(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241028BHJP
【FI】
A63F5/04 631
A63F5/04 661
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2021165813
(22)【出願日】2021-10-07
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下岡 藍人
【審査官】温井 脩市
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-178435(JP,A)
【文献】特開2012-081002(JP,A)
【文献】特開2017-080169(JP,A)
【文献】特開2021-079024(JP,A)
【文献】特開2007-325733(JP,A)
【文献】特開2002-355363(JP,A)
【文献】特開2017-029514(JP,A)
【文献】特開2005-102748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技状態を制御可能な制御手段を有する遊技機において、
第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを含む複数の遊技状態の制御を実行可能な遊技状態制御手段と、
停止操作手段への停止操作に基づいて第1図柄及び第2図柄を含む複数の図柄のうち所定の図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、
を備え、
前記図柄表示手段は、
第1のタイミングで前記停止操作が行われた場合に前記第1図柄を停止表示可能であり、
第2のタイミングで前記停止操作が行われた場合に前記第2図柄を停止表示可能であり、
前記制御手段は、
前記第1特定遊技状態において前記第1図柄が停止表示された場合に前記特別遊技状態を発生させるための特定制御を実行可能である一方、前記第1特定遊技状態において前記第2図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行しないように制御可能であり、
前記第2特定遊技状態において前記第2図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行可能である一方、前記第2特定遊技状態において前記第1図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行しないように制御可能であり、
前記遊技状態制御手段は、前記停止操作に関連して、前記第1特定遊技状態又は前記第2特定遊技状態を発生可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定制御により付与される所定のポイントを記憶可能な記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶されるポイントの数に基づいて前記特別遊技状態を発生させるか否かを制御可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1図柄を停止表示可能なゲームは、前記第2図柄を停止表示可能なゲームよりも出現頻度が多くなるように制御され、
前記第2のタイミングは、前記第1のタイミングよりも少ない時間で構成され、
前記制御手段は、前記第1図柄が停止表示された場合よりも前記第2図柄が停止表示された場合の方が遊技者に有利となるように前記特定制御を実行可能である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
所定の情報を報知可能な報知手段を備え、
前記報知手段は、
前記第1特定遊技状態において前記第1図柄を停止表示可能なゲームが実行される場合に前記第1図柄を停止表示させることを促す第1情報を報知可能である一方、前記第1特定遊技状態において前記第2図柄を停止表示可能なゲームが実行される場合に前記第1情報を報知しないように制御可能であり、
前記第2特定遊技状態において前記第2図柄を停止表示可能なゲームが実行される場合に前記第2図柄を停止表示させることを促す第2情報を報知可能である一方、前記第2特定遊技状態において前記第1図柄を停止表示可能なゲームが実行される場合に前記第2情報を報知しないように制御可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記図柄表示手段は、第3のタイミングで前記停止操作が行われた場合に第3図柄を停止表示可能であり、
前記制御手段は、
前記第1特定遊技状態において前記第3図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行可能であり、
前記第2特定遊技状態において前記第3図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技状態制御手段は、実行されたゲーム数に基づいて、前記第1特定遊技状態又は前記第2特定遊技状態を発生可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、所望の図柄を狙って好適なタイミングで各停止ボタンを停止操作する際に1コマのずれもなく図柄が有効ライン上に停止するように停止ボタンを操作する、所謂ビタ押しの成功により遊技者に有利な特典を付与する遊技機が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技機は、遊技者に有利な特別遊技状態を制御可能な制御手段を有する遊技機において、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを含む複数の遊技状態の制御を実行可能な遊技状態制御手段と、停止操作手段への停止操作に基づいて第1図柄及び第2図柄を含む複数の図柄のうち所定の図柄を停止表示可能な図柄表示手段と、を備え、前記図柄表示手段は、第1のタイミングで前記停止操作が行われた場合に前記第1図柄を停止表示可能であり、第2のタイミングで前記停止操作が行われた場合に前記第2図柄を停止表示可能であり、前記制御手段は、前記第1特定遊技状態において前記第1図柄が停止表示された場合に前記特別遊技状態を発生させるための特定制御を実行可能である一方、前記第1特定遊技状態において前記第2図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行しないように制御可能であり、前記第2特定遊技状態において前記第2図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行可能である一方、前記第2特定遊技状態において前記第1図柄が停止表示された場合に前記特定制御を実行しないように制御可能であり、前記遊技状態制御手段は、前記停止操作に関連して、前記第1特定遊技状態又は前記第2特定遊技状態を発生可能な構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図5】遊技機の表示窓における有効ラインを示す図である。
【
図6】当選役と当選役に対応する図柄組み合わせ及び特典を示す図である。
【
図7】重複役と重複役に対応する図柄組み合わせ、払出枚数及び恩恵の有無を示す図である。
【
図13】遊技状態ごとの演出画面の表示例を示す図である。
【
図14】Pt抽選テーブル(通常状態)を示す図である。
【
図19】目押しチャレンジで付与されるポイント数を示す図である。
【
図21】Pt抽選テーブル(CZ状態)を示す図である。
【
図22】第1特化ゾーン抽選テーブルを示す図である。
【
図23】第2特化ゾーン抽選テーブルを示す図である。
【
図24】疑似ゲーム数抽選テーブルを示す図である。
【
図25】目押しチャレンジで付与されるゲーム数を示す図である。
【
図26】通常ATゲーム数抽選テーブルを示す図である。
【
図27】第3特化ゾーン抽選テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、本発明における遊技機の好ましい実施形態について説明する。
なお、遊技機は、遊技場等に設置されるものであり、様々な種類があるが、本実施形態の一例として、スロットマシン1に適用した場合について説明する。
【0008】
[スロットマシン]
スロットマシン1は、
図1~
図3に示すように、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉することができるように覆う前扉1aとで構成される遊技機である。
前扉1aの上部には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や情報表示を行い、報知手段の一例として機能する表示器8を備えている。
表示器8が表示する情報には、停止ボタン5の操作順序(以下、押し順という)に関する情報や所望の図柄を狙って好適なタイミングで停止ボタン5を停止操作(以下、目押しという)する情報等が含まれる。
表示器8の左右には、音声を出力するスピーカ9や、光による演出を行うLED等の発光手段を備えるランプ11が内蔵されている。
【0009】
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、図柄表示手段の一例として機能するリール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2と、ゲームの開始に際して遊技者が押下することにより掛け数を設定するベットボタン2aと、遊技者の押下により表示器8における演出等に変化を与える演出ボタン2dを備えている。
段部の前面には、遊技者がゲームを開始する際に操作するスタートレバー3と、リール41を停止させる際に遊技者が押下し、停止操作手段の一例として機能する停止ボタン5を備えている。
【0010】
表示窓6の下方には、遊技者に有利な有利区間であることを報知する有利区間ランプ13を備えている。
前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0011】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10と、この主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
主制御部10は、各種演算処理等を行うCPUと、制御プログラムや制御データ等が格納されたROMと、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM等の記憶手段を備えている。
主制御部10には、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの各種信号を受信できるように構成されている。
また、主制御部10は、抽選手段の一例として機能することで、遊技の開始処理や、乱数発生器からの乱数をサンプリングする処理等を行い、このサンプリングされた乱数に基づき役の内部抽選処理を行う。
副制御部20には、演出ボタン2d、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12が接続され、各機器に対して各種信号を送信できるように構成されている。
副制御部20は、主制御部10から受信する制御情報に基づき、これらを制御する。
筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。
ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cがステッピングモータ(不図示)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、複数の図柄が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7やメダルを貯留するホッパー7aを備え、このメダル払出装置7から払い出されたメダルはメダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
このように構成されるスロットマシン1は、主制御部10が以下のようなゲームを制御する。
【0012】
まず、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が主制御部10に入力される。
また、ベットボタン2aが操作された場合は、操作信号が主制御部10に入力される。
主制御部10は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
そして、主制御部10は、ゲーム開始可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a~41cを回転させる制御を行う。
これにより、各リール41a~41cに表されている図柄が変動表示される。
【0013】
このとき、主制御部10は、スタートレバー3の操作とともに抽選対象となる「ハズレ」を含む複数の役の中から、1ゲームごとに内部抽選処理を行う。
内部抽選処理では、複数の役の中からゲームが行われるたびに当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
【0014】
各リール41a~41cは、各リール41a~41cの周面には、識別情報となる複数(例えば、21個)の図柄として、例えば、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「赤7」、「青7」等がそれぞれ表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する(
図4参照)。
このような定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた各停止ボタン5a~5cを押下できる状態となり、各停止ボタン5a~5cを停止操作すると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果により許容される図柄の組み合わせで停止するように、各リール41a~41cが停止制御される。
【0015】
例えば、最初に左停止ボタン5aが停止操作された場合には、左リール41aが停止し、2番目に中停止ボタン5bが停止操作された場合には、中リール41bが停止し、3番目に右停止ボタン5cが停止操作された場合には、右リール41cが停止する。
なお、以下の説明では、最初に停止したリール41の停止操作を第1停止操作といい、第1停止操作の次に停止したリール41の停止操作を第2停止操作といい、第2停止操作の次に停止したリール41の停止操作を第3停止操作という。
【0016】
表示窓6を介して視認される各リール41a~41cの図柄の組み合わせには、
図5に示すように、複数の有効ラインが設定されている。
有効ラインは、3つ水平に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられている。
【0017】
主制御部10における各リール41a~41cの停止制御では、この有効ラインに沿って当選役に応じた図柄の組み合わせが停止するように制御する。
例えば、内部抽選で役が当選した場合に、有効ライン上に当選役の図柄組み合わせが停止するように停止ボタン5を停止操作すると、この操作タイミングに基づいて、回転している各リール41a~41cが停止制御される。
具体的には、操作タイミングからリール41の回転をさらに進めることができるスベリコマ数(例えば、0~4図柄)の範囲内に、当選役に対応する図柄があるか否かを判定し、スベリコマ数の範囲内に当選役に対応する図柄がある場合には、その図柄を有効ライン上に引き込むように引き込み制御が行われる。
【0018】
そして、主制御部10は、各リール41a、41b、41cに停止表示される図柄やその組み合わせを判定し、当選役の図柄組み合わせが有効ライン上に揃ったとき、入賞したとして、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
【0019】
この他、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー3や停止ボタン5等の操作)で、所定の信号や情報を副制御部20に出力する。
例えば、主制御部10は、各停止ボタン5a~5cが停止操作された場合には、停止ボタン5の押し順や操作タイミング等の情報を副制御部20に出力する。
このため、主制御部10は、停止ボタン5の操作により各リール41a~41cが停止された場合、何れのリール41がどの順番、どのタイミングで停止したのかという情報を、上段・中段・下段の図柄等を識別可能な情報とともに副制御部20に出力する。
【0020】
次に、
図6を参照しながら、表示窓6の有効ラインに沿って停止される当選役とその当選役に対応する図柄の組み合わせ及び特典について説明する。
当選役には、大別するとメダルが付与される「小役」、メダルを投入することなく遊技が可能となる「リプレイ役」、ボーナス状態に移行する「ボーナス役」等がある。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役及びチャンス目役等があり、纏めて「レア役」ともいう。
なお、以下の対応する図柄の組み合わせは、「左リール41a・中リール41b・右リール41c」の順として、説明する。
【0021】
ベル役には、対応する図柄の組み合わせがそれぞれ異なる押し順ベル役と共通ベル役が設けられている。
押し順ベル役には、例えば、3つの停止ボタン(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5c)についての6通りある押し順に対して、それぞれ1通りの押し順によって停止ボタン5が操作されることで、対応する図柄の組み合わせ(例えば、「ベル・ベル・リプレイ」)が有効ライン上に表示される小役で、6通りの押し順ベル1~6役が設けられている。
【0022】
例えば、押し順ベル1役に当選した場合、遊技者が左停止ボタン5a→中停止ボタン5b→右停止ボタン5cの押し順で各停止ボタン5a~5cを操作することで、「ベル・ベル・リプレイ」等の図柄の組み合わせが揃うように制御される。
【0023】
このような押し順ベル1~6役は、他の5通りの押し順によって各停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組み合わせ(「ベル・ベル・リプレイ」)が停止されず、「ベル・リプレイ・ベル」等の他の図柄の組み合わせ(「ベルこぼし目」という)が停止する。
なお、押し順ベル役は、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3役等でもよく、さらには、第1停止図柄(赤7、青7)も組み合わせに加えて、12通り以上になるようにしても良い。
【0024】
共通ベル役は、停止ボタン5の押し順に関係なく、対応する図柄の組み合わせ「ベル・ベル・ベル」等が停止する小役であり、スイカ役は、対応する図柄の組み合わせを、「スイカ・スイカ・スイカ」等とする小役である。
【0025】
チェリー役には、弱チェリー役及び強チェリー役があり、何れも左リール41aの有効ライン上にチェリー図柄が停止する。
弱チェリー役は、有効ライン上に「チェリー・チェリー・ベル」等の図柄の組み合わせが停止し、強チェリー役は、有効ライン上に「チェリー・チェリー・チェリー」等の図柄の組み合わせが停止する小役である。
【0026】
チャンス目役は、対応する図柄の組み合わせを「ベル・ベル・リプレイ」等とする小役であり、リプレイ役は、対応する図柄の組み合わせを「リプレイ・リプレイ・リプレイ」等とし、このリプレイ役が入賞すれば、次回のゲームにおいてメダルを投入することなく遊技できる状態となる。
【0027】
ボーナス役は、有効ライン上に「赤7/青7・赤7/青7・赤7/青7」等の対応する図柄の組み合わせが停止しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能な役になっている。
ボーナス役は、ボーナス当選の成立状態が維持されるボーナス持越し状態でのみ、入賞させることができ、入賞すると、メダルの払い出しの上限値が規定されたボーナス状態に移行する。
ボーナス状態中は、所定の小役に対応する図柄組み合わせが連続して揃うように内部抽選処理が行われるため、多くのメダルを獲得できる。
このため、ボーナス状態中は、連続的な小役の入賞が期待できない通常状態より遊技者にとって有利な遊技状態になる。
以上、説明したような図柄の組み合わせに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され、判定の結果、対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに入賞が成立して、各入賞の成立に応じた特典が付与される。
【0028】
[重複役を構成する小役]
さらに、本実施形態におけるスロットマシン1は、重複役を有している。
図7は、重複役を構成する小役の図柄の組み合わせ、メダルの払出枚数、恩恵の有無を示したものであり、予め記憶手段に記憶される。
重複役は、複数の小役によって構成され、これらの小役は表示窓6内の中段の有効ライン上に沿って停止した図柄の組み合わせのみが有効とされる。
また、重複役を構成する小役は、何れも同数の払出枚数となっており、目押し役が入賞した場合には、後述する恩恵が受けられる。
このような重複役としては、
図7(a)~(d)に示すように重複役A、重複役B、重複役C、重複役Dを有するが、ここでは重複役Aを一例として説明する。
主制御部10は、内部抽選処理により、例えば、重複役Aを決定した場合には、ベルA役、目押し役A、制御役A1、制御役A2それぞれを重複当選した状態として設定し、各リール41a~41cの停止制御を行う。
重複役Aは、ベルA役、目押し役A、制御役A1、制御役A2の小役によって構成され、何れの小役も付与される払出枚数が「7枚」となっている。
ベルA役は、有効ライン上に「ベル・ベル・ベル」等の図柄の組み合わせが停止する小役で、目押し役Aは、有効ライン上に「ベル・BAR・ベル」等の図柄の組み合わせが停止する小役である。
目押し役は、遊技者の目押しの成功によって対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように制御される。
したがって、目押し役は、停止ボタン5を停止操作するタイミングに基づいて、有効ライン上に停止するか否かが決定されるため、遊技者の技量に大きく影響する小役となっている。
制御役A1役は、有効ライン上に「リプレイ・ベル・ベル」等の図柄の組み合わせが停止する小役で、制御役A2役は、有効ライン上に「ベル・ベル・チェリー」等の図柄の組み合わせが停止する小役である。
制御役は、各停止ボタン5a~5cの押し順によって目押しの難易度が変化しないように設けられ、次に説明する目押し方法で遊技者が各停止ボタン5a~5cを停止操作すれば、目押し役の図柄組み合わせが有効ライン上に停止制御されるように設けられた小役である。
なお、重複役Dには、目押し役D以外に、停止ボタン5の操作タイミングの異なる目押し役E、目押し役Fも含まれる(
図8参照)。
また、目押し役の目押しに成功した場合は、メダルが払い出される構成になっているが、これに限られず、メダルが払い出されなくても良く、さらに重複役を構成する小役の払出枚数が同数となれば、
図7に示す払出枚数と異なるメダルが払い出されても良い。
【0029】
[目押し方法]
ここで、目押し役の目押し方法について説明する。
図8に示すように、目押し役の目押し方法は、何れの目押し役も中リール41bが第3停止操作となる押し順で、かつ、目押し役ごとに規定された操作タイミングで中リール41bを停止操作することにより、目押し役の図柄組み合わせが有効ライン上に停止するように制御される。
このとき、第1停止操作及び第2停止操作は、有効ライン上に停止される図柄の組み合わせの数が最も多くなる図柄を優先して停止するように停止制御(以下、組み合わせ優先制御ともいう)される。
また、第3停止操作は、重複役のうち、有効ライン上に停止すると最もメダルの獲得枚数が多くなる図柄の組み合わせを優先するように停止制御(以下、枚数優先制御ともいう)される。
スロットマシン1は、このような制御により、遊技者の目押しの技量をはかることができる。
【0030】
例えば、重複役Aを構成する目押し役Aの目押し方法は、中リール41bが第3停止操作となる押し順で、中リール41bを停止操作してから「2コマ」のスベリを想定したタイミング(第1のタイミング)で目押しをすれば、有効ライン上に目押し役Aの図柄組み合わせ(第1図柄)が停止するように制御される。
また、重複役Dを構成する目押し役Dの目押し方法は、中リール41bが第3停止操作となる押し順で、中リール41bを停止操作してから「0コマ」のスベリ、すなわちビタ押しを想定したタイミング(第2のタイミング)で目押しをすれば、有効ライン上に目押し役Dの図柄組み合わせ(第2図柄)が停止するように制御される。
したがって、「0コマ」スベリの目押し役Dの目押しのタイミングは、「2コマ」スベリの目押し役Aの目押しのタイミングよりも「2コマ」分少ない時間で構成される。
さらに、重複役Dは、他の重複役とは異なり、目押し役Dの「1コマ上」、すなわち「1コマ」早いタイミングで停止操作すると目押し役Eの図柄組み合わせが有効ライン上に停止するように制御され、目押し役Dの「1コマ下」、すなわち「1コマ」遅いタイミングで停止操作すると目押し役Fの図柄組み合わせが有効ライン上に停止するように制御される。
【0031】
図9は、このような目押し方法により、表示窓6を通して目押し役Aの図柄組み合わせが有効ライン上に可変表示される一連の操作手順について示す図である。
遊技者がメダルを投入し、スタートレバー3を操作した後の各リール41a~41cの変動状態を示したものであり、表示窓6の下方に、各リール41a~41cに対応した各停止ボタン5a~5cを示している。
遊技者が上述した目押し役Aの目押し方法で各停止ボタン5a~5cの停止操作を行うことで、表示窓6内の中段に「ベル・BAR・ベル」の図柄が停止表示される。
図9(a)は、遊技者が左停止ボタン5a→右停止ボタン5c→中停止ボタン5bの押し順で停止ボタン5を操作する場合、
図9(b)は、遊技者が右停止ボタン5c→左停止ボタン5a→中停止ボタン5bの押し順で停止ボタン5を操作する場合をそれぞれ示している。
同図に示すように、第3停止操作が中停止ボタン5bであれば、第1停止操作と第2停止操作の押し順は、問わない構成になっている。
【0032】
図10は、重複役Aにおける押し順ごとの制御の違いを示したものである。
本実施形態におけるスロットマシン1は、上述の通り、好適なタイミングだけでなく、遊技者が適切な押し順で停止ボタン5a~5cを停止操作しなければ、有効ライン上に目押し役の図柄組み合わせが停止しないように制御される。
具体的には、主制御部10は、左停止ボタン5a→中停止ボタン5b→右停止ボタン5c(左・中・右)、中停止ボタン5b→左停止ボタン5a→右停止ボタン5c(中・左・右)、中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5a(中・右・左)、右停止ボタン5c→中停止ボタン5b→左停止ボタン5a(右・中・左)の押し順で停止操作された場合には、第1停止操作及び第2停止操作は、組み合わせ優先制御により最も組み合わせ数の多くなる「ベル」図柄を有効ライン上に停止する。
第3停止操作は、枚数優先制御によりベルA役又は制御役A1若しくは制御役A2から任意の役を入賞できる。
この結果、遊技者は、目押し役Aの図柄組み合わせを有効ライン上に停止できない。
【0033】
一方、主制御部10は、左停止ボタン5a→右停止ボタン5c→中停止ボタン5b(左・右・中)、右停止ボタン5c→左停止ボタン5a→中停止ボタン5b(右・左・中)の押し順で停止操作された場合には、第1停止操作及び第2停止操作は、最も組み合わせ数の多くなる「ベル」図柄を組み合わせ優先制御により有効ライン上に停止する。
第3停止操作は、枚数優先制御によりベルA役又は目押し役Aから任意の役を入賞できる。
この結果、遊技者は、「BAR」図柄を中段に目押しできれば、目押し役Aの図柄組み合わせを有効ライン上に停止できる。
【0034】
[遊技状態の遷移]
次に、主制御部10により制御される遊技状態の遷移について説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1は、上述した構成に加えて、以下に示すような遊技状態と、この遊技状態に基づくゲーム性を備えている。
主制御部10は、制御手段の一例として機能することにより、各遊技状態を制御する。
遊技状態は、
図11に示すように、RT0状態、RT1状態、ボーナス状態の間で移行するように制御される。
【0035】
[RT状態]
まず、スロットマシン1が有するRT状態について説明する。
図11に示すのは、RT状態の遷移図である。
RTは、リプレイタイムの略称であり、本実施形態のRT状態は、リプレイ役の当選確率が所定の確率で定められたRT0状態、RT1状態を有する。
このRT状態では、主制御部10が、遊技状態制御手段の一例として機能することにより、RT0状態、RT1状態を含む複数のRT状態のうち、何れかのRT状態に制御することができる。
【0036】
RT0状態への移行は、ボーナス状態の終了又はスロットマシン1における初期化スイッチ等の操作に伴う電源投入(RAM初期化)、設定値の変更(同じ設定値を設定し直した場合(打ち直し)も含む)に基づいて、その後、RT0状態に移行する(
図11の矢印(a)、(b))。
ボーナス状態の終了は、ボーナス状態で、上限値を超える払い出しが行われた時点で、終了する。
例えば、ボーナス状態は、遊技者にメダルの払い出しの上限値(例えば、メダル180枚)を超えると終了する。
また、RT0状態の終了は、RT0状態におけるボーナス役の当選に基づく、RT1状態への移行により、終了する(
図11の矢印(c))。
【0037】
RT1状態への移行は、ボーナス役の当選に基づいて、その後、RT1状態に移行する(
図11の矢印(c))。
したがって、RT1状態は、ボーナス持越し状態といえる。
また、RT1状態の終了は、RT1状態でボーナス役に入賞したことに基づいて、その後、RT1状態からボーナス状態に移行することで、終了する(
図11の矢印(d))。
【0038】
このように、本実施形態では、移行条件がそれぞれ異なるRT0状態及びRT1状態が設けられ、RT0状態及びRT1状態ともに、予め遊技期間の定められていない無限の遊技状態(無限RT)となっている。
また、RT1状態は、ボーナス役に当選してから入賞するまで継続する、すなわちボーナス持越し中の状態に維持されることとなる。
基本的には、RT1状態で、かつ、ボーナス持越し中に、ゲームを行う構成となっているため、遊技場の開店前に店員が事前に、ボーナス持越し状態にすることが好ましい。
なお、本実施形態のRT状態は、2つであるが、1つ又は3つ以上であっても良い。
【0039】
続いて、AT状態を含む遊技状態間の移行処理及び移行処理に伴って発生する各遊技状態について説明する。
図12は、遊技状態の遷移図であり、通常状態と、チャンスゾーン(以下、CZ状態という)と、AT状態とが示されている。
そして、表示器8に表示される演出画面には、各遊技状態に応じて異なる遊技情報が表示される(
図13参照)。
主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御する。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行タイミングは、基本的に、移行条件が成立した遊技の第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。
なお、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行する構成としても良い。
【0040】
[通常状態]
通常状態は、所定の初期化スイッチ等の操作を伴う電源投入時に滞在する遊技状態であり、遊技を続けることで、遊技者の手持ちのメダルが漸次減少するため、遊技者にとって不利な遊技状態である。
一方、特別状態(特別遊技状態)は、AT状態に制御され、遊技を続けることで、メダルが増加しやすく、遊技者にとって有利である。
このため、遊技者は、通常状態からAT状態への移行を目指し、また、AT状態に長く滞在することを目指して遊技を行うことになる。
【0041】
通常状態は、CZ状態への移行抽選の当選確率がそれぞれ異なる低確率状態と、高確率状態とを有している。
各確率状態の移行は、例えば、低確率状態において、レア役に当選した場合、所定の確率(例えば、100%)で高確率状態に移行(昇格)する。
また、高確率状態は、規定ゲーム数(例えば、5ゲーム)の間、継続するようになっており、規定ゲーム数を消化した後、高確率状態から低確率状態へ移行(降格)する。
なお、通常状態における各状態を、表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できるようにしても良く、例えば、表示器8に表示される背景画像において、低確率状態では「昼背景」とし、高確率状態では「夜背景」とすること等が一例として挙げられる。
【0042】
通常状態では、
図14に示すように、レア役の当選を契機に、獲得するポイントの抽選処理が行われ、その抽選結果に基づいて、抽選処理等が行われる。
具体的には、レア役の当選役に応じて、獲得するポイントの当選確率が異なっており、その獲得したポイント数に基づき、当選確率の異なるAT状態の移行抽選が行われる。
Pt抽選は、ベル役、弱チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の何れかに当選したときに取得するPt抽選用の乱数の判定により行われ、これらのレア役に当選すれば必ず何れかのポイントが獲得できるように規定される。
このPt抽選は、抽選結果(1Pt、5Pt、10Pt)ごとに割り振られる乱数値の個数が異なるように、当たり値が、当選役と、抽選結果ごとに対応付けて規定される。
例えば、ベル役に当選したときは、「10Pt」を獲得することはないが、強チェリー役に当選したときは、256個中128個(約50%の確率)で「10Pt」を獲得できる。
このため、Pt抽選では、レア役の中でも、強チェリー役に当選したときが高いポイントを獲得できる可能性があるため、遊技者は、強チェリー役に当選した場合は、当選に対する期待を高められるように構成される。
【0043】
ここで、モードについて説明する。
スロットマシン1は、「モードA」、「モードB」、「モードC」、「モードD」の計4つのモードを有し、主制御部10は、この4つの各モードで仕様が異なるように制御する。
【0044】
以下、
図15及び
図16を参照しながら、各モードの仕様及びモード抽選処理について説明する。
まず、各モードの仕様について説明する。
スロットマシン1は、遊技者がモードに対応する目押し役が入賞するように目押し(以下、目押しチャレンジともいう)を行い、この目押しチャレンジで成功すればポイントが付与される。
モードは、
図15に示すように、モードごとに対応役、出現頻度、恩恵、難易度等がそれぞれ異なるように規定される。
対応役は、各モードに対応する重複役を示しており、モードごとに異なる重複役が予め対応付けて規定される。
出現頻度は、各重複役が当選する頻度を示しており、「高」は相対的に当選(出現)する頻度が高いこと、「中」は相対的に当選する頻度が中程度であること、「低」は相対的に当選する頻度が低いことをそれぞれ示している。
このため、主制御部10は、重複役Aの当選頻度を重複役Dの当選頻度より高くなるように制御する。
恩恵は、目押しチャレンジ成功により獲得できるポイント数(通常状態)やゲーム数(AT状態)の大きさを示しており、「大」は相対的に獲得できるポイント数、ゲーム数が大きいこと、「中」は相対的に獲得できるポイント数、ゲーム数が中程度であること、「小」は相対的に獲得できるポイント数、ゲーム数が小さいことをそれぞれ示している。
このため、主制御部10は、目押しチャレンジにおいて、モードAで重複役A(目押し役A)の目押しに成功した場合より、モードDで重複役D(目押し役D)の目押しに成功した場合の方が遊技者に有利となるように制御する。
なお、モードDの恩恵※は、目押し役Dの恩恵は大きいが、目押し役E及び目押し役Fの恩恵は小さいことを示している。
難易度は、目押しチャレンジにおける目押しの難しさを示しており、「高」は相対的に難易度が高いこと、「中」は相対的に難易度が中程度であること、「小」は相対的に難易度が低いことをそれぞれ示している。
【0045】
このような各モードの仕様により、モードA、BよりもモードC、D(目押し役D)の方が獲得できる恩恵が大きいため、遊技者にとっては、恩恵が大きいモードC、D(目押し役D)でゲームする方が好ましいことになるが、ともに目押しチャレンジの難易度が高いうえに、出現頻度が低い構成になっている。
このため、恩恵が小さいが難易度が低く出現頻度が高いモードA等でこまめに目押しを成功させた方が結果的に多くのメダルを獲得できるような構成とすることもできる。
【0046】
また、モード(初期モード)は、以下に説明するモード抽選処理によって決定される。
図16は、モード抽選処理に用いる抽選テーブルを示している。
モード抽選処理は、後述する通常区間に滞在中に行われる内部抽選処理において、所定の有利区間移行役(例えば、共通ベル役)の当選を契機として行われ、仕様がそれぞれ異なるモードのうち、何れのモードに移行させるかを決定する(
図12の矢印(a))。
モードの抽選は、有利区間移行役に当選したときに取得するモードの移行抽選用の乱数の判定により行われる。
主制御部10は、例えば、設定値1が設定されているときよりも設定値6が設定されているときの方が、モードC、Dが当選しやすいように制御する。
このとき、主制御部10は、モードA(第1特定遊技状態)と、モードAより出現頻度が少ないモードD(第2特定遊技状態)とを含む複数のモード(特定遊技状態)のうち、何れかのモードに制御可能な遊技状態制御手段として機能する。
なお、モード抽選テーブルでは、高設定の方が、モードC、Dが当選しやすい構成になっているが、何れのモードも均等に当選するようにしても良いし、モード抽選テーブルを用いずに必ず特定のモード(例えば、モードA)からスタートする構成としても良い。
【0047】
次に、
図17を参照しながらモードの変更方法について説明する。
通常区間に滞在中に行われるモードの抽選では、遊技者がモードを選択できないが、抽選等によって決定されたモードを遊技者が変更できる構成になっている。
図17(a)は、モード変更時の押し順対応表を示している。
モード抽選処理で決定されたモードは、有利区間に滞在中、一定の確率(例えば、1/100の確率)で発生する所定の小役(例えば、共通ベル役)に当選した際、モードごとに異なる特定の押し順で停止ボタン5を停止操作すれば、現在のモードを変更できる構成になっている。
具体的には、共通ベル役の当選時に、遊技者が希望するモードの押し順通りに停止ボタン5を停止操作することで希望のモードに移行でき、特定の押し順通りに停止ボタン5を停止操作しなければ、モードの移行は実行されず、現在のモードを維持するように制御される。
これにより、例えば、目押しに自信のない遊技者は、目押しチャレンジの難易度が低いモードA、Bを選択でき、目押しに自信のある遊技者は、目押しチャレンジの難易度が高いモードC、Dを選択できる。
この結果、遊技者の技量問わず遊技を楽しむことができる。
【0048】
図17(b)は、表示器8に表示されるモードA変更時における押し順の表示例を示している。
例えば、共通ベル役の当選時に、モード抽選処理で決定されたモードCからモードAに変更したい場合には、右停止ボタン5c→中停止ボタン5b→左停止ボタン5aの押し順で停止ボタン5を停止操作することで、モードAに移行するように制御される。
また、遊技者がモードAでなく他のモードを選択したいときには、演出ボタン2dを操作すれば良く、演出ボタン2dを操作するたびにモードごとに規定された特定の押し順が、モードA、モードB、モードC、モードDの順に循環して切り替わって表示される。
このように、表示器8には、共通ベル役の当選時に、必ず遊技者にモードを移行するか否かを確認する内容の演出が表示される。
これにより、遊技者自身で目押しチャレンジの難易度を容易に変更でき、技術介入の要素がある遊技機であっても自らの技量に自信のない遊技者から敬遠されにくい遊技機を提供できる。
また、自らの技量に自信のある遊技者であっても、その日の調子に応じて、目押しチャレンジの難易度を変更できる。
なお、報知手段の一例として表示器8を例示したが、報知手段は特に限定されず、例えば、スピーカ9、ナビランプ12等を介して、対応する押し順を報知しても良い。
【0049】
[目押しチャレンジ演出]
続いて、目押しチャレンジ演出について説明する。
図18は、目押しチャレンジで表示器8に表示される目押しチャレンジ演出画面の一例を示している。
目押しチャレンジは、特定のモードで、モードに対応する目押し役の図柄組み合わせを目押しで有効ライン上に停止できれば、抽選処理等で優遇される演出である。
具体的には、特定のモードに滞在している状態で、滞在しているモードに対応する重複役が当選した場合に、通常演出のゲーム開始時、
図18(b)に示すような演出画面(「目押しチャレンジ突入」)が表示器8にカットイン表示される。
主制御部10は、例えば、モードAに滞在中、内部抽選処理により、モードAに対応する重複役Aが当選した場合には、目押しチャレンジ演出を表示器8に表示するように制御するが、重複役Dが当選した場合には、目押しチャレンジ演出を表示器8に表示しないように制御する。
これにより、遊技者は、自身で選択したモードに対応する重複役に当選したことを認識できる。
【0050】
次に、主制御部10は、重複役を構成する目押し役の押し順を示す演出画面を表示器8に表示する(
図18(c)参照)。
表示器8には、例えば、「最後に中のBAR図柄を狙え!」という指示情報が表示され、遊技者が指示通りの押し順で、かつ、目押し役ごとに規定されたスベリを想定したタイミングで停止操作すれば、目押し役が入賞するように制御される。
主制御部10は、例えば、モードAに滞在中、内部抽選処理により、滞在しているモードに対応する重複役Aが当選した場合には、目押し役Aの指示情報(第1情報)を表示器8に表示するように制御し、滞在しているモードに対応する重複役以外の重複役Dが当選した場合には、目押し役Dの指示情報(第2情報)を表示器8に表示しないように制御する。
【0051】
そして、この結果、遊技者が目押し役の図柄組み合わせを有効ライン上に停止できれば、目押しに成功したことを示す演出が行われ、遊技者は、主制御部10による特定制御によって、目押しの成功に対して特典(例えば、ポイント)が付与される等の恩恵が受けられる(
図18(d)参照)。
一方、遊技者が目押し役の図柄組み合わせを有効ライン上に停止できなければ、目押しに失敗したことを示す演出が行われ、目押しの失敗によって、ポイントが付与されることはない(
図18(e)参照)。
【0052】
その後、目押しチャレンジ演出は終了し、通常演出が継続される。
このように、目押しチャレンジ演出は、1ゲーム内で完結するように行われる。
なお、通常状態時の特典としてポイント付与を一例に説明したが、これ以外にもアイテム、ゲーム数等、他の特典でも良い。
また、目押しチャレンジ演出では、目押しの成功に対して付与されるポイント数に幅を持たせることができ、この場合、表示器8にポイント数を曖昧に表示したり、そもそも表示しなくても良く、さらには、累計ポイント数(Total)を表示しなくても良い。
【0053】
目押しチャレンジで獲得できるポイントは、
図19に示すように、目押しの難易度に応じてポイント数が決定されており、例えば、目押しの難易度が低い目押し役Aの目押しに成功した場合には、「1Pt」が付与され、目押しの難易度が高い目押し役Cの目押しに成功した場合には、「10Pt」が付与される。
そして、獲得したポイント数が高ければ、AT状態への移行率が高くなるように制御される等、優遇される。
【0054】
また、ポイントは、主制御部10が備えるRAM等の記憶手段に設けられたポイントカウンタによってカウントされる。
通常状態では、上述した通り、レア役の当選を契機に行われるPt抽選でもポイントが付与されるため、Pt抽選で獲得したポイントと、目押しチャレンジで獲得したポイントとを加算した累計ポイント数に基づき、後述する抽選が行われることになる(
図22参照)。
したがって、ポイントカウンタは、通常状態時に、目押しチャレンジ成功時やレア役当選時の抽選処理でポイントが付与されるたびに、ポイントが加算される。
【0055】
[CZ状態]
主制御部10は、通常状態において、内部抽選処理の抽選結果としてレア役の当選を契機にCZ状態への移行抽選処理を行う。
図20は、CZ状態への移行抽選処理に用いる抽選テーブルを示す図であり、(a)は低確率状態、(b)は高確率状態を示す。
CZ抽選は、モードごとに異なる抽選テーブルが用いられ、レア役ごとに割り振られる乱数値の個数が異なっており、当たり値(当選)及びハズレ値(ハズレ)が、レア役ごとに対応付けて規定される。
【0056】
具体的には、CZ抽選では、通常状態時において、所定のレア役の当選を契機としてCZ状態へ移行するか否かを決定する。
CZ抽選は、通常状態時の低確率状態か高確率状態かに応じて、参照する抽選テーブルが異なっており、当たり値の当選確率がレア役ごとに異なるように制御される。
CZ抽選の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が当選し易く、CZ抽選で当選した場合には、主制御部10は、遊技状態を通常状態からCZ状態に移行するように制御する(
図12の矢印(b))。
なお、CZ状態への移行抽選の移行役はレア役以外でもよく、例えば、リプレイ役等の当選を契機に所定の確率でCZ状態への移行抽選に当選するようにしても良い。
【0057】
CZ状態は、ゲーム数により管理される有限の遊技状態であり、CZ状態に設定された規定ゲーム数(例えば、20ゲーム)を、消化するまで継続する。
そして、表示器8には、味方キャラと敵キャラが対戦するバトルゲームが表示される。
バトルゲームは、CZ状態で行われる演出であり、1ゲームごとに獲得するポイント数を抽選するPt(ポイント)抽選処理が行われ、獲得するポイント数によって、敵キャラがダメージを受ける演出が表示器8に表示される。
例えば、規定ゲーム数を20ゲームとした場合、1~15ゲームまでは、味方キャラが敵キャラ(雑魚キャラ)とバトルを繰り広げて、ボスキャラが待ち構えるステージに近づいて行く演出が行われ、16~20ゲームでは、ボスキャラが登場し、味方キャラがそのボスキャラとバトルする連続演出が行われる。
さらに、20ゲーム目には、AT状態への移行抽選(特化ゾーン抽選)が継続して行われ、AT状態に移行する場合には、味方キャラがボスキャラに勝利する演出が行われ、AT状態に移行しない場合には、味方キャラがボスキャラに敗北する演出が行われる。
【0058】
次に、
図21~
図23を参照しながら、CZ状態中に行われる抽選処理に用いる抽選テーブルについて説明する。
図21は、全モード共通のPt抽選テーブルを示しており、CZ状態では、リプレイ役と小役の当選を契機に、獲得するポイントの抽選処理が行われ、その抽選結果に基づいて、AT状態の移行抽選が行われる。
具体的には、リプレイ役と小役の当選役に応じて、獲得するポイントの当選確率が異なっており、その獲得したポイント数によって当選確率の異なるAT抽選が行われる。
Pt抽選は、リプレイ役、ベル役、弱チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役の何れかに当選したときに取得するPt抽選用の乱数の判定により行われ、これらのリプレイ役と小役に当選すれば必ず何れかのポイントが獲得できるように規定される。
このPt抽選は、抽選結果(1Pt、5Pt、10Pt、15Pt、50Pt)ごとに割り振られる乱数値の個数が異なるように、当たり値が、当選役と、抽選結果ごとに対応付けて規定される。
例えば、リプレイ役に当選したときは、「50Pt」を獲得することはないが、強チェリー役に当選したときは、256個中64個(約25%の確率)で「50Pt」を獲得できる。
このようにPt抽選では、小役の中でも、強チェリー役に当選したときが高いポイントを獲得できる可能性があるため、遊技者は、強チェリー役に当選した場合は、当選に対する期待を高められる。
【0059】
図22は、CZ状態の終了時に参照する特化ゾーン抽選テーブル(以下、第1特化ゾーン抽選テーブルという)を示している。
第1特化ゾーン抽選テーブルは、CZ状態の終了後に、移行先を決定するための抽選テーブルであり、バトルゲームの20ゲーム間で獲得したポイントの累積値に基づいて、抽選結果が変動する。
第1特化ゾーン抽選テーブルにおいて、「ハズレ」は、AT状態の非当選を示しているため、抽選結果が「ハズレ」の場合には、CZ状態の終了後、通常状態に移行する(
図12の矢印(c))。
一方、「特化ゾーン」は、AT状態の当選を示しているため、抽選結果が「特化ゾーン」の場合には、CZ状態の終了後、AT状態に移行し、例えば、「特化ゾーン10G」は、AT状態に移行したときの特化ゾーンにおけるゲーム数(以下、特化ゲーム数ともいう)が10ゲームであることを示している(
図12の矢印(d))。
【0060】
また、第1特化ゾーン抽選テーブルは、CZ状態移行時のポイント数の累計、すなわち通常状態時の目押しチャレンジの成功時やレア役当選時の抽選処理で獲得したポイント数の累計が「100Pt」以上か否かで、参照する抽選テーブルが異なっている。
具体的には、CZ状態移行時のポイント数の累計が「100Pt」未到達時(「100Pt」未満)のCZ状態と、CZ状態移行時のポイント数の累計が「100Pt」到達時(「100Pt」以上)のCZ状態とに区分けして、当たり値の当選確率が異なるように制御される。
例えば、「100Pt」到達時のCZ状態では、「ハズレ」が無く、必ずAT状態に移行でき、かつ、「100Pt」未到達時に比べて特化ゾーンにおける特化ゲーム数も多く獲得できる可能性が高くなっている。
このように、CZ状態では、記憶手段に記憶され、通常状態時に獲得したポイント数に基づいて、AT状態への移行抽選で当選する確率が変動するように規定される。
【0061】
本実施形態では、天井ゲーム数として「700ゲーム」がセットされ、天井ゲーム数に到達するとAT状態に移行する(
図12の矢印(e))。
天井とは、前回のAT状態等が終了し、その後、AT状態等に移行することなく、有利区間移行後のゲーム数が機種ごとに定められた規定ゲーム数に到達した場合に、遊技状態がAT状態等に移行する、遊技者に有利な遊技状態に突入することをいう。
そして、この規定ゲーム数を、天井ゲーム数という。
図23は、ゲーム数が天井ゲーム数に到達した際に参照し、特化ゲーム数を決定する特化ゾーン抽選テーブル(以下、第2特化ゾーン抽選テーブルという)を示している。
この第2特化ゾーン抽選テーブルは、当たり値が、付与される特化ゲーム数と、天井ゲーム数到達時に滞在していたモードごとに対応付けて規定される。
また、天井ゲーム数のカウントは、通常状態だけでなくCZ状態においても継続しているため、CZ状態中にゲーム数が天井ゲーム数に到達することもあり得る。
この場合、CZ状態中に天井ゲーム数に到達した場合は、即座に特化ゾーン(AT状態)に移行することは無く、CZ状態の最終ゲームに行われる第1特化ゾーン抽選が終了するまで特化ゾーンへの移行を待機する構成になっている。
したがって、CZ状態中に、天井ゲーム数に到達した場合には、第1特化ゾーン抽選によって獲得した特化ゲーム数が、第2特化ゾーン抽選によって獲得した特化ゲーム数に加算されることになる。
このため、第1特化ゾーン抽選及び第2特化ゾーン抽選で獲得できる特化ゾーンにおける最大特化ゲーム数がともに「30ゲーム」であるため、遊技者は、最大「60ゲーム」の特化ゲーム数を獲得できる。
なお、CZ状態では、通常状態時に獲得したポイントに基づいて、当たり値の当選確率(AT状態への移行確率)が異なるように制御されるが、例えば、複数回バトルに勝利することをAT状態の当選の条件とする場合には、ゲームごとに勝利ストックを付与するような構成でも良い。
また、通常状態時に獲得したポイントに基づいて、CZ状態移行時にAT抽選を行っても良く、このAT抽選で非当選となった場合には、その後のゲームで一定の確率で当選するようなAT抽選を行っても良い。
【0062】
[AT状態]
次に、AT状態(特定遊技状態)について説明する。
ATは、アシストタイムの略称であり、押し順ベル役当選時に、例えば、各停止ボタン5a~5cの押し順が報知され、押し順ベル役等の入賞を遊技者にアシストする遊技状態である。
【0063】
例えば、押し順の報知例として、押し順ベル1役に当選したときは、表示器8、スピーカ9及びナビランプ12等を介して、押し順が報知される。
このときの押し順ベル1役の報知は、表示器8では、停止ボタン5に対応する押し順を特定できるように数字「1(左)→2(中央)→3(右)」が表示される。
スピーカ9では、「左」、「中」、「右」の順でそれぞれの音声が出力される。
ナビランプ12を用いる場合は、「12a→12b→12c」の順でナビランプ12が点灯される。
したがって、表示器8以外のスピーカ9、ナビランプ12等でも報知手段として機能することができるが、本実施形態では、報知手段として、表示器8を用いることを一例として説明する。
AT状態は、通常、所定の遊技回数に亘って継続して行われ、報知することが決定されると、3つの停止ボタン(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5c)の全ての押し順が報知(以下、ナビ演出という)されるため、遊技者が初心者でもメダルを獲得しやすい状態といえる。
このように、主制御部10は、「押し順ベル」が停止するように、又は「ベルこぼし目」が停止しないようにアシストするという特典を遊技者に付与する。
すなわち主制御部10は、通常状態よりも有利なAT状態(特別遊技状態)を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な制御手段として機能する。
【0064】
このように本実施形態におけるスロットマシン1は、主制御部10が制御手段として機能することにより、複数のRT状態、CZ状態及びAT状態を制御している。
さらに、これらの遊技状態は、通常区間と、この通常区間よりも遊技者に有利な有利区間に区分される。
主制御部10は、以下に示す移行条件が成立することに基づいて、それぞれの区間を移行するように制御する。
【0065】
通常区間は、「押し順ベル役」の当選時に「押し順ベル」を入賞させるための押し順の報知が実行されない区間である。
通常区間から有利区間への移行は、内部抽選処理において有利区間移行役に当選した場合に移行する。
有利区間移行役以外の場合には、通常区間を維持し、一方、有利区間移行役に当選した場合には、通常区間から有利区間へ移行するようになっている。
したがって、上述した通常状態の一部(設定値の設定変更後、AT状態の終了後等)においてのみ、通常区間に滞在し、それ以外は、基本的に有利区間に滞在することになる(
図12参照)。
このため、通常状態では、通常区間と有利区間の双方に滞在する場合がある。
なお、有利区間移行役(例えば、共通ベル)に当選した場合に、有利区間に移行するが、有利区間移行役の種別をさらに増やす等して、有利区間に滞在する割合を増やす構成としても良い。
【0066】
一方、有利区間は、「押し順ベル役」当選時に「押し順ベル」を入賞させるための押し順が報知される区間である。
また、有利区間は、AT状態が終了したとき又は有利区間に移行後、以下に示す条件(a)、(b)のうち少なくとも1つが成立したときに終了する。
<有利区間の終了条件>
(a)有利区間での遊技回数が特定回数の「3000ゲーム」に到達したこと
(b)有利区間での獲得枚数が特定枚数の「2400枚」に到達したこと
【0067】
ここで、(a)、(b)に示す有利区間の終了条件について説明する。
主制御部10は、有利区間中に行われるゲーム数と、有利区間中に獲得するメダルの獲得枚数とをそれぞれカウントする有利区間カウンタを有しており、これらをカウントする。
具体的には、有利区間カウンタには、有利区間への移行を契機に、有利区間中に行われるゲーム数の特定回数(例えば、3000ゲーム)と、有利区間中に獲得する獲得枚数の特定枚数(例えば、2400枚)とがそれぞれセットされる。
有利区間カウンタは、ゲームが行われる(ゲームの開始操作を受け付ける)たびに、又は遊技者がメダルを獲得するたびに、カウントされる。
そして、(a)、(b)の条件のうち何れかが成立した場合には、有利区間には滞在することはできず、通常区間に移行するとともに、有利区間カウンタで管理される遊技回数や獲得枚数は、「0」にリセットされる。
すなわち有利区間は、通常区間から移行し、再度、通常区間に移行するまで継続して滞在できる区間となっており、主制御部10は、計数手段として機能することにより、有利区間中に遊技が行われた遊技回数と、遊技者が獲得した獲得枚数とをそれぞれカウントする。
なお、この有利区間中の遊技回数の特定回数は、「3000ゲーム以下」が好ましいが、例えば、「500ゲーム」や「1000ゲーム」等、適宜任意のゲーム数に変更しても良い。
さらに、有利区間中の獲得枚数の特定枚数も、「2400枚以下」が好ましいが、例えば、1000枚や1500枚等に適宜任意の枚数に変更しても良い。
【0068】
続いて、AT状態における純増状態について説明する。
本実施形態におけるAT状態は、遊技者が獲得する純増枚数の期待値が変動する、いわゆる「純増枚数可変型」のAT状態である。
このため、AT状態は、
図12に示すように、特化ゾーン、疑似ボーナス、通常ATの3種類の1ゲームあたりの純増枚数の期待値が異なる純増状態によって構成される。
また、3種類のAT状態は、主制御部10によってゲーム数により管理され、表示器8に表示されるとともに、ゲームが消化されるごとに1減算される(
図13(c)~(e)参照)。
【0069】
特化ゾーンは、1ゲームあたりの純増枚数の期待値が相対的に中程度のAT状態であり、CZ状態から移行するとともに、押し順ベル1~6役が当選したときに一部のみでナビ(以下、一部ナビという)演出が行われる。
この特化ゾーンでは、
図24に示す疑似ゲーム数抽選テーブルを用いて、疑似ボーナスにおける上乗せするゲーム数を決定する。
【0070】
以下、特化ゾーン中に行われるゲーム数(以下、疑似ゲーム数ともいう)の抽選処理について説明する。
図24は、疑似ボーナスにおける疑似ゲーム数の抽選処理に用いるモードごとの疑似ゲーム数抽選テーブルである。
特化ゾーン(AT状態)では、CZ状態移行時に滞在していたモードがそのまま引き継がれ、CZ状態移行時に滞在していたモードに応じて、参照する抽選テーブルが異なっており、モードA、BとモードC、Dに区分けして、当たり値の当選確率が異なるように制御される。
この疑似ゲーム数抽選は、特化ゾーンに滞在中、毎ゲームで行われ、この抽選で決定された疑似ゲーム数(抽選結果)が、毎ゲームで上乗せ(加算)される。
【0071】
具体的には、疑似ゲーム数抽選は、主制御部10により、特化ゾーン中において、ベル入賞(ナビ実行含む)、弱チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役、その他に当選したときに取得するゲーム数抽選用の乱数の判定により行われる。
疑似ゲーム数抽選テーブルにおけるベル入賞(ナビ実行含む)とは、ベル役が入賞すること及びナビ演出が行われることの少なくとも何れか一方を満たすことであり、ナビ演出時に「ベルこぼし目」が停止した場合でもベル役が入賞したものとして疑似ゲーム数抽選が行われる。
また、疑似ゲーム数抽選テーブルにおけるその他とは、ベル役及びレア役以外の役のことで「ベルこぼし目」も含まれる。
疑似ゲーム数抽選は、抽選結果(5ゲーム、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム)ごとに割り振られる乱数値の個数が異なるように、当たり値が、当選役と、抽選結果ごとに対応付けて規定される。
疑似ゲーム数抽選テーブルでは、ベル役やレア役以外の役でも疑似ゲーム数を獲得できるが、モードに関わらず、5ゲームや10ゲームと少ない疑似ゲーム数が付与され、一方、ベル役やレア役では、5ゲームが付与されないよう制御される。
【0072】
また、特化ゾーンでは、通常状態時と同様に目押しチャレンジ演出が行われる。
特化ゾーンにおいても、所定の小役(例えば、共通ベル役)に当選した際、上述したモードごとに異なる特定の押し順で停止ボタン5を停止操作すれば、現在のモードを変更できる構成になっている。
さらに、モードに対応する目押し役の図柄組み合わせを有効ライン上に停止できれば、目押しの成功に対して特典(例えば、疑似ゲーム数)が上乗せされる等の恩恵が受けられる。
【0073】
このとき、上乗せされる疑似ゲーム数は、
図25に示すように、目押しの難易度に応じて疑似ゲーム数が決定され、例えば、目押しの難易度が低い目押し役Aの目押しに成功した場合には、「1ゲーム」が上乗せされ、目押しの難易度が高い目押し役Cの目押しに成功した場合には、「10ゲーム」が上乗せされる。
したがって、疑似ゲーム数抽選で最終ゲームまでに上乗せされたゲーム数に、目押しチャレンジの成功によって最終ゲームまでに上乗せされたゲーム数を加算したゲーム数が疑似ボーナス中の疑似ゲーム数になる。
【0074】
そして、主制御部10は、特化ゾーン抽選で決定された特化ゲーム数を消化した後、AT状態を特化ゾーンから疑似ボーナスに移行するように制御する(
図12の矢印(f))。
なお、特化ゾーン時の目押しチャレンジにおける特典としてゲーム数が上乗せされる一例に説明したが、これ以外にもアイテム、ポイント等、他の特典でも良い。
【0075】
疑似ボーナスは、1ゲームあたりの純増枚数の期待値が相対的に高いAT状態であり、特化ゾーンから移行するとともに、押し順ベル1~6役が当選したときに必ずナビ(以下、全ナビという)演出が行われる。
このため、遊技者は、疑似ボーナスに移行すれば、押し順に関する情報がより多く提供されるため、メダルを多く獲得できる期待感を持って遊技を行うことになる。
この疑似ボーナスは、特化ゾーンで決定された疑似ゲーム数を消化するまで継続し、疑似ボーナス終了時には、再び特化ゾーンに移行までのゲーム数を決定する抽選処理が行われる。
なお、モードA、BとモードC、Dに区分けした疑似ゲーム数抽選テーブルを用いて、疑似ボーナスにおける疑似ゲーム数を決定しているが、攻略要素が強くなり過ぎるのを回避するために、モードごとで区分けしない疑似ゲーム数抽選テーブルを用いて、疑似ボーナスにおける疑似ゲーム数を決定しても良い。
【0076】
以下、
図26を参照しながら、通常ATのゲーム数(以下、通常ATゲーム数ともいう)を決定するときに用いる抽選テーブルについて説明する。
通常ATゲーム数抽選は、有利区間における残りゲーム数に基づいて決定される通常ATゲーム数抽選用の乱数により行われる。
この有利区間の残りゲーム数は、上述した予め定められた上限値となる有利区間中に行われるゲーム数の特定回数から、消化済みのゲーム数を減算した値である。
通常ATゲーム数抽選テーブルは、当たり値が、抽選結果(30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム、150ゲーム、200ゲーム)と、有利区間の残りゲーム数に対応付けて規定される。
【0077】
通常ATゲーム数抽選は、滞在するモードに応じて、参照するテーブルが異なっており、主制御部10は、有利区間における残りゲーム数が多いほど、通常ATゲーム数の多い抽選結果に当選するように制御する。
これにより、通常ATゲーム数に到達する前に、有利区間のゲーム数の上限値である特定回数に到達する可能性を低くでき、通常ATゲーム数と有利区間の特定回数の調整を図っている。
そして、主制御部10は、疑似ゲーム数抽選で決定された疑似ゲーム数を消化し、通常ATゲーム数抽選で通常ATゲーム数を決定した後、AT状態を疑似ボーナスから通常ATに移行するように制御する(
図12の矢印(g))。
なお、通常ATゲーム数抽選は、「有利区間における残りゲーム数」に基づいて決定される通常ATゲーム数抽選用の乱数により行われる例について説明したが、有利区間中の消化済みゲーム数である「有利区間消化ゲーム数」に基づいて通常ATゲーム数抽選用の乱数を決定しても良い。
【0078】
通常ATは、1ゲームあたりの純増枚数の期待値が相対的に低いAT状態であり、疑似ボーナスから移行するとともに、押し順ベル1~6役が当選したときに一部ナビ演出が行われる。
この通常ATは、疑似ボーナス終了時に決定された通常ATゲーム数に到達するまで継続し、通常ATゲーム数の到達時に、特化ゾーンにおける特化ゲーム数を決定する抽選処理が行われる。
【0079】
以下、
図27を参照しながら、ゲーム数が通常ATゲーム数に到達した際に参照する特化ゾーン抽選テーブル(以下、第3特化ゾーン抽選テーブルという)について説明する。
第3特化ゾーン抽選テーブルは、再び通常ATから移行する特化ゾーンにおける特化ゲーム数を決定するためのテーブルである。
第3特化ゾーン抽選は、滞在するモードに基づいて、通常ATゲーム数の到達時にそれぞれ取得する特化ゲーム数の抽選用の乱数の判定により行われる。
第3特化ゾーン抽選テーブルは、当たり値が、付与される特化ゲーム数と、滞在するモードごとに対応付けて規定される。
【0080】
このように、AT状態は、純増状態が異なる3種類のAT状態から構成されており、遊技者の有利度からすると、疑似ボーナス>特化ゾーン>通常ATの関係性を有している。
このため、遊技者は、AT状態が疑似ボーナスのときが、同一の期間内に、最も多くのメダルを獲得できる構成になっている。
そして、通常AT終了後は、再び特化ゾーンに移行することになり(
図12の矢印(h))、特化ゾーン→疑似ボーナス→通常AT→特化ゾーン・・・という流れで、有利区間の終了条件が成立するまでAT状態は継続する(
図12の矢印(i))。
【0081】
また、上述した3種類のAT状態では、押し順ベル役の当選時に行われ、ナビ演出を行うか否かを決定するナビ抽選の当選確率(以下、ナビ率という)を異ならせている。
例えば、特化ゾーンでは、ナビ率を30%とし、疑似ボーナスでは、ナビ率を100%とし、通常ATでは、ナビ率を10%としている。
このように、1ゲームあたりの純増枚数の期待値が多いほど、ナビ率を高くすることで、AT状態ごとの純増枚数の期待値の変動を実現している。
このため、ナビ率は、特化ゾーン>通常ATの関係性を有しているものの、別途、次に説明するナビ権利抽選に当選してナビ権利を保有していると、一部ナビ演出の特化ゾーンや通常ATにおいても、保有しているナビ権利を消化することで、100%の確率でナビ演出が行われる。
すなわちナビ権利の保有状況によっては、通常ATのナビ率が特化ゾーンのナビ率を上回る可能性がある。
これにより、通常ATでも、特化ゾーンよりメダルを多く獲得できる機会が増えることもあるため、遊技者に与えられる喪失感を低減させ、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0082】
以下、
図28を参照しながら、ナビ権利抽選テーブルについて説明する。
ナビ権利抽選テーブルは、AT状態(特化ゾーン、疑似ボーナス、通常AT)中に参照し、特化ゾーン及び通常AT中に消化可能なナビ権利(ナビ数)を獲得するか否かを決定する抽選テーブルである。
ナビ権利抽選テーブルは、主制御部10により、ベル入賞(ナビ実行含む)、弱チェリー役、スイカ役、チャンス目役、強チェリー役、その他に当選したときに取得するナビ権利抽選用の乱数の判定により行われる。
ナビ権利抽選テーブルにおけるベル入賞(ナビ実行含む)とは、上述した疑似ゲーム数抽選テーブルと同様に、ベル役が入賞すること及びナビ演出が行われることの少なくとも何れか一方を満たすことであり、ナビ演出時に「ベルこぼし目」が停止した場合でもベル役が入賞したものとしてナビ権利抽選が行われる。
また、ナビ権利抽選テーブルにおけるその他とは、ベル役やレア役以外の役のことで「ベルこぼし目」も含まれるが、ベル入賞やレア役に比べると獲得できるナビ権利は低く規定される。
【0083】
具体的には、ナビ権利抽選テーブルは、有利区間の残りゲーム数が「400ゲーム以下」か否かで当たり値が異なっており、有利区間の残りゲーム数が「400ゲーム以下」の方が、「401ゲーム以上」より、ナビ権利の獲得率が高くなるため、有利区間の後半にAT状態に当選しても満足した出玉を提供し易いように制御される。
【0084】
このようなナビ権利抽選テーブルによって獲得したナビ権利の保有状況によって、通常ATのナビ率が特化ゾーンのナビ率を上回る可能性もあるため、遊技者は、通常ATであっても遊技の興趣が低下すること無く、最後まで遊技を継続するようになり、遊技機の稼働率の向上が見込める。
主制御部10は、AT状態において、特化ゾーンから疑似ボーナス、疑似ボーナスから通常AT、通常ATから特化ゾーンのように移行するように制御することで、遊技の多彩化や期待感を向上させている。
なお、AT状態への移行抽選に当選した場合に、直ぐに特化ゾーン(AT状態)へ移行せず、遊技者に対して、AT状態への移行に対する期待感を高めるための前兆演出を所定ゲーム数(例えば、25~30ゲーム)実行した後に、AT状態へ移行するようにしても良い。
また、AT状態として、1ゲームあたりの純増枚数の期待値が異なる3種類を設けているが、2種類以下としても良く、さらには、4種類以上としても良く、適宜変更できる。
また、ATゲーム数の決定は、抽選テーブルを用いて、抽選で行う構成を一例として説明したが、これに限られず、抽選を行わずに、一義的に決定するような構成でも良い。
例えば、3種類の何れのAT状態は、一律に固定値として所定のゲーム数(例えば、50ゲーム)が設定されること等が一例として挙げられる。
また、3種類のAT状態は、主制御部10にゲーム数によって管理される例について説明したが、これに限られず、小役の当選数(例えば、押し順ベルの当選数)、小役の入賞数(例えば、押し順ベルの入賞数)、遊技者が投入したメダルの投入枚数、遊技者に払い出されるメダルの払出枚数、投入枚数と払い出された払出枚数の差である差枚数等、その他の数値等に基づき、AT状態を管理するようにしても良い。
以上、本実施形態における遊技機によれば、遊技者の技量問わず、目押しに関する演出を楽しむことができる。
【0085】
[変形例]
続いて、各種の変形例について説明する。
まず、変形例1について説明する。
本実施形態のスロットマシン1は、上述の通り、特定のモードに滞在している状態で、滞在しているモードに対応する重複役が当選した場合に、目押しチャレンジ演出が行われる。
【0086】
変形例1では、上述した重複役A~Dの他に、重複役Eを新たに設け、何れのモードにおいても、目押しチャレンジ演出が行われる構成になっている。
この場合、例えば、重複役Eを構成する目押し役Gの目押し方法は、中リール41bが第3停止操作となる押し順で、中リール41bを停止操作してから「3コマ」のスベリを想定したタイミング(第3のタイミング)で目押しをすれば、有効ライン上に目押し役Gの図柄組み合わせ(第3図柄)が停止するように制御される。
そして、主制御部10は、モードA又はモードDに滞在中、何れのモードにも対応する重複役Eを構成する目押し役Gの図柄組み合わせが目押しにより有効ライン上に停止表示した場合に、特典(ポイントやゲーム等)の付与を行うように制御(特定制御)する。
【0087】
また、重複役Eの出現頻度は、相対的に当選(出現)する頻度が高くなるが、目押しチャレンジ成功により獲得できる恩恵は、相対的に大きくなるように規定しても良いが、その逆でも良い。
これにより、目押しチャレンジ演出が行われる機会が増え、例えば、恩恵を大きくすれば、多くのメダルを獲得できる可能性が増えるため、より目押しチャレンジ演出に興味を持たせることができる。
【0088】
続いて、変形例2について説明する。
本実施形態のスロットマシン1は、通常区間に滞在中、所定の有利区間移行役の当選を契機として行われるモード抽選処理と、有利区間に滞在中、一定の確率で発生する所定の小役に当選した際、モードごとに異なる特定の押し順で停止ボタン5を停止操作することによりモードを決定する。
【0089】
変形例2では、天井ゲーム数を設定している遊技機において、天井ゲーム数に到達する前の特定のゲーム数に基づいて、モードを決定する構成になっている。
主制御部10は、ゲーム数に基づいて、モードA又はモードD等のモードを制御する。
例えば、天井ゲーム数到達までの残りゲーム数が多い場合には、モードCに移行し易くし、天井ゲーム数到達までの残りが少ない場合には、モードAに移行し易くする等が一例として挙げられる。
このような構成により、遊技の多様性を高めるとともに、天井ゲーム数に注目させることができ、遊技の興趣を向上できる。
【0090】
以上のように、本実施形態における遊技機によれば、目押しの成功により恩恵が受けられる遊技機において、遊技者がチャレンジしたい難易度に応じたモード(目押しチャレンジ対象役(目押し役))を選択でき、モードに対応する重複役が当選した場合に目押しチャレンジ演出を行う。
そして、モードに対応する重複役以外の役が当選した場合には、目押しチャレンジ演出は行わず、仮に遊技者が目押しを成功させても恩恵を受けられない構成になっている。
これにより、遊技者自身で目押しの難易度を決められるため、技術介入の要素がある遊技機であっても自らの技量に自信のない遊技者から敬遠されにくい遊技機を提供できる。
また、自らの技量に自信のある遊技者であっても、その日の調子に応じて、目押しの難易度を選択できるため、より遊技演出に興味を持たせることが可能になり、遊技の興趣向上に寄与できる。
【0091】
一方、従来の遊技機では、特許文献1に開示されているように、本発明のように遊技者自身で目押しの難易度を決められる構成でないため、自らの技量に自信のない遊技者からは敬遠されることになり、遊技機の稼働が伸び悩むことがあった。
本発明の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0092】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明における遊技機は上述した実施形態にのみに限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
また、メダル等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを行う、いわゆる封入式遊技機にも適用することができる。
また、上述した各種抽選テーブルにおける当選値やその当選値の区分け等は、一例であり、他の当選値やその当選値の区分けを用いることもできる。
さらには、遊技機に設定される設定値ごとに各種抽選テーブルにおける当選値やその当選値の区分けを変更することもできる。
また、モードの移行は、獲得した特典(例えば、ポイント)に基づいて、移行するモードを決定しても良く、例えば、獲得しているポイントが多い場合には、モードAに移行し易くし、獲得しているポイントが少ない場合には、モードCに移行し易くする等が一例として挙げられる。
また、モードC、Dに滞在中の目押しチャレンジにおいて、特定回数失敗することを条件に、モードC、Dより目押しチャレンジの難易度の低い、例えば、モードA、B等に移行させるようにしても良い。
また、所定ゲーム数ごとや抽選当選時等に、次の目押しチャレンジに成功すれば、付与されるポイント数やゲーム数が2倍になる等のチャンス状態を設けても良い。
また、目押しチャレンジを他の演出に使用しても良く、例えば、ボーナス状態を有する遊技機において、通常状態でボーナス役の成立又は当選後に、目押しチャレンジと同様の演出を行い、目押しを行うと、規定された目押し方法にも関わらず、目押し役の図柄組み合わせが有効ライン上に停止しないボーナス確定等の演出を行うことが考えられる。
このとき、主制御部10に管理される指示モニターを非表示として、よく見るとボーナスの成立を認識できるようにしても良い。
これにより、目押しチャレンジにおいてもボーナスへの期待感を損なわないようにできる。
【符号の説明】
【0093】
1 スロットマシン(遊技機)
5 停止ボタン(停止操作手段)
8 表示器(報知手段)
9 スピーカ(報知手段)
10 主制御部(制御手段、遊技状態制御手段、抽選手段、記憶手段)
12 ナビランプ(報知手段)
20 副制御部
41 リール(図柄表示手段)