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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】塗装用操作パネル
(51)【国際特許分類】
   B05B 5/08 20060101AFI20241028BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20241028BHJP
   B05B 5/025 20060101ALN20241028BHJP
【FI】
B05B5/08 Z
B05C11/00
B05B5/025 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021008660
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2022112742
(43)【公開日】2022-08-03
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】各務 亜幸
(72)【発明者】
【氏名】大野 将宏
(72)【発明者】
【氏名】森 唯行
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-129453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0088397(US,A1)
【文献】特開2002-126605(JP,A)
【文献】特開2013-001053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 5/08
B05C 11/00
B05B 5/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに囲まれた表示面と、
前記表示面内に配置された機能エリアと、
前記表示面内に配置された照光部と、を備え、
記機能エリアの外縁は、前記フレームの内周縁に沿った形状をなし、
前記機能エリア内には、塗装に関する入力操作を行うための操作部と、塗装に関する情報を表示する表示部と、が配置され、
前記照光部は、前記フレームの前記内周縁と前記機能エリアの前記外縁との間の枠状エリア内に配置されている塗装用操作パネル。
【請求項2】
前記照光部が、前記表示面内に配置され、線光源で構成されている請求項1に記載の塗装用操作パネル。
【請求項3】
前記機能エリアが方形であり、
前記照光部は、前記機能エリアの角部に沿ってL字形に屈曲した形状をなしている請求項1又は請求項2に記載の塗装用操作パネル。
【請求項4】
複数の前記照光部が、前記機能エリアの外縁に沿った複数位置に配置され、
前記操作部が、塗装条件を入力するための塗装条件入力部を含んでおり、
塗装条件を入力する塗装条件入力モードでは、前記複数の照光部の全てが点灯する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の塗装用操作パネル。
【請求項5】
複数の前記照光部が、前記機能エリアの外縁に沿った複数位置に配置され、
前記表示部が、異常発生時に表示を行う異常発生報知部を含んでおり、
異常発生時には、前記複数の照光部のうち前記異常発生報知部の直近の前記照光部のみが点灯又は点滅する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塗装用操作パネル。
【請求項6】
複数の前記照光部が、前記機能エリアの外縁に沿った複数位置に配置され、
塗装以外の作業工程の終了を待つ待機モードでは、複数の照光部が、点灯と消灯を順次に繰り返す請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の塗装用操作パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装用操作パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、塗装条件の設定や表示を行うための制御盤を備えた塗装装置が開示されている。制御盤の操作パネルは、入力操作を行うための操作部と、入力内容や塗装に関する情報を表示するための表示部とを有している。表示部は、LED素子や電球等の光源を状況に応じて点灯、消灯、点滅させることによって表示動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-063741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は制御盤の小型化が求められ、操作パネルの表示面積が小さくなる傾向にあるため、操作パネルでの入力操作を行い難いだけでなく、入力操作が正しいか否かを知らせる報知情報を視認し難い。また、制御盤は、塗料の付着を防止する目的で塗装作業者の立ち位置から離れた位置に置かれるため、塗装中の作業者からは操作パネルの表示内容を目視し難い。操作パネルの表示内容を目視し難いと、塗装に関する状況変化や異常発生等を知らせる報知情報が操作パネルに表示されても、塗装作業者は即座に報知情報を認識することができない。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、報知情報を認識し易い操作パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の塗装用操作パネルは、
フレームに囲まれた表示面と、
前記表示面内に配置され、塗装に関する入力操作を行うための操作部と、
前記表示面内に配置され、塗装に関する情報を表示する表示部と、
前記操作部及び前記表示部を含む機能エリアの外縁に沿うように配置された照光部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
照光部は、報知情報に応じて点灯又は消灯の動作を行う。照光部は、表示部が配置されている機能エリアの外縁に沿うように配置されているので、表示部と混同され難く、存在感が高い。本発明によれば、操作パネルにおける報知情報を認識し易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の操作パネルを有するコントローラの斜視図
図2】操作パネルの正面図
図3】コントローラの構成をあらわすブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、前記照光部が、前記表示面内に配置され、線光源で構成されていることが好ましい。この構成によれば、機能エリアの面積を大きく確保しても、機能エリアの外縁と表示面の外周縁との間のデッドスペースを利用して照光部を配置することができる。照光部は、線光源で構成されているので、長尺にすることによって目立たせることができる。
【0010】
本発明は、前記機能エリアが方形であり、前記照光部は、前記機能エリアの角部に沿ってL字形に屈曲した形状をなしている。L字形に屈曲した照光部は、I字形のものに比べると視認性に優れている。
【0011】
本発明は、複数の前記照光部が、前記機能エリアの外縁に沿った複数位置に配置され、前記操作部が、塗装条件を入力するための塗装条件入力部を含んでおり、塗装条件を入力する塗装条件入力モードでは、前記複数の照光部の全てが点灯することが好ましい。この構成によれば、全ての照光部が点灯することによって、塗装条件入力モードであることを容易に認識することができる。
【0012】
本発明は、複数の前記照光部が、前記機能エリアの外縁に沿った複数位置に配置され、前記表示部が、異常発生時に表示を行う異常発生報知部を含んでおり、異常発生時には、前記複数の照光部のうち前記異常発生報知部の直近の前記照光部のみが点灯又は点滅することが好ましい。この構成によれば、照光部の表示動作によって、異常の発生を一目で認識することができる。
【0013】
本発明は、複数の前記照光部が、前記機能エリアの外縁に沿った複数位置に配置され、塗装以外の作業工程の終了を待つ待機モードでは、複数の照光部が、点灯と消灯を順次に繰り返すことが好ましい。この構成によれば、待機モードであることを一目で認識することができる。
【0014】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図3を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図2にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、図2にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0015】
本実施例1の塗装用のコントローラ10は、ハンドガンタイプの塗装ガン11を用いた静電塗装に用いられるものである。コントローラ10は、塗料の付着を防止するために、塗装ブース(図示省略)から離れた位置に配置される。コントローラ10は、図3に示すように、塗装用操作パネル20(以下、「操作パネル20」という)と制御部12とを備えている。操作パネル20は、詳細は後述するが、塗装条件の設定と表示、塗装モードの選択と表示、塗料流路の清掃と清掃中の表示、異常発生の報知等を行うものである。操作パネル20は、14の操作部25~38と17の表示部39~55と4つの照光部56とを有する。図3に示すように、操作部25~38と表示部39~55と照光部56は制御部12に接続されている。
【0016】
制御部12には、図3に示すように、塗料供給装置13とエア供給装置14と送電装置16と清掃装置15が接続されている。操作部25~38において入力や選択等の操作が行われると、その操作に応じた操作信号が制御部12に入力される。制御部12は、操作部25~38からの操作信号、即ち操作パネル20で設定された塗装条件に基づき、表示部39~55における表示動作、照光部56における照光動作、塗装ガン11に対する塗料供給装置13の供給動作、塗装ガン11に対するエア供給装置14の供給動作、塗装ガン11に設けた高電圧発生器17に対する送電装置16の送電動作、塗料流路に対する清掃装置15の清掃動作を制御する。制御部12には、塗料供給装置13、エア供給装置14、送電装置16、清掃装置15から異常が発生したことを知らせる報知情報が入力されるようになっている。制御部12は、入力された報知情報に基づいて、照光部56の照光動作を制御する。
【0017】
図2に示すように、操作パネル20は、方形のフレーム21に囲まれた表示面22を有する。14の操作部25~38と17の表示部39~55と4つの照光部56は、表示面22内に配置されている。操作部25~38は、静電塗装に関する条件の入力や選択等を行うためのものであり、指で押し込むハードウェアキーによって構成されている。表示部39~55は、操作部25~38の操作に基づいて、又は上記の各装置13~16からコントローラ10に入力された信号等に基づいて点灯と消灯を行う。照光部56は、操作部25~38の操作や異常発生等に連動して点灯、消灯又は点滅する。
【0018】
以下、各操作部25~38の位置と機能を説明する。表示面22の右上隅部には、コントローラ10を起動又は停止させるための電源スイッチ25が配置されている。電源スイッチ25の下方には、アイコン付きの表示切替部26が配置されている。表示切替部26は、後述する第1~第4表示部41~44の表示内容を第1画面と第2画面に切り替えるためのものである。表示切替部26を押し操作することによって第1画面と第2画面が切り替わる。第1画面では、第1~第4表示部41~44に塗装条件が表示される。第2画面では、第1~第4表示部41~44に塗装中の状態又は清掃中の状態が表示される。
【0019】
電源スイッチ25の左方には、粉体塗料の吐出量の設定、又は粉体塗料の吐出量を増減するためのメインエアの流量と圧力の設定を行うための第1入力部27が配置されている。メインエアの流量を増やすことによって粉体塗料の吐出量が増大し、メインエアの流量を減らすことによって粉体塗料の吐出量が減少する。第1入力部27の下方(表示切替部26の左方)には、第2入力部28が配置されている。第2入力部28の操作によって、塗装搬送風量の設定、又は粉体塗料の吐出状態を安定させるためのサブエアの流量と圧力の設定を行うことができる。メインエアの流量を増やして粉体塗料の吐出量を増大させると、粉体塗料の吐出状態が不安定になるが、サブエアの流量を増やすことによって、粉体塗料の吐出状態を安定させることができる。第1入力部27の左方には、第3入力部29が配置されている。第3入力部29の操作によって、塗装ガン11の高電圧発生器17における電圧の設定と、清掃時間の設定と、塗装ガン11から吐出される粉体塗料の吐出量を計量する時間の設定を行うことができる。第3入力部29の下方には、高電圧発生器17の出力電流値を設定するための第4入力部30が配置されている。
【0020】
第4入力部30よりも下方の領域には、アイコン付きの3つの塗装モード選択部31,32,33が左右に並んで配置されている。左側に位置する平板形状用塗装モード選択部31を押し操作して平板形状用塗装モードを選択すると、平板形状の被塗物に適した塗装条件で塗装が実行される。中央に位置する凹凸形状用塗装モード選択部32を押し操作して凹凸形状用塗装モード選択すると、凹凸形状の被塗物に適した塗装条件で塗装が実行される。右側に位置する再塗装用塗装モード選択部33を押し操作して再塗装用塗装モード選択すると、再塗装に適した塗装条件で塗装が実行される。
【0021】
再塗装用塗装モード選択部33の右方には、アイコン付きの塗装レシピ選択部34が配置されている。塗装レシピ選択部34を押し操作してON状態にすると、予め任意に設定して記憶させておいた塗装レシピで塗装を行うことが可能となる。塗装レシピ選択部34の右方には、レシピ番号選択部35が配置されている。塗装レシピ選択部34をONにした状態でレシピ番号選択部35を操作すると、記憶されている塗装レシピを選択することができる。
【0022】
平板形状用塗装モード選択部31の下方には、粉体塗料にエアと振動を付与するためのアイコン付きのエア流動付与選択部36が配置されている。エア流動付与選択部36を押し操作してON状態にすると、塗装を行っていないときでも、塗料タンク(図示省略)に貯留されている粉体塗料が、エアと振動によって固まらずに流動し易い状態に保たれる。
【0023】
凹凸形状用塗装モード選択部32の下方(エア流動付与選択部36の右方)には、塗料タンクから塗装ガン11に至る塗料流路内の清掃を行うためのアイコン付きの塗料流路清掃選択部37が配置されている。塗料流路清掃選択部37を押し操作してON状態にすると、第3入力部29で設定した清掃時間の間、塗料流路内がエアパージされる。
【0024】
再塗装用塗装モード選択部33の下方(塗料流路内清掃選択部37の右方)には、アイコン付きの吐出量計測選択部38が配置されている。吐出量計測選択部38を押し操作してON状態にすると、第3入力部29で設定した計量時間が経過するまで、粉体塗料の吐出量が計量される。
【0025】
次に、各表示部39~55の位置と機能を説明する。電源スイッチ25には、電源用表示部39が一体化されている。電源スイッチ25を押し操作してコントローラ10を起動させると、電源用表示部39が点灯し、コントローラ10がON状態であることを表示する。表示切替部26の左隣りには、表示切替用発光部40が配置されている。第1~第4表示部41~44が第1画面に切り替わっているときには、表示切替用発光部40が消灯する。第1~第4表示部41~44が第2画面に切り替わっているときには、表示切替用発光部40が点灯する。
【0026】
第1入力部27の左隣りには、第1入力部27の操作によって設定された値を表示する第1表示部41が配置されている。第2入力部28の左隣りには、第2入力部28の操作によって設定された値を表示する第2表示部42が配置されている。第3入力部29の左隣りには、第3表示部43が配置されている。第3表示部43は、第3入力部29の操作によって設定された値を表示する。第4入力部30の左隣りには、第4入力部30の操作によって設定された値を表示する第4表示部44が配置されている。第1~第4表示部41~44は、3桁の数値をデジタル表示する液晶画面からなる。第1~第4入力部27~30と第1~第4表示部41~44は、塗装条件に関する設定と表示を行うための機能部であり、表示面22の上端側領域のうち左右方向中央領域及び左端側領域に集約して配置されている。
【0027】
平板形状用塗装モード選択部31の左隣りには、平板形状用塗装モードが選択されたときに点灯する平板形状用塗装モード表示部45が配置されている。凹凸形状用塗装モード選択部32の左隣りには、凹凸形状用塗装モードが選択されたときに点灯する凹凸形状用塗装モード表示部46が配置されている。再塗装用塗装モード選択部33の左隣りには、再塗装用塗装モードが選択されたときに点灯する再塗装用塗装モード表示部47が配置されている。3つの塗装モード選択部31,32,33と、3つの塗装モード表示部45,46,47は、専用塗装モードに関する設定と表示を行うための機能部であり、表示面22の左端領域のうち下端に近い領域に集約して配置されている。
【0028】
塗装レシピ選択部34の左隣りには、塗装レシピ選択部34がON状態になったときに点灯する塗装レシピ選択表示部48が配置されている。レシピ番号選択部35の左隣りには、レシピ番号選択部35の操作によって選択された塗装レシピの番号を表示するレシピ番号表示部49が配置されている。レシピ番号表示部49は、異常が発生したときに異常コードを表示する異常コード表示部としての機能を兼ね備える。レシピ番号表示部49は、3桁の数値をデジタル表示する液晶画面からなる。
【0029】
エア流動付与選択部36の左隣りには、エア流動付与選択部36がON状態になったときに点灯するエア流動付与表示部50が配置されている。塗料流路清掃選択部37の左隣りには、塗料流路清掃選択部37がON状態になったときに点灯する塗料流路清掃表示部51が配置されている。吐出量計測選択部38の左隣りには、吐出量計測選択部38がON状態になったときに点灯する吐出量計測表示部52が配置されている。
【0030】
吐出量計測選択部38の右方には、塗装ガン11のトリガ(図示省略)が引かれているときに点灯するアイコン付きのトリガ信号表示部53が配置されている。トリガ信号表示部53の右方には、塗装ガン11の高電圧発生器17に電圧が印加されているときに点灯するアイコン付きの高電圧印加表示部54が配置されている。高電圧印加表示部54の右方には、塗装や清掃等に関して異常が発生したときに点灯するアイコン付きの異常発生報知部55が配置されている。高電圧印加表示部54と異常発生報知部55は、表示面22の右下隅部に配置されている。
【0031】
次に、照光部56について説明する。1つの照光部56は、1本の線光源で構成されている。線光源は、例えば、複数のLEDを間隔を空けずに連続して並べることによって、1本の線光源に見えるようにしたものである。照光部56はL字形をなしている。詳細には、2本の直線部57と、1本の四半円弧形をなす曲線部58とから構成されている。2本の直線部57は、互いに直角をなすように配置され、曲線部58は、2本の直線部57と滑らかに繋がっている。照光部56は、概ねL字形をなしている。
【0032】
表示面22において、14の操作部25~38と17の表示部39~55が配置された方形の領域を機能エリア60と定義する。機能エリア60の外縁60Eは、フレーム21の内周縁に沿った方形をなす。機能エリア60の外縁60Eとフレーム21の内周縁との間の方形の領域を、枠状エリア61と定義する。4つの照光部56は、表示面22の四隅において、機能エリア60の外縁60Eに沿うように配置されている。換言すると、4つの照光部56は、枠状エリア61の内部において、周方向に間隔を空けて配置されている。
【0033】
照光部56の曲線部58は枠状エリア61の角部に配置され、直線部57は機能エリア60の外縁60Eと平行をなすように配置されている。直線部57の長さは、表示面22及び機能エリア60の一辺のほぼ1/3に相当する寸法を有する。表示面22及び機能エリア60の上下左右の各辺においては、間隔を空けた2本の長尺の直線部57が各辺のほぼ2/3を占めている。したがって、操作パネル20が小さくても、また作業者が操作パネル20から離れた位置にいても、照光部56は目立つ存在である。
【0034】
照光部56の点灯、消灯動作は、制御部12によって制御される。例えば、塗装を行う際に、電源スイッチ25を操作してON状態とし、表示切替部26を消灯すると、操作パネル20は塗装条件入力モードとなり、第1~第4表示部41~44に第1画面が表示される。塗装条件入力モードでは、塗装条件入力部である第1~第4入力部27~30によって塗装条件を設定することができる。
【0035】
塗料流路の清掃や粉体塗料の色替え等、塗装以外の作業工程が行われている場合、操作パネル20は、その作業工程の終了を待つ待機モードとなる。待機モードでは、周方向に間隔を空けて配置されている4つの照光部56が、例えば、時計回り方向の順次に点灯と消灯を繰り返したり、4つの照光部56が一斉に点滅したりする。清掃や色替え等の行程が収容すると、全ての照光部56が消灯する。照光部56は、各操作部25~38や各表示部39~55よりも長尺の直線部57を有しているので、作業者がコントローラ10から離れた位置にいても、照光部56の点灯、消灯によって清掃や色替え等の作業行程の進行状況を目視確認することができる。
【0036】
塗装中、清掃中、色替え中等に異常が発生した場合は、異常発生報知部55が点灯する。同時に、4つの照光部56のうち異常発生報知部55の直近である右下に位置する照光部56のみが、点灯又は点滅し、他の3つの照光部56は消灯する。照光部56は、各操作部25~38や各表示部39~55よりも長尺の直線部57を有していて目立ち易いので、作業者がコントローラ10から離れた位置にいても、異常が発生したことを目視確認することができる。
【0037】
本実施例1の塗装用の操作パネル20は、フレーム21に囲まれた表示面22と、複数の操作部25~38と、複数の表示部39~55と、複数の照光部56とを有する。操作部25~38は、塗装に関する入力操作を行うためのものであリ、表示面22内に配置されている。表示部39~55は、塗装に関する情報を表示するものであり、表示面22内に配置されている。複数の照光部56は、操作部25~38及び表示部39~55を含む機能エリア60の外縁60Eに沿うように配置されている。照光部56は、塗装に関する報知情報に応じて点灯、消灯又は点滅の動作を行う。照光部56は、表示部39~55が配置されている機能エリア60の外縁60Eに沿うように配置されているので、表示部39~55と混同され難く、存在感が高い。したがって、本実施例1の操作パネル20は、報知情報を認識し易い。
【0038】
照光部56は、線光源で構成されており、表示面22内に配置されている。表示面22の表示範囲内において機能エリア60の面積を大きく確保しても、機能エリア60の外縁60Eと表示面22の外周縁との間には、枠状のデッドスペース(枠状エリア61)が残る。照光部56は線光源で構成されているので、このデッドスペースを利用して照光部56を配置することができた。線光源で構成された照光部56は、長尺にすることによって目立たせることができる。表示面22と機能エリア60は方形である。複数の照光部56は、表示面22及び機能エリア60の角部に沿ってL字形に屈曲した形状をなしている。L字形に屈曲した照光部56は、I字形のものに比べると視認性に優れている。
【0039】
複数の照光部56が、機能エリア60の外縁60Eに沿った複数位置において、周方向に間隔を空けて配置されている。操作部25~38は、塗装条件を入力するための塗装条件入力部(第1~第4入力部27~30)を含んでいる。塗装条件を入力する塗装条件入力モードでは、複数の照光部56の全てが点灯する。全ての照光部56が点灯することによって、塗装条件入力モードであることを容易に認識することができる。
【0040】
表示部39~55は、異常発生時に表示を行う異常発生報知部55を含んでいる。異常が発生した時には、複数の照光部56のうち異常発生報知部55の直近に位置する1つの照光部56のみが点灯又は点滅する。この構成によれば、照光部56の表示動作によって、異常の発生を一目で認識することができる。塗装以外の清掃や色替え等の作業工程の終了を待つ待機モードでは、複数の照光部56が、点灯と消灯を順次に繰り返す。この構成によれば、待機モードであることを一目で認識することができる。
【0041】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施例1では、照光部の形状をL字形としたが、照光部の形状は、I字形、U字形、V字形、C字形、O字形、+字形等であってもよい。
上記実施例1では、照光部を連続した1本の線光源で構成したが、照光部は、複数の点光源を線状に並べたものであってもよい。
上記実施例1では、4つの照光部を設けたが、照光部の数は、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
上記実施例1では、照光部を表示面の範囲内に配置したが、照光部はフレームに配置してもよい。
上記実施例1では、操作部がハードウェアキーで構成され、表示部が液晶画面で構成されているが、表示面の全体をタッチパネルとし、操作部をソフトウェアキーで構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
20…操作パネル
21…フレーム
22…表示面
25…電源スイッチ(操作部)
26…表示切替部(操作部・塗装条件入力部)
27…第1入力部(操作部・塗装条件入力部)
28…第2入力部(操作部・塗装条件入力部)
29…第3入力部(操作部)
30…第4入力部(操作部)
31…平板形状用塗装モード選択部(操作部)
32…凹凸形状用塗装モード選択部(操作部)
33…再塗装用塗装モード選択部(操作部)
34…塗装レシピ選択部(操作部)
35…レシピ番号選択部(操作部)
36…エア流動付与選択部(操作部)
37…塗料流路清掃選択部(操作部)
38…吐出量計測選択部(操作部)
39…電源用表示部(表示部)
40…表示切替用発光部(表示部)
41…第1表示部(表示部)
42…第2表示部(表示部)
43…第3表示部(表示部)
44…第4表示部(表示部)
45…平板形状用塗装モード表示部(表示部)
46…凹凸形状用塗装モード表示部(表示部)
47…再塗装用塗装モード表示部(表示部)
48…塗装レシピ選択表示部(表示部)
49…レシピ番号表示部(表示部)
50…エア流動付与表示部(表示部)
51…塗料流路清掃表示部(表示部)
52…吐出量計測表示部(表示部)
53…トリガ信号表示部(表示部)
54…高電圧印加表示部(表示部)
55…異常発生報知部(表示部)
56…照光部
60…機能エリア
60E…機能エリアの外縁
図1
図2
図3