IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイリスオーヤマ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-除湿機 図1
  • 特許-除湿機 図2
  • 特許-除湿機 図3
  • 特許-除湿機 図4
  • 特許-除湿機 図5
  • 特許-除湿機 図6
  • 特許-除湿機 図7
  • 特許-除湿機 図8
  • 特許-除湿機 図9
  • 特許-除湿機 図10
  • 特許-除湿機 図11
  • 特許-除湿機 図12
  • 特許-除湿機 図13
  • 特許-除湿機 図14
  • 特許-除湿機 図15
  • 特許-除湿機 図16
  • 特許-除湿機 図17
  • 特許-除湿機 図18
  • 特許-除湿機 図19
  • 特許-除湿機 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】除湿機
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20241028BHJP
   F24F 1/0358 20190101ALI20241028BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
B01D53/26 220
F24F1/0358
F24F3/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023013630
(22)【出願日】2023-01-31
(65)【公開番号】P2024108948
(43)【公開日】2024-08-13
【審査請求日】2024-03-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】辻岡 真子
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-151648(JP,A)
【文献】特開2012-242038(JP,A)
【文献】特開2007-205642(JP,A)
【文献】特開2019-095106(JP,A)
【文献】特開2019-150744(JP,A)
【文献】国際公開第2022/201695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26-28
F24F 1/02-04、3/14-167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持された除湿ローターと、
前記除湿ローターの上流側に配された加熱器と、
前記除湿ローターの下流側に配されたレシーバと、
前記レシーバの下流側に配された冷却器と、
前記加熱器、前記除湿ローター、前記レシーバ及び前記冷却器を通過するように空気を送り込むための送風器と、
前記送風器と前記加熱器とを接続するダクトと
を備え、
前記ダクトには、前記送風器により送り込まれた前記空気を整流して前記加熱器に供給する整流部を備え、
前記整流部は、前記空気が前記加熱器のヒータに向かって進むように曲がっており、
前記冷却器は、熱交換部と、前記熱交換部の上流側と前記レシーバとを接続する連通路とを有し、
前記レシーバは、前記除湿ローターの中心又は中心付近を中心角とする扇状又はこれに似た形状をし、前記連通路と円弧部分で接続し、
前記連通路は、前記レシーバの円弧部分の外周側に位置する円弧部と、前記円弧部における下流側の端部から延伸する延伸部とを有し、
前記延伸部における前記除湿ローターの中心側は開口しており、前記開口に前記熱交換部の上流側が接続され、
前記延伸部における前記除湿ローターの中心から離れた外壁と前記円弧部における前記中心から離れた外壁との接続部分又はその付近の部分に、前記中心に向かって起立する起立部が設けられている、
除湿機。
【請求項2】
前記加熱器は、前記ヒータを前記除湿ローター側に収容するケースを備え、
前記整流部は、前記ダクトの前記加熱器が存在する側の端部における前記除湿ローターから離れた側の壁部に設けられ、
前記壁部は、前記加熱器に近づくにしたがって前記ヒータ側に近づくように傾斜している、
請求項1に記載の除湿機。
【請求項3】
前記整流部は、前記壁部から前記除湿ローターの回転軸と平行な方向であって前記除湿ローター側に向かって起立する、
請求項2に記載の除湿機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の水分を除く除湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中の水分を吸脱着するための除湿ローターと、この除湿ローターを加熱する発熱ユニットとを設け、発熱ユニットは加熱ヒータを備えている除湿機があった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4442062号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の除湿機は、加熱ヒータの表面温度のバラツキが大きく、除湿ローターの水分脱着性能が低下するという欠点があった。
本発明は、加熱ヒータの表面温度のバラツキの小さい除湿機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る除湿機は、回転可能に支持された除湿ローターと、前記除湿ローターの上流側に配された加熱器と、前記除湿ローターの下流側に配されたレシーバと、前記レシーバの下流側に配された冷却器と、前記加熱器、前記除湿ローター、前記レシーバ及び前記冷却器を通過するように空気を送り込むための送風器と、前記送風器と前記加熱器とを接続するダクトとを備え、前記ダクトには、前記送風器により送り込まれた前記空気を整流して前記加熱器に供給する整流部を備え、前記整流部は、前記空気が前記加熱器のヒータに向かって進むように曲がっている。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、加熱ヒータの表面温度のバラツキの小さい除湿機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)は実施形態に係る除湿機を前側上方から見た斜視図であり、(b)は送風装置が首振り状態の除湿器を後側上方から見た斜視図である。
図2】除湿機の断面図であり、(a)は左右方向と直交する断面図であり、(b)は前後方向と直交する断面を後側から見た図であり、(c)は前後方向と直交する断面を前側から見た図である。
図3】除湿機の分解状態を前側上方から見た斜視図である。
図4】除湿機の分解状態を後側下方から見た斜視図である。
図5】除湿機能部の分解状態を前側上方から見た斜視図である。
図6】除湿機能部の分解状態を後側下方から見た斜視図である。
図7】除湿ローターの分解状態の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図8】(a)は加熱器とダクトを後側から見た図であり、(b)は加熱器、ダクト及び除湿ローターを前側から見た図である。
図9】分解状態の加熱器とダクトとを後側上方から見た斜視図である。
図10】加熱器とダクトとの断面状態の拡大図であり、(a)は除湿ローターの回転軸と平行な断面を左右方向から見た図であり、(b)は除湿ローターの回転軸と直交する断面を前後方向から見た図であり、(c)は除湿ローターの回転軸と平行な変則断面を後側上方から見た斜視図である。
図11】(a)はフレームから熱交換部を取り外した状態を後側から見た図であり、(b)はフレームから冷却器を取り外した状態を後側下方から見た斜視図である。
図12】フレームからレシーバ、冷却器及び排水トレーを外した状態(熱交換部の図示は省略)の斜視図であり、(a)は後側下方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図13】レシーバと上流路体を前側下方から見た斜視図である。
図14】排水トレーと下連通体を前側上方から見た斜視図である。
図15】吸排機能部の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図16】レシーバ内の温度センサの位置を説明するための図であり、上連通体を外した状態を後側から見た図である。
図17】送風器のモータと、排水タンクの満水を検知するセンサとの位置関係を説明する図である。
図18】除湿装置から送風装置(下ベースを除く)を外した状態の斜視図であり、除湿装置は上方から見た図であり、送風装置は下方から見た図である。
図19】下ベースの分解斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は前側下方から見た図である。
図20】送風装置の断面を上方から見た斜視図であり、(a)は前後方向と直交する断面であり、(b)は左右方向と直交する断面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
1.全体
実施形態では、吸湿材等で水分を取り除く、所謂、デシカント式の除湿機Xについて説明する。
除湿機Xは、図1に示すように、筐体5の吸気口5a(フィルタ57で覆われている)から吸引した空気を除湿して排気口5bから排出する除湿装置Aと、除湿装置Aから排出された空気又は室内の空気を送風させる送風装置Bとを上下に備える。つまり、除湿機Xは、所謂、サーキュレータ除湿機である。
ここで、吸気口5aがある側を前後方向の後側とし、送風装置Bがある側を上下方向の上側とし、前後方向と上下方向とに直交する方向を左右方向と便宜上規定する。
なお、送風装置Bは左右軸及び上下軸の回りに回転可能に設けられ、図1の(b)では、送風装置Bが右方向に回転し、送風部が上方向に回転している状態である。
【0009】
2.除湿装置
除湿装置Aは、図3及び図4に示すように、除湿機能部1と吸排機能部3とを備える。除湿機能部1と吸排機能部3とは、フレーム4により支持された状態で、筐体5内に収容される。除湿装置Aは、さらに、制御機能部6や排水貯留部7を備え、制御機能部6はフレーム4に支持され、排水貯留部7の排水タンク71は筐体5に対して着脱可能とされている。
以下、各部について説明する。
【0010】
(1)除湿機能部
除湿機能部1は、図5及び図6に示すように、回転可能に支持された除湿ローター11と、除湿ローター11の上流側に配された加熱器13と、除湿ローター11の下流側に配されたレシーバ15と、レシーバ15の下流側に配された冷却器17と、加熱器13、除湿ローター11、レシーバ15及び冷却器17を通過するように空気を送り込むための送風器19とを備える。
吸排機能部3は、ファン31と駆動モータ32とを備える。
これにより、除湿装置Aは、筐体5の吸気口5aから吸引した空気中の水分を除湿ローター11で吸着し、除湿ローター11が加熱器13で加熱されることで吸着した水分を放出し、放出された水分を冷却器17により回収する。なお、回収した水分は排水貯留部7で貯留され、水分を放出した空気はファン31により筐体5の外部(ここでは送風装置Bである)へと排出される。
各部について説明する。
【0011】
(1-1)除湿ローター
除湿ローター11は、図7に示すように、少なくとも、例えばゼオライト等の吸水材(吸湿材)111を備える。除湿ローター11は、円盤状の吸水材111と、吸水材111の外周側に配されるローターフレーム112と、ローターフレーム112の後側を覆うローターカバー113と、吸水材111の中央の貫通孔111aに嵌合してローターカバー113に固定される嵌合具114とを備える。
【0012】
ローターフレーム112は、除湿ローター11を回転駆動させる歯車115(図6参照)と噛合するための噛合部112aと、ローターカバー113をローターフレーム112に固定するための固定部112bとを有する。固定にはねじ118が利用され、固定部112bはねじ孔により構成されている。ねじ118は、ねじ孔から内周側に張り出し、吸水材111を固定する機能も有する。
【0013】
ローターカバー113は、中心部113aと、ローターフレーム112の後端部に当接すると共に外周部112cに後側から嵌合する外周部113bと、中心部113aと外周部113bとを周方向に間隔を置いて連結する複数の連結部113cと、複数の連結部113cを周方向に連結する環状部113dとを有する。なお、連結部113cは円弧状をしている。
【0014】
嵌合具114は、図7に示すように、有底円筒状をし、底部114aと、周部114bと、周部114bの前端から径方向の外方へ張り出す外鍔部114cとを有する。底部114aには、外鍔部114cが吸水材111の前面に当接する状態で、嵌合具114をローターカバー113に固定する固定部114dが設けられている。固定にはねじ119が利用され、固定部114dは、例えば、ボスに形成されたねじ孔により構成されている。なお、周部114bには、吸水材111とローターフレーム112との滑りを規制するためのリブ部114eが形成されている。
除湿ローター11は、吸水材111を嵌合具114とローターカバー113とで挟持することで、吸水材111と樹脂製のローターフレーム112との間の擦れによる吸水材111の粉吹きを防止できる。これにより、歯車115(図6参照)を駆動するモータ116の軸受部への粉侵入によるモータ116のロック、異音、異臭等を防止できる。また、吸水材111の回転中心を決め、偏芯による歯車115の外れやロックを防止できる。
【0015】
(1-2)加熱器
加熱器13は、図5に示すように、扇状をし、除湿ローター11の一部を上流側(前側)から覆う状態でフレーム4に設けられている。加熱器13は、前側から見ると、除湿ローター11の第2象限に位置する。
加熱器13は、図9に示すように、ヒータ131と、ヒータ131を収容し且つ流入口132aを有するヒータケース本体132とを少なくとも備える。
なお、「ヒータケース本体」は、発明1の「ケース」の一例に相当する。
加熱器13は、さらに、ヒータケース本体132の開口132b側に設けられ且つ流出口133aを有するヒータケース蓋体133と、ヒータ131をヒータケース本体132内で保持するヒータ保持具134とを備える。これにより、流入口132aから流入した空気は、ヒータ131で加熱されて、ヒータケース蓋体133の流出口133aから除湿ローター11に向けて流出する。
【0016】
ヒータ131は、例えば、ニッケル・クロム線等をコイル状にして構成されて全体として線状をし、図10の(b)に示すように、除湿ローター11の周方向に沿って延伸した後に逆向きに折り返されるジグザグ状をしている。ここでは、図10の(a)に示すように、前側部分131aと後側部分131bとがあり、前後方向に重なるように構成されている。
ヒータ131は、図10の(a)に示すように、ヒータケース本体132内において、除湿ローター11側に配されている。つまり、ヒータ131は、ヒータケース本体132の前後方向の中間よりも除湿ローター11側(後側)に位置する。これにより、ヒータケース本体132の側壁部(前側の端壁部)132cが過度に温度上昇するのを防止できる。なお、図10の(b)では、ヒータ保持具134の図示を省略している。
【0017】
ヒータケース本体132は、図9に示すように、後側から見ると扇形状の箱状をし、ヒータ131と対向する側壁部132cと、側壁部132cの周縁から後方へ延伸する周壁部132dと、周壁部132dの後端から径方向の外方へ張り出す鍔部132eとを有し、周壁部132dにおける下部側に位置する部分に流入口132aが形成されている。
ヒータケース蓋体133は、扇状の板状部133bと、板状部133bの周方向の端縁から前側に屈曲する屈曲部133cとを有し、ヒータケース本体132の鍔部132eに板状部133bが当接するように嵌合する。
ヒータ保持具134は、複数枚の金属板により構成され、線状のヒータ131が嵌る溝部を有している。
【0018】
(1-3)送風器
送風器19は、図8に示すように、除湿ローター11の中心Oに対して加熱器13と点対称となる側に配されている。送風器19は、加熱器13と接続するダクト21の上流側に設けられ、ダクト21がフレーム4に装着される。
送風器19は、ダクト21の内部に配されるファン191と、外部に配されるモータ193とを備える。
【0019】
(1-4)ダクト
ダクト21は、図8に示すように、「く」字状をし、下流(上側)に移るにしたがって幅(流れる方向と直交する方向の寸法)が大きくなるように構成されている。
ダクト21は、フレーム4とで空気の流路を構成するダクト本体211と、ダクト本体211における除湿ローター11に対応する部分を覆うダクトカバー体213とを備える。
ダクト21は、図9及び図10に示すように、送風器19により送り込まれた空気を整流して加熱器13に供給する整流部211aを備える。整流部211aは、ダクト21の加熱器13側の端部21aに設けられている。ダクト21の端部21aは矩形状、方形状又はこれらに似た形状をし、整流部211aはダクト21(ダクト本体211)の前壁部(除湿ローター11から離れた側の壁部)211bに設けられている。
なお、「前壁部」は、発明1の「壁部」の一例に相当する。
【0020】
整流部211aは、図10の(b)に示すように、空気が加熱器13のヒータ131に向かって進むように傾斜部分211cを有している。整流部211aは、傾斜部分211cの上流側に平行部分211dを有している。平行部分211dは、送風器19からヒータ131に向かう空気の流れと平行になるように設けられている。平行部分211dは、ヒータ131に向かう空気を整える機能を有し、当該整えられた空気が傾斜部分211cによりヒータ131に向かうように構成されている。
傾斜部分211cは、平行部分211dに対して、20~40°の角度で傾斜している。これにより、ダクト21を「く」の字に屈曲した形状でも、ヒータ131に空気を効率よく向かわせることができる。なお、ダクト21の屈曲している部分の角度は、100~140°の範囲内である。また、「A~B」には、AとBとが含まれる。
【0021】
整流部211aは、空気の流路と直交する方向(ここでは左右方向である)に間隔を置いて複数個(例えば3個)ある。これにより、ヒータ131が存在していない側に空気が流入するのを防止でき、加熱効率を高めることができる。
整流部211aは、前壁部211bから、除湿ローター11の回転軸と平行な方向であって除湿ローター11側に向かって起立する。つまり、整流部211aは前壁部211bからリブ状に延伸する。これにより、整流部211aを一体成形品として容易に設けることができる。
前壁部211bは、図10の(a)及び(c)に示すように、加熱器13に近づくにしたがってヒータ131側に近づくように傾斜している。
これにより、ヒータケース本体132の後側に位置するヒータ131に向かって空気を供給でき、加熱効率を高めることができる。また、ヒータ131に向かって空気が供給されるため、図10の(a)においてハッチングに示す領域136に空気が停滞するのを防止できる。
【0022】
(1-5)レシーバ
レシーバ15は、除湿ローター11の後側であって加熱器13と対向するように配されている。レシーバ15は、除湿ローター11を通過した空気を冷却器17に供給する。
レシーバ15は、図12又は図13に示すように、後側から見ると扇形状をし、前側が開放する箱状をしている。レシーバ15は、除湿ローター11と対向する側壁部151と、側壁部151の周縁から前方へ延伸する周壁部152と、周壁部152の直線部分152aの前端から径方向の外方へ張り出す第1鍔部153と、周壁部152の円弧部分152bから前方に「L」字状に張り出す第2鍔部154とを有し、円弧部分152bに連通口155が形成されている。なお、レシーバ15は、円弧部分152b(連通口155)が上側となるように、フレーム4にねじ159を利用して装着される。
【0023】
(1-6)冷却器
冷却器17は、図6に示すように、フレーム4の後側に設けられている。
冷却器17は、熱交換部171と、熱交換部171の上流側とレシーバ15とを接続する連通路172とを少なくとも備える。
冷却器17は、さらに、熱交換部171の下流側と送風器19とを接続する連通路173を備える。なお、連通路172,173を区別するために、便宜上、上流側の連通路を「上連通路」とし、下流側の連通路を「下連通路」とする。
なお、「上連通路」は、発明1、3、4の「連通路」の一例に相当する。
上連通路172は熱交換部171の上流側を支持する機能を有し、下連通路173は熱交換部171の下流側を支持する機能を有する。つまり、冷却器17は、熱交換部171が上連通路172と下連通路173とにより支持され、フレーム4に固定される。この観点からは、上・下連通路は上・下支持部ともいえる。
下連通路173は、熱交換部171で回収した水分を排水貯留部7に誘導する排水路の一部又は全部を構成する。この観点からは、下連通路173は排水路ともいえる。
【0024】
熱交換部171は、複数本の樹脂パイプ175から構成され、複数本の樹脂パイプ175は、横断面が矩形状又は方形状をし、筒軸が平行となるように支持されている。
【0025】
上連通路172は、図11に示すように、レシーバ15の円弧部分152bの外周側に位置する円弧部172aと、円弧部172aにおける下流側の端部から左右方向に延伸する延伸部172bとを有する。
上連通路172は、延伸部172bにおける上壁部分172cと、円弧部172aにおける上壁部分172dとの接続部分172e又はその付近の部分に、除湿ローター11の中心Oに向かって起立する起立部172fが設けられている。これにより、円弧部172aの上壁部分172dに沿って流れる空気の移動が起立部172fにより妨げられ、樹脂パイプ175に進入しやすくできる。なお、延伸部172bの上壁部分172cは延伸部172bにおける除湿ローター11の中心Oと反対側の外周壁であり、円弧部172aの上壁部分172dは円弧部172aにおける除湿ローター11の中心Oと反対側の外周壁である。
上連通路172の上壁部分172cは、下流に移るにしたがって熱交換部171側に近づくように、傾斜している。これにより、上連通路172を流れる空気が樹脂パイプ175に進入しやすくできる。
なお、延伸部172bの下方は開口しており、当該開口に複数の樹脂パイプ175が嵌る。
【0026】
上連通路172は、フレーム4の上連通路形成部42と上連通体176とにより構成される。上連通路172は、左右方向の第1側壁と第2側壁、後壁、前壁、上壁を有している。
上連通体176は、図13に示すように、上連通路172の後壁を構成する後板部176aと、第1側壁を構成する第1側板部176bと、上連通路172の円弧部172aの上壁を構成する上板部176cと、第2側壁を構成する第2側板部176eとを有している。
フレーム4の上連通路形成部42は、図12に示すように、除湿ローター11を支持するローター支持部41の上方に位置する。上連通路形成部42として、上連通路172の前壁を構成する前板部42aと、第2側壁を構成する第2側板部42b,42dと、上連通路172の延伸部172bと円弧部172aの上壁を構成する上板部42cとを有している。
なお、上連通路172の起立部172fは、フレーム4の上板部42cに形成されている。
また、第2側板部42bは、下流に向かって下方に傾斜しており、上板部42cの一部としてもよい。
【0027】
下連通路173は、図11に示すように、熱交換部171の下側を左右方向に延伸する。
下連通路173は、図12に示すように、上側に開口部173aを有する箱状をし、除湿ローター11側の壁部(前壁部)には、送風器19を収容するダクト21と連通するための貫通孔173bが形成されている。下連通路173の底壁(177c)は、左右方向の中央部分が最も低くなるように構成され、当該中央部分に、排水貯留部7に水を流すための貫通孔173cが形成されている。これにより、熱交換部171を通過した空気と回収した水とを分離し、空気を送風器19側に、水を排水貯留部7側に送ることができる。
なお、下連通路173の開口部173aに複数の樹脂パイプ175が嵌る。
【0028】
下連通路173は、フレーム4の下連通路形成部43と下連通体177とにより構成される。下連通路173は、左右方向の第1側壁と第2側壁、後壁、前壁、底壁を有している。
下連通体177は、図14に示すように、下連通路173の後壁を構成する後板部177aと、第1側壁及び第2側壁を構成する一対の側板部177bと、下連通路173の底壁を構成する下板部177cとを有している。下板部177cは、左右方向の中央に凹部分177dを有し、当該凹部分177dの左右両側が中央に向かうにしたがって低くなる傾斜部分177eとなっている。なお、凹部分177dに貫通孔173cが形成されている。
フレーム4の下連通路形成部43は、図12に示すように、除湿ローター11を支持するローター支持部41の下方に位置する。下連通路形成部43として、下連通路173の前壁を構成する前板部43aを有している。下連通路形成部43は、下連通体177を外側から支持する支持機能を有している。支持機能は、下連通体177の下板部177cを下方から支持する下板部43bと、下連通体177の一対の側板部177bと対向又は当接する側板部43cとで構成される。
【0029】
(2)吸排機能部
吸排機能部3は、除湿ローター11に対して冷却器17と反対側(前側)に配されている。
吸排機能部3は、図5又は図6に示すように、少なくともファン31と駆動モータ32とを吸排フレーム33で支持された状態で、フレーム4に固定される。
吸排フレーム33は、図15に示すように、平板部331と、平板部331の周縁から前側に延伸して構成されるフード部332とを有する。フード部332は、筐体5(前筐体51)とで、筐体5内の空気を排出するための排出路を構成する。排出路は上部に開口333を有している。これにより、筐体5内の乾燥した空気が開口333から、上方の送風装置Bへと供給される。なお、開口333を除湿装置Aの排気口5bとしてもよいし、図18で示す下ベース95の貫通孔961を除湿装置Aの排気口5bとしてもよい。
【0030】
(3)制御機能部
制御機能部6は、操作受付部92が受け付けた操作にしたがって除湿機能部1、吸排機能部3、送風装置B等を制御する制御部と、コンセントを介して受電した商用電源から除湿機能部1、吸排機能部3、送風装置B等の駆動電力を生成する電源部とを備える。
制御機能部6は、複数個の電子部品が回路構成された回路基板に実装されることで構成され、回路ケース61に収容され、図3及び図4に示すように、フレーム4の上部側に固定される。ここでは、回路ケース61の一部が上方に張り出す状態でフレーム4と吸排機能部3との間に配されている。
制御部は、温度センサ271,273,276の検知結果に基づいて加熱器13のヒータ131の駆動を制御する。制御部は、センサ277の検知結果に基づいて、装置の駆動を停止したり、排水タンク71が満水であることを報知したりする。
【0031】
(4)フレーム
フレーム4は、図5又は図6に示すように、ローター支持部41、上連通路形成部42、下連通路形成部43、ダクト21とで加熱器13への送風路を構成する送風路形成部44、制御機能部6の回路ケース61を支持するケース支持部45、除湿機能部1又は吸排機能部3を固定する固定部等を有する。
フレーム4は、板状部46と、板状部46から延伸する延伸部47とを有している。下延伸部471は、図12に示すように、板状部46の下端であって左右方向の全領域から後方へ延伸する。これにより、板状部46の下部側を補強できる。下延伸部471は、下連通路形成部43の下方にあり、下連通路173(下連通体177)の貫通孔173cに対応して貫通孔471aが形成されている。
【0032】
(5)排水トレー
排水トレー23は、図11に示すように、少なくともレシーバ15及び冷却器17の下側に設けられている。排水トレー23は、フレーム4の下方、具体的にはフレーム4と排水貯留部7との間に設けられている。排水トレー23はフレーム4の下延伸部471の下側にねじ239等により固定されている。
排水トレー23がフレーム4に装着された状態を下方から見ると、レシーバ15及び冷却器17のほとんどが排水トレー23により隠れる。排水トレー23は、図11の(b)に示すように、フレーム4の板状部46の後側に設けられている。
排水トレー23は、図12及び図14に示すように、左右に長い凹部231を有し、凹部231の左右方向の中央側に前後方向に延伸する溝部232が形成されている。
なお、溝部232の左右両側の底壁部分は溝部232に向かうにしたがって低くなるように傾斜している。これにより、凹部231で受けた水が溝部232に向かって流れる。また、下連通路173の貫通孔173cとフレーム4の下延伸部471の貫通孔471a(図12参照)は凹部231の上方に位置する。
【0033】
溝部232は、前側に移るにしたがって低くなるように傾斜している。つまり、溝部232の前端が排水トレー23の排出口233と繋がる。これにより、凹部231で受けた水は、溝部232を通って前側の排出口233から排水貯留部7に排出される。
排水トレー23は、凹部231の開口縁(上端縁)から外方へ延伸する横延伸部234と、横延伸部234の後端から上方へ延伸する上延伸部235とを有している。排水トレー23は、上延伸部235がフレーム4の下延伸部471の後端に当接又は近接すると共に横延伸部234が下延伸部471に当接又は近接する状態で、フレーム4に固定される。これにより、下延伸部471の後端から排水トレー23外に水が流れるのを規制できる。
【0034】
排水トレー23には、排水タンク71の脱着に合わせて排出口233を開閉する止水弁25が設けられている。
止水弁25は、排出口233に対して遠近する方向に移動可能に支持された弁251と、弁251を遠近方向に移動させるためのレバー253と、弁251が排出口233に近づく方向(塞ぐ方向)に付勢する付勢手段255とを備える。
レバー253は、排水貯留部7の排水タンク71の挿抜(脱着)に伴って移動するように支持され、排水タンク71が装着されると弁251が排出口233から離れる方向(開く方向)に移動し(開状態となる)、排水タンク71が外されると弁251が排出口233に近づく方向(塞ぐ方向)に付勢手段255により移動する(閉状態となる)。これにより、排水タンク71が装着されていない状態で、排出口233から排水貯留部7側に水が流れるのを防止できる。
【0035】
(6)排水貯留部
排水貯留部7は、図2に示すように、筐体5の下部側、つまり、除湿機能部1と吸排機能部3の下側に設けられている。
排水貯留部7は、図3及び図4に示すように、筐体5の下部の開口部5cに着脱(挿抜)可能に装着される排水タンク71を備える。排水タンク71は、タンク本体73と、タンク本体73の上部開口を覆うタンク蓋体75とを備える。タンク蓋体75は、中央部に凹部751を有し、その底部分に受入口753を有している。受入口753は、排水トレー23からの排水を受け入れる。タンク蓋体75は、排水タンク71の装着時には、排水トレー23に設けられている止水弁25のレバー253を移動させるための移動部755を有している。移動部755は、レバー253に当接するように上方に突出する凸部により構成されている。
【0036】
(7)センサ
除湿装置Aは、加熱器13、レシーバ15等の温度を検知する温度センサが設けられている。
加熱器13には、図8の(b)に示すように、温度センサ271とヒューズ272とがヒータケース本体132の側壁部132cに設けられている。ヒータケース本体132に装着され且つヒータケース本体132の内部の温度を検知するための温度センサ273(図9参照)が設けられている。これにより、ヒータケース本体132の内外の温度を精度よく検知できる。
【0037】
レシーバ15には、図11に示すように、温度センサ274が側壁部151に設けられている。これによりレシーバ15の温度を検知できる。温度センサ274は、図13に示すように、温度検知部274aがレシーバ15の内部に配されている。
レシーバ15には、ヒューズ275(図16参照)が設けられている。ヒューズ275は、吸排機能部3により発生する空気の流れにおいて、除湿ローター11の上流側(後側)に配されている。
【0038】
上連通路172には、図11の(a)に示すように、連通路内の温度を検知する温度センサ276が設けられている。温度センサ276は、図13に示すように、上連通体176に設けられ、ボス部176dの貫通孔から先端部276aが延出している。先端部276aは、除湿ローター11の回転軸と平行に延伸している。先端部276aは、図16に示すように、レシーバ15の連通口155と対向するように、ここでは、連通口155の上方に設けられている。これにより、上連通路172内を流れる空気の温度を検知できる。
【0039】
フレーム4には、排水タンク71に貯留する排水の水量を検知するセンサ277が設けられている。排水タンク71には、水量によって上下動するフロートに磁石77が設けられ、センサ277はフロートの磁石77の磁気を検知する。つまり、センサ277は磁気センサである。センサ277は、図17に示すように、モータ193の磁界の影響を受け難い位置に設けられている。具体的には、モータ193のコイル195の中心軸C1と平行であって中心軸C1から最も離れた位置を通る仮想線L1,L2の間に位置しないように、センサ277が設けられている。なお、センサ277は、基板に実装され、ケース281に収容された状態で、フレーム4の下延伸部471に設けられている。なお、モータ193は、所謂、くまとりモータ又はスケルトンモータである。
【0040】
吸排機能部3には、図15の(b)に示すように、ファン31の回転を検知する検知センサ278が設けられている。検知センサ278は、ファン31の回転部にマーカ(銀色)を塗布し、当該マーカを検知する赤外線センサにより構成されている。なお、マーカは、赤外線センサと対向するファン31のホイール311に設けられている。
【0041】
(8)筐体
筐体5は、図3及び図4に示すように、前筐体51と後筐体53とを備え、取手55が前筐体51と後筐体53の左右壁部に跨って設けられている。
除湿機能部1の冷却器17と対向する側の壁部(後壁部)には、吸気口5aが設けられ、当該吸気口5aにフィルタ57が着脱可能に設けられている。
筐体5は、前壁部又は後壁部、ここでは後壁部に排水タンク71用の開口部5cが形成されている。
【0042】
3.送風装置
送風装置Bは、図1図3に示すように、送風機能部8と、送風機能部8を支持するベース9とを備える。送風機能部8は、左右方向を回転軸として送風向きを調整可能にベース9に支持される。ベース9は、上下方向を回転軸として送風向きを変更可能に除湿装置Aに支持される。
(1)送風機能部
送風機能部8は、図20に示すように、送風ファン81と、送風ファン81を駆動させる駆動モータ82と、駆動モータ82を収容するケース83とを送風筐体84に備える。
送風筐体84は、左右方向の外方に突出する軸部841を有する。送風筐体84の上面84a及び下面84bには、連通用の貫通孔84c,84dが設けられている。
【0043】
(2)ベース
ベース9は、図3及び図4に示すように、全体形状として箱状の上壁と前壁とに跨る凹入部9aを有するような形状をし、凹入部9aに送風機能部8が配される。
ベース9は、図18に示すように、送風機能部8を支持する上ベース90と、除湿装置Aの上面に取り付けられる下ベース95とを備える。
【0044】
上ベース90は、除湿装置Aに対して上下軸回りに回転する回転機能部91と、使用者が除湿装置Aや送風装置Bを操作するための操作受付部92とを上ベース筐体93に有する。
操作受付部92は、操作ボタン921と、操作ボタン921を実装する基板923とを備え、上壁体934の裏側に装着されている。
【0045】
上ベース筐体93は、図20に示すように、上ベースフレーム931と、上ベースフレーム931の左右方向の外側に配される一対の外壁体932と、後側を覆う後壁体933と、上側を覆う上壁体934とを有する。
上ベースフレーム931の底壁部931aは、除湿装置Aから排出された空気を送風機能部8に供給するための貫通孔931bと、回転機能部91を収容するための突出部分931cとを前後方向に有する。上ベースフレーム931の内側壁部931dは、送風機能部8の軸部841が嵌合する欠け部931eと、軸部841の複数個の凹部841aに出没可能な嵌合部935とを有する。嵌合部935は、凹部841aに嵌合する凸体と、凸体を凹部841a側に付勢する付勢手段とを備える。これにより、送風機能部8の送風向きを調整可能となる。
後壁体933には、後側の空気を送風機能部8に供給するための貫通孔933aを備える。
【0046】
上ベースフレーム931は、図18に示すように、送風装置Bが左右方向に回転する際に、下ベース95のレール部材97の上面に当接する当接体94を支持する。当接体94の先端部(下端部)は球面状をし、当該先端部が支持部941から下方に張り出す。当接体94は、ポリエチレン、SUS304等の材料により構成される。なお、レール部材97はPOM樹脂により構成され、従来は、当接体94にガラス材料を使用していたが、レール部材97との摺動によりレール部材97が削れ、その削れたPOM粉がガラス球表面に付着し、POM粉とレール部材97とが擦れて軋み音が発生したが、ポリエチレン又はSUS304により構成することで、レール部材97が削れるのを抑制でき、軋み音の発生も抑制できる。
なお、支持部941は、上下方向の筒軸に沿って一部が欠けた筒部分941aと、当接体94の一部が嵌る凹み又は孔を有し且つ筒部分941aと対向すると共に筒部分941aに遠近可能に弾性変形する板部分941bとで構成される。
【0047】
回転機能部91は、図20の(b)に示すように、モータ911とギア体913とをベース板915に有し、当該ベース板915が上ベースフレーム931の底壁部931aに固定される。ギア体913が下ベース95のギア体98に噛み合うことで、送風装置Bは、除湿装置Aに対して、上下方向を回転軸として反時計回り又は時計回りに回転可能となる。
ベース板915には、図18に示すように、除湿装置Aと送風装置Bとを接続するケーブルが挿通される筒部916が設けられている。なお、筒部916は下方へと延伸する。
【0048】
下ベース95は、図19に示すように、板状の下ベース本体96と、下ベース本体96の上面に配されるレール部材97と、上ベース90の回転機能部91のギア体913と噛み合うギア体98と、送風装置Bと除湿装置Aとを電気的に接続するケーブルを挿通するためのガイド部材99とを備える。
【0049】
下ベース本体96は、除湿装置Aからの空気を送風機能部8に供給するための貫通孔961、上ベース90が下ベース95から外れるのを防止する固定具が挿通する貫通溝962、制御機能部6用の貫通孔963、レール部材97が嵌合するための凹部964、ガイド部材99の筒部991が挿通するための筒部967、ガイド部材99を固定するための固定部965a,965b、ギア体98を固定する固定部966等を有する。
貫通溝962は、上ベース90の上下方向の回転軸を中心とした円弧状をしている。当該貫通溝962の下側に配され且つ貫通溝962の通過が許容されないワッシャ951を下側から挿通するねじ952が、図18に示す上ベースフレーム931のねじ孔931fに螺合する。これにより、上ベース90が回転軸周りに回転可能であって下ベース95から外れるのを防止できる。なお、固定具は、ワッシャ951とねじ952とで構成される。
【0050】
レール部材97は、図19に示すように、環状をしている。内周は、貫通孔961,963、前後の円弧状の貫通溝962の外側に位置するように構成されている。レール部材97は、上ベース90の当接体94に当接する円弧状の当接部971を前後に有している。
なお、貫通溝962の円弧は、上ベース90が回転する回転軸を中心として、上ベース90の回転域に対応している。
レール部材97は、下ベース本体96の貫通孔を下側から挿通するねじ953がレール部材97のねじ孔(ねじ穴)972に螺合することで、下ベース本体96に固定される。
【0051】
ギア体98は、有蓋筒状をし、周壁部がギア部981となっている。ギア体98は、下ベース本体96の筒部967に嵌合する状態で、蓋部の貫通孔を上側から挿通するねじ954が下ベース本体96の固定部966であるねじ孔に螺合することで、下ベース本体96に固定される。
なお、図18に示す、上ベース90の筒部916がギア体98の貫通孔983を通って下ベース本体96の筒部967の内側に嵌合する。
【0052】
ガイド部材99は下ベース本体96の筒部967内に嵌合する筒部991と、筒部991の下端から直交する方向に張り出すベース部993とを有する。ガイド部材99は、ベース部993から上方に延伸する係合爪995が、下ベース本体969の係合孔968に係合することで、下ベース本体96に着脱可能に装着される。この際、筒部991は、上ベース90の筒部916の内側に挿入される(筒部991が最内周側に位置する)。ガイド部材99は、ベース部993の貫通孔を下側から挿通するねじ955が、下ベース本体96の固定部(ねじ孔)965bに螺合することで、下ベース本体96に固定される。これにより、除湿装置Aと送風装置Bとを接続するケーブルが、下ベース95に固定された筒部991を挿通することとなり、例えば、ケーブルが筒部991と接触している場合でも送風装置Bの左右の回転によるケーブルと筒部991との摩耗を少なくできる。
【0053】
<変形例>
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0054】
1.除湿機
実施形態では、送風装置Bを備えていたが、除湿装置Aに着目している場合、送風装置Bを備えない除湿機でもよい。また、加湿装置、空気清浄装置等の他の装置を備えてもよい。
【0055】
2.除湿装置
(1)除湿ローター
除湿ローター11は、少なくとも、吸水材111を備えればよく、吸水材111の保持構造(ローターカバー113)に着目しない場合、吸水材111の保持構造は、実施形態以外の他の構造であってもよい。他の構造としては、ローターカバー113を備えず、ローターカバー113の連結部113cと環状部113dとをフレーム4に設けた構造である。
除湿ローターの駆動構造は、実施形態以外の他の構造であってもよい。他の構造としては、除湿ローター11を中心軸で駆動する構造である。
ローターカバー113は、ローターフレーム112と別体で構成されていたが、ローターフレームと一体形成による一体品であってもよい。ローターカバー113は、吸水材111の表裏(前後)方向の一方側(後側)に設けられていたが、他方側(前側)に設けられてもよいし、両側に設けられてもよい。
除湿ローター11の回転軸の延伸方向は、前後方向であったが、左右方向、上下方向、これらの方向と交差する方向であってもよい。
【0056】
(2)加熱器
加熱器13は、少なくとも、ヒータ131と、ヒータ131を保持する保持具(ここではヒータケース本体132である)とを備えればよく、ヒータケース蓋体133は備えてもよいし、備えなくてもよい。
ヒータ131は、ニッケル・クロム線を利用しているが、他の材料、例えば、鉄・クロム線を利用してもよい。ヒータ131は、周方向の両端が折り返されたジグザグ状をしているが、例えば、径方向の両端で折り返したジグザグ状であってもよいし、渦巻き状であってもよい。
ヒータ131は、除湿ローター11の厚み方向に2重になっていたが、1重であってもよいし、3重以上であってもよい。
ヒータ131は、ヒータケース本体132の後側(除湿ローター11側)に配されているが、ダクト21に整流部211aを有しない場合、ヒータケース本体132の後側以外に配されてもよいし、後側から前側の前後方向の広い範囲に亘って配されてもよい。
ヒータケース本体132及びヒータケース蓋体133は、扇状をしているが、三角形状、台形形状、多角形状であってもよい。但し、除湿ローター11が円盤状をしている場合、三角形状、扇状の方が、除湿ローター11との対向面積を抑えつつ、除湿ローター11の中心から円周端縁までの広い範囲を覆う(加熱する)ことができる。
加熱器13の位置は、除湿ローター11を加熱できればよく、前側から見ると、除湿ローター11の第2象限以外の位置でもよい。
【0057】
(3)ダクト
ダクト21は、流路の途中で屈曲する「く」字状又はこれに似た形状をしているが、屈曲部分を2以上有する他の形状(例えば「コ」字状である)であってもよいし、屈曲部分を有しない他の形状(例えば「I」字状である)であってもよい。
ダクト21の端部21aの形状は、除湿ローター11の径方向に長い矩形状をしていたが、方形であってもよいし、径方向に長い楕円形状であってもよい。
ダクト21は、加熱器13に供給する空気の流れに着目しない場合、整流部211aを有しなくてもよい。
整流部211aは、一体成形によりダクト本体211に一体化されているが、整流部211aを有する整流部材をダクト21の端部21aに設けてもよいし、整流部211aを有する端部部材をダクト本体211に設けてもよい。
【0058】
(4)レシーバ
レシーバ15は、除湿ローター11を挟んで加熱器13と対向すればよい。レシーバ15の形状は、扇状をしているが、三角形状、台形形状、多角形状であってもよい。但し、除湿ローター11が円盤状をしている場合、三角形状、扇状の方が、除湿ローター11との対向面積を抑えつつ、除湿ローター11の中心から円周端縁までの広い範囲を覆う(加熱する)ことができる。
【0059】
(5)冷却器
冷却器17は、少なくとも、熱交換部171を備えればよい。熱交換部171は、供給された空気中の水蒸気を凝縮できればよい。熱交換部171を流れる方向は、上下方向であるが、左右方向、前後方向、これら(上下方向を含む)と交差する方向であってもよい。
熱交換部171に接続する上連通路172及び下連通路173は、フレーム4、上連通体176、下連通体177とで構成されているが、フレーム4を利用せずに上連通路172又は下連通路173を構成してもよい。
上連通路172は、熱交換部171に供給する空気の流れに着目しない場合、起立部172fを有しなくてもよい。上連通路172は、円弧部172aと延伸部172bとを有しているが、例えば、円弧部172aをレシーバ15側に設けてもよい。この場合、起立部172fを、レシーバ15側の円弧部の下流端に設けてもよいし、円弧部のない上連通路172(延伸部172b)上流端に設けてもよい。
【0060】
(6)送風器
送風器19は、加熱器13、除湿ローター11、レシーバ15、冷却器17を流れるように空気を送風できればよく、その配置位置は、冷却器17と加熱器13との間でなくてもよい。但し、熱、水分(蒸気)を考慮すると、これらの影響を受け難い冷却器17と加熱器13の間が好ましい。
送風器19は、ダクト21の上流側の端部に設けられているが、専用のケースに収容されて、当該ケースがダクト21に取り付けられてもよい。送風器19は、ダクトの中間に設けられてもよい。送風器19は、フレーム4に対して冷却器17と反対側に設けられているが、冷却器17側に設けられてもよい。
【0061】
(7)排出トレー及び止水弁
排水トレー23は、排水タンク71を外した状態で発生する排水に着目しない場合、備えなくてもよい。
排水トレー23は、凹部231に溝部232を有しているが、溝部232に相当する部分の両側を傾斜面とすることで溝部232を備えなくてもよい。排水トレー23は、止水弁25を備えているが、備えなくてもよい。但し、止水弁25を有する方が、排水タンク71を外した状態で、排水タンク71の装着部位に流れるのを規制できる。
溝部232は、排水タンク71の挿抜方向に沿って設けられているが、排水トレー23で受けた水を排水タンク71側に誘導できればよく、その延伸方向は特に限定するものではない。但し、排水タンク71の挿抜(着脱)に合わせて弁251が開閉するように、レバー253を設ける必要がある。
止水弁25は、排水タンク71の挿抜に合わせて、弁251を開閉できればよく、その構造は特に限定するものではない。例えば、排水タンク71に嵌合部を設け、排水タンク71の挿抜に合わせて嵌合部が弁251を直接移動させるようにしてもよい。止水弁25の開閉は機械的に行っているが、例えば、排水タンク71の装着を電気的に検知するセンサを設け、当該センサからの信号により排出口233を開閉する電子弁であってもよい。
【0062】
(8)吸排機能部
吸排機能部3のフード部332は、筐体5とで、筐体5内の空気を排出するための排出路を構成しているが、排出路をフード部332だけで構成するようにしてもよい。
(9)フレーム
フレーム4は、除湿機能部1を構成するユニットや吸排機能部3を構成するユニットを支持できる構造であればよく、実施形態の構造以外でもよい。
(10)筐体
筐体5は、除湿機能部1、吸排機能部3及び排水タンク71等の位置に対応して、吸気口5a、排気口5b、開口部5cを有し、フレーム4を支持できればよく、形状、構造等を特に限定するものではない。
【0063】
3.送風装置
送風機能部は、上下方向を回転軸として回転駆動する機能を備えているが、左右方向を回転軸として回転駆動する機能を備えてもよい。
操作受付部92は、送風装置Bに設けられているが、除湿装置Aに設けられてもよいし、除湿機能の操作受付部は除湿装置Aに、送風機能の操作受付部は送風装置Bに別体で設けられてもよい。
下ベース95は、送風装置B側の構成としているが、除湿装置A側の構成としてもよい。
【0064】
<<発明>>
実施形態及び変形例を一例として、少なくとも、以下の発明が含まれる。
<発明1>
1.先行技術
特許第4442062号公報には、空気中の水分を吸脱着するための除湿ローターと、この除湿ローターを加熱する発熱ユニットとを設け、発熱ユニットは加熱ヒータを備えている除湿機が開示されている。
しかしながら、上記の除湿機は、加熱ヒータ(実施形態のヒータに相当する)の表面温度のバラツキが大きく、除湿ローターの水分脱着性能が低下するという欠点があった。
発明1は、ヒータの表面温度のバラツキの小さな除湿機を提供することを目的とする。
【0065】
2.発明1
(1)第1の除湿機
第1の除湿機は、
回転可能に支持された除湿ローターと、
前記除湿ローターの上流側に配された加熱器と、
前記除湿ローターの下流側に配されたレシーバと、
前記レシーバの下流側に配された冷却器と、
前記加熱器、前記除湿ローター、前記レシーバ及び前記冷却器を通過するように空気を送り込むための送風器と、
前記送風器と前記加熱器とを接続するダクトと
を備え、
前記ダクトには、前記送風器により送り込まれた前記空気を整流して前記加熱器に供給する整流部を備え、
前記整流部は、前記空気が前記加熱器のヒータに向かって進むように曲がっている。
整流部は、空気がヒータに向かって進むように構成されているため、送風器からの空気がヒータに直接向かうこととなり、加熱された空気の温度バラツキを小さくでき、温度バラツキの小さな空気が除湿ローターを通過することになり、除湿ローターの水分脱着性能を向上できる。
発明1は、ダクトから加熱器に供給される空気の流れに着目するものであり、除湿ローター、レシーバ、冷却器、送風器について実施形態に限定するものではない。
【0066】
(2)第2の除湿機
第2の除湿機は、第1の除湿機において、
前記加熱器は、前記ヒータを前記除湿ローター側に収容するケースを備え、
前記整流部は、前記ダクトの前記加熱器側端部における前記除湿ローターから離れた側の壁部に設けられ、
前記壁部は、前記加熱器に近づくにしたがって前記ヒータ側に近づくように傾斜している。
これにより、除湿ローターから離れた側のケースの壁部とヒータとの間に空気が留まるのを少なくでき、空気の加熱効率を高めることができる。
ここで「ヒータを除湿ローター側に収容する」とは、除湿ローターの回転軸と平行な方向において、除湿ローターとケースの中心との間にヒータの中心が位置する状態で、ヒータを収容することをいう。
ここで「除湿ローターから離れた側の壁部」とは、除湿ローターの回転軸と平行な方向において、離れた側の壁部をいう。
【0067】
(3)第3の除湿機
第3の除湿機は、第1又は第2の除湿機において、
前記整流部は、前記壁部から前記除湿ローターの回転軸と平行な方向であって前記除湿ローター側に向かって起立する。
これにより、ダクトの加熱器側端部で空気の流れが弱められ、ヒータにより加熱される時間が長くなり、空気が効率よく加熱される。
【0068】
(4)第4の除湿機
第4の除湿機は、第1~第3の除湿機において、
前記冷却器は、熱交換部と、前記熱交換部の上流側と前記レシーバとを接続する連通路とを有し、
前記レシーバは、前記除湿ローターの中心又は中心付近を中心角とする扇状又はこれに似た形状をし、前記連通路と円弧部分で接続し、
前記連通路は、前記レシーバの円弧部分の外周側に位置する円弧部と、前記円弧部における下流側の端部から延伸する延伸部とを有し、
前記延伸部における前記除湿ローターの中心から離れた外壁と前記円弧部における前記中心から離れた外壁との接続部分又はその付近の部分に、前記中心に向かって起立する起立部が設けられている。
これにより、連通路における風速の速い部分を起立部で遮ることとなり、レシーバを通過した空気が均等に熱交換部に供給される。
起立部の位置の「接続部分又はその付近の部分」とは、接続部分(境界部分でもある)を含み、接続部分から、延伸部側又は円弧部側に除湿ローターの半径の20%まで領域をいう。
【0069】
(a)前記ダクトの加熱器側端部は、当該端部を流れる空気の流れ方向と直交する断面が、矩形状、方形状又はこれらに似た形状をし、前記壁部は、前記除湿ローターと平行又は前記除湿ローターに沿って広がる壁部であって前記除湿ローターから離れた側の壁部である。これにより、ダクトの加熱器側の端部の空間面積を大きく確保しつつ、除湿ローターの回転軸と平行な方向の寸法を小さくできる。
(b)前記連通路の延伸部は、前記円弧部の下流側端部から接線方向に延伸する。これにより、円弧部から延伸部へと、空気がスムーズに流れる。
なお、連通路は、熱交換部の上流側にあればよく、延伸部が水平方向に延伸してもよいし、水平方向に対して交差する方向に延伸してもよいし、上下方向に延伸してもよいし、上下方向に対して交差する方向に延伸してもよい。
(c)レシーバの位置は、扇の中心角が除湿ローターの中心又は中心付近に存在する。
なお、除湿ローターに対するレシーバの位置は、回転軸の延伸方向であってレシーバ側から見たときに第1象限にあっても良いし、第1象限と第2象限とに跨るようにあってもよいし、第1象限と第4象限とに跨るようにあってもよい。
なお、「中心又は中心付近」とは、中心を含み、中心からの距離が除湿ローターの半径の20%までの位置をいう。
【0070】
<発明2>
1.先行技術
特開2021-151648号公報には、排水タンクの上方に、熱交換ユニットからの水滴を受ける排水トレーを備えた除湿機が開示されている。
しかしながら、上記の除湿機は、水滴を受ける位置に排水トレーが配置されているため、熱交換ユニット以外から出る水滴は、排水トレーで受けられることなく直接排水タンクに落下していた。
したがって、運転停止直後などに排水タンクを取り外すと、熱交換ユニット以外から出る水滴が、排水タンクに溜まらず、筐体の底部等に溜まるおそれがある。
本発明2は、排水タンクが取り外された状態でも、水滴が筐体の底部に落下することを抑制できる除湿機を提供することを目的とする。
【0071】
2.発明2
(1)第1の除湿機
第1の除湿機は、
回転可能に支持された除湿ローターと、
前記除湿ローターの上流側に配された加熱器と、
前記除湿ローターの下流側に配されたレシーバと、
前記レシーバの下流側に配された冷却器と、
前記加熱器、前記除湿ローター、前記レシーバ及び前記冷却器を通過するように空気を送り込むための送風器と、
前記冷却器により発生した水を貯留し且つ着脱可能に設けられた排水タンクと
を備え、
少なくとも前記レシーバ及び前記冷却器の下側に排水トレーを備える。
これにより、冷却器及び冷却器以外から出る水滴を排水トレーで受けることができる。よって、排水タンクが取り外された状態でも、水滴が筐体の底部に落下することを抑制できる。
発明2は、除湿機能部から発生する水滴と、当該水滴を受ける排水トレーとの位置関係に着目するものであり、除湿ローター、加熱器、レシーバ、冷却器、排水タンクについて実施形態に限定するものではない。
【0072】
(2)第2の除湿機
第2の除湿機は、第1の除湿機において、
前記除湿ローター、前記加熱器、前記レシーバ、前記送風器及び前記冷却器を支持するフレームを備え、
前記排水トレーは、前記フレームの下方に配されている。
これにより、レシーバ及び冷却器からフレームに伝わった水滴を排水トレーにより受けることができる。
排水トレーは、少なくともレシーバ及び冷却器がある領域の下方に位置すればよく、フレームの全領域の下方に位置してもよい。
【0073】
(3)第3の除湿機
第3の除湿器は、第1又は第2の除湿機において、
前記排水トレーは、前記排水タンクへと排水するための排出口に止水弁を備え、
前記止水弁は、前記排水タンクが装着されると開状態となり、前記排水タンクが取り外されると閉状態となる。
これにより、排水タンクが取り外された状態において排水トレーからの排水を止めることができる。
【0074】
<発明3>
1.先行技術
特許第5879469号には、熱交換器の入口の雰囲気温度を検出する温度検出手段を備えた除湿機が開示されている。
しかしながら、上記の温度検出手段では発熱ユニット(実施形態の加熱器に相当する)の正確な温度を測定できず、発熱ユニットの温度を精度よく制御することはできない。
また、温度検出手段が加熱ヒータ(実施形態のヒータに相当する)から離れた位置にあるため、再生風路(実施形態の連通路に相当する)の異常高温も正確に測定することができない。
本発明3は、加熱器の温度を精度よく制御できる除湿機を提供することを目的とする。
【0075】
2.発明3
(1)第1の除湿機
第1の除湿機は、
回転可能に支持された除湿ローターと、
前記除湿ローターの上流側に配された加熱器と、
前記除湿ローターの下流側に配されたレシーバと、
前記レシーバの下流側に配された冷却器と、
前記加熱器、前記除湿ローター、前記レシーバ及び前記冷却器を通過するように空気を送り込むための送風器と
を備え、
前記冷却器は、熱交換部と、前記熱交換部の上流側と前記レシーバとを接続する連通路とを有し、
前記連通路内であって、前記レシーバの連通口と対向する位置に温度センサが設けられている。
これにより、加熱器で加熱された空気の温度を精度よく測定できる。よって、加熱器のヒータの温度を精度よく制御できる。
発明3は、加熱器により加熱された空気の温度を検知する温度センサの位置に着目するものであり、除湿ローター、加熱器、送風器について実施形態に限定するものではない。
また、連通路は、熱交換部とレシーバとを接続すればよく、実施形態に限定するものでなく、レシーバは、連通路と接続すればよく、実施形態に限定するものではない。
【0076】
(2)第2の除湿機
第2の除湿機は、第1の除湿機において、
前記レシーバは、前記除湿ローターの中心又は中心付近を中心角とする扇状又はこれに近い形状をすると共に前記連通路と円弧部分で接続し、
前記連通路は、前記レシーバの円弧部分の外周側に位置する円弧部と、円弧部における下流側の端部から延伸する延伸部とを有し、
前記延伸部と前記円弧部の接続部分よりもレシーバ側に前記温度センサが設けられている。
これにより、連通路内を流れる空気の温度を精度よく検知できる。
【0077】
<発明4>
1.先行技術
特開2021-151648号公報は、加熱ユニット(実施形態の「加熱器」に相当する)と樹脂パイプ(実施形態の「熱交換部」に相当する)とを連通する上連通路(実施形態の「連通路」に相当する)を備えた除湿機が開示されている。
しかしながら、上連通路内において、上側の風速が速く、下側の風速が遅くなっており、上連通路内の風速が均一ではなかった。そのため、熱交換部の場所による熱交換の性能のバラツキが大きい。よって、熱交換性能が低いものであった。
【0078】
2.発明4
(1)第1の除湿機
第1の除湿機は、
回転可能に支持された除湿ローターと、
前記除湿ローターの上流側に配された加熱器と、
前記除湿ローターの下流側に配されたレシーバと、
前記レシーバの下流側に配された冷却器と、
前記加熱器、前記除湿ローター、前記レシーバ及び前記冷却器を通過するように空気を送り込むための送風器と、
を備え、
前記冷却器は、熱交換部と、前記熱交換部の上流側と前記レシーバと接続する連通路とを有し、
前記レシーバは、前記除湿ローターの中心又は中心付近を中心角とする扇状又はこれに似た形状をし、前記連通路と円弧部分で接続し、
前記連通路は、前記レシーバの円弧部分の外周側に位置する円弧部と、円弧部における下流側の端部から延伸する延伸部とを有し、
前記延伸部における前記除湿ローターの中心から離れた外壁と前記円弧部における前記中心から離れた外壁との接続部分又はその付近の部分に、前記中心に向かって起立する起立部が設けられている。
これにより、風速の一番速い部分を起立部で遮ることで、加熱された空気が熱交換部に均一に流れ、熱交換機能を高めることができる。
ここでは、冷却器の連通路内の空気の流れに着目するものであり、除湿ローター、加熱器、送風器について実施形態に限定するものではない。
但し、連通路及びレシーバは、除湿ローターの中心から遠い側を流れる空気が、中心に近い側を流れる空気よりも早くなるような構成が必要である。
起立部の位置の「接続部分又はその付近の部分」は、発明1の第4の除湿機と同様である。
【0079】
(2)第2の除湿機
第2の除湿機は、第1の除湿機において、
前記除湿ローターの下流側であって前記レシーバにおける除湿ローターの回転方向側の端部に温度ヒューズが設けられている。
これにより、除湿ローターの下流側の温度を検知できる。
(3)第3の除湿機
第3の除湿機は、第1又は第2の除湿機において、
前記連通路の延伸部は、前記円弧部の下流側端部から接線方向に延伸する、
除湿機。
これにより、円弧部から延伸部へと、空気がスムーズに流れる。
なお、連通路は、熱交換部の上流側にあればよく、延伸部が水平方向に延伸してもよいし、水平に対して交差する方向に延伸してもよいし、上下方向に延伸してもよいし、上下方向に対して交差する方向に延伸してもよい。
【0080】
(4)第4の除湿機
第4の除湿機は、第1~第3の除湿機において、
前記レシーバは、扇の中心角が前記除湿ローターの中心又は中心付近に存在し且つ前記円弧部が前記除湿ローターの外周縁の近傍に位置する状態で、設けられる。
これにより、効率よく除湿ローターを加熱できる。
ここで「近傍」とは、外周縁に対して径方向の内側又は外側を含み、外周縁との距離が除湿ローターの半径の20%以内にあることをいう。
なお、レシーバの円弧部は、除湿ローターを通過した空気が流れる領域における円弧部であり、レシーバ全体の円弧部でない場合がある。レシーバの位置は、回転軸の延伸方向であってレシーバ側から見たときに第1象限にあっても良いし、第1象限と第2象限とに跨るようにあってもよいし、第1象限と第4象限とに跨るようにあってもよい。
なお、「中心又は中心付近」とは、中心を含み、中心からの距離が除湿ローターの半径の20%までの位置をいう。
【0081】
<発明5>
1.先行技術
特開2021-151648号公報には、除湿機能部(実施形態の除湿装置に相当する)の上方に送風部(実施形態の送風装置に相当する)を備える除湿機が開示されている。
しかしながら、筐体内に吸気したり、筐体外に排気したりするためのファン用のモータが故障している状態で、除湿機能部及び送風部を駆動させると、送風部の駆動により除湿機能部が負圧になり、筐体の吸気口から吸気される。そのため、除湿機能部の温度があまり上昇せず、モータの故障を検出できない場合がある。
発明5は、ファン用のモータの故障を検出できる除湿機を提供することを目的とする。
【0082】
2.発明5
(1)第1の除湿機
第1の除湿機は、
吸気口と排気口とを有する筐体内に除湿機能部と吸排機能部とを有する除湿装置と、
前記筐体の排気口から排出された空気を送風する送風機能部を有する送風装置と
を備え、
前記吸排機能部は、ファンと、モータと、前記ファンの回転を検知する回転センサを有する。
これにより、モータの故障を検出できる。
ここでは、モータの回転の検知に着目するものであり、筐体、除湿機能部、送風装置について実施形態に限定するものではない。
【0083】
<発明6>
1.先行技術
特開2021-151648号公報には、除湿機能部の上方に送風部を備える除湿機が開示されている。当該除湿機は、除湿機能部(実施形態の除湿装置に相当する)の上壁に対して送風部(実施形態の送風機能部又は送風装置に相当する)を左右に回転可能とすることで送風部の首振りを可能とし、送風部用の電源部は除湿機能部側に設けられている。
しかしながら、送風部と電源部との配線は首振りの回転中心付近に設けられており、送風部に設けられたガイド部材内を配線が挿通するように構成されているため、首振り時に配線がガイド部材に擦れて配線の寿命が低下するおそれがある。
発明6は、配線が擦れ難い除湿機を提供する。
【0084】
2.発明6
(1)第1の除湿機
第1の除湿機は、
筐体内に除湿機能部と電源部を備える除湿装置と、
前記筐体の上壁に左右に回転可能に設けられた送風装置と
を備え、
前記送風装置と前記電源部との配線は、前記筐体の前記上壁の貫通孔を通り、
前記筐体の上壁には、前記配線が挿通するガイド部が設けられている。
これにより、送風装置の回転の際に、ガイド部又はガイド部材が回転しないため、配線との擦れを少なくできる。つまり、送風装置の回転に伴う配線の回転(ねじれ)は、送風装置の回転よりも小さい。配線がガイド部に接触している場合、ガイド部が送風装置側に設けられていると送風装置の回転中接触することとなる。一方、ガイド部が除湿装置に設けられているとガイド部は回転しないため、配線が回転するときだけ接触することとなる。
ここでは、左右に回転可能な送風装置の配線に着目するものであり、筐体、除湿機能部、電源部、送風装置について実施形態に限定するものではない。
なお、ガイド部は、筐体側に一体(例えば、樹脂材料の一体成形品の場合)に設けられている場合、別部材として設けられている場合を含む。
【0085】
<その他>
各発明の発明特定事項は、他の発明の発明特定事項により限定されるものではない。また、各発明は、他の発明の発明特定事項を含んでもよいし、実施形態に記載の構成を含んでもよい。
【符号の説明】
【0086】
X 除湿機
A 除湿装置
B 送風装置
1 除湿機能部
3 吸排機能部
4 フレーム
5 筐体
5a 吸気口
5b 排気口
5c 開口
7 排水貯留部
8 送風機能部
9 ベース
11 除湿ローター
13 加熱器
15 レシーバ
17 冷却器
19 送風器
21 ダクト
23 排水トレー
25 止水弁
211a 整流部
211b 前壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20