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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】半導体ウエハの厚さ計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20241028BHJP
【FI】
G01B11/06 G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022059800
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023150602
(43)【公開日】2023-10-16
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】591102693
【氏名又は名称】santec Holdings株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】両澤 淳
(72)【発明者】
【氏名】諌本 圭史
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-306018(JP,A)
【文献】特開2021-004795(JP,A)
【文献】特開2022-016245(JP,A)
【文献】特開2003-042722(JP,A)
【文献】特開平04-289405(JP,A)
【文献】特開2004-069490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
9/00-9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ計測対象となる半導体ウエハであるサンプルウエハ、及び、一定の厚さを有する半導体ウエハであるリファレンスウエハに対し、それぞれ、垂直に光を照射して、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの表・裏面で反射した前記光の干渉信号を受光するよう構成された光学系と、
前記光学系にて受光された前記干渉信号を周波数解析することで、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの点像分布関数のピーク位置を求める信号処理部と、
前記信号処理部にて求められた前記サンプルウエハの前記ピーク位置「x」と、前記リファレンスウエハの前記厚さ「treference」及び前記ピーク位置「y」と、に基づき、前記サンプルウエハの厚さ「tsample」を算出するよう構成された演算部と、
環境温度変化に対する前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウェハの温度変化が一致するように、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの少なくとも一方の温度を調整するよう構成された温度調整機構と、
を備えた、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記温度調整機構は、
前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの少なくとも一方に対し、周囲の大気を吹き付けるよう構成された送風機構、
を備えている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記温度調整機構は、
前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの少なくとも一方に設けられ、前記サンプルウエハ又は前記リファレンスウエハの温度を直接制御するよう構成された温度制御素子、
を備えている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記演算部は、
前記サンプルウエハの厚さを、次式(1)
tsample=x・treference/y …(1)
を用いて算出するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記演算部は、
前記サンプルウエハの厚さを、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの温度変化に対する時間応答の差「delay」を考慮して、次式(2)
tsample(i)=x(i+delay)・treference/y(i) …(2)
但し、添え字(i)は任意の時刻の値を表す。
を用いて算出するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項6】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記演算部は、
前記サンプルウエハの厚さを、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの温度変化に対する時間応答の差「delay」と、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの屈折率温度係数の違いを補正する補正係数「A」と、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの時間応答の違いを補正する補正係数「B」とをパラメータとする次式(3)
tsample(i)={x(i+delay)・treference/y(i)}
-{y(i)-y(0)}・A-{y(i)-y(i+1)}・B …(3)
但し、添え字(i)は任意の時刻の値、添え字(0)は基準時刻の値、添え字(i+1)は次の時刻の値を表す。
を用いて算出するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項7】
厚さ計測対象となる半導体ウエハであるサンプルウエハ、及び、一定の厚さを有する半導体ウエハであるリファレンスウエハに対し、それぞれ、垂直に光を照射して、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの表・裏面で反射した前記光の干渉信号を受光するよう構成された光学系と、
前記光学系にて受光された前記干渉信号を周波数解析することで、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの点像分布関数のピーク位置を求める信号処理部と、
前記信号処理部にて求められた前記サンプルウエハの前記ピーク位置「x」と、前記リファレンスウエハの前記厚さ「treference」及び前記ピーク位置「y」と、に基づき、前記サンプルウエハの厚さ「tsample」を算出するよう構成された演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記サンプルウエハの厚さを、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの温度変化に対する時間応答の差「delay」を考慮して、次式(2)
tsample(i)=x(i+delay)・treference/y(i) …(2)
但し、添え字(i)は任意の時刻の値を表す。
を用いて算出するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項8】
厚さ計測対象となる半導体ウエハであるサンプルウエハ、及び、一定の厚さを有する半導体ウエハであるリファレンスウエハに対し、それぞれ、垂直に光を照射して、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの表・裏面で反射した前記光の干渉信号を受光するよう構成された光学系と、
前記光学系にて受光された前記干渉信号を周波数解析することで、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの点像分布関数のピーク位置を求める信号処理部と、
前記信号処理部にて求められた前記サンプルウエハの前記ピーク位置「x」と、前記リファレンスウエハの前記厚さ「treference」及び前記ピーク位置「y」と、に基づき、前記サンプルウエハの厚さ「tsample」を算出するよう構成された演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記サンプルウエハの厚さを、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの温度変化に対する時間応答の差「delay」と、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの屈折率温度係数の違いを補正する補正係数「A」と、前記サンプルウエハと前記リファレンスウエハの時間応答の違いを補正する補正係数「B」とをパラメータとする次式(3)
tsample(i)={x(i+delay)・treference/y(i)}
-{y(i)-y(0)}・A-{y(i)-y(i+1)}・B …(3)
但し、添え字(i)は任意の時刻の値、添え字(0)は基準時刻の値、添え字(i+1)は次の時刻の値を表す。
を用いて算出するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記光学系は、
前記サンプルウエハへの前記光の照射経路となる自由空間に配置され、前記光を前記自由空間内で2方向に分岐させるよう構成されたビームスプリッタ、
を備え、前記ビームスプリッタにて分岐された第1の光を、前記サンプルウエハに照射し、前記ビームスプリッタにて分岐された第2の光を、前記リファレンスウエハに照射するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記リファレンスウエハは、前記サンプルウエハと同じ組成である、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハが配置される計測空間は、筐体で囲まれている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハが配置される計測空間の温度を制御するよう構成された温度制御機構を備えている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記光学系は、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハに照射する前記光を発生する光源として、前記光の波長を連続的且つ周期的に変化させるよう構成された波長掃引光源を備えると共に、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの表・裏面で反射した前記光の前記干渉信号を検出する光検出器を備え、
前記信号処理部は、前記光検出器からの検出信号を、前記光源から出力される前記光の波長の周期的変化に同期して、一周期毎に複数回サンプリングし、周波数解析するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記波長掃引光源から出力された前記光の一部を取り込み、サンプリングクロック信号を生成するマッハツェンダ干渉計、を備え、
前記信号処理部は、前記マッハツェンダ干渉計にて生成された前記サンプリングクロック信号に基づき、前記光検出器からの検出信号をサンプリングするよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【請求項15】
請求項1~請求項12の何れか1項に記載の半導体ウエハの厚さ計測装置であって、
前記光学系は、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハに照射する前記光を発生する光源として、広帯域光源を備えると共に、前記サンプルウエハ及び前記リファレンスウエハの表・裏面で反射した前記干渉信号を波長毎に分光する分光器を備え、
前記信号処理部は、前記分光器にて波長毎に分光された信号を周波数解析するよう構成されている、半導体ウエハの厚さ計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体ウエハの厚さ計測方法及び厚さ計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のように、半導体ウエハに対し垂直に光を照射し、半導体ウエハの表面及び底面で反射した光の干渉信号を周波数解析することで、半導体ウエハの厚さを計測するよう構成された厚さ計測装置が知られている。
【0003】
また、特許文献1には、半導体ウエハに照射する光の強度が変化すると計測精度が低下することから、半導体ウエハへの照射光を厚さが一定の参照用ウエハにも照射して干渉信号を取得し、その干渉信号の変動から光源の異常を判定することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-16245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の装置によれば、半導体ウエハの厚さ計測に用いる光源の異常を検出して、警報を発することで、厚さ計測を停止させるが、計測精度は、光源からの照射光だけでなく、周囲の環境温度によっても変化する。
【0006】
つまり、計測装置や半導体ウエハの光学特性は温度依存性を有することから、環境温度が変化すると、半導体ウエハの厚さが同一であっても、計測値が変動するのである。
本開示の一局面は、環境温度の変化に影響されることなく、半導体ウエハの厚さを計測し得る、半導体ウエハの厚さ計測方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1局面の半導体ウエハの厚さ計測方法においては、まず、厚さ計測対象となる半導体ウエハであるサンプルウエハ、及び、一定の厚さを有する半導体ウエハであるリファレンスウエハに対し、それぞれ、垂直に光を照射する。
【0008】
次に、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの表・裏面で反射した光の干渉信号を受光し、その受光した干渉信号を周波数解析することで、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの点像分布関数のピーク位置を求める。なお、以下の説明では、点像分布関数を、PSF(Point spread function)という。
【0009】
そして、最後に、サンプルウエハのピーク位置「x」と、リファレンスウエハの厚さ「treference」及びピーク位置「y」と、に基づき、サンプルウエハの厚さ「tsample」を算出する。
【0010】
このように、本開示では、特許文献1に記載のように、サンプルウエハに光を照射して厚さを計測するのではなく、サンプルウエハとリファレンスウエハとに同時に光を照射する。
【0011】
そして、各ウエハからの反射光から得られる干渉信号から、各ウエハの厚さに対応するピーク位置を求め、各ウエハのピーク位置と、リファレンスウエハの厚さとから、サンプルウエハの厚さを算出する。
【0012】
これは、周囲の環境温度が変化して、サンプルウエハの温度が変化したときには、リファレンスウエハの温度も変化することから、サンプルウエハの厚さは、リファレンスウエハの厚さに比例して変化するからである。
【0013】
従って、本開示の厚さ計測方法によれば、環境温度、換言すれば、サンプルウエハの温度の変化によって、厚さの計測結果が大きく変化するのを抑制することができ、厚さの計測精度を高めることができる。
【0014】
次に、本開示の第2局面の半導体ウエハの厚さ計測装置においては、厚さ計測用の光学系と、信号処理部と、演算部とを備える。
光学系は、厚さ計測対象となる半導体ウエハであるサンプルウエハ、及び、一定の厚さを有する半導体ウエハであるリファレンスウエハに対し、それぞれ、垂直に光を照射して、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの表・裏面で反射した光の干渉信号を受光する。
【0015】
また、信号処理部は、光学系にて受光された干渉信号を周波数解析することで、サンプルウエハ及びリファレンスウエハのPSFのピーク位置を求める。
また、演算部は、信号処理部にて求められたサンプルウエハのピーク位置「x」と、リファレンスウエハの厚さ「treference」及びピーク位置「y」と、に基づき、サンプルウエハの厚さ「tsample」を算出する。
従って、本開示の厚さ計測装置によれば、上述した厚さ計測方法に則って、サンプルウエハの厚さを計測することができ、上記のように、環境温度、換言すれば、サンプルウエハの温度の変化によって、厚さの計測結果が大きく変化するのを抑制することができる。
【0016】
ここで演算部は、サンプルウエハの厚さを、次式(1)
tsample=x・treference/y …(1)
を用いて算出するよう構成されてもよい。
【0017】
このようにすれば、サンプルウエハの厚さ「tsample」は、サンプルウエハのピーク位置「x」とリファレンスウエハのピーク位置「y」との比率とリファレンスウエハの厚さ「treference」とに基づき、簡単な比例計算にて求めることができる。従って、厚さ計測のための演算処理を簡素化して、サンプルウエハ各部の厚さを高速に計測することができるようになる。
【0018】
また、演算部は、サンプルウエハの厚さを、サンプルウエハとリファレンスウエハの温度変化に対する時間応答の差「delay」を考慮して、次式(2)
tsample(i)=x(i+delay)・treference/y(i) …(2)
但し、添え字(i)は任意の時刻の値を表す。
を用いて算出するよう構成されてもよい。
【0019】
つまり、サンプルウエハとリファレンスウエハは、環境温度に応じて温度が変化するが、その温度変化に対する応答(詳しくは、時定数や屈折率温度係数)を一致させることは困難である。そこで、温度変化に対する時間応答の差を予め設定しておき、この時間応答の差を含む上記(2)式を用いて、サンプルウエハの厚さを算出するようにすれば、サンプルウエハの厚さをより精度良く計測することができるようになる。
【0020】
また更に、演算部は、サンプルウエハの厚さを、上記時間応答の差「delay」と、サンプルウエハとリファレンスウエハの屈折率温度係数の違いを補正する補正係数「A」と、サンプルウエハとリファレンスウエハの時間応答の違いを補正する補正係数「B」とをパラメータとする次式(3)
tsample(i)={x(i+delay)・treference/y(i)}
-{y(i)-y(0)}・A-{y(i)-y(i+1)}・B …(3)
但し、添え字(i)は任意の時刻の値、添え字(0)は基準時刻の値、添え字(i+1)は次の時刻の値を表す。
を用いて算出するよう構成されていてもよい。
【0021】
このようにすれば、サンプルウエハとリファレンスウエハの屈折率温度係数の違い、及び、サンプルウエハとリファレンスウエハの時間応答の違いを、より適正に補正して、サンプルウエハの厚さをより高精度に計測することができるようになる。なお、補正係数「A」,「B」は、実験若しくはシミュレーションなどによって予め設定するようにすればよい。
【0022】
一方、光学系は、サンプルウエハへの光の照射経路となる自由空間に配置され、光を自由空間内で2方向に分岐させるよう構成されたビームスプリッタ、が備えられてもよい。この場合、ビームスプリッタにて分岐された第1の光をサンプルウエハに照射し、ビームスプリッタにて分岐された第2の光をリファレンスウエハに照射することができる。また、リファレンスウエハは、サンプルウエハと同じ組成であってもよい。
【0023】
つまり、このようにすれば、サンプルウエハの厚さ計測条件を、リファレンスウエハの計測条件に、より近づけることができるようになり、上記計算式(1)~(3)を用いた厚さの演算精度を高めることができる。
【0024】
また、本開示の半導体ウエハの厚さ計測装置は、更に、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの少なくとも一方の温度を調整するよう構成された温度調整機構を備えていてもよい。この温度調整機構は、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの少なくとも一方に対し、周囲の大気を吹き付けるよう構成された送風機構を備えていてもよい。或いは、この温度調整機構は、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの少なくとも一方に設けられ、サンプルウエハ又はリファレンスウエハの温度を直接制御するよう構成された温度制御素子、を備えていてもよい。
【0025】
このように、温度調整機構を設けるようにすれば、サンプルウエハとリファレンスウエハの温度変化に対する時間応答をハード的に揃えることができるようになり、サンプルウエハの厚さ計測精度をより高めることができる。
【0026】
なお、温度調整機構として送風機構を設ける場合、送風機構は、送風対象となるウエハの上下面の両方から送風できるように構成すると、ウエハの温度変化に対する時間応答をより早く揃えることができるようになる。
【0027】
一方、サンプルウエハ及びリファレンスウエハが配置される計測空間は、筐体で囲まれていてもよい。このようにすれば、各ウエハの周囲の環境温度変化を穏やかにして、環境温度の急峻な変動により、計測精度が低下するのを抑制できる。
【0028】
また、本開示の半導体ウエハの厚さ計測装置は、サンプルウエハ及びリファレンスウエハが配置される計測空間の温度を制御するよう構成された温度制御機構を備えていてもよい。このように温度制御機構を備えていれば、筐体を設けた場合と同様、各ウエハの周囲の環境温度変化を穏やかにして、計測精度が低下するのを抑制できる。
【0029】
なお、このように温度制御機構を備えている場合、環境温度を意図的に変化させて、上述した(2)式、或いは、(3)式の時間応答の差「delay」や補正係数「A」,「B」を実験的に求めるのに、利用することができる。
【0030】
次に、光学系は、サンプルウエハ及びリファレンスウエハに照射する光を発生する光源として、光の波長を連続的且つ周期的に変化させるよう構成された波長掃引光源を備えていてもよい。また、光学系は、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの表・裏面で反射した光の干渉信号を検出する光検出器を備えていてもよい。
【0031】
この場合、信号処理部は、光検出器からの検出信号を、光源から出力される前記光の波長の周期的変化に同期して、一周期毎に複数回サンプリングし、周波数解析するよう構成されていてもよい。
【0032】
半導体ウエハの厚さ計測装置の光学系及び信号処理部をこのように構成すれば、特許文献1に記載のSS(Swept Source)方式の厚さ計測装置を実現できる。
また、この場合、半導体ウエハの厚さ計測装置は、更に、波長掃引光源から出力された光の一部を取り込み、サンプリングクロック信号を生成するマッハツェンダ干渉計、を備えていてもよい。この場合、信号処理部は、マッハツェンダ干渉計にて生成されたサンプリングクロック信号に基づき、光検出器からの検出信号をサンプリングするよう構成されていてもよい。
【0033】
なお、本開示の半導体ウエハの厚さ計測装置には、リファレンスウエハの干渉信号を受光できることから、この干渉信号をトリガ信号として利用することができる。このようにすれば、マッハツェンダ干渉計が不要になり、SS方式の厚さ計測装置の装置構成を簡単にすることができる。
【0034】
一方、光学系は、サンプルウエハ及びリファレンスウエハに照射する光を発生する光源として、広帯域光源を備えると共に、サンプルウエハ及びリファレンスウエハの表・裏面で反射した干渉信号を波長毎に分光する分光器を備えていてもよい。この場合、信号処理部は、分光器にて波長毎に分光された信号を周波数解析するよう構成されていてもよい。
【0035】
半導体ウエハの厚さ計測装置の光学系及び信号処理部をこのように構成すれば、SD(Spectral Domain)方式の厚さ計測装置を実現できる。つまり、本開示の半導体ウエハの厚さ計測装置は、SS方式の厚さ計測装置であっても、SD方式の厚さ計測装置であっても、適用して、上述した効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施形態の厚さ分布計測装置全体の構成を表す説明図である。
図2図1に示すプローブの内部構成を表す説明図である。
図3】サンプルウエハ及びリファレンスウエハのPSFのピーク位置を表す説明図である。
図4】サンプルウエハ及びリハレンスウエハに光を照射する光学系の詳細構成を表す説明図である。
図5】プローブ内でのリハレンスウエハを保持する保持部の構成を表す説明図である。
図6】サンプルウエハの保持部の構成例を表す説明図である。
図7】処理・演算部によるサンプルウエハの厚さ計測手順を表すフローチャートである。
図8】環境温度の変化に伴う計測結果の変化を表すタイムチャートである。
図9】温度変化によるPSFのピーク位置の変化を表す説明図である。
図10】環境温度の変化に伴うPSFのピーク位置と計測結果の変化を表すタイムチャートである。
図11】サンプルウエハの厚さ計算に用いる演算式の係数の設定手順を表すフローチャートである。
図12】環境温度の変化に伴う演算式の補正用パラメータと計算結果の変化を表すタイムチャートである。
図13】第1変形例のプローブの内部構成を表す説明図である。
図14】第2変形例の光学系の詳細構成を表す説明図である。
図15】第3変形例の厚さ分布計測装置全体の構成を表す説明図である。
図16】第3変形例の光学系の詳細構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
図1に示す厚さ分布計測装置2は、計測対象となる半導体ウエハであるサンプルウエハ4の厚さ分布を計測するためのものである。
【0038】
このため、厚さ分布計測装置2は、円板状のサンプルウエハ4の外周部分を保持する円環状の保持部10と、保持部10に保持されたサンプルウエハ4の板面に対向して配置される厚さ計測用のプローブ8とを備える。なお、プローブ8は、本開示の厚さ計測装置として機能する。
【0039】
保持部10は、上面が水平な土台であるベース部20の略中央に、支持部6を介して固定されている。支持部6は、電動ロータリ12と、第1調整ステージ14と、第2調整ステージ16とを備える。
【0040】
電動ロータリ12は、保持部10を中心軸周りに回転させることで、サンプルウエハ4を回転させて、プローブ8による厚さの計測位置を変化させる。また、第1調整ステージ14は、電動ロータリ12の下方に配置されて、保持部10を、ベース部20の水平面上で互いに直交する直交軸方向(図1に示すx,y軸方向)に移動させる。また、第2調整ステージ16は、第1調整ステージ14の下方、換言すればベース部20の上面に配置されて、ベース部20の水平面に直交する上下方向(図1に示すZ軸方向)に移動させる。
【0041】
このため、保持部10に保持されたサンプルウエハ4は、支持部6を介して、板面がベース部20の上面と略平行になるように配置され、その配置空間内で、第1調整ステージ14により所望位置に位置決めすることができる。また、第2調整ステージ16により、プローブ8から照射される光の焦点距離を調整できる。また、電動ロータリ12を回転させることにより、プローブ8によるサンプルウエハ4の厚さの計測位置を調整できる。
【0042】
次に、プローブ8は、ベース部20の上面に固定された支持枠22に設置されている。支持枠22は、一対の支柱24A,24Bと、連結部26と、を備える。一対の支柱24A,24Bは、ベース部20の板面上に支持部6を挟むように間隔を開けて立設されており、連結部26は、その支柱24A,24Bの上端部分に、ベース部20の板面と平行になるように固定されている。
【0043】
支持枠22の連結部26には、プローブ8が固定されるレール部28が設けられている。レール部28は、プローブ8をベース部20の板面方向(例えば、図1に示すx軸方向)に移動可能に支持するためのものであり、内部にプローブ8を移動させるアクチュエータ(図示せず)を備えている。従って、プローブ8は、レール部28内のアクチュエータにより、保持部10に保持されたサンプルウエハ4の上方で水平移動させることができる。
【0044】
このように、本実施形態の厚さ分布計測装置2においては、電動ロータリ12によりサンプルウエハ4を中心軸周りに回転させ、レール部28のアクチュエータによりプローブ8を水平移動させることができる。
【0045】
そして、プローブ8によるサンプルウエハ4の厚さ計測時には、後述する制御部60が、サンプルウエハ4を中心軸周りに回転させつつ、プローブ8を水平移動させることで、厚さ計測点を、サンプルウエハ4の板面上でらせん状に変化させる。この結果、サンプルウエハ4の板面全域での厚さ分布を計測することができるようになる。
【0046】
また、本実施形態の厚さ分布計測装置2の周囲は、計測時の環境温度を安定化させるために、筐体30で囲まれている。また、その筐体30内には、計測空間となる筐体30の内部温度、換言すれば計測時の環境温度を制御するための温度制御機構32が設けられている。なお、温度制御機構32は、環境温度を所望温度に設定可能な、所謂空調装置にて構成されている。
【0047】
これは、サンプルウエハ4の温度が変化すると、サンプルウエハ4での光の屈折率が変化して、プローブ8による厚さの計測結果が変化するためであり、本実施形態では、環境温度を安定化させるために、筐体30及び温度制御機構32が用いられる。
【0048】
また、筐体30内の環境温度は、筐体30の外部温度の影響を受けることから、温度制御機構32だけで環境温度を一定にすることはできない。このため、環境温度が変化した際、サンプルウエハ4自体の温度が環境温度に追従するよう、筐体30内には、サンプルウエハ4の表・裏面に大気を吹き付ける第1送風機構34も設けられている。
【0049】
これは、本実施形態では、サンプルウエハ4の厚さ計測に、プローブ8に設けられたリファレンスウエハ40を利用するためである。つまり、本実施形態では、第1送風機構34にてサンプルウエハ4の表・裏面に大気を吹き付けることで、環境温度の変化に対するサンプルウエハ4の温度変化を、リファレンスウエハ40の温度変化に近づけ、厚さの計測精度を高めるようにしている。なお、第1送風機構34は、本開示の温度調節機構の一例に相当するものであり、サンプルウエハ4の表・裏面に大気を吹き付けるために、例えば、一対の送付ファンを備えている。
【0050】
図2に示すように、厚さ計測装置としてのプローブ8には、リファレンスウエハ40が備えられている。リファレンスウエハ40は、サンプルウエハ4と組成が同じ半導体ウエハであり、厚さが予め一定に調整されている。
【0051】
なお、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40とで一致させる組成としては、材料、ドーパント種類、抵抗率、などを挙げることができる。但し、リファレンスウエハ40は、プローブ8に設けられることから、サンプルウエハ4に比べて小さく、熱容量などは異なる。
【0052】
そして、本実施形態では、サンプルウエハ4の厚さ計測時に、リファレンスウエハ40の厚さも同時に計測して、各ウエハ4,40の計測時に得られるPSFのピーク位置x,yと、リファレンスウエハ40の厚さを利用して、サンプルウエハ4の厚さを算出する。
【0053】
こうした厚さ計測を行うために、プローブ8には、波長掃引光源42と、光ファイバ44と、ビームスプリッタ46と、光検出器48と、処理・演算部50と、マッハツェンダ干渉計52が備えられている。
【0054】
波長掃引光源42は、厚さ計測に用いる光の波長を、所定の掃引範囲内で連続的且つ周期的に変化させて光ファイバ44に出射する。光ファイバ44は、波長掃引光源42から出射された光をビームスプリッタ46まで導く。
【0055】
ビームスプリッタ46は、光ファイバ44から後述のコリメータレンズ45を介して自由空間に放射された光を、直交する2方向に分岐するよう構成されている。そして、ビームスプリッタ46にて分岐された第1の光は、自由空間を通ってサンプルウエハ4の板面に垂直に照射され、ビームスプリッタ46にて分岐された第2の光は、自由空間を通ってリファレンスウエハ40の板面に垂直に照射される。
【0056】
このため、リファレンスウエハ40の板面は、ビームスプリッタ46を介して照射される光の光軸が、サンプルウエハ4の板面(水平面)に照射される光軸と直交するように角度調整されている。
【0057】
このようにサンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40に厚さ計測用の光が照射されると、その照射光が、各ウエハ4、40の表面及び裏面(換言すれば底面)で反射され、その反射光の干渉信号がビームスプリッタ46に戻る。
【0058】
そして、ビームスプリッタ46からは、各ウエハ4,40からの干渉信号が、サンプルウエハ4とは反対側に配置された光検出器48に入射し、光検出器48にて各干渉信号が受光される。
【0059】
次に、処理・演算部50は、光検出器48にて電気信号に変換された各ウエハ4,40からの干渉信号を取り込み、その干渉信号からサンプルウエハ4の厚さを計測する。
具体的には、まず、光検出器48から入力される干渉信号を、波長掃引光源42から掃引周期(例えば30kHz)に同期して出力されるAトリガ信号にてサンプリングする。また、サンプリングした干渉信号を、マッハツェンダ干渉計44から出力されるkトリガ信号に基づき、等波数間隔となるタイミングでリサンプリングし、波長掃引光源42の波長ばらつきや波長掃引の非線形性を補正する。
【0060】
次に、そのリサンプリングした干渉信号に窓関数を乗算して、高速フーリエ変換(以下、FFTという)することで、PSFのパワースペクトルを求める。そして、そのパワースペクトルから、図3に示すように、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の厚さに対応したピーク位置x,yを求め、このピーク位置x,yとリファレンスウエハ40の厚さとに基づき、サンプルウエハ4の厚さを算出する。
【0061】
なお、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40のピーク位置x,yは、図3の右側の拡大図に示すように、最大値近傍の3点を最小二乗法で2次関数フィッティングして推定する。
【0062】
処理・演算部50にて算出されたサンプルウエハ4の厚さ、つまり、厚さの計測結果は、制御部60に入力され、サンプルウエハ4での計測点を表す位置情報と共に、サンプルウエハ4の厚さ分布を表す厚さデータとして記憶される。
【0063】
制御部60は、パソコンなどのコンピュータシステムにて構成されている。そして、制御部60は、上述したように、プローブ8による厚さ計測点を、サンプルウエハ4の板面上でらせん状に変化させて、厚さ計測を順次実施させることで、サンプルウエハ4の厚さ分布を計測し、計測結果をハードディスクなどの所定の記憶媒体に記憶する。
【0064】
次に、マッハツェンダ干渉計44は、光ファイバ44による光の伝送路に設けられ、波長掃引光源42から出射された光の一部(例えば5%)を取り込み、サンプリングクロック信号を生成する。そして、そのサンプリングクロック信号から、波長掃引光源42の掃引波長帯域や中心波長の変動を補正するためのkトリガ信号を生成する。
【0065】
次に、光ファイバ44から光検出器48に至る光学系には、図4に示すように、コリメータレンズ45と、集光レンズ47が設けられている。
コリメータレンズ45は、光ファイバ44を介して伝送されてきた波長掃引光源42からの光を平行光にして、ビームスプリッタ46に入射させるレンズである。
【0066】
また、集光レンズ47は、各ウエハ4,40から反射されてビームスプリッタ46に戻り、ビームスプリッタ46から光検出器48側に出射された光を、光検出器48の受光部に集光させるレンズである。
【0067】
また、リファレンスウエハ40の近傍には、サンプルウエハ4と同様に、リファレンスウエハ40の表・裏面に大気を吹き付ける第2送風機構54が配置されている。なお、第2送風機構54は、本開示の温度調整機構の一例に相当するものであり、第1送風機構34と同様、リファレンスウエハ40の表・裏面に大気を吹き付けるために、例えば、一対の送付ファンを備えている。
【0068】
リファレンスウエハ40は、例えば、一辺が5~30mm程度の矩形形状であり、図5に示すように、互いに対向する2辺が一対の挟持板58A,58Bにて挟持されることにより、プローブ8内に位置決め固定される。これは、リファレンスウエハ40とリファレンスウエハ40を保持する部材との接触面積を小さくして、リファレンスウエハ40の温度が保持部材の温度によって変動するのを抑制するためである。
【0069】
また、一対の挟持板58A,58Bは、プローブ8内に設けられた支柱56に装着するための孔が穿設されており、各挟持板58A,58Bは、この孔に支柱56を挿通することにより、板面が互いに対向し且つ平行になるよう、支柱56に装着されている。
【0070】
このため、各挟持板58A,58Bは、支柱56の中心軸方向に変位させることでリファレンスウエハ40を挟持する際の間隔を調整することができる。また、各挟持板58A,58Bは、支柱56の中心軸周りに回動させることで、挟持したリファレンスウエハ40の板面のビームスプリッタ46に対する傾きを調整することができる。
【0071】
よって、ビームスプリッタ46からリファレンスウエハ40に入射し、リファレンスウエハ40からビームスプリッタ46に向けて反射される光の光軸を、容易に調整することができる。なお、リファレンスウエハ40の板面のビームスプリッタ46に対する傾きを調整するために、支柱56にチルト調整機能を持たせてもよい。
【0072】
次に、サンプルウエハ4を保持する保持部10は、サンプルウエハ4の外周の端縁部分に接触して、サンプルウエハ4を保持できるように、サンプルウエハ4の大きさ(例えば、12インチ(300mm))に対応する内・外径を有する円環状に形成されている。
【0073】
そして、保持部10は、環境温度が変化した際、サンプルウエハ4の温度がリファレンスウエハ40と同様に変化するように、サンプルウエハ4がなるべく大気に暴露されるように構成することが望ましい。
【0074】
そのため、保持部10は、図6Aに示すように、サンプルウエハ4の外周端縁と、極めて小さい接触面積にて接するように、内周面が傾斜した皿状に構成されている。従って、この保持部10によれば、サンプルウエハ4の温度が、保持部10の温度の影響を受けるのを抑制し、環境温度の変化に伴うサンプルウエハ4の温度変化を、リファレンスウエハ40の温度変化に追従させることができるようになる。
【0075】
なお、保持部10は、図6B又は図6Cに示すように、サンプルウエハ4の外周端縁の底面だけが接するように、内周面に段差を設け、その段差の内側部分にサンプルウエハ4が載置されるように構成されてもよい。
【0076】
またこの場合、サンプルウエハ4が載置される領域は、サンプルウエハ4において厚さ分布計測が除外された外周領域を載置し得る大きさに設定するとよい。例えば、12インチ(300mm)のサンプルウエハ4の厚さ分布計測では、サンプルウエハ4の外周1mmの範囲は、計測除外領域となっている。従って、この場合、保持部10において、サンプルウエハ4を載置可能な領域は、この計測除外領域に対応する大きさに設定するとよい。
【0077】
また、保持部10は、サンプルウエハ4の底面と接しないように円環状になっているが、図6Cに示すように、強度を確保するために、サンプルウエハ4の底面と接しないように底板を設けてもよい。但し、この場合には、底板に多数の孔10Aを設けて、通気性をよくすることが望ましい。
【0078】
また、図6A図6Cに示した保持部10は、サンプルウエハ4の外周全域に接触して、サンプルウエハ4を保持するようになっているが、図6Dに示すように、サンプルウエハ4の外周の一部に接触して、サンプルウエハ4を保持するようにしてもよい。
【0079】
なお、図6Dに示す保持部10は、図6Bに示した保持部10において、サンプルウエハ4と接する段差部分を、サンプルウエハ4の外周の4箇所に設けた構成になっている。但し、この段差部分は、サンプルウエハ4を載置できるように、サンプルウエハ4の外周に対し分散して配置されていればよく、個数は適宜設定すればよい。
【0080】
次に、処理・演算部50において、サンプルウエハ4の厚さを計測する際の計測手順(換言すれば計測方法)について、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、処理・演算部50は、A/D変換器及びFFT分析器を含むDAQ(データ収集システム)と、DAQを利用してサンプルウエハ4の厚さを算出するFPGA(field programmable gate array)とを備える。このため、以下に説明する計測手順は、FPGAの動作によって実現される。
【0081】
図7に示すように、処理・演算部50においては、まずS110にて、波長掃引光源42を駆動してサンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40に光を照射させ、光検出器48から入力される各ウエハ4,40からの干渉信号をサンプリングする。なお、干渉信号のサンプリングには、上述したように、波長掃引光源42から入力されるAトリガ信号と、マッハツェンダ干渉計44から入力されるkトリガ信号が利用される。
【0082】
次に、S120では、S110にてサンプリングした干渉信号に窓関数を乗算して、FFT分析器にてFFT解析することにより、PSFのパワースペクトルを算出する。そして、続くS130では、S120で算出したパワースペクトルから、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の厚さに対応したピーク位置x,yを推定し、S140に移行する。
【0083】
S140では、S130にて推定したサンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の厚さに対応したPSFのピーク位置x,yと、リファレンスウエハ40の厚さtreferenceとに基づき、次式(3)を用いて、サンプルウエハ4の厚さtsampleを算出する。
【0084】
tsample(i)={x(i+delay)・treference/y(i)}
-{y(i)-y(0)}・A-{y(i)-y(i+1)}・B …(3)
なお、(3)式において、「delay」はサンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の温度変化に対する時間応答の差を表す。また、「A」は、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の屈折率温度係数の違いによる誤差を補正する補正係数を表す。また、「B」は、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の時間応答の違いによる誤差を補正する補正係数を表す。
【0085】
これらのパラメータ「delay」,「A」,「B」は、実験などで予め設定されている。また、添え字(i)は任意の時刻の値、添え字(0)は基準時刻の値、添え字(i+1)は次の時刻の値を表す。
【0086】
こうして、S140にて、サンプルウエハ4の厚さtsampleが算出されると、S150に移行し、厚さ計測を継続するか否かを判定する。なお、この判定は、制御部60からの厚さ計測指令に基づき行われる。
【0087】
そして、S150にて、計測を継続すると判定されると、S110に移行して、次の計測点での厚さ計測を開始し、S150にて、計測を継続しないと判定されると、計測動作を終了する。
【0088】
なお、本実施形態において、S110~S130の処理は、本開示の信号処理部の一例に相当し、S140の処理は、本開示の演算部の一例に相当する。
次に、S140にて、サンプルウエハ4の厚さtsampleを算出するのに用いられる(3)式について説明する。
【0089】
まず、本実施形態において、サンプルウエハ4の厚さ計測に、リファレンスウエハ40を利用するのは、図3に示したように、各ウエハ4,40のPSFのピーク位置x,yを推定すれば、比例計算によりサンプルウエハ4の厚さtsampleを算出できるからである。
【0090】
つまり、リファレンスウエハ40の厚さtreferenceは、既に測定されているため、次式(1)
tsample=x・treference/y …(1)
を用いて、サンプルウエハ4の厚さtsampleを算出することができる。
【0091】
しかし、上記(1)式を用いて、サンプルウエハ4の厚さtsampleを算出した場合、環境温度が計測用の基準温度から変化しなければ問題ないが、図8に示すように、環境温度が変化すると、厚さtsampleの計測結果も変化することが判った。
【0092】
また、この原因は、図9に示すように、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40の温度が上昇すると、PSFのピーク位置x,yも変化し、その変化量Δx、Δy(詳しくは変化割合)がサンプルウエハ4とリファレンスウエハ40とで異なるためであった。
【0093】
つまり、上記(1)式は、ピーク位置の変化量Δx、Δyを考慮すると、次式(1-1)のように記載できる。
tsample=(x+Δx)・treference/(y+Δy) …(1-1)
しかし、実際には、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の温度変化ΔTが異なるため、上記演算式では、温度変化でΔTによる影響をキャンセルすることができない。
【0094】
例えば、図10は、プローブ8とサンプルウエハ4を恒温槽に入れて、サンプルウエハ4の同一個所を観察しながら、環境温度を変化させて、上記(1-1)式を用いてサンプルウエハ4の厚さtsampleを算出することにより得られた、計測結果を表している。
【0095】
図10から判るように、温度が低下し始めると、計測結果は、温度と逆の相関をもって変化し、温度が安定すると、計測結果も温度変化にやや遅れて一定値に収束する。
また、各ウエハ4,40の厚さに対応するPSFのピーク位置は、温度が変化した直後では、リファレンスウエハ40の方が速く応答し、温度が安定化した後ではサンプルウエハ4の方が大きくシフトしている。
【0096】
これより、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40において、環境温度変化に対するPSFのピーク位置x,yの時間応答(時定数)と、シフト量が異なることが判る。
そこで、本実施形態では、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40に大気を吹き付ける送風機構34,54を設け、環境温度変化に対するサンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の温度変化(時間応答)を、ハード的を一致させるようにしている。
【0097】
また、送風機構34,54だけでは、上記問題を充分解消することができないので、上記(3)式を用いてサンプルウエハ4の厚さを算出することで、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の時間応答をソフト的に揃える。
【0098】
つまり、(3)式においては、サンプルウエハ4のピーク位置xがリファレンスウエハ40のピーク位置yに比べて計測タイミングが遅れることを考慮して、(1)式におけるピーク位置x(i)を遅れ時間「delay」分遅延させた値x(i+delay)に変更されている。
【0099】
また、(3)式においては、上記(1)式の第2項として、任意の時刻に算出されたピーク位置y(i)と、基準時刻に算出されたピーク位置y(0)、例えば初期値、との差{y(i)-y(0)}に基づく補正項が追加されている。この第2項は、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の屈折率温度係数の違いによる誤差を補正する補正項であり、{y(i)-y(0)}に補正係数Aが乗じられる。
【0100】
また、(3)式においては、上記(1)式の第3項として、任意の時刻に算出されたピーク位置y(i)と、次の計測時刻で算出されたピーク位置y(i+1)との差{y(i)-y(i+1)}に基づく補正項が追加されている。この第3項は、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40との時間応答の違いによる誤差を補正する補正項であり、{y(i)-y(i+1)}に補正係数Bが乗じられる。
【0101】
そして、(3)式における各パラメータ「delay」、「A」、「B」は、環境温度の変化に対し、サンプルウエハ4の厚さの測定結果の変化が最も小さくなるように、実験的に予め設定されている。
【0102】
この結果、本実施形態のプローブ8(換言すれば、厚さ計測装置)を利用すれば、周囲の環境温度が変化しても、サンプルウエハ4の厚さを安定して計測することができるようになり、厚さ計測装置の計測精度を高めることができる。
【0103】
なお、本実施形態では、(3)式を用いて、サンプルウエハ4の厚さを算出するものとして説明したが、(3)式から第2項及び第3項を削除した次式(2)を用いてサンプルウエハ4の厚さを算出するようにしてもよい。
【0104】
tsample(i)=x(i+delay)・treference/y(i) …(2)
つまり、このようにしても、環境温度の変化に伴うサンプルウエハ4の温度変化がリファレンスウエハ40に対し遅れることを考慮して、サンプルウエハ4の厚さを算出することができる。したがって、(1)式を用いてサンプルウエハ4の厚さを算出する場合に比べて、計測精度を高めることができる。
【0105】
なお、温度変化の少ない環境下でサンプルウエハ4の厚さを計測する際には、(1)式を用いてサンプルウエハ4の厚さを算出するようにしても、従来の厚さ計測装置に比べて、精度よくサンプルウエハ4の厚さを計測することができる。つまり、上記(1)~(3)式は、計測環境に応じて、適宜選択して使用するようにすればよい。
【0106】
次に、(3)式における各パラメータ「delay」、「A」、「B」を設定する手順について、図11に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、これらパラメータ「delay」、「A」、「B」の設定は、制御部60が、温度制御機構32を駆動して、環境温度を連続的に変化させつつ実施する。また、制御部60は、通常の厚さ計測時と同様、第1送風機構34及び第2送風機構54を駆動して、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40に大気を吹き付ける。
【0107】
図11に示すように、制御部60は、まずS210にて、図12に示すように環境温度を連続的に変化させつつ、プローブ8に対し、各ウエハ4,40のPSFのピーク位置x,yを順次推定させ、その推定結果を、制御部60内のメモリに蓄積する。なお、このとき、プローブ8によるサンプルウエハ4の計測点は固定する。
【0108】
この結果、メモリには、環境温度の変化に対応して変化する、各ウエハ4,40のPSFのピーク位置x,yを順次記憶される。このピーク位置x,yは、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40に大気を吹き付けているため、図12に示すように、環境温度の変化に追従して変化する。
【0109】
但し、環境温度の変化の過渡時には、熱容量などの違いによって、サンプルウエハ4は、リファレンスウエハ40に対し少し遅れて変化する。つまり、リファレンスウエハ40は、サンプルウエハ4に比べて、やや時定数が小さく、また、各ウエハ4,40で屈折率温度係数がわずかに異なるため、シフト量もわずかに異なっている。
【0110】
こうして、S210の処理が実行されると、S220に移行して、(3)式の各パラメータ「delay」、「A」、「B」に初期値を設定し、S230に移行する。
S230では、メモリに記憶された各ウエハ4,40のピーク位置x,yの時系列データと、(3)式を用いて、計測されたピーク位置x,y毎(換言すれば計測タイミング毎)に、サンプルウエハ4の厚さを算出する。
【0111】
なお、この算出時に得られる(3)式の第2項のピーク位置yの変化{y(i)-y(0)}は、概ね、図12に示すように環境温度の変化に対応している。また、(3)式の第3項のピーク位置yの変化{y(i)-y(i+1)}は、図12に示すように、環境温度の変化の過渡時に大きく変動している。
【0112】
また、S230では、全計測タイミングでサンプルウエハ4の厚さを算出すると、その算出した厚さの最小値と最大値との差、つまり、p-p値を求める。なお、p-p値に代えて、標準偏差を算出するようにしてもよい。
【0113】
次に、S240では、S230にて算出したp-p値(又は標準偏差)が予め設定された閾値以下であるか否か、つまり、最小であるか否か、を判定する。
そして、S240にて、p-p値(又は標準偏差)は最小ではないと判定されると、S270に移行して、p-p値(又は標準偏差)が最小となるように、上記パラメータ「delay」、「A」、「B」の再設定し、再度S230に移行する。
【0114】
この結果、S230の処理は、(3)式のパラメータ「delay」、「A」、「B」を変更しつつ、p-p値(又は標準偏差)が閾値以下の最小になるまで、繰り返し実施されることになる。
【0115】
そして、S240にて、p-p値(又は標準偏差)は最小であると判定されると、S260に移行して、現在設定されている各パラメータ「delay」、「A」、「B」を、(3)式の係数として、メモリに記憶し、処理を終了する。
【0116】
この結果、(3)式の各パラメータ「delay」、「A」、「B」は、サンプルウエハ4の厚さを、より正確に算出することのできる値に設定されることになり、その後、(3)式を用いて、厚さ計測をより高精度に実施することができるようになる。
【0117】
なお、図12において、最下段に示す図には、(3)式の各パラメータ「delay」、「A」、「B」を用いて厚さを算出した、補正有りの算出結果と、(1)を用いて厚さを算出した、補正なしの算出結果が記載されている。
【0118】
この図から明らかなように、補正なしの厚さ算出結果は、環境温度の変化に応じて変化しているが、補正有りの厚さ算出結果は、環境温度の変化に対し略一定となっており、本実施形態によれば、計測精度を改善できることが判る。
[他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0119】
[第1変形例]
上記実施形態では、厚さ計測用の光源として、波長掃引光源42を利用し、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40からの反射光の干渉信号を光検出器48にて受光する、SS(Swept Source)方式の厚さ計測装置について説明した。
【0120】
しかし、本開示の厚さ検出方法及び装置は、図13に示すように、光源として、広帯域光源41を備え、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40からの反射光の干渉信号を分光器43にて分光して、各波長の光を受光するように構成されていてもよい。つまり、本開示の厚さ検出方法及び装置は、図13に示すSD方式の厚さ計測装置であっても、上記実施形態と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
【0121】
[第2変形例]
上記実施形態では、サンプルウエハ4に対し、ビームスプリッタ46にて分岐された光を、直接照射するものとして説明したが、図14に示すように、ビームスプリッタ46からサンプルウエハ4に至る光路上に集光レンズ49を設けるようにしてもよい。
【0122】
このようにすれば、サンプルウエハ4へ照射する光ビームを集光させて、空間分解能を高めることができる。例えば、焦点距離f=40mmのレンズを使えば、サンプルウエハ4の表面を照射するスポット径を半値全幅で約60μmにして、厚さ計測を実施することができる。
【0123】
[第3変形例]
上記実施形態では、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の温度変化を一致させるために、温度制御機構32、第1送風機構34、第2送風機構54を設けるものとして説明した。
【0124】
しかし、サンプルウエハ4とリファレンスウエハ40の温度変化を一致させるためには、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40の少なくとも一方の温度を直接制御するようにしてもよい。そして、このためには、図15及び図16に例示するように、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40に、それぞれ、温度調整機構としての温度制御素子72、74を設けるようにすればよい。
【0125】
温度制御素子72、74としては、通電などにより温度を制御可能な素子であればよく、例えば、ペルチェ素子などの熱電素子を含むTEC(Thermoelectric Controller)や、セラミックヒータなどを利用できる。そして、図15図16に示すように、サンプルウエハ4と及びリファレンスウエハ40において、厚さ計測用の光が照射される表面とは反対側(つまり裏面の外側)に、シート状の温度制御素子72、74を配置する。
【0126】
また、温度制御素子72、74には、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40を同一温度に揃えるために予め設定された、一定の制御電流を通電する。このようにすれば、上述した温度制御機構32、第1送風機構34及び第2送風機構54を利用することなく、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40の温度を揃えることができるようになる。
【0127】
なお、温度制御素子72、74は、温度制御機構32、第1送風機構34及び第2送風機構54と組み合わせて利用するようにしてもよい。このようにすれば、サンプルウエハ4及びリファレンスウエハ40の温度をより安定化させることができる。
【0128】
[他の変形例]
温度制御素子72、74、或いは、温度制御機構32、第1送風機構34及び第2送風機構54による、温度制御機能は、必ずしも全て備える必要はない。つまり、上述した(1)~(3)式の何れかを用いて、サンプルウエハ4の厚さを算出するだけでも、従来装置に比べて、厚さ計測精度を改善できる。なお、この場合、更に、温度制御機構32、第1送風機構34、第2送風機構54、温度制御素子72、74、の少なくとも1つを備えるようにすれば、厚さ計測精度をより一層改善することができる。
【0129】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、処理・演算部50は、DAQとFPGAとを備え、FPGAが図7に示す手順で各種演算処理を実行することで、サンプルウエハ4の厚さを算出するものとして説明したが、処理・演算部50はコンピュータを備えていてもよい。
【0131】
この場合、コンピュータは、厚さ計測用のマイクロコンピュータであってもよく、或いは、制御部60を構成するコンピュータであってもよい。また、このように、処理・演算部50をコンピュータにて構成する場合、図7に示した手順でコンピュータを動作させるプログラムが必要になる。そして、本開示は、このプログラム、或いは、このプログラムを記憶した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、など、種々の形態で実現することもできる。
【符号の説明】
【0132】
4…サンプルウエハ、8…プローブ(厚さ計測装置)、10…保持部、30…筐体、32…温度制御機構、34…第1送風機構、40…リファレンスウエハ、41…広帯域光源、42…波長掃引光源、43…分光器、44…光ファイバ、45…コリメータレンズ、46…ビームスプリッタ、47,49…集光レンズ、48…光検出器、50…処理・演算部、54…第2送風機構、72,74…温度制御素子。
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