施形態では、アンカー脱構築分子32は、アンカーバーコード22上のTHドメイン及び第2のコアストランド上の第3のコアリンカー14(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカー脱構築分子32は、アンカーバーコード22とコア構造体(例えば、第2のコアストランド24)との間のリンクを切断するように構成される。一部の実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22上の「TH」ドメイン及びアンカー分子18(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有する「TH’」ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22とアンカー分子18の間のリンクを切断するように構成される。
【0066】
【0067】
DNAオリガミベースの超分子構造体
図5図6は、DNAオリガミを備える超分子構造体40及び関連の従属構成要素の例示的な図を提供している。図5は、完全な超分子構造体を提供しており、それに対して図6は、図5の超分子構造体を備える従属構成要素を提供している。一部の実施形態では、超分子構造体の従属構成要素は、コア構造体としてDNAオリガミ13と、3つのDNAストランド(参照文字20~22)と、末端修正部を有する1つのDNAストランド25と、単一DNAリンカー3、5によって修正された2つの抗体(1、2)とを備える。図6は、図5の超分子構造体40からそれぞれの従属構成要素を切断するように構成されたそれぞれの脱構築分子の例示的な図を提供している。図5図7の参照文字1~18は、図1Aに同じ参照文字で提供するそれぞれの構成要素に対応する。
【0068】
一部の実施形態では、コア構造体13は、足場DNAオリガミを備え、「足場」ストランドと呼ぶ円形ssDNA分子は、ssDNA「足場」ストランドの特定のサブセクションと相互作用する「ステープル」ストランドと呼ぶ2又は3以上の短いssDNAと相互作用することによって予め定められた2D形状又は3D形状に折り畳まれる。
【0069】
図5図6に示すように、超分子構造体の一部の実施形態では、コア構造体13はDNAオリガミを備える。一部の実施形態では、コア構造体13は、DNA配列ドメインを備える第1のコアリンカー12を備える。一部の実施形態では、第1のコアリンカー12は、捕捉バーコードストランド20上の第1の捕捉リンカー11と相補的である。一部の実施形態では、捕捉バーコードストランド20は、その両方の端部に第1の捕捉リンカー11及び第2の捕捉リンカー6のいずれかを備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、第1の捕捉リンカー11はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコードストランド20は、第1の捕捉リンカー11と第2の捕捉リンカー6の間に特異捕捉バーコード配列7を更に備える。一部の実施形態では、特異捕捉バーコード配列7は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、特異捕捉バーコード配列7は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、トウホールド(「TH」)と呼ぶ短いドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード配列7は、トウホールド(「TH」)を備える。
【0070】
一部の実施形態では、第2の捕捉リンカー6は、第3の捕捉リンカー5と相補的である。一部の実施形態では、第3の捕捉リンカー5はDNA配列ドメインである。一部の実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に結合される27。一部の実施形態では、捕捉分子2は、第3の捕捉リンカー5に共有結合される。一部の実施形態では、捕捉分子2は捕捉抗体である。
【0071】
一部の実施形態では、コア構造体13は、DNA配列ドメインを備える第2のコアリンカー10を備える。一部の実施形態では、第2のコアリンカー10は、検出器バーコードストランド21上の第1の検出器リンカー9と相補的である。一部の実施形態では、検出器バーコードストランド21は、その両方の端部に第1の検出器リンカー9及び第2の検出器リンカー4のいずれかを備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、第1の検出器リンカー9はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器バーコードストランド21は、第1の検出器リンカー9と第2の検出器リンカー4の間に特異検出器バーコード配列8を更に備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列8は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列8は、PEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、検出器バーコード21は、トウホールド(「TH」)と呼ぶ短いドメインを備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列8がトウホールド(「TH」)を備える。
【0072】
一部の実施形態では、第2の検出器リンカー4は、第3の検出器リンカー3と相補的である。一部の実施形態では、第3の検出器リンカー3はDNA配列ドメインである。一部の実施形態では、検出器分子1は、第3の検出器リンカー3に結合される26。一部の実施形態では、検出器分子1は、第3の捕捉リンカー3に共有結合される。一部の実施形態では、検出器分子1は検出器抗体である。
【0073】
一部の実施形態では、コア構造体13は、DNA配列ドメインを備える第3のコアリンカー14を備える。一部の実施形態では、第3のコアリンカー14は、アンカーバーコードストランド22上の第1のアンカーリンカー15と相補的である。一部の実施形態では、アンカーバーコードストランド22は、その両方の端部に第1のアンカーリンカー15及び第2のアンカーリンカー17のいずれかを備えるDNAストランドを備える。一部の実施形態では、第1のアンカーリンカー15はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコードストランド22は、第1のアンカーリンカー15と第2のアンカーリンカー17の間に特異アンカーバーコード配列16を更に備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列16は、特定配列の核酸(DNA又はRNA)を備える。一部の実施形態では、特異検出器バーコード配列16はPEGのようなポリマーを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード22は、トウホールド(「TH」)と呼ぶ短いドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード配列16がトウホールド(「TH」)を備える。
【0074】
一部の実施形態では、第2のアンカーリンカー17は、アンカー分子18と相補的である。一部の実施形態では、アンカー分子18はDNA配列ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカー分子18は末端修正部34にリンクされた25。一部の実施形態では、末端修正部34は反応分子を備える。一部の実施形態では、末端修正部34は、アミン、チオール、DBCO、NHS-エステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特定配列の単一ストランド核酸(例えば、RNA又はDNA)、又はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)又は1又は2以上の重合開始剤)を備える反応分子を備える。一部の実施形態では、超分子構造体40は、アンカー分子18又は関連のコアリンカー14、アンカーリンカー15、バーコード16、又はアンカーリンカー17を含まず、コア構造体13は、本明細書で議論する基板と直接的に相互作用する又は接触する。
【0075】
図6は、超分子構造体40に対する異なる反応をトリガするのに使用することができる脱構築分子の例示的実施形態を提供している。一部の実施形態では、検出器脱構築分子28は、検出器バーコード21上のTHドメイン及びコアナノ構造体13上の第2のコアリンカー10(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器脱構築分子28は、検出器バーコード21とコア構造体13の間のリンクを切断するように構成される。一部の実施形態では、検出器バーコード放出分子29は、検出器バーコード21上のTHドメイン及び第3の検出器リンカー3(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、検出器バーコード放出分子28は、検出器バーコード21と検出器分子1の間のリンクを切断するように構成される。
【0076】
一部の実施形態では、捕捉脱構築分子30は、捕捉バーコード20上のTHドメイン及びコアナノ構造体13上の第1のコアリンカー12(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉脱構築分子30は、捕捉バーコード20とコア構造体13の間のリンクを切断するように構成される。一部の実施形態では、捕捉バーコード放出分子31は、捕捉バーコード20上のTHドメイン及び第3の捕捉リンカー5(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード放出分子31は、捕捉バーコード20と捕捉分子2の間のリンクを切断するように構成される。
【0077】
一部の実施形態では、アンカー脱構築分子32は、アンカーバーコード22上のTHドメイン及びコアナノ構造体13上の第3のコアリンカー14(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカー脱構築分子32は、アンカーバーコード22とコア構造体13の間のリンクを切断するように構成される。一部の実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22上のTHドメイン及びアンカー分子18(例えば、DNA配列ドメイン)と相補的な配置を有するTH’ドメインを備える。一部の実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22とアンカー分子18の間のリンクを切断するように構成される。
【0078】
超分子構造体の安定及び不安定状態
一部の実施形態では、超分子構造体は、1又は2以上の安定状態構成を備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、1又は2以上の不安定状態構成を備える。一部の実施形態では、超分子構造体は、安定状態構成と不安定状態構成とを有する双安定構成を備える。一部の実施形態では、安定及び不安定という2つの状態は、特異分子(例えば、脱構築分子)及び/又はトリガ信号を受けた時に構造的に無傷のままに留まる個々の超分子構造体の機能に基づいて予め定められる。一部の実施形態では、超分子構造体が安定状態にある時に、超分子構造体の一部である全ての異なる構成要素は、脱構築分子及び/又はトリガ信号を受けた後であっても互いに物理的にリンクされたままに留まる。一部の実施形態では、超分子構造体が不安定状態にある時に、脱構築分子及び/又はトリガ信号への露出の結果として超分子構造体の予め定められたセクション(例えば、1又は2以上の従属構成要素)は、物理的に切断され、すなわち、超分子構造体から解放(分離)される。一部の実施形態では、超分子構造体は、検体分子(本明細書に説明する)との相互作用時に安定状態から不安定状態にシフトするように構成される。一部の実施形態では、超分子構造体は、検体分子(本明細書に説明する)との相互作用時に不安定状態から安定状態にシフトするように構成される。一部の実施形態では、超分子構造体の状態変化をトリガする検体分子は、蛋白質、蛋白質のクラスター、ペプチド断片、ペプチド断片のクラスター、DNA、RNA、DNAナノ構造体、RNAナノ構造体、脂質、有機分子、無機分子、又はそのいずれかの組合せを備える。
【0079】
一部の実施形態では、不安定状態構成にある超分子構造体は、捕捉分子2がコアナノ構造体13から解放されるようにコア構造体13と捕捉分子2の間のリンクを切断することができる物理的状態を備える。一部の実施形態では、不安定状態構成は、検出器分子1がコアナノ構造体13から解放されるようにコアナノ構造体13と検出器分子1の間のリンクを切断することができる物理的状態を備える。一部の実施形態では、不安定状態構成は、捕捉分子2及び検出器分子1がコアナノ構造体13から解放されるようにコアナノ構造体13と捕捉分子2の間のリンク及びコアナノ構造体13と検出器分子1の間のリンクを切断することができる物理的状態を備える。一部の実施形態では、コアナノ構造体13と、1)捕捉分子2、2)検出器分子1、又は3)これらの両方との間のリンクは、トリガ(例えば、本明細書に説明する脱構築分子又は本明細書に説明するトリガ信号)を受けた時に切断される。図8は、最初に検出器分子1が検出器バーコード21とのリンケージを通してコア構造体13に結合された不安定状態にある超分子構造体40の例示的な図を提供している。図8の参照を続けると、次に、脱構築分子42(例えば、検出器脱構築分子28)との相互作用は、検出器バーコード21とコア構造体13の間のリンクを切断し、それによって検出器分子1は、コアナノ構造体13から解放される。一部の実施形態では、不安定状態では、コアナノ構造体13上の捕捉分子2と検出器分子1とは、コアナノ構造体13の物理的構成による以外は拘束されずに互いに対して自由に拡散する。
【0080】
一部の実施形態では、安定状態構成は、コア構造体13と捕捉分子2の間のリンクの切断時に捕捉分子2がコアナノ構造体13に結合されたままに留まる物理的状態を備える。一部の実施形態では、安定状態構成は、コア構造体13と検出器分子1の間のリンクの切断時に検出器分子1がコアナノ構造体13に結合されたままに留まる物理的状態を備える。一部の実施形態では、安定状態構成は、捕捉分子2と検出器分子1が互いに対して近くに配置される物理的状態を備える。一部の実施形態では、検出器分子1と捕捉分子2は、互いの間に明確な結合の形成があるか又はない状態で互いに対して近くに配置される。一部の実施形態では、検出器分子1と捕捉分子2は互いにリンクされる。一部の実施形態では、検出器分子1と捕捉分子2は、化学結合を通して互いにリンクされる。一部の実施形態では、検出器分子1と捕捉分子2は、これらの分子間に位置する別の分子とのリンケージを通して互いにリンクされる(例えば、サンドイッチ構成で)。一部の実施形態では、検出器分子と捕捉分子は、サンプル(本明細書に説明する)からの検体分子44とのリンケージを通して互いにリンクされる。図9は、捕捉分子2が検体分子44とのリンケージを通して検出器分子1にリンクされた安定状態にある超分子構造体40の例示的な図を提供している。図9の参照を続けると、脱構築分子42との相互作用は、検出器分子1とコア構造体13の間のリンクを切断するが、検出器分子1は、捕捉分子2とのリンケージを通してコアナノ構造体13に結合されたままに留まる。本明細書で更に説明するように、一部の実施形態では、捕捉分子及び/又は検出器分子は、サンプルからの1又は2以上の特定のタイプの検体分子とのリンケージを形成するように構成される。一部の実施形態では、脱構築分子及び/又はトリガ信号との相互作用は、捕捉分子と検出器分子間のリンクを切断しない。
【0081】
図10は、不安定状態から安定状態にシフトする超分子構造体の例示的実施形態を提供している。本明細書に説明するように、不安定状態構成にある超分子構造体40は、対応する脱構築分子42(例えば、検出器脱構築分子28)及び/又はトリガ信号との相互作用時に検出器分子1から分離されることになる(検出器分子は、超分子構造体から解放されることになる)。図10の参照を続けると、一部の実施形態では、サンプルからの検体分子44との相互作用は、捕捉分子と検出器分子とを併せてこれらの分子の間に位置する検体分子と結合し(例えば、サンドイッチ構成で)、それによって超分子構造体40を不安定状態から安定状態にシフトさせる。一部の実施形態では、検体分子44は単一分子を備える。一部の実施形態では、これに代えて、検体分子は複数の検体分子を備える。一部の実施形態では、これに代えて、検体分子は分子クラスターを備える。一部の実施形態では、本明細書に説明して図10に示すように、超分子構造体が安定状態にある時に、対応する脱構築分子との相互作用は、コア構造体13と検出器バーコード21の間のリンクを切断し、検出器分子1は、捕捉分子2及び検体分子44とのリンケージを通してコア構造体13にリンクされたままに留まる。
【0082】
図11は、安定状態から不安定状態にシフトする超分子構造体40の例示的実施形態を提供している。本明細書に説明するように、超分子構造体40が安定状態構成にある場合に、検出器分子1は、対応する脱構築分子及び/又はトリガ信号との相互作用時に検出器分子1が捕捉分子2にリンクされていることに起因してコア構造体13にリンクされたままに留まることになる。図11の参照を続けると、一部の実施形態では、サンプルからの検体分子44との相互作用は、検体分子44を捕捉分子1にのみ結合し、それによって超分子構造体を検出器分子1が検出器バーコード21とのリンケージを通してコアナノ構造体13にのみ結合される不安定状態に移行させるように捕捉分子2と検出器分子1の間のリンクを切断する。一部の実施形態では、検体分子44は単一分子を備える。一部の実施形態では、これに代えて、検体分子は複数の検体分子を備える。一部の実施形態では、これに代えて、検体分子は分子クラスターを備える。一部の実施形態では、本明細書に説明して図11に示すように、超分子構造体が不安定状態にある時に、対応する脱構築分子42との相互作用は、コア構造体13と検出器バーコード21の間のリンクを切断し、それによって検出器分子1は、コア構造体13から解放(分離)される。
【0083】
一部の実施形態では、超分子構造体40は、捕捉分子2と検出器分子1の間のリンクを切断して検出器分子1と結合する検体分子44との相互作用時に安定状態から不安定状態に移る。捕捉分子2は、それによって、対応する脱構築分子42(例えば、捕捉脱構築分子30)との相互作用時にコア構造体13から解放される。
【0084】
検体分子を検出する方法
本明細書で議論するように、一部の実施形態では、1又は2以上の超分子構造体は、サンプル内の1又は2以上の検体分子の検出を可能にする。一部の実施形態では、超分子構造体は、サンプル内での所与の検体分子の存在に関する情報をDNA信号に変換する。一部の実施形態では、DNA信号は、超分子構造体上の捕捉バーコード又は検出器バーコードに対応し、捕捉分子と検出器分子は、同時に検体分子にリンクされる(例えば、サンドイッチ構成で)。一部の実施形態では、いずれかの不安定な超分子構造体上に位置付けられた捕捉バーコード及び/又は検出器バーコードは、脱構築分子及び/又はトリガ信号のようなトリガを使用して超分子構造体から解放される。一部の実施形態では、DNA信号は、特定の検体分子に即して配列され、後に識別されてこの検体分子と相関される。本明細書に提供するように、各超分子構造体40は少なくとも1つの特異バーコードを備えることができるので、検体結合事象の場所と不安定状態から安定状態への超分子構造体の移行とを基板上の特定の結合部位にバーコード配列によってリンクさせることができる。
【0085】
一部の実施形態では、本明細書に説明する検体分子の存在を検出する段階は、サンプルからの検体分子の特性を識別する、並びに定量化するのに使用され、超分子構造体の状態変化をトリガする1つ又は複数の特異核酸分子を溶液中に制御可能に投入する段階を備える。一部の実施形態では、これらの特異核酸分子は、それぞれの超分子構造体の捕捉バーコード及び/又は検出器バーコードによって提供される。一部の実施形態では、本明細書に説明する検体分子の存在を検出する段階は、状態変化に関して、溶液中の検体分子の濃度を定量化するために計数することができる光信号又は電気信号を発生させる段階を備える。
【0086】
一部の実施形態では、サンプル内の複数の検体分子は、多重化によって同時に検出され、この場合に、複数の超分子構造体は、配列分析及び検体識別に向けて複数の信号(例えば、検出器バーコード、捕捉バーコード)を供給する。一部の実施形態では、本明細書に説明するサンプル内の検体を検出する方法は、複数の超分子構造体を使用することによって高スループット及び高多重化の機能を与える。一部の実施形態では、高スループット及び高多重化の機能は、検体分子の検出及び定量化に対して高い精度を与える。一部の実施形態では、本明細書に説明するサンプル内の検体を検出する方法は、蛋白質分子を備える生体ポリマーを迅速に高い感度でかつ高い再現性で特徴付ける及び/又は識別するように構成される。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、交差反応性関係の誤差を制限するように構成される。一部の実施形態では、そのような交差反応性関係の誤差は、ある超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子が別の超分子構造体の捕捉分子及び/又は検出器分子と相互作用すること(例えば、分子間相互作用)を備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。一部の実施形態では、各超分子構造体の構造的、化学的、及び物理特性は、明確に設計される。一部の実施形態では、同一コア構造体は、超分子構造体間の交差反応性を制限するたような指定の形状、サイズ、分子量、捕捉分子及び検出器分子の指定個数、対応する捕捉分子と検出器分子間の予め決められた距離(本明細書に説明する)、対応する捕捉分子と検出器分子間の指定化学量論比、又はその組合せを有する。一部の実施形態では、全てのコア構造体の分子量は同一であり、かつコア分子の純度まで正確である。一部の実施形態では、各コア構造体は、少なくとも1つの捕捉分子と、少なくとも1つの対応する検出器分子とを有する。
【0087】
一部の実施形態では、状態変化(不安定から安定への)が主として分子内(同じ超分子構造体上の捕捉分子と検出器分子との)相互作用を通して推進されるので、複数の超分子構造体は独立にサンプルからの異なる検体分子と相互作用する。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、ある一定の従属構成要素が同じであることに起因して構造的類似点を共有する可能性があると考えられるが、サンプルからの検体分子と超分子構造体の間の相互作用は、対応する捕捉分子及び検出器分子によって予め定められる。一部の実施形態では、所与の超分子構造体上の検出器分子と捕捉分子との各ペアは、サンプル内の特定の検体分子と特定的に相互作用し、このような特定検体分子との相互作用時に超分子構造体の状態変化を達成することができる。一部の実施形態では、各超分子構造体は、検出器分子と捕捉分子とのそれぞれのペアに対応する特異DNAバーコードを備える。一部の実施形態では、所与の超分子構造体上の検出器分子と捕捉分子とのペアは、サンプル内にある1よりも多い検体分子と相互作用するように設計される。
【0088】
一部の実施形態では、各超分子構造体は、単一分子感度が、典型的な複合生体サンプル内の広範囲にわたる分子濃度を定量的に捕捉するのに必要とされる可能な最も大きいダイナミックレンジを保証するように構成される。一部の実施形態では、単一分子感度は、単一検体分子との結合によって不安定状態から安定状態に(又はその逆に)シフトするように構成された所与の超分子構造体の捕捉分子及び検出器分子を備える。一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、非特定の相互作用、並びにいずれかのユーザ誘起誤差を低減するのに必要とされるサンプルの操作を制限又は排除する。
【0089】
一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、1又は2以上の中実基板、例えば、平面基板又はパターン化された基板に取り付けられる。図12は、1又は2以上の超分子構造体を使用してサンプル内の1又は2以上の検体分子を検出するための例示的な方法を提供している。一部の実施形態では、1又は2以上の検体を備えるサンプル(例えば、検体プール102)は、1又は2以上の超分子構造体40と接触させられる(例えば、超分子構造体プール100)。本明細書に説明する一部の実施形態では、複数の超分子構造体は、本明細書に提供する単一分子組織化のための1又は2以上の中実基板に取り付けられたものとして与えられる。一部の実施形態では、サンプルは、約30秒から約24時間の期間にわたって超分子構造体と接触している。一部の実施形態では、サンプルは、約30秒から約1分、約1分から約5分、約5分から約30分、約30分から約1時間、約1時間から約5時間、約5時間から約12時間、約12時間から約24時間、約24時間から約48時間の期間にわたって超分子構造体と共に恒温放置される。
【0090】
図12の参照を続けると、一部の実施形態では、これらの超分子構造体は、全て不安定状態にある(参照文字100に示すように)。本明細書に説明する一部の実施形態では、検体分子と対応する捕捉分子2及び検出器分子1との間の相互作用は、それぞれの超分子構造体を不安定状態から安定状態(例えば、参照文字104に示す捕捉分子と検体分子と検出器分子とのサンドイッチ構成)にシフトさせる。一部の実施形態では、特定のタイプの検体分子は、捕捉分子と検出器分子との特定のペアと結合することになる。一部の実施形態では、捕捉分子と検出器分子との所与のペアは、1よりも多いタイプの検体分子と結合するように構成される。一部の実施形態では、いずれかの所与の超分子構造体に関する不安定状態から安定状態への切り換えは、当該超分子構造体に結合された特定の捕捉分子及び検出器分子と、サンプル内の検体分子とに依存する。一部の実施形態では、超分子構造体の状態変化が、主として分子内構造体(超分子構造体上に位置付けられた構成要素)に依存することを考慮すると、2つの異なる超分子構造体の間の潜在的な分子間相互作用は、いずれか2つの超分子構造体の間の平均距離が所与の超分子構造体上の捕捉分子と検出器分子とのペアの間の最大分子内距離よりも大きくなるように混合溶液中の超分子構造体の正味濃度を制限することによって最小にされるか又は排除される。
【0091】
図12の参照文字104に見ることができるように、サンプルと接触した後に、超分子構造体のうちの少なくとも1つは、検体分子との相互作用を通して安定状態(例えば、捕捉分子と検体分子と検出器分子とが互いに同時にリンクされ合うサンドイッチ構成)にシフトされており、それに対して超分子構造体のうちの少なくとも1つは、それぞれの捕捉分子及び検出器分子がサンプルからの検体分子と結合又は相互作用していないことに起因して不安定状態のままに留まっている。
【0092】
サンプルを超分子構造体と指定時間量にわたって接触させた後に、図12に示すサンプルと超分子構造体との混合溶液は、検出器分子とコア構造体間のリンクを切断するためにトリガを受ける(参照文字106)。一部の実施形態では、トリガは1又は2以上の脱構築分子(例えば、図4図7の参照文字28の検出器脱構築分子)を備える溶液を混合溶液の中に導入する段階を備える。一部の実施形態では、トリガは、混合溶液をトリガ信号に露出する段階を備える。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子を混合溶液の中に導入する段階と、混合溶液をトリガ信号に露出する段階との組合せを備える。本明細書に説明する一部の実施形態では、脱構築分子は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。本明細書に説明する一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。一部の実施形態では、混合溶液は、トリガを指定時間量にわたって受ける。一部の実施形態では、混合溶液は、1又は2以上の脱構築分子と共に指定時間量にわたって恒温放置される。一部の実施形態では、混合溶液は、脱構築分子と共に約30秒から約24時間の期間にわたって恒温放置される。一部の実施形態では、混合溶液は、脱構築分子と共に約30秒から約1分、約1分から約5分、約5分から約30分、約30分から約1時間、約1時間から約5時間、約5時間から約12時間、約12時間から約24時間、約24時間から約48時間の期間にわたって恒温放置される。
【0093】
図12の参照文字106に示すように、一部の実施形態では、混合溶液にトリガを受けさせる段階は、超分子構造体の検出器分子とコア構造体間のリンク、例えば、検出器バーコード(例えば、図1の参照文字21)とコア構造体13の間のリンクを切断する。一部の実施形態では、切断は、核酸(DNA/RNA)ストランドの置換、光学切断、化学切断、当業技術で公知の別の技術、又はその組合せによって達成される。安定状態にシフトされた超分子構造体に関して、対応する捕捉分子2とのリンケージを通してコア構造体13にリンクされたままに留まっている検出器分子1が示されている。不安定状態に留まっている超分子構造体に関して、それぞれの超分子構造体から解放された検出器分子112が示されている。一部の実施形態では、解放検出器分子1は、それぞれの検出器バーコード21にリンクされたままに留まる。
【0094】
一部の実施形態では、解放検出器分子1(及び対応する検出器バーコード21)は、更に混合溶液から分離される。一部の実施形態では、解放検出器分子は、ポリエチレングリコール(PEG)の沈殿によって混合溶液から分離される。一部の実施形態では、解放検出器分子は、混合溶液中の各コア構造をその上の対応するアンカー分子を通して中実支持体に結合すること、それに続く遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィー、又はその組合せによる解放検出器分子の分離によって混合溶液から分離される。
【0095】
一部の実施形態では、解放検出器分子が混合溶液から分離された後に、検出器バーコード21は、それぞれの捕捉分子(例えば、安定状態にシフトした超分子構造体上に位置付けられた)にリンクされた対応する検出器分子から切断される。一部の実施形態では、検出器バーコード21は、対応する検出器分子から核酸(DNA/RNA)ストランドの置換、光学切断、化学切断、又はその組合せによって切断される。一部の実施形態では、検出器バーコードは、対応する検出器分子からトリガを受けることによって切断される。本明細書に説明する一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子、トリガ信号、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、脱構築分子は、検出器バーコード放出分子(例えば、図4及び図7の参照文字29)を備える。
【0096】
一部の実施形態では、切断された検出器バーコード21は、超分子構造体を備える溶液から単離される(図12の参照文字108)。一部の実施形態では、切断された検出器バーコード21は、ポリエチレングリコール(PEG)の沈殿によって溶液から単離される。一部の実施形態では、切断された検出器バーコード21は、溶液中のコア構造体をそれぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を通して中実支持体に結合すること、それに続く遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィー、又はその組合せによる切断された検出器バーコードの単離によって溶液から単離される。
【0097】
一部の実施形態では、切断された検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合されたそれぞれの検体分子に相関する信号を提供する。本明細書に説明する一部の実施形態では、検出器バーコードはDNAストランドを備える。一部の実施形態では、検出器バーコードは、検体分子に相関するDNA信号を提供する。一部の実施形態では、図12の参照文字110に示すように、単離された検出器バーコード21は、サンプル内の対応する検体分子を識別する及び/又は定量化するように分析される。一部の実施形態では、単離された検出器バーコードの分析は、遺伝子型決定、qPCR、配列分析、又はその組合せを備える。
【0098】
一部の実施形態では、図12に示す検体分子を検出する方法は、捕捉バーコード20をそれぞれの検出器分子(例えば、安定状態にシフトした超分子構造体上に位置付けられた)にリンクされた対応する捕捉分子から切断する段階を備える。一部の実施形態では、捕捉バーコード20は、対応する検出器分子から核酸(DNA/RNA)ストランドの置換、光学切断、化学切断、又はその組合せによって切断される。一部の実施形態では、検出器バーコードは、対応する検出器分子からトリガを受けることによって切断される。本明細書に説明する一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子、トリガ信号、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、脱構築分子は、捕捉バーコード放出分子(例えば、図4及び図7の参照文字31)を備える。
【0099】
一部の実施形態では、切断された捕捉バーコード20は、超分子構造体を備える溶液から単離される(図12の参照文字108)。一部の実施形態では、切断された捕捉バーコード20は、ポリエチレングリコール(PEG)の沈殿によって溶液から単離される。一部の実施形態では、切断された捕捉バーコード20は、溶液中のコア構造体をそれぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を通して中実支持体に結合すること、それに続く遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィー、又はその組合せによる切断された捕捉バーコードの単離によって溶液から単離される。
【0100】
一部の実施形態では、切断された捕捉バーコードは、それぞれの検出器分子に結合されたそれぞれの検体分子に相関する信号を提供する。本明細書に説明する一部の実施形態では、捕捉バーコードはDNAストランドを備える。一部の実施形態では、捕捉バーコードは、検体分子に相関するDNA信号を提供する。一部の実施形態では、図12の参照文字110に示すように、単離された捕捉バーコード21は、サンプル内の対応する検体分子を識別する及び/又は定量化するように分析される。一部の実施形態では、単離された捕捉バーコードの分析は、遺伝子型決定、qPCR、配列分析、又はその組合せを備える。
【0101】
表面アッセイを使用する検体分子の検出
図13は、サンプル内の検体の単一分子計数に向けて本明細書に説明する超分子構造体を使用する表面ベースのアッセイを使用してサンプル内の検体分子を検出するための技術の例示的な図を提供している。一部の実施形態では、超分子構造体は、DNAオリガミコアを備える。一部の実施形態では、(a)基板400上の全ての特徴部に対する基準座標として働きをする基準マーカ402、(b)個々のコア構造体(例えば、DNAオリガミ)を不動化することができる微小パターン化の結合部位406の予め定められたセット、(c)基板400の面と、結合部位406以外の区域内の超分子構造体(捕捉分子及び検出器分子、コア構造分子を備える)との間の相互作用を最小にするか又は防止する背景不動態部404を備える平面基板400が与えられる。基板400は、ほぼ平坦な基板とすることができ、微小パターン化のウェル又は突起を面上に有する基板を包含すると理解しなければならない。一部の実施形態では、基準マーカは、面上に予め定められて基板上の他の特徴部に対する参照特徴部として使用される幾何学的特徴部を備える。一部の実施形態では、基準マーカ402は、超分子構造体(例えば、DNAオリガミ)のコア構造体又は他の分子と相互作用しないポリマー又は自己集合単層で被覆される。一部の実施形態では、背景不動態部404は、基板400の面とサンプルの検体分子の間の相互作用を最小にするか又は防止する。一部の実施形態では、平面基板400は、結合部位406の形成の前に予め定められるFET、リング共振器、光子結晶、又は微小電極のような光学デバイス又は電気デバイスを備える。一部の実施形態では、結合部位406は、平面基板400上で微小パターン化される。一部の実施形態では、面上の結合部位406は、周期的又は規則的なパターンにある。一部の実施形態では、面上の結合部位406は、非周期的(例えば、ランダム)パターンにある。一部の実施形態では、いずれか2つの結合部位406の間で最小距離(ピッチ)が指定される。一部の実施形態では、いずれか2つの結合部位406の間の最小距離は、少なくとも約200nmである。一部の実施形態では、いずれか2つの結合部位406の間の最小距離は、少なくとも約40nmから約5000nmである。一部の実施形態では、結合部位406の形状は、円、正方形、三角形、又は他の多角形形状を備える。一部の実施形態では、不動態部404に使用される化学基は、トリメチルシリル(TMS)のような中性荷電分子、PEGのような無荷電ポリマー、双性イオン性ポリマー、又はその組合せを備える。一部の実施形態では、結合部位406を定めるのに使用される化学基は、シラノール基、カルボキシル基、チオール、他の基、又はその組合せを備える。
【0102】
一部の実施形態では、単一超分子構造体40は、それぞれの結合部位406に取り付けられる(段階1)。参照文字416は、超分子構造体40の構成要素の図を個々にかつ平面基板上で組み立てられて配置された状態で提供する(構成要素は、本明細書で例えば図1図2図3図5図6で説明したものである)。一部の実施形態では、超分子構造体40は、DNAオリガミを備えるコア構造体13を備え、DNAオリガミ配置技術を使用して結合部位の各々の上に取り付けられる(段階1)。一部の実施形態では、超分子構造体40は、それぞれの結合部位406に取り付けられる前に組み立てられる。一部の実施形態では、DNAオリガミは、DNAオリガミ配置技術を使用する結合部位への結合を促進するような特異な形状及び寸法を備える。一部の実施形態では、DNAオリガミ配置は、個々のDNAオリガミ(例えば、コア構造体)を面(例えば、微小パターン付き面)上で組織化するための指向性自己集合技術を備える。一部の実施形態では、DNAオリガミ配置の代わりに、超分子ナノ構造体40の反応基が、結合部位の上で事前組織化されたDNAオリガミに結合される。一部の実施形態では、超分子ナノ構造体を対応する結合部位に結合するためのこれらの方法の両方は、微小パターン化の結合部位の上でDNAオリガミ配置技術を使用して1又は2以上の分子を組織化する機能に頼っている。一部の実施形態では、平面基板は、この段階の後に清浄な環境内でかなりの期間にわたって格納することができると考えられる。
【0103】
図13の参照を続けると、一部の実施形態では、検体分子を備えるサンプル(本明細書に説明する)は、平面基板と接触させられる(段階2)。一部の実施形態では、サンプルは、フローセルを使用して平面基板と接触させられる。一部の実施形態では、サンプルは、超分子構造体が結合部位406に取り付けられた平面基板上で恒温放置される。一部の実施形態では、恒温放置期間は、約30秒から約24時間とすることができる。一部の実施形態では、恒温放置期間は、約30秒から約1分、約1分から約5分、約5分から約30分、約30分から約1時間、約1時間から約5時間、約5時間から約12時間、約12時間から約24時間、約24時間から約48時間とすることができる。
【0104】
一部の実施形態では、サンプル内の検体分子44は、平坦面400上の超分子構造体40と相互作用する。一部の実施形態では、特定の超分子構造体が不安定状態から安定状態418に切り換わるように(本明細書、例えば、図8図10で上述したように)、特定の検体分子44の単一コピーが捕捉分子と検出器分子の両方と同時に結合する。一部の実施形態では、特定の検体の単一コピーは、互いに既に結合された捕捉分子と検出器分子とに同時に相互作用して超分子構造体を安定状態から不安定状態に切り換える可能性があると考えられる(本明細書、例えば、図11で上述したように)。
【0105】
図13の参照を続けると、一部の実施形態では、次に、平面基板はトリガを受ける。一部の実施形態では、トリガは、脱構築分子(例えば、図7の検出器脱構築分子28)を備える。一部の実施形態では、トリガはトリガ信号を備える。本明細書に説明する一部の実施形態では、脱構築分子(例えば、検出器脱構築分子28)は、核酸(DNA又はRNA)、ペプチド、小有機分子、又はその組合せを備える。本明細書に説明する一部の実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外線照明、可視照明、又は近赤外線照明を備える。一部の実施形態では、平面基板に取り付けられた超分子構造体に関連付けられた脱構築分子は、当該超分子構造体と相互作用することを可能にする。一部の実施形態では、脱構築分子は、平面基板を備えるフローセルの中に導入される。一部の実施形態では、脱構築分子は、超分子構造体と共に約30秒から約24時間にわたって恒温放置される(段階3)。一部の実施形態では、恒温放置期間は、約30秒から約1分、約1分から約5分、約5分から約30分、約30分から約1時間、約1時間から約5時間、約5時間から約12時間、約12時間から約24時間、約24時間から約48時間とすることができる。
【0106】
一部の実施形態では、脱構築分子との相互作用は、不安定状態にある全ての超分子構造体の検出器分子及び検出器バーコードを切断し、それによってこれらの検出器分子及び検出器バーコードは、平面基板400から物理的に切断されることになる。一部の実施形態では、物理的に切断された検出器分子及び検出器バーコードは、恒温放置段階の終了時の1又は2以上の緩衝液洗浄中に除去される。単一検体分子の捕捉に起因して平面基板上の超分子構造が安定状態にシフトした一部の実施形態では、対応する検出器分子及び検出器バーコードは、超分子構造体に変わらずにリンクされたままであり420、これは、対応する検出器分子と捕捉分子の間に形成された検体介在サンドイッチ(すなわち、捕捉分子と検体分子と検出器分子の間のリンク)に起因して平面基板に安定して結合される。
【0107】
図13の参照を続けると、一部の実施形態では、安定状態にシフトした超分子構造体の場所にある検出器バーコードは、信号伝達要素414に対する結合部位422として使用される(段階4)。一部の実施形態では、信号伝達要素は、蛍光性の分子又はマイクロビーズ、蛍光性ポリマー、高荷電ナノ粒子、又は高荷電ポリマーを備える。一部の実施形態では、1又は2以上の信号伝達要素は、平面基板上の超分子構造体と相互作用することを可能にする。一部の実施形態では、信号伝達要素は、平面基板を備えるフローセルの中に導入される。一部の実施形態では、検出器バーコードは、ローリングサークル増幅又はハイブリダイゼーション連鎖反応のような処理で高蛍光性ポリマーの成長のための重合開始剤として使用される。
【0108】
一部の実施形態では、段階4で説明した信号伝達要素414の導入は、全ての個々の検体捕捉事象(すなわち、捕捉分子と検出器分子と検体分子との間のリンケージ)の結果として信号伝達要素がそれぞれの検体の場所に存在する面をもたらす(捕捉分子及び検出器分子とリンクされて)。一部の実施形態では、信号伝達要素は光学活性を有し、顕微鏡又は平面基板400内の内蔵光センサを使用して測定することができる。一部の実施形態では、信号伝達要素は電気活性を有し、内蔵電気センサを使用して測定することができる。一部の実施形態では、信号伝達要素は磁気活性を有し、内蔵磁気センサを使用して測定することができる。一部の実施形態では、各信号事象は、同じタイプの検体分子の捕捉(同じタイプの検体分子の単一コピー)に関して対応する検出器分子及び捕捉分子によって決定され、従って、信号伝達要素が存在する場所の個数を計数する段階は、サンプル内の検体分子の定量化を与える。
【0109】
一部の実施形態では、図13で説明する検体を検出する方法は、コア構造体が平面基板の面上でコア構造体のアンカー部分を通して既に組織化されたDNAオリガミに結合された超分子コアを使用する。
【0110】
一部の実施形態では、図13で説明する検体を検出する方法は、単一タイプの検体分子の検出を可能にする。一部の実施形態では、図13で説明する検体を検出する方法は、複数のタイプの検体分子の検出を可能にする(多重化検体分子検出)。一部の実施形態では、各超分子構造体は、関連するそれぞれの捕捉分子及び検出器分子を特異的に識別し、それによってそれぞれの捕捉検体分子を識別することを可能にするようにバーコード化される。一部の実施形態では、各超分子構造体は、それぞれのアンカー分子を使用してバーコード化される。
【0111】
図14は、図13に示す基板400のような基板を形成又は製造するための技術500の例である。段階502では、結合層504が設けられる。結合層504は、実施形態では珪素、二酸化珪素、窒化珪素、グラフェン、石英、金属、金、銀、プラチナ、パラジウム、PDMS、ポリマーフィルム、又はその組合せとすることができる。結合層504は、ほぼ平面とすることができ、方法500の開始前に洗浄することができる。段階505では、結合層504の上に上部層が堆積される。上部層506は、実施形態ではグラフェン、酸化アルミニウム、HfO2、Cr23(酸化クロム)、酸化チタン、酸化タンタル、金属酸化物、二酸化珪素(SiO2)、又はその組合せとすることができる。段階510では、基板の結合部位に対応することになる結合層504の場所514を露出するために、上部層506は、その一部分を除去することによってパターン化される。パターン化は、フォトリソグラフィ、e-ビームリソグラフィ、ナノインプリント、又は他のパターン化方式とすることができる。段階520では、上部層506及び/又は結合層504上の露出領域は、これらの層の個々の化学作用に依存して異なる反応基をもたらすように化学処理又はプラズマ処理によって活性化することができる。図示のように、上部層反応基522及び結合層反応基524は、活性化によって発生させることができる。活性化は、同じ段階又はその後の段階内である場合がある。
【0112】
段階530では、不動態化層532、例えば、不動態化ポリマーが付加され、不動態化層532は、上部層反応基522としか反応しない。不動態化ポリマーは、例えば、特異的に上部層反応基522と反応し、結合層反応基524とは反応しない基から製造されたエントロピー性とすることができる。上部層506の上面は、不動態化層532を備え、結合部位542を取り囲む。段階540では、DNAオリガミ540のような超分子構造体40が結合部位542に付加され、基板550の各結合部位542が超分子構造体40を備えるように結合部位542の反応基524と相互作用する。実施形態では、基板550は、ある一定の許容範囲で、例えば、結合部位542の95%超又は97%超が少なくとも1つの超分子構造体40を備える場合に各結合部位542内に超分子構造体400を備えると考えることができることを理解しなければならない。更に、ある一定の結合部位542を基準又は制御の目的で確保することができる。一部の実施形態では、各結合部位542は、最大で1つ又は単一の超分子構造体40を備える。結合部位542は、上部層506のパターン化技術によって達成された予め定められた形状及びサイズを有することができる。超分子構造体40は、事前形成ユニットとして配置するか又は結合部位542上に段階的に組み立てることができる。一例では、コア構造体、例えば、DNAオリガミ部分を最初に結合部位542と関連付けることができる。関連付けに続いて、捕捉分子及び検出器分子は、不安定状態で望ましい予め決められた間隔を有するそれぞれの場所にリンクすることができる。
【0113】
一部の実施形態では、アンカー分子18(図1を参照されたい)は、それが存在する場合に結合層反応基524との関連付けを形成する。しかし、超分子構造体40がアンカー分子18を備えない場合があることを理解しなければならない。結合部位542の結合層反応基524は、コア構造体の核酸分子との塩橋を形成し、コア構造体の直接関連付けによって超分子構造体40を結合部位542と関連付けるように構成することができる。すなわち、反応基は、負に荷電させることができ、例えば、コア構造体のDNAオリガミの負に荷電した核酸分子と反応して洗浄又は他の段階中に除去に耐える化学関連付けを形成することができる。実施形態では、共有リンクを通して塩橋関連付けを増強させることができる。
【0114】
図15は、図13に示す基板400のような基板を形成又は製造するための技術600の例である。技術600は、開始ベース層602と結合層604とを使用して開始される。ベース層602はほぼ平坦な層であり、その上に結合層604が成長又は堆積される。図示の実施形態では、ベース層602は、シリコンウェーハであり、結合層604は、ベース層602の面上で成長された二酸化珪素である。図示の例は、ベース層602の一方の側にしか結合層604を備えないが、これに加えて又はこれに代えて、結合層604は、基板の反応面積を増大させるためにベース層602の反対の面上に存在させることができる。
【0115】
次に、材料(金属、金属酸化物、ポリマー、又はパターン化するのに望ましいいずれかの材料)の薄膜610が、結合層604の上に堆積される。実施形態では、薄膜610の結合を改善するために、上部層に接着促進剤を付加することができる。実施形態では、薄膜610の厚みは、2オングストロームから10ミクロンの範囲とすることができると考えられる。薄膜610の厚みは、最終パターン化された基板のトポグラフィを左右することになる。薄膜610は、例えば、フォトリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、直接書込方式、ロールツーロールエンボス加工のような従来の方法を使用してパターン化することができる(一般的に、リソグラフィは、膜のエッチングを備えることができると考えられる図示していないパターン転写処理段階を備える)。薄膜610のエッチングの後に、結合層604の下層面620が露出される。薄膜610の積層体を有すること、及び様々な材料(化学作用)を露出するために特定の層を通してエッチングすることが可能である。結合部位640を発生させるために、下層面620に活性化のような追加の手順を受けさせることができる。次に、パターン化された面上への超分子構造体40、例えば、DNAオリガミの配置が行われる。
【0116】
オリガミの寸法は、捕捉部位に何個の超分子構造体40が配置されるかを定める配置から演繹的に設計される。面620にわたる各結合部位640の寸法は、x-y平面にあると考えることができる。結合部位640が薄膜610の壁650によって明確に境界付けられる実施形態では、x-y寸法の境界が壁650によって予め定められる。従って、ウェルの物理的な空間は、結合部位640の面620と関連付けられる1よりも多い超分子構造体40に対する障壁として作用することができる。一部の実施形態では、超分子構造体40のコア構造体の少なくとも1つの寸法は、ウェル内への超分子構造体40の進入を促進するためにx-y平面にわたる結合部位640の寸法よりも小さい。一部の実施形態では、超分子構造体40のコア構造体の少なくとも1つの寸法は、x-y平面にわたる結合部位の寸法の長さの少なくとも50%である。結合部位640が円である場合に、超分子構造体40又はコア構造体は、この円の半径よりも大きい少なくとも1つの寸法を有することができる。
【0117】
薄膜610の化学作用は、配置が行われる前に、面から核形成される不動態膜の特定の成長によって修正することができる。例示的修正は、SAMP(自己集合単層ホスホナート)の成長、化学気相蒸着のような従来の方法によって堆積されるシラン処理によるものとすることができる。薄膜610(又は修正薄膜610)と、パターン化後に露出したSiO2下層面620(又は薄膜610の前に堆積した可能性がある他の膜)との間で面化学作用(パターン化されたウェーハの面にある官能基)は異なっている。
【0118】
図16は、ベース層702と、結合層704と、薄膜710とを備える図13に示す基板400のような基板を形成又は製造するための技術700の例である。結合部位は、図15に示した通りに形成することができる。この場合に、薄膜710の厚み720は、超分子構造体40のDNAオリガミコア構造体13の厚みよりも十分に大きいようなものである。一例として、薄膜610は100nm厚であり、コア構造体13のオリガミは1nm厚である。コア構造体は、1対1の相応関係で結合部位640のウェルの中に配置される。この配置は、オリガミと、ウェルの底部にある結合部位740の上面750に特定的に堆積した又はそこで活性化された相補体との間でリンク基を使用することによって達成することができる。このアレイに過量のオリガミを装填するのに続いて、オリガミのリンクを実施することができ、その後に、1つを除く全てのオリガミを各ウェルから除去するために洗浄が実施される。
【0119】
薄膜710は、貨物要素770の3次元制御に使用することができる。結合部位の特徴は、上面750にわたるx-y寸法と、薄膜710の厚み720に対応する寸法とを備えることができる。
【0120】
図17は、図13に示す基板400のような基板を形成又は製造するための技術800の例である。技術800は、開始ベース層802と結合層804とを使用して開始される。ベース層802はほぼ平坦な層であり、その上に結合層804が成長又は堆積される。図示の実施形態では、ベース層802は、ガラスウェーハ又はシリコンウェーハのような平面支持体であり、結合層804は、ベース層802の面上で成長された二酸化珪素、窒化珪素、グラフェン、又は炭化珪素である。しかし、ある一定の実施形態では、ベース層802は、結合層804と同じ材料であるか又は存在しない。図示の例は、ベース層802の一方の側にしか結合層804を備えないが、これに加えて又はこれに代えて、結合層804は、基板の反応面積を増大させるためにベース層802の反対の面上に存在させることができる。
【0121】
次に、犠牲フィルム810が、結合層804の上に置かれる。この犠牲フィルム810は、フォトレジスト、ナノインプリントレジスト、金属、又はパターン化を受ける機能を有する類似の材料とすることができると考えられる。犠牲フィルム810は、望ましい結合部位パターンに対応する望ましいパターンに本明細書に提供するようにパターン化される。すなわち、パターン化の後に留まる犠牲フィルム810は、結合部位の最終的な場所に対応する。犠牲フィルム810は、このパターンを結合層804の中に転写するためのエッチングマスクとして使用される。パターン転写処理は、反応性イオンエッチング(プラズマエッチング)、溶液相エッチングを使用して行うことができる。エッチングの深さは、エッチング液への材料の露出時間により、又は下層を打撃することによって制御することができる。その後に、図示のように、犠牲フィルム810は除去されることになる。次に、共形被覆膜830が結合層804の上に堆積され、共形被覆膜830は、直前の段階で達成されたエッチングされた又は形成された特徴部を埋める。この堆積は、スパッタリング、原子層堆積、電子線蒸着などを使用して行うことができる。直前の段階でエッチングされた特徴部がその後の段階まで露出しないように、この新しい共形被覆膜830の厚みはこれらの特徴部の深さよりも大きい。面は、例えば、CMP(化学機械研磨)又はそれまでの段階で予め定められたトポグラフィを露出するための他の手段によって平坦化される。次に、パターン化された面上への超分子構造体40の配置が行われる。超分子構造体40の寸法は、結合部位840に何個のオリガミが配置されるかを定める配置から演繹的に設計される。共形被覆膜830の化学作用は、配置が行われる前に、面から核形成される不動態膜の特定の成長によって修正することができる。例示的修正は、SAMP(自己集合単層ホスホナート)の成長、化学気相蒸着のような従来の方法によって堆積されるシラン処理によるものとすることができる。共形被覆膜830(又は修正共形被覆膜830)と、パターン化後に露出した結合層804(又は共形被覆膜830の前に堆積した可能性がある他の膜)との間で面化学作用(パターン化されたウェーハの面にある官能基)は異なっている。
【0122】
図18は、検体検出のための超分子組み立て処理の例を例示している。一部の実施形態では、コア構造体13(例えば、DNAオリガミ)は、超分子構造体40として組み立てられる前にパターン化された基板920の結合部位910に配置される。従って、各コア構造体13は、個々の結合部位910に配置されると、コア構造体13上の指定の第1の場所で捕捉分子2に、かつコア構造体13上の指定の第2の場所で検出器分子1にリンクすることによって望ましい検体検出特性を備え、かつこれらのリンクが検体の不在時に不安定構成にあるように特化することができる。すなわち、捕捉/検出分子にリンクする段階は、コア構造体13の配置の後に行うことができる。更に、望ましい3次元特性に依存して特定のトリガを受け、特定の長さを有する様々なリンカーを選択することができる。上述のように、パターン化された基板920上の各結合部位910が、隣接する結合部位910と同じか又は異なるとすることができる既知の検体検出特性を有するように、これらのリンカーは、結合部位毎に個別化することができる。このようにして、蛋白質-蛋白質又は他の検出方式の複雑度及び多重化を達成することができる。
【0123】
一部の実施形態では、異なる捕捉バーコード20と検出器バーコード21とを使用して、異なる結合部位910の間で区別することができる。従って、実施形態では、本明細書に提供する検出システム950は、検出の一部として1又は2以上のバーコード配列の増幅を検出して特徴付けることができる。更に、各コア構造体13は、バーコード配列に結合することができ、又は各コア構造体13は、バーコード配列を備えることができる。
【0124】
更に、検出システムは、これに加えて又はこれに代えて、超分子構造体40に結合する検体に独特の電気的、光学的、及び/又は磁気的な環境変化を検出するように構成することができる。そのような検出は、検体の存在及び/又はレベル、並びに捕捉分子及び/又は検出器分子のアイデンティティを示す情報を発生させるために増幅ベースの検出と協働させることができる。更に、捕捉及び検出器リンキングは、パターン化する又は既知の場所又は結合部位に関連付けることができる。
【0125】
検出システム950は、入力/出力回路952と、ディスプレイ954と、メモリに格納された命令を実行するプロセッサベースのコントローラ956とを備えることができる。検出は、安定状態への超分子構造体の移行に関する検体結合に関する通知又は情報を発生させるようにディスプレイ954を通して構成することができる。
【0126】
一部の実施形態では、検体44の結合の結果として、安定状態への超分子構造体40の移行は、図19に示す電界効果トランジスタデバイスによって検出することができる。従って、検出システム950は、各結合部位1004に結合されて不動態化層1008を通って延びる1又は2以上の電気リード1002からの検出電気信号の変化として示される検体結合44に独特の環境変化を検出する機能を有することができる。ある一定の実施形態では、各結合部位1004は、専用リード1002に結合される。他の実施形態では、単一電気リード1002に結合する複数の結合部位1004によって適切な分解能を達成することができる。検出信号は、分析に向けて検出デバイス950に供給される。
【0127】
一部の実施形態では、検体44の結合の結果として、安定状態への超分子構造体40の移行は、図20に示す金属酸化物半導体画像センサデバイスによって検出することができる。従って、検出システム950は、検出光信号の変化として示される検体結合44に独特の環境変化を検出する機能を有することができる。図示の実施形態では、基板1100は、不動態化層1102と金属酸化物層1100とを備える。光導体1130が、不動態化層1102及び金属酸化物層1100を通って延びて結合部位1140に結合され、検体結合に独特の光学変化の検出を光検出器1150によって可能にする。各結合部位1120は、専用光導体1130及び光検出器1150に結合することができる。検出信号は、分析に向けて検出デバイス950に供給される。本発明の開示の検出方式は、例示的なものであり、他の実施も見込んでいることを理解しなければならない。
【0128】
基板再生
本発明の開示の技術の特徴は、組織化した基板の面をパターン化されて検体検出に用いた状態で全体的又は部分的に再生し、適用した再生処理に依存して同じか又は異なる検体を検出するのに使用することができることである。図21は、本発明の開示の技術のうちのいずれかによって形成されたパターン化された基板の面再生のための例示的ワークフローである。基板製造(ブロック1200)は、結合部位又は結合層を見せる又は露出するための基板(図14図16)の上部層のパターン化を備える。活性化(ブロック1202)は、結合部位及び中間層又は残存上部層、例えば、金属酸化物層上での2つの異なる反応基の生成を備える。この生成は、プラズマ処理又は他の化学処理を使用して達成することができる。格子間領域の不動態化(ブロック1204)は、結合部位を無修正のままに残しながら格子間面上に限ったポリマーの堆積を備える。
【0129】
DNAオリガミ配置(ブロック1206)は、他の分子貨物を上に係留することができる1又は2以上の特異アンカー分子を担持することができるDNAオリガミ(例えば、本明細書に提供するコア構造体13)を結合部位に装填する段階を伴う。これらの特異アンカー分子は、単一ストランドDNA、チオール、アミン、アジド、DBCO等とすることができると考えられる。貨物装填(ブロック1208)は、面組織化されたDNAオリガミの上に1又は2以上の特異分子を例えば特異アンカー分子へのリンクを通して装填することを可能にする処理である。DNAオリガミ上に装填される貨物の特異分子は、結合部位での基板のアッセイ機能を定める。一例では、貨物は、サンプル内の1又は2以上の検体を含めるか又はそれに結合する。一部の実施形態では、特異分子は、捕捉分子と検出器分子とを備えることができる。サンプル内の検体の個数を定量化するためにDNAオリガミでの結合を評価するためのアッセイが実施される(段階1210)。サンプルの格納(ブロック1212)は、基板上でアッセイが実施された後にこの基板を任意的に格納する段階を伴う。
【0130】
第1の再生手法は、アッセイ実施後の貨物の除去を伴う(ブロック1230)。例示的貨物除去プロトコルを図22図23に示している。第2の再生手法は、図24に示す例示的手順を用いたDNAオリガミ自体の除去を伴う(ブロック1240)。本明細書に開示する基板は、貨物除去及び/又はDNAオリガミ除去を使用して再生することができることを理解しなければならない。更に、同じ基板に第1及び/又は第2のタイプの繰り返しのアッセイ段階及び再生段階を受けさせることができる。
【0131】
図22は、図21の場合と同じく例示的貨物除去手順1230を例示している。この手順は、段階1300では、図14図17に示すように形成されたパターン化された基板のような基板上を使用して実施又は開始することができる。図示の例では、基板は、結合層上の各結合部位に関連付けられた未装填のDNAオリガミを有する。段階1302は、単一貨物要素をDNAオリガミの上に特異アンカー部位をドッキング場所として用いて装填することを可能にするDNAオリガミを有する基板上での貨物の恒温放置を示している。貨物は、単一分子又は分子群とすることができる。各DNAオリガミ上に単一貨物又は複数の分子が存在することができると考えられる。段階1304は、貨物と相互作用し、その結果として特異信号を発生するアッセイ構成要素の追加を示している。アッセイ実施後に、段階1306では、貨物分子をDNAオリガミから分離し、未装填のDNAオリガミが結合部位と関連付けられた状態の段階1300に戻る基板を段階1308でもたらすための特異分離分子が基板に追加される。
【0132】
図23は、図21の場合と類似の例示的貨物除去手順1230を例示している。この手順は、段階1400で、図14図17に示すように形成されたパターン化された基板のような基板上を使用して実施又は開始することができる。段階1402は、単一貨物要素をDNAオリガミの上にオリガミ上のssDNAをアンカーとして用いて装填することを可能にするDNAオリガミを有する基板上での貨物の恒温放置を示している。貨物は、単一分子又は分子群とすることができる。各DNAオリガミ上に単一貨物又は複数の分子が存在することができると考えられる。段階1404は、貨物と相互作用し、その結果として特異信号を発生すると考えられるアッセイ構成要素の追加を示している。アッセイ実施後に、段階1406では、貨物分子と相互作用し、DNAストランド置換として公知の処理によって貨物分子を分離し、その結果として未装填のDNAオリガミが結合部位と関連付けられた状態の段階1400に戻る基板と類似した基板を段階1408でもたらすと考えられる特異ssDNAが溶液に追加される。
【0133】
図24は、図21の場合と類似の例示的貨物除去手順1240を例示している。この手順は、段階1500で、図14図17に示すように形成されたパターン化された基板のような基板上を使用して実施又は開始することができる。段階1502は、単一貨物要素をDNAオリガミの上に特異アンカー部位をドッキング場所として用いて装填することを可能にするDNAオリガミを有する基板上での貨物の恒温放置を示している。貨物は、単一分子又は分子群とすることができる。各DNAオリガミ上に単一貨物又は複数の分子が存在することができると考えられる。段階1504は、貨物と相互作用し、その結果として特異信号を発生すると考えられるアッセイ構成要素の追加を示している。アッセイ実施後に、段階1506では、貨物分子、DNAオリガミ、並びに不動態化ポリマー層を備える全ての有機分子を基板から除去するのに使用することができると考えられる強酸(pH<2)又は強塩基(pH>10)とすることができると考えられる非常に反応性の高い溶液を使用して基板が処理される。その後に、本方法は、例えば、図14図17に示す段階を実施して1508でパターン化された基板を形成し、単一オリガミが各結合部位に結合された面を発生させる。本明細書に提供するように、DNAオリガミは、装填された又は未装填のオリガミ分子とすることができる。
【0134】
本明細書で本発明の好ましい実施形態を図示して説明したが、当業者にはそのような実施形態が単なる例として提供したものに過ぎないことは明らかであろう。当業者は、本発明から逸脱することなく、多くの変形、変化、及び置換を想起するであろう。本発明を実施するのに本明細書に説明した本発明の実施形態の様々な代替物を採用することができることを理解しなければならない。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定めること、及びこれらの特許請求の範囲及びその均等物内にある方法及び構造がそれによって網羅されることを意図している。
【符号の説明】
【0135】
40 超分子構造体
504 結合層
506 上部層
532 不動態化層
542 結合部位
550 基板
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24