(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】付加部材貼付装置及びこれを備えた製本システム
(51)【国際特許分類】
B42C 9/02 20060101AFI20241028BHJP
B42C 19/00 20060101ALI20241028BHJP
B42C 11/04 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
B42C9/02
B42C19/00
B42C11/04
(21)【出願番号】P 2021072667
(22)【出願日】2021-04-22
【審査請求日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2020096844
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596025412
【氏名又は名称】株式会社ホリゾン
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】越智 優
(72)【発明者】
【氏名】福田 繁伸
(72)【発明者】
【氏名】谷内 知則
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-198394(JP,A)
【文献】特開2012-006369(JP,A)
【文献】特開平07-137864(JP,A)
【文献】特開2011-143547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 9/00
B42C 19/00
B42C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製本機に接続されて、前記製本機内の付加部材貼付け位置に停止した起立状態の本身の糊が塗布された背に、前記製本機外から付加部材を供給し、貼り付ける付加部材貼付装置であって、
前記付加部材の下面を支持しつつ前記付加部材を保持する保持ユニットと、
前記保持ユニットを、筐体の内部の後退位置と、前記筐体の外部の前進位置との間において運動させる第1の保持ユニット駆動機構と、
前記保持ユニットを、前記前進位置と、前記前進位置の上方の上昇位置との間において運動させる第2の保持ユニット駆動機構と、
を備え、
前記前進位置は、前記製本機内の前記付加部材貼付け位置に停止した前記本身の背の真下とされ、
前記上昇位置は、前記付加部材を前記本身の背に圧接させる位置とされている付加部材貼付装置。
【請求項2】
前記第1の保持ユニット駆動機構および前記第2の保持ユニット駆動機構を制御する制御部を備え、
前記制御部に対して、前記前進位置および前記上昇位置が入力される請求項1に記載の付加部材貼付装置。
【請求項3】
連続シート状の前記付加部材のロールを軸まわりに回転可能に収容したロール収容ユニットと、
前記ロール収容ユニットから前記連続シート状の付加部材を断裁ステーションまで巻き出す巻き出しユニットと、
前記断裁ステーションに配置され、前記巻き出しユニットによって巻き出された前記連続シート状の付加部材を前記本身のサイズに応じて断裁し、短冊状の付加部材を形成する断裁ユニットと、
前記短冊状の付加部材を前記断裁ステーションから前記後退位置にある前記保持ユニットに受け渡す受渡しユニットと、を備えている請求項1又は2に記載の付加部材貼付装置。
【請求項4】
前記保持ユニットおよび前記第1および第2の保持ユニット駆動機構と、前記断裁ユニットとが、前記断裁ユニットが上になる配置で上下2段に配置されている請求項3に記載の付加部材貼付装置。
【請求項5】
前記受渡しユニットは、
前記短冊状の付加部材を吸着する吸着ヘッドと、
前記吸着ヘッドを、前記断裁ステーションおよび前記保持ユニットの前記後退位置間において移動させる吸着ヘッド駆動機構と、を有している請求項4に記載の付加部材貼付装置。
【請求項6】
前記第1の保持ユニット駆動機構が、
少なくとも1本のスライドガイドと、
前記スライドガイドに取り付けられたスライダと、
前記スライドガイドに平行にのび、前記スライダに取り付けられ、後端において前記スライダのスライド方向を横切る水平軸のまわりに揺動可能とされ、先端に前記保持ユニットが取り付けられたアームと、
前記スライダを、前記保持ユニットが前記後退位置に配置される引っ込んだ位置と、前記保持ユニットが前記前進位置に配置される突出位置との間において運動させるスライダ駆動機構と、を有し、
前記第2の保持ユニット駆動機構が、
前記アームを、水平位置と、前記水平位置から下向きに傾斜した傾斜位置との間において揺動させるアーム駆動機構からなり、
前記スライダが前記突出位置にあって、かつ前記アームが前記水平位置をとるとき、前記保持ユニットが前記上昇位置をとる請求項5に記載の付加部材貼付装置。
【請求項7】
前記受渡しユニットの前記吸着ヘッド駆動機構は、
前記吸着ヘッドを、水平方向に、かつ前記第1の保持ユニット駆動機構の前記スライドガイドに沿って移動させる第1の吸着ヘッド駆動機構と、
前記吸着ヘッドを上下方向に移動させる第2の吸着ヘッド駆動機構と、
前記吸着ヘッドを、水平方向に、かつ前記スライドガイドに対し直角に移動させる第3の吸着ヘッド駆動機構と、を有している請求項6に記載の付加部材貼付装置。
【請求項8】
前記保持ユニットが、グリッパーを備えている請求項1~請求項7のいずれかに記載の付加部材貼付装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の付加部材貼付装置と、
前記付加部材貼付装置が接続された製本機と、
を備えている製本システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本機から独立して設けられ、製本機内の付加部材貼付け位置に停止した起立状態の本身の糊が塗布された背に、機外から付加部材を供給し、貼り付ける付加部材貼付装置及びこれを備えた製本システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒冷紗供給装置を備えた無線綴じ製本機が従来技術において知られている(例えば、特許文献1参照)。
この無線綴じ製本機は、本身を起立状態に挟持し、所定の経路に沿って移動し得るクランパと、経路に沿って配置されて無線綴じ製本処理を行う一連の処理ユニット(ミリングユニット、糊付けユニットおよび表紙付けユニット)と、経路上の一連の処理ユニットよりも上流側の本身供給位置において、クランパに本身を供給する本身供給ユニットを備えている。
【0003】
表紙付けユニットは、押圧板と、押圧板の上面に設けられた一対のニップ板とを有している。
表紙供給ユニットは、表紙が置かれる表紙載置棚と、表紙を表紙載置棚から表紙付けユニットの押圧板および一対のニップ板上に搬送する表紙搬送機構とを有している。
【0004】
製本処理が開始されると、表紙が、表紙搬送機構によって、表紙載置棚から表紙付けユニットの押圧板および一対のニップ板上に搬送される。
そして、クランパに挟持された本身が押圧板および一対のニップ板の上方の所定位置に到達し、停止したとき、押圧板および一対のニップ板がニップ位置まで上昇し、表紙が押圧板によって本身の背に押しつけられ、次いで一対のニップ板が本身の背の両側を挟持し、それによって表紙が本身の背の両側に押しつけられ、表紙が本身に貼着されて、製本物が完成する。
【0005】
こうして、この製本機によれば、並製本が実施可能である。
一方、この製本機が上製本(上製本の本身の形成)に使用される場合には、表紙供給ユニットは使用されず、代わりに、寒冷紗供給装置が使用される。
【0006】
寒冷紗供給装置は、本身の形状に応じて短冊状の寒冷紗を形成する寒冷紗形成ユニットと、短冊状の寒冷紗を寒冷紗形成ユニットから製本機の表紙付けユニットまで搬送し、表紙付けユニットの一対のニップ板上に、それらのニップ板を跨いだ状態で供給する搬送ユニットとを備えている。
【0007】
寒冷紗形成ユニットは、連続シート状の寒冷紗のロールと、ロールを回転させて連続シート状の寒冷紗を載置台上に送り出す駆動部と、駆動部によって送り出された連続シート状の寒冷紗を長さ方向および幅方向に断裁する第1および第2のカッターと、を備えている。
【0008】
第1のカッターは、連続シート状の寒冷紗の幅方向に移動可能とされ、本身の厚さに応じて、寒冷紗を長さ方向に切断する。また、第2のカッターは、第1のカッターによって断裁されて載置台上に位置決めされた寒冷紗を、本身の天地方向の長さに応じて、幅方向に断裁する。
【0009】
搬送ユニットは、載置台上の短冊状の寒冷紗を吸着する吸着治具と、載置台から表紙付けユニットまでのびるレールとを有している。レールは、載置台の上方から、表紙付けユニットの押圧板および一対のニップ板の上方に停止したクランパに挟持された本身の上方までのびており、吸着治具がレールに対し、当該レールに沿って移動可能に取り付けられている。
【0010】
この製本機において上製本の本身が形成されるとき、まず、寒冷紗供給装置の寒冷紗形成ユニットにおいて、本身のサイズに応じた短冊状の寒冷紗が形成される。次いで、この短冊状の寒冷紗は、寒冷紗供給装置の搬送ユニットによって、無線綴じ製本機の表紙付けユニットの一対のニップ板上に、それらのニップ板を跨いだ状態で供給される。
【0011】
その後、無線綴じ製本機の本身供給位置において、本身がクランパに供給され、本身を挟持したクランパが、ミリングユニットおよび糊付けユニットを経て、表紙付けユニットの押圧板および一対のニップ板の上方の所定位置に到達し、停止する。
【0012】
そして、押圧板および一対のニップ板が上昇し、短冊状の寒冷紗が押圧板によって本身の背に押しつけられ、次いで一対のニップ板が本身の背の両側を挟持し、それによって短冊状の寒冷紗が本身の背の両側に押しつけられ、短冊状の寒冷紗が本身の背に貼り付けられる。
【0013】
こうして、この寒冷紗供給装置を備えた無線綴じ製本機によれば、本身のサイズに応じた短冊状の寒冷紗を形成して、本身の背に張り付けることができるので、サイズが異なる複数の本身を上製本する場合にも迅速に対応し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、この構成によれば、寒冷紗供給装置を備えていない無線綴じ製本機を所有するユーザーは、上製本の本身の形成のために新たな無線綴じ製本機を購入しなければならず、多大なコストの負担を強いられていた。
【0016】
また、寒冷紗供給装置が大掛かりな構造を有し、そのため、無線綴じ製本機が大型化し、広い設置スペースが必要になるという問題があった。
【0017】
したがって、本発明の課題は、並製本用の製本機に容易に後付けができる寒冷紗等の付加部材の供給および貼付けを行う付加部材貼付装置及びこれを備えた製本システムを提供することにある。
また、本発明の別の課題は、寒冷紗等の付加部材の供給および貼付けを行う付加部材貼付装置及びこれを備えた製本システムをコンパクト化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、製本機に接続されて、前記製本機内の付加部材貼付け位置に停止した起立状態の本身の糊が塗布された背に、機外から付加部材を供給し、貼り付ける付加部材貼付装置であって、前記付加部材の下面を支持しつつ前記付加部材を保持する保持ユニットと、前記保持ユニットを、筐体の内部の後退位置と、前記筐体の外部の前進位置との間において運動させる第1の保持ユニット駆動機構と、前記保持ユニットを、前記前進位置と、前記前進位置の上方の上昇位置との間において運動させる第2の保持ユニット駆動機構と、を備え、前記前進位置は、前記製本機内の前記付加部材貼付け位置に停止した前記本身の背の真下とされ、前記上昇位置は、前記付加部材を前記本身の背に圧接させる位置とされている付加部材貼付装置が提供される。
【0019】
本発明の好ましい一態様によれば、連続シート状の付加部材のロールを軸まわりに回転可能に収容したロール収容ユニットと、前記ロール収容ユニットから前記連続シート状の付加部材を断裁ステーションまで巻き出す巻き出しユニットと、前記断裁ステーションに配置され、前記巻き出しユニットによって巻き出された前記連続シート状の付加部材を前記本身のサイズに応じて断裁し、短冊状の付加部材を形成する断裁ユニットと、前記短冊状の付加部材を前記断裁ステーションから前記後退位置にある前記保持ユニットに受け渡す受渡しユニットと、を備えている付加部材貼付装置が提供される。
【0020】
本発明の好ましい一態様によれば、付加部材貼付装置は、前記第1の保持ユニット駆動機構および前記第2の保持ユニット駆動機構を制御する制御部を備え、前記制御部に対して、前記前進位置および前記上昇位置が入力される。
【0021】
本発明の好ましい一態様によれば、前記保持ユニットおよび前記第1および第2の保持ユニット駆動機構と、前記断裁ユニットとが、前記断裁ユニットが上になる配置で上下2段に配置されている。
【0022】
本発明の別の好ましい一態様によれば、前記受渡しユニットは、前記短冊状の付加部材を吸着し得る吸着ヘッドと、前記吸着ヘッドを、前記断裁ステーションおよび前記保持ユニットの前記後退位置間において移動させる吸着ヘッド駆動機構と、を有している。
【0023】
本発明のさらに別の好ましい一態様によれば、前記第1の保持ユニット駆動機構が、少なくとも1本のスライドガイドと、前記スライドガイドに取り付けられたスライダと、前記スライドガイドに平行にのび、前記スライダに取り付けられ、後端において前記スライダのスライド方向を横切る水平軸のまわりに揺動可能とされ、先端に前記保持ユニットが取り付けられたアームと、前記スライダを、前記保持ユニットが前記後退位置に配置される引っ込んだ位置と、前記保持ユニットが前記前進位置に配置される突出位置との間において運動させるスライダ駆動機構と、を有し、前記第2の保持ユニット駆動機構が、前記アームを、水平位置と、前記水平位置から下向きに傾斜した傾斜位置との間において揺動させるアーム駆動機構からなり、前記スライダが前記突出位置にあって、かつ前記アームが前記水平位置をとるとき、前記保持ユニットが前記上昇位置をとる。
【0024】
本発明のさらに別の好ましい一態様によれば、前記受渡しユニットの前記吸着ヘッド駆動機構は、前記吸着ヘッドを、水平方向に、かつ前記第1の保持ユニット駆動機構の前記スライドガイドに沿って移動させる第1の吸着ヘッド駆動機構と、前記吸着ヘッドを上下方向に移動させる第2の吸着ヘッド駆動機構と、前記吸着ヘッドを、水平方向に、かつ前記スライドガイドに対し直角に移動させる第3の吸着ヘッド駆動機構と、を有している。
【0025】
本発明のさらに別の好ましい一態様によれば、前記保持ユニットが、グリッパーを備えている。
【0026】
本発明の一態様に係る製本システムは、上記のいずれかに記載の付加部材貼付装置と、前記付加部材貼付装置が接続された製本機と、を備えている。
【発明の効果】
【0027】
保持ユニットの前進位置が製本機内の付加部材貼付け位置に停止した本身の背の真下にあり、かつ保持ユニットが上昇位置において付加部材を本身の背に圧接させる配置で、製本機に接続される。そして、保持ユニットが、後退位置において受け渡された短冊状の付加部材を保持して、後退位置から前進位置まで動いた後、前進位置から上昇位置まで上昇し、上昇位置において保持を解除し、その後、上昇位置から前進位置まで下降することによって、短冊状の付加部材が本身の背に貼り付けられる。
【0028】
こうして、短冊状の付加部材をその下面を支持しつつ保持し、筐体の内部の後退位置と、筐体の外部の前進位置との間で移動し、かつ、上下方向に、前進位置と、前進位置の上方の上昇位置との間で移動する保持ユニットを備え、そして、本身のサイズに応じて形成した短冊状の付加部材を、保持ユニットによって、製本機の機外から機内の付加部材貼付け位置に停止した本身まで移送し、本身の背に貼り付けるようにした。
【0029】
それによって、付加部材の供給および貼付け付加部材貼付装置を製本機から独立した装置とすることができ、製本機に機外から機内の付加部材貼付け位置にアクセスするための開口部を設けるだけで、本発明の付加部材貼付装置を製本機に容易に接続し、機内の付加部材貼付け位置に停止した本身の背に、本身のサイズに応じた短冊状の付加部材を機外から供給して貼り付けることができる。
【0030】
そして、ユーザーは、上製本の本身を形成する機能を備えた製本機を新たに購入せずとも、既存の並製本用の製本機に本発明の付加部材貼付装置を後付けすることによって、上製本の本身を形成することができる。
【0031】
さらに、断裁ユニットと、保持ユニットおよび第1および第2の保持ユニット駆動機構(付加部材を製本機内の本身の背まで移送して貼り付ける機構)とを上下2段に配置して、スペースの有効利用を図るようにした。それによって、付加部材貼付装置のコンパクト化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態による製本システムを示し、付加部材貼付装置の内部の構成を概略的に示す側面図である。
【
図2】
図1の付加部材貼付装置のグリッパー、および第1および第2のグリッパー駆動機構の平面図である。
【
図3A】
図2のグリッパー、および第1および第2のグリッパー駆動機構を示し、グリッパーが後退位置とされた
図2のY-Y線に沿った断面図である。
【
図3B】
図3Aに対してグリッパーが前進位置とされた断面図である。
【
図4A】
図2のグリッパー、および第1および第2のグリッパー駆動機構を示し、グリッパー12が上昇位置とされた
図2のY-Y線に沿った断面図である。
【
図4B】
図4Aに対してグリッパーが上昇位置で把持部を解除した断面図である。
【
図5】
図1の付加部材貼付装置の受渡しユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成を好ましい実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による、本身の背に付加部材を供給し、貼り付ける付加部材貼付装置の内部の構成を概略的に示す側面図である。
【0034】
図1には、製本機Mと付加部材貼付装置1とを備えた製本システムが示されており、付加部材貼付装置1は製本機Mに接続されている。また、明瞭のために、
図1では、受渡しユニット(構成の詳細は後述する)を代表して、受渡しユニットの吸着ヘッドのみが描いてある。
【0035】
付加部材貼付装置1は、筐体52内に、連続シート状の付加部材Qのロール2を水平軸のまわりに回転可能に収容したロール収容ユニット3と、ロール収容ユニット3から連続シート状の付加部材Qを断裁ステーション4まで巻き出す巻き出しユニット5とを備えている。巻き出しユニット5の動作は、制御部50によって制御される。
【0036】
ここで、「付加部材」とは、上製本の工程において本身の背に貼り付けられるシート状の部材をいい、例えば、寒冷紗および紙等が挙げられる。
【0037】
巻き出しユニット5は、それぞれ水平軸のまわりに回転駆動され得る一対の巻き出しローラ5a、5bからなっている。
また、一対の巻き出しローラ5a、5bとロール収容ユニット3の間には、ガイドローラ6aおよび一対のガイドローラ6b、6cが配置され、それぞれ水平軸まわりに回転自在になっている。なお、一対のガイドローラ6b、6cは、一対の巻き出しローラ5a、5bの送り方向と反対の方向に逆転トルクが加わるように駆動力を与えるようにしても良い。これにより、付加部材Qに対して張力を加えることができる。付加部材Qを巻き出しているときは、一対のガイドローラ6b、6cは逆転トルクを与えつつ付加部材Qとの摩擦によって搬送方向に連れ回りする。ただし、付加部材Qの巻き出しが停止されているときは、一対のガイドローラ6b、6cの逆転トルクも停止される。
【0038】
そして、ロール2から巻き出された連続シート状の付加部材Qは、ガイドローラ6aの周面の一部、および一対のガイドローラ6b、6c間を経て、一対の巻き出しローラ5a、5b間に導入される。そして、制御部50の指令によって、一対の巻き出しローラ5a、5bが回転駆動されるたびに、連続シート状の付加部材Qの所定長がロール2から断裁ステーション4に巻き出される。断裁ステーション4は筐体52内に設けられている。
【0039】
また、一対のガイドローラ6b、6cと一対の巻き出しローラ5a、5bとの間には、連続シート状の付加部材Qのカールを矯正するカール取り器7が配置されている。
【0040】
付加部材貼付装置1は、また、断裁ステーション4に配置され、巻き出しユニット5によって巻き出された連続シート状の付加部材Qを本身Bのサイズに応じて断裁し、短冊状の付加部材Sを形成する断裁ユニット8を備えている。
【0041】
断裁ユニット8は、断裁ステーション4の入口に配置され、巻き出しユニット5によって本身Bの厚さに応じた長さだけ巻き出された連続シート状の付加部材Qを巻き出し方向(矢印Xで示す)を横切る方向に断裁する第1のカッター9と、第1のカッター9から断裁された付加部材を巻き出し方向(矢印X)に搬出する搬送機構10と、搬送機構10の搬送路の途中に配置され、搬送路上を搬送される断裁された付加部材を巻き出し方向(矢印X)に断裁する第2のカッター11とを有している。第1のカッター9、搬送機構10及び第2のカッター11の動作は、制御部50によって制御される。
【0042】
第1のカッター9は、巻き出し方向(矢印X)を横切ってのびる直線刃9aを有し、第2のカッター11は、巻き出し方向(矢印X)を横切る軸のまわりに回転し得る一対のロール刃11a、11bを有している。
そして、第2のカッター11の一対のロール刃11a、11bの位置が、本身Bの天地方向の長さに応じて巻き出し方向(矢印X)を横切る方向に調節可能になっている。
【0043】
断裁ユニット8は、さらに、搬送機構10の搬送路の下流端において搬送路を横切ってのび、第2のカッター11から搬出される短冊状の付加部材Sの先端を当接させることで、短冊状の付加部材Sを停止させるストッパー10aを有している。
【0044】
付加部材貼付装置1は、また、短冊状の付加部材Sの下面を支持しつつ短冊状の付加部材Sを把持し得るグリッパー(保持ユニット)12を備えている。付加部材貼付装置1は、グリッパー12を、筐体52の内部の後退位置と、筐体52の外部の前進位置との間において運動させる第1のグリッパー駆動機構(第1の保持ユニット駆動機構)13と、グリッパー12を、前進位置と、前進位置の上方となる上昇位置との間において運動させる第2のグリッパー駆動機構(第2の保持ユニット駆動機構)14とを備えている。第1のグリッパー駆動機構13及び第2のグリッパー駆動機構14の動作は、制御部50によって制御される。
【0045】
そして、グリッパー12および第1および第2のグリッパー駆動機構13、14と、断裁ユニット8とは、断裁ユニット8が上になる配置で上下2段に配置されている。
グリッパー12は、後退位置となるときには筐体52内に位置し、前進位置となるときには筐体52の外部に進出する。
第1のグリッパー駆動機構13は、主要部が筐体52内に配置され、前進位置となるときは先端側が筐体52の外部へ突出する。
第2のグリッパー駆動機構14は、筐体52の外部の近傍に設けられている。したがって、
図1に示すように、製本機Mに対して付加部材貼付装置1が接続されたときは、第2のグリッパー駆動機構14は製本機Mの内部に位置することとなる。ただし、第2のグリッパー駆動機構14を筐体52内に設けることとしても良い。
【0046】
図2は、
図1の付加部材貼付装置1のグリッパー12、および第1および第2のグリッパー駆動機構13,14の平面図である。また、
図3A,Bおよび
図4A,Bは、
図2のグリッパー12、および第1および第2のグリッパー駆動機構13,14の動作を説明する、
図2のY-Y線に沿った断面図である。
【0047】
グリッパー12は、短冊状の付加部材Sを把持する把持部12gを備えている。把持部12gは、短冊状の付加部材Sが載置されるグリッパー12の載置面に対して接近離間可能とされており、載置面との間で付加部材Sを挟むことによって付加部材Sを一時的に固定する。把持部12gの動作は、制御部50によって制御される。
【0048】
図2~
図4Bを参照して、第1のグリッパー駆動機構13は、筐体52の内部から外部に向けて下向きに傾斜してのびる少なくとも1本(この実施例では、2本)のスライドガイド15と、スライドガイド15に取り付けられたスライダ16と、スライドガイド15に平行にのび、スライダ16の上面に取り付けられ、後端縁17bを支軸として揺動可能とされ、先端17aにグリッパー12が取り付けられた平板状のアーム17と、スライダ16を、グリッパー12が後退位置に配置される引っ込んだ位置(
図1、
図3A参照)と、グリッパー12が前進位置に配置される突出位置(
図3B参照)との間において運動させるスライダ駆動機構18とを有している。
【0049】
アーム17のスライダ16への取付けは、アーム17の両側に前後方向に間隔をあけて設けられた各一対の貫通穴に挿通されて、スライダ16に固定された各一対のフランジ付きピン16a、16bと、各一対のフランジ付きピン16a、16bのうちの前側のフランジ付きピン16aのフランジおよびアーム17間に配置された圧縮バネ16cと、各一対のフランジ付きピン16a、16bのうちの後ろ側のフランジ付きピン16bのフランジおよびアーム17間に配置された圧縮バネ16dとによってなされ、前側の圧縮バネ16cが後ろ側の圧縮バネ16dよりも小さい弾性係数を有している。
【0050】
スライダ駆動機構18は、スライドガイド15に平行にのび、定位置において軸回りに回転可能に配置されたボールねじ19と、スライダ16に設けられ、ボールねじ19と係合したボールねじナット20と、ボールねじ19を軸まわりに回転させるボールねじ駆動機構21とを有している。
【0051】
ボールねじ駆動機構21は、ボールねじ19の後端側において、駆動軸がボールねじ19に平行になるように配置されたモータ21aと、モータ21aの駆動軸に固定されたプーリー21bと、ボールねじ19の後端に固定されたプーリー21cと、プーリー21bおよびプーリー21c間に掛け渡されたエンドレスベルト21dとからなっている。
【0052】
そして、ボールねじ19がボールねじ駆動機構21(モータ21a)によって正逆回転せしめられることによって、スライダ16がスライドガイド15に沿ってスライドする。
【0053】
第2のグリッパー駆動機構14は、アーム17を、アーム17の後端縁17b(支軸)のまわりに、水平位置(
図4A参照)と、水平位置から下向きに傾斜した(スライドガイド15に平行にのびる)傾斜位置(
図3B参照)との間において揺動させるアーム駆動機構からなっている。
【0054】
アーム駆動機構は、スライダ16の突出位置よりも前方でかつアーム17の下側に配置されて、上下方向にのびるエアシリンダ22からなり、エアシリンダ22のピストンロッド22aの先端に、水平な支持軸22bが取り付けられて搬送路を横切る方向にのび、支持軸22bの両端には、ローラ22cが支持軸22bのまわりに回転自在に取り付けられている。
【0055】
そして、エアシリンダ22のピストンロッド22aが、ローラ22cがアーム17の傾斜位置の下方に引っ込む第1の位置と、ローラ22cがアーム17の傾斜位置から上方に突出する第2の位置との間において往復運動する。
【0056】
こうして、エアシリンダ22のピストンロッド22aは常時は第1の位置にあるが、スライダ16が突出位置をとったとき、ピストンロッド22aが第1の位置から第2の位置まで運動し、それによって、アーム17は傾斜位置から水平位置まで揺動する。次いで、ピストンロッド22aが第2の位置から第1の位置に戻り、それによって、アーム17は水平位置から傾斜位置まで揺動する。
【0057】
付加部材貼付装置1は、さらに、短冊状の付加部材Sを断裁ステーション4から後退位置にあるグリッパー12に受け渡す受渡しユニット23を有している。受渡しユニット23の動作は、制御部50によって制御される。
【0058】
図5は、受渡しユニットの正面図(
図1の矢印X方向に見た図)である。
図5に示すように、受渡しユニット23は、短冊状の付加部材Sを吸着し得る吸着ヘッド24と、吸着ヘッド24を、断裁ステーション4およびグリッパー12の後退位置間において移動させる吸着ヘッド駆動機構25とを有している。
【0059】
吸着ヘッド24は、複数のサクションカップ24aと、各サクションカップ24aに吸着力を生じさせる負圧発生部24bとを有している。
【0060】
吸着ヘッド駆動機構25は、水平方向に、かつ第1のグリッパー駆動機構13のスライドガイド15に沿ってのびる第1のスライドガイド25aと、第1のスライドガイド25aに取り付けられた第1のスライダ25bと、第1のスライドガイド25aに平行にのび、定位置において軸回りに回転可能に配置された第1のボールねじ25cと、第1のスライダ25bに取り付けられ、第1のボールねじ25cに係合した第1のボールねじナット25dと、第1のボールねじ25cを回転させる第1の回転駆動機構25eとを有している。
【0061】
吸着ヘッド駆動機構25は、また、第1のスライダ25bに取り付けられて、上下方向にのびる第2のスライドガイド25fと、第2のスライドガイド25fに取り付けられた第2のスライダ25gと、第1のスライダ25bに取り付けられて第2のスライドガイド25fに平行にのび、定位置において軸回りに回転し得る第2のボールねじ25hと、第2のスライダ25gに取り付けられ、第2のボールねじ25hに係合した第2のボールねじナット25iと、第1のスライダ25bに取り付けられて第2のボールねじ25hを回転させる第2の回転駆動機構25jとを有している。
【0062】
吸着ヘッド駆動機構25は、さらに、第2のスライダ25gに取り付けられて、水平方向に、かつ第1のスライドガイド25aに直角にのびる第3のスライドガイド25kと、第3のスライドガイド25kに取り付けられた第3のスライダ25mと、第2のスライダ25gに取り付けられ、駆動軸(図示されない)が第1のスライドガイド25aに平行にのびるモータ25nと、第2のスライダ25gに取り付けられ、モータ25nの駆動軸に平行な軸のまわりに回転し得るプーリー25pと、モータ25nの駆動軸に取り付けられたプーリー(図示されない)およびプーリー25p間に掛け渡され、第3のスライダ25mが固定されたエンドレスベルト25qとを有している。
【0063】
そして、吸着ヘッド24が、複数のサクションカップ24aがそれぞれ下向き状態で、第3のスライドガイド25kに沿って一直線上に並ぶ配置で、第3のスライダ25mに取り付けられている。
【0064】
こうして、第1のボールねじ25cが第1の回転駆動機構25eによって正逆回転せしめられることによって、吸着ヘッド24が断裁ステーション4または後退位置にあるグリッパー12に対して近接または離間する向きに移動し、また、第2のボールねじ25hが第2の回転駆動機構25jによって正逆回転せしめられることによって、吸着ヘッド24が昇降し、また、エンドレスベルト25qがモータ25nによって正逆回転せしめられることによって、吸着ヘッド24が短冊状の付加部材Sの長さ方向に移動する。
【0065】
制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0066】
次に、付加部材貼付装置1の動作について説明する。
再び
図1を参照して、付加部材貼付装置1は、グリッパー12の前進位置が製本機M内の付加部材貼付け位置Pに停止した本身Bの背の真下にあり、かつグリッパー12が上昇位置において短冊状の付加部材Sを本身Bの背に圧接させる配置で、製本機Mに接続される。
【0067】
このとき、付加部材貼付装置1側に予め設定された基準位置(例えば、付加部材Rの第2のカッター11によって切り落とされる側と反対側の端の位置)と、製本機M側に予め設定された基準位置(例えば、付加部材貼付け位置Pに停止したクランパKに挟持された本身Bの進行方向先端側の端の位置)とが整合するように調節がなされる。
【0068】
また、断裁ユニット8のストッパー10aの位置が調節されて、ストッパー10aによって停止せしめられた短冊状の付加部材Sが、製本機Mの付加部材貼付け位置Pに停止した本身Bの背にほぼ平行に配置されるように設定される。
【0069】
なお、この実施形態では、製本機Mは無線綴じ製本機からなり、付加部材貼付け位置Pは無線綴じ製本機の表紙付け位置(表紙付けユニットFの押圧板f1および一対のニップ板f2、f3の真上の位置)からなっており、この位置に、本身Bを直立状態に挟持したクランパKが停止する。
【0070】
付加部材貼付装置1の運転に先立って、本身Bの天地方向の長さおよび厚さがコントロールパネル(図示されない)を通じて付加部材貼付装置1の制御部50に入力され、その入力値に基づいて付加部材貼付装置1の初期設定がなされ、その後、付加部材貼付装置1の運転が開始される。
【0071】
そして、連続シート状の付加部材Qが、巻き出しユニット5によって、本身Bの厚さに対応する長さだけ断裁ステーション4に引き出されるたびに、第1のカッター9が動作し、連続シート状の付加部材Qがその幅方向に断裁される。
【0072】
第1のカッター9によって断裁された付加部材は、搬送機構10によって搬送されながら、第2のカッター11によって、本身Bの天地方向の長さに対応する長さに断裁され、短冊状の付加部材Sが形成される。短冊状の付加部材Sは、さらに第2のカッター11の下流側に搬送され、ストッパー10aに当接して搬送路上に停止する。
【0073】
その後、短冊状の付加部材Sは、吸着ヘッド24(受渡しユニット23)によって断裁ステーション4(搬送機構10の搬送路の下流端)から後退位置にあるグリッパー12まで搬送され、グリッパー12に受け渡される(
図3A参照)。
【0074】
この搬送の間に、吸着ヘッド24は、付加部材貼付装置1の制御部50に予め入力された本身Bの天地方向の長さおよび短冊状の付加部材Sの長さに基づき、短冊状の付加部材Sが本身Bの背の長さ方向に位置合わせすべく、本身Bの天地方向に移動する。
【0075】
こうして、短冊状の付加部材Sが、吸着ヘッド24によって、本身Bの背の長さ方向に位置合わせされた状態でグリッパー12に受け渡される。
【0076】
次に、アーム17が傾斜位置に維持されたままでスライダ16が製本機Mに向けてスライドし、グリッパー12が、短冊状の付加部材Sを把持した状態で前進位置をとる(
図3B参照)。
【0077】
このとき、付加部材貼付装置1の制御部50に予め入力された本身Bの厚さおよび短冊状の付加部材Sの厚さに基づき、短冊状の付加部材Sが本身Bの背の厚さ方向に位置合わせすべく、グリッパー12が後退位置から前進する距離が調節される。
それによって、グリッパー12が前進位置をとるとき、短冊状の付加部材S(グリッパー12)は、付加部材貼付け位置Pに停止した本身Bの糊が塗布された背の真下にある。
【0078】
次いで、アーム17が傾斜位置から水平位置まで揺動し、よって、グリッパー12が前進位置から上昇位置に移動する(
図4A参照)。それによって、短冊状の付加部材Sが本身Bの背に貼り付けられる。そして、グリッパー12が短冊状の付加部材Sの把持を把持部12gの動作によって解除した後(
図4B参照)、アーム17が水平位置から傾斜位置まで揺動し、付加部材の貼り付けが完了する。
その後、スライダ16が付加部材貼付装置1側に向けて移動して、グリッパー12が後退位置をとり、次の短冊状の付加部材Sが吸着ヘッド24によってグリッパー12に受け渡される(
図3A参照)。
グリッパー12が後退位置をとった後に、製本機Mの表紙付けユニットFの押圧板f1および一対のニップ板f2、f3によって付加部材Sを押し付けて本身Bの背固めが行われる。
【0079】
こうして、本実施形態によれば、短冊状の付加部材Sをその下面を支持しつつ把持し、筐体52の内部の後退位置と、筐体52の外部の前進位置との間で移動し、かつ、前進位置と、前進位置の上方の上昇位置との間で移動するグリッパー12を備え、そして、本身Bのサイズに応じて形成した短冊状の付加部材Sを、グリッパー12によって、製本機Mの機外から機内の付加部材貼付け位置Pに停止した本身Bまで移送し、本身Bの背に貼り付けるようにした。
【0080】
それによって、付加部材貼付装置1を製本機Mから独立した装置とすることができ、製本機Mに機外から機内の付加部材貼付け位置Pにアクセスするための開口部を設けるだけで、付加部材貼付装置1を製本機Mに容易に接続し、機内の付加部材貼付け位置Pに停止した本身Bの背に、本身Bのサイズに応じた短冊状の付加部材Sを機外から供給して貼り付けることができる。
【0081】
そして、ユーザーは、上製本の本身を形成する機能を備えた製本機Mを新たに購入せずとも、既存の並製本用の製本機Mに付加部材貼付装置1を後付けすることによって、上製本の本身を形成することができる。
【0082】
さらに、本実施形態によれば、断裁ユニット8と、グリッパー12および第1および第2のグリッパー駆動機構13、14(付加部材を製本機内の本身の背まで移送して貼り付ける機構)とを上下2段に配置して、スペースの有効利用を図るようにした。それによって、付加部材貼付装置1のコンパクト化が実現できる。
【0083】
以上、本発明の構成を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明の構成は上記実施形態に限定されず、当業者が添付の特許請求の範囲に記載した構成の範囲内で種々の変形例を案出し得ることは言うまでもない。
【0084】
例えば、上記実施形態では、短冊状の付加部材Sを把持するグリッパー12を備えたが、グリッパー12の代わりに、短冊状の付加部材Sの下面を支持しつつ、短冊状の付加部材Sを保持し得る公知の任意のユニット(吸着機能を備えたユニット等)を用いることができる。
【符号の説明】
【0085】
1 付加部材貼付装置
2 ロール
3 ロール収容ユニット
4 断裁ステーション
5 巻き出しユニット
5a、5b 巻き出しローラ
6a、6b、6c ガイドローラ
7 カール取り器
8 断裁ユニット
9 第1のカッター
9a 直線刃
10 搬送機構
10a ストッパー
11 第2のカッター
11a、11b ロール刃
12 グリッパー(保持ユニット)
12g 把持部
13 第1のグリッパー駆動機構(第1の保持ユニット駆動機構)
14 第2のグリッパー駆動機構(第2の保持ユニット駆動機構)
15 スライドガイド
16 スライダ
16a、16b フランジ付きピン
16c、16d 圧縮バネ
17 アーム
17a 先端
17b 後端縁
18 スライダ駆動機構
19 ボールねじ
20 ボールねじナット
21 ボールねじ駆動機構
21a モータ
21b、21c プーリー
21d エンドレスベルト
22 エアシリンダ(アーム駆動機構)
22a ピストンロッド
22b 支持軸
22c ローラ
23 受渡しユニット
24 吸着ヘッド
24a サクションカップ
24b 負圧発生部
25 吸着ヘッド駆動機構
25a 第1のスライドガイド
25b 第1のスライダ
25c 第1のボールねじ
25d 第1のボールねじナット
25e 第1の回転駆動機構
25f 第2のスライドガイド
25g 第2のスライダ
25h 第2のボールねじ
25i 第2のボールねじナット
25j 第2の回転駆動機構
25k 第3のスライドガイド
25m 第3のスライダ
25n モータ
25p プーリー
25q エンドレスベルト
50 制御部
52 筐体
B 本身
F 表紙付けユニット
f1 押圧板
f2、f3 ニップ板
K クランパ
M 製本機
P 付加部材貼付け位置
Q 連続シート状の付加部材
S 短冊状の付加部材