(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-24
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】駆動装置、制御弁及び駆動装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
F16H 1/16 20060101AFI20241025BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20241025BHJP
【FI】
F16H1/16 Z
F16K31/04 A
(21)【出願番号】P 2023543213
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2022072435
(87)【国際公開番号】W WO2022152306
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】202110064095.3
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110138021.X
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 リーシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 ロン
(72)【発明者】
【氏名】チ、 ジャンフワ
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-109266(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112212055(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/16
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、モータ及び伝動アセンブリを含み、前記ハウジングが収容室を有し、前記伝動アセンブリの少なくとも一部と前記モータが前記収容室に位置する駆動装置であって、
前記ハウジングは、底壁を含む第1のハウジングと、頂壁を含む第2のハウジングとを含み、
前記底壁と前記頂壁とは、対向して設けられ、
前記伝動アセンブリは、第1段ウォーム、第2段ウォーム及び伝動輪を含み、
前記第1段ウォームは、前記モータの出力軸に伝動接続され、
前記第2段ウォームは、前記伝動輪を介して前記第1段ウォームに伝動接続され、
前記第1段ウォームの軸線の前記底壁での正投影と前記第2段ウォームの軸線の前記底壁での正投影とは、交差しており、
前記第1段ウォームは、第1の歯形部を含み、
前記第2段ウォームは、第2の歯形部を含み、
前記第1の歯形部と前記伝動輪は、伝動噛合構造を構成し、
前記第2の歯形部は、前記第2段ウォームにおける前記第1の歯形部から離れる側に位置しており、
前記第1のハウジングは、第1の突出部と第2の突出部とを含み、
前記第1の突出部と前記第2の突出部は、いずれも前記底壁に固定接続されて前記収容室に位置し、
前記第1の突出部と前記第2の突出部は、いずれも前記第2段ウォームと位置規制されて係合され、
前記第2の歯形部の軸方向において、前記第1の突出部は、前記第2の歯形部一方側に位置し、
前記第2の突出部は、前記第2の歯形部の他方側に位置しており、
前記第2のハウジングは、第3の突出部をさらに含み、
前記第3の突出部は、前記頂壁から前記収容室側へ延在し、
前記第3の突出部は、前記第2の突出部の前記第1の突出部から離れる側に位置しており、
前記第3の突出部は、前記第2段ウォームの軸方向に沿って前記伝動輪に近接して設けられ、かつ、前記第3の突出部と前記伝動輪との間のピッチが予め設定された範囲内にあり、
前記第3の突出部は、前記第2段ウォームと位置制限されて係合して、前記第2段ウォーム及び前記伝動輪の前記頂壁への移動を防止することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記駆動装置は、前記ハウジング外周側に位置する少なくとも3つの取付部を含み、
前記取付部は、前記ハウジングと一体成型され、
全数の前記取付部と前記ハウジングの外面で限定された矩形領域の面積は、9230平方ミリメートル以下であり、
前記伝動アセンブリの伝動比は、620以上700以下であり、
前記伝動アセンブリの出力トルクは、3N.m~7N.mであることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記取付部は、第1の取付部、第2の取付部及び第3の取付部を含み、
前記第1の取付部と前記第2の取付部は、前記第2段ウォームの径方向における両側に位置し、
前記第3の取付部は、前記第2段ウォームにおける前記第1段ウォームから離れる側に位置し、
前記ハウジングは、第1の側壁を含み、
前記第1段ウォームと前記第2段ウォームは、前記第2段ウォームの軸方向に沿って前記第1の側壁と前記第3の取付部との間に位置しており、
前記第2段ウォームの径方向において前記第1の取付部の取付孔と前記第2の取付部の取付孔との間の中心距離は、79ミリメートル未満であり、
前記第2段ウォームの軸方向において前記第3の取付部の取付孔と前記第1の側壁の外面との間の距離は、117ミリメートル未満であることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2段ウォームは、第1の柱形部と第2の柱形部を含み、
前記第2の歯形部は、前記第1の柱形部と前記第2の柱形部との間に位置し、
前記第2の柱形部の少なくとも一部は、前記第2の歯形部と前記伝動輪との間に位置しており、
前記第1の突出部は、第1の凹溝部を含み、
前記第2の突出部は、第2の凹溝部を含み、
前記第3の突出部は、第3の凹溝部を含み、
前記第1の柱形部の少なくとも一部は、前記第1の凹溝部の溝室内に位置し、かつ、前記第1の柱形部は、前記第1の凹溝部に隙間嵌めされ、
前記第2の柱形部は、軸方向に配列された第1のサブ部と第2のサブ部を含み、
前記第1のサブ部は、前記第2の歯形部と前記第2のサブ部との間に位置し、
前記第1のサブ部の少なくとも一部は、前記第2の凹溝部の溝室内に位置し、かつ、前記第1のサブ部は、前記第2の凹溝部に隙間嵌めされ、
前記第2のサブ部の少なくとも一部は、前記第3の凹溝部の溝室内に位置し、かつ、前記第2のサブ部は、前記第3の凹溝部に隙間嵌めされたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1の凹溝部は、第1の当接部と第1の油溝を含み、
前記第1の柱形部は、前記第1の当接部に当接し、
前記第1の油溝は、前記第1の当接部の一部の壁部から凹んで形成され、第1の柱形部の一部の外周側に位置し、及び/又は、前記第2の凹溝部は、第2の当接部と第2の油溝を含み、
前記第1のサブ部は、前記第2の当接部に当接し、
前記第2の油溝は、前記第2の当接部の一部の壁部から凹んで形成されて第1のサブ部の一部の外周側に位置し、及び/又は、前記第3の凹溝部は、第3の当接部と第3の油溝を含み、
前記第2のサブ部は、前記第3の当接部に当接し、
前記第3の油溝は、前記第3の当接部の一部の壁部から凹んで形成されて第2のサブ部の一部の外周側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1のハウジングは、少なくとも1つの第4の突出部をさらに含み、
前記第4の突出部は、前記底壁から前記収容室側へ延在し、
少なくとも一部の前記第4の突出部は、前記第2段ウォームの軸方向に沿って前記第2の突出部と前記第3の突出部との間に位置し、
前記第4の突出部は、第4の当接部を含む第4の凹溝部を含み、
前記第2の柱形部の一部は、前記第4の凹溝部の溝室内に位置して前記第4の凹溝部と隙間嵌めされ、
前記第2の柱形部は、前記第4の当接部に当接することを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第2のハウジングは、少なくとも1つの第5の突出部を含み、
前記第5の突出部は、第5の当接部を含む第5の凹溝部を含み、
前記第2段ウォームの一部は、前記第5の凹溝部の溝室内に位置して前記第5の当接部に当接し、
前記第5の突出部は、前記第1の突出部、前記第2の突出部及び前記第4の突出部のうちの少なくとも一方に隣接して設けられて、前記第2段ウォームの前記底壁に垂直な方向における運動を規制することを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記第2段ウォームの軸方向における長さは、前記第1段ウォームの軸方向における長さよりも大きく、
前記第2段ウォームの軸方向における長さは、550ミリメートル以上かつ650ミリメートル以下であり、
前記第2段ウォームの強度は、前記第1段ウォームの強度よりも大きく、
前記第1段ウォームは、プラスチック製であり、
前記第2段ウォームは、金属製であることを特徴とする請求項1~請求項3、請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記駆動装置は、導電部材をさらに含み、
前記モータは、前記モータの外面に露出する給電端子を含み、
前記給電端子は、前記導電部材に電気的に接続され、
前記導電部材の少なくとも一部は、前記底壁に埋設されており、
前記導電部材は、互いに電気的に接続された第1の電気的接続部を含み、
前記第1の電気的接続部は、剛性導電部であり、
前記給電端子は、前記第1の電気的接続部に溶接され、又は、前記給電端子は、前記第1の電気的接続部に係合接続されていることを特徴とする請求項1~請求項3、請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記駆動装置は、給電制御端子を含む制御部材を含み、
前記給電制御端子は、前記導電部材を介して前記給電端子に電気的に接続され、
前記導電部材は、前記第1の電気的接続部に電気的に接続された第2の電気的接続部を含み、
前記第2の電気的接続部は、いずれも剛性導電部であり、
前記給電制御端子は、前記第2の電気的接続部に溶接され、又は、前記給電制御端子は、前記第2の電気的接続部に係合接続されていることを特徴とする請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1段ウォームは、軸方向に沿って前記第1段ウォームを貫通する取付通路を有し、
前記モータの出力軸は、前記取付通路を貫通しており、
前記駆動装置は、前記出力軸の外周側に位置する少なくとも2つの磁性素子と前記磁性素子に近接して設けられるホール素子とを含み、
前記第1段ウォームは、前記第1の歯形部と前記モータとの間に位置する第3の柱形部をさらに含み、
前記第3の柱形部は、前記第3の柱形部の周向に均等に配列されて前記第3の柱形部の径方向に延在する少なくとも2つの第1の孔路を有し、
前記磁性素子の少なくとも一部は、前記第1の孔路に位置していることを特徴とする請求項1~請求項3、請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記伝動アセンブリは、出力歯車をさらに含み、
前記出力歯車は、前記第2段ウォームの第2の歯形部とともに伝動噛合構造を構成し、
前記出力歯車は、プラスチック製であることを特徴とする請求項1~請求項3、請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記駆動装置は、前記出力軸の外周側に位置して前記出力軸と同期回動可能な磁性素子を含み、
前記磁性素子の一部は、前記第1段ウォームの内部に嵌り込まれ、
前記第1段ウォームは、プラスチック製であり、
前記磁性素子、前記第1段ウォーム及び前記出力軸は、一体構造となった射出成形体であることを特徴とする請求項1~請求項3、請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項14】
弁体及び請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の駆動装置を含み、
前記駆動装置の伝動アセンブリは、出力歯車をさらに含み、
前記弁体は、前記出力歯車と伝動係合する入力軸セグメントとを含み、前記入力軸セグメントと前記出力歯車を同期回動させることを特徴とする制御弁。
【請求項15】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の駆動装置の製造方法であって、
前記駆動装置は、磁性素子をさらに含み、
前記製造方法は、
磁性素子と、出力軸を含むモータとを提供すること、
前記磁性素子と前記モータの前記出力軸を第1段ウォームの射出金型に入れ、前記モータの出力軸、前記第1段ウォーム及び前記磁性素子を一体構造に射出成型すること、
前記磁性素子を磁化することを含むことを特徴とする駆動装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年01月18日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110064095.3であり、発明の名称が「駆動装置及び制御弁」であり、及び2021年02月1日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110138021.Xであり、発明の名称が「駆動装置及び制御弁」である2つの中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、参照されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は、流体制御分野という分野に関わり、具体的に、駆動装置、制御弁及び駆動装置の製造方法に関わる。
【背景技術】
【0003】
駆動装置は、様々な駆動を必要とする装置(例えば、流体制御弁など)に広く使用され、駆動装置は、モータと伝動アセンブリを含み、伝動アセンブリの構成は、駆動装置の駆動性能に影響を与えるため、駆動装置が制御弁の弁体の回動を安定して駆動できるように、駆動装置に新たな要求が提出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、制御弁の弁体の回動を安定して駆動できる駆動装置、制御弁及び駆動装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、駆動装置を提供し、ハウジング、モータ及び伝動アセンブリを含み、前記ハウジングが収容室を有し、前記伝動アセンブリの少なくとも一部と前記モータが前記収容室に位置する駆動装置であって、前記ハウジングは、底壁を含む第1のハウジングと、頂壁を含む第2のハウジングとを含み、前記底壁と前記頂壁とは、対向して設けられ、前記伝動アセンブリは、第1段ウォーム、第2段ウォーム及び伝動輪を含み、前記第1段ウォームは、前記モータの出力軸に伝動接続され、前記第2段ウォームは、前記伝動輪を介して前記第1段ウォームに伝動接続され、前記第1段ウォームの軸線の前記底壁での正投影と前記第2段ウォームの軸線の前記底壁での正投影とは、交差しており、
前記第1段ウォームは、第1の歯形部を含み、前記第2段ウォームは、第2の歯形部を含み、前記第1の歯形部と前記伝動輪は、伝動噛合構造を構成し、前記第2の歯形部は、前記第2段ウォームにおける前記第1の歯形部から離れる側に位置しており、
前記第1のハウジングは、第1の突出部と第2の突出部をさらに含み、前記第1の突出部と前記第2の突出部は、いずれも前記底壁に固定接続されかつ前記収容室に位置し、前記第1の突出部と前記第2の突出部は、いずれも前記第2段ウォームと位置規制されて係合され、前記第2の歯形部の軸方向において、前記第1の突出部は、前記第2の歯形部一方側に位置し、前記第2の突出部は、前記第2の歯形部の他方側に位置しており、
前記第2のハウジングは、第3の突出部をさらに含み、前記第3の突出部は、前記頂壁から前記収容室側へ延在し、前記第3の突出部は、前記第2段ウォーム軸方向に沿って、前記伝動輪に近接して設けられ、かつ前記第3の突出部と前記伝動輪との間のピッチが予め設定された範囲内にある。
【0006】
さらに、本発明は、制御弁を提供し、弁体及び上記のいずれか1つの駆動装置を含み、前記駆動装置の伝動アセンブリは、出力歯車をさらに含み、前記弁体は、前記出力歯車と伝動係合する入力軸セグメントをさらに含み、前記入力軸セグメントと前記出力歯車を同期回動させる。
【0007】
別の態様において、本発明は、駆動装置の製造方法を提供し、上記のいずれか1つの実施方式に記載の駆動装置の製造方法であって、前記駆動装置は、磁性素子をさらに含み、
前記製造方法は、
磁性素子と、出力軸を含むモータとを提供すること、
前記磁性素子と前記モータの前記出力軸を第1段ウォームの射出金型に入れ、前記モータの出力軸、前記第1段ウォーム及び前記磁性素子を一体構造に射出成型すること、
前記磁性素子を磁化することを含む。
【0008】
本発明の駆動装置、制御弁及び駆動装置の製造方法によれば、駆動装置の伝動アセンブリは、モータの出力軸に伝動接続される第1段ウォームと、第1段ウォームに伝動接続される第2段ウォームとを含む。
1段ウォーム伝動のみを設ける場合よりも、伝動アセンブリは、同じ出力トルクを実現するとともに同じ伝動比を有する時、本発明の実施例は、2段ウォーム伝動を設置することにより駆動装置を比較的小さい寸法をすることができ、駆動装置の構成をコンパクト化にし、さらに、駆動装置の第1のハウジングは、第2段ウォームの第2の歯形部の両側に設けられている第1の突出部と第2の突出部を含み、第2段ウォームを支持及び位置規制することを容易にし、第2のハウジングは、第3の突出部を含み、第3の突出部は、伝動輪に近接して設けられ、かつ第3の突出部と伝動輪との間のピッチは、予め設定された範囲内にあり、伝動輪と第1段ウォームとが噛合運転中にウォームの径方向における移動が発生することが規制されることで、駆動装置は、制御弁の弁体を回動させるように安定して駆動して、駆動装置の駆動性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施例が提供した駆動装置の立体組立図である。
【
図2】本発明の一実施例が提供した第1のハウジングの立体構成図である。
【
図4】本発明の一実施例が提供した第2のハウジングの立体構成図である。
【
図6】本発明の一実施例が提供した駆動装置の1つの断面図である。
【
図7】本発明の一実施例が提供した第2段ウォームの立体構成図である。
【
図8】本発明の一実施例が提供した第1段ウォームの立体構成図である。
【
図9】
図8に示した第1段ウォームの断面図である。
【
図10】本発明の一実施例が提供した第1のハウジングの平面構成図である。
【
図12】本発明の一実施例が提供した駆動装置の部分構成図である。
【
図13】本発明の一実施例が提供した駆動装置のもう1つの断面図である。
【
図14】本発明の一実施例が提供した第1段ウォームと磁性素子の組立構成図である。
【
図15】本発明の一実施例が提供したモータ、第1段ウォーム及び磁性素子の一体構造の図である。
【
図16】
図15に示したモータ、第1段ウォーム及び磁性素子の一体構造の断面図である。
【
図17】本発明の他の実施例が提供したモータ、第1段ウォーム及び磁性素子の一体構造の断面図である。
【
図18】本発明の一実施例が提供したモータ、第1段ウォーム及び磁性素子の一体構造の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明をより明確にするために、図面及び実施例により、本発明を詳細に説明する。
【0011】
図1から
図9に示すように、本発明の実施例は、制御弁に適用可能な駆動装置1000を提供し、制御弁の弁体を駆動して回動させ、制御弁による流体の制御を実現する。
本実施例の駆動装置1000は、ハウジング、モータ30及び伝動アセンブリを含む。
ハウジングは、収容室101を有し、伝動アセンブリの少なくとも一部とモータ30は、収容室101に位置する。
モータ30は、動力を提供するために用いられ、伝動アセンブリは、モータ30の動力を伝達することで、弁体を駆動して回転させる。
【0012】
本実施例において、ハウジングは、底壁111を含む第1のハウジング11と、頂壁121を含む第2のハウジング12とを含む。
底壁111と頂壁121とは、対向して設けられ、伝動アセンブリとモータ30は、底壁111と頂壁121との間に位置し、伝動アセンブリは、第1段ウォーム21、第2段ウォーム22及び伝動輪23を含む。
第1段ウォーム21は、モータ30の出力軸31に伝動接続され、第2段ウォーム22は、伝動輪23を介して第1段ウォーム21に伝動接続され、第1段ウォーム21の軸方向と第2段ウォーム22の軸方向とは、交差し、即ち、第1段ウォーム21の底壁111での正投影の軸線と第2段ウォーム22の底壁111での正投影の軸線とは、交差する。
図1のように、本実施例において、第1段ウォーム21の軸方向と第2段ウォーム22の軸方向とは、互いに垂直している。
伝動輪23は、第2段ウォーム22と一体に射出成型又は締まり嵌めすることができ、伝動輪23と第2段ウォーム22との同期回動を容易にする。
第1段ウォーム21は、第1の歯形部211を含み、第2段ウォーム22は、第2の歯形部221を含み、第1の歯形部211と伝動輪23は、伝動噛合構造を形成し、第2の歯形部221は、伝動輪23における第1の歯形部211から離れる側に位置し、第2の歯形部221は、第2段ウォーム22の第1の歯形部211から離れる端に位置することができる。
そのうち、伝動アセンブリは、さらに、第2の歯形部221とともに伝動噛合構造を形成する出力歯車24を含む。
本明細書において、第1の部材と第2の部材との伝動接続とは、動力が第1の部材と第2の部材の間に伝動できることを意味し、第1の部材と第2の部材は、直接的に接触接続であってもよく、他の伝動部材を介して接続してもよい。
【0013】
第2段ウォーム22の安定的な設置を実現するために、第1のハウジング11は、第1の突出部112と第2の突出部113をさらに含む。
第1の突出部112と第2の突出部113は、いずれも底壁111から収容室101へ延在し、第1の突出部112と第2の突出部113は、いずれも第2段ウォーム22と位置規制されて係合され、第2の歯形部221の軸方向に沿って、第1の突出部112は、第2の歯形部221の一方側に位置し、第2の突出部113は、第2の歯形部221の他方側に位置し、第1の突出部112と第2の突出部113を設置し、かつ、第1の突出部112と第2の突出部113とがそれぞれ、第2段ウォーム22の第2の歯形部221の両側に設けられることで、第2段ウォーム22を支持して位置規制しやすくなり、第2段ウォーム22の軸方向における遊動の減少を容易にする。
さらに、第2のハウジング12は、第3の突出部122をさらに含む。
第3の突出部122は、頂壁121から収容室101の方向へ延在し、第2段ウォーム22の軸方向に沿って、第3の突出部122は、第2の歯形部221と伝動輪23との間に位置し、かつ、第3の突出部122は、伝動輪23に近接して設けられ、第3の突出部122と第2段ウォーム22とは、位置規制され係合され、第3の突出部122と伝動輪23との間のピッチは、予め設定された範囲内にある。
さらに、伝動輪23と第1段ウォーム21の第1の歯形部211は、いずれも斜歯である場合、両者は、噛合運転中に上下方向(第1段ウォーム21の径方向)における作用力を発生し、伝動輪23の移動を引き起こしやすい。
本実施例は、第3の突出部122を伝動輪23に近接するように設置することにより、第3の突出部122と第2段ウォーム22は、位置規制され係合され、かつ、第3の突出部122と伝動輪23との間のピッチは、予め設定された範囲内にあり、伝動輪23と第1段ウォーム21が運転中に第1段ウォーム21の径方向における移動の発生を制限することができる。
さらに、第3の突出部122と伝動輪23との間のピッチは、ユーザーの要求に応じて設定することができ、伝動輪23が頂壁121に近づく移動を発生することを制限することができればよい。
さらに、本実施例の駆動装置1000は、3段又は3段以上のウォーム伝動を設けることができ、3段又は3段以上ウォーム伝動を設ける場合、対応する突出部を設けることでウォームを位置規制し、本明細書では、2段ウォーム伝動を例として説明する。
【0014】
図10に示すように、駆動装置1000は、駆動装置1000の安定的な取り付けを実現するように、ハウジング外周側に位置する少なくとも3つの取付部13をさらに含む。
そのうち、取付部13は、ハウジングと一体成型することができ、全数の取付部13とハウジングの外面で限定された矩形領域の面積は、9230平方ミリメートル以下であり、伝動アセンブリの伝動比は、620以上700以下であり、伝動アセンブリの出力トルクは、3N.m~7N.mである。
2段ウォーム伝動を設けることにより、伝動比と出力トルクを実現した上で、出力歯車と伝動歯車をいずれも取付部13の限定領域に位置させ、駆動装置1000の構成のコンパクト化を容易にする。
【0015】
これに基づき、
図1、
図2及び
図10に示すように、駆動装置1000は、ハウジング外周側に位置する第1の取付部131、第2の取付部132及び第3の取付部133を含む。
第1の取付部131と第2の取付部132は、第2段ウォーム22の径方向における両側に位置し、第3の取付部133は、第2段ウォーム22における第1段ウォーム21から離れる側に位置し、ハウジングは、ハウジングの一方側に位置する第1の側壁102を含む。
第2段ウォーム22の軸方向に沿って、第1段ウォーム21と第2段ウォーム22は、第1の側壁102と第3の取付部133との間に位置する。
第2段ウォーム22の径方向に沿って、第1の取付部131の取付孔と第2の取付部132の取付孔との間の中心距離をaと定義し、aが79ミリメートル未満であり、第2段ウォーム22の軸方向に沿って、第3の取付部133の取付孔と第1の側壁102の外面との間の距離をbと定義し、bが117ミリメートル未満である。
【0016】
図1から
図7を参照し、第2段ウォーム22は、第1の柱形部222と第2の柱形部223を含む。
第2の歯形部221は、第1の柱形部222と第2の柱形部223との間に位置し、第2の柱形部223の少なくとも一部は、第2の歯形部221と伝動輪23との間に位置し、第1の突出部112は、第1の凹溝部1120を含み、第2の突出部113は、第2の凹溝部1130を含み、第3の突出部122は、第3の凹溝部1220を含む。
第1の柱形部222の少なくとも一部は、第1の凹溝部1120との溝室内に位置し、かつ第1の柱形部222は、第1の凹溝部1120に隙間嵌めされ、第2の柱形部223は、軸方向に配列された第1のサブ部と第2のサブ部を含み、第1のサブ部は、第2の歯形部221と第2のサブ部との間に位置し、第1のサブ部の少なくとも一部は、第2の凹溝部1130の溝室内に位置し、かつ、第1のサブ部は、第2の凹溝部1130に隙間嵌めされ、第2のサブ部の少なくとも一部は、第3の凹溝部1220の溝室内に位置し、かつ第2のサブ部は、第3の凹溝部1220に隙間嵌めされる。
これにより、第1の突出部112、第2の突出部113及び第3の突出部122は、互いに協働して第2段ウォーム22に対する支持及び位置規制を容易にし、第2段ウォーム22を安定的に回動させ、第2段ウォーム22が回動するときに発生する騒音を低減させる。
【0017】
図2、
図3及び
図5に示すように、第2段ウォーム22の安定的な回動を実現するために、第1の凹溝部1120は、第1の当接部1121と第1の油溝1122を含む。
第1の柱形部222は、第1の当接部1121に当接し、第1の油溝1122は、第1の当接部1121の一部の壁部から凹んで形成され、かつ、第1の油溝1122は、第1の柱形部222の一部の外周側に位置し、及び/又は、第2の凹溝部1130は、第2の当接部1131と第2の油溝1132を含む。
第1のサブ部は、第2の当接部1131に当接し、第2の油溝1132は、第2の当接部1131の一部の壁部から凹んで形成され、かつ第2の油溝1132は、第1のサブ部の一部の外周側に位置し、及び/又は、第3の凹溝部1220は、第3の当接部1221と第3の油溝1222を含む。
第2のサブ部は、第3の当接部1221に当接し、第3の油溝1222は、第3の当接部1221の一部の壁部から凹んで形成され、かつ、第3の油溝1222は、第2のサブ部の一部の外周側に位置している。
これにより、第2段ウォーム22に良好な潤滑作用を持たせることができ、第2段ウォーム22と各突出部との間の摩擦力を低減させる。
または、第1の凹溝部1120、第2の凹溝部1130及び第3の凹溝部1220にそれぞれ対応する油溝を設けて、第2段ウォーム22を十分に潤滑するようにしてもよい。
【0018】
第2段ウォーム22の軸方向における長さは、第1段ウォーム21の軸方向における長さよりも大きく、第2段ウォーム22の軸方向における長さは、550ミリメートル以上かつ650ミリメートル以下であり、第2段ウォーム22の長さが長いため、第2段ウォーム22の強度を第1段ウォーム21の強度より大きく設定する。
具体的には、第1段ウォーム21は、プラスチック製であり、第2段ウォーム22は、金属製であることが可能であり、あるいは、伝動輪23は、プラスチック製であってもよい。
第2段ウォーム22を金属製とすることで、第2段ウォーム22の長さが長く、大きなトルクが伝達されたときに破断することを防止することができ、同時に、第2段ウォーム22をプラスチック製とすることで、駆動装置1000の品質をよりよく制限することもできる。
第2段ウォーム22の製作材料は、高強度のプラスチックであってもよく、第2段ウォーム22の強度を向上させることができればよく、本発明は、第2段ウォーム22の材料を限定しないことを理解されたい。
【0019】
第2段ウォーム22の軸方向長さが長いため、第2段ウォーム22をより良く支持及び位置規制するために、
図2と
図6のように、第1のハウジング11は、少なくとも1つの第4の突出部114をさらに含む。
第4の突出部114は、底壁111から収容室101の方向へ延在し、第2段ウォーム22の軸方向に沿って、少なくとも一部の第4の突出部114は、第2の突出部113と第3の突出部122との間に位置し、第4の突出部114は、第4の当接部1141を含む第4の凹溝部1140を含む。
第2の柱形部223の一部は、第4の凹溝部1140の溝室内に位置しかつ第4の凹溝部1140と隙間嵌めされ、第2の柱形部223は、第4の当接部1141に当接する。
そのうち、一部の第4の突出部114の構成は、第1の突出部112及び第2の突出部113と類似することができ、第4の凹溝部1140には、第2段ウォーム22の中間位置を潤滑第5の突出部123は、第5の当接部1231を含む第5の凹溝部1230を含む。
第2段ウォーム22の一部は、第5の凹溝部1230の溝室内に位置しかつ第5の当接部1231に当接し、第5の突出部123は、第1の突出部112、第2の突出部113及び第4の突出部114のうちの少なくとも一方に隣接して設けられることで、第2段ウォーム22の底壁111に垂直な方向における運動を規制する。
図6に示すように、第2段ウォーム22の軸方向に沿って、第2のハウジング12は、間隔をおいて設置された2つの第5の突出部123を含む。
第1の突出部112、第2の突出部113は、2つの第5の突出部123の間に位置することで、第1の突出部112、第2の突出部113及び第5の突出部123は、互いに協働して、第2段ウォーム22の上下方向における遊動が発生することが防止する。
【0020】
図1、
図11及び
図12のように、駆動装置1000は、導電部材40と制御部材50をさらに含み、モータ30は、モータ31の外面に露出する給電端子32を含む。
制御部材50は、給電制御端子51を含み、給電端子32は、導電部材40を介して給電制御端子51に電気的に接続され、導電部材40の一部は、底壁111に埋設され、導電部材40は、互いに電気的に接続された第1の電気的接続部41、第2の電気的接続部42を含む。
第1の電気的接続部41と第2の電気的接続部42は、いずれも剛性導電部であり、給電端子32は、第1の電気的接続部41に溶接され、又は、給電端子32は、第1の電気的接続部41に係合接続され、給電制御端子51は、第2の電気的接続部42に溶接され、又は、給電制御端子51は、第2の電気的接続部42に係合接続されている。
これにより、第1の電気的接続部41とモータ30の給電端子32との組立の自動化、及び第2の電気的接続部42と制御部材50の給電制御端子51の組立の自動化を容易にする。
さらに、導電部材40は、フレキシブル導線であってもよく、本発明は、これを限定しない。
【0021】
具体的に実施する際に、第1の電気的接続部41は、給電端子32に近接して設けられ、かつ、第1の電気的接続部41と給電端子32との間の距離は、第1の予め設定された範囲内にあり、このときの第1の電気的接続部41は、給電端子32に密着して設けられ、かつ、第1の電気的接続部41と給電端子32との間の距離は、小さいため、両者の組立の自動化を容易にし及び両者の半田による電気的接続又はスナップ式電気的接続を容易に実現することができる。
第1の電気的接続部41と給電端子32との間の距離は、第1の予め設定された範囲内にあるとは、第1の電気的接続部41と給電端子32の間の離間距離がろう材で両者を固定接続可能な距離又は係合接続可能な距離以下であることを意味する。
本発明は、第1の予め設定された範囲の具体的な寸法を限定せず、具体的に実施する際に、第1の電気的接続部41と給電端子32との間の離間距離は、ゼロとすることができ、第1の電気的接続部41は、給電端子32に接触設置されるようにし、そして、ろう材を利用して両者を固定して電気的に接続し、又は、
図12に示すように、第1の電気的接続部41は、給電端子32に係合接続されるクランプバネ411を含む。
【0022】
具体的には、モータ30は、正極給電端子と負極給電端子を含み、正極給電端子と負極給電端子に通電することにより、モータ30の出力軸31を回動させる。
従って、
図12に示すように、導電部材40の数は、2つであり、そのうちの一方の導電部材40が正極給電端子に電気的に接続され、他方の導電部材が負極給電端子に電気的に接続されることで、電気通信号の安定的な伝送を実現する。
【0023】
図11を参照し、モータを組み立てる過程において導電部材40において第1の電気的接続部41と第2の電気的接続部42が折り曲げ又は変形することを防止するために、第1のハウジング11は、さらに、突出構造を含み、突出構造は、底壁111から向収容室101へ延在し、第1の電気的接続部41の一部及び/又は第2の電気的接続部42の一部が突出構造に埋設されることで、第1の電気的接続部41及び/又は第2の電気的接続部42をよりよく固定及び保護する。
【0024】
2つの導電部材40の間を互いに絶縁するために、導電部材40の少なくとも一部が第1のハウジング11の底壁111に埋設される場合、例えば、底壁111をプラスチック製とし、射出プロセスにより導電部材40の少なくとも一部を底壁111に埋設し、2つの導電部材40を所定の距離だけ設置し、このとき、隣り合う2つの導電部材40は、底壁111によって離間され互いに絶縁されている。
【0025】
さらに、
図9、
図12から
図14を参照し、第1段ウォーム21は、軸方向に沿って第1段ウォーム21を貫通する取付通路212を有し、モータ30の出力軸31は、取付通路212を貫通し取付通路212から突出する。
このとき、取付通路212から突出する出力軸31は、支持構造によって支持されることで、モータ30が回動するときに安定に支持され、モータ30が回動する過程において騒音騒音を低減させる。
【0026】
さらに、駆動装置1000は、出力軸31の外周側に位置する少なくとも2つの磁性素子61と、磁性素子61に近接して設けられるホール素子62とを含む。
第1段ウォーム21は、第1の歯形部211とモータ30との間に位置する第3の柱形部213をさらに含む。
第3の柱形部213は、第3の柱形部213の周向に均等に配列されかつ第3の柱形部213の径方向に延在する少なくとも2つの第1の孔路214を有し、磁性素子61の少なくとも一部は、第1の孔路214に位置し、そのうち、第1の孔路241はブラインドビアであってもよく、磁性素子61の取付位置の限定を容易にし、かつ、磁性素子61が取付過程においてモータ30の出力軸31に損傷を与えることを防止する。
図14のように、駆動装置1000は、2つの磁性素子61を含むことができ、そのうちの一方の磁性素子は、南極(S極)であり、他方の磁性素子は、北極(N極)であり、モータ30の出力軸31が2つの磁性素子61を駆動して回動させる過程において、N極とS極は、交互にホール素子62に近接して、ホール素子62に検出磁性素子61の磁気変化を検出させ、さらに、検出信号を制御部材に伝送し、モータ30の回転速度などのパラメータ情報を得る。
【0027】
図13のように、具体的に実施する際に、磁性素子61は、第1段ウォーム21に取り付けられ、モータ30が作動する場合、このモータ30の出力軸31が回動して第1段ウォーム21の回動を駆動し、磁性素子61は、第1段ウォーム21に伴って回動する。
ホール素子62は、磁性素子61と互いに作用し、そのうち、ホール素子62は、ホールセンサー、又は位置センサー又は他の位置検出器であってもよく、このホールセンサーのフィードバック信号は、ホール信号であり、位置センサーのフィードバック信号は、ホール信号である。
ホールセンサーを例として説明すると、出力軸31は、第1段ウォーム21を駆動して回動させ、磁性素子61は、第1段ウォーム21に伴って回転すると、磁性素子61は、周期的にホールセンサーを通過し、ホールセンサーは、周期的なフィードバック信号を生成し、即ち、フィードバック信号は、ローレベルからハイレベルへ変化し、又はローレベルからハイレベルへ変化し、ステッピングモータが一回り作動すると、磁性素子61は、一回り回動する。
制御部材は、上記のフィードバック信号を収集し、フィードバック信号の状態によってモータ30の作動する状態を判断し、モータ30の作動状態は、少なくともモータ30の正常作動状態、モータ30のロック状態を含む。
ホール素子62と磁性素子61の外周側との間にはピッチを有することで、磁性素子61がモータ30の出力軸31に伴って回動する過程においてホール素子62と干渉して、ホール素子62を損傷することを防止する。
【0028】
駆動装置1000が磁性素子61をさらに含む場合、磁性素子61の少なくとも一部は、第1段ウォーム21の内部に嵌り込まれ、例えば、
図9、
図15から
図17において、第1段ウォーム21は、第1の孔路214を有し、磁性素子61の少なくとも一部は、この第1の孔路214内に位置する。
第1段ウォーム21は、プラスチック製であってもよく、このとき、磁性素子61、第1段ウォーム21及びモータ30の出力軸31は、射出プロセスにより一体構造を形成する。
これにより、磁性素子61、第1段ウォーム21及びモータ30の出力軸31を強固に接続させることができ、磁性素子16の脱落を防止する。
磁性素子61を第1の孔路214内に圧入することに対して、本実施例が提供した駆動装置1000は、磁性素子61の損傷を低減することができ、かつ、第1段ウォーム21とモータ30の出力軸31も射出プロセスにより固定設置することができ、第1段ウォーム21とモータ30の出力軸31との同心度を向上させ、第1段ウォーム21が回動するときに発生する大きな横方向力を低減することで、第1段ウォーム21の伝動効率を向上させる。
【0029】
図15と
図16のように、磁性素子61の数は、2つであってもよく、磁性素子61は、円柱体構造であり、そのうちの一方の磁性素子は、南極(S極)であり、他方の磁性素子は、北極(N極)であり、2つの磁性素子61は、出力軸31の外周側に位置しかつ出力軸31の周向に沿って均等に配列され、磁性素子61は、出力軸31の径方向に沿って延在する。
他のいくつかの実施例において、
図17のように、磁性素子61の数は、1つであってもよく、磁性素子61は、円柱体構造であり、このとき、磁性素子61の軸方向における一方端は、南極であり、他方端は北極であり、又は、磁性素子は、円環状構造であってもよく、第1段ウォーム21の軸方向における一方端は、環状凹溝を含む。
磁性素子の一部は、環状凹溝内に嵌設され、第1段ウォーム21に射出プロセスにより固定される。
【0030】
さらに、本実施例は、駆動装置の製造方法を提供し、モータ30の出力軸31、第1段ウォーム21及び磁性素子61を一体構造に射出成型する製造方法を含む。
図15から
図18のように、この製造方法は、以下のステップを含み、即ち、
S110、磁性素子61と、出力軸31を含むモータ30とを提供する。
【0031】
S120、磁性素子61とモータ30の出力軸31を第1段ウォーム21の射出金型に入れ、磁性素子61とモータ30を位置決めする。
【0032】
S130、射出金型で第1段ウォーム21を成型し、第1段ウォーム21、磁性素子61及びモータ30の出力軸31を固定接続する。
【0033】
本実施例において、第1段ウォーム21を作製するプラスチック材料を射出金型に充填し、射出プロセスにより第1段ウォーム21を作製して成型し、成型された第1段ウォーム21は、第1の歯形部211と第3の柱形部213を含む。
第1段ウォーム21の成型過程において、射出プロセスにより、磁性素子61とモータ30の出力軸31は、第1段ウォーム21に締結接続され、かつ磁性素子61の一部は、第3の柱形部213の内部に嵌り込まれ、磁性素子61の軸方向と第3の柱形部213の軸方向とは、垂直に設けられ、モータ30の出力軸31の少なくとも一部は、第1段ウォーム21内に嵌設されかつ第1段ウォーム21と同軸に設けられる。
【0034】
S140、第1段ウォーム21、モータ30及び磁性素子61の一体構造を射出金型から脱型する。
【0035】
具体的には、成型された第1段ウォーム21は、第1の歯形部211を有しているので、この一体構造を射出金型から取り出す場合、モータ30に通電して起動させることができ、モータ30の出力軸31は、回転中に、この一体構造を射出金型から抜ける。
【0036】
S150、磁性素子61を磁化する。
【0037】
ステップS130において、射出金型で第1段ウォーム21を成型する際に、射出金型には高温環境が存在するので、高温環境が磁性素子61の磁性に影響を与えることを回避するために、本発明の実施例では、第1段ウォーム21、モータ30及び磁性素子61の一体構造を射出金型から脱型してから、磁性素子61を磁化して、駆動装置1000における磁性素子61の磁性を向上させ、磁化した磁性素子61は、南極と北極を有するため、この磁性素子61とホール素子は、互いに協働することで、ホール素子62に磁性素子61の磁気変化を正確に検出させ、モータ30の回転速度などのパラメータ情報に対する検出の正確性を向上させる。
【0038】
図16のように、磁性素子61は、円柱体構造であり、磁性素子61の数が2つである場合、そのうちの一方の磁性素子61を磁化してこの磁性素子の磁性を南極とし、他方の磁性素子61を磁化してこの磁性素子の磁性を北極とする。
図17のように、磁性素子は、円柱体構造であり磁性素子の数は、1つである場合、磁性素子の軸方向における一方端を南極に磁化し、他方端を北極に磁化することができる。
【0039】
駆動装置1000が伝動トルクを出力することを実現するために、
図1を参照し、伝動アセンブリは、出力歯車24をさらに含む。
出力歯車24は、第2段ウォーム22の第2の歯形部221と伝動噛合構造を形成し、出力歯車24は、プラスチック製である。
【0040】
以上のように、本発明の実施例が提供した駆動装置1000によれば、駆動装置1000の伝動アセンブリは、モータ30の出力軸31に伝動接続される第1段ウォーム21と、第1段ウォーム21に伝動接続される第2段ウォーム22とを含む。
1段ウォーム伝動のみを設ける場合よりも、伝動アセンブリは、同じ出力トルクを実現するとともに同じ伝動比を有する場合、本発明の実施例が提供した2段ウォーム伝動構造を設置することにより伝動アセンブリにおける出力歯車の寸法を小さくすることができ、駆動装置1000の構成をコンパクト化にし、さらに、駆動装置1000の第1のハウジング11は、第2段ウォーム22の第2の歯形部221の両側に設けられている第1の突出部112と第2の突出部113を含む。
第2段ウォーム22を支持及び位置規制することを容易にし、第2のハウジング12は、第3の突出部122を含む。
第3の突出部122は、伝動輪23に近接して設けられ、かつ、第3の突出部122と伝動輪23との間のピッチは、予め設定された範囲内にあり、伝動輪23と第1段ウォーム21とが噛合運転中にウォームの径方向における移動が発生することが規制されることで、駆動装置は、制御弁の弁体が回動するように安定して駆動して、駆動装置1000の駆動性能が向上する。
【0041】
一方、本発明は、さらに制御弁を提供し、制御弁は、弁体及び上記のいずれの実施方式の駆動装置1000を含む。
駆動装置1000の伝動アセンブリは、さらに、出力歯車24を含み、弁体は、出力歯車24と伝動係合する入力軸セグメントを含み、入力軸セグメントと出力歯車24を同期回動させる。
あるいは、出力歯車24の出力軸は、方形軸孔を含み、弁体の入力軸セグメントの外面は、方形軸孔と一致する方形軸セグメントであり、方形軸セグメントは、方形軸孔に嵌着されることで、出力歯車24が弁体を回動させるように駆動することを実現する。
又は、出力歯車24の出力軸は、方形軸セグメントを含むことができ、弁体の入力軸セグメントは方形軸孔を含むこともでき、方形軸セグメントは、方形軸孔に嵌着されることで、以出力歯車24が弁体の回動を駆動することを実現する。
本発明が提供した制御弁は、上記の駆動装置1000と同様の有益な効果を有し、ここで贅言しない。
【0042】
以上の実施例は、本発明の説明のためだけであり本発明を限定するものではなく、本明細書は、上記の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば理解されるように、当業者は依む。
本発明に対して修正又は均等な置換を行うことが可能であり、本発明の精神と範囲から逸脱しない全ての改良は、いずれも本発明に含まれるものとする。