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特許7577292医薬錠剤を含む錠剤の製作のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】医薬錠剤を含む錠剤の製作のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/10 20060101AFI20241028BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/138 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/5513 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/65 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/7052 20060101ALI20241028BHJP
   B30B 11/08 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
A61J3/10 A
A61K9/20
A61K31/135
A61K31/138
A61K31/192
A61K31/496
A61K31/5513
A61K31/65
A61K31/7052
B30B11/08 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019544025
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2018018359
(87)【国際公開番号】W WO2018152320
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-04
(31)【優先権主張番号】62/460,626
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/619,638
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/621,429
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】メイヤーソン, アラン エス.
(72)【発明者】
【氏名】アザード, モハンマド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハマースミス, グレゴリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブランカジオ, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】オソリオ カイセド, フアン ギレルモ
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】栗山 卓也
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-271996(JP,A)
【文献】特開昭63-5900(JP,A)
【文献】特開2013-245008(JP,A)
【文献】特開2002-362501(JP,A)
【文献】特開昭62-235115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取可能な医薬組成物を作製する方法であって、前記方法は、
第1の量の固体有効医薬成分を第1の分注器から分注することと、
第1の量の添加剤を第2の分注器から分注することと、
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤をブレンダ内でブレンドして、10L未満の体積を有する第1の混合物を形成することと、
2次分注器内で前記第1の混合物を受け取ることと、
前記2次分注器を垂直に上下に動かして、個別の量の前記第1の混合物を分注することであって、ここで、前記2次分注器が、前記第1の混合物を収納する領域および開口部を含み、それを通って前記第1の混合物が分注され、そしてここで、前記2次分注器を垂直に上下に動かす間に、前記第1の混合物を収納するための領域が、前記開口部に接続されたままであり、それを通って前記第1の混合物が分注される、分注することと、
前記第1の混合物から第1の錠剤を形成することと、
第2の量の前記固体有効医薬成分を前記第1の分注器から分注することと、
第2の量の前記添加剤を前記第2の分注器から分注することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤を前記ブレンダ内でブレンドして、第2の混合物を形成することと、
前記2次分注器内で前記第2の混合物を受け取ることと、
前記第2の混合物から第2の錠剤を形成することと
を含み、前記第1の錠剤の前記有効医薬成分の投与量が、前記第2の錠剤の前記有効医薬成分の投与量とは異なる、方法。
【請求項2】
摂取可能な医薬組成物を作製する方法であって、前記方法が、
第1の量の固体有効医薬成分を第1の分注器から分注することと、
第1の量の添加剤を第2の分注器から分注することと、
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤をブレンダ内でブレンドして、第1の混合物を形成することと、
2次分注器内で前記第1の混合物を受け取ることと、
前記2次分注器を垂直に上下に動かして、個別の量の前記第1の混合物を分注することであって、ここで、前記2次分注器が、前記第1の混合物を収納する領域および開口部を含み、それを通って前記第1の混合物が分注され、そしてここで、前記2次分注器を垂直に上下に動かす間に、前記第1の混合物を収納するための領域が、前記開口部に接続されたままであり、それを通って前記第1の混合物が分注される、分注することと、
前記第1の混合物から第1の錠剤を形成することと、
前記第1の分注器から第2の量の前記固体有効医薬成分を分注することと、
前記第2の分注器から第2の量の前記添加剤を分注することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤を前記ブレンダ内でブレンドして、第2の混合物を形成することと、
前記2次分注器内で前記第2の混合物を受け取ることと、
前記第2の混合物から第2の錠剤を形成することと
を含み、
前記第1の分注器、前記第2の分注器、および前記ブレンダが、フレームに結合されている、方法。
【請求項3】
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を秤量することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤を秤量することと
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の方法であって、ここで、第2の固体有効医薬成分が前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤とブレンドされて前記第1の混合物を形成し、そしてここで、前記第2の固体有効医薬成分は前記固体有効医薬成分とは組成が異なる、方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法であって、ここで、第2の固体有効医薬成分が前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤とブレンドされて前記第2の混合物を形成し、そしてここで、前記第2の固体有効医薬成分は前記固体有効医薬成分とは組成が異なる、方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法であって、前記第2の錠剤を形成した後に、前記方法が、さらに、
第2の固体有効医薬成分を第3の分注器から分注することと、
第2の添加剤を第4の分注器から分注することと、
前記第2の固体有効医薬成分および前記第2の添加剤をブレンドして、第3の混合物を形成することと、
前記2次分注器内で前記第3の混合物を受け取ることと、
前記第3の混合物から第3の錠剤を形成することと
を含み、
ここで、前記第2の固体有効医薬成分は前記固体有効医薬成分とは組成が異なる、
方法。
【請求項7】
前記固体有効医薬成分の前記第2の量が、前記固体有効医薬成分の前記第1の量とは異なる、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記固体有効医薬成分の前記第2の量が、前記固体有効医薬成分の前記第1の量と同じである、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
摂取可能な医薬組成物を作製する方法であって、
第1の固体有効医薬成分を第1の分注器から分注することと、
第1の添加剤を第2の分注器から分注することと、
前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤をブレンダ内でブレンドして、10L未満の体積を有する第1の混合物を形成することと、
2次分注器内で前記第1の混合物を受け取ることと、
前記2次分注器を垂直に上下に動かして、個別の量の前記第1の混合物を分注することであって、ここで、前記2次分注器が、前記第1の混合物を収納する領域および開口部を含み、それを通って前記第1の混合物が分注され、そしてここで、前記2次分注器を垂直に上下に動かす間に、前記第1の混合物を収納するための領域が、前記開口部に接続されたままであり、それを通って前記第1の混合物が分注される、分注することと、
前記第1の混合物から錠剤を形成することと、
第2の固体有効医薬成分を前記第1の分注器からまたは第3の分注器から分注することであって、前記第2の固体有効医薬成分は前記第1の固体有効医薬成分とは組成が異なる、分注することと、
第2の添加剤を前記第2の分注器からまたは第4の分注器から分注することと、
前記第2の固体有効医薬成分および前記第2の添加剤を前記ブレンダ内でブレンドして、第2の混合物を形成することと、
前記2次分注器内で前記第2の混合物を受け取ることと、
前記第2の混合物から錠剤を形成することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記ブレンドすることが、フレームに結合されているブレンダによって実行される、請求項3~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の混合物を前記ブレンダから前記2次分注器へ動かすことをさらに含む、請求項1、2、9または10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の量の前記固体有効医薬成分、前記第1の量の前記添加剤、前記第2の量の前記固体有効医薬成分、および前記第2の量の前記添加剤が、複数の分注器から分注され、前記複数の分注器がフレームに結合されている、請求項1~8および請求項11が請求項1または2に従属する限りにおいての請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記第1の固体有効医薬成分、前記第1の添加剤、前記第2の固体有効医薬成分、および前記第2の添加剤が、複数の分注器から分注され、前記複数の分注器がフレームに結合されている、請求項9または請求項11が請求項9に従属する限りにおいての請求項11に記載の方法。
【請求項14】
固体有効医薬成分が、イブプロフェン、ドキシサイクリン一水和物、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジアゼパム、シプロフロキサシンHCl、アジスロマイシン、およびフルオキセチン塩酸塩からなる群から選択される、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「SYSTEMS AND METHODS FOR THE FABRICATION OF TABLETS, INCLUDING PHARMACEUTICAL TABLETS」との表題で2017年2月17日に出願された米国仮出願第62/460,626号および「SYSTEMS AND METHODS FOR THE FABRICATION OF TABLETS, INCLUDING PHARMACEUTICAL TABLETS」との表題で2018年1月19日に出願された米国仮出願第62/619,638号および「SYSTEMS AND METHODS FOR THE FABRICATION OF TABLETS, INCLUDING PHARMACEUTICAL TABLETS」との表題で2018年1月24日に出願された米国仮出願第62/621,429号の利益を、米国特許法第119条(e)の下、主張する。これら米国仮出願の各々の全内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
医薬錠剤を含む錠剤を製作するシステムおよび方法が、全般的に記載される。
【背景技術】
【0003】
背景
近年、製薬およびバイオテクノロジーの業界では、成長の鈍化および新しい医薬製品の開発に伴うコストの増大の期間を経験している。特定の医薬品製造に関わる個々のプロセスは、連続様プロセスに遷移しているが、製薬設備は概して、複雑な化学製品を作製するためにバッチまたはセミバッチ技法に依拠したままである。現在のプロセスは、典型的には、単一の特有のタイプの医薬錠剤を製造するのに適応しており、概して大型で高価な固定のセットアップを必要とする。連続プロセスは、コストの低減を含む多数の利益を与えることが提案されているが、医薬錠剤の複雑な連続製造が可能な完全なインフラストラクチャおよびシステムは存在しない。単一の自己完結型のシステム内で医薬錠剤(および場合により、組成が異なるタイプの医薬錠剤)を製作する能力は、達成できないままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
医薬錠剤を含む錠剤を製作するシステムおよび方法が提供される。本明細書に記載するシステムおよび方法のいくつかは、第1の投与量を有する錠剤から第2の異なる投与量を有する錠剤へ切り換えるときにユニット動作を流体的に接続または切断する必要なく、異なる投与量の錠剤を製造することが可能である。本明細書に記載するシステムおよび方法のいくつかは、組成的に錠剤、たとえば異なる有効医薬成分(API)を有する錠剤を製造することが可能である。本発明の主題は、場合により、相関する製品、特定の問題に対する代替の解決策、ならびに/または1つもしくは複数のシステムおよび/もしくは物品の複数の異なる用途を含む。
【0005】
一態様によれば、摂取可能な医薬組成物を作製する方法が提供される。この方法は、いくつかの実施形態では、コントローラによって、第1の錠剤投与量および第2の錠剤投与量に関する命令を受け取ることを含むことができる。この方法はまた、第1の量の固体有効医薬成分を分注することと、第1の量の添加剤を分注することを含むことができる。この方法はまた、第1の量の固体有効医薬成分および第1の量の添加剤をブレンドして、10L未満の体積を有する第1の混合物を形成することを含むことができる。この方法はまた、第1の混合物から第1の錠剤を形成することと、第2の量の固体有効医薬成分を分注することと、第2の量の添加剤を分注することを含むことができる。この方法はまた、第2の量の固体有効医薬成分および第2の量の添加剤をブレンドして、第2の混合物を形成することと、第2の混合物から第2の錠剤を形成することを含むことができ、第1の錠剤の有効医薬成分の投与量は、第2の錠剤の有効医薬成分の投与量とは異なる。
【0006】
別の態様によれば、摂取可能な医薬組成物を作製する方法が提供される。この方法は、いくつかの実施形態では、コントローラによって、第1の錠剤投与量および第2の錠剤投与量に関する命令を受け取ることを含むことができる。この方法はまた、第1の分注器、第2の分注器、ブレンダ、およびフレームを提供することを含むことができ、第1の分注器、第2の分注器、およびブレンダは、フレームに結合されている。この方法はまた、第1の量の固体有効医薬成分を分注することと、第1の量の添加剤を分注することと、第1の量の固体有効医薬成分および第1の量の添加剤をブレンドして、第1の混合物を形成することと、第1の混合物から第1の錠剤を形成することを含むことができる。この方法はまた、第2の量の固体有効医薬成分を分注することと、第2の量の添加剤を分注することと、第2の量の固体有効医薬成分および第2の量の添加剤をブレンドして、第2の混合物を形成することと、第2の混合物から第2の錠剤を形成することを含むことができる。
【0007】
さらに別の態様によれば、摂取可能な医薬組成物を作製する方法が提供される。この方法は、いくつかの実施形態では、コントローラによって、第1の薬物タイプおよび第2の薬物タイプに関する命令を受け取ることを含むことができる。この方法はまた、第1の固体有効医薬成分を分注することと、第1の添加剤を分注することと、第1の固体有効医薬成分および第1の添加剤をブレンドして、10L未満の体積を有する第1の混合物を形成することと、第1の混合物から錠剤を形成することを含むことができる。この方法はまた、第1の固体有効医薬成分とは組成の異なる第2の固体有効医薬成分を分注することと、第2の添加剤を分注することと、第2の固体有効医薬成分および第2の添加剤をブレンドして、第2の混合物を形成することと、第2の混合物から錠剤を形成することを含むことができる。
【0008】
さらに別の態様によれば、摂取可能な医薬組成物を作製するシステムが提供される。システムは、いくつかの実施形態では、複数の分注器と、複数の分注器から分注された材料を秤量するように構成された第1の重量計と、複数の分注器から分注された材料を受け取って混合し、第1の混合物を形成するように構成されたブレンダを備えることができ、ブレンダは、10L未満の体積を有する。
【0009】
さらに別の態様によれば、摂取可能な医薬組成物を作製するシステムが提供される。システムは、いくつかの実施形態では、フレームと、複数の分注器と、複数の分注器から分注された材料を秤量するように構成された重量計と、複数の分注器から分注された材料を受け取って混合し、第1の混合物を形成するように構成されたブレンダを備えることができ、複数の分注器、重量計、およびブレンダは、フレームに結合されている。
【0010】
本発明の他の利点および新規特徴は、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から、添付の図とともに考慮すると明らかになる。本明細書および参照により組み込まれている文献が、対立および/または矛盾する開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。参照により組み込まれている2つまたはそれよりも多くの文献が、互いに対して対立および/または矛盾する開示を含む場合、より新しい発効日を有する文献が優先するものとする。
【0011】
本発明の非限定的な実施形態について、添付の図を参照して例として説明する。添付の図は概略図であり、原寸に比例して描かれることを意図したものではない。これらの図では、示されている同一またはほぼ同一の各構成要素は、典型的には、単一の番号によって表される。分かりやすくする目的で、当業者が本発明を理解することを可能にするために図示が必要でない場合、すべての構成要素がすべての図に示されているわけではなく、また本発明の各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、1組の実施形態による医薬錠剤を作製するシステムの概略図である。
【0013】
図2図2は、1組の実施形態による医薬錠剤を作製する方法のブロック図である。
【0014】
図3図3は、1組の実施形態による医薬錠剤を作製するシステムの斜視図である。
【0015】
図4図4は、図3に示すシステムの正面図である。
【0016】
図5図5は、医薬錠剤を作製するシステムの写真である。
【0017】
図6図6は、1組の実施形態による携帯型の配置で医薬錠剤を作製するシステムの斜視図である。
【0018】
図7図7は、1組の実施形態による、並べられた分注器の斜視図である。
【0019】
図8A図8Aは、分注器の性能を示すグラフである。
図8B図8Bは、分注器の性能を示すグラフである。
図8C図8Cは、分注器の性能を示すグラフである。
図8D図8Dは、分注器の性能を示すグラフである。
【0020】
図9図9は、1組の実施形態による材料運搬ユニットの斜視図である。
【0021】
図10図10は、材料運搬ユニットの写真である。
【0022】
図11図11は、運搬ユニットの性能を示す表である。
【0023】
図12図12は、1組の実施形態によるブレンダの斜視図である。
【0024】
図13図13は、ブレンダの写真である。
【0025】
図14A図14Aは、ブレンダインペラの写真である。
図14B図14Bは、ブレンダインペラの写真である。
図14C図14Cは、ブレンダインペラの斜視図である。
【0026】
図15図15は、ブレンダ混合性能を示す表である。
【0027】
図16図16は、1組の実施形態による下流プロセス配置の斜視図である。
【0028】
図17図17は、下流プロセス配置の写真である。
【0029】
図18図18は、1組の実施形態による混合ブレンド分注器の斜視図である。
【0030】
図19図19は、混合ブレンド分注器の写真である。
【0031】
図20A図20Aは、分注器性能を示すグラフである。
図20B図20Bは、分注器性能を示すグラフである。
【0032】
図21図21は、1組の実施形態による打錠ユニットおよび重量計の斜視図である。
【0033】
図22図22は、打錠ユニットによって作製される錠剤の写真である。
【0034】
図23図23は、医薬錠剤を作製する方法を実施するために使用することができる例示的な演算デバイスのブロック図である。
【0035】
図24図24は、医薬錠剤を作製する方法のブロック図である。
【0036】
図25図25は、排出シュートおよび振動機構を有する分注器の写真である。
【0037】
図26図26は、分注器排出シュートの写真である。
【0038】
図27図27は、振動機構の写真である。
【0039】
図28図28は、材料の分注を助ける複数のガラスビーズの写真である。
【0040】
図29A図29Aは、打錠プロセスで使用されるイブプロフェン粒子の光学顕微鏡画像である。
図29B図29Bは、打錠プロセスで使用されるジアゼパム粒子の光学顕微鏡画像である。
【0041】
図30図30は、医薬錠剤を作製するシステムを使用して製造されるイブプロフェン錠剤およびジアゼパム錠剤の写真である。
【0042】
図31A図31Aは、製造されたイブプロフェン錠剤に対する溶解結果を示す図である。
図31B図31Bは、製造されたジアゼパム錠剤に対する溶解結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
詳細な説明
医薬錠剤を含む錠剤を製作することに関係するシステムおよび方法が、概して記載される。
【0044】
携帯型、自己完結型、および/または容易に再構成可能なシステムで医薬錠剤を製作する能力は、概して達成できないままである。医薬業界では、医薬錠剤は典型的には、キロからトン規模の大量の配合されたブレンドバッチから作られる。そのようなプロセスは、機器、空間、および材料に多額の投資を必要とする。また、各バッチに関係する相当な費用によって、品質上の問題によるバッチの損失には相当な金銭的損失が伴う。作製量が大きい場合、数年または数か月のより長い貯蔵寿命が必要とされることがある。その結果、包括的かつ厳格な最終製品試験を実施して、貯蔵寿命/安定性(有効医薬成分の分解性、温度および湿気に対する感度など)を測定しなければならない。大量に作製された錠剤の貯蔵寿命を長くするために、被覆が必要とされることがある。好適な被覆配合を開発することは、粘着性、亀裂、湿気防止度、溶解率に対する作用、ならびに有効医薬成分(API)および添加剤に対する適合性などの潜在的な問題が被覆により導入されるので、重大な難題となる可能性がある。そのような考慮すべき点により、許容できるAPIおよび/または添加剤の選択肢が制限されることがある。貯蔵寿命を考えると、追加の試験が必要とされることがある。長い貯蔵寿命を持続させるのに適当な包装が設計および試験されることがある。これにより、追加の適合性の問題(たとえば、包装と被覆材料との間)が導入される可能性がある。また作製量が大きいことは、あらゆる製品変更に関連する高い費用および休止時間という欠点を伴う可能性がある。したがって、例えば、典型的な製薬設備では、顧客の要求に柔軟に応え、または「オーファン」ドラッグに対する市場の要求に対応するのが困難になることがある。
【0045】
本明細書には、完成した剤形の医薬錠剤を作るシステムおよび方法が記載される。ユニットは、従来のバッチプロセスを超える様々な利益を提供することができる。本発明者らは、場合によりユニットが様々な利益を提供することができ、たとえば(1)地域的な薬物不足に対処することを助けること、(2)貯蔵寿命の短い薬物に対する解決策を提供すること、(3)多数の薬物製品を作製するように再構成可能にすること、(4)薬物製品が必要とされる場所に位置すること、(5)要求に基づいて直ちに薬物の作製を開始して、薬物を備蓄する必要を迂回すること、および/または(6)数年に及ぶ安定性を必要とする製品に対する配合の複雑さを低減させることができることを理解した。
【0046】
一態様によれば、システムは小型の携帯型ユニットである。いくつかの実施形態では、システムは、従来のバッチプロセスのものよりはるかに小さい体積の材料を保持および処理する。いくつかの実施形態では、大きい構成要素がお互いに独立して設備の床の上に広げられているのとは対照的に、システムの多数の構成要素は、共通のフレームにともに結合される。
【0047】
一態様によれば、この方法は、システムを使用して第1の錠剤および第2の錠剤を製作することを伴い、2つの錠剤はお互いに異なる。いくつかの実施形態では、2つの錠剤は、同じAPIを含むが、異なる投与量であってもよい。場合により、システムは、システム構成要素に対するいかなる物理的な変更もなく、2つの異なる投与量の作製間で自動的に切り換わることができる。いくつかの実施形態では、第1の錠剤は、第2の錠剤のAPIとは組成の異なるAPIを含むことができる。場合により、1つのAPIを含む錠剤の作製から組成の異なるAPIを含む錠剤の作製にシステムが切り換わったとき、システム内のタッチポイント、すなわちAPIと接触するシステムの構成要素を清浄な構成要素に交換することができる。
【0048】
一態様によれば、錠剤は、要求に応じて作ることができ、たとえば使用者は、錠剤の所望の投与量および/または所望のAPIを指定する命令をシステムに入力することができる。いくつかの実施形態では、使用者は、所望の錠剤の数を指定することができる。それに応答して、システムは、使用者の命令に従って、適当なタイプおよび量のAPIおよび添加剤を分注し、錠剤用のブレンドミックスを形成する。いくつかの実施形態では、システムは、使用者の命令を受け取り、命令に従ってステップを実施するようにシステム構成要素を制御するコントローラを含む。
【0049】
1組の実施形態では、1つまたは複数の医薬錠剤を作製することに関係するシステムおよび方法が記載される。図1は、1つまたは複数の医薬錠剤を作製するために使用することができる1組の実施形態によるシステム1の概略図を示す。いくつかの実施形態では、システムは、1つまたは複数のモジュールを備える。各モジュールは、少なくとも1つのユニット動作を含むことができる。このユニット動作を使用して、錠剤製作プロセスのステップを実行することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、システムは、互いに相互作用する複数のモジュールを備える。たとえば、特定の実施形態では、システムは、互いに相互作用する多数のモジュールを備える。いくつかのそのような実施形態では、システム内のモジュールはそれぞれ、多ステップ錠剤作製プロセスの1つまたは複数のステップを実行するために使用することができる。
【0051】
たとえば図1を参照すると、システム1は、モジュール110、124、130、210、および230を備える。いくつかの実施形態では、モジュール110は複数の分注器を備え、モジュール124は重量計を備え、モジュール130はブレンダを備え、モジュール210は分注器を備え、モジュール230は打錠ユニットを備える。分注器110は、錠剤材料を分注するために使用することができ、重量計124は、分注された材料を秤量するために使用することができ、ブレンダ130は、分注された材料を混合するために使用することができ、ブレンドミックス分注器210は、ブレンドミックスを分注するために使用することができ、打錠ユニット230は、ブレンドミックスから錠剤2を形成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、分注器110から分注された材料は、ブレンダ130へ搬送される。一態様によれば、秤量機能および搬送機能は、1つの材料運搬ユニット内へ組み込むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ300がシステムの動作を制御する。コントローラ300は、システムの1つもしくは複数のモジュールからフィードバックを受け取ることができ、かつ/またはシステムの1つもしくは複数のモジュールへ制御命令を提供することができる。図1におけるコントローラ300と各モジュールとの間の破線は、コントローラ300がシステムのモジュールの1つまたは複数と通信することができることを示す。いくつかの実施形態では、システムのモジュール(たとえば、分注器、ブレンダ、キャリッジなど)はまた、コントローラによって、かつ/またはコントローラから独立して、互いに通信することができる。
【0052】
図2は、1組の実施形態による医薬錠剤を作製するプロセスの概略図を示す。そのような実施形態では、APIおよび添加剤が分注され、次いで秤量される。いくつかの実施形態では、APIおよび/または添加剤は、粉末形などの固体であってもよい。APIおよび添加剤は、異なる時間に分注および秤量することができ、したがってシステムは、各タイプの分注された材料の質量を判定することが可能である。たとえば、システムはまずAPIを分注し、次いで分注されたAPIを秤量することができる。システムは次に、添加剤を分注し、次いで分注された添加剤を秤量することができる。いくつかの実施形態では、APIをキャリッジ内へ分注することができ、分注されたAPIを保持している同じキャリッジ内へ、添加剤を分注することができる。システムは、添加剤が追加された後に検出された重量の増加に基づいて、添加剤の質量を決定することができる。他の実施形態では、材料はそれぞれ別個に秤量することができる。たとえば、APIおよび添加剤は、異なるキャリッジごとに秤量することができる。または、各タイプの材料の受取りの間に、同じキャリッジを空にすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、APIがまず秤量され、次いでAPIがキャリッジから取り出される。キャリッジが空にされた後、いくつかの実施形態では、添加剤がキャリッジ内に受け取られて秤量される。上記の議論では、分注する順序を変更することができ、たとえば添加剤がAPIの前に分注されるように逆にすることができることを理解されたい。または、複数の添加剤および/またはAPIが錠剤内で使用される場合、任意の分注順序を使用することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、秤量後、APIおよび添加剤はブレンダへ搬送される。そのような実施形態では、秤量は、APIおよび添加剤をブレンダへ搬送する前に行われる。しかし、他の実施形態では、ブレンダ自体の中で秤量を行うことができる。いずれの場合も、APIおよび添加剤がブレンダ内に存在する状態で、ブレンダは、APIおよび添加剤を一つに混合して、混合ブレンドにする。いくつかの実施形態では、混合ブレンドは次いで、より小さい個別の量に分注され、打錠機械によって受け取られ、打錠機械は、完成した錠剤を形成および出力する。いくつかの実施形態では、打錠機械は、直接圧縮方法を使用して混合ブレンドを圧縮成形し、錠剤を形成することができる。いくつかの実施形態では、最終錠剤を秤量して、所望の質量であることを確認することができる。
【0054】
医薬錠剤を作製するシステムの1つの例示的な実施形態が図3および図4に示されており、1つのシステムの写真が図5に示されている。本章で述べる構成要素はそれぞれ、後の章でより詳細に説明する。錠剤作製システム1は、複数の分注器110を含む。図3および図4の実施形態では、システムは、5つの分注器111、112、113、114、および115を含む。この実施形態では、秤量モジュールが、重量計124と、秤量すべき材料を受け取るキャリッジ120と、重量計124をキャリッジ120に連結するアーム122とを含む。いくつかの実施形態では、秤量モジュールはまた、分注された材料をブレンダへ搬送する働きをする。たとえば、図3~5に示す実施形態では、重量計はアクチュエータ126に結合され、したがってキャリッジ120を分注器110の各々の下の様々な位置およびブレンダ130へ動かすことができる。いくつかの実施形態では、キャリッジ120からブレンダへの材料の送達を容易にするために、キャリッジは、傾斜するように構成され、したがってキャリッジ内の材料は、ブレンダ内へ滑り落ちる。いくつかの実施形態では、システムは、キャリッジを傾斜させる傾斜機構121を含むことができる。いくつかの実施形態では、ブレンダ130は、分注されたAPIおよび添加剤を一つに混合してブレンドミックスにする回転インペラを含む。
【0055】
ブレンドミックスは次いで、ブレンダ130から分注器210へ移送される。いくつかの実施形態では、ブレンダ130の底部は開いており、下に位置する分注器210へ流れ込む。いくつかの実施形態では、ブレンドミックス分注器210は、個別の量のブレンドミックスを打錠ユニット230内へ分注し、打錠ユニット230は、ブレンドミックスを圧縮して錠剤にし、錠剤を錠剤出力トレー238へ放出する。
【0056】
一態様によれば、システムは、上部プロセス流100および下部プロセス流200という2つのプロセス流に分割することができる。図3~5に示す実施形態では、上部プロセス流100は、分注器110から始まり、APIおよび添加剤を混合してブレンドミックスにするブレンダ130で終わる。下部プロセス流200は、ブレンドミックスを受け取るブレンドミックス分注器210から始まり、錠剤を形成および出力する打錠ユニット230で終わる。ブレンドミックスをブレンダ130からブレンドミックス分注器210へ移送するステップは、上部および下部プロセス流を連結する。図3~5に示す実施形態では、この移送ステップは、ブレンダ130内のブレンドミックスが下にある分注器210内へ落ちることを可能にするために、ブレンダ130の開口部を介して行われる。いくつかの実施形態では、上部および下部プロセス流は、同時に、場合により互いから独立して動作することができる。たとえば、上部プロセス流においてAPIおよび添加剤が分注され、秤量され、ブレンダ内で混合されている間に、下部プロセス流において錠剤を形成することができる。2つのプロセス流は、同じコントローラまたは別個のコントローラによって制御することができる。
【0057】
図3~5に示す実施形態では、上部および下部プロセス流は、同じ物理的な場所で行われる。加えて、ブレンダが下にある分注器210内へブレンドミックスを直接放出している状態で、2つのプロセス流はまた、互いに直接相互作用する。
【0058】
しかし、上部および下部プロセス流は、互いから物理的に分離することができることを理解されたい。たとえば、2つのプロセス流は、世界の異なる地域にある別個の設備内で行うことができる。上部プロセス流は、下部プロセス流の場所へ輸送される混合ブレンドをもたらしてもよく、その混合ブレンドは、下部プロセス流の分注器へ供給される。2つのプロセス流はまた、同じ設備内であるが、分離された位置で行うことができ、したがって上部プロセス流のブレンダは、下部プロセス流の分注器のすぐ上に位置しない。
【0059】
いくつかの実施形態では、上部および下部プロセス流は、一つにつなぎ合わせる必要はない。たとえば、いくつかの実施形態では、上部プロセス流は、無関係の打錠流を供給することができる。別の例として、いくつかの実施形態では、下部プロセス流は、無関係のブレンド流によって供給することができる。
【0060】
一態様によれば、上部および下流プロセスはそれぞれ、一体型のシステムである。大容量の性質に起因して構成要素が設備の床の上に広げられている従来の大規模バッチプロセスとは対照的に、上部および下流プロセスのそれぞれについては、いくつかの実施形態では、構成要素は、共通のフレームに結合することができるようにサイズ設定および位置決めされ、それによりシステムは小型になり、場合により携帯型になる。たとえば、図3に示す実施形態では、上部プロセス流100の構成要素、たとえば分注器110、重量計124、キャリッジ120、およびブレンダ130は、上部フレーム10に結合される。図3にも見られるように、下部プロセス流200の構成要素、たとえば分注器210および打錠ユニット230は、下部フレーム20に結合される。
【0061】
一態様によれば、錠剤作製システムは小型の携帯型ユニットである。いくつかの実施形態では、錠剤作製システムは、10,000リットル未満、5000リットル未満、2000リットル未満、または1000リットル未満の体積を占有する。本明細書で使用される場合、システムの「体積」は、システムのすべての構成要素を取り囲む最も小さい方形プリズムに対応する。いくつかの実施形態では、錠剤作製システムは、10平方メートル未満、5平方メートル未満、2平方メートル未満、または1平方メートル未満の設置面積を有する。一実施形態では、錠剤作製システムは、約72.4cm×53.3cm×134.6cm(長さ×幅×高さ)である。
【0062】
一態様によれば、錠剤作製システムは、1つの完全な一体型システムであってもよく、上部および下部プロセス流の両方が、1つの小型の携帯型ユニット内に収容される。いくつかの実施形態では、錠剤作製システムは、転がりアセンブリの頂上に位置することができ、したがってシステムを容易に動かして輸送することができる。図6に示す1つの例示的な実施形態では、錠剤作製システム1は、車輪42を有する転がりアセンブリと一体化されている。転がりアセンブリは、車輪上にロックを含むことができ、ロックは、不注意によるシステムの動きを防止するために係合することができ、システムの動きを許可するために係合解除することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、作製システムへのアクセスを提供するために動かすことができる取外し可能なアクセスカバーを含むことができる。図6に示す例示的な実施形態では、アセンブリはカバー30を含む。カバー30は、アーム32を介してシステムの側面に据え付けることができ、アーム32は、カバー30が閉位置と開位置との間で動くことを可能にするように、上下に回転することができる。開位置で、使用者はシステム1の構成要素にアクセスすることが可能であり、たとえば構成要素の保守、洗浄、変更などのために、システムの任意の適当な操作を進めることができる。いくつかの実施形態では、カバー30は、カバー30が閉位置にあるときに使用者が錠剤作製システムを見ることを可能にするために、透明であってもよい。いくつかの実施形態では、収納/機器キャビネット40を作製システム1に設けることができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、システムは、1日百から数千の規模で、要求に応じて医薬錠剤を製造するように構成することができる。そのようなユニットによって製造することができる異なるタイプの薬物の例には、以下に限定されるものではないが、イブプロフェン、ドキシサイクリン一水和物、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジアゼパム、シプロフロキサシンHCl、アジスロマイシン、およびフルオキセチン塩酸塩が含まれる。いくつかの実施形態では、薬物が異なる薬物クラスからであり、異なる化学構造、バルク物理特性、流れ挙動を有し、かつ/または錠剤を作るために異なる配合方策を必要とする場合でも、同じシステムが、2つまたはそれよりも多い異なる薬物を作製するように構成することができる。一態様によれば、錠剤作製システムは、広範囲の材料および錠剤配合に対応するように設計される。
【0065】
錠剤作製システムの構成要素のそれぞれについて、次に以下でより詳細に論じる。
【0066】
錠剤作製システムで使用することができる分注器の1つの例示的な実施形態が、図7に示されている。複数の分注器を使用することができ、各分注器が異なる材料を収容する。いくつかの実施形態では、これらの分注器は、API、添加剤、または他の好適な錠剤成分を収容する。図7の実施形態では5つの分注器が使用されるが、任意の好適な数の分注器を使用することができることを理解されたい。たとえば、2、3、4、5、6またはそれよりも多い分注器を使用することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、分注器は定量供給器であり、その供給率は、事前の較正に基づいて供給器速度から推測される。他の実施形態では、分注器は重量式供給器であり、その供給率は、直接重量測定に基づいて制御される。
【0068】
図7に示す実施形態では、分注器はOrbetron 50 Series分注器(ORBETRON、Hudson、WI)である。そのような分注器は、収納容器内の供給ディスクを回転させることによって動作する。例示的なディスク500が、図25に示されている。いくつかの実施形態では、供給ディスクは小さい孔を有し、この孔に材料が落ちることができる。供給ディスクの各回転により、供給ディスクの孔の中に位置決めされた材料が、分注器の出口孔と位置合わせされ、それによりディスク孔内の材料が分注器から出ることが可能になる。このようにして、各回転により、供給ディスクは、制限された量の材料が分注器から出ることを可能にする。いくつかの実施形態では、粘着性材料の分注を支援するために、「フリッカ」構成要素を分注器に追加することができる。そのような構成要素は、粉末ブリッジを切って流れを促進させることを助けることができる。
【0069】
本発明者らは、粉末の固結を減少させ、かつ/または、別の状況では分注器の目詰まりを防止することを助ける他の配置を理解している。
【0070】
いくつかの実施形態では、図25~26に示すように、分注器は、分注器の出口の下流にシュート510を含むことができる。シュートは、分注器出口に直接取り付けることができる。シュートは、分注器の外へと材料を分注するのを支援することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、図25および図27に示すように、分注器に振動機構520を追加することができる。振動機構は、分注されている材料の固結を防止することを助け、かつ/または分注器出口の目詰まりを防止することを助けることができる。振動機構は、分注器の1つまたは複数の構成要素上の粉末の蓄積を低減させることを助けることができる。振動機構は、分注器出口自体の上に直接位置決めすることができ、またはシュート510などの分注器出口に取り付けられた構成要素上に位置決めすることができる。振動機構の一例は、ADAFRUIT振動ミニモータディスクである。いくつかの実施形態では、振動ミニモータディスクの動作電圧は2~5ボルトである。
【0072】
いくつかの実施形態では、粉末の固結を減少させることを助けるために、分注器の内側にビーズを追加することができる。ビーズは、分注器を故障させることなく、分注器内に留まるようにサイズ設定することができる。たとえば、ビーズは、分注器出口より大きくすることができる。いくつかの実施形態では、回転ディスクを利用する分注器において、ビーズは、ディスクの歯同士の間の空間内へ落ちないように、ディスクの歯同士の間の空間より大きくサイズ設定することができる。これらのビーズは、ディスクが回転すると動くことができ、それによりあらゆる固結した材料を破壊し、粉末の流れを連続流に保つことを助けることができる。そのようなビーズの例示が、図28に示されており、図28は複数のガラスビーズの写真を示す。いくつかの実施形態では、ビーズは直径5mmであってもよい。しかし、他の直径サイズも同様に使用することができる。いくつかの実施形態では、10~30グラムのガラスビーズを使用することができる。いくつかの実施形態では、約18グラムのガラスビーズを使用することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、分注器は、2グラム/時程度の低い供給および5kg/時程度の高い供給で動作することができる。分注器の流量は、1日千回の用量でも十分なものとすることができる。
【0074】
ねじ供給器、振動供給器、ローラ供給器、ベルト供給器など、他のタイプの分注器も使用することができることを理解されたい。
【0075】
図8A~8Dは、開ループ配置を使用する(すなわち、分注器を制御するために重量計からのフィードバックが使用されなかった)Orbetron 50 Series分注器の性能を示すグラフを示す。試験は、API、自由流動性添加剤、粘着性添加剤、およびブレンドによって行われた。試験の結果は、APIおよび粘着性添加剤について供給率におけるより高い変動が観察されたこと、自由流動性添加剤およびブレンドについて供給率におけるより低い変動が観察されたこと、および充填レベルまたは粉末高さの変化によって供給率が変動したことを示した。
【0076】
いくつかの実施形態では、これらのタイプの変動を解決するために、分注された粉末の閉ループ制御を錠剤作製システム内に含むことができる。一例として、閉ループフィードバック制御を提供するために、重量計を使用することができる。重量計の配置は、次の章により詳細に論じる。
【0077】
いくつかの実施形態では、錠剤作製システムは、分注された粉末の閉ループ制御を提供するために、重量計を含むことができる。いくつかの実施形態では、重量計は、ロードセルの形態をとる。圧電抵抗センサ、力復元天秤など、他のタイプの重量計も使用することができることを理解されたい。
【0078】
いくつかの実施形態では、APIおよび添加剤は、多数の分注器から、ロードセルから吊り下げられたキャリッジへ供給される。いくつかの実施形態では、複数の分注器からのAPIおよび添加剤は、ブレンダへ直接分注される。そのような配置では、ブレンダ内へ分注されている材料を秤量することができるように、ブレンダそのものの全体をロードセルまたは他の重量計から吊り下げることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、分注器から分注された材料をブレンダへ搬送しなければならない。いくつかの実施形態では、分注された材料の秤量機能を実行する錠剤作製システムの構成要素はまた、分注された材料を混合のためにブレンダへ搬送する追加機能を実行する。
【0080】
重量計モジュールの1つの例示的な実施形態が図9に示されており、実際の重量計モジュールの写真が図10に示されている。図9~10のモジュールは、重量計124と、アーム122を介して重量計124から吊り下げられたキャリッジ120とを含む。図9および図10に示す実施形態では、重量計124はロードセルを備える。いくつかの実施形態では、重量計モジュールはまた、材料を搬送する追加機能を実行する。いくつかの実施形態では、モジュールは、重量計124、アーム122、およびキャリッジ120を異なる場所へ動かすために、線形アクチュエータ126を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャリッジ120は、任意のシーケンスで任意の分注器へ動くように指令され得、粉末または他の材料の必要とされる量は、分注器の各場所で分注されてよい。キャリッジ120は次いで、ブレンダへ材料を移送することができる。いくつかの実施形態では、モジュールはトラックを含むことができ、該トラックに沿って構成要素は摺動することができる。
【0081】
本発明者らは、材料を1つの容器から別の容器へ移送する1つの潜在的な難題は、特に材料が粉末である場合、材料の一部が開始容器内に留まり、その結果、材料の移送が不完全になる傾向であることを理解している。これにより、不適切な成分比および/または廃棄物が生じることがある。
【0082】
いくつかの実施形態では、材料を分注器からブレンダへ運搬するために中間キャリッジが使用される場合、キャリッジは、材料の移送を支援するために、傾斜するように配置される。図9および図10の実施形態などのいくつかの実施形態では、キャリッジ120は、アームに枢動可能に取り付けることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、システムは、傾斜機構を含むことができ、該傾斜機構は、たとえばブレンダ上に、ブレンダの上の静止位置に、またはキャリッジ自体の上に位置することができる。キャリッジがブレンダに到達したとき、傾斜機構を作動させて、キャリッジを傾斜させることができる。図3~5に示す実施形態では、システムは、ブレンダ130の上に位置決めされたフォークリフト121の形態の電動式傾斜機構を含む。キャリッジ120がブレンダに到達したとき、フォークリフト121は、キャリッジの後端を持ち上げて、キャリッジの前縁部をブレンダの混合容器に向かって下方へ傾斜させる。
【0084】
他の実施形態では、キャリッジの傾斜は、電動式の傾斜配置ではなく、受動的に行うことができる。たとえば、キャリッジがブレンダに向かって動くと、キャリッジは、傾斜したくさびなどの物理的な障害物と相互作用することができ、この障害物は、キャリッジの一端を上方へ押してキャリッジを傾斜させる。
【0085】
別の態様によれば、キャリッジからの材料の移送を容易にするために、分注器からキャリッジ内へ特定の順序で材料を分注することができる。いくつかの実施形態では、最少の粘着性材料をキャリッジ内へまず明確に分注するように、コントローラがシステムを制御する。理論によって拘束されることを望むものではないが、発生容器に接触するとき、粘着性材料は移送中に、より低い粘着性の材料に比べてより多くの残留物を残す傾向がある。したがって、最少の粘着性材料をキャリッジに直接接触させることで、より清浄な移送を容易にすることを助けることができる。
【0086】
粉末材料を移送するために使用されたとき、材料運搬キャリッジ内に残った残留物の量の試験が実施された。図11に示す試験結果に見られるように、移送後、開始粉末の約1%がキャリッジに付着したままであった。
【0087】
一態様によれば、錠剤成分は、所望の量のブレンド均一性に到達するまで混合される。いくつかの実施形態では、混合はブレンダによって実行することができる。
【0088】
ブレンダの1つの例示的な実施形態が、図3図4図5図12、および図13に示されている。図12~13において最も良好に見られるように、ブレンダ130は、混合容器131、モータ134、アクチュエータ133、およびギアボックス132を含むことができる。
【0089】
一態様によれば、ブレンダの混合容器は、従来の大容量バッチ処理で使用される混合器よりはるかに小さくなるようにサイズ設定することができる。いくつかの実施形態では、ブレンダの混合容器は、10L、1L、500mL、200mL、もしくは100mLに等しいまたはそれ未満の体積を有することができる。いくつかの実施形態では、ブレンダの混合容器は、約200mLの体積を有する。場合により、ブレンダは、40~50%の容量で一度に約50グラムの粉末を混合することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、分注器110から分注される材料は、10L、1L、500mL、200mL、または100mLに等しいまたはそれ未満の合計体積を有するブレンダ内で混合物を形成する。
【0091】
一態様によれば、ブレンダは、容易に洗浄可能および再構成可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、ブレンダは、磁気駆動結合、高速切離しマウント、および密閉ドライブを含む。
【0092】
ブレンダインペラの1つの例示的な実施形態が、図14A~Cに示されている。インペラは、シャフト136および複数のインペラ羽根137を含む。羽根137は、互いに対して回転した角度で配置することができる。別法または追加として、各群の羽根(シャフトの各側に1群)については、羽根137は、互いに対して異なる高さおよび/または駆動シャフトに沿って互いに対して異なる円周方向位置に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、インペラは、均一のブレンドを実現するために、対流混合を生じさせることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、ブレンダは、混合された材料をブレンダから移送することを容易にするために、ブレンダ混合容器の底部を通って内容物の解放を可能にする機構を含むことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ブレンダ混合容器は、材料の解放を許容するために開くことができる出口バルブ(たとえば、底部プラグなど)を有する。一実施形態では、ソレノイドアクチュエータが、ブレンダインペラシャフトと共軸であるシャフトを押し下げて、底部プラグを下方へ動かし、その結果、混合ブレンドを、下にある分注器へ移送することができる。
【0095】
ブレンダの混合性能が、4.48%のフルオキセチンHCl+0.5%のSiO2+95.02%のコーンスターチを使用して試験された。図15に示す試験結果に見られるように、約15分の混合後、RSD(相対標準偏差)が6%未満に到達した。
【0096】
下部プロセス流について次に論じる。図16および図17は、下部プロセス流の1つの例示的な実施形態を示し、下部プロセス流は、分注器210および打錠ユニット(部分的に錠剤ダイ231および錠剤パンチ232を含むことができる)を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、第2の分注ステップを使用して、混合ブレンドをより小さい個別の材料部分内へ分注し、各材料部分が最終的に圧縮されて、単一の錠剤を形成する。
【0098】
図18および図19に示す1つの例示的な実施形態では、ブレンドミックス分注器210が、ホッパ212、機械的振動ユニット214、および分注ヘッド216を含む。ブレンダ130からのブレンドミックスは、ホッパ212に入る。いくつかの実施形態では、振動ユニット214は、アクチュエータ215により振動ユニットを上下に動かすタッピング機構に基づいて動作する。いくつかの実施形態では、タッピング機構は、ホッパ自体またはホッパに接触する構成要素を打って、それによりホッパを上下に動かすマレットまたは他のデバイスを含む。分注ヘッド216は、1つまたは複数の孔を含むことができる。ホッパの上下運動により、材料を分注ヘッド216の孔から出すことができる。理論によって拘束されることを望むものではないが、タッピング機構は、粉末のマイクロブリッジを構築してもよいが、これらのマイクロブリッジは衝撃を受けると壊れ、次いで再構築される。
【0099】
分注器の分注性能が、異なる孔径の分注ヘッドを使用して試験された。図20Aに示す試験結果に見られるように、質量流量および孔の数に線形関係が観察された。図20Bに示す試験結果に見られるように、タップごとに供給される質量(すなわち、タップごとに分注される質量)の測定が、十分一貫しており、分注ヘッド内の孔の数の増加とともに増大することが分かった。
【0100】
ブレンダから上流にあるAPIおよび添加剤の分注器に関連して上述したものなど、他の分注機構を使用することもできることを理解されたい。
【0101】
いくつかの実施形態では、打錠プロセスは、粉末(たとえば、API粉末および/もしくは添加剤粉末)ならびに/または他の錠剤成分がプレス加工されて最終錠剤形状になる直接圧縮成形方法を含む。いくつかの実施形態では、打錠アセンブリは、協働して錠剤を作る錠剤ダイおよび錠剤パンチを含むことができる。パンチを降下させて錠剤ダイに入れ、錠剤成分を圧縮成形して錠剤を形成することができる。いくつかの実施形態では、打錠アセンブリはまた、ダイアクチュエータを含むことができ、該ダイアクチュエータは、個別の量のブレンドミックスをダイがブレンドミックス分注器210から受け取る受取り位置から、ダイが錠剤パンチと位置合わせされる圧縮成形位置へダイを動かす。いくつかの実施形態では、ダイアクチュエータはまた、ダイを放出位置へ動かすことができ、放出位置で、完成した錠剤がダイから放出される。
【0102】
いくつかの実施形態では、システムは、錠剤投与量サイズに応じて、異なる錠剤ダイサイズおよびパンチを含むことができる。システムは、異なるダイおよびパンチサイズ間で自動的に切り換わってもよく、また、手動調整を必要としてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、錠剤が形成および放出された後、錠剤を重量計によって秤量し、錠剤が所望の量の質量を有するか否かを判定する。錠剤が質量要件を満たさないと重量計が判定した場合、システムはその錠剤を拒否および廃棄することができる。
【0104】
打錠ユニット230の1つの例示的な実施形態が図16に示されており、打錠ユニットの一部分が図21に示されている(図21では錠剤パンチ232は省略されている)。いくつかの実施形態では、打錠ユニット230は、錠剤ダイ231、ダイキャリッジ220(図21において最も良好に見られる)、ダイアクチュエータ222、および錠剤パンチ232を含むことができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、まず粉末がブレンドミックス分注器210から錠剤ダイ231内へ分注される。ダイアクチュエータ222は、ダイ231が錠剤パンチ232の下に位置決めされるまで、錠剤ダイ231およびダイキャリッジ220を動かすことができる(ダイキャリッジ220は図21において最も良好に見られる)。錠剤パンチ232に付属するプレス233が、図5に見られる。いくつかの実施形態では、GAMLEN打錠プレス、パンチ、およびダイ(Gamlen、Nottingham、UK)を使用することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、錠剤ダイ231および錠剤パンチ232が位置合わせされた状態で、錠剤パンチ232を降下させて錠剤ダイ231に入れ、ダイ231内で錠剤成分を圧縮成形して錠剤を形成する。たとえば図16で、錠剤パンチ232および錠剤ダイ231は、位置合わせされた位置で示されている。いくつかの実施形態では、形成された錠剤は次いで、錠剤出力トレー238内へ放出される。
【0107】
いくつかの実施形態では、錠剤パンチは、硬度要件、錠剤配合、および/または錠剤サイズに応じて、可変量の圧縮成形圧力を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、印加すべき適当な圧縮成形圧力を、錠剤パンチに通信することができる。いくつかの実施形態では、錠剤プレス圧縮成形圧力を監視および/または制御するために、変換器(たとえば、圧電変換器)などの1つまたは複数のセンサを使用することができる。たとえばいくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサが、圧縮成形中に錠剤パンチおよび/または錠剤ダイ内に位置することができる。
【0108】
図5および図21に示されている実施形態などのいくつかの実施形態では、形成された各錠剤の重量を判定するために、重量計240を使用することができる。いくつかの実施形態では、錠剤出力トレー238は、重量計上に位置決めされ、重量計は、錠剤がトレー内に出力されるたびに重量の変化を検出することによって、形成された各錠剤の重量を検出する。
【0109】
いくつかの実施形態では、錠剤がその錠剤に対して予想された重量のものであると測定された場合、その錠剤は保持され、錠剤が予想された重量のものでない場合、その錠剤は廃棄される。錠剤作製システムによって作製された結果の例示的な錠剤2の写真が、図22に示されている。
【0110】
いくつかの実施形態では、打錠ユニットは、上部パンチ232のみを必要とし、下部パンチを必要としない。しかし他の実施形態では、下部パンチを使用することもできる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する技法は、以下に限定されるものではないが、ネットワークデータベース、記憶システム、および中央プラントコントローラを含む、1つまたは複数の演算デバイスを使用して実施することができる。たとえば、システムは、1つまたは複数の演算デバイスを含むコントローラを含むことができる。実施形態は、いかなる特定のタイプの演算デバイスの動作にも限定されるものではない。
【0112】
図23は、前述の技法のいずれかを実施するために使用することができる例示的な演算デバイス1000のブロック図である。演算デバイス1000は、1つまたは複数のプロセッサ1001と、1つまたは複数の有形の非一過性コンピュータ可読記憶媒体(たとえば、メモリ1003)とを含むことができる。メモリ1003は、有形の非一過性コンピュータ記録可能媒体内に、コンピュータプログラム命令を記憶することができ、コンピュータプログラム命令は、実行されると、前述の機能性のいずれかを実施する。プロセッサ1001は、メモリ1003に結合することができ、そのようなコンピュータプログラム命令を実行して、その機能性を実現および実行させることができる。
【0113】
演算デバイス1000はまた、ネットワーク入出力(I/O)インターフェース1005を含むことができ、演算デバイスは、ネットワークI/Oインターフェース1005を介して、他の演算デバイスと(たとえば、ネットワークを介して)通信することができ、演算デバイス1000はまた、1つまたは複数のユーザI/Oインターフェース1007を含むことができ、演算デバイスは、ユーザI/Oインターフェース1007を介して、使用者へ出力を提供することができ、使用者から入力を受け取ることができる。ユーザI/Oインターフェースは、キーボード、マウス、マイクロフォン、表示デバイス(たとえば、モニタもしくはタッチスクリーン)、スピーカ、カメラ、および/または様々な他のタイプのI/Oデバイスなどのデバイスを含むことができる。
【0114】
前述の実施形態は、多数の方法のいずれかで実施することができる。たとえば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せを使用して実施することができる。ソフトウェアで実施されるとき、ソフトウェアコードは、単一の演算デバイス内に提供されるか、多数の演算デバイス間に分散させられるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)または1群のプロセッサ上で実行することができる。上述した機能を実行する任意の構成要素または1群の構成要素は、一般的に、上で論じた機能を制御する1つまたは複数のコントローラであると見なすことができることを理解されたい。1つまたは複数のコントローラは、上述した機能を実行するようにマイクロコードまたはソフトウェアを使用してプログラムされた専用ハードウェアまたは汎用ハードウェア(たとえば、1つまたは複数のプロセッサ)など、多数の方法で実施することができる。いくつかの実施形態では、プログラム可能なハードウェアおよび専用のハードウェアの組合せを使用することもできる。
【0115】
これに関して、本明細書に記載する実施形態の一実装は、コンピュータプログラム(すなわち、複数の実行可能な命令)でコードされた少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体(たとえば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、もしくは他の磁気記憶デバイス、または他の有形の非一過性コンピュータ可読記憶媒体)を備え、コンピュータプログラムは、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるとき、1つまたは複数の実施形態の上で論じた機能を実行することを理解されたい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読媒体上に記憶されているプログラムを任意の演算デバイス上へロードして本明細書に論じる技法の態様を実施することができるように、可搬型であってもよい。加えて、実行された場合に上で論じた機能のいずれかを実行するコンピュータプログラムへの言及は、ホストコンピュータ上で実行されるアプリケーションプログラムに限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、本明細書では、コンピュータプログラムおよびソフトウェアという用語は、本明細書に論じる技法の態様を実施するように1つまたは複数のプロセッサをプログラムするために用いることができる任意のタイプのコンピュータコード(たとえば、アプリケーションソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、または任意の他の形態のコンピュータ命令)に言及するために、一般的な意味で使用される。
【0116】
一態様によれば、錠剤は、要求に応じて作ることができ、たとえば使用者は、所望の投与量および/または所望の薬物タイプを指定する命令をシステムに入力することができる。それに応答して、システムは、使用者の命令に従って、適当なタイプおよび量のAPIおよび添加剤を分注する。いくつかの実施形態では、システムは、使用者の命令を受け取り、該命令を実施するようにシステム構成要素を制御するコントローラを含むことができる。
【0117】
たとえば、システムは、500mgの投与量を有する100錠のイブプロフェン錠剤と、100mgの投与量を有する50錠のイブプロフェン錠剤とを作製するための命令を受け取ることができる。システムコントローラは、上記命令を受け取り、それに応じて錠剤を作製するようにシステムの様々な構成要素に指令する。たとえばいくつかの実施形態では、コントローラは、500mgの錠剤に好適な質量の混合ブレンドを100回分注し、次いで100mgの錠剤に好適な質量の混合ブレンドを50回分注するように、ブレンドミックス分注器(ブレンダから下流にある分注器)に指示することができる。このようにして、いくつかの実施形態では、システムは、作製の中断またはモジュールもしくはユニット動作の切断/接続の必要なしに、同じ薬物の第1の錠剤投与量の作製から第2の錠剤投与量の作製へ、途切れなく切り換わることができる。
【0118】
別の例として、システムは、第1の薬物タイプ(たとえば、イブプロフェン)の100錠の錠剤と、第2の組成の異なる薬物タイプ(たとえば、アジスロマイシン)の50錠の錠剤とを作製するための命令を受け取ることができる。システムコントローラは、上記命令を受け取り、それに応じて錠剤を作製するようにシステムの様々な構成要素に指令する。いくつかの実施形態では、ブレンダから上流にある分注器は、両方の薬物に必要とされるAPIおよび添加剤のすべてをすでに含むことができる。たとえば、3つの分注器が、第1の薬物タイプを作るために必要とされるAPIおよび添加剤を保持することができ、3つの他の分注器が、第2の薬物タイプを作るために必要とされるAPIおよび添加剤を保持することができる。他の実施形態では、第2の薬物タイプに必要とされる成分を保持する分注器は、第1の薬物タイプの作製が終了する後まで、システムに接続されない。
【0119】
いくつかの実施形態では、異なる薬物タイプの作製間で切り換わるとき、システムの「タッチポイント」を清浄な構成要素に交換することができる。システムのタッチポイントは、分注された錠剤成分(たとえば、APIまたは添加剤)と接触したシステムの任意の構成要素を含む。タッチポイントの例には、キャリッジ、ブレンダインペラ、および混合容器、ブレンドミックス分注器ホッパ、錠剤ダイ、錠剤プレス、ならびに錠剤出力トレーが含まれる。これらの構成要素は、システムによって自動的に、操作者によって手動で、または両方の混合によって、取り換えることができる。しかし、両タイプの薬物の作製は、それでもなお、システムが変化しない全体的なインフラストラクチャと同じ物理的システム上で実行されると見なすことができる。たとえば、構成要素が結合しているフレームは同じままであってもよく、重量計、およびキャリッジを動かすアクチュエータは同じままであってもよく、ブレンダモータおよびアクチュエータは同じままであってもよく、ブレンドミックス分注器アクチュエータは同じままであってもよく、そして/または錠剤ダイアクチュエータは同じままであってもよい。
【0120】
一実施形態による1つのそのようなプロセスの概略流れ図が、図24に示されている。まず、システムは、410で、投与量および/または薬物タイプ命令を受け取る。そのような命令は、使用者によって、たとえば使用者がシステムの制御パネルと相互作用すること、使用者が遠く離れた場所から命令を送ることなどによって入力することができる。いくつかの実施形態では、システムは、命令を事前にプログラムすることができる。これらの命令に応答して、システムは、420で、指定の薬物タイプを作るために必要とされる適当なAPIおよび添加剤を分注する。430で、分注された材料が秤量され、440で、ブレンダへ搬送される。ブレンダは、450で、混合ブレンドを作り、分注器は、460で、指定の投与量を満たすように、混合ブレンドのうちの適当なサイズの部分を分注する。打錠機械は次いで、470で、分注器から材料を受け取り、錠剤を形成および放出する。ステップ480は、新しい命令が受け取られた場合、周期が再開することを示す。
【0121】
いくつかの実施形態では、分注ステップ、ブレンドステップ、および打錠ステップのうちの少なくとも1つが、命令に応答して少なくとも部分的に実施される。
【0122】
上述したように、本明細書に記載するシステムおよび方法のいくつかは、有効医薬成分(「API」)の使用を含む。本明細書で使用される場合、「有効医薬成分」という用語は、疾患、障害もしくは他の臨床的に認識される状態を処置するため、または予防の目的で、被験体に投与され、かつ、被験体の体に対して、疾患、障害または状態を処置および/または予防するための臨床的に顕著な効果を有する、薬剤を指す。有効医薬成分には、限定されるものではないが、米国薬局方(USP)、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、第10版、McGraw Hill、2001年;Katzung, B.(編)、Basic and Clinical Pharmacology、McGraw-Hill/Appleton & Lange、第8版(2000年9月21日);Physician's Desk Reference(Thomson Publishing);ならびに/もしくはThe Merck Manual of Diagnosis and Therapy、その刊行後第17版(1999年)または第18版(2006年)、Mark H. BeersおよびRobert Berkow(編)、Merck Publishing Group、または動物の場合、The Merck Veterinary Manual、第9版、Kahn、C.A.(編)、Merck Publishing Group、2005年に挙げられている薬剤が含まれる。必須ではないが好ましくは、有効医薬成分は、適当な政府機関または規制機関によってヒトまたは動物での使用に安全かつ有効であるとすでに考えられているものである。たとえば、ヒトへの使用が認可されたAPIは、参照により本明細書に組み込まれている21C.F.R.§§330.5、331~361、および440~460の下、FDAによって挙げられており、獣医学的使用のためのAPIは、参照により本明細書に組み込まれている21C.F.R.§§500~589の下、FDAによって挙げられている。挙げられているAPIはすべて、本発明による使用に許容できると見なされる。
【0123】
特定の実施形態では、有効医薬成分は小分子である。例示的な有効医薬成分には、以下に限定されるものではないが、抗がん剤、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔薬、抗凝血剤、酵素阻害剤、ステロイド剤、ステロイド性もしくは非ステロイド性の抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、抗原、ワクチン、抗体、充血除去剤、鎮静剤、オピオイド、痛み緩和剤、鎮痛剤、解熱剤、ホルモン、プロスタグランジンなどが含まれる。
【0124】
本明細書で使用される場合、「小分子」という用語は、天然に存在するか、それとも人工的に作られたか(たとえば、化学合成を介して)にかかわらず、比較的低い分子量を有する分子を指す。典型的には、小分子は有機化合物である(すなわち、炭素を含有する)。小分子は、多数の炭素-炭素結合、立体中心、および他の官能基(たとえば、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、および複素環など)を含有することができる。特定の実施形態では、小分子の分子量は、多くとも約1,000g/mol、多くとも約900g/mol、多くとも約800g/mol、多くとも約700g/mol、多くとも約600g/mol、多くとも約500g/mol、多くとも約400g/mol、多くとも約300g/mol、多くとも約200g/mol、または多くとも約100g/molである。特定の実施形態では、小分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上記の範囲の組合せ(たとえば、少なくとも約200g/molおよび多くとも約500g/mol)も可能である。
【0125】
APIの非限定的な例には、ジフェンヒドラミン、シプロフロキサシン、ジアゼパム、フルオキセチン、イブプロフェン、ドキシサイクリン、およびアジスロマイシンが含まれる。当業者であれば、本開示を読めば、本明細書に記載する合成方法およびシステムを他の医薬有効成分に適用することが可能なはずである。
【0126】
上述したように、本明細書に記載するシステムおよび方法のいくつかは、摂取可能な医薬組成物を作製するために使用することができる。概して、摂取可能な医薬組成物は、有効医薬成分および薬学的に許容される添加剤を含む組成物を指す。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される添加剤」という用語は、任意のタイプの非毒性で不活性な固体、半固体、もしくは液体の充填剤、希釈剤、封入材料、または製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される添加剤として働くことができる材料のいくつかの非限定的な例には、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガント末;モルト;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび座剤ワックスなどの添加剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;Tween 80などの洗剤;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;水(たとえば、パイロジェンフリー水);等張食塩水;クエン酸、酢酸塩、リンゲル溶液;エチルアルコール、およびリン酸塩緩衝液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性の適合性滑沢剤が挙げられ、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香料および芳香剤、保存料および酸化防止剤も、配合者の判断に従って組成物中に存在することができる。他の可能な添加剤には、滑剤および溶解剤が含まれる。
【0127】
いくつかの実施形態では、摂取可能な医薬組成物は、1ミリリットルの薬学的に許容される添加剤当たり、少なくとも約2.5mg、少なくとも約5.0mg、または少なくとも約20mgの有効医薬成分を含む。いくつかの実施形態では、有効医薬成分を、薬学的に許容される添加剤中に懸濁させる。特定の実施形態では、有効医薬成分は、薬学的に許容される添加剤中に懸濁する。いくつかの実施形態では、摂取可能な医薬組成物は、錠剤の形態である。
【0128】
いくつかの実施形態では、システムは、一日当たり少なくとも約1000用量のAPIを作製するように構成される。特定の実施形態では、システムは、一日当たり少なくとも約2000用量、一日当たり少なくとも約4000用量、一日当たり少なくとも約8000用量、一日当たり少なくとも約10000用量、または一日当たり少なくとも約20000用量を作製するように構成される。当業者には概して理解されるように、用量という用語は概して、生物学的応答を刺激するために有機体(たとえば、ヒト、動物、植物、昆虫、および/または細菌)に投与される有効医薬成分の量を指す。特定の実施形態では、システムは、少なくとも約20グラム/日、少なくとも約50グラム/日、少なくとも約100グラム/日、一日当たり少なくとも約200グラム、または一日当たり少なくとも約400グラムの摂取可能な医薬組成物を作製するように構成される。
【0129】
特定の実施形態では、システムは、比較的大量の有効医薬成分を小さい設置面積で作製するように構成される。たとえば場合により、システムは、1日当たり1平方フィートの設置面積につき、少なくとも約5グラムの有効医薬成分を作製するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システムは、1日当たり設置面積につき、少なくとも約7g/日/ft、少なくとも約10g/日/ft、少なくとも約20g/日/ft、少なくとも約30g/日/ft、少なくとも約50g/日/ft、少なくとも約60g/日/ft、少なくとも約70g/日/ft、少なくとも約90g/日/ft、少なくとも約100g/日/ft、少なくとも約120g/日/ft、少なくとも約150g/日/ft、または少なくとも約200g/日/ftの有効医薬成分を作製するように構成される。特定の実施形態では、システムは、1日当たりハウジング(たとえば、上述のとおり)の1立方フィートにつき、少なくとも約1グラムの有効医薬成分を作製するように構成される。たとえばいくつかの実施形態では、システムは、1日当たりハウジングの体積につき、少なくとも約2g/日/ft、少なくとも約3g/日/ft、少なくとも約4g/日/ft、少なくとも約5g/日/ft、少なくとも約7g/日/ft、少なくとも約10g/日/ft、少なくとも約15g/日/ft、少なくとも約20g/日/ft、または少なくとも約25g/日/ftの有効医薬成分を作製するように構成される。
【実施例
【0130】
医薬錠剤を作製する打錠システムを使用して、イブプロフェン(IBU)錠剤およびジアゼパム(DIZ)錠剤を製造した。
【0131】
システムを、上部プロセス流および下部プロセス流に分割した。上部プロセス流は、個々の粉末(APIおよび添加剤)の供給から始まり、ブレンドで終わった。下部プロセス流は、粉末ブレンドの分注から始まり、錠剤の圧縮までであった。直接圧縮方法を使用して、錠剤を作った。これらの2つのプロセス流は、高レベルのソフトウェア制御下で、独立して動作した。
【0132】
システムの寸法は、約72.4cm(長さ)×53.3cm(幅)×134.6cm(高さ)である。APIおよび添加剤は、多数の定量供給器から、ロードセルから吊り下げられたボートからなるキャリッジへ供給された。必要なときは粘着性APIおよび添加剤を分注するように、供給器を修正した。キャリッジは、任意のシーケンスで、任意の定量供給器へ移動するように指令される場合があり、そして、必要とされる量の粉末が、各供給器の場所で分注されてもよい。キャリッジは、ボートからインペラを有する円錐形ブレンダへ粉末(任意の回数の移送が可能であり得る)を移送した。ブレンダは、対流混合を介して粉末を混合し、ブレンドを得た。混合後、ブレンドは、タッピング供給器を有するブレンドミックス分注器のホッパ内へ分注された。CAPSUGEL(South Carolina、USA)分注ヘッドをタッピング供給器上で使用して、供給される粉末の量を調節した。粉末は次いで、所定の量で(所望の投与量サイズに応じて)錠剤プレスダイ内へ分注された。アクチュエータは、実験用錠剤プレス(Gamlen PCA-500D、Gamlen Tableting Ltd、UK)の作動パンチの下で定位置へダイを摺動させたはずである。次いでブレンドを圧縮して、錠剤を作った。錠剤は、ダイから放出され、次いで秤量ステーションへ移送された。最終的に、錠剤は収集された。
【0133】
イブプロフェン錠剤およびジアゼパム錠剤を作るために使用された材料を、それらの特有の機能とともに、以下の表1に示す。
【表1】
【0134】
イブプロフェンおよびジアゼパムAPIの物理的特性を、以下の表2に提示する。
【表2】
【0135】
配合開発において簡略化された手法を、打錠に必要とされる添加剤の数を最小限にすることによって検討した。したがって、1つの充填剤/希釈剤、流動助剤(flow aid)/滑剤、および潤滑剤のみを、両モデル薬物にとって配合物の一部であると見なした。無水ラクトース(SuperTab(登録商標)21AN)を充填剤/希釈剤として使用し、ヒュームドシリカ(CAB-O-SIL(登録商標)M-5P)を滑剤として使用し、ステアリン酸マグネシウム(Kosher Passover HyQualTM)を潤滑剤として使用した。このグレードの無水ラクトースは、配合物における充填剤として選択された。
【0136】
配合されたブレンドを、錠剤の製造に使用した。使用された配合物の組成を、以下の表3に提示する。
【表3】
【0137】
ヒュームドシリカを除いて、APIおよび添加剤の粒子サイズを、以下の表4に提示する。
【表4】
【0138】
IBU粒子およびDIZ粒子の形態を示す顕微鏡検査画像を、それぞれ図29Aおよび図29Bに示す。IBUおよびDIZの粒子およびバルク特性を、上記の表4に要約する。IBUおよびDIZはどちらも微粒子であり、それぞれ21.87μmおよび23.12μmのd50を有する。この顕微鏡検査画像は、IBUを板状の方形粒子として示し(図29A)、一方で、DIZ粒子は不規則な形状の凝集粒子である(図29B)。
【0139】
錠剤のために調製された粉末ブレンドの流れ特性を、FT4 Powder Rheometerを使用して測定した。それを以下の表5に提示する。
【表5】
【0140】
ラクトース、API、およびシリカは、IBUブレンドのためにブレンダへ連続して供給された。ラクトースは、DIZブレンドのために2つの等しい量に分割された。初めに2分の1はブレンダへ供給され、残りの2分の1は供給シーケンスの終わりに供給された。ブレンダは80RPMで動作し、すべての材料を26分間ブレンドした。次いでステアリン酸マグネシウムをブレンダに加えて、80RPMでさらに4分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムは、配合物の潤滑過剰を防止するために、最初に追加されなかった。各ブレンドバッチ内で、合計52.0gのIBUブレンドおよび合計43.6gのDIZブレンドを作製した。各最終ブレンドの測定された調整済みバルク密度に基づいて、40%の総ブレンダ体積がブレンドに使用された。
【0141】
最終ブレンドは、タッピング供給器ホッパ内へ移送された。粉末は、10mmのダイ内へ分注され、IBUおよびDIZそれぞれに対して、340mgおよび250mgの総重量の錠剤を作った。必要な充填重量を得るために必要とされるタップの数は、IBUに対して53(±5)、DIZに対して35(±5)であった。許容される重量の変動は、標的錠剤重量の±10%であると考えられた。直径10mmの平坦な丸いパンチを使用して、分注された粉末を450kgの力で圧縮し、錠剤を作った。パンチ速度を、1.0mm/秒でプログラムした。デジタルスライドカリパス(Fowler 54-100-000-2、Fowler Company Inc.、Newton、MA)を使用して、各錠剤が秤量され、その寸法(直径および厚さ)を測定された。IBUについては22錠の錠剤およびDIZについては42錠の錠剤が、製造および分析された。製造されたイブプロフェン錠剤およびジアゼパム錠剤のいくつかを、図30に示す。
【0142】
結果として製造されたIBU錠剤およびDIZ錠剤の特性(重量、引張り強度、評価、および内容物の均一性)を測定した。それを以下の表6に提示する。
【表6】
【0143】
製造された10錠の錠剤の平均重量を、%RSD値で報告する。IBUおよびDIZの平均重量は、それぞれ334.07mgおよび258.06mgであった。重量の変動は、IBUについては340mg、DIZについては250mgの標的錠剤重量の±10%の範囲内であった。RSD値は、両方の薬物錠剤の場合に3%を下回った。低いRSDは、ダイ内へのブレンドの分注が均一であり、錠剤間の重量変動が小さいことを示す。
【0144】
IBU錠剤およびDIZ錠剤の平均引張り強度は、それぞれ1.14MPaおよび0.52MPaであった。6錠の錠剤の直径および厚さを測定した。IBU錠剤の場合、直径および厚さの平均値は、それぞれ10.06(±0.03)mmおよび3.8(±0.12)mmであった。DIZ錠剤の場合、直径および厚さの平均値は、それぞれ10.11(±0.02)mmおよび2.59(±0.06)mmであった。
【0145】
USP-39公式モノグラフによれば、IBU/DIZ錠剤は、評価標準を満たすために、ラベルに明示された量の90%以上かつ110%以下を含有しなければならない。同様に、10投与量単位に基づいて、有効成分の計算された許容値が15.0に等しいまたはそれ未満である場合、この製品は、USP品質標準を満たす。表6に示すように、IBU錠剤およびDIZ錠剤の評価値は、90~110%の範囲内である。許容値(AV)が15を下回るため、IBU錠剤およびDIZ錠剤はどちらも、内容物の均一性/重量の変動基準を満たす。
【0146】
図31Aおよび図31Bは、それぞれ製造されたIBU錠剤およびDIZ錠剤の溶解結果を示す。平均および標準偏差を示す(n=6)。USPモノグラフによれば、80%のIBUが60分以内に溶解すべきであり、85%のDIZが30分以内に溶解すべきである。IBU錠剤およびDIZ錠剤について、80%の薬物が溶融するのにかかる時間(t80)は、それぞれ23分および4分である。したがって、両薬物錠剤の溶解結果は、USPモノグラフを満たす。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態について、本明細書に説明および例示してきたが、機能の実行および/もしくは結果の取得のための様々な他の手段および/もしくは構造、ならびに/または本明細書に記載する利点の1つもしくは複数が、当業者には容易に想到され、そのような変形および/もしくは修正はそれぞれ、本発明の範囲内であると見なされる。より一般的には、本明細書に記載するすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される特有の1つまたは複数の応用例に依存することが、当業者には容易に理解される。本明細書に記載する本発明の特有の実施形態の多くの均等物が、当業者には理解され、または慣例的実験だけを使用して推定することができる。したがって、上記の実施形態は例示のみを目的として提示されており、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明は、具体的に記載および特許請求されている形態以外の形態で実施することもできることを理解されたい。本発明は、本明細書に記載する個々の特徴、システム、物品、材料、および/または方法のそれぞれを対象とする。加えて、2つまたはそれよりも多くのそのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法の任意の組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法が相互に矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。
【0148】
本明細書で使用される場合、本明細書および特許請求の範囲では、不定冠詞「a」および「an」は、逆の内容が明白に指示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0149】
本明細書で使用される場合、本明細書および特許請求の範囲では、「および/または」という句は、そのように連接された要素の「一方または両方」、すなわち、ある場合には連接して存在する要素、他の場合には分離して存在する要素を意味すると理解されるべきである。逆の内容が明白に指示されない限り、具体的に識別された要素に関係するか、関係しないかに関わらず、「および/または」節によって具体的に識別された要素以外の他の要素も、必要に応じて存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」という言及は、「含む(comprising)」などのオープンエンド言語とともに使用されるとき、一実施形態ではBなしのA(必要に応じて、B以外の要素を含む)、別の実施形態ではAなしのB(必要に応じて、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態ではAおよびBの両方(必要に応じて、他の要素を含む)などを指すことができる。
【0150】
本明細書で使用される場合、本明細書および特許請求の範囲では、「または(or)」は、上で定義した「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。たとえば、リスト内の項目を分離するとき、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち少なくとも1つの包含であるが、ある数またはあるリストの要素のうちの一つ超、および必要に応じてリストにない追加の項目も含むと解釈されるものとする。「~のうちの1つのみ」または「~のうちの厳密に1つ」、または特許請求の範囲内で使用される場合には「からなる(consisting of)」など、逆の内容が明白に指示されている用語のみが、ある数またはあるリストの要素のうちの厳密に1つの要素の包含を指す。概して、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、「いずれか(either)」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、または「~のうちの厳密に1つ」などの排他の用語が先行するとき、排他的な代替(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)のみを示すと解釈されるものとする。「~から本質的になる」は、特許請求の範囲内で使用される場合、特許法の分野で使用される場合のその通常の意味を有するものとする。
【0151】
本明細書で使用される場合、本明細書および特許請求の範囲では、1つまたはそれより多くの要素のリストを参照する「少なくとも1つ」という句は、要素のリスト内の要素のいずれか1つまたは複数から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的に挙げられたあらゆる要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、要素のリスト内の要素のいかなる組合せも除外しないことが理解されるべきである。この定義はまた、具体的に識別された要素に関係するか、関係しないかにかかわらず、「少なくとも1つ」という句が指す、要素のリスト内で具体的に識別された要素以外の要素が、必要に応じて存在してもよいことを認める。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない(そして必要に応じてB以外の要素を含む)状態での少なくとも1つ(必要に応じて1つより多くを含む)のA;別の実施形態では、Aが存在しない(そして必要に応じてA以外の要素を含む)状態での少なくとも1つ(必要に応じて1つより多くを含む)のB;さらに別の実施形態では少なくとも1つ(必要に応じて1つより多くを含む)のAおよび少なくとも1つ(必要に応じて1つより多くを含む)のB(そして必要に応じて他の要素を含む)などを指すことができる。
【0152】
特許請求の範囲、ならびに上記の本明細書において、「含む(comprising)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「運搬する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「収容する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」などのあらゆる移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むがそれだけに限定されるものではないことを意味すると理解されたい。米国特許庁の特許審査手続便覧第2111.03章に記載されているように、「からなる(consisting of)」および「から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみが、それぞれクローズドまたはセミクローズドの移行句であるものとする。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
摂取可能な医薬組成物を作製する方法であって、前記方法は、
コントローラによって、第1の錠剤投与量および第2の錠剤投与量に関する命令を受け取ることと、
第1の量の固体有効医薬成分を分注することと、
第1の量の添加剤を分注することと、
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤をブレンドして、10L未満の体積を有する第1の混合物を形成することと、
前記第1の混合物から第1の錠剤を形成することと、
第2の量の前記固体有効医薬成分を分注することと、
第2の量の前記添加剤を分注することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤をブレンドして、第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物から第2の錠剤を形成することと
を含み、前記第1の錠剤の前記有効医薬成分の投与量が、前記第2の錠剤の前記有効医薬成分の投与量とは異なる、方法。
(項目2)
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を秤量することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤を秤量することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の混合物が、1Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第1の混合物が、500mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記第1の混合物が、200mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記第1の混合物が、100mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤が、キャリッジ内へ分注される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記方法は、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤が前記キャリッジ内にある間に、重量計によって、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を秤量することをさらに含み、前記キャリッジが前記重量計に結合されている、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記キャリッジによって、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤をブレンダへ搬送することをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記キャリッジによって、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤をブレンダへ搬送することをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目11)
前記キャリッジ内への材料の分注順序が、前記材料の粘着度によって決定され、最も粘着性の低い材料が、前記キャリッジ内へまず分注される、項目7に記載の方法。
(項目12)
前記第1の混合物の一部分を分注して、前記第1の錠剤を形成することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記第1の混合物の前記第1の部分を圧縮して、前記第1の錠剤を形成することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第1の錠剤を秤量することと、前記第2の錠剤を秤量することとをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記キャリッジを傾斜させて、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を前記キャリッジから出し、前記ブレンダに入れることをさらに含む、項目9に記載の方法。
(項目16)
前記ブレンドすることが、ブレンダによって実行され、前記ブレンダの一部分を開いて前記第1の混合物を解放することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記第1の混合物を前記ブレンダから分注器へ動かすことをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記第2の錠剤投与量に関する命令が、前記第1の錠剤投与量に関する命令とは異なる時点で受け取られ、前記第2の量の前記固体有効医薬成分を分注する前記ステップが、前記第2の錠剤投与量に関する前記命令に応答してのものである、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記固体有効医薬成分の前記第2の量が、前記固体有効医薬成分の前記第1の量とは異なる、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記固体有効医薬成分の前記第2の量が、前記固体有効医薬成分の前記第1の量と同じである、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記添加剤の前記第2の量が、前記添加剤の前記第1の量とは異なる、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記添加剤の前記第2の量が、前記添加剤の前記第1の量と同じである、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記固体有効医薬成分が、イブプロフェン、ドキシサイクリン一水和物、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジアゼパム、シプロフロキサシンHCl、アジスロマイシン、およびフルオキセチン塩酸塩からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記固体有効医薬成分が分注される第1の分注器と、前記添加剤が分注される第2の分注器との間で、前記キャリッジを動かすことをさらに含む、項目7に記載の方法。
(項目25)
前記キャリッジが、トラックに摺動可能に据え付けられ、前記トラックに沿って動かされる、項目7に記載の方法。
(項目26)
前記キャリッジが、アクチュエータによって前記トラックに沿って動かされる、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記分注ステップ、ブレンドステップ、および打錠ステップのうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に前記命令に応答して実施される、項目1に記載の方法。
(項目28)
前記第2の混合物が、10Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目1に記載の方法。
(項目29)
前記方法が、コントローラによって、第1の薬物タイプおよび第2の薬物タイプに関する命令を受け取ることと、
第2の固体有効医薬成分を分注することと
をさらに含み、前記第2の固体有効医薬成分は、前記固体有効医薬成分とは組成が異なる、
項目1に記載の方法。
(項目30)
前記固体有効医薬成分および前記添加剤が、複数の分注器から分注され、前記ブレンドすることが、ブレンダ内で実行され、前記複数の分注器および前記ブレンダが、フレームに結合されている、項目1に記載の方法。
(項目31)
摂取可能な医薬組成物を作製する方法であって、前記方法が、
コントローラによって、第1の錠剤投与量および第2の錠剤投与量に関する命令を受け取ることと、
第1の量の固体有効医薬成分を第1の分注器から分注することと、
第1の量の添加剤を第2の分注器から分注することと、
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤をブレンダ内でブレンドして、第1の混合物を形成することと、
前記第1の混合物から第1の錠剤を形成することと、
前記第2の分注器から第2の量の前記固体有効医薬成分を分注することと、
前記第2の分注器から第2の量の前記添加剤を分注することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤を前記ブレンダ内でブレンドして、第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物から第2の錠剤を形成することと
を含み、
前記第1の分注器、前記第2の分注器、および前記ブレンダが、前記フレームに結合されている、方法。
(項目32)
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を秤量することと、
前記第2の量の前記固体有効医薬成分および前記第2の量の前記添加剤を秤量することと
をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記第1の混合物が、10Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記第1の混合物が、1Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記第1の混合物が、500mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記第1の混合物が、200mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記第1の混合物が、100mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目31に記載の方法。
(項目38)
前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤が、キャリッジ内へ分注される、項目31に記載の方法。
(項目39)
前記方法が、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤が前記キャリッジ内にある間に、重量計によって、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を秤量することをさらに含み、前記キャリッジが前記重量計に結合されている、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記キャリッジによって、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を前記ブレンダへ搬送することをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記キャリッジによって、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を前記ブレンダへ搬送することをさらに含む、項目39に記載の方法。
(項目42)
前記キャリッジ内への材料の分注順序が、前記材料の粘着度によって決定され、最も粘着性の低い材料が、前記キャリッジ内へまず分注される、項目38に記載の方法。
(項目43)
前記第1の混合物の一部分を分注して、前記第1の錠剤を形成することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目44)
前記第1の混合物の前記第1の部分を圧縮して、前記第1の錠剤を形成することをさらに含む、項目42に記載の方法。
(項目45)
前記第1の錠剤を秤量することと、前記第2の錠剤を秤量することとをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目46)
前記キャリッジを傾斜させて、前記第1の量の前記固体有効医薬成分および前記第1の量の前記添加剤を前記キャリッジから出し、前記ブレンダに入れることをさらに含む、項目39に記載の方法。
(項目47)
前記ブレンドすることが、ブレンダによって実行され、前記ブレンダの一部分を開いて前記第1の混合物を解放することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目48)
前記第1の混合物を前記ブレンダから分注器へ動かすことをさらに含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記第2の錠剤投与量に関する命令が、前記第1の錠剤投与量に関する命令とは異なる時点で受け取られ、前記第2の量の前記固体有効医薬成分を分注する前記ステップが、前記第2の錠剤投与量に関する前記命令に応答してのものである、項目31に記載の方法。
(項目50)
前記固体有効医薬成分の前記第2の量が、前記固体有効医薬成分の前記第1の量とは異なる、項目31に記載の方法。
(項目51)
前記固体有効医薬成分の前記第2の量が、前記固体有効医薬成分の前記第1の量と同じである、項目31に記載の方法。
(項目52)
前記添加剤の前記第2の量が、前記添加剤の前記第1の量とは異なる、項目31に記載の方法。
(項目53)
前記添加剤の前記第2の量が、前記添加剤の前記第1の量と同じである、項目31に記載の方法。
(項目54)
前記固体有効医薬成分が、イブプロフェン、ドキシサイクリン一水和物、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジアゼパム、シプロフロキサシンHCl、アジスロマイシン、およびフルオキセチン塩酸塩からなる群から選択される、項目31に記載の方法。
(項目55)
前記固体有効医薬成分が分注される第1の分注器と、前記添加剤が分注される第2の分注器との間で、前記キャリッジを動かすことをさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目56)
前記キャリッジが、トラックに摺動可能に据え付けられ、前記トラックに沿って動かされる、項目38に記載の方法。
(項目57)
前記キャリッジが、アクチュエータによって前記トラックに沿って動かされる、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記分注ステップ、ブレンドステップ、および打錠ステップのうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に前記命令に応答して実施される、項目31に記載の方法。
(項目59)
前記第2の混合物が、10Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目31に記載の方法。
(項目60)
前記方法が、コントローラによって、第1の薬物タイプおよび第2の薬物タイプに関する命令を受け取ることと、
第2の固体有効医薬成分を分注することと
をさらに含み、前記第2の固体有効医薬成分は、前記固体有効医薬成分とは組成が異なる、
項目31に記載の方法。
(項目61)
摂取可能な医薬組成物を作製する方法であって、
コントローラによって、第1の薬物タイプおよび第2の薬物タイプに関する命令を受け取ることと、
第1の固体有効医薬成分を分注することと、
第1の添加剤を分注することと、
前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤をブレンドして、10L未満の体積を有する第1の混合物を形成することと、
前記第1の混合物から錠剤を形成することと、
第2の固体有効医薬成分を分注することであって、前記第2の固体有効医薬成分は前記第1の固体有効医薬成分とは組成が異なる、分注することと、
第2の添加剤を分注することと、
前記第2の固体有効医薬成分および前記第2の添加剤をブレンドして、第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物から錠剤を形成することと
を含む、方法。
(項目62)
前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤を秤量することと、
前記第2の固体有効医薬成分および前記第2の添加剤を秤量することと
をさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記第1の混合物が、1Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目61に記載の方法。
(項目64)
前記第1の混合物が、500mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目61に記載の方法。
(項目65)
前記第1の混合物が、200mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目61に記載の方法。
(項目66)
前記第1の混合物が、100mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目61に記載の方法。
(項目67)
前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤が、キャリッジ内へ分注される、項目61に記載の方法。
(項目68)
前記方法が、前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤が前記キャリッジ内にある間に、重量計によって、前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤を秤量することをさらに含み、前記キャリッジが前記重量計に結合されている、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記キャリッジによって、前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤を前記ブレンダへ搬送することをさらに含む、項目67に記載の方法。
(項目70)
前記キャリッジによって、前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤を前記ブレンダへ搬送することをさらに含む、項目68に記載の方法。
(項目71)
前記キャリッジ内への材料の分注順序が、前記材料の粘着度によって決定され、最も粘着性の低い材料が、前記キャリッジ内へまず分注される、項目67に記載の方法。
(項目72)
前記第1の錠剤を秤量することと、前記第2の錠剤を秤量することとをさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目73)
前記第1の固体有効医薬成分および前記第1の添加剤が、複数の分注器から分注され、前記ブレンドすることが、ブレンダ内で実行され、前記複数の分注器および前記ブレンダが、フレームに結合されている、項目61に記載の方法。
(項目74)
摂取可能な医薬組成物を作製するシステムであって、前記システムは、
複数の分注器と、
前記複数の分注器から分注された材料を秤量するように構成された第1の重量計と、
前記複数の分注器から分注された前記材料を受け取って混合し、第1の混合物を形成するように構成されたブレンダと
を備え、前記ブレンダが、10L未満の体積を有する混合容器を有する、システム。
(項目75)
前記混合容器が、1Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目74に記載のシステム。
(項目76)
前記混合容器が、500mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目74に記載のシステム。
(項目77)
混合容器前記ブレンダが、200mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目74に記載のシステムシステム。
(項目78)
前記混合容器が、100mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目74に記載の方法。
(項目79)
前記ブレンダから前記第1の混合物を受け取り、個別の量の前記第1の混合物を分注するように構成された2次分注器をさらに備える、項目74に記載のシステム。
(項目80)
前記2次分注器は、垂直に上下に動いて、前記個別の量の前記第1の混合物を分注するように構成される、項目79に記載のシステム。
(項目81)
前記2次分注器が、タッピング機構を介して動作するように構成される、項目80に記載のシステム。
(項目82)
前記第1の混合物の一部から錠剤を形成するように構成された錠剤ダイおよび錠剤プレスを含む打錠ユニットをさらに備える、項目74に記載のシステム。
(項目83)
前記複数の分注器から前記ブレンダへ材料を搬送するように構成されたキャリッジをさらに備える、項目74に記載のシステム。
(項目84)
前記システムがトラックおよび線形アクチュエータをさらに備え、前記キャリッジが、前記トラックに据え付けられ、前記線形アクチュエータによって前記トラックに沿って動かされるように構成される、項目83に記載のシステム。
(項目85)
前記キャリッジを前記第1の重量計に結合するアームをさらに備える、項目83に記載のシステム。
(項目86)
前記キャリッジが、前記アームに枢動可能に取り付けられている、項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記キャリッジを傾斜させるように構成された傾斜アクチュエータをさらに備える、項目86に記載のシステム。
(項目88)
前記第1の重量計が、ロードセルを備える、項目74に記載のシステム。
(項目89)
前記打錠ユニットからの錠剤を秤量するように位置決めされた第2の重量計をさらに備える、項目82に記載のシステム。
(項目90)
前記打錠ユニットは下部パンチを欠いている、項目82に記載のシステム。
(項目91)
前記システムがフレームをさらに備え、前記複数の分注器および前記第1の重量計が、前記フレームに結合されている、項目74に記載のシステム。
(項目92)
前記ブレンダが、前記フレームに結合されている、項目91に記載のシステム。
(項目93)
前記システムが、前記分注器のうちの少なくとも1つの中に複数のビーズをさらに備え、前記ビーズが、前記少なくとも1つの分注器の出口より大きいサイズを有する、項目74に記載のシステム。
(項目94)
摂取可能な医薬組成物を作製するシステムであって、
フレームと、
複数の分注器と、
前記複数の分注器から分注された材料を秤量するように構成された重量計と、
前記複数の分注器から分注された前記材料を受け取って混合し、第1の混合物を形成するように構成されたブレンダと
を備え、
前記複数の分注器、前記重量計、および前記ブレンダが、前記フレームに結合されている、システム。
(項目95)
前記ブレンダが、10Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する混合容器を有する、項目94に記載のシステム。
(項目96)
前記混合容器が、1Lに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目95に記載のシステム。
(項目97)
前記混合容器が、200mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目95に記載のシステムシステム。
(項目98)
前記混合容器が、100mLに等しいまたはそれ未満の体積を有する、項目95に記載の方法。
(項目99)
前記ブレンダから前記第1の混合物を受け取り、個別の量の前記第1の混合物を分注するように構成された2次分注器をさらに備える、項目94に記載のシステム。
(項目100)
前記2次分注器が、垂直に上下に動いて、前記個別の量の前記第1の混合物を分注するように構成される、項目99に記載のシステム。
(項目101)
前記2次分注器が、タッピング機構を介して動作するように構成される、項目100に記載のシステム。
(項目102)
前記第1の混合物の一部から錠剤を形成するように構成された錠剤ダイおよび錠剤プレスを含む打錠ユニットをさらに備える、項目94に記載のシステム。
(項目103)
前記複数の分注器から前記ブレンダへ材料を搬送するように構成されたキャリッジをさらに備える、項目94に記載のシステム。
(項目104)
前記システムがトラックおよび線形アクチュエータをさらに備え、前記キャリッジが、前記トラックに据え付けられ、前記線形アクチュエータによって前記トラックに沿って動かされるように構成される、項目103に記載のシステム。
(項目105)
前記キャリッジを前記第1の重量計に結合するアームをさらに備える、項目103に記載のシステム。
(項目106)
前記キャリッジが、前記アームに枢動可能に取り付けられている、項目105に記載のシステム。
(項目107)
前記キャリッジを傾斜させるように構成される傾斜アクチュエータをさらに備える、項目106に記載のシステム。
(項目108)
前記第1の重量計が、ロードセルを備える、項目94に記載のシステム。
(項目109)
前記打錠ユニットからの錠剤を秤量するように位置決めされた第2の重量計をさらに備える、項目102に記載のシステム。
(項目110)
前記打錠ユニットは下部パンチを欠いている、項目102に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
図31A
図31B