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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20241028BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
G01N21/84 D
G01N21/956 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022556313
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2020039630
(87)【国際公開番号】W WO2022085135
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】508183782
【氏名又は名称】WIT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(74)【代理人】
【識別番号】100185845
【弁理士】
【氏名又は名称】穂谷野 聡
(72)【発明者】
【氏名】内海 正人
(72)【発明者】
【氏名】倉野 耕至
(72)【発明者】
【氏名】出山 健
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-111687(JP,A)
【文献】特開2008-076248(JP,A)
【文献】特開2008-102075(JP,A)
【文献】特開2002-372496(JP,A)
【文献】特開2011-138930(JP,A)
【文献】特開2010-139461(JP,A)
【文献】特開2009-014442(JP,A)
【文献】中国実用新案第208013055(CN,U)
【文献】国際公開第2019/211846(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/130307(WO,A1)
【文献】特開2015-152312(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001594(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
H05K 3/30 - H05K 3/34
H05K 3/46
H05K 13/00 - H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々目視外観検査装置と、上記目視外観検査装置による撮影に先立って検査対象物の検査を自動で行う自動外観検査装置を有する複数の検査ラインと、
上記目視外観検査装置の撮像画像を格納する第1のデータベースと、
上記自動外観検査装置の自動検査による判定結果、不良個所データを含む自動検査データを格納する第2のデータベースと、
上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと接続され、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと通信を行う通信部と、上記検査対象物の検査画像が表示される表示部と、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースの動作を制御する制御部を有し、各上記検査ラインに搬送されている上記検査対象物の目視検査を集中的に行う集中管理装置とを備え、
上記集中管理装置一の上記検査ラインの上記目視外観検査装置が撮影した目視検査画像の検査を行っている間に、他の上記検査ラインの上記目視外観検査装置によって所定の撮影条件で上記不良個所データを参照して当該検査ライン上を搬送される上記検査対象物の先回り撮影を行い、該先回り撮影画像を上記第1のデータベースに格納し、上記集中管理装置が上記目視検査において上記第1のデータベースから読み出した上記先回り撮影画像を上記表示部に表示する
検査システム。
【請求項2】
上記先回り撮影画像は、静止画及び/又は動画である請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
上記集中管理装置の検査員の操作に応じて、上記表示部に表示される上記各目視外観検査装置の上記先回り撮影画像を切り替える請求項1又は2に記載の検査システム。
【請求項4】
上記検査対象物の不良個所の高さを計測する計測手段と、上記検査対象物の基準高さと上記不良個所の高さから上記検査対象物のZ軸方向の補正値を算出する算出手段と、上記目視外観検査装置の撮像手段又は上記検査対象物を支持する支持部を上記検査対象物のZ軸方向へ移動する移動手段を備え、
予め、上記検査対象物のZ軸方向の補正値を取得し、
上記補正値を上記第1のデータベースに格納し、
上記先回り撮影において、上記補正値を参照し、上記検査対象物のZ軸方向の補正を行う請求項1~3のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項5】
予め、検査員により目視外観検査装置による重点目視検査個所が設定され、上記重点目視検査個所の位置データが上記第1のデータベースに格納され、
上記先回り撮影において、上記重点目視検査個所の位置データを参照し、上記重点目視検査個所が撮像される請求項1~4のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項6】
上記目視外観検査装置は、上記目視検査において、検査員から上記目視外観検査装置へ追加撮影の指示があったときに、検査員の指示に応じて追加撮影を行い、
上記表示部には、上記追加撮影されたリアルタイム画像が表示される請求項1~5のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項7】
上記追加撮影の条件データが上記第1のデータベースに格納され、上記目視外観検査装置は、以降の上記先回り撮影を、所定の先回り撮影条件に代えて又はこれに加えて上記追加撮影の条件データに基づいて行う請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
検査員による目視検査を行う際に、上記目視外観検査装置は、上記先回り撮影を行った撮像カメラが、上記検査員が上記先回り撮影画像により最初に目視検査を行う第1検査部位を捉えた位置で待機する請求項6又は7に記載の検査システム。
【請求項9】
検査員による目視検査を行う際に、上記目視外観検査装置は、上記先回り撮影を行った撮像カメラが、上記表示部に表示される先回り撮影画像の部位に対応した部位へ撮像カメラを移動させていく請求項6~8のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項10】
上記第1のデータベース及び上記第2のデータベースが同一のデータベースとして構成されている請求項1~9のいずれか1項に記載の検査システム。
【請求項11】
検査システムを用いた検査方法であって、
上記検査システムは、
各々目視外観検査装置、上記目視外観検査装置による撮影に先立って検査対象物の検査を自動で行う自動外観検査装置を有する複数の検査ラインと、
上記目視外観検査装置の撮像画像を格納する第1のデータベースと、
上記自動外観検査装置の自動検査による判定結果、不良個所データを含む自動検査データを格納する第2のデータベースと、
上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと接続され、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと通信を行う通信部と、上記検査対象物の検査画像が表示される表示部と、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースの動作を制御する制御部を有し、各上記検査ラインに搬送されている上記検査対象物の目視検査を集中的に行う集中管理装置とを備え、
上記集中管理装置一の上記検査ラインの上記目視外観検査装置が撮影した目視検査画像の検査を行っている間に、他の上記検査ラインの上記目視外観検査装置によって所定の撮影条件で上記不良個所データを参照して当該検査ライン上を搬送される上記検査対象物の先回り撮影を行い、該先回り撮影画像を上記第1のデータベースに格納し、上記集中管理装置が上記目視検査において上記第1のデータベースから読み出した上記先回り撮影画像を上記表示部に表示する
検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、検査ラインを搬送される検査対象物を検査する検査システムに関し、特に複数の検査ラインの集中管理を可能とする検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板には、電子機器の小型化から、IC、LSI、コンデンサ素子、抵抗素子等の電子部品が高密度実装されている。プリント基板に電子部品を高密度実装するにあたっては、例えば、ガラスエポキシ等のリジットのプリント基板にクリーム半田や銅箔のエッチング等によって配線パターンや電子部品が実装されるパッドが形成される。次いで、スクリーン印刷等によってパッドにクリーム半田が印刷された後、自動部品搭載機等によって所定位置に電子部品が搭載され、リフロー半田付け処理が行われる。製造後の検査工程において、外観検査装置によって実装状況や半田付け状況等の外観検査が行われ、また、回路の導通検査、電気的動作の機能確認が行われる。
【0003】
ここで、電子部品等が表面実装されたプリント基板の外観検査では、自動外観検査装置による検査と目視外観検査装置による検査が併用され、自動外観検査装置による外観検査によって不良と判定されたプリント基板について、目視外観検査装置による外観検査を行い、実装不良の態様を確認している。自動検査装置としては、自動光学検査(AOI:Automatic Optical Inspection)装置、自動X線検査(AXI:Automatic X-Ray Inspection)、ICT(インサーキット テスター:In-circuit Tester)装置等がある。目視外観検査装置としては、特許文献1に示すような外観目視検査装置を用いて行われている。
【0004】
目視外観検査装置は、自動外観検査装置で実装不良と判定された検査対象のプリント基板を支持する支持部と、検査対象のプリント基板の要検査部位を撮像するカメラと、カメラと検査対象のプリント基板の位置を相対的に移動させカメラの撮像可能な位置とプリント基板の要検査部位を合わせる移動機構とを備える。カメラで撮像された画像データは、モニタに表示され、検査員によってモニタ越しに目視検査される。ここで、目視外観検査装置には、プリント基板や電子部品の表面の印刷不良等を確認するため、上方からプリント基板や電子部品の表面を撮像する平面カメラの他に、半田付け箇所等を斜め上方から撮像する斜めカメラが設けられている。半田付けの箇所は、立体的な箇所であるため、斜め上方から当該箇所を撮像した方が検査員が目視で半田付けの状態を確認しやすいからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-152312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、プリント基板などの大量生産が求められる分野では、検査工程においても、人的、時間的な省力化が求められている。そのため、検査対象物の搬送経路上に自動外観検査装置と目視外観検査装置が配置された検査ラインを複数設けるとともに、複数の検査ラインにおける検査を集中して行う集中管理端末を設け、複数の検査ラインにおける検査を並行して実行する検査システムが提案されている。このような集中管理端末を用いた検査システムは、検査員が複数の検査ラインにおける目視外観検査装置の検査画像を検査することから、検査品質のばらつきを抑え、また検査工程の省人化を図ることができる。
【0007】
一方で、集中管理端末を用いて複数の検査ラインにおける検査を集中して行う検査システムにおいては、集中管理端末を操作する検査員による目視検査が終了するまで、他の検査ラインの検査を進行させることができない検査待ちの状態となることから、検査工程のタクト短縮が課題となる。
【0008】
また、検査工程のタクト短縮を図るためには、集中管理端末を操作する検査員による目視検査自体の検査時間の短縮も求められる。
【0009】
本技術は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、複数の検査ラインを集中して行う検査システムにおいて、検査工程のタクト短縮を図ることができる検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本技術に係る検査システムは、各々目視外観検査装置と、上記目視外観検査装置による撮影に先立って検査対象物の検査を自動で行う自動外観検査装置を有する複数の検査ラインと、上記目視外観検査装置の撮像画像を格納する第1のデータベースと、上記自動外観検査装置の自動検査による判定結果、不良個所データを含む自動検査データを格納する第2のデータベースと、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと接続され、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと通信を行う通信部と、上記検査対象物の検査画像が表示される表示部と、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースの動作を制御する制御部を有し、各上記検査ラインに搬送されている上記検査対象物の目視検査を集中的に行う集中管理装置とを備え、上記集中管理装置一の上記検査ラインの上記目視外観検査装置が撮影した目視検査画像の検査を行っている間に、他の上記検査ラインの上記目視外観検査装置によって所定の撮影条件で上記不良個所データを参照して当該検査ライン上を搬送される上記検査対象物の先回り撮影を行い、該先回り撮影画像を上記第1のデータベースに格納し、上記集中管理装置が上記目視検査において上記第1のデータベースから読み出した上記先回り撮影画像を上記表示部に表示するものである。
【0011】
また、本技術に係る検査方法は、検査システムを用いた検査方法であって、上記検査システムは、各々目視外観検査装置、上記目視外観検査装置による撮影に先立って検査対象物の検査を自動で行う自動外観検査装置を有する複数の検査ラインと、上記目視外観検査装置の撮像画像を格納する第1のデータベースと、上記自動外観検査装置の自動検査による判定結果、不良個所データを含む自動検査データを格納する第2のデータベースと、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと接続され、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースと通信を行う通信部と、上記検査対象物の検査画像が表示される表示部と、上記目視外観検査装置及び上記第1、第2のデータベースの動作を制御する制御部を有し、各上記検査ラインに搬送されている上記検査対象物の目視検査を集中的に行う集中管理装置とを備え、上記集中管理装置一の上記検査ラインの上記目視外観検査装置が撮影した目視検査画像の検査を行っている間に、他の上記検査ラインの上記目視外観検査装置によって所定の撮影条件で上記不良個所データを参照して当該検査ライン上を搬送される上記検査対象物の先回り撮影を行い、該先回り撮影画像を上記第1のデータベースに格納し、上記集中管理装置が上記目視検査において上記第1のデータベースから読み出した上記先回り撮影画像を上記表示部に表示するものである。
【発明の効果】
【0012】
本技術によれば、各検査ラインに設けられた目視外観検査装置が撮影した検査画像を集中管理装置に表示させて目視検査を行うシステムにおいて、検査工程のタクトを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、検査システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、自動外観検査装置の主な構成を示す図である。
図3図3は、自動外観検査装置の動作フローを示すフローチャートである。
図4図4は、目視外観検査装置の主な構成を示す図である。
図5図5は、目視外観検査装置の外観斜視図である。
図6図6は、撮像カメラの構成を示す図である。
図7図7は、基板の反りなし、上反り、下反りが生じている状態を示す図である。
図8図8は、目視外観検査装置の動作フローを示すフローチャートである。
図9図9は、集中管理装置の主な構成を示す図である。
図10図10は、集中管理装置の動作フローを示すフローチャートである。
図11図11は、目視外観検査装置用のデータベースに格納されるデータを示す図である。
図12図12は、自動外観検査装置用のデータベースに格納されるデータを示す図である。
図13図13は、検査システムの動作フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術が適用された検査システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本技術は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
本技術が適用された検査システム1は、図1に示すように、各々自動外観検査装置2及び目視外観検査装置3を備えた複数の検査ライン4(検査ライン4A、検査ライン4B、・・・)と、目視外観検査装置3の撮像画像等を格納するデータベース5と、各検査ライン4の目視外観検査装置3及びデータベース5と接続され、検査対象物の検査画像が表示される表示部を有し、各検査ライン4に搬送されている検査対象物の外観検査を集中的に行う集中管理装置6とを備える。
【0016】
そして、検査システム1は、集中管理装置6で一の検査ライン4の検査を行っている間に、他の検査ライン4の目視外観検査装置3によって所定の撮影条件で当該他の検査ライン4の検査対象物の先回り撮影を行い、一の検査ライン4の検査が終了した後、当該他の検査ライン4の先回り撮影画像を表示部に表示する。
【0017】
これにより、検査システム1は、各検査ライン4に設けられた目視外観検査装置3が撮影した画像を集中管理装置6に表示させて目視検査を行うシステムにおいて、各検査ライン4の目視外観検査装置3が検査対象物の要検査部位の撮像を予め行っておくことで、検査工程のタクトを短縮することができる。
【0018】
すなわち、検査システム1は、各検査ライン4が自動外観検査装置2及び目視外観検査装置3を備えるものであるが、各検査ライン4を搬送する検査対象物の目視検査は、集中管理装置6に設けられたモニタ等の表示部に検査画像を表示させることにより集中的に行う。また、検査システム1は、自動外観検査装置2及び目視外観検査装置3がそれぞれ撮像手段を備えるものであるが、集中管理装置6による目視検査は、目視外観検査装置3が撮像した画像を用いて行う。
【0019】
このため、複数の検査ライン4において、同時に目視検査が必要となった場合、一の検査ライン4における検査対象物の目視検査を行っている間、他の検査ラインは待機することとなる。そして、一の検査ライン4における目視検査が終了した後に、他の検査ラインの目視外観検査装置3が検査対象物の要検査部位へ撮像カメラを移動させた場合、検査対象物の要検査部位を所定の角度や焦点深度で撮影するためのカメラの移動時間やフォーカシングに要する時間が発生し、その間、検査員は集中管理装置6による検査を進行させることができない検査待ちの状態となり、検査工程のタクトタイムにロスが生じる。一つの検査対象物に対して要検査部位が複数ある場合はさらに撮像カメラの移動に要する時間が増えて検査工程のタクトが延びることとなる。
【0020】
そこで、本技術に係る検査システム1は、集中管理装置6で一の検査ライン4の検査を行っている間に、他の検査ライン4の目視外観検査装置3によって所定の撮影条件で当該他の検査ライン4の検査対象物の要検査部位の撮影を行う。本技術ではこれを先回り撮影と称し、先回り撮影により撮像された画像を先回り撮影画像という。先回り撮影画像は、データベース5に格納される。検査員は、一の検査ライン4の検査が終了すると、集中管理装置6の表示部の表示を他の検査ラインにおける先回り撮影画像に切り替える。他の検査ラインの先回り撮影画像データはデータベース5から読みだされ、集中管理装置6の表示部に表示される。これにより、検査員は、速やかに当該他の検査ライン4の検査対象物の目視検査を行うことができる。
【0021】
このように、検査システム1は、各検査ライン4に設けられた目視外観検査装置3が撮影した先回り撮影画像を集中管理装置6に表示させることで、目視検査工程のタクトを短縮することができる。
【0022】
要検査部位とは、目視外観検査装置3による目視検査に先立って行われた自動外観検査装置2による検査によって特定された実装不良が疑われる部位等の目視による検査が必要とされる部位をいう。要検査部位の位置データは、後述する撮像カメラ11,21に固有のXYθ座標系で定められる。このうちXYは検査対象物の検査面内における2つの直行座標であるXY座標であり、撮像カメラ11,21の撮像位置を規定する。θは検査対象物の検査面において、XY座標の中心点を回転中心とし、X軸を起点として反時計回りに回転した際の角度をいい、後述する斜めカメラ11a,21aによる撮像方向(θ方向)を規定する。要検査部位の位置データ(XYθ座標データ)は、自動外観検査装置2からデータベース5に格納されており、目視外観検査装置3はデータベース5に格納されている当該位置データを参照することにより、当該位置を先回り撮影することができる。
【0023】
以下、検査システム1の各構成について説明する。なお、検査システム1は、ICやLSI、抵抗器やコンデンサ等の各種電子部品が表面実装されたプリント基板の実装状態を検査するために好適に用いられるものであるが、検査対象物は、これらに限定されるものではない。以下では、検査対象物として、電子部品が表面実装されたプリント基板7を例に説明する。
【0024】
検査システム1は、各々自動外観検査装置2及び目視外観検査装置3を備えた複数の検査ライン4を有する。各検査ライン4は、検査対象物を搬送するベルトコンベヤー等の搬送手段を有し、検査対象物の搬送ライン上に、自動外観検査装置2及び目視外観検査装置3が配置されている。これにより、検査ライン4は、次々に検査対象物を搬送し、検査を連続して行うことができる。
【0025】
また、図1に示すように、各検査ライン4上に設けられる自動外観検査装置2及び目視外観検査装置3は、バス8を介してデータベース5及び集中管理装置6と接続されている。データベース5には、目視外観検査装置3と接続され目視外観検査装置3によって取得された各種データが格納される第1のデータベース5Aと、自動外観検査装置2と接続され自動外観検査装置2によって取得された各種データが格納される第2のデータベース5Bが有る。また、各データベース5A,5Bもバス8を介して集中管理装置6と接続されている。なお、検査システム1におけるバス8を介した各装置2,3及び各データベース5A,5Bの接続形態は例示であり、バス型以外のネットワークの接続形態を用いてもよいことはもちろんである。
【0026】
そして、検査システム1は、自動外観検査装置2によって検査対象物の所定の検査個所を自動で検査し、不良や判定不能等、所定の判定を受けた検査対象物に対して、さらに目視外観検査装置3によって目視で検査を行う。
【0027】
[自動外観検査装置]
自動外観検査装置2は、検査ライン4上の検査対象物を撮影し、その画像データを基に検査対象物の良否を自動判定する装置であり、検査ライン4上において、目視外観検査装置3よりも検査対象物の搬送方向の上流側に設けられる。自動外観検査装置2は、検査対象物の取り付けと取り外しを手動又は自動で行う方式のいずれも採用し得るが、検査タクトの短縮を図るうえでは自動で行うものが好ましい。
【0028】
図2に示すように、自動外観検査装置2は、検査対象物を撮影するCCDカメラ等の撮像カメラ11と、撮影手段で撮影した画像データを基にして良否判定を行う自動検査用コンピュータ12と、バス8と接続され、第2のデータベース5B等との通信を行う通信手段13を備える。
【0029】
撮像カメラ11は、検査対象物の所定の検査個所を斜め上方から撮像する斜めカメラ11aを備える。また、撮像カメラ11は、検査対象物の表面を上方から撮像する平面カメラ11bを備えてもよい。なお、撮像カメラ11は、装置筐体の上方に配設されるとともに、回転機構に支持されることにより、検査対象物をあらゆる方向から撮像できるようにしてもよい。
【0030】
自動検査用コンピュータ12は、自動判定処理プログラムに基づいて、撮像カメラ11により検査対象物の所定の検査個所を撮影し、撮影画像データを用いて所定の検査個所における良否判定を行う。具体的に、自動外観検査装置2は、予め、検査対象となっているプリント基板7の検査箇所を示す位置データを有しており、プログラムに従って、順次、例えば近い順に、位置データの示す位置の平面画像、斜め画像等の検査画像を撮像する。自動判定結果は、例えば「OK」「NG」「判定不能」等、任意に設定することができる。良否判定は、公知の画像処理用プログラムを用いることができる。
【0031】
これにより、検査システム1は、自動外観検査装置2で、プリント基板7上に実装された電子部品のはんだ付けの良否等を自動的に判定し、自動判定結果を通信手段13を介して第2のデータベース5Bに保存することができる。
【0032】
また、自動外観検査装置2からは、通信手段13を介して、「不良個所データ」「不良内容」といった各種データが基板IDや部品ID、自動判定結果等とともに相互に関連付けられて第2のデータベース5Bに格納される。なお、「不良個所データ」とは、検査対象物の不良が発見された箇所のXYθ座標をいう。また、「不良内容」は、不良の態様をあらかじめ類型化させ(例えばブリッジ、ズレ、電極なし等)、いずれの類型に該当するか類別したデータをいう。また、自動外観検査装置2は、自動判定に用いた撮像画面をデータ化した自動判定画像を第2のデータベース5Bに格納してもよい。第2のデータベース5Bには、これら自動判定結果、自動検査画像、自動撮影条件データ(角度や倍率等)、不良個所データ(XYθ座標)等のデータが自動検査データとして管理される。
【0033】
[動作フロー]
次いで、自動外観検査装置2の動作について説明する。図3に示すように、先ず、自動外観検査装置2は、ステップS1において、プリント基板等の検査対象物が搬入される。次いで、ステップS2において、撮像カメラ11により、所定の検査個所を斜め上方あるいは上方から撮像する。
【0034】
そして、ステップS3において、自動判定処理プログラムにより、撮影画像データを用いて所定の検査個所における良否判定を行う。ステップS4において、自動外観検査装置2は、「不良個所データ」及び「不良内容」等とともに判定結果を第2のデータベース5Bに送信する。送信された各データは第2のデータベース5Bに保存され、これら自動検査データは目視外観検査装置3の撮像等において参照される。なお、ステップS4において、自動外観検査装置2の判定に用いた撮像画像データを送信し、第2のデータベース5Bに保存してもよい。
【0035】
その後、ステップS5において、検査対象物が搬出され、次の検査対象物が搬入される。このように、自動外観検査装置2は、検査ライン4を搬送される検査対象物が搬入され、検査を連続して行う。
【0036】
[目視外観検査装置]
目視外観検査装置3は、集中管理装置6の表示部32に表示させる検査対象物の画像を撮影する装置であり、検査ライン4上において、自動外観検査装置2よりも検査対象物の搬送方向の下流側に設けられる。目視外観検査装置3は、検査対象物の取り付けと取り外しを手動又は自動で行う方式のいずれも採用し得るが、検査タクトの短縮を図るうえでは自動で行うものが好ましい。
【0037】
図4図5に示すように、目視外観検査装置3は、検査対象物を撮影するCCDカメラ等の撮像カメラ21と、検査対象物を支持する支持部22と、バス8と接続され、第1、第2のデータベース5A,5Bや集中管理装置6等との通信を行う通信手段23と、自動検査データの不良個所データ(XYθ座標)を参照して先回り撮影を行う目視検査用コンピュータ24を備える。また、目視外観検査装置3は、集中管理装置6によってリモート制御が可能とされている。
【0038】
撮像カメラ21は、装置筐体の上側に配設され、検査対象物の所定の要検査部位を斜め上方から撮像する斜めカメラ21aを備える。また、撮像カメラ21は、検査対象物の要検査部位を上方から撮像する平面カメラ21bを備えてもよい。なお、目視外観検査装置3は、撮像カメラ21が装置筐体の上方に配設されるとともに、検査対象物を支持する支持部22又は撮像カメラ21にXYθ方向の移動機構が設けられることにより、支持部22に支持された検査対象物に対して撮像カメラ21が相対的に移動可能とされ、検査対象物のあらゆる位置を撮像できる。また、目視外観検査装置3は、検査対象物を支持する支持部22又は撮像カメラ21に回転機構が設けられることにより、支持部22に支持された検査対象物に対して撮像カメラ21が相対的に回転可能とされ、検査対象物をあらゆる方向から撮像できる。
【0039】
斜めカメラ21aは、カメラ光軸α1を検査対象物に対して斜めに傾けて支持され、検査対象物を斜め上方から撮像するものである。斜めカメラ21aは、図6に示すように、光軸が、例えば、検査対象物であるプリント基板7に対して45°の角度となるように設けられる。平面カメラ21bは、カメラ光軸α2を回転機構の回転軸と一致させて支持され、検査対象物を直上から撮像するものである。
【0040】
撮像カメラ21は、斜めカメラ21a及び平面カメラ21bの各レンズ鏡筒内に所定の撮像レンズ及び撮像素子が組み込まれている。撮像した画像のデータは第1のデータベース5Aに格納され、目視検査において集中管理装置6の表示部32に再生表示される。また、撮像カメラ21は、斜めカメラ21a及び平面カメラ21bが捉えた画像を、集中管理装置6の表示部32にリアルタイム画像として映し出すことができる。
【0041】
なお、撮像カメラ21は、斜めカメラ21a及び平面カメラ21bにフォーカス機能やズーム機能を備えてもよく、あるいは、これらの機能を備えず、深い被写界深度を実現するための焦点距離と絞りを有し、パンフォーカス撮影が可能なカメラを用いて撮影を行い、目視検査用コンピュータ24又は集中管理装置6側の処理によって適切な画像サイズで表示するようにしてもよい。
【0042】
また、撮像カメラ21は、斜めカメラ21aを複数設けてもよい。例えば、撮像カメラ21は、高倍率カメラと低倍率カメラとからなる1対の斜めカメラ21aを回転機構の回転軸を介して反対位置に設けることにより、検査箇所の広狭に応じて使い分けることができる。また、撮像カメラ21は、複数の斜めカメラ21aを回転機構の回転軸周りに同心円状に設けてもよく、また、複数の斜めカメラ21aを等間隔で配置してもよく又は不等間隔で配置してもよい。
【0043】
このような撮像カメラ21は、検査対象物が搬入されると、第2のデータベース5Bに格納された不良個所データ(XYθ座標データ)を要検査部位の位置データとして参照し、当該要検査部位を所定の角度及び倍率で先回り撮影を行う。撮像した画像は、第1のデータベース5Aに格納され、検査員の操作等に応じて読みだされ、集中管理装置6の表示部32に表示される。また、後述する追加撮影の際には、撮像した画像がリアルタイム画像として表示される。集中管理装置6を操作する検査員は、表示部32に表示された先回り撮影画像やリアルタイム画像を見て良否判定を行う。
【0044】
先回り撮影では、要検査部位を一又は複数回撮影してもよい。また、先回り撮影では、要検査部位を異なる倍率やアングルで複数回撮影してもよい。複数の先回り撮影画像を有する場合は、集中管理装置6の表示部32に並べて同時に表示してもよく、検査員の操作に応じて順次表示してもよい。
【0045】
また、先回り撮影では、要検査部位を動画で撮影してもよい。この先回り撮影動画では、要検査部位の倍率やアングルを変えていってもよい。先回り撮影を動画として撮影した場合、集中管理装置6の表示部32に表示される先回り撮影動画に対して、検査員の操作に応じて再生速度や巻き戻し等を行うようにしてもよい。
【0046】
さらに、先回り撮影では、上述した一又は複数の静止画撮影と動画撮影を併用してもよい。集中管理装置6の表示部32には、一又は複数の先回り撮影画像(静止画)と、先回り撮影動画を並べて表示してもよく、検査員の操作に応じて順次表示してもよい。
【0047】
支持部22は、検査対象物を着脱可能に固定支持する機構であれば、その構成は問わない。例えば支持部22は、相対向してプリント基板7の外縁部下面を支持する支持面が張り出し形成された一対の長辺フレームと、長辺フレームの両端を連結する一対の連結バーと、長辺フレームの長手方向沿ってスライドしプリント基板7を固定する固定ピンを有する構成としてもよい。
【0048】
[Z軸補正値]
また、目視外観検査装置3は、撮像カメラ21又は検査対象物を支持する支持部22に上下方向(Z軸方向)の移動機構及びZ軸方向の補正手段を設け、撮像カメラ21と検査対象物とのZ軸方向の相対的な距離を変動させるようにしてもよい。これにより、プリント基板7等の板状の検査対象物に反りが生じた場合にも、撮像カメラ21の撮像位置をZ軸方向に補正することで、要検査部位を確実に捉えることができる。
【0049】
すなわち、図7(a)に示すように、プリント基板7に反りが生じていなければ、自動外観検査装置2によって設定された位置データに基づいて特定された要検査部位と、表示部32に表示され、実際に検査を行うべき部位とは一致する。したがって、要検査部位の位置データ(XYθ座標)に基づいて、プリント基板7と撮像カメラ21との相対位置を設定することで、斜めカメラ21aの光軸がプリント基板7上に設定された電子部品の要検査部位に一致し、斜めカメラ21aで検査を行うべき部位を捉えることができる。
【0050】
しかし、図7(b)に示すように、プリント基板7に下反りが生じた場合、あるいは図7(c)に示すように、プリント基板7に上反りが生じた場合、自動外観検査装置2によってプリント基板7上に設定された要検査部位の位置データに基づいて目視外観検査装置3においてプリント基板7と撮像カメラ21の斜めカメラ21aとの相対位置を設定すると、自動外観検査装置2において特定された要検査部位と、表示部32に表示される斜めカメラ21aの画像との間にずれが生じ、斜めカメラ21aで検査が必要な部位を捉えることができず、あるいは焦点が合わずピンボケが生じる恐れがある。
【0051】
図7(c)では、プリント基板5が上反りしたために、斜めカメラ21aの光軸α1は、要検査部位の手前を捉え、図7(b)では、プリント基板5が下反りしたために、斜めカメラ21aの光軸α1は、要検査部位の先を捉えている。このように、自動外観検査装置2によって設定された要検査部位のデータに基づいてプリント基板7と撮像カメラ21との相対位置を設定したのでは、目視検査で必要な部位を捉えることができず、検査員は、どの表面実装部品のどの位置を目視すればよいのか判らなくなる。特に近年では、表面実装部品として、0603チップ等の一辺が1mmに満たない極小のチップ部品が用いられ、これら極小チップが高密度に実装されることから、表示部32上で検査すべき部位を確認することが困難となる。
【0052】
そこで、目視外観検査装置3は、撮像カメラ21又は検査対象物を支持する支持部22に上下方向(Z軸方向)の移動機構及びZ軸方向の補正手段を設け、撮像カメラ21と検査対象物とのZ軸方向の相対的な距離を移動させるようにすることが好ましい。
【0053】
撮像カメラ21又は支持部22の上下方向の移動機構としては、公知の移動機構を採用することができる。
【0054】
Z軸方向の補正手段としては、例えば、レーザー変位計などを用いて検査対象物(プリント基板7)のたわみ量を計測し、その値を基に撮像カメラ21又は支持部22の相対的な距離(高さ方向:Z軸方向)を補正する方法を採用することができる。たわみ量を把握するために、プリント基板7の基準点の高さを事前に計測する。例えば、矩形状の基板の平面視における左下部の原点(X:Y=0:0)近傍、左上部近傍、右上部近傍、右下部近傍などの基板外周その他の構造的にたわみ量が約0であると仮定できる地点を計測する。計測地点は1か所でもよいが、複数個所が好ましい。計測地点が1か所の場合は、当該計測地点の高さを基準値とし、計測地点が複数か所の場合は、各計測地点の高さの平均を基準値とする。
【0055】
次いで、レーザー変位計などを用いて検査対象物(プリント基板7)の要検査部位の基板高さを計測し、基準値との差分値を算出する。この差分値がZ軸方向の補正量となる。当該Z軸方向の補正量は、検査工程に先立って予め計測しておき、第1のデータベース5Aに基板ID等と関連付けて格納される。なお、Z軸方向の補正手段としては、上述した方法に限らず、公知の手法を用いることができる。
【0056】
目視外観検査装置3の撮像カメラ21によって要検査部位を先回り撮影する際には、当該基板における要検査部位のZ軸方向の補正量を参照し、撮像カメラ21と支持部22との相対高さを修正する。これにより、目視検査工程においては、予めZ軸方向に補正された目視検査画像が表示され、手動で撮像カメラ21をZ軸方向に補正するなどの追加撮影も不要となり、検査工程のタクト短縮を図ることができる。
【0057】
なお、Z軸方向の補正量は、先回り撮影の他、追加撮影の際に参照される。また、当該Z軸方向の補正量は、検査工程における最初の検査対象物(プリント基板7)の検査において計測し、第1のデータベース5Aに基板種ID等と関連付けて格納し、以降の同一の基板種である検査対象物の先回り撮影や追加撮影において参照してもよい。あるいは、Z軸方向の補正量は、検査対象物が目視外観検査装置3に搬入される毎に計測し、先回り撮影や追加撮影に用いてもよい。
【0058】
なお、装置筐体には、筐体内部を照明する図示しない照明手段を設けてもよい。
【0059】
[重点目視検査個所]
検査システム1は、目視外観検査装置3によって、所定の検査対象物において、重点的に目視検査を行う部位を設定してもよい。これは、例えばプリント基板7の特定の個所で不良が発生しやすい場合等に、予め撮像カメラ21で先回り撮影を行う部位として登録しておき、自動外観検査装置2の判定結果に関わらず、必ず要検査部位として当該部位の目視検査を実行する。この必ず目視検査を行う重点目視検査個所の位置データ(XYθ座標)は、予め基板種ID等と関連付けて第1のデータベース5Aに格納され、同一の基板種等について目視検査を行う際に当該位置データが参照され、撮像カメラ21によって先回り撮影される。先回り撮影画像は、全て表示部32に表示されて検査員によって検査されるため、重点目視検査個所も合わせて目視検査されることとなる。
【0060】
[追加撮影]
目視外観検査装置3は、先回り撮影画像を用いた目視検査中に、集中管理装置6より、追加撮影の指示を受けると、集中管理装置6の操作に応じて撮像カメラ21が駆動され、検査対象物を撮像する。追加撮影された画像は集中管理装置6の表示部32にリアルタイム画像として表示される。これにより、集中管理装置6を操作する検査員は、所望の角度や倍率等で検査対象物を表示させることができ、先回り撮影による所定の角度や倍率では判定が難しい場合等、さらに詳細に要検査部位を観察することができる。
【0061】
なお、目視外観検査装置3が追加撮影した画像は、集中管理装置6の操作に応じてデータ化され、判定に用いた目視検査画像として判定結果その他の情報と関連付けられて第1のデータベース5Aに格納される。
【0062】
また、目視外観検査装置3は、集中管理装置6の操作に応じて、追加撮影によるリアルタイム画像の一又は複数の静止画像を撮影し、追加撮影画像データを第1のデータベース5Aに格納してもよい。また、目視外観検査装置3は、追加撮影によるリアルタイム画像をデータ化し、追加撮影動画データを、第1のデータベース5Aに格納してもよい。さらに、これら追加撮影画像データや追加撮影動画データを、適宜集中管理装置6の表示部32に表示し、判定に用いた目視検査画像として判定結果その他の情報と関連付けられて第1のデータベース5Aに格納してもよい。
【0063】
また、検査員によって設定された角度や倍率等の追加撮影の条件データは、基板種ID等と関連付けて目視検査データとして第1のデータベース5Aに格納し、以降の同一の基板種等についての先回り撮影をこの追加撮影条件データに基づいて行う、あるいは以降の先回り撮影を所定の先回り撮影条件に加えて追加撮影条件データに基づいて行うようにしてもよい。これにより、同一の基板種等の検査対象物に対しては、先回り撮影時に所望の撮影条件で撮影を行うことができ、検査員の目視検査を効率的に行うことができる。
【0064】
また、先回り撮影画像が表示部32に表示されて検査員による目視検査を行う際に、目視外観検査装置3は、先回り撮影を行った撮像カメラ21が、検査員が先回り撮影画像により最初に目視検査を行う第1検査部位を捉えた位置で待機するようにしてもよい。1つの検査対象物に対して要検査部位が複数ある場合、すなわち目視検査の対象となる先回り撮影画像が複数ある場合に、表示部32には所定の順番で先回り撮影画像が表示され検査員の目視検査に供される。
【0065】
ここで、目視外観検査装置3は、検査員の追加撮影指示に備えて撮像カメラ21を第1検査部位を捉えた位置で待機させる。第1検査部位とは、目視検査中の検査対象物において最初に表示部32に先回り撮影画像が表示される部位をいう。これにより、検査員が追加撮影を指示すると、速やかに撮像カメラ21が追加撮影を行うことができ、撮像カメラ21の移動に要する時間を省略でき、検査工程のタクト短縮を図ることができる。
【0066】
また、目視外観検査装置3は、表示部32に順次表示される先回り撮影画像に対応した部位へ撮像カメラ21を移動させていってもよい。これにより、表示部32に表示されている部位に撮像カメラ21が移動することで、検査員が追加撮影を指示すると、速やかに撮像カメラ21が追加撮影を行うことができ、撮像カメラ21の移動に要する時間を省略でき、検査工程のタクト短縮を図ることができる。
【0067】
検査システム1は、目視外観検査装置3で、プリント基板7上に実装された電子部品のはんだ付けの良否等を検査員により判定し、目視判定結果を入力する。入力された目視判定結果は、通信手段23を介して第1のデータベース5Aに格納される。
【0068】
また、目視外観検査装置3からは、通信手段23を介して、「目視検査画像」「追加撮影条件データ」「検査所要時間」「不良内容」といった各種データが目視判定結果とともに相互に関連付けられて第1のデータベース5Aに格納される。なお、「目視検査画像」とは、目視判定に用いた先回り撮影画像又は追加撮影画像をいう。また、「追加撮影条件データ」は、検査員が指定した追加撮影の角度や倍率等の撮影条件をいう。「検査所要時間」とは、目視検査画像の表示から目視判定結果の入力までに要した時間をいう。「不良内容」は上述した自動検査データにおける「不良内容」と同様であるが、目視検査の結果に応じて適宜修正される。第1のデータベース5Aには、これら目視判定結果、目視検査画像、追加撮影条件データ、検査所要時間、不良内容等のデータが目視検査データとして管理される。
【0069】
[動作フロー]
次いで、目視外観検査装置3の動作について説明する。図8に示すように、先ず、目視外観検査装置3は、ステップS6において、プリント基板等の検査対象物が搬入される。次いで、ステップS7において、第2のデータベース5Bに格納されている、自動外観検査装置2によって特定された不良個所データ、すなわち検査対象物の不良が発見され目視検査が必要な要検査部位のXYθ座標データを参照する。また、目視外観検査装置3は、第2のデータベース5Bから、基板IDや部品ID、不良内容等の自動検査データを受領する。ステップS8として、当該要検査部位に撮像カメラ21を移動させ、所定の角度、倍率で撮影する。このステップS8は、集中管理装置6の検査員が他の検査ライン4の目検査画像を検査している間に、先回りして行われる。要検査部位が複数ある場合は、撮像カメラ21で順次先回り撮影を行う。撮像カメラ21で撮影した先回り撮影画像は、バス8を介して第1のデータベース5Aに格納される。先回り撮影が終了すると、撮像カメラ21は、第1検査部位を捉えた個所に移動し、追加撮像指示に備えて待機する。第1のデータベース5Aに格納された先回り撮影画像は、集中管理装置6の表示切替操作に応じて表示部32に表示され、目視検査に使用される。
【0070】
ステップS9として、集中管理装置6から追加撮影を指示する操作信号が入力されたかを判断し、入力があった場合、ステップS10として、集中管理装置6の操作に応じて撮像カメラ21が駆動され、操作に応じた角度や倍率で検査対象物を撮像する。撮像された画像は、集中管理装置6の表示部32にリアルタイム画像として表示され、目視検査に使用される。
【0071】
追加撮影が終了した後、ステップS11として、集中管理装置6の操作に応じて、判定に用いた画像がデータ化され、判定に用いた目視検査画像として判定結果その他の情報と関連付けられて第1のデータベース5Aに格納される。追加撮影指示がなかった場合、判定に用いた先回り撮影画像が判定に用いた目視検査画像として目視判定結果その他の目視検査データと関連付けられて第1のデータベース5Aに格納される。自動検査データの「不良内容」に修正が無い場合はそのまま、修正がある場合は適宜修正され、目視検査データとして第1のデータベース5Aに格納される。
【0072】
その後、ステップS12において、検査対象物が搬出され、次の検査対象物が搬入される。このように、目視外観検査装置3は、検査ライン4を搬送される検査対象物が搬入され、検査を連続して行う。
【0073】
[集中管理装置]
集中管理装置6は、複数の検査ライン4の目視外観検査装置3が撮像した目視検査画像を順次表示して、一か所で集中して複数の検査ライン4を搬送される各検査対象物の目視検査を行う装置であり、バス8を介して自動外観検査装置2、目視外観検査装置3、及び第1、第2のデータベース5A,5Bと接続されている。
【0074】
図9に示すように、集中管理装置6は、検査員によって目視判定結果や目視検査画像の追加撮像指示などが入力される入力部31と、目視外観検査装置3によって撮像された目視検査画像(先回り撮影画像、追加撮影画像)や目視検査画像の関連情報等が表示される表示部32と、第1のデータベース5Aや目視外観検査装置3との通信を行う通信手段33と、表示部32の画像切り替えや目視外観検査装置3等との通信等、検査システム1全体の動作を制御する制御部34とを備える。
【0075】
入力部31は、検査員によって目視判定結果や目視検査画像の撮像指示、表示部32に表示される検査ライン4の切り替え指示等、検査システム1の検査工程を実行するための指示が入力される。入力手段としては、入力ボタンやレバー等が配置された操作盤や、表示部32に表示される操作画面上で指示入力を行うマウスやキーボード等、公知の入力手段を用いることができる。
【0076】
集中管理装置6の操作者は、入力部31を介して、目視判定結果の入力や、目視検査を行う目視検査画像の画面を切り替える画面表示切替指示、追加撮影指示及びカメラ移動指示、目視判定画像のデータ化及び第1のデータベース5Aへの格納指示等、目視外観検査装置3及び第1のデータベース5Aに対するあらゆる操作を実行することができる。
【0077】
入力部31を介して入力される目視判定結果には、良否判定結果や不良内容が含まれる。不良内容は、予め類型化された不良内容が表示部32に表示され、いずれか1又は複数を選択するようにしてもよく、自由記載欄を設け、不良内容を記入可能にしてもよい。
【0078】
画面表示切替指示は、先回り撮影が完了し、待機状態にある検査ラインの目視外観検査装置3を表示部32に一覧表示し、切替指示に応じて表示順に目視検査画像を切り替える。あるいは一覧表示された目視外観検査装置3の中から検査員が任意の1つを指定することにより、表示部32に表示する目視検査画像を切り替えてもよい。
【0079】
追加撮影指示及びカメラ移動指示は、所望の追加撮影画像を得るため、撮像カメラ21の位置、角度、倍率等を指定する。
【0080】
目視判定画像のデータ化及び第1のデータベース5Aへの格納指示とは、判定の根拠とした目視検査画像を画像データとして第1のデータベース5Aへ格納する操作である。目視外観検査装置3が追加撮影する画像はリアルタイム画像であり、記録された画像が再生表示されたものではない。そのため、良否判定の根拠とした目視検査画像を画像データとして、良否判定結果や不良内容、基板ID等のデータと関連付けて第1のデータベース5Aへ格納する。追加撮影を行わなかった場合は、判定の根拠となった先回り撮影画像のデータを良否判定結果や不良内容、基板ID等のデータと関連付けて第1のデータベース5Aへ格納する。
【0081】
表示部32は、1又は複数のモニタを有し、目視外観検査装置3が撮像している目視検査画像(先回り撮影画像、追加撮影画像)や、目視検査中や目視検査の待機状態にある検査ライン4の目視外観検査装置3の一覧、操作画面等が表示される。
【0082】
制御部34は、検査員の操作に応じて集中管理装置6の各部を制御することにより、複数の検査ライン4における集中検査を可能とするものであり、例えばコンピュータにより構成される。制御部34は、バス8を介して目視外観検査装置3及び第1のデータベース5Aをリモートで操作し、必要な処理を行わせることができる。
【0083】
[動作フロー]
集中管理装置6の動作について説明する。図10に示すように、ステップS13として、集中管理装置6は検査員が入力部31を操作して画面表示切替指示を入力する。次いで、ステップS14として、集中管理装置6は、表示部32に表示する検査対象物(プリント基板7)の基板ID、基板種ID等の検査対象物データ、自動外観検査装置2の自動判定結果、不良個所データ、不良内容等の自動検査データ、及び目視外観検査装置3による先回り撮影画像データを、第1のデータベース5A及び目視外観検査装置3から取り込む。そして、ステップS15として、集中管理装置6は、切替指示された目視外観検査装置3の目視検査画像(先回り撮影画像)を表示部32に表示し、検査員により目視検査が行われる。
【0084】
検査員は、所定の目視検査画像では良否判定できない場合は、所望の位置を、所望の角度及び倍率で追加撮影する操作を行う。集中管理装置6は、ステップS16として、入力部31から追加撮影を指示する操作信号が入力されたかを判断し、入力があった場合、ステップS17として、入力部31からの操作信号に応じて目視外観検査装置3の撮像カメラ21を駆動させ、操作に応じた角度や倍率で検査対象物を撮像させる。撮像された画像は、表示部32にリアルタイム画像として表示され、検査員により目視検査が行われる。
【0085】
目視検査後、ステップS18として検査員により判定結果が入力される。このとき、不良内容等の検査対象物データに修正事項が生じた場合は、併せて修正内容が入力される。次いで、ステップS19として、集中管理装置6は、制御部34により判定結果を基板ID等の検査データと関連付けて第1のデータベース5Aに保存する。また、集中管理装置6は、判定に使用した目視検査画像(先回り撮影画像、追加撮影画像)をデータ化し、判定結果等と関連付けて第1のデータベース5Aに保存する。その他、集中管理装置6は、画面表示切替指示から判定結果入力までに要した検査所要時間や、追加撮影条件データ(位置、角度、倍率等)及び基板種等の目視検査データを判定結果等と関連付けて第1のデータベース5Aに保存する。追加撮影の条件データは、同一の基板種の先回り撮影条件にフィードバックされることで、以降の先回り撮影を所定の先回り撮影条件に加え又はこれに替えて追加撮影条件データに基づいて行うことができる。
【0086】
そして、集中管理装置6は、他の検査ライン4の目視検査画像に切り替える画面表示切替指示の入力があると、指示された検査ライン4の目視検査画像(先回り撮影画像)を第1のデータベース5Aから読み出し、表示部32に表示する。このように、集中管理装置6は、複数の検査ライン4の目視外観検査装置3が撮像した目視検査画像を表示させることができ、一人の検査員によって複数の検査ライン4の外観検査を行うことができる。
【0087】
このとき、本技術が適用された検査システム1は、一つの検査ライン4の目視外観検査装置3が撮像した目視検査画像を検査している間に、他の検査ライン4の目視外観検査装置3が所定の要検査部位を先回り撮影を終了して待機している。したがって、検査員が画面表示切替指示の入力を行うと、速やかに当該他の検査ライン4の検査対象物の目視検査画像(先回り撮影画像)が表示され、目視検査を行うことができる。
【0088】
これにより、検査システム1は、各検査ライン4に設けられた目視外観検査装置3が撮影した画像を集中管理装置6に表示させて目視検査を行うシステムにおいて、検査工程のタクトを短縮することができる。
【0089】
[データベース]
データベース5には、目視外観検査装置3と接続され目視外観検査装置3によって取得された各種データが格納される第1のデータベース5Aと、自動外観検査装置2と接続され自動外観検査装置2によって取得された各種データが格納される第2のデータベース5Bが有る。図11に示すように、第1のデータベース5Aは、検査対象物(プリント基板7)に関する検査対象物データ、目視外観検査装置3から送信される目視検査データ、検査ラインの識別IDや集中管理装置6を操作する検査員の識別IDといった検査ラインデータ等が格納される。図12に示すように、第2のデータベース5Bは、自動外観検査装置2から送信される各種自動検査データが格納される。
【0090】
自動検査データは、例えば、自動判定結果、自動検査画像、自動撮影条件データ(角度や倍率等)、不良個所データ(XYθ座標)等のデータが管理される。検査対象物データは、例えば検査項目、重点目視検査個所データ、基板ID、基板種ID、部品ID、Z軸補正値等のデータが管理される。目視検査データは、例えば、目視判定結果、目視判定に用いた目視検査画像、追加撮影条件データ(位置や角度、倍率等)、検査所要時間、目視検査を踏まえた不良内容等のデータが管理される。検査ラインデータは、検査ライン毎に付される識別IDである検査ラインID、自動外観検査装置毎に付される識別IDである自動外観検査装置ID、目視外観検査装置毎に付される識別IDである目視外観検査装置ID、検査員毎に付される識別IDである検査員ID、検査日時、検査数量等のデータが管理される。第1、第2のデータベース5A,5Bで管理されるデータはこれらに限定されるものではない。
【0091】
各データは、相互に関連付けて管理され、集中管理装置6の操作に応じて参照される。また、各データは、相互に関連付けて管理され、判定精度の検証、自動判定精度の向上、検査員の検査支援、検査員の検査能力の評価・向上等に使用される。
【0092】
なお、第1のデータベース5Aは、集中管理装置6と一体に構成されてもよく、バス8を介して第2のデータベース5B、自動外観検査装置2、目視外観検査装置3、及び集中管理装置6とネットワーク接続されたサーバとして構成してもよい。
【0093】
また、上述した検査システム1では、目視外観検査装置3用の第1のデータベース5Aと、自動外観検査装置2用の第2のデータベース5Bの2つを備えたが、バス8を介して自動外観検査装置2、目視外観検査装置3及び集中管理装置6と接続された1つのデータベース5によって構成してもよい。
【0094】
[検査フロー]
次いで、検査システム1全体の検査工程について、図13を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、検査ラインとして3つの検査ライン4A,4B,4Cを備え、これら3つ検査ラインにおける目視検査を一つの集中管理装置6によって行う場合について説明するが、本技術はこの場合に限定されるものではない。
【0095】
各検査ライン4A,4B,4Cとも、自動外観検査装置2による自動検査に続いて目視外観検査装置3による先回り撮影が行われ、先回り撮影画像が第1のデータベース5Aに保存される。集中管理装置6は、順次第1のデータベース5Aから読み出した先回り撮影画像が表示され、検査員により目視検査が行われる。
【0096】
検査ライン4Aにおける検査から始める場合、集中管理装置6では、検査ライン4Aの目視外観検査装置3による撮影が完了すると、表示部32に目視検査画像として先回り撮影画像が表示される。適宜追加撮影を行った後、目視判定結果が入力される。制御部34は、目視判定結果等の目視検査データを第1のデータベース5Aに格納する。
【0097】
その間、検査ライン4B,4Cでも自動検査に続いて目視外観検査装置3による先回り撮影が行われ、先回り撮影画像を第1のデータベース5Aに保存するとともに、要検査部位を撮像カメラ21で捉えた状態で待機している。集中管理装置6の制御部34は、各検査ライン4の目視外観検査装置3が先回り撮影を完了し待機状態であることを検出する。そして、制御部34は、検査ライン4Aにおける目視判定結果等が入力され、検査員により画面表示切替操作がなされると、表示部32に先回り撮影が完了した順に目視検査が可能な検査ライン(ここでは検査ライン4Bとする)の目視外観検査装置3が撮像した先回り撮影画像が第1のデータベース5Aから読み出されて表示部32に表示され、目視検査が行われる。
【0098】
その間、検査ライン4Aでは、自動検査に続いて目視外観検査装置3による先回り撮影が行われ、先回り撮影画像を第1のデータベース5Aに保存するとともに、要検査部位を撮像カメラ21で捉えた状態で待機する。このように、検査システム1は、集中管理装置6で一つの検査ライン4の検査を行っている間に、他の検査ライン4の目視外観検査装置3によって所定の撮影条件で当該検査ライン4上を搬送される検査対象物の先回り撮影を行う。検査員は、一の検査ライン4の検査が終了すると、集中管理装置6の表示部32の表示を他の検査ライン4の画像に切り替える。このとき、他の検査ライン4の目視外観検査装置3の撮像カメラでは、先回りして要検査部位を所定の角度や焦点深度で撮像し終えているため、検査員は、先回り撮影画像を読み出すだけで速やかに当該他の検査ライン4の検査対象物の目視検査を行うことができる。
【0099】
これにより、検査システム1は、各検査ライン4に設けられた目視外観検査装置3が撮影した画像を集中管理装置6に表示させて目視検査を行うシステムにおいて、検査工程のタクトを短縮することができる。
【0100】
なお、各検査ライン4においては、必ずしも自動検査に続いて目視検査が行われるとは限らない。例えば自動外観検査装置2によって明確にOK判定がなされた場合や、目視検査を要しない程に明瞭な欠陥(NG)と判断された場合等には、自動判定結果を第2のデータベース5Bに格納し、目視外観検査装置3による目視検査対象から除外してもよい。したがって、目視検査の待機順(表示順)は不規則となる場合がある。もちろん全数検査を行う場合には、目視検査の待機順(表示順)は規則的となり得る。
【0101】
また、集中管理装置6に表示される目視検査画像は、先回り撮影が完了した検査ライン4の表示順に検査してもよく、検査員が指定した検査ライン4の目視検査画像を検査するようにしてもよい。これにより、例えば不良が多発し検査処理数が少ない検査ラインを指定し、優先的に検査することができる。
【0102】
本技術を適用させた検査システム1の各構成要素の機能は、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。例えば、第1、第2のデータベース5A,5Bは、サーバストレージなどにより機能させることができる。また、第1、第2のデータベース5A,5Bの一又は複数、例えば各自動外観検査装置用のデータベースを、ネットワークを介して接続された外部ストレージによって機能させても良い。
【0103】
また、本技術を適用させた検査システム1の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作成し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 検査システム、2 自動外観検査装置、3 目視外観検査装置、4 検査ライン、5A 第1のデータベース、5B 第2のデータベース、6 集中管理装置、7 プリント基板、8 バス、11 撮像カメラ、12 検査用コンピュータ、13 通信手段、21 撮像カメラ、21a 斜めカメラ、21b 平面カメラ、31 入力部、32 表示部、33 通信手段、34 制御部
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